JP2007216271A - 浸漬ノズル - Google Patents
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Abstract
【課題】鋳造開始時におけるスプラッシュ現象の抑制効果を妨げることなく、溶鋼吐出流の鋳型厚み方向の偏流を軽減可能な連続鋳造用の浸漬ノズルを提供する。
【解決手段】ノズル内側底面から所定の距離だけ上方に離れた位置に一対の対向する吐出孔が穿孔されるとともに、前記ノズル内側底面にはノズル径方向に延在する突部が設けられる、連続鋳造用の浸漬ノズルにおいて、前記突部の長手方向の垂直断面を長方形を含む台形とする。この突部の長手方向の垂直断面の側辺の内側傾斜角や高さ、幅を適宜に設定する。また、前記吐出孔と前記突部との相対的な向きや、前記突部と前記浸漬ノズルの軸心との距離も適宜に設定する。
【選択図】図3
【解決手段】ノズル内側底面から所定の距離だけ上方に離れた位置に一対の対向する吐出孔が穿孔されるとともに、前記ノズル内側底面にはノズル径方向に延在する突部が設けられる、連続鋳造用の浸漬ノズルにおいて、前記突部の長手方向の垂直断面を長方形を含む台形とする。この突部の長手方向の垂直断面の側辺の内側傾斜角や高さ、幅を適宜に設定する。また、前記吐出孔と前記突部との相対的な向きや、前記突部と前記浸漬ノズルの軸心との距離も適宜に設定する。
【選択図】図3
Description
本発明は、連続鋳造に用いられる浸漬ノズルに係り、詳しくは溶鋼吐出流の偏流を軽減する技術に関する。
従来の浸漬ノズルでは、鋳造開始時において当該浸漬ノズルに注湯された溶鋼がその底面に勢いよく当たることで跳ね上がるように吐出される所謂スプラッシュ現象を抑制することを目的として、当該浸漬ノズルの下部に穿孔される吐出孔は前記底面より若干上方へ設けられ、所謂湯溜り部が形成されている。
しかし、鋳型厚み方向の速度勾配を有する溶鋼がこの浸漬ノズルに注湯されると、又は、この浸漬ノズルに注湯された溶鋼に鋳型厚み方向の速度勾配が生じると、前記湯溜り部内における溶鋼の圧力差に起因して、当該湯溜り部を鋳型厚み方向へ横切る溶鋼流れが生じてしまう(図9(a)参照)。この横切る溶鋼流れは、鋳型幅方向と平行な軸を有する回転流を誘起し(図9(b)参照)、その結果、前記浸漬ノズルの吐出孔からの溶鋼吐出流に鋳型厚み方向の偏流が生じてしまう。
そして、この溶鋼吐出流の偏流により、既に凝固/形成された鋳型コーナ部近傍のシェルが再融解してしまい、その結果、シェル成長の不均一さである所謂凝固遅れを発生させてしまう。
この凝固遅れが著しい場合には、シェルが破れて溶鋼が当該シェルの外部へ流れ出る所謂ブレークアウトが懸念される。
なお、上記の溶鋼吐出流の偏流は、浸漬ノズルに注湯される溶鋼の流量を調節するためのスライドプレートの開閉方向には依存しないことが既に明らかとなっている(非特許文献1及び非特許文献2)。
しかし、鋳型厚み方向の速度勾配を有する溶鋼がこの浸漬ノズルに注湯されると、又は、この浸漬ノズルに注湯された溶鋼に鋳型厚み方向の速度勾配が生じると、前記湯溜り部内における溶鋼の圧力差に起因して、当該湯溜り部を鋳型厚み方向へ横切る溶鋼流れが生じてしまう(図9(a)参照)。この横切る溶鋼流れは、鋳型幅方向と平行な軸を有する回転流を誘起し(図9(b)参照)、その結果、前記浸漬ノズルの吐出孔からの溶鋼吐出流に鋳型厚み方向の偏流が生じてしまう。
そして、この溶鋼吐出流の偏流により、既に凝固/形成された鋳型コーナ部近傍のシェルが再融解してしまい、その結果、シェル成長の不均一さである所謂凝固遅れを発生させてしまう。
この凝固遅れが著しい場合には、シェルが破れて溶鋼が当該シェルの外部へ流れ出る所謂ブレークアウトが懸念される。
なお、上記の溶鋼吐出流の偏流は、浸漬ノズルに注湯される溶鋼の流量を調節するためのスライドプレートの開閉方向には依存しないことが既に明らかとなっている(非特許文献1及び非特許文献2)。
上記の溶鋼吐出流の鋳型厚み方向の偏流を防止することを目的として、例えば、浸漬ノズルの内壁をモーグル状(凹凸状)に形成し、当該浸漬ノズル内の溶鋼流を強乱流場とする技術が提案されている。しかし、本技術によれば、浸漬ノズルの製造コストが大幅に増大してしまうし、また、溶鋼流を強乱流場とせしめる効果も、内壁への付着物により比較的短期間で失われてしまうとされる。
また、この種の技術として、例えば特許文献1に記載されているものがある。
この特許文献1の記載によると、ノズル内孔底部近傍に一対の吐出孔が設けられており、その底部湯溜り部には突起部が設けられている。また、前記突起部は、三角柱又は截頭三角柱であって、当該突起部の側面は垂線に対し30度〜60度傾斜して構成されている。そして、これにより、その突起部の側面が垂直に対し30度〜60度傾斜されているので、溶鋼の流れの方向が適度に制御できるとされており、同じく30度未満だと、溶鋼流に必要な変化を与えることができずに吐出孔周壁への付着物の堆積が防止できないとされる。
この特許文献1の記載によると、ノズル内孔底部近傍に一対の吐出孔が設けられており、その底部湯溜り部には突起部が設けられている。また、前記突起部は、三角柱又は截頭三角柱であって、当該突起部の側面は垂線に対し30度〜60度傾斜して構成されている。そして、これにより、その突起部の側面が垂直に対し30度〜60度傾斜されているので、溶鋼の流れの方向が適度に制御できるとされており、同じく30度未満だと、溶鋼流に必要な変化を与えることができずに吐出孔周壁への付着物の堆積が防止できないとされる。
しかしながら、上記特許文献1の構成の技術的効果を確認したところ、上記特許文献1の構成では、ノズル底部近傍において生じる溶鋼の渦が不安定となることから、溶鋼吐出流の鋳型厚み方向の偏流は十分には軽減されなかった。
本発明は係る諸点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、鋳造開始時におけるスプラッシュ現象の抑制効果を妨げることなく、溶鋼吐出流の鋳型厚み方向の偏流を軽減可能な連続鋳造用の浸漬ノズルを提供することにある。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
ノズル内側底面から所定の距離だけ上方に離れた位置に一対の対向する吐出孔が穿孔されるとともに、前記ノズル内側底面にはノズル径方向に延在する突部が設けられる、連続鋳造用の浸漬ノズルを以下のように構成する。
前記突部の長手方向の垂直断面は、長方形を含む台形である。
前記突部の長手方向の垂直断面の側辺は、前記浸漬ノズルの長手方向を基準として0度以上25度以下内側へ傾斜している。
前記突部の長手方向の垂直断面の高さhと、前記吐出孔の内周側開口端の下辺と前記ノズル内側底面との間の距離Hと、の比であるh/Hは、0.5≦h/H≦2.0の範囲内である。
前記突部の長手方向の垂直断面の上辺の幅yと、前記吐出孔の内周側開口端の開口幅Yと、の比であるy/Yは、0.1≦y/Y≦0.5の範囲内である。
前記吐出孔の穿孔方向と、前記突部の長手方向と、が成す角度θ2と、前記吐出孔の穿孔方向と、前記吐出孔の内周側開口端の側辺と前記浸漬ノズルの軸心とを結ぶ面と、が成す角度θ3と、の比であるθ2/θ3は、0≦θ2/θ3≦1.3の範囲内である。
前記浸漬ノズルの軸心と前記突部の長手方向及び短手方向の中心との間の距離xと、前記浸漬ノズルの軸心と前記浸漬ノズルの内周面との間の距離Xと、の比であるx/Xは、0≦x/X≦0.3の範囲内である。
ただし、Dは前記浸漬ノズルの内径を表し、上記『長方形を含む台形』は、その角部に円弧が形成されているものも含むものとする。
前記突部の長手方向の垂直断面は、長方形を含む台形である。
前記突部の長手方向の垂直断面の側辺は、前記浸漬ノズルの長手方向を基準として0度以上25度以下内側へ傾斜している。
前記突部の長手方向の垂直断面の高さhと、前記吐出孔の内周側開口端の下辺と前記ノズル内側底面との間の距離Hと、の比であるh/Hは、0.5≦h/H≦2.0の範囲内である。
前記突部の長手方向の垂直断面の上辺の幅yと、前記吐出孔の内周側開口端の開口幅Yと、の比であるy/Yは、0.1≦y/Y≦0.5の範囲内である。
前記吐出孔の穿孔方向と、前記突部の長手方向と、が成す角度θ2と、前記吐出孔の穿孔方向と、前記吐出孔の内周側開口端の側辺と前記浸漬ノズルの軸心とを結ぶ面と、が成す角度θ3と、の比であるθ2/θ3は、0≦θ2/θ3≦1.3の範囲内である。
前記浸漬ノズルの軸心と前記突部の長手方向及び短手方向の中心との間の距離xと、前記浸漬ノズルの軸心と前記浸漬ノズルの内周面との間の距離Xと、の比であるx/Xは、0≦x/X≦0.3の範囲内である。
ただし、Dは前記浸漬ノズルの内径を表し、上記『長方形を含む台形』は、その角部に円弧が形成されているものも含むものとする。
これにより、鋳造開始時におけるスプラッシュ現象の抑制効果を妨げることなく、溶鋼吐出流の鋳型厚み方向の偏流を大幅に軽減できる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る浸漬ノズルの縦断面図であり、図2は図1における2−2線矢視断面図である。また、図3は図1におけるA部拡大図であり、図4は図1における4−4線矢視断面図である。また、図5は図3に類似する図であり、図6は図4に類似する図である。図7及び図8は夫々図2に類似する図である。
図1は、本発明の一実施形態に係る浸漬ノズルの縦断面図であり、図2は図1における2−2線矢視断面図である。また、図3は図1におけるA部拡大図であり、図4は図1における4−4線矢視断面図である。また、図5は図3に類似する図であり、図6は図4に類似する図である。図7及び図8は夫々図2に類似する図である。
本実施形態において連続鋳造用浸漬ノズル(以下、単に浸漬ノズルと称する。)100は、図1に示すように、有底の略円筒状に形成されており、ノズル内側底面1から所定の距離だけ上方に離れた位置に一対の対向する吐出孔2・2が穿孔されている(図2及び図4も併せて参照)。
前記吐出孔2・2は、図2に示す如く前記浸漬ノズル100の軸心から離れるにつれて扇状に広がるように、また、図4に示す如く若干斜め下向きに形成されている。
また、図1に示す如く前記吐出孔2・2が前記ノズル内側底面1から上方に離れた位置に穿孔されることにより、前記浸漬ノズル100の底面近傍には湯溜り部3が形成されている。当該湯溜り部3は、前述の通り、所謂スプラッシュ現象を抑制するために設けられるものである。
また、図1に示す如く前記吐出孔2・2が前記ノズル内側底面1から上方に離れた位置に穿孔されることにより、前記浸漬ノズル100の底面近傍には湯溜り部3が形成されている。当該湯溜り部3は、前述の通り、所謂スプラッシュ現象を抑制するために設けられるものである。
前記ノズル内側底面1には、図1及び図2に示す如く、前記浸漬ノズル100の直径方向に延在し、且つその両端が前記浸漬ノズル100の内周面と接する突部4が突設されている。
前記突部4の長手方向の垂直断面は、図1及び図3に示す如く、長方形を含む台形に形成されている。
前記突部4の長手方向の垂直断面の側辺4aは、図3に示す如く、前記浸漬ノズル100の長手方向(即ち鉛直方向)を基準として0度以上25度以下内側へ傾斜して形成されている。換言すれば、前記側辺4aの内側傾斜角θ1は0度以上25度以下であって、当該内側傾斜角θ1が0度の場合は、前記突部4の長手方向の垂直断面は長方形であるともいえる。さらに換言すれば、前記突部4は、その長手方向の垂直断面の内角であって前記ノズル内側底面1側のものが65度以上90度以下となるように形成されている。
また本図に示す如く、前記突部4の長手方向の垂直断面の高さhと、前記吐出孔2・2の内周側開口端2a・2aの下辺と前記ノズル内側底面1との間の距離Hと、の比であるh/Hは、0.5≦h/H≦2.0の範囲内となるように構成されている。なお、本図に示す如く前記突部4は、前記吐出孔2・2の内周側開口端2a・2aの下辺よりも上方側に露出していてもよく、本図の場合、前記比h/Hは約1.5である。
また本図に示す如く、前記突部4の長手方向の垂直断面の上辺の幅yと、前記吐出孔2・2の内周側開口端2a・2aの開口幅Yと、の比であるy/Yは、0.1≦y/Y≦0.5の範囲内となるように構成されている。なお、本図において前記比y/Yは、約0.28である。
また本図に示す如く本実施形態において、前記突部4の長手方向の垂直断面の角部(突部4の先端側)には、0≦R1≦y/2の範囲内である半径R1の円弧が形成されていてもよく、例えば図5に示す如く、前記突部4の長手方向の垂直断面の上辺は、平坦状な部分のない完全な円弧状であってもよい(このとき、R1=y/2)。なお、本実施形態において前記半径R1は図3に示す如く約y/5である。
なお前述の如く符号yは前記突部4の長手方向の垂直断面の上辺の幅であるとしたが、本図に示す如く当該垂直断面の角部が円弧状に形成されている場合は、前記幅yを、当該上辺と一の前記側辺4aとの第1仮想交点と、同じく当該上辺と他の前記側辺4aとの第2仮想交点と、の間の距離として定義するものとする。
なお前述の如く符号yは前記突部4の長手方向の垂直断面の上辺の幅であるとしたが、本図に示す如く当該垂直断面の角部が円弧状に形成されている場合は、前記幅yを、当該上辺と一の前記側辺4aとの第1仮想交点と、同じく当該上辺と他の前記側辺4aとの第2仮想交点と、の間の距離として定義するものとする。
また図4に示す如く本実施形態において、前記突部4の一部が前記吐出孔2・2の内周側開口端2a・2aの下辺より上方側に露出している場合において、その露出している突部露出部分4bの短手方向の垂直断面の角部には、0≦R2≦(D2+4×(h−H)2)/(8×(h−H))の範囲内である半径R2の円弧が形成されていてもよく、例えば図6に示す如く、前記突部露出部分4bの短手方向の垂直断面の上辺は、平坦状な部分のない完全な円弧状であってもよい(このとき、R2=(D2+4×(h−H)2)/(8×(h−H)))。なお、上記式において記号Dは、前記浸漬ノズル100の内径を表す。
また例えば図7に示す如く、前記吐出孔2・2の穿孔方向と、前記突部4の長手方向と、が成す角度θ2と、前記吐出孔2・2の穿孔方向と、前記吐出孔2・2の内周側開口端2a・2aの側辺と前記浸漬ノズル100の軸心とを結ぶ面と、が成す角度θ3と、の比であるθ2/θ3は、0≦θ2/θ3≦1.3の範囲内となるように構成されている。
また例えば図8に示す如く、前記浸漬ノズル100の軸心と前記突部4の長手方向及び短手方向の中心との間の距離xと、前記浸漬ノズル100の軸心と当該浸漬ノズル100の内周面との間の距離Xと、の比であるx/Xは、0≦x/X≦0.3の範囲内となるように構成されている。
次に、本実施形態の作動を説明する。
本実施形態に係る浸漬ノズル100は、例えば連続鋳造機において、図示しないタンディッシュに一時的に貯められた溶鋼を、鋳片のシェルを形成するための鋳型へ注湯するためのガイドとして用いられるものである。
前記浸漬ノズル100は、鋳造開始前に予め前記タンディッシュの槽底に着脱可能に、且つ、その吐出孔2・2が前記鋳型の狭面と略対面するように取り付けられる。
次に、前記浸漬ノズル100が取り付けられた前記タンディッシュが所定位置まで降下されることで、当該浸漬ノズル100が前記鋳型内へ適宜の深さまで挿入される。
次いで、前記連続鋳造機内に、鋳片を引き抜くためのダミーバ(不図示)が挿入される。
そして、前記タンディッシュの槽底に設けられるスライドバルブ(不図示)が適宜に開口される。これにより、前記タンディッシュ内に保持されている溶鋼が前記浸漬ノズル100を介して前記鋳型へ注湯され始める。
次いで、鋳型内で冷却されて形成される鋳片は、適宜の鋳造速度で、前記ダミーバに引き抜かれていく。これにより、連続的な鋳造が開始されるようになっている。
次に、前記浸漬ノズル100が取り付けられた前記タンディッシュが所定位置まで降下されることで、当該浸漬ノズル100が前記鋳型内へ適宜の深さまで挿入される。
次いで、前記連続鋳造機内に、鋳片を引き抜くためのダミーバ(不図示)が挿入される。
そして、前記タンディッシュの槽底に設けられるスライドバルブ(不図示)が適宜に開口される。これにより、前記タンディッシュ内に保持されている溶鋼が前記浸漬ノズル100を介して前記鋳型へ注湯され始める。
次いで、鋳型内で冷却されて形成される鋳片は、適宜の鋳造速度で、前記ダミーバに引き抜かれていく。これにより、連続的な鋳造が開始されるようになっている。
以下、本実施形態に係る前記浸漬ノズル100内の溶鋼流を、比較例と対比させながら説明する。図9は従来の浸漬ノズルの縦断面図であって、そのノズル内の溶鋼流が模式的に表されているものであり、図10は図1に類似する図であって、同様に、そのノズル内の溶鋼流が模式的に表されているものである。なお、これら図9及び図10においては、説明の便宜上、吐出孔の外周側開口端は図略されている。
図9(a)に示す如く従来の浸漬ノズルでは、鋳型厚み方向の速度勾配を有する溶鋼が注湯されると、または何らかの原因により注湯された溶鋼に鋳型厚み方向の速度勾配が生じると、湯溜り部内における溶鋼の圧力差に起因して、当該湯溜り部を鋳型厚み方向へ横切る溶鋼流れが生じてしまう。そして、図9(b)に示す如く、この横切る溶鋼流れは、鋳型幅方向と平行な軸を有する回転流を誘起し、その結果、前記浸漬ノズルの吐出孔からの溶鋼吐出流に鋳型厚み方向の偏流が生じてしまう。
一方、図10に示す如く本実施形態に係る浸漬ノズル100では、鋳型厚み方向の速度勾配を有する溶鋼が注湯されることで前記湯溜り部3内に溶鋼の圧力差が生じたとしても、前記鋳型厚み方向と垂直な向きに(前記の横切る溶鋼流れを遮るように)前記の突部4が設けられているので、上記の横切る流れが生じ難くなっており、溶鋼吐出流が前記吐出孔2・2の穿孔方向に沿ったかたちで吐出されるようになっている。これにより、上記従来の浸漬ノズルと比較して、本実施形態に係る浸漬ノズル100は、溶鋼吐出流の鋳型厚み方向の偏流を大幅に軽減できるのである。
一方、図10に示す如く本実施形態に係る浸漬ノズル100では、鋳型厚み方向の速度勾配を有する溶鋼が注湯されることで前記湯溜り部3内に溶鋼の圧力差が生じたとしても、前記鋳型厚み方向と垂直な向きに(前記の横切る溶鋼流れを遮るように)前記の突部4が設けられているので、上記の横切る流れが生じ難くなっており、溶鋼吐出流が前記吐出孔2・2の穿孔方向に沿ったかたちで吐出されるようになっている。これにより、上記従来の浸漬ノズルと比較して、本実施形態に係る浸漬ノズル100は、溶鋼吐出流の鋳型厚み方向の偏流を大幅に軽減できるのである。
以下、本実施形態に係る浸漬ノズル100の技術的効果を確認するための試験、即ち、溶鋼吐出流の鋳型厚み方向の偏流やスプラッシュ現象を評価対象とする第1確認試験と、前述した凝固遅れを評価対象とする第2確認試験と、に関して説明する。上述した各数値範囲などは、相互に密接に関連する下記の第1及び第2の確認試験により合理的に裏付けられている。
<第1確認試験>
本試験では、下記表1に示す如く、形状や大きさの異なる様々な突部を浸漬ノズルのノズル内側底面に設け、溶鋼の代わりに水を用いた吐出実験を行い、水吐出流の鋳型厚み方向の偏流やスプラッシュ現象を評価し、これらの評価に基づいて前記突部の形状や大きさを総合的に評価した。
本試験では、下記表1に示す如く、形状や大きさの異なる様々な突部を浸漬ノズルのノズル内側底面に設け、溶鋼の代わりに水を用いた吐出実験を行い、水吐出流の鋳型厚み方向の偏流やスプラッシュ現象を評価し、これらの評価に基づいて前記突部の形状や大きさを総合的に評価した。
(偏流の評価)
上記表1における『偏流』の評価は、具体的に、以下のように行われたものである。図11は浸漬ノズルの正面図である。
即ち、図11に示す如く浸漬ノズルの吐出孔から吐出される水流の流速を適宜の流速検出装置(例えば、電磁流速計など)を用いて碁盤状に9点、計測した。その計測結果の一例を図12及び図13に示す。
そして、上記計測結果のうち、下行右列と下行左列との速度差を算出し(図11太線丸印参照)、その絶対値が0.2m/s未満であるときを「○(偏流無し)」とし、同じく0.2m/s以上であるときを「×(偏流有り)」と評価した。
上記表1における『偏流』の評価は、具体的に、以下のように行われたものである。図11は浸漬ノズルの正面図である。
即ち、図11に示す如く浸漬ノズルの吐出孔から吐出される水流の流速を適宜の流速検出装置(例えば、電磁流速計など)を用いて碁盤状に9点、計測した。その計測結果の一例を図12及び図13に示す。
そして、上記計測結果のうち、下行右列と下行左列との速度差を算出し(図11太線丸印参照)、その絶対値が0.2m/s未満であるときを「○(偏流無し)」とし、同じく0.2m/s以上であるときを「×(偏流有り)」と評価した。
(スプラッシュ現象の評価)
ここで、上記の「スプラッシュ現象」とは、前述の如く、鋳造開始時において浸漬ノズルに注湯された溶鋼がその底面に勢いよく当たることで跳ね上がるように吐出される現象のことをいうが、それに限らず、浸漬ノズルの吐出孔から下方へ向かって溶鋼が勢いよく吐出されて鋳型内に予め挿入されているダミーバの上端面と鋳型の狭面とを介して跳ね上がってしまう現象をも含むものである。
上記表1における「飛散高さ」とは前者の現象に係るものであり、同じく表1における「気泡潜り深さ」とは後者の現象に係るものである。なお、後者の現象は、吐出孔から下向きに吐出される水流の強さ(気泡潜り深さ)を評価することにより間接的に評価した。なお、これらスプラッシュ現象は、生産性が低下するなどの理由から好ましくないとされる。
ここで、上記の「スプラッシュ現象」とは、前述の如く、鋳造開始時において浸漬ノズルに注湯された溶鋼がその底面に勢いよく当たることで跳ね上がるように吐出される現象のことをいうが、それに限らず、浸漬ノズルの吐出孔から下方へ向かって溶鋼が勢いよく吐出されて鋳型内に予め挿入されているダミーバの上端面と鋳型の狭面とを介して跳ね上がってしまう現象をも含むものである。
上記表1における「飛散高さ」とは前者の現象に係るものであり、同じく表1における「気泡潜り深さ」とは後者の現象に係るものである。なお、後者の現象は、吐出孔から下向きに吐出される水流の強さ(気泡潜り深さ)を評価することにより間接的に評価した。なお、これらスプラッシュ現象は、生産性が低下するなどの理由から好ましくないとされる。
上記表1の「飛散高さ」の評価は、具体的に、以下のように行われたものである。図14は浸漬ノズルの側面図である。
即ち、図14に示す如く浸漬ノズルの吐出孔から上方に向かって吐出されて飛散する水滴の到達高さを、当該吐出孔の外周側開口端の上辺を基準として、目視により計測した。
そして、この到達高さが15cm未満であるときを「○(飛散高さ小)」とし、同じく15cm以上であるときを「×(飛散高さ大)」と評価した。
即ち、図14に示す如く浸漬ノズルの吐出孔から上方に向かって吐出されて飛散する水滴の到達高さを、当該吐出孔の外周側開口端の上辺を基準として、目視により計測した。
そして、この到達高さが15cm未満であるときを「○(飛散高さ小)」とし、同じく15cm以上であるときを「×(飛散高さ大)」と評価した。
上記表1の「気泡潜り深さ」の評価は、具体的に、以下のように行われたものである。
即ち、図14に示す如く浸漬ノズルの下方に、当該浸漬ノズルの下端に対する鉛直方向距離が5cmとなるように水面高さが調整された水槽を設置し、浸漬ノズルの吐出孔から下方へ向かって勢いよく吐出された水流が巻き込む気泡の到達深さを、当該水面を基準として、目視により測定した。
そして、この到達深さが35cm未満であるときを「○(気泡潜り深さ小)」とし、同じく35cm以上であるときを「×(気泡潜り深さ大)」と評価した。
なお、この到達深さを記録する観測対象は、水流により巻き込まれた気泡のうち、その径が5mm以上のものに限定した。
即ち、図14に示す如く浸漬ノズルの下方に、当該浸漬ノズルの下端に対する鉛直方向距離が5cmとなるように水面高さが調整された水槽を設置し、浸漬ノズルの吐出孔から下方へ向かって勢いよく吐出された水流が巻き込む気泡の到達深さを、当該水面を基準として、目視により測定した。
そして、この到達深さが35cm未満であるときを「○(気泡潜り深さ小)」とし、同じく35cm以上であるときを「×(気泡潜り深さ大)」と評価した。
なお、この到達深さを記録する観測対象は、水流により巻き込まれた気泡のうち、その径が5mm以上のものに限定した。
そして、上記表1の「総合評価」とは、上記の「偏流」及び「飛散高さ」、「気泡潜り深さ」に関する評価がすべて良好(即ち、「○」)となったか否かに基づいて判断されるものである。
<第1確認試験(A):溶鋼流量>
上記実施形態に係る前記浸漬ノズル100の前記突部4が溶鋼吐出流の鋳型厚み方向の偏流を軽減/防止する効果の原理に関しては図9及び図10に基づいて前述した如くである。
本試験は、上記の効果が実際にはどの程度奏されるかを確認し、また、溶鋼流量が当該効果にどの程度影響を及ぼすかを確認するための試験である。本試験の試験結果を図15に示す。
なお、本試験において前記比h/Hは1に、前記比y/Yは0.28に、前記比x/Xは0に、前記内側傾斜角θ1は0度に、前記比θ2/θ3は0に、前記円弧の半径R1は0mmに、前記円弧の半径R2は0mmに、夫々設定した。
本図によれば、前記突部4による偏流軽減/防止効果が良好に奏されていること、及び、当該効果が水流量(溶鋼流量)の大小に殆ど影響されることなく奏されていることが判る。
上記実施形態に係る前記浸漬ノズル100の前記突部4が溶鋼吐出流の鋳型厚み方向の偏流を軽減/防止する効果の原理に関しては図9及び図10に基づいて前述した如くである。
本試験は、上記の効果が実際にはどの程度奏されるかを確認し、また、溶鋼流量が当該効果にどの程度影響を及ぼすかを確認するための試験である。本試験の試験結果を図15に示す。
なお、本試験において前記比h/Hは1に、前記比y/Yは0.28に、前記比x/Xは0に、前記内側傾斜角θ1は0度に、前記比θ2/θ3は0に、前記円弧の半径R1は0mmに、前記円弧の半径R2は0mmに、夫々設定した。
本図によれば、前記突部4による偏流軽減/防止効果が良好に奏されていること、及び、当該効果が水流量(溶鋼流量)の大小に殆ど影響されることなく奏されていることが判る。
<第1確認試験(B):比h/H>
本試験は、前記比h/Hが上記の効果に及ぼす影響を確認するための試験である。本試験の試験結果を図16に示す。
なお、本試験において前記比y/Yは0.28に、前記比x/Xは0に、前記内側傾斜角θ1は0度に、前記比θ2/θ3は0に、前記円弧の半径R1は0mmに、前記円弧の半径R2は0mmに、水流量は550L/minに、夫々設定した。
図16によれば、前記比h/Hが特に0.5≦h/H≦2.0の範囲内において、上記の効果が良好に奏されていることが判る。
本試験は、前記比h/Hが上記の効果に及ぼす影響を確認するための試験である。本試験の試験結果を図16に示す。
なお、本試験において前記比y/Yは0.28に、前記比x/Xは0に、前記内側傾斜角θ1は0度に、前記比θ2/θ3は0に、前記円弧の半径R1は0mmに、前記円弧の半径R2は0mmに、水流量は550L/minに、夫々設定した。
図16によれば、前記比h/Hが特に0.5≦h/H≦2.0の範囲内において、上記の効果が良好に奏されていることが判る。
次に、前記比h/Hが上記範囲内でなければ上記効果が良好に奏されない理由を図17に基づいて説明する。図17は図1に類似する図である。
即ち、図17(a)に示す如く前記比h/Hが0.5未満の場合は、前記湯溜り部を鋳型厚み方向へ横切る溶鋼流れを十分に遮ることができないからである。
また、図17(b)に示す如く前記比h/Hが2.0よりも大きい場合は、浸漬ノズルに注湯される溶鋼の鋳型厚み方向の速度勾配が当該浸漬ノズル内で十分に解消される前に突部によって鋳型厚み方向に分岐されてしまい、その速度勾配が維持されながら前記吐出孔から吐出されてしまうからである。
即ち、図17(a)に示す如く前記比h/Hが0.5未満の場合は、前記湯溜り部を鋳型厚み方向へ横切る溶鋼流れを十分に遮ることができないからである。
また、図17(b)に示す如く前記比h/Hが2.0よりも大きい場合は、浸漬ノズルに注湯される溶鋼の鋳型厚み方向の速度勾配が当該浸漬ノズル内で十分に解消される前に突部によって鋳型厚み方向に分岐されてしまい、その速度勾配が維持されながら前記吐出孔から吐出されてしまうからである。
<第1確認試験(C):比y/Y>
本試験は、前記比y/Yがスプラッシュ現象に及ぼす影響を確認するための試験である。本試験の試験結果を図18に示す。
なお、本試験において前記比h/Hは1に、前記比x/Xは0に、前記内側傾斜角θ1は0度に、前記比θ2/θ3は0に、前記円弧の半径R1は0mmに、前記円弧の半径R2は0mmに、水流量は800L/minに、夫々設定した。尚、水流量を800L/minとしたのは、鋳造開始時における溶鋼流量を本試験に忠実に反映させるためである。
図18によれば、前記比y/Yが特に0.1≦y/Y≦0.5の範囲内において、前記のスプラッシュ現象が良好に抑制されていることが判る。言い換えれば、前記比y/Yが特に当該範囲内において、前記のスプラッシュ現象が抑制される効果が妨げられていないことが判る。
本試験は、前記比y/Yがスプラッシュ現象に及ぼす影響を確認するための試験である。本試験の試験結果を図18に示す。
なお、本試験において前記比h/Hは1に、前記比x/Xは0に、前記内側傾斜角θ1は0度に、前記比θ2/θ3は0に、前記円弧の半径R1は0mmに、前記円弧の半径R2は0mmに、水流量は800L/minに、夫々設定した。尚、水流量を800L/minとしたのは、鋳造開始時における溶鋼流量を本試験に忠実に反映させるためである。
図18によれば、前記比y/Yが特に0.1≦y/Y≦0.5の範囲内において、前記のスプラッシュ現象が良好に抑制されていることが判る。言い換えれば、前記比y/Yが特に当該範囲内において、前記のスプラッシュ現象が抑制される効果が妨げられていないことが判る。
次に、前記比y/Yが上記範囲内でなければ上記スプラッシュ現象を良好には抑制できない理由を図19及び図20に基づいて説明する。図19及び図20は何れも図1に類似する図である。
即ち、図19(a)に示す如く前記比y/Y=0の場合、言い換えれば、突部が設けられていない場合は、図9(b)と同様に鋳型幅方向と平行な軸を有する回転流が発生してしまい、本図(図19(a))において白抜き矢印で示す方向へ溶鋼が勢いよく吐出されてしまうからである。それ故、図18に示す如く前記比y/Yが0のとき、飛散高さも気泡潜り深さも何れも著しく大きな値となっているのである。
また、図示しないが前記比y/Yが0.1未満の場合は、突部の強度上の問題から好ましくない。
また、図19(b)に示す如く前記比y/Yが0.5より大きい場合は、湯溜り部を十分には確保できないので、溶鋼が、確保されるべき湯溜り部によってその勢いが減ぜられることなく、直接的に吐出孔から下方へ向かって吐出されてしまうからである。それ故、図18に示す如く前記比y/Yが0.6以上のとき、気泡潜り深さが著しく大きな値となっているのである。
これに対し、図20に示す如く前記比y/Yが0.1≦y/Y≦0.5の場合は、溶鋼が前記突部の上面で適宜に分岐/分散されて浸漬ノズルの内周面に衝突することでその勢いが減ぜられるから、溶鋼吐出流が緩やかとなり、併せてスプラッシュ現象が抑制される。
即ち、図19(a)に示す如く前記比y/Y=0の場合、言い換えれば、突部が設けられていない場合は、図9(b)と同様に鋳型幅方向と平行な軸を有する回転流が発生してしまい、本図(図19(a))において白抜き矢印で示す方向へ溶鋼が勢いよく吐出されてしまうからである。それ故、図18に示す如く前記比y/Yが0のとき、飛散高さも気泡潜り深さも何れも著しく大きな値となっているのである。
また、図示しないが前記比y/Yが0.1未満の場合は、突部の強度上の問題から好ましくない。
また、図19(b)に示す如く前記比y/Yが0.5より大きい場合は、湯溜り部を十分には確保できないので、溶鋼が、確保されるべき湯溜り部によってその勢いが減ぜられることなく、直接的に吐出孔から下方へ向かって吐出されてしまうからである。それ故、図18に示す如く前記比y/Yが0.6以上のとき、気泡潜り深さが著しく大きな値となっているのである。
これに対し、図20に示す如く前記比y/Yが0.1≦y/Y≦0.5の場合は、溶鋼が前記突部の上面で適宜に分岐/分散されて浸漬ノズルの内周面に衝突することでその勢いが減ぜられるから、溶鋼吐出流が緩やかとなり、併せてスプラッシュ現象が抑制される。
<第1確認試験(D):内側傾斜角θ1>
本試験は、前記内側傾斜角θ1が上記の効果に及ぼす影響を確認するための試験である。本試験の試験結果を図21に示す。
なお、本試験において前記比h/Hは1に、前記比y/Yは0.28に、前記比x/Xは0に、前記比θ2/θ3は0に、前記円弧の半径R1は0mmに、前記円弧の半径R2は0mmに、水流量は550L/minに、夫々設定した。
図21によれば、前記内側傾斜角θ1が特に0≦θ1≦25の範囲内において、上記の効果が良好に奏されていることが判る。
本試験は、前記内側傾斜角θ1が上記の効果に及ぼす影響を確認するための試験である。本試験の試験結果を図21に示す。
なお、本試験において前記比h/Hは1に、前記比y/Yは0.28に、前記比x/Xは0に、前記比θ2/θ3は0に、前記円弧の半径R1は0mmに、前記円弧の半径R2は0mmに、水流量は550L/minに、夫々設定した。
図21によれば、前記内側傾斜角θ1が特に0≦θ1≦25の範囲内において、上記の効果が良好に奏されていることが判る。
次に、前記内側傾斜角θ1が上記範囲内であることが上記効果を奏する上で好ましい理由を図22に基づいて説明する。図22は図1に類似する図である。
即ち、図22(a)に示す如く前記内側傾斜角θ1が25度よりも大きい場合は、突部の上面における分岐で生じた二つの渦が紙面左右方向に動きやすく安定しないからである。
一方、図22(b)に示す如く前記内側傾斜角θ1が略0度である場合は、突部の上面における分岐で生じた二つの渦が動き難く安定するからである。
即ち、図22(a)に示す如く前記内側傾斜角θ1が25度よりも大きい場合は、突部の上面における分岐で生じた二つの渦が紙面左右方向に動きやすく安定しないからである。
一方、図22(b)に示す如く前記内側傾斜角θ1が略0度である場合は、突部の上面における分岐で生じた二つの渦が動き難く安定するからである。
<第1確認試験(E):比θ2/θ3>
本試験は、前記比θ2/θ3が上記効果に及ぼす影響を確認するための試験である。本試験の試験結果を図23に示す。
なお、本試験において前記比h/Hは1に、前記比y/Yは0.28に、前記比x/Xは0に、前記内側傾斜角θ1は0度に、前記円弧の半径R1は0mmに、前記円弧の半径R2は0mmに、水流量は550L/minに、夫々設定した。
図23によれば、前記比θ2/θ3が特に0≦θ2/θ3≦1.3の範囲内において、上記の効果が良好に奏されていることが判る。
本試験は、前記比θ2/θ3が上記効果に及ぼす影響を確認するための試験である。本試験の試験結果を図23に示す。
なお、本試験において前記比h/Hは1に、前記比y/Yは0.28に、前記比x/Xは0に、前記内側傾斜角θ1は0度に、前記円弧の半径R1は0mmに、前記円弧の半径R2は0mmに、水流量は550L/minに、夫々設定した。
図23によれば、前記比θ2/θ3が特に0≦θ2/θ3≦1.3の範囲内において、上記の効果が良好に奏されていることが判る。
次に、前記比θ2/θ3が上記範囲内であることが上記効果を奏する上で好ましいとされる理由を図24及び図25に基づいて説明する。図24及び図25は何れも図2に類似する図である。
即ち、図24に示す如く前記比θ2/θ3が1.3以下の場合は、前記湯溜り部を鋳型厚み方向に横切る溶鋼流れの方向と、前記突部の長手方向と、が互いに大きな角度を持って交差することで当該溶鋼流れが前記突部によって確実に遮られるからである。
一方、図25に示す如く前記比θ2/θ3が1.3よりも大きい場合は、前記湯溜り部を鋳型厚み方向に横切る溶鋼流れの方向と、前記突部の長手方向と、が交差して成す角度が小さくなることで当該溶鋼流れが前記突部によって十分には遮られ難くなるからである。
即ち、図24に示す如く前記比θ2/θ3が1.3以下の場合は、前記湯溜り部を鋳型厚み方向に横切る溶鋼流れの方向と、前記突部の長手方向と、が互いに大きな角度を持って交差することで当該溶鋼流れが前記突部によって確実に遮られるからである。
一方、図25に示す如く前記比θ2/θ3が1.3よりも大きい場合は、前記湯溜り部を鋳型厚み方向に横切る溶鋼流れの方向と、前記突部の長手方向と、が交差して成す角度が小さくなることで当該溶鋼流れが前記突部によって十分には遮られ難くなるからである。
<第1確認試験(F):比x/X>
本試験は、前記比x/Xが上記効果に及ぼす影響を確認するための試験である。本試験の試験結果を図26に示す。
なお、本試験において前記比h/Hは1に、前記比y/Yは0.28に、前記内側傾斜角θ1は0度に、前記比θ2/θ3は0に、前記円弧の半径R1は0mmに、前記円弧の半径R2は0mmに、水流量は550L/minに、夫々設定した。
図26によれば、前記比x/Xが特に0≦x/X≦0.3の範囲内において、上記の効果が良好に奏されていることが判る。
本試験は、前記比x/Xが上記効果に及ぼす影響を確認するための試験である。本試験の試験結果を図26に示す。
なお、本試験において前記比h/Hは1に、前記比y/Yは0.28に、前記内側傾斜角θ1は0度に、前記比θ2/θ3は0に、前記円弧の半径R1は0mmに、前記円弧の半径R2は0mmに、水流量は550L/minに、夫々設定した。
図26によれば、前記比x/Xが特に0≦x/X≦0.3の範囲内において、上記の効果が良好に奏されていることが判る。
次に、前記比x/Xが上記範囲内であることが上記効果を奏する上で好ましいとされる理由を図27に基づいて説明する。図27は図1に類似する図である。
即ち、図27に示す如く前記比x/Xが0.3より大きい場合、言い換えれば、突部が浸漬ノズルの軸心を通らずに、当該浸漬ノズルの内周面に接近している場合は、突部の上面において分岐される二つの渦が極端に不均等となってしまうからである。
即ち、図27に示す如く前記比x/Xが0.3より大きい場合、言い換えれば、突部が浸漬ノズルの軸心を通らずに、当該浸漬ノズルの内周面に接近している場合は、突部の上面において分岐される二つの渦が極端に不均等となってしまうからである。
<参考試験(G):半径R1>
本試験は、前記半径R1が上記効果に及ぼす影響を調査するための試験である。本試験の試験結果を図28に示す。
なお、本試験において前記比h/Hは1に、前記比y/Yは0.28に、前記比x/Xは0に、前記内側傾斜角θ1は0度に、前記比θ2/θ3は0に、前記円弧の半径R2は0mmに、水流量は550L/minに、夫々設定した。
図28によれば、前記半径R1が少なくとも0≦R1≦y/2の範囲内であれば、上記の効果が十分に奏されることが判る。
本試験は、前記半径R1が上記効果に及ぼす影響を調査するための試験である。本試験の試験結果を図28に示す。
なお、本試験において前記比h/Hは1に、前記比y/Yは0.28に、前記比x/Xは0に、前記内側傾斜角θ1は0度に、前記比θ2/θ3は0に、前記円弧の半径R2は0mmに、水流量は550L/minに、夫々設定した。
図28によれば、前記半径R1が少なくとも0≦R1≦y/2の範囲内であれば、上記の効果が十分に奏されることが判る。
<参考試験(H):半径R2>
本試験は、前記半径R2が上記効果に及ぼす影響を調査するための試験である。本試験の試験結果を図29に示す。
なお、本試験において前記比h/Hは1に、前記比y/Yは0.28に、前記比x/Xは0に、前記内側傾斜角θ1は90度に、前記比θ2/θ3は0に、前記円弧の半径R1は0mmに、水流量は550L/minに、夫々設定した。
図29によれば、前記半径R2が少なくとも0≦R2≦(D2+4×(h−H)2)/(8×(h−H))の範囲内であれば、上記の効果が十分に奏されることが判る。
本試験は、前記半径R2が上記効果に及ぼす影響を調査するための試験である。本試験の試験結果を図29に示す。
なお、本試験において前記比h/Hは1に、前記比y/Yは0.28に、前記比x/Xは0に、前記内側傾斜角θ1は90度に、前記比θ2/θ3は0に、前記円弧の半径R1は0mmに、水流量は550L/minに、夫々設定した。
図29によれば、前記半径R2が少なくとも0≦R2≦(D2+4×(h−H)2)/(8×(h−H))の範囲内であれば、上記の効果が十分に奏されることが判る。
<第2確認試験>
本試験は、従来の浸漬ノズル(比較例)及び本発明に係る浸漬ノズル(実施例)とを用いて実際に中炭素鋼を鋳造してみたものである。その際、鋳型は鋳片幅が1240mmであって鋳片厚さが240mmの型式のものを用い、鋳造速度は1.6m/min又は1.7m/minとした。
そして、鋳造された鋳片の長手方向の垂直断面を観察し、凝固遅れの程度に基づいて本発明に係る浸漬ノズルを評価した。図30は凝固遅れ度に関する説明図であり、図31は本試験の試験結果を示す図である。
本試験は、従来の浸漬ノズル(比較例)及び本発明に係る浸漬ノズル(実施例)とを用いて実際に中炭素鋼を鋳造してみたものである。その際、鋳型は鋳片幅が1240mmであって鋳片厚さが240mmの型式のものを用い、鋳造速度は1.6m/min又は1.7m/minとした。
そして、鋳造された鋳片の長手方向の垂直断面を観察し、凝固遅れの程度に基づいて本発明に係る浸漬ノズルを評価した。図30は凝固遅れ度に関する説明図であり、図31は本試験の試験結果を示す図である。
上記の『凝固遅れ度』とは、以下のように測定し求めるものである。即ち、図30に示す如く、第1に、鋳造された鋳片を長手方向に垂直な方向に切断する。そして第2に、この垂直断面に現れている湯模様(ホワイトバンド)と鋳片広面との距離を測定する。より具体的には、鋳片狭面から鋳片広面に沿って5cm離れた箇所と、当該湯模様が当該鋳片広面に最も接近して現れている箇所と、の2箇所において前記距離を測定する。本図において、前者箇所において測定された上記距離が符号Aに相当し、後者箇所において測定された上記距離が符号Bに相当する。そして第3に、距離Aから距離Bを引いて求められる距離を距離Aで除することにより、上記『凝固遅れ度』は求められる。
図31によれば、本発明に係る浸漬ノズルを用いると、凝固遅れ度(特にそのうち最大なもの)が、従来の浸漬ノズルと比較すると、何れの鋳造速度においても大幅に改善されていることが判る。
以上説明したように上記実施形態において、ノズル内側底面1から所定の距離だけ上方に離れた位置に一対の対向する吐出孔2・2が穿孔されるとともに、前記ノズル内側底面1にはノズル径方向に延在する突部4が設けられる、連続鋳造用の浸漬ノズル100は、以下のように構成される。
前記突部4の長手方向の垂直断面は、長方形を含む台形である。
前記突部4の長手方向の垂直断面の側辺4aは、前記浸漬ノズル100の長手方向を基準として0度以上25度以下内側へ傾斜して形成される。
前記突部4の長手方向の垂直断面の高さhと、前記吐出孔2・2の内周側開口端2a・2aの下辺と前記ノズル内側底面1との間の距離Hと、の比であるh/Hは、0.5≦h/H≦2.0の範囲内である。
前記突部4の長手方向の垂直断面の上辺の幅yと、前記吐出孔2・2の内周側開口端2a・2aの開口幅Yと、の比であるy/Yは、0.1≦y/Y≦0.5の範囲内である。
前記吐出孔2・2の穿孔方向と、前記突部4の長手方向と、が成す角度θ2と、前記吐出孔2・2の穿孔方向と、前記吐出孔2・2の内周側開口端2a・2aの側辺と前記浸漬ノズル100の軸心とを結ぶ面と、が成す角度θ3と、の比であるθ2/θ3は、0≦θ2/θ3≦1.3の範囲内である。
前記浸漬ノズル100の軸心と前記突部4の長手方向及び短手方向の中心との間の距離xと、前記浸漬ノズル100の軸心と前記浸漬ノズル100の内周面との間の距離Xと、の比であるx/Xは、0≦x/X≦0.3の範囲内である。
前記突部4の長手方向の垂直断面は、長方形を含む台形である。
前記突部4の長手方向の垂直断面の側辺4aは、前記浸漬ノズル100の長手方向を基準として0度以上25度以下内側へ傾斜して形成される。
前記突部4の長手方向の垂直断面の高さhと、前記吐出孔2・2の内周側開口端2a・2aの下辺と前記ノズル内側底面1との間の距離Hと、の比であるh/Hは、0.5≦h/H≦2.0の範囲内である。
前記突部4の長手方向の垂直断面の上辺の幅yと、前記吐出孔2・2の内周側開口端2a・2aの開口幅Yと、の比であるy/Yは、0.1≦y/Y≦0.5の範囲内である。
前記吐出孔2・2の穿孔方向と、前記突部4の長手方向と、が成す角度θ2と、前記吐出孔2・2の穿孔方向と、前記吐出孔2・2の内周側開口端2a・2aの側辺と前記浸漬ノズル100の軸心とを結ぶ面と、が成す角度θ3と、の比であるθ2/θ3は、0≦θ2/θ3≦1.3の範囲内である。
前記浸漬ノズル100の軸心と前記突部4の長手方向及び短手方向の中心との間の距離xと、前記浸漬ノズル100の軸心と前記浸漬ノズル100の内周面との間の距離Xと、の比であるx/Xは、0≦x/X≦0.3の範囲内である。
これにより、鋳造開始時におけるスプラッシュ現象の抑制効果を妨げることなく、溶鋼吐出流の鋳型厚み方向の偏流を大幅に軽減できる(表1参照)。
また、この効果は、溶鋼流量を調節するための前記スライドプレートの開閉方向に影響されることなく奏される。
また、この効果は、溶鋼流量を調節するための前記スライドプレートの開閉方向に影響されることなく奏される。
1 ノズル内側底面
2 吐出孔
2a 吐出孔の内周側開口端
3 湯溜り部
4 突部
4a 突部の長手方向の垂直断面の側辺
4b 突部露出部分
θ1 内側傾斜角
θ2・θ3 角度
100 浸漬ノズル
2 吐出孔
2a 吐出孔の内周側開口端
3 湯溜り部
4 突部
4a 突部の長手方向の垂直断面の側辺
4b 突部露出部分
θ1 内側傾斜角
θ2・θ3 角度
100 浸漬ノズル
Claims (1)
- ノズル内側底面から所定の距離だけ上方に離れた位置に一対の対向する吐出孔が穿孔されるとともに、前記ノズル内側底面にはノズル径方向に延在する突部が設けられる、連続鋳造用の浸漬ノズルにおいて、
前記突部の長手方向の垂直断面は、長方形を含む台形であり、
前記突部の長手方向の垂直断面の側辺は、前記浸漬ノズルの長手方向を基準として0度以上25度以下内側へ傾斜しており、
前記突部の長手方向の垂直断面の高さhと、前記吐出孔の内周側開口端の下辺と前記ノズル内側底面との間の距離Hと、の比であるh/Hは、0.5≦h/H≦2.0の範囲内であり、
前記突部の長手方向の垂直断面の上辺の幅yと、前記吐出孔の内周側開口端の開口幅Yと、の比であるy/Yは、0.1≦y/Y≦0.5の範囲内であり、
前記吐出孔の穿孔方向と、前記突部の長手方向と、が成す角度θ2と、前記吐出孔の穿孔方向と、前記吐出孔の内周側開口端の側辺と前記浸漬ノズルの軸心とを結ぶ面と、が成す角度θ3と、の比であるθ2/θ3は、0≦θ2/θ3≦1.3の範囲内であり、
前記浸漬ノズルの軸心と前記突部の長手方向及び短手方向の中心との間の距離xと、前記浸漬ノズルの軸心と前記浸漬ノズルの内周面との間の距離Xと、の比であるx/Xは、0≦x/X≦0.3の範囲内である、ことを特徴とする浸漬ノズル。
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2006
- 2006-02-17 JP JP2006040932A patent/JP2007216271A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008161921A (ja) * | 2006-12-28 | 2008-07-17 | Kobe Steel Ltd | 分割型堰付浸漬ノズル |
JP4686442B2 (ja) * | 2006-12-28 | 2011-05-25 | 株式会社神戸製鋼所 | 分割型堰付浸漬ノズル |
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