JP2008277172A - 導電性回路及びその形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】導電性が高く、しかもパターンの精度が高い導電性回路を簡便に形成できる導電性回路の形成方法を提供する。
【解決手段】本発明の導電性回路の形成方法は、基材上に導電性高分子溶液を塗布して導電性塗膜を形成する塗膜形成工程と、前記導電性塗膜をパターン露光した後、現像液を用いて現像して導電性回路を形成する回路形成工程とを有し、導電性高分子溶液が、π共役系導電性高分子と水溶性ポリアニオンと水溶性アクリル化合物と非水溶性アクリル化合物と溶媒とを含み、非水溶性アクリル化合物が、導電性高分子溶液中の全アクリル化合物100質量%に対して4.2〜66.6質量%であり、導電性高分子溶液中の全アクリル化合物の質量が、π共役系導電性高分子と水溶性ポリアニオンの合計に対して1.7〜16.6倍であり、現像液が、水及び/又は水溶性溶媒を含む液である。
【選択図】なし

Description

本発明は、π共役系導電性高分子を含む導電性回路及びその形成方法に関する。
近年、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリアニリンなどのπ共役系導電性高分子に電子供与性化合物や電子受容性化合物(ドーパント)を添加(ドーピング)した導電性材料が開発され、その用途は広がっている。
例えば、特許文献1,2には、前記π共役系導電性高分子を含む導電性材料を導電性回路として使用することが記載されている。
特許文献1に記載の導電性回路の形成方法では、まず、π共役系導電性高分子の前駆体モノマーを化学酸化重合させる酸化剤を含む酸化剤層を基板表面に形成し、その酸化剤層を所定のパターンで光照射して光照射した部分の酸化剤の酸化力を低減させる。その後、光が照射されなかった部分の酸化剤層表面でπ共役系導電性高分子の前駆体モノマーを気相重合させて導電性回路を形成する。
また、特許文献2に記載の導電性回路の形成方法では、イソチアナフテンモノマー、電子受容体、電解質塩及び溶媒からなる溶液に基板を浸漬させて塗膜を形成し、その塗膜にパターン状に光照射してポリイソチアナフテン塗膜のパターンを形成する。そして、その塗膜にドープ/脱ドープする処理を施して導電性回路を形成する。
また、π共役系導電性高分子とポリアニオンと水溶性アクリル化合物を含む導電性高分子溶液を塗布して塗膜を形成し、その塗膜を、紫外線露光および現像によりパターニングして導電性回路を形成する方法が検討されている。
特開平6−236712号公報 特開平6−316176号公報
しかし、特許文献1に記載の方法では、形成される導電性回路の導電性が低く、銅プリント基板のような金属回路の代わりに使用することは困難である上に、工程が複雑であるという問題がある。
また、特許文献2に記載の方法では、導電性回路を形成する際に、ドープ/脱ドープ処理を施すため、煩雑であるという問題がある。
また、π共役系導電性高分子とポリアニオンと水溶性アクリル化合物を含む導電性高分子溶液を用いる方法では、ポリアニオンの製膜性が高いため、水やアルコール等で現像しても、マスクにより紫外線が当たらなかった非露光部が剥離しにくい傾向にあり、パターンの精度が高い回路を形成することが困難であった。この対策として、水溶性アクリル化合物を多量に添加し、ポリアニオンの製膜性を低下させて剥離性を高めることが考えられるが、この場合には、導電性が低下しがちである上に、露光部も剥離しやすくなった。また、現像液としてアルカリ性のものを用い、ポリアニオンの塩を形成させることで、製膜性を下げ、かつ、水溶性を高めて剥離性を向上させることも考えられるが、この場合には、アルカリにより脱ドープが進行して導電性が低下する傾向にあった。
本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであり、導電性が高く、しかもパターンの精度が高い導電性回路を簡便に形成できる導電性回路の形成方法を提供することを目的とする。また、導電性が高く、しかもパターンの精度が高い導電性回路を提供することを目的とする。
[1] 基材上に導電性高分子溶液を塗布して導電性塗膜を形成する塗膜形成工程と、
前記導電性塗膜をパターン露光した後、現像液を用いて現像して導電性回路を形成する回路形成工程とを有する導電性回路の形成方法であって、
導電性高分子溶液が、π共役系導電性高分子と水溶性ポリアニオンと水溶性アクリル化合物と非水溶性アクリル化合物と溶媒とを含み、非水溶性アクリル化合物が、導電性高分子溶液中の全アクリル化合物100質量%に対して4.2〜66.6質量%であり、導電性高分子溶液中の全アクリル化合物の質量が、π共役系導電性高分子と水溶性ポリアニオンの合計に対して1.7〜16.6倍であり、
現像液が、水及び/又は水溶性溶媒を含む液であることを特徴とする導電性回路の形成方法。
[2] 水溶性アクリル化合物が、下記化学式(1)で表される化合物を含むことを特徴とする[1]に記載の導電性回路の形成方法。
Figure 2008277172
(化学式(1)におけるnは1以上の整数を表す。)
[3] 導電性高分子溶液が、さらに高導電化剤を含むことを特徴とする[1]または[2]に記載の導電性回路の形成方法。
[4] 高導電化剤が、下記化学式(2)で表される化合物、下記化学式(3)で表される化合物、下記化学式(4)で表される化合物よりなる群から選ばれる1種以上の化合物を含むことを特徴とする請求項3に記載の導電性回路の形成方法。
Figure 2008277172
(化学式(2)および化学式(3)における芳香環のヒドロキシ基で置換されていない部位は任意の置換基で置換されていてもよい。化学式(3)におけるa,bは各々独立して1以上の整数を表す。化学式(4)におけるcは1以上の整数を表す。また、化学式(4)におけるXはヒドロキシ基またはカルボキシ基を表す。)
[5] 現像液がpH5〜9の水溶液であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の導電性回路の形成方法。
[6] [1]〜[5]のいずれかに記載の導電性回路の形成方法により形成されたことを特徴とする導電性回路。
本発明の導電性回路の形成方法によれば、導電性が高く、しかもパターンの精度が高い導電性回路を簡便に形成できる。
本発明の導電性回路は、導電性が高く、しかもパターンの精度が高いものであるため、金属回路の代替が可能であり、プリント配線基板等の配線パターンとして好適である。
本発明の導電性回路の形成方法は、基材上に導電性高分子溶液を塗布して導電性塗膜を形成する塗膜形成工程と、その導電性塗膜をパターン露光した後、現像液を用いて現像して、回路部および非回路部を有する導電性回路を形成する回路形成工程とを有する方法である。
導電性高分子溶液は、π共役系導電性高分子と水溶性ポリアニオン(以下、ポリアニオンと略す。)と水溶性アクリル化合物と非水溶性アクリル化合物と溶媒とを含有するものである。導電性高分子溶液は、例えば、以下の導電性高分子溶液調製工程により調製される。
<導電性高分子溶液調製工程>
導電高分子溶液調製工程では、例えば、ポリアニオンと酸化剤と溶媒の存在下、π共役系導電性高分子の前駆体モノマーを重合した後、水溶性アクリル化合物と非水溶性アクリル化合物とを添加する方法、ポリアニオンと酸化剤と水溶性アクリル化合物と非水溶性アクリル化合物と溶媒の存在下、π共役系導電性高分子の前駆体モノマーを重合する方法などが適用される。
(π共役系導電性高分子)
ここで、π共役系導電性高分子の前駆体モノマーとしては、例えば、ピロール類及びその誘導体、チオフェン類及びその誘導体、アニリン類及びその誘導体等が挙げられる。
具体例としては、ピロール、N−メチルピロール、3−メチルピロール、3−エチルピロール、3−n−プロピルピロール、3−ブチルピロール、3−オクチルピロール、3−デシルピロール、3−ドデシルピロール、3,4−ジメチルピロール、3,4−ジブチルピロール、3−カルボキシルピロール、3−メチル−4−カルボキシルピロール、3−メチル−4−カルボキシエチルピロール、3−メチル−4−カルボキシブチルピロール、3−ヒドロキシピロール、3−メトキシピロール、3−エトキシピロール、3−ブトキシピロール、3−ヘキシルオキシピロール、3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール、3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール、チオフェン、3−メチルチオフェン、3−エチルチオフェン、3−プロピルチオフェン、3−ブチルチオフェン、3−ヘキシルチオフェン、3−ヘプチルチオフェン、3−オクチルチオフェン、3−デシルチオフェン、3−ドデシルチオフェン、3−オクタデシルチオフェン、3−ブロモチオフェン、3−クロロチオフェン、3−ヨードチオフェン、3−シアノチオフェン、3−フェニルチオフェン、3,4−ジメチルチオフェン、3,4−ジブチルチオフェン、3−ヒドロキシチオフェン、3−メトキシチオフェン、3−エトキシチオフェン、3−ブトキシチオフェン、3−ヘキシルオキシチオフェン、3−ヘプチルオキシチオフェン、3−オクチルオキシチオフェン、3−デシルオキシチオフェン、3−ドデシルオキシチオフェン、3−オクタデシルオキシチオフェン、3,4−ジヒドロキシチオフェン、3,4−ジメトキシチオフェン、3,4−ジエトキシチオフェン、3,4−ジプロポキシチオフェン、3,4−ジブトキシチオフェン、3,4−ジヘキシルオキシチオフェン、3,4−ジヘプチルオキシチオフェン、3,4−ジオクチルオキシチオフェン、3,4−ジデシルオキシチオフェン、3,4−ジドデシルオキシチオフェン、3,4−エチレンジオキシチオフェン、3,4−プロピレンジオキシチオフェン、3,4−ブテンジオキシチオフェン、3−メチル−4−メトキシチオフェン、3−メチル−4−エトキシチオフェン、3−カルボキシチオフェン、3−メチル−4−カルボキシチオフェン、3−メチル−4−カルボキシエチルチオフェン、3−メチル−4−カルボキシブチルチオフェン、アニリン、2−メチルアニリン、3−イソブチルアニリン、2−アニリンスルホン酸、3−アニリンスルホン酸等が挙げられる。
これら前駆体モノマーが重合することによって得られるπ共役系導電性高分子の中でも、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)から選ばれる1種又は2種からなる(共)重合体が導電性、反応性の点から好ましい。さらには、ポリピロール、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)は、導電性がより高い上に、耐熱性が向上する点から、より好ましい。
(ポリアニオン)
ポリアニオンとしては、例えば、置換若しくは未置換のポリアルキレン、置換若しくは未置換のポリアルケニレン、置換若しくは未置換のポリイミド、置換若しくは未置換のポリアミド、置換若しくは未置換のポリエステルであって、アニオン基を有する構成単位のみからなるポリマー、アニオン基を有する構成単位とアニオン基を有さない構成単位とからなるポリマーが挙げられる。
回路形成工程にて容易に現像できる点では、ポリアニオンは、25℃の水に0.1質量%以上溶解することが好ましく、0.5質量%以上溶解することがより好ましい。
ポリアルキレンとは、主鎖がメチレンの繰り返しで構成されているポリマーである。
ポリアルケニレンとは、主鎖に不飽和二重結合(ビニル基)が1個含まれる構成単位からなる高分子である。
ポリイミドとしては、ピロメリット酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−[4,4’−ジ(ジカルボキシフェニルオキシ)フェニル]プロパン二無水物等の酸無水物と、オキシジアニリン、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、ベンゾフェノンジアミン等のジアミンとが反応してなるポリイミドを例示できる。
ポリアミドとしては、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド6, 10等を例示できる。
ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等を例示できる。
上記ポリアニオンが置換基を有する場合、その置換基としては、アルキル基、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシ基、シアノ基、フェニル基、フェノール基、エステル基、アルコキシ基等が挙げられる。有機溶媒への溶解性、耐熱性及び樹脂への相溶性等を考慮すると、アルキル基、ヒドロキシ基、フェノール基、エステル基が好ましい。
アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、へキシル、オクチル、デシル、ドデシル等のアルキル基と、シクロプロピル、シクロペンチル及びシクロヘキシル等のシクロアルキル基が挙げられる。
ヒドロキシ基としては、ポリアニオンの主鎖に直接又は他の官能基を介在して結合したヒドロキシ基が挙げられ、他の官能基としては、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数2〜7のアルケニル基、アミド基、イミド基などが挙げられる。ヒドロキシ基は、これらの官能基の末端又は中に置換されている。
アミノ基としては、ポリアニオンの主鎖に直接又は他の官能基を介在して結合したアミノ基が挙げられ、他の官能基としては、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数2〜7のアルケニル基、アミド基、イミド基などが挙げられる。アミノ基は、これらの官能基の末端又は中に置換されている。
フェノール基としては、ポリアニオンの主鎖に直接又は他の官能基を介在して結合したフェノール基が挙げられ、他の官能基としては、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数2〜7のアルケニル基、アミド基、イミド基などが挙げられる。フェノール基は、これらの官能基の末端又は中に置換されている。
置換基を有するポリアルキレンの例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン、ポリヘキセン、ポリビニルアルコール、ポリビニルフェノール、ポリ(3,3,3−トリフルオロプロピレン)、ポリアクリロニトリル、ポリアクリレート、ポリスチレン等を例示できる。
ポリアルケニレンの具体例としては、プロペニレン、1−メチルプロペニレン、1−ブチルプロペニレン、1−デシルプロペニレン、1−シアノプロペニレン、1−フェニルプロペニレン、1−ヒドロキシプロペニレン、1−ブテニレン、1−メチル−1−ブテニレン、1−エチル−1−ブテニレン、1−オクチル−1−ブテニレン、1−ペンタデシル−1−ブテニレン、2−メチル−1−ブテニレン、2−エチル−1−ブテニレン、2−ブチル−1−ブテニレン、2−ヘキシル−1−ブテニレン、2−オクチル−1−ブテニレン、2−デシル−1−ブテニレン、2−ドデシル−1−ブテニレン、2−フェニル−1−ブテニレン、2−ブテニレン、1−メチル−2−ブテニレン、1−エチル−2−ブテニレン、1−オクチル−2−ブテニレン、1−ペンタデシル−2−ブテニレン、2−メチル−2−ブテニレン、2−エチル−2−ブテニレン、2−ブチル−2−ブテニレン、2−ヘキシル−2−ブテニレン、2−オクチル−2−ブテニレン、2−デシル−2−ブテニレン、2−ドデシル−2−ブテニレン、2−フェニル−2−ブテニレン、2−プロピレンフェニル−2−ブテニレン、3−メチル−2−ブテニレン、3−エチル−2−ブテニレン、3−ブチル−2−ブテニレン、3−ヘキシル−2−ブテニレン、3−オクチル−2−ブテニレン、3−デシル−2−ブテニレン、3−ドデシル−2−ブテニレン、3−フェニル−2−ブテニレン、3−プロピレンフェニル−2−ブテニレン、2−ペンテニレン、4−プロピル−2−ペンテニレン、4−プロピル−2−ペンテニレン、4−ブチル−2−ペンテニレン、4−ヘキシル−2−ペンテニレン、4−シアノ−2−ペンテニレン、3−メチル−2−ペンテニレン、4−エチル−2−ペンテニレン、3−フェニル−2−ペンテニレン、4−ヒドロキシ−2−ペンテニレン、ヘキセニレン等から選ばれる一種以上の構成単位を含む重合体を例示できる。
ポリアニオンのアニオン基としては、π共役系導電性高分子に化学酸化ドープし、かつ、プロトン酸がビニル基、グリシジル基、ヒドロキシ基のいずれかと結合可能なものであることが好ましい。具体的には、硫酸基、リン酸基、スルホ基、カルボキシ基、ホスホ基が好ましく、さらには、π共役系導電性高分子へのドーピング効果の点から、スルホ基、カルボキシ基がより好ましい。
また、このアニオン基は、隣接して又は一定間隔をあけてポリアニオンの主鎖に配置されていることが好ましい。
上記ポリアニオンのうち、スルホ基を有するポリアニオンとしては、例えば、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリルスルホン酸、ポリメタクリルスルホン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)、ポリイソプレンスルホン酸などが挙げられる。これらは単独重合体であってもよいし、2種以上の共重合体であってもよい。
また、カルボキシ基を有するポリアニオンとしては、例えば、ポリビニルカルボン酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリアリルカルボン酸、ポリアクリルカルボン酸、ポリメタクリルカルボン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸)、ポリイソプレンカルボン酸、ポリアクリル酸などが挙げられる。これらは単独重合体であってもよいし、2種以上の共重合体であってもよい。
ポリアニオンの重合度は、モノマー単位が10〜100,000個の範囲であることが好ましく、溶媒溶解性及び導電性の点からは、50〜10,000個の範囲がより好ましい。さらには、回路形成工程にて光が照射されない部分の現像液への溶解性が向上する点では、50〜8,000個の範囲が特に好ましい。
導電性高分子溶液中のポリアニオンの含有量は、π共役系導電性高分子1モルに対して0.1〜10モルの範囲であることが好ましく、1〜7モルの範囲であることがより好ましい。さらには、回路形成工程にて光が照射されない部分の現像液への溶解性が向上する点では、2〜7モルの範囲が特に好ましい。
(酸化剤)
酸化剤としては、前記前駆体モノマーを酸化させてπ共役系導電性高分子を得ることができるものであればよく、例えば、ぺルオキソ二硫酸アンモニウム(過硫酸アンモニウム)、ぺルオキソ二硫酸ナトリウム(過硫酸ナトリウム)、ぺルオキソ二硫酸カリウム(過硫酸カリウム)等のぺルオキソ二硫酸塩、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、硝酸第二鉄、塩化第二銅等の遷移金属化合物、三フッ化ホウ素、塩化アルミニウムなどの金属ハロゲン化合物、酸化銀、酸化セリウム等の金属酸化物、過酸化水素、オゾン等の過酸化物、過酸化ベンゾイル等の有機過酸化物、酸素等が挙げられる。
(溶媒)
溶媒としては特に制限されず、前記前駆体モノマーを溶解又は分散しうる溶媒であり、酸化剤の酸化力を維持させることができるものであればよい。例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート化合物、クレゾール、フェノール、キシレノール等のフェノール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類、ジオキサン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル化合物、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル化合物、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチレンホスホルトリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジン、ジメチルイミダゾリン、酢酸エチル、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ジフェニルスルホン酸等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いてもよいし、2種類以上の混合物としてもよいし、他の有機溶媒との混合物としてもよい。
なお、前駆体モノマーの際に用いた溶媒は、そのまま導電性高分子溶液の溶媒になる。
上記ポリアニオンと酸化剤と溶媒の存在下、π共役系導電性高分子の前駆体モノマーを化学酸化重合した場合には、π共役系導電性高分子とポリアニオンとが複合した複合体を形成する。その複合体の形成の際には、π共役系導電性高分子の主鎖の成長と共にポリアニオンのアニオン基がπ共役系導電性高分子と塩を形成するため、π共役系導電性高分子の主鎖はポリアニオンに沿って成長する。よって、得られたπ共役系導電性高分子とポリアニオンは無数に塩を形成した複合体になる。この複合体においては、π共役系導電性高分子のモノマー3ユニットに対して1ユニットのアニオン基が塩を形成し、短く成長したπ共役系導電性高分子の数本が長いポリアニオンに沿って塩を形成しているものと推定されている。
(高導電化剤)
高導電化剤は、π共役系導電性高分子またはπ共役系導電性高分子のドーパントと相互作用し、π共役系導電性高分子の電気伝導度を向上させるものである。
高導電化剤としては、例えば、窒素含有芳香族性環式化合物、2個以上のヒドロキシ基を含む化合物、2個以上のカルボキシ基を含む化合物、1個以上のヒドロキシ基及び1個以上のカルボキシ基を含む化合物、スルホ基とカルボキシ基を含む化合物、アミド基を含む化合物、イミド基を含む化合物、ラクタム化合物、グリシジル基を含む化合物、2個以上のヒドロキシ基を含むベンゾフェノン等が挙げられる。
[窒素含有芳香族性環式化合物]
窒素含有芳香族性環式化合物とは、少なくとも1個以上の窒素原子を含む芳香族性環を有し、芳香族性環中の窒素原子が芳香性環中の他の原子と共役関係を持つものである。共役関係となるためには、窒素原子と他の原子とが不飽和結合を形成している。あるいは、窒素原子が直接的に他の原子と不飽和結合を形成していなくても、不飽和結合を形成している他の原子に隣接していればよい。窒素原子上に存在している非共有電子対が、他の原子同士で形成されている不飽和結合と擬似的な共役関係を構成できるからである。
窒素含有芳香族性環式化合物においては、他の原子と共役関係を有する窒素原子と、不飽和結合を形成している他の原子に隣接している窒素原子を共に有することが好ましい。
このような窒素含有芳香族性環式化合物としては、例えば、一つの窒素原子を含有するピリジン類及びその誘導体、二つの窒素原子を含有するイミダゾール類及びその誘導体、ピリミジン類及びその誘導体、ピラジン類及びその誘導体、三つの窒素原子を含有するトリアジン類及びその誘導体等が挙げられる。溶媒溶解性等の観点からは、ピリジン類及びその誘導体、イミダゾール類及びその誘導体、ピリミジン類及びその誘導体が好ましい。
また、窒素含有芳香族性環式化合物は、アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、フェニル基、フェノール基、エステル基、アルコキシ基、カルボニル基等の置換基が環に導入されたものでもよいし、導入されていないものでもよい。また、環は多環であってもよい。
置換基のうち、アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル等のアルキル基、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のシクロアルキル基が挙げられる。中でも、有機溶剤への溶解性、樹脂への分散性、立体障害等を考慮すると、炭素数1〜12のアルキル基が好ましい。
ヒドロキシ基としては、ヒドロキシ、メチレンヒドロキシ、エチレンヒドロキシ、トリメチレンヒドロキシ、テトラメチレンヒドロキシ、ペンタメチレンヒドロキシ、ヘキサメチレンヒドロキシ、ヘプタメチレンヒドロキシ、プロピレンヒドロキシ、ブチレンヒドロキシ、エチルメチレンヒドロキシ等のアルキレンヒドロキシ基、プロペニレンヒドロキシ、ブテニレンヒドロキシ、ペンテニレンヒドロキシ等のアルケニレンヒドロキシ基が挙げられる。
カルボキシ基としては、カルボキシ、メチレンカルボキシ、エチレンカルボキシ、トリメチレンカルボキシ、プロピレンカルボキシ、テトラメチレンカルボキシ、ペンタメチレンカルボキシ、ヘキサメチレンカルボキシ、ヘプタメチレカルボキシ、エチルメチレンカルボキシ、フェニルエチレンカルボキシ等のアルキレンカルボキシ、イソプレンカルボキシ、プロペニレンカルボキシ、ブテニレンカルボキシ、ペンテニレンカルボキシ等のアルケニレンカルボキシ基が挙げられる。
シアノ基としては、シアノ、メチレンシアノ、エチレンシアノ、トリメチレンシアノ、テトラメチレンシアノ、ペンタメチレンシアノ、ヘキサメチレンシアノ、ヘプタメチレンシアノ、プロピレンシアノ、ブチレンシアノ、エチルメチレンシアノ等のアルキレンシアノ基、プロペニレンシアノ、ブテニレンシアノ、ペンテニレンシアノ等のアルケニレンシアノ基が挙げられる。
フェノール基としては、フェノール、メチルフェノール、エチルフェノール、ブチルフェノール等のアルキルフェノール基、メチレンフェノール、エチレンフェノール、トリメチレンフェノール、テトラメチレンフェノール、ペンタメチレンフェノール、ヘキサメチレンフェノール等のアルキレンフェノール基等が挙げられる。
フェニル基としては、フェニル、メチルフェニル、ブチルフェニル、オクチルフェニル、ジメチルフェニル、等のアルキルフェニル基と、メチレンフェニル、エチレンフェニル、トリメチレンフェニル、テトラメチレンフェニル、ペンタメチレンフェニル、ヘキサメチレンフェニル、ヘプタメチレンフェニル等のアルキレンフェニル基と、プロペニレンフェニル、ブテニレンフェニル、ペンテニレンフェニル等のアルケニレンフェニル等が挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、ブトキシ、フェノキシ等が挙げられる。
ピリジン類及びその誘導体の具体的な例としては、ピリジン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、4−エチルピリジン、N−ビニルピリジン、2,4−ジメチルピリジン、2,4,6−トリメチルピリジン、3−シアノ−5−メチルピリジン、2−ピリジンカルボン酸、6−メチル−2−ピリジンカルボン酸、4−ピリジンカルボキシアルデヒド、4−アミノピリジン、2,3−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノ−4−メチルピリジン、4−ヒドロキシピリジン、4−ピリジンメタノール、2,6−ジヒドロキシピリジン、2,6−ピリジンジメタノール、6−ヒドロキシニコチン酸メチル、2−ヒドロキシ−5−ピリジンメタノール、6−ヒドロキシニコチン酸エチル、4−ピリジンメタノール、4−ピリジンエタノール、2−フェニルピリジン、3−メチルキノリン、3−エチルキノリン、キノリノール、2,3−シクロペンテノピリジン、2,3−シクロヘキサノピリジン、1,2−ジ(4−ピリジル)エタン、1,2−ジ(4−ピリジル)プロパン、2−ピリジンカルボキシアルデヒド、2−ピリジンカルボン酸、2−ピリジンカルボニトリル、2,3−ピリジンジカルボン酸、2,4−ピリジンジカルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸、2,6−ピリジンジカルボン酸、3−ピリジンスルホン酸等が挙げられる。
イミダゾール類及びその誘導体の具体的な例としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−プロピルイミダゾール、2−ウンデジルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、N−メチルイミダゾール、N−ビニルイミダゾール、N−アリルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、1−アセチルイミダゾール、4,5−イミダゾールジカルボン酸、4,5−イミダゾールジカルボン酸ジメチル、ベンズイミダゾール、2−アミノべンズイミダゾール、2−アミノべンズイミダゾール−2−スルホン酸、2−アミノ−1−メチルべンズイミダゾール、2−ヒドロキシべンズイミダゾール、2−(2−ピリジル)べンズイミダゾール等が挙げられる。
ピリミジン類及びその誘導体の具体的な例としては、2−アミノ−4−クロロ−6−メチルピリミジン、2−アミノ−6−クロロ−4−メトキシピリミジン、2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジン、2−アミノ−4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−アミノ−4,6−ジメチルピリミジン、2−アミノ−4,6−ジメトキシピリミジン、2−アミノピリミジン、2−アミノ−4−メチルピリミジン、4,6−ジヒドロキシピリミジン、2,4−ジヒドロキシピリミジン−5−カルボン酸、2,4,6−トリアミノピリミジン、2,4−ジメトキシピリミジン、2,4,5−トリヒドロキシピリミジン、2,4−ピリミジンジオール等が挙げられる。
ピラジン類及びその誘導体の具体的な例としては、ピラジン、2−メチルピラジン、2,5−ジメチルピラジン、ピラジンカルボン酸、2,3−ピラジンジカルボン酸、5−メチルピラジンカルボン酸、ピラジンアミド、5−メチルピラジンアミド、2−シアノピラジン、アミノピラジン、3−アミノピラジン−2−カルボン酸、2−エチル−3−メチルピラジン、2−エチル−3−メチルピラジン、2,3−ジメチルピラジン、2,3−ジエチルピラジン等が挙げられる。
トリアジン類及びその誘導体の具体的な例としては、1,3,5−トリアジン、2−アミノ−1,3,5−トリアジン、3−アミノ−1,2,4−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリ−2−ピリジン−1,3,5−トリアジン、3−(2−ピリジン)−5,6−ビス(4−フェニルスルホン酸)−1,2,4―トリアジン二ナトリウム、3−(2−ピリジン)−5,6−ジフェニル−1,2,4−トリアジン、3−(2−ピリジン)−5,6−ジフェニル−1,2,4―トリアジン−ρ,ρ’−ジスルホン酸二ナトリウム、2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
窒素含有芳香族性環式化合物における窒素原子には非共有電子対が存在しているため、窒素原子上には置換基又はプロトンが配位又は結合されやすい。窒素原子上に置換基又はプロトンが配位又は結合された場合には、窒素原子上にカチオン電荷を帯びる傾向がある。ここで、窒素原子と他の原子とは共役関係を有しているため、窒素原子上に置換基又はプロトンが配位又は結合されたことによって生じたカチオン電荷は窒素含有芳香族性環中に拡散されて、安定した形で存在するようになる。
このようなことから、窒素含有芳香族性環式化合物は、窒素原子に置換基が導入されて窒素含有芳香族性環式化合物カチオンを形成していてもよい。さらに、そのカチオンとアニオンとが組み合わされて塩が形成されていてもよい。塩であっても、カチオンでない窒素含有芳香族性環式化合物と同様の効果を発揮する。
窒素含有芳香族性環式化合物の窒素原子に導入される置換基としては、水素、アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、フェニル基、フェノール基、エステル基、アルコキシ基、カルボニル基等が挙げられる。置換基の種類は前記に示される置換基を導入することができる。
[2個以上のヒドロキシ基を含む化合物]
2個以上のヒドロキシ基を含む化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、D−グルコース、D−グルシトール、イソプレングリコール、ジメチロールプロピオン酸、ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、チオジグリコール、グルコース、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、酒石酸、D−グルカル酸、グルタコン酸等の多価脂肪族アルコール類;ポリビニルアルコール、セルロース、多糖、糖アルコール等の高分子アルコール;1,4−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、2,3−ジヒドロキシ−1−ペンタデシルベンゼン、2,4−ジヒドロキシアセトフェノン、2,5−ジヒドロキシアセトフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,6−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,5−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,4‘−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、2,2’,5,5’−テトラヒドロキシジフェニルスルフォン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、ヒドロキシキノンカルボン酸及びその塩類、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、1,4−ヒドロキノンスルホン酸及びその塩類、4,5−ヒドロキシベンゼン−1,3−ジスルホン酸及びその塩類、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボン酸、1,6−ジヒドロキシナフタレン−2,5−ジカルボン酸、1,5−ジヒドロキシナフトエ酸、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、4,5−ジヒドロキシナフタレン−2,7−ジスルホン酸及びその塩類、1,8−ジヒドロキシ−3,6−ナフタレンジスルホン酸及びその塩類、6,7−ジヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸及びその塩類、1,2,3−トリヒドロキシベンゼン(ピロガロール)、4−カルボキシピロガロール、5−メチルピロガロール、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、5−メチル−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、5−エチル−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、5−プロピル−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、トリヒドロキシ安息香酸、トリヒドロキシアセトフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾアルデヒド、トリヒドロキシアントラキノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゼン、テトラヒドロキシ−p−ベンゾキノン、テトラヒドロキシアントラキノン、ガーリック酸、ガーリック酸メチル、ガーリック酸エチル、ガーリック酸プロピル、ガーリック酸ブチル、ヒドロキノンスルホン酸カリウム等の芳香族化合物等が挙げられる。
導電性塗膜中に2個以上のヒドロキシ基化合物を含む場合には、以下の理由から、導電性及び熱安定性をより高くすることができる。すなわち、導電性高分子溶液中のπ共役系導電性高分子は高度な酸化状態にあるため、熱等によりその一部が酸化劣化しやすくなっている。そのため、ラジカルが発生し、ラジカル連鎖によって劣化が進行すると考えられる。ところが、2個以上のヒドロキシ基含有化合物は、ヒドロキシ基のラジカル捕捉によって、ラジカル連鎖が遮断され、劣化の進行を抑制でき、熱安定性が向上するものと推測される。
また、ヒドロキシ基がポリアニオン及びπ共役系導電性高分子との間で水素結合を形成することによってπ共役系導電性高分子同士を接近させることができ、π共役系導電性高分子同士間の電気伝導現象であるホッピングに必要なエネルギーが小さくなり、全体の電気抵抗が小さくなるため、導電性がより向上するものと考えられる。
[2個以上のカルボキシ基を含む化合物]
2個以上のカルボキシ基を含む化合物としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、マロン酸、1,4−ブタンジカルボン酸、コハク酸、酒石酸、アジピン酸、D−グルカル酸、グルタコン酸、クエン酸等の脂肪族カルボン酸類化合物;フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、5−スルホイソフタル酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、4,4’−オキシジフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の、芳香族性環に少なくとも一つ以上のカルボキシ基が結合している芳香族カルボン酸類化合物;ジグリコール酸、オキシ二酪酸、チオ二酢酸、チオ二酪酸、イミノ二酢酸、イミノ酪酸等が挙げられる。
[1個以上のヒドロキシ基及び1個以上のカルボキシ基を含む化合物]
1個以上のヒドロキシ基及び1個以上のカルボキシ基を含む化合物としては、酒石酸、グリセリン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロールプロパン酸、D−グルカル酸、グルタコン酸等が挙げられる。
[アミド化合物]
アミド基を含む化合物としては、−CO−NH−(COの部分は二重結合)で表されるアミド結合を分子中に有する単分子化合物の総称である。すなわち、アミド化合物としては、例えば、上記結合の両末端に官能基を有する化合物、上記結合が環状化合物の一部を構成する化合物、上記両末端の官能基が水素である尿素及び尿素誘導体などが挙げられる。
アミド化合物の具体例としては、アセトアミド、マロンアミド、スクシンアミド、マレアミド、フマルアミド、ベンズアミド、ナフトアミド、フタルアミド、イソフタルアミド、テレフタルアミド、ニコチンアミド、イソニコチンアミド、2−フルアミド、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、プロピオンアミド、プロピオルアミド、ブチルアミド、イソブチルアミド、メタクリルアミド、パルミトアミド、ステアリルアミド、オレアミド、オキサミド、グルタルアミド、アジプアミド、シンナムアミド、グルコールアミド、ラクトアミド、グリセルアミド、タルタルアミド、シトルアミド、グリオキシルアミド、プルブアミド、アセトアセトアミド、ジメチルアセトアミド、ベンジルアミド、アントラニルアミド、エチレンジアミンテトラアセトアミド、ジアセトアミド、トリアセトアミド、ジベンズアミド、トリベンズアミド、ローダニン、尿素、1−アセチル−2−チオ尿素、ビウレット、ブチル尿素、ジブチル尿素、1,3−ジメチル尿素、1,3−ジエチル尿素及びこれらの誘導体等が挙げられる。
アミド化合物の分子量は46〜10000であることが好ましく、46〜5,000であることがより好ましく、46〜1000であることが特に好ましい。
[イミド化合物]
イミド化合物は、導電性がより高くなることから、イミド結合を有する単分子化合物(以下、イミド化合物という。)が好ましい。ここで、イミド化合物とは、−CO−NH−CO−(COの部分は二重結合)で表される結合構造を分子中に有する化合物のことである。
イミド化合物は両末端の官能基の種類によって、脂肪族イミド、芳香族イミド等の分類もされるが、その骨格より、フタルイミド及びフタルイミド誘導体、スクシンイミド及びスクシンイミド誘導体、ベンズイミド及びベンズイミド誘導体、マレイミド及びマレイミド誘導体、ナフタルイミド及びナフタルイミド誘導体などが挙げられる。溶解性の観点からは、脂肪族イミドが好ましい。
さらに、脂肪族イミド化合物は、分子内の炭素間に不飽和結合を有する飽和脂肪族イミド化合物と、分子内の炭素間に不飽和結合を有する不飽和脂肪族イミド化合物とに分類される。
飽和脂肪族イミド化合物は、R−CO−NH−CO−Rで表される化合物であり、R,Rの両方が飽和炭化水素である化合物である。具体例としては、シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシイミド、アラントイン、ヒダントイン、バルビツル酸、アロキサン、グルタルイミド、スクシンイミド、5−ブチルヒダントイン酸、5,5−ジメチルヒダントイン、1−メチルヒダントイン、1,5,5−トリメチルヒダントイン、5−ヒダントイン酢酸、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、グルタルイミド、セミカルバジド、α,α−ジメチル−6−メチルスクシンイミド、ビス[2−(スクシンイミドオキシカルボニルオキシ)エチル]スルホン、α−メチル−α−プロピルスクシンイミド、シクロヘキシルイミドなどが挙げられる。
不飽和脂肪族イミド化合物は、R−CO−NH−CO−Rで表される化合物であり、R,Rの一方又は両方が1つ以上の不飽和結合である化合物である。具体例としては、1,3−ジプロピレン尿素、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−ヒドロキシマレイミド、1,4−ビスマレイミドブタン、1,6−ビスマレイミドヘキサン、1,8−ビスマレイミドオクタン、N−カルボキシヘプチルマレイミドなどが挙げられる。
イミド化合物の分子量は60〜5,000であることが好ましく、70〜1,000であることがより好ましく、80〜500であることが特に好ましい。
[ラクタム化合物]
ラクタム化合物とは、アミノカルボン酸の分子内環状アミドであり、環の一部に−CO−NR−(Rは水素または任意の置換基である。)を含むものである。環の一個以上の炭素原子が不飽和やヘテロ原子に置き換わっていてもよい。
ラクタム化合物としては、例えば、ペンタノ−4−ラクタム、4−ペンタンラクタム、5−メチル−2−ピロリドン、 5−メチル−2−ピロリジノン、ヘキサノ−6−ラクタム、6−ヘキサンラクタム等が挙げられる。
[グリシジル基を有する化合物]
グリシジル基を有する化合物としては、例えば、エチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、t−ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ベンジルグリシジルエーテル、グリシジルフェニルエーテル、ビスフェノールA、ジグリシジルエーテル、メタクリル酸グリシジルエーテル等のグリシジル化合物などが挙げられる。
また、高導電化剤は、上記化学式(2)で表される化合物(以下、化合物2という。)、上記化学式(3)で表される化合物(以下、化合物3という。)および上記化学式(4)で表される化合物(以下、化合物4という。)よりなる群から選ばれる1種以上を含むことが好ましい。これらの化合物を含めば、導電性を向上させるだけでなく、光安定性を向上させることもできる。
なお、化学式(2)および化学式(3)における芳香環のヒドロキシ基で置換されていない部位は任意の置換基で置換されていてもよい。
化学式(3)におけるa,bは各々独立して1以上の整数を表す。化学式(4)におけるcは1以上の整数を表す。
また、化学式(4)におけるXはヒドロキシ基またはカルボキシ基を表す。
化合物2の具体例としては、ピロガロール、4−カルボキシピロガロール、5−メチルピロガロール、2,3,4−トリヒドロキシアセトフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシジフェニルメタン、2,3,4−トリヒドロキシベンズアルデヒド、2,3,4−トリヒドロキシジフェニルメタン、ガーリック酸、ガーリック酸メチル、ガーリック酸エチル、ガーリック酸プロピル、ガーリック酸ブチル等が挙げられる。
化合物3の具体例としては、2,2’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,3’4,4’5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン等が挙げられる。
化合物4の具体例としては、チオ二酢酸、チオ二プロピオン酸、チオ二グリコール、チオ二プロパノール等が挙げられる。
高導電化剤の含有量はπ共役系導電性高分子とポリアニオンの合計質量に対して0.1〜1000倍量であることが好ましく、1〜100倍量であることがより好ましい。高導電化剤の含有量が前記下限値未満であると、高導電化剤添加による効果が低くなる傾向にあり、前記上限値を超えると、π共役系導電性高分子濃度の低下に起因する導電性の低下が起こることがある。
(水溶性アクリル化合物)
水溶性アクリル化合物は、アクリル基(CH=CHCO−)を有し、紫外線硬化性または電子線硬化性を有する化合物である。水溶性アクリル化合物のアクリル基は1つ(単官能)であってもよいし、2つ以上(多官能)であってもよい。
また、水溶性アクリル化合物は、水の質量に対して0.1倍以上溶解するアクリル化合物である。好ましくは、0.5倍以上溶解するアクリル化合物である。水溶性アクリル化合物が、水の質量に対して0.1倍以上溶解することにより、現像後に非回路部に異物が残りにくくなるため、現像液の使用量を少なくできる。
水溶性アクリルの分子量は1000以下であることが好ましく、600以下であることがより好ましくは、300以下であることが特に好ましい。水溶性アクリルの分子量が1000以上であれば、ポリアニオンとの相溶性が向上し、塗膜を容易に均一にできる。
水溶性アクリル化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、エチル−α−ヒドロキシメチルアクリレート、ジペンタエリストリトールモノペンタヒドロキシモノアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
水溶性アクリル化合物の中でも、π共役系導電性高分子との相互溶解性の点からは、アクリルアミド(メタクリルアミド)化合物である2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミドが好ましく、作製された回路の導電性がより高くなることから上記化学式(1)で表される化合物(nは1以上の整数。)がより好ましく、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミドが特に好ましい。
(非水溶性アクリル化合物)
非水溶性アクリル化合物は、アクリル基(CH=CHCO−)を有し、紫外線硬化性または電子線硬化性を有する化合物である。水溶性アクリル化合物のアクリル基は1つ(単官能)であってもよいし、2つ以上(多官能)であってもよい。
非水溶性アクリル化合物は、水に対する溶解量が、水100質量%に対して3質量%以下のものである。好ましくは、水100質量%に対して1質量%以下のものである。水に対する溶解量が、水100質量%に対して3質量%以下であることにより、ポリアニオンとの相溶性がより低くなるため、現像時の非露光部の剥離性をより高くできる。
非水溶性アクリル化合物の分子量は1000以下であることが好ましく、600以下であることがより好ましくは、300以下であることが特に好ましい。非水溶性アクリル化合物の分子量が1000以上であれば、ポリアニオンとの相溶性が向上し、塗膜を容易に均一にできる。
非水溶性アクリル化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル系モノマー、(メタ)アクリルアミド系モノマーが挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ベンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
(メタ)アクリルアミド系化合物としては、例えば、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンジアミン、ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ペンタメチレンジアミン、ビス(2−アミノプロピル)アミン、ジエチレントリアミンジアミン、フェニレンジアミン、ジアミン安息香酸などから誘導されるポリ(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
これらのモノマーは光重合性を有するものであり、光重合性モノマーと呼ばれるものである。
(アクリル化合物の含有量)
導電性高分子溶液中の全アクリル化合物の質量は、π共役系導電性高分子とポリアニオンの合計に対して1.7〜16.6倍であり、2〜10倍であることが好ましい。
全アクリル化合物の質量が、π共役系導電性高分子とポリアニオンの合計に対して16.6倍以下であることにより、アクリル化合物量が過剰にならず、導電性回路の導電性を確保できる。全アクリル化合物の質量が、π共役系導電性高分子とポリアニオンの合計に対して1.7倍以上であることにより、非露光部の現像時の剥離性を確保できる。
非水溶性アクリル化合物の量は、導電性高分子溶液中の全アクリル化合物100質量%に対して4.2〜66.6質量%であり、5〜50質量%であることが好ましい。
非水溶性アクリル化合物の量が、導電性高分子溶液中の全アクリル化合物100質量%に対して4.2質量%以上であることにより、非露光部の剥離性を確保することができ、66.6質量%以下であることにより、均一な塗膜を形成でき、安定した導電性を得ることができる。
[ドーパント]
導電性高分子溶液において、ポリアニオンはπ共役系導電性高分子のドーパントとして機能するが、導電性高分子溶液にはポリアニオン以外のドーパント(以下、他のドーパントという。)が含まれていてもよい。
他のドーパントとしては、π共役系導電性高分子を酸化還元させることができればドナー性のものであってもよく、アクセプタ性のものであってもよい。
ドナー性ドーパントとしては、例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、メチルトリエチルアンモニウム、ジメチルジエチルアンモニウム等の4級アミン化合物等が挙げられる。
アクセプタ性ドーパントとしては、例えば、ハロゲン化合物、ルイス酸、プロトン酸、有機シアノ化合物、有機金属化合物、フラーレン、水素化フラーレン、水酸化フラーレン、カルボン酸化フラーレン、スルホン酸化フラーレン等を使用できる。
さらに、ハロゲン化合物としては、例えば、塩素(Cl)、臭素(Br2)、ヨウ素(I)、塩化ヨウ素(ICl)、臭化ヨウ素(IBr)、フッ化ヨウ素(IF)等が挙げられる。
ルイス酸としては、例えば、PF、AsF、SbF、BF、BCl、BBr、SO等が挙げられる。
有機シアノ化合物としては、共役結合に二つ以上のシアノ基を含む化合物が使用できる。例えば、テトラシアノエチレン、テトラシアノエチレンオキサイド、テトラシアノベンゼン、ジクロロジシアノベンゾキノン(DDQ)、テトラシアノキノジメタン、テトラシアノアザナフタレン等が挙げられる。
プロトン酸としては、無機酸、有機酸が挙げられる。さらに、無機酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウフッ化水素酸、フッ化水素酸、過塩素酸等が挙げられる。また、有機酸としては、有機カルボン酸、フェノール類、有機スルホン酸等が挙げられる。
有機カルボン酸としては、脂肪族、芳香族、環状脂肪族等にカルボキシ基を一つ又は二つ以上を含むものを使用できる。例えば、ギ酸、酢酸、シュウ酸、安息香酸、フタル酸、マレイン酸、フマル酸、マロン酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ニトロ酢酸、トリフェニル酢酸等が挙げられる。
有機スルホン酸としては、脂肪族、芳香族、環状脂肪族等にスルホ基を一つ又は二つ以上含むもの、又は、スルホ基を含む高分子を使用できる。
スルホ基を一つ含むものとして、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1−プロパンスルホン酸、1−ブタンスルホン酸、1−ヘキサンスルホン酸、1−ヘプタンスルホン酸、1−オクタンスルホン酸、1−ノナンスルホン酸、1−デカンスルホン酸、1−ドデカンスルホン酸、1−テトラデカンスルホン酸、1−ペンタデカンスルホン酸、2−ブロモエタンスルホン酸、3−クロロ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロエタンスルホン酸、コリスチンメタンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アミノメタンスルホン酸、1−アミノ−2−ナフトール−4−スルホン酸、2−アミノ−5−ナフトール−7−スルホン酸、3−アミノプロパンスルホン酸、N−シクロヘキシル−3−アミノプロパンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、プロピルベンゼンスルホン酸、ブチルベンゼンスルホン酸、ペンチルベンゼンスルホン酸、ヘキチルベンゼンスルホン酸、ヘプチルベンゼンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、ノニルベンゼンスルホン酸、デシルベンゼンスルホン酸、ウンデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ペンタデシルベンゼンスルホン酸、ヘキサデシルベンゼンスルホン酸、2,4−ジメチルベンゼンスルホン酸、ジプロピルベンゼンスルホン酸、4−アミノベンゼンスルホン酸、o−アミノベンゼンスルホン酸、メタアミノベンゼンスルホン酸、4−アミノ−2−クロロトルエン−5−スルホン酸、4−アミノ−3−メチルベンゼン−1−スルホン酸、4−アミノ−5−メトキシ−2−メチルベンゼンスルホン酸、2−アミノ−5−メチルベンゼン−1−スルホン酸、4−アミノ−2−メチルベンゼン−1−スルホン酸、5−アミノ−2−メチルベンゼン−1−スルホン酸、4−アミノ−3−メチルベンゼン−1−スルホン酸、4−アセトアミド−3−クロロベンゼンスルホン酸、4−クロロ−3−ニトロベンゼンスルホン酸、p−クロロベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、メチルナフタレンスルホン酸、プロピルナフタレンスルホン酸、ブチルナフタレンスルホン酸、ペンチルナフタレンスルホン酸、4−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸、8−クロロナフタレン−1−スルホン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物、メラミンスルホン酸ホルマリン重縮合物、アントラキノンスルホン酸、ピレンスルホン酸等が挙げられる。また、これらの金属塩も使用できる。
スルホ基を二つ以上含むものとしては、例えば、エタンジスルホン酸、ブタンジスルホン酸、ペンタンジスルホン酸、デカンジスルホン酸、o−ベンゼンジスルホン酸、m−ベンゼンジスルホン酸、p−ベンゼンジスルホン酸、トルエンジスルホン酸、キシレンジスルホン酸、クロロベンゼンジスルホン酸、フルオロベンゼンジスルホン酸、ジメチルベンゼンジスルホン酸、ジエチルベンゼンジスルホン酸、アニリン−2,4−ジスルホン酸、アニリン−2,5−ジスルホン酸、3,4−ジヒドロキシ−1,3−ベンゼンジスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、メチルナフタレンジスルホン酸、エチルナフタレンジスルホン酸、ペンタデシルナフタレンジスルホン酸、3−アミノ−5−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジスルホン酸、1−アセトアミド−8−ヒドロキシ−3,6−ナフタレンジスルホン酸、2−アミノ−1,4−ベンゼンジスルホン酸、1−アミノ−3,8−ナフタレンジスルホン酸、3−アミノ−1,5−ナフタレンジスルホン酸、8−アミノ−1−ナフトール−3,6−ジスルホン酸、4−アミノ−5−ナフトール−2,7−ジスルホン酸、4−アセトアミド−4’−イソチオ−シアノトスチルベン−2,2’−ジスルホン酸、4−アセトアミド−4’−イソチオシアナトスチルベン−2,2’−ジスルホン酸、4−アセトアミド−4’−マレイミジルスチルベン−2,2’−ジスルホン酸、ナフタレントリスルホン酸、ジナフチルメタンジスルホン酸、アントラキノンジスルホン酸、アントラセンスルホン酸等が挙げられる。また、これらの金属塩も使用できる。
導電性高分子溶液の固形分濃度は0.01〜5質量%であることが好ましく、0.05〜2質量%であることがより好ましい。導電性高分子溶液の固形分濃度が0.01質量%未満であると、充分な導電性が得られないことがあり、5質量%を超えると、導電性高分子溶液の保存安定性が損なわれることがある。
(塗膜形成工程)
塗膜形成工程にて上記導電性高分子溶液が塗布される基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネートなどのフィルムまたはシートが挙げられる。また、ガラス基板、シリコン基板なども使用できる。
基材上には、導電性塗膜との密着性を向上させるために、プライマー層を形成したり、コロナ処理、プラズマ処理等の表面改質処理をしておいてもよい。プライマー層としては、公知の接着剤、熱硬化性化合物、光硬化性化合物などが挙げられる。
導電性高分子溶液の塗布方法としては、例えば、バーコータ塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布、グラビア塗布などが挙げられる。
塗布した導電性高分子溶液は、通常、乾燥機によって溶媒を除去する。
乾燥条件は、後述する現像時のパターン精度、速度に影響を与えることがある。乾燥温度が高すぎると光重合開始剤や、増感剤が熱により分解してアクリル樹脂の重合を開始してしまうし、乾燥温度が低すぎると、導電性高分子溶液の溶媒が塗膜に残り、塗膜の強度が弱くなる。これらのことから、乾燥温度は40〜150℃であることが好ましく、60〜120℃であることがより好ましい。
(回路形成工程)
回路形成工程にて、導電性塗膜をパターン露光する方法としては、マスクを用いてパターニングする方法が適用される。この際、マスクはネガ型とし、回路として形成したい部分のみに露光するようにする。マスクとしては、例えば、ガラスマスク、フィルムマスクが使用できる。
パターン露光の際の光エネルギーの波長領域としては、400〜1300nmであることが好ましい。このような波長領域の光エネルギーの光源としては、例えば、Arレーザ、ルビーレーザ、He−Neレーザ、半導体レーザ、YAGレーザ、炭酸ガスレーザなどが挙げられる。また、露光時に加熱をする場合には、光源として、メタルハライドランプ、キセノンランプ、タングステンランプ、カーボンアーク灯、水銀灯などを使用することができる。
導電性塗膜をパターン露光した際には、導電性塗膜の、マスクで遮光されていない露光部中のアクリル化合物が重合する。
このときのアクリル化合物の重合を促進するためには、あらかじめ導電性高分子溶液に光重合開始剤を含有させておくことが好ましい。
重合が光ラジカル重合法である場合には、光重合開始剤として、カルボニル化合物、イオウ化合物、有機過酸化物、アゾ化合物などを用いる。具体的には、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジメチルアミン)ベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−ジメチルアミノベンゾフェノン、4−ジメチルアミノアセトフェノン、アントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、2−メチルアントラキノン、2,4−ジエチルチオキサントン、フルオレノン、アクドリン、ミヒラーズケトン、キサントン、チオキサントン、2−エチルアントラキノン、アセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ベンジル、メチルベンゾイルホルメート、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、テトラメチルチウラム、ジチオカーバメート、過酸化ベンゾイル、N−ラウリルピリジウムアジド、ポリメチルフェニルシランなどが挙げられる。
光ラジカル重合法で重合する場合には、光感度を向上させるための増感剤を添加することが好ましい。増感剤としては、例えば、吸収した赤外線を熱に変換し、光重合開始剤の分解を促進する機能を有する赤外線吸収剤が挙げられる。
増感剤としては、波長760〜1200nmに吸収極大を有する染料又は顔料が挙げられ、例えば、染料としては、シアニン色素、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、ニッケルチオレート錯体などが挙げられる。
増感剤のより具体的な例としては、2,5−ビス(4’−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノン、2,6−ビス(4’−ジメチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4’−ジエチルアミノベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)カルコン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)カルコン、2−(p−ジメチルアミノフェニルビニレン)ベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニルビニレン)−イソナフチアゾール、3,3’−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノクマリン)などが挙げられる。これら増感剤は1種又は2種以上使用することができる。
なお、増感剤の中には、光重合開始剤として作用するものもある。
導電性塗膜の、マスクにより遮光されていた非露光部中のアクリル化合物は、重合していない。そのため、現像液により非露光部を溶解、除去して、現像する。現像方法としては、例えば、液盛り法、ディッピング法、揺動浸漬法、スプレー法などが適用できる。
その際に使用される現像液としては、水及び/又は水溶性溶剤を含むものを使用するが、環境汚染性、後処理の容易さ、安全性の観点からは、水または水溶液が好ましい。
また、現像液はpH5〜9の水溶液がより好ましい。pH5未満の水溶液では、アクリル化合物が酸加水分解し、露光部が剥離することがあり、pH9を超える水溶液では、脱ドープを起こしやすくなる傾向にある。
現像液として使用される水溶性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどの低級アルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類が挙げられる。
現像液として、水と水溶性溶媒を混合したものを用いた場合には、現像のパターン精度、速度をコントロールすることができる。水と水溶性溶媒を混合して用いる際の比率としては、水:水溶性溶媒が1:99〜99:1であることが好ましく、10:90〜90:10であることがより好ましく、20:80〜80:20であることが特に好ましい。前記範囲より水が多いと、パターン精度は良くなるが、現像速度は遅くなる傾向にある。一方、前記範囲よりも水溶性溶媒が多いと現像速度は速くなるが、パターン精度が低くなる傾向にある。
現像液によって、未重合の水溶性アクリル化合物を含む非露光部が溶解、除去されるが、露光部は水溶性アクリル化合物が重合したため、溶解しない。よって、露光部が導電性を有する回路部になり、非露光部が非回路部になって、導電性回路を形成する。
以上説明した導電性回路の形成方法では、導電性高分子溶液を基材に塗布して導電性塗膜を形成した後、露光した際には、アクリル基を架橋点としてπ共役系導電性高分子とポリアニオンとの複合体同士を架橋させて、π共役系導電性高分子の分子密度を向上させることができる。したがって、現像により非露光部を除去して得た導電性回路は、分子密度が高いπ共役系導電性高分子を含むため、導電性が高い。また、架橋しているため、熱安定性及び強度も高い。
特に、アクリル化合物が、アクリル基を2つ以上有する化合物である場合には、これが重合して重合体を形成することにより、前記複合体同士が架橋するため、導電性回路の導電性が高くなり、また、回路の強度が向上する。さらに、π共役系導電性高分子とボリアニオンとの複合体が架橋することにより分子間距離が縮まり集束するため、π共役系導電性高分子間の電子移動におけるホッピングにかかる活性化エネルギーが小さくてすむ。この点からも、導電性回路の導電性が高くなる。
また、導電性高分子溶液は、ポリアニオンに対する相溶性が低い非水溶性アクリル化合物を含むため、ポリアニオンの製膜性を低くする効果を発揮して、現像時の剥離性を向上させることができる。また、非水溶性アクリル化合物が水溶性アクリル化合物と共重合するため、耐水性を低下させる要因になる水溶性アクリル化合物を含んでいるにもかかわらず、導電性回路の耐水性を向上させることができる。
また、導電性高分子溶液は、水溶性アクリル化合物を含んでいるため、ポリアニオンに対する相溶性が低い非水溶性アクリル化合物を含んでいるにもかかわらず、均一な塗膜を形成でき、安定した抵抗値を得ることができる。しかも、非水溶性アクリル化合物は水に溶解しないため、現像後に非回路部に異物として残ってしまうが、水溶性アクリル化合物を含むことにより、非水溶性アクリル化合物とポリアニオンを相溶化させることができるため、現像時に水溶性アクリル化合物と共に容易に除去できる。したがって、非水溶性アクリル化合物が異物として残ることを防止でき、パターンの精度を高くできる。
以上のことから、上述した導電性回路の形成方法で形成された導電性回路は、導電性が高く、しかもパターンの精度が高いものである。
(製造例1)ポリアニオンの調製
1000mlのイオン交換水に206gのスチレンスルホン酸ナトリウムを溶解し、80℃で攪拌しながら、予め10mlの水に溶解した1.14gの過硫酸アンモニウム酸化剤溶液を20分間滴下し、この溶液を12時間攪拌した。
これにより得たポリスチレンスルホン酸ナトリウム溶液に10質量%に希釈した硫酸を1000ml添加し、限外ろ過法によりポリスチレンスルホン酸ナトリウム溶液の約1000mlを除去し、残液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法により約2000mlの溶液を除去した。上記の限外ろ過操作を3回繰り返した。得られた溶液中の水を減圧除去して、無色の固形状のポリスチレンスルホン酸を得た。
(製造例2)PEDOT−PSS溶液の調製
14.2gの3,4−エチレンジオキシチオフェンと、36.7gの製造例1で得たポリスチレンスルホン酸を2000mlのイオン交換水に溶解した溶液とを混合させた。
これにより得た混合液を20℃に保ち、掻き混ぜながら200mlのイオン交換水に溶解した29.64gの過硫酸アンモニウムを8.0gの硫酸第二鉄の酸化触媒溶液をゆっくり添加し、3時間攪拌して反応させた。
得られた反応液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの溶液を除去した。この操作を3回繰り返した。
そして、得られた溶液に200mlの10質量%に希釈した硫酸と、2000mlのイオン交換水とを加え、限外ろ過法により約2000mlの溶液を除去し、これに200mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法により約2000mlの溶液を除去した。この操作を3回繰り返した。
さらに、得られた溶液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法により約2000mlの溶液を除去した。この操作を5回繰り返して、約1.2質量%の青色のポリエチレンスルホン酸ドープポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(以下、PEDOT−PSSという。)溶液を得た。
(実施例1)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート0.25g、ヒドロキシエチルアクリルアミド2.75g及びイルガキュア127(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.06gをエタノール46.9gに溶解してアクリル化合物溶液を調製した。
次いで、そのアクリル化合物溶液にPEDOT−PSS水溶液50gを添加し、均一に分散させて導電性高分子溶液を得た。
このようにして得た導電性高分子溶液を#18のバーコータを用いてポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱ポリエステルフィルム社製T680E)上に塗布し、115℃で2分間乾燥させて導電性塗膜を形成した。この導電性塗膜上に、回路のネガパターンを形成したプラスチック製マスクを配置した。次いで、マスクの上から、高圧水銀灯を光源とする紫外線照射装置により、積算光量400mJ/cmのエネルギー密度で紫外線を露光した。そして、水により非露光部を除去して現像し、100℃、5分間乾燥させて導電性回路を形成した。
導電性回路の回路部および非回路部の表面抵抗を、ローレスタ(ダイアインスツルメンツ製)により測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 2008277172
表1における「非水溶性アクリル化合物の含有量」は、導電性高分子溶液中の全アクリル化合物100質量%に対する非水溶性アクリル化合物の量である。
(実施例2)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート0.25gとヒドロキシエチルアクリルアミド2.75gを、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート0.5gとヒドロキシエチルアクリルアミド2.5gに変更したこと以外は実施例1と同様にして導電性回路を形成した。そして、実施例1と同様にして表面抵抗を測定した。測定結果を表1に示す。
(実施例3)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート0.25gとヒドロキシエチルアクリルアミド2.75gを、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート1.0gとヒドロキシエチルアクリルアミド2.0gに変更したこと以外は実施例1と同様にして導電性回路を形成した。そして、実施例1と同様にして表面抵抗を測定した。測定結果を表1に示す。
(実施例4)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート0.25gとヒドロキシエチルアクリルアミド2.75gを、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート1.5gとヒドロキシエチルアクリルアミド1.5gに変更したこと以外は実施例1と同様にして導電性回路を形成した。そして、実施例1と同様にして表面抵抗を測定した。測定結果を表1に示す。
(実施例5)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート0.25gとヒドロキシエチルアクリルアミド2.75gを、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート1.0gとヒドロキシエチルアクリレート2.0gに変更したこと以外は実施例1と同様にして導電性回路を形成した。そして、実施例1と同様にして表面抵抗を測定した。測定結果を表1に示す。
(実施例6)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート0.25gとヒドロキシエチルアクリルアミド2.75gを、ペンタエリスリトールトリアクリレート1.0gとヒドロキシエチルアクリルアミド2.0gに変更したこと以外は実施例1と同様にして導電性回路を形成した。そして、実施例1と同様にして表面抵抗を測定した。測定結果を表1に示す。
(実施例7)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート0.25gとヒドロキシエチルアクリルアミド2.75gを、ペンタエリスリトールトリアクリレート1.0gとヒドロキシエチルアクリレート2.0gに変更したこと以外は実施例1と同様にして導電性回路を形成した。そして、実施例1と同様にして表面抵抗を測定した。測定結果を表1に示す。
(比較例1)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート0.25gとヒドロキシエチルアクリルアミド2.75gを、ヒドロキシエチルアクリルアミド3.0gに変更したこと以外は実施例1と同様にして導電性回路を形成しようとしたが、現像しても非露光部が剥がれ落ちず、回路を形成できなかった。
実施例1と同様にして回路部の表面抵抗を測定した。測定結果を表1に示す。
(比較例2)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート0.25gとヒドロキシエチルアクリルアミド2.75gを、ヒドロキシエチルアクリレート3.0gに変更したこと以外は実施例1と同様にして導電性回路を形成しようとしたが、現像しても非露光部が剥がれ落ちず、回路を形成できなかった。
実施例1と同様にして回路部の表面抵抗を測定した。測定結果を表1に示す。
(比較例3)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート0.25gとヒドロキシエチルアクリルアミド2.75gを、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート3.0gに変更したこと以外は実施例1と同様にして導電性回路を形成した。ただし、現像しても非露光部が残っていることが目視により確認された。
実施例1と同様にして回路部の表面抵抗を測定した。測定結果を表1に示す。
(比較例4)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート0.25gとヒドロキシエチルアクリルアミド2.75gを、ペンタエリスリトールトリアクリレート3.0gに変更したこと以外は実施例1と同様にして導電性回路を形成した。ただし、現像しても非露光部が残っていることが目視により確認された。
実施例1と同様にして回路部の表面抵抗を測定した。測定結果を表1に示す。
(比較例5)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート0.25gとヒドロキシエチルアクリルアミド2.75gを、ヒドロキシエチルアクリレート10.0gに変更したこと以外は実施例1と同様にして導電性回路を形成しようとしたが、現像の際に非露光部以外の部分も剥がれ落ちて、回路を形成できなかった。
実施例1と同様にして回路部の表面抵抗を測定した。測定結果を表1に示す。
(比較例6)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート0.25gとヒドロキシエチルアクリルアミド2.75gを、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2.0gとヒドロキシエチルアクリルアミド1.0gに変更したこと以外は実施例1と同様にして導電性回路を形成した。ただし、現像しても非露光部が残っていることが目視により確認された。
実施例1と同様にして回路部の表面抵抗を測定した。測定結果を表1に示す。
(比較例7)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート0.25gとヒドロキシエチルアクリルアミド2.75gを、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート0.125gとヒドロキシエチルアクリルアミド2.875gに変更したこと以外は実施例1と同様にして導電性回路を形成しようとしたが、現像しても非露光部が剥がれ落ちず、回路を形成できなかった。
実施例1と同様にして回路部の表面抵抗を測定した。測定結果を表1に示す。
(実施例8)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート0.25gとヒドロキシエチルアクリルアミド2.75gを、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート1.67gとヒドロキシエチルアクリルアミド3.33gに変更したこと以外は実施例1と同様にして導電性回路を形成した。そして、実施例1と同様にして表面抵抗を測定した。測定結果を表2に示す。
Figure 2008277172
(比較例8)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート0.25gとヒドロキシエチルアクリルアミド2.75gとイルガキュア127(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.06gを、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート0.33gとヒドロキシエチルアクリルアミド0.67gとイルガキュア127(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.02gに変更したこと以外は実施例1と同様にして導電性回路を形成しようとしたが、現像しても非露光部が剥がれ落ちず、回路を形成できなかった。
実施例1と同様にして回路部の表面抵抗を測定した。測定結果を表2に示す。
(比較例9)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート0.25gとヒドロキシエチルアクリルアミド2.75gとイルガキュア127(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.06gを、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート3.33gとヒドロキシエチルアクリルアミド6.67gとイルガキュア127(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)2.0gに変更したこと以外は実施例1と同様にして導電性回路を形成した。そして、実施例1と同様にして表面抵抗を測定した。測定結果を表2に示す。
(実施例9)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート0.25gとヒドロキシエチルアクリルアミド2.75gを、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート1.0gとヒドロキシエチルアクリレート2.0に変更し、さらにガーリック酸1.0gを添加したこと以外は実施例1と同様にして導電性回路を形成した。そして、実施例1と同様にして表面抵抗を測定した。測定結果を表3に示す。
Figure 2008277172
(実施例10)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート0.25gとヒドロキシエチルアクリルアミド2.75gを、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート1.0gとヒドロキシエチルアクリレート2.0gに変更し、さらにチオ二グリコール1.0gを添加したこと以外は実施例1と同様にして導電性回路を形成した。そして、実施例1と同様にして表面抵抗を測定した。測定結果を表3に示す。
(実施例11)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート0.25gとヒドロキシエチルアクリルアミド2.75gを、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート1.0gとヒドロキシエチルアクリレート2.0gに変更し、さらにヘキサヒドロキシベンゾフェノン1.0gを添加したこと以外は実施例1と同様にして導電性回路を形成した。そして、実施例1と同様にして表面抵抗を測定した。測定結果を表3に示す。
実施例1〜11の導電性回路の形成方法によれば、導電性の高い回路部を形成できた。また、非露光部が現像により剥離されて非回路部に導電性の塗膜が残っておらず、パターンの精度が高い導電性回路を形成できた。これは、塗膜形成工程にて、π共役系導電性高分子とポリアニオンと水溶性アクリル化合物と非水溶性アクリル化合物と溶媒とを含み、非水溶性アクリル化合物の含有量が、導電性高分子溶液中の全アクリル化合物100質量%に対して4.2〜66.6質量%であり、全アクリル化合物の質量が、π共役系導電性高分子とポリアニオンの合計に対して1.7〜16.6倍の導電性高分子溶液を用いたためである。
比較例1,2の導電性回路の形成方法では、非露光部が現像時に剥離せず、非回路部も導電性を有するため、導電性回路のパターンの精度が低かった。これは、塗膜形成工程にて、π共役系導電性高分子とポリアニオンと水溶性アクリル化合物と溶媒とを含み、非水溶性アクリル化合物を含まない導電性高分子溶液を用いたためと思われる。
比較例3,4の導電性回路の形成方法では、回路部の導電性が低かった。これは、塗膜形成工程にて、π共役系導電性高分子とポリアニオンと非水溶性アクリル化合物と溶媒とを含み、水溶性アクリル化合物を含まない導電性高分子溶液を用いたためと思われる。
比較例5の導電性回路の形成方法では、現像時に回路部まで剥離してしまった。これは、塗膜形成工程にて、π共役系導電性高分子とポリアニオンと水溶性アクリル化合物と溶媒とを含み、非アクリル化合物を含まず、全アクリル化合物の質量が、π共役系導電性高分子とポリアニオンの合計に対して16.6倍を超える導電性高分子溶液を用いたためと思われる。
比較例6の導電性回路の形成方法では、回路部の導電性が低かった。これは、塗膜形成工程にて、π共役系導電性高分子とポリアニオンと水溶性アクリル化合物と非水溶性アクリル化合物と溶媒とを含み、非水溶性アクリル化合物の含有量が、導電性高分子溶液中の全アクリル化合物100質量%に対して66.6質量%を超える導電性高分子溶液を用いたためと思われる。
比較例7の導電性回路の形成方法では、非露光部が現像時に剥離せず、非回路部も導電性を有するため、導電性回路のパターンの精度が低かった。これは、塗膜形成工程にて、π共役系導電性高分子とポリアニオンと水溶性アクリル化合物と非水溶性アクリル化合物と溶媒とを含み、非水溶性アクリル化合物の含有量が、導電性高分子溶液中の全アクリル化合物100質量%に対して4.2質量%未満の導電性高分子溶液を用いたためと思われる。
比較例8の導電性回路の形成方法では、非露光部が現像時に剥離せず、非回路部も導電性を有するため、導電性回路のパターンの精度が低かった。これは、塗膜形成工程にて、π共役系導電性高分子とポリアニオンと水溶性アクリル化合物と非水溶性アクリル化合物と溶媒とを含み、全アクリル化合物の質量が、π共役系導電性高分子とポリアニオンの合計に対して1.7倍未満の導電性高分子溶液を用いたためと思われる。
比較例9の導電性回路の形成方法では、回路部の導電性が低かった。これは、塗膜形成工程にて、π共役系導電性高分子とポリアニオンと水溶性アクリル化合物と非水溶性アクリル化合物と溶媒とを含み、全アクリル化合物の質量が、π共役系導電性高分子とポリアニオンの合計に対して16.6倍を超える導電性高分子溶液を用いたためと思われる。

Claims (6)

  1. 基材上に導電性高分子溶液を塗布して導電性塗膜を形成する塗膜形成工程と、
    前記導電性塗膜をパターン露光した後、現像液を用いて現像して導電性回路を形成する回路形成工程とを有する導電性回路の形成方法であって、
    導電性高分子溶液が、π共役系導電性高分子と水溶性ポリアニオンと水溶性アクリル化合物と非水溶性アクリル化合物と溶媒とを含み、非水溶性アクリル化合物が、導電性高分子溶液中の全アクリル化合物100質量%に対して4.2〜66.6質量%であり、導電性高分子溶液中の全アクリル化合物の質量が、π共役系導電性高分子と水溶性ポリアニオンの合計に対して1.7〜16.6倍であり、
    現像液が、水及び/又は水溶性溶媒を含む液であることを特徴とする導電性回路の形成方法。
  2. 水溶性アクリル化合物が、下記化学式(1)で表される化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の導電性回路の形成方法。
    Figure 2008277172
    (化学式(1)におけるnは1以上の整数を表す。)
  3. 導電性高分子溶液が、さらに高導電化剤を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の導電性回路の形成方法。
  4. 高導電化剤が、下記化学式(2)で表される化合物、下記化学式(3)で表される化合物、下記化学式(4)で表される化合物よりなる群から選ばれる1種以上の化合物を含むことを特徴とする請求項3に記載の導電性回路の形成方法。
    Figure 2008277172
    (化学式(2)および化学式(3)における芳香環のヒドロキシ基で置換されていない部位は任意の置換基で置換されていてもよい。化学式(3)におけるa,bは各々独立して1以上の整数を表す。化学式(4)におけるcは1以上の整数を表す。また、化学式(4)におけるXはヒドロキシ基またはカルボキシ基を表す。)
  5. 現像液がpH5〜9の水溶液であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の導電性回路の形成方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の導電性回路の形成方法により形成されたことを特徴とする導電性回路。
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