JP2007216190A - 塗膜の補修方法及び積層塗膜 - Google Patents
塗膜の補修方法及び積層塗膜 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007216190A JP2007216190A JP2006042544A JP2006042544A JP2007216190A JP 2007216190 A JP2007216190 A JP 2007216190A JP 2006042544 A JP2006042544 A JP 2006042544A JP 2006042544 A JP2006042544 A JP 2006042544A JP 2007216190 A JP2007216190 A JP 2007216190A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- coating film
- range
- repair
- coating
- polishing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
Abstract
【解決手段】破断エネルギーが0.07〜1.2Jであるクリヤー塗膜5を含む積層塗膜の異常部6を除去する工程と、異常部を除去した後の異常部除去範囲7を包含する粗磨き研磨範囲9を、平均粒子径が0.3〜15.0μmの研磨材を用いて研磨する工程と、異常部除去範囲7を包含する一方で粗磨き研磨範囲9に包含される補修塗装範囲8に、補修用塗料を塗装して補修塗膜を形成する工程と、補修塗膜が形成された補修塗装範囲8を包含する粗磨き研磨範囲9を、平均粒子径が0.3〜15.0μmの研磨材を用いて研磨する工程とを有する。
【選択図】 図5
Description
図1は本発明に係る塗膜の補修方法の実施形態を示す工程図、図2〜図6は本発明に係る塗膜の補修方法の実施形態を示す塗膜断面図である。
電着塗膜2は、カチオン型電着塗料又はアニオン型電着塗料に被塗物1を浸漬し、所定の電圧を被塗物1と電着塗料との間に印加することで、電気泳動作用により未硬化塗膜が被塗物1の表面に形成され、これをたとえば160℃〜180℃で15分〜30分焼き付けることで硬化塗膜が形成される。被塗物1の種類や目的によっても相違するが、電着塗膜2の膜厚はたとえば10〜40μmである。
以上のように構成された積層塗膜に、ゴミ・ブツやタレなどの異常部6が存在しているのを塗装完了後に発見した場合、図1に示す異常部除去工程→粗磨き研磨工程→補修塗装工程→仕上げ磨き工程という手順で補修する。
図2に示すように、まず少なくともクリヤー塗膜5に発生した異常部6を、ナイフの刃先などのような鋭利な道具又は3000番以下、より好ましくは1000番〜2000番の研磨材(市販品の例を挙げれば、3M社製トライザクトディスク32mm径など)を用いて除去する。ここでは、除去後ができる限り小さくなるように最小限の範囲で異常部を除去することが望ましい。一般的に、異常部6がゴミ・ブツなどの異物であるときは鋭利な道具を用いてこの異物を除去し、異常部6がタレなどの塗膜隆起であるときは研磨材を用いてサンデリングすることで隆起部分を除去するが、異常部6の状態に応じてこれらの手法を適宜組み合わせることもできる。
図3に示す異常部除去範囲7は、鋭利な道具や3000番以下の研磨材を用いて研磨した部位であるため、塗膜表面の凹凸は大きくなっている。このため、次の粗磨き研磨工程では、この表面凹凸を平坦にすると同時に、後工程で塗装する補修塗料の密着性を確保するために、平均粒子径が0.3〜15.0μm、より好ましくは0.3〜10.0μmの研磨材を用いて研磨する。
次いで、図5に示すように、粗磨き研磨範囲9のうち、ほぼ中心にあるベース塗膜4の補修が必要な範囲に補修用のベース塗料を塗装し、ウェットオンウェットまたは一旦ベース塗膜を焼き付けたのち、この補修用ベース塗膜よりも大きく、かつ粗磨き研磨範囲9よりも小さい補修塗装範囲8に補修用のクリヤー塗料を塗装し、これを焼き付ける。これにより、図5に示すように補修されたベース塗膜10と補修されたクリヤー塗膜11が形成される。ただし、同図に示されるように補修された塗膜の表面は隆起し、また補修塗装範囲8を超えた粗磨き研磨範囲9の外周部分(同図に残った研磨面12として示す。)には粗磨き研磨工程による研磨痕が残っている。
上述したとおり、図5に示す補修直後の塗膜の表面は平坦でなく、また粗磨き研磨範囲9の外周部分12には粗磨き研磨工程による研磨痕が残っているので、これらを修正するために、まず粗磨き研磨工程で用いた平均粒子径が0.3〜15.0μm、より好ましくは0.3〜10.0μmの研磨材を用いて、補修塗装範囲8を包含する粗磨き研磨範囲9全体を研磨し、補修塗装範囲8の面と粗磨き研磨範囲の面9を同一面にする。
板厚0.8mm,大きさ70mm×150mmのダル鋼鈑を被塗物1として、これにリン酸亜鉛処理を施してリン酸亜鉛皮膜を形成したのち、カチオン型電着塗料(関西ペイント社製エレクトロンNT−200)を用いて膜厚が20μmとなるように電着塗装を行い、160℃で30分焼き付け硬化させることで電着塗膜2を形成した。
粗磨き研磨工程で用いる研磨材の平均粒径を3.0μmにしたこと以外は実施例1と同じ条件でテストピースを作製し、外観および密着性を評価した。この結果を表1に示す。
粗磨き研磨工程で用いる研磨材の平均粒径を7.5μmにしたこと以外は実施例1と同じ条件でテストピースを作製し、外観および密着性を評価した。この結果を表1に示す。
粗磨き研磨工程で用いる研磨材の平均粒径を15.0μmにしたこと以外は実施例1と同じ条件でテストピースを作製し、外観および密着性を評価した。この結果を表1に示す。
粗磨き研磨工程を実施しなかったこと以外は実施例1と同じ条件でテストピースを作製し、外観および密着性を評価した。この結果を表1に示す。
粗磨き研磨工程で用いる研磨材の平均粒径を0.2μmにしたこと以外は実施例1と同じ条件でテストピースを作製し、外観および密着性を評価した。この結果を表1に示す。
粗磨き研磨工程で用いる研磨材の平均粒径を16.0μmにしたこと以外は実施例1と同じ条件でテストピースを作製し、外観および密着性を評価した。この結果を表1に示す。
実施例1〜4と比較例1の結果から、粗磨き研磨工程を設けることで外観及び密着性ともに良好になることが理解される。また、実施例1〜4と比較例2〜4の結果から、粗磨き研磨工程で用いる研磨材の平均粒径を0.3〜15.0μmとすることで、外観及び密着性ともに良好になることが理解される。
2…電着塗膜
3…中塗り塗膜
4…ベース塗膜
5…クリヤー塗膜
6…異常部
7…異常部除去範囲
8…補修塗装範囲
9…粗磨き研磨範囲
10…補修されたベース塗膜
11…補修されたクリヤー塗膜
12…残った研磨面
Claims (8)
- 破断エネルギーが0.07〜1.2Jである上塗り塗膜を含む積層塗膜の所望部位を、部分的に補修する塗膜の補修方法であって、
少なくとも上塗り塗膜に存在する異常部を除去する工程と、
前記異常部を除去した後の異常部除去範囲を包含する粗磨き研磨範囲を、平均粒子径が0.3〜15.0μmの研磨材を用いて研磨する工程と、
前記異常部除去範囲を包含する一方で前記粗磨き研磨範囲に包含される補修塗装範囲に、補修用塗料を塗装して補修塗膜を形成する工程と、
前記補修塗膜が形成された補修塗装範囲を包含する粗磨き研磨範囲を、平均粒子径が0.3〜15.0μmの研磨材を用いて研磨する工程とを有することを特徴とする塗膜の補修方法。 - 1000番〜2000番の研磨紙を用いて異常部を除去することを特徴とする請求項1記載の塗膜の補修方法。
- 前記補修塗膜が形成された補修塗装範囲を包含する粗磨き研磨範囲を平均粒子径が0.3〜15.0μmの研磨材を用いて研磨したのち、平均粒子径が0.01〜5.0μmの研磨材を用いて研磨することを特徴とする請求項1または2記載の塗膜の補修方法。
- 前記上塗り塗膜はベース塗膜とクリヤー塗膜とから構成され、前記クリヤー塗膜の破断エネルギーが0.07〜1.2Jであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の塗膜の補修方法。
- 被塗物の表面に形成された下地塗膜と、この下地塗膜の表面に形成された破断エネルギーが0.07〜1.2Jである上塗り塗膜を含む積層塗膜であって、部分的に少なくとも前記上塗り塗膜を除去したのち、この異常部除去範囲を包含する粗磨き研磨範囲を平均粒子径が0.3〜15.0μmの研磨材を用いて研磨し、この粗磨き研磨範囲に包含される補修塗装範囲に補修用塗料を塗装して補修塗膜を形成し、この補修塗膜を包含する前記粗磨き研磨範囲を平均粒子径が0.3〜15.0μmの研磨材を用いて研磨することで形成された補修塗膜を部分的に有することを特徴とする積層塗膜。
- 1000番〜2000番の研磨紙を用いて部分的に前記上塗り塗膜を除去することを特徴とする請求項5記載の積層塗膜。
- 前記補修塗膜が形成された補修塗装範囲を包含する粗磨き研磨範囲を平均粒子径が0.3〜15.0μmの研磨材を用いて研磨したのち、平均粒子径が0.01〜5.0μmの研磨材を用いて研磨することを特徴とする請求項5または6記載の積層塗膜。
- 前記上塗り塗膜はベース塗膜とクリヤー塗膜とから構成され、前記クリヤー塗膜の破断エネルギーが0.07〜1.2Jであることを特徴とする請求項5〜7の何れかに記載の積層塗膜。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006042544A JP4904843B2 (ja) | 2006-02-20 | 2006-02-20 | 塗膜の補修方法及び積層塗膜 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006042544A JP4904843B2 (ja) | 2006-02-20 | 2006-02-20 | 塗膜の補修方法及び積層塗膜 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007216190A true JP2007216190A (ja) | 2007-08-30 |
JP4904843B2 JP4904843B2 (ja) | 2012-03-28 |
Family
ID=38494000
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006042544A Expired - Fee Related JP4904843B2 (ja) | 2006-02-20 | 2006-02-20 | 塗膜の補修方法及び積層塗膜 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4904843B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20220241816A1 (en) * | 2019-08-23 | 2022-08-04 | Entrotech, Inc. | Method Of Repairing Paint Film And Articles Comprising Repaired Paint Film |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10165890A (ja) * | 1996-12-09 | 1998-06-23 | Nippon Paint Co Ltd | 塗膜形成方法 |
JP2003181368A (ja) * | 2001-12-13 | 2003-07-02 | Kansai Paint Co Ltd | 複層塗膜形成方法 |
-
2006
- 2006-02-20 JP JP2006042544A patent/JP4904843B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10165890A (ja) * | 1996-12-09 | 1998-06-23 | Nippon Paint Co Ltd | 塗膜形成方法 |
JP2003181368A (ja) * | 2001-12-13 | 2003-07-02 | Kansai Paint Co Ltd | 複層塗膜形成方法 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20220241816A1 (en) * | 2019-08-23 | 2022-08-04 | Entrotech, Inc. | Method Of Repairing Paint Film And Articles Comprising Repaired Paint Film |
EP3999252A4 (en) * | 2019-08-23 | 2022-09-21 | Entrotech, Inc. | METHOD OF REPAIRING A PAINT FILM AND ARTICLES WITH REPAIRED PAINT FILM |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4904843B2 (ja) | 2012-03-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN103434494B (zh) | 一种机动车轮毂维修方法 | |
US11738406B2 (en) | Method for laser carving of paint on an outer surface of a vehicle wheel | |
CN110293041A (zh) | 一种汽车中、重度划痕免喷漆修复工艺 | |
JP4904843B2 (ja) | 塗膜の補修方法及び積層塗膜 | |
US20220241816A1 (en) | Method Of Repairing Paint Film And Articles Comprising Repaired Paint Film | |
KR20050036944A (ko) | 자동차의 부분도장 방법. | |
CN108057597B (zh) | 一种铝合金精车轮喷涂缺陷修复工艺 | |
JP2007084726A (ja) | 艶消し塗装の補修方法および艶消し塗料組成物 | |
CN114871075A (zh) | 一种修补汽车车漆的方法 | |
KR100523692B1 (ko) | 자동차의 부분도장 방법 | |
JP3980280B2 (ja) | 塗膜補修方法 | |
KR100622240B1 (ko) | 자동차의 흠집제거를 위한 신속도장방법 | |
CN111068999A (zh) | 汽车碳纤维外覆件底材的油漆喷涂工艺 | |
CN111516409A (zh) | 电梯门套的表面修复工艺 | |
JP5386831B2 (ja) | 塗膜研磨方法 | |
JP3826803B2 (ja) | 塗膜の補修方法 | |
JP2001009364A (ja) | メタリック塗膜の補修方法 | |
JP2005046718A (ja) | 塗膜の補修方法 | |
JP3956644B2 (ja) | カラークリヤーを用いた上塗り塗膜の補修方法 | |
JP2007054766A (ja) | 補修用光輝感塗膜及びこれを用いた光輝感塗膜補修方法 | |
KR100752225B1 (ko) | 자동차의 경미한 흠집 제거방법 | |
JP2002113418A (ja) | 塗膜の部分補修方法 | |
JP2008023464A (ja) | 多層塗膜の補修方法およびそれから得られた被塗物 | |
JP3296245B2 (ja) | 艶消し塗装補修方法 | |
JP2007144345A (ja) | 塗装不良品の表面処理方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20081222 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110519 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110906 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20111107 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20111107 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20111213 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20111226 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150120 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent (=grant) or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |