JP2007210860A - 多結晶シリコン鋳片製造用の鋳型 - Google Patents

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Abstract

【課題】一方向凝固鋳造法による多結晶シリコン鋳片製造装置において、鋳型の破損により流出した融液が、鋳造炉内のヒーター、断熱材などに達し、それらの部材にシリコンメルトが含浸して破損することを防止できるようにする。
【解決手段】鋳型を二重構造とし、外側の鋳型と内側の鋳型の隙間にシリカ系の粉末を充填する。内側の鋳型が破損した場合においても、流出した融液は内側の鋳型と外側の鋳型の間に充填されたシリカ系の粉末によって受け止められ、外側の鋳型に達することが無く、まして外側の鋳型の外にまで流出し鋳造炉内のヒーターや断熱材、鋳型を支える構造部材などに達することが無く、それら外側の鋳型、鋳造炉内のヒーターや断熱材、鋳型を支える構造部材などの破損を防ぐ。シリカ系粉末は珪砂でもシリカガラスであってもよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、シリコン融液を凝固させる際に用いるシリコン鋳造炉内構造に関し、さらに詳しくは太陽電池用の基板等を製造するための多結晶シリコン鋳片を得るために用いる鋳型に関する。
太陽光発電用のセルを作りこむための基板として、それ自身も発電セルの機能を分担したシリコン結晶基板が広く利用されている。そのうち、基板の結晶性が単結晶から成るタイプと多結晶から成るタイプに分けられるが、現在最も多く用いられているのが多結晶タイプである。多結晶タイプの基板は、高純度のシリコン原料を溶解し、鋳型の中で一方向に凝固させることにより多結晶鋳片を製造した後、それを薄片にスライスして作られる。前記の多結晶鋳片を作りこむ一方向凝固法による多結晶シリコン鋳片製造プロセスが重要である。
一方、太陽電池に使用されるシリコンは一般に99.9999質量%程度の純度が必要とされ、各種金属不純物は0.1質量ppm以下、又、Bは少なくとも0.3質量ppm以下、好ましくは0.1質量ppm以下であることが要求される。この純度を満たすシリコンとしては、半導体用シリコン、すなわち、シリコン塩化物を蒸留後熱分解して得られる高純度シリコンがある。しかしながら、このシーメンス法はコストが高く、大量にシリコンを必要とする太陽電池には不向きである。
そこで、太陽電池に使用可能な安価なシリコンを製造する技術が各種研究されてきたが、B、P以外の、Fe、Al、Ca等の各種金属不純物は、一方向凝固法で除去することが一般的である。すなわち、シリコン融液が固化する際に、共存する融液シリコンに金属不純物は多く分配し、固化したシリコンにはわずかしか取り込まれないという現象を使用した精製方法である。つまり、太陽電池に使用可能な安価なシリコンを製造する技術においても、一方向凝固法による多結晶シリコン鋳片製造プロセスが重要である。
従来の一方向凝固法による多結晶シリコン鋳片製造プロセスにおいては、例えば特許文献1には、空隙率が高く、熱伝導率が低い材料を鋳型の側壁に用いることによって、側壁面からの抜熱を抑えて側壁面からの結晶成長を軽減させ、一方向凝固性が良い多結晶シリコンを製造する方法が開示されている。また、特許文献2には、従来の製造方法のように底部から上方に垂直方向に温度勾配を付与するだけでなく、冷却開始時に、鋳型の側面に設けられた補助ヒーターを用いて、鋳型の底部の一部から水平方向に温度勾配を付与することによって、水平方向に径が大きな結晶粒を有する結晶シリコンを製造する方法が開示されている。
特開2000−135545号公報 特開2000−327487号公報
前記の特許文献1〜2に開示されている様な多結晶シリコン鋳片製造炉は、一般的に、真空ポンプなどで内部の空気を追い出すことの出来る密閉された金属製容器の中に、主要部材としてヒーター、断熱材、鋳型、鋳型台座が収められている。断熱材は、ヒーター、鋳型、鋳型台座と前記の容器金属間の断熱に配され、多くはカーボン繊維から成る成型断熱材が用いられる。ヒーターは、鋳型の上面、ないし側面、ないし上面および側面に配される。
鋳型台座は、鋳型下部の冷却に用いられることが多く、鋳片を一方向凝固させるのに適した温度勾配を鋳造中の鋳片および融液に与えるために、それ自身が直接または間接的に冷却される構造をとり、かつヒーターと鋳型の位置関係をコントロールできるように昇降できる機能を持っていたり、鋳型内部の面内方向の均熱をとるために回転が可能であったりする場合が一般的である。一方向凝固法を用いたシリコン多結晶鋳片製造装置の内部は上記のように複雑な構造を必要とするのである。
一方、それらの部材を構成する材料としては、1400℃以上の高温に耐える材料、かつシリコン鋳片に不純物を拡散させないような高純度の材料でなければならないことから、材料は非常に高価な黒鉛製、ないし石英製に限られている。また上記の用途に合うように、通常複雑に加工されている。
しかしながら、上記の炉内構造は、一方向に結晶性が良好な多結晶シリコンを製造することを目的として設計されたもので、凝固の際のトラブル発生により鋳型が破損し、これに伴う融液の流出に関しては十分に考慮されているとはいえず、融液が流出した場合、鋳造炉内部材に融液が含侵してしまい、上記の高価な部材の再利用が不可能となってしまう。すなわち、融液が鋳造炉内部材に広がるのを根本的に防ぐことが出来るような鋳型材質および/または構造を見出すことが重要な課題であった。
本発明は、鋳型の破損により融液が流出した場合でも、鋳造炉内のヒーター、断熱材などの部材にシリコンが含浸して破損することを防止できる鋳型を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、
(1)一方向凝固鋳造法による多結晶シリコン鋳片製造に用いる鋳型であって、少なくとも外側の鋳型、内側の鋳型で構成された二重の鋳型と、両鋳型間にシリカ系の粉末から成る充填材が配されたことを特徴とする多結晶シリコン鋳片製造用の鋳型、
(2)前記のシリカ系粉末が、珪砂、シリカガラスのいずれか一方、又は、双方であることを特徴とする(1)に記載の多結晶シリコン鋳片製造用の鋳型、
(3)前記のシリカ系粉末の最大粒径が3mm未満であることを特徴とする(1)または(2)に記載の多結晶シリコン鋳片製造用の鋳型、
を用いる。
本発明によれば、鋳型を二重構造とし、外側の鋳型と内側の鋳型の間の隙間にシリカ系の粉末を充填しているので、内側の鋳型が破損した場合においても、流出した融液は内側の鋳型と外側の鋳型の間に充填されたシリカ系の粉末によって受け止められ、外側の鋳型に達することが無く、まして、鋳型の外まで流出し鋳造炉内のヒーターや断熱材、鋳型を支える構造部材などに達することが無く、それら外側の鋳型、鋳造炉内のヒーターや断熱材、鋳型を支える構造部材などの破損を防ぐ。従って、多結晶シリコン製造装置を安定的に操業することができる。
本発明に係る多結晶シリコン鋳片製造装置用のシリコン鋳造用鋳型は、まず二重構造からなる。
外側の鋳型は強度の高いカーボン製ないしカーボンコンポジット製など、特にその二つに限定するものではないが、繰り返し使用可能で、鋳型およびシリコン鋳片の質量を支えることが可能な程度の強度を持ち、シリコン鋳片に対し不純物を拡散しないものが選定される。
内側の鋳型はカーボン製、カーボンコンポジット製、石英製、シリカ粉末やチッ化珪素粉末をフェノール樹脂で固めた材質など、特に限定はしないが、それ自身がシリコンを鋳造する温度、雰囲気において大きく形を変えないものであり、シリコン鋳片と接するに表面にさらにシリカやチッ化珪素粉末をそのまま溶射したり、エタノールやポリビニルアルコールを分散させた水などの溶媒で溶いて塗布することで繰り返し使用しても良く、あるいは鋳造の度毎に壊れてしまっても良いが、やはりシリコン鋳片に対し不純物を拡散しないものが選定される。
さらに、外側の鋳型と内側の鋳型の隙間にシリカ系の充填材を充填する。充填材はシリカ系の粉末から成り、外鋳型と内鋳型の隙間の寸法が変化しても、外鋳型と内鋳型の隙間が不定形であっても、あるいは前記の多様な材料から構成されているがために温度の上昇に伴う熱膨張によって隙間の寸法や形状が大きく変化しても、粉末であるが故の流動性によって、隙間を常に満たすことが可能である。さらに、シリカはシリコン融液ときわめて濡れ性が悪く、シリコン融液を弾く性質があるため、シリコン融液の漏れ出しを止めることが出来る。したがって、流動性と弾く性質を組み合わせることで、シリコン融液の漏れ出しを止め得るのである。
シリコン融液は凝固点付近でも極めて粘性が低く、小さな隙間からも多量の融液が漏れ出すことが多く、この融液漏れによって炉内の部材を破損させる。しかしながら、上記の鋳型であれば、仮に、内側の鋳型にヒビが入ったり、溶けて欠落していたり、製造工程の問題により巣が入っていたり、鋳型に何らかの欠陥があり、内側の鋳型からシリコンが漏れ出したとしても、シリコンを弾く性質をもつシリカ系粉末が隙間なく充填されてシリコンの漏れ出しは外鋳型に到達する手前で止め得るのである。
漏れを確実に防止する目的においては、シリカ系の粉末から成る充填材は、内鋳型の底と外鋳型の底の間、及び内鋳型の側面と外鋳型の側面の両方に配置することが望ましい。シリカ系粉末の充填層の厚みとしては、実験的知見により、シリカ系粉末の最大粒径の少なくとも3倍以上あれば湯漏れ防止機能を発揮するため、3倍以上が好ましい。
また、側面に配置するシリカ系粉末の充填層は、ヒーター位置が鋳型の上面のみにある場合は断熱層として寄与し、厚みを多くとることにより底面から上面にかけて形成される一方向凝固組織(柱状組織)の平行度が揃った組織を作りこむことが出来る。ちなみに、シリカ系粉末の充填層の厚みの上限値は、特に規定するものではなく、所望の断熱層として寄与する範囲で、適宜、設定することができる。
一般的に、鋳型の底面から抜熱する場合が多いが、その場合には底面のシリカ系粉末の充填層の厚みはなるべく薄いほうが一方向凝固組織の作りこみに有利であり、必ずしも内鋳型の底と外鋳型の底の隙間にシリカ粉末を充填する必要はなく、内鋳型と外鋳型の側面の隙間にシリカ系粉末を充填して鋳型側面からの融液漏れを防止するだけでも十分効果的である。
上記記載のシリカ系粉末としては、結晶質シリカである珪砂でも、非晶質シリカであるシリカガラスでも良く、あるいはそれらの混合物でも、結晶質と非晶質の中間的な物質でも良い。珪砂は一般的に入手しやすく、安価である。好ましくは、高純度の珪石を粉砕して得られ、かつ磁選などの手段を用いて粉砕に伴い混入した不純物を取り除いたものであることが望ましい。シリカガラスも一般的に入手しやすく、安価である。好ましくは、高純度の珪石を溶融して噴霧固化させたシリカガラスであることが望ましい。高純度のシリカ系粉末からは、SiとO以外の不純物を拡散することはなく、少なくとも80質量%以上の高純度シリカ系粉末を含んでいれば、シリコン鋳片の太陽電池特性に影響を及ぼさない。
上記記載のシリカ系粉末の粒径は3mm未満であることが好ましい。シリカ系粉末同士の間には必ず空隙を生じるが、シリカ系粉末の粒径が大きいと空隙も大きくなり、粉末の最大粒径が3mm以上であると、シリコンが空隙を伝って融液漏れする。したがって、シリカ系粉末の最大粒径は3mm未満であることが好ましく、さらに融液漏れ防止効果を確実にするにはシリカ系粉末の最大粒径は1mm未満であることが好ましい。
また、粉末の流動性の点からも、最大粒径3mm未満が好ましい。すなわち、最大粒径3mm以上であると流動性が悪くなるためである。また、シリカ系粉末の最大粒径の下限値は、特に規定するものではないが、最大粒径10μm未満であるとシリコン融点付近の高温でシリカ系粉末同士が焼結し流動性を阻害するため、最大粒径は10μm以上が好ましい。
次に、本発明に係る多結晶シリコン製造装置の溶融シリコン漏れ防止用鋳型の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の溶融シリコン漏れ防止用鋳型を設置した多結晶シリコン製造装置凝固炉内の模式的部分縦断面図である。
図1の実施の形態では、高純度高密度黒鉛製の加熱ヒータ1は鋳型の上方、炉内天井部に配されている。内鋳型2は石英製で内側にチッ化珪素が塗布されている。外鋳型3は高強度のカーボンファイバ強化カーボン複合材料(以下C/C材という)である。シリコン鋳片に接する内鋳型2と外部の断熱材に接する外鋳型3の間の充填層4に珪砂が配されている。珪砂は高純度の珪石を粉砕し、篩いがけを施して、0.5〜1mmの粒のみを選別し、さらに磁選して鉄系の不純物を除去した仕様である。
外鋳型より上の壁には、外鋳型と同様、C/C材の壁が配され、かつヒーターより上にもC/C材製の天井壁が配されている。すなわち、図1の炉内はC/C材によって6面を囲まれた構造である。6面のうち外鋳型底部をのぞく面においては、外鋳型外側に黒鉛製の成型断熱材5が配されており、炉内の熱を炉外に伝えにくいようになっている。外鋳型底部にのみ水冷された金属部材6が配されており、鋳型下部から抜熱する。
上記、C/C材、黒鉛断熱材は非常に高価であり、繰り返し使う必要がある。また、水冷された金属部材が鋳型の底に配されるので、もし溶融したシリコンが漏れ出して、水冷された金属部材に達することがあると、水漏れなどさらに重篤な設備損害を与えることになる。
本発明の鋳型では、仮に内鋳型2から溶融シリコンが漏れ出しても、充填層4に充填された珪砂でシリコンが受け止められるので、外鋳型3やその外の黒鉛断熱材5や水冷された金属部材6に達することは無く、部材の寿命を持たせ、かつ安定的に操業することが可能である。
図2の実施の形態は、いわゆるブリッジマン型炉の炉内に本発明の鋳型を配した例である。高純度高密度黒鉛製の加熱ヒータ7は鋳型の上方、加熱ヒータ9は外鋳型13の側部に配されている。内鋳型8は石英製で内側にチッ化珪素が塗布されている。外鋳型13はC/C材である。シリコン鋳片に接する内鋳型8と外部の断熱材に接する外鋳型13の間の充填層10に珪砂が配されている。
珪砂は高純度の珪石を粉砕し、篩いがけを施して、0.5〜1mmの粒のみを選別し、さらに磁選して鉄系の不純物を除去した仕様である。底部をのぞく天井面、側面においては黒鉛製の成型断熱材11が配されており、炉内の熱を伝えないようになっている。外鋳型底部にのみ水冷された金属部材12が配されており、鋳型下部から抜熱する。上記、C/C材、黒鉛断熱材は非常に高価であり、繰り返し使う必要がある。
また、水冷された金属部材12が鋳型の底に配されるので、もし溶融したシリコンが漏れ出して、水冷された金属部材12に達することがあると、水漏れなどさらに重篤な設備損害を与えることになる。本発明の鋳型では、仮に内鋳型8から溶融シリコンが漏れ出しても、充填層10に充填された珪砂でシリコンが受け止められるので、外鋳型13、黒鉛断熱材11、水冷された金属部材12に達することは無く、部材の寿命を持たせ、かつ安定的に操業することが可能である。
図1の装置を用いて融液漏れおよび不純物汚染の試験を実施した。
外鋳型3は開口部分が600mm×600mm、及び深さが320mm(共に内寸)である組立式のC/C材製鋳型とし、内鋳型2は開口部分が500mm×500mm、及び深さが300mm(共に内寸)である肉厚10mmの石英鋳型とした。図1で充填層4とした外鋳型3と内鋳型2の隙間には、以下に述べるような種々の材質の粉末を充填したが、厚みは側面を40mm、底面を10mmとした。
実施例1では充填層4を粒径が0.5〜1mmのシリカガラス、実施例2では充填層4を粒径が0.5〜1mmの珪砂、比較例1では充填層4を粒径が0.5〜1mmのアルミナ粉末、比較例2では充填層4を粒径が0.5〜1mmのジルコニア粉末、比較例3では充填層4を粒径が0.5〜1mmのマグネシア粉末、比較例4では充填層4をカーボンファイバー、比較例5では充填層4をシリカ・アルミナファイバーとした。実施例、および比較例の組み合わせについて表1に示す。
Figure 2007210860
さて、石英製内鋳型側面の底から20mmの高さ位置に予め直径10mmの穴を開けた。穴が開いていることにより、意図的に溶融シリコンが鋳型から漏れる構造にした。チャンバー内を大気圧のアルゴンガスで置換した後、溶解炉では高純度シリコン(99.999999999質量%)100kgを1550℃で溶解し、鋳型については抵抗加熱式ヒーターで、毎分5℃の昇温速度で1550℃まで加熱した。
次いで、溶解炉内の溶融シリコン(シリコン融液)100kgを鋳型内へ傾注し、その後、抵抗加熱式ヒーターの温度を徐々に下げて、シリコンを下方から徐々に凝固させた。シリコン全体が凝固した後に、抵抗加熱式ヒーターの電源を切り、常温まで冷却した。常温まで冷却した後、凝固したシリコンを鋳型から取り出した。
[溶融シリコンの融液漏れ比較]
実施例1については99.5kgのシリコンを回収した。すなわち、0.5kgの融液が流出したが、流出した融液がシリカガラス粉末によって止められ、外鋳型内壁面には到達しなかった。実施例2も0.5kgの融液が流出したが、流出した融液が珪砂粉末によって止められ、外鋳型内壁面には到達しなかった。
比較例1についても、99.5kgのシリコンを回収した。すなわち、0.5kgの融液が流出したが、流出した融液がアルミナ粉末によって止められ、外鋳型内壁面には到達しなかった。比較例2も0.5kgの融液が流出したが、流出した融液がジルコニア粉末によって止められ、外鋳型内壁面には到達しなかった。比較例3も0.5kgの融液が流出したが、流出した融液がマグネシア粉末によって止められ、外鋳型内壁面には到達しなかった。
比較例4は10kgのシリコンしか回収できなかった。すなわち、90kgのシリコンが漏れてしまい、C/C部材に含浸してしまい、再利用不可能となってしまった。比較例5は99.8kgのシリコンを回収した。すなわち、0.2kgの融液が流出したが、流出した融液がシリカ・アルミナファイバーによって止められ、外鋳型内壁面には到達しなかった。
[溶融シリコン汚染比較]
更に、シリコン塊の中心部分から分析サンプルを採取し、ICP-AES(ICP発光)分析法による定性分析を行った。
その結果、実施例1のシリコン塊からはSi以外の元素は検出されず、不純物による汚染は無いことが確認された。なお、上記ICP-AES分析法における検出限界値は、B:0.05質量ppm、P:0.05質量ppm、その他の重金属については0.02質量ppmである。実施例2についても同様の試験を行った。その結果、Si以外の元素は検出されず、不純物による汚染は無いことが確認された。
比較例1についても同様の試験を行った結果、27質量ppmのAlが検出され、Alによる汚染が有ることが確認された。比較例2についても同様の試験を行った結果、17質量ppmのZrが検出され、Zrによる汚染が有ることが確認された。比較例3についても同様の試験を行った結果、7ppmのMgが検出され、Mgによる汚染が有ることが確認された。比較例4についても同様の試験を行った結果、Si以外の元素は検出されず、不純物による汚染は無いことが確認された。比較例5についても同様の試験を行ったところ22質量ppmのAlが検出され、Alによる汚染があることが確認された。上記の評価結果をまとめて表2に示す。
Figure 2007210860
本発明の実施例1、2では、共にシリコンへの不純物汚染がなく、シリコン溶湯の漏れを止めることができた。一方、比較例1、比較例2、比較例3、比較例5についてはシリコン融液の漏れを止めることができたが、シリコンへの不純物汚染が有り、比較例4についてはシリコンへの不純物汚染はないが、シリコン溶湯の漏れを止めることができなかった。
本発明鋳型を設置した多結晶シリコン製造装置凝固炉内を模式的に示す部分縦断面図である。 本発明鋳型をブリッジマン型炉の炉内に配した態様を示す図である。
符号の説明
1 抵抗加熱ヒーター
2 内鋳型
3 外鋳型
4 充填層
5 黒鉛断熱材
6 水冷された金属部材
7 上部抵抗加熱ヒーター
8 内鋳型
9 側部抵抗加熱ヒーター
10 充填層
11 黒鉛断熱材
12 水冷された金属部材兼昇降式台
13 外鋳型

Claims (3)

  1. 一方向凝固鋳造法による多結晶シリコン鋳片製造に用いる鋳型であって、少なくとも外側の鋳型、内側の鋳型で構成された二重の鋳型と、両鋳型間にシリカ系の粉末から成る充填材が配されたことを特徴とする多結晶シリコン鋳片製造用の鋳型。
  2. 前記のシリカ系粉末が、珪砂、シリカガラスのいずれか一方、又は、双方であることを特徴とする請求項1に記載の多結晶シリコン鋳片製造用の鋳型。
  3. 前記のシリカ系粉末の最大粒径が3mm未満であることを特徴とする請求項1または2に記載の多結晶シリコン鋳片製造用の鋳型。
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