JP2007209897A - 燃焼排ガス中の窒素酸化物の分解除去装置および分解除去方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】装置の小型化、低コスト化と、照射する光エネルギー効率の向上や分解生成物の副生を抑制した、燃焼排ガス中の窒素酸化物の分解除去装置と方法の提供。
【解決手段】燃焼排ガスの供給口および排出口をそれぞれ端部に備えた分解反応器内に、燃焼ガスに対するエネルギー注入密度が5〜50kJ/m3になるように、波長170〜189nmの紫外光源を設けた窒素酸化物の分解除去装置、および該装置を用いて、一酸化窒素を分解および酸化した後、該燃焼排ガスを該分解反応器から排出する分解除去方法。
【選択図】図2
【解決手段】燃焼排ガスの供給口および排出口をそれぞれ端部に備えた分解反応器内に、燃焼ガスに対するエネルギー注入密度が5〜50kJ/m3になるように、波長170〜189nmの紫外光源を設けた窒素酸化物の分解除去装置、および該装置を用いて、一酸化窒素を分解および酸化した後、該燃焼排ガスを該分解反応器から排出する分解除去方法。
【選択図】図2
Description
本発明は、ディーゼルエンジン等から排出される燃焼排ガス中に含まれる窒素酸化物、特に一酸化窒素を低減し、該燃焼排ガスをクリーンに変えて排出する装置および方法に関するものである。
ディーゼルエンジン等から排出される燃焼排ガス中に含まれる一酸化窒素(NO)や二酸化窒素(NO2)等の窒素酸化物(NOX)は、酸性雨や光化学スモッグ等の要因となる有害なガス成分である。従来、窒素酸化物の除去方法として、窒素酸化物の発生源が、火力発電所などの大型で土地に固定されている場合には、アンモニアを還元剤として用いる接触還元排煙脱硝法が確立されている。
しかしながら、移動発生源からの窒素酸化物の除去方法の開発は研究段階にあり、例えば、移動発生源からの排ガスに放電プラズマを印加して排ガス中の一酸化窒素を二酸化窒素に酸化した後、排ガスに還元剤溶液を接触させて排ガス中の二酸化窒素を還元して除去する方法が提案されている〔特許文献1]。
しかし、該除去方法は、一酸化窒素を気相で酸化する第一工程と、二酸化窒素を液相で還元する第二工程の2工程からなるため、装置スペース、装置費を解決することが望まれている。加えて、放電プラズマ処理のエネルギー効率が低く、また反応選択性も低いので、さらに分解生成物が発生し、そのための処理を追加する必要がある。
しかしながら、移動発生源からの窒素酸化物の除去方法の開発は研究段階にあり、例えば、移動発生源からの排ガスに放電プラズマを印加して排ガス中の一酸化窒素を二酸化窒素に酸化した後、排ガスに還元剤溶液を接触させて排ガス中の二酸化窒素を還元して除去する方法が提案されている〔特許文献1]。
しかし、該除去方法は、一酸化窒素を気相で酸化する第一工程と、二酸化窒素を液相で還元する第二工程の2工程からなるため、装置スペース、装置費を解決することが望まれている。加えて、放電プラズマ処理のエネルギー効率が低く、また反応選択性も低いので、さらに分解生成物が発生し、そのための処理を追加する必要がある。
他の燃焼排ガス中の窒素酸化物の除去方法として、フィルタ構造の光触媒に紫外線を照射し、燃焼排ガス中の窒素酸化物を光反応により除去する方法が提案されている[特許文献2]。該方法は、燃焼排ガスに紫外光を直接照射して窒素酸化物を分解除去するのではなく、光触媒を活性化させるために紫外光を照射する間接的な方法である。そのため、分解除去工程は簡易であるが、光源と光触媒を併用するため、やはり高コストになることが避けられない。
以上のように、従来の排ガス中の窒素酸化物の除去方法は、排ガスや触媒を活性化させるエネルギー源と、実際に窒素酸化物に接触させる還元剤や触媒の併用が不可欠であり、そのことが、装置、システムの大型化やコスト増大の原因となっていた。また、放電処理では、エネルギー効率が低いことやさらに分解生成物が発生する等の課題が残されていた。
以上のように、従来の排ガス中の窒素酸化物の除去方法は、排ガスや触媒を活性化させるエネルギー源と、実際に窒素酸化物に接触させる還元剤や触媒の併用が不可欠であり、そのことが、装置、システムの大型化やコスト増大の原因となっていた。また、放電処理では、エネルギー効率が低いことやさらに分解生成物が発生する等の課題が残されていた。
本発明は、従来法のように、燃焼排ガス中の窒素酸化物を分解除去する際に、還元剤や触媒をあえて使用することなく、紫外光源を用いるだけで、一酸化窒素を直接分解・酸化することにより、分解除去装置の小型化、低コスト化を図り、加えて、紫外光のみの安定したエネルギーを窒素酸化物の分解除去に直接用いることで、エネルギー効率の向上や新たな分解生成物の発生を抑制しつつ、クリーンな燃焼排ガスとして大気中へ排出する装置および方法を提供することが目的である。
本発明は、燃焼排ガスの供給口および排出口をそれぞれ端部に備えた窒素酸化物の分解反応器内に、燃焼排ガスに対するエネルギー注入密度が5〜50kJ/m3になるように、波長170〜189nmの紫外光源を設けたことを特徴とする燃焼排ガス中の窒素酸化物の分解除去装置、である。
本発明の燃焼排ガス中の窒素酸化物の分解除去装置は、前記紫外光源がキセノンエキシマランプであることが好ましい。
また、本発明は、燃焼排ガス中の窒素酸化物を紫外光の照射により分解除去するに際して、分解反応器に燃焼排ガスを導入し、該分解反応器内に設けた紫外光源から、燃焼排ガスに対して波長170〜189nmの紫外光をエネルギー注入密度が5〜50kJ/m3になるように照射し、一酸化窒素を分解および酸化した後、該燃焼排ガスを該分解反応器から排出することを特徴とする燃焼排ガス中の窒素酸化物の分解除去方法、である。
本発明の燃焼排ガス中の窒素酸化物の分解除去装置・方法によれば、燃焼排ガス中の一酸化窒素に、紫外光が直接照射されるので、一酸化窒素の分解反応や酸化反応などが速く進行し、窒素酸化物の濃度を速やかに減少させることができる。また、紫外光の安定したエネルギーにより一酸化窒素を分解できるため、分解除去装置の小型化、低コスト化が可能となり、例えば、移動発生源であるディーゼルエンジン車に搭載することができる。また、紫外光は制御性に優れ、対象の燃焼排ガスに余剰なエネルギーを与えることがないように調整することができるので、エネルギー効率の向上や新たな分解生成物の発生抑制が可能となる。
まず、本発明の燃焼排ガス中の窒素酸化物の分解除去装置を図1および図2を用いて説明する。図1は本発明の燃焼排ガス中の窒素酸化物の分解除去装置を含む分解除去システムを示す概略図であり、図2は本発明の燃焼排ガス中の窒素酸化物を分解除去する装置を示す概略断面図である。本発明の分解除去装置および方法が、図1〜図2に示されるシステムおよび装置に基づくものに限定されないことは言うまでもない。
図1において、a1はディーゼルエンジンなどの窒素酸化物を含む燃焼排ガスの発生源、a2は燃焼排ガスの流量を制御するバルブ、a3は燃焼排ガス中の一酸化窒素の分解、酸化等の窒素酸化物の分解反応を行う分解除去装置、a4は紫外光を発生させるための高電圧発生電源、a5は排ガス中の窒素酸化物の濃度を測定する分析計である。エンジンa1で発生した燃焼排ガスは、バルブa2、分解除去装置a3、および、一部は分析計a5と、それらを連結した管路を経由して、排ガス出口a6から大気中に排出される。分解除去装置a3を除く各装置としては、公知の装置を使用することができる。
図1における分解除去装置a3の1例を図2に示す。該装置a3は、長さ200mm、内径34mmの耐熱ガラス管b5の両端がゴム栓で封止され、その一端にはガラス製の排ガス導入管b6が、他端にはガラス製の排ガス排出管b7が挿通している反応器であり、その中に該排ガスの流路が形成されている。耐熱ガラス管b5には、長さ170mm、外径10mmの管状の合成石英ガラス製の紫外光ランプb2が支柱b8により固定されており、紫外光の燃焼排ガスに対するエネルギー注入密度が5〜50kJ/m3になるよう、図2では、耐熱ガラス管b5の中心部に、耐熱ガラス管b5の管壁から12mm程度離間して設置されている。紫外光ランプb2の中心部には放電電極b3が、紫外光ランプb2の外周部には接地電極b4が配置されている。両電極は、耐熱ガラス管b5の外部に配置された高電圧発生電源b1(a4)に接続している。なお、図2では、分解除去装置a3および紫外光ランプb2を長尺管状に示しているが、形状はそれに限られることはなく、例えば、球状であってもよい。
このように本発明に係る分解除去装置a3によると、排ガス導入管b6を経由して耐熱ガラス管b5に導入された燃焼排ガスは、紫外光ランプb2から発生した紫外光によって、直接照射されるので、効率よく酸化分解される。すなわち、紫外光ランプb2が耐熱ガラス管b5の内部に設けられているので、紫外光が大気層などによって吸収されることが避けられ、光エネルギーの損失がない分、光エネルギーが一酸化窒素の分解や酸化などに有効に利用される。
本発明の分解除去装置は、紫外光源に交流高電圧を印加して放電させ、発生した紫外光のエネルギーを一酸化窒素等の窒素酸化物の分解除去に用いる方式である。一酸化窒素の結合解離エネルギーは628J/molであることから、一酸化窒素を分解するためには、189nm以下の波長の紫外光を選択することが好ましい。また、燃焼排ガス中に含有される窒素に、127nm以下の波長の光を照射すると、窒素分子が結合を解離し、それにより生じた窒素原子が、新たに窒素酸化物を生成することから、127nm以下の波長の紫外光の照射は回避しなければならない。
しかし、光源を入手容易で比較的安価な石英ガラスで構成した場合には、127nm超の波長であっても、170nm未満の波長の紫外光は、該石英ガラスを透過しにくいことから、170nm未満の波長の紫外光の照射は回避することが好ましい。よって、本発明の分解除去装置の紫外光源は、波長170〜189nmの紫外光を発生できるキセノンエキシマランプや低圧水銀ランプが好ましく、中でも波長172nmの紫外光を発生するキセノンエキシマランプが好適である。
しかし、光源を入手容易で比較的安価な石英ガラスで構成した場合には、127nm超の波長であっても、170nm未満の波長の紫外光は、該石英ガラスを透過しにくいことから、170nm未満の波長の紫外光の照射は回避することが好ましい。よって、本発明の分解除去装置の紫外光源は、波長170〜189nmの紫外光を発生できるキセノンエキシマランプや低圧水銀ランプが好ましく、中でも波長172nmの紫外光を発生するキセノンエキシマランプが好適である。
また、本発明の分解除去装置においては、紫外光の燃焼排ガスに対するエネルギー注入密度が5〜50kJ/m3、好ましくは10〜40kJ/m3、より好ましくは20〜30kJ/m3になるよう、適切な位置に、紫外光源を設ける。
図2では、該エネルギー注入密度を得るために、紫外光源の軸を、分解反応器の中心線上に合わせ、該反応器の器壁から好ましくは5〜20mm程度、より好ましくは8〜18mm程度離して紫外光源を設置する。これにより、窒素酸化物の分解および酸化に活用される光エネルギーの効率が高く、かつ燃焼排ガスの流通も円滑である。なお、ここで、離間距離とは、分解反応器壁から紫外光源の外面に至る平均的な距離を言う。
図2では、該エネルギー注入密度を得るために、紫外光源の軸を、分解反応器の中心線上に合わせ、該反応器の器壁から好ましくは5〜20mm程度、より好ましくは8〜18mm程度離して紫外光源を設置する。これにより、窒素酸化物の分解および酸化に活用される光エネルギーの効率が高く、かつ燃焼排ガスの流通も円滑である。なお、ここで、離間距離とは、分解反応器壁から紫外光源の外面に至る平均的な距離を言う。
次に、前記した燃焼排ガスの分解除去装置を用いた、本発明の燃焼排ガス中の窒素酸化物の分解除去方法を説明する。
ディーゼルエンジンa1やガソリンエンジンで発生した燃焼排ガスには、一酸化窒素、二酸化窒素等の窒素酸化物、一酸化炭素、二酸化炭素等の炭素酸化物、二酸化硫黄、三酸化硫黄等の硫黄酸化物、酸素、窒素、炭化水素、水等が含有されている。各成分の含有量は、例えば、ディーゼルエンジンa1の場合、その構造、大きさ、運転条件等により変化するので、一様ではないが、一酸化窒素は30〜1000ppm、二酸化窒素は20〜50ppm、窒素酸化物は50〜1000ppm程度である。
該燃焼排ガスは、バルブa2で流量を3〜15L/min程度に調節され、排ガス導入管b6から、分解除去装置a3に導入される。なお、該燃焼排ガスを特に加熱したり、冷却する必要はない。
ディーゼルエンジンa1やガソリンエンジンで発生した燃焼排ガスには、一酸化窒素、二酸化窒素等の窒素酸化物、一酸化炭素、二酸化炭素等の炭素酸化物、二酸化硫黄、三酸化硫黄等の硫黄酸化物、酸素、窒素、炭化水素、水等が含有されている。各成分の含有量は、例えば、ディーゼルエンジンa1の場合、その構造、大きさ、運転条件等により変化するので、一様ではないが、一酸化窒素は30〜1000ppm、二酸化窒素は20〜50ppm、窒素酸化物は50〜1000ppm程度である。
該燃焼排ガスは、バルブa2で流量を3〜15L/min程度に調節され、排ガス導入管b6から、分解除去装置a3に導入される。なお、該燃焼排ガスを特に加熱したり、冷却する必要はない。
該分解除去装置a3の内部においては、高電圧発生電源b4(a1)からの印加による放電で、キセノンエキシマランプ等の紫外光源a2から所定の波長170〜189nmの紫外光が発生し、導入された燃焼排ガスに直接照射される。この直接照射により、一酸化窒素の分解および酸化を含む種々の反応が効率的に起きる。例えば、一酸化窒素が分解されて窒素になる反応と、二酸化窒素に酸化される反応が起こり、一酸化窒素の含有量は、通常10ppm程度までかなり迅速に低減され、除去される。すなわち、燃焼排ガス中の一酸化窒素(NO)の含有量が低減し、二酸化窒素(NO2)の含有量が増加するが、一酸化窒素と二酸化窒素の和である窒素酸化物(NOx)の含有量は低減する。
一連の現象は下記の反応式に従うものと推定される。
2NO(一酸化窒素) + hυ(光エネルギー) → 2N + 2O
2NO + 2O + M(第三物質) → 2NO2 + M
N + N → N2
一連の現象は下記の反応式に従うものと推定される。
2NO(一酸化窒素) + hυ(光エネルギー) → 2N + 2O
2NO + 2O + M(第三物質) → 2NO2 + M
N + N → N2
該紫外光源から紫外光を燃焼排ガスに直接照射する場合、照射エネルギーを有効活用できることから、照射する紫外光の照射エネルギーの注入密度が5〜50kJ/m3であると、照射エネルギーの単位量当たりの一酸化窒素の分解除去量(NO除去効率)が高く、分解生成物の副生が少ない。該注入密度は5〜50kJ/m3、好ましくは10〜40kJ/m3、より好ましくは20〜30kJ/m3である。該注入密度を得るために、前述したように、本発明の分解除去装置のほぼ中央に、紫外光源を設置することが好ましく、例えば、分解反応器の器壁から5〜20mm程度、好ましくは8〜18mm程度の距離をおいて設置する。
ここで、該注入密度は、放電電力を燃焼排ガスの流量で除した値であり、燃焼排ガスの流量の大小に係わらず、一酸化窒素の分解除去能力を、評価するときに有効であり、本発明の分解除去装置の性能の指標になる。照射エネルギーの注入密度を前記範囲に規定し、NO除去効率を大きくすることは、余分な照射エネルギーを燃焼排ガスに付与しないことを意味し、照射エネルギー効率の向上や分解生成物の生成を抑制することになる。ここで、分解生成物とは、例えば、一旦生成した、窒素酸化物の低減に有用な成分を消費して、窒素酸化物の含有量の低減に寄与しない成分、元素である。具体的には亜酸化窒素(N2O)、亜硝酸(HNO2)、硝酸(HNO3)などである。
該分解除去装置a3における燃焼排ガスの滞留時間は0.3〜1.8秒程度であり、窒素酸化物を分解除去した後の燃焼排ガスは、燃焼排ガス排出管b7から、導入量に見合う流量で排出される。排出された排ガスの一部は、分析計a5により、窒素酸化物の含有量(濃度)が分析され、窒素酸化物の含有量が規定値以下に低減された場合にのみ、分解除去システムの排出口a6から、大気に放出される。また、分析結果はフィードバックされ、排ガスの導入量等の調節に活用される。
(実施例1)
本発明に係る一酸化窒素の分解除去効果を確認するために、分解除去装置を密閉系にして実験を行った。すなわち、図1に示す分解除去システムおよび図2に示す分解除去装置(ただし、紫外光源と器壁との離間距離は12mm)を用い、該分解除去装置a3内に、窒素で希釈した標準排ガス(NO:500ppm、NO2:0ppm)460torrと空気300torrとを封入した。高電圧発生電源(a4,b1)として、定格周波数9kHz、出力最大電圧10kVの交流電源を使用して高電圧を印加し、キセノンエキシマランプb2から、波長172nmの紫外光を発生させ、該紫外光の照射を30秒間行った。その際、印加電圧を10kVまで、したがって放電電力を図3に示すように、約8Wまで変化させた。
本発明に係る一酸化窒素の分解除去効果を確認するために、分解除去装置を密閉系にして実験を行った。すなわち、図1に示す分解除去システムおよび図2に示す分解除去装置(ただし、紫外光源と器壁との離間距離は12mm)を用い、該分解除去装置a3内に、窒素で希釈した標準排ガス(NO:500ppm、NO2:0ppm)460torrと空気300torrとを封入した。高電圧発生電源(a4,b1)として、定格周波数9kHz、出力最大電圧10kVの交流電源を使用して高電圧を印加し、キセノンエキシマランプb2から、波長172nmの紫外光を発生させ、該紫外光の照射を30秒間行った。その際、印加電圧を10kVまで、したがって放電電力を図3に示すように、約8Wまで変化させた。
分解除去装置a3から排出したガス中の窒素酸化物の含有量(濃度)を分析計a5で分析した。分析結果(NO、NO2、NOx)を図3に示した。
図3に示すように、放電電力が約1Wに達すると、NO濃度が急激に数ppmまで減少し、以後上昇することはなかったが、NO2濃度は100ppmまで増加後、減少し、以後20ppm程度で推移した。ただし、NOx濃度は20ppm程度まで急激に減少後、しばらくそのままであったが、放電電力が6Wに達すると増加に転じた。これは、エネルギーを与えすぎたことにより、窒素と酸素から新たなNOxが生成されたことによるものと推測される。
図3に示すように、放電電力が約1Wに達すると、NO濃度が急激に数ppmまで減少し、以後上昇することはなかったが、NO2濃度は100ppmまで増加後、減少し、以後20ppm程度で推移した。ただし、NOx濃度は20ppm程度まで急激に減少後、しばらくそのままであったが、放電電力が6Wに達すると増加に転じた。これは、エネルギーを与えすぎたことにより、窒素と酸素から新たなNOxが生成されたことによるものと推測される。
(実施例2)
図1に示す分解除去システムおよび図2に示す分解除去装置を用い、燃焼排ガスを流通系で導入し一酸化窒素の分解除去による低減を試みた。すなわち、ディーゼルエンジンa1から発生する燃焼排ガス(初期NO:40〜50ppm、NO2:40〜50ppm)を、流量調節器a2で流量を6L/minに調節した後、分解除去装置a3に導入した。
高電圧発生電源(b1,a4)として、定格周波数9kHz、出力最大電圧10kVの交流電源を使用して高電圧を印加し、キセノンエキシマランプb2から、波長172nmの紫外光を発生させ、該紫外光を流通する燃焼排ガスに照射した。照射時間(滞留時間)は約0.9秒であった。その際、印加電圧を10kVまで、したがって放電電力を図4に示すように、約8Wまで変化させた。分解除去装置a3から排出したガス中の窒素酸化物の含有量(濃度)を分析計a5で分析した。分析結果(NO、NO2、NOx)を図4に示した。
図4に示すように、放電電力が3Wまでに、NO濃度が10ppm以下まで減少し、以後、変化がなく、実施例1とほぼ同様のパターンであった。NO2濃度は若干増加後、減少し、再び増加するが、その振幅は小幅であり、初期濃度と大きな違いがなく、実施例1とほぼ同様のパターンであった。また、NOx濃度の変化も実施例1とほぼ同様のパターンであった。
これから、本発明に係る分解除去装置が、ディーゼルエンジンの燃焼排ガスからの窒素酸化物の分解除去に利用できることがわかった。
図1に示す分解除去システムおよび図2に示す分解除去装置を用い、燃焼排ガスを流通系で導入し一酸化窒素の分解除去による低減を試みた。すなわち、ディーゼルエンジンa1から発生する燃焼排ガス(初期NO:40〜50ppm、NO2:40〜50ppm)を、流量調節器a2で流量を6L/minに調節した後、分解除去装置a3に導入した。
高電圧発生電源(b1,a4)として、定格周波数9kHz、出力最大電圧10kVの交流電源を使用して高電圧を印加し、キセノンエキシマランプb2から、波長172nmの紫外光を発生させ、該紫外光を流通する燃焼排ガスに照射した。照射時間(滞留時間)は約0.9秒であった。その際、印加電圧を10kVまで、したがって放電電力を図4に示すように、約8Wまで変化させた。分解除去装置a3から排出したガス中の窒素酸化物の含有量(濃度)を分析計a5で分析した。分析結果(NO、NO2、NOx)を図4に示した。
図4に示すように、放電電力が3Wまでに、NO濃度が10ppm以下まで減少し、以後、変化がなく、実施例1とほぼ同様のパターンであった。NO2濃度は若干増加後、減少し、再び増加するが、その振幅は小幅であり、初期濃度と大きな違いがなく、実施例1とほぼ同様のパターンであった。また、NOx濃度の変化も実施例1とほぼ同様のパターンであった。
これから、本発明に係る分解除去装置が、ディーゼルエンジンの燃焼排ガスからの窒素酸化物の分解除去に利用できることがわかった。
引続き、放電電力を前記と同様に変化させながら、同時に燃焼排ガスの流量を、図5に示すように3、6,9、12および15L/minに変化させる以外は、前記と同様の操作を繰返した。ただし、流量の変化により、同一放電電力の場合でも、分解除去量が異なるので、燃焼排ガスの流量に係わらず、分解除去能力を評価できるようにするために、燃焼排ガスの単位流量当たりの照射エネルギー注入密度(放電電力/流量)を算出し、一酸化窒素の分解除去効率を評価した。その結果を図5に示した。図5から、本発明の分解除去方法によって、NO除去効率は20〜30kJ/m3のエネルギーを注入したときに最もNO除去効率が高くなり、それより高い紫外光エネルギーの照射は必要ないことがわかった。
a1:ディーゼルエンジン
a2:バルブ(流量調節器)
a3:分解除去装置(図2に相当)
a4:高電圧発生電源
a5:窒素酸化物分析計
a6:排ガス出口
a2:バルブ(流量調節器)
a3:分解除去装置(図2に相当)
a4:高電圧発生電源
a5:窒素酸化物分析計
a6:排ガス出口
b1:高電圧発生電源
b2:キセノンエキシマランプ
b3:放電電極
b4:接地電極
b5:耐熱ガラス管
b6:燃焼排ガス導入管
b7:燃焼排ガス排出管
b8:支柱
b2:キセノンエキシマランプ
b3:放電電極
b4:接地電極
b5:耐熱ガラス管
b6:燃焼排ガス導入管
b7:燃焼排ガス排出管
b8:支柱
Claims (3)
- 燃焼排ガスの供給口および排出口をそれぞれ端部に備えた窒素酸化物の分解反応器内に、燃焼排ガスに対するエネルギー注入密度が5〜50kJ/m3になるように、波長170〜189nmの紫外光源を設けたことを特徴とする燃焼排ガス中の窒素酸化物の分解除去装置。
- 前記紫外光源がキセノンエキシマランプである請求項1に記載の燃焼排ガス中の窒素酸化物の分解除去装置。
- 燃焼排ガス中の窒素酸化物を紫外光の照射により分解除去するに際して、分解反応器に燃焼排ガスを導入し、該分解反応器内に設けた紫外光源から、燃焼排ガスに対して波長170〜189nmの紫外光をエネルギー注入密度が5〜50kJ/m3になるように照射し、一酸化窒素を分解および酸化した後、該燃焼排ガスを該分解反応器から排出することを特徴とする燃焼排ガス中の窒素酸化物の分解除去方法。
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JP2009156063A (ja) * | 2007-12-25 | 2009-07-16 | Toyota Industries Corp | 内燃機関の排ガス処理システム |
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