JP2013178185A - 布状圧力センサーヒーター - Google Patents

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Abstract

【課題】
面状の圧力センサーと布状ヒーターとを組み合わせた布状圧力センサーヒーターに過度の圧力が印加され、センサーの電極材同士が短絡した場合、短絡部に過電流が流れ発熱してしまうと、布状圧力センサーヒーターを意図した温度分布にすることが困難となる。
【解決手段】
本発明の布状圧力センサーヒーターは、上層2に設けられた上層導通部4と、下層3に設けられた下層導通部6とを電気的に接続する抵抗可変発熱層8の連結糸8aを有し、上層導通部4と下層導通部6との間に絶縁性を有する短絡防止層11を有することを最も主要な特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、複数の部位の圧力を測定し、加温することが可能な布状圧力センサーヒーターに関する。
従来、空間をおいて対向して設けられた一対の面状を呈する電極材のそれぞれに対向する面に感圧材が設けられた圧力センサーに、ヒーターを組み合わせた製品が一般的に用いられている。(例えば、特許文献1参照)
センサー作動領域18で圧力を検出することが可能であると同時に、発熱体28が設けられた部位を選択的に加温することが可能なヒーター機能も有する。
特表2003−533311号公報(第1図)
かかる従来の面状の圧力センサーと選択した部位を加温可能なヒーターとを組み合わせた製品において、面状の圧力センサーに過大な圧力が印加され、電極材同士が電気的に接触し短絡した場合、短絡部位に過電流が流れ発熱してしまい、選択した部位以外が加温され、圧力センサーヒーターを意図した温度分布にすることが困難となる。
そこで、本発明では、圧力センサーの短絡を抑制し、選択した部位のみを加温することが可能な布状圧力センサーヒーターを提供することを目的とする。
本発明の布状圧力センサーヒーターにあっては、第一繊維層に設けられた第一導通部と、第二繊維層に設けられた第二導通部とを電気的に接続する第三繊維層の連結糸を有し、第一導通部と第二導通部との間に絶縁性を有する短絡防止層を有することを主要な特徴とする。
本発明の布状圧力センサーヒーターによれば、第一繊維層に設けられた第一導通部と、第二繊維層に設けられた第二導通部との間に設けられた絶縁性を有する短絡防止層を設けることで、布状圧力センサーヒーターに圧力が印加されても、第一導通部と第二導通部との距離を保持し、第一導通部と第二導通部との短絡を抑制することが可能となる。このため、短絡により布状圧力センサーヒーターの意図しない部位が発熱することが抑制され、布状圧力センサーヒーターを意図した温度分布にすることが可能になる。
以下、本発明の布状圧力センサーヒーターを自動車用シートの圧力センサー及びヒーターとして用いた場合を例に、実施形態を図面とともに詳述する。
図1〜3は本発明にかかる布状圧力センサーヒーターの第1実施形態を示し、図1は座面に布状圧力センサーヒーター1を設けたシートの全体図、図2は布状圧力センサーヒー
ター1の構造を示した部分概略図、図3は図2のA−A断面図を示し、(a)は圧力印加
前のA−A断面図、(b)は圧力印加中のA―A断面図、(c)は短絡防止層を有さない布状圧力センサーヒーターに過大な圧力が印加された場合の断面図、(d)は過大な圧力が印加された場合のA−A断面図を示す。
本実施形態の布状圧力センサーヒーター1は、図1に示すとおり、シートの座面に設けられる。図2に示すとおり、布状圧力センサーヒーターは、上層導通部4(請求項に記載の第一導通部に相当)と上層非導通部5(請求項に記載の第一非導通部に相当)とが交互に並行して設けられた上層2(請求項に記載の第一繊維層に相当)と、下層導通部6(請求項に記載の第二導通部に相当)からなる下層3(請求項に記載の第二繊維層に相当)と、上層2と下層3との間に空間をおいて対向する位置に設けられた短絡防止層11と、短絡防止層11の上層2に対向する面と上層2との間と、短絡防止層11の下層3に対向する面と下層3との間に設けられた抵抗可変発熱層8(請求項に記載の第三繊維層に相当)とを有する。
上層導通部4は銀コーティング繊維(紹興運佳紡織品社製)で形成された、幅10mm、長さ200mmの複数の上層導通部4a、b、c・・・・からなり、隣り合う上層導通部4の間
には非導電性樹脂であるポリエステル繊維(中央繊維資材製、グンゼポリーナ)からなる繊維で形成された幅2mm、長さ200mmの上層非導通部5が設けられる。下層3は銀コーティング繊維(紹興運佳紡織品社製)が全面に編みこまれた下層導通部6aからなる。
短絡防止層11は上層非導通部と同様にポリエステル繊維(中央繊維資材製、グンゼポリーナ)からなる。
図3(a)に示すとおり、抵抗可変発熱層8は、上層導通部4と下層導通部6とを電気
的に接続して短絡防止層11を貫通して往復させる連結糸8aで形成される。連結糸8aは、湿式紡糸法により得られた直径約10μmの導電性高分子繊維であり、溶媒相にアセト
ン(和光化学製:019-00353)を用い、一度濾過した導電性高分子PEDOT/PSSの水分散液(スタルク製CleviosR P)とポリビニルアルコール(PVA、関東化学製)の7wt%水溶液とを混合した紡糸原液を2μL/min.の速度でマイクロシリンジ(伊藤製作所製、MS−GLL100、針部内径260μm)から押し出して生成させる。この導電性高分子繊
維の導電率をJIS K 7194(導電性プラスチックの4探針法による電気抵抗率試験方法)に準拠して測定した結果、電気抵抗率(Ω・cm)は、約10-1Ω・cmとなった。
福原精機(株)製の丸編機を用い、ゲージ、口数等を、上層2と下層3との間の抵抗可変発熱層8の厚さが10mmとなり、抵抗可変発熱層8の上層2と水平な面の単位面積にあたりの導電性高分子繊維の断面の総面積が50%になるように調整を行った。
上層2の上層導通部4aには上層電線9aが、上層導通部4bには上層電線9bが、上
層導通部4cには上層電線9cがそれぞれ電気的に接続される。下層3の下層導通部6に
は下層電線10aが電気的に接続され、上層電線9及び下層電線10は、不図示の電気抵抗値測定装置(請求項記載の測定手段に相当)及び不図示のコントローラー(請求項記載の発熱制御手段に相当)と接続される。
上層導通部4aと下層導通部6aとの間の連結糸8aの長さLは、布状圧力センサー1
に加えられる圧力Fの関数として、下記(1)式ように表される。係数αは、おおよそ布の圧縮方向のバネ定数の逆数にあたる値になる。
L=αF・・・・・(1)
L:連結糸8aの長さ[mm]、F:布状圧力センサー1に印加される圧力[Pa]、α:係数[mm/Pa]
ここで、上層導通部4aと下層導通部6aとの間の電気抵抗値Rと電気抵抗率ρと連結糸8aの長さLと連結糸8aの断面積Sとの関係は下記(2)式のように表される。
R=ρL/S・・・(2)
R:抵抗値[kΩ]、ρ:抵抗率[Ω・mm]、L:長さ[mm]、S:断面積[mm2]
上層導通部4に加えられた圧力を測定する場合を説明する。上層導通部4に圧力が加わっていない場合、上層導通部4と下層導通部6との間の連結糸8aは所定の距離Lを自立
的に保つ。図3(b)に示すとおり、上層導通部4に圧力Fが印加されると、上層導通部
4は下層導通部6に向かって湾曲し、接触点Bにて連結糸8aと上層導通部4及び下層導
通部6とが接触するように上層導通部4と連結された連結糸8aは湾曲し、上層導通部4と下層導通部6との通電経路(図3(b)に破線で図示)の長さはL‘となり、圧力印加
前のLと比べて短くなる。さらに上層導通部4aに圧力が印加されると、上層導通部4はさらに湾曲し、上層導通部4と下層導通部6との通電経路の長さはL’’となり、L’と比べてさらに短くなる。このため、連結糸8aの長さLと比例関係にある、上層導通部4と下層導通部6との間の電気抵抗値Rは上層導通部4に圧力が加えられるほど低くなる。
このため、印加する圧力Fと上層導通部4と下層導通部6との間の電気抵抗値は、図4に示すような、連続的変化を示し、電気抵抗値の変化から圧力Fを算出することが可能となり、抵抗可変発熱層8は圧力センサーとして機能する。
また、上層導通部4aに接続された連結糸8aを発熱させる場合を説明する。コントローラーにより上層電線9aと下層電線10aとの間に所定の電圧を印加すると、連結糸8aは電気抵抗率が高いため発熱し、ヒーターとして機能する。
布状圧力センサーヒーター1の上層導通部4に過大な圧力が印加された場合を説明する。図3(c)に示すとおり、布状圧力センサーヒーター1が短絡防止層11を有さない場合、印加された圧力によって上層導通部4が下層導通部6の方向に向かって変形し、上層導通部4と下層導通部6とが接触し短絡することで、短絡部位では過電流が流れて異常に加熱されてしまう。しかし、図3(d)に示すとおり、本発明のように短絡防止層11を上層導通部4と下層導通部6との間に有する構造では、上層導通部4に過大な圧力が印加されても、短絡防止層の厚さDの分だけ上層導通部4と下層導通部6との間に距離が保たれ、上層導通部4と下層導通部6とが電気的に接し短絡することを抑制することが可能となる。さらに、上層導通部4と下層導通部6との導通経路は少なくとも長さDが確保される
ため、過大な圧力を印加された状態でも短絡することなくヒーター機能を維持することが可能である。また、過大な圧力が下層導通部6に印加された場合も同様の効果が得られる。
このように、布状圧力センサー1は、上層導通部4と下層導通部6との間に短絡防止層11を設けることで、圧力センサー機能およびヒーター機能を有しながらも、過大な圧力を印加された場合でも短絡を抑制することが可能となる。このため、短絡により布状圧力センサーヒーター1の意図しない部位が発熱することが抑制され、布状圧力センサーヒーター1を意図した温度分布に加温することが可能になる。
図5は第2実施形態を示し、前記第1実施形態と同一構成部分に同一符号を付して、重複する説明を省略して述べるものとする。図5に示すとおり、上層導通部4と上層非導通部5とが交互に並行して設けられる上層2と、下層導通部6と下層非導通部7とが交互に並行して設けられる下層3と、上層導通部4と下層導通部6とを電気的に接続して往復させる連結糸8aで形成された抵抗可変発熱層8とからなる三層構造を呈する。
上層2と上層導通部4と上層非導通部5とは第一実施形態と同様である。下層3はポリエステル繊維で形成され、下層導通部6は下層3に導電ペースト(藤倉化学製、ドータイト)を塗布し形成された幅200mm、長さ10mmの複数の下層導通部6a、b、c・・・からなり、下層非導通部7は導電ペーストが塗布されていない幅200mm長さ2mmの部分を指す。下層導通部6は全ての上層導通部4と連結糸8aで電気的に接続され、シート上方からみると上層導通部4の長手方向に沿った辺と下層導通部6の長手方向に沿った辺とは直行するように配置される。
下層導通部6aには下層電線10aが、下層導通部6bには下層電線10bが、下層導通部6cには下層電線10cがそれぞれ電気的に接続される。上層電線9と、下層電線10とはそれぞれ不図示の電気抵抗値測定装置(請求項記載の測定手段に相当)と接続される。
上層導通部4aと下層導通部6aとを連結する連結糸8aからなる抵抗可変発熱層8に
伝わる圧力を測定する場合を説明する。上層導通部4aまたは下層導通部6aに圧力が加わっていない場合、上層導通部4aと下層導通部6aとの間の連結糸8aは所定の距離L
を自立的に保つ。上層導通部4aに圧力が加えられると、前記第一実施形態同様に、図3(b)に示すとおり、上層導通部4aは下層導通部6aに向かって湾曲し、上層導通部4aと連結された連結糸8aも湾曲し、接触点Bにて連結糸8aと上層導通部4aまたは下
層導通部6aとが接触するように連結糸8aは湾曲し、上層導通部4aと下層導通部6aとの通電経路(図3(b)に破線で図示と同様に)の長さはL‘となり、圧力印加前のLと比べ短くなる。このため、上層導通部4aと下層導通部6aとの間の電気抵抗値は低くなる。同様に、上層導通部4a、4b、4c・・・・・と下層導通部6a、6b、6c・・・・とのいかなる上層導通部4と下層導通部6との組み合わせでも同様の効果が得られる。
このため、印加する圧力Fと上層導通部4と下層導通部6との間の電気抵抗値は、図4に示すような、連続的変化を示し、電気抵抗値の変化から圧力の変化を算出することが可能となり、抵抗可変発熱層8は圧力センサとして機能する。
また、上層導通部4aと下層導通部6aとに電気的に接続された連結糸8aを発熱させる場合を説明する。コントローラーにより上層電線9aと下層電線10aとの間に所定の電圧を
印加すると、連結糸8aは電気抵抗率が高いため発熱し、ヒーターとして機能する。
布状圧力センサーヒーター1の上層導通部4に過大な圧力が印加された場合、第一の実
施形態同様に、短絡防止層11を上層導通部4と下層導通部6との間に有する構造では、上層導通部4もしくは下層導通部6に過大な圧力が印加されても、短絡防止層11の厚さ
Dの分だけ上層導通部4と下層導通部6との間に距離が保たれ、上層導通部4と下層導通部6とが電気的に接し短絡することを抑制することが可能となる。さらに、上層導通部4と下層導通部6との導通経路は少なくとも長さDが確保されるため、過大な圧力を印加さ
れた状態でも短絡することなくヒーター機能を維持することが可能である。また、過大な圧力が下層導通部6に印加された場合も同様の効果が得られる。
このように、布状圧力センサー1は、上層導通部4と下層導通部6との間に短絡防止層11を設けることで、圧力センサー機能およびヒーター機能を有しながらも、過大な圧力を印加された場合でも短絡を抑制することが可能となる。このため、短絡により布状圧力センサーヒーター1の意図しない部位が発熱することが抑制され、布状圧力センサーヒーター1を意図した温度分布に加温することが可能になる。
第3の実施形態として、素材は第一の実施形態と同様で、図6(c)に示すように抵抗可変発熱層8が2mmと8mmのものを2枚貼り合わせた布状圧力センサーヒーターを作成した
。その結果、第1の実施形態と同様の効果が得られた。
第4の実施形態として、第1の実施形態で非導通部の繊維として、ナイロン繊維(中央繊維資材製、グンゼポエロン)を用いた。その結果、第1の実施形態と同様の効果が得られた。
ところで、本発明の布状圧力センサーヒーター1は、前記実施形態に例をとって説明したが、この実施形態に限ることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で他の実施形態を各種採ることができ、例えば、自動車用シートのみならず、クッションのカバーやホットカ
ーペットなど、様々な用途に適用できる。
本発明に使用する導電性の素材として、金、銀、銅やニクロム等の金属線、カーボン、グラファイト等の炭素系材料や金属、金属酸化物等の半導体からなる粒子、アセチレン系、複素5員環系、フェニレン系、アニリン系等の導電性高分子等のいずれを採用してもよい。
導電性の素材として、炭素系材料の例としては、カーボンからなる繊維体(トレカ(東レ製)、ドナカーボ(大阪ガスケミカル社製)等)のように一般に市販されているものの他、炭素繊維、炭素粉末等を混入し紡糸した繊維等を用いることも可能である。
一方、導電材として用いる粒子の例としては、カーボンブラック,ケッチェンブラックなどの炭素系粉末、炭素系繊維、鉄,アルミニウムなどの金属微粒子があり、さらに半導電性微粒子として酸化錫(SnO)や酸化亜鉛(ZnO)などが挙げられる。
これらの材料単体で出来ているもの、表面に蒸着、塗布等で被覆したもの、芯材として使用し表面を別の材料で被服したもの等を用いることが出来る。
これらのうちで、市場での入手の容易性、比重等の点から導電性の素材には炭素繊維あるいは炭素粉末の使用が望ましい。また、導電性の素材は単一の素材からなることも、複数の素材からなることも特に制限はない。
通気性を持たせるために、上層2、下層3自体は繊維で形成されるのが好ましいが、上層導通部4および下層導通部6は、上層2と下層3とに均一に帯状もしくは全面に導電塗料等を塗布して形成することも可能である。導電塗料の例としては、藤倉化成製ドータイト等が挙げられる。
布状圧力センサーヒーターとして、部分的な硬さの違いによる違和感をさける意味においては、上層導通部4および下層導通部6は、上層2や下層3や抵抗可変発熱層8を形成する繊維とほぼ同じ断面積を有する金属線や導電性繊維、例えばニッケル等の金属を撚った撚線等を用いることも可能である。
上層非導通部5と下層非導通部7と短絡防止層は非導通部であり、ナイロン6,ナイロン66等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、共重合成分を含むポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアクリロニトリルなどの汎用樹脂からなる繊維を単独あるいは混合したものを用いることが、コストや実用性の点から好ましい。
また、上層2及び下層3の形状は、通気性のある布状を成していれば特に問題はないが、上述の一般に用いられる繊維からなる織布、不織布、編物等を用いるのが抵抗可変発熱層8を固定する意味合いや、発熱させて暖かさを感じさせる目的や、圧力による変形を均一にする目的、上下層間の絶縁性を保つ目的からも好ましい。
本発明の短絡防止層は、上下層に平行に設置される。これは、上下層間でのセンシングの際、平行でないと、各センシング部位ごとに、抵抗値の変化の仕方が異なってしまうためである。平行に設置されていれば、上層に寄っていたり、下層に寄っていたりしていても、センシング出力の均一性は保たれるので構わない。極端には、上層や下層の内側、抵抗可変発熱層がある側に接触していても構わない。ただし、上下層の両方に設置することは、センシング性能が低下するために好ましくない。センシング性能をなるべく高くするには、上下層の中間に設置するのがより好ましい。
短絡防止層の設置の方法は、先述の立体編物を二層積層する方法(図6(c))や、立体編物の片面のループを大きくはみ出させておき(図6(d))、そのはみ出させたループ上にもう一層、面を形成する方法等がある。前者は、片面には導通層を形成せずに作製した布の短絡防止層になる側どうしを向き合わせ、抵抗可変発熱層同士が接点を持つよう
に形成する。接点を持たせやすくするために、後者の方法と同様にループ状にはみ出させておく方法も可能である。後者の作製方法とともに、ループ状にはみ出した布を形成するには、丸編み機のピッチ、口数等の調整で形成することができる。そのループ部に対し、別の織物、編物を形成する。いずれの方法でも、短絡絶縁層を形成する材料には、非導通性の材料を用いる。
任意の部位を抵抗変化を測定するために用いる抵抗値読み取り手段には、一般に用いられる抵抗計、LCRメーターや、その測定原理を基にした基準抵抗との電圧比を電圧計により計測する方法等を単独、およびまたは組合せたものが用いられる。
任意の部位を発熱させるために用いる発熱部位制御手段には、一般に用いられるスイッチング素子、リレー等を単独、およびまたは組合せたものが用いる。
上層導通部4および下層導通部6は、センシング精度を上げるためには、通常抵抗可変発熱層8よりも電気抵抗率が低い素材を用いることが好ましい。
本発明で言う絶縁体とは、電気的な性能の絶縁性を持つ材料を言い、一般に導電性の低い材料を指す。ここでは概ね抵抗率が106Ω・cmより大きいものを言う。
ここで言う抵抗率とは、JIS K 7194(導電性プラスチックの4探針法による抵抗率試験方法)に準拠して求めた抵抗率を言う。
絶縁体としては、布状、フィルム状等の絶縁体を用いるのが好ましく、ゴムや紙、樹脂からなる材料等を用いることができる。
本発明では、通気性を持った状態での圧力センシング、発熱を目的としており、その観点から、絶縁体としても通気性を持ったものが好ましく、布帛を用いるのは大変好ましい。
ここで言う布帛とは、薄い布状材料のことを言い、主に繊維により形成される。もちろん本発明に必要な通気性があるばかりか、圧力による変形にも十分に追従することができ、また、復元性もあることから、布帛を用いるのは好適である。
さらには、この布帛を形成するのは、合成繊維であることが好ましい。
本発明において繊維とは、溶融紡糸や湿式紡糸、エレクトロスピニング等の方法で紡糸された繊維の他、フィルム切り出し等、スリットしたものを言う。この時の繊維の径や幅は、1本あたり概ね数μmから数百μm程度のものが、織物、編物を形成する上で、織り、編み易さ、織り、編んだ後の織り布、編物としての柔らかさ、生地としての扱い易さ等から好ましい。
これらの繊維を数十本から数千本の束(バンドル状)にすることで、繊維としての扱いも容易になる。このとき、撚りがかかることも構わない。
本発明ではこれらの繊維、およびまたはバンドル状の繊維を用いて、前記の布帛を形成する。
合成繊維とは、汎用の樹脂を用いた繊維を言い、先述の一般の繊維に用いられる、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、共重合成分を含むポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアクリロニトリルなどの汎用樹脂からなる繊維を単独あるいは混合して用いる。
天然繊維を用いることも物理的には可能であるが、センシング性能やヒーター性能を考慮した場合、繊維径や繊維長方向の物性のバラツキ等の品質が合成繊維の方が安定して得やすいことから好ましく、コストや入手性の点でも合成繊維が好ましい。
本発明では、連結糸8aは連結部11で必ずしも1本でつながっている必要はなく、図
6(a)(b)に示したとおり、上層2または下層3のどちらか、若しくは上層2と下層3との両方で連結糸8aが切れていても良い。しかし、この切断端部12は何がしかの手段
により上層2若しくは下層3に固定されている必要がある。
座面に布状圧力センサーヒーターを設けたシートの全体図 第1の実施形態における布状圧力センサーヒーターの構造を示した概略図 (a)図2のA−A断面図(圧力印加前)、(b)図2のA−A断面図(圧力印加中)、(c)短絡防止層を有さない場合の布状センサーヒーターの断面図(過大圧力印加中)、(d)図2のA−A断面図(過大圧力印加中) 連結糸の長さと電気抵抗値との関係を示したグラフ 第2の実施形態における布状圧力センサーヒーターの構造を示した概略図 (a)連結糸のその他の形態1、(b)連結糸のその他の形態2、(c)布状圧力センサーヒーターの作成方法1、(d)布状圧力センサーヒーターの作成方法2
1 布状圧力センサーヒーター
2 上層
3 下層
4 上層導通部
5 上層非導通部
6 下層導通部
7 下層非導通部
8 抵抗可変発熱層
8a 連結糸
11 短絡防止層

Claims (7)

  1. 第一繊維層と、該第一繊維層に空間をおいて対向する位置に設けられた第二繊維層と、前記第一繊維層および前記第二繊維層との間に設けられた第三繊維層とを有する布状圧力センサーヒーターであって、
    前記第一繊維層は、絶縁性を有する第一非導通部によって電気的に絶縁された、導電性を有する複数の第一導通部を有し、
    前記第二繊維層は、導電性を有する第二導通部を有し、
    前記第三繊維層は、前記第一導通部及び前記第二導通部とに交絡させ、前記第一繊維層と前記第二繊維層とを所定の電気抵抗値を有して電気的に接続する連結糸を有し、
    前記第一繊維層と前記第二繊維層との間に、外部から印加された圧力により前記第一導通部または前記第二導通部が変形した場合でも前記第一導通部と前記第二導通部との間に所定の空間を確保し、前記第一導通部と前記第二導通部とが短絡することを抑制する短絡防止層を有し、
    前記連結糸は、外部から圧力が印加され変形した前記第一導通部または前記第二導通部に押されて湾曲した際、前記第一導通部及び前記短絡防止層と前記連結糸との連結部間の途中部分は、前記第一導通部と接触するように湾曲し、前記第二導通部及び短絡防止層と前記連結糸との連結部間の途中部分は、前記第二導通部と接触するように湾曲し、
    前記短絡防止層は、前記連結糸より高い電気抵抗値を有し、
    選択された前記第一導通部と前記第二導通部との間の電気抵抗値を測定する測定手段を有し、
    選択された前記第一導通部と前記第二導通部との間に電圧を印加し、前記連結糸を発熱させる発熱制御手段を有することを特徴とする布状圧力センサーヒーター
  2. 前記第二繊維層は、絶縁性を有する第二非導通部によって電気的に絶縁されて、導電性を有する複数の第二導通部を有し、
    前記第二導通部は、前記第一導通部と前記連結糸により電気的に接続されることを特徴とする請求項1記載の布状圧力センサーヒーター
  3. 前記短絡防止層は、前記第一繊維層と対向する位置に設けられることを特徴とする請求項1記載の布状圧力センサーヒーター
  4. 前記短絡防止層は、繊維層からなることを特徴とする請求項1記載の布状圧力センサーヒーター
  5. 前記短絡防止層は、絶縁体からなることを特徴とする請求項1記載の布状圧力センサーヒーター。
  6. 前記短絡防止層は、絶縁性を有する布帛からなることを特徴とする請求項1記載の布状圧力センサーヒーター。
  7. 前記布帛は、合成繊維からなることを特徴とする請求項6記載の布状圧力センサーヒーター。
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