JP2007211215A - 導電性高分子溶液及び導電性塗膜 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の導電性高分子溶液は、π共役系導電性高分子と、ポリアニオンと、アクリルアミド基及び/又はメタクリルアミド基を1つ以上有する(メタ)アクリルアミド化合物と、溶媒とを含有する。本発明の導電性塗膜は、上述した導電性高分子溶液が塗布され、(メタ)アクリルアミド化合物が重合されて形成されたものである。
【選択図】なし
Description
特に、π共役系導電性高分子の透明性に着目され、現在、透明導電体として広く利用されているITO膜(インジウム−錫−酸化物)の代替が検討されている。
しかしながら、π共役系導電性高分子自体は、いかなる溶媒にも溶解しないため、加工性が低い上に、塗膜の形成やパターニングが困難であった。
また、分子量が2,000〜500,000のポリスチレンスルホン酸(ポリアニオン)の存在下で、酸化剤を用いて、3,4−ジアルコキシチオフェンを化学酸化重合してポリ(3,4−ジアルコキシチオフェン)溶液を製造し、その溶液を基材に塗布する方法が提案されている(特許文献2参照)。
特許文献2に記載の方法では、π共役系導電性高分子を容易に水分散できる反面、非導電性のポリアニオンの添加量が多くなるため、高い導電性が得られにくいという問題があった。
特許文献3に記載の方法では、熱安定性には優れるものの、π共役系導電性高分子の溶媒溶解性が得られにくいという問題があった。
また、特許文献1〜3の方法では、膜強度を向上させることができなかった。
すなわち、従来、導電性、熱安定性、膜強度のいずれもが優れた導電性塗膜を形成できる上に、π共役系導電性高分子の溶媒溶解性に優れた導電性高分子溶液は得られていなかった。
本発明は、導電性、熱安定性、膜強度のいずれもが優れた導電性塗膜を形成できる上に、π共役系導電性高分子の溶媒溶解性に優れた導電性高分子溶液を提供することを目的とする。また、導電性、熱安定性、膜強度のいずれもが優れた導電性塗膜を提供することを目的とする。
本発明の導電性塗膜は、上述した導電性高分子溶液が塗布され、(メタ)アクリルアミド化合物が重合されて形成されたことを特徴とする。
本発明の導電性塗膜は、導電性、熱安定性、膜強度のいずれもが優れている。このような導電性塗膜は、ITO膜などの無機系材料の導電膜を代替できる上に、フォトリソグラフィなどの方法によりパターンを形成できる。
[π共役系導電性高分子]
π共役系導電性高分子としては、主鎖がπ共役系で構成されている有機高分子であれば使用できる。例えば、ポリピロール類、ポリチオフェン類、ポリアセチレン類、ポリフェニレン類、ポリフェニレンビニレン類、ポリアニリン類、ポリアセン類、ポリチオフェンビニレン類、及びこれらの共重合体等が挙げられる。重合の容易さ、空気中での安定性の点からは、ポリピロール類、ポリチオフェン類及びポリアニリン類が好ましい。
π共役系導電性高分子は無置換のままでも、充分な導電性を得ることができるが、導電性をより高めるためには、アルキル基、カルボキシル基、スルホ基、アルコキシル基、ヒドロキシル基、シアノ基等の官能基をπ共役系導電性高分子に導入することが好ましい。
また、透明性に優れる点では、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリチエノチオフェンが好ましい。
また、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(3−メチルチオフェン)などのアルキル置換化合物は溶媒溶解性や、疎水性樹脂を添加した場合の相溶性及び分散性が向上するため、好ましい。また、アルキル置換化合物のアルキル基の中では、導電性の低下を防ぐことから、メチル基が好ましい。
ポリアニオンは、置換若しくは未置換のポリアルキレン、置換若しくは未置換のポリアルケニレン、置換若しくは未置換のポリイミド、置換若しくは未置換のポリアミド、置換若しくは未置換のポリエステルから選ばれた単独重合体又は共重合体であって、アニオン基を有する構成単位を有するものである。また、必要に応じてアニオン基を有さない構成単位を有してもよい。
なお、ポリアニオンは、π共役系導電性高分子を溶媒に可溶化させるだけでなく、π共役系導電性高分子のドーパントとしても機能する。
ポリアルケニレンの具体例としては、プロペニレン、1−メチルプロペニレン、1−ブチルプロペニレン、1−デシルプロペニレン、1−シアノプロペニレン、1−フェニルプロペニレン、1−ヒドロキシプロペニレン、1−ブテニレン、1−メチル−1−ブテニレン、1−エチル−1−ブテニレン、1−オクチル−1−ブテニレン、1−ペンタデシル−1−ブテニレン、2−メチル−1−ブテニレン、2−エチル−1−ブテニレン、2−ブチル−1−ブテニレン、2−ヘキシル−1−ブテニレン、2−オクチル−1−ブテニレン、2−デシル−1−ブテニレン、2−ドデシル−1−ブテニレン、2−フェニル−1−ブテニレン、2−ブテニレン、1−メチル−2−ブテニレン、1−エチル−2−ブテニレン、1−オクチル−2−ブテニレン、1−ペンタデシル−2−ブテニレン、2−メチル−2−ブテニレン、2−エチル−2−ブテニレン、2−ブチル−2−ブテニレン、2−ヘキシル−2−ブテニレン、2−オクチル−2−ブテニレン、2−デシル−2−ブテニレン、2−ドデシル−2−ブテニレン、2−フェニル−2−ブテニレン、2−プロピレンフェニル−2−ブテニレン、3−メチル−2−ブテニレン、3−エチル−2−ブテニレン、3−ブチル−2−ブテニレン、3−ヘキシル−2−ブテニレン、3−オクチル−2−ブテニレン、3−デシル−2−ブテニレン、3−ドデシル−2−ブテニレン、3−フェニル−2−ブテニレン、3−プロピレンフェニル−2−ブテニレン、2−ペンテニレン、4−プロピル−2−ペンテニレン、4−ブチル−2−ペンテニレン、4−ヘキシル−2−ペンテニレン、4−シアノ−2−ペンテニレン、3−メチル−2−ペンテニレン、4−エチル−2−ペンテニレン、3−フェニル−2−ペンテニレン、4−ヒドロキシ−2−ペンテニレン、ヘキセニレン等から選ばれる一種以上の構成単位を含む重合体が挙げられる。
ポリアミドとしては、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド6,10等が挙げられる。
ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。
アルキル基は、極性溶媒又は非極性溶媒への溶解性及び分散性、樹脂への相溶性及び分散性等を高くすることができ、ヒドロキシル基は、他の水素原子等との水素結合を形成しやすくでき、有機溶剤への溶解性、樹脂への相溶性、分散性、接着性を高くすることができる。また、シアノ基及びヒドロキシフェニル基は、極性樹脂への相溶性、溶解性を高くすることができ、しかも、耐熱性も高くすることができる。
上記置換基の中では、アルキル基、ヒドロキシル基、エステル基、シアノ基が好ましい。
前記ヒドロキシル基としては、ポリアニオンの主鎖に直接結合したヒドロキシル基又は他の官能基を介在して結合したヒドロキシル基が挙げられる。他の官能基としては、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数2〜7のアルケニル基、アミド基、イミド基等が挙げられる。ヒドロキシル基はこれらの官能基の末端又は中に置換されている。これらの中では樹脂への相溶及び有機溶剤への溶解性から、主鎖に結合した炭素数1〜6のアルキル基の末端に結合したヒドロキシル基がより好ましい。
前記エステル基としては、ポリアニオンの主鎖に直接結合したアルキル系エステル基、芳香族系エステル基、他の官能基を介在してなるアルキル系エステル基又は芳香族系エステル基が挙げられる。
シアノ基としては、ポリアニオンの主鎖に直接結合したシアノ基、ポリアニオンの主鎖に結合した炭素数1〜7のアルキル基の末端に結合したシアノ基、ポリアニオンの主鎖に結合した炭素数2〜7のアルケニル基の末端に結合したシアノ基等を挙げることができる。
これらの単独重合体であってもよいし、2種以上の共重合体であってもよい。
これらのうち、ポリスチレンスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸、ポリアクリル酸エチルスルホン酸、ポリアクリル酸ブチルスルホン酸が好ましい。これらのポリアニオンは、π共役系導電性高分子の熱分解を緩和することができる。
(メタ)アクリルアミド化合物は、アクリルアミド基(CH2=CH−CO−NR−(RはH又は任意の置換基))及び/又はメタクリルアミド基(CH2=C(CH3)−CO−NR−(RはH又は任意の置換基))を1つ以上有する化合物である。
具体的には、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、2−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなどが挙げられる。
溶媒としては特に限定されず、例えば、水、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチレンホスホルトリアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等の極性溶媒、クレゾール、フェノール、キシレノール等のフェノール類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、D−グルコース、D−グルシトール、イソプレングリコール、ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール等の多価脂肪族アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類、ギ酸、酢酸等のカルボン酸、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート化合物、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル化合物、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル等の鎖状エーテル類、3−メチル−2−オキサゾリジノン等の複素環化合物、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル化合物等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いてもよいし、2種類以上の混合物としてもよいし、他の溶媒との混合物としてもよい。
導電性高分子溶液においては、π共役系導電性高分子の導電性を向上させるために、ポリアニオン以外の他のドーパントを添加してもよい。
他のドーパントとしては、ハロゲン化合物、ルイス酸、プロトン酸などが用いられ、具体的には、有機カルボン酸、有機スルホン酸等の有機酸、有機シアノ化合物、フラーレン、水素化フラーレン、水酸化フラーレン、カルボン酸化フラーレン、スルホン酸化フラーレンなどが挙げられる。
有機シアノ化合物としては、共役結合に二つ以上のシアノ基を含む化合物が使用できる。例えば、テトラシアノエチレン、テトラシアノエチレンオキサイド、テトラシアノベンゼン、ジクロロジシアノベンゾキノン(DDQ)、テトラシアノキノジメタン、テトラシアノアザナフタレン等が挙げられる。
導電性高分子溶液には、上記成分のほかに、膜強度の向上や耐環境特性の向上を図るために、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレートなどの多官能アクリレートまたは多官能メタクリレート、エポキシシラン、ビニルシランなどのシランカップリング剤、エポキシ樹脂、ビニル樹脂、ポリイソシアネートなどの架橋性樹脂、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンズイミダゾールなどの酸化防止剤、紫外線吸収剤などが含まれていてもよい。
次に、導電性高分子溶液の製造方法の一例について説明する。
この例の導電性高分子溶液の製造方法では、まず、溶媒中、ポリアニオンの存在下、π共役系導電性高分子を形成する前駆体モノマーを化学酸化重合して、π共役系導電性高分子とポリアニオンとが複合した複合体を形成する。その複合体の形成の際には、π共役系導電性高分子の主鎖の成長と共にポリアニオンのアニオン基がπ共役系導電性高分子と塩を形成するため、π共役系導電性高分子の主鎖はポリアニオンに沿って成長する。よって、得られたπ共役系導電性高分子とポリアニオンは無数に塩を形成した複合体になる。この複合体においては、π共役系導電性高分子のモノマー3ユニットに対して1ユニットのアニオン基が塩を形成し、短く成長したπ共役系導電性高分子の数本が、長いポリアニオンに沿って塩を形成しているものと推定されている。
次いで、複合体を含む溶液に、(メタ)アクリルアミド化合物を添加して導電性高分子溶液を得る。
また、前記複合体の架橋によって、塗膜の熱安定性、膜強度も向上する。
本発明の導電性塗膜は、上述した導電性高分子溶液が塗布され、(メタ)アクリルアミド化合物が重合されて形成されたものである。
導電性高分子溶液の塗布方法としては、例えば、コーティング、浸漬、スプレーなどの公知の手法が挙げられる。
導電性高分子溶液が塗布される基材としては、例えば、ガラス板、プラスチックフィルムなどが挙げられる。
重合においてラジカル重合法を適用した場合には、重合開始剤として、例えばアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、過酸化ベンゾイル、ジアシルペルオキシド類、ペルオキシエステル類、ヒドロペルオキシド類等の過酸化物などを用いる。これら重合開始剤はあらかじめ導電性高分子溶液に含有させておくことが好ましい。
なお、増感剤の中には光重合開始剤としても作用するものもある。
プラズマ重合では、プラズマを短時間照射し、プラズマの電子衝撃によるエネルギーを受けて、フラグメンテーションとリアレンジメントをしたのち、ラジカルの再結合により重合体を生成する。
14.2g(0.1mol)の3,4−エチレンジオキシチオフェンと、27.5g(0.15mol)のポリスチレンスルホン酸を2000mlのイオン交換水に溶解した溶液とを混合させた。
この混合液を20℃に保ち、掻き混ぜながら200mlのイオン交換水に溶解した29.64g(0.13mol)の過硫酸アンモニウムを8.0g(0.02mol)の硫酸第二鉄の酸化触媒溶液をゆっくり加え、3時間攪拌して反応させた。
得られた反応液を透析し、未反応モノマー、酸化剤を除去して、約1.5質量%の青色ポリスチレンスルホン酸ドープポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)溶液を得た。これを複合体溶液1とした。
6.6g(0.1mol)のピロールと27.5g(0.15mol)のポリスチレンスルホン酸を2000mlのイオン交換水に溶解した溶液とを混合させた。
この混合液を20℃に保ち、掻き混ぜながら200mlのイオン交換水に溶解した29.64g(0.13mol)の過硫酸アンモニウムを8.0g(0.02mol)の硫酸第二鉄の酸化触媒溶液をゆっくり加え、2時間攪拌して反応させた。
得られた反応液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約2000ml溶液を除去した。この操作を3回繰り返した。
得られた反応液を透析し、未反応モノマー、酸化剤を除去して、約1.5質量%の青色ポリスチレンスルホン酸ドープポリピロール溶液を得た。これを複合体溶液2とした。
100mlの複合体溶液1に、3.48g(ポリスチレンスルホン酸に対して6モル当量)の2−ヒドロキシエチルアクリルアミドと、0.104g(2−ヒドロキシエチルアクリルアミドに対して3質量%)の4,4’−ジメトキシベンゾフェノンを添加し、均一に分散させて導電性高分子溶液を得た。得られた導電性高分子溶液を#12のバーコートを用いて、表面を親水化処理した厚さ85μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱ポリエステル社製T630E)上に塗布した。その後、100℃のオーブン中で乾燥させ、UV露光機によって積算光量500mJ/cm2の照射をして導電性塗膜を形成した。
その導電性塗膜の導電性、熱安定性、透明性、膜強度を以下のように評価した。その結果を表1に示す。
高温表面抵抗維持率(%):温度25℃における導電性塗膜の表面抵抗R25Bを測定し、測定後の導電性塗膜を温度85℃の環境下に300時間放置した後、該導電性塗膜を温度25℃に戻し、表面抵抗R25Aを測定した。そして、下記式より算出した。
高温表面抵抗維持率(%)=100×R25B/R25A
高湿表面抵抗維持率(%):温度25℃における導電性塗膜の表面抵抗R25Bを測定し、測定後の導電性塗膜を温度60℃、相対湿度95%の環境下に300時間放置した後、該導電性塗膜を温度25℃に戻し、表面抵抗R25Cを測定した。そして、下記式より算出した。
高湿表面抵抗維持率(%)=100×R25B/R25C
高温表面抵抗維持率及び高湿表面抵抗維持率により熱安定性を評価できる。
磨耗表面抵抗維持率(%)=100×R25D/R25A
3.48gの2−ヒドロキシエチルアクリルアミドの代わりに3.03g(ポリスチレンスルホン酸に対して6モル当量)のN−メチロールアクリルアミドを複合体溶液1に添加したこと以外は実施例1と同様にして導電性高分子溶液を得た。
そして、実施例1と同様にして導電性塗膜を形成して、導電性、熱安定性、透明性を評価した。その結果を表1に示す。
100mlの複合体溶液2に、4.95g(ポリスチレンスルホン酸に対して10モル当量)のN,N−ジメチルアクリルアミドと、0.104g(N,N−ジメチルアクリルアミドに対して3質量%)の4,4’−ジメトキシベンゾフェノンを添加し、均一に分散させて導電性高分子溶液を得たこと以外は実施例1と同様にして導電性高分子溶液を得た。
そして、実施例1と同様にして導電性塗膜を形成して、導電性、熱安定性、透明性を評価した。その結果を表1に示す。
複合体溶液1を、#12のバーコートを用いて、表面を親水化処理したポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布した。その後、100℃のオーブン中で乾燥させて導電性塗膜を形成した。
そして、実施例1と同様にして導電性塗膜を形成して、導電性、熱安定性、透明性を評価した。その結果を表1に示す。
複合体溶液2を、#12のバーコートを用いて、表面を親水化処理したポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布した。その後、100℃のオーブン中で乾燥させて導電性塗膜を形成した。
そして、実施例1と同様にして導電性塗膜を形成して、導電性、熱安定性、透明性を評価した。その結果を表1に示す。
これに対し、(メタ)アクリルアミド化合物を含有しない比較例1,2の導電性高分子溶液を塗布して形成した導電性塗膜は、表面抵抗値が高く、導電性が低かった。また、高温表面抵抗維持率及び高湿表面抵抗維持率が低く、熱安定性に劣っていた。さらに、全光線透過率が低く、ヘイズが高く、透明性に劣っており、磨耗表面抵抗維持率が高く、膜強度も低かった。
Claims (2)
- π共役系導電性高分子と、ポリアニオンと、アクリルアミド基及び/又はメタクリルアミド基を1つ以上有する(メタ)アクリルアミド化合物と、溶媒とを含有することを特徴とする導電性高分子溶液。
- 請求項1に記載の導電性高分子溶液が塗布され、(メタ)アクリルアミド化合物が重合されて形成されたことを特徴とする導電性塗膜。
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