JP2007210014A - 突出部を備えた筒状部材の製造方法及び製造装置 - Google Patents

突出部を備えた筒状部材の製造方法及び製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】冷間鍛造により、外周面に結合フランジ12を備えた外輪を、内周面に凹部が形成されずに、安定して加工できる製造方法及び製造装置を実現する。
【解決手段】上側、下側両マンドレル素子54、55を、上記結合フランジ12となる部分の内径側部分で突き合わせる。上側マンドレル素子54を下方に押圧しつつ、上側、下側両パンチ43、30同士の間で中間素材40を軸方向に圧縮する。そして、上記結合フランジ12を形成すると同時に、この中間素材40の一部を、上記両マンドレル素子54、55の突き合わせ部に存在する環状隙間57進入させ、バリ状余肉部53を有する第二中間素材46aとする。その後、上記両マンドレル素子54、55を離隔させた状態でこの第二中間素材46aを取り出してから、バリ状余肉部53を除去する。この構成により、上記結合フランジ12の内径側部分に凹部が形成される事を防止する。
【選択図】図2

Description

この発明の対象となる突出部を備えた筒状部材は、例えば、車輪支持用ハブユニットを構成する外輪の如く、全体が筒状(一般的には円筒状)で、外周面に、円周方向に連続した外向フランジ状、或いは円周方向に間欠的に設けられた突片状の突出部を設けた金属製部材である。本発明は、この様な突出部を備えた筒状部材を、低コストで精度良く加工できる製造方法及び製造装置の実現を図るものである。
自動車の車輪を構成するホイール1、及び、制動用回転部材であって制動装置であるディスクブレーキを構成するロータ2は、例えば図4に示す様な構造により、懸架装置を構成するナックル3に回転自在に支持している。即ち、このナックル3に形成した円形の支持孔4部分に、車輪支持用ハブユニット5を構成する外輪6を、複数本のボルト7により固定している。一方、この車輪支持用ハブユニット5を構成するハブ8に上記ホイール1及びロータ2を、複数本のスタッド9とナット10とにより結合固定している。又、上記外輪6の内周面には複列の外輪軌道11a、11bを、外周面には結合フランジ12を、それぞれ形成している。この様な外輪6は、この結合フランジ12を上記ナックル3に、上記各ボルト7で結合する事により、このナックル3に対し固定している。
又、上記ハブ8は、ハブ本体13と内輪14とから成る。このうち、ハブ本体13の外周面の一部で、上記外輪6の外端開口から突出した部分に、取付フランジ15を形成している。尚、軸方向に関して「外」とは、自動車への組み付け状態で車両の幅方向外側となる、図4、5の左側を言う。反対に、自動車への組み付け状態で車両の幅方向中央側となる、図4、5の右側を、軸方向に関して「内」と言う。上記ホイール1及びロータ2は、上記取付フランジ15の外側面に、上記各スタッド9とナット10とにより結合固定している。
又、上記ハブ本体13の外周面の中間部に、上記複列の外輪軌道11a、11bのうちの外側の外輪軌道11aに対向する、内輪軌道16aを形成している。又、同じく内端部に形成した小径段部17に、上記内輪14を外嵌している。この内輪14の外周面には、上記複列の外輪軌道11a、11bのうちの内側の外輪軌道11bに対向する、内輪軌道16bを形成している。この様な内輪14は、上記ハブ本体13の内端部を径方向外方に塑性変形させて形成したかしめ部18により、このハブ本体13に対し固定している。そして、上記各外輪軌道11a、11bと上記各内輪軌道16a、16bとの間に転動体19、19を、それぞれ複数個ずつ転動自在に設けている。尚、図示の例では、上記各転動体19、19として玉を使用しているが、重量の嵩む自動車用のハブユニットの場合には、円すいころを使用する場合もある。又、上記各転動体19、19を設置した円筒状の空間の両端開口部は、それぞれシールリング20a、20bにより密閉している。
更に、図示の例は、駆動輪(FF車の前輪、FR車及びRR車の後輪、4WD車の全車輪)用の車輪支持用ハブユニット5である為、上記ハブ8の中心部に、スプライン孔21を形成している。そして、このスプライン孔21に、等速ジョイント用外輪22の外端面に固設したスプライン軸23を挿入している。これと共に、このスプライン軸23の先端部にナット24を螺合し、更に緊締する事により、上記ハブ本体13を、このナット24と上記等速ジョイント用外輪22との間に挟持している。
次に、図5は、従来から知られている車輪支持用ハブユニットの第2例として、従動輪(FF車の後輪、FR車及びRR車の前輪)用のものを示している。この第2例の車輪支持用ハブユニット5aは、従動輪用である為、ハブ8aを構成するハブ本体13aの中心部にスプライン孔を設けていない。尚、図示の例では、内輪14の内端面を、上記ハブ本体13aの内端部に設けたかしめ部18により抑えているが、上記内輪14の内端面は、上記ハブ本体13aの内端部に螺合したナットにより抑える事もできる。この場合には、上記ハブ本体13aの内端部に、上記ナットを螺合する為の雄ねじ部を設ける。その他の部分の構造及び作用は、上述した第1例の車輪支持用ハブユニット5の場合と同様である。
ところで、上述した様な各車輪支持用ハブユニット5、5aの場合、何れの構造の場合も、外輪6の外周面中間部に結合フランジ12を、内周面に複列の外輪軌道11a、11bを、それぞれ形成している。この様な各部を加工する為の方法としては、熱間鍛造或いは冷間鍛造等の塑性加工の他、切削加工等が考えられる。但し、加工能率を良好にし、材料の歩留を確保して、コスト低減を図る為には、塑性加工で行なう事が好ましい。又、塑性加工のうちで熱間鍛造は、被加工物を軟らかい状態で加工できる為、成形荷重を小さく抑えられる反面、熱膨張量差等を考慮して、受型と押型との嵌合部の公差を大きくする必要がある等、加工品の形状精度及び寸法精度を確保しにくい。又、熱間鍛造の場合には、表面に脱炭層が生じる為、熱処理により表面を硬化させる必要がある部分の場合には、熱間鍛造の後、上記脱炭層を除去する為の切削加工が必要になる。この切削加工による取り代は或る程度嵩む為、この切削加工により、加工能率が低下するだけでなく材料の歩留も悪化し、上記外輪6の加工コストが嵩む原因になる。
これらの事を考慮して、上記外周面に結合フランジ12を有する外輪6の加工を、冷間鍛造の1種である側方押し出し加工により造る事が考えられている(特願2004−298585号)。図6は、この側方押し出し加工により、上記外輪6を造る状況を示している。本発明は、この図6に示した様な製造装置により実施される、先発明の側方押し出し加工の改良に関するものであり、本発明と先発明とは共通する部分が多い。そこで、先ず、上記図6により、上記側方押し出し加工を利用して上記外輪6を造る状況に就いて、詳しく説明する。尚、上記図6中、右半部は加工開始直前の状態を、左半部は加工終了直後の状態を、それぞれ示している。先ず、製造装置に就いて説明する。
プレス加工機のテーブル(図示省略)の上面に載置固定する下板25の上面に、下側保持筒26を固定している。又、この下側保持筒26の下端部内側に抑え板27を固定し、この抑え板27の中心孔28の内側に、円柱状のマンドレル29の基端部(下端部)を支持固定し、この抑え板27の上面でこのマンドレル29の下半部の周囲に、円筒状の下側パンチ30を外嵌している。この下側パンチ30は、加工後の中間素材(第二中間素材)を上記マンドレル29の周囲から抜き出す為のカウンターパンチとしての機能も備えたもので、このマンドレル29の外周面と、上記下側保持筒26の内側に保持された、厚肉円筒状の下側支持ブロック31の内周面との間に、所定量分だけ、昇降自在に設けられている。上記中間素材の取り出し時には、上記下側パンチ30の下側に圧油等の圧力流体を導入して、この下側パンチ30を所定量だけ上昇させ、上記中間素材を押し上げる。
又、上記下側保持筒26の上部内側に、厚肉円筒状の下型32を内嵌固定している。上記下側パンチ30の上部はこの下型32の中心孔33に、密に、且つ、軸方向の変位(昇降)を可能な状態で挿入している。又、この下型32の上面で上記中心孔33の周囲部分に、前記外輪6の外周面に形成すべき結合フランジ12(図4〜5参照)の片半部(前記外輪6となった状態での軸方向外半部)の形状に見合う、下側凹部34を形成している。一方、上記マンドレル29の上部外周面には、上記外輪6の内周面の1対の外輪軌道11a、11b(図4〜5参照)のうちの一方(図示の例では軸方向外側)の外輪軌道11aを形成する為の、面押し部35を設けている。
一方、上記下板25の上方に上板36を、この下板25と平行に設けている。この上板36は、プレス加工機のラム(図示省略)の下面に取り付け固定するもので、この上板36の下面に上型37を、若干の昇降を可能に支持している。即ち、この上板36の下面に固定した上側保持筒38の内側に上記上型37を、所定量の昇降を可能に保持している。そして、この上型37の上面と上記上板36の下面との間に、圧縮コイルばね、ゴムの如きエラストマー等の弾性部材39を挟持して、上記上型37に、下方に向かう弾力を付与している。尚、この上型37に下方に向く弾力を付与する為には、上記弾性部材39による他、ガス圧或いは油圧を利用しても良い。
上記上型37には、中間素材40の上半部(上記外輪6となった状態での軸方向内半部)を密に内嵌できる中心孔41を形成している。又、上記上型37の下面のうち、この中心孔41の周囲部分で、上記下側凹部34に整合する部分には、上記結合フランジ12の他半部(上記外輪6となった状態での軸方向内半部)の形状に見合う、上側凹部42を形成している。更に、上記上型37の内側に、上側パンチ43を固定している。図示の例では、この上側パンチ43は、それぞれが円筒状の外径側パンチ44と内径側パンチ45とから成る。そして、この上側パンチ43の先端面(下端面)により上記中間素材40を下方に押圧する様にしている。尚、この上側パンチ43の先端面は、上記外径側、内径側両パンチ44、45の先端面位置をずらせる事により段付形状として、上記上側パンチ43の先端面により上記中間素材40を下方に押圧すると同時に、この中間素材40の上端部を段付形状に塑性加工する様にしている。
次に、上述の様な構成を有する製造装置により、上記中間素材40を、より上記外輪6の形状に近い、第二中間素材46に加工する工程に就いて説明する。先ず、上記中間素材40を、図6の右半部に示す様に、上記下型32と上記上型37との間に装着する。上記中間素材40は、予め外周面中間部に段付部47を、温間鍛造加工或いは冷間鍛造加工により形成したもので、下半部(上記外輪6となった状態での軸方向外半部)の外径が上半部(上記外輪6となった状態での軸方向内半部)の外径よりも小さくなっている。内径は、全長に亙り同じである。この様な中間素材40を、上記下型32の上半部内周面と前記マンドレル29の上部外周面との間に装着する。この装着作業は、プレス加工機のラムと共に上記上型37及び上記上側パンチ43を上昇させた状態で行なう。
次いで、それ迄上昇していた上記ラムを下降させ、先ず、図6の右半部に示す様に、上記下型32の上面外径寄り部分と、上記上型37の下面外径寄り部分とを突き合わせる。次いで、上記ラムを更に下降させ、上記上側パンチ43により上記中間素材40を、上記下側パンチ30に向け、強く押圧する。この際、前記弾性部材39が弾性的に圧縮される。この状態では、上記下型32の上面外径寄り部分と上記上型37の下面外径寄り部分とが密に突き合わされた状態のまま、上記上側パンチ43のみが下降する。この結果、上記中間素材40の下半部が、塑性変形しつつ、上記下型32の中間部下半寄り部分の内周面と、上記マンドレル29の外周面のうちで前記面押し部35よりも下側部分との間の、円筒状空間48内に押し込まれる。そして、上記中間素材40の下半部が、この円筒状空間48に倣った形状に塑性加工される。この状態で、一方(軸方向外側)の外輪軌道11aが形成される。
上記上側パンチ43の下降は、上記中間素材40の下半部を上記円筒状空間48に完全に押し込んだ後迄継続する。この結果、この中間素材40の一部が、前記下側凹部34と前記上側凹部42とにより構成される放射状空間49内に流れ込み(フローし)、前記結合フランジ12が形成される。この状態で、上記中間素材40が、より上記外輪6の形状に近い、前記第二中間素材46に加工される。その後、上記ラムを再び上昇させて、上記結合フランジ12を形成された上記第二中間素材46を取り出す。この取り出し作業は、前記下側パンチ30を上昇させる事で行なう。そして、取り出した上記第二中間素材46に、内周面に他方(軸方向内側)の外輪軌道11bを形成したり、内周面の必要個所を焼き入れ硬化する等の必要な後加工(必要とする切削加工、熱処理加工、研削加工等の後加工)を施してから、他の部材と組み合わせ、前述の図4〜5に示す様な、車輪支持用転がり軸受ユニットとする。
上述の様にして、上記結合フランジ12を有する上記第二中間素材46を造れば、上記外輪6を、必要とする精度を確保しつつ、低コストで造れる。即ち、この第二中間素材46の外形を、完成状態での外輪6の外形に近く(精度良く)できる為、後工程の切削工程での取り代を低減し、切削工程に要する時間の短縮と材料の歩留り向上とを図れる。上記中間素材40から上記第二中間素材46への加工は、冷間鍛造の1種である側方押し出し加工により行なうが、比較的低荷重で行なう事ができて、設備投資並びに運転経費を安く抑えられる。そして、得られた外輪6の強度を十分に大きくできる。
但し、より良質の外輪6を得る為には、側方押し出し工程に改良を加える必要がある事が、本発明者等の研究により分かった。この点に就いて、以下に説明する。
図6に示す様な側方押し出し加工により、突出部を備えた筒状部材を加工した場合、この筒状部材の内周面の一部でこの突出部の内径側に存在する部分に凹部が形成される場合がある。例えば、上記中間素材40から、上記第二中間素材46を加工した場合、図7に示す様に、この第二中間素材46の内周面の一部で結合フランジ12の内径側に整合する部分に、凹部50、50が形成される場合がある。この様な凹部50、50は、常に形成されるとは限らないが、素材の肉厚や、上記結合フランジ12を加工すべき放射状空間49への金属材料の流動のし易さ等、加工時に於ける各種条件のバランスによって、次の様な機構により形成される。
即ち、上記側方押し出し加工により上記結合フランジ12を形成する際には、図8に矢印で示す様に、上記第二中間素材46の本体部分(円筒状部分)から、放射方向外側に延出する上記結合フランジ12に向けて金属材料が流動する。この流動に伴って、この結合フランジ12の内径側に存在する、上記本体部分を構成すべき金属材料までもが径方向外方に引っ張られる。その結果、上記第二中間素材46の内周面の一部で結合フランジ12の内径側に整合する部分に、上記凹部50、50が生じてしまう。
この様な凹部50、50を放置した場合、応力集中により、得られた外輪6の強度確保が難しくなるので、これを除去する必要がある。ところが、上記凹部50、50を除去する為には、その分だけ、後工程に於ける切削加工での取り代を多くする必要があり、切削工程に要する時間の増大と材料の歩留り低下とにより、上記外輪6の製造コストを上昇させてしまう。しかも、上記凹部50、50は、上記第二中間素材46の内周面に、全周に亙り不均一に形成される為、この凹部50、50を切削加工により除去する際の切削状況は、断続的になり、バイト等の切削工具の寿命確保が難しい。従って、この面からも、上記外輪6の製造コストを高くする。
単に、上記凹部50、50が生じる事を防止するだけであれば、前記中間素材40の径方向に関する肉厚を大きくすれば良い。肉厚を大きくすれば、上記結合フランジ12部分への材料供給が良好に行なわれる事に加えて、前記放射状空間49と上記中間素材40の内周面との距離が長くなる為、上記凹部50、50が生じにくくなる。但し、肉厚を大きくすると、前記側方押し出し加工時にラムを下降させる為に要する力(加工荷重)が大きくなる。しかも、上記外輪6の重量が徒に増大する事を防止する為には、後工程で行なう切削加工時の取り代が大きくなる等により、製造コストが高くなってしまう。
尚、特許文献1〜3には、位置決め筒部と、取付フランジと、中間部と、小径段部とを備えたハブの構造に関する発明が記載されている。但し、上記特許文献1〜3に記載された発明は、何れも、位置決め筒部や取付フランジを容易に加工若しくは設置できる様にする為の構造に関するものであり、外輪の外周面に結合フランジを、冷間鍛造により精度良く加工できる様にする技術を示唆するものではない。
特開2003−25803号公報 特開2003−291604号公報 特開2004−74815号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、例えば外周面に結合フランジを備えた外輪を、冷間鍛造により精度良く、しかも内周面に凹部等が形成されずに、安定して加工できる製造方法及び製造装置を実現すべく発明したものである。
本発明の突出部を備えた筒状部材の製造方法及び製造装置のうち、請求項1に記載した製造方法の発明は、図6により先に説明した、先発明に係る製造方法と同様に、筒状で金属製の素材の内側にマンドレルを挿入して、この素材が内径側に変形するのを抑えると共に、この素材の周囲に配置された、軸方向に2分割される1対の外径側金型の内周面によりこの素材の外周面の一部を抑えた状態で、この素材を軸方向に圧縮する。そして、この素材の外周面の残部で上記両外径側金型の内周面により抑えられていない部分を径方向外方に塑性変形させる側方押出加工により、外周面の一部に径方向外方に突出した突出部を形成する。
特に、請求項1に記載した、突出部を備えた筒状部材の製造方法では、上記マンドレルとして、軸方向に2分割された1対のマンドレル素子を、上記突出部となる部分の内径側部分で突き合わせて成るものを使用する。そして、これら両マンドレル素子を互いに近づく方向に弾性的に押圧しつつ、上記素材を軸方向に圧縮する事により、上記突出部を形成すると同時に、この素材の一部を上記両マンドレル素子の突き合わせ部に進入させ、この突き合わせ部に対応する部分に径方向内方に突出するバリ状余肉部を形成して中間素材とする。その後、上記両マンドレル素子を離隔させた状態でこの中間素材をこれら両マンドレル素子同士の間から抜き出してから、上記バリ状余肉部を除去する。
上述の請求項1に記載した製造方法の発明を実施する場合に、例えば請求項2に記載した発明の様に、突出部を備えた筒状部材を、車輪支持用転がり軸受ユニットを構成する為の外輪とする。そして、外周面に形成された突出部を、この外輪を懸架装置に結合固定する為のフランジ部とする。
この様な請求項2に記載した発明を実施する場合に、例えば請求項3に記載した発明の様に、外輪を、この外輪の内径側に複列に配置された転動体に背面組み合わせ型の接触角を付与する為の複列の外輪軌道を内周面に有するものとする。そして、少なくとも一方のマンドレル素子の外周面により、フランジ部の加工と同時に、上記両外輪軌道のうちの一方の外輪軌道を形成する。
一方、請求項4に記載した製造装置の発明は、マンドレルと、1対の外径側金型と、1対のパンチとを備える。
このうちのマンドレルは、筒状で金属製の素材の内側に挿入自在で、その外周面により、この素材が内径側に変形する事を抑える。
又、上記両外径側金型は、上記素材の周囲に配置自在で、それぞれの内周面により、この素材の外周面の一部が径方向外方に変形する事を抑える。
更に、上記両パンチは、上記両外径側金型の内周面と上記マンドレルの外周面との間に保持された上記素材を、軸方向両側から圧縮する。
そして、本発明の製造装置は、図6により先に説明した、先発明に係る製造装置と同様に、上記素材の外周面の残部で上記両外径側金型の内周面により抑えられていない部分を径方向外方に塑性変形させる側方押出加工により、外周面の一部に径方向外方に突出した突出部を形成する。
特に、請求項4に記載した、突出部を備えた筒状部材の製造装置では、上記マンドレルを、軸方向に2分割された1対のマンドレル素子を、上記突出部となる部分の内径側部分で突き合わせて成るものとする。
更に、押圧手段を備える。この押圧手段は、上記両パンチにより上記素材を軸方向に圧縮する状態で、上記両マンドレル素子を互いに近づく方向に弾性的に押圧する。
上述の請求項4に記載した製造装置の発明を実施する場合に、例えば請求項5に記載した様に、1対の外径側金型を、上下方向に2分割される上型及び下型とする。又、1対のマンドレル素子を、上下方向に2分割される上側マンドレル素子及び下側マンドレル素子とする。そして、このうちの下側マンドレル素子と上記下型とを、固定の下板の上面に、互いに同心に固定する。一方、上記上側マンドレル素子と上記上型とを、プレス加工機のラムに支持された状態で昇降する上板の下方に、この上板に対し互いに独立した昇降を可能として、互いに同心に、且つ、それぞれの上端部とこの上板との間に互いに別個の押圧手段を設けた状態で支持する。又、1対のパンチを、上記下型の内周面と上記下側マンドレル素子の外周面との間に配置されて、上記下板により下方への変位を抑えられた下側パンチと、上記上型の内周面と上記上側マンドレル素子の外周面との間に配置されて、上記上板の下降に伴って下方に押圧される上側パンチとする。
上述の様な請求項5に記載した発明を実施する場合に、例えば請求項6に記載した様に、突出部を備えた筒状部材を、車輪支持用転がり軸受ユニットを構成する外輪であって、この外輪の内径側に複列に配置された転動体に背面組み合わせ型の接触角を付与する為の複列の外輪軌道を内周面に有するものとする。又、外周面に形成された突出部を、上記外輪を懸架装置に結合固定する為の結合フランジとする。そして、少なくとも下側マンドレル素子の外周面に、上記両外輪軌道のうちの一方の外輪軌道を形成する為の面押し部を設ける。
この様な請求項6に記載した発明を実施する場合に、例えば請求項7に記載した様に、上側パンチの下端部に、他方の外輪軌道を形成する為の第二の面押し部を設ける。
上述の様に構成する本発明の突出部を備えた筒状部材の製造方法及び製造装置によれば、例えば外周面に結合フランジを備えた外輪を、冷間鍛造により精度良く、しかも内周面に凹部等が形成されない様にしつつ、安定して加工できる。即ち、本発明の製造方法及び製造装置は、前述の図6に示した先発明の製造方法及び製造装置の場合と同様の理由により、車輪支持用転がり軸受ユニットを構成する外輪の如き、突出部を備えた筒状部材を、必要とする精度を確保しつつ、低コストで造れる。
更に、本発明の製造方法及び製造装置によれば、結合フランジの如き突出部を形成すべき部分の内径側に、1対のマンドレル素子の先端面同士の突き合わせ部に対応して、隙間が存在する。そして、上記突出部を形成する為の側方押し出し加工の際に、上記筒状部材を構成する金属材料の一部が上記隙間に進入し、径方向内方に突出するバリ状余肉部を形成する。要するに、この隙間の存在により、上記金属材料の一部で軸方向位置が上記突出部に対応する部分に、径方向内方に向かう流れが惹起される。即ち、側方押し出し加工時に於ける、上記突出部に対応する部分での金属材料の流れを見た場合に、上記先発明では、外周面から内周面に至る迄(厚さ全体に亙り)径方向外方に向かう流れが支配的であった。これに対して本発明の場合には、少なくとも内周面近傍部分で、径方向内方に向かう流れが支配的となる。
この結果、中間素材の内周面のうちで上記突出部の内径側に対応する部分に、凹部が生じる事がない。上記バリ状余肉部は、打ち抜き加工、旋削加工等の後加工により除去する必要があるが、このバリ状余肉部は、薄肉で容積が小さく、しかもほぼ全周に亙り連続した形状である為、除去に要する手間は簡単で済み、しかもスクラップとなる部分の容積も極く僅かで済む(材料の歩留り低下は極く僅かで済む)。又、上記バリ状余肉部を、1対のマンドレル素子の突き合わせ部に形成する為、上記側方押し出し加工により上記突出部及びバリ状余肉部を形成した上記中間素材は、上記両マンドレル素子を離隔させる事により、これら両マンドレル素子の間から抜き出せる。これに対して、上記凹部が生じるのを防止する事のみを考慮すれば、一体型のマンドレルの外周面で上記突出部の内径側に対応する部分に凹溝を形成すれば良い。但し、この場合には、側方押し出し加工に伴って内径側に流動した金属材料と上記凹溝とが噛み合って、上記突出部を形成した中間素材を取り出せなくなる。
図1〜3は、請求項1〜6に対応する、本発明の実施の形態の1例を示している。先ず、図1は、円筒状の素材51を、外輪6に近い形状の第三中間素材52に加工する為の全工程を示している。図1の(A)に示した素材51は、先ず、冷間鍛造の1種である前方押し出し加工により、図1の(B)に示す様な、外周面を段付形状とした中間素材40(特許請求の範囲に記載した素材)に加工する。この前方押し出し加工は、上記素材51を円柱状のマンドレルに外嵌した状態でこの素材51を、内周面を段付形状とした外型内に押し込む事により行なう。前方押し出し加工に就いては、前述の特願2004−298585号に開示されており、本発明の要旨とも関係しないので、図示並びに詳しい説明は省略する。
上記中間素材40は、本発明の特徴である側方押し出し加工により塑性変形させて、図1の(C)に示す様な第二中間素材46a(特許請求の範囲に記載した中間素材)とする。この側方押し出し加工に就いては、基本的には、前述の図6で示した先発明の場合と同様にして行なうが、この先発明と異なる点に就いては、図2により、後で詳しく説明する。更に、本発明を実施する事により得られる、上記第二中間素材46aの内周面には、上記先発明を実施する事により得られる第二中間素材46(図6の左半部)とは異なり、内周面の中間部で、突出部である結合フランジ12の内径側部分に、内向鍔状のバリ状余肉部53が存在する。そこで、プレスによる打ち抜き加工、或いは旋削加工等により、上記バリ状余肉部53を除去し、図1の(D)に示す様な第三中間素材52とする。この第三中間素材52は、内周面に他方(軸方向内側)の外輪軌道11b(図4〜5参照)を形成したり、内周面の必要個所を焼き入れ硬化する等の必要な後加工(必要とする切削加工、熱処理加工、研削加工等の後加工)を施してから、他の部材と組み合わせ、前述の図4〜5に示す様な、車輪支持用転がり軸受ユニットとする。
次いで、本発明の要点である、上記中間素材40を塑性変形させて上記第二中間素材46aとする、側方押し出し加工に就いて、図2に示した製造装置を参照しつつ説明する。この図2に示した製造装置は、基本的には、前述の図6に示した、先発明に係る製造装置と同様であり、右半部は加工開始直前の状態を、左半部は加工終了直後の状態を、それぞれ示している。就いては、上記先発明に係る製造装置と構成が同じ部分には同一符号を付して重複する説明を省略し、以下、この先発明に係る製造装置と構成が異なる部分を中心に説明する。本発明の製造装置の場合には、マンドレル29aを、上下方向に2分割された、上側マンドレル素子54と下側マンドレル素子55とにより構成している。これら上側、下側両マンドレル素子54、55は、突き合わせ端部同士が互いに同じ外径を有する円柱状で、互いに同心に配置されている。
このうちの下側マンドレル素子55は下板25の中央部上面に、下型32と同心に固定されている。この下側マンドレル素子55を下板25の上面に固定する点に関しては、上記先発明に係る製造装置が、マンドレル29を下板25の上面に固定するのと同じである。これに対して上記上側マンドレル素子54は上板36の下方に、この上板36に対する若干の昇降を可能に、上型37と同心に、支持し(吊り下げ)ている。即ち、上記上側マンドレル素子54の上部を、上記上板36の下面に固定された上側パンチ43の内側に、所定量の昇降を可能に内嵌保持している。更に、上記上側マンドレル素子54の上端面と上記上板36の下面中央部との間に第二弾性部材56を設けて、この上側マンドレル素子54に対し、下方に向く方向の弾力を付与している。尚、上記第二弾性部材56に就いても、上記上型37の上面と上記上板36の下面との間に設ける弾性部材39と同様に、圧縮コイルばね、ゴムの如きエラストマーを使用できる他、ガス圧或いは油圧を利用して、上記上側マンドレル素子54に、下方に向く弾力を付与しても良い。
更に、上記上側マンドレル素子54の下面中央部と、上記下側マンドレル素子55の上面中央部とは、それぞれの面の外径寄り部分に比べて、少しだけ(例えば0.2〜1mm程度)軸方向に突出させている。従って、上記上側マンドレル素子54の下面と上記下側マンドレル素子55の上面とを突き合わせた状態では、これら両面の外径寄り部分同士の間に、薄い(軸方向厚さが0.4〜2mm程度の)環状隙間57が、全周に亙って形成される。尚、この環状隙間57の、径方向に関する幅寸法は特に問わない。1〜2mm程度あれば十分である。又、上記上側マンドレル素子54の下面と上記下側マンドレル素子55の上面との外周縁部に面取りを形成して、これら両面の面取りが合わさって形成される環状溝を、上記環状隙間57の代わりとする事もできる。
上述の様に構成する本例の製造装置により、前記中間素材40を塑性変形させて前記第二中間素材46aとする、側方押し出し加工の際には、先ず、上記中間素材40を、図2の右半部に示す様に、下型32と上型37との間に装着する。この装着作業は、プレス加工機のラムと共に上型37及び上側パンチ43を上昇させた状態で行なう。
次いで、それ迄上昇していた上記ラムを下降させ、先ず、図2の右半部に示す様に、上記下型32の上面外径寄り部分と、上記上型37の下面外径寄り部分とを突き合わせると共に、上記上側マンドレル素子54の下面と上記下側マンドレル素子55の上面とを突き合わせる。これら各面同士の突き合わせは、同時であっても、多少前後しても良い。
次いで、上記ラムを更に下降させ、上記上側パンチ43により上記中間素材40を、下側パンチ30に向け、強く押圧する。この際、前記弾性部材39及び前記第二弾性部材56が弾性的に圧縮される。この状態では、上記下型32の上面外径寄り部分と上記上型37の下面外径寄り部分とが、上記上側マンドレル素子54の下面中央部と上記下側マンドレル素子55の上面中央部とが、それぞれ密に突き合わされた状態のまま、上記上側パンチ43のみが下降する。
この結果、上記中間素材40の下半部が、塑性変形しつつ、上記下型32の中間部下半寄り部分の内周面と、上記下側マンドレル素子55の外周面のうちで前記面押し部35よりも下側部分との間の円筒状空間48内に押し込まれる。そして、上記中間素材40の下半部が、この円筒状空間48に倣った形状に塑性加工される。この状態で、一方(軸方向外側)の外輪軌道11aが形成される。
上記上側パンチ43の下降は、上記中間素材40の下半部を上記円筒状空間48に完全に押し込んだ後迄継続する。この結果、この中間素材40を構成する金属材料の一部が、前記下側凹部34と前記上側凹部42とにより構成される放射状空間49内に流れ込み(フローし)、前記結合フランジ12が形成される。この状態で、上記中間素材40が、より上記外輪6の形状に近い、前記第二中間素材46aに加工される。
本発明を実施する場合には、上記金属材料の一部が上記放射状空間49内に流れ込むと同時に、前記環状隙間57内にも流れ込む。そして、この環状隙間57に対応して、前記バリ状余肉部53を形成する。
その後、上記ラムを再び上昇させて、上記第二中間素材46aの周囲から前記上型37を、同じく内側から上記上側マンドレル素子54を、それぞれ抜き取る。次いで、上記結合フランジ12を形成された上記第二中間素材46aを、前記下型32の内側から取り出す。この取り出し作業は、前記下側パンチ30を上昇させる事で行なう。取り出した第二中間素材46aに後加工を施して前記外輪6とする事は、前述した通りである。
上述の様に本例の製造方法及び製造装置によれば、外周面に結合フランジ12を備えた外輪6を、冷間鍛造により精度良く、しかも内周面に前述の図7に示した様な凹部50、50の如き欠陥を生じさせる事なく、安定して加工できる。即ち、本例の製造方法及び製造装置によれば、上記結合フランジ12を形成すべき部分の内径側に、上側、下側両マンドレル素子54、55の先端面同士の突き合わせ部に対応して、上記環状隙間57が存在する。そして、上記結合フランジ12を形成する為の側方押し出し加工の際に、上記中間素材40乃至上記第二中間素材46aを構成する金属材料の一部が上記環状隙間57に進入して、径方向内方に突出する、上記バリ状余肉部53を形成する。要するに、この環状隙間57の存在により、上記金属材料の一部で軸方向位置が上記結合フランジ12に対応する部分に、図3に矢印で示す様に、径方向内方に向かう流れが惹起される。即ち、側方押し出し加工時に於ける、上記結合フランジ12に対応する部分での金属材料の流れを見た場合に、前述の図6に示した先発明では、外周面から内周面に至る迄(厚さ全体に亙り)径方向外方に向かう流れが支配的であった。これに対して本例の場合には、少なくとも内周面近傍部分で、上記環状隙間57に流れ込むべく、径方向内方に向かう流れが支配的になる。
この結果、上記第二中間素材46aの内周面のうちで、上記結合フランジ12の内径側に対応する部分に、前述の図7に示す様な凹部50、50が生じる事がない。上記バリ状余肉部53は、打ち抜き加工、旋削加工等の後加工により除去する必要があるが、このバリ状余肉部53は、薄肉で容積が小さく、しかもほぼ全周に亙り連続した形状である為、除去に要する手間は簡単で済み、しかもスクラップとなる部分の容積も極く僅かで済む(材料の歩留り低下は極く僅かで済む)。又、上記バリ状余肉部53を、上側、下側両マンドレル素子54、55の突き合わせ部に形成する為、上記側方押し出し加工により上記結合フランジ12及び上記バリ状余肉部53を形成した上記第二中間素材46aは、上記上側マンドレル素子54を上昇させて、上記両マンドレル素子54、55を離隔させる事により、これら両マンドレル素子54、55の間から抜き出せる。
尚、図示の例とは異なり、上記上側マンドレル素子54の下面と上記下側マンドレル素子55の上面との外周縁部に面取りを形成して、これら両面の面取りが合わさって形成される環状溝を設けた場合でも、前記中間素材40乃至上記第二中間素材46aの内周面近傍部分に、径方向内方に向かう流れを惹起できる。この場合に、上記環状溝の容積が小さくても、金属材料がこの環状溝に流れ込むと、上記上側マンドレル素子54が前記第二弾性部材56の弾力に抗して上昇する傾向になるので、上記径方向内方に向かう流れを、上記凹部50、50が生じる事を十分に防止できる程度に惹起できる。
本発明の製造方法及び製造装置は、外周面の一部に径方向外方に突出した突出部を形成した筒状部材であれば、図示の様な車輪支持用転がり軸受ユニットを構成する外輪に限らず実施できる。
又、図示は省略するが、図2に示した構造で、上側パンチ43の下端面内径寄り分から更に下方に延出する突出部を設け、この突出部の下端面部分に、軸方向内側の外輪軌道11bを形成する為の第二の面押し部を設ければ、第二中間素材の内周面に、複列の内輪軌道、若しくはこの複列の内輪軌道に近い形状を有する部分を加工できる。そして、後加工をより簡略にして、車輪支持用転がり軸受ユニットを構成する外輪の製造コストをより一層低減できる。
本発明の実施の形態の1例を、加工工程順に示す、断面図及び端面図。 側方押し出し加工の実施状況の1例を、加工開始直前の状態と加工終了直後の状態とで示す断面図。 本発明により側方押し出し加工を実施する状態での、金属材料の移動状況を示す、端面図及び断面図。 本発明の製造方法の対象となる、突出部を備えた筒状部材の1例である外輪を備えた、車輪支持用転がり軸受ユニットの第1例を、ナックルに組み付けた状態で示す断面図。 同第2例を示す断面図。 先に考えた、車輪支持用転がり軸受ユニットを構成する外輪を側方押し出し加工により造る状態を、加工開始直前の状態と加工終了直後の状態とで示す断面図。 先に考えた製造方法で生じる欠陥を誇張した状態で示す、車輪支持用転がり軸受ユニットを構成する外輪の端面図及び断面図。 上記欠陥が生じる理由を説明する為、金属材料の移動状況を示す、端面図及び断面図。
符号の説明
1 ホイール
2 ロータ
3 ナックル
4 支持孔
5、5a 車輪支持用ハブユニット
6 外輪
7 ボルト
8、8a ハブ
9 スタッド
10 ナット
11a、11b 外輪軌道
12 結合フランジ
13、13a ハブ本体
14 内輪
15 取付フランジ
16a、16b 内輪軌道
17 小径段部
18 かしめ部
19 転動体
20a、20b シールリング
21 スプライン孔
22 等速ジョイント用外輪
23 スプライン軸
24 ナット
25 下板
26 下側保持筒
27 抑え板
28 中心孔
29、29a マンドレル
30 下側パンチ
31 下側支持ブロック
32 下型
33 中心孔
34 下側凹部
35 面押し部
36 上板
37 上型
38 上側保持筒
39 弾性部材
40 中間素材
41 中心孔
42 上側凹部
43 上側パンチ
44 外径側パンチ
45 内径側パンチ
46、46a 第二中間素材
47 段付部
48 円筒状空間
49 放射状空間
50 凹部
51 素材
52 第三中間素材
53 バリ状余肉部
54 上側マンドレル素子
55 下側マンドレル素子
56 第二弾性部材
57 環状隙間

Claims (7)

  1. 筒状で金属製の素材の内側にマンドレルを挿入して、この素材が内径側に変形する事を抑えると共に、この素材の周囲に配置された、軸方向に2分割される1対の外径側金型の内周面によりこの素材の外周面の一部を抑えた状態で、この素材を軸方向に圧縮する事により、この素材の外周面の残部で上記両外径側金型の内周面により抑えられていない部分を径方向外方に塑性変形させる側方押出加工により、外周面の一部に径方向外方に突出した突出部を形成する、突出部を備えた筒状部材の製造方法であって、上記マンドレルとして、軸方向に2分割された1対のマンドレル素子を、上記突出部となる部分の内径側部分で突き合わせて成るものを使用し、これら両マンドレル素子を互いに近づく方向に弾性的に押圧しつつ、上記素材を軸方向に圧縮する事により、上記突出部を形成すると同時に、この素材の一部を上記両マンドレル素子の突き合わせ部に進入させ、この突き合わせ部に対応する部分に径方向内方に突出するバリ状余肉部を形成して中間素材とした後、上記両マンドレル素子を離隔させた状態でこの中間素材をこれら両マンドレル素子同士の間から抜き出してから、上記バリ状余肉部を除去する、突出部を備えた筒状部材の製造方法。
  2. 突出部を備えた筒状部材が、車輪支持用転がり軸受ユニットを構成する為の外輪であり、外周面に形成された突出部が、この外輪を懸架装置に結合固定する為のフランジ部である、請求項1に記載した突出部を備えた筒状部材の製造方法。
  3. 外輪が、この外輪の内径側に複列に配置された転動体に背面組み合わせ型の接触角を付与する為の複列の外輪軌道を内周面に有するものであり、少なくとも一方のマンドレル素子の外周面により、フランジ部の加工と同時に、上記両外輪軌道のうちの一方の外輪軌道を形成する、請求項2に記載した突出部を備えた筒状部材の製造方法。
  4. 筒状で金属製の素材の内側に挿入自在で、その外周面によりこの素材が内径側に変形する事を抑えるマンドレルと、この素材の周囲に配置自在で、それぞれの内周面により、この素材の外周面の一部が径方向外方に変形する事を抑える1対の外径側金型と、これら両外径側金型の内周面と上記マンドレルの外周面との間に保持された上記素材を軸方向両側から圧縮する1対のパンチとを備え、この素材の外周面の残部で上記両外径側金型の内周面により抑えられていない部分を径方向外方に塑性変形させる側方押出加工により、外周面の一部に径方向外方に突出した突出部を形成する、突出部を備えた筒状部材の製造装置であって、上記マンドレルが、軸方向に2分割された1対のマンドレル素子を、上記突出部となる部分の内径側部分で突き合わせて成るものであり、上記両パンチにより上記素材を軸方向に圧縮する状態で、上記両マンドレル素子を互いに近づく方向に弾性的に押圧する押圧手段を備えた、突出部を備えた筒状部材の製造装置。
  5. 1対の外径側金型が、上下方向に2分割される上型と下型とであり、1対のマンドレル素子が、上下方向に2分割される上側マンドレル素子と下側マンドレル素子とであり、このうちの下側マンドレル素子と上記下型とが、固定の下板の上面に互いに同心に固定されており、上記上側マンドレル素子と上記上型とが、プレス加工機のラムに支持された状態で昇降する上板の下方に、この上板に対し互いに独立した昇降を可能として、互いに同心に、且つ、それぞれの上端部とこの上板との間に互いに別個の押圧手段を設けた状態で支持されており、1対のパンチが、上記下型の内周面と上記下側マンドレル素子の外周面との間に配置されて、上記下板により下方への変位を抑えられた下側パンチと、上記上型の内周面と上記上側マンドレル素子の外周面との間に配置されて、上記上板の下降に伴って下方に押圧される上側パンチとである、請求項4に記載した突出部を備えた筒状部材の製造装置。
  6. 突出部を備えた筒状部材が、車輪支持用転がり軸受ユニットを構成する外輪であって、この外輪の内径側に複列に配置された転動体に背面組み合わせ型の接触角を付与する為の複列の外輪軌道を内周面に有するものであり、外周面に形成された突出部が、上記外輪を懸架装置に結合固定する為の結合フランジであり、少なくとも下側マンドレル素子の外周面に、上記両外輪軌道のうちの一方の外輪軌道を形成する為の面押し部を設けている、請求項5に記載した突出部を備えた筒状部材の製造装置。
  7. 上側パンチの下端部に、他方の外輪軌道を形成する為の第二の面押し部を設けている、請求項6に記載した突出部を備えた筒状部材の製造装置。
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