JP2007202310A - 振動アクチュエータ装置、レンズ鏡筒及びカメラシステム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ベース部材1に、超音波モータに相当する部分を構成する部材を支持する支持軸1b、モータの出力を取り出す出力ギヤ16が嵌合する軸受け凸部1a、伝達ギヤ2,3の位置を決めるギヤ軸1c、ギヤ穴1dを一体成形した。これにより、各ギヤ間の軸間精度が向上し、ギヤの軸の平行度が向上したので、超音波モータからの駆動力の伝達効率が向上し、異音の発生を小さくできる。また、組立てが容易であり、ビス止め等のための不要なスペースを省くことができる。
【選択図】図1
Description
しかし、これは、別部材として組み立てられた超音波モータユニットを、モータ固定用部材に取り付けている形態であるため、モータ固定用部材の正確な位置に、傾くことなく超音波モータユニットを取り付ける作業が困難であるという問題があった。従って、超音波モータからの駆動力を出力するギヤと、そのギヤと噛合って出力を伝達するギヤとの間の軸間精度が悪く、また、超音波モータの出力ギヤが傾きやすい。そのため、伝達効率の悪化や、異音の発生等が生じるという問題があった。
さらに、このような超音波モータは小型であるため、ビス止めするためのビスの頭や、ビス止め用の穴等のスペースが必要となり省スペース化が図れないという問題があった。
請求項1の発明は、軸受け部(1a)を有するベース部材(1)と、前記軸受け部に摺動嵌合する第1の駆動力伝達部材(15,16,17)と、前記軸受け部に設けられる支持軸(1b)と、前記支持軸に支持され、振動により、前記第1の駆動力伝達部材を駆動するステータ(14)と、前記ベース部材に設けられ、第2の駆動力伝達部材(2)の位置を決める位置決め部(1c,1d)と、を備えた振動アクチュエータ装置(100)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の振動アクチュエータ装置において、前記軸受け部(1a)は、凸形状を有すること、を特徴とする振動アクチュエータ装置(100)である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の振動アクチュエータ装置において、前記支持軸(1b)と前記ベース部材(1)とは一体成形されていること、を特徴とする振動アクチュエータ装置(100)である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の振動アクチュエータ装置において、前記ステータ(14)を前記第1の駆動力伝達部材(15,16,17)側に加圧する加圧部を備えること、を特徴とする振動アクチュエータ装置(100)である。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の振動アクチュエータ装置において、前記第1の駆動力伝達部材(15,16,17)は、前記ステータ(14)の前記振動により回転駆動されるロータ(15)と、前記ロータと一体的に回転して前記ロータの駆動力を出力する出力部材(16)とを備えること、を特徴とする振動アクチュエータ装置(100)である。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の振動アクチュエータ装置において、前記第2の駆動力伝達部材(2)は、前記第1の駆動力伝達部材(15,16,17)の駆動力を直接受けて回転すること、を特徴とする振動アクチュエータ装置(100)である。
請求項7の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の振動アクチュエータ装置において、前記第2の駆動力伝達部材(2)は、歯車であって、前記第1の駆動力伝達部材(15,16,17)が有する歯車部(16)と係合していること、を特徴とする振動アクチュエータ装置(100)である。
請求項8の発明は、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の振動アクチュエータ装置において、前記ベース部材(1)は、樹脂成形品であること、を特徴とする振動アクチュエータ装置(100)である。
請求項9の発明は、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の振動アクチュエータ装置において、前記ベース部材(1)は、金属成形品であること、を特徴とする振動アクチュエータ装置(100)である。
請求項10の発明は、請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の振動アクチュエータ装置(100)と、前記振動アクチュエータ装置を駆動源として駆動される光学系と、を備えたレンズ鏡筒である。
請求項11の発明は、請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の振動アクチュエータ装置(100)と、前記振動アクチュエータ装置を駆動源として駆動される被駆動部材と、を備えたカメラシステムである。
なお、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
図2は、本実施例の振動アクチュエータ装置100のベース部材1を示す図である。
本実施例において、振動アクチュエータ装置100は、超音波領域の振動を利用した超音波モータを用いた例を挙げて説明する。
本実施例の振動アクチュエータ装置100は、ベース部材1、伝達ギヤ2,3、ステータ14、ロータ15等を備えており、不図示のカメラに設けられ、フォーカス動作を行う駆動部に用いられている。
軸受け凸部1aは、ベース部材1に設けられ、その形状は略円筒形状であり、出力ギヤ16が摺動嵌合する部分である。
支持軸1bは、超音波モータに相当する部分を構成する各部材を支持する軸であり、略円筒形状をしており、軸受け凸部1aと同軸に設けられている。本実施例では、支持軸1bは、ステータ14の回転を規制するために、円筒面の一部を平面形状(いわゆるDカット形状)としている。
ギヤ軸1c、ギヤ穴1dは、伝達ギヤ2,3を支持する部分であり、それらの位置を決める位置決め部となる。
伝達ギヤ2は、ギヤ軸1cに嵌合したギヤであり、出力ギヤ16と係合し、出力ギヤ16の駆動力を直接受けて回転する第2の駆動力伝達部材である。伝達ギヤ3は、ギヤ穴1dに嵌合したギヤであり、伝達ギヤ2と係合して回転し、不図示のレンズ群等の被駆動部材に、出力を伝達するギヤである。
ステータ14は、弾性体11と、弾性体11に接合された圧電体12と、フレキシブルプリント基板13等とを備え、その形状は、略円環形状である。本実施例では、ステータ14の中心には、支持軸1bのDカット形状に対応した孔が形成されており、支持軸1bに施されたDカット形状の平面部分と係合させることにより、ステータ14が、後述のロータ15の回転に付随して回転しないように、その位置を規制している。
弾性体11は、共振先鋭度が大きな金属によって形成され、圧電体12が接合される面とは反対側の面に、複数の溝を切って形成された櫛歯部11aが設けられている。この櫛歯部11aの先端面は、後述のロータ15に加圧接触し、ロータ15を回転駆動する駆動面となる。
フレキシブルプリント基板13は、その配線が圧電体12の各相の電極に接続されており、このフレキシブルプリント基板13に外部から供給された駆動信号により、圧電体12が伸縮する。
なお、弾性体11に櫛歯部11aを設ける理由は、この進行波の中立面をできる限り圧電体12側に近付け、駆動面の進行波の振幅を増幅させるためである。
出力ギヤ16は、軸受け凸部1aに摺動嵌合し、後述の加圧部19の加圧力により、ゴムリング17を介してロータ15と一体となって回転する。従って、出力ギヤ16は、ロータ15,ゴムリング17を介してステータ14に駆動され、超音波モータの駆動力を出力する出力部材である。本実施例では、出力ギヤ16は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を添加したPOM(ポリアセタール樹脂)を用いて形成されている。
なお、本実施例では、ロータ15,出力ギヤ16,ゴムリング17が一体となって、第1の駆動力伝達部材として機能している。
この加圧部19は、ステータ14をロータ15側(出力ギヤ16側)へ支持軸1cの軸方向に加圧する。加圧部19の加圧力は、軸受け凸部1aの支持軸1b側に形成された軸方向に垂直な面によって受けられる形態となっており、ベース部材1に一体に形成された軸受け凸部1a、支持軸1bを用いて超音波モータに相当する部分を構成する各部材を組立て、加圧部19によって加圧することにより、1つの超音波モータとなっている。
本実施例の振動アクチュエータ装置100を組み立てるときには、まず、ベース部材1に設けられたギヤ軸1c,ギヤ穴1dに、伝達ギヤ2,3を取り付け、軸受け凸部1aに出力ギヤ16を挿入し、ゴムリング17、ロータ15を支持軸1bに嵌合させる。
次に、ステータ14を支持軸1bに嵌合させ、加圧部19を挿入してステータ14とロータ15とを支持軸1bの軸方向に加圧接触させる。
(動作)
本実施例の振動アクチュエータ100の動作について説明する。
まず、フレキシブルプリント基板13から圧電体12へ供給される駆動信号により、弾性体11が励振され、弾性体11の駆動面に進行波が発生し、弾性体11と加圧接触しているロータ15が回転駆動される。
次に、出力ギヤ16は、ロータ15とゴムリング17との摩擦力及びゴムリング17と出力ギヤ16との摩擦力により、ロータ15と一体となって回転し、その駆動力を取り出す。
そして、出力ギヤ16により取り出された駆動力は、出力ギヤ16の歯車と係合する伝達ギヤ2、伝達ギヤ2と係合する伝達ギヤ3へと順次伝達され、不図示の被駆動部材へと伝達される。
従って、各ギヤの伝達効率が向上し、かつ、バックラッシュが小さくでき、異音の発生を小さくできる。
また、支持軸1bと軸受け凸部1aとが一体であるので、ステータ14,ロータ15,出力ギヤ16の間の各接触面が安定して接触し、モータの駆動効率を上げることができる。
さらに、ベース部材に別体の超音波モータユニットを、ねじ止め等によって取り付ける作業が不要となり、振動アクチュエータ装置を容易に組み立てることができる。また、ねじ止め等が不要であるので、部品点数が減り、生産コストを低く抑えることができる。
さらにまた、超音波モータユニットのねじ止めに必要なねじ穴やねじ頭のスペース等が不要となり、省スペース化を図り、より小型の振動アクチュエータ装置とすることができる。
以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
(1)本実施例において、ベース部材1は、ダイキャスト法を用いて成形された金属成形品である例を示したが、これに限らず、例えば、ガラス繊維やカーボン繊維等の強化繊維を混合したポリカーボネート(PC)等のプラスチック樹脂等を射出成形して形成してもよい。
ベース部材1に樹脂の射出成形品を用いる場合は、軸受け凸部1aと出力ギヤ16との間に、金属製のワッシャや、軸受け凸部1aを覆うような円筒形状の板金製のキャップ等を設けて、加圧部19の加圧力により増大する出力ギヤ16と軸受け凸部1aとの間の摩擦による磨耗を低減してもよい。
Claims (11)
- 軸受け部を有するベース部材と、
前記軸受け部に摺動嵌合する第1の駆動力伝達部材と、
前記軸受け部に設けられる支持軸と、
前記支持軸に支持され、振動により、前記第1の駆動力伝達部材を駆動するステータと、
前記ベース部材に設けられ、第2の駆動力伝達部材の位置を決める位置決め部と、
を備えた振動アクチュエータ装置。 - 請求項1に記載の振動アクチュエータ装置において、
前記軸受け部は、凸形状を有すること、
を特徴とする振動アクチュエータ装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の振動アクチュエータ装置において、
前記支持軸と前記ベース部材とは一体成形されていること、
を特徴とする振動アクチュエータ装置。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の振動アクチュエータ装置において、
前記ステータを前記第1の駆動力伝達部材側に加圧する加圧部を備えること、
を特徴とする振動アクチュエータ装置。 - 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の振動アクチュエータ装置において、
前記第1の駆動力伝達部材は、前記ステータの前記振動により回転駆動されるロータと、前記ロータと一体的に回転して前記ロータの駆動力を出力する出力部材とを備えること、
を特徴とする振動アクチュエータ装置。 - 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の振動アクチュエータ装置において、
前記第2の駆動力伝達部材は、前記第1の駆動力伝達部材の駆動力を直接受けて回転すること、
を特徴とする振動アクチュエータ装置。 - 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の振動アクチュエータ装置において、
前記第2の駆動力伝達部材は、歯車であって、前記第1の駆動力伝達部材が有する歯車部と係合していること、
を特徴とする振動アクチュエータ装置。 - 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の振動アクチュエータ装置において、
前記ベース部材は、樹脂成形品であること、
を特徴とする振動アクチュエータ装置。 - 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の振動アクチュエータ装置において、
前記ベース部材は、金属成形品であること、
を特徴とする振動アクチュエータ装置。 - 請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の振動アクチュエータ装置と、
前記振動アクチュエータ装置を駆動源として駆動される光学系と、
を備えたレンズ鏡筒。 - 請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の振動アクチュエータ装置と、
前記振動アクチュエータ装置を駆動源として駆動される被駆動部材と、
を備えたカメラシステム。
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