JP2007207841A - 光学フィルタ及びその製造方法並びに表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】表示面における視認性及び信頼性を向上させることができ、視認側からアースを容易に取り出すことができ、さらなる薄厚化に対応することができ、生産性を向上させるとともに、製造コストの削減が可能な光学フィルタ及びその製造方法並びに表示装置を提供する。
【解決手段】本発明の光学フィルタは、透明基材11の表面に反射防止層12を、裏面に電磁波遮蔽層13をそれぞれ形成し、電磁波遮蔽層13の四辺の各周辺部に透明基材11の裏面に沿いかつ外側へ向かって延在する電極14を形成し、電磁波遮蔽層13及び電極14を覆うように近赤外線吸収粘着層16を形成し、電極14の視認側をアース取り出し用電極部14aとしたことを特徴とする。
【選択図】図2
【解決手段】本発明の光学フィルタは、透明基材11の表面に反射防止層12を、裏面に電磁波遮蔽層13をそれぞれ形成し、電磁波遮蔽層13の四辺の各周辺部に透明基材11の裏面に沿いかつ外側へ向かって延在する電極14を形成し、電磁波遮蔽層13及び電極14を覆うように近赤外線吸収粘着層16を形成し、電極14の視認側をアース取り出し用電極部14aとしたことを特徴とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、光学フィルタ及びその製造方法並びに表示装置に関し、さらに詳しくは、プラズマディスプレイパネル等の表示装置の表示部に、電磁波遮蔽機能、近赤外線吸収機能、反射防止機能等の各種光学機能を容易かつ確実に付与することにより、表示部における視認性及び信頼性を向上させ、さらには、生産性を向上させ、製造コストの削減が可能な技術に関するものである。
近年、大画面かつ薄型の受像機として、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと略記することがある。)が開発され、実用化されている。
このPDPは、表示電極、バス電極、誘電体層および保護層を有する前面ガラス基板と、データ電極、誘電体層、ストライプ状の隔壁及び蛍光体層を有する背面ガラス基板とを、表示電極及びバス電極とデータ電極とが互いに直交するように貼り合せて表示セルを形成し、この表示セル内にHe−Xe混合ガス等の放電ガスを封入して構成されている。
このPDPでは、データ電極と表示電極との間に電圧を印加することにより、表示セル内にてキセノンを放電させ、プラズマ状態となったキセノンイオンが基底状態に戻る際にキセノンの共鳴線(147nm)に相当する紫外線を発生し、この紫外線が蛍光体を励起して、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色光を発光させることにより、カラー表示を可能としている。
このPDPは、薄型ディスプレイ装置として、設置スペースが狭く、壁掛けテレビジョン等の表示装置等として有用であると考えられている。
このPDPは、表示電極、バス電極、誘電体層および保護層を有する前面ガラス基板と、データ電極、誘電体層、ストライプ状の隔壁及び蛍光体層を有する背面ガラス基板とを、表示電極及びバス電極とデータ電極とが互いに直交するように貼り合せて表示セルを形成し、この表示セル内にHe−Xe混合ガス等の放電ガスを封入して構成されている。
このPDPでは、データ電極と表示電極との間に電圧を印加することにより、表示セル内にてキセノンを放電させ、プラズマ状態となったキセノンイオンが基底状態に戻る際にキセノンの共鳴線(147nm)に相当する紫外線を発生し、この紫外線が蛍光体を励起して、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色光を発光させることにより、カラー表示を可能としている。
このPDPは、薄型ディスプレイ装置として、設置スペースが狭く、壁掛けテレビジョン等の表示装置等として有用であると考えられている。
ところで、このPDPでは、これら可視光の発光の過程で、これらの可視光に加え、近赤外線及び電磁波も発生する。そこで、これらの近赤外線及び電磁波をカットするために、表示部となる前面ガラス基板の表面に、反射防止機能、近赤外線吸収機能、電磁波遮蔽機能が付与された光学フィルタを設けるのが一般的である。
このPDPは、現在では、更なる軽量化、省スペース化が進み、その表示部に設けられる光学フィルタについても、従来のガラス基板上に何層かのフィルムを積層したフィルム積層体を貼り合わせたガラス板タイプの光学フィルタから、柔軟性のある樹脂フィルム上に何層かのフィルムを積層したガラスレスタイプ(あるいはフィルムタイプ)の光学フィルタへと移行している(例えば、特許文献1、2等参照)。
さらに、このガラスレスタイプの光学フィルタも、低コスト化、省資源化が進み、1枚のフィルム基材上に、反射防止機能、近赤外線吸収機能、電磁波遮蔽機能等の各種機能を集約させた多機能型の光学フィルタが提案されている。
このPDPは、現在では、更なる軽量化、省スペース化が進み、その表示部に設けられる光学フィルタについても、従来のガラス基板上に何層かのフィルムを積層したフィルム積層体を貼り合わせたガラス板タイプの光学フィルタから、柔軟性のある樹脂フィルム上に何層かのフィルムを積層したガラスレスタイプ(あるいはフィルムタイプ)の光学フィルタへと移行している(例えば、特許文献1、2等参照)。
さらに、このガラスレスタイプの光学フィルタも、低コスト化、省資源化が進み、1枚のフィルム基材上に、反射防止機能、近赤外線吸収機能、電磁波遮蔽機能等の各種機能を集約させた多機能型の光学フィルタが提案されている。
図7は、従来の方法による金属箔を用いた光学フィルタの一例を示す断面図であり、図において、1は透明基板、2は反射防止層、3は保護フィルム、4は電磁波遮蔽層、5は導電性粘着層、6は金属箔、7は近赤外線吸収機能を有する粘着層、8は剥離フィルムである。この金属箔6の光フィルタの視認側(図中矢印側)の部分6aはアース電極部とされ、PDP側の部分6bは露出されている。
この光学フィルタは、粘着層7から剥離フィルム8を剥がし、この粘着層7をPDPの画像表示部(図示略)に貼着し、その後保護フィルム3を剥がすことにより、この画像表示部に反射防止機能、近赤外線吸収機能、電磁波遮蔽機能等を付与することができるようになっている。
特開2004−12561号公報
特開2005−17534号公報
この光学フィルタは、粘着層7から剥離フィルム8を剥がし、この粘着層7をPDPの画像表示部(図示略)に貼着し、その後保護フィルム3を剥がすことにより、この画像表示部に反射防止機能、近赤外線吸収機能、電磁波遮蔽機能等を付与することができるようになっている。
ところで、従来のガラスレスタイプの光学フィルタでは、反射防止機能は光学フィルタの最表面に付与する必要があるために、反射防止層は積層したフィルムの最上面に形成する必要がある。したがって、電磁波遮蔽層におけるアースの取り出し面がPDPの画像表示部側となり、アース電極が取り出し難くなるという問題点があった。
また、光学フィルタの視認側の最外層である反射防止層には、PDPの画像表示部に貼着する際に傷が付かぬ様に保護フィルムが設けられているが、この保護フィルムは、従来の方法により導電性粘着剤が付与された金属箔を用いて裏面(電磁波遮蔽層面)から表面(反射防止面)に電極部を形成する場合に、その部分をハーフカット等の方法で切除するか、あるいは導電性粘着テープ処理を行ってから、1枚毎に保護フィルムのラミネート処理を行う必要があり、これらの処理を施さなかった場合、PDPの画像表示部に光学フィルタを貼着した後に、保護フィルム3を剥がすことができなくなるという問題点があった。また、工程が非常に煩雑になることから、製造コストが高くなる要因にもなる。
さらに、金属箔のうちPDP側の部分には、粘着層が形成されておらず、単に露出されているだけであるから、光学フィルタをPDPの画像表示部に貼着した場合、このPDP側の部分が密着せず、PDPに対する接着性が不十分になる他、PDPの光学フィルタ連続貼着ラインにおいては、剥離フィルムが剥がし難いという問題点があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、電磁波遮蔽機能、近赤外線吸収機能、反射防止機能等の各種光学機能を容易かつ確実に付与することができ、表示面における視認性及び信頼性を向上させることができ、さらには、視認側からアースを容易に取り出すことができ、しかも、さらなる薄厚化に対応することができ、生産性を向上させるとともに、製造コストの削減が可能な光学フィルタ及びその製造方法並びに表示装置を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、透明基材の一主面に電磁波遮蔽層を設け、この電磁波遮蔽層の四辺に前記一主面に沿いかつ外方へ伸びる電極部を設け、さらに、これら電磁波遮蔽層及び電極部の上に粘着層を設ければ、PDP等の表示装置の表示部に、電磁波遮蔽機能、近赤外線吸収機能、反射防止機能等の各種光学機能を容易かつ確実に付与することができ、表示部における視認性及び信頼性を向上させることができ、しかも、生産性を向上させるとともに、製造コストの削減が可能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の光学フィルタは、透明基材の一主面に電磁波遮蔽層を設け、この電磁波遮蔽層の四辺に前記一主面に沿いかつ外方へ向かって延在する電極部を設け、これら電磁波遮蔽層及び電極部の上に粘着層を設けてなることを特徴とする。
この光学フィルタでは、電磁波遮蔽層の四辺に前記一主面に沿いかつ外方へ向かって延在する電極部を設け、これら電磁波遮蔽層及び電極部の上に粘着層を設けたことにより、この粘着層を介して電磁波遮蔽層及び電極部全体を表示装置の表示部に貼着することが可能になる。よって、貼着部分の密着性が向上し、信頼性に優れたものとなる。
また、電磁波遮蔽層の四辺に前記一主面に沿いかつ外方へ伸びる電極部を設けたことにより、電磁波遮蔽層のアース取り出し部が視認側に設けられることとなり、アースの取り出しが容易になる。
また、電磁波遮蔽層の四辺に前記一主面に沿いかつ外方へ伸びる電極部を設けたことにより、電磁波遮蔽層のアース取り出し部が視認側に設けられることとなり、アースの取り出しが容易になる。
前記粘着層は、近赤外線吸収剤を含有してなることが好ましい。
このような構成とすることで、粘着層に近赤外線吸収機能を付与することが可能になり、電磁波遮蔽機能及び近赤外線吸収機能を同時に備えた薄厚の光学フィルタを実現することが可能になる。
このような構成とすることで、粘着層に近赤外線吸収機能を付与することが可能になり、電磁波遮蔽機能及び近赤外線吸収機能を同時に備えた薄厚の光学フィルタを実現することが可能になる。
前記粘着層は、585nm以上かつ600nm以下の波長帯域に極大吸収ピークを有する色材を含有してなることが好ましい。
このような構成とすることで、特にPDP等の自発光型表示装置の表示部から生じる585nm以上かつ600nm以下の波長帯域の光を効率的に遮蔽することが可能になり、表示部における視認性が向上し、その画質も向上する。
このような構成とすることで、特にPDP等の自発光型表示装置の表示部から生じる585nm以上かつ600nm以下の波長帯域の光を効率的に遮蔽することが可能になり、表示部における視認性が向上し、その画質も向上する。
前記電磁波遮蔽層は、網状の金属層であることが好ましい。
前記電磁波遮蔽層は、透明導電膜であることが好ましい。
前記透明基材は、紫外線吸収剤を含有してなることが好ましい。
前記電極部は、銅、アルミニウム、ニッケルの群から選択される1種以上の金属を主成分とすることが好ましい。
前記電磁波遮蔽層は、透明導電膜であることが好ましい。
前記透明基材は、紫外線吸収剤を含有してなることが好ましい。
前記電極部は、銅、アルミニウム、ニッケルの群から選択される1種以上の金属を主成分とすることが好ましい。
本発明の光学フィルタの製造方法は、透明基材の一主面に電磁波遮蔽層を形成し、この電磁波遮蔽層の四辺に導電性粘着層が付与された金属箔を用いて前記一主面に沿いかつ外方へ向かって延在する電極部を形成し、これら電磁波遮蔽層及び電極部の上に粘着層を形成することを特徴とする。
この光学フィルタの製造方法では、電磁波遮蔽層の四辺に導電性粘着層が付与された金属箔を用いて前記一主面に沿いかつ外方へ向かって延在する電極部を形成し、これら電磁波遮蔽層及び電極部の上に粘着層を形成することにより、貼着する際の密着性に優れ、かつ、アースの取り出しが容易な光学フィルタが容易に製造される。
本発明の表示装置は、表示部に、本発明の光学フィルタを貼着してなることを特徴とする。
前記表示部は、プラズマディスプレイパネルの表示部であることが好ましい。
前記表示部は、プラズマディスプレイパネルの表示部であることが好ましい。
この表示装置では、表示部に本発明の光学フィルタを貼着したことにより、光学フィルタの全面を表示装置の表示部に貼着することが可能になり、アースの取り出しも容易になる。よって、表示部と光学フィルタとの間の密着性が向上し、信頼性に優れたものとなる。
また、表示部に本発明の光学フィルタを貼着したことにより、光学フィルタの薄厚化により表示部全体が薄厚化され、表示装置全体の薄厚化が図れる。
また、表示部に本発明の光学フィルタを貼着したことにより、光学フィルタの薄厚化により表示部全体が薄厚化され、表示装置全体の薄厚化が図れる。
本発明の光学フィルタによれば、透明基材の一主面に設けられた電磁波遮蔽層の四辺に前記一主面に沿いかつ外方へ向かって延在する電極部を設け、これら電磁波遮蔽層及び電極部の上に粘着層を設けたので、粘着層を介して電磁波遮蔽層及び電極部全体を表示装置の表示部に貼着することができる。したがって、貼着部分の密着性を向上させることができ、信頼性に優れたものとすることができる。
また、電磁波遮蔽層の四辺に前記一主面に沿いかつ外方へ伸びる電極部を設けたので、電磁波遮蔽層のアース取り出し部を視認側とすることができ、アースの取り出しを容易に行うことができる。
また、電磁波遮蔽層の四辺に前記一主面に沿いかつ外方へ伸びる電極部を設けたので、電磁波遮蔽層のアース取り出し部を視認側とすることができ、アースの取り出しを容易に行うことができる。
本発明の光学フィルタの製造方法によれば、電磁波遮蔽層の四辺に導電性粘着層が付与された金属箔を用いて外方へ向かって延在する電極部を形成し、これら電磁波遮蔽層及び電極部の上に粘着層を形成するので、貼着する際の密着性に優れ、かつ、アースの取り出しが容易な光学フィルタを容易に製造することができる。
本発明の表示装置によれば、表示部に本発明の光学フィルタを貼着したので、光学フィルタの全面を表示装置の表示部に貼着することができ、アースの取り出しも容易に行うことができる。
したがって、表示部と光学フィルタとの間の密着性を向上させることができ、長期信頼性に優れたものとすることができる。
また、光学フィルタの薄厚化により表示部全体を薄厚化することができ、表示装置全体の薄厚化を図ることができる。
したがって、表示部と光学フィルタとの間の密着性を向上させることができ、長期信頼性に優れたものとすることができる。
また、光学フィルタの薄厚化により表示部全体を薄厚化することができ、表示装置全体の薄厚化を図ることができる。
本発明の光学フィルタ及びその製造方法並びに表示装置の最良の形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
「第1の実施形態」
図1は、本発明の第1の実施形態の光学フィルタを示す平面図、図2は同光学フィルタの周辺部を示す断面図である。
図において、11は矩形状の透明基材、12は透明基材11の表面(一主面)に形成された反射防止層、13は透明基材11の裏面(他の一主面)に形成された電磁波遮蔽層、14は電磁波遮蔽層の四辺の各周辺部に導電性粘着層15を介して密着され周辺部から透明基材11の裏面に沿いかつ外側へ向かって延在する矩形状の金属箔からなる電極、16は電磁波遮蔽層13及び電極14の上に形成された近赤外線吸収粘着層であり、この電極14の視認側(図中矢印側)がアース取り出し用電極部14aとされ、このアース取り出し用電極部14aを接地することによりアースを取り出す構造となっている。
図1は、本発明の第1の実施形態の光学フィルタを示す平面図、図2は同光学フィルタの周辺部を示す断面図である。
図において、11は矩形状の透明基材、12は透明基材11の表面(一主面)に形成された反射防止層、13は透明基材11の裏面(他の一主面)に形成された電磁波遮蔽層、14は電磁波遮蔽層の四辺の各周辺部に導電性粘着層15を介して密着され周辺部から透明基材11の裏面に沿いかつ外側へ向かって延在する矩形状の金属箔からなる電極、16は電磁波遮蔽層13及び電極14の上に形成された近赤外線吸収粘着層であり、この電極14の視認側(図中矢印側)がアース取り出し用電極部14aとされ、このアース取り出し用電極部14aを接地することによりアースを取り出す構造となっている。
次に、この光学フィルタについて詳細に説明する。
「透明基材」
透明基材11の材質としては、可視光線に対して透明なものであればよく、特に限定はしないが、例えば、有機高分子材料である透明樹脂が好ましい。
この透明樹脂としては、ポリエステル(PE)、トリアセチルセルロース、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリアクレリート(PAC)、ノルボンネン、非晶質ポリオレフィン等の樹脂が好適に用いられる。なかでも、ポリエステルが好ましく、特にポリエチレンテレフタレート(PET)は、耐久性、耐溶剤性、生産性等の点において優れているので好ましい。
「透明基材」
透明基材11の材質としては、可視光線に対して透明なものであればよく、特に限定はしないが、例えば、有機高分子材料である透明樹脂が好ましい。
この透明樹脂としては、ポリエステル(PE)、トリアセチルセルロース、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリアクレリート(PAC)、ノルボンネン、非晶質ポリオレフィン等の樹脂が好適に用いられる。なかでも、ポリエステルが好ましく、特にポリエチレンテレフタレート(PET)は、耐久性、耐溶剤性、生産性等の点において優れているので好ましい。
この透明樹脂の形状は、特に限定はなく、例えば、フィルム状、シート状、板状等、用途に応じて適宜選択することができる。また、その厚みについても、特に限定することはないが、取り扱い等を考慮すると、50μm〜10mm程度のフィルム状、、シート状または板状のものが好ましい。
また、色調や透過率を調整するために、透明樹脂に着色剤や染料を混入したもの用いてもよい。
また、色調や透過率を調整するために、透明樹脂に着色剤や染料を混入したもの用いてもよい。
この透明基材11は、紫外線吸収剤を含有してなることが好ましい。その理由は、近赤外線吸収粘着層16に含まれる近赤外線吸収色素は、一般に紫外線に対する耐性が低く、透明基材11に紫外線吸収剤を含有させることにより、近赤外線吸収色素の劣化を抑制することができるからである。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、パラアミノ安息香酸系、サリチル酸系等の紫外線吸収性化合物が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、パラアミノ安息香酸系、サリチル酸系等の紫外線吸収性化合物が挙げられる。
この透明基材11の紫外線透過率は、380nm以下の紫外領域にて2%以下であることが好ましい。
通常、紫外線吸収剤は、含有量がある一定量以上でないと十分な効果は得られない。特に、膜厚の薄いコーティング層に紫外線吸収剤を添加するときは、コーティング層に含有し得る紫外線吸収剤の量に制限があり、必要とする紫外線遮蔽効果を得ることは難しい。
通常、紫外線吸収剤は、含有量がある一定量以上でないと十分な効果は得られない。特に、膜厚の薄いコーティング層に紫外線吸収剤を添加するときは、コーティング層に含有し得る紫外線吸収剤の量に制限があり、必要とする紫外線遮蔽効果を得ることは難しい。
本実施形態の光学フィルタでは、透明基材11の裏面側に近赤外線吸収機能を有する粘着層16が別途設けられているため、通常のコーティング層に比べて厚みのある透明基材11自体に紫外線吸収剤を含有させることにより、十分な量の紫外線吸収剤を含有させることができ、よって、粘着層16における近赤外線吸収色素の劣化を抑制し、優れた近赤外線吸収性能を維持することができる。
「反射防止層」
反射防止層12は、外部から入射する光の反射を防止することができるものであればよく、構造や組成については特に限定はなく、単層構造であってもよく、積層構造であってもよい。また、反射防止層12上に、必要に応じて他の機能を有する層、例えば、帯電防止、導電、防眩等の機能を有する層を形成してもよい。
反射防止層12は、外部から入射する光の反射を防止することができるものであればよく、構造や組成については特に限定はなく、単層構造であってもよく、積層構造であってもよい。また、反射防止層12上に、必要に応じて他の機能を有する層、例えば、帯電防止、導電、防眩等の機能を有する層を形成してもよい。
「電磁波遮蔽層」
電磁波遮蔽層13は、電磁波に対する遮蔽性及び可視光線に対する透明性を有するものであればよく、特に限定されないが、取り扱い等の点から、金属メッシュ等の網状の金属層、あるいは透明導電膜が好ましい。
金属メッシュとしては、例えば、透明基材11上に、パラジウム等の触媒を含有するペーストを所定のメッシュパターンに印刷した後、このメッシュパターンに銅等の金属をめっきしたもの等を用いることができる。また、繊維の表面に金属をめっきしたメッシュを透明基材11上に貼り付けたものを用いてもよい。
電磁波遮蔽層13は、電磁波に対する遮蔽性及び可視光線に対する透明性を有するものであればよく、特に限定されないが、取り扱い等の点から、金属メッシュ等の網状の金属層、あるいは透明導電膜が好ましい。
金属メッシュとしては、例えば、透明基材11上に、パラジウム等の触媒を含有するペーストを所定のメッシュパターンに印刷した後、このメッシュパターンに銅等の金属をめっきしたもの等を用いることができる。また、繊維の表面に金属をめっきしたメッシュを透明基材11上に貼り付けたものを用いてもよい。
また、透明導電膜としては、透明基材11上に、蒸着法、スパッタ法等により銀、アルミニウム等の導電性物質を所定のパターンにて形成したものが好適に用いられる。
さらに、この電磁波遮蔽層13の厚みは、1μm以上かつ10μm以下が好ましい。その理由は、電磁波遮蔽層13として金属メッシュを用いる場合、この金属メッシュの厚みが10μmより厚いと、視野角が狭くなり視認性が低下するからであり、さらに、表面は黒色化されるが、斜め方向から視認した場合、金属メッシュの深さ方向が黒色化され難く、この金属メッシュを構成する金属の色が強く現れてしまい、表示面の色調に不具合が生じるからである。
さらに、この電磁波遮蔽層13の厚みは、1μm以上かつ10μm以下が好ましい。その理由は、電磁波遮蔽層13として金属メッシュを用いる場合、この金属メッシュの厚みが10μmより厚いと、視野角が狭くなり視認性が低下するからであり、さらに、表面は黒色化されるが、斜め方向から視認した場合、金属メッシュの深さ方向が黒色化され難く、この金属メッシュを構成する金属の色が強く現れてしまい、表示面の色調に不具合が生じるからである。
「電極」
電極14は、所定の機械的強度を有する金属箔からなるもので、この金属箔としては、銅、アルミニウム、ニッケルの群から選択される1種以上の金属を主成分とするものが好ましい。
電極14は、所定の機械的強度を有する金属箔からなるもので、この金属箔としては、銅、アルミニウム、ニッケルの群から選択される1種以上の金属を主成分とするものが好ましい。
「近赤外線吸収粘着層」
近赤外線吸収粘着層16は、800nm以上かつ1100nm以下の波長帯域の近赤外線に対して遮蔽性を有することが好ましく、例えば、粘着性を有する樹脂組成物中に近赤外線吸収色素を分散させたものが好適に用いられる。
粘着性を有する樹脂組成物としては、例えば、ポリウレタン樹脂系、エポキシ樹脂系等の熱硬化性樹脂、アクリル樹脂系、ポリビニルアルコール系等の熱可塑性樹脂、シリコーン系等のゴム等が挙げられる。
近赤外線吸収粘着層16は、800nm以上かつ1100nm以下の波長帯域の近赤外線に対して遮蔽性を有することが好ましく、例えば、粘着性を有する樹脂組成物中に近赤外線吸収色素を分散させたものが好適に用いられる。
粘着性を有する樹脂組成物としては、例えば、ポリウレタン樹脂系、エポキシ樹脂系等の熱硬化性樹脂、アクリル樹脂系、ポリビニルアルコール系等の熱可塑性樹脂、シリコーン系等のゴム等が挙げられる。
近赤外線吸収色素は、800nm以上かつ1100nm以下の波長帯域の近赤外線に対して遮蔽性を有するものであれば特に限定されないが、例えば、フタロシアニン系化合物等の近赤外線吸収色素を用いることができる。
この近赤外線吸収色素は、1種類のみを用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
この近赤外線吸収色素は、1種類のみを用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
この近赤外線吸収粘着層16は、585nm以上かつ600nm以下の波長帯域に極大吸収ピークを有する色材を含有することが好ましい。この585nm以上かつ600nm以下の波長帯域、特に波長590nmの可視光線を選択的に吸収する選択吸収性色材としては、フタロシアニン系化合物等の近赤外線吸収色素に悪影響を及ぼすものでない限り、特に制限はないが、例えば、キナクリドン顔料、アゾメチン系化合物、シアニン系化合物、ポルフイリン化合物等を用いることが好ましい。
この近赤外線吸収粘着層16は、さらに、波長590nmの可視光線の透過率が、波長450nm、525nm、620nmの各々における可視光線の透過率よりも10%以上低いことが好ましい。
波長590nmの可視光線の透過率を上記のように設定することにより、本実施形態の光学フィルタをPDP等のグラットパネルディスプレイ(FPD)の表示部に設けると、この表示部におけるコントラスト性が向上し、色調の補正機能も高くなる。
波長590nmの可視光線の透過率を上記のように設定することにより、本実施形態の光学フィルタをPDP等のグラットパネルディスプレイ(FPD)の表示部に設けると、この表示部におけるコントラスト性が向上し、色調の補正機能も高くなる。
この光学フィルタを作製するには、まず、紫外線吸収剤を含有した透明基材11の表面に反射防止層12を形成し、この透明基材11の裏面に電磁波遮蔽層13を形成し、この電磁波遮蔽層13の四辺の各周辺部の電極領域となる部分に、矩形状の幅方向の一部に導電性粘着層が付与された金属箔を、周辺部から透明基材11の裏面に沿いかつ外側へ向かって延在するように貼着し、額縁状の電極14とする。
次いで、電磁波遮蔽層13及び電極14の上に、これらを覆うように近赤外線吸収粘着層16を形成し、この電極14の視認側をアース取り出し用電極部14aとする。
次いで、電磁波遮蔽層13及び電極14の上に、これらを覆うように近赤外線吸収粘着層16を形成し、この電極14の視認側をアース取り出し用電極部14aとする。
この近赤外線吸収粘着層16を形成した後、脱泡し透明化する工程を経ることが好ましい。この脱泡法としては、加圧または減圧により行うことができるが、加圧により行なうことが好ましい。
以上により、本実施形態の光学フィルタを容易に作製することができる。
以上により、本実施形態の光学フィルタを容易に作製することができる。
本実施形態の光学フィルタによれば、透明基材11の表面に反射防止層12を、透明基材11の裏面に電磁波遮蔽層13をそれぞれ形成し、電磁波遮蔽層13の四辺の各周辺部に導電性粘着層15を介して額縁状の金属箔からなる電極14を形成し、電磁波遮蔽層13及び電極14の上に近赤外線吸収粘着層16を形成したので、実質的に1枚のフィルムにより構成することができ、高透過率、低ヘーズを実現することができる。
また、粘着層16に近赤外線吸収機能及び585nm以上かつ600nm以下の波長帯域の光を吸収する機能を付与したので、近赤外線吸収層及び選択波長吸収層を別途設ける必要がなく、積層枚数の削減による材料コストの低減、製造工程の簡略化を図ることができる。
また、構造が簡略化されたので、従来のような近赤外線吸収層や接着層等が不要になり、製造工程数を削減することができ、製造歩留りを向上させることができる。したがって、製品の性能を安定させることができ、信頼性も向上させることができる。
また、反射防止層12が透明積層体の最外層を構成するので、優れた反射防止効果が得られる。
また、構造が簡略化されたので、従来のような近赤外線吸収層や接着層等が不要になり、製造工程数を削減することができ、製造歩留りを向上させることができる。したがって、製品の性能を安定させることができ、信頼性も向上させることができる。
また、反射防止層12が透明積層体の最外層を構成するので、優れた反射防止効果が得られる。
本実施形態の光学フィルタをPDP等の表示装置の表示部に貼着することにより、表示部と光学フィルタとの間の密着性が向上し、信頼性に優れ、アースの取り出しも容易となった表示装置が容易に得られる。
図3は、本実施形態の光学フィルタを表示部に貼着したプラズマディスプレイパネル(PDP)を示す断面図であり、図において、21はプラズマディスプレイパネル(PDP)本体、22は筐体、23はガスケットである。
図3は、本実施形態の光学フィルタを表示部に貼着したプラズマディスプレイパネル(PDP)を示す断面図であり、図において、21はプラズマディスプレイパネル(PDP)本体、22は筐体、23はガスケットである。
このPDPでは、PDP本体21の視認側に本実施形態の光学フィルタを貼着したことにより、光学フィルタの全面をPDP本体21に貼着することが可能になり、アースの取り出しも容易になる。よって、PDP本体21と光学フィルタとの間の密着性が向上し、信頼性に優れたものとなる。
また、光学フィルタの薄厚化、軽量化が可能であるから、PDPの大幅な軽量化を実施することが可能となる。
また、光学フィルタの薄厚化、軽量化が可能であるから、PDPの大幅な軽量化を実施することが可能となる。
また、この光学フィルタは実質的に1枚のフィルムからなるものであるから、透明基材となるフィルムや貼り合わせに用いる粘着剤等を削減することが可能であり、よって、大幅なコストの削減が可能となる。
さらに、アース取り出し電極部14aが視認側に向いているため、例えば、バスバー電極を金具で取る場合においても、また、筐体から取る場合においても、容易にアースの接地が可能となる。
以上により、電磁波遮蔽機能、近赤外線吸収機能、反射防止機能等の各種光学機能に優れたPDPを提供することができる。
さらに、アース取り出し電極部14aが視認側に向いているため、例えば、バスバー電極を金具で取る場合においても、また、筐体から取る場合においても、容易にアースの接地が可能となる。
以上により、電磁波遮蔽機能、近赤外線吸収機能、反射防止機能等の各種光学機能に優れたPDPを提供することができる。
「第2の実施形態」
図4は、本発明の第2の実施形態の光学フィルタを示す断面図であり、本実施形態の光学フィルタが第1の実施形態の光学フィルタと異なる点は、金属箔の一端部を折り返して断面U字状の電極31とし、さらに導電性粘着層15を介して貼り合わせ一体化し、この電極31の視認側をアース取り出し電極部31aとした点である。
本実施形態の光学フィルタにおいても、第1の実施形態の光学フィルタと全く同様の効果を奏することができる。
図4は、本発明の第2の実施形態の光学フィルタを示す断面図であり、本実施形態の光学フィルタが第1の実施形態の光学フィルタと異なる点は、金属箔の一端部を折り返して断面U字状の電極31とし、さらに導電性粘着層15を介して貼り合わせ一体化し、この電極31の視認側をアース取り出し電極部31aとした点である。
本実施形態の光学フィルタにおいても、第1の実施形態の光学フィルタと全く同様の効果を奏することができる。
「第3の実施形態」
図5は、本発明の第3の実施形態の光学フィルタを示す断面図であり、本実施形態の光学フィルタが第1の実施形態の光学フィルタと異なる点は、電極14の露出した面に導電性粘着層15を介して矩形状の金属箔からなる電極41を貼り合わせて一体化し、この電極41の視認側をアース取り出し電極部41aとした点である。
本実施形態の光学フィルタにおいても、第1の実施形態の光学フィルタと全く同様の効果を奏することができる。
図5は、本発明の第3の実施形態の光学フィルタを示す断面図であり、本実施形態の光学フィルタが第1の実施形態の光学フィルタと異なる点は、電極14の露出した面に導電性粘着層15を介して矩形状の金属箔からなる電極41を貼り合わせて一体化し、この電極41の視認側をアース取り出し電極部41aとした点である。
本実施形態の光学フィルタにおいても、第1の実施形態の光学フィルタと全く同様の効果を奏することができる。
「第4の実施形態」
図6は、本発明の第4の実施形態のプラズマディスプレイパネル(PDP)を示す断面図であり、本実施形態のPDPが第1の実施形態のPDPと異なる点は、アース取り出し電極部14aを金具51を用いて接地し、導通を取ってアース取りした点である。
本実施形態のPDPにおいても、第1の実施形態のPDPと全く同様の効果を奏することができる。
図6は、本発明の第4の実施形態のプラズマディスプレイパネル(PDP)を示す断面図であり、本実施形態のPDPが第1の実施形態のPDPと異なる点は、アース取り出し電極部14aを金具51を用いて接地し、導通を取ってアース取りした点である。
本実施形態のPDPにおいても、第1の実施形態のPDPと全く同様の効果を奏することができる。
以下、本発明を実施例により説明する。
透明基材として厚み100μmの紫外線吸収剤を含有するポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用い、この片面にハードコート層及び低屈折率層からなる反射防止層を順次形成し、さらに、この表面にポリエチレンテレフタレート(PET)からなる保護フィルムをラミネートした。
次いで、このPETフィルムの反対側の面に、パラジウムコロイド含有ペーストを用いて、L/S=30/270(μm)の格子状(メッシュ状)のパターンをグラビア法にて印刷し、これを無電解銅メッキ液中に浸漬して、無電解銅メッキを施し、続いて電解銅メッキを施し、さらにNi−Sn合金の電解メッキを施し、電磁波遮蔽層を形成した。
透明基材として厚み100μmの紫外線吸収剤を含有するポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用い、この片面にハードコート層及び低屈折率層からなる反射防止層を順次形成し、さらに、この表面にポリエチレンテレフタレート(PET)からなる保護フィルムをラミネートした。
次いで、このPETフィルムの反対側の面に、パラジウムコロイド含有ペーストを用いて、L/S=30/270(μm)の格子状(メッシュ状)のパターンをグラビア法にて印刷し、これを無電解銅メッキ液中に浸漬して、無電解銅メッキを施し、続いて電解銅メッキを施し、さらにNi−Sn合金の電解メッキを施し、電磁波遮蔽層を形成した。
次いで、幅24mmの銅箔の片面に導電性粘着剤が付着された銅テープを電磁波遮蔽層の四辺に4mm幅となるように貼付した。さらに、残り幅20mmの部分を10mmの幅にて、アース取り出し部分に粘着面が露出しないように銅テープを粘着面側に折り返した。
次いで、四辺の銅テープを含む電磁波遮蔽層の表面に、フタロシアニン系色素 イーエクスカラーIR−10A(登録商標)(株)日本触媒製)を含む粘着剤をラミネートし、近赤外線遮蔽性粘着層を形成した。さらに、これを加圧脱泡処理による透明化処理を行い、光学フィルターを作製した。
次いで、四辺の銅テープを含む電磁波遮蔽層の表面に、フタロシアニン系色素 イーエクスカラーIR−10A(登録商標)(株)日本触媒製)を含む粘着剤をラミネートし、近赤外線遮蔽性粘着層を形成した。さらに、これを加圧脱泡処理による透明化処理を行い、光学フィルターを作製した。
得られた光学フィルターの「全光線透過率」、「ヘイズ」、「視感反射率」、「鉛筆硬度」、「スチールウール硬度」、「密着性」、「分光透過率(近赤外部)」、「信頼性試験(高温・高湿での近赤外部の透過率変化)」、「表面抵抗」を下記方法により評価した。評価結果を表1に示す。
(評価方法)
(1)全光線透過率:ヘイズメータ(日本電色社製)を用いて測定した。
(2)視感反射率:分光光度計(日本分光社製V−570)を用いて測定した。
(3)鉛筆硬度:反射防止層の表面を上側とし、750g荷重下で傷がつかない最小鉛筆硬度を測定した。
(4)スチールウール強度:反射防止層の表面を上側とし、#0000スチールウールに250g/cm2の荷重を負荷しながら10回往復させ、その後反射防止層の表面を観察し、表面に発生した傷の本数を計数した。
(5)密着性:反射防止層の表面を上側にし、この表面の1cm角の各辺に1mm間隔で切り込みを入れ、この表面に粘着テープの貼付及び剥離という一連の操作を3回行った後、残存する升目の数を計数した。
(1)全光線透過率:ヘイズメータ(日本電色社製)を用いて測定した。
(2)視感反射率:分光光度計(日本分光社製V−570)を用いて測定した。
(3)鉛筆硬度:反射防止層の表面を上側とし、750g荷重下で傷がつかない最小鉛筆硬度を測定した。
(4)スチールウール強度:反射防止層の表面を上側とし、#0000スチールウールに250g/cm2の荷重を負荷しながら10回往復させ、その後反射防止層の表面を観察し、表面に発生した傷の本数を計数した。
(5)密着性:反射防止層の表面を上側にし、この表面の1cm角の各辺に1mm間隔で切り込みを入れ、この表面に粘着テープの貼付及び剥離という一連の操作を3回行った後、残存する升目の数を計数した。
(6)分光透過率:分光光度計(日本分光(株)製:V−570)を用い、各試料の波長850nm、950nm、1000nmにおける透過率を測定した。
(7)信頼性:
(a)80℃に設定した恒温器に各試料を入れ、1000時間後の分光透過率を測定した。
(b)60℃−相対湿度90%に設定した恒温恒湿試験器に各試料を入れ、1000時間後の分光透過率を測定した。
(8)表面抵抗:抵抗率計(アドバンテスト社製:デジタルマルチメータR6441A)を用いて電磁波遮蔽層に銅テープを貼付する前後での2点間の抵抗値(測定間距離600mm)を測定した。
(7)信頼性:
(a)80℃に設定した恒温器に各試料を入れ、1000時間後の分光透過率を測定した。
(b)60℃−相対湿度90%に設定した恒温恒湿試験器に各試料を入れ、1000時間後の分光透過率を測定した。
(8)表面抵抗:抵抗率計(アドバンテスト社製:デジタルマルチメータR6441A)を用いて電磁波遮蔽層に銅テープを貼付する前後での2点間の抵抗値(測定間距離600mm)を測定した。
表1によれば、光学フィルタが実質的に1枚のフィルムにより構成されているため、優れた透過率、低反射性、近赤外線遮蔽性及び機械的強度を有し、耐久性にも優れ、さらに、金属箔にてアース電極部を形成した場合においても、抵抗値を損なうことのないものであることが確認された。
本発明の光学フィルタは、電磁波遮蔽層の四辺に外方へ向かって延在する電極部を設け、これら電磁波遮蔽層及び電極部の上に粘着層を設けたものであるから、PDPへの適用はもちろんのこと、他の表示装置に対しても適用することが可能であり、その効果は非常に大きなものである。
11 透明基材
12 反射防止層
13 電磁波遮蔽層
14 電極
14a アース取り出し用電極部
15 導電性粘着層
16 近赤外線吸収粘着層
21 PDP本体
22 筐体
23 ガスケット
31 電極
31a アース取り出し電極部
41 電極
41a アース取り出し電極部
51 金具
12 反射防止層
13 電磁波遮蔽層
14 電極
14a アース取り出し用電極部
15 導電性粘着層
16 近赤外線吸収粘着層
21 PDP本体
22 筐体
23 ガスケット
31 電極
31a アース取り出し電極部
41 電極
41a アース取り出し電極部
51 金具
Claims (10)
- 透明基材の一主面に電磁波遮蔽層を設け、この電磁波遮蔽層の四辺に前記一主面に沿いかつ外方へ向かって延在する電極部を設け、これら電磁波遮蔽層及び電極部の上に粘着層を設けてなることを特徴とする光学フィルタ。
- 前記粘着層は、近赤外線吸収剤を含有してなることを特徴とする請求項1記載の光学フィルタ。
- 前記粘着層は、585nm以上かつ600nm以下の波長帯域に極大吸収ピークを有する色材を含有してなることを特徴とする請求項1または2記載の光学フィルタ。
- 前記電磁波遮蔽層は、網状の金属層であることを特徴とする請求項1、2または3記載の光学フィルタ。
- 前記電磁波遮蔽層は、透明導電膜であることを特徴とする請求項1、2または3記載の光学フィルタ。
- 前記透明基材は、紫外線吸収剤を含有してなることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項記載の光学フィルタ。
- 前記電極部は、銅、アルミニウム、ニッケルの群から選択される1種以上の金属を主成分とすることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項記載の光学フィルタ。
- 透明基材の一主面に電磁波遮蔽層を形成し、この電磁波遮蔽層の四辺に導電性粘着層が付与された金属箔を用いて前記一主面に沿いかつ外方へ向かって延在する電極部を形成し、これら電磁波遮蔽層及び電極部の上に粘着層を形成することを特徴とする光学フィルタの製造方法。
- 表示部に、請求項1ないし7のいずれか1項記載の光学フィルタを貼着してなることを特徴とする表示装置。
- 前記表示部は、プラズマディスプレイパネルの表示部であることを特徴とする請求項9記載の表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006022380A JP2007207841A (ja) | 2006-01-31 | 2006-01-31 | 光学フィルタ及びその製造方法並びに表示装置 |
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Publications (1)
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JP (1) | JP2007207841A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009069627A (ja) * | 2007-09-14 | 2009-04-02 | Dainippon Printing Co Ltd | ディスプレイ用電磁波遮蔽フィルタ、複合フィルタ、及びディスプレイ |
WO2010026976A1 (ja) * | 2008-09-05 | 2010-03-11 | 鹿島建設株式会社 | 透光性電磁波シールド板 |
US10564780B2 (en) | 2015-08-21 | 2020-02-18 | 3M Innovative Properties Company | Transparent conductors including metal traces and methods of making same |
-
2006
- 2006-01-31 JP JP2006022380A patent/JP2007207841A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009069627A (ja) * | 2007-09-14 | 2009-04-02 | Dainippon Printing Co Ltd | ディスプレイ用電磁波遮蔽フィルタ、複合フィルタ、及びディスプレイ |
WO2010026976A1 (ja) * | 2008-09-05 | 2010-03-11 | 鹿島建設株式会社 | 透光性電磁波シールド板 |
JP2010062432A (ja) * | 2008-09-05 | 2010-03-18 | Kajima Corp | 透光性電磁波シールド板 |
US10564780B2 (en) | 2015-08-21 | 2020-02-18 | 3M Innovative Properties Company | Transparent conductors including metal traces and methods of making same |
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