JP2007200921A - 有機光電変換素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】十分な起電力が得られる新たな有機光電変換素子を提供すること。
【解決手段】透明基板1上に透明導電膜2が形成されてなる透明導電基板3上に、金属酸化物層4、n型有機半導体5、p型有機半導体6および対向電極7が順に積層された有機光電変換素子であって、金属酸化物層4を構成している金属酸化物のフラットバンド電位がn型有機半導体7の伝導帯下端(LUMO)の電位以上であることを特徴とする有機光電変換素子。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機光電変換素子に関する。さらに詳しくは、太陽電池などに好適に使用しうる有機光電変換素子に関する。
近年、環境にやさしいエネルギー源として、太陽電池が注目されており、その代表的なものとして、シリコン系太陽電池が知られている。しかし、シリコン系太陽電池には、一般に製造コストが高く、その製造の際に多大なエネルギーを必要とする。
そこで、従来のシリコン系太陽電池に代わるものとして、基板上に、第1の電極、バリヤ層、酸化チタンなどからなる電子輸送層(n型半導体)、CuIなどからなる正孔輸送層(p型半導体)および第2の電極が順次積層された光電変換素子が用いられた太陽電池(例えば、特許文献1参照)、基板上に透明電極、有機半導体からなる光電変換層および対向電極が順に積層された有機太陽電池(例えば、特許文献2参照)などが提案されている。
しかし、太陽電池においては、n型半導体、p型半導体などの各材料の選択に十分に注意をしないと、十分な起電力が得られない場合がある。
特開2004−235240号公報 特開2005−136315号公報
本発明は、十分な起電力が得られる新たな有機光電変換素子を提供することを課題とする。
本発明は、透明基板上に透明導電膜が形成されてなる透明導電基板上に、金属酸化物層、n型有機半導体、p型有機半導体および対向電極が順に積層された有機光電変換素子であって、前記金属酸化物層を構成している金属酸化物のフラットバンド電位が前記n型有機半導体の伝導帯下端(LUMO)の電位以上であることを特徴とする有機光電変換素子に関する。
本発明の有機光電変換素子は、十分な起電力が得られるので、例えば、太陽電池などに好適に使用することができる。
本発明の有機光電変換素子は、透明基板上に透明導電膜が形成された透明導電基板上に、金属酸化物層、n型有機半導体、p型有機半導体および対向電極が順に積層されたものである。
本発明の有機光電変換素子は、前記金属酸化物層を構成している金属酸化物のフラットバンド電位が前記n型有機半導体の伝導帯下端(LUMO)の電位以上である点に、1つの大きな技術的特徴を有する。本発明の有機光電変換素子は、当該技術的特徴を有するので、光電変換効率に優れている。
本発明の有機光電変換素子を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の光電変換素子の一実施態様を示す概略断面図である。
本発明においては、基板として、透明基板1が用いられている。透明基板1としては、例えば、ガラス板をはじめ、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレンスルフィド、ポリイミドなどの熱可塑性樹脂からなる基板であって、光透過性が良好なものが挙げられる。
透明基板1の厚さは、その材料によって異なるので一概には決定することができないが、例えば、材料がガラスである場合には、その厚さは、0.1〜5.0mm程度であり、材料が熱可塑性樹脂である場合には、その厚さは、その材料や用途に応じて0.5〜5000μmの範囲内から適宜選択されることが好ましい。
透明基板1の一方の面には、透明導電膜2が形成されている。透明導電膜2の材料としては、例えば、酸化スズ、酸化インジウム−酸化スズ複合体(以下、ITOという)、フッ素ドープ酸化スズ(以下、FTOという)などが挙げられる。
透明導電膜2は、例えば、化学蒸着などの蒸着、スパッタリングなどの手段により、透明基板1の一方の面に形成させることができる。
透明導電膜2の厚さは、透明性および導電性の観点から、好ましくは10〜10000nm、より好ましくは50〜5000nmである。
かくして、透明基板1上に透明導電膜2を形成させることにより、透明導電基板3が得られる。なお、透明基板1と透明導電膜2との間には、電気抵抗を下げるなどの必要に応じて透明性を損なわない程度の厚さを有する、炭素、アルミニウム、白金、金などの導電性薄膜層が形成されていてもよいし、光の透過量を大きく損なわないように、例えば、網目状にパターニングされた、炭素、アルミニウム、白金、金などの導電層が形成されていてもよい。
透明導電膜2上には、金属酸化物層4が形成されている。金属酸化物層4は、光電変換層で得られた電子を透明導電膜2へ取り出す役割をする。光電変換層は、光を吸収し、電子と正孔を生成する役割をする層を指す。一般的には、n型半導体とp型半導体の積層層または混合層を光電変換層とする。本発明では、n型有機半導体とp型有機半導体の積層層を光電変換層と呼ぶ。
金属酸化物層4を構成している金属酸化物のフラットバンド電位は、n型有機半導体5の伝導帯下端(LUMO)準位以上である。
金属酸化物のフラットバンド電位(フェルミレベルのフラットバンド状態の電位)は、種々の電気化学的な手法によって測定することができるが、本発明では、以下のようにして測定したときの値とした。
(1)電解液として、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとの混合溶媒〔エチレンカーボネート/エチルメチルカーボネート=2:1(容量比)〕に1MのLiClOを溶解させたものを用いる。
(2)サンプルには、(株)ジオマテック製、ITO/SnO導電性ガラスに金属酸化物を形成させたものを用いる。
(3)一般的な3端子電気化学セルを用い、参照電極および対向電極にリチウム金属箔を用い、アルゴン雰囲気中で、50mV/secの速度でサンプルの電位を参照電極の電位に対してマイナス方向に掃引したときに観測される、サンプルと対向電極間に流れる電流の立ち上がり電位をフラットバンド電位とした。
(4)対向電極にリチウム金属が用いられていることから、リチウム金属の酸化還元電位を考慮して、真空からのエネルギー準位の電位に変換する。
金属酸化物のフラットバンド電位は、光電変換層で生成した電子を効率的に電極に輸送する観点から、n型有機半導体の伝導体下端(LUMO)よりも0〜1.0eV上にあることが好ましい。
また、n型有機半導体5の伝導帯下端(LUMO)の電位は、n型有機半導体層5を構成する材料をエタノールに溶解させ、得られた0.3質量%エタノール溶液を、前記金属酸化物のフラットバンド電位の測定と同様にして導電性ガラスにキャスティングにより塗布したものをサンプルとして用い、前記と同様の測定を行うことによって測定されたときの値である。
好適な金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウムなどが挙げられ、これらは、いずれも本発明において好適に使用しうるものである。
金属酸化物層4は、例えば、金属酸化物をターゲットとしたスパッタ法、真空蒸着法、金属アルコキシドを用いたゾルゲル法などの手段により、透明導電膜2上に形成させることができる。
金属酸化物層4の厚さは、電子の流れを妨げないようにする観点から、好ましくは10〜500nm、より好ましくは20〜200nmである。
金属酸化物層4上には、n型有機半導体層5が形成されている。n型有機半導体5の伝導帯下端(LUMO)の電位は、n型有機半導体層から金属酸化物層への電子の輸送の観点から、金属酸化物層4のフラットバンド電位以下であることが好ましい。
n型有機半導体5を構成する材料としては、例えば、フラーレン−マロン酸多付加体や[6,6]−フェニルC61ブチル酸メチルエステルなどのフラーレン誘導体、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボキシリックジイミドなどの電子受容性のペリレン系色素、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物などのナフタレン誘導体などが挙げられる。これらのなかでは、フラーレン誘導体は、その電子受容性の観点から、本発明において好適に使用しうるものである。
n型有機半導体層5を構成する材料として、フラーレン誘導体または電子受容性のペリレン系色素またはナフタレン誘導体を用いる場合、例えば、真空蒸着法などにより、n型有機半導体層5を金属酸化物層4上に形成することができる。また、溶媒に可溶のフラーレン誘導体や色素は、溶媒に溶解させ、得られた溶液をスクリーンプリント、インクジェットプリント、ロールコート、ドクターコート、スピンコート、スプレーコートなどの塗布手段により、金属酸化物層4上に塗布することにより、n型有機半導体層5を形成することができる。
n型有機半導体層5の厚さは、光吸収性および電子移動性の観点から、好ましくは1〜1000nm、より好ましくは1〜500nmである。
n型有機半導体層5上には、p型有機半導体層6が形成されている。p型有機半導体層6には、例えば、ポリ(3−アルキルチオフェン)などのポリチオフェン誘導体や、ポリ(2−メトキシ−5−2’−エチル)−ヘキシロキシ−p−フェニレンビニレンなどのポリ(p−フェニレンビニレン)誘導体に代表されるp型導電性高分子化合物、電子供与性のフタロシアニン系色素やキナクリドン系色素などを用いることができる。これらのなかでは、ポリチオフェン誘導体は、光吸収性および正孔移動性の観点から、本発明において好適に使用しうるものである。
n型有機半導体層5上にp型有機半導体層6を形成させる方法としては、例えば、p型導電性高分子化合物を用いる場合には、p型導電性高分子化合物を溶媒に溶解させ、得られた溶液を、スクリーンプリント、インクジェットプリント、ロールコート、ドクターコート、スピンコート、スプレーコートなどの塗布手段により、n型有機半導体層5に塗布することによって形成する方法などが挙げられる。また、例えば、色素などの溶媒に溶解しがたいものを用いる場合には、真空蒸着法などの方法により、n型有機半導体層5上に形成する方法などを採ることができる。
p型有機半導体層6の厚さは、光吸収性および正孔移動性の観点から、好ましくは1〜1000nm、より好ましくは1〜500nmである。
p型有機半導体層6上には、対向電極7が形成されている。対向電極の素材としては、例えば、金、白金、パラジウムなどの仕事関数が大きい金属やITO、酸化ニッケルなどが挙げられる。
対向電極7は、例えば、真空蒸着法やスパッタリング法などの真空成膜法や金属ペーストを塗布、乾燥させる方法によって形成させることができる。
対向電極7の厚さは、電気伝導性の観点から、好ましくは1〜1000nm、より好ましくは5〜500nmである。
なお、p型有機半導体層6と対向電極7との間には、必要により、ホール輸送層が形成されていてもよい。ホール輸送層には、例えば、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)などを用いることができる。ホール輸送層の厚さは、電子移動性の観点から、好ましくは1〜1000nm、より好ましくは1〜500nmである。
以上、本発明の有機光電変換素子を図1に基づいて説明したが、図1に示された有機光電変換素子は、最も単純な構造を有するものであり、光電変換層にn型有機半導体とp型有機半導体とが混合した層を設けてもよい。この場合、n型有機半導体とp型有機半導体とに共通の溶媒が存在する場合には、それぞれの溶液を調製した後、両者を混合し、得られた混合溶液を用いて前記湿式の製膜法などによって成膜を行ってもよく、あるいは共蒸着により成膜を行ってもよい。
かくして得られる本発明の有機光電変換素子は、改善された光電変換効率を有するので、例えば、太陽電池などに好適に使用することができる。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
透明基板としてガラス基板にITOおよびSnOからなる透明導電膜が形成された透明導電膜基板〔(株)ジオマテック製、ITO/SnOガラス基板〕上に、酸化チタン層形成材料〔(株)高純度化学研究所製、商品名:MOD用コート材料Ti−03〕をスピンコート法で塗布した後、室温で5間分乾燥させた。その後、形成された塗膜を120℃で5分間乾燥させ、550℃で30分間焼成したところ、金属酸化物層として、厚さ約0.06μmの酸化チタン層が形成されていた。
次に、形成された酸化チタン層上に、n型有機半導体層形成材料として、フラーレン−マロン酸多付加体〔フロンティアカーボン社製、商品名:ナノムスペクトラPMFA〕の0.3質量%エタノール溶液をスピンコートし、室温で乾燥させることにより、厚さ0.03μmのn型有機半導体層を形成した。
形成されたn型有機半導体層上に、p型有機半導体層形成用材料として、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)(アルドリッチ社製、品番:445703)の0.4質量%クロロホルム溶液をスピンコートし、室温で乾燥させることにより、厚さ0.1μmのp型有機半導体層を形成した。
次に、形成されたp型有機半導体層上に、ホール輸送層形成用材料として、PEDOT(ポリエチレンジオキシチオフェン)〔ナガセケムテックス(株)製、商品名:デナトロンP−5002HC〕をスピンコートし、100℃で5分間乾燥させ、厚さ0.1μmのホール輸送層を形成させた。
次に、形成されたホール輸送層上に、対向電極として、真空蒸着により、厚さ0.1μmの金の膜を形成することにより、有機光電変換素子を得た。
次に、擬似太陽光(100mW/cm、AM1.5)を照射し、短絡電流を(株)アドバンテスト製、直流電圧・電流源/モニタR6243で電流密度を測定したところ、50μA/cmであり、光起電力が発生していることが確認された。
実施例2
実施例1において、金属酸化物として酸化ジルコニウムを用いた以外は、実施例1と同様にして有機光電変換素子を作製した。
なお、酸化ジルコニウム層は、酸化ジルコニウム層形成用材料〔(株)高純度化学研究所製、商品名:MOD用コート材料Zr−05−P〕を用い、これをスピンコート法で塗布した後、室温で5分間乾燥させ、ついで120℃で5分間乾燥させた後、550℃で30分間焼成することにより、形成させた。形成された酸化ジルコニウム層の厚さは、約0.06μmであった。
次に、実施例1と同様にして、得られた有機光電変換素子に擬似太陽光(100mW/cm、AM1.5)を照射したところ、短絡電流の電流密度が1μA/cmであり、光起電力が発生していることが確認された。
比較例1
実施例1において、金属酸化物として酸化亜鉛を用いた以外は、実施例1と同様にして有機光電変換素子を作製した。
なお、酸化亜鉛層は、酸化亜鉛層形成用材料〔株)高純度化学研究所製、商品名:MOD用コート材料Zn−05〕を用い、これをスピンコート法で塗布した後、室温で5分間乾燥させた後、120℃で5分間乾燥させ、ついで550℃で30分間焼成することにより、形成させた。形成された酸化亜鉛層の厚さは、約0.08μmであった。
次に、実施例1と同様にして、得られた有機光電変換素子に擬似太陽光(100mW/cm、AM1.5)を照射したが、光起電力を確認することができなかった。
比較例2
実施例1において、金属酸化物としてITOを用いた以外は、実施例1と同様にして有機光電変換素子を作製した。
なお、ITO層は、ITO層形成用材料〔(株)高純度化学研究所製、商品名:MOD用コート材料ITO−05C〕を用い、これをスピンコート法で塗布し、室温で5分間乾燥させた後、120℃で5分間乾燥させ、ついで550℃で30分間焼成することにより、形成させた。形成されITO層の厚さは、約0.07μmであった。
次に、実施例1と同様にして、得られた有機光電変換素子に擬似太陽光(100mW/cm、AM1.5)を照射したが、光起電力を確認することができなかった。
比較例3
実施例1において、金属酸化物として酸化インジウムを用いた以外は、実施例1と同様にして有機光電変換素子を作製した。
なお、酸化インジウム層は、酸化インジウム層形成用材料〔(株)高純度化学研究所製、商品名:MOD用コート材料In−05〕を用い、これをスピンコート法で塗布し、室温で5分間乾燥させた後、120℃で5分間乾燥させ、ついで550℃で30分間焼成することにより、形成させた。形成された酸化インジウム層の厚さは、約0.13μmであった。
次に、実施例1と同様にして、得られた有機光電変換素子に擬似太陽光(100mW/cm、AM1.5)を照射したが、光起電力を確認することができなかった。
以上の結果から、金属酸化物として、酸化チタンまたは酸化ジルコニウムが用いられているときに光起電力が発生することがわかる。
この原因を探るために電気化学的な手法により、各金属酸化物のフラットバンド電位の測定を行った。
各金属酸化物のフラットバンド電位の測定の際には、電解液として、1MのLiClOを、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとの混合溶媒〔エチレンカーボネート/エチルメチルカーボネート=2:1(容量比)〕に溶解させたものを用いた。
一般的な3端子電気化学セルを用い、参照電極および対向電極にリチウム金属箔を用い、アルゴン雰囲気中で、50mV/secの速度でサンプルの電位を参照電極の電位に対してマイナス方向に掃引したときに観測される、サンプルと対向電極間に流れる電流の立ち上がり電位をフラットバンド電位とした。
なお、サンプルには、(株)ジオマテック製、商品名:ITO/SnO導電性ガラスに、各実施例または各比較例と同様の方法で金属酸化物を形成させたものを用いた。
また、前記と同様の手法により、フラーレン−マロン酸多付加体(フロンティアカーボン社製、商品名:ナノムスペクトラPMFA)のLUMOの電位を測定した。このときに使用した測定用試料は、フラーレン誘導体をエタノールに溶解させ、得られた溶液を前記と同じ導電性ガラスにキャスティングにより塗布することによって作製した。
得られたフラットバンド電位およびフラーレン−マロン酸多付加体のLUMOの電位は、参照電極であるLiに対する電位であるため、Liの酸化還元電位を考慮して真空からのエネルギー準位とした。その結果、真空からのエネルギー準位は、ZrOで−3.3eV、TiOで−4.3eV、ZnOで−4.5eV、ITOで−4.6eV、Inで−4.6eVであり、フラーレン−マロン酸多付加体のLUMOの電位は、−4.3eVであった。
この結果から、光起電力が得られた酸化チタンおよび酸化ジルコニウムのフラットバンド電位は、フラーレン−マロン酸多付加体のLUMOの電位以上であることがわかる。
一方、フラットバンド電位がフラーレン−マロン酸多付加体のLUMOの電位よりも低い金属酸化物(酸化亜鉛、ITOおよび酸化インジウム)の場合には、光起電力が得られていない。その理由は、推測であるが、以下のように考えることができる。
固体物理学によると、異なるフェルミレベルの半導体同士を接合した場合、フェルミレベルが一致するようにバンドが曲がり、接合される。フェルミレベルの位置関係によって、バンドの曲がり方が変わり、その接合は、オーミック接合になる場合とショットキー接合になる場合がある。
金属酸化物のフラットバンド電位がフラーレン−マロン酸多付加体のLUMOの電位よりも低い値にある場合には、ショットキー接合になり、ショットキー障壁ができるため、光照射によって電子が生成しても、そのショットキー障壁のために外部に電流を取り出すことができなくなるものと考えられる。
一方、金属酸化物のフラットバンド電位がフラーレン−マロン酸多付加体のLUMOの電位よりも高い位置にある場合には、オーミック接合になり、生成した電子が効率よく外部へ取り出すことができるものと考えられる。
なお、酸化ジルコニウムの場合、酸化チタンを用いた場合と比べて短絡電流が小さくなる原因は、明らかではないが、おそらく金属酸化物の電気抵抗などが原因ではないかと考えられる。
本発明の有機光電変換素子は、太陽電池などに好適に使用することができる。
本発明の光電変換素子の一実施態様を示す概略断面図である。
符号の説明
1 透明基板
2 透明導電膜
3 透明導電基板
4 金属酸化物層
5 n型有機半導体
6 p型有機半導体
7 対向電極

Claims (4)

  1. 透明基板上に透明導電膜が形成されてなる透明導電基板上に、金属酸化物層、n型有機半導体、p型有機半導体および対向電極が順に積層された有機光電変換素子であって、前記金属酸化物層を構成している金属酸化物のフラットバンド電位が前記n型有機半導体の伝導帯下端(LUMO)の電位以上であることを特徴とする有機光電変換素子。
  2. 金属酸化物が酸化チタンまたは酸化ジルコニウムである請求項1記載の有機光電変換素子。
  3. n型有機半導体がフラーレン誘導体である請求項1または2記載の有機光電変換素子。
  4. p型有機半導体がポリチオフェン誘導体である請求項1〜3いずれか記載の有機光電変換素子。
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