JP2007219237A - トリアリールアミン誘導体及びその製造方法ならびに電子写真感光体 - Google Patents
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AR3、AR4は、同一又は異なって、置換基を有してもよいアリール基等、RR1は水素、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基等、RR2及びRR3は、同一又は異なって、水素原子、アルキル基等を表し、mは1以上の整数、nは0又は1以上の整数、m>nであり、mとnの和は8以下であり、m=1且つn=0は除く。)
で表されるようなブタジエニルベンゼンアミン誘導体(A)又はスチリル化合物(B)が知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
で表わされることを特徴とする。
で表わされるトリアリールアミン誘導体の製造方法であって、アミン誘導体(19)と、ハロゲン化アリール化合物(9)とを反応させ、さらに、ハロゲン化アリール化合物(9)とは異なる構造を有するハロゲン化アリール化合物(5)を反応させることを特徴とする。
一般式(I)において、R1におけるアリール基としては、炭素数6〜14、好ましくは6〜10のものが挙げられる。例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントリル基、フェナントリル基等が挙げられる。なかでもフェニル基が好ましい。
R2〜R5においては、アルキル基、アルコキシ基、アリール基は、炭素数1〜14、好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜6のものが挙げられる。
ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基としては、上述したものと同様のものが例示される。なかでも、水素原子又はハロゲン原子が好ましい。
本発明のトリアリールアミン誘導体の例として、以下に示した化合物が例示される。
つまり、式(10)で表わされるアミン誘導体に、(9)で表わされるハロゲン化アリール誘導体をカップリングさせ、さらに得られたアリールアミン誘導体(11)に、(5)で表わされる別のハロゲン化アリール誘導体をカップリング反応させることにより、一般式(I)のトリアリールアミン誘導体を得ることができる。
例えば、まず、式(6)で表わされるハロゲン化ベンゼン誘導体に、(2)で表わされる亜リン酸トリエチルを適当な溶媒中に添加して反応させることが好ましい。この場合、ハロゲン化アリール(6)と亜リン酸トリエチル(2)とは、モル比で、1:1〜4程度、さらに、1:2程度で反応させることが好ましい。また、反応温度は通常80〜160℃程度、反応時間は1〜10時間程度が適当である。反応に使用する溶媒は、上述した溶媒と同様のものが挙げられる。
本発明の電子写真感光体は、一般に、導電性基体上に感光体層を形成することにより構成される。導電性基体は、基体自体が導電性を有するか、あるいは基体の表面が導電性を有していればよく、種々の材料を使用することができる。例えば、鉄、アルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮等の金属又はこれらの金属が蒸着又はラミネートされたプラスチック材料、カーボンブラック等の導電性微粒子が分散されてなるプラスッチック材料、ヨウ化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で被覆されたガラス等が挙げられる。導電性基体の形状は、使用する画像形成装置の構造に合わせて、シート状、ドラム状等のいずれであってもよいが、使用に際して十分な機械的強度を有するものが好ましい。
感光層は、少なくとも、電荷輸送剤(例えば、正孔輸送剤)として一般式(I)のトリアリールアミン誘導体と、結着樹脂と、任意に電荷発生剤及び/又は他の電荷輸送剤とを適当な溶媒に溶解又は分散させ、得られた塗布液を導電性基体上に塗布し、乾燥させることにより形成することができる。単層型感光体は、単独の構成で正負いずれの帯電型にも適用可能であり、層構成が簡単であって、生産性に優れている。
本発明の電子写真感光体は、正孔輸送剤として、一般式(I)のトリアリールアミン誘導体を含有する。この化合物は、上述したとおりである。
(2)電子輸送剤
電子輸送剤としては、公知の電子輸送剤のいずれを用いてもよい。例えば、ナフタレンカルボン酸ジイミド誘導体、ナフトキノン誘導体、アゾキノン誘導体、ジフェノキノン誘導体、ベンゾキノン誘導体のほか、アントラキノン誘導体、マロノニトリル誘導体、チオピラン誘導体、トリニトロチオキサントン誘導体、3,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン誘導体、ジニトロアントラセン誘導体、ジニトロアクリジン誘導体、ニトロアントアラキノン誘導体、ジニトロアントラキノン誘導体、テトラシアノエチレン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、ジニトロベンゼン、ジニトロアントラセン、ジニトロアクリジン、ニトロアントラキノン、ジニトロアントラキノン、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン酸等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。具体的には、下記式で表される化合物(ET−1〜ET−3)が挙げられる。
なお、電子輸送剤の添加量を定めるにあたり、前述した正孔輸送剤の添加量を考慮することが好ましい。例えば、感度の向上という観点から、電子輸送剤(全ETM)の添加割合(全ETM/全HTM)を、正孔輸送剤(全HTM)に対して、0.25〜1.3とすることが好ましい。
電荷発生剤としては、無金属フタロシアニン(τ型又はx型)、チタニルフタロシアニン(α型又はY型)、ヒドロキシガリウムフタロシアニン(V型)、及びクロロガリウムフタロシアニン(II型)、オキソチタニルフタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料、ビスアゾ顔料、ジオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、トリスアゾ顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、ピリリウム顔料、アンサンスロン顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、キナクリドン系顔料といった有機光導電体や、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミウム、アモルファスシリコン等の無機光導電剤料等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの化合物を電荷発生剤として用いることにより、正孔輸送剤及び電子輸送剤を併用した場合に、感度特性、電気特性及び安定性等をより向上させることができる。具体的には、特開2006−8670号公報及び特開2005−306744号公報等に記載されているフタロシアニン系顔料(CGM−A〜CGM−D)が挙げられる。
この場合の添加量は、全電荷発生剤100重量部に対して、30〜200重量部含有させることが適当である。
結着樹脂は、当該分野の結着樹脂として使用されるものであれば特に限定されるものではなく、種々のものを使用することができる。例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂;シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、その他架橋性の熱硬化性樹脂;エポキシアクリレート、ウレタン−アクリレート等の光硬化型樹脂等が挙げられ利。
感光体層には、上記各成分の他に、電子写真特性に悪影響を与えない範囲で、従来公知の種々の添加剤、例えば、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、一重項クエンチャー、紫外線吸収剤等の劣化防止剤、軟化剤、可塑剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナー等を添加してもよい。また、感光体層の感度を向上させるために、例えば、テルフェニル、ハロナフトキノン類、アセナフチレン等の公知の増感剤を電荷発生剤と併用してもよい。
感光体層は、上述した電荷発生剤、電荷輸送剤、結着樹脂等を適当な溶剤とともに、公知の方法、例えば、ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカー、超音波分散機等を用いて分散混合して分散液を調製し、これを公知の手段により導電性基体表面に塗布して乾燥させることにより形成することができる。
2.積層型感光体
積層型感光層は、導電性基体上に、蒸着又は塗布等の手段によって、電荷発生剤を含有する電荷発生層を形成し、この電荷発生層上に、正孔輸送剤と、結着樹脂とを含有する塗布液を塗布し、乾燥させて電荷輸送層を形成することによって作製される。また、導電性基体上に電荷輸送層を形成し、その上に電荷発生層を形成してもよい。ただし、電荷発生層は、電荷輸送層に比べて膜厚がごく薄いため、その保護のために、電荷発生層上に電荷輸送層を形成することがより好ましい。
本発明の電子写真感光体は、例えば、図1に示す画像形成装置によって使用することができる。
また、図1に示されるように、必要に応じて分離手段6、除電手段7、クリーニング手段9が設けられていてもよい。
画像形成の際は、まず帯電手段2により電子写真感光体1表面は一様に帯電される。次いで、露光手段3より露光軸31に沿って電子写真感光体1表面が露光され、原稿画像に対応した静電潜像が形成される。
続いて、転写手段5により、搬送(矢印Bの向き)されてくる転写媒体8上に感光体1表面のトナー像が転写される。転写後の転写媒体8は、分離手段6で電子写真感光体1から分離された後、定着手段12によりトナー定着される。
その後、電子写真感光体1表面の残留電位が、除電手段7からの除電光71により除去され、再び帯電手段2により帯電される。
[実施例1]
(トリアリールアミン誘導体の合成)
以下の反応に従って、トリアリールアミン誘導体としてHT−1で表わす化合物を製造した。
続いて、2Lの2口フラスコに、化合物9(21.5g、0.076モル)、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル(0.066g、0.019ミリモル)、トリスジベンジリデンアセトンジパラジウム(0.086g、0.094ミリモル)、t−BuONa(7.68g、0.08モル)、化合物10(10.2g、0.076モル)、o−キシレン500mlを入れ、アルゴン置換して、120℃にて5時間攪拌した後、室温まで冷却した。反応液中の有機層をイオン交換水で3回洗浄し、有機層に無水硫酸ナトリウム及び活性白土を加え、乾燥及び吸着処理し、キシレンを減圧留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/ヘキサン展開)にて精製し、化合物11として、固体(収量21.7g、収率85%)を得た。
正孔輸送剤として、得られたトリアリールアミン誘導体(上記式中、HT−1で表される化合物)を60重量部と、電荷発生剤として、X型無金属フタロシアニン(CGM−A)を5重量部と、結着樹脂として、Z型ポリカーボネート樹脂100重量部と、レベリング剤としてのジメチルシリコーンオイルであるKF−96−50CS(信越化学工業製)を0.1重量部とを、溶媒としてテトラヒドロフラン800重量部に添加した。次いで、ボールミルを用いて50時間混合分散して、感光層用の塗布液を調製した。得られた塗布液を、直径30mm、長さ254mmの導電性基材導電性基材(アルミニウム素管)上に、ディップコート法にて塗布し、100℃、30分間の条件で熱風乾燥して、膜厚25μmの単層型感光層を有する電子写真感光体を得た。
得られた電子写真感光体における初期電気特性、すなわち、初期表面電位(Vo)、半減露光量(E1/2)及び残留電位(Vr)を測定した。
次いで、帯電させた状態で、ハロゲンランプの光からバンドパスフィルターを用いて取り出した波長780nmの単色光(半値幅:20nm、光強度:1.5μJ/cm2)を、感光体表面に照射し、光体の表面電位が初期表面電位の1/2になるのに要した時間t1/2(sec)を測定し、正帯電時の半減露光量EP1/2(μJ/cm2)を式(1)により求めた。
さらに、露光開始から0.5秒経過した時点での表面電位を測定し、それを残留電位(Vr)とした。それぞれ得られた結果を、表1に示す。
実施例2〜4では、実施例1の塗布液中に、電子輸送剤として、表2に示す化合物を添加した以外は、実質的に実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。その結果を表1に示す。
比較例1〜8では、正孔輸送材料として、以下の式
表2によれば、窒素原子に置換された置換基を非対称としたトリアリールアミン誘導体を電荷輸送物質として用いることにより、結着樹脂との相溶性に優れ、良好な感度を、長時間にわたって維持することが確認された。
2 主帯電手段
3 露光手段
4 現像手段
5 転写手段
6 分離手段
7 除電手段
8 転写媒体
9 クリーニング手段
10 支持基体
11 感光層
12 定着手段
13 軸心
14 駆動手段
31 露光軸
71 除電光
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