JP2007212436A - 導電性高分子からなる布帛を用いたセンサ、アクチュエータ - Google Patents

導電性高分子からなる布帛を用いたセンサ、アクチュエータ Download PDF

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Abstract

【課題】優れたセンシング機能およびアクチュエート機能を備える布帛を用いたセンサおよびアクチュエータを提供する。
【解決手段】繊維が導電性高分子繊維を含む布帛を用いたセンサおよびアクチュエータ。
【選択図】図24

Description

本発明は、導電性を有する編物状または織物状のデバイス、例えば面圧測定、座標測定などの面状の位置情報を得るためのセンサのように、機械的な入力を電気や他のエネルギーに変換してセンシングすることのできる成分を含んだ布帛を用いたセンサ、およびその編物または織物が電気エネルギーを機械エネルギーに変換するアクチュエータに関する。
従来、一般的に用いられている面状の圧力センサとして、ゴムにカーボン粒子を混練し、圧縮による抵抗変化を読み取る方式の他、機械式、空圧式の圧力計を応用する方法などがあるが、これらは概ねある程度の厚み、重さを持ち、また、評価したい面に追加で設置する必要がある。
これらに鑑み、軽量・省スペースでセンシングが可能になる圧電材料を用いたセンサの例として、例えば特許文献1記載の圧電性織物デバイスは、電気的な信号を用いて、上記課題に適用しようとなされたものである。しかしながら、得られる信号は、圧電材を用いているため、入力時の信号は発生するが、経時的に信号が得られないため、静的な情報を得ることができない。また、圧電性のフィルムから形成されているため、センシング要素数がそのフィルム幅で制限され、より詳細な面情報を得ることができない。
特許文献2には、導電性繊維を含む布地について記載されている。しかしながら、特許文献2は、センサおよびアクチュエータについて開示していない。
特開2002−203996 特表2005−503497
本発明では、上記の問題点を鑑みて、これらのセンサ要素について導電性繊維を用いる工夫をすることにより、布地自体に機能化できるため省スペースでありながらも、編物の目の細かさでセンシングができる、また、アクチュエートできるセンサ、アクチュエータ、及びかかるセンサ、アクチュエータを用いた車両用部品を得ることを課題としている。
導電性高分子繊維を含む布帛と、該導電性高分子繊維の導電率を測定する導電率検出手段とを備えるセンサであることを特徴とする。
導電性高分子繊維を含む布帛と、該導電性高分子繊維に電圧を付与する電圧印加手段とを備えるアクチュエータであることを特徴とする。
また本発明は、前記センサ及び/又は前記アクチュエータを車両用部品に用いることを特徴とする。
本発明のセンサによれば、効率的にセンシング機能を発揮することができる。
本発明のアクチュエータによれば、効率的にアクチュエート機能を発揮することができるとともに、センシング機能をあわせ持つことができる。
本発明の車両用部品によれば、従来の材料と置き換えることにより、センシング及び/又はアクチュエート機能を効率的に発揮することができる。
(布帛)
本発明に係わる布帛は、繊維から成り、その繊維が導電性高分子繊維を含むことを特徴とする。ここで、布帛には織物及び編物が含まれる。
一般的な織物は、縦糸と横糸が直角に交わり、隣りの糸と密着して平面的に連なり、空間がない織地である(図1:平織、図2:綾織、図3:朱子織、図4:平織、斜視図)。本発明の意図するところは、この縦糸、横糸に導電性高分子繊維を含ませることで、繊維から成るしなやかさや風合いを損ねることなく、織物に対して上記の機能化を行なうところにある。したがって、センシング、アクチュエートを行なうために、導電性高分子繊維を所望の場所に含ませることにより、必要な情報を得ること、または動かすことが可能になる。
このときに本発明では、必要に応じて、導電性高分子繊維を縦糸のみ、縦横両方に含ませることはもちろん、斜め編みなどの追加や、必要な空間部を設けることにより、必要な密度の情報を得る動きを作り出すことができる。(図5:平織、斜視図、縦のみの例)また、導電性高分子繊維を必ずしも全面に使用する必要もなく、必要に応じて設置密度を設計することも可能である。(図6:平織、斜視図、密度の例)
上記のような織物の他、編物の形を取ることも可能である。編物とは一般に、一本、あるいは数本の糸がループを作り、そのループに次の糸を引っ掛け、新しいループを作ることを連続して作った編地である。一般的に横編機で編まれた編地をニット品(図7:平編み、8:ゴム編み)と呼び、丸編機、経編機で反物状に編まれたものをジャージと呼ぶ。この場合は、用いる1本の糸自体が複数本の糸からなる撚り糸を形成し、その撚り糸中の導電性高分子繊維の密度により、センシングの強度や、アクチュエート量を設計することができる。
さらにまた、本発明において繊維とは、溶融紡糸や湿式紡糸、エレクトロスピニングなどの方法で紡糸された繊維の他、フィルム切り出しなど、スリットしたものをいう。このときの繊維の径や幅は、1本あたり概ね数μmから数百μm程度のものが、織物、編物を形成する上で、織り、編み易さ、織り、編んだ後の織り布、編物としての柔らかさ、生地としての扱い易さなどから好ましい。太さが数mmに及ぶものでは、本発明のような機能を持つチューブ状のものも見受けられるが、これらの原理や製品を、編物、織物などに用いることができない。本発明の織物、編物センサ、アクチュエータでは、従来は難しかった編物、織物などにも、センシングやアクチュエート機能を付与できる。もちろん、数mmの太さでは用いることができないような細い空間でのセンシング、アクチュエートも、本発明では可能である。
これらの繊維を数十本から数千本の束(バンドル状)にすることで、繊維としての扱いも容易になる。このとき、撚りがかかることも構わない。本発明では、このバンドル状の繊維を用いて、前記の織物、編物を形成する。
本発明で用いられる導電性高分子は、導電性を示す高分子であれば特に制限されることはないが、例えば、アセチレン系、複素5員環系(モンマーとして、ピロールの他、3−メチルピロール、3−エチルピロール、3−ドデシルピロールなどの3−アルキルピロール;3,4−ジメチルピロール、3−メチル−4−ドデシルピロールなどの3,4−ジアルキルピロール;N−メチルピロール、N−ドデシルピロールなどのN−アルキルピロール;N−メチル−3−メチルピロール、N−エチル−3−ドデシルピロールなどのN−アルキル−3−アルキルピロール;3−カルボキシピロールなどを重合して得られたピロール系高分子、チオフェン系高分子、イソチアナフテン系高分子など)、フェニレン系、アニリン系の各導電性高分子やこれらの共重合体などが挙げられる(図9:アセチレン系導電性高分子、図10:ピロール系導電性高分子、図11:チオフェン系導電性高分子、図12:フェニレン系導電性高分子、13:アニリン系導電性高分子)。
さらに導電性高分子において、その導電性にドーパントが劇的な効果をもたらす。ここで用いられるドーパントとしては、塩化物イオン、臭化物イオンなどのハロゲン化物イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロ硼酸イオン、六フッ化ヒ酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、チオシアン酸イオン、六フッ化ケイ酸イオン、燐酸イオン、フェニル燐酸イオン、六フッ化燐酸イオンなどの燐酸系イオン、トリフルオロ酢酸イオン、トシレートイオン、エチルベンゼンスルホン酸イオン、ドデシルベンゼンスルホン酸イオンなどのアルキルベンゼンスルホン酸イオン、メチルスルホン酸イオン、エチルスルホン酸イオンなどのアルキルスルホン酸イオン、ポリアクリル酸イオン、ポリビニルスルホン酸イオン、ポリスチレンスルホン酸イオン、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)イオンなどの高分子イオンのうち、少なくとも一種のイオンが使用される。ドーパントの添加量は、導電性に効果を与える量であれば特に制限はされないが、通常、導電性高分子100質量部に対し、3〜50質量部、好ましくは10〜30質量部の範囲である。
このような材料を用いることで、繊維の伸び縮み、圧縮による繊維間の接触点の増加などの原理により、この糸の抵抗値が代わることにより、センシングすることが可能になる(図14)。
また、本材料の電気刺激に対し応答する挙動は、特開平11−159443号公報にある刺激に応答するピロール系高分子を用いた材料の電気変形方法などで知られている。これを本発明のように、繊維化し、織物、編物状にすることにより、その織物、編物の変形を起こしたり、外周を固定した状態では、硬さ、触り心地の変化などを引き起こしたりすることも可能である。
上記のようなセンシングやアクチュエートの機能を得るための導電率の好ましい範囲は、通常、0.1〜600S/cm程度のものを用いるのが、センシング性能、アクチュエート性能の観点から好ましい。これは、織物や編物とした際に、導電性高分子繊維は抵抗体として働くことになり、抵抗値が大きすぎると、アクチュエートやセンシングのための電流が流れにくくなり、また、小さくなりすぎると、消費電力が大きくなってしまうため、発熱が起こり、省エネの観点からも好ましくない。より好ましい範囲としては、1〜450S/cm、特に好ましくは1〜300S/cm程度とすることで、より効率的にセンシングやアクチュエート機能を発現することができる。ここでいう導電率とは、JIS K 7194(導電性プラスチックの4探針法による抵抗率試験方法)に準拠して求めた抵抗率の逆数をいう。
これらの性能を示す導電性高分子のうち、ポリピロール、PEDOT(ポリ3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ4−スチレンサルフォネート(PSS)、ポリアニリン、およびポリパラフェニレンビニレン(PPV)よりなる群から選ばれた少なくとも1種を含んだ繊維とすることがより好ましい。さらにその中でも、繊維として得やすい材料としては、チオフェン系導電性高分子のPEDOTにポリ4−スチレンサルフォネートPSSをドープしたPEDOT/PSS(Bayer社、Baytron P(登録商標))や、フェニレン系のPPV、ピロール系のポリピロールなどが挙げられる。
これらの材料は、導電性高分子の中でも湿式紡糸やエレクトロスピニングなどの方法で、容易に繊維化することが可能であり、また、上記導電率を満たす材料として好ましい。
例えば、チオフェン系、ピロール系、アニリン系では、湿式紡糸による製造が可能で、例えば、PEDOT/PSSの水分散液(Bayer社Baytron P(登録商標))をアセトン中にシリンダーから押し出す(図15)ことで、容易に導電性高分子繊維を得ることができる。
図15は、本発明に係わる湿式紡糸装置の模式図である。図15に示される湿式紡糸装置20おいて、例えば、PEDOT/PSSの水分散液(Bayer社Baytron P(登録))を湿式紡糸用口金21から押し出し、押し出された繊維の前駆体10をアセトンなどの溶媒が入った湿式紡糸溶媒槽22を通過させ、繊維送り器23を経て、繊維巻き取り器24で巻き取って導電性高分子繊維を得る。
一方、フェニレン系では、ポリパラフェニレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリフルオレンなど、ベンゼン環上のπ結合とそれに繋がる直鎖上のπ結合を利用して導電するタイプで、これらの導電性高分子は、エレクトロスピニング法(図16)により、繊維化することが可能である。
図16は、本発明に係わるエレクトロスピニング装置の模式図である。図16に示されるエレクトロスピニング装置30において、シリンダー31のシリンダー針32の針先と、シリンダー31の下方に設置された絶縁材(土台)34上に載置された電極33との間に、電線36を介して電圧印加装置35が設けられている。例えば、ポリパラフェニレンなどのフェニレン系材料とメタノールなどのアルコールを混合して、紡糸用原液を調製する。電圧を印加しながら、調製した原液をシリンダー31のシリンダー針32の針先から電極33に向けて押し出す。この方法により、繊維前駆体10が電極33上に析出する。得られた繊維前駆体を真空乾燥などの公知の方法で乾燥して、繊維を得る。
このような工程を採用することにより、編物を形成する導電性高分子繊維を容易に製造することが可能になる。
次に、これらの織物、編物が、他の高分子によって被覆されていることも好ましい。織物、編物にした後に、被覆することにより、織物、編物の強度、耐久性を向上し、また、安定したセンシング、及びアクチュエート挙動をもたらすことが可能となるからである。被覆量については、上記性能を阻害しない範囲で可能であるが、導電性高分子繊維の断面積に対して、10〜80%程度の断面積を被覆材料が占めるのが好ましく、より好ましくは30〜50%程度である。
上記の性能を得るための別の手段としては、繊維を得る段階、もしくは繊維化後の織り、編みの前段階で、導電性高分子繊維を他の高分子と組み合わせてなる芯鞘型、サイドバイサイド型、海島型の断面形状とすることもまた好ましい。一般的な繊維材料においては、図17に示すような、均一な材料でできているものや、断面で見て芯鞘構造のようなもの(図18)、サイドバイサイド構造のようなもの(図19)、海島(多芯)構造のようなもの(図20)、断面が円形ではない変形断面形状(図21、22)、中空構造(図23)などがある。これらは繊維の機能化の一つの手段として、繊維自体が自然によじれた形状にして風合いを変える、繊維表面積を大きくして軽量化・断熱性を狙うなどに用いられる。
本発明で意図するところは、このような繊維の静的特性を変化させるための工夫のみならず、センシング、及びアクチュエートなどの機能を狙って、繊維構造の工夫と材料の工夫を組合せることによって、上記機能を実現するところにある。したがって、所望の方向からのセンシング機能を得るために、他の材料を表面層に被覆または、積層することで、変形方向を制限することが行なわれる。これは積層されることにより、動きが阻害される面が発生し、それにより、繊維形状としてマクロに見た場合には、ある方向に対し、センシング及び/又はアクチュエートの指向性を持つことになる。(図24)
あらかじめ表面層の一部または全部に対し、他の高分子と組合せこのような形状とすることで、接触部分の制御や、繊維の強度を上げることができる。ここでいう表面層の一部とは、これらの導電性高分子を芯とした繊維体の表面に、他の材料からなる積層体を形成することのうち、前記導電性高分子の表面すべてを覆うことがない状態をいう。その積層時の断面形状は、例えば図25に示すようなものが挙げられる。円形以外でも、異形断面形状としては、扁平断面、中空断面、三角形やY型などの繊維形態や、繊維表面に微細な凹凸や筋を有する繊維形態などを採用することができる。図25に示される断面形状では、ハッチングの種類により材質が異なることを示すが、面積の大小を問わず、2種類の材質で組み合わされていれば、本機能を発現させることができる。
この他、積層構造をサイドバイサイド型とすることも好適である。ここでいうサイドバイサイドとは、上記積層型の中でも断面積のうち、導電性の機能部分と拘束層になる表面層部分が約50%ずつであるものをいう。特にこの分量とすることで、アクチュエーション機能が得られることはもちろん、本機能を持たせた繊維としての繊維自体の強度も向上する。これらの積層には、例えば湿式紡糸の工程に連続で積層樹脂層を塗布する部分を設けた図26のような装置を用いる。この塗布工程で、導電性部分とは異なる材料種の層を塗布することで、本発明に用いる導電性高分子繊維を得ることができる。
図26は、本発明に係わる湿式紡糸装置にコーティング工程を設けた装置の模式図である。図26に示される湿式紡糸装置20おいて、紡糸原液を湿式紡糸用口金21から押し出し、押し出された繊維前駆体10を、アセトンなどの溶媒が入った湿式紡糸溶媒槽22を通過させる。該前駆体10は、該溶媒槽22を通過した後、繊維送り器23を経て、塗布乾燥装置25で樹脂材料などを塗布、乾燥させた後、繊維11を得て、繊維巻き取り器24で巻き取られる。
一方、これらのサイドバイサイド型の他にも、繊維の内径断面の一部が上記2種と異なる材料を貫通させた構造を持つことでも、導電性高分子繊維として用いることが可能である。ここでいう、繊維の内径断面の一部とは、図27〜29に示すように、繊維断面を見た際に、上記駆動部分となる材料、もしくは、駆動しない材料のどちらかが表面すべてを覆っている形状で、且つ、その表面を覆っていない方の成分が、断面の芯部に含まれる状態を示す。この形状とすることで、芯部に導電成分を用いた場合では、繊維自体の表面の耐久性は、その他の材料によることになり、エラストマーのような一般的な樹脂材料などを用いる場合には、概ね向上する。
また、特に導電成分を鞘部に用いる場合では、表面に導電部分が現れることになり、導通して使用する際に、接点の接触を得やすい状態で得ることができる。
これらの構造のなかでも、芯鞘型とすることが好ましい。ここでいう芯鞘型とは、断面積に対する芯鞘面積比が50%ずつに近いときのことを示し、これも繊維の強度・駆動のバランスを考えた際には、機能を一番良く発現することが出きる。ここで芯は1本に限らず、多芯(海島構造)でも同様の効果が得られる。これらの芯鞘型導電性高分子繊維は、例えば湿式紡糸や電界重合で得られた芯部の導電性繊維に、連続工程で鞘成分として導電性高分子ではない樹脂成分を主成分とする被覆材を塗布することにより製造される。工程は図30のようになり、その乾燥工程の時間・温度を調整することで表面に残る樹脂量を調節することが可能であるため、さまざまな乾燥条件により、異なる断面形状のものを得ることができる。また、別の手法としては、湿式紡糸の場合に芯鞘型用の吐出口金を用いることで、一回の液相からの引上げで芯鞘型繊維を作製することも可能である。
図30は、本発明に係わる湿式紡糸装置にコーティング工程を設けた装置の模式図である。図30に示される湿式紡糸装置20おいて、紡糸原液を湿式紡糸用口金21から押し出し、繊維前駆体10を、アセトンなどの溶媒が入った湿式紡糸溶媒槽22を通過させる。該前駆体10は、該溶媒槽22を通過した後、繊維送り器23を経て、ポリエステルエマルジョンなどが含まれるコーティング槽26に送られる。該エマルジョンを浸漬した繊維を繊維送り器23で乾燥装置27に送って乾燥させた後、繊維11を得て、繊維巻き取り器24で巻き取る。
これらの導電性高分子繊維の表面層の一部または全部、内径断面の一部を構成する材料には、樹脂材料を用いること、さらに該樹脂材料は熱可塑性樹脂であることが好ましい。これは、導電成分として、主に高分子材料を用いることもあり、より似た材料と組み合わせることで、導電性高分子の動きをできるだけ阻害することなく、繊維形状であることが可能になる。さらには、これを熱可塑性樹脂とすることで、その後、製品化して用いる際に、容易にその所望の形状にして用いることが可能になる。
これらの被覆、積層、芯鞘、海島成分に用いる樹脂には、ナイロン6,ナイロン66などのポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、共重合成分を含むポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアクリロニトリルなどを単独あるいは混合したものを用いることもできる。また、これらの他にも、エラストマーからなることも好ましい。エラストマーを用いることで、上記の高分子よりも変形、回復をより阻害しない。適当なエラストマーとしては、ポリシロキサン類を用いることが、大きな変形を得る上でより好適である。この他に、室温においてガラス状態で存在するポリメタクリレート、ポリクロロアクリレートまたはポリスチレン誘導体や、室温において液晶状態で存在する好ましいエラストマーは、ポリアクリレート、ポリシロキサンまたはポリホスファゼンを含むもの、およびこれらからなるコポリマーが挙げられる。また、好ましいメソゲン基は、メソゲンユニットの長軸に、例えば、15個までの鎖構成員を有するアルキル、アルコキシおよびオキサアルキル基を含むものが挙げられる。エラストマーは、通常の高分子の合成と同様に、例えば単純なランダム共重合、あるいは多官能性架橋剤分子とのランダムポリマー類似付加反応により合成される。
この他、被覆や積層、芯鞘、海島成分に用いた他の高分子が、多孔質体を形成することも好ましい。多孔質体を用いることで、特開平11−159443号公報にある刺激に応答するピロール系高分子を用いた材料の電気変形方法などに示されるような、導電性高分子の電気刺激変形のメカニズムであるところの、水分子の吸脱着を容易にし、アクチュエート量やセンシングに対する応答速度を向上することができる。ここで形成される多孔質体の空隙率は大きいほど好ましいが、実際に応答速度を上げ、且つ強度、耐久性を上げるための見地から、30〜70%程度が好ましい。
(センサ)
本発明のセンサにおいて、布帛の導電率の検出を行う単位ごとに端子を設置することが好ましい。すなわち、端子は縦糸間、または横糸間に設ける。このように検出用端子を設置することにより、センシングを効率的に行うことができる。この場合、検出用の端子を一つのバンドルに取り付けることが好ましい。
(アクチュエータ)
本発明のアクチュエータにおいて、布帛の伸縮の検出行う単位ごとの端子または検出および駆動を行なう単位ごとの電圧印加などの端子を設置することが好ましい。すなわち、端子は縦糸間、または横糸間に設ける。このように駆動用端子を設置することにより、効率的にアクチュエートを行わせることができる。また、検出及び駆動用端子を設置することにより、センシングに基づいてアクチュエートを効率的に行わせることができる。この場合、例えば検出用の端子を一のバンドルに取り付け、駆動用の端子を一のバンドルに直近するまたは近傍の同方向に配列したバンドルに取り付けることにより行う。
(車両用部品)
本発明の布帛を用いたセンサや本発明の布帛を用いたアクチュエータのように、ここで得られた導電性高分子繊維からなる織物や編物を車両に用いられる繊維材料と置換することで、車両から乗員へ信号を伝達する手段や、繊維の動きにより乗り心地を改善する手段に用いるのは好適である。
シートに用いた例では、座面圧測定により、乗員の姿勢や体重などを検知し、アクチュエータとしてフィードバックをかけることで乗り心地を改善したり、エアバックなどの作動位置を設定したりすることに用いることができる。
また、アクチュエート機能を中心に用いることで、シート、ステアリング、シフトノブ、内装壁面などから、運転手や乗員への情報伝達手段として用いることもできる。
これら車両への適用の他にも、病院や介護施設などで、ベッドのシーツとして用いることで、応力の掛かっている位置の検知や寝返り補助などに用いたり、衣類状にして、応力がかかっているところを検出し、通気量を変化させるための変形を導くことに、用いたりすることも有効である。
以下に、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明する。
(実施例1)
湿式紡糸法を利用し、溶媒相にアセトン(和光化学製:019−00353)を用い、一度濾過した導電性高分子PEDOT/PSSの水分散液(スタルク製Baytron P(登録商標))をマイクロシリンジ(伊藤製作所製、MS−GLL100、針部内径260μm)から2μL/min.の速度で押し出すことによって、直径約10μmの導電性高分子繊維を得た。得られた導電性高分子繊維の導電率をJIS K 7194(導電性プラスチックの4探針法による抵抗率試験方法)に準拠して測定し、得られた抵抗率(Ω・cm)の逆数(S/cm)として算出したところ、約1S/cmとなった。
得られた導電性高分子繊維を長さ50mm毎に揃え、5000本毎のバンドルとした。
このバンドル表面に、水系ポリエステルエマルジョン(日本NSC社製、AA−64)を表面に塗布し、25℃で24時間乾燥させた。得られたバンドルの太さは約1mmとなった。
この被覆したバンドルを40本用意し、縦糸20本、横糸20本の織物を形成した。得られた織物は、中央のおよそ40mm角が織物状を成していた。
(実施例2)
実施例1と同様に被覆したバンドルを形成し、縦糸のみに用いた。横糸には、ポリエチレンテレフタレート製繊維(直径15μm、カネボウ合繊製)、5000本からなるバンドルを用い、織物を得た。
(実施例3)
芯鞘型湿式紡糸器の口金の芯部からはN,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)を溶媒とするアクリロニトリル溶液(樹脂濃度25%)、鞘部からはPEDOT/PSSをそれぞれ0.2mL/min.の速度でDMAC(濃度85%)中に同時に吐出させ、芯鞘型繊維(直径15μm、鞘部量約30%、鞘部空隙率約30%)を得た。
得られた繊維をバンドル化、織物化した。
(実施例4)
実施例3と同様に、サイドバイサイド型湿式紡糸器の口金の一方からはN,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)を溶媒とするアクリロニトリル溶液(樹脂濃度25%)、もう一方からはPEDOT/PSSをそれぞれ0.2mL/min.の速度でDMAC(濃度85%)中に同時に吐出させ、サイドバイサイド型繊維(直径15μm)を得た。
得られた繊維をバンドル化し、縦糸に用いて織物化した。
(実施例5)
実施例1と同様の条件で導電性高分子繊維を得た。長繊維状態のままバンドル化し、そこから連続工程で水系アクリルエマルジョン(日本NSC社、AA−64)を最終繊維径が15μmになる様に塗布し、25℃で24時間乾燥させた。
バンドル状繊維を縦糸に用いて織物化した。
(実施例6)
実施例1と同様の条件で導電性高分子繊維を得た。このバンドル表面に、発泡材として熱分解型の炭酸水素ナトリウムを約10質量%混入した水系ポリエステルエマルジョン(日本NSC社製、AA−64)を表面に塗布し、50℃環境下で緩やかに発泡させつつ24時間乾燥させた。得られたバンドルの表面は多孔質状(空隙率約50%)になり、太さは約1mmのバンドルとなった。
(実施例7)
実施例1と同様の条件で導電性高分子繊維を得た。この繊維をバンドル化したが被覆せず、縦糸のみに用いて織物化した。
(実施例8)
実施例1と同様の湿式紡糸法で、針部内径300μm、押し出し速度を5μL/min.として、直径約10μmの導電性高分子繊維を得た。得られた導電性高分子繊維の導電率は約0.1S/cmであった。
この繊維をバンドル状にして、実施例1と同様に織物化して評価に用いた。
(実施例9)
導電成分として、銀コロイド水分散液(三井金属鉱業製パストラン)をPEDOT/PSS水分散液に5質量%添加した以外は、実施例1と同様に導電性高分子繊維を得た。得られた導電性高分子繊維の導電率は約10S/cmであった。
この繊維をバンドル状にして、織物化し評価に用いた。
(実施例10)
導電成分として、銀コロイド水分散液(三井金属鉱業製パストラン)をPEDOT/PSS水分散液に10質量%添加した以外は、実施例1と同様に導電性高分子繊維を得た。得られた導電性高分子繊維の導電率は約100S/cmであった。
この繊維をバンドル状にして、織物化し評価に用いた。
(実施例11)
導電性高分子としてポリピロール5%水溶液(アルドリッチ製)を用いた以外は、実施例1と同様の湿式紡糸法、被覆法で、繊維、バンドルを得た。得られた導電性高分子繊維の導電率は約10S/cmであった。
この繊維をバンドル状にして、縦糸に用いて織物化し評価に用いた。
(実施例12)
ピロール0.4gおよび過塩素酸テトラエチルアンモニウム1.15gを、l vol%の水を含む炭酸プロピレンに溶かして100mLとし、正極に白金板(長さ100mm、幅100mm、厚さ0.1mm)、負極にアルミ箔(長さ200mm、幅50mm、厚さ0.01mm)を用いた電解重合セルに、上記溶液を入れた。
電解重合セルを低温恒温槽中に30分放置後、ポテンショスタットから一定電流1.25mA(電流密度0.125mA/cm)を12時間印加し、電解重合を行った。重合温度は−20℃であった。
得られたポリピロールフィルムを白金板上から剥がし、炭酸プロピレン中で約1時間洗浄、さらに、フィルムを1日真空乾燥し、これを長さ50mm、幅1mmに切断して導電性高分子繊維として用いた。このフィルムの導電率は約100S/cmであった。
切り出した繊維を、縦糸に用いて織物を形成し、評価に用いた。
(実施例13)
導電性高分子としてポリアニリン5%水溶液(アルドリッチ製)を用いた以外は、実施例1と同様の湿式紡糸法、被覆法で、繊維、バンドルを得た。得られた導電性高分子繊維の導電率は約10S/cmであった。
この繊維をバンドル状にして、縦糸に用いて織物化し評価に用いた。
(実施例14)
エレクトロスピニング法で繊維を作製する。パラキシレンテトラヒドロチオフェニウムクロライドの2.5%水溶液にメタノールを50vol.%となる様に添加して原液を得た。これを内径340μmの針先から電圧5kVを印加して、針先より20cm下のアルミホイル基板上に、前駆体繊維を析出させた。得られた前駆体繊維を、250℃で24時間真空乾燥を行い、得られたナノファイバー(直径約10nm)を撚り糸とし、直径約10μmの繊維を得た。得られた導電性高分子繊維の導電率は約10S/cmであった。
この繊維をさらに束ねてバンドル化した後、水系ポリエステルエマルジョン(日本NSC社製、AA−64)を表面に塗布し、25℃で24時間乾燥させた。このように繊維をバンドル状にして、織物化し評価に用いた。
(実施例15)
実施例3と同様にして得た導電性高分子繊維を長い状態のままバンドル化して、連続工程で被覆を行なった。得られた繊維をジャージ状に編み物化した。
この編み物の両端部を切り取った40mm角の布状物を評価に用いた。なお、電極はこの端部のバンドル毎に設置した。
(実施例16)
実施例1の織物を車両のステアリングに巻きつけ(図31)、10Hz、5Vで通電を行ったところ、運転者は通電時に振動感触を感じとることができた。また、握る場所を変えるごとに、電流値変化を観測することができた。これらのことから、導電性高分子繊維からなる織物は、センシング機能とアクチュエート機能を併せ持つことが認められた。
(実施例17)
実施例1の織物を車両のシート座面に用い(図32)、電流値測定を行なったところ、運転中の臀部の動きに合わせて、電流値変化を測定することができた。また、入力の大きかった部分のセンシングに用いていなかったバンドルに5Vの電圧を印加することで、臀部に対して入力を行なうことができた。
(実施例18)
実施例12と同様にポリピロールフィルムを得て、真空乾燥を行った。その後、常圧下で、塩酸蒸気に30秒さらしたポリピロールフィルムを、これを長さ50mm、幅1mmに切断して導電性高分子繊維として用いた。このフィルムの導電率は約450S/cmであった。
切り出した繊維を、縦糸に用い織物を形成し、評価に用いた。
(実施例19)
実施例12と同様にポリピロールフィルムを得て、真空乾燥を行った。その後、常圧下で、塩酸蒸気に60秒さらしたポリピロールフィルムを、これを長さ50mm、幅1mmに切断して導電性高分子繊維として用いた。このフィルムの導電率は約600S/cmであった。
切り出した繊維を、縦糸に用い織物を形成し、評価に用いた。
(比較例1)
PET長繊維(繊維径15μm、カネボウ合繊製)、5000本を用いてバンドルと形成し、縦糸、横糸として織物を形成し、比較例として用いた。
(比較例2)
圧電性を持つPVDFフィルム(クレハ製KFピエゾフィルム、厚さ100μm)を長さ50mm、幅1mmに切り出し、縦糸に用いて織物を形成し、比較例として用いた。電極がフィルム両面に設定されているので、電極は端部の片面ずつ設置した。
(評価試験)
実施例及1〜17及び比較例1〜2で得られた織物、編物を40mm角で用意した。用いた導電性高分子繊維のバンドルの両端に直径0.025mmの銅線(ニラコ製CU−111086)を導電ペースト(藤倉化成製D−500)でつなぎ、サンプルの外周部を固定し、以下の試験を行った。(図33:評価サンプル準備)
(評価試験1)
センシング性能試験1:圧子スライド試験
直径5mmの先端部が円形の圧子を用いてサンプルに対して、0.3Nの力で押し付ける(図34)。10秒間で30mmスライド(図35:圧子の動き スライド試験)させ、各バンドルの電流値の計時変化を測定する。
(評価試験2)
センシング性能試験2:圧子ピストンスライド試験
評価試験1と同様の治具、条件に加え、圧子を0.5Hzの正弦波で上下動させながらスライドさせる(図36)。
評価試験1と評価試験2の結果については、評価試験1の結果と評価試験2の結果の差の有無で表す。
(評価試験3)
アクチュエート性能試験
サンプル中央部に圧子を0.3Nで押し付ける。5Vの電圧印加に対して、発生する応力はロードセル(共和電業製LTS−500GA)を用いて測定する(図37)。測定結果を発生応力で表した。
評価する材料の条件を表1に、得られた評価結果を表2に示す。
Figure 2007212436
Figure 2007212436
また、評価試験の結果の一例を図38〜49に示す。中央部の30mm角エリアのうち、横糸5本、縦糸5本の電流センシング波形を図示する。評価試験1について、実施例1の結果を図38(横糸)、39(縦糸)に、比較例1を図40(横糸)、41(縦糸)、比較例2の結果を図42(横糸)、43(縦糸)に示す。評価試験2について、実施例1の結果を図44(横糸)、45(縦糸)に、比較例1を図46(横糸)、47(縦糸)、比較例2の結果を図48(横糸)、49(縦糸)に示す。
表1中の評価試験1と2の差とは、図38〜49で示すように試験結果のピークが、明確に現れているか否かを示している。差の大小とは、大が明確に出ているもの(図50の実施例1)、小はピークがあるものの、導電率が引くいため、ピークの高さが小さくなった為に判別し難くなったものや、導電率が高すぎるために繊維の接触による抵抗変化が見られ難くなりピークの高さが小さくなったもの(図50の実施例19や実施例8)をいう。
その結果、比較例2では、センシングできてはいるものの、評価試験1のような静的な経時変化と、評価試験3のような動的な変化とで似た信号波形が得られてしまい、区別が付き難い。それに対し、実施例1では、双方の試験で別々の信号が得られ、状況を把握することができている。
これらの実施の結果、比較例との比較で、新たなセンシング機能とアクチュエート機能を合せ持つ繊維を用いた布帛を得ることができた。
織物の形状例を示す模式図である。 織物の形状例を示す模式図である。 織物の形状例を示す模式図である。 織物の形状例を示す斜視図である。 織物の形状例を示す斜視図である。 織物の形状例を示す斜視図である。 編物の形状例を示す模式図である。 編物の形状例を示す模式図である。 アセチレン系導電性高分子の化学式の一例である。 ピロール系導電性高分子の化学式の一例である。 チオフェン系導電性高分子の化学式の一例である。 フェニレン系導電性高分子の化学式の一例である。 アニリン系導電性高分子の化学式の一例である。 繊維、繊維の束、繊維間の接触点の増加の例について説明する図面である。 湿式紡糸装置の模式図である。 エレクトロスピニング装置の模式図である。 単一成分からなる繊維の形状例を示す模式図である。 芯鞘型繊維の形状例を示す模式図である。 サイドバイサイド型繊維の形状例を示す模式図である。 海島型繊維の形状例を示す模式図である。 異型(三角)断面繊維の形状例を示す模式図である。 異型(星形)断面繊維の形状例を示す模式図である。 中空繊維の形状例を示す模式図である。 センシング性能に異方性を持たせた繊維の断面模式図である。 表面層の1部が異なる材料で形成された導電性高分子繊維の断面形状を示す断面模式図である。 湿式紡糸装置に塗布工程を設けた装置の模式図である。 内径断面の1部が異なる材料で形成された導電性高分子繊維の断面形状を示す断面模式図である。 内径断面の1部が異なる材料で形成された導電性高分子繊維の断面形状を示す断面模式図である。 内径断面の1部が異なる材料で形成された導電性高分子繊維の断面形状を示す断面模式図である。 湿式紡糸装置にコーティング工程を設けた装置の模式図である。 ステアリングに本発明の織物を設置した概略図である。 シートに本発明の織物を設置した概略図である。 本発明に係わる評価方法の概略図である。 本発明に係わる評価方法の概略図である。 本発明に係わる評価方法の概略図である。 本発明に係わる評価方法の概略図である。 本発明に係わる評価方法の概略図である。 実施例1の評価結果の概略図である。 実施例1の評価結果の概略図である。 比較例1の評価結果の概略図である。 比較例1の評価結果の概略図である。 比較例2の評価結果の概略図である。 比較例2の評価結果の概略図である。 実施例1の評価結果の概略図である。 実施例1の評価結果の概略図である。 比較例1の評価結果の概略図である。 比較例1の評価結果の概略図である。 比較例2の評価結果の概略図である。 比較例2の評価結果の概略図である。 実施例1,8および19のピークの比較を示す図面である。
符号の説明
1 従来品の繊維
2a 芯鞘繊維の鞘成分
2b 芯鞘繊維の芯成分
3a サイドバイサイド型繊維の1成分
3b サイドバイサイド型繊維の3aと異なる材料からなる成分
4a 海島型繊維の海成分
4b 海島型繊維の島成分
5a 中空繊維の繊維成分
5b 中空繊維の中空部
20 湿式紡糸装置
21 湿式紡糸用口金
22 湿式紡糸溶媒槽
23 繊維送り器
24 繊維巻き取り器
25 塗布乾燥装置
26 コーティング槽
27 乾燥装置
30 エレクトロスピニング装置
31 シリンダー
32 シリンダー針
33 電極
34 絶縁材(土台)
35 電圧印加装置
36 電線。

Claims (12)

  1. 導電性高分子繊維を含む布帛と、
    該導電性高分子繊維の導電率を測定する導電率検出手段とを備えることを特徴とするセンサ。
  2. 前記導電性高分子繊維の導電率が0.1〜600S/cmの範囲にあることを特徴とする請求項1記載のセンサ。
  3. 前記導電性高分子繊維の導電率が1〜450S/cmの範囲にあることを特徴とする請求項1記載のセンサ。
  4. 前記導電性高分子繊維は、ポリピロール、ポリアニリン、ポリ3,4−エチレンジオキシチオフェンにポリ4−スチレンサルフォネートをドープしたPEDTOT/PSSおよびパラフェニレンビニレンよりなる群から選ばれた少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のセンサ。
  5. 前記布帛は、他の高分子により被覆されてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のセンサ。
  6. 前記導電性高分子繊維は、他の高分子と組み合わせてなる芯鞘型、サイドバイサイド型または海島型の断面形状であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のセンサ。
  7. 前記導電性高分子繊維に用いる他の高分子は、エラストマーであることを特徴とする請求項6記載のセンサ。
  8. 前記導電性高分子繊維に用いる他の高分子は、多孔質体であることを特徴とする請求項6または請求項7に記載のセンサ。
  9. 導電性高分子繊維を含む布帛と、
    該導電性高分子繊維に電圧を付与する電圧印加手段とを備えることを特徴とするアクチュエータ。
  10. 前記導電性高分子繊維は、ポリピロール、ポリアニリン、ポリ3,4−エチレンジオキシチオフェンにポリ4−スチレンサルフォネートをドープしたPEDTOT/PSSおよびパラフェニレンビニレンよりなる群から選ばれた少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項9に記載のアクチュエータ。
  11. 前記導電性高分子繊維は、他の高分子と組み合わせてなる芯鞘型、サイドバイサイド型または海島型の断面形状であることを特徴とする請求項9または請求項10に記載のアクチュエータ。
  12. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のセンサ及び/又は請求項9〜11のいずれか1項に記載のアクチュエータを用いた車両用部品。
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