JP2007210381A - 自動車用ダッシュサイレンサーの張着構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動車用ダッシュサイレンサーの張着構造を提供する。
【解決手段】ダッシュサイレンサー1をダッシュパネル2の室内側面から車室サイド面7に至るコーナー8に亘って張着し、該コーナーに形成されたダッシュパネルの突状部6を該ダッシュサイレンサーによって覆うものであって、該ダッシュサイレンサーに前記突状部と相対する膨出部10を立体凹凸状に成形するとともに該膨出部に縦長の透孔11を開設し、該透孔の両端縁よりそれぞれ上下方向に直線状に伸びる折曲線14a,14bを該ダッシュサイレンサーに形成し、該折曲線をもって該ダッシュサイレンサーを内側に折り曲げ該透孔の相対する内側縁を前記突状部の表面にて合着させることにより該ダッシュサイレンサーを該コーナーに隙間なく張着する。
【選択図】図7

Description

本発明は、自動車のエンジンルームと車室とを仕切しているダッシュパネルに、防音のために設けられるダッシュサイレンサーの張着構造に関するものである。
自動車のエンジンルームと車室とを仕切している鋼板製のダッシュパネルには、従来から下記特許文献1,2に示されているように、フェルトや発泡ウレタン等からなるダッシュサイレンサー(防音用マット)が、室内側面に張着され、エンジン音等の騒音を吸収,遮断することにより、車室内の騒音レベルが低減されるようにしている。
また、ダッシュパネルは車種によって形状が様々であり、その室内側面も平坦でなく種々の凹凸状に起伏しているので、上記ダッシュサイレンサーは、下記特許文献3,4に示されたように、予めプレス成形によって立体凹凸状に付形し、室内側面の形状に沿わせることにより、ダッシュパネルの車室側面を隙間なく覆い防音性能が維持されるようにしている。
特開平8−282402号公報 特開2001−138771号公報 特開平9−249080号公報 特開平10−95283号公報
ところで、ダッシュサイレンサーをダッシュパネルの室内側面から車室サイド面に至るコーナーに亘って張着する際には、そのコーナーに例えばタイヤハウス、或いは車体補強のためのアングルのような突状部が存在していると、該ダッシュサイレンサーに切目を入れ、該ダッシュサイレンサーをコーナーに沿って折り曲げることをしていたが、該ダッシュサイレンサーが該突状部の表面でシワになったり隙間ができるという問題がある。また、この切目によって該ダッシュサイレンサーの一部が小片化するので、該ダッシュサイレンサーを固定する固定クリップの必要個所が増えると共に、張着が不完全になり易いといった問題があった。
また、一般にダッシュサイレンサーには、例えばブレーキ装置、ワイヤーハーネス等の機能部品を貫通させるための開口や取付孔などの多数の開口が予め形成されるが、上記のようにシワや隙間ができるとこれらの開口の位置がこれら機能部品等の位置からずれ易くなり、位置合わせ、或いは取り付けの作業性を悪くするという問題が生じるものであった。
本発明は、このような課題を解決し得る自動車用ダッシュサイレンサーの張着構造を提供しようとするものである。
上記課題を解決するため請求項1に記載の自動車用ダッシュサイレンサーの張着構造は、ダッシュサイレンサーをダッシュパネルの室内側面から車室サイド面に至るコーナーに亘って張着し、該コーナーに形成されたダッシュパネルの突状部を該ダッシュサイレンサーによって覆うものであって、該ダッシュサイレンサーに前記突状部と相対する膨出部を立体凹凸状に成形するとともに該膨出部に縦長の透孔を開設し、該透孔の両端縁よりそれぞれ上下方向に直線状に伸びる折曲線を該ダッシュサイレンサーに形成し、該折曲線をもって該ダッシュサイレンサーを内側に折り曲げ該透孔の相対する内側縁を前記突状部の表面にて合着させることにより該ダッシュサイレンサーを該コーナーに隙間なく張着することを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は上記自動車用ダッシュサイレンサーの張着構造において、ダッシュサイレンサーは、フェルトをプレヒートした後に冷間プレス成形することにより予め立体凹凸状に成形したものであり、その冷間プレス成形時に折曲線を圧潰状に成形することを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は上記自動車用ダッシュサイレンサーの張着構造において、ダッシュサイレンサーの外形を切抜型によりトリミングする際に該切抜型により透孔が開設されるようにしたことを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は上記自動車用ダッシュサイレンサーの張着構造において、ダッシュサイレンサーは、フェルトからなる吸音材層の表面に合成樹脂シートからなる遮音材層を設けたものであることを特徴とする。
ダッシュサイレンサーをシワや隙間ができることなく突状部があるコーナーに張着することができる。このため、取り付け作業が容易になると共に、所期の防音性能が維持される。
図1はダッシュサイレンサーが取り付られてないときのダッシュパネルを車室内から見た斜視図、図2はダッシュサイレンサー1を取り付けた車体の縦断面図である。同図中、2はエンジンルーム3と車室4とを区画する鋼板製のダッシュパネルで、該ダッシュパネルにはステアリング、ブレーキ装置、或いは各種配管等の装備を貫通状に設けるために種々の形状の開口が形成されていると共に、その取付のために複雑な立体凹凸状にプレス成形されている。また、5はダッシュサイレンサー1をダッシュパネル2の室内側面に取り付けるために該ダッシュパネル2の室内側面に突設されたスタッドボルトである。また、6はダッシュパネル1の室内側面から車室サイド面7に至る略直交状のコーナー8に配管および車体補強のために突設された略球面状の突状部である。9は車室サイド面7に突設されたスタッドボルトである。
図3は本発明に係るダッシュサイレンサー1の全体の正面図、図4はその一側縁部の拡大斜視図である。該ダッシュサイレンサー1は、マット状に集合させた繊維屑にバインダー樹脂を散布し、これを加熱した後、所定の成形型にセットしてプレス成形することにより厚肉部と薄肉部が混在し厚さが部分的に異なり(厚さ3〜30mm)、ダッシュパネル2の室内側面の凹凸形状に即した立体凹凸状に成形され、その際に前記突状部6と相対する膨出部10が立体凹凸状に成形される。そして該ダッシュサイレンサー1の外形を切抜型によりトリミングするとともに、該切抜型によるトリミングと同時に膨出部10に縦長の透孔11を形成する。(図4,図5参照)。
また、取付孔12、角形のブレーキ装置貫通孔13等もこのトリミング時に同時に開設される。
また、14a,14bは前記プレス成形時に透孔11の両端縁からそれぞれ上下方向に直線状に伸びるように形成された折曲線である。該折曲線14a,14bは、図6にも示したように、上記プレス成形過程において該当部分を肉薄状に圧潰することにより形成され、該折曲線を形成することにより該折曲線よりも外方の側縁部15を屈曲自在にしている。
このように構成したダッシュサイレンサー1をダッシュパネル2に張着するに際しては、突状部6が膨出部10によって覆われるように側縁部15を折曲線14a,14bから内側に略直角状に折り曲げ、車室サイド面7に側縁部15を当て、折曲線14a,14bをコーナー8に合致させる。このとき透孔11の相対する内側縁が突状部6の表面にて合着することで該ダッシュサイレンサー1を該コーナー8に隙間なく張着可能となる。なお、ダッシュサイレンサー1の両側縁をこのようにしてダッシュパネル2に張着する。そして、スタッドボルト5,9をそれぞれ該当する位置に形成された取付孔12に貫挿し、その状態で該スタッドボルト5,9に固定クリップ16,17を係合することにより該ダッシュサイレンサー1のダッシュパネル2面からの離脱が防がれる。これによって、図7に示したように、該ダッシュサイレンサー1をダッシュパネル2の室内側面から車室サイド面7に亘って隙間なく張着することができる。
このように本発明によれば、突状部6があるコーナー8に対してもダッシュサイレンサー1をシワや隙間ができることなく張着することができる。このため、取り付け作業が容易になると共に、ダッシュパネル2の隈無く覆われ所期の防音性能を発揮することができる。
なお、ダッシュサイレンサー1は、上記のようにフェルトを吸音材層とし、その表面に例えばエチレンプロピレン共重合体(EPDM)、或いはオレフィン樹脂系シート等の合成樹脂シートからなる遮音材層を設けた積層体からなるものを使用することも可能であり、車室側に遮音材層が来るように張着することにより、一層防音効果を得ることができる。
本発明に係るダッシュサイレンサーが張着されてないときのダッシュパネルを車室内から見た斜視図。 本発明に係るダッシュサイレンサーを張着した車体の縦断面図。 本発明に係るダッシュサイレンサーの全体の正面図。 本発明に係るダッシュサイレンサーの一側縁部の拡大斜視図。 図3のA−A線断面図。 図3のB−B線断面図。 本発明に係るダッシュサイレンサーを張着したときの斜視図。
符号の説明
1 ダッシュサイレンサー
2 ダッシュパネル
5 スタッドボルト
6 突状部
7 車室サイド面
8 コーナー
10 膨出部
11 透孔
12 取付孔
14a,14b 折曲線
15 側縁部

Claims (4)

  1. ダッシュサイレンサーをダッシュパネルの室内側面から車室サイド面に至るコーナーに亘って張着し、該コーナーに形成されたダッシュパネルの突状部を該ダッシュサイレンサーによって覆うものであって、該ダッシュサイレンサーに前記突状部と相対する膨出部を立体凹凸状に成形するとともに該膨出部に縦長の透孔を開設し、該透孔の両端縁よりそれぞれ上下方向に直線状に伸びる折曲線を該ダッシュサイレンサーに形成し、該折曲線をもって該ダッシュサイレンサーを内側に折り曲げ該透孔の相対する内側縁を前記突状部の表面にて合着させることにより該ダッシュサイレンサーを該コーナーに隙間なく張着することを特徴とした自動車用ダッシュサイレンサーの張着構造。
  2. ダッシュサイレンサーは、フェルトをプレヒートした後に冷間プレス成形することにより予め立体凹凸状に成形したものであり、その冷間プレス成形時に折曲線を圧潰状に成形することを特徴とした請求項1に記載の自動車用ダッシュサイレンサーの張着構造。
  3. ダッシュサイレンサーの外形を切抜型によりトリミングする際に該切抜型により透孔が開設されるようにした請求項1または2に記載の自動車用ダッシュサイレンサーの張着構造。
  4. ダッシュサイレンサーは、フェルトからなる吸音材層の表面に合成樹脂シートからなる遮音材層を設けたものである請求項1〜3のいずれかに記載の自動車用ダッシュサイレンサーの張着構造。
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