JP2007209357A - 魚釣用スピニングリール - Google Patents
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Abstract
【課題】ラインローラの回転性の安定化を図りながら、ラインローラの軸受機能と防水機能を共に向上させた釣糸案内装置を有する魚釣用スピニングリールを提供する。
【解決手段】ラインローラ23は、軸受25,27を介して支持部材11の支持部17に回転可能に支持されている。軸受は、ラインローラの内周面と支持部材の支持部との間に介在されており、軸方向に並列して且つ分離配置されている。軸受の対向端は、共に、ラインローラの内周面の係止部29に当て付けられている。軸受25の外側端は、第1のシール材31を介して支持部材の支持部の係止部33に当て付けられ、軸受27の外側端は、第2のシール材35を介して支持部材の係止部37に当て付けられている。第1及び第2のシール材は、軸受と係止部との間で挟持された状態に支持される。
【選択図】図2
【解決手段】ラインローラ23は、軸受25,27を介して支持部材11の支持部17に回転可能に支持されている。軸受は、ラインローラの内周面と支持部材の支持部との間に介在されており、軸方向に並列して且つ分離配置されている。軸受の対向端は、共に、ラインローラの内周面の係止部29に当て付けられている。軸受25の外側端は、第1のシール材31を介して支持部材の支持部の係止部33に当て付けられ、軸受27の外側端は、第2のシール材35を介して支持部材の係止部37に当て付けられている。第1及び第2のシール材は、軸受と係止部との間で挟持された状態に支持される。
【選択図】図2
Description
本発明は、魚釣用スピニングリールに関し、詳しくは、ハンドルに連動回転するロータと共に回転しながらスプールに釣糸を案内する釣糸案内装置に特徴を有する魚釣用スピニングリールに関する。
従来から、魚釣用スピニングリールの釣糸案内装置には、釣糸を案内しながらスプールに巻回させるためのラインローラが設けられている。このようなラインローラは、釣糸の案内性を向上するため、軸受を介して回転可能に支持されているが、水分やゴミ等が多量に付着した釣糸に直接接触する部分であるため、ラインローラの外周はもとより、ラインローラを支持する支持部材の内部へも水分やゴミ等が浸入し易くなっている。そして、水分やゴミ等が浸入した場合、ローラの回転性が低下して巻き上げ効率が劣ったり、錆を誘発して釣糸案内機能に支障をきたしたり等の不具合が発生する。
そこで、例えば、特許文献1や特許文献2等に開示されているように、防水構造を施すことによってラインローラの回転性の向上や防錆を図った釣糸案内装置が提案されている。
実開平6−15469号公報
特開平8−308444号公報
しかしながら、上述したような釣糸案内装置には、以下のような問題が残されている。
特許文献1に開示された釣糸案内装置には、ラインローラ側部と支持部材との隙間に粘稠状シールが充填されているが、粘稠状シールは、長期間の使用によって、例えば水と混ざって変質したり劣化して硬化し易いため、ローラの回転性が低下、更には不安定になってしまう。また、粘稠状シールは、使用後のメンテナンス分解の洗浄時に除去されてしまうため、再度充填しなければならず、メンテナンス性が悪く、また不経済でもある。
特許文献2に開示された釣糸案内装置は、軸受の外輪とラインローラの内面との間にブッシュを介在させ、このブッシュの一端部に形成した内側突起部を支持部材に当接(以下、当接部という)させると共に、ブッシュの他端部内面と軸部との間にシール材を介在させて、ラインローラ軸受の防水を図るように構成されている。このような構成において、ラインローラの支持精度を維持するために硬質材から成るブッシュを使用すると、上記当接部に対する充分な防水を確保することが困難になると共に、上記当接部の当接力によってはラインローラの回転性が低下してしまう。そこで、防水性を考慮して弾性材から成るブッシュを使用すると、ラインローラを安定して支持することが困難になり、その結果、ガタ付きや偏芯による回転不良が生じてしまう。
本発明は、上記した問題を解決するために成されたものであり、ラインローラの回転性の安定化を図りながら、ラインローラの軸受機能と防水機能を共に向上させた釣糸案内装置を有する魚釣用スピニングリールを提供することを目的とする。
このような目的を達成するために、本発明は、ハンドルに連動して回転するロータと、このロータに取り付けられた支持アームと、この支持アームに装着された支持部材とを有し、この支持部材の支持部に釣糸案内装置を構成するラインローラを、軸受を介して回転可能に支持した魚釣用スピニングリールにおいて、前記ラインローラの内周に係止部を突出形成し、その両端面に2つの軸受を当て付けて分離配置すると共に、前記ラインローラを、前記2つの軸受によって軸方向の移動が規制されるように前記支持部に支持し、前記2つの軸受の夫々の外側に、前記ラインローラと支持部との間に径方向に沿ってシール材を介在したことを特徴としている。
また、上記した目的を達成するために、本発明は、ハンドルに連動して回転するロータと、このロータに取り付けられた支持アームと、この支持アームに装着された支持部材とを有し、この支持部材の支持部に釣糸案内装置を構成するラインローラを、軸受を介して回転可能に支持した魚釣用スピニングリールにおいて、前記ラインローラを、ラインローラの内周面と前記支持部との間に、軸方向に並列して且つ分離配置された2つの軸受を介して軸方向の移動が規制されるように支持し、前記2つの軸受の夫々の外側端は、シール材を介して前記支持部及び支持部材側に形成した係止部に当て付けられており、前記シ―ル材は、前記支持部の外周とラインローラの内周との間をシールすると共に、前記軸受と係止部との間で挟持された状態で支持されていることを特徴としている。
上記した構成によれば、ラインローラは、分離配置される2つの軸受によって軸方向の移動が規制されることから、安定した状態で回転可能に支持された状態となり、かつ、各軸受の外側にシール材が配置されることから、ラインローラの軸受機能の安定化が図れると共に、防水機能が向上する。
本発明によれば、ラインローラの回転性の安定化を図りながら、ラインローラの軸受機能と防水機能を共に向上させた釣糸案内装置を有する魚釣用スピニングリールを提供することができる。
以下、本発明の第1の実施の形態に係る魚釣用スピニングリールについて、添付図面を参照して説明する。
図1に示すように、魚釣用スピニングリールのリール本体1内には、ハンドル3の回転操作によって回転駆動する駆動歯車(図示しない)が設けられており、この駆動歯車には、ピニオン(図示しない)が噛合している。ピニオン内には、スプール軸(図示しない)が軸方向に挿通されており、このスプール軸の先端には、釣糸が巻回されるスプール5が回転可能に取り付けられている。この場合、スプール軸(スプール)は、駆動歯車に係合するオシレーティング機構(図示しない)を介して、駆動歯車の回転によって前後動するように構成されている。
また、ピニオンの先端には、このピニオンと一体的に回転するロータ7が取り付けられており、このロータ7には、一対の支持アーム9が設けられている。これら支持アーム9には、夫々、支持部材11を介して、ベール13が釣糸放出状態と釣糸巻回状態に回動可能に支持されている。そして、一方の支持部材11とベール13の端部との間には、後述するような釣糸案内装置15が支持されている。
このような構成において、ハンドル3を回転操作すると、その回転運動は、駆動歯車を介してピニオンに伝達され、このピニオンを介してロータ7を回転させると共に、オシレーティング機構を介してスプール軸に伝達され、スプール5を前後動させる。これにより、釣糸は、釣糸案内装置15を介してスプール5に片寄ること無く均等に巻回される。
図2に示すように、本実施の形態に適用される釣糸案内装置15は、一方の支持部材11にネジ19によって締結されており、このネジが螺入されるよう軸方向に延出する支持部17が形成されたラインスライダ21を有している。なお、支持部17は、図に示すように、ラインスライダ21に一体形成されていても良いし、支持部材11側に一体形成されていても良い。
ラインスライダ21には、ベール13の一方の基端部が接続されており、釣糸巻取開始時にベール13を釣糸巻回状態に回動させると、釣糸がベール13からラインスライダ21を介して、釣糸案内装置15の一構成部材であるラインローラ23に案内されるようになっている。
ラインローラ23は、2つの軸受25,27を介して前記支持部17に回転可能に支持されている。この場合、ラインローラ23は、中空の略筒体形状を成しており、その外周面は平滑化されている。これにより、釣糸巻取時にベール13からラインスライダ21を介して案内された釣糸は、ラインローラ23の外周面を滑らかに経由しながらスプール5に巻回される。なお、ラインローラ23の外周形状については、特に限定されることはない。
2つの軸受25,27は、ラインローラ23の内周面と支持部17との間に介在されており、軸方向(ラインローラ23の回転軸Aに沿った方向)に並列して且つ分離配置されている。
これら2つの軸受25,27の対向端は、共に、ラインローラ23の内周面に突出形成された係止部29の両端面に当て付けられている。そして、軸受25の外側端は、第1のシール材31を介して、前記支持部17に形成された係止部33に当て付けられており、一方、軸受27の外側端は、第2のシール材35を介して、支持部材11に形成され、支持部17の端部を覆う係止部37に当て付けられている。
この場合、2つの軸受25,27は、各係止部29,33,37によって軸方向への移動が規制された状態で維持されている。そして、第1及び第2のシール材31,35は、支持部17の外周とラインローラ23の内周との間をシールすると共に、2つの軸受25,27と係止部33,37との間で挟持された状態に支持される。この結果、2つの軸受25,27に支持されているラインローラ23は、これら軸受25,27を介して、支持部材11の支持部17に対する軸方向への移動が規制された状態で回転可能に支持されると共に、各軸受25,27は、シール材31,35を介してシールされた状態になる。
なお、第1及び第2のシール材31,35としては、例えば、ニトリルゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、シリコンゴム、エチレンプロピレンゴム等の材料を適用することが可能である。また、第1及び第2のシール材31,35の形状は、リング状或いは円弧状を成している場合が想定されるが、ラインローラ23の内部に対する防水機能を発揮できる限りにおいて、特にその形状は一定のものに限定されることは無く、任意の形状を適用することが可能である。
以上、本実施の形態によれば、第1及び第2のシール材31,35と2つの軸受25,27とを軸方向に分離配置したことによって、ラインローラ23の軸受機能と防水機能を共に向上させた釣糸案内装置15を実現することができる。この結果、ラインローラ23の円滑な回転性を長期間に亘って維持し続けることが可能となる。
そして、上記したような構成に加え、係止部29,33,37によって各軸受25,27を係止させてラインローラ23の軸方向への移動を規制しているため、第1及び第2のシール材31,35の変形や傷付き等を防止することができ、長期間に亘って良好な防水機能を維持し続けることが可能となる。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る魚釣用スピニングリールについて、図3を参照して説明する。
なお、以下に説明する実施の形態では、釣糸案内装置15の構成が異なり、その他の構成は、上述した第1の実施の形態と同様である。従って、以下の説明においては、釣糸案内装置15の異なる部分の説明に留め、第1の実施の形態と同一の構成には、同一符号を付して、その説明を省略する。
図3に示すように、本実施の形態に適用した釣糸案内装置15において、第1のシール材31は、その一部が支持部17の外周面に形成された円周溝39に嵌合されており、第2のシール材35は、当付部材41に当て付けられている。この場合、当付部材41は、支持部材11及びラインスライダ21とは別体で形成されており、装置組立時に、ラインローラ23と支持部材11との間に配置されるようになっている。
また、軸受25は、円周溝39に嵌合した第1のシール材31の弾性力によって、係止部29方向に押圧されると共に、この押圧力は軸受27を介して第2のシール材35に伝達され、当付部材41で保持されるようになっている。従って、当付部材41は、例えば、金属、POM、ABS等の比較的剛性の高い材料で形成することが好ましい。
上記したような構成によれば、釣糸巻取時に釣糸案内装置15が矢印R方向に回転移動すると、ラインローラ23を経由する釣糸からの力が矢印B方向に作用するが、この矢印B方向の力は、当付部材41によって保持される。また、反対方向への力が作用した場合でも、その力は、第1のシール材31によって実用上支障の無い程度に保持される。すなわち、2つの軸受25,27は、第1のシール材31と当付部材41によって軸方向への移動が規制された状態に維持されることとなり、2つの軸受25,27に支持されているラインローラ23は、これら軸受25,27を介して、支持部17に対して軸方向の移動が規制されるように支持されることになる。
なお、その他の作用効果は、第1の実施の形態と同様であるため、その説明は省略する。
次に、本発明の第3の実施の形態に係る魚釣用スピニングリールについて、図4を参照して説明する。
図4に示すように、本実施の形態に適用した釣糸案内装置15において、第1のシール材31は、その一部がラインローラ23の外周に形成された周溝43に嵌合されており、第2のシール材35は、その一部がラインローラ23の内周に形成された周溝45に嵌合されている。この場合、2つの軸受25,27の対向端は、共に、ラインローラ23の内周面に形成された係止部29に当て付けられている。そして、前記第1の実施形態と同様、軸受25の外側端は、支持部17に形成された係止部33に当て付けられており、一方、軸受27の外側端は、支持部材11に形成された係止部37に当て付けられている。
このような構成によれば、2つの軸受25,27は、係止部29,33,37によって軸方向への移動が規制された状態に維持されため、これら2つの軸受25,27に支持されているラインローラ23は、軸受25,27を介して、支持部17に対する軸方向への移動が規制されるように支持される。
また、各軸受は、第1のシール材31、第2のシール材35によって防水されるため、ラインローラ23の円滑な回転性を長期間に亘って維持し続けることが可能となる。
なお、その他の作用効果は、第1の実施の形態と同様であるため、その説明は省略する。
次に、本発明の第4の実施の形態に係る魚釣用スピニングリールについて、図5を参照して説明する。
図5に示すように、本実施の形態に適用した釣糸案内装置15において、2つの軸受25,27は、ラインローラ23の各外端面に当付部62,64を介して当て付け保持され、その内周面に配設された第1及び第2のカラー61,63と、支持部17との間に介在されており、軸方向に並列して且つ分離配置されている。
2つの軸受25,27の対向端は、第1及び第2のカラー61,63の夫々内側に、中心に向かって突出するように形成された係止部65,67に夫々当て付けられている。すなわち、軸受25は、その外側端が第1のシール材31を介して係止部33に当て付けられ、その対向端が第1のカラー61の係止部65に当て付けられている。また、軸受27は、その外側端が第2のシール材35を介して係止部37に当て付けられ、その対向端が第2のカラー63の係止部67に当て付けられている。
この場合、2つの軸受25,27は、係止部33,65,37,67によって軸方向への移動が規制された状態に維持される。そして、第1及び第2のシール材31,35は、2つの軸受25,27と係止部33,37との間で挟持された状態に支持される。この結果、2つの軸受25,27に支持されているラインローラ23は、これら軸受25,27を介して、支持部17に対する軸方向への移動が規制されるように支持されることになる。
なお、第1及び第2のカラー61,63としては、例えば、POM、ABS等の材料を適用することが望ましい。
このような構成によれば、金属やセラミック等、加工し難い材料でできたラインローラ内周の段付き加工を省いて軸方向の移動規制と防水ができる、という効果を得ることができる。
このような構成によれば、金属やセラミック等、加工し難い材料でできたラインローラ内周の段付き加工を省いて軸方向の移動規制と防水ができる、という効果を得ることができる。
なお、その他の作用効果は、第1の実施の形態と同様であるため、その説明を省略する。
11 支持部材
17 支持部
23 ラインローラ
25,27 軸受
29,33,37 係止部
31 第1のシール材
35 第2のシール材
17 支持部
23 ラインローラ
25,27 軸受
29,33,37 係止部
31 第1のシール材
35 第2のシール材
Claims (2)
- ハンドルに連動して回転するロータと、このロータに取り付けられた支持アームと、この支持アームに装着された支持部材とを有し、この支持部材の支持部に釣糸案内装置を構成するラインローラを、軸受を介して回転可能に支持した魚釣用スピニングリールにおいて、
前記ラインローラの内周に係止部を突出形成し、その両端面に2つの軸受を当て付けて分離配置すると共に、前記ラインローラを、前記2つの軸受によって軸方向の移動が規制されるように前記支持部に支持し、
前記2つの軸受の夫々の外側に、前記ラインローラと支持部との間に径方向に沿ってシール材を介在したことを特徴とする魚釣用スピニングリール。 - ハンドルに連動して回転するロータと、このロータに取り付けられた支持アームと、この支持アームに装着された支持部材とを有し、この支持部材の支持部に釣糸案内装置を構成するラインローラを、軸受を介して回転可能に支持した魚釣用スピニングリールにおいて、
前記ラインローラを、ラインローラの内周面と前記支持部との間に、軸方向に並列して且つ分離配置された2つの軸受を介して軸方向の移動が規制されるように支持し、
前記2つの軸受の夫々の外側端は、シール材を介して前記支持部及び支持部材側に形成した係止部に当て付けられており、
前記シ―ル材は、前記支持部の外周とラインローラの内周との間をシールすると共に、前記軸受と係止部との間で挟持された状態で支持されていることを特徴とする魚釣用スピニングリール。
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