JP2007210158A - 筒状フィルム製造装置 - Google Patents

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Hidetoshi Kitajima
英俊 北嶋
Yoshiyuki Kitauji
義之 北氏
Yukio Tamura
幸夫 田村
Hirokazu Kanaji
宏和 金地
Masanori Mitani
正則 三谷
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Abstract


【課題】筒状のフィルムを安定した品質で製造することのできる筒状フィルム製造装置を提供することを目的とする。
【解決手段】金型部20で筒状に形成された多層フィルムは、折り畳み部40において、ガイド部材41、41間を通り、ローラ42、42へと至る過程で、円筒状断面から平面状断面へと向けて折り畳まれていく。このとき、多層フィルムの円筒状断面が維持されていた網体35の下端部から、完全に平面断面に折り畳まれるローラ42、42までの距離Hを、折り畳んだ状態の多層フィルムの折り畳み幅Wに対し、H/W≧1.8となるようにすることで、多層フィルムを折り畳むときにシワが生じるのを防ぐようにした。
【選択図】図3

Description

本発明は、袋状の包装容器等を製造するときに用いるのに適した筒状フィルム製造装置に関する。
樹脂フィルムを多層に積層して得た多層フィルムにより、袋状の包装容器等を形成することが行われている。
このような多層フィルムの製造法として、多層フィルムブロー成形法がある。多層フィルムブロー成形法に用いられる成形装置は、外筒の内部に形成された円柱状の凹部に、すり鉢状の金型部材が複数段に積層された構成の金型を備えている。そしてこのような金型で、各段において互いに上下に位置する金型部材の隙間から外周側の外筒との間の隙間に溶融状態の樹脂を押し出しつつ、これら各段から押し出された樹脂が順次重ね合わされることで、筒状の多層フィルムを形成する(例えば、特許文献1、2参照)。
形成された筒状の多層フィルムは、その後、冷却されて固化し、さらに平らに折り畳まれ、ロール状に巻き取られる等した後、袋状への加工が後工程で行われるようになっている。
特開2005−144758号公報 特開2002−79576号公報
筒状の多層フィルムを平らに折り畳むには、金型から筒状の状態で連続して送り出される多層フィルムを、一対のローラ間に通す。このとき、折り畳んだ状態で、幅方向の中央部付近で多層フィルムが弛んでしまうことがある。中央部が弛んだ状態のまま、多層フィルムをロール状に巻き取ってしまうと、弛んだ部分がシワになり、品質を低下させることにもなる。これは、多層フィルムの送り速度が速いほど、多層フィルムの幅が大きいほど、顕著な傾向にあると言える。
また、金型から筒状の状態で送り出される多層フィルムは、水等と接触させることで効率的に冷却するのが好ましいが、多層フィルムは水を弾くため、その全体を均一に冷却させるのが困難である。さらに、金型から冷却、折り畳みへと至る過程で、筒状の多層フィルムは重力を利用し、鉛直下方に自然落下させる。このとき、冷却用の水をはじめ、諸々の要因により、特に冷却されて固化するまでの過程で多層フィルムの挙動が変化しやすい。多層フィルムの挙動が変化すると、その後の折り畳み工程で、上記のようなシワが発生しやすくなる。
さらに、このような多層フィルムの製造装置においては、多層フィルムの層構成やフィルム材質、サイズ等が異なる多品種製造に対応できるのが言うまでもなく好ましい。しかしながら、多品種製造に対応するには、従来、上記のようなシワ等の問題が発生しないように、現場の作業者が経験と勘に基づいて様々な条件を変更しているのが現状であった。このため、ベテランの作業者以外が製造条件を設定するのは難しく、様々な品種の多層フィルムを安定した品質で製造するのは困難であると言わざるを得ない。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、筒状のフィルムを安定した品質で製造することのできる筒状フィルム製造装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、円筒状のフィルムを断面平面形状に折り畳むと、なぜシワが生じるのか、その原因について追求した。その結果、図6(a)、(b)に示すように、円筒状のフィルム1を平面形状に折り畳む過程において、折り畳んだ状態でフィルム1の幅方向両端部となる位置Aと、折り畳んだ状態でフィルム1の幅方向中央部となる位置Bとでは、円筒状態のフィルム1の同一断面上の位置C1、C2からの距離X、Yが異なることを見出した。
円筒状態のフィルム1の位置C1から位置Aまでの距離Xは、円筒状態のフィルム1の半径をR、折り畳んだ状態のフィルム1の幅をW、フィルム1が円筒状態から折り畳まれる位置までの鉛直方向の距離をHとすると、
X=(H+(W/2−R)0.5
となり、
W=πR
であるので、
X=(H+(πR/2−R)0.5
となる。一方、円筒状態のフィルム1の位置C2から位置Bまでの距離Yは、
Y=(H+R0.5
となる。
したがって、X<Yであり、図6(c)に示すように、その差(比)は、フィルム1の半径Rが大きくなるほど、フィルム1を折り畳むための距離Hが短くなるほど、顕著なものとなり、これによって折り畳んだ状態でフィルム1の中央部にシワが寄るのである。
このような知見に基づいてなされた本発明の筒状フィルム製造装置は、筒状のフィルムを製造するためのものであり、連続体生成部にて、溶融状態のフィルム原料を筒状に成形して連続的に下方に送り出し、連続体を生成する。このとき、フィルム原料を筒状に成形するための金型の構成については、本発明において何ら限定する意図は無い。
連続体生成部から送り出された筒状の連続体は、冷却部にて冷却されて固化する。固化した連続体は、折り畳み部において、断面平面形状に折り畳まれるわけであるが、本発明においては、この折り畳み部を、連続体を折り畳んだ状態での幅Wに対し、連続体を折り畳むための経路長Hが、H/W≧1.8を満たすように設定する。このようにして、連続体を折り畳んだ状態での幅Wに対し、連続体を折り畳むための経路長Hを十分に大きく確保することで、前記の距離X、Yの差を小さくし、連続体(フィルム)にシワが寄るのを防ぐ。このとき、距離X、Yの差が0(ゼロ)になることは無いが、連続体は、一般に樹脂系材料から形成されるフィルムによって形成されるので、その伸びにより、距離X、Yの差は吸収できる。なお、連続体を折り畳んだ状態での幅Wが大きくなればなるほど、折り畳み時における条件は厳しくなるため、そのような場合、好ましくはH/W≧2、より好ましくはH/W≧3.5とすることで、シワの発生を抑えることができる。
このような折り畳み部は、いかなる構成であっても良いが、冷却部から漸次間隔が狭まるように設けられた一対のガイド部材と、ガイド部材の間隔が狭い側に設けられ、連続体を挟み込んで引き込む引き込み部と、を備える構成とするのが良い。その場合、上記H/W≧4を十分に満足するように、一対のガイド部材を、その相対角度が10〜20°をなすように設けるのが好ましい。このとき、一対のガイド部材の相対角度を変更可能な構造としておけば、製造する連続体の材質、幅寸法、送り速度等に応じ、ガイド部材の相対角度を適宜調整することができる。
ところで、このような筒状フィルム製造装置において、冷却部は、連続体の径を、形成すべき連続体の径に対応した寸法に規制するため、リング状で、連続体を冷却するための液体を連続体の外周面に沿わせて流下させる寸法規制部材を備えた構成とするのが好ましい。液体としては、例えば水が好適であり、これにより、連続体の径を精度良く形成することができるとともに、液体によって溶融状態のフィルム原料の冷却効率を高めることができる。
その冷却効果を確実なものとするために、冷却部は、寸法規制部材からL3≧Wの経路にわたって連続体を冷却するようにするのが好ましい。
また、冷却部は、寸法規制部材の下方に、液体が伝わり落ち、連続体の外周面が接触する筒状の網体を備えるようにするのも好ましい。これによっても、連続体が寸法規制部材を通過して落下しながら冷却される過程で、連続体を安定した挙動とすることができる。また、網体によって、液体を連続体の全面に均一に接触させることが可能となる。
このため、網体を保持するために、網体の外周側に網体保持部材を設けるのも好ましい。これによって網体が安定し、連続体の安定保持を、より確実に行うことができる。
本発明によれば、連続体を折り畳んだ状態での幅Wに対し、連続体を折り畳むための経路長Hを十分に大きく確保することで、連続体(フィルム)にシワが寄るのを防ぐことができ、これによって筒状のフィルムを安定した品質で製造することが可能となる。
また、リング状の寸法規制部材に連続体を通し、さらに液体によってこれを冷却することで、連続体の挙動を安定させるとともに冷却効率を高めることができ、これによっても筒状のフィルムの安定した品質での製造に寄与することができる。
さらに、冷却部の経路長を十分に確保したり、網体に沿って液体を伝わり落とすようにすることでも、連続体の冷却効率を高めることができ、これも筒状のフィルムの安定した品質での製造に寄与する。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
図1は、本実施の形態における多層フィルム製造装置(筒状フィルム製造装置)10の全体構成を示す図である。
この図1に示すように、多層フィルム製造装置10は、溶融樹脂を多層に積層して円筒状の連続体100を形成する金型部(連続体生成部)20と、金型部20から排出される円筒状の連続体100を冷却して固化させる冷却部30と、冷却部30で冷却された連続体100を平らに折り畳む折り畳み部40と、折り畳み部40で折り畳まれて帯状とされた連続体100をロール状に巻き取る巻取り部(図示無し)とを備えて構成されている。
金型部20は、有底状の外筒21内に、すり鉢状のインナーブロック22が所定数積層され、互いに上下に位置する2つのインナーブロック22、22間に供給された溶融樹脂がインナーブロック22のすり鉢状の表面に沿って外周側に流れていき、その外周側の端部から下方に落下することで、円筒状の連続体を形成する。形成された連続体は、その下方において同様に互いに上下に位置する2つのインナーブロック22、22の間から流れ落ちる連続体に接触し、これによって2つの連続体が積層されることになる。このようにして、複数層設けられたインナーブロック22のそれぞれから、同様にして連続体が形成されて落下することで、外筒21とインナーブロック22との間からは、溶融樹脂が複数層に積層された状態の円筒状の連続体100が落下することになる。
この状態において、円筒状の連続体100を構成する樹脂は、まだ溶融状態もしくは半溶融状態とされている。
金型部20においては、図示しないエアブロー機構により、円筒状の連続体100の内方にエアを噴出し、これによって連続体100がつぶれずに円筒状を維持するようにしている。
なお、これら金型部20の構成については、本発明において何ら限定する意図はなく、いわゆる多層フィルムブロー成形法に用いることのできる構成を適用することができる。
冷却部30は、金型部20の鉛直下方に設けられている。金型部20から落下してくる連続体100は、材料が溶融〜半溶融状態であるため、内方にエアが供給されることで若干外方に膨らむ。冷却部30においては、この連続体100の径を、製造すべき包装容器の寸法に対応したものに規制し、その状態で連続体100を固化させて多層フィルムとする。
このため、冷却部30は、金型部20の鉛直下方に間隔を隔てて設けられた寸法規制リング33を備えている。寸法規制リング33は、その内径が、固化後の連続体100の径が製造すべき包装容器の寸法となるよう、固化時の収縮等を考慮して設定された寸法とされている。水槽31は、リング状の底板32の内周部と外周部に、上方に立ち上がる周壁部34と寸法規制リング33を備えている。
このうち、外周部の周壁部34は、内周部の寸法規制リング33よりも高く形成され、これら寸法規制リング33、周壁部34間には、連続体100を冷却するための冷媒となる水等の液体が所定の流量で供給され、いわゆる水槽を構成するようになっている。供給された液体は、外周部よりも低く形成された内周部の寸法規制リング33の上縁部を乗り越え、水槽31の内方に流れ落ちるようになっている。この流れ落ちる液体は、金型部20から落下してくる円筒状の連続体100と水槽31の寸法規制リング33の間に介在することになり、円筒状の連続体100は、水槽31およびその内周側に介在する液体により、その外径が規制されるようになっている。
この水は、流れ落ちる連続体100と寸法規制リング33との間に介在することで、いわゆる潤滑機能を発揮し、連続体100が寸法規制リング33に付着してしまうのを防止するようにもなっている。
水槽31内における液位L2、すなわち寸法規制リング33の高さが低すぎると、外周部の周壁部34と内周部の寸法規制リング33の間に供給される液体の流れの影響により、寸法規制リング33の上縁部を乗り越える液体の流れが周方向において不均一となり、その影響で連続体100が変形したり冷却のムラが生じたりする。したがって、液位L2は、ある程度以上確保するのが好ましく、例えば40mm以上とするのが好ましい。液位L2自体は、最低限のレベル以上を確保すればよいが、液位L2を過大に大きくすると、これにともなって寸法規制リング33の高さL1も大きくなってしまうため、これを考慮する必要がある。
また、寸法規制リング33の内方に流れ落ちた液体は、寸法規制リング33の内方を通ってさらに下方に落下する連続体100の外周面に接触することで、連続体100を冷却する。この冷却効果を高めるため、冷却部30には、筒状の網体35が備えられている。網体35は、寸法規制リング33の下面に取り付けられるリング状の網体固定部材36によって上端部が寸法規制リング33との間に挟み込まれた状態で固定されて、寸法規制リング33から下方に筒状をなして吊り下げられた状態とされている。この網体35により、液体は、寸法規制リング33から筒状の網体35に沿って流れ落ちる。
これにより、連続体100は、その外周側が、網体35に沿って流れ落ちる液体によって冷却され、固化するようになっている。このとき、液体は、網体35によって連続体100の外周面全体に均一に接触し、これによって連続体100を均一に冷却することができる。
このように、液体で連続体100を冷却する、冷却過程の長さL3は、連続体100の送り速度にも多少左右されるものの、連続体100を折り畳む前に十分に冷却・固化するためには、概ねL3/W≧1.0となるように確保するのが好ましい。
さらにこの網体35は、外周側から、複数本のサポート部材(網体保持部材)37によって保持され、寸法規制リング33から鉛直下方に吊り下げられて円筒状の形状を維持するようになっている。このため、図2に示すように、サポート部材37は、先端部37aが円弧状で網体35に接し、支持部37bが、この先端部37aを装置フレーム等に固定支持するようになっている。
図1、図3に示すように、折り畳み部40は、水槽31の鉛直下方に設けられ、一対のガイド部材41、41、一対のローラ(引き込み部)42、42によって構成されている。
各ガイド部材41は、フレーム43に、断面円形のガイドパイプ44が多数本取り付けられた構成を有している。各ガイドパイプ44は、連続体100の送り方向に直交する方向、つまり水平方向に延在するように設けるのが好ましい。ガイドパイプ44の断面形状を円形としたのは、連続体100に対する接触抵抗をなるべく小さくし、連続体100の引っかかり等を防ぐためである。このため、ガイドパイプ44をその軸線周りに回転自在に支持する構成としたり、ガイドパイプ44の表面の摩擦係数を低減するための各種表面処理を施す構成等を追加するのも有効である。
これらガイド部材41は、連続体100の送り方向上流側から下流側に向けて、つまり上方から下方に向けてその間隔が漸次小さくなるよう、全体として略V字状に配置されている。
さらに、折り畳み部40として、ガイド部材41,41の下方に一対のローラ42、42が設けられ、これらのローラ42、42が図示しないモータ等によって回転駆動されるようになっている。これらローラ42、42間に連続体100を挟み込み、ローラ42、42を回転駆動させることによって連続体100を引き込む。
このようにして、ガイド部材41、41間を通り、ローラ42、42へと至る過程で、連続体100は、円筒状断面から、長円断面、そして平面状断面へと向けて折り畳まれていく(図1中、二点差線で示すものは、連続体100の断面形状のイメージ。)。
このとき、連続体100の円筒状断面が維持されていた網体35の下端部から、完全に平面断面に折り畳まれるローラ42、42までの距離Hは、折り畳んだ状態の連続体100の折り畳み幅Wに対し、
H/W≧1.8
となるようにするのが好ましい。これは、連続体100を急激に折り畳むと、シワが発生しやすいからである。さらに好ましいのは、H/W≧2、条件に関わらず安定的に折り畳みを行えるのはH/W≧3.5である。H/Wの上限値は、特に限定する意図は無く、その比が大きいほど、連続体100を折り畳むときにシワが生じにくくなる。しかしながら、H/Wが大きくなり、ガイド部材41、41と連続体100の接触する距離が長くなると、その摩擦によってシワが生じることもある。このような点から言うと、H/W≦5とするのが好ましい。また、図1に示したように、多層フィルム製造装置10は、金型部20、冷却部30、折り畳み部40等を上下方向に配置しているため、多層フィルム製造装置10を設置する工場等の建屋の高さによってその上限が実質的に決まる。
上記条件を満足するには、双方のガイド部材41、41の相対角度θを、θ≦20°とするのが好ましい。また上記したような理由から、相対角度θの上限値は、10°≦θとするのが好ましい。相対角度θの特に好ましい範囲は、12≦θ≦16°、特に好ましいのはθ≒14°である。
このような相対角度θは、前述したように基本的にはなるべく小さくするのが好ましいが、建屋の高さ等の事情により、理想的な相対角度θを確保できない場合には、連続体100の送り速度を低下させれば、より大きな相対角度θであっても連続体100を確実に折り畳むことが可能となる。したがって、相対角度θは、上記範囲に限らず、諸々の事情に応じて適宜設定すればよい。
ところで、上記のH/Wの値のうち、連続体100の折り畳み幅Wは、製造すべき製品に応じ、寸法規制リング33を交換すれば容易に変更できる。一方、距離Hは、網体35に対し、ローラ42、42を上下方向に相対移動できるようにすれば変更が可能であるが、このような構成では、装置構成が複雑になる。そこで、距離Hについては固定としても良い。
その場合、ガイド部材41、41の相対角度θを調整することで、連続体100の折り畳み条件を良好なものとすることができる。すなわち、連続体100がガイド部材41、41に接触した部分からローラ42、42までの距離H’が、
H’/W≧4
を満足するように、相対角度θを調整すればよい。
このため、ガイド部材41、41は、相対角度θを調整するための調整機構を有する。この調整機構は、ガイド部材41、41の上部、下部のそれぞれに設けられ、ガイド部材41、41を互いに接近・離間する方向に移動可能に支持する支持バー45と、支持バー45に沿って移動し、支持バー45上の任意の位置でガイド部材41を固定する固定部材46とから構成される。このような調整機構は、例えば、支持バー45をネジ棒とし、固定部材46をナットとすることで構成できる。
このような調整機構によれば、上下の支持バー45のそれぞれにおいて、固定部材46の位置を調整することで、ガイド部材41、41の相対角度θを調整できるのである。
巻取り部(図示無し)は、ローラ42、42の下方に設けられた巻取りローラからなり、連続体100の送り速度に同期した速度で、折り畳み部40において断面平面状に折り畳まれた連続体100をロール状に巻き取るものである。
このような構成の多層フィルム製造装置10においては、寸法規制リング33により、所定寸法の筒状の連続体100を精度良く形成することができる。この後、筒状の連続体100を袋体にするための各種加工を行うことで、様々な形態の袋体を量産できる。このとき、寸法規制リング33のサイズを変更すれば、異なる径寸法の連続体100を形成できる。さらに、水槽31では内周部の寸法規制リング33から水等の液体を流すようにし、これによって連続体100と寸法規制リング33との付着を防止するとともに、連続体100の効率良い冷却を可能とした。
水槽31内における液位L2、すなわち寸法規制リング33の高さを、例えば40mm以上とすることで、寸法規制リング33を乗り越える液体の流れを均一なものとすることができ、これも安定した連続体100の挙動の実現に寄与する。
そして、寸法規制リング33の下方には網体35を設けたので、筒状の連続体100の全面に液体を確実に沿わせることができ、これによっても連続体100の冷却を確実に行うことができ、安定した連続体100の製造が可能となる。しかも、網体35は、サポート部材37によって筒状状態を維持できるよう保持されており、上記効果をより確実なものとすることができる。
さて、このように筒状に形成された連続体100は、折り畳み部40において、ガイド部材41、41間を通り、ローラ42、42へと至る過程で、円筒状断面から平面状断面へと向けて折り畳まれていく。このとき、連続体100の円筒状断面が維持されていた網体35の下端部から、完全に平面断面に折り畳まれるローラ42、42までの距離Hを、折り畳んだ状態の連続体100の折り畳み幅Wに対し、H/W≧1.8となるようにすることで、連続体100を折り畳むときにシワが生じるのを防ぐことができ、これによって、連続体100の品質が損なわれるのを防止することができる。
このようにして、本発明によれば、筒状の連続体100の製造を、安定かつ確実に高品質で行うことが可能となるのである。
ここで、本発明の効果を確認するための実験を行ったのでその結果を以下に示す。
図1に示すような構成の多層フィルム製造装置10を用い、直径400mm、折り畳んだ状態での幅300mmの多層フィルムを製造した。このとき、多層フィルムの層構成は、内周側から順に、PE樹脂(日本ポリエチレン(株)「ノバテックLL UF421」)、接着樹脂(三菱化学(株)「モディックAP M132C」)、Ny樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)「ノバミッド 1022」)、接着樹脂(三菱化学(株)「モディックAP M512VF」)、PBT樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)「ノバディラン 5020S」)となるようにした。
このような多層フィルムを形成するために、金型部20から筒状の連続体100を送り速度39m/minで送り出しながら、内径200mmの寸法規制リング33を通過させた。寸法規制リング33からは20L/minの流量で、水を溢れさせて流下させた。
そして、寸法規制リング33における液位L2を、10、50、90mmに変化させた。すると、L2=10mmでは、連続体100の円筒形状が崩れてしまった。これは、水が寸法規制リング33を周方向に均一に乗り越えず、水槽31に水を供給する供給源からの水流の影響を受けているためであった。これに対し、L2=50、90mmでは、そのような現象は認められず、連続体100は円筒形状を維持した。
これにより、寸法規制リング33における液位L2は40mm以上とするのが好ましいことが確認された。
続いて、上記と同様の条件で、液位L2を50mmとし、水槽31の下方に設置した網体35の長さを、117、536、895、1313、1672mmとし、連続体100が円筒形状を保持する長さを変化させた。なおこのとき、折り畳み部40のガイド部材41、41の相対角度θは、14°とした。
すると、表1に示すように、網体35の長さが117、536、895mmの場合には、その後に折り畳み部40で連続体100を折り畳むと、図4に示すような弛みが生じた。特に、網体35の長さが短いほど、弛みの程度は悪化した。これに対し、網体35の長さを1313、1672mmとした場合には、図5に示すように、折り畳み部40で連続体100を折り畳んでも弛みは生じなかった。これにより、網体35の長さ、つまり連続体100を円筒形状に保持する長さはL3≧Wとするのが好ましいことが確認された。
Figure 2007210158
また、上記と同様、液位L2を50mmとし、寸法規制リング33の下方に設置した網体35の長さを895mmとし、網体35の下端部から、完全に平面断面に折り畳まれるローラ42、42までの距離H、折り畳んだ状態の連続体100の折り畳み幅Wを、表2に示すように、様々に変化させた。
Figure 2007210158
すると、表2に示すように、連続体100の折り畳み幅Wが300、600mmの場合、連続体100を折り畳むための距離Hと連続体100の折り畳み幅Wとの比H/Wが1.8倍以上であれば、折り畳んだ連続体100へのシワや弛みの発生が認められなかったが、連続体100の折り畳み幅WがL3/W≧1.0となると、連続体100を折り畳むための距離Hと連続体100の折り畳み幅Wとの比H/Wが1.8倍ではシワの発生が一部で認められ、3.6倍であれば、折り畳んだ連続体100へのシワや弛みの発生が認められなかった。また、連続体100の折り畳み幅Wが600mmの場合において、連続体100を折り畳むための距離Hと連続体100の折り畳み幅Wとの比H/Wを5.2倍としたところ、弛みの発生が認められた。これは、連続体100と折り畳み部40のガイド部材41、41との摩擦による抵抗が大きすぎるためと思われる。したがって、連続体100を折り畳むための距離Hと連続体100の折り畳み幅Wとの比H/Wは、1.8倍以上、より広い条件で折り畳みを安定して行うには2倍以上、さらに好ましくは3.5〜5倍であることが確認された。
なお、上記実施の形態では、多層フィルム製造装置10の各部の構成について説明したが、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
本実施の形態における多層フィルム製造装置の概略構成を示すための図である。 網体のサポート部材を示す平断面図である。 図1の側断面図である。 弛みの生じた多層フィルムの例を示す図である。 弛みのない多層フィルムの例を示す図である。 弛みが生じる原因を説明するための図であり、(a)は円筒状の多層フィルムを折り畳むときの寸法差を説明するための図、(b)は(a)の側面図、(c)は多層フィルムの折り畳み幅と寸法差の関係を示す図である。
符号の説明
10…多層フィルム製造装置(筒状フィルム製造装置)、20…金型部(連続体生成部)、30…冷却部、31…水槽、33…寸法規制リング、35…網体、37…サポート部材(網体保持部材)、40…折り畳み部、41…ガイド部材、42…ローラ(引き込み部)、100…連続体

Claims (8)

  1. 筒状のフィルムの製造装置であって、
    溶融状態のフィルム原料を筒状に成形して連続的に下方に送り出し、連続体を生成する連続体生成部と、
    送り出された前記連続体を冷却して固化させる冷却部と、
    前記冷却部で冷却された前記連続体を断面平面形状に折り畳む折り畳み部と、を備え、
    前記折り畳み部は、
    前記連続体を折り畳んだ状態での幅Wに対し、前記連続体を折り畳むための経路長Hが、H/W≧1.8を満たすように設定されていることを特徴とする筒状フィルム製造装置。
  2. 前記折り畳み部は、前記冷却部から漸次間隔が狭まるように設けられた一対のガイド部材と、
    前記ガイド部材の間隔が狭い側に設けられ、前記連続体を挟み込んで引き込む引き込み部と、を備えていることを特徴とする請求項1に記載の筒状フィルム製造装置。
  3. 一対の前記ガイド部材は、その相対角度が10〜20°をなすように設けられていることを特徴とする請求項2に記載の筒状フィルム製造装置。
  4. 一対の前記ガイド部材は、その相対角度が変更可能であることを特徴とする請求項2または3に記載の筒状フィルム製造装置。
  5. 前記冷却部は、前記連続体の径を、形成すべき前記連続体の径に対応した寸法に規制するため、リング状で、前記連続体を冷却するための液体を前記連続体の外周面に沿わせて流下させる寸法規制部材を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の筒状フィルム製造装置。
  6. 前記冷却部は、前記寸法規制部材からL3≧Wの経路にわたって前記連続体を冷却することを特徴とする請求項5に記載の筒状フィルム製造装置。
  7. 前記冷却部は、前記寸法規制部材の下方に、前記液体が伝わり落ち、前記連続体の外周面が接触する筒状の網体を備えることを特徴とする請求項5または6に記載の筒状フィルム製造装置。
  8. 前記網体を保持するため、前記網体の外周側に網体保持部材が設けられていることを特徴とする請求項7に記載の筒状フィルム製造装置。
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