JP2007216133A - 排ガス浄化フィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた耐熱性を有し、かつ、排ガス中の酸素濃度が低い場合にも、排ガス温度程度でPMを燃焼除去できる排ガス浄化フィルタの提供を目的とする。
【解決手段】本発明の排ガス浄化フィルタは、金属酸化物と、Li、Na、K、Rb、Csのいずれかの1族の金属で構成される硫酸塩および/またはBe、Mg、Ca、Sr、Baのいずれかの2族の金属で構成される硫酸塩と、酸素貯蔵能を有する助触媒とを、耐熱性の三次元構造体に担持したことを特徴としている。この構成により、優れた耐熱性を有し、かつ、排ガス中の酸素濃度が低い場合にも、排ガス温度程度でPMを燃焼除去できる排ガス浄化フィルタの提供が可能である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ディーゼルエンジンなどの排ガスに含まれるPM(ParticulateMatter)を燃焼して、排ガスを浄化する排ガス浄化フィルタに関するものである。
ディーゼルエンジンなどの排ガスに含まれるPMは、その粒子径がほぼ1μm以下で、大気中に浮遊しやすく、呼吸時に人体に取り込まれやすい。また、PMは発癌性物質を含んでおり、ディーゼルエンジンからのPMの排出には、厳しい規制が実施されている。
PMを除去する方法に、耐熱性のセラミックスなどからなる排ガス浄化フィルタでPMを捕集し、ヒーターなどでフィルタを加熱してPMを燃焼させ、ガスに変えて放出する方法がある。また、排ガス浄化フィルタに金属酸化物などを含む排ガス浄化触媒を担持することで、通常のPM燃焼温度より低温で燃焼させることができる。
排ガス浄化触媒としては、CuやVなどの金属の酸化物を含むものが、高い活性を持つことが知られている。例えば、特許文献1には、CuやVを含む金属酸化物の排ガス浄化触媒が開示されている。また、特許文献2には、VやMoなどの酸化物にハロゲン化アルカリなどの金属塩を添加した排ガス浄化触媒が開示されている。また、特許文献3には、Cu、Mn、Moなどの酸化物に、アルカリ金属の酸化物と貴金属とを添加した排ガス浄化触媒およびこれを担持した排ガス浄化フィルタが開示されている。
特開昭58−143840号公報 特開昭58−174236号公報 特公平4−42063号公報
しかし、従来の排ガス浄化触媒を担持した排ガス浄化フィルタには、以下の課題があった。
特許文献1に記載の排ガス浄化触媒を担持した排ガス浄化フィルタは、排ガス温度でPMを十分に燃焼することが困難であった。
特許文献2および3に記載の排ガス浄化触媒を担持した排ガス浄化フィルタは、アルカリ金属塩の耐熱性が低いため、長時間の使用により性能が低下するおそれがあった。
従来の排ガス浄化触媒を担持した排ガス浄化フィルタは、排ガス中の酸素濃度が低い場合、あるいはPMなどの燃焼によって局所的に酸素濃度が低下した場合、触媒活性を十分に発揮できないおそれがあった。
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、優れた耐熱性を有し、かつ、排ガス中の酸素濃度が低い場合にも、排ガス温度程度でPMを燃焼除去できる排ガス浄化フィルタの提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の排ガス浄化フィルタは、金属酸化物と、Li、Na、K、Rb、Csのいずれかの1族の金属で構成される硫酸塩および/またはBe、Mg、Ca、Sr、Baのいずれかの2族の金属で構成される硫酸塩と、酸素貯蔵能を有する助触媒とを、耐熱性の三次元構造体に担持したことを特徴としている。
この構成により、優れた耐熱性を有し、かつ、排ガス中の酸素濃度が低い場合にも、排ガス温度程度でPMを燃焼除去できる排ガス浄化フィルタの提供が可能である。
本発明によれば、優れた耐熱性を有し、かつ、排ガス中の酸素濃度が低い場合にも、排ガス温度程度でPMを燃焼除去できる排ガス浄化フィルタの提供が可能である。
本発明の請求項1に記載の発明は、金属酸化物と、Li、Na、K、Rb、Csのいずれかの1族の金属で構成される硫酸塩および/またはBe、Mg、Ca、Sr、Baのいずれかの2族の金属で構成される硫酸塩と、酸素貯蔵能を有する助触媒とを、耐熱性の三次元構造体に担持したことを特徴とする、排ガス浄化フィルタである。
金属酸化物と硫酸塩とが共存することで、金属酸化物の触媒活性が向上するとともに、触媒が優れた耐熱性を持つ。よって、これらを担持した排ガス浄化フィルタは優れたPM浄化能力と耐熱性を発揮することができる。
また、金属酸化物と硫酸塩とに、酸素貯蔵能を有する助触媒が共存することで、排ガス中の酸素濃度が低い場合に酸素を供給して、PMの燃焼を助けることができる。
排ガス中の酸素濃度が低い場合とは、排ガス中の酸素の体積濃度(以下、酸素濃度と称する)が10%以下の場合を示す。
本発明の請求項2に記載の発明は、金属酸化物が、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Sn、Pbのいずれかの金属を含むことを特徴とする、請求項1に記載の排ガス浄化フィルタである。
これにより、排ガス浄化フィルタが優れたPM浄化能力を発揮することができる。
本発明の請求項3に記載の発明は、金属酸化物が、V、Mn、Cuの酸化物および/または複合酸化物であることを特徴とする、請求項1または2に記載の排ガス浄化フィルタである。
これにより、排ガス浄化フィルタが優れたPM浄化能力を発揮することができる。
本発明の請求項4に記載の発明は、硫酸塩が、硫酸セシウムであることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の排ガス浄化フィルタである。
これにより、排ガス浄化フィルタが優れたPM浄化能力と耐熱性を発揮することができる。
本発明の請求項5に記載の発明は、酸素貯蔵能を有する助触媒が、希土類元素の酸化物を含むことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の排ガス浄化フィルタである。
これにより、排ガス中の酸素濃度が低い場合に酸素を供給して、PMの燃焼を助けることができると考えられる。
本発明の請求項6に記載の発明は、酸素貯蔵能を有する助触媒が、無機酸化物に担持された希土類元素の酸化物であることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の排ガス浄化フィルタである。
希土類元素の酸化物を用いることで、排ガス中の酸素濃度が低い場合に酸素を供給して、PMの燃焼を助けることができると考えられる。
また、無機酸化物に担持された希土類元素の酸化物に、さらに触媒を担持することで、触媒の熱による劣化が抑制されると考えられる。
また、無機酸化物に担持された希土類元素の酸化物に、さらに触媒を担持することで、触媒とPMとの接触面積を増加させることができる。よって、PMを効率的に燃焼することができると考えられる。
本発明の請求項7に記載の発明は、酸素貯蔵能を有する助触媒が、酸化セリウムであることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載の排ガス浄化フィルタである。
これにより、排ガス中の酸素濃度が低い場合に、効果的に酸素を供給することができ、従って、PMの燃焼を助けることができる。
本発明の請求項8に記載の発明は、酸素貯蔵能を有する助触媒が、酸化チタンに担持された酸化セリウムであることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれかに記載の排ガス浄化フィルタである。
酸化セリウムを用いることで、排ガス中の酸素濃度が低い場合に、効果的に酸素を供給することができ、従って、PMの燃焼を助けることができる。
また、酸化チタンに担持された酸化セリウムに、さらに触媒を担持することで、触媒の熱による劣化が抑制されると考えられる。
また、酸化チタンに担持された酸化セリウムに、さらに触媒を担持することで、触媒とPMとの接触面積を増加させることができる。よって、PMを効率的に燃焼することができると考えられる。
また、酸化チタンは触媒成分との反応性が低いので、触媒が劣化しにくい。よって、触媒活性を十分に発揮することができる。
本発明の請求項9に記載の発明は、三次元構造体が、コージェライト、炭化珪素、金属のいずれかからなるハニカムであることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれかに記載の排ガス浄化フィルタである。
これにより、耐熱性に優れ、PMを高い捕集率で捕集できる排ガス浄化フィルタが、容易に得られる。
本発明の請求項10に記載の発明は、金属塩と、硫酸塩と、希土類元素の塩とを、溶解させた水溶液に、三次元構造体を含浸し、次に酸化雰囲気で焼成したことを特徴とする、請求項1乃至9のいずれかに記載の排ガス浄化フィルタである。
これにより、優れたPM浄化能力と耐熱性を持つ排ガス浄化フィルタが、容易に得られる。
本発明の請求項11に記載の発明は、金属塩と、硫酸塩と、希土類元素の塩とを、溶解させた水溶液に、三次元構造体を含浸した後、凍結乾燥することを特徴とする、請求項10に記載の排ガス浄化フィルタである。
これにより、乾燥過程において触媒成分の移動が抑制され、三次元構造体に触媒を均一に担持することができる。よって、優れたPM浄化能力と耐熱性を持つ排ガス浄化フィルタが得られる。
本発明の請求項12に記載の発明は、無機酸化物に担持された希土類元素の酸化物の粉末を分散させた懸濁液に、三次元構造体を含浸し、乾燥後酸化雰囲気で焼成し、次に金属塩と、硫酸塩とを、溶解させた水溶液に、三次元構造体を含浸し、次に酸化雰囲気で焼成したことを特徴とする、請求項1乃至9のいずれかに記載の排ガス浄化フィルタである。
これにより、耐熱性が向上し、かつ触媒とPMとの接触面積が増加した排ガス浄化フィルタが、得られると考えられる。
また、金属酸化物と硫酸塩とがより表面に担持され、PMと接触しやすくなる。よって、PMを効率的に燃焼することができると考えられる。
また、触媒成分を担持する前に希土類元素が酸化物として担持されているので、触媒成分を担持した後の焼成温度が、より低温でよい。よって、触媒の劣化が抑制され、触媒活性を十分に発揮することができる。
本発明の請求項13に記載の発明は、金属塩と、硫酸塩とを、溶解させた水溶液に、三次元構造体を含浸した後、凍結乾燥することを特徴とする、請求項12に記載の排ガス浄化フィルタである。
これにより、乾燥過程において触媒成分の移動が抑制され、三次元構造体に触媒を均一に担持することができる。よって、優れたPM浄化能力と耐熱性を持つ排ガス浄化フィルタが得られる。
本発明の請求項14に記載の発明は、希土類元素の塩が、硝酸セリウムであることを特徴とする、請求項10または11に記載の排ガス浄化フィルタである。
これにより、酸化セリウムを担持した排ガス浄化フィルタが、容易に得られる。
本発明の請求項15に記載の発明は、金属塩が、酸化硫酸バナジウム、酢酸マンガンおよび硫酸銅であることを特徴とする、請求項10乃至14のいずれかに記載の排ガス浄化フィルタである。
これにより、優れたPM浄化能力と耐熱性を持つ排ガス浄化フィルタが、容易に得られる。
以下、本発明の実施例を説明する。
(実施例1)
純水3Lに、酸化硫酸バナジウム44.7gと、酢酸マンガン四水和物0.171gと、硫酸銅五水和物34.3gと、硫酸セシウム64.6gと、硝酸セリウム六水和物137gとを、溶解させ、触媒成分を含む水溶液を調製した。
次に、直径5.66インチ、高さ6インチ、セル密度200セル/平方インチのコージェライト製ウォールスルー型ハニカム(以下、ハニカムと称する)を、調製した水溶液に5分間含浸し、引き上げた後、震盪して余剰の水溶液を除去した。次に、ハニカムを液体窒素に浸して、添着した水溶液を凍結させた後、真空凍結乾燥装置を用いて乾燥させた。次に、電気炉を用いて、ハニカムを、大気雰囲気下にて900℃で5時間焼成して、排ガス浄化触媒を担持した排ガス浄化フィルタを製造した。
これにより、V、Mn、Cuの酸化物および複合酸化物と、硫酸セシウムと、酸化セリウムとを担持した排ガス浄化フィルタが、容易に得られた。
V、Mn、Cuの酸化物および複合酸化物と、硫酸セシウムとが共存することで、酸化物および複合酸化物の触媒活性が向上するとともに、触媒が優れた耐熱性を持つ。よって、これらを担持した排ガス浄化フィルタは優れたPM浄化能力と耐熱性を発揮することができる。
また、V、Mn、Cuの酸化物および複合酸化物と、硫酸セシウムとに、酸化セリウムが共存することで、排ガス中の酸素濃度が低い場合に酸素を供給して、PMの燃焼を助けることができる。
また、凍結乾燥することにより、乾燥過程において触媒成分の移動が抑制され、ハニカムに触媒を均一に担持することができる。よって、優れたPM浄化能力と耐熱性を持つ排ガス浄化フィルタが得られる。
実施例1では、金属酸化物に含まれる金属としてV、Mn、Cuを用いたが、他にもNb、Ta、Cr、Mo、W、Fe、Co、Ni、Zn、Ga、Sn、Pbのいずれかの金属を用いてもよい。
また実施例1では、硫酸塩として硫酸セシウムを用いたが、他にも、Li、Na、K、Rbのいずれかの1族の金属で構成される硫酸塩および/またはBe、Mg、Ca、Sr、Baのいずれかの2族の金属で構成される硫酸塩を用いてもよい。
また実施例1では、酸素貯蔵能を有する助触媒として酸化セリウムを用いたが、他にも希土類元素の酸化物として、例えば、酸化セリウムと酸化ランタンとの固溶体などを用いてもよい。
また実施例1では、三次元構造体としてコージェライト製ウォールスルー型ハニカムを用いたが、他にも炭化珪素、またはステンレスなどの金属からなるハニカムを用いてもよい。
また実施例1では、凍結乾燥する際にハニカムを液体窒素に浸したが、ハニカムに添着した触媒成分を含む水溶液を、速やかに凍結させることができれば、他の冷却方法でもよい。
(実施例2)
純水4Lに、ポリカルボン酸型高分子界面活性剤42gを溶解させ、次に、撹拌しながら、酸化セリウムを担持した酸化チタンの粉末186gを加え、懸濁液を調製した。酸化セリウムを担持した酸化チタンの粉末中において、酸化セリウムは酸化チタンの10mol%含まれている。
次に、実施例1で用いたものと同じ仕様のハニカムを、調製した懸濁液に10分間含浸し、引き上げた後、エアブローを行って余剰の液を除去した。次に、電気炉を用いて、ハニカムを300℃で乾燥させた。懸濁液への含浸から乾燥までの工程を4回繰り返した後、電気炉を用いて、ハニカムを、大気雰囲気下にて600℃で5時間焼成した。
次に、純水3Lに、酸化硫酸バナジウム790gと、酢酸マンガン四水和物3gと、硫酸銅五水和物600gと、硫酸セシウム1140gとを、溶解させ、触媒成分を含む水溶液を調製した。
次に、焼成後のハニカムを、調製した水溶液に5分間含浸し、引き上げた後、震盪して余剰の水溶液を除去した。次に、ハニカムを液体窒素に浸して、添着した水溶液を凍結させた後、真空凍結乾燥装置を用いて乾燥させた。次に、電気炉を用いて、ハニカムを、大気雰囲気下にて700℃で5時間焼成して、排ガス浄化触媒を担持した排ガス浄化フィルタを製造した。
ハニカムに担持された、酸化セリウムを担持した酸化チタンは、ハニカムの重量の6.9%であった。また、ハニカムに担持された触媒は、ハニカムの重量の18%であった。
これにより、酸化セリウムが担持された酸化チタンを、予め担持し、その上にV、Mn、Cuの酸化物および複合酸化物と、硫酸セシウムとを担持した排ガス浄化フィルタが得られた。
V、Mn、Cuの酸化物および複合酸化物と、硫酸セシウムとが共存することで、酸化物および複合酸化物の触媒活性が向上するとともに、触媒が優れた耐熱性を持つ。よって、これらを担持した排ガス浄化フィルタは優れたPM浄化能力と耐熱性を発揮することができる。
また、V、Mn、Cuの酸化物および複合酸化物と、硫酸セシウムとに、酸化セリウムが共存することで、排ガス中の酸素濃度が低い場合に酸素を供給して、PMの燃焼を助けることができる。
また、酸化セリウムが担持された酸化チタンを、予め担持し、その上にV、Mn、Cuの酸化物および複合酸化物と、硫酸セシウムとを担持することで、触媒の熱による劣化を抑制することができる。同時に、触媒とPMとの接触面積が増加し、PMを効率的に燃焼することができる。同時に、酸化物および複合酸化物と、硫酸セシウムとがより表面に担持され、PMと接触しやすくなり、従って、PMを効率的に燃焼することができる。
また、酸化チタンは触媒成分との反応性が低いので、触媒が劣化しにくい。よって、触媒活性を十分に発揮することができる。
また、触媒成分を担持する前にセリウムが酸化セリウムとして担持されているので、触媒成分を担持した後の焼成温度が、より低温でよい。よって、触媒の劣化が抑制され、触媒活性を十分に発揮することができる。
また、凍結乾燥することにより、乾燥過程において触媒成分の移動が抑制され、ハニカムに触媒を均一に担持することができる。よって、優れたPM浄化能力と耐熱性を持つ排ガス浄化フィルタが得られる。
実施例2では、金属酸化物に含まれる金属としてV、Mn、Cuを用いたが、他にもNb、Ta、Cr、Mo、W、Fe、Co、Ni、Zn、Ga、Sn、Pbのいずれかの金属を用いてもよい。
また実施例2では、硫酸塩として硫酸セシウムを用いたが、他にも、Li、Na、K、Rbのいずれかの1族の金属で構成される硫酸塩および/またはBe、Mg、Ca、Sr、Baのいずれかの2族の金属で構成される硫酸塩を用いてもよい。
また実施例2では、酸素貯蔵能を有する助触媒として酸化セリウムを担持した酸化チタンを用いたが、他にも無機酸化物に担持された希土類元素の酸化物として、例えば、酸化セリウムと酸化ランタンとの固溶体を担持した酸化チタン、酸化セリウムと酸化ジルコニウムとの固溶体などを用いてもよい。
また実施例2では、三次元構造体としてコージェライト製ウォールスルー型ハニカムを用いたが、他にも炭化珪素、またはステンレスなどの金属からなるハニカムを用いてもよい。
また実施例2では、凍結乾燥する際にハニカムを液体窒素に浸したが、ハニカムに添着した触媒成分を含む水溶液を、速やかに凍結させることができれば、他の冷却方法でもよい。
(評価例1)
実施例2の排ガス浄化フィルタを用いて、以下のような排ガス試験を行った。
行った排ガス試験を、図1を参照しながら説明する。
排気量3431ccのディーゼルエンジン1を使用し、ディーゼルエンジン1からの排気ラインには切替え弁2を設け、バイパスライン3と本ライン4を設置し、本ライン4側に排ガス浄化フィルタ5を設置した。
バイパスライン3に排気しながら、ディーゼルエンジン1を、1500rpm、トルク21kgで、1時間運転させた。排気が安定した後、切替え弁2によって、排ガス浄化フィルタ5を設置した本ライン4に排ガスを導入した。エンジン回転数は1500rpmで維持し、排ガス温度を、ディーゼルエンジン1への負荷を変えることで、250℃から490℃まで、30℃刻みで昇温した。各排ガス温度を20分間維持しながら運転し、圧力センサー6を用いて、排ガス浄化フィルタ5前後の差圧を測定した。また、酸素センサー7を用いて、排ガス浄化フィルタ5に流入する排ガスの酸素濃度を測定した。
PMが排ガス浄化フィルタ5に捕集されるのにともなって、排ガス浄化フィルタ5前後の差圧は大きくなるが、排ガス温度が上昇するのにともなって触媒活性が高まり、捕集されたPMが燃焼することで、排ガス浄化フィルタ5前後の差圧は小さくなる。取得した差圧のプロファイルから、各温度における単位時間当りの差圧変化率を求め、差圧変化率がゼロとなったときの温度をBPT(Balance Point of Temperature)と定義し、BPTが低いほど排ガス浄化フィルタのPM浄化能力が優れているとした。結果を図2に示す。
見積もられたBPTは328℃であり、実施例2の排ガス浄化フィルタが優れたPM浄化能力を持つことが確認できた。
また、排ガス浄化フィルタ5に流入する排ガスの酸素濃度を図3に示す。
酸素濃度は排ガス温度の上昇にともなって低下し、430℃で10%を下回った。また、PMの燃焼中は、局所的に酸素濃度がさらに低下していたと推測される。しかし差圧変化率は、排ガス温度328℃以上で0以下を維持することができた。よって、実施例2の排ガス浄化フィルタが、排ガス中の酸素濃度が低い場合にも、排ガス温度程度でPMを燃焼除去できることが確認できた。
本発明の排ガス浄化フィルタは、優れた耐熱性を有し、かつ、排ガス中の酸素濃度が低い場合にも、排ガス温度程度でPMを燃焼除去できるため、有用である。排ガス浄化の対象は、自動車だけでなく、建設機械、発電機、フォークリフト、耕運機、船舶など幅広く存在し、適用が可能である。
本発明の評価例1の排ガス試験の概要を示す図 本発明の評価例1の排ガス試験の結果を示す図 本発明の評価例1の排ガス試験における酸素濃度を示す図
符号の説明
1 ディーゼルエンジン
2 切替え弁
3 バイパスライン
4 本ライン
5 排ガス浄化フィルタ
6 圧力センサー
7 酸素センサー

Claims (15)

  1. 金属酸化物と、Li、Na、K、Rb、Csのいずれかの1族の金属で構成される硫酸塩および/またはBe、Mg、Ca、Sr、Baのいずれかの2族の金属で構成される硫酸塩と、酸素貯蔵能を有する助触媒とを、耐熱性の三次元構造体に担持したことを特徴とする、排ガス浄化フィルタ。
  2. 金属酸化物が、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Sn、Pbのいずれかの金属を含むことを特徴とする、請求項1に記載の排ガス浄化フィルタ。
  3. 金属酸化物が、V、Mn、Cuの酸化物および/または複合酸化物であることを特徴とする、請求項1または2に記載の排ガス浄化フィルタ。
  4. 硫酸塩が、硫酸セシウムであることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の排ガス浄化フィルタ。
  5. 酸素貯蔵能を有する助触媒が、希土類元素の酸化物を含むことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の排ガス浄化フィルタ。
  6. 酸素貯蔵能を有する助触媒が、無機酸化物に担持された希土類元素の酸化物であることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の排ガス浄化フィルタ。
  7. 酸素貯蔵能を有する助触媒が、酸化セリウムであることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載の排ガス浄化フィルタ。
  8. 酸素貯蔵能を有する助触媒が、酸化チタンに担持された酸化セリウムであることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれかに記載の排ガス浄化フィルタ。
  9. 三次元構造体が、コージェライト、炭化珪素、金属のいずれかからなるハニカムであることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれかに記載の排ガス浄化フィルタ。
  10. 金属塩と、硫酸塩と、希土類元素の塩とを、溶解させた水溶液に、三次元構造体を含浸し、次に酸化雰囲気で焼成したことを特徴とする、請求項1乃至9のいずれかに記載の排ガス浄化フィルタ。
  11. 金属塩と、硫酸塩と、希土類元素の塩とを、溶解させた水溶液に、三次元構造体を含浸した後、凍結乾燥することを特徴とする、請求項10に記載の排ガス浄化フィルタ。
  12. 無機酸化物に担持された希土類元素の酸化物の粉末を分散させた懸濁液に、三次元構造体を含浸し、乾燥後酸化雰囲気で焼成し、次に金属塩と、硫酸塩とを、溶解させた水溶液に、三次元構造体を含浸し、次に酸化雰囲気で焼成したことを特徴とする、請求項1乃至9のいずれかに記載の排ガス浄化フィルタ。
  13. 金属塩と、硫酸塩とを、溶解させた水溶液に、三次元構造体を含浸した後、凍結乾燥することを特徴とする、請求項12に記載の排ガス浄化フィルタ。
  14. 希土類元素の塩が、硝酸セリウムであることを特徴とする、請求項10または11に記載の排ガス浄化フィルタ。
  15. 金属塩が、酸化硫酸バナジウム、酢酸マンガンおよび硫酸銅であることを特徴とする、請求項10乃至14のいずれかに記載の排ガス浄化フィルタ。
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