JP2007204369A - チロシナーゼ阻害剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】海藻類由来で特にチロシナーゼ酵素活性阻害効果が高いチロシナーゼ阻害剤を提供する。
【解決手段】Alaria属抽出物を含有するチロシナーゼ阻害剤。
【選択図】なし
【解決手段】Alaria属抽出物を含有するチロシナーゼ阻害剤。
【選択図】なし
Description
チロシナーゼ阻害剤は、例えば、有色メラニンの生成を抑える目的で、美白化粧品、医薬品、医薬部外品などに応用されている。本発明は、チロシナーゼの酵素活性を阻害する特定の海藻抽出物を含有するチロシナーゼ阻害剤に関する。
チロシナーゼはチロシンを酸化重合する酵素であり、生体内黒色色素であるメラニン色素生成に関与する。したがってチロシナーゼの活性を阻害するチロシナーゼ阻害剤の幾つかは、メラニンの生成を抑える美白化粧料の有効成分として使用される。
チロシナーゼ阻害剤の代表的なものとして、コウジ酸、アルブチン、L−アスコルビン酸及びその脂肪酸エステルまたはリン酸エステル塩などがよく知られている。しかしながら、コウジ酸は経時による着色や安全性などに問題があり、またL−アスコルビン酸及びその誘導体は、化粧料などの溶液中に配合した場合に安定性が悪く、経時による着色、分解、沈殿形成などの問題があった。
また、海藻類抽出物に由来するチロシナーゼ阻害剤又はメラニン形成阻害剤及びこれらを含有する美白化粧料が幾つか報告されている。例えば特許文献1の褐藻類ヒバマタ、コンブ、クロメ、アラナ、ホンダワラ等からの水溶性抽出物である。また特許文献2は褐藻類、緑藻類、紅藻類からの抽出物であり、特に褐藻類のワカメやコンブ抽出物のチロシナーゼ阻害効果が高いとされる。特許文献3は褐藻類の抽出物であり、特にヒジキ抽出物のチロシナーゼ阻害効果について述べている。また特許文献4は褐藻類イシゲ科抽出物についてであるが、一方で他の報告でチロシナーゼ阻害効果が強いとされた褐藻類のワカメなどの阻害活性は低かったとされている。
これらから、海藻類、なかでも褐藻類抽出物の多くにはある程度のチロシナーゼ阻害効果又はメラニン形成阻害活性が見られるが、その強さは、属の違いや抽出法などにより大きく変化するものと考えられる。
特開平1−224308号公報
特開平2−88592号公報
特開平2−124810号公報
特開平4−95012号公報
褐藻類の抽出物には比較的高いチロシナーゼ阻害効果があることが知られているが、本発明者らが実験したところ、コンブ等の既知の褐藻抽出液や、メラニン形成阻害活性があるとされる市販の褐藻抽出物のチロシナーゼ阻害効果は充分に高いとは言い難い。
本発明は、海藻の中でよりチロシナーゼ阻害効果の高い種属を特定し、効果の高いチロシナーゼ阻害剤を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明者等は、各種海藻抽出物のチロシナーゼ活性阻害について検討したところ、褐藻類であるコンブ目チガイソ科Alaria属海藻から親水性有機溶媒またはこれと水との混液で抽出して得られる抽出物に高いチロシナーゼ阻害効果があることを見いだした。即ち本発明は、Alaria属抽出物を含有することを特徴とするチロシナーゼ阻害剤である。
本発明のチロシナーゼ阻害剤は、チロシナーゼ酵素の活性を強く阻害し、メラニン生成を抑えることができる。その阻害効果は、チロシナーゼ活性阻害剤として知られるアルブチンよりも強く、メラニン生成阻害活性が高いとされるその他の海藻類抽出物や市販海藻抽出物よりもさらに強いものである。Alaria属海藻は食用に供されるものであることから安全性も高く、本発明のチロシナーゼ阻害剤は化粧品等への応用など十分に利用価値のあるものである。
以下、本発明に用いられる各抽出物の製造方法等について述べるが、これらのみに限定されるものではない。なお、本発明で言う各抽出物とは、下記方法で得られた液状抽出物の他に、液状抽出物を減圧乾燥や凍結乾燥等の通常の乾燥方法、濃縮方法等により乾固または濃縮したものであってもよい。また、必要に応じてその効力に影響がない範囲で脱臭、脱色等の精製処理をしてから用いても良く、また適宜賦形剤等を用いて粉末、顆粒状等、使用し易い状態にして製剤化されたものを用いても良い。
本発明に用いられるAlaria属抽出物とは、褐藻綱コンブ目チガイソ科Alaria属の海藻であるチガイソ(Alaria crassiforia)、ホソバワカメ(Alaria angusta)、クシロワカメ(Alaria taeniata)、オニワカメ(Alaria fistulosa)やアイヌワカメ(Alaria praelonga)などから1,3−ブチレングリコール等の親水性有機溶媒、またはこれと水との混液で抽出して得られるエキスである。このとき用いられるAlaria属海藻は、抽出効率から、乾燥粉砕物を用いるのが好ましいが、必ずしも乾燥又は粉砕しなくても良い。また、抽出溶媒は1,3−ブチレングリコールを50%以上含む水溶液を用いるのが好ましいが、その他のジオール類やアルコール、水またはこれらの組み合わせを用いても良い。
また本発明のチロシナーゼ阻害剤には、上記各抽出物の他に必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で化粧品、医薬品等に一般に使用される水、アルコール類、油分、保湿剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、界面活性剤、乳化剤、殺菌剤、防腐剤、抗炎症剤、美白剤、血行促進剤、抗脂漏剤、増粘剤、香料、着色剤、顔料、各種塩類、ポリエチレン樹脂等の粉末、アルニカ、イチョウ、オウゴン、酵母、シコン、ダイズ、チャ、ボタンピ、マロニエ、メリッサ等の抽出物、ビタミンA油、レチノール、パルミチン酸レチノール、レチノイン酸誘導体等のビタミンA類、リボフラビン、リン酸リボフラビン等のビタミンB2 類、ピリドキシン塩酸塩等のビタミンB6 類、アスコルビン酸、アスコルビン酸テトライソパルミチン酸エステル、アスコルビン酸リン酸エステル等のビタミンC類、ビタミンD類、ビタミンE類、ビタミンP、パントテン酸類、ニコチン酸類、ビオチン等のビタミン類、コウジ酸、アルブチン等のメラニン生成抑制剤などを更に配合することができる。
以下、本発明に用いるAlaria属抽出物の製造、チロシナーゼ阻害活性の測定に関する実施例を挙げ、本発明をさらに詳しく詳説するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
Alaria属抽出物の製造
Alaria属海藻の乾燥粉砕物10gに1,3−ブチレングリコール45gと精製水45gを加え、良く混合し、室温で72時間放置した後、上清を濾過して得られた濾液をAlaria属抽出物とした。
Alaria属海藻の乾燥粉砕物10gに1,3−ブチレングリコール45gと精製水45gを加え、良く混合し、室温で72時間放置した後、上清を濾過して得られた濾液をAlaria属抽出物とした。
チロシナーゼ阻害活性の測定
〔評価方法〕実施例1のAlaria属抽出物及び、コントロールとして実施例1の溶媒のみ各0.1mlに、ゼラチン(1 mg/ml)溶液 0.9 ml を加え、さらにL-tyrosin(0.3 mg/ml)溶液 1.0 ml とMcilvaine緩衝液(0.1 Mクエン酸:0.2 Mリン酸水素2ナトリウム=32
: 68、pH 6.5)1.0 ml を添加し、チロシナーゼ(マッシュルーム由来、和光純薬工業)溶液 0.1 ml を加えて37℃で20分間インキュベートし、0.3N酢酸 : H2O = 1 : 2 の濃度の酢酸0.5 ml を添加し酵素反応を停止させ、475 nmで吸光度を測定した。またチロシナーゼ溶液を精製水に置き換えて測定したものをブランクとした。
〔評価方法〕実施例1のAlaria属抽出物及び、コントロールとして実施例1の溶媒のみ各0.1mlに、ゼラチン(1 mg/ml)溶液 0.9 ml を加え、さらにL-tyrosin(0.3 mg/ml)溶液 1.0 ml とMcilvaine緩衝液(0.1 Mクエン酸:0.2 Mリン酸水素2ナトリウム=32
: 68、pH 6.5)1.0 ml を添加し、チロシナーゼ(マッシュルーム由来、和光純薬工業)溶液 0.1 ml を加えて37℃で20分間インキュベートし、0.3N酢酸 : H2O = 1 : 2 の濃度の酢酸0.5 ml を添加し酵素反応を停止させ、475 nmで吸光度を測定した。またチロシナーゼ溶液を精製水に置き換えて測定したものをブランクとした。
比較対照として、実施例1のAlaria属海藻をその他の海藻に置き換えた各種海藻抽出物、市販海藻エキスA(メラニン生成阻害活性があるとされる褐藻・紅藻・緑藻混合抽出液)、市販海藻エキスB(メラニン生成阻害活性があるとされる褐藻類ヒバマタ抽出液)、チロシナーゼ活性阻害剤として知られるβ−アルブチン(SIGMA社)溶液(0.5mM)を同様に測定した。
これらからチロシナーゼ活性阻害率を数1のように求め比較した(図1)。即ち、図1のグラフでは値の大きい方がチロシナーゼ活性阻害が大きいことになる。
これらの結果より、Alaria属抽出物には、他の海藻抽出物に比べ、チロシナーゼ活性を阻害するより高い効果が認められた。これらの阻害効果はチロシナーゼ活性阻害剤として知られるアルブチン(5mM)よりも強く、メラニン生成阻害活性が高いとされる市販海藻抽出物よりも強いものであった。
Claims (1)
- Alaria属海藻から親水性有機溶媒またはこれと水との混液で抽出して得られる抽出物を含有するチロシナーゼ阻害剤。
Priority Applications (1)
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JP2006021576A JP2007204369A (ja) | 2006-01-31 | 2006-01-31 | チロシナーゼ阻害剤 |
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Publications (1)
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JP2015030711A (ja) * | 2013-08-06 | 2015-02-16 | 日本メナード化粧品株式会社 | 皮膚外用剤、美白剤及びメラノサイト分化誘導抑制剤 |
JP6343367B1 (ja) * | 2017-05-01 | 2018-06-13 | ライフメイト・グループ株式会社 | 生成メラニン消去用ミネラルの製造方法 |
JP2019081734A (ja) * | 2017-10-31 | 2019-05-30 | 日本メナード化粧品株式会社 | Wnt発現抑制剤 |
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2006
- 2006-01-31 JP JP2006021576A patent/JP2007204369A/ja active Pending
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