JP2007212078A - 空気調和機の制御装置 - Google Patents

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浩彰 遠藤
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Abstract

【課題】 低外気温での冷房運転中、突風あるいは急激な温度低下等の予期しない外乱により、室内熱交換器に凍結が発生したり、あるいは室外熱交換器に液溜まりが発生することを的確に防止できる空気調和機の制御装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 適宜、検出された外気温度Taが、予め設定された外気温設定値より低い場合、室外熱交換器の凝縮器出口温度Tsと外気温度Taとの差が演算され、差の値が第一設定値TAと比較されるようにになっている。差の値が前記第一設定値TAより低い場合、制御吐出温度がやや高いと判断され、制御吐出温度が低くなるよう膨張弁開度制御部は信号を送出し、膨張弁の開度を調整し、差の値が、第二設定値TA以上となった場合は、前記膨張弁開度制御部に信号を送出して、膨張弁の開度を開方向にシフトさせ、徐々に制御吐出温度を上昇させる。
【選択図】図3

Description

本発明は、空気調和機の制御装置に係わり、より詳細には、低外気温での冷房運転時、室内熱交換器の凍結あるいは室外熱交換器での液溜まり等を防止して円滑な運転を行えるようにした構成に関する。
近年、コンピュータルーム等では、冬場の低外気温時にも冷房運転が行われるようになっている。しかしながら、低外気温の条件で冷房運転を行うと、室外熱交換器での放熱が大きく、室内熱交換器の圧力も低下することにより室内機の吹出口から、零度近い冷風が吹出されて使用者に不快感を覚えさせるというような不具合があった。又、室内熱交換器の温度が低下して、同室内熱交換器に凍結が発生したり、あるいは室外熱交換器での凝縮量が多いことにより、同室外熱交換器に液溜まりが発生して冷媒が円滑に循環しないというような支障を生じることがあった。
上記したような問題を解決するべく、例えば図4で示すような技術が提示されている。図4は室外機の構成を示し、同室外機には、圧縮機40と、同圧縮機40を駆動するパワートランジスタ41と、電源46及び同電源46を開閉する開閉スイッチ48と、送風ファン47及び同送風ファン47の開閉スイッチ49と、前記電源46からの電力を前記パワートランジスタ41に中継する中継基板43等が設けられ、又、膨張弁44と、同膨張弁44の開度を制御するマイクロコンピュータ42と、外気温度を検出する外気温度サーミスタ45と、外気温度比較装置42aとが設けられている(特許文献1参照)。
前記マイクロコンピュータ42内には、予め設定された設定温度が設けられており、前記外気温度サーミスタ45で検出された検出値が設定温度より低い場合、前記圧縮機40の運転周波数が高い程、前記マイクロコンピュータ42は前記膨張弁44の開度が大きくなるよう開方向にシフトさせ、これにより室内熱交換器に凍結が発生する等の不具合を防止するようになっている。
しかしながら、低外気温での冷房運転中、突風あるいは急激な温度低下等の予期しない外乱が発生すると、室内熱交換器に凍結が発生したり、あるいは室外熱交換器に液溜まりが発生して冷房運転が円滑に行えない場合があり、対策が求められていた。
特開平7−159007号(3頁、図1)
本発明は、上記問題点に鑑み、低外気温での冷房運転中、突風あるいは急激な温度低下等の予期しない外乱により、室内熱交換器に凍結が発生したり、あるいは室外熱交換器に液溜まりが発生することを的確に防止できる空気調和機の制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、圧縮機と、室外熱交換器と、膨張弁と、室内熱交換器とを順次接続して冷媒回路を構成し、制御部に設けられた膨張弁開度制御部により前記膨張弁の開度を制御してなる空気調和機の制御装置において、
外気温センサと、圧縮機吐出温センサを設けるとともに、前記室外熱交換器に凝縮器出口温度センサを設け、前記制御部に、予め設定された外気温設定値を設定し、前記外気温センサにより検出された外気温が前記外気温設定値より低い際、前記凝縮器出口温度センサの検出値と、外気温との差を基にして前記膨張弁の開度を開方向にシフトするようにした構成となっている。又、前記制御部に、前記圧縮機の吐出温度設定テーブルを設け、冷房運転時、外気温度と圧縮機運転周波数とを基にして、圧縮機の制御吐出温度を吐出温度設定テーブルから選定し、選定された制御吐出温度となるよう、前記圧縮機吐出温センサの検出値と前記制御吐出温度とを比較して、前記膨張弁の開度を開方向にシフトする構成となっている。又、前記制御部に、前記凝縮器出口温度センサの検出値と外気温度との差に基づく第一設定値と、第二設定値とを設定し、前記凝縮器出口温度センサの検出値と外気温度との差が、前記第一設定値より低い場合、前記制御吐出温度が順次低くなるよう前記膨張弁の開度が調整される一方、前記凝縮器出口温度センサの検出値と外気温度との差が、前記第二設定値以上となる場合は、前記制御吐出温度を順次上昇させるよう前記膨張弁の開度が開方向にシフトされる構成となっている。
本発明によると、冷房運転開始時、外気温度Taと、圧縮機の運転周波数とを基にして、適正な圧縮機の制御吐出温度を吐出温度設定テーブルから選定し、検出された冷媒吐出温度が選定された制御吐出温度に近づくよう、膨張弁開度制御部が膨張弁の開度を調整する一方、適宜、検出された外気温度Taが、予め設定された外気温設定値より低い場合、室外熱交換器の凝縮器出口温度Tsと外気温度Taとの差が演算され、差の値が第一設定値TAと比較されるようになっている。差の値が前記第一設定値TAより低い場合、制御吐出温度がやや高いと判断され、制御吐出温度が低くなるよう前記膨張弁開度制御部は信号を送出し、膨張弁の開度を調整するようになっている。続いて、凝縮器出口温度Tsと外気温度Taとの差が、第二設定値TAと比較され、差の値が、前記第一設定値TA以上であって、且つ、前記第二設定値TA以下となった場合、前記圧縮機吐出温度制御部で設定された制御吐出温度は適正と判断されて、これを維持する一方、差の値が、前記第二設定値TA以上となった場合は、前記膨張弁開度制御部に信号を送出して、膨張弁の開度を開方向にシフトさせ、徐々に制御吐出温度を上昇させるようになっている。これにより、冷房運転中に予測しない突風、あるいは急激な外気温低下が生じ、前記室内熱交換器に凍結が発生したり、あるいは前記室外熱交換器に液溜まりが生じて運転に支障が発生する不具合を防止できる空気調和機の制御装置とすることができるようになっている。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に基づいた実施例として詳細に説明する。
図1は、本発明による空気調和機の冷媒回路図であり、図2は制御部を示すブロック図である。又、図3は動作を示すフローチャートである。
本発明による空気調和機は、図1で示すように、圧縮機1と、室外熱交換器2と、膨張弁3と、室内熱交換器4と、アキュームレータ5とを順次接続して冷媒回路を構成している。又、前記圧縮機1には、吐出される冷媒の温度を検出する圧縮機吐出温度センサ7が設けられ、前記室外熱交換器2の流出側には、凝縮器として作用する同室外熱交換器2から流出する冷媒の温度を検出する凝縮器出口温度センサ9が設けられている。更に、前記室外熱交換器2を収納する室外機の一側には、外気温度を検出する外気温センサ8が装着されている。
前記圧縮機吐出温度センサ7と、前記凝縮器出口温度センサ9と、前記外気温センサ8とは、点線で示すように夫々、制御部6に接続され、同制御部6に検出した検出値を適宜送出するようになっている。又、同制御部6は前記膨張弁3と点線で示すように、信号線で接続されており、前記圧縮機吐出温度センサ7、前記凝縮器出口温度センサ9等の検出値を基にして、前記膨張弁3の開度が調整されるようになっている。
冷房運転時、前記圧縮機1から吐出された高温高圧の冷媒は前記室外熱交換器2に流入し、周囲に熱を放出して凝縮する。凝縮した冷媒は、続いて前記膨張弁3により絞られて断熱膨張し低温低圧となって前記室内熱交換器4に流入する。同室内熱交換器4に流入した冷媒は、周囲を流れる空気から熱を吸収して蒸発し、蒸発した冷媒は前記圧縮機1に還流するようになっている。
前記制御部6は、図2のブロック図で示すように構成されている。同制御部6内には、前記凝縮器出口温度センサ9と信号線により接続され、これから検出値を受ける出口温度検出部11と、前記外気温センサ8と信号線により接続され、これから検出値を受ける外気温検出部13と、前記圧縮機吐出温度センサ7と信号線により接続され、これから検出値を受ける吐出温度検出部14が設けられている。
又、前記制御部6には、前記圧縮機1の冷媒吐出温度を制御するための圧縮機吐出温度制御部19と、外気温度と前記圧縮機1の回転周波数とから、最適な前記圧縮機1の冷媒吐出温度を予め設定した吐出温度設定テーブル21と、前記圧縮機吐出温度制御部19が制御する吐出温度となるように、前記膨張弁3の開度を調整する膨張弁駆動部22に信号線を送出する膨張弁開度制御部20が設けられている。前記圧縮機吐出温度制御部19は、圧縮機1の周波数検出値を受けるとともに、前記外気温検出部13と、前記吐出温度検出部14とから、夫々検出値を受けるようになっている。
前記圧縮機吐出温度制御部19は、前記外気温検出部13と、前記吐出温度検出部14とから夫々検出値を受けると、これらの検出値を基にして、最適な前記圧縮機1の冷媒吐出温度を前記吐出温度設定テーブル21から選定し、選定された冷媒吐出温度となるように前記膨張弁開度制御部20に信号を送出するようになっている。又、同圧縮機吐出温度制御部19は、前記吐出温度検出部14から受けた前記圧縮機1の冷媒吐出温度検出値と、前記吐出温度設定テーブル21から選定された冷媒吐出温度とを比較し、冷媒吐出温度検出値が選定された冷媒吐出温度に近づくよう前記膨張弁開度制御部20に信号を送出するようになっている。
又、前記制御部6には、前記室内熱交換器4に凍結の発生、あるいは前記室外熱交換器2に液溜まり等の不具合が発生する虞のある低温の外気温度が、外気温設定値12として予め設定されており、前記外気温検出部13で検出された外気温は、比較部15により外気温設定値12と比較されるようになっている。又、前記出口温度検出部11と、前記比較部15とから信号を受ける比較演算部16が設けられており、同比較演算部16には、第一設定値TA17と、第二設定値TB18とが設定されるようになっている。
前記第一設定値TA17は、前記外気温検出部13で検出された検出値が前記外気温設定値12より低く、且つ、前記出口温度検出部11で検出された前記室外熱交換器2の出口側冷媒温度と、前記外気温検出部13で検出された外気温度との差が、前記第一設定値TA17以下となった場合、前記圧縮機吐出温度制御部19で設定された制御吐出温度がやや高いと前記比較演算部16は判断し、出口側冷媒温度と外気温度との差が前記第一設定値TA17以上となるまで制御吐出温度が低くなるよう前記圧縮機吐出温度制御部19に信号を送出するようになっている。
前記第二設定値TA18は、前記室外熱交換器2の出口側冷媒温度と、外気温度との差が、前記第一設定値TA17以上であって、且つ、前記第二設定値TA18以下となった場合、前記圧縮機吐出温度制御部19で設定された制御吐出温度は適正と判断されて、これを維持する一方、出口側冷媒温度と外気温度との差が前記第二設定値TA18以上となった場合は、前記膨張弁開度制御部20に信号を送出して、徐々に制御吐出温度を上昇させるよう前記膨張弁3の開度が大きくなるように開方向にシフトさせるようになっている。これにより、前記圧縮機1での冷媒の加熱度を維持し、同圧縮機1に対する液バック現象等を防止するようになっている。
次に、動作について改めて説明する。図3のフローチャートに示すように、低外気温時、冷房運転が開始されると、まず、前記外気温度センサ8により外気温度Taが検出され(STEP1)、続いて前記圧縮機1の運転周波数が検出されるようになっている(STEP2)。検出された外気温度Taと、運転周波数とは前記圧縮機吐出温度制御部19に送出され、同圧縮機吐出温度制御部19では、送出された検出値を基にして適正な前記圧縮機1の制御吐出温度を前記吐出温度設定テーブル21から選定するようになっている(STEP3)。
前記圧縮機吐出温度センサ7で検出された冷媒吐出温度も前記吐出温度検出部14を介して前記圧縮機吐出温度制御部19に送出され、検出された冷媒吐出温度が選定された制御吐出温度に近づくよう、前記圧縮機吐出温度制御部19から前記膨張弁開度制御部20に対し信号が送出されるようになっている。信号を受けた膨張弁開度制御部20では、検出された冷媒吐出温度が、選定された制御吐出温度に近づくよう前記膨張弁駆動部22を介して前記膨張弁3の開度を調整するようになっている(STEP4)。
前記外気温度センサ8では適宜外気温度Taが検出され前記外気温度検出部13を介して前記比較部15に送出されるようになっている(STEP5)。同比較部15では、検出された外気温度Taと、前記外気温設定値12とを比較し、検出された外気温度が前記外気温設定値12より低い場合、検出された外気温度Taを前記比較演算部16に送出するようになっている(STEP6)。
前記比較演算部16には、適宜、前記凝縮器出口温度センサ9で検出された前記室外熱交換器2の出口側での凝縮器出口温度Tsが、前記出口検出部11を介して送出されるようになっており(STEP7)、前記比較部15から外気温度Taが送出されてくると、前記凝縮器出口温度Tsと外気温度Taとの差を演算し、差の値と前記第一設定値TA17とを比較するようになっている(STEP8)。
差の値が前記第一設定値TA17より低い場合、外気温度Taと圧縮機運転周波数とを基にして、運転開始時に前記圧縮機吐出温度制御部19にて設定された制御吐出温度がやや高いと前記比較演算部16は判断し、出口側冷媒温度と外気温度との差が前記第一設定値TA17以上となるまで制御吐出温度が低くなるよう前記圧縮機吐出温度制御部19を介して前記膨張弁開度制御部20に信号を送出し、同膨張弁開度制御部20はこれを基に前記膨張弁駆動部22を駆動するようになっている(STEP9)。
次に、前記凝縮器出口温度Tsと外気温度Taとの差は、前記第二設定値TA18と比較され(STEP10)、差の値が、前記第一設定値TA17以上であって、且つ、前記第二設定値TA18以下となった場合、前記圧縮機吐出温度制御部19で設定された制御吐出温度は適正と判断されて、これを維持する一方、差の値が、前記第二設定値TA18以上となった場合は、前記膨張弁開度制御部20に信号を送出して、徐々に制御吐出温度を上昇させるように、前記膨張弁3の開度を開方向にシフトさせるようになっている。(STEP11)。
以上、説明したように、低外気温時に冷房運転を行う際、上記した手順により前記膨張弁3の開度調整を行うことにより、冷房運転中に予測しない突風、あるいは急激な外気温低下が生じ、前記室内熱交換器4に凍結が発生したり、あるいは前記室外熱交換器2に液溜まりが生じて運転に支障が発生することを防止できる空気調和機とすることができるようになっている。
本発明による空気調和機の冷媒回路図である。 制御部を示すブロック図である。 一連の動作を示すフローチャートである。 従来の空気調和機の制御を示すブロック図である。
符号の説明
1 圧縮機
2 室外熱交換器
3 膨張弁
4 室内熱交換器
5 アキュームレータ
6 制御部
7 圧縮機吐出温度センサ
8 外気温センサ
9 凝縮器出口温度センサ
10 圧縮機周波数センサ
11 出口温度検出部
12 外気温設定値
13 外気温検出部
14 吐出温度検出部
15 比較部
16 比較演算部
17 第一設定値TA
18 第二設定値TB
19 圧縮機吐出温度制御部
20 膨張弁開度制御部
21 吐出温度設定テーブル
22 膨張弁駆動部

Claims (3)

  1. 圧縮機と、室外熱交換器と、膨張弁と、室内熱交換器とを順次接続して冷媒回路を構成し、制御部に設けられた膨張弁開度制御部により前記膨張弁の開度を制御してなる空気調和機の制御方法において、
    外気温センサと、圧縮機吐出温センサを設けるとともに、前記室外熱交換器に凝縮器出口温度センサを設け、前記制御部に、予め設定された外気温設定値を設定し、前記外気温センサにより検出された外気温が前記外気温設定値より低い際、前記凝縮器出口温度センサの検出値と外気温との差を基にして、前記膨張弁の開度を開方向にシフトするようにしたことを特徴とする空気調和機の制御装置。
  2. 前記制御部に、前記圧縮機の吐出温度設定テーブルを設け、冷房運転時、外気温度と圧縮機運転周波数とを基にして、圧縮機の制御吐出温度を吐出温度設定テーブルから選定し、選定された制御吐出温度となるよう、前記圧縮機吐出温センサの検出値と前記制御吐出温度とを比較して、前記膨張弁の開度を開方向にシフトすることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機の制御装置。
  3. 前記制御部に、前記凝縮器出口温度センサの検出値と外気温度との差に基づく第一設定値と、第二設定値とを設定し、前記凝縮器出口温度センサの検出値と外気温度との差が、前記第一設定値より低い場合、前記制御吐出温度が順次低くなるよう前記膨張弁の開度が調整される一方、前記凝縮器出口温度センサの検出値と外気温度との差が、前記第二設定値以上となる場合は、前記制御吐出温度を順次上昇させるよう前記膨張弁の開度が開方向にシフトされることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の空気調和機の制御装置。
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