JP2007217793A - 金属膜作製装置及び金属膜作製方法 - Google Patents

金属膜作製装置及び金属膜作製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】新方式のCVD装置において、基板の材質に拘らず金属膜を作製することができる金属膜作製装置を提供する。
【解決手段】金属酸化物を含む基板33が収容されるチャンバ1と、チャンバ1に設けられる炭素材製の被エッチング部材34と、チャンバ1の内部にハロゲンを含有する原料ガス21を供給するノズル14と、酸素成分手段である基板33と、チャンバ1の内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させガスプラズマ20で被エッチング部材34をエッチングすることにより炭素成分と原料ガス21との前駆体36を生成するプラズマ発生手段と、基板側の温度を被エッチング部材34の温度よりも低くすることにより酸素成分手段の酸素成分を含んだ前駆体36の炭素成分を基板側に成膜させる制御手段とを備え酸素成分を含んだ炭素膜を作製することにより基板33には不動態である金属酸化物に結合し難い金属膜でも作製出来るようにした。
【選択図】 図5

Description

本発明は、基板の材質に拘らず金属膜を作製することができる金属膜作製装置及び金属膜作製方法に関する。
現在、半導体等の製造においては、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)装置を用いた成膜が知られている。プラズマCVD装置とは、チャンバ内に導入した膜の材料となる有機金属錯体等のガスを、高周波アンテナから入射する高周波によりプラズマ状態にし、プラズマ中の活性な励起原子によって基板表面の化学的な反応を促進して金属薄膜等を成膜する装置である。
これに対し、本発明者等は、高蒸気圧ハロゲン化物を作る金属成分であって、成膜を望む金属成分からなる被エッチング部材をチャンバに設置し、前記被エッチング部材をハロゲンガスのプラズマによりエッチングすることで金属成分のハロゲン化物である前駆体を生成させるとともに、前駆体の金属成分のみを基板上に成膜するプラズマCVD装置(以下、新方式のプラズマCVD装置という)および成膜方法を開発した(例えば、下記、特許文献1参照)。
特開2003−147534号公報
上記新方式のプラズマCVD装置では、成膜される金属源となる被エッチング部材の温度に対して基板の温度が低くなるように制御して基板に当該金属膜を成膜している。例えば、被エッチング部材の金属をM、ハロゲンガスをCl2とした場合、被エッチング部材を高温(例えば300°C〜700°C)に、また基板を低温(例えば200°C程度)に制御することにより、前記基板にM薄膜を形成することができる。これは、次のような反応によるものと考えられる。
1)プラズマの解離反応;Cl2→2Cl*
2)エッチング反応;M+Cl*→MCl(g)
3)基板への吸着反応;MCl(g)→MCl(ad)
4)成膜反応;MCl(ad)+Cl* →M+Cl2↑ ・・・(1)
ここで、Cl*はClのラジカルであることを、(g)はガス状態であることを、(ad)は吸着状態であることをそれぞれ表している。
前述した新方式のCVD装置においては、基板の材質によっては金属膜を作製することができないこともあった。
例えば、半導体素子の配線回路等においてはポリイミドの表面に配線用の銅膜が形成されるが、ポリイミドの最表面は酸素や水素が不動態化しておりポリイミドに対しては銅の密着性が悪く、ニッケル層を介在させて銅膜が形成されている(例えば、下記、特許文献2参照)。この場合、メッキによりニッケル膜及び銅膜を形成していた。また、SiO2、Al23、ガラス等のような金属酸化物層は不動態であるので、銅等の金属膜を直接形成することが困難であるため、TiNやTaN等のバリアメタル層を形成し密着層としても作用させていた。
特開2003−115489号公報
ポリイミド等の樹脂の表面に金属膜を作製する場合、従来ではメッキにより金属膜を作製していた。メッキは環境汚染に対して廃液の処理等を厳重に行う必要があり、半導体の製造には使用を避けることが好ましい。スパッタによりポリイミドやエポキシ樹脂の表面に金属膜を作製することも考えられるが、膜質や密着性に問題があった。
また、SiO2、Al23、ガラス等に金属膜を作製する場合、バリアメタル層を密着層として形成するための設備が必要で装置が大掛かりなものとなっていた。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、上述の如き新方式のCVD装置において、基板の材質に拘らず金属膜を作製することができる金属膜作製装置及び金属膜作製方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の第1の態様は、
樹脂製の基板が収容されるチャンバと、
基板が対向する位置におけるチャンバに設けられる金属製の被エッチング部材と、
チャンバの内部にハロゲンを含有する原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、
チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生成するプラズマ発生手段と、
基板側の温度を被エッチング部材の温度よりも低くすることにより前駆体の金属成分を基板側に成膜させる制御手段と、
原料ガスプラズマを発生させた際に原料ガスプラズマにより表面水素成分が除去される温度に基板の温度を加熱する温度制御手段と、
温度制御手段により基板の加熱を行なった後、プラズマ発生手段により原料ガスプラズマを発生させて基板の表面水素成分を除去し、原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生成し、制御手段により基板側の温度を被エッチング部材の温度よりも低くすることにより前駆体の金属成分を基板側に成膜させる、成膜制御手段とを備えたことを特徴とする。
かかる第1の態様によれば、樹脂製の基板の加熱により基板の表面水素成分を除去し、前駆体の金属成分を基板側に成膜させるので、樹脂製の基板であっても金属膜を作製することが可能となる。
ここで、前記被エッチング部材は配線用金属材料であることが望ましい。この場合には、樹脂製の基板であっても配線用金属膜を作製することが可能となる。
また、前記配線用金属材料は銅もしくはアルミニウムもしくは銀であることが好ましい。この場合には、樹脂製の基板であっても銅もしくはアルミニウムもしくは銀の配線用金属膜を作製することが可能となる。
また、温度制御手段は、被エッチング部材の予備加熱を行う予備加熱手段であることが望ましい。この場合には、成膜のための予備加熱により基板の加熱を行うので、特別な加熱手段を必要とせず基板の加熱のための制御も不要となる。
また、温度制御手段は、基板側の温度を独立して制御する手段であることが望ましい。この場合、基板側の温度を独立して制御することで基板の加熱を行うので、正確な温度制御が可能となる。
上記目的を達成するための本発明の第2の態様は、
不動態である金属酸化物を含む基板が収容されるチャンバと、
基板が対向する位置におけるチャンバに設けられる炭素材製の被エッチング部材と、
チャンバの内部にハロゲンを含有する原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、
チャンバの内部に酸素成分を存在させる酸素成分手段と、
チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる炭素成分と原料ガスとの前駆体を生成するプラズマ発生手段と、
基板側の温度を被エッチング部材の温度よりも低くすることにより酸素成分手段の酸素成分を含んだ前駆体の炭素成分を基板側に成膜させる制御手段とを備え、
酸素成分を含んだ炭素膜が作製された基板には不動態である金属酸化物に結合し難い金属膜が作製されることを特徴とする。
かかる第2の態様によれば、酸素成分を含んだ前駆体の炭素成分が基板側に成膜されるため、酸素を媒介として不動態である金属酸化物に結合し難い金属膜を作製することが可能になる。
ここで、前記不動態である金属酸化物を含む基板は、SiO2もしくはAl23もしくはガラスであることが望ましい。この場合、SiO2もしくはAl23もしくはガラスに対して結合し難い金属膜を作製することが可能になる。
また、前記不動態である金属酸化物に結合し難い金属膜は銅製の膜であることが望ましい。この場合には、SiO2もしくはAl23もしくはガラスに対して銅製の膜を作製することが可能になる。
さらに、ハロゲンを含有する原料ガスは塩素を含有するものとすることができる。この場合、ハロゲンガスを含有する原料ガスとして塩素を含有するガスを適用してので、安価な塩素ガスを用いることが可能になる。
本発明の第3の態様は、
原料ガスプラズマを発生させた際に原料ガスプラズマにより表面水素成分が除去される温度に樹脂製の基板の加熱を行なった後、金属製の被エッチング部材が備えられたチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給し、原料ガスプラズマを発生させて樹脂製の基板の表面水素成分を除去し、原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる金属成分と原料ガスとの前駆体を生成し、樹脂製の基板側の温度を被エッチング部材の温度よりも低くすることにより前駆体の金属成分を樹脂製の基板に成膜させることを特徴とする。
かかる第3の態様によれば、樹脂製の基板の加熱により基板の表面水素成分を除去し、前駆体の金属成分を基板側に成膜させるので、樹脂製の基板であっても金属膜を作製することが可能となる。
ここで、前記樹脂製の基板に成膜させる金属は配線用金属材料であることが望ましい。この場合、樹脂製の基板であっても配線用金属膜を作製することが可能となる。
また、前記配線用金属材料は銅もしくはアルミニウムもしくは銀であることが望ましい。この場合、樹脂製の基板であっても銅もしくはアルミニウムもしくは銀の配線用金属膜を作製することが可能となる。
また、被エッチング部材の予備加熱を行うことで樹脂製の基板の加熱を同時に行なうことが望ましい。この場合、成膜のための予備加熱により基板の加熱を行うので、特別な加熱手段を必要とせず基板の加熱のための制御も不要となる。
さらに、基板側の温度を独立して制御することで樹脂製の基板の加熱を行なうことが望ましい。この場合、基板側の温度を独立して制御することで基板の加熱を行うので、正確な温度制御が可能となる。
上記目的を達成するための本発明の第4の態様は、
炭素材製の被エッチング部材が備えられたチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給し、チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる炭素成分と原料ガスとの前駆体を生成し、不動態である金属酸化物を含む基板側の温度を被エッチング部材の温度よりも低くすることにより酸素成分を含んだ前駆体の炭素成分を基板側に成膜させ、酸素成分を含んだ炭素膜が作製された基板には不動態である金属酸化物に結合し難い金属膜が作製されることを特徴とする。
かかる第4の態様によれば、酸素成分を含んだ前駆体の炭素成分が基板側に成膜されるため、酸素を媒介として不動態である金属酸化物に結合し難い金属膜を作製することが可能になる。
ここで、前記不動態である金属酸化物を含む基板は、SiO2もしくはAl23もしくはガラスであることが望ましい。この場合、SiO2もしくはAl23もしくはガラスに対して結合し難い金属膜を作製することが可能になる。
また、前記不動態である金属酸化物に結合し難い金属膜は銅製の膜であることが望ましい。この場合、SiO2もしくはAl23もしくはガラスに対して銅製の膜を作製することが可能になる。
また、ハロゲンを含有する原料ガスは塩素を含有する原料ガスとすることができる。この場合、ハロゲンガスを含有する原料ガスとして塩素を含有するガスを適用しているので、安価な塩素ガスを用いることが可能になる。
本発明の金属膜作製装置は、基板の材質に拘らず金属膜を作製することができる金属膜作製装置とすることができる。
本発明の金属膜作製方法は、基板の材質に拘らず金属膜を作製することができる金属膜作製方法とすることができる。
以下本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
(第1実施形態例)
図1には本発明の第1実施形態例に係る金属膜作製方法を実施する金属膜作製装置の概略側面、図2には基板側の温度の経時変化を表すグラフ、図3には基板表面の反応状況を表す概念、図4には銅の成膜状況を表す概念を示してある。
第1実施形態例は、Cl2ガスプラズマを発生させた際にCl2ガスプラズマにより表面水素成分が除去される温度にポリイミド製の基板の加熱を行なった後、銅(Cu製)の被エッチング部材が備えられたチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスとしてのCl2ガスを供給し、Cl2ガスプラズマを発生させてポリイミド製の基板の表面水素成分を除去し、Cl2ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれるCuとCl2ガスとの前駆体を生成し、ポリイミド製の基板側の温度を被エッチング部材の温度よりも低くすることにより前駆体のCu成分をポリイミド製の基板に成膜させる。このため、ポリイミド製の基板の加熱により基板の表面水素成分を除去し、前駆体のCu成分を基板側に成膜させるので、ポリイミド製の基板であってもCu膜を作製することが可能となる。
尚、被エッチング部材としては、銅(Cu)に限定されず、配線用金属材料であるアルミニウム(Al)や銀(Ag)を適用することも可能である。また、基板としてはポリイミド製に限定されず、エポキシ樹脂等のシート状、板状の樹脂を適用することが可能である。
図1に示すように、円筒状に形成された、例えば、セラミックス製(絶縁材製)のチャンバ1の底部近傍には支持台2が設けられ、支持台2には樹脂製であるポリイミド製の基板3が載置される。支持台2にはヒータ4及び冷媒流通手段5を備えた温度調整手段6が設けられ、支持台2は温度調整手段6により所定温度(例えば、基板3が100℃から300℃に維持される温度)に制御される。尚、チャンバの形状は円筒状に限らず、例えば、矩形状のチャンバを適用することも可能である。
チャンバ1の上面は開口部とされ、開口部は絶縁材料製(例えば、セラミックス製)の板状の天井板7によって塞がれている。天井板7の上方にはチャンバ1の内部をプラズマ化するためのプラズマアンテナ8が設けられ、プラズマアンテナ8は天井板7の面と平行な平面リング状に形成されている。プラズマアンテナ8には整合器9及び電源10が接続されて高周波が供給される。プラズマアンテナ8、整合器9及び電源10によりプラズマ発生手段が構成されている。
チャンバ1には金属製として銅(Cu)製の被エッチング部材11が保持され、被エッチング部材11はプラズマアンテナ8の電気の流れに対して基板3と天井板7の間に不連続状態で配置されている。例えば、被エッチング部材11は、棒状の突起部12とリング部13とからなり、突起部12がチャンバ1の中心側に延びるようにリング部13が設けられている。これにより、被エッチング部材11はプラズマアンテナ8の電気の流れ方向である周方向に対して構造的に不連続な状態とされている。
尚、プラズマアンテナ8の電気の流れに対して不連続状態にする構成としては、被エッチング部材を格子状に形成したり網目状に構成する等とすることも可能である。
チャンバ1の筒部の周囲にはチャンバ1の内部にハロゲンとしての塩素を含有する原料ガス(Cl2ガス)21を供給する原料ガス供給手段としてのノズル14が周方向に等間隔で複数(例えば8箇所:図には2箇所を示してある)接続されている。ノズル14には流量制御器15を介してCl2 ガス21が送られる。成膜に関与しないガス等は排気口16から排気される。天井板7によって塞がれたチャンバ1の内部は真空装置17によって所定の圧力に維持される。
尚、原料ガスに含有されるハロゲンとしては、フッ素、臭素及びヨウ素等を適用することが可能である。
一方、被エッチング部材11の予備加熱の際にプラズマを発生させるために、チャンバ1の内部にアルゴン(Ar)ガス25を供給するノズル26がチャンバ1の筒部に接続されている。ノズル26には流量制御器27を介してArガス25が送られる。
上述した薄膜作製装置では、チャンバ1の内部にノズル26からArガス25を供給する。プラズマアンテナ8から電磁波をチャンバ1の内部に入射することで、Arガス25をイオン化してArガスプラズマを発生させる。Arガスプラズマを発生させることにより、被エッチング部材11を、例えば、150℃まで予備加熱を行う。この時、図2に示すように、ポリイミド製の基板3は、例えば、所定温度T0に加熱され、後述するCl2ガス21を導入した際に、例えば、50℃近傍とされる。この温度は、後述するCl2 ガスプラズマを発生させた際に、Cl2 ガスプラズマによりポリイミド製の基板3の表面の水素成分が除去される温度となっている(温度制御手段)。
Arガスプラズマを発生させる被エッチング部材11の予備加熱により基板3の加熱を行っているので、特別な加熱手段を必要とせず、基板3の加熱のための制御も不要となる。尚、基板3の加熱を専用の温度制御手段(例えば、前述した温度調整手段6)を用いて基板3の加熱(温度制御)を独立して行うことも可能である。この場合、正確な温度制御が可能になる。
ポリイミド製の基板3を加熱した後、チャンバ1の内部にノズル14からCl2 ガス21を供給する。プラズマアンテナ8から電磁波をチャンバ1の内部に入射することで、Cl2 ガス21をイオン化してCl2 ガスプラズマを発生させる。プラズマは、ガスプラズマ20で図示する領域に発生する。この時の反応は、次式で表すことができる。
Cl2→2Cl* ・・・・(1)
ここで、Cl*は塩素ラジカルを表す。
図3(a)に示すように、塩素ラジカルCl*により、50℃近傍に加熱されたポリイミド製の基板3の表面の水素(H)成分が除去される。つまり、図3(b)に示すように、HCl(g)となって排出される。
ガスプラズマ20がCu製の被エッチング部材11に作用することにより、被エッチング部材11が加熱されると共に、Cuにエッチング反応が生じる。この時の反応は、例えば、次式で表される。
Cu(s)+Cl* →CuCl(g) ・・・・(2)
ここで、sは固体状態、gはガス状態を表す。式(2)は、Cuがガスプラズマ20によりエッチングされ、前駆体23とされた状態である。
ガスプラズマ20を発生させることにより被エッチング部材11を加熱し(例えば、300℃〜700℃)、更に、温度調整手段6により基板3の温度を被エッチング部材11の温度よりも低い温度(例えば、100℃〜300℃)に設定する。この結果、前駆体23は基板3に吸着(成膜)される。この時の反応は、例えば、次式で表される。
CuCl(g)→CuCl(ad) ・・・・(3)
図3(b)に示すように、吸着したCuClは、塩素ラジカルCl*により還元されてCu成分となり、図3(c)に示すように、酸素と結合されCu薄膜が作製可能となる。この時の反応は、例えば、次式で表される。
CuCl(ad)+Cl*→Cu(s)+Cl2↑ ・・・・(4)
更に、図3(b)に示すように、上式(2)において発生したガス化したCuCl(g)の一部は、基板3に吸着する(上式(3)参照)前に、塩素ラジカルCl*により還元されてガス状態のCuとなる。この時の反応は、例えば、次式で表される。
CuCl(g)+Cl*→Cu(g)+Cl2↑ ・・・・(5)
この後、ガス状態のCu成分は、図3(c)に示すように、酸素と結合され基板3に成膜されてCu薄膜が作製可能となる。
上述した装置では、ポリイミド製の基板3の加熱により基板3の表面水素成分を除去し、前駆体のCu成分を基板3に成膜させるので、図4に示すように、樹脂製の基板3であってもCu膜を作製することが可能となる。即ち、メッキにより膜を作製し難い金属の成膜が可能になる。
(第2実施形態例)
図5には本発明の第2実施形態例に係る金属膜作製方法を実施する金属膜作製装置の概略側面、図6には酸素成分を含んだ炭素の成膜状況を表す概念を示してある。尚、図1に示した部材と同一部材には同一符号を付してある。
第2実施形態例は、炭素材製の被エッチング部材が備えられたチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスとしてのCl2ガスを供給し、チャンバの内部をプラズマ化してCl2ガスプラズマを発生させCl2ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる炭素成分とCl2ガスとの前駆体を生成し、不動態である金属酸化物を含む基板であるSiO2側の温度を被エッチング部材の温度よりも低くすることにより酸素成分を含んだ前駆体の炭素成分を基板に成膜させ、酸素成分を含んだ炭素膜が作製された基板には不動態である金属酸化物に結合し難い銅(Cu)膜が作製される。このため、酸素成分を含んだ前駆体の炭素成分が基板に成膜されるため、酸素を媒介として不動態である金属酸化物に結合し難いCu膜を作製することが可能になる。
尚、基板としてはSiO2に限定されず、Al23、ガラス等の不動態である金属酸化物を適用することが可能である。
図5に示すように、円筒状に形成された、例えば、セラミックス製(絶縁材製)のチャンバ1の底部近傍には支持台2が設けられ、支持台2には不動態である金属酸化物を含む基板であるSiO2製の基板33が載置される。支持台2にはヒータ4及び冷媒流通手段5を備えた温度調整手段6が設けられ、支持台2は温度調整手段6により所定温度(例えば、基板3が100℃から300℃に維持される温度)に制御される。尚、チャンバの形状は円筒状に限らず、例えば、矩形状のチャンバを適用することも可能である。
チャンバ1の上面は開口部とされ、開口部は炭素材製(グラファイト製)の被エッチング部材34によって塞がれている。チャンバ1の筒部の周囲にはチャンバ1の内部をプラズマ化するためのコイル状のプラズマアンテナ35が設けられ、プラズマアンテナ35には整合器9及び電源10が接続されて高周波が供給される。プラズマアンテナ35、整合器9及び電源10によりプラズマ発生手段が構成されている。
尚、被エッチング部材及びプラズマアンテナの形状は、図1に示した金属膜作製装置と同一形状とすることも可能である。
チャンバ1の筒部の周囲にはチャンバ1の内部にハロゲンとしての塩素を含有する原料ガス(Cl2ガス)21を供給する原料ガス供給手段としてのノズル14が周方向に等間隔で複数(例えば8箇所:図には2箇所を示してある)接続されている。ノズル14には流量制御器15を介してCl2 ガス21が送られる。成膜に関与しないガス等は排気口16から排気される。被エッチング部材34によって塞がれたチャンバ1の内部は真空装置17によって所定の圧力に維持される。
尚、原料ガスに含有されるハロゲンとしては、フッ素、臭素及びヨウ素等を適用することが可能である。
チャンバ1の内部にノズル14からCl2 ガス21を供給する。プラズマアンテナ8から電磁波をチャンバ1の内部に入射することで、Cl2 ガス21をイオン化してCl2 ガスプラズマを発生させる。プラズマは、ガスプラズマ20で図示する領域に発生する。この時の反応は、次式で表すことができる。
Cl2→2Cl* ・・・・(11)
ここで、Cl*は塩素ラジカルを表す。
ガスプラズマ20がグラファイト製の被エッチング部材34に作用することにより、被エッチング部材34が加熱されると共に、グラファイトにエッチング反応が生じる。この時の反応は、例えば、次式で表される。
C(s)+Cl* →CCl(g) ・・・・(12)
ここで、sは固体状態、gはガス状態を表す。式(12)は、Cがガスプラズマ20によりエッチングされ、前駆体36とされた状態である。前駆体36はガス化したCCl(CClx)である。
ガスプラズマ20を発生させることにより被エッチング部材34を加熱し(例えば、300℃〜700℃)、更に、温度調整手段6により基板33の温度を被エッチング部材34の温度よりも低い温度(例えば、100℃〜300℃)に設定する。この結果、前駆体36は基板33に吸着(成膜)される。この時の反応は、例えば、次式で表される。
CCl(g)→CCl(ad) ・・・・(13)
吸着したCClは、塩素ラジカルCl*により還元されてC成分となり、金属酸化物である基板33から供給された酸素と結合され(CO)xとされて、図6に示すように、基板33に成膜される。この時の反応は、例えば、次式で表される。
CCl(ad)+O+Cl*→(CO)x(s)+Cl2↑ ・・・・(14)
更に、上式(12)において発生したガス化したCCl(g)の一部は、基板33に吸着する(上式(13)参照)前に、塩素ラジカルCl*により還元されてガス状態のCとなる。この時の反応は、例えば、次式で表される。
CCl(g)+Cl*→C(g)+Cl2↑ ・・・・(5)
この後、ガス状態のC成分は、酸素と結合され、図6に示すように、基板33に成膜されて(CO)x膜が作製可能となる。
SiO2製の基板33に(CO)x膜が作製されたことにより、図6に点線で示すように、不動態である金属酸化物に結合し難いCu膜が(CO)x膜の酸素を媒介として(CO)x膜に密着し、SiO2製の基板33の表面に密着性よくCu膜が作製される。
上述した実施形態例では、SiO2製の基板33自体が酸素成分手段となり、基板33から酸素が供給される。また、チャンバ1がセラミックス製であるため、Al23を適用することにより、チャンバ1が酸素成分手段となり、チャンバ1から酸素が供給される。
酸素成分手段としては、酸素を含有する流体、例えば、水蒸気等を別途供給することも可能である。
Cu膜の作製は、被エッチング部材を銅製とした金属膜作製装置(銅CVD装置)等が適用可能である。即ち、第2実施形態例の被エッチング部材34を銅製とすることで、Cu膜の作製が可能となる。
第2実施形態例の金属膜作製装置と、被エッチング部材を銅製とした金属膜作製装置(銅CVD装置)を並設し、金属膜作製装置の間で基板を搬送する移動手段を設け、更に、それぞれの金属膜作製装置での成膜を連動して同時に行わせる制御手段を備えることで、(CO)x膜の作製とCu膜の作製とを一つの装置で実施することができる。
図7に基づいて(CO)x膜とCu膜の作製を同時に行う装置の概略を説明する。図7には(CO)x膜とCu膜の作製を同時に行う装置の概略平面を示してある。
図に示すように、多角形型の真空チャンバ51には開閉アーム及び把持アームからなるアーム機構52が旋回自在に設けられ、真空チャンバ51には基板加工用チャンバ53が接続されている。基板加工用チャンバ53には金属膜が作製される基板33が搬入されたり、所望の成膜が完了した基板33が搬送されて所定の処理が施される。多角形型の真空チャンバ51の周囲には、第2実施形態例の金属膜作製装置、被エッチング部材を銅製とした金属膜作製装置(銅CVD装置)が順に配設され、アーム機構52によって基板33が搬出入される。
金属膜作製装置は、制御手段54により動作が制御される。即ち、金属膜作製装置の成膜動作が連動して制御され、基板33に対する(CO)x膜の作製とCu膜の作製が各金属膜作製で同時に行われる。そして、アーム機構52の動作と制御手段54とが連動され、基板33の成膜が連続して行われる。
図8、図9に基づいて本発明及び被エッチング部材を銅製とした金属膜作製装置(銅CVD装置)を適用することができる金属膜作製装置の他の例を説明する。図8、図9には本発明等を適用することができる他の実施形態例に係る金属膜作製装置の概略構成を示してある。
図8に示した装置は、天井板65を被エッチング部材で構成し、基板3側をアースすると共に天井板65に給電を行って容量型のプラズマを発生させる構成としたものである。
図9に示した装置は、チャンバ1の内部に連通する筒状の通路(外部プラズマ発生室)66を設け、通路66の周囲にコイル状のプラズマアンテナ67を設置し、チャンバ1の外部でプラズマを発生させ、外部で生成された原料ガスラジカルをチャンバ1に供給して非エッチング部材のエッチングを行って成膜を行う構成としたものである。
本発明は、基板の材質に拘らず金属膜を作製することができる金属膜作製装置及び金属膜作製方法の産業分野で利用することができる。
本発明の第1実施形態例に係る金属膜作製方法を実施する金属膜作製装置の概略側面図である。 基板側の温度の経時変化を表すグラフである。 基板表面の反応状況を表す概念図である。 銅の成膜状況を表す概念図である。 本発明の第2実施形態例に係る金属膜作製方法を実施する金属膜作製装置の概略側面図である。 酸素成分を含んだ炭素の成膜状況を表す概念図である。 (CO)x膜とCu膜の作製を同時に行う装置の概略平面図である。 本発明等を適用することができる他の実施形態例に係る金属膜作製装置の概略構成図である。 本発明等を適用することができる他の実施形態例に係る金属膜作製装置の概略構成図である。
符号の説明
1 チャンバ
2 支持台
3,33 基板
4 ヒータ
5 冷媒流通手段
6 温度調整手段
7 天井板
8,35 プラズマアンテナ
9 整合器
10 電源
11,34 被エッチング部材
12 突起部
13 リング部
14,26 ノズル
15,27 流量制御器
16 排気口
17 真空装置
20 ガスプラズマ
21 原料ガス
23,35 前駆体
25 アルゴンガス
51 真空チャンバ
52 アーム機構
53 基板加工用チャンバ
54 制御手段

Claims (6)

  1. 不動態である金属酸化物を含む基板が収容されるチャンバと、
    基板が対向する位置におけるチャンバに設けられる炭素材製の被エッチング部材と、
    チャンバの内部にハロゲンを含有する原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、
    チャンバの内部に酸素成分を存在させる酸素成分手段と、
    チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる炭素成分と原料ガスとの前駆体を生成するプラズマ発生手段と、
    基板側の温度を被エッチング部材の温度よりも低くすることにより酸素成分手段の酸素成分を含んだ前駆体の炭素成分を基板側に成膜させる制御手段とを備え
    酸素成分を含んだ炭素膜が作製された基板には不動態である金属酸化物に結合し難い金属膜が作製されることを特徴とする金属膜作製装置。
  2. 請求項1に記載の金属膜作製装置において、
    不動態である金属酸化物を含む基板は、SiO2もしくはAl23もしくはガラスであることを特徴とする金属膜作製装置。
  3. 請求項1もしくは請求項2のいずれか一項に記載の金属膜作製装置において、
    不動態である金属酸化物に結合し難い金属膜は銅製の膜であることを特徴とする金属膜作製装置。
  4. 炭素材製の被エッチング部材が備えられたチャンバ内にハロゲンを含有する原料ガスを供給し、チャンバの内部をプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで被エッチング部材をエッチングすることにより被エッチング部材に含まれる炭素成分と原料ガスとの前駆体を生成し、不動態である金属酸化物を含む基板側の温度を被エッチング部材の温度よりも低くすることにより酸素成分を含んだ前駆体の炭素成分を基板側に成膜させ、酸素成分を含んだ炭素膜が作製された基板には不動態である金属酸化物に結合し難い金属膜が作製されることを特徴とする金属膜作製方法。
  5. 請求項4に記載の金属膜作製方法において、不動態である金属酸化物を含む基板は、SiO2もしくはAl23もしくはガラスであることを特徴とする金属膜作製方法。
  6. 請求項4もしくは請求項5のいずれか一項に記載の金属膜作製方法において、不動態である金属酸化物に結合し難い金属膜は銅製の膜であることを特徴とする金属膜作製方法。
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