JP2007331001A - 堰型湯溜り付浸漬ノズルを用いた中炭素鋼の連続鋳造方法 - Google Patents

堰型湯溜り付浸漬ノズルを用いた中炭素鋼の連続鋳造方法 Download PDF

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仁 吉田
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Abstract

【課題】凝固遅れを抑制すると共に、優れた鋳片表面品質が得られる中炭素鋼の連続鋳造方法を提供する。
【解決手段】
連続鋳造に用いる浸漬ノズル100の吐出孔2・2の形状を適宜に定める。例えば、浸漬ノズル100の縦断面(図16)において、前記吐出孔2・2の穿孔方向と、浸漬ノズル100の軸線に対して垂直な面Srcと、が成す角度θ4や、当該吐出孔2・2の開口面積を所定範囲内に設定する。上端における鋳型幅及び鋳型厚が適宜に設定された鋳型を用いる。また、鋳造速度Vc[m/min]を1.4〜2.2とし、過熱度ΔT[℃]を20〜45とする。更に、鋳型内電磁攪拌強度M-EMS[gauss]を0〜1000として鋳型内に注湯される溶鋼を電磁攪拌しながら連続鋳造する。
【選択図】図16

Description

本発明は、炭素含有量C[wt%]が0.08〜0.19である中炭素鋼の連続鋳造方法に関する。
従来の浸漬ノズルでは、鋳造開始時において当該浸漬ノズルに注湯された溶鋼がその底面(ノズル内側底面)に勢いよく当たることで跳ね上がるように吐出される所謂スプラッシュ現象を抑制することを目的として、当該浸漬ノズルの下部に穿孔される吐出孔は前記底面より若干上方へ設けられ、所謂湯溜り部が形成されている。
しかし、鋳型厚み方向の速度勾配を有する溶鋼がこの浸漬ノズルに注湯されると、又は、この浸漬ノズルに注湯された溶鋼に鋳型厚み方向の速度勾配が生じると、前記湯溜り部内における溶鋼の圧力差に起因して、当該湯溜り部を鋳型厚み方向へ横切る溶鋼流れが生じてしまう(図9(a)参照)。この横切る溶鋼流れは、鋳型幅方向と平行な軸を有する回転流を誘起し(図9(b)参照)、その結果、前記浸漬ノズルの吐出孔からの溶鋼吐出流に鋳型厚み方向の偏流が生じてしまう。
そして、この溶鋼吐出流の偏流により、既に凝固して形成された鋳型コーナ部近傍のシェルが再融解してしまい、その結果、シェル成長の不均一さである所謂凝固遅れ(本明細書中、「凝固遅れ」とはコーナ部における凝固遅れを主として指す。)を発生させてしまう。
この凝固遅れが著しい場合には、シェルが破れて溶鋼が当該シェルの外部へ流れ出る所謂ブレークアウトが懸念されるし、著しくなくとも鋳片の品質に相当の悪影響を及ぼす(詳しくは後述)。
なお、上記の溶鋼吐出流の偏流は、浸漬ノズルに注湯される溶鋼の流量を調節するためのスライドプレートの開閉方向には依存しないことが既に明らかとなっている(非特許文献1及び非特許文献2)。
上記の溶鋼吐出流の鋳型厚み方向の偏流を防止することを目的として、例えば、浸漬ノズルの内壁をモーグル状(凹凸状)に形成し、当該浸漬ノズル内の溶鋼流を強乱流場とする技術が提案されている。しかし、本技術によれば、浸漬ノズルの製造コストが大幅に増大してしまうし、また、溶鋼流を強乱流場とせしめる効果も、内壁への付着物により比較的短期間で失われてしまうとされる。
以上の問題を解決するために、本願発明の発明者(吉田)は、本願に先行して、鋳造開始時におけるスプラッシュ現象の抑制効果を妨げることなく、溶鋼吐出流の鋳型厚み方向の偏流を軽減可能な連続鋳造用の浸漬ノズルを発明した(特願2006−040932号)。
この発明は、端的に言えば、浸漬ノズルのノズル内側底面にノズル径方向に延在する突部を設け、この突部の形状等を様々に限定するものである。
以上を踏まえ、本願発明の主な目的とするところは、この有用な効果を奏する浸漬ノズルを使用することを前提に、鋳造される中炭素鋼の品質を良好とできる中炭素鋼の連続鋳造方法を提供することにある。
この種の技術として、特許文献1には、連続鋳造鋳型内溶鋼の攪拌方法を開示する。当該特許文献1によれば、鋳型内で水平方向に磁界が移動するように電磁攪拌用コイルを鋳型に設置し、移動磁界の進行方向を一定時間間隔で反転するように当該電磁攪拌用コイルに電圧を印加すると、鋳型幅中央での気泡補足や介在物による表面疵の発生や、凝固シェルの不均一な生成、鋳片の縦割れを防止できるから、品質の優れた鋳片を製造できる、とされる。
特開平07−164119号公報 市川健治、外2名、「浸漬ノズル管内の流れについて[タンディッシュSNに関する水モデル実験結果;第3報]」、耐火物、耐火物技術協会、1990年1月、第42巻、第1号、p.43-46 A.R.マンデラス(A.R.Manderas)、「浸漬ノズル内の2相流に関する動力学と、当該流動が鋳型内2相流に及ぼす影響(Dynamics of two-phase downwards flow in submerged entry nozzle and its influence on the two-phase flow in the mold)」、Int.J.混相流(International Journal of Multiphase Flow)、オランダ、ELSEVIER、2005年、第31巻、p.643-665
しかし、上記特許文献1の実施例の記載によると、本願発明の使用をする際に用いられる浸漬ノズルと比べて、形状(特にノズル内側底面)が全く異なる浸漬ノズルが採用されている。本願発明が属する技術分野では浸漬ノズルの形状が極めて重要であるから、この意味で、上記特許文献1の属する技術分野と本願発明が属する技術分野とは異なる、ということができる。
また、上記特許文献1には、鋳型内の溶鋼を電磁攪拌する点の記載はあるものの、その具体的な攪拌の程度(本願発明でいうところの、鋳型内電磁攪拌強度M-EMS)に関して一切記載されていない。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の観点によれば、炭素含有量C[wt%]が0.08〜0.19である中炭素鋼の連続鋳造は、以下のような方法で行われる。
即ち、ノズル内側底面から所定の距離だけ上方に離れた位置に一対の対向する吐出孔が穿孔されるとともに、前記ノズル内側底面にはノズル径方向に延在する突部が設けられる、連続鋳造用の浸漬ノズルであって、以下の特徴を有する浸漬ノズルを用いる。
・前記突部の長手方向の垂直断面は、長方形を含む台形である。
・前記突部の長手方向の垂直断面の側辺は、前記浸漬ノズルの長手方向を基準として0度以上25度以下内側へ傾斜している。
・前記突部の長手方向の垂直断面の高さhと、前記吐出孔の内周側開口端の下辺と前記ノズル内側底面との間の距離Hと、の比であるh/Hは、0.5≦h/H≦2.0の範囲内である。
・前記突部の長手方向の垂直断面の上辺の幅yと、前記吐出孔の内周側開口端の開口幅Yと、の比であるy/Yは、0.1≦y/Y≦0.5の範囲内である。
・前記吐出孔の穿孔方向と、前記突部の長手方向と、が成す角度θ2と、前記吐出孔の穿孔方向と、前記吐出孔の内周側開口端の側辺と前記浸漬ノズルの軸心とを結ぶ面と、が成す角度θ3と、の比であるθ2/θ3は、0≦θ2/θ3≦1.3の範囲内である。
・前記浸漬ノズルの軸心と前記突部の長手方向及び短手方向の中心との間の距離xと、前記浸漬ノズルの軸心と前記浸漬ノズルの内周面との間の距離Xと、の比であるx/Xは、0≦x/X≦0.3の範囲内である。
・前記吐出孔の内周側開口端の開口面積Na[cm2]が35〜115である。
・前記浸漬ノズルの軸線と、前記吐出孔の穿孔方向と、を含む断面に一対で現れる前記吐出孔の輪郭線のうち前記浸漬ノズルの先端側の輪郭線と、前記浸漬ノズルの軸線に垂直な面と、の成す角度θ4[deg]が15〜55である。
また、溶鋼を冷却し所定形状の凝固シェルを形成するための鋳型であって、以下の特徴を有する鋳型を用いる。
・その鋳型の上端における鋳型幅W[mm]が800〜2100である。
・その鋳型の上端における鋳型厚P[mm]が200〜320である。
また、鋳造速度Vc[m/min]を1.4〜2.2とし、過熱度ΔT[℃]を20〜45とする。更に、鋳型内電磁攪拌強度M-EMS[gauss]を0〜1000として鋳型内に注湯される溶鋼を電磁攪拌しながら連続鋳造する。
なお、上記の鋳型内電磁攪拌強度M-EMS[gauss]は、前記鋳型の幅方向中央であって、鋳型の上端を基準とし下端へ向かって250mmだけ離れ、且つ、鋳型の広面側内壁面から15mmだけ離れた地点において適宜のガウスメータにより測定される値(単位は[gauss]とする。)とする。
これによれば、鋳造開始時におけるスプラッシュ現象の抑制効果を妨げることなく、溶鋼吐出流の鋳型厚み方向の偏流を軽減し、且つ、所謂凝固遅れ度が低減されると共に、高品質な中炭素鋼を連続鋳造できる。
また、前記鋳型内電磁攪拌強度M-EMS[gauss]を500〜1000とすることが好ましい。これによれば、より高品質な中炭素鋼を連続鋳造できる。
先ず、本願発明の発明者(吉田)が発明した上述の浸漬ノズルに係る先行出願(特願2006−040932号明細書等)において開示し、本願発明において採用する浸漬ノズルに関して、その構成と優れた効果(技術的効果を確認するために実施された複数の試験を含む。)を詳細に説明する。
なお、浸漬ノズルとは、例えば連続鋳造機において、図示しないタンディッシュに一時的に貯められた溶鋼を、鋳片のシェルを形成するための鋳型へスムーズに注湯するためのガイドとして用いられるものである。
図1は、本発明の一実施形態に係る浸漬ノズルの縦断面図であり、図2は図1における2−2線矢視断面図である。また、図3は図1におけるA部拡大図であり、図4は図1における4−4線矢視断面図である。また、図5は図3に類似する図であり、図6は図4に類似する図である。図7及び図8は夫々図2に類似する図である。
本実施形態において連続鋳造用浸漬ノズル(以下、単に浸漬ノズルと称する。)100は、図1に示すように有底の略円筒状に形成されており、その周壁には、ノズル内側底面1から所定の距離だけ上方に離れた位置に一対の対向する吐出孔2・2が穿孔されている(図2及び図4も併せて参照)。本実施形態において吐出孔2・2は、図1に示す如く断面略矩形に形成されている。
前記吐出孔2・2は、図2に示す如く前記浸漬ノズル100の軸心から離れるにつれて扇状に広がるように、また、図4に示す如く若干斜め下向きに形成されている。
また、図1に示す如く前記吐出孔2・2が前記ノズル内側底面1から上方に離れた位置に穿孔されることにより、前記浸漬ノズル100の底面近傍には湯溜り部3が形成されている。この湯溜り部3は、前述の通り、所謂スプラッシュ現象を抑制するために設けられるものである。
前記ノズル内側底面1には、図1及び図2に示す如く、前記浸漬ノズル100の直径方向(ノズル径方向)に延在し、且つその両端が前記浸漬ノズル100の内周面と接続される突部4が突設されている。
前記突部4の長手方向の垂直断面は、図1及び図3に示す如く、長方形を含む台形に形成されている(本実施形態においては図示の如く略台形)。
前記突部4の長手方向の垂直断面の側辺4aは、図3に示す如く、前記浸漬ノズル100の長手方向(即ち鉛直方向)を基準として0度以上25度以下内側へ傾斜して形成されている。換言すれば、前記側辺4aの内側傾斜角θ1は0度以上25度以下であって、当該内側傾斜角θ1が0度の場合は、前記突部4の長手方向の垂直断面は長方形であるともいえる。更に換言すれば、前記突部4は、その長手方向の垂直断面の内角であって前記ノズル内側底面1側のものが65度以上90度以下となるように形成されている。
また本図に示す如く、前記突部4の長手方向の垂直断面の突設高さhと、前記吐出孔2・2の内周側開口端2a・2aの下辺と前記ノズル内側底面1との間の距離Hと、の比であるh/Hは、0.5≦h/H≦2.0の範囲内となるように構成されている。なお、本図に示す如く前記突部4は、前記吐出孔2・2の内周側開口端2a・2aの下辺よりも上方側に露出していてもよく、本図の場合、前記比h/Hは約1.5である。
また、前記突部4の長手方向の垂直断面の上辺の幅yと、前記吐出孔2・2の内周側開口端2a・2aの開口幅Yと、の比であるy/Yは、0.1≦y/Y≦0.5の範囲内となるように構成されている。なお、本図において前記比y/Yは、約0.28である。
また、前記突部4の長手方向の垂直断面の角部(突部4の先端側)には、0≦R1≦y/2の範囲内である半径R1の円弧が形成されていてもよく、従って例えば図5に示す如く前記突部4の長手方向の垂直断面の上辺は、平坦状な部分のない完全な円弧状であってもよい(このとき、R1=y/2)。なお、本実施形態において前記半径R1は図3に示す如く約y/5である。
なお前述の如く符号yは前記突部4の長手方向の垂直断面の上辺の幅であるとしたが、本図に示す如く当該垂直断面の角部が円弧状に形成されている場合は、前記幅yを、当該上辺と一の前記側辺4aとの第1仮想交点と、同じく当該上辺と他の前記側辺4aとの第2仮想交点と、の間の距離として観念するものとする。
また図4に示す如く本実施形態において、前記突部4の一部が前記吐出孔2・2の内周側開口端2a・2aの下辺より上方側に露出している場合において、その露出している突部露出部分4bの短手方向の垂直断面の角部には、0≦R2≦(D+4×(h−H))/(8×(h−H))の範囲内である半径R2の円弧が形成されていてもよく、例えば図6に示す如く、前記突部露出部分4bの短手方向の垂直断面の上辺は、平坦状な部分のない完全な円弧状であってもよい(このとき、R2=(D+4×(h−H))/(8×(h−H)))。なお、上記式において記号Dは、前記浸漬ノズル100の内径を表す。
また例えば図7に示す如く、前記浸漬ノズル100をその軸線方向に垂直な断面でみたときに、前記吐出孔2・2の穿孔方向(孔の中心たる線が延在する方向)と、前記突部4の長手方向と、が成す角度θ2と、前記吐出孔2・2の穿孔方向と、前記吐出孔2・2の内周側開口端2a・2aの側辺と前記浸漬ノズル100の軸心とを結ぶ面と、が成す角度θ3と、の比であるθ2/θ3は、0≦θ2/θ3≦1.3の範囲内となるように構成されている。
また例えば図8に示す如く、前記浸漬ノズル100をその軸線方向に垂直な断面でみたときに、当該浸漬ノズル100の軸心と前記突部4の長手方向及び短手方向の中心との間の距離xと、前記浸漬ノズル100の軸心と当該浸漬ノズル100の内周面との間の距離Xと、の比であるx/Xは、0≦x/X≦0.3の範囲内となるように構成されている。
以下、本実施形態に係る前記浸漬ノズル100内の溶鋼流を、比較例と対比させながら説明する。図9は従来の浸漬ノズルの縦断面図であって、そのノズル内の溶鋼流が模式的に表されているものであり、図10は図1に類似する図であって本願発明に係り、同様に、そのノズル内の溶鋼流が模式的に表されているものである。なお、これら図9及び図10においては、説明の便宜上、吐出孔の外周側開口端は図略されている。
図9(a)に示す如く従来の浸漬ノズルでは、鋳型厚み方向の速度勾配を有する溶鋼が注湯されると、または何らかの原因により注湯された溶鋼に鋳型厚み方向の速度勾配が生じると、湯溜り部内における溶鋼の圧力差に起因して、当該湯溜り部を鋳型厚み方向へ横切る溶鋼流れが生じてしまう。そして、図9(b)に示す如く、この横切る溶鋼流れは、鋳型幅方向と平行な軸を有する回転流を誘起し、その結果、前記浸漬ノズルの吐出孔からの溶鋼吐出流に鋳型厚み方向の偏流が生じてしまう。
一方、図10に示す如く本実施形態に係る浸漬ノズル100では、鋳型厚み方向の速度勾配を有する溶鋼が注湯されることで前記湯溜り部3内に溶鋼の圧力差が生じたとしても、前記鋳型厚み方向と垂直な向きに(前記の横切る溶鋼流れを遮るように)前記の突部4が設けられているので、上記の横切る流れが生じ難くなっており、溶鋼吐出流が前記吐出孔2・2の穿孔方向に沿ったかたちで吐出されるようになっている。これにより、上記従来の浸漬ノズルと比較して、本実施形態に係る浸漬ノズル100は、溶鋼吐出流の鋳型厚み方向の偏流を大幅に軽減できるのである。
以下、本実施形態に係る浸漬ノズル100の技術的効果を確認するための試験、即ち、溶鋼吐出流の鋳型厚み方向の偏流やスプラッシュ現象を評価対象とする確認試験に関して説明する。上述した各数値範囲などは、下記の確認試験により合理的に裏付けられている。
本試験では、下記表1に示す如く、形状や大きさの異なる様々な突部を浸漬ノズルのノズル内側底面に設け、溶鋼の代わりに水を用いた吐出実験を行い、水吐出流の鋳型厚み方向の偏流やスプラッシュ現象を評価し、これらの評価に基づいて前記突部の形状や大きさを総合的に評価した。
Figure 2007331001
(偏流の評価)
上記表1における『偏流』の評価は、具体的に、以下のように行われたものである。図11は浸漬ノズルの正面図である。
即ち、図11に示す如く浸漬ノズルの吐出孔から吐出される水流の流速を適宜の流速検出装置(例えば、電磁流速計など)を用いて碁盤状に9点、計測した。その計測結果の一例を図12及び図13に示す。
そして、上記計測結果のうち、下行右列と下行左列との速度差を算出し(図11太線丸印参照)、当該速度差の絶対値が0.2m/s未満であるときを「○(鋳型厚み方向の偏流無し)」とし、同じく0.2m/s以上であるときを「×(鋳型厚み方向の偏流有り)」と評価した。
なお、前記の下行右列としての測定地点は、具体的には、吐出孔2・2の外周側開口端の一の側辺及び下辺から夫々10mmだけ離れた地点としている。同様に、前記の下行左列としての測定地点は、具体的には、吐出孔2・2の外周側開口端の他の側辺及び下辺から夫々10mmだけ離れた地点としている。
なお、本評価において、浸漬ノズルの吐出孔からの水の合計吐出量は、550[L/min]とした。
(スプラッシュ現象の評価)
ところで、上記の「スプラッシュ現象」とは、前述の如く、鋳造開始時において浸漬ノズルに注湯された溶鋼がその底面に勢いよく当たることで跳ね上がるように吐出される現象のことをいうが、それに限らず、浸漬ノズルの吐出孔から下方へ向かって溶鋼が勢いよく吐出され、その溶鋼が、鋳造開始時に予め鋳型内に挿入されているダミーバーの上端面と鋳型の狭面とを順に介して跳ね上がってしまう現象をも含むものである。
上記表1における「飛散高さ」とは前者の現象に係るものであり、同じく表1における「気泡潜り深さ」とは後者の現象に係るものである。なお、後者の現象は、吐出孔から下向きに吐出される水流の強さ(気泡潜り深さ)を評価することにより間接的に評価した。なお、これらスプラッシュ現象は、生産性が低下するなどの理由から好ましくないとされる。
上記表1の「飛散高さ」の評価は、具体的には以下のように行った。図14は浸漬ノズルの側面図である。
即ち、図14に示す如く浸漬ノズルの吐出孔から上方に向かって飛散する水滴の到達高さを、当該吐出孔の外周側開口端の上辺を基準として、目視により計測し、当該到達高さを飛散高さとした。
そして、この飛散高さが15cm未満であるときを「○(飛散高さ小)」とし、同じく15cm以上であるときを「×(飛散高さ大)」と評価した。
なお、このとき、浸漬ノズルの吐出孔からの水の吐出量は、800[L/min]とした。
上記表1の「気泡潜り深さ」の評価は、具体的に、以下のように行われたものである。
即ち、図14に示す如く浸漬ノズルの下方に、当該浸漬ノズルの下端に対する鉛直方向距離が5cmとなるように水面高さが調整された水槽を設置し、浸漬ノズルの吐出孔から下方へ向かって勢いよく吐出された水流が巻き込む気泡の到達深さを、当該水面を基準として、目視により測定した。
そして、この到達深さが35cm未満であるときを「○(気泡潜り深さ小)」とし、同じく35cm以上であるときを「×(気泡潜り深さ大)」と評価した。
なお、この到達深さを計測する際の観測対象は、水流により巻き込まれた気泡のうち、その径が5mm以上のものに限定した。
なおまた、このときも、浸漬ノズルの吐出孔からの水の吐出量は、同様に、800[L/min]とした。
そして、上記表1の「総合評価」とは、上記の「偏流」及び「飛散高さ」、「気泡潜り深さ」に関する評価がすべて良好(即ち、「○」)となったか否かに基づいて判断されるものである。
この表1によれば、以下のように構成される連続鋳造用の浸漬ノズル100を用いれば、鋳造開始時におけるスプラッシュ現象の抑制効果を妨げることなく、溶鋼吐出流の鋳型厚み方向の偏流を大幅に軽減できることが判る。
・前記突部4の長手方向の垂直断面は、長方形を含む台形である。
・前記突部4の長手方向の垂直断面の側辺4aは、前記浸漬ノズル100の長手方向を基準として0度以上25度以下内側へ傾斜して形成される。
・前記突部4の長手方向の垂直断面の高さhと、前記吐出孔2・2の内周側開口端2a・2aの下辺と前記ノズル内側底面1との間の距離Hと、の比であるh/Hは、0.5≦h/H≦2.0の範囲内である。
・前記突部4の長手方向の垂直断面の上辺の幅yと、前記吐出孔2・2の内周側開口端2a・2aの開口幅Yと、の比であるy/Yは、0.1≦y/Y≦0.5の範囲内である。
・前記吐出孔2・2の穿孔方向と、前記突部4の長手方向と、が成す角度θ2と、前記吐出孔2・2の穿孔方向と、前記吐出孔2・2の内周側開口端2a・2aの側辺と前記浸漬ノズル100の軸心とを結ぶ面と、が成す角度θ3と、の比であるθ2/θ3は、0≦θ2/θ3≦1.3の範囲内である。
・前記浸漬ノズル100の軸心と前記突部4の長手方向及び短手方向の中心との間の距離xと、前記浸漬ノズル100の軸心と前記浸漬ノズル100の内周面との間の距離Xと、の比であるx/Xは、0≦x/X≦0.3の範囲内である。
次に、上記の浸漬ノズルを用いて行われる、本願発明に係る中炭素鋼の連続鋳造方法の実施の形態に関して詳細に説明する。なお、本願発明が鋳造対象としている鋼種は、炭素含有量C[wt%]が0.08〜0.19である中炭素鋼である。
本実施形態において上記の浸漬ノズル100は、図15及び図16に示す如く更に以下のように構成されている(以下のような構造上の限定を伴っている。)。図15は図1に類似する図である。図16は図4に類似する図である。なお、説明の便宜上、図15においては、前述の突部4は図略されており、更に前記吐出孔2の外周側開口端は図略されている。
即ち、本実施形態において図15に示す如く前記吐出孔2の内周側開口端2aの開口面積Na[cm2]は35〜115としている。
なお、厳密に言えば前記浸漬ノズル100の内周側壁面は環状、即ち曲面であることを踏まえ、上記の開口面積Naは以下の如く観念するものとする。即ち、図15の紙面上に投影されている内周側開口端2aによって囲まれる面積を開口面積Naとするものとする。端的に言えば、前記内周側開口端2aが曲面に現れるという実際を考慮せずに、縦断面図のみに基づいて開口面積Naを求めることとするのである。この点、当該開口面積Naは、前記吐出孔2の内周側開口端2a近傍における断面積ということもできる。
また、本実施形態において図16に示す如く前記吐出孔2・2の穿孔方向と、前記浸漬ノズル100の軸線に垂直な面Srcと、の成す角度θ4[deg]を15〜55としている。より具体的には以下の通りである。
即ち、図16は、浸漬ノズル100の軸線と、前記吐出孔の穿孔方向と、を断面内に同時に含む前記浸漬ノズル100の縦断面図である。本図の断面には、一の吐出孔2について、当該吐出孔2の輪郭線は一対で現れている。そして、図16において一対で現れる前記吐出孔2の輪郭線のうち前記浸漬ノズル100の先端側(本図において下側)の輪郭線2rと、前記浸漬ノズル100の軸線に垂直な面Srcと、の成す角度θ4[deg]を15〜55としている。(なお、後述するように前記吐出孔2が断面略矩形ではなく円形などに形成されていたとしても、勿論、この輪郭線2rは容易に観念できよう。)
また、上記の浸漬ノズル100から注湯された溶鋼を冷却し所定形状の凝固シェルを形成するための鋳型200は、本実施形態において図17に示す如く以下のように構成されている。図17は、図2において示される浸漬ノズルの横断面と、この浸漬ノズル100が挿入される鋳型とを併せて表示する図である。換言すれば、本図には、鋳型の上端面と、浸漬ノズルの断面と、が同時に表示されている。
即ち、図17に示す如く本実施形態において鋳型200の上端における鋳型幅W[mm]は800〜2100としている。
また、同様に鋳型200の上端における鋳型厚P[mm]は200〜320としている。
また、本実施形態における中炭素鋼の連続鋳造方法では鋳造速度Vc[m/min]は1.4〜2.2とし、連続鋳造中における過熱度(所謂スーパーヒート)ΔT[℃]は20〜45としている。
なお、ここでいう過熱度ΔTは、以下のように求めることとする。即ち、タンディッシュ内から、当該タンディッシュの底面に連通状態で接続されている前記の浸漬ノズル100内へ、流入する直前の溶鋼の溶鋼温度を例えば熱電対などを用いて測定し、その測定結果に基づいて前記過熱度ΔTを算出するものとする。
また、本実施形態では、鋳型200内に注湯される溶鋼に対して電磁攪拌を実施する。その際の鋳型内電磁攪拌強度M-EMS[gauss]を0〜1000とする。具体的には以下の通りである。
即ち、前記の鋳型200に、所定の電磁攪拌装置(コイルなど)を、例えば前記浸漬ノズル100を鋳型厚み方向で挟むように一対で設ける。そして、この電磁攪拌装置の作用により、前記浸漬ノズル100の軸線に対して垂直な面でみたときに(即ち、図17において)、鋳型200内の溶鋼が浸漬ノズル100周りに時計周り又は反時計周りに緩やかに旋回するように構成する。
なお、上記の鋳型内電磁攪拌強度M-EMS[gauss]は、前記鋳型200の幅方向中央であって、鋳型200の上端を基準とし下端へ向かって250mmだけ離れ、且つ、鋳型200の広面側内壁面から15mmだけ離れた地点において適宜のガウスメータにより測定された値(単位は[gauss]とする。)とする。
なおまた、上述したように、鋳型内電磁攪拌強度M-EMS[gauss]を0とする電磁攪拌を実施してもよい。勿論、これは電磁攪拌を実施しなくてもよいことを意味している。即ち、電磁攪拌を実施するか否かは任意である。
以上に説明した中炭素鋼の連続鋳造方法は、より具体的には以下のように実施される。
即ち、前記浸漬ノズル100は、鋳造開始前に予め前記タンディッシュの槽底に着脱可能に、且つ、その吐出孔2・2が前記鋳型200の狭面と略対面するように取り付けられる。
次に、前記浸漬ノズル100が取り付けられた前記タンディッシュが所定位置まで降下されることで、当該浸漬ノズル100の先端(下端)が前記鋳型200内へ適宜の深さまで挿入される。
次いで、前記連続鋳造機内に、鋳片を引き抜くためのダミーバーが挿入される。
そして、前記タンディッシュの槽底に設けられるスライドバルブが適宜に開口され、これにより、前記タンディッシュ内に保持されている溶鋼が前記浸漬ノズル100を介して前記鋳型200へ注湯され始める。
次いで、鋳型200内で冷却されて形成される鋳片(凝固シェル)は、上述範囲内の鋳造速度でダミーバーに引き抜かれていく。これにより、連続的な鋳造が開始されるようになっている。
以下、本実施形態に係る中炭素鋼の連続鋳造方法の技術的効果を確認するための試験に関して説明する。上述した各数値範囲などは、下記の確認試験により合理的に裏付けられている。
先ず、各確認試験の複数の評価項目に関して説明する。即ち、(1)凝固遅れ度、(2)圧延後表面疵、(3)スラブ品質、の(1)〜(3)である。
(1)凝固遅れ度
以下、評価項目の一つとしての凝固遅れ度に関して説明する。図18は凝固遅れ度に関する説明図である。
上記の『凝固遅れ度』とは、以下のように測定し求めるものである。即ち、図18に示す如く、第1に、鋳造された鋳片を長手方向に垂直な方向で切断する。そして第2に、この垂直断面に現れている白線湯模様(ホワイトバンド)と鋳片広面との距離を測定する。より具体的には、鋳片狭面から鋳片広面に沿って5cm離れた箇所と、当該白線湯模様が当該鋳片広面に最も接近して現れている箇所と、の2箇所において前記の距離を測定する。本図において、前者箇所において測定された上記距離が符号Aに相当し、後者箇所において測定された上記距離が符号Bに相当する。そして第3に、距離Aから距離Bを引いて求められる距離を距離Aで除することにより、上記『凝固遅れ度』は求められる。
ここで、本願発明の発明者などが実施した他の試験の結果を紹介する。図19は、凝固遅れ度に関する他の試験結果を示す図である。本図に示されるグラフにおいて、横軸は狭面テーパ量(端的に言えば、鋳型の内壁面(狭面)が鋳造方向に進むに連れて狭くなる程度)を示し、縦軸は上記凝固遅れ度を示している。そして、本グラフ中の複数のプロットの夫々は、各狭面テーパ量において複数回実施された試験の結果に対応しており、白抜きプロットはその試験条件においてブレークアウトが発生しなかったことを表し、塗りつぶしプロットはその試験条件においてブレークアウトが発生してしまったことを表す。本グラフによれば、ブレークアウトの発生を回避するという観点から、凝固遅れ度は少なくとも40%以下に抑えるべきだと言える。
従って、上記の如く凝固遅れ度を求め、その値が40%以下だった場合は、良好と評価した。
(2)圧延後表面疵
以下、評価項目の一つとしての圧延後表面疵に関して説明する。
上記の『圧延後表面疵』とは、鋳造された鋳片を圧延した後の段階において、圧延された鋳片の表面を観察することによって把握される疵の程度や有無に関するものである。即ち、溶鋼が凝固する際に溶鋼の中に気泡や介在物が混入していたり、モールドパウダーが混在していたりすると、鋳造された鋳片を圧延したときに、これらの不純物が圧延された鋳片の表面に線状の疵(所謂スリバー疵)となって現れてしまう。
従って、圧延された鋳片の表面を長手方向に1000m単位で観察し、そのときに観測されるスリバーの数に応じて各試験を評価した。
具体的には、上記観察においてスリバーが3箇所以上発見された場合は「×」の評価を、1〜2箇所発見された場合は「△」の評価を、全く発見されなかった場合は「○」の評価を下した。
(3)スラブ品質
以下、評価項目の一つとしてのスラブ品質に関して説明する。
この『スラブ品質』は、鋳片表面において鋳造方向に沿って発生する鋳片表面割(以下、縦割と称する。)の有無を評価対象とするものであり、この縦割は以下の原因により発生すると考えられている。即ち、凝固遅れ度が過大となったことを理由とするものと、鋳片の表面温度が不均一となった結果として鋳片表面に発生する応力を理由とするものである。
そして、鋳造後の鋳片の表面を観測し、縦割が観測された場合はその試験条件の評価を「縦割(即ち、縦割有り)」とし、縦割が全く観測されなかった場合はその試験条件の評価を「○」とした。
次に、各確認試験の試験条件と試験結果を適宜に表を参照しながら説明する。
<試験1:吐出孔の内周側開口端の開口面積>
本試験では、下記表2に示す如く、浸漬ノズル100の前記吐出孔2・2の内周側開口端2a・2aの開口面積Naに着目したものである。
Figure 2007331001
上記表2には記載のない他の試験条件は、以下の通りである。
--------------------
D=85[mm]
h=20[mm], H=20[mm], y=20[mm], Y=70[mm], x=0[mm], X=43[mm]
θ1=10[deg.], θ2=0[deg.], θ3=55[deg.], R1=3[mm], R2=0[mm]
h/H=1, y/Y=0.29, x/X=0, θ2/θ3=0
--------------------
θ4=35[deg.]
W=1240[mm], P=240[mm]
Vc=1.7[m/min], M-EMS=550[gauss]
--------------------
上記表2に示す如く、開口面積Na[cm2]が35に満たない浸漬ノズルを用いた試験では、凝固遅れ度が40%を超えてしまったし、スラブ品質の評価も良好ではなかった。これは以下の理由によるものと考えられる。
即ち、所定の鋳造速度を確保するために、溶鋼の浸漬ノズルからの吐出流量は適宜に確保しなければならない。そこで、浸漬ノズルの吐出孔の開口面積Naが比して小であると、相対的に、溶鋼の浸漬ノズルからの吐出流速が大となる。その結果、鋳型の中で形成過程にある凝固シェルの例えば隅部に熱が供給され過ぎてしまい、凝固遅れが促進されると共に、それに伴って前述の如く縦割が発生したものと考えられる。
一方、開口面積Na[cm2]が115を超えた浸漬ノズルを用いた試験では、凝固遅れ度に関して言えば良好であったが、圧延後表面疵に関する評価が良好ではなかった。これは以下の理由によるものと考えられる。
即ち、一般に、メニスカス近傍の溶鋼は、気泡やCaO、Al2O3などの介在物が留まるのを回避するために適宜の流速が確保されている必要がある(これは一般に、洗浄効果と呼ばれている。)。それなのに、浸漬ノズルの吐出孔の開口面積Naが比して大であると、相対的に、溶鋼の浸漬ノズルからの吐出流速が小となり、溶鋼の浸漬ノズルからの吐出流によって形成される所謂反転流が十分に確保されないので、メニスカス近傍の溶鋼に流れが失われてしまい、その結果、メニスカス近傍の溶鋼がやがて、気泡や介在物を含んだままの状態で凝固してしまったからだと考えられる。
<試験2:角度>
本試験では、下記表3に示す如く、前記吐出孔2・2の穿孔方向と、前記浸漬ノズル100の軸線に垂直な面Srcと、の成す角度θ4に着目したものである。
Figure 2007331001
上記表3には記載のない他の試験条件は、以下の通りである。
--------------------
D=85[mm]
h=20[mm], H=20[mm], y=20[mm], Y=65[mm], x=0[mm], X=43[mm]
θ1=10[deg.], θ2=0[deg.], θ3=50[deg.], R1=3[mm], R2=0[mm]
h/H=1, y/Y=0.31, x/X=0, θ2/θ3=0
--------------------
Na=60[cm2],
W=1240[mm], P=240[mm]
Vc=1.6[m/min], M-EMS=550[gauss]
--------------------
上記表3に示す如く、角度θ4[deg.]が15に満たない浸漬ノズルを用いた試験では、凝固遅れ度が40%を超えてしまったし、圧延後表面疵も観測され、更にスラブ品質の評価も良好ではなかった。
凝固遅れ度が40%を超え、また、スラブ品質の評価が良好ではなかったのは以下の理由によるものと考えられる。即ち、一般に、浸漬ノズルからの吐出流の吐出方向は水平方向ではなく、十分に斜め下向き方向となるように設定されている。これにより、吐出孔から吐出された極めて高温な溶鋼は、吐出流に乗って凝固シェルに到達するまでに若干の時間を要することから若干冷却されるようになっている。それなのに、本試験では、浸漬ノズルからの吐出流の吐出方向が十分には斜め下向きとはなっておらず、寧ろ水平方向に近かった。このため、吐出孔から吐出された極めて高温な溶鋼が、殆ど抜熱されることなく高温なまま吐出流に乗って凝固シェルに到達してしまったから、凝固シェルの凝固遅れを促進してしまったものと考えられる。なお、鉛直方向において、吐出孔と略同レベルにある凝固シェルの部分(所謂初期凝固部)は厚みが極めて薄い。また、凝固遅れが促進されてしまった結果、スラブ品質が劣るのは、前述した通りである。
また、圧延後表面疵が観測されたのは以下の理由によるものと考えられる。即ち、浸漬ノズルからの溶鋼の吐出流の吐出方向が水平方向に近かったために、当該吐出方向が斜め下向きに設定されている場合と比較して、メニスカス近傍の溶鋼に対して流速を与えたり熱を供給したりする重要な役割を担う上記の反転流が相当大きくなってしまった。その結果、メニスカス近傍の溶鋼に対して過大な流速が付加されたため、メニスカスが波立ち、メニスカス上に浮設されているモールドパウダーが溶鋼へ巻き込まれてしまったからだと考えられる。
一方、角度θ4[deg.]が55を超えた浸漬ノズルを用いた試験でも、圧延後表面疵が観測された。これは以下の二の理由によるものだと考えられる。
即ち、第1に、一般に、タンディッシュから浸漬ノズルを介して鋳型へ供給される溶鋼に当初から含まれている介在物は、溶鋼との比重の差を利用して、鋳型内で浮上され、メニスカス上に浮設されているスラグ中へ吸収されて回収されるようになっている。それなのに、浸漬ノズルからの溶鋼の吐出流の吐出方向が相当に斜め下向き(換言すれば、より鉛直方向下向きに近い方向)に設定されていたので、溶鋼中の介在物が浮上により回収される機会が失われ、その結果、溶鋼が介在物を含んだまま凝固してしまったからだと考えられる。
第2に、浸漬ノズルからの溶鋼の吐出流の吐出方向が相当に斜め下向きに設定されていたので、(吐出孔から吐出された溶鋼が鋳型狭面に衝突してその流れの向きが上向きに変更され、メニスカスへ向かって上昇し、やがて浸漬ノズル側へと流れの向きを変えながら消滅する)上記の反転流が形成されにくく、そのため、メニスカス近傍の溶鋼に対して十分な上記洗浄効果が発揮されなかったためだと考えられる。
<試験3:鋳型幅>
本試験では、下記表4に示す如く、前記鋳型幅Wに着目したものである。
Figure 2007331001
上記表4には記載のない他の試験条件は、以下の通りである。
--------------------
D=85[mm]
h=20[mm], H=20[mm], y=20[mm], Y=70[mm], x=0[mm], X=43[mm]
θ1=10[deg.], θ2=0[deg.], θ3=55[deg.], R1=3[mm], R2=0[mm]
h/H=1, y/Y=0.29, x/X=0, θ2/θ3=0
--------------------
Na=50[cm2], θ4=35[deg.]
P=240[mm]
Vc=1.7[m/min], M-EMS=550[gauss]
--------------------
上記表4に示す如く、鋳型幅W[mm]が800に満たない鋳型を用いた試験では、凝固遅れ度が40%を超えてしまった。これは以下の理由によるものだと考えられる。
即ち、一般に、上述したように浸漬ノズルから吐出された極めて高温な溶鋼は、鋳型内で形成される凝固シェルの狭面に到達するまでに若干の時間を要し、それ故、溶鋼は若干冷却されてから凝固シェルの狭面に到達するようになっている。この点、本試験のように鋳型幅Wが過小である鋳型を用いると、溶鋼が十分に冷却される前に、当該鋳型内に形成された凝固シェルの狭面に到達し、即ち、凝固シェルに過大な熱が供給され、その結果として、凝固遅れが促進されてしまったものと考えられる。
一方、鋳型幅W[mm]が2100を超えた鋳型を用いた試験では、スラブ品質に関する評価が良好ではなかった。これは以下の理由によるものと考えられる。
即ち、一般に、メニスカス上に浮設されたモールドパウダーが鋳型内で形成される凝固シェルと鋳型内壁面との間に流入されることによって、凝固シェルに対する鋳型の抜熱特性が制御されるようになっている。それなのに、本試験のように鋳型幅Wが過大な鋳型を用いると、やはり、鋳型の幅方向においてモールパウダーの流入量(即ち、モールドパウダーの厚み、換言すれば抜熱特性の制御量)にムラが出てきてしまう。これが原因となって、鋳型の幅方向において凝固シェル内に温度ムラが生じてしまい、凝固シェル内で当該温度ムラによる応力が生じたからだと考えられる。なお、この問題は、鋳型の幅方向にのみならず、厚み方向においても同時に多少なりとも生じる。
<試験4:鋳型厚>
本試験では、下記表5に示す如く、前記鋳型厚Pに着目したものである。
Figure 2007331001
上記表5には記載のない他の試験条件は、以下の通りである。
--------------------
D=80[mm]
h=20[mm], H=20[mm], y=20[mm], Y=65[mm], x=0[mm], X=40[mm]
θ1=10[deg.], θ2=0[deg.], θ3=54[deg.], R1=3[mm], R2=0[mm]
h/H=1, y/Y=0.31, x/X=0, θ2/θ3=0
--------------------
Na=60[cm2], θ4=45[deg.]
W=1240[mm],
Vc=1.7[m/min], M-EMS=550[gauss]
--------------------
上記表5に示す如く、鋳型厚P[mm]が200に満たない鋳型を用いた試験では、圧延後表面疵が観測された。これは以下の理由によるものだと考えられる。
即ち、鋳型厚Pが比して小であったために、浸漬ノズルと広面側鋳型内壁面との間の隙間が狭くなってしまっていた。そのせいで、せっかく浸漬ノズル周囲の溶鋼に対して上記洗浄効果を奏するために前記の反転流が生成されたのにも関わらず、浸漬ノズルと広面側鋳型内壁面との間の隙間(流路)が狭く、当該隙間における溶鋼の流れが極めて滞り、結果として、浸漬ノズルと広面側鋳型内壁面との間の隙間においては溶鋼に対して十分な洗浄効果が奏し得なかったからだと考えれられる。
一方、鋳型厚P[mm]が320を超えた鋳型を用いた試験では、スラブ品質に関する評価が良好ではなかった。これは、上述した鋳型幅W[mm]が2100を超えた鋳型を用いた試験と略同様に説明することができ、要約すると下記の通りとなる。
即ち、鋳型の厚み方向においてモールドパウダーの流入量にムラが出たために同じく厚み方向において凝固シェル内に温度ムラが生じ、当該温度ムラに起因して応力が発生してしまったからだと考えられる。なお、この問題は、鋳型の厚み方向にのみならず、幅方向においても同時に多少なりとも生じる。
<試験5:鋳造速度>
本試験では、下記表6に示す如く、前記鋳造速度に着目したものである。
Figure 2007331001
上記表6には記載のない他の試験条件は、以下の通りである。
--------------------
D=85[mm]
h=20[mm], H=20[mm], y=20[mm], Y=70[mm], x=0[mm], X=43[mm]
θ1=10[deg.], θ2=0[deg.], θ3=55[deg.], R1=3[mm], R2=0[mm]
h/H=1, y/Y=0.29, x/X=0, θ2/θ3=0
--------------------
Na=60[cm2], θ4=45[deg.]
W=1240[mm], P=240[mm]
M-EMS=550[gauss]
--------------------
上記表6に示す如く、鋳造速度Vc[m/min]を1.4を満たさないように設定した試験では、圧延後表面疵に関する評価が良好ではなかった。これは以下の理由によるものと考えられる。
即ち、鋳造速度が比して小さいということは、浸漬ノズルからの溶鋼の吐出量が比して小さいということに他ならない。端的に言えば、浸漬ノズルからの溶鋼の吐出流速が比して小さいので、この溶鋼の吐出流に依って形成される前述の吐出流が十分には形成されず、その結果、メニスカス近傍の溶鋼に対して、洗浄効果を発揮するために必要となる十分な流速が付加され得なかったからだと考えられる。
一方、鋳造速度Vc[m/min]を2.2を超えるように設定した試験では、凝固遅れ度が40%を超えてしまったし、スラブ品質に関する評価も良好ではなかった。これは以下の理由によるものと考えられる。
即ち、鋳造速度が比して大きいということは、浸漬ノズルからの溶鋼の吐出量が比して大きいということに他ならない。端的に言えば、浸漬ノズルからの溶鋼の吐出流速が比して大きいので、浸漬ノズルから吐出された溶鋼が凝固シェルへ到達するまでに要する時間が比して小さくなっていた。即ち、浸漬ノズルから吐出された溶鋼が、殆ど冷却されることなく極めて高温な状態のままで凝固シェルに到達し、その結果、凝固シェルに対して過大な熱が供給されてしまったから凝固遅れが促進されたのだと考えられる。なお、凝固遅れが促進されたことに伴い、スラブ品質に関する評価が悪化するのは前述した通りである。
<試験6:過熱度>
本試験では、下記表7に示す如く、前記過熱度に着目したものである。
Figure 2007331001
上記表7には記載のない他の試験条件は、以下の通りである。
--------------------
D=85[mm]
h=20[mm], H=20[mm], y=20[mm], Y=70[mm], x=0[mm], X=43[mm]
θ1=10[deg.], θ2=0[deg.], θ3=55[deg.], R1=3[mm], R2=0[mm]
h/H=1, y/Y=0.29, x/X=0, θ2/θ3=0
--------------------
Na=60[cm2], θ4=35[deg.]
W=1240[mm], P=240[mm]
Vc=1.4[m/min], M-EMS=550[gauss]
--------------------
一般に、実操業上の理由から、過熱度を一定に維持することは、公知の如く極めて困難とされている。
上記表7には示してはいないが、過熱度ΔT[℃]が20を下回ってしまった試験(過熱度ΔT[℃]=18の試験)では、浸漬ノズル内において、溶鋼が凝固したものが当該浸漬ノズルの内壁面などに徐々に付着したりして、間もなく浸漬ノズルのノズル詰まりが発生してしまった。このように浸漬ノズルがノズル詰まりを一度起こしてしまうと、連続鋳造を一時中断しなければならないのは言うに及ばない。
また、このように過熱度ΔT[℃]が20を下回ってしまうと、例え上記の反転流が適度に形成され生じていたとしても、メニスカスに殆ど熱が供給され得ないので、メニスカスに所謂皮張り(溶鋼が膜状に凝固して生成されたもの)が発生してしまったという別の問題も発生した。
一方、上記表7に示す如く、過熱度ΔT[℃]が45を上回ってしまった試験では、凝固遅れ度が40%を超えてしまった。これは、浸漬ノズルから吐出される溶鋼が過度に高温となるから、鋳型内で形成されつつある凝固シェルに対する熱の供給が過大となったからだと考えられる。
<試験7:M-EMS>
本試験では、下記表8に示す如く、前記鋳型内電磁攪拌強度M-EMS[gauss]に着目したものである。
Figure 2007331001
上記表8には記載のない他の試験条件は、以下の通りである。
--------------------
D=85[mm]
h=20[mm], H=20[mm], y=20[mm], Y=70[mm], x=0[mm], X=43[mm]
θ1=10[deg.], θ2=0[deg.], θ3=55[deg.], R1=3[mm], R2=0[mm]
h/H=1, y/Y=0.29, x/X=0, θ2/θ3=0
--------------------
Na=60[cm2], θ4=35[deg.]
W=1240[mm], P=240[mm]
Vc=1.7[m/min]
--------------------
上記表8に示す如く、鋳型内電磁攪拌強度M-EMS[gauss]を500に満たないように設定した試験でも、凝固遅れ度及びスラブ品質に関する評価は良好であったし、圧延後表面疵に関する評価も一応は及第点に達したと言えよう。
一方、鋳型内電磁攪拌強度M-EMS[gauss]を1100を超えるように設定した試験では、凝固遅れ度が40%を超えてしまったし、圧延後表面疵に関する評価が良好ではなかった。
凝固遅れ度が40%を超えてしまったのは以下の理由によるものだと考えられる。即ち、前述した通り、一般に、浸漬ノズルから吐出される溶鋼の吐出流によって、(吐出孔から出発し狭面側鋳型内壁面に沿って上昇しメニスカスとの衝突によって浸漬ノズル側へ流れの向きが変換される)上記の反転流が形成される。また、一般に、鋳型内電磁攪拌は鋳型内の溶鋼のうち、特にメニスカス近傍の溶鋼を、浸漬ノズル周りに緩やかに旋回させるようにして攪拌するように行われる。従って、前記反転流と、電磁攪拌による溶鋼の旋回流とはメニスカス近傍において互いに衝突する。その結果、通常、前記の反転流は、この旋回流との衝突により、鋳型内に形成されてつつある中空略矩形の凝固シェルの対角隅部へと流れの向きが強制的に湾曲されるので、凝固シェルの当該一対の対角隅部は、他の一対の対角隅部に比べて若干、熱の供給が多いため凝固遅れが生じやすくなっている。この点、前記の鋳型内電磁攪拌強度M-EMS[gauss]が過大であると、前記の旋回流がより強力に生じるため、前記の反転流が更に大きく湾曲され、その結果、前記一対の対角隅部に対して熱が更に供給されて凝固遅れ度がより一層促進されてしまうからだと考えられる。
以上説明したように、本実施形態において炭素含有量C[wt%]が0.08〜0.19である中炭素鋼は、以下のようにして連続鋳造される。
即ち、上述した所定形状の浸漬ノズル100と、所定の鋳型幅W及び鋳型厚Pの鋳型と、を用いて、鋳造速度Vc[m/min]を1.4〜2.2とし、過熱度ΔT[℃]を20〜45とし、電磁攪拌を一切行わないか或いは鋳型内電磁攪拌強度M-EMS[gauss]を1000以下として鋳型内に注湯される溶鋼を電磁攪拌しながら、中炭素鋼は連続鋳造される。
これによれば、有用な浸漬ノズルを採用しているので、鋳造開始時におけるスプラッシュ現象の抑制効果を妨げることなく、溶鋼吐出流の鋳型厚み方向の偏流を軽減できる。
また、凝固シェルの凝固遅れを抑制できると共に、鋳片の表面品質等(上記各試験における圧延後表面疵及びスラブ品質の評価項目がこれに相当する。)を良好とできる。
また、前記鋳型内電磁攪拌強度M-EMS[gauss]は、好ましくは、500〜1000とするとよい。これによれば、鋳片の表面品質等(上記各試験における圧延後表面疵に相当する。表8参照。)を極めて良好とできる。
以上、本願発明の好適な実施形態を説明したが、上述した浸漬ノズル100は以下のように変更できる。
即ち、浸漬ノズル100の吐出孔2・2は、上記実施形態において略矩形に形成されているが、これに限ることはなく、例えば上記非特許文献1の図7に記載されている円形に形成されていてもよいし、楕円形や台形などに形成されていても勿論よい。
本発明の一実施形態に係る浸漬ノズルの縦断面図。 図1における2−2線矢視断面図。 図1におけるA部拡大図。 図1における4−4線矢視断面図。 図3に類似する図。 図4に類似する図。 図2に類似する図。 図2に類似する図。 従来の浸漬ノズルの縦断面図。 図1に類似する図。 浸漬ノズルの正面図。 浸漬ノズルの吐出孔から吐出される水流の流速の測定結果の一例を示す図。 浸漬ノズルの吐出孔から吐出される水流の流速の測定結果の一例を示す図。 浸漬ノズルの側面図。 図1に類似する図。 図4に類似する図。 図2において示される浸漬ノズルの断面と、この浸漬ノズルが挿入される鋳型とを併せて表示する図。 凝固遅れ度の説明図。 凝固遅れ度に関する他の試験結果を示す図。
符号の説明
2 吐出孔
2a 内周側開口端
100 浸漬ノズル
200 鋳型
W 鋳型幅
P 鋳型厚
θ4 角度
Vc 鋳造速度
Src 浸漬ノズルの軸線に対して垂直な面
ΔT 過熱度
M-EMS 鋳型内電磁攪拌強度

Claims (2)

  1. ノズル内側底面から所定の距離だけ上方に離れた位置に一対の対向する吐出孔が穿孔されるとともに、前記ノズル内側底面にはノズル径方向に延在する突部が設けられる、連続鋳造用の浸漬ノズルであって、
    前記突部の長手方向の垂直断面は、長方形を含む台形であり、
    前記突部の長手方向の垂直断面の側辺は、前記浸漬ノズルの長手方向を基準として0度以上25度以下内側へ傾斜しており、
    前記突部の長手方向の垂直断面の高さhと、前記吐出孔の内周側開口端の下辺と前記ノズル内側底面との間の距離Hと、の比であるh/Hは、0.5≦h/H≦2.0の範囲内であり、
    前記突部の長手方向の垂直断面の上辺の幅yと、前記吐出孔の内周側開口端の開口幅Yと、の比であるy/Yは、0.1≦y/Y≦0.5の範囲内であり、
    前記吐出孔の穿孔方向と、前記突部の長手方向と、が成す角度θ2と、前記吐出孔の穿孔方向と、前記吐出孔の内周側開口端の側辺と前記浸漬ノズルの軸心とを結ぶ面と、が成す角度θ3と、の比であるθ2/θ3は、0≦θ2/θ3≦1.3の範囲内であり、
    前記浸漬ノズルの軸心と前記突部の長手方向及び短手方向の中心との間の距離xと、前記浸漬ノズルの軸心と前記浸漬ノズルの内周面との間の距離Xと、の比であるx/Xは、0≦x/X≦0.3の範囲内であり、
    前記吐出孔の内周側開口端の開口面積Na[cm2]が35〜115であり、
    前記浸漬ノズルの軸線と、前記吐出孔の穿孔方向と、を含む断面に一対で現れる前記吐出孔の輪郭線のうち前記浸漬ノズルの先端側の輪郭線と、前記浸漬ノズルの軸線に垂直な面と、の成す角度θ4[deg]が15〜55である浸漬ノズルと、
    溶鋼を冷却し所定形状の凝固シェルを形成するための鋳型であって、
    その鋳型の上端における鋳型幅W[mm]が800〜2100であり、
    その鋳型の上端における鋳型厚P[mm]が200〜320である鋳型と、
    を用い、
    鋳造速度Vc[m/min]を1.4〜2.2とし、
    過熱度ΔT[℃]を20〜45とし、
    鋳型内電磁攪拌強度M-EMS[gauss]を0〜1000として鋳型内に注湯される溶鋼を電磁攪拌しながら、
    炭素含有量C[wt%]が0.08〜0.19である中炭素鋼を連続鋳造する、ことを特徴とする中炭素鋼の連続鋳造方法。
  2. 請求項1に記載の中炭素鋼の連続鋳造方法において、
    前記鋳型内電磁攪拌強度M-EMS[gauss]を500〜1000とする、ことを特徴とする中炭素鋼の連続鋳造方法。
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