JP2007220462A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】発電への影響を軽減しつつ、水分状態を好適にすることが可能な燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料電池システム1は、水収支量から目標値を減じて得られた値が正であるときに酸化剤極側の圧力を低下させ、該値が負であるときに酸化剤極側の圧力を増加させる。このように、本実施形態に係る燃料電池システム1は、酸化剤ガスの供給量でなく圧力を制御することとしている。このため、酸化剤ガスの供給量については発電に必要となる量を維持したまま、排出量を増減させることが可能となり、酸化剤ガスの供給量が発電に必要となる量を下回ることを防止することができる。従って、発電への影響を軽減しつつ、水分状態を好適にすることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池システムに関する。
従来、燃料電池内の水分状態を良好とするように制御を行う燃料電池システムが知られている。このシステムでは、燃料電池に供給される流入水量と、燃料電池の発電によって生成される生成水量とを加え、この加えた値から、燃料電池の外部に排出される流出水量を減じることで、水の収支量を求める。そして、水収支量に基づいて燃料電池の酸化剤極側に供給するガス供給量を制御し、燃料電池内の水分状態を良好とするようにしている(例えば特許文献1参照)。
特開2004−119052号公報
ここで、燃料電池システムでは、発電を行うために最低限供給することが必要な酸化剤ガス量が存在する。しかし、従来の燃料電池システムでは、水収支量に基づいてガス供給量を制御しているため、最低限の酸化剤ガス量を維持することができなくなり、発電に支障をきたす可能性がある。一方、発電に支障をきたさないようにすると、燃料電池内の水分状態を良好にできなくなってしまうことがある。
本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、発電への影響を軽減しつつ、水分状態を好適にすることが可能な燃料電池システムを提供することにある。
本発明の燃料電池システムは、燃料電池と、水収支量算出手段と、目標値設定手段と、制御手段とを備えている。燃料電池は、燃料ガスの供給を受ける燃料極と酸化剤ガスの供給を受ける酸化剤極と両極に挟まれる電解質膜とを有し、供給された燃料ガスと酸化剤ガスとを反応させて発電するものである。水収支量算出手段は、酸化剤極側の水分量の増減を示す水収支量を求めるものである。目標値設定手段は、酸化剤極側の水収支量の目標値を設定する。制御手段は、水収支量算出手段により算出された水収支量から目標値設定手段により設定された目標値を減じて得られた値が正であると燃料電池の酸化剤極側の圧力を低下させ、該値が負であると酸化剤極側の圧力を増加させる。
本発明によれば、算出された水収支量から目標値を減じて得られた値が正であるときに酸化剤極側の圧力を低下させ、該値が負であるときに酸化剤極側の圧力を増加させる。ここで、酸化剤極側の圧力を増加させるには、燃料電池への酸化剤ガスの供給量を排出量よりも多くすればよい。そして、この場合には、酸化剤ガスに含まれて供給される水分量を酸化剤ガスに含まれて排出される水分量よりも多くでき、酸化剤極側の水収支量を増加させることができる。逆に、酸化剤極側の圧力を減少させるには、燃料電池への酸化剤ガスの供給量を排出量よりも少なくすればよい。そして、この場合には、酸化剤ガスに含まれて供給される水分量を酸化剤ガスに含まれて排出される水分量よりも少なくでき、酸化剤極側の水収支量を減少させることができる。以上より、本実施形態では圧力の増減によって水収支量を目標値に近づけ、燃料電池の水分状態を好適とすることができる。しかも、本実施形態では酸化剤ガスの供給量でなく圧力を制御することとしている。このため、酸化剤ガスの供給量については発電に必要となる量を維持したまま、排出量を増減させることが可能となり、酸化剤ガスの供給量が発電に必要となる量を下回ることを防止することができる。従って、発電への影響を軽減しつつ、水分状態を好適にすることができる。
このように、本発明は、水収支量の調整のために圧力制御を行っており(すなわちガス供給量のみでなくガス排出量も制御対象となっており)、この点で従来技術と比較した特別な技術的特徴を有している。
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る燃料電池システムの構成図である。同図に示すように、燃料電池システム1は、燃料電池10と、燃料ガス供給系20と、酸化剤ガス供給系30とを備えている。
燃料電池10は、燃料ガス(水素)の供給を受ける燃料極11と、酸化剤ガス(酸素)の供給を受ける酸化剤極12とを有し、供給された燃料ガスと酸化剤ガスとを反応させて発電するものである。また、燃料極11と酸化剤極12とは固体高分子電解質膜を挟んで重ね合わされて発電セルを構成しており、燃料電池10は、これら発電セルが複数層積層されたスタック構造となっている。
燃料ガス供給系20は、燃料ガス供給装置21と、燃料極側供給配管22と、第1圧力調整弁23と、燃料極側排出配管24とからなっている。燃料ガス供給装置21は、燃料電池10の燃料極11に燃料ガスを供給するものである。燃料極側供給配管22は燃料ガス供給装置21と燃料電池10の燃料極側入口とを接続し、燃料ガス供給装置21からの燃料ガスを燃料電池10の燃料極11まで導くものである。第1圧力調整弁23は、燃料極側供給配管22に設けられ、燃料ガス供給装置21から燃料電池10の燃料極11に供給される燃料ガスの供給量を制御できるようになっている。また、第1圧力調整弁23は、燃料ガスの供給量を制御することにより燃料電池10の燃料極側の圧力を調整可能となっている。燃料極側排出配管24は、一端が燃料電池10の燃料極側出口に接続され、他端が外部につながっており、燃料極側のガスを外部に排出するものである。なお、燃料極側排出配管24にはパージ弁(不図示)が備え付けられ、燃料極側のガスを外部に排出する際にはパージ弁が開くこととなる。
酸化剤ガス供給系30は、酸化剤ガス供給装置31と、酸化剤極側供給配管32と、コンプレッサ33と、酸化剤極側排出配管34と、第2圧力調整弁35とからなっている。酸化剤ガス供給装置31は、燃料電池10の酸化剤極12に酸化剤ガスを供給するものである。酸化剤極側供給配管32は酸化剤ガス供給装置31と燃料電池10の酸化剤極側入口とを接続し、酸化剤ガス供給装置31からの燃料ガスを燃料電池10の酸化剤極12まで導くものである。コンプレッサ33は、酸化剤極側供給配管32に設けられ、酸化剤ガス供給装置31から送られる酸化剤ガスを昇圧させて酸化剤極12に送り込むものである。酸化剤極側排出配管34は、燃料電池10の酸化剤極側と外部とを接続し、燃料電池10の酸化剤極側から排出されたガスを外部に導くものである。第2圧力調整弁35は、酸化剤極側排出配管34上に設けられ、外部に排出するガス量を制御するものである。なお、酸化剤ガス供給系30では、酸化剤ガス供給装置31からコンプレッサ33を通じて酸化剤極12に送られる酸化剤ガスの供給量と、第2圧力調整弁35を通って外部に排出される酸化剤ガスの排出量とから圧力を調整可能となっている。
さらに、本実施形態に係る燃料電池システム1は、圧力センサ(入口圧力検出手段)41と、温度センサ(温度検出手段)42と、制御装置50とを有している。
圧力センサ41は、燃料電池10の酸化剤極側入口のガス圧力を検出するものであり、酸化剤極側供給配管32のうちコンプレッサ33から燃料電池10に至るまでの箇所に設けられている。温度センサ42は、燃料電池10の温度を検出するものであり、燃料電池10を冷却するために燃料電池10に流入する冷却水が燃料電池10から排出されたときの温度を測定することで、燃料電池10の温度を測定するようになっている。
制御装置50は、燃料電池システム1の全体を制御するものであり、上記センサ41,42からの信号を入力し、燃料電池システム1の各部21,23,31、33,35を制御する構成となっている。この制御装置50は、水収支量算出部(水収支量算出手段)51と、目標値設定部(目標値設定手段)52と、制御部(制御手段)53と、発電電流情報取得部(発電電流情報取得手段)54とを備えている。
水収支量算出部51は、酸化剤極側の水分量の増減を示す水収支量を求めるものである。例えば水収支量が正の値である場合、酸化剤極側において水分量が増加していることとなり、水収支量が負である場合、酸化剤極側において水分量が減少していることとなる。
目標値設定部52は、水収支量の目標値を設定するものである。例えば酸化剤極側の水分量を増加させたい場合、目標値設定部52は、目標値を正の値に設定することとなる。また、酸化剤極側の水分量を維持したい場合、目標値設定部52は、目標値を「0」とすることとなる。
制御部53は、水収支量算出部51により算出された水収支量から目標値設定部52により設定された目標値を減じて得られた値が正であるか負であるかを判断するものである。また、制御部53は、上記値が正である場合、燃料電池10の酸化剤極側の圧力を低下させ、該値が負である場合、酸化剤極側の圧力を増加させる構成となっている。ここで、酸化剤極側の圧力を増加させるには、燃料電池10への酸化剤ガスの供給量を排出量よりも多くすればよい。そして、この場合には、酸化剤ガスに含まれて供給される水分量を酸化剤ガスに含まれて排出される水分量よりも多くでき、酸化剤極側の水収支量を増加させることができる。すなわち、水収支量と目標値との差を少なくすることができる。
逆に、酸化剤極側の圧力を減少させるには、燃料電池10への酸化剤ガスの供給量を排出量よりも少なくすればよい。そして、この場合には、酸化剤ガスに含まれて供給される水分量を酸化剤ガスに含まれて排出される水分量よりも少なくでき、酸化剤極側の水収支量を減少させることができる。これによっても、水収支量と目標値との差を少なくすることができる。以上より、制御部53は、水収支量を目標値に近づけて、所望の水分状態を実現するようにしている。
発電電流情報取得部54は、燃料電池10の発電電流値の情報を取得するものである。この発電電流情報取得部54は、燃料電池システム1の発電目標となる電流値を発電電流値として取得する。なお、これに限らず、発電電流情報取得部54は、電流センサを備え、実際に発電されて得られた電流の値を電流センサにより検出とにかい取得する構成であってもよい。
また、上記目標値設定部52により設定される目標値は、予め定められた値であってもよいし、燃料電池システム1の運転状況に応じて変化する値であってもよい。さらに、目標値が一定の値である場合、目標値が記憶部(不図示)に記憶されていてもよく、この場合には記憶部が目標値設定部52を構成することとなる。
次に、本実施形態に係る燃料電池システム1の動作の概略を説明する。なお、以下の説明において目標値は一定の値「0」とされ、燃料電池システム1は燃料電池の酸化剤極側の水分量を維持する動作を行うものとする。
まず、燃料電池10の酸化剤極側では発電によって水が生成される。また、酸化剤ガスは水分を含んだ状態で燃料電池10の酸化剤極側に供給され、水分を含んだ状態で燃料電池10の酸化剤極側から排出される。よって、燃料電池システム1の運転状態によっては、固体高分子電解質膜を乾燥させてしまったり、酸化剤極側で水詰まりを生じてしまう可能性がある。
そこで、制御装置50の水収支量算出部51は、燃料電池10の酸化剤極側の水収支量を求める。この水収支量は、燃料電池10の運転状態の情報に基づいて算出される。運転状態の情報としては、運転時の燃料電池10の温度および酸化剤極側の入口圧力、並びに発電電流値などが該当する。従って、水収支量算出部51は、温度センサ42により検出された温度の情報、圧力センサ41により検出された圧力の情報、および発電電流情報取得部54により取得された発電電流値の情報などから水収支量を算出する。
ここで、燃料電池10の温度と水収支量とには図2のような相関がある。図2は、燃料電池10の温度と水収支量との相関を示す図である。なお、図2において縦軸は水収支量を示し、横軸は燃料電池10の温度を示している。例えば、燃料電池10の運転温度が高い場合、酸化剤ガスは燃料電池流入時よりも排出時の方が暖められ、流入時よりも排出時の飽和水蒸気量の方が高くなる。これにより、燃料電池10の温度が高い場合、多くの水分が酸化剤ガスに含まれて排出され易くなり、水収支量は減少する傾向がある。一方、燃料電池10の温度が低いと、上記と逆となり、酸化剤ガスに含まれて排出される水分量が少なくなり、水収支量は増加する傾向がある。
また、酸化剤極側入口の圧力と水収支量には以下のような相関がある。すなわち、酸化剤極側入口の圧力が大きい場合、酸化剤ガスの流入量が排出量よりも多いと言え、水収支量は増加する傾向にある。一方、酸化剤極側入口の圧力が小さい場合、酸化剤ガスの流入量が排出量よりも少ないと言え、水収支量は減少する傾向にある。
さらに、発電電流値と水収支量には以下のような相関がある。すなわち、発電電流値が高い場合、発電によって生成される生成水量が多くなり水収支量は増加する傾向にある。逆に、発電電流値が小さい場合、発電によって生成される生成水量が少なくなり水収支量は減少する傾向にある。また、発電電流値が高いと、発電に必要となる酸化剤ガスも増加するため、多くの酸化剤ガス流量が酸化剤極側に流入することとなる。このため、酸化剤ガスに含まれて酸化剤極側に流入する水分も多いと予測され、水収支量は増加する傾向にある。発電電流値が低いと、逆に酸化剤ガスがあまり酸化剤極側に流入せず、水収支量は減少する傾向にある。
このように、水収支量算出部51は、上記のような相関を利用して水収支量を算出することとなる。なお、制御装置50は、図2に示すような相関データを、発電電流値ごと、且つ、酸化剤極側の入口圧力ごとに記憶しており、本実施形態では必要となる相関データを読み出して、水収支量を求める。
次いで、制御部53は、水収支量算出部51により算出された水収支量から目標値設定部52により設定された目標値を減じる。ここで、本実施形態では目標値は「0」である。そして、制御部53は、上記減算により得られた値が正であるか負であるかを判断し、正である場合には酸化剤極側の圧力を低下させ、負である場合には酸化剤極側の圧力を上昇させる。
具体的に制御部53は、図3の相関を利用して燃料電池10の酸化剤極側入口圧力を調整する。図3は、水収支量から目標値を減じた値と酸化剤極側入口圧力との相関を示す図であり、或る発電電流値且つ或る燃料電池10の温度での相関を示している。なお、図3において縦軸は酸化剤極側入口圧力を示し、横軸は水収支量から目標値を減じた値を示している(本実施形態では目標値が「0」であるため、横軸は水収支量を示す)。
図3に示すように、酸化剤極側入口圧力が増加すると、水収支量が正方向に大きくなる傾向がある。このため、例えば水収支量が正の値Waである場合、水収支量を目標値に近づけるためには(図3の「0」に近づけるためには)、酸化剤極側入口圧力を低下させればよいこととなる。このため、制御部53は水収支量が正である場合、酸化剤極側の入口圧力を低下させる。逆に、水収支量が負の値Wbである場合、水収支量を目標値に近づけるためには(図3の「0」に近づけるためには)、酸化剤極側入口圧力を増加させればよいこととなる。このため、制御部53は水収支量が負である場合、酸化剤極側の入口圧力を増加させる。
また、図3からも明らかなように、制御部53は、水収支量(目標値が「0」でない場合は水収支量から目標値を減じた値)が正に大きくなるほど圧力を大きく低下させ、水収支量が負に大きくなるほど圧力を大きく増加させる。これにより、すみやかに水収支量を目標値に近づけるようにしている。
なお、制御部53は、圧力を増加させて燃料電池10の許容圧力まで上昇させたにも関わらず、水収支量(目標値が「0」でない場合は水収支量から目標値を減じた値)が負である場合、燃料電池10の発電電流値を減少させる。燃料電池10の発電電流値を減少させると、発電に要する酸化剤ガス量も少なくなり、燃料電池10の酸化剤極側に供給するガス量を減少させることができる。そして、酸化剤極側に供給するガス量が減少すると、酸化剤極側の圧力は低下することとなる。従って、発電電流値を減少させることで、圧力を低下させることができ、許容圧力を超えないようにすることができる。
次に、本実施形態に係る燃料電池システム1の詳細動作の一例を説明する。図4は、本実施形態に係る燃料電池システム1の詳細動作の一例を示すフローチャートである。なお、図4に示す処理は、例えば10msecごとに繰り返し実行されるものとする。
図4に示すように、まず、制御装置50は、燃料電池10から排出される冷却水の温度を、温度センサ42のセンサ値Tcから検出する(ST1)。その後、発電電流情報取得部54は、発電電流値Ieの情報を取得する(ST2)。
次いで、制御装置50は、圧力センサ41から入口圧力センサ値Pinを読み込む(ST3)。そして、水収支量算出部51は、ステップST1〜ST3において取得した情報に基づいて、図2等の相関を利用して水収支量W1を算出する(ST4)。次に、制御部53は、水収支量W1が「0」未満であるか否かを判断する(ST5)。
水収支量W1が「0」未満であると判断した場合(ST5:YES)、すなわち水収支量W1が負である場合、制御部53は、燃料電池10の入口圧力Pinを増加させる(ST6)。そして、処理はステップST8に移行する。一方、水収支量W1が「0」未満でないと判断した場合(ST5:NO)、制御部53は、燃料電池10の入口圧力Pinを減少させる(ST7)。そして、処理はステップST8に移行する。なお、望ましくはステップST5において水収支量W1が「0」であると判断された場合には、燃料電池10の入口圧力Pinを変化させず、処理はステップST8に移行する。
ここで、制御部53は、入口圧力Pinを変化させる際に、発電に必要となる酸化剤ガスの供給量を維持したまま、第2圧力調整弁35の開度を調整する。これにより、酸化剤ガスの供給量が発電に必要となる量を下回ることを防止することができる。さらに、制御部53は、酸化剤極側の圧力のみを変化させず、燃料極側の圧力を変化させることが望ましい。これにより、圧力差が生じて固体高分子電解質膜に負荷を与えてしまうことを防止することができる。
ステップST8において、制御装置50は、圧力センサ41から入口圧力センサ値Pinを再び読み込む(ST8)。そして、制御部53は、この圧力Pinが所定値未満であるか否かを判断する(ST9)。ここで、所定値は、燃料電池10の許容圧力である。圧力Pinが所定値未満であると判断した場合(ST9:YES)、処理は終了する。一方、圧力Pinが所定値未満でないと判断した場合(ST9:NO)、制御部53は、発電電流値Ieを減少させる(ST10)。その後、処理は終了する。そして、以上の処理が燃料電池システム1が停止するまで繰り返されることとなる。
このようにして、第1実施形態に係る燃料電池システム1によれば、算出された水収支量から目標値を減じて得られた値が正であるときに酸化剤極側の圧力を低下させ、該値が負であるときに酸化剤極側の圧力を増加させる。ここで、酸化剤極側の圧力を増加させるには、燃料電池10への酸化剤ガスの供給量を排出量よりも多くすればよい。そして、この場合には、酸化剤ガスに含まれて供給される水分量を酸化剤ガスに含まれて排出される水分量よりも多くでき、酸化剤極側の水収支量を増加させることができる。逆に、酸化剤極側の圧力を減少させるには、燃料電池10への酸化剤ガスの供給量を排出量よりも少なくすればよい。そして、この場合には、酸化剤ガスに含まれて供給される水分量を酸化剤ガスに含まれて排出される水分量よりも少なくでき、酸化剤極側の水収支量を減少させることができる。以上より、本実施形態では圧力の増減によって水収支量を目標値に近づけ、燃料電池の水分状態を好適とすることができる。しかも、本実施形態では酸化剤ガスの供給量でなく圧力を制御することとしている。このため、酸化剤ガスの供給量については発電に必要となる量を維持したまま、排出量を増減させることが可能となり、酸化剤ガスの供給量が発電に必要となる量を下回ることを防止することができる。従って、発電への影響を軽減しつつ、水分状態を好適にすることができる。
また、水収支量算出部51は、燃料電池10の運転状態の情報から酸化剤極側の水収支量を求める構成となっており、この運転状態には燃料電池10の温度の情報が含まれている。ここで、燃料電池10の温度が高いと、酸化剤ガスは燃料電池流入時よりも排出時の方が暖められ、流入時よりも排出時の飽和水蒸気量の方が高くなる。これにより、燃料電池10の温度が高い場合、多くの水分が酸化剤ガスに含まれて排出され易くなり、水収支量は負に大きくなる傾向がある。一方、燃料電池10の温度が低いと、上記と逆となり、酸化剤ガスに含まれて排出される水分量が少なくなり、水収支量は正に大きくなる傾向がある。本実施形態では温度情報をもとに水収支量を求めることで、上記のような傾向を加味して水収支量を求めることとなり、水収支量の正確性を向上させることができる。
また、水収支量算出部51は、さらに酸化剤極側入口のガス圧力の情報と発電電流値の情報とから水収支量を求める。ここで、酸化剤極側入口の圧力が大きいと、酸化剤ガスの流入量が排出量よりも多く水収支量は増加する傾向にある。また、発電電流値が高いと、発電によって生成される生成水量が多くなり水収支量は増加する傾向にある。さらに、発電電流値が高いと、酸化剤極側に流入する酸化剤ガス流量が大きいと予測され、酸化剤ガスに含まれて酸化剤極側に流入する水分も多いと予測され、水収支量は増加する傾向にある。本実施形態では酸化剤極側入口のガス圧力の情報と発電電流値の情報とをもとに水収支量を求めることで、上記のような傾向を加味して水収支量を求めることとなり、水収支量の正確性を向上させることができる。
また、燃料電池10を冷却する冷却水が燃料電池10から排出されたときの温度を、燃料電池10の温度として検出するため、簡易に測定できる冷却水出口温度から燃料電池温度の情報を取得することができる。
また、酸化剤極側の圧力を増加させて許容圧力まで上昇させたにも関わらず、該値が負である場合、燃料電池10の発電電流値を減少させる。ここで、燃料電池10の発電電流値を減少させると、発電に要する酸化剤ガス量も少なくなり、燃料電池10の酸化剤極側に供給するガス量を減少させることができる。そして、酸化剤極側に供給するガス量が減少すると、酸化剤極側の圧力は低下することとなる。従って、発電電流値を減少させることで、目標となる圧力を低下させることができ、許容圧力を超えないようにすることができる。
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態に係る燃料電池システムは、第1実施形態のものと同様であるが、構成及び処理内容が異なっている。以下、第1実施形態との相違点を説明する。
図5は、本発明の第2実施形態に係る燃料電池システムの構成図である。同図に示すように、燃料電池システム2は、新たに流量センサ(酸化剤ガス流量検出手段)43を備えている。流量センサ43は、酸化剤ガス供給装置31とコンプレッサ33との間の酸化剤極側供給配管32に設置され、燃料電池10の酸化剤極側に流入する酸化剤ガスの流量を計測するようになっている。また、本実施形態において温度センサ42は燃料電池10から排出される冷却水温度でなく、燃料電池10の温度を直接検出するようになっている。
さらに、本実施形態において水収支量算出部51は、温度センサ42からの温度情報、圧力センサ41からの圧力情報、および発電電流値の情報に加えて、流量センサ43により検出された酸化剤ガス流量に基づいて水収支量を求めるようになっている。より詳しく説明すると、本実施形態において水収支量算出部51は、第1実施形態と同様にして、温度センサ42からの温度情報、圧力センサ41からの圧力情報、および発電電流値の情報から水収支量を求める。次に、水収支量算出部51は、発電電流値の情報と流量センサ43により検出された流量とから、水収支量の補正値を求める。次いで、水収支量算出部51は、温度情報、圧力情報、および発電電流値の情報から求めた水収支量を補正値により補正する。これにより、たとえば実際に燃料電池10に流入する酸化剤ガス流量が、発電に必要となる流量よりも多い場合であっても、正確な水収支量を求めることができる。
図6は、水収支量の補正値を示す図であり、縦軸は補正値を示し、横軸は流量センサ43により検出された酸化剤ガス流量から、発電電流値により求められる目標酸化剤ガス流量を減じた流量差分を示している。同図に示すように、検出酸化剤ガス流量が目標酸化剤ガス流量より大きくなり流量差分が大きくなるほど、補正値は大きくなってり、水収支量が大きく補正されることがわかる。
次に、第2実施形態に係る燃料電池システム2の詳細動作を説明する。図7は、第2実施形態に係る燃料電池システム2の一例を示すフローチャートである。なお、図7に示す処理は、例えば10msecごとに繰り返し実行されるものとする。
図7に示すように、まず、制御装置50は、燃料電池10の温度を、温度センサ42のセンサ値Tsから検出する(ST11)。その後、発電電流情報取得部54は、発電電流値Ieの情報を取得する(ST12)。次いで、制御装置50は、圧力センサ41から入口圧力センサ値Pinを読み込み(ST13)、図2等の相関を利用して水収支量W1を算出する(ST14)。
その後、水収支量算出部51は、流量センサ43により検出された酸化剤ガス流量Qcの情報を読み込む(ST15)。次に、水収支量算出部51は、ステップST12において取得した発電電流値Ieの情報から、目標となる酸化剤ガス流量Qtを算出する(ST16)。そして、水収支量算出部51は、ステップST15にて読み込まれた酸化剤ガス流量Qcから、ステップST16において算出された酸化剤ガス流量Qtを減じて流量差分を求め、この流量差分と図6に示した相関データとに基づいて、水収支量補正値Cを推定する(ST17)。
次に、水収支量算出部51は、補正後の水収支量W2を求める。このとき、水収支量算出部51は、W2=W1×Cなる演算式から補正後の水収支量W2を求める。そして、制御部53は、補正後の水収支量W2が「0」未満であるか否かを判断する(ST18)。補正後の水収支量W2が「0」未満であると判断した場合(ST18:YES)、すなわち補正後の水収支量W2が負である場合、制御部53は、燃料電池10の入口圧力Pinを増加させる(ST19)。そして、処理は終了する。一方、補正後の水収支量W2が「0」未満でないと判断した場合(ST18:NO)、制御部53は、燃料電池10の入口圧力Pinを減少させる(ST20)。そして、処理は終了する。なお、望ましくはステップST18において水収支量W2が「0」であると判断された場合には、燃料電池10の入口圧力Pinを変化させず、処理は終了する。
このようにして、第2実施形態に係る燃料電池システム2は、第1実施形態と同様に、発電への影響を軽減しつつ、水分状態を好適にすることができる。また、水収支量の正確性を向上させることができる。
さらに、第2実施形態によれば、温度情報に加えて、酸化剤極側入口のガス圧力の情報と発電電流値の情報と酸化剤極側へ流入する酸化剤ガスの流量とから水収支量を求める。ここで、上記したように酸化剤極側入口の圧力が大きいと、酸化剤ガスの流入量が排出量よりも多く水収支量は増加する傾向にある。また、発電電流値が高いと、発電によって生成される生成水量が多くなり水収支量は増加する傾向にある。
また、酸化剤極側へ流入する酸化剤ガスの流量が大きいと、酸化剤ガスに含まれて酸化剤極側に流入する水分も多くなり、水収支量は増加する傾向にある。特に、第2実施形態では、発電電流値から酸化剤極側へのガス流量を予測せず、酸化剤極側へ流入する酸化剤ガスの流量を測定しているため、発電に必要となる酸化剤ガス量以上の酸化剤ガスを酸化剤極側に供給している場合であっても、水収支量を正確に求めることができる。従って、水収支量の正確性を向上させることができる。
次に、本発明の第3実施形態を説明する。第3実施形態に係る燃料電池システムは、第2実施形態のものと同様であるが、構成及び処理内容が異なっている。以下、第2実施形態との相違点を説明する。
図8は、本発明の第3実施形態に係る燃料電池システムの構成図である。同図に示すように、燃料電池システム3は、新たに湿度センサ44を備えている。湿度センサ44は、コンプレッサ33と燃料電池10の間の酸化剤極側供給配管32に設置され、燃料電池10の酸化剤極側に流入する酸化剤ガスの湿度を計測するようになっている。
また、本実施形態において圧力センサ41は2つ設けられている。1つは、燃料電池10の酸化剤極側入口のガス圧力を検出する入口圧力センサ(入口圧力検出手段)41aであり、もう1つは、燃料電池10の酸化剤極側出口のガス圧力を検出する出口圧力センサ(出口圧力検出手段)41bである。また、本実施形態において温度センサ42も同様に2つ設けられており、1つは、燃料電池10の酸化剤極側の入口温度を検出する入口温度センサ(入口温度検出手段)42aであり、もう1つは、燃料電池10の酸化剤極側の出口温度を検出する出口温度センサ(出口温度検出手段)42bである。
さらに、本実施形態に係る水収支量算出部51は、上記実施形態と水収支量の算出方法が異なっており、燃料電池10の酸化剤極側に持ち込まれる供給水量と、発電により酸化剤極側で生成される生成水量と、燃料電池10の酸化剤極側から排出される排出水量とを求め、供給水量と生成水量との和から排出水量を減じることで、酸化剤極側の水収支量を求めるようになっている。
ここで、水収支量算出部51は、流量センサ43により検出された酸化剤ガスの流量Qcと、湿度センサ44により検出された酸化剤極側入口の湿度Hcと、入口圧力センサ41aにより検出された酸化剤極側入口のガス圧力Pinと、入口温度センサ42aにより検出された酸化剤極側の入口温度Tinとの情報から、燃料電池10の酸化剤極側に持ち込まれる供給水量Winを求める。具体的には、水収支量算出部51は、Win=Qc×f(Tin)×Hc/(Pin−f(Tin)×Hc)なる関係式から、供給水量Winを求める。ここで、f(Tin)は、酸化剤極側の入口温度がTinであるときの酸化剤ガスの飽和水蒸気量を示す演算式である。
また、水収支量算出部51は、発電電流情報取得部54により取得された発電電流値Ieの情報から、発電により酸化剤極側で生成される生成水量Weを求める。さらに、水収支量算出部51は、流量センサ43により検出された酸化剤ガスの流量Qcと、出口圧力センサ41bにより検出された酸化剤極側出口のガス圧力Poutと、出口温度センサ42bにより検出された酸化剤極側の出口温度Toutとから、燃料電池10の酸化剤極側から排出される排出水量Woutを求める。具体的に、水収支量算出部51は、Wout=Qc×f(Tout)/(Pout−f(Tout))なる関係式から、排出水量Woutを求める。ここで、f(Tout)は、酸化剤極側の出口温度がToutであるときの酸化剤ガスの飽和水蒸気量を示す演算式である。
次に、第3実施形態に係る燃料電池システム3の詳細動作を説明する。図9は、第3実施形態に係る燃料電池システム3の一例を示すフローチャートである。なお、図9に示す処理は、例えば10msecごとに繰り返し実行されるものとする。
図9に示すように、まず、水収支量算出部51は、供給水量Winを算出する(ST21)。次いで、水収支量算出部51は、生成水量Weを算出し(ST22)、排出水量Woutを算出する(ST23)。そして、水収支量算出部51は、水収支量Wを、W=Win+We−Woutなる演算式から求める(ST24)。その後、制御部53は、水収支量Wが「0」未満であるか否かを判断する(ST25)。水収支量Wが「0」未満であると判断した場合(ST25:YES)、すなわち水収支量Wが負である場合、制御部53は、燃料電池10の入口圧力Pinを増加させる(ST26)。そして、処理は終了する。一方、水収支量Wが「0」未満でないと判断した場合(ST25:NO)、制御部53は、燃料電池10の入口圧力Pinを減少させる(ST27)。そして、処理は終了する。なお、望ましくはステップST25において水収支量Wが「0」であると判断された場合には、燃料電池10の入口圧力Pinを変化させず、処理は終了する。
図10は、図9に示したステップST21の詳細を示すフローチャートである。図10に示すように、供給水量Winの算出にあたり、水収支量算出部51は、酸化剤極側の入口湿度を、湿度センサ44のセンサ値Hcから検出する(ST31)。次に、水収支量算出部51は、燃料電池10の酸化剤極側入口温度を、入口温度センサ42aのセンサ値Tinから検出する(ST32)。そして、水収支量算出部51は、入口圧力センサ41aから入口圧力センサ値Pinを読み込み(ST33)、その後流量センサ43により検出された酸化剤ガス流量Qcの情報を読み込む(ST34)。
次に、水収支量算出部51は、ステップST31〜ST34にて得られた情報をもとに、Win=Qc×f(Tin)×Hc/(Pin−f(Tin)×Hc)なる関係式から、供給水量Winを求める(ST35)。その後、処理は図9に示すステップST22に移行する。
図11は、図9に示したステップST22の詳細を示すフローチャートである。図11に示すように、生成水量Weの算出にあたり、まず、発電電流情報取得部54により取得された発電電流値Ieの情報を読み込む(ST41)。次いで、水収支量算出部51は、生成水量Weを算出する(ST42)。その後、処理は図9に示すステップST23に移行する。
図12は、図9に示したステップST23の詳細を示すフローチャートである。図12に示すように、排出水量Woutの算出にあたり、水収支量算出部51は、燃料電池10の酸化剤極側出口温度を、出口温度センサ42bのセンサ値Toutから検出する(ST51)。その後、水収支量算出部51は、流量センサ43により検出された酸化剤ガス流量Qcの情報を読み込み(ST52)。次いで、水収支量算出部51は、出口圧力センサ41bから出口圧力センサ値Poutを読み込む(ST53)。そして、水収支量算出部51は、ステップST51〜ST53にて得られた情報をもとに、Wout=Qc×f(Tout)/(Pout−f(Tout))なる関係式から、排出水量Woutを求める(ST54)。その後、処理は図9に示すステップST24に移行する。
このようにして、第3実施形態に係る燃料電池システム3によれば、第2実施形態と同様に、発電への影響を軽減しつつ、水分状態を好適にすることができる。また、水収支量の正確性を向上させることができる。
さらに、第3実施形態によれば、燃料電池10の酸化剤極側に持ち込まれる供給水量Winと、発電により酸化剤極側で生成される生成水量Weと、燃料電池10の酸化剤極側から排出される排出水量Woutとを求め、供給水量Winと生成水量Weとの和から排出水量Woutを減じることで、酸化剤極側の水収支量Wを求める。このため、演算により一層正確な水収支量を求めることができる。
なお、第3実施形態では、入口圧力センサ41aと出口圧力センサ41bとの2つの圧力センサを備えているが、これに限らず、入口圧力センサ41aのみを備え、出口圧力Poutについては、入口圧力Pin、酸化剤ガス流量Qtおよび酸化剤極側の出口温度Toutから推定するようにしてもよい。さらに、第3実施形態では、入口温度センサ42aと出口温度センサ42bとの2つの圧力センサを備えているが、これに限らず、燃料電池温度を検出する温度センサ42のみを備え、酸化剤極側の入口温度および出口温度については、温度センサ42により検出された燃料電池10の温度から推定するようにしてもよい。
次に、本発明の第4実施形態を説明する。第4実施形態に係る燃料電池システムは、第1実施形態のものと同様であるが、構成及び処理内容が異なっている。以下、第1実施形態との相違点を説明する。
図13は、本発明の第4実施形態に係る燃料電池システムの構成図である。同図に示すように、第4実施形態に係る燃料電池システム4は圧力センサ41を備えていない。また、制御装置50は、水収支量算出部51に代えて記憶部(記憶手段)55を有している。この記憶部55は、燃料電池10の温度と、発電電流値と、水収支量を目標値に保つために必要な圧力(以下必要圧力という)との相関を示す相関データを記憶している。
図14は、図13に示す記憶部55に記憶される相関データを示す図である。なお、図14において、縦軸は水収支量を目標値に保つために必要な圧力を示しており、横軸は発電電流値を示している。図14に示すように、相関データは、発電電流値が大きくなるほど必要圧力が高くなり、発電電流値が小さくなるほど必要圧力が低くなるようになっている。また、相関データは、燃料電池10の温度が高くなるほど必要圧力が高くなり、燃料電池10の温度が低くなるほど必要圧力が低くなるようになっている。なお、記憶部55は、目標値設定部52によって設定される目標値ごとに相関データを記憶している。
次に、第4実施形態に係る燃料電池システム4の詳細動作を説明する。図15は、第4実施形態に係る燃料電池システム4の一例を示すフローチャートである。なお、図15に示す処理は、例えば10msecごとに繰り返し実行されるものとする。
図15に示すように、まず、制御装置50は、燃料電池10の温度を、温度センサ42のセンサ値Tsから検出する(ST61)。その後、発電電流情報取得部54は、発電電流値Ieの情報を取得する(ST62)。次いで、制御部53は、記憶部55から相関データを読み出す。ここで、制御部53は、目標値設定部52により設定される目標値に応じた相関データを読み出す(ST63)。そして、制御部53は、読み出した相関データと、ステップST61において得られた燃料電池10の温度の情報と、ステップST62において得られた発電電流値Ieの情報とから、必要圧力Pintを求める(ST64)。次いで、制御部53は、必要圧力Pintとなるように酸化剤ガス供給装置31、コンプレッサ33および第2圧力調整弁35を制御することとなる。そして、図15に示す処理は終了する。
このようにして、第4実施形態に係る燃料電池システム4によれば、温度と発電電流値と必要圧力Pintとの相関を示す相関データを記憶し、温度センサ42により検出した燃料電池の温度Tsと発電電流情報取得部54により取得した発電電流値Ieと記憶部55に記憶した相関データとから、必要圧力を求めて制御する。これにより、水収支量を演算することなく、相関データに基づいて水分状態を好適にすることができる。さらに、圧力制御を行っているため、酸化剤ガスの供給量が発電に必要となる量を下回ることを防止することができる。従って、発電への影響を軽減しつつ、水分状態を好適にすることができる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよいし、各実施形態を組み合わせるようにしてもよい。
本発明の第1実施形態に係る燃料電池システムの構成図である。 燃料電池の温度と水収支量との相関を示す図である。 水収支量から目標値を減じた値と酸化剤極側入口圧力との相関を示す図である。 本実施形態に係る燃料電池システムの詳細動作の一例を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る燃料電池システムの構成図である。 水収支量の補正値を示す図である。 第2実施形態に係る燃料電池システムの一例を示すフローチャートである。 本発明の第3実施形態に係る燃料電池システムの構成図である。 第3実施形態に係る燃料電池システムの一例を示すフローチャートである。 図9に示したステップST21の詳細を示すフローチャートである。 図9に示したステップST22の詳細を示すフローチャートである。 図9に示したステップST23の詳細を示すフローチャートである。 本発明の第4実施形態に係る燃料電池システムの構成図である。 図13に示す記憶部に記憶される相関データを示す図である。 第4実施形態に係る燃料電池システムの一例を示すフローチャートである。
符号の説明
1〜4…燃料電池システム
10…燃料電池
11…燃料極
12…酸化剤極
20…燃料ガス供給系
21…燃料ガス供給装置
22…燃料極側供給配管
23…第1圧力調整弁
24…燃料極側排出配管
30…酸化剤ガス供給系
31…酸化剤ガス供給装置
32…酸化剤極側供給配管
33…コンプレッサ
34…酸化剤極側排出配管
35…第2圧力調整弁
41…圧力センサ(入口圧力検出手段)
41a…入口圧力センサ(入口圧力検出手段)
41b…出口圧力センサ(出口圧力検出手段)
42…温度センサ(温度検出手段)
42a…入口温度センサ(入口温度検出手段)
42b…出口温度センサ(出口温度検出手段)
43…流量センサ(酸化剤ガス流量検出手段)
44…湿度センサ(湿度検出手段)
50…制御装置
51…水収支量算出部(水収支量算出手段)
52…目標値設定部(目標値設定手段)
53…制御部(制御手段)
54…発電電流情報取得部(発電電流情報取得手段)
55…記憶部(記憶手段)

Claims (10)

  1. 燃料ガスの供給を受ける燃料極、酸化剤ガスの供給を受ける酸化剤極、および両極に挟まれる電解質膜を有し、供給された燃料ガスと酸化剤ガスとを反応させて発電する燃料電池と、
    前記酸化剤極側の水分量の増減を示す水収支量を求める水収支量算出手段と、
    前記酸化剤極側の水収支量の目標値を設定する目標値設定手段と、
    前記水収支量算出手段により算出された水収支量から前記目標値設定手段により設定された目標値を減じて得られた値が正であると前記燃料電池の酸化剤極側の圧力を低下させ、該値が負であると前記酸化剤極側の圧力を増加させる制御手段と、
    を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記燃料電池の温度を検出する温度検出手段をさらに備え、
    前記水収支量算出手段は、少なくとも前記温度検出手段により検出された温度の情報を含む前記燃料電池の運転状態の情報から、前記酸化剤極側の水収支量を求める
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記燃料電池の酸化剤極側入口のガス圧力を検出する入口圧力検出手段と、
    前記燃料電池の発電電流値の情報を取得する発電電流情報取得手段と、をさらに備え、
    前記水収支量算出手段は、さらに前記入口圧力検出手段により検出された圧力の情報と前記発電電流情報取得手段により取得された発電電流値の情報とを含む前記燃料電池の運転状態から、前記酸化剤極側の水収支量を求める
    ことを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記温度検出手段は、前記燃料電池を冷却する冷却水が前記燃料電池から排出されたときの温度を、前記燃料電池の温度として検出する
    ことを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  5. 前記燃料電池の酸化剤極側に流入する酸化剤ガスの流量を検出する酸化剤ガス流量検出手段と、
    前記燃料電池の酸化剤極側入口のガス圧力を検出する入口圧力検出手段と、
    前記燃料電池の発電電流値の情報を取得する発電電流情報取得手段と、をさらに備え、
    前記水収支量算出手段は、さらに前記酸化剤ガス流量検出手段により検出された酸化剤ガスの流量と、前記入口圧力検出手段により検出された圧力と、前記発電電流情報取得手段により取得された発電電流値の情報とを含む前記運転状態から、前記酸化剤極側の水収支量を求める
    ことを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  6. 前記水収支量算出手段は、前記燃料電池の酸化剤極側に持ち込まれる供給水量と、発電により前記酸化剤極側で生成される生成水量と、前記燃料電池の酸化剤極側から排出される排出水量とを求め、前記供給水量と前記生成水量との和から前記排出水量を減じることで、前記酸化剤極側の水収支量を求める
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  7. 前記燃料電池の酸化剤極側に流入する酸化剤ガスの流量を検出する酸化剤ガス流量検出手段と、
    前記燃料電池の酸化剤極側の入口の湿度を検出する湿度検出手段と、
    前記燃料電池の酸化剤極側入口のガス圧力を検出する入口圧力検出手段と、
    前記燃料電池の酸化剤極側出口のガス圧力を検出する出口圧力検出手段と、
    前記燃料電池の酸化剤極側の入口温度を検出する入口温度検出手段と、
    前記燃料電池の酸化剤極側の出口温度を検出する出口温度検出手段と、
    前記燃料電池の発電電流値の情報を取得する発電電流情報取得手段と、をさらに備え、
    前記水収支量算出手段は、
    前記酸化剤ガス流量検出手段により検出された酸化剤ガスの流量と、前記湿度検出手段により検出された酸化剤極側入口の湿度と、前記入口圧力検出手段により検出された酸化剤極側入口のガス圧力と、前記入口温度検出手段により検出された酸化剤極側の入口温度との情報から、前記燃料電池の酸化剤極側に持ち込まれる供給水量を求め、
    前記発電電流情報取得手段により取得された発電電流値の情報から、発電により前記酸化剤極側で生成される生成水量を求め、
    前記酸化剤ガス流量検出手段により検出された酸化剤ガスの流量と、前記出口圧力検出手段により検出された酸化剤極側出口のガス圧力と、前記出口温度検出手段により検出された酸化剤極側の出口温度とから、前記燃料電池の酸化剤極側から排出される排出水量を求める
    ことを特徴とする請求項6に記載の燃料電池システム。
  8. 前記制御手段は、前記酸化剤極側の圧力を増加させて前記燃料電池の許容圧力まで上昇させた時点で、前記水収支量算出手段により算出された水収支量から前記目標値設定手段により設定された目標値を減じて得られた値が負である場合、前記燃料電池の発電電流値を減少させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  9. 燃料ガスの供給を受ける燃料極、酸化剤ガスの供給を受ける酸化剤極、および両極に挟まれる電解質膜を有し、供給された燃料ガスと酸化剤ガスとを反応させて発電する燃料電池と、
    前記酸化剤極側の水分量の増減を示す水収支量の目標値を設定する目標値設定手段と、
    前記燃料電池の温度を検出する温度検出手段と、
    燃料電池の温度と前記水収支量を前記目標値とするのに必要となる圧力との相関を示す相関データを記憶した記憶手段と、
    前記温度検出手段により検出された温度の情報と前記記憶手段により記憶された相関データとから、前記酸化剤極側の圧力を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  10. 前記相関データは、前記燃料電池の温度が高くなるほど圧力が高くなり、前記燃料電池の温度が低くなるほど圧力が低くなるようにされている
    ことを特徴とする請求項9に記載の燃料電池システム。
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