JP2007223583A - 車両制動距離予測装置および車両制動距離予測方法 - Google Patents

車両制動距離予測装置および車両制動距離予測方法 Download PDF

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Abstract

【課題】走行中の車両の制動距離について定量的に予測することができる、車両制動距離予測装置および車両制動距離予測方法を提供する。
【解決手段】車両が走行している最中の、タイヤの所定部位の時系列の加速度データを取得し、所得した前記加速度データから、タイヤの変形に基づく加速度成分を除去して、タイヤの変形に基づく加速度成分が除去された、変形成分除去後加速度データを周波数分析して周波数スペクトルを求め、周波数スペクトルの積算値を求めるとともに、求めた前記積算値に基づいて、制動距離を予測するための制動距離パラメータを算出し、算出された前記制動距離パラメータに基づいて、車両の制動距離の予測値を求める。
【選択図】図8

Description

本発明は、車両の制動距離を予測する装置および方法に関する。車両の制動距離とは、複数の車輪を備える車両について、この車両が走行している最中に、車両を停止させるための制動動作を開始した場合、この制動動作を開始してから車両が完全に停止するまでの間に、この車両が移動する距離である。
今日、自動車車両の多くには、より安全な走行を実現するために、ABS(antilock−brake system)が設けられている。ABSは、走行中の自動車車両を早急に停止させようとした場合に動作し、制動動作中に車輪がロックすることを防止して、車両の制動動作を開始してから車両が完全に停止するまでの間に車両が走行する距離(制動距離)を、なるべく小さくするように作用する。
しかし、当然ながら、ABSは、制動距離を比較的小さくする効果はあるが、制動距離自体が完全になくなるわけではない。自動車車両を安全に走行させるためには、走行中の車両を停止させようとした場合に、車両がどの程度まで走行して停止するのか、すなわち、この車両が停止してしまうまでに要する制動距離の長さがどの程度であるか、この車両を運転するドライバ自身がなるべく正確に把握しておくことが必要である。このような制動距離を、運転中のドライバが正確に把握しておくことができれば、例えば、車両を運転するドライバは、自身が運転する車両と前を走る車両との車間距離を、安全の為に必要な分だけ確実に保持しておくことができる。また、例えば、走行中の車両の前方に障害物を発見した場合など、運転者が的確なタイミングで制御動作を行い、車両を安全に停止させることができる。車両を安全に走行させるためには、このように、車両を運転する運転者が、車両の運転中に、車両の制動距離を把握していることが必要である。
一般的に、車両の制動距離の大まかな目安として、走行時の車両速度に応じた目安などが知られてはいる。しかし、実際の車両の制動距離には、タイヤの状態や路面の状態など種々の要因が関わっており、車両の制動距離は、タイヤの状態や路面の状態に応じて大きく変化する。このため、車両の運転中に、車両を運転する運転者が、車両の制動距離を正確に把握することはできなかった。下記特許文献1には、走行時のタイヤの走行状態およびタイヤが接地している路面の状態(路面摩擦係数など)を推定する、路面状態及びタイヤ走行状態推定装置が開示されている。
特開2003−182476号公報
上記特許文献1記載の、路面状態及びタイヤ走行状態推定装置は、走行中の車両のタイヤまたはホイルの振動を検出し、検出した振動を周波数分析して得られる周波数スペクトルのうち、一部の周波数範囲に含まれる周波数帯域の振動レベルを検出している。そして、検出した振動レベルから、走行時の路面状態(路面摩擦係数)やタイヤの状態(タイヤ内圧、磨耗、故障の予知)などを推定している。特許文献1では、このように、走行時の路面状態やタイヤの状態などを推定してはいるが、車両の制動距離を定量的に予測するための具体的手段については、一切示唆もされていない。そもそも、上記特許文献1には、推定された路面状態やタイヤの状態に基づいて、車両の制動距離を定量的に予測するといった概念についても記載されていない。このように、従来は、車両走行時のどのようなパラメータをどのように用いれば、車両の制動距離を、車両の走行中に定量的に予測することができるかといった知見は得られていなかった。このため、車両を運転するドライバは、車両の制動距離を、自身の感覚に基づいて予測することしかできなかった。
そこで、本発明は、走行中の車両の制動距離について定量的に予測することができる、車両制動距離予測装置および車両制動距離予測方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、タイヤが装着された車両について、この車両が路面を走行している最中に前記車両の走行を停止させる制動動作を行なった際、前記制動動作の開始から前記車両が完全に停止するまでの間に前記車両が移動する制動距離の長さを予測する装置であって、前記車両が走行している最中の、前記タイヤの所定部位の時系列の加速度データを取得する取得部と、取得した前記加速度データから、タイヤの変形に基づく加速度成分を除去する成分除去部と、前記タイヤの変形に基づく加速度成分が除去された、変形成分除去後加速度データを周波数分析して、周波数スペクトルを求める分析部と、前記周波数スペクトルの積算値を求めるとともに、求めた前記積算値に基づいて、制動距離を予測するための制動距離パラメータを算出する算出部と、前記算出部において算出された前記制動距離パラメータに基づいて、前記車両の前記制動距離の予測値を求める予測部と、を有することを特徴する車両制動距離予測装置を提供する。
さらに、前記タイヤの所定部位に設置されて前記所定部位の加速度データを計測する加速度センサを備えることが好ましい。
さらに、前記加速度センサによって計測された前記加速度データを前記取得部に無線で送信する送信機を備え、前記取得部は、無線で送信された前記加速度データを受信する受信機を有することが好ましい。
本発明の車両制動距離予測装置は、さらに、予め導出された、前記車両の制動距離と前記制動距離パラメータとの相関を表す関数を記憶しておく記憶部を備え、前記予測部は、前記記憶部に記憶されている前記関数を呼び出し、前記算出部において算出された前記制動距離パラメータと前記関数とに基づいて、前記制動距離の予測値を求めることが好ましい。
また、前記関数は、前記タイヤと同一仕様のタイヤが装着された車両が、複数の異なる走行条件で路面を走行した場合それぞれの、前記制動距離の実測値と前記制動距離パラメータとの相関を表す回帰式であることが好ましい。ここで、前記タイヤと同一仕様とは、前記タイヤと、サイズ、内部構造、充填空気圧の少なくともいずれか1つが同じタイヤのことである。前記タイヤと同一仕様のタイヤとしては、前記タイヤと、サイズ、内部構造、充填空気圧のうちの複数が同じタイヤであることが好ましく、これらが全て同じであることがより好ましい。さらに、前記関数としては、前記タイヤと同一仕様のタイヤが装着された、前記車両と同一仕様の車両が、複数の異なる走行条件で路面を走行した場合それぞれの、前記制動距離の実測値と前記制動距離パラメータとの相関を表す回帰式であることが、より好ましい。
また、前記取得部は、前記タイヤの所定部位の、それぞれ異なる複数の方向の時系列の加速度データをそれぞれ取得し、前記除去部は、それぞれ異なる複数の方向の時系列の加速度データそれぞれについて、前記タイヤの変形に基づく加速度データを除去し、前記分析部は、それぞれ異なる複数の方向の前記変形成分除去後加速度データそれぞれを周波数分析して、それぞれ異なる複数の方向について前記周波数スペクトルを求め、前記算出部は、それぞれ異なる複数の方向について前記周波数スペクトルの積算値をそれぞれ求め、それぞれの方向の前記周波数スペクトルの積算値を乗算した値を、前記制動距離パラメータとして算出することが好ましい。
また、前記取得部は、前記タイヤの所定部位の、前記タイヤの周方向に対して直交するタイヤ幅方向の時系列の加速度のデータ、および前記タイヤの半径方向の時系列の加速度のデータをそれぞれ取得することが好ましい。さらに、タイヤの半径方向の時系列の加速度データを取得することが、より好ましい。
また、前記算出部は、前記分析部において求められた前記周波数スペクトルのうち、所定の周波数範囲について前記積算値を求めることが好ましい。
また、前記取得部は、前記車両が走行している最中、前記タイヤが少なくとも2回転以上転動している時間範囲にわたって、前記タイヤの所定部位の時系列の加速度データを連続して取得することが好ましい。
また、前記分析部は、前記変形成分除去後加速度データについて、前記タイヤが1回転している回転時間単位毎に周波数分析して、前記回転時間単位毎の周波数スペクトルを求め、前記算出部は、前記回転時間単位毎の前記積算値をそれぞれ算出し、前記回転時間単位毎の前記積算値を平均化した値を、前記制動距離パラメータとして算出することが好ましい。
また、前記分析部は、前記タイヤの周上の領域を、路面との接地領域を含む第1の領域と、これ以外の第2の領域とに分け、前記変形成分除去後加速度データについて、前記第2の領域に対応する部分を除いた、前記第1の領域全てまたは前記第1の領域の一部に対してのみ周波数分析を行なって、前記第1の領域全てまたは前記第1の領域の一部についての周波数スペクトルを求めることが好ましい。
また、前記除去部は、前記タイヤが少なくとも2回転以上転動している時間範囲にわたって取得された前記時系列の加速度データから、前記タイヤの変形に基づく加速度成分を除去し、前記分析部は、前記タイヤが少なくとも2回転以上転動している時間範囲にわたる前記変形成分除去後加速度データの全体を周波数分析して、前記周波数スペクトルを求めることが好ましい。
本発明は、また、タイヤが装着された車両について、この車両が路面を走行している最中に前記車両の走行を停止させる制動動作を行なった際、前記制動動作の開始から前記車両が完全に停止するまでの間に前記車両が移動する制動距離の長さを予測する方法であって、前記車両が走行している最中の、前記タイヤの所定部位の時系列の加速度データを取得する取得ステップと、所得した前記加速度データから、タイヤの変形に基づく加速度成分を除去する除去ステップと、前記タイヤの変形に基づく加速度成分が除去された、変形成分除去後加速度データを周波数分析して、周波数スペクトルを求める分析ステップと、前記周波数スペクトルの積算値を求めるとともに、求めた前記積算値に基づいて、制動距離を予測するための制動距離パラメータを算出する算出ステップと、前記算出ステップにおいて算出された前記制動距離パラメータに基づいて、前記車両の前記制動距離の予測値を求める予測ステップと、を有することを特徴する車両制動距離予測方法も、併せて提供する。
なお、前記予測ステップでは、記憶部に予め記憶されている関数を呼び出し、前記制動距離パラメータと前記関数とに基づいて、前記制動距離の予測値を求め、前記関数は、前記車両の制動距離と前記制動距離パラメータとの相関を表す関数であることが好ましい。
また、前記関数は、前記タイヤと同一仕様のタイヤが装着された車両が、複数の異なる走行条件で路面を走行した場合それぞれの、前記制動距離の実測値と前記制動距離パラメータとの相関を表す回帰式であることが好ましい。
本発明の車両の制動距離予測装置および車両の制動距離予測方法を用いれば、車両が走行中であっても、車両を運転中のドライバに、車両の制動距離をリアルタイムに告知することもできる。運転者が、自身が運転している車両の制動距離を知ることができれば、運転者は、より安全に、より安心して車両を運転することができる。
以下、本発明の車両制動距離予測装置および車両制動距離予測方法について、添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。
図1は、本発明の車両制動距離予測装置の一例である、制動距離予測装置10(装置10)について説明する概略構成図である。装置10は、4つの車輪14a〜14dが配備された、例えば排気量2000ccの車両12に備えられている。各車輪14a〜14dは、タイヤサイズが、例えば195/65R15サイズのタイヤ15a〜15dを有して構成されている。
装置10は、センサユニット16a〜16dと、データ処理ユニット20と、ディスプレイ34とからなる。センサユニット16a〜16dは、4つの車輪14a〜14dにそれぞれ備えられており、車両12が路面を走行する際の、各車輪のタイヤ15(タイヤ15a〜15dを代表して表す)の所定部位の加速度データを取得して無線信号で送信する。センサユニット16a〜16dは、例えば、各タイヤ15の所定部位の、タイヤ半径方向の時系列の加速度データと、各タイヤのタイヤ幅方向の時系列の加速度データとを取得して無線で送信する。
データ処理ユニット20は、センサユニット16a〜16dそれぞれから送信された無線信号を受信する。すなわち、データ処理ユニット20は、無線信号として、例えば、各タイヤ15の所定部位の、タイヤ半径方向の時系列加速度データと、タイヤ幅方向の時系列加速度データとを、それぞれ受信する。
そして、データ処理ユニット20は、受信した各タイヤ15a〜15dの、所定部位の時系列加速度データ(タイヤ半径方向の時系列加速度データ、タイヤ幅方向の時系列加速度データ)それぞれについて、タイヤ15の接地変形に基づいた加速度成分を除去し、変形成分除去後の加速度データ(変形成分除去加速度データ)について周波数分析を行なって、変形成分除去加速度データについての周波数スペクトルを求める。そして、データ処理ユニット20は、求めた周波数スペクトルに基づいて、後述する制動距離パラメータを算出し、この算出された制動距離パラメータと、予め記憶された関数とに基づいて、車両12の制動距離を求める。ここで、関数とは、予め導出された、車両の制動距離と制動距離パラメータとの相関を表す関数である。この関数は、予め導出された、タイヤ15a〜タイヤ15dが装着された車両12が、複数の異なる走行条件で路面を走行した場合それぞれの、制動距離の実測値と、後述する制動距離パラメータとの相関を表す回帰式である。この関数は、データ処理ユニット20のメモリ27(図2参照)に予め記憶されている。なお、車両の制動距離と制動距離パラメータとの相関を表す関数としては、タイヤ15a〜タイヤ15dと同一仕様のタイヤが装着された任意の車両が、複数の異なる走行条件で路面を走行した場合それぞれの、制動距離の実測値と制動距離パラメータとの相関を表す回帰式であってもよい。例えば、前記車両と同一仕様の車両が、複数の異なる走行速度で路面を走行した場合それぞれの、前記制動距離の実測値と前記制動距離パラメータとの相関を表す回帰式であってもよい。
本実施形態では、各タイヤ15a〜15dの、所定部位の時系列加速度データ(タイヤ半径方向の時系列加速度データ、タイヤ幅方向の時系列加速度データ)それぞれについて、上記制動距離パラメータを求める。そして、各タイヤ毎に算出された制動距離パラメータの平均値を求めて、この算出された制動距離パラメータの平均値と、予め記憶された相関関数とに基づいて、車両12の制動距離を求める。なお、本発明の車両制動距離予測方法および車両制動距離予測装置では、車両に配備された複数のタイヤのうち、特定の1つのタイヤについて時系列加速度データを取得して、特定の1つのタイヤについて得られた制動距離パラメータの値と、予め記憶された相関関数とに基づいて、車両12の制動距離を求めてもよい。
ディスプレイ34は、このデータ処理ユニット20において導出される制動距離の算出結果などを表示する。なお、図1に示す例では、データ処理ユニット20は車両12に配置されているが、このデータ処理ユニット20は持ち運び可能であって、車両12に配置されることに限定されない。
図2は、図1に示す装置10における、センサユニット16(センサユニット16a〜16d)、およびテータ処理ユニット20について説明する図である。センサユニット16a〜16dは、それぞれ同様な構成であるので、ここでは、センサユニット16a、およびこのセンサユニット16aが設けられたタイヤ15aについてのみ図示している。
センサユニット16aは、タイヤ15aの空洞領域に設けられた加速度センサ2と、例えば車輪14aのホイルに取り付けられた送信機17とを有して構成されている。車輪14aに設けられたセンサユニット16aの加速度センサ2は、タイヤ15aのトレッド部の所定部位の、タイヤ半径方向の加速度とタイヤ幅方向の加速度とをそれぞれ計測する。加速度センサ2で計測された、タイヤ半径方向の加速度とタイヤ幅方向の加速度とは、各送信ユニットの送信機17から、データ処理ユニット20に向けて送信される。なお、送信機17を設けず、例えば、加速度センサ2に別途送信機能を持たせ、加速度センサ2から、受信機3へ送信するように構成してもよい。なお、車輪14a〜14dに設けられた各送信機17は、それぞれを識別可能とする識別情報(ID)をそれぞれ保有しており、送信機17は、対応する加速度センサで計測された加速度の計測データとともにIDを送信する。
加速度センサ2としては、例えば、本願出願人が先に出願した特願2003−134727号に開示された半導体加速度センサが例示される。半導体加速度センサは、具体的には、Siウエハ外周枠部内にダイアフラムが形成されたSiウエハと、このウエハ外周枠部を固定する台座とを有し、ダイアフラムの一方の面の中央部に重錘が設けられ、ダイアフラムには複数のピエゾ抵抗体が形成されている。この半導体加速度センサに加速度が作用した場合、ダイアフラムは変形し、この変形によりピエゾ抵抗体の抵抗値は変化する。この変化を加速度の情報として検出できるようにブリッジ回路が形成されている。本実施形態では、この加速度センサを、少なくとも、タイヤ半径方向の加速度とタイヤ幅方向の加速度とが測定可能となるようにタイヤ内周面に固定することにより、タイヤ回転中のトレッド部に作用する加速度を計測することができる。加速度センサ2は、この他にピエゾ圧電素子を用いた加速度ピックアップを用いてもよいし、歪みゲージを組み合わせた歪みゲージタイプの加速度ピックアップを用いてもよい。
このような加速度センサ2は、例えばタイヤのトレッド部に埋め込まれている。また、加速度センサ2は、タイヤのインナーライナー表面に取り付けられていてもよい。加速度センサ2は、少なくともタイヤの接地部分に対応する領域に設置されており、好ましくは、タイヤのショルダー部のタイヤの接地部分に対応する領域に設置されていればよい。また、本実施形態では、各タイヤに加速度計を1つ設置した例を示しているが、本発明において、各タイヤに設置される加速度センサの数は特に限定されない。例えば、タイヤの周方向に沿って複数の加速度センサを設置してもよく、タイヤの幅方向に沿って複数の加速度センサを設置してもよい。なお、各タイヤに複数の加速度センサを設置する場合、各加速度センサで検出された加速度データそれぞれを用いて、各センサによる加速度データ毎に、後述するスペクトル積算値をそれぞれ求めればよい。この場合、各タイヤ毎に、求めた複数のスペクトル積算値の和、差、積、徐算した値のいずれか1つを、制動距離パラメータとして用いればよい。本実施形態において、タイヤ半径方向とは、タイヤ15が規定の空気圧となるように、タイヤ15の内部空洞領域に空気を充填し、タイヤ15を接地させない状態において、加速度センサの設置位置からこのタイヤ15の回転中心軸に下ろした垂線に沿った方向である。また、タイヤ幅方向は、このタイヤ半径方向に垂直で、加速度センサの設置位置を通る、タイヤ15の回転中心軸を含む平面(タイヤ15の子午断面)に平行な方向である。また、タイヤ周方向は、上記タイヤ半径方向およびタイヤ幅方向のいずれとも垂直な方向である。
データ処理ユニット20は、受信機3と、増幅器(AMP)4と、処理機構21と、CPU23と、メモリ27とを有する。データ処理ユニット20は、メモリ27に記憶されたプログラムをCPU23が実行することで、処理機構21に示される各部が機能するコンピュータである。処理機構21は、データ取得部22、処理部24、分析部26、パラメータ算出部28、および、予測値導出部30からなる。
データ取得部22は、車輪14a〜14dそれぞれを構成するタイヤ15a〜15dのトレッド部における、タイヤ半径方向の時系列の加速度の計測データ(半径方向加速度計測データ)、および、タイヤ幅方向の時系列の加速度の計測データ(幅方向加速度計測データ)を取得する。
データ取得部22において、半径方向加速度計測データと幅方向加速度計測データとをそれぞれ取得するのは、タイヤの所定部位の直交する2方向の振動成分を用いることで、車両の制動距離の予測値を、高精度に導出することができるからである。このような知見は、本願発明者が、タイヤの所定部位の直交する2方向の振動成分と、車両の制動距離との相関関係についての確認実験を行なうことで、初めて得られたものである。
本願発明者は、車両の制動距離には、タイヤの状態と路面の状態と、双方が深く関わっていることに着目した。そして、制動距離を推定するためには、タイヤの状態および路面の状態の、いずれの状態とも反映された、タイヤと路面とが接触している部分の状態を表す、何らかのパラメータが必要であると考察した。そして、本願発明者は、タイヤと路面とが接触している部分の状態として、トレッドの滑り(スティックスリップ)の状態に着目し、トレッドの滑り(スティックスリップ)の状態は、タイヤの振動に反映されていると考察した。そして、このようなトレッドの滑りは、タイヤの所定部位の1方向の振動成分のみでなく、一般的に摩擦円として表されるように、タイヤの所定部位の直交する2方向の振動成分を用いて、精度良く表されると考察した。本発明は、このような技術的考察に基づいて本願発明者が行った、タイヤの振動と制動距離との関係についての実験の結果得られた、タイヤの振動と制動距離についての、全く新たな知見に基いてなされたものである。
処理部24は、データ取得部22が取得した、各方向の加速度計測データを受け取り、受け取った各加速度計測データから、タイヤの変形に基づく加速度データを除去する。分析部26は、加速度計測データから、タイヤの変形に基づく加速度の成分が除去された、変形成分除去後加速度データを周波数分析して、周波数スペクトルを求める。パラメータ算出部28は、求めた周波数スペクトルについて、所定の周波数範囲にわたって積算値(スペクトル積算値)を求めるとともに、求めたスペクトル積算値に基づいて、制動距離を予測するための制動距離パラメータを算出する。ここで、メモリ27には、複数の異なる走行条件で車両12が路面を走行した場合それぞれの、上記制動距離パラメータと、車両12の実際の制動距離との相関を表す関数(回帰式)が予め記憶されている。予測値導出部30は、パラメータ算出部28において算出された上記制動距離パラメータと、メモリ27に予め記憶され上記関数とに基づいて、車両12の制動距離の定量的な予測値を導出する。導出された車両12の制動距離の予測値は、ディスプレイ34に表示出力される。
ディスプレイ34は、予測値導出部30において導出された、車両12の制動距離の予測値を表示出力する公知の画像表示手段である。ディスプレイ34は、車両12を運転するドライバが、運転中、常に確認できる位置に設けられている。車両12を運転するドライバは、ディスプレイ34に表示されている制動距離の予測値を常に確認し、この予測値に基づいて、車間距離や車両12の走行速度を調整しつつ、車両12を運転することができる。これにより、ドライバは、車両12を安全に走行させることができる。ディスプレイ34は、予測値導出部30において導出された車両12の制動距離の長さに限定されず、取得された加速度データの波形や、算出された各種パラメータなど、処理装置21において扱われる各種データや算出結果を逐次表示可能となっている。
図3は、装置10を用いて実施される、本発明の車両の制動距離推定方法の一例のフローチャート図である。以下、本発明の車両の制動距離推定方法の一例について説明するとともに、装置10の各部の動作について詳述する。
以上、車両12が例えば時速40km/hで直進走行している場合について説明する。車両12の走行中、加速度センサ2は、タイヤ半径方向の加速度とタイヤ幅方向の加速度とを計測している。加速度センサ2で計測された、タイヤ半径方向の加速度とタイヤ幅方向の加速度とは、送信ユニット16の送信機17から、データ処理ユニット20に向けて送信される。データ処理ユニット20に送信された、タイヤ半径方向の加速度計測データ(半径方向加速度計測データ)と、タイヤ幅方向の加速度計測データ(幅方向加速度計測データ)は、受信機3で受信され、アンプ4で増幅されて、データ取得部22によって取得される(ステップS100)。
なお、データ取得部22では、車両12が走行している最中、タイヤ15aが少なくとも2回転以上転動している所定の時間範囲(取得時間単位)にわたって、タイヤ15aの所定部位(加速度センサ2が設けられた部分)の時系列の加速度データを連続して取得する。アンプ4から供給されるデータはアナログデータであり、データ取得部22は、アンプ4で増幅された、半径方向加速度計測データおよび幅方向加速度計測データそれぞれをサンプリングして、それぞれデジタルデータに変換する。デジタル化された、半径方向加速度データおよび幅方向加速度データは、タイヤ15aが少なくとも2回転以上転動している上記所定の時間範囲(取得時間単位)毎に、処理部24に送られる。なお、データ取得部22は、各車輪14a〜14dに設けられた各送信機17から送信された上述のIDに基づき、各車輪の送信機から送信される加速度の計測データが、どの車輪のタイヤの加速度の計測データであるか(車輪14a〜車輪14dの、いずれの車輪の加速度データであるか)を判定する。以降、処理部24、および分析部26で行なわれる各処理は、各車輪のタイヤの計測データそれぞれについて、並列に行なわれる。
図4(a)〜(c)は、データ取得部22から送られて処理部24が受け取る、デジタル化された加速度データの一例について説明する図である。図4(a)はタイヤ周方向の加速度データであり、図4(b)はタイヤ幅方向の加速度データであり、また、図4(c)はタイヤ半径方向の加速度データである。図4では、本実施形態で取得される、タイヤ幅方向の加速度データ(図4(b))、およびタイヤ半径方向の加速度データ(図4(c))に加え、タイヤ周方向の加速度データ(図4(a))についても、併せて示している。
処理部24は、デジタル化されたタイヤ半径方向の加速度データおよびタイヤ幅方向の加速度データから、タイヤの変形に基づく加速度の時系列データを除去して、変形成分除去加速度データを得る(ステップS102)。図5(a)〜(c)は、図4(a)〜(c)に示す加速度データそれぞれに対して処理部24で処理を施すことで得られる、変形成分除去後加速度データをそれぞれ示している。図5(a)はタイヤ周方向の変形成分除去後加速度データであり、図5(b)はタイヤ幅方向の変形成分除去後加速度データであり、図5(c)はタイヤ半径方向の変形成分除去後加速度データである。
具体的には、処理部24では、デジタル化された半径方向加速度データおよび幅方向加速度データに対して、公知のトレンドモデルを用いた手法によって、タイヤの変形に基づく加速度の時系列データ(変形成分加速度データ)を抽出する。そして、抽出した変形成分加速度データを、デジタル化されたタイヤ半径方向の加速度データおよびタイヤ幅方向の加速度データから除去する。図4(a)〜(c)に示すような、処理部24に供給された計測データは、路面を転動するタイヤが変形することで生じる、タイヤの変形に基づく加速度の変化をトレンド成分として、このタイヤの変形に基づく加速度成分に、タイヤの振動などのノイズ成分が多く含まれたデータである。処理部24では、公知のトレンドモデルを用いた手法によって、図4に示すような計測データから、タイヤの変形に基づく加速度の時系列データを抽出する。そして、抽出した変形成分加速度データを、基データ、すなわち、図4(a)〜(c)に示すような、デジタル化された半径方向加速度データおよび幅方向加速度データから除去することで、図5(a)〜(c)にそれぞれ示すような、変形成分除去後加速度データを得る。
なお、本発明では、処理部24は、このようなトレンドモデルを用いる手法に限定されず、例えば、デジタルフィルタを用いて、タイヤの変形に基づく加速度の時系列データを抽出してもよい。この場合、所定の周波数をカットオフ周波数とするデジタルフィルタが用いられる。カットオフ周波数は、転動速度やノイズ成分によって変化するが、例えば転動速度が60(km/時)の場合、カットオフ周波数は、0.5〜2(kHz)とされる。この他に、デジタルフィルタの替わりに、移動平均処理等を用いて平滑化処理を行ってもよい。このように、平滑化処理には、トレンドモデルを用いる手法や、デジタルフィルタを用いる手法、移動平均処理を用いる手法、また、スプライン関数を用いる手法など、公知の手法のいずれを用いてもよい。
また、処理部24では、以下のようにしてタイヤの変形に基づく加速度の時系列データを抽出してもよい。図6(a)〜(c)は、処理部24において実施される信号処理の他の例について説明する図である。図6(a)〜(c)は、処理部24において実施される信号処理の他の実施形態を、タイヤ半径方向の加速度データについて実施した例について示している。この実施形態では、計測データに対して平滑化処理を行い、これら平滑化された加速度データに対して近似曲線を算出して背景成分1を求める(図6(b))。そして、この背景成分1を、平滑化処理された加速度データから除去することで得られる、タイヤの変形に基づく加速度の時系列データ(タイヤ半径方向の加速度およびタイヤ幅方向の加速度データそれぞれ)を抽出する(図6(c))。
平滑化された加速度データに対する近似曲線の算出には、トレンドモデルを用いる手法や、デジタルフィルタを用いる手法、移動平均処理を用いる手法、また、スプライン関数を用いる手法など、公知の手法のいずれを用いてもよい。処理部24では、このようにして抽出された背景成分1を、図6(b)に示すような平滑化処理された加速度の計測データから差し引くことで得られる、図6(c)に示すような、タイヤの変形に基づく加速度の時系列データ(変形成分加速度データ)を抽出してもよい。
なお、本実施形態では、処理部24において、さらに、上述のように抽出された、タイヤ半径方向の変形成分加速度データを用い、図2に示すタイヤ15aの回転角θが、180°、540°、900°・・・となるタイミングをそれぞれ抽出しておく。具体的には、処理部24では、タイヤ半径方向の、タイヤの変形に基づく加速度の時系列データのグラフにおいて、このタイヤの変形に基づく加速度が極小値をとるタイミングを、回転角θが、θ=180°、540°、900°・・・となるタイミングとして抽出する(上記他の実施形態に対応する図5(c)参照)。すなわち、これら極小値のタイミングを、図2に示すように、タイヤ空洞領域の内周面に固定した加速度センサ2が、タイヤの接地面の中心位置に到来する(最も近づく)タイミングとして抽出する。タイヤの接地領域において、タイヤの外周面の路面垂直方向の位置は、路面によって規定される。接地領域において、路面は、元々曲率のついたタイヤ外周面を平面上に変形させるので、タイヤは厚み方向に変形する。これによって、タイヤ空洞領域の内周面の位置は、接地領域において、タイヤ厚み方向(路面と垂直な方向)に、少なからず変動する。タイヤ半径方向の変形は、接地面の中心位置において最も少なくなる。タイヤ空洞領域の内周面に配置された加速度センサによって取得される、タイヤ半径方向の、タイヤの変形に基づく加速度が極小となるタイミングは、上述の回転角θが、180°、540°、900°・・・となるタイミングであるといえる。
処理部24では、このように求められた回転角θとタイミングとから、上記取得時間単位のうち、加速度センサ2がタイヤ接地部分に対応する領域に位置している可能性が高い時間領域を設定する。具体的には、加速度センサ2がタイヤ接地部分に対応する領域に位置している可能性が高い第1の領域として、θ=90度より大きく270度未満、450度より大きく720度未満、810度より大きく980度未満の領域を定め、加速度センサ2がタイヤ接地部分に対応する領域に位置している可能性が低い第2の領域として、θ=0度以上90度以下及び270度以上360度以下、360度以上450度以下及び630度以上720度以下、720度以上810度以下及び980度以上1070度以下の領域を定める。処理部24は、タイヤの変形に基づく加速度の成分が除去された後の、変形成分除去加速度データ、および、上記第1の領域、上記第2の領域を表す情報を、分析部26に送る。
分析部26は、処理部24から受け取った取得時間単位の変形成分除去加速度データについて周波数分析を行なって、周波数スペクトルを求める(ステップS104)。図7(a)〜(c)は、図6(a)〜(c)に示す変形成分除去加速度データの周波数スペクトルである。図7(a)はタイヤ周方向の周波数スペクトルであり、図7(b)はタイヤ幅方向の周波数スペクトルであり、図7(c)はタイヤ半径方向の周波数スペクトルである。本実施形態では、分析部26において、取得時間単位(タイヤが2回転以上転動している上記所定の時間範囲)にわたる変形成分除去後加速度データを、タイヤが1回転している回転時間単位毎に周波数分析して、回転時間単位毎の周波数スペクトルを求める。そして、各回転時間単位毎の周波数スペクトルを平均化した値を、取得時間単位周波数スペクトルとして求める。なお、分析部26では、回転時間単位毎の周波数スペクトルを求める際、タイヤと路面との接地部分での振動成分が含まれる可能性が高い上記第1の時間領域についてのみ、回転時間単位毎に周波数分析する。タイヤと路面との接地部分での振動成分が含まれる可能性が高い上記第1の時間領域についてのみ、周波数スペクトルを求めるのは、タイヤと路面との接地部分でのタイヤの振動成分の変化を、より明確に周波数スペクトルの変化に反映させるためである。分析部26において得られた、取得時間単位周波数スペクトルは、パラメータ算出部28に送られる。なお、上記第1の時間領域のうちでも、タイヤと路面との接地部分での振動成分が含まれる可能性が比較的高い、部分時間領域が既知である場合など、この部分時間領域についてのみ周波数分析して、回転時間単位毎の周波数スペクトルを求めればよい。なお、本発明では、上記第1の時間領域についてのみ周波数分析することに限定されず、回転時間単位全体について周波数分析して、回転時間単位毎の周波数スペクトルを求めてもよい。
次に、パラメータ算出部28において、制動距離パラメータが算出される(ステップS106)。パラメータ算出部28では、まず、分析部26において得られた、取得時間単位周波数スペクトルを受け取り、この取得時間単位周波数スペクトルの、所定周波数範囲にわたる積算値(スペクトル積算値)を算出する。パラメータ算出部28は、分析部26で取得された周波数スペクトルのうち、所定の周波数範囲についてスペクトル積算値を求める。本実施形態では、例えば、幅方向加速度データおよび半径方向加速度データそれぞれの周波数スペクトルについて、それぞれ、1kHz〜1.5kHzの周波数帯域でのスペクトル積算値を求め、幅方向加速度および半径方向加速度それぞれの積算値を乗算した値を、制動距離パラメータとして算出する。パラメータ算出部28が算出した制動距離パラメータの値は、予測値導出部30に送られる。なお、本発明では、周波数分析部において、タイヤが少なくとも2回転以上転動している取得時間の範囲全体で、変形成分除去後加速度データを周波数分析して得たスペクトルを、上記取得時間単位周波数スペクトルとし、この周波数スペクトルを用いて制動距離パラメータを求めてもよい。
パラメータ算出部28において、所定周波数範囲にわたるスペクトル積算値を導出するのは、一般的に、制動距離に反映される、上記トレッドの滑り(スティックスリップ)の多くが、500Hz〜1.5kHzの間で起こり、特に、本実施形態における仕様では、1kHz〜1.5kHzの周波数帯域で、最も頻繁に起こるからである。このような周波数帯域にわたるスペクトル積算値は、トレッドの滑りに起因して発生するタイヤの振動の程度を、精度よく表しているといえる。
次に、予測値導出部30において、パラメータ算出部28において算出された制動距離パラメータと、メモリ27に予め記憶されていた関数(回帰式)とに基づいて、車両12の制動距離の予測値が導出される(ステップS108)。
図8は、複数の異なる走行条件で、車両12に路面を走行させた場合それぞれの、制動距離パラメータと制動距離との対応関係を表す散布図である。図8に示す散布図には、このような対応関係に基づいて導出された、制動距離パラメータと制動距離との相関を表す関数(回帰式)のグラフも併せて示している。図8に散布図として示す各データは、195/65R15サイズのタイヤ15a〜15dが装着された排気量2000ccの車両12が、時速40km/hで走行している最中の、装置10を用いて得られた制動距離パラメータの値(タイヤ半径方向のスペクトル積算値×タイヤ幅方向のスペクトル積算値)と、実際の制動距離の計測値との対応を表す散布図である。ここで、実際の制動距離の計測値とは、各制動距離パラメータが導出された走行状態で、この特定車両のブレーキを瞬間的に踏み込んで、ABSによる制御の下で特定車両を停止させた場合の、この特定車両の制動距離の実測値である。図8に示すデータのうち、『Dry』として示されたデータは、路面状態がドライであった場合の実測値データであり、『Wet』として示されたデータは、路面状態がウエットであった場合の実測値データである。図8に示すグラフは、制動距離パラメータと制動距離との相関関係を表した近似曲線(回帰式)であり、この例では、回帰式は2次関数となっている。
図8に示すように、タイヤ半径方向のスペクトル積算値と、タイヤ幅方向のスペクトル積算値と、を乗算して求めた制動距離パラメータの値は、制動距離と良好な相関関係にある(図8に示す例では、相関係数Rが約0.9)。制動距離は、タイヤ半径方向のスペクトル積算値とタイヤ幅方向のスペクトル積算値とを内挿補間した形で表されている。制動距離パラメータと制動距離との相関係数Rが、例えば0.7以上、より好ましくは、0.8以上であれば、この制動距離パラメータに基づいて、制動距離を比較的高い精度で導出できるといえる。本発明で算出される制動距離パラメータ(変形成分除去後加速度データを周波数分析して、得られた周波数スペクトルについて積算値を求め、この積算値に基づいて算出された制動距離パラメータ)は、制動距離パラメータと制動距離との相関係数Rが、0.7以上、かつ0.8以上を満たす。
予測値導出部30では、このような回帰式を用いて、現在の走行状態で車両12の制動動作(ABS制御の下での緊急停止動作)を行なった場合に、車両12が停止するまでに移動する制動距離について、定量的な予測値を導出する。例えば、図8にグラフで示されている近似曲線(回帰式)を用いた場合、パラメータ算出部28において算出された制動距離パラメータの値が80とすると、予測値導出部30は、制動距離の予測値を約11mと算出する。本発明では、車両の走行中に、車両の走行速度は変動してもよい。この場合、予測値導出部は、制動動作が開始された際の車両の速度情報を取得し、この速度情報に応じた関数を用いて、車両12の制動距離の予測値を導出すればよい。この場合、予測値導出部30は、車両の公知の速度計から送られた速度情報を受信すればよい。
導出された車両12の制動距離の予測値は、ディスプレイ34に表示出力される(ステップS110)。ステップS100〜ステップS110の処理は、車両12の走行中に繰り返し行われる。車両12を運転するドライバは、現在の走行状態において制動動作を行なった際、どの程度走行してから車両12が停止するか(車両12の制動距離はどの程度か)を、常に把握しておくことができる。ドライバは、このような情報に応じて車両を運転することで、車両をより安全に走行させることができる。
本発明の制動距離推定方法および制動距離推定装置では、制動距離パラメータとして、タイヤ半径方向のスペクトル積算値とタイヤ幅方向のスペクトル積算値とを乗算した値を用いることに限定されない。図9および図10は、図8に示す場合と同様の走行条件で、図8と同じ特定車両が路面を走行した場合それぞれの、制動距離パラメータと制動距離との対応関係を表す散布図であり、制動距離パラメータとして図8に示す例とは異なるパラメータを用いた場合を示している。図9に示す散布図では、制動距離パラメータとして、タイヤの周方向スペクトル積算値とタイヤの半径方向スペクトル積算値とを乗算した値を用いており、図10に示す散布図では、制動距離パラメータとして、タイヤ幅方向のスペクトル積算値を制動距離パラメータとして用いている。本発明では、このような各値を、制動距離パラメータとして用いてもよい。図8〜図10それぞれに示す各散布図と、各制動距離パラメータと制動距離との相関を表すグラフ(および各散布図に記載された相関係数)を比較してわかるように、制動距離パラメータとしては、タイヤ振動の一方向のスペクトル積算値のみでなく、タイヤ振動の直交する2方向のスペクトル積算値それぞれを乗算した値を用いることが好ましい。また、直交する2方向としては、特に、タイヤの半径方向とタイヤの幅方向とであることが好ましい。
以上、本発明の車両制動距離予測装置および車両制動距離予測方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
本発明の車両制動距離予測装置の一例について説明する概略構成図である。 図1に示す車両制動距離予測装置における、センサユニットおよびテータ処理ユニットについて説明する図である。 本発明の車両制動距離予測方法の一例のフローチャート図である。 (a)〜(c)は、図2に示すセンサユニットのデータ取得部から送られて処理部が受け取る、デジタル化された加速度データの一例である。 (a)〜(c)は、図2に示すセンサユニットの信号処理部における処理で得られる変形成分除去後加速度データの一例を示している。 (a)〜(c)は、図2に示すセンサユニットの信号処理部における処理の他の形態で得られる処理結果の一例を示している。 (a)〜(c)は、図2に示す分析部における処理で得られる周波数スペクトルの一例を示している。 複数の異なる走行条件で、特定車両に路面を走行させた場合それぞれの、制動距離パラメータと制動距離との対応関係を表す散布図の一例である。 制動距離パラメータと制動距離との対応関係を表す散布図の一例であり、制動距離パラメータとして、タイヤの周方向スペクトル積算値とタイヤの半径方向スペクトル積算値とを乗算した値を用いた例を示している。 制動距離パラメータと制動距離との対応関係を表す散布図の一例であり、制動距離パラメータとして、タイヤの幅方向スペクトル積算値を用いた例を示している。
符号の説明
2 加速度センサ
3 受信機
4 増幅器(AMP)
10 制動距離予測装置
12 車両
14a〜14d 車輪
15a〜15d タイヤ
16a〜16d センサユニット
17 送信機
20 データ処理ユニット
21 処理機構
22 データ取得部
23 CPU
24 信号処理部
26 分析部
27 メモリ
28 パラメータ算出部
30 予測値導出部
34 ディスプレイ

Claims (15)

  1. タイヤが装着された車両について、この車両が路面を走行している最中に前記車両の走行を停止させる制動動作を行なった際、前記制動動作の開始から前記車両が完全に停止するまでの間に前記車両が移動する制動距離の長さを予測する装置であって、
    前記車両が走行している最中の、前記タイヤの所定部位の時系列の加速度データを取得する取得部と、
    所得した前記加速度データから、タイヤの変形に基づく加速度成分を除去することで変形成分除去後加速度データを得る成分除去部と、
    前記変形成分除去後加速度データを周波数分析して、周波数スペクトルを求める分析部と、
    前記周波数スペクトルの積算値を求めるとともに、求めた前記積算値に基づいて、制動距離を予測するための制動距離パラメータを算出する算出部と、
    前記算出部において算出された前記制動距離パラメータに基づいて、前記車両の前記制動距離の予測値を求める予測部と、
    を有することを特徴する車両制動距離予測装置。
  2. さらに、前記タイヤの所定部位に設置されて前記所定部位の加速度データを計測する加速度センサを備えることを特徴とする請求項1記載の車両制動距離予測装置。
  3. さらに、前記加速度センサによって計測された前記加速度データを前記取得部に無線で送信する送信機を備え、
    前記取得部は、無線で送信された前記加速度データを受信する受信機を有することを特徴とする請求項2記載の車両制動距離予測装置。
  4. さらに、予め導出された、前記車両の制動距離と前記制動距離パラメータとの相関を表す関数を記憶しておく記憶部を備え、
    前記予測部は、前記記憶部に記憶されている前記関数を呼び出し、前記算出部において算出された前記制動距離パラメータと前記関数とに基づいて、前記制動距離の予測値を求めることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車両制動距離予測装置。
  5. 前記関数は、前記タイヤと同一仕様のタイヤが装着された車両が、複数の異なる走行条件で路面を走行した場合それぞれの、前記制動距離の実測値と前記制動距離パラメータとの相関を表す回帰式であることを特徴とする請求項4記載の車両制動距離予測装置。
  6. 前記取得部は、前記タイヤの所定部位の、それぞれ異なる複数の方向の時系列の加速度データをそれぞれ取得し、
    前記除去部は、それぞれ異なる複数の方向の時系列の加速度データそれぞれについて、前記タイヤの変形に基づく加速度データを除去し、
    前記分析部は、それぞれ異なる複数の方向の前記変形成分除去後加速度データそれぞれを周波数分析して、それぞれ異なる複数の方向について前記周波数スペクトルを求め、
    前記算出部は、それぞれ異なる複数の方向について前記周波数スペクトルの積算値をそれぞれ求め、それぞれの方向の前記周波数スペクトルの積算値を乗算した値を、前記制動距離パラメータとして算出することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両制動距離予測装置。
  7. 前記取得部は、前記タイヤの所定部位の、前記タイヤの周方向に対して直交するタイヤ幅方向の時系列の加速度のデータ、および前記タイヤの半径方向の時系列の加速度のデータをそれぞれ取得することを特徴とする請求項6記載の車両制動距離予測装置。
  8. 前記算出部は、前記分析部において求められた前記周波数スペクトルのうち、所定の周波数範囲について前記積算値を求めることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の車両制動距離予測装置。
  9. 前記取得部は、前記車両が走行している最中、前記タイヤが少なくとも2回転以上転動している時間範囲にわたって、前記タイヤの所定部位の時系列の加速度データを連続して取得することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の車両制動距離予測装置。
  10. 前記分析部は、前記変形成分除去後加速度データについて、前記タイヤが1回転している回転時間単位毎に周波数分析して、前記回転時間単位毎の周波数スペクトルを求め、
    前記算出部は、前記回転時間単位毎の前記積算値をそれぞれ算出し、前記回転時間単位毎の前記積算値を平均化した値を、前記制動距離パラメータとして算出することを特徴とする請求項9記載の車両制動距離予測装置。
  11. 前記分析部は、前記タイヤの周上の領域を、路面との接地領域を含む第1の領域と、これ以外の第2の領域とに分け、前記変形成分除去後加速度データについて、前記第2の領域に対応する部分を除いた、前記第1の領域全てまたは前記第1の領域の一部に対してのみ周波数分析を行なって、前記第1の領域全てまたは前記第1の領域の一部についての周波数スペクトルを求めることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の車両制動距離予測装置。
  12. 前記除去部は、前記タイヤが少なくとも2回転以上転動している時間範囲にわたって取得された前記時系列の加速度データから、前記タイヤの変形に基づく加速度成分を除去し、
    前記分析部は、前記タイヤが少なくとも2回転以上転動している時間範囲にわたる前記変形成分除去後加速度データの全体を周波数分析して、前記周波数スペクトルを求めることを特徴とする請求項9記載の車両制動距離予測装置。
  13. タイヤが装着された車両について、この車両が路面を走行している最中に前記車両の走行を停止させる制動動作を行なった際、前記制動動作の開始から前記車両が完全に停止するまでの間に前記車両が移動する制動距離の長さを予測する方法であって、
    前記車両が走行している最中の、前記タイヤの所定部位の時系列の加速度データを取得する取得ステップと、
    所得した前記加速度データから、タイヤの変形に基づく加速度成分を除去する除去ステップと、
    前記タイヤの変形に基づく加速度成分が除去された、変形成分除去後加速度データを周波数分析して、周波数スペクトルを求める分析ステップと、
    前記周波数スペクトルの積算値を求めるとともに、求めた前記積算値に基づいて、制動距離を予測するための制動距離パラメータを算出する算出ステップと、
    前記算出ステップにおいて算出された前記制動距離パラメータに基づいて、前記車両の前記制動距離の予測値を求める予測ステップと、
    を有することを特徴する車両制動距離予測方法。
  14. 前記予測ステップでは、記憶部に予め記憶されている関数を呼び出し、前記制動距離パラメータと前記関数とに基づいて、前記制動距離の予測値を求め、
    前記関数は、前記車両の制動距離と前記制動距離パラメータとの相関を表す関数であることを特徴とする請求項13記載の車両制動距離予測方法。
  15. 前記関数は、前記タイヤと同一仕様のタイヤが装着された車両が、複数の異なる走行条件で路面を走行した場合それぞれの、前記制動距離の実測値と前記制動距離パラメータとの相関を表す回帰式であることを特徴とする請求項14記載の車両制動距離予測方法。
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