JP2007211256A - 親水性ポリイミド多孔質膜及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 表面及び内部孔表面の水に対する濡れ性が良好で、表面及び内部孔表面に化学反応性が期待でき、しかも耐熱性に優れたポリイミド多孔質膜及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 両表面に孔および内部に屈曲した連続孔構造を有し、さらに多孔質構造表面に親水性基、好適にはカルボキシル基(−COOH)、水酸基(−OH)、スルホン酸基(−SOH)などの極性基、を有する親水性ポリイミド多孔質膜、および一次構造に親水性基を有するポリイミドまたはその前駆体を出発原料とし、両表面に孔および内部に屈曲した連続孔構造を持つ多孔質膜を得ることを特徴とする親水性ポリイミド多孔質膜の製造方法。
【選択図】 なし

Description

この発明は、親水性ポリイミド多孔質膜及びその製造方法に関する。
両表面に開口を有し、かつその内部に連続孔構造を有するポリイミド多孔質膜及びその製造方法については、例えば特許文献1、特許文献2に開示されている。これらの多孔質膜はその特徴的な連続孔構造と高耐熱性及び化学的安定性から、種々の用途への適応が試みられており、その中には該多孔質膜を基材として他材料とハイブリット化することにより新しい機能を付与する種類の検討も行なわれている。
しかしながら、高耐熱性のポリイミドは通常水に対して表面濡れ性が悪く、例えば水溶液を用いて孔表面に異なる物質を吸着させたり、表面の化学処理を行なうことが困難である。また、他の材料とのハイブリット化を行なう際に、その濡れ性の悪さから例えば液状の材料を孔内部に充填するには困難を伴う。さらに、ポリイミド多孔質膜の孔表面と孔内部に充填した物質との物理的化学的相互作用が乏しい為に接着性が乏しく、長期に渡って安定に他材料を孔内部に保持することが難しいなどの問題点がある。
特開平11−310658号公報 特開2000−306568号公報
この発明の目的は、表面及び内部孔表面の水に対する濡れ性が良好で、表面及び内部孔表面に化学反応性が期待でき、しかも耐熱性に優れたポリイミド多孔質膜及びその製造方法を提供することである。
この発明は、両表面に孔および内部に屈曲した連続孔構造を有し、さらに多孔質構造表面に親水性基、好適にはカルボキシル基(−COOH)、水酸基(−OH)、スルホン酸基(−SOH)などの極性基、を有する親水性ポリイミド多孔質膜に関する。
また、この発明は、一次構造に親水性基を有するポリイミドまたはその前駆体を出発原料とし、両表面に孔および内部に屈曲した連続孔構造を持つ多孔質膜を得ることを特徴とする親水性ポリイミド多孔質膜の製造方法に関する。
この明細書において、内部に屈曲した連続孔構造とは、任意の表面から細孔が通路状に他の表面まで連続している、いわゆる開放孔をいい、細孔が屈曲しながらある面から反対面に通じているもの(貫通孔)をいう。特に、膜の内部においてポリイミド相と空間相とが網目構造を有して微細な連続孔を形成しており、膜の両表面で多孔質構造を有するものが好適である。
この発明は以上説明したように構成されているので、以下に記載のような効果を奏する。
この発明によれば、表面及び内部孔表面の水に対する濡れ性が良好で、表面及び内部孔表面に化学反応性が期待できる官能基を有し、しかも耐熱性に優れたポリイミド多孔質膜が得られる。
また、この発明の製造方法によれば、水に対する濡れ性が良好で、表面及び内部孔表面に化学反応性が期待できる官能基を有し、しかも耐熱性に優れたポリイミド多孔質膜を容易に得ることができる。
以下にこの発明の好ましい態様を列記する。
1)親水性が、内径0.3mmのノズルから懸垂した直径2mmの超純水液滴の接触角によって表示して50度である上記の親水性ポリイミド多孔質膜。
2)親水性が、23℃で常圧の条件で膜の片面に滴下した超純水の膜の他方の面への透過性によって表示して透過性ありである上記の親水性ポリイミド多孔質膜。
この発明の親水性ポリイミド多孔質膜は、好適には一次構造に親水性官能基を有するポリイミドまたはその前駆体を出発原料とし、両表面に孔および内部に屈曲した連続孔構造を持つ多孔質膜を得ることによって製造することができる。
前記のポリイミドとは、イミド結合を主鎖中に有するものであればよく、イミド結合とアミド結合とを併せ持つものも含まれる。この場合、イミド結合とアミド結合との合計100%に対してイミド結合の割合が50〜100%であることが好ましい。
前記の一次構造に親水性基を有するポリイミドまたはその前駆体としては、好適には芳香族テトラカルボン酸二無水物と極性基を有する芳香族ジアミン、特にカルボキシル基(−COOH)、水酸基(−OH)あるいはスルホン酸基(−SOH)などの極性基を有する芳香族ジアミンと極性基を有さないジアミンとからなるジアミンとを有機溶媒中で重合して得られるポリイミドまたはその前駆体を挙げることができる。前記の極性基を有する芳香族ジアミンと極性基を有さないジアミンとの割合は、モル比が100:0〜1:99、特に80:20〜2:98であることが好ましい。
前記の芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、3,3’,4,4’−ジフェニルエ−テルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、3,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物などを挙げることができる。
前記の芳香族テトラカルボン酸二無水物の一部(好適には50モル%以下)を芳香族ジカルボン酸無水物で置き換えてもよい。
前記の官能基を有する芳香族ジアミンとしては、2,5−ジアミノフェノ−ル、3,5−ジアミノフェノ−ル、4,4’−(3,3’−ジヒドロキシ)ジアミノビフェニル、4,4’−(2,2’−ジヒドロキシ)ジアミノビフェニル、2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラアミン、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルエ−テル、3−ヒドロキシ−4−アミノビフェニル(HAB)、4,4’−(3,3’−ジカルボキシ)ジフェニルアミン、メチレンビスアミノ安息香酸(MBAA)、2,5−ジアミノ安息香酸(DABA)、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル、2,5−ジアミノベンゼンスルホン酸(DBSA)等が挙げられる。
前記の官能基を有さないジアミンとしては、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル、3,3’−ジアミノジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノ−p−タ−フェニル等が挙げられる。
前記のポリイミド前駆体の溶媒として用いる有機溶媒は、パラクロロフェノ−ル、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ピリジン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、フェノ−ル、クレゾ−ルなどが挙げられる。
前記のテトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分は、上記の有機溶媒中に大略等モル溶解し重合して、対数粘度(30℃、濃度;0.5g/100mL NMP)が0.3以上、特に0.5〜7であるポリイミド前駆体が製造される。また、重合を約80℃以上の温度で行った場合に、部分的に閉環してイミド化したポリイミド前駆体が製造される。
前記のポリイミド前駆体は、前記有機溶媒に0.3−60質量%、好ましくは1%−30質量%の割合で溶解してポリイミド前駆体溶液に調製される(有機溶媒を加えてもよくあるいは重合溶液をそのまま用いても良い)。ポリイミド前駆体の割合が0.3質量%より小さいと多孔質膜を作製した際のフィルム強度が低下するので適当でなく、60質量%より大きいと多孔質膜の透過性が低下するため、上記範囲の割合が好適である。
この発明の親水性ポリイミド多孔質膜は、好適にはガラス転移温度が230℃以上である(または230℃以下の温度ではガラス転移温度を示さない)ポリイミドを与える極限粘度数数が2.5以上のポリイミドまたは該ポリイミドを与えるポリイミド前駆体の有機溶媒溶液を溶媒置換誘起の粘弾性相分離によりポリマ−成分を析出し、多孔質化することによって得ることができる。
前記のポリイミドまたはポリイミド前駆体の有機溶媒溶液は、ポリイミドまたはポリイミド前駆体の濃度が18質量%以下でかつ溶液粘度が100ポイズ以上であることが好ましい。
また、前記の溶媒置換誘起は、溶媒置換速度調整材を用いて凝固溶媒とポリイミドまたはポリイミド前駆体の有機溶媒溶液との直接接触を避けて行うことが好ましい。
前記の溶媒置換速度調整材としては、ポリイミド前駆体の有機溶媒溶液と凝固溶媒とを接触させてポリイミド前駆体を析出させる際に、ポリイミド前駆体の溶媒及び凝固溶媒が適切な速度で透過する事が出来る程度の透過性を有するものが好ましい。
溶媒置換速度調整材としては、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、セルロ−スなどを材料とした不織布或いは多孔膜などが用いられ、特にポリオレフィン製の微多孔質膜を用いた際に、製造されたポリイミド多孔質フィルム表面の平滑性と析出したポリイミド前駆体との剥離性に優れるので好適である。
ポリイミド前駆体流延物は、溶媒置換速度調整材を介して凝固溶媒と接触させることでポリイミド前駆体の析出、多孔質化を行う。ポリイミド前駆体の凝固溶媒としては、エタノ−ル、メタノ−ル等のアルコ−ル類、アセトン、水等のポリイミド前駆体の非溶媒またはこれら非溶媒99.9〜40質量%と前記ポリイミド前駆体の溶媒0.1〜60質量%とのの混合溶媒を用いることができる。非溶媒および溶媒の組合わせには特に制限はないが、凝固溶媒に非溶媒と溶媒からなる混合溶媒を用いた場合に析出したポリイミド前駆体の多孔質構造が均一となるので好適である。特に、凝固溶媒として、ポリイミド前駆体の溶媒0.1〜50質量%と非溶媒99.9〜50質量%とからなる混合溶媒を用いることが好ましい。
多孔質化されたポリイミド前駆体フィルムは、ついで熱イミド化処理或いは化学イミド化処理が施される。ポリイミド前駆体フィルムの熱イミド化は、溶媒置換速度調整材を取除いたポリイミド前駆体多孔質フィルムをピン、チャック或いはピンチロ−ル等を用いて熱収縮が生じないように固定し、大気中にて280〜500℃で5〜60分間行われる。
このようにして製造される親水性ポリイミド多孔質膜は、前記製造条件の選択によっても多少異なるが、平均空孔径0.01〜10μm(好適には0.01〜2μm)、空孔率20〜80%(好適には25〜65%)、ガ−レ−値30〜1000秒/100ml(好適には30〜300秒/100ml)、厚さが5〜300μm(好適には10〜150μm)である。
この発明の親水性ポリイミド多孔質膜は、以上の構成を有していることにより溶液処理や他の材料とのハイブリット化、例えばポリイミド多孔質膜の孔内部に他材料を充填し、物理的化学的相互作用により長期に渡って安定して保持することができ、従来より大幅に容易なポリイミド多孔質膜を提供することができる。
このため、この発明の親水性ポリイミド多孔質膜は、例えばセパレ−タとして好適である。
以下、実施例によりこの発明を具体的に説明するが、この発明はこの実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例において、ポリイミド多孔質膜の評価を以下のようにして行った。
1)透気度測定ポリイミド多孔膜について、ガ−レ−値をJIS P8117に準じて測定した。
2)多孔質構造の評価多孔質膜の両表面及び断面:走査型電子顕微鏡により観察した。
平均孔径:多孔質フィルム表面の走査型電子顕微鏡写真より、50点以上の開孔部について孔面積を測定し、該孔面積の平均値から次式に従って孔形状が真円であるとした際の平均直径を計算より求めた。次式のSaは孔面積の平均値を意味する。
平均孔径=2×(Sa/π)1/2
3−1)親水性評価1多孔質膜を純水と接触させて、純水が染み込むか否かによって評価した。
3−2)親水性評価2直径2mmの超純水液滴を得られた多孔質膜の表面に滴下し、その後の膜平面方向への純水の染み込み具合を、純水が染み込んだ部分の色が変化することを利用して、その色の大きさを経時的に観察することにより調べた。
3−3)親水性評価3多孔質膜を、180℃で1時間真空乾燥を施し、その直後に質量(処理前質量)を計測した。その後、ビ−カ−内の純水中に膜を浸漬し超音波洗浄器内で攪拌を30分行ない膜を取りだし、キムワイプ数枚を重ねたもので膜を挟み込み荷重をかけることで膜の表面に付着している純水を拭き取った。その後、質量(処理後質量)を計測し、膜内部に留まった純水を見積もった。
実施例1
1.ポリアミック酸溶液の製造
攪拌器、窒素導入管、排気管を備えた200ml四つ口セパラブルフラスコにパラフェニレンジアミン(PDA)とメチレンビスアミノ安息香酸(MBAA)をモル比が9/1になるように投入し、DMAcを溶媒として加えた後、窒素雰囲気下、40℃にて攪拌、溶解させた。次いで、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s−BPDA)をジアミン成分に対して等モルまで順次数段階にて添加し、40℃で約12hr反応させ、固形分量が質量比で12質量%の粘稠なポリアミック酸溶液を得た。
2.ポリイミド多孔膜の作製
得られたポリアミック酸溶液を鏡面研磨を施したSUS基板上に厚みが約150μmになるように流延・展開し、続いて透気度550秒/100ccの溶媒置換速度調整材[ポリオレフィン微多孔膜(宇部興産社製 ユ−ポアUP2015)]をシワの生じないように表面を覆った。該積層物をメタノ−ル及びメタノ−ルとイソプロパノ−ルの混合溶媒からなる凝固浴中に5〜10分間浸漬させ、溶媒置換を行うことでポリアミック酸膜の析出、多孔質化を行った。
析出したポリアミック酸多孔膜を基板ごと水中に15分間浸漬した後、基板及び溶媒置換速度調整材から剥離し、該多孔膜表面に付着した水分を十分に拭き取った後、ピンテンタ−にて膜の周囲を固定した状態で、電気炉中にて大気圧下300〜400℃、15分間の熱処理を行い、ポリイミドへの転化を行って、親水性ポリイミド多孔質フィルムを得た。
実施例2
PDAと2,5−ジアミノベンゼンスルホン酸(DBSA)がモル比で8/2になるように投入し、DMAcを溶媒として加えた後、窒素雰囲気下で攪拌することで、40℃にてPDA及びDBSAを溶解させ、次いで、s−BPDAをジアミン成分に対して等モルまで順次数段階にて添加し、40℃で約12hr反応させ、固形分量12質量%からなる粘稠なポリアミック酸溶液を得た他は実施例1と同様にして、親水性ポリイミド多孔質フィルムを得た。
実施例3
4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル(ODA)と2,5−ジアミノ安息香酸(DABA)がモル比で8/2になるように投入し、DMAcを溶媒として加えた後、窒素雰囲気下、40℃で攪拌することで、ODA及びDABAを溶解させ、次いで、s−BPDAをジアミン成分に対して等モルまで順次数段階にて添加し、40℃で約12hr反応させ、固形分量の質量比が10質量%の粘稠なポリアミック酸溶液を得た他は実施例1と同様にして、親水性ポリイミド多孔質フィルムを得た。
実施例4
ジアミン成分として4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル(ODA)及び3−ヒドロキシ4−アミノビフェニル(HAB)をモル比が6/4になるように仕込み、DMAcを溶媒として窒素雰囲気下、40℃にて攪拌、溶解させ、次いでs−BPDAをジアミン成分に対して等モルまで順次数段階に分けて添加し、40℃で約12hr攪拌反応させることで、固形成分の質量比が9.0質量%の粘稠なポリアミック酸溶液を得た他は実施例1と同様にして、親水性ポリイミド多孔質フィルムを得た。
実施例5
ジアミン成分としてPDA及び3−ヒドロキシ4−アミノビフェニル(HAB)をモル比が8/2になるように仕込み、DMAcを溶媒として窒素雰囲気下、40℃にて攪拌、溶解させ、次いで、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s−BPDA)をジアミン成分に対して等モルまで順次数段階に分けて添加し、40℃で約12hr攪拌反応させることで、固形成分の質量比が9.0質量%の粘稠なポリアミック酸溶液を得た他は実施例1と同様にして、親水性ポリイミド多孔質フィルムを得た。
比較例1
ジアミン成分として酸無水物成分と等モル量のPDAだけを用いた他は実施例1と同様の操作により、固形分量10質量%からなる粘稠なポリアミック酸溶液を得て、このポリアミック酸溶液を用いた他は実施例1と同様にして、ポリイミド多孔質フィルムを得た。
実施例1〜5、比較例1で得られたポリイミド多孔膜をガ−レ−測定した。実施例1〜5で得られたポリイミド多孔膜は100〜1000秒/100mlであった。
また、得られた多孔質膜の両表面及び断面を走査型電子顕微鏡により観察したところ、いずれの膜も両表面に開孔(平均孔径:0.08〜0.20μm程度)を有し、表面の平滑性が良好でまた断面観察により内部も3次元的に孔が連なった構造を有していることが確認できた。
実施例1〜5で得られた多孔質膜について、親水性評価1によって純水と接触すると純水が染み込むことによる膜の色の変化を観察したところ、いずれも直ちに膜の色が変化した。それに対し、比較例1で得られた多孔質膜は純水に接触させてもその直後には濡れることなく、また膜の色も変化しなかった。
また、実施例1〜5で得られた多孔質膜について、親水性評価2によって直径2mmの超純水液滴を得られた多孔質膜の表面に滴下し、純水が染み込んだ部分の色の変化を利用し、その色の大きさを経時的に観察することにより調べたところ、いずれも変色部分は円形で時間と共に大きくなった。その結果をまとめて図1に示す。70秒後に純水を滴下した面と反対の面を観察すると、表面と同等の直径の円形状に膜の色が変化しており、純水の膜内部の染み込みが3次元的であることが確認された。
これに対し、比較例1で得られた膜では純水滴下直後には変色が起こらず、数十秒後に若干純水が染み込むことにより膜の色の変化が観察された。その結果を図1に示す。70秒後に純水を滴下した面と反対の面を観察したところ、水が染み込むことによる膜の色の変化は極めて小さかった。
実施例1〜5で得られた溶液から作製した多孔質膜について、親水性評価3によって測定したところ、いずれも膜の質量と比べて35%以上の純水を膜内部に取り込んでいたが、比較例1の溶液から得られた膜は、ほとんど純水を取り込んでいなかった。
結果をまとめて、図2に示す。
図1は、実施例1〜5、比較例1で得られた多孔質膜について親水性評価2によって、直径2mmの水滴を多孔質膜の表面に滴下し、水が染み込んで経時的に変色部分の円形が拡大した結果をまとめたものである。 図2は、実施例1〜5、比較例1で得られた多孔質膜について親水性評価3によって、乾燥後の膜の質量に対する浸漬後の質量増加を比較したものである。

Claims (4)

  1. 両表面に孔および内部に屈曲した連続孔構造を持ち、さらに多孔質構造表面に親水性基を有する親水性ポリイミド多孔質膜。
  2. 親水性が、内径0.3mmのノズルから懸垂した直径2mmの超純水液滴の接触角によって表示して50度である請求項1に記載の親水性ポリイミド多孔質膜。
  3. 親水性が、23℃で常圧の条件で膜の片面に滴下した超純水の膜の他方の面への透過性によって表示して透過性ありである請求項1に記載の親水性ポリイミド多孔質膜。
  4. 一次構造に親水性基を有するポリイミドまたはその前駆体を出発原料とし、両表面に孔および内部に屈曲した連続孔構造を持つ多孔質膜を得ることを特徴とする親水性ポリイミド多孔質膜の製造方法。
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