JP2007216190A - 塗膜の補修方法及び積層塗膜 - Google Patents

塗膜の補修方法及び積層塗膜 Download PDF

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Abstract

【課題】補修時に生じる塗膜表面の凹凸を好適に修正できるとともに補修部の塗膜密着性に優れた塗膜の補修方法を提供する。
【解決手段】破断エネルギーが0.07〜1.2Jであるクリヤー塗膜5を含む積層塗膜の異常部6を除去する工程と、異常部を除去した後の異常部除去範囲7を包含する粗磨き研磨範囲9を、平均粒子径が0.3〜15.0μmの研磨材を用いて研磨する工程と、異常部除去範囲7を包含する一方で粗磨き研磨範囲9に包含される補修塗装範囲8に、補修用塗料を塗装して補修塗膜を形成する工程と、補修塗膜が形成された補修塗装範囲8を包含する粗磨き研磨範囲9を、平均粒子径が0.3〜15.0μmの研磨材を用いて研磨する工程とを有する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、塗膜中に生じたブツ等の塗装不具合を補修する塗膜の補修方法及びこれにより補修された積層塗膜に関する。
自動車塗装技術において、塗装時に付着したゴミ・ブツなどの異常欠陥を塗装完了後に補修する方法として、最初にナイフの刃先または研磨紙を用いてゴミ・ブツなどの異物を除去及び研磨し、異物が除去された部位を部分的に塗装したのちこれを焼き付け、最後にこの塗膜部分をポリッシングする補修方法が知られている。
しかしながら、こうした従来の方法は被補修塗膜に対しクリヤー塗膜の密着性が悪く、仕上がり状態において一体感が見られず補修部位が目視で判別できるといった問題があった。このため、補修塗装の前に、被補修塗膜である上塗りクリヤー塗膜の異物が除去された部位の周囲を、酸化アルミニウム粒子を含有する研磨剤と1000番〜2000番相当の研磨紙で凹凸が生じるように研ぎ、補修塗装で用いる補修用クリヤー塗料の特定硬化触媒を増量することが提案されている(特許文献1)。
ところで、洗車機や乾拭きによる擦り傷を抑制するために、柔軟性を有するとともに破断エネルギーが高い耐傷付き性クリヤー塗料が実車に採用されつつある。
この種の耐傷付き性クリヤー塗膜は擦り傷が付き難いといった特性を有するので、その補修塗装において補修時の研磨力が弱いポリッシングでは傷が付かず、上述した密着性が十分に確保できないことが確認されている。また、これまで微小・微細とされていた1000番〜2000番相当の研磨紙を用いて密着性向上のための凹凸を形成しても、その後に行われるポリッシングによってはこの研磨紙の凹凸を修正することが困難であることも確認されている。
一方、補修塗装を行う際には、密着性を確保するために下地塗膜に微小な凹凸を形成することが必要とされるが、研磨紙を用いて研磨範囲のみを限定して補修塗装することはきわめて困難な作業である。耐傷付きクリヤー塗料ではない一般的なクリヤー塗料はポリッシングによる研磨が容易であるため、研磨範囲に対して補修塗装範囲が多少ばらついても問題にならず、したがって大きめに塗装するのが一般的である。しかしながら、耐傷付き性クリヤー塗料はポリッシングによる研磨が困難であるため、研磨範囲に対して補修塗装範囲が大きいと密着不良が生じる一方で、研磨範囲に対して補修塗装範囲が小さいと研磨不良となる。
本発明は、補修時に生じる塗膜表面の凹凸を好適に修正できるとともに補修部の塗膜密着性に優れた塗膜の補修方法及び積層塗膜を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の塗膜の補修方法は、破断エネルギーが0.07〜1.2Jである上塗り塗膜を含む積層塗膜の所望部位を、部分的に補修する塗膜の補修方法であって、少なくとも上塗り塗膜に存在する異常部を除去する工程と、前記異常部を除去した後の異常部除去範囲を包含する粗磨き研磨範囲を、平均粒子径が0.3〜15.0μmの研磨材を用いて研磨する工程と、前記異常部除去範囲を包含する一方で前記粗磨き研磨範囲に包含される補修塗装範囲に、補修用塗料を塗装して補修塗膜を形成する工程と、前記補修塗膜が形成された補修塗装範囲を包含する粗磨き研磨範囲を、平均粒子径が0.3〜15.0μmの研磨材を用いて研磨する工程とを有することを特徴とする。
また、本発明の積層塗膜は、被塗物の表面に形成された下地塗膜と、この下地塗膜の表面に形成された破断エネルギーが0.07〜1.2Jである上塗り塗膜を含む積層塗膜であって、部分的に少なくとも前記上塗り塗膜を除去したのち、この異常部除去範囲を包含する粗磨き研磨範囲を平均粒子径が0.3〜15.0μmの研磨材を用いて研磨し、この粗磨き研磨範囲に包含される補修塗装範囲に補修用塗料を塗装して補修塗膜を形成し、この補修塗膜を包含する前記粗磨き研磨範囲を平均粒子径が0.3〜15.0μmの研磨材を用いて研磨することで形成された補修塗膜を部分的に有することを特徴とする。
本発明では、異常部を除去したのち、平均粒子径が0.3〜15.0μmの研磨材を用いて補修塗装範囲よりも広い粗磨き研磨範囲を研磨するので、補修塗膜の破断エネルギーが0.07〜1.2Jと高くても、異常部を除去する際の研磨痕を好適に修復することができると同時に、補修塗膜の密着性を確保することができる。
発明の実施の形態
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る塗膜の補修方法の実施形態を示す工程図、図2〜図6は本発明に係る塗膜の補修方法の実施形態を示す塗膜断面図である。
以下の実施形態では、鋼板製自動車ボディを被塗物1として、これに下地塗膜としての電着塗膜2および中塗り塗膜3と、上塗り塗膜としてのベース塗膜4及びクリヤー塗膜5が形成された塗装系による積層塗膜を補修する例を説明する。
ただし、本発明の塗膜の補修方法及び積層塗膜は、被塗物1の材質や用途、下地塗膜の材質や構成、上塗り塗膜の材質や構成には限定されない。たとえば、鋼板以外のアルミニウム、アルミニウム合金、プラスチックから成形された被塗物にも応用することができる。また、下地塗膜の構成は電着塗膜2と中塗り塗膜3の二層以外にも、何れか一層または三層以上で構成された下地塗膜であってもよい。さらに、上塗り塗膜はいわゆる2コート1ベーク塗装系の塗膜以外にも、光輝性顔料を含有しないソリッド塗膜や2コート1ベーク以外の光輝性顔料を含有する上塗り塗膜に応用することもできる。
<積層塗膜構成>
電着塗膜2は、カチオン型電着塗料又はアニオン型電着塗料に被塗物1を浸漬し、所定の電圧を被塗物1と電着塗料との間に印加することで、電気泳動作用により未硬化塗膜が被塗物1の表面に形成され、これをたとえば160℃〜180℃で15分〜30分焼き付けることで硬化塗膜が形成される。被塗物1の種類や目的によっても相違するが、電着塗膜2の膜厚はたとえば10〜40μmである。
中塗り塗膜3は、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、塩ビ酢ビ共重合樹脂、ウレタン樹脂、セルロース樹脂などを主成分とし、これに着色材や添加剤を添加してなる熱硬化型塗料又は常温硬化型塗料もしくは2液硬化型塗料であって、この塗料を溶剤で希釈したものをスプレー塗装ガンなどの塗装機を用いて電着塗膜2の表面に塗装し、熱硬化型塗料であればたとえば80℃〜160℃で10分〜60分焼き付けることで形成される。被塗物の種類や目的によっても相違するが、中塗り塗膜3の膜厚は、たとえば15〜45μmである。
なお、被塗物の種類や目的に応じて中塗り塗膜3を省略することができる。またこれに代えて、電着塗膜2を省略し、被塗物1の表面に直接中塗り塗膜3を形成することもできる。
ベース塗膜4は、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、塩ビ酢ビ共重合樹脂、ウレタン樹脂、セルロース樹脂などを主成分とし、これに着色材や光輝材、必要に応じて添加剤を添加してなる熱硬化型塗料又は常温硬化型塗料もしくは2液硬化型塗料であって、この塗料を溶剤で希釈したものをスプレー塗装ガンなどの塗装機を用いて中塗り塗膜3の表面に塗装し、熱硬化型塗料であればたとえば80℃〜160℃で10分〜60分焼き付けることで形成される。なお、後述するクリヤー塗膜5とウェットオンウェットで塗装され、この焼き付け条件で同時に焼き付けられる。
添加剤としては、ポリエチレンワックス,ポリプロピレンワックスなどのワックス類や、分散剤などを例示することができ、溶剤としては、水または芳香族炭化水素系溶剤もしくは炭化水素系溶剤(エステル系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤など)を例示することができる。
クリヤー塗膜5は、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、塩ビ酢ビ共重合樹脂、ウレタン樹脂、セルロース樹脂などを主成分とし、これに添加剤を添加してなる熱硬化型塗料又は常温硬化型塗料もしくは2液硬化型塗料であって、この塗料を溶剤で希釈したものをスプレー塗装ガンなどの塗装機を用いて、未硬化のベース塗膜4の表面に塗装し、熱硬化型塗料であればたとえば80℃〜160℃で10分〜60分焼き付けることで形成される。
添加剤としては、ポリエチレンワックス,ポリプロピレンワックスなどのワックス類や、分散剤などを例示することができ、溶剤としては、水または芳香族炭化水素系溶剤もしくは炭化水素系溶剤(エステル系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤など)を例示することができる。
特に本実施形態のクリヤー塗膜5は、洗車機や乾拭きによる擦り傷を防止するために破断エネルギーが0.07〜1.2J(ジュール)の高破断エネルギーの耐傷付き性塗膜である。
<補修方法>
以上のように構成された積層塗膜に、ゴミ・ブツやタレなどの異常部6が存在しているのを塗装完了後に発見した場合、図1に示す異常部除去工程→粗磨き研磨工程→補修塗装工程→仕上げ磨き工程という手順で補修する。
《異常部除去工程》
図2に示すように、まず少なくともクリヤー塗膜5に発生した異常部6を、ナイフの刃先などのような鋭利な道具又は3000番以下、より好ましくは1000番〜2000番の研磨材(市販品の例を挙げれば、3M社製トライザクトディスク32mm径など)を用いて除去する。ここでは、除去後ができる限り小さくなるように最小限の範囲で異常部を除去することが望ましい。一般的に、異常部6がゴミ・ブツなどの異物であるときは鋭利な道具を用いてこの異物を除去し、異常部6がタレなどの塗膜隆起であるときは研磨材を用いてサンデリングすることで隆起部分を除去するが、異常部6の状態に応じてこれらの手法を適宜組み合わせることもできる。
図2に示す例では、ゴミがクリヤー塗膜5とベース塗膜4に喰い込んだかたちで存在しているのでナイフの刃先でゴミを除去したのち、その周辺を3000番以下の研磨材を用いて研磨することで異常部6を除去する。異常部6が除去された後の状態を図3に示す。以下、異常部6を除去するためにクリヤー塗膜5やベース塗膜4を研磨した範囲を異常部除去範囲7という。この範囲は平面視においてほぼ円形である。
《粗磨き研磨工程》
図3に示す異常部除去範囲7は、鋭利な道具や3000番以下の研磨材を用いて研磨した部位であるため、塗膜表面の凹凸は大きくなっている。このため、次の粗磨き研磨工程では、この表面凹凸を平坦にすると同時に、後工程で塗装する補修塗料の密着性を確保するために、平均粒子径が0.3〜15.0μm、より好ましくは0.3〜10.0μmの研磨材を用いて研磨する。
この粗磨き研磨工程で平均粒子径が上記のような範囲の研磨材を用いるのは、異常部除去工程で形成された塗膜表面の凹凸を平坦にする以外に、補修塗料との密着性を確保できる程度の凹凸を形成すると同時に、この凹凸を後工程の仕上げ磨き工程で消せる程度のものとするためである。上記の範囲の研磨材を用いて粗磨きすることで相反する条件をバランスさせることができる。特に、高い破断エネルギーの耐傷付き性クリヤー塗膜5の補修に対しては効果的である。
平均粒子径が0.3〜15.0μmの研磨材を用いて粗磨きする範囲は、図4に示すように、異常部除去範囲7と、次の補修塗装工程で補修塗料が塗装される範囲(以下、補修塗装範囲8という。)を包含したこれより広い範囲である。以下、この範囲を粗磨き研磨範囲9という。これらの範囲8,9も平面視においてほぼ円形である。
粗磨き研磨範囲9を補修塗装範囲8より大きく設定することで、補修塗膜の密着性が確保でき、補修部の見栄え性が向上することになる。
《補修塗装工程》
次いで、図5に示すように、粗磨き研磨範囲9のうち、ほぼ中心にあるベース塗膜4の補修が必要な範囲に補修用のベース塗料を塗装し、ウェットオンウェットまたは一旦ベース塗膜を焼き付けたのち、この補修用ベース塗膜よりも大きく、かつ粗磨き研磨範囲9よりも小さい補修塗装範囲8に補修用のクリヤー塗料を塗装し、これを焼き付ける。これにより、図5に示すように補修されたベース塗膜10と補修されたクリヤー塗膜11が形成される。ただし、同図に示されるように補修された塗膜の表面は隆起し、また補修塗装範囲8を超えた粗磨き研磨範囲9の外周部分(同図に残った研磨面12として示す。)には粗磨き研磨工程による研磨痕が残っている。
《仕上げ磨き工程》
上述したとおり、図5に示す補修直後の塗膜の表面は平坦でなく、また粗磨き研磨範囲9の外周部分12には粗磨き研磨工程による研磨痕が残っているので、これらを修正するために、まず粗磨き研磨工程で用いた平均粒子径が0.3〜15.0μm、より好ましくは0.3〜10.0μmの研磨材を用いて、補修塗装範囲8を包含する粗磨き研磨範囲9全体を研磨し、補修塗装範囲8の面と粗磨き研磨範囲の面9を同一面にする。
図6に示すように、補修塗装範囲8の面と粗磨き研磨範囲9の面とが同一になったら、それまでの研磨材よりも細かい粒子の研磨材、たとえば平均粒子径が0.01〜5.0μmの研磨材(市販品の例を挙げれば、3M社製ポリッシュエクストラファインなど)を用いて、粗磨き研磨範囲9の全体を研磨し、研磨痕を除去する。なお、塗色によっては平均粒子径が0.3〜15.0μmの研磨材を用いた研磨痕が目立たないこともあるので、この研磨は必要に応じて省略することもできる。
以上のように、本実施形態では、平均粒子径が0.3〜15.0μmの研磨材を用いた粗磨き研磨工程により、補修塗膜の密着性を確保できる程度の凹凸を形成すると同時に、この凹凸を後工程の仕上げ磨き工程で消せる程度のものとすることができる。また、補修塗装範囲より広い範囲を粗磨きするので補修塗膜の密着性が確実に確保できるとともに、適当な粒子径の研磨材を用いているので仕上げ磨き工程でその研磨痕を容易に消失させることがきる。
以下、本発明をさらに具体化して説明する。以下の実施例は図2に示す積層塗膜構成によるものである。
《実施例1》
板厚0.8mm,大きさ70mm×150mmのダル鋼鈑を被塗物1として、これにリン酸亜鉛処理を施してリン酸亜鉛皮膜を形成したのち、カチオン型電着塗料(関西ペイント社製エレクトロンNT−200)を用いて膜厚が20μmとなるように電着塗装を行い、160℃で30分焼き付け硬化させることで電着塗膜2を形成した。
この電着塗膜2の表面に、中塗り塗料(日本油脂社製ハイエピコNo.560)を用いて膜厚が30μmとなるようにスプレー塗装し、140℃で30分焼き付け硬化させることで中塗り塗膜3を形成した。
この中塗り塗膜3の表面に、上塗りベース塗料(日本ペイント社製アクアレックスAR2200BKH3)を用いて膜厚が15μmとなるようにスプレー塗装し、さらにウェットオンウェットで、クリヤー塗料(ナトコ社製自己治癒性クリヤー#200)を用いて膜厚が30μmとなるようにスプレー塗装し、これらを140℃で30分焼き付け硬化させることでベース塗膜4及びクリヤー塗膜5を形成した。なお、クリヤー塗膜5の破断エネルギーは0.31Jであった。
こうして得られた積層塗膜の一部(異常部除去範囲7)を、研磨紙である3M社製トライザクトディスク32mm径を用いてベース塗膜4が露出するまで研磨した。
次いで、平均粒子径が0.3μmの研磨材を用いて図4に示す粗磨き研磨範囲9を研磨したのち、図5に示すベース塗装範囲に補修用のベース塗料(日本ペイント社製アクアレックスAR2200BKH3)を色目が合うようにスプレー塗装し、ウェットオンウェットで補修用のクリヤー塗料(ナトコ社製自己治癒性クリヤー#200)をスプレー塗装し、これらを140℃で30分焼き付けた。
さらに、補修された積層塗膜の粗磨き研磨範囲9の全体を、3M社製トライザクトディスク32mm径を用いて研磨したのち、同じ範囲9全体を、0.1μmの3M社製ポリッシュエクストラファインを用いて研磨した。
得られた積層塗膜の外観を目視評価し、補修していない塗装面と補修した塗装面との区別がつかないものは「○」、区別がつくものは「×」とした。
また、得られた積層塗膜の密着性を1mm目×100個の碁盤の目テストにて評価し、剥がれなきものは「○」、剥がれがあったものは「×」とした。この結果を表1に示す。
《実施例2》
粗磨き研磨工程で用いる研磨材の平均粒径を3.0μmにしたこと以外は実施例1と同じ条件でテストピースを作製し、外観および密着性を評価した。この結果を表1に示す。
《実施例3》
粗磨き研磨工程で用いる研磨材の平均粒径を7.5μmにしたこと以外は実施例1と同じ条件でテストピースを作製し、外観および密着性を評価した。この結果を表1に示す。
《実施例4》
粗磨き研磨工程で用いる研磨材の平均粒径を15.0μmにしたこと以外は実施例1と同じ条件でテストピースを作製し、外観および密着性を評価した。この結果を表1に示す。
《比較例1》
粗磨き研磨工程を実施しなかったこと以外は実施例1と同じ条件でテストピースを作製し、外観および密着性を評価した。この結果を表1に示す。
《比較例2》
粗磨き研磨工程で用いる研磨材の平均粒径を0.2μmにしたこと以外は実施例1と同じ条件でテストピースを作製し、外観および密着性を評価した。この結果を表1に示す。
《比較例3》
粗磨き研磨工程で用いる研磨材の平均粒径を16.0μmにしたこと以外は実施例1と同じ条件でテストピースを作製し、外観および密着性を評価した。この結果を表1に示す。
《比較例4》
粗磨き研磨工程で用いる研磨材の平均粒径を20.0μmにしたこと以外は実施例1と同じ条件でテストピースを作製し、外観および密着性を評価した。この結果を表1に示す。
Figure 2007216190
《考 察》
実施例1〜4と比較例1の結果から、粗磨き研磨工程を設けることで外観及び密着性ともに良好になることが理解される。また、実施例1〜4と比較例2〜4の結果から、粗磨き研磨工程で用いる研磨材の平均粒径を0.3〜15.0μmとすることで、外観及び密着性ともに良好になることが理解される。
本発明に係る塗膜の補修方法の実施形態を示す工程図である。 本発明に係る塗膜の補修方法の実施形態を示す塗膜断面図(補修前)である。 本発明に係る塗膜の補修方法の実施形態を示す塗膜断面図(異常部除去工程)である。 本発明に係る塗膜の補修方法の実施形態を示す塗膜断面図(粗磨き研磨工程)である。 本発明に係る塗膜の補修方法の実施形態を示す塗膜断面図(補修塗装工程)である。 本発明に係る塗膜の補修方法の実施形態を示す塗膜断面図(仕上げ磨き工程)である。
符号の説明
1…被塗物
2…電着塗膜
3…中塗り塗膜
4…ベース塗膜
5…クリヤー塗膜
6…異常部
7…異常部除去範囲
8…補修塗装範囲
9…粗磨き研磨範囲
10…補修されたベース塗膜
11…補修されたクリヤー塗膜
12…残った研磨面

Claims (8)

  1. 破断エネルギーが0.07〜1.2Jである上塗り塗膜を含む積層塗膜の所望部位を、部分的に補修する塗膜の補修方法であって、
    少なくとも上塗り塗膜に存在する異常部を除去する工程と、
    前記異常部を除去した後の異常部除去範囲を包含する粗磨き研磨範囲を、平均粒子径が0.3〜15.0μmの研磨材を用いて研磨する工程と、
    前記異常部除去範囲を包含する一方で前記粗磨き研磨範囲に包含される補修塗装範囲に、補修用塗料を塗装して補修塗膜を形成する工程と、
    前記補修塗膜が形成された補修塗装範囲を包含する粗磨き研磨範囲を、平均粒子径が0.3〜15.0μmの研磨材を用いて研磨する工程とを有することを特徴とする塗膜の補修方法。
  2. 1000番〜2000番の研磨紙を用いて異常部を除去することを特徴とする請求項1記載の塗膜の補修方法。
  3. 前記補修塗膜が形成された補修塗装範囲を包含する粗磨き研磨範囲を平均粒子径が0.3〜15.0μmの研磨材を用いて研磨したのち、平均粒子径が0.01〜5.0μmの研磨材を用いて研磨することを特徴とする請求項1または2記載の塗膜の補修方法。
  4. 前記上塗り塗膜はベース塗膜とクリヤー塗膜とから構成され、前記クリヤー塗膜の破断エネルギーが0.07〜1.2Jであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の塗膜の補修方法。
  5. 被塗物の表面に形成された下地塗膜と、この下地塗膜の表面に形成された破断エネルギーが0.07〜1.2Jである上塗り塗膜を含む積層塗膜であって、部分的に少なくとも前記上塗り塗膜を除去したのち、この異常部除去範囲を包含する粗磨き研磨範囲を平均粒子径が0.3〜15.0μmの研磨材を用いて研磨し、この粗磨き研磨範囲に包含される補修塗装範囲に補修用塗料を塗装して補修塗膜を形成し、この補修塗膜を包含する前記粗磨き研磨範囲を平均粒子径が0.3〜15.0μmの研磨材を用いて研磨することで形成された補修塗膜を部分的に有することを特徴とする積層塗膜。
  6. 1000番〜2000番の研磨紙を用いて部分的に前記上塗り塗膜を除去することを特徴とする請求項5記載の積層塗膜。
  7. 前記補修塗膜が形成された補修塗装範囲を包含する粗磨き研磨範囲を平均粒子径が0.3〜15.0μmの研磨材を用いて研磨したのち、平均粒子径が0.01〜5.0μmの研磨材を用いて研磨することを特徴とする請求項5または6記載の積層塗膜。
  8. 前記上塗り塗膜はベース塗膜とクリヤー塗膜とから構成され、前記クリヤー塗膜の破断エネルギーが0.07〜1.2Jであることを特徴とする請求項5〜7の何れかに記載の積層塗膜。

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