JP2007206470A - 画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】接触帯電部材の表面汚れによる抵抗ムラによる帯電不良を抑制させ、長期にわたって良好な画像を得ることができる画像形成方法を提供することを目的とする。
【解決手段】導電性支持体と、該支持体上に設けられた弾性層と、最も外側に形成された表面層とを少なくとも有した帯電部材を接触させて帯電させる工程を有する画像形成方法において、
該トナーが、少なくとも結着樹脂及び着色剤を有するトナー粒子と、一次粒子の個数平均粒径Ds(nm)が30nm以上300nm以下で、粒子形状が立方体状及び/または直方体状の形状のペロブスカイト型結晶を有する無機微粉体Aを含有したトナーであり、該帯電部材の表面層に導電粒子として、コア粒子αにカーボンブラックを被覆した個数平均粒径Dc(nm)が以下の式の範囲を満足する複合粒子を含有することを特徴とする。
Ds/20≦Dc≦Ds
【選択図】なし

Description

本発明は電子写真方法、静電記録法などを利用した記録方法に用いられる感光体、及び画像形成方法に関するものである。詳しくは、静電潜像担持体上に形成された静電潜像をトナーにより現像した後、転写材上に転写させて画像形成を行う複写機、プリンター、ファックスに用いられる感光体及び画像形成方法に関するものである。
感光体を帯電させる方法として、帯電部材を感光体に接触させて帯電させる接触帯電方法が知られている。例えば、導電性ローラに電圧を印加しながら、ローラを感光体の如き被帯電体に接触させ、被帯電体表面を所定に電位に帯電させるものである。このような接触帯電手段を用いればコロナ放電器と比較して低電圧化が図れ、オゾン発生量も減少することが可能である。
帯電部材としての例としては、ゴム弾性を有する半導電性のローラ、ブレード、プレート形状の部材を感光体に押し当てることで、感光体に均一な接触状態を達成させ、帯電を行う帯電部材が挙げられ、トナーなどによる帯電部材への汚れを抑制させる目的なので、表面層を設けた帯電部材が開示されている。
また、帯電部材の表面層の抵抗を調整させる例として、バインダー樹脂中に導電剤を適宜、含有させ、分散させたゴム、塗料などを成形、塗布することで帯電部材を作製することが知られており、その導電剤として、低コストなカーボンブラックを使用した帯電部材が提案されている(特許文献1、2、3参照)。
さらに、導電材として、導電性材料で被覆された粒子を用いることで、樹脂中での導電粒子の分散を均一にさせることができ、良好な画像が得られる帯電部材が提案されている(特許文献3参照)。
一方、これらの接触帯電装置は感光体と非接触の帯電装置(コロナ)に比べて、感光体と帯電部材との微少な空間で帯電を行う、つまり感光体により近い位置で帯電を行うので、従来の非接触型の帯電装置に比べて多数回繰り返すと、静電荷潜像担持体を帯電する帯電工程で生じるオゾンが、空気中の窒素と反応して窒素酸化物(NOx)となり、更にこれらの窒素酸化物が空気中の水分と反応して硝酸になって静電荷潜像担持体の表面に付着して、静電荷潜像担持体の表面の抵抗を低下させる。
このような画像形成プロセスを特に高湿度環境下においてこのために画像形成時に、静電荷潜像担持体において画像流れを生じるようになる。該画像流れに対して、トナーに研磨作用を有する粒子を添加し、静電荷潜像担持体の表面に付着した帯電生成物を剥ぎ取ることによって改善する方法が知られている。しかしながら、従来用いられていた研磨剤は粒径が大きいことと、及び粒度分布がブロードなため、静電荷潜像担持体の表面を均一に研磨することが困難であった。
この点を改良したものとして、特許文献4及び特許文献5に、トナー粒子にチタン酸ストロンチウム粉体を添加する方法が提案されている。これらの方法に使用されるチタン酸ストロンチウム粉体は、粒径が細かく粗粒が少ないため優れた研磨効果がある。しかしながら、これらの方法に使用されるチタン酸ストロンチウム粉体は、静電荷潜像担持体上にトナーによるフィルミングや融着を防止するのには効果的であるが、前記の如き帯電生成物の除去には不十分であった。
特許文献6に、研磨物質及び脂肪酸金属塩を含有するトナー粒子を使用する方法が提案されており、特許文献7に、トナー粒子に脂肪酸金属塩とチタン酸化合物を外添する方法が提案され、特許文献8に、脂肪酸金属塩等の潤滑剤で表面処理した金属酸化物を外添する方法が提案されている。しかしながら、これらの方法は、いずれも帯電生成物の除去には不十分であった。
さらに、そのような研磨物質を添加したトナーの場合、感光体への研磨性は、主に転写工程後に配置された例えばクリーニングブレードを用いたクリーニング工程において行われており、研磨性を高めるには、感光体に接触しているブレードとのニップ部に入り込む、ブレード近傍に滞留させることで研磨性は向上する。
しかしながら、そのような構成をとると、研磨物質がクリーニングブレードから、すり抜けることになり、研磨物質によって、接触帯電部材の表面が著しく汚染され、特に低湿環境下で使用した場合にドラム上の帯電不均一、ムラによる帯電不良が生じ、画像ムラ、カブリ画像などの問題画像が発生してしまう。
特開2004−157720号公報 特開2004−4785号公報 特開2004−361565号公報 特開平10−10770号公報 特許第3047900号公報 特開2000−162812号公報 特開平8−272132号公報 特開2001−296688号公報
本発明は上述の如き問題点を解決した画像形成方法を提供することである。具体的には、高湿環境下における画像形成時の画像流れの発生を抑制又は防止でき、さらに、低湿環境下における帯電部材の表面汚れによる帯電ムラによる画像ムラを防止できる画像形成方法を提供するものである。
本発明は、像担持体である支持体上に少なくとも感光層を有する感光体に、導電性支持体と、該支持体上に設けられた弾性層と、最も外側に形成された表面層とを少なくとも有した帯電部材を接触させて帯電させる工程、帯電された感光体に、静電潜像を形成させる静電潜像形成工程と、トナー担持体上に担持させたトナーを前記静電潜像に現像してトナー像を形成する現像工程と、感光体上に形成されたトナー像を転写材に転写させる転写工程、転写工程後に感光体上に残った転写残余トナーを感光体上から除去するクリーニング工程を有するを有する画像形成方法において、
該トナーが、少なくとも結着樹脂及び着色剤を有するトナー粒子と、一次粒子の個数平均粒径Ds(nm)が30nm以上300nm以下で、粒子形状が立方体状及び/または直方体状の形状のペロブスカイト型結晶を有する無機微粉体Aを含有したトナーであり、
該帯電部材の表面層に導電粒子として、コア粒子αにカーボンブラックを被覆した個数平均粒径Dc(nm)が以下の式の範囲を満足する複合粒子を含有することを特徴とする画像形成方法に関する。
Ds/20≦Dc≦Ds
本発明によれば、高湿環境下における画像形成時の画像流れの発生を抑制又は防止でき、さらに、低湿環境下における帯電部材の表面汚れによる帯電ムラによる画像ムラを防止できる画像形成方法を提供することができる。
本発明の画像形成方法を添付図面を参照しながら以下に説明する。図1は、本発明の画像形成方法を実施するために用いることができる具体的な装置の一例を示す。図1において、1は感光ドラムで、その周囲に一次帯電ローラ6、現像器7、転写帯電ローラ8が設けられている。そして感光体1は感光体に接触する一次帯電ローラ6によって帯電される。そして、レーザー発生装置によりレーザー光Lを感光体1に照射することによって露光される。感光体1上の静電潜像は現像器7によってトナーで現像され、転写材を介して感光体に当接された転写ローラ8により転写材5上へ転写される。トナー画像をのせた転写材は搬送ガイドを経て定着器3へ運ばれ転写材上に定着される。また、一部感光体上に残されたトナーは感光体に接触するクリーニング弾性ブレード4により感光体表面上から除去され、さらに、帯電ローラに付着した無機部粉体等の汚染物質は清掃部材9により帯電部材表面から除去される画像形成方法である。
また、図2には図1で示した帯電ローラ6の具体的な一例を示す。図2において6−1は導電性の支持体、6−2は支持体上に設けられた弾性層、6−3は最も外側に形成された表面層を有した帯電ローラである。
本発明の特徴は、図1で示す7に充填されているトナーが、結着樹脂及び着色剤を有するトナー粒子と、一次粒子の個数平均粒径Ds(nm)が30nm以上300nm以下で、粒子形状が立方体状及び/または直方体状の形状のペロブスカイト型結晶を有する無機微粉体Aを含有したトナーであり、帯電ローラの表面層に導電粒子として、コア粒子αにカーボンブラックを被覆した個数平均粒径Dc(nm)がDs/20≦Dc≦Dsの範囲を満足する複合粒子を含有する帯電ローラを用いたことにある。
上記画像形成方法で使用するトナーとしては、1)少なくとも結着樹脂及び着色剤を有するトナー粒子と、2)一次粒子の個数平均粒径Ds(nm)が30nm以上300nm以下で、粒子形状が立方体状及び/または直方体状の形状のペロブスカイト型結晶を有する無機微粉体Aを含有したトナーでなければならない。
帯電生成物である硝酸イオンの如きイオン性の物質は、静電荷潜像担持体表面に極薄く付着している。該イオン性物質を効率的に除去するためには、例えば、クリーニングブレードの当接圧を上げることが考えられるが、この場合、静電荷潜像担持体が削れてしまって静電荷潜像担持体の寿命が短くなるために好ましくない。よって、クリーニングブレードの当接圧を上げることなく、静電荷潜像担持体表面に付着した帯電生成物を除去するためには、研磨剤自身の研磨能力を上げる必要がある。
従来のチタン酸ストロンチウム粉体は、帯電生成物の除去には不十分であったが、本発明者らは、これは該チタン酸ストロンチウム粉体に含まれる粒子の形状によるものであると考えた。
従来のチタン酸ストロンチウム粉体は焼結工程を経て製造されており、粒子の形状が球状又は球状に近い多面体状であった。このため、チタン酸ストロンチウムと静電荷潜像担持体表面との接触面積が小さいことが原因で、帯電生成物の除去には不十分であったと推測される。
本発明者らは、トナー中に添加する研磨剤として粒子形状が立方体状、及び、または直方体状であるペロブスカイト型結晶の無機微粉体Aを用いることで、静電荷潜像担持体表面に付着した帯電生成物の除去を効率的に行えることを見出した。研磨剤の粒子形状が立方体状、及び、または直方体状であることで、研磨剤と静電荷潜像担持体表面との接触面積を大きくすることができ、また、研磨剤の立方体及び/又は直方体の稜線が静電荷潜像担持体表面に当接することで、トナーに添加した無機微粉体Aによる良好な掻き取り性を得ることができる。
本発明において用いる無機微粉体Aは、ペロブスカイト型の結晶構造を有している。ペロブスカイト型結晶の無機微粉体の中でも特に好ましいものは、例えば、チタン酸ストロンチウム微粉体、チタン酸バリウム微粉体、チタン酸カルシウム微粉体であり、この中でもチタン酸ストロンチウム微粉体が更に好ましい。
図3に粒子形状が立方体状及び/または直方体状であるペロブスカイト型結晶を有する無機微粉体Aの一例としてチタン酸ストロンチウムの写真を示す。
本発明において使用されるペロブスカイト型結晶の無機微粉体Aは、一次粒子の平均粒径が30〜300nmであり、好ましくは40〜250nmであることが更に好ましい。
平均粒径が30nm未満ではクリーナー部における当該粒子の研磨効果が不十分であり、硝酸イオンの如きイオン性の物質の除去効果が不十分であり、画像流れなどの問題が生じ、クリーニング工程部からのすり抜けも多く、そのため帯電部材を汚染してしまう。一方、300nmを超えると上記研磨効果が強すぎるため静電荷潜像担持体(感光体)にキズが発生するため適さない。
本発明におけるペロブスカイト型結晶の無機微粉体Aの平均粒径については、図3に示したような電子顕微鏡にて5万倍の倍率で撮影した写真から100個の粒径を測定して、その平均を求めた。粒径は、図4に示すような一次粒子の最長辺をT1、最短辺をS1としたとき、(T1+S1)/2として求めた。
また、本発明で用いるペロブスカイト型結晶無機微粉体A中の、粒子形状が概略立方体及び/又は直方体である粒子の含有率を50個数%以上にすることで、更に効率的に帯電生成物の除去が行えるので好ましい。
更に本発明において、ペロブスカイト型結晶無機微粉体Aの着色粒子に対する遊離率は20体積%以下であることが好ましく、15体積%以下が更に好ましい。
ここで遊離率とは、トナー粒子から遊離したペロブスカイト型結晶無機微粉体Aの割合を体積%で求めたものであり、パーティクルアナライザー(PT1000:横河電機(株)製)により測定されたものである。更に詳しくは、遊離率は、結着樹脂の構成元素である炭素原子の発光と、ペロブスカイト型結晶無機微粉体の構成原子の発光の同時性から、「ペロブスカイト型結晶無機微粉体の構成原子のみの発光体積」を発光体積A、「炭素原子と同時に発光したペロブスカイト型結晶無機微粉体の構成原子の発光体積」を発光体積Bとした場合に、次式により求めたものと定義する。
上記の遊離率は、パーティクルアナライザーで「Japan Hardcopy97論文集」の65〜68頁(発行者:電子写真学会、発行日:1997年7月9日)に記載の原理で測定を行う。具体的には、前記装置では、トナー等の微粒子を一個ずつプラズマへ導入し、微粒子の発光スペクトルから、発光物の元素、粒子数及び粒子の粒径を知ることができる。
ここで、発光体積Bにおける「炭素原子と同時に発光した」とは、炭素原子の発光から2.6msec.以内に発光したペロブスカイト型結晶無機微粉体の構成原子の発光をいう。そして、それ以降のペロブスカイト型結晶無機微粉体の構成原子の発光はペロブスカイト型結晶無機微粉体の構成原子のみの発光とする。本発明では、炭素原子と同時に発光したペロブスカイト型結晶無機微粉体の構成原子の発光は、トナー粒子表面に付着したペロブスカイト型結晶無機微粉体を測定しており、ペロブスカイト型結晶無機微粉体の構成原子のみの発光は、トナー粒子から遊離したペロブスカイト型結晶無機微粉体を測定していることになり、これらを用いて遊離率を求める。
具体的な測定方法としては、0.1体積%酸素含有のヘリウムガスを用い、23℃で湿度60%の環境にて測定を行い、トナーサンプルは、同環境下にて一晩放置し、調湿したものを測定に用いる。チャンネル1で炭素原子(測定波長247.860nm)、チャンネル2で無機微粉体の構成原子(例えば、チタン酸ストロンチウムであれば、ストロンチウム原子:測定波長407.770nm)を測定し、一回のスキャンで炭素原子の発光数が1,000〜1,400個となるようにサンプリングを行い、炭素原子の発光数が総数で10,000個以上となるまでスキャンを繰り返し、発光数を積算する。この時、炭素原子の発光個数を縦軸に、炭素原子の三乗根電圧を横軸にとった分布において、前記分布が極大を一つ有し、更に、谷が存在しない分布となるようにサンプリングし、測定を行う。このデータを元に、全元素のノイズカットレベルを1.50Vとし、上記計算式を用い遊離率を算出する。
本発明においては、トナー粒子に対する遊離率をペロブスカイト型結晶無機微粉体Aの1乃至20体積%が好ましい。
本発明に用いるペロブスカイト型結晶の無機微粉体Aは、粒径が非常に細かいため、クリーニングブレードからすり抜けやすく、クリーニングブレードからすり抜けた粒子は、トナー粒子から遊離して単独で存在しているものであることが確認された。従って、トナー粒子から遊離していない無機微粉体はすり抜けにくいことがわかり、トナー粒子から遊離している無機微粉体Aを少なく、つまり遊離率を20体積%以下にすることで、帯電部材への汚染が抑制されるので、好ましい。
1体積%未満では、研磨剤の感光体表面の放電生成物の掻き取り性が低下するので好ましくない。
また、無機微粉体Aは現像特性を考慮し、摩擦帯電極性、環境による摩擦帯電量を制御、また感光体表面への付着、固着防止の点から、表面を処理したほうが好ましい。
表面処理剤としては、カップリング剤やシリコーンオイル、脂肪酸金属塩、脂肪酸などの処理剤が挙げられる。
表面処理を行うことで、例えば、親水基と疎水基を有する化合物であるカップリング剤の場合、親水基側が無機微粉体表面を覆うことで疎水基側が外側になるので、微粉体の疎水化処理がなされ、環境による摩擦帯電量の変動を抑制させることができ、また、アミノ基、フッ素などの官能基を導入したカップリング剤により、摩擦帯電量の制御も容易にできる。
さらに、感光体表面との親和性も低下することから、耐久により、感光体表面に無機微粉体Aが付着、固着してしまい、ポチ状の不良画像の発生も防止できるので、好ましい。
また、上述のような表面処理剤の場合には分子レベルでの表面処理のために、該無機微粉体の形状がほとんど変化せず、立方体状、直方体形状による掻き取り力が維持されるのでより好ましい。
カップリング剤としてはチタネート系、アルミニウム系、シラン系カップリング剤等が挙げられ、脂肪酸金属塩としてはステアリン酸亜鉛、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどが挙げられ、また脂肪酸であるステアリン酸などでも同様の効果が得られる。
処理の方法は、処理する表面処理剤などを溶媒中に溶解、分散させ、その中に無機微粉体を添加した、撹拌しながら溶媒を除去して処理する湿式方法や、カップリング剤、脂肪酸金属塩と無機微粉体を直接混合して撹拌しながら処理を行う乾式方法などが挙げられる。
また、表面処理については無機微粉体を完全に処理、被覆する必要は無く、効果が得られる範囲で無機微粉体が露出していても良い。つまり表面の処理が不連続に形成されていても良い。
また、無機微粉体Aのトナー中の含有率は、トナー粒子100質量部に対して0.05〜5.00質量部添加であることが好ましく、より好ましくは0.2〜4.0質量部である。
無機微粉体Aの添加量が0.05質量%未満であると、研磨剤の感光体表面の放電生成物の掻き取り性が低下するので好ましくない。5.0質量%を超えると、無機微粉体Aのブレードからのすり抜けが多くなることで、感光体表面に無機微粉体が融着、固着しやすく、帯電部材の汚染も発生しやすい傾向になるので、好ましくない。
本発明で用いるペロブスカイト型結晶の無機微粉体は、例えば、硫酸チタニル水溶液を加水分解して得た含水酸化チタンスラリーのpHを調整して得たチタニアゾルの分散液に、ストロンチウムの水酸化物を添加して、反応温度まで加温することで合成することができる。該含水酸化チタンスラリーのpHは0.5〜1.0とすることで、良好な結晶化度及び粒径のチタニアゾルが得られる。
また、チタニアゾル粒子に吸着しているイオンを除去する目的で、該チタニアゾルの分散液に、水酸化ナトリウムの如きアルカリ性物質を添加することが好ましい。このときナトリウムイオン等を含水酸化チタン表面に吸着させないために、該スラリーのpHを7以上にしないことが好ましい。また、反応温度は60℃〜100℃が好ましく、所望の粒度分布を得るためには昇温速度を30℃/時間以下にすることが好ましく、反応時間は3〜7時間であることが好ましい。
上記の如き方法により製造された無機微粉体を脂肪酸又はその金属塩で表面処理を行う方法としては以下の方法がある。たとえば、Arガス又はN2ガス雰囲気下、無機微粉体スラリーを脂肪酸ナトリウム水溶液中に入れ、ペロブスカイト型結晶表面に脂肪酸を析出させることができる。また、たとえばArガス又はN2ガス雰囲気下、無機微粉体スラリーを脂肪酸ナトリウム水溶液中に入れ、撹拌しながら、所望の金属塩水溶液を滴下することで、ペロブスカイト型結晶表面に脂肪酸金属塩を析出,吸着させることができる。例えばステアリン酸ナトリウム水溶液と硫酸アルミニウムを用いればステアリン酸アルミニウムを吸着させることができる。
上記に記載した無機微粉体Aを添加したトナーを用いる場合、帯電部材の表面層に含有される導電材としては、コア粒子αにカーボンブラックを被覆した個数平均粒径Dc(nm)がDs/20≦Dc≦Dsを満足する複合粒子を含有した帯電部材でなければならない(図5の斜線の部分)。
カーボンブラックを、コア粒子αの表面に被覆させることで、複合粒子の表面に層状の状態でカーボンブラックが存在することができる。
そのために、帯電部材の表面層にカーボンブラック自体で分散させた表面層よりも、カーボンのへきかい性により、滑り性が増し、トナーなどの汚染物質による表面層への汚染が低減できる。
さらに、複合粒子にすることで、カーボンブラックのみを表面樹脂中に分散させるよりも、より均一に樹脂中に分散させることが可能になり、帯電部材表面に不均一ではなく、均一に存在させることができるようになり、複合粒子の存在している部分と、存在していない部分の偏りによる汚れムラを防止できる。
しかしながら、無機微粉体Aを用いた場合、粒径が細かいために、付着性が高く、さらに形状が直方体状なので、稜線部分を有するために、弾性を有する柔らかい帯電部材を傷つけやすく、そのため耐久により帯電部材の表面粗さが大きくなり、粗さの間に無機微粉体Aが蓄積されやすくなってしまう。
そのために、鋭意、検討した結果、複合粒子の個数平均粒径Dcを無機微粉体Aの個数平均粒径Dsと比較して、Ds/20≦Dc≦Dsの範囲でなければならないことが分かった。
上記の範囲である明確な理由は不明であるが、類推すると、複合粒子の個数平均粒径が、無機微粉体Aの個数平均粒径以下にすることにより、無機微粉体A、1個に対して少なくとも1粒子以上(複数)の複合粒子が接する状態になりやすくなるために、複合粒子の帯電部材表面への付着力が低下し、汚れが防止でき、さらに表層の膜強度の不均一差、偏りが無機微粉体Aの粒径より小さいために、無機微粉体Aの稜線、角による帯電部材表層への傷、損傷が抑制されるのではないかと推察される。
逆に、複合粒子の個数平均粒径が、無機微粉体Aの個数平均粒径を超えると、汚れ防止効果が低下し、表層への傷、損傷が発生してしまう。
複合粒子の個数平均粒径が、無機微粉体Aの個数平均粒径の1/20未満であると、無機微粉体A、1個に対してより、複数の複合粒子が接する状態になりやすいが、無機微粉体Aに対して、1つの複合粒子の接触する面積が小さくなるので、無機微粉体Aの帯電部材表面への付着力低下の効果が低下し、汚染低減効果がなくなってしまうと推察される。
さらに、より好ましい範囲は、複合粒子のDcがDs/10≦Dc≦Ds/3である。
また、帯電部材の表面層に含有される複合粒子が、表面層に使用される結着樹脂100質量部に対して、10〜120質量部であることが好ましい。
120質量部を超えると、表面層の膜強度が低下し、耐久により膜の剥がれ、損傷が発生しやすいので、好ましくない。10質量部未満では、複合粒子による汚染低減効果が発揮されにくいので好ましくない。
本発明におけるコア粒子αは樹脂粒子、金属粒子、金属酸化物粒子など種々の粒子が使用できるが、より好ましくは、カーボンブラックの被覆性、粒子の分散性の観点から、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化鉄、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウム、ジルコン酸カルシウムより選ばれる金属酸化物微粒子aである。
さらに、その中でも好ましいのではシリカ微粒子である。
さらに、コア粒子αが表面処理されていることが好ましい。表面処理を施すことにより、コア粒子αとカーボンブラックをより強固に付着させることができ、複合粒子を樹脂中に分散させる際に、カーボンブラックの離脱を防止することができ、表層に分散させた際により複合粒子としての効果が発揮されるので、好ましい。
表面処理剤としては、アルコキシシラン、フルオロアルキルシラン、ポリシロキサン等の有機ケイ素化合物、シラン系、チタネート系、アルミネート系及びジルコネート系の各種カップリング剤、オリゴマー又は高分子化合物の一種又は二種以上を用いることができる。より好ましくは有機ケイ素化合物である。
本発明における有機ケイ素化合物としては、アルコキシシラン、アルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物、ポリシロキサン、変成ポリシロキサン、末端変成ポリシロキサン並びにフルオロアルキルシラン又はこれらの混合物を用いることができる。
アルコキシシランとしては、具体的には、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
表面処理剤の被覆量は、コア粒子αに対して0.01〜15.0質量%が好ましい。0.01質量%未満の場合には、コア粒子αに対してのカーボンブラックを付着させることが困難であることがある。15.0質量%を超えると、処理剤によりコア粒子同士が凝集してしまい、カーボンブラックの被覆を阻害してしまうので、好ましくない。
本発明におけるコア粒子αへの表面処理方法は、コア粒子αと表面処理剤又は表面処理剤の溶液とを機械的に混合撹拌(ボールミル、サンドミル、ペイントシェーカ、ダイノミル及びパールミル等、従来公知の溶液分散手段等)したり、コア粒子αに表面処理剤又は表面処理剤の溶液を噴霧しながら機械的に混合撹拌すればよい。
更に、必要に応じて表面処理後の粒子に更に粉砕処理を施してもよい。
コア粒子αに被覆するカーボンブラックは、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック等が好ましく用いられる。
より具体的には、電気化学(株)製粒状アセチレンブラック、旭カーボン(株)製「HS−500」、「アサヒサーマルFT」、「アサヒサーマルMT」、ライオンアグゾ(株)製「ケッチェンブラック」、キャボット(株)製バルカンXC−72、キャボット社の「REGAL 400R」、「MONARCH 1300」、Degussa社の「Color Black FW200」、「SPECIAL BLACK4」、「PRINTEX150T」、「PRINTEX140T」、「PRINTEX U」、三菱化学(株)製「MA100」等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
コア粒子αにカーボンブラックを被覆させる方法としては、コア粒子αとカーボンブラック、表面処理されているコア粒子αとカーボンブラックとの混合撹拌をするために、機器としては、粉体層にせん断力を加えることのできる装置が好ましく、殊に、せん断、へらなで及び圧縮が同時に行える装置、例えば、ホイール型混練機、ボール型混練機、ブレード型混練機、ロール型混練機を用いることができ、ホイール型混練機がより効果的に使用できる。
そして、必要に応じて、混合撹拌後、更に乾燥、熱処理を行ってもよい。
また、この被覆層は必ずしも該コア粒子αを完全に被覆する必要は無く、本発明の効果が得られる範囲で該コア粒子が露出していても良い。つまり被覆層が不連続に形成されていても良い。
さらに、帯電部材の表面層には、比誘電率が50以上300以下の金属酸化物粒子bが含有されていることが好ましい。
誘電率の高い粒子を含有させることにより、帯電部材の誘電率が高くなり、感光体の1周前の電位の影響を受けた帯電ゴーストと呼ばれる帯電不良を低減することができる。
比誘電率が50未満では、帯電ゴーストへの効果が現われにくく、300超では帯電過多による異常放電が発生しやすくなるので、好ましくない。
粒子の比誘電率抵抗測定は、錠剤法により測定した。即ち、底面積2.26cm2の円筒内に粉体試料を入れ上下電極に15kgの加圧を行うと同時に1Vpp、1MHzの電圧を印加し交流電流を測定し、その後正規化して比誘電率を算出した。
比誘電率が50以上300以下の粒子としては、一般式MO・TiO2(式中、MはBa、Sr、Ca、Mg、Co、Pb、Zn、Be、Cdより選ばれる一種又は二種以上)で表わされるチタン酸金属塩化合物(例えばチタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウムストロンチウム、チタン酸バリウムカルシウム等)が挙げられ、中でも安定で高い誘電率を示し入手が容易なため好ましく用いられるのがルチル型の酸化チタン粒子である。
本発明における複合粒子、コア粒子α、金属酸化物微粒子a、bの平均粒径については、電子顕微鏡にて5万倍の倍率で撮影した写真から100個の粒径を測定して、その平均を求めた。
また、帯電部材の表面層には表面形状を制御する方法として、本発明の効果を失わない程度であれば、個数平均粒径で0.5μm〜25μm程度の樹脂粒子などの粗し材を添加、含有させても構わない。
粗し材としての樹脂粒子としては、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、(メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、オレフィン樹脂、エポキシ樹脂、および、これらの共重合体や変性物、誘導体などの樹脂粒子や、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、シリコーンゴム、ウレタンゴム、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エピクロルヒドリンゴムなどのゴム微粒子や、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、フッ素ゴム系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、エチレン酢酸ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、塩素化ポリエチレン系熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性エラストマー微粒子が挙げられる。
また、その他に、硫酸バリウム、二硫化モリブデン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、タルク、カオリンクレー、マイカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ゼオライト、ウオラストナイト、けいそう土、ガラスビーズ、ベントナイト、モンモリロナイト、アスベスト、中空ガラス球、黒鉛、もみ殻、有機金属化合物、有機金属塩などの粒子を挙げることができる。
帯電部材の表面層に使用される材料としては、従来から知られている、例えば、樹脂や、ゴム(天然ゴム(加硫処理をしてもよい)や合成ゴム)、熱可塑性エラストマーなどのエラストマーを結着材料として用いた層などが挙げられる。
樹脂としては、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ブチラール樹脂、スチレン−エチレン・ブチレン−オレフィン共重合体(SEBC)、オレフィン−エチレン・ブチレン−オレフィン共重合体(CEBC)などが挙げられる。
合成ゴムとしては、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、シリコーンゴム、ウレタンゴム、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴムなどが挙げられる。
熱可塑性エラストマーとしては、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、フッ素ゴム系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、エチレン酢酸ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、塩素化ポリエチレン系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
これらは、単独で用いてもよいし、混合または共重合体として2種以上用いてもよい。
帯電部材の支持体としては、導電性を有していればよく(導電性支持体)、例えば、鉄、銅、ステンレス、アルミニウム、ニッケルなどの金属性(合金製)の支持体を用いることができる。また、これらの表面に耐傷性付与を目的として、導電性を損なわない範囲で、メッキ処理などを施してもよい。
以下に本発明の実施例を具体的に示すが、これらに限られるものではない。
まず本発明の画像形成方法に使用されるトナー、帯電ローラについての例を示す。なお実施例中の部は質量部を表す。
(トナー用結着樹脂製造例)
・テレフタル酸 610g
・無水トリメリット酸 610g
・フマル酸 310g
・プロポキシ化ビスフェノールA 1050g
・エトキシ化ビスフェノールA 450g
上記ポリエステル系モノマーを、炭化水素系ワックス189g、エステル化触媒とともに4口フラスコに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び撹拌装置を装着して窒素雰囲気下にて130℃の温度で撹拌しつつ、ビニル系重合体モノマー(スチレン621g、2−エチルヘキシルアクリレート136g、ジビニルベンゼン0.13g)を混合したものを滴下ロートから4時間かけて滴下した。130℃に保持したまま3時間熟成し、230℃に昇温して反応を行った。反応終了後容器から取り出し、冷却、粉砕し、樹脂Aを得た。
(トナー粒子製造例)
樹脂A 100部
磁性体 100部
サリチル酸金属化合物 1部
炭化水素系ワックス 5部
上記を、ヘンシェルミキサーを用いて混合し、二軸押し出し混練機で溶融混練した後、ハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をターボミルT−250型で微粉砕後、得られた微粉末を風力分級機で分級し、個数平均粒径6.8μmのトナー粒子を得た。
(無機微粉体Aの製造例1)
硫酸チタニル水溶液を加水分解して得られた含水酸化チタンを純水で濾液の電気伝導度が2200μS/cmになるまで洗浄した。該含水酸化チタンスラリーにNaOHを添加して吸着している硫酸根をSO3として0.24質量%になるまで洗浄した。次に該含水酸化チタンスラリーに塩酸を添加してスラリーのpHを1.0としてチタニアゾル分散液を得た。該チタニアゾル分散液にNaOHを添加し、分散液のpHを6.0として上澄み液の電気伝導度が120μS/cmになるまで純水を用いてデカンテーションによって洗浄した。得られた含水酸化チタンをX線回折により調べたところアナターゼ型TiO2のピークのみを示した。
以上のようにして得られた含水率91%のメタチタン酸533g(0.6モル)をSUS製反応容器に入れ、窒素ガスを吹き込み20分間放置し反応容器内を窒素ガス置換した。Sr(OH)2・8H2O(純度95.5%)183.6g(0.66モル)を加え、さらに蒸留水を加えて0.3モル/リットル(SrTiO3換算)、SrO/TiO2モル比1.10のスラリーに調製した。
窒素雰囲気中で該スラリーを90度まで18℃/1時間で昇温し、沸点で3時間反応を行った。反応後40℃まで冷却し、窒素雰囲気下において上澄み液を除去し、2.5リットルの純水を加えてデカンテーションを行うという操作を2回繰り返して洗浄を行った後、ヌッチェで濾過を行った。得られたケーキを110℃の大気中で4時間乾燥した。
上記のようにして得られた形状が立方体状、直方体状のチタン酸ストロンチウムを無機微粉体A−1とする。
(無機微粉体Aの製造例2〜5)
製造例1でチタン酸ストロンチウムの反応温度、温度までの昇温速度、反応時間、分散液のpHを調整して、以下の特性をもつ形状が立方体状、直方体状のペロブスカイト型無機微粉体A−2,3,4、6,7を作製した。
(無機微粉体Aの製造例6)
脂肪酸金属塩であるステアリン酸ナトリウム水溶液(ステアリン酸ナトリウム7部と水100部)中に無機微粉体A−1を100部添加し、撹拌しながら硫酸アルミニウム水溶液を滴下し、無機微粉体A−1の表面にステアリン酸アルミニウムを析出、吸着させて表面を処理した無機微粉体A−5を作製した。
(流動性向上剤)
一次粒径約7nmのシリカ100部にジメチルシリコーンオイル25部で表面処理した疎水性シリカ(BET=130m2/g)の微粒子シリカS−1を用意した。
以下の表1に無機微粉体Aの特性を示す。
Figure 2007206470
次に、トナー粒子100部、流動性向上剤S−1を1.0部、さらに、表2に示す如く無機微粉体A、をそれぞれの部数を秤量して、ヘンシェルミキサーFM10Bにて外添して、トナー1〜12を作製した。
また、外添強度(回転数、外添時間)を調整し、無機微粉体Aの遊離率の異なるトナーも同様に作製した。
以下の表2にトナー1〜12の処方を示す。
Figure 2007206470
(複合粒子の作製例1)
シリカ微粒子(平均粒子径22nm)7.0kgに、メチルハイドロジェンポリシロキサン140gを、エッジランナーを稼動させながらシリカ微粒子に添加し、588N/cm(60Kg/cm)の線荷重で30分間混合撹拌を行った。なお、この時の撹拌速度は22rpmで行った。
次に、カーボンブラック粒子(粒子径15nm)7.0kgを、エッジランナーを稼動させながら10分間かけて添加し、更に588N/cm(60Kg/cm)の線荷重で90分間混合撹拌を行い、メチルハイドロジェンポリシロキサン被覆シリカ微粒子の表面にカーボンブラックを付着させた後、乾燥機を用いて80℃で45分間乾燥を行い、複合微粒子を得た。なお、この時の撹拌速度は22rpmで行った。
得られた複合微粒子B−1は、平均粒径が20nmであった。
(複合粒子作製例B−2〜B−7)
シリカ微粒子の粒径を変更し、複合粒子の平均粒径を下記の表3に示すように変えた以外は複合粒子B−1と同様の複合粒子B−2〜B−7を得た。
(複合粒子作製例B−8)
シリカ微粒子(平均粒子径22nm)7.0kgに、カーボンブラック粒子(粒子径15nm)7.0kgを、エッジランナーを稼動させながら10分間かけて添加し、更に588N/cm(60Kg/cm)の線荷重で60分間混合撹拌を行い、カーボンブラックを付着させた後、乾燥機を用いて80℃で45分間乾燥を行い、複合微粒子を得た。なお、この時の撹拌速度は22rpmで行った。
得られた複合微粒子B−8は、平均粒径が20nmであった。
(複合粒子製造例B−9)
アナターゼ型酸化チタン微粒子(平均粒径18nm)14.0kgに、カーボンブラック粒子(粒子径15nm)7.0kgを、エッジランナーを稼動させながら10分間かけて添加し、更に588N/cm(60Kg/cm)の線荷重で60分間混合撹拌を行い、カーボンブラックを付着させた後、乾燥機を用いて80℃で45分間乾燥を行い、複合微粒子を得た。なお、この時の撹拌速度は22rpmで行った。
得られた複合微粒子B−9は、平均粒径が22nmであった。
Figure 2007206470
(金属酸化物微粒子の作製)
ルチル型酸化チタン微粒子(平均粒径15nm)を1000g、表面処理剤としてイソブチルトリメトキシシランを110g、溶媒としてトルエンを3000g、それぞれ配合してスラリーを調製した。
このスラリーを、撹拌機で30分間混合した後、有効内容積の80%が平均粒子径0.8mmのガラスビーズで充填されたビスコミルに供給し、温度35±5℃で湿式解砕処理を行った。
湿式解砕処理して得たスラリーは、ニーダーを用いて減圧蒸留(バス温度:110℃、製品温度:30〜60℃、減圧度:約100Torr)によりトルエンを分離し、120℃で2時間表面処理剤の焼付け処理を行った。焼付け処理後の微粒子は、室温まで冷却した後、ピンミルを用いて粉砕した比誘電率が114である酸化チタン微粒子Cを用意した。
帯電部材の弾性層の製造例)
両端部分の長さ9mm部分は直径6mmで、弾性層被覆部分の直径が9mmの全長長さ345mmのステンレス製芯金を支持体(導電性支持体)とした。これに、熱硬化性の導電性接着剤を塗布し、乾燥させた。
次に、エピクロルヒドリンゴム三元共重合体100部、炭酸カルシウム50部、脂肪族ポリエステル系可塑剤8部、ステアリン酸亜鉛1部、老化防止剤0.5部、酸化亜鉛5部、および、導電性カーボンブラック(平均粒径:20nm、体積抵抗率:0.1Ω・cm)6部を、50℃に調節した密閉型ミキサーにて10分間混練して、原料コンパウンドを調製した。
この原料コンパウンドに、上記エピクロルヒドリンゴム三元共重合体に対して1質量%の硫黄(加硫剤)、1質量%の加硫促進剤を添加し、20℃に冷却した二本ロール機にて10分間混練して、弾性層用コンパウンドを得た。
接着剤を塗布した支持体上に、この弾性層用コンパウンドを押し出し成型機にて押し出し、外径が約18mmのローラー形状になるように成型し、次いで、電気オーブンの中で160℃で1時間、加硫及び接着剤の硬化を行った後、ゴムの両端部を突っ切り、外径が16mmのローラー形状になるように表面の研磨加工を行って、支持体上に弾性層を形成した。このときクラウン量(中央部と中央部から160mmはなれた位置の外径の差)は150μmとした。
帯電部材製造例1)
カプロラクトン変性アクリルポリオール溶液(商品名:プラクセルDC2016、ダイセル化学工業(株)製)にメチルイソブチルケトンを加え、固形分が13質量%となるように調整した。
この溶液500部(ポリオールは65部)に対してさらに、複合粒子B−1:50部、変性ジメチルシリコーンオイル(商品名;SH28PA、東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製)0.08部と、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)とイソホロンジイソシアネート(IPDI)の各ブタノンオキシムブロック体の1:1の混合物:35部を入れ混合溶液を調製した。
このとき、HDIとIPDIの混合物は、「NCO/OH=1.0」となるように添加した。HDIとIPDIについては、HDI(商品名:デュラネートTPA−B80E、旭化成工業製)、IPDI(商品名:ベスタナートB1370、デグサ・ヒュルス製)を使用した。
450mLのガラス瓶に上記混合溶液250gと、メディアとしての平均粒径0.8mmのガラスビーズ200gを混合し、ペイントシェーカー分散機を用いて10時間分散し、分散溶液を得た。
この表面被覆層用塗布液を、弾性被覆層上に1回ディッピング塗布し、常温で30分間以上風乾し、次いで80℃に設定した熱風循環乾燥機にて1時間乾燥し、さらに160℃に設定した熱風循環乾燥機にて1時間乾燥して、弾性被覆層上に表面被覆層を形成した。なお、ディッピング塗布引き上げ速度は、初期速度が20mm/s、最終速度は2mm/sになるように速度調節し、20mm/sから2mm/sの間は、時間に対して直線的に速度を変化させた。
このようにして、支持体上に弾性層および表面層をこの順に有する帯電部材P1を作製した。
帯電部材製造例2〜14)
帯電部材製造例1の複合粒子の種類、含有量を変更した以外は製造例1と同様の帯電部材2〜14を作製した。
下記の表4に帯電部材の処方を示す。
Figure 2007206470
<実施例1〜23、比較例1〜8>
本発明の画像形成方法を実施するための画像形成装置として、レーザービームを用いた有機感光体デジタル複写機(キヤノン社製:GP405)を用意した。該装置の概略は、感光体の帯電手段として帯電ローラを備え、帯電ローラの清掃として、清掃部材を保持する保持部材と、清掃部材として不織布のパッド部材を備え、現像手段として現像材担持体上の現像剤と感光体が非接触であって一成分ジャンピング現像方法を採用した一成分現像器を備え、転写手段として転写ローラを備え、ブレードクリーニング手段、帯電前露光手段を備える。また、感光体帯電器及び、クリーニング手段、感光体は一体型のユニットとなっている。プロセススピードは210mm/sで、現像スリーブへの直流分の電圧は−550Vとした。
上記画像形成装置のトナーを、上記で作製したトナーを現像器に充填させ、また帯電ローラを外し、上記で作製した帯電ローラに調整して装着し、帯電ローラへの印加電圧成分で直流成分を−750Vの一定電圧になるように改造を施した。
上記画像形成装置を用いて、以下に示す評価方法に従い評価を行った。
評価1)
30℃/85%環境下で、画像比率10%のA4横の画像を連続で2万枚耐久を行い、耐久後に、感光体のみを未使用状態な感光体に交換し、環境を23℃/5%環境下に移して、24時間放置後、現像バイアスの直流電圧成分を、現像位置での感光体上電位と、ほぼ同じにして、画像露光を行わないで、ハーフトーン濃度の画像(アナログハーフトーン)の画出しと通常のハーフトーン、ベタ白画像の画出しを行い、帯電ローラの表面汚れによる抵抗ムラ、表面層の傷について、以下の評価項目に従い評価を行った。
◎:アナログハーフトーンで、スジ、ムラ状の帯電不良の発生はなく、均一な画像が得られた。
〇:アナログハーフトーンで僅かにスジ状の帯電不良が発生も、通常のハーフトーン画像では問題
のない画像が得られた。
〇△:アナログハーフトーンでスジ状、僅かに抵抗ムラによる濃度ムラの帯電不良が発生し、通常のハーフトーン画像でも僅かにスジ状の帯電不良が発生したが、ベタ白画像は問題なかった。
△:アナログハーフトーンでスジ状、ムラ状の帯電不良が発生し、通常のハーフトーン画像でも僅かにスジ状、ムラ状の帯電不良が発生し、ベタ白画像でもスジ状の帯電不良が発生した。
×:アナログハーフトーンでスジ状、ムラ状の帯電不良が発生し、通常のハーフトーン画像、またベタ白画像でも帯電不良によるカブリ画像、スジ、ムラ状の画像不良が発生した。
評価2)
23℃/5%環境下で、画像比率1%のA4横の画像を連続で5万枚耐久を行い、耐久後に帯電ローラのみを未使用状態な帯電部材1に交換して、現像バイアスの直流電圧成分を、現像位置での感光体上電位と、ほぼ同じにして、画像露光を行わないで、ハーフトーン濃度の画像(アナログハーフトーン)の画出しを行い、感光体状の傷、融着について、以下の評価項目に従い評価を行った。
◎:アナログハーフトーンで、スジ、ムラ状、融着による帯電不良の発生はなく均一な画像が得られた。
〇:アナログハーフトーンで僅かにスジ状、ポチ状の帯電不良が発生も、通常のハーフトーン画像では問題のない画像が得られた。
△:アナログハーフトーンでスジ状、ポチ状の帯電不良が発生し、通常のハーフトーン画像でも僅かにスジ状の帯電不良が発生した。
×:アナログハーフトーンでスジ状、ムラ状、ポチ状の帯電不良が発生し、通常のハーフトーン画像、またベタ白画像でも帯電不良によるカブリ画像が発生した。
評価3)
23℃/5%環境下で、画像チャートで、画像先端ドラム1周分がベタ黒で、それ以降の部分がハーフトーンであるA3画像画出しを行い、ゴースト画像の評価を以下の評価項目に従い評価を行った。
◎:ハーフトーン部分の画像が均一で濃度差がほとんど見られない
〇:ベタ黒直後からドラム1周分のハーフトーン画像濃度と、それ以降のハーフトーン画像濃度に少し差がみられ、濃度の段差も確認できるレベル。
評価4)
35℃/97%環境下で画像比率1%のA4横連続1万枚通紙耐久を行い、1mm2の大きさの平仮名文字画像、100μm2のドット画像の画出しを行い、その画像を50倍の光学顕微鏡を用いて観察し、以下の評価項目に従い評価を行った。
◎:文字、ドットともに再現している。
○:文字は再現しているが、ドットがややにじみ、ぼけているレベル
〇△:文字は再現しているが、ドットが僅かに確認できるレベル
△:文字がややにじみ、ぼけて、ドットはほとんど再現していないレベル
×:文字、ドットともに再現せず、文字が読めないレベル。
図6に実施例、比較例で評価した帯電部材の表面層に含有される複合粒子の平均粒径Dcと、無機微粉粉体Aの平均粒径Dsとのポイントを示す。
さらに以下の表5に、実施例、比較例の耐久に使用したトナー、帯電部材、評価結果を示す。
Figure 2007206470
本発明の具体的な画像形成装置の一例を示す図である。 本発明の具体的な帯電ローラの一例を示す図である。 無機微粉体Aの電子顕微鏡写真(5万倍)の一例に基づく図である。 無機微粉体の粒径測定における長辺と短辺の概略図である。 無機微粉体AのDsと複合粒子のDcの相関図である。 実施例、比較例で評価した帯電部材の表面層に含有される複合粒子の粒径と、無機微粉体Aの粒径とのポイントを示すグラフである。
符号の説明
1 感光ドラム
6 一次帯電ローラ
6−1 導電性支持体
6−2 弾性層
6−3 表面層
7 現像器
7−1 現像スリーブ
7−2 現像材撹拌装置
8 転写帯電ローラ
L レーザー光L
3 定着器
4 クリーニング弾性ブレード
2 枠体
5 転写材
9 一次帯電ローラ清掃部材

Claims (11)

  1. 像担持体である支持体上に少なくとも感光層を有する感光体に、導電性支持体と、該支持体上に設けられた弾性層と、最も外側に形成された表面層とを少なくとも有した帯電部材を接触させて帯電させる工程、帯電された感光体に、静電潜像を形成させる静電潜像形成工程と、トナー担持体上に担持させたトナーを前記静電潜像に現像してトナー像を形成する現像工程と、感光体上に形成されたトナー像を転写材に転写させる転写工程、転写工程後に感光体上に残った転写残余トナーを感光体上から除去するクリーニング工程を有するを有する画像形成方法において、
    該トナーが、少なくとも結着樹脂及び着色剤を有するトナー粒子と、一次粒子の個数平均粒径Ds(nm)が30nm以上300nm以下で、粒子形状が立方体状及び/または直方体状の形状のペロブスカイト型結晶を有する無機微粉体Aを含有したトナーであり、
    該帯電部材の表面層に導電粒子として、コア粒子αにカーボンブラックを被覆した個数平均粒径Dc(nm)が以下の式の範囲を満足する複合粒子を含有することを特徴とする画像形成方法。
    Ds/20≦Dc≦Ds
  2. 複合粒子のDcがDs/10≦Dc≦Ds/3であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 該表面層に含有される複合粒子が、表面層に使用される結着樹脂100質量部に対して、10以上120質量部以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成方法。
  4. 該コア粒子αがシリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化鉄、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウム、ジルコン酸カルシウムより選ばれる金属酸化物微粒子aであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成方法。
  5. 該コア粒子αが有機ケイ素化合物で表面処理されていることを特徴とする請求項4に記載の画像形成方法。
  6. 該帯電部材の表面層にさらにチタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム、ルチル型の酸化チタン粒子より選ばれる比誘電率が50以上300以下の金属酸化物微粒子bを含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成方法。
  7. 該無機微粉体Aが立方体状及び/または直方体状の形状を有する粒子を50個数%以上含有していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成方法。
  8. 該無機微粉体Aはトナー粒子に対する遊離率が20体積%以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の画像形成方法。
  9. 該無機微粉体Aが表面処理を施してあることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の画像形成方法。
  10. 該無機微粉体Aがトナー粒子100質量部に対して0.05〜5.00質量部添加されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の画像形成方法。
  11. 該無機微粉体Aは焼結工程を経由しないで製造されたチタン酸ストロンチウム微粉体であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の画像形成方法。
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JP (1) JP2007206470A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010019881A (ja) * 2008-07-08 2010-01-28 Canon Inc トナー

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