JP2007200072A - リーダ装置及びicタグ並びにこれらを用いたicタグシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】汎用性に優れ、認識精度の高いICタグシステムを提供すること。
【解決手段】超音波発生手段を有する超音波信号発信手段と、超音波検出手段を備える超音波信号受信手段と、超音波信号の送受信を制御する制御手段と、を備え、超音波信号を用いてICタグと所定の情報の送受信を行うリーダ装置であって、超音波信号発信手段は、超音波発生手段にて発生される超音波信号に指向性を付与して発信する指向性付与手段を備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、ICタグシステムにかかり、特に、超音波にてデータの送受信を行うICタグシステムに関する。
近年、RFIDタグといったICタグの技術が向上し、種々の用途に利用されつつある。例えば、物流業界にて貨物にICタグを貼り付けてこれを認識することによって貨物の配送管理を行ったり、店舗などで販売する商品にICタグを貼り付けてレジにて認識することによって商品の精算を行う、ということへの利用も検討されている。
しかし、従来例におけるICタグシステムでは、リーダ部分とICタグ部分との間におけるデータ信号の送受信は、無線電波を介して行う方法が一般的であったため、ICタグが電波吸収体に隣接している場合には、リーダ側から送信されたデータ信号を受信できないなどの問題が生じ、ICタグシステムの利用範囲や方法が限られていた。
具体的には、従来の無線電波を利用したICタグが有する問題点としては、金属や水分を多く含む果物などの電波吸収体を含む貨物の梱包箱にICタグが取り付けられた場合は、データ信号を認識できない、あるいは、認識率が低下する、ということである。また、貨物の梱包箱が多く積み重ねられた状態でデータ信号を一括認識する場合や、段ボール箱などが湿っていると認識率が低い、という問題も生じる。さらには、冷凍食品などに取り付けられた状態で中身が動くとデータ信号を認識しにくい、という問題も生じる。また、無線電波を用いることから、使用する周波数帯域が限られている、という問題もあった。以上のように、従来例における無線電波を用いたICタグシステムでは、上述した不都合があり実用面で問題があった。
これに対し、下記の特許文献1では、PVDFフィルムなどの圧電超音波トランスデューサをリーダ側とタグ側で用いて、超音波データの送受信を行う技術が開示されている。このように、データの送受信に超音波振動を利用することで、空気、水及び固体を介して超音波振動をデータ信号として伝達できるため、従来のICタグシステムでは困難であった積み重ねられた貨物や、金属や飲料などの電波吸収体、水分が多い果物などに取り付けられたICタグも一括認識することが可能となる。また、電波照射により障害を起こす可能性がある精密電子機器や電子デバイスの貨物認識にも使用可能となる。
特表2005−522921号公報
しかしながら、超音波振動は、その伝播距離が短いため、リーダ側とICタグ側との距離が長いと確実な通信を行うことが困難である、という問題が生じる。例えば、40〜125kHzの超音波振動は、空中であると2m先でそのパワー(強度)が約100分の1にまで減衰してしまうため、上述したような貨物などに取り付けた認識に利用することが困難である。
一方で、超音波振動のパワー(強度)を上げることも考えられるが、そのパワーの値によっては動植物細胞に影響を与える、という問題が生じる。例えば、ICタグを貼り付けた貨物や商品が生鮮食料品である場合には、これらの品質に悪影響を与える可能性があり、また、周囲にいる人物に対しても人体に悪影響を与えてしまう可能性が生じる。
さらに、超音波は物体に照射されると反射する性質があるため、ICタグを検出するために発信される超音波振動によって、リーダの受信部が影響を受けてしまい、高精度な送受信を行うことが困難となってしまう、という問題が生じる。
そして、以上のことを改善するための技術に関しては、上述した特許文献1には一切開示されていない。
このため、本発明では、上記従来例の有する不都合を改善し、特に、汎用性に優れ、認識精度の高いICタグシステムを提供する、ことをその目的とする。
本発明の一形態であるリーダ装置は、
超音波発生手段を有する超音波信号発信手段と、超音波検出手段を備える超音波信号受信手段と、超音波信号の送受信を制御する制御手段と、を備え、超音波信号を用いてICタグと所定の情報の送受信を行うリーダ装置であって、
超音波信号発信手段は、超音波発生手段にて発生される超音波信号に指向性を付与して発信する指向性付与手段を備えた、
ことを特徴としている。
上記発明によると、超音波発生手段にて発生された超音波信号が、指向性を有してICタグが取り付けられた物体に対して発信される。従って、発信する超音波信号の強度を強くする必要なく、当該超音波信号の伝播距離を延ばすことができる。このため、超音波信号の伝播経路上に存在する電波吸収体の影響を受けず、通信対象となるICタグが遠距離に位置していたり、あるいは、ICタグまでの間に電波強度を弱める障害物が存在する場合であっても、高精度な通信を行うことができる。さらに、発信する超音波信号は弱い強度でよいため、動植物細胞に悪影響を与えることを抑制できることから、ICタグが貼り付けられた物体の損傷を抑制することができると共に、人体への影響も抑制でき、汎用性の向上を図ることができる。
そして、指向性付与手段は、超音波発生手段の周囲を囲うと共に超音波信号の発信方向に開口する部材であり、例えば、パラボラ形状の部材である、ことを特徴としている。これにより、簡易な構成にて指向性付与手段を形成することができ、低コストに製造できる。そして、より効果的に超音波信号に発信方向に対して指向性を付与することができ、さらなる通信精度の向上を図ることができる。
また、超音波信号受信手段を、超音波信号の発信方向とは異なる方向に配置した、ことを特徴としている。特に、超音波信号受信手段を、指向性付与手段の開口部分よりも超音波信号の発信方向に対して後方側に配置し、具体的には、指向性付与手段の側方に配置した、ことを特徴としている。これにより、超音波信号受信手段が、リーダ装置から発信された超音波信号の影響を受けずに、より高精度にICタグからの送信信号を受信することができる。
また、超音波発生手段は、1W/cm以下の強度で超音波を発生する、こととすると望ましい。これにより、人体やICタグが取り付けられている物体などの動植物細胞に悪影響を及ぼさない程度の強度の超音波を用いることで、より安全に使用することができる。
また、本発明の他の形態であるICタグは、タグ側超音波発生手段を有するタグ側超音波信号発信手段と、タグ側超音波検出手段を備えるタグ側超音波信号受信手段と、超音波信号の送受信を制御するタグ側制御手段と、を備え、超音波信号を用いてリーダ装置から指向性が付与された送信信号を受信してこれに対する返信を行う、ことを特徴としている。特に、上述したリーダ装置と、超音波信号を用いて所定の情報の送受信を行う、ことを特徴としている。
そして、少なくともタグ側超音波検出手段は、圧電振動手段である、ことを特徴としている。このとき、タグ側超音波発生手段及びタグ側超音波検出手段が、1つの圧電振動手段にて構成されていると望ましい。さらに、圧電振動手段は、多孔性圧電フィルムであると望ましい。
これにより、リーダ装置から発信された超音波信号を、圧電振動手段にて検出して電力に変換することができ、ICタグの駆動に利用することができる。そして、超音波発生手段と超音波検出手段を1つの圧電振動手段で構成することで、小型化かつ低コスト化を図ることができる。さらに、多孔性圧電フィルムを用いることで、より高性能なICタグを形成することができる。
また、ICタグが取り付けられる物体と圧電振動手段との間に、横波を除去する横波除去手段を設けた、ことを特徴としている。これにより、ICタグが物体に取り付けられている場合であっても、かかる物体を透過中の超音波信号に混在する横波を除去することができ、より高精度の検出を行うことができる。
さらに、本発明では、上述したリーダ装置とICタグとを備えたICタグシステムをも提供している。そして、このICタグシステムは、リーダ装置と対面する箇所に開口部を有しており、ICタグが取り付けられた物体の周囲を囲う超音波吸収体を設けた、ことを特徴としている。これにより、リーダ装置から発信された超音波信号が外部に漏れることを抑制でき、超音波振動による影響を抑制することができる。
本発明は、以上のように構成され機能するので、これによると、発信する超音波信号の強度を強くする必要なく、当該超音波信号の伝播距離を延ばすことができるため、超音波信号の伝播経路上に存在する電波吸収体の影響を受けず、通信対象となるICタグが遠距離に位置していたり、あるいは、ICタグまでの間に電波強度を弱める障害物が存在する場合であっても、高精度な通信を行うことができる。さらには、発信する超音波信号は弱い強度でよいため、動植物細胞に悪影響を与えることを抑制できることから、ICタグが貼り付けられた物体の損傷を抑制することができると共に、人体への影響も抑制でき、汎用性の向上を図ることができる、という従来にない優れた効果を有する。
本発明におけるICタグシステムは、リーダ装置とICタグとが超音波信号を用いてデータの送受信を行う場合に、弱い強度であっても高精度なデータ通信を行うことができる構成であることに特徴を有する。以下、実施例にて詳述する。
本発明の第1の実施例を、図1乃至図8を参照して説明する。図1乃至図3は、ICタグシステムの構成を示す図である。図4は、ICタグシステムの利用時の様子を示す図である。図5乃至7は、ICタグの構成を示す図であり、図8は通信に用いられる超音波信号を示す図である。
[構成]
本発明であるICタグシステムは、貨物などの物体40に取り付けられるICタグ20と、当該ICタグ20と通信するリーダ装置10と、を備えている。そして、リーダ装置10にて、主にICタグ20の存在を検知する、というシステムである。また、このICタグシステムには、ICタグ20の検出場所を囲うよう設置され、当該ICタグ20が取り付けられる物体40を通過させる超音波吸収体30を備えている。以下、詳述する。
<リーダ装置>
図1乃至図2に、リーダ装置10及びICタグ20の構成を示す。まず、図1に示すように、リーダ装置10は、超音波信号を発信する超音波送信器11(超音波信号発信手段)と、ICタグ20からの超音波信号を検知する圧電センサ12(超音波信号受信手段)と、超音波信号の送受信を制御する制御回路13(制御手段)と、を備えている。
そして、図3に示すように、リーダ装置10の超音波送信器11は、超音波発生手段としての圧電振動子11aと、この圧電振動子11bを囲うよう配置された超音波パラボラ11b(指向性付与手段)と、を備えている。この超音波パラボラ11bは、圧電振動子11aの周囲を囲うと共に超音波信号の発信方向に開口部を有するパラボラ形状にて形成されている。これにより、圧電振動子11aにて発生された超音波信号に指向性を付与して発信することができる。つまり、超音波パラボラ11bが開口する方向に、より指向性を持った超音波信号を送信することができ、その結果、送信される超音波の伝播距離を延ばすことができる。
ここで、通常、超音波振動は、2mぐらいの距離では、空気中で約100分の1に減衰してしまう。従って、後述するように、ICタグ20に超音波信号が届き、かつ、起電力を供給するために十分なパワーを伝播させるべく、発信源ではより強いパワーにて出力する必要がある。しかし、本実施例では、上述したように超音波信号の伝播距離が延びるため、振動源でのパワーが弱くてもよい。具体的には、人体など動植物細胞に影響のない1W/cm以下の強度で超音波を発生させて送信することが望ましく、本実施例では、後述するように、0.2〜1W/cmの強度で発生させている。なお、20kHz程度の比較的低い周波の超音波を利用する場合は超音波振動発生素子として超磁歪素子などがあるが、本実施例では、今回はISO標準の1つである125kHz動作のICタグ用チップを駆動するため、PZTセラミックなどの圧電振動子11aを用いた。但し、超音波を発生する素子であればいかなる素子を用いてもよい。
また、リーダ装置10の圧電センサ12は、PVDFや後述するセルラーPPなどの超音波振動を検出可能な圧電振動子(超音波検出手段)を有している。そして、ICタグ20から送信された超音波信号を検出して、制御回路13に渡す。なお、上述した超音波送信器11の圧電振動子11aと、圧電センサ12は、同一の圧電素子にて形成されていてもよい。
そして、上記圧電センサ12は、特に、超音波送信器11による超音波信号の発信方向とは異なる方向に配置してある。具体的には、図3に示すように、超音波信号の発信方向に対して、超音波パラボラ11bの開口部分よりも後方側、この場合には、パラボラ11b自体の側方に配置してある。これにより、上述したようにリーダ装置10からは超音波パラボラ11bの開口部前方に向かって超音波信号が送出されるため、その側方に位置する圧電センサ12にて送信時の超音波信号を検出してしまうことを抑制することができる。従って、リーダ装置10から発信された超音波信号の影響を受けずに、より高精度にICタグ20からの送信信号を受信することができる。
続いて、リーダ装置10の制御回路13について説明する。この制御回路13は、図2に示すように、ホストコンピュータと接続される制御回路13aと、符号化回路13bと、駆動回路13cと、を備え、これらの動作によって超音波送信器11から超音波信号が出力される。例えば、図8(a)に示されるような「0,1」の二値を表す超音波信号が発生され、送出される。具体的には、「ICタグが存在するか」と呼びかける信号と、その呼びかけの終了信号兼ICタグ20に電力供給するための信号と、を送出する。また、リーダ装置10の制御回路13には、フィルタ及び増幅回路13dと、符号化回路13eと、を備え、圧電センサ12にてICタグ20から受信した超音波信号を検出して、制御回路13aを介してホストコンピュータに通知する。
<ICタグ>
次に、ICタグ20の構成について詳述する。まず、ICタグ20は、図1乃至図2に示すように、上超音波信号を受信すると共に発信する多孔性圧電フィルム21(タグ側超音波信号発信手段、タグ側超音波信号受信手段)と、受信した超音波信号の波形を整形する波形整形回路22(図2には図示せず)と、超音波信号の送受信を制御するICタグチップ23(タグ側制御手段)と、を備えている。
そして、超音波信号を発生及び検出するタグ側の超音波発生手段及び超音波検出手段としての多孔性圧電フィルム21は、図5(a)に示すように、薄膜上の部材であって、ICタグ20本体を形成している。そして、この上に、ICタグチップ23や波形整形回路22が搭載されている、という構成である。従って、従来の外周にアンテナを形成しなければならないRFIDタグと比較すると、小型化を図ることができる。なお、図5(b)に示すように、別途、ICタグ20本体を形成する基材フィルムを用意し、この上に、多孔性圧電フィルム21やICタグチップ23、波形整形回路22を搭載してICタグ20を構成してもよい。
ここで、本実施例で用いる多孔性圧電フィルム21について、図6を参照してさらに説明する。例えば、薄膜の圧電材料としては、図6(a)に示すPVDF(20A)が上記特許文献1に挙げられているが、これは、蒸着電極20Abに挟まれたポリフッ化ビニリデン20Aaを用いている。これに対し、多孔性圧電フィルム21の一例である図6(b)に示すセルラーポリプロピレンエレクトレットフィルム(以下、「セルラーPP」と略す)(20B)は、蒸着電極20Bbに挟まれた多孔質ポリプロピレン20Baを備えている点で異なる。
このセルラーPPは、図6(c)に示すように、圧電縦効果における圧力(振動)から電気への変換定数(d33)や、その逆の電気から圧力(振動)への変換定数(g33)が、PZTやPVDFよりもその性能が格段に優れている。例えば、リーダ装置10の超音波発信器11からICタグ20のセルラーPP21へ、1平方センチメートル当り約10mWの125kHz超音波(搬送波)を加えると、当該セルラーPP21では約10Vp−pの電圧信号が得られる。そして、0、1信号の間隔も40〜250マイクロ秒まで十分追従できることが確認でき、ICタグチップ23の動作を可能にする電圧信号が得られる。また、ICタグ20からのリーダ装置10へのデータ送信にセルラーPP21を用いた場合に、2Vp−p、125kHzにて駆動し、リーダ装置10の圧電センサ12であるセルラーPPへ1平方センチメートル当り約0.03mWの超音波振動を加えると、リーダ装置10で約1Vp−pの電圧信号が得られた。このように、いずれの場合も、人体などの動植物細胞への影響がないと思われる安全領域での強度にて、十分使用可能であることがわかる。これにより、アクティブ型ICタグにて実用化が可能なことが確認できたが、セルラーPPは更に数倍起電力の大きい材料が開発されつつあり、ICタグチップの低消費電力化が進めばパッシブ型にても実用化できる。
なお、上記では、ICタグ20における超音波を発生及び検出する手段として、セルラーPPと言った多孔性圧電フィルムを用いた場合を例示したが、他の圧電素子(圧電振動手段)や超音波振動発生/検出素子を用いてもよい。また、超音波を発生する素子と検出する素子とが、異なる素子にて構成されていてもよい。
また、本実施例におけるICタグ20には、図7(a)に示すように、横波を除去する横波フィルタ材24(横波除去手段)が設けられている。このとき、図7(a)に示すICタグ20は、図5(a)に示すように、ICタグ20本体が多孔性圧電フィルム21であるセルラーPPにて構成されており、その上にICタグチップ23が搭載されている。そして、セルラーPP21と、ICタグ20が取り付けられる物体40と、の間に、上記横波フィルタ材24が装備されている。
ここで、横波フィルタ材24は、例えば、水などの液体、具体的には、プラスチックの袋に水を入れたものや、ゲル状体(アルファゲル材など)、が考えられる。さらには、図8(b)に示すように、起毛材やウレタン、ゴムクッションなどを用いて物体40から浮かす、という方法がある。これにより、ICタグ20が物体40に取り付けられている場合であっても、かかる物体40を透過中の超音波信号に混在する横波を除去することができ(図4参照)、より高精度の検出を行うことができる。
また、ICタグ20のICタグチップ23は、図2に示すように、フィルタ及び増幅回路23a、電源回路23b、符号化回路23c、制御回路d、メモリ23e、符号係りお23f、駆動回路23f、などを備えているが、各回路は従来のICタグシステムとほぼ同じ機能であるので、その説明は省略する。
<超音波吸収体>
さらに、本実施例におけるICタグシステムには、図3乃至図4に示すように、リーダ装置10にてICタグ20の検出を行う場所に、当該ICタグ20が取り付けられた物体40の周囲を覆う超音波吸収体30が設置されている。例えば、図3の例では、ICタグ20が取り付けられた物体40が複数まとめて矢印Y1に示すようベルトコンベア上を移動している場合を示しているが、その径路上で側方と上方をゲート状に囲う超音波吸収体30が設置されている。そして、超音波吸収体30が取り付けられておらず開口されている下方にリーダ装置10が設置されており、ここからベルトコンベア上を移動する物体40に対してICタグ20を読み取るための超音波信号が発信される。具体的には、スーパーマーケットなどで、買い物籠にICタグ10が付された商品40に対して利用することができる。
また、図4の例では、ICタグ20が取り付けられた段ボール箱40(物体)が複数積み重なっている場合に、その周囲をウレタンクッションなどの超音波吸収体30が囲って設置されている。そして、超音波吸収体30が取り付けられておらず開口されている箇所からリーダ装置10を矢印Y2のように走査させて、段ボール箱40に対してICタグ20を読み取るための超音波信号が発信される。具体的には、倉庫などでカーゴに詰まれた段ボール箱40に対して利用することができる。
[動作]
次に、上述したICタグシステムの動作を説明する。なお、利用場面としては、上述した図3、図4に示す場合を想定する。
まず、リーダ装置10は、駆動回路13cにより一定周波数の搬送波にデータ信号を乗せた超音波信号(図8(a)参照)を、ICタグ20に対して送信する。このとき、超音波送信器11に備えられた超音波パラボラ11bにて、指向性を持った超音波が送信されるため、送信距離が延びる。なお、超音波の強度は、0.2〜1W/cmであり、人体やICタグ20が取り付けられた物体40に悪影響を与えない強度である。
そして、ICタグ20は、上記リーダ装置10からの超音波信号を検出し、電気信号に変換して、併せて電力供給源としても利用する。このとき、上述したように受信センサとしてセルラーPP21を用いているため、ICタグチップで必要な7〜10Vp−pの起電力は、2〜10mWcmであるが、これはリーダ装置10から送信された上記0.2〜1W/cmが、図4に示すよう2m先で100分の1に減衰されたとしても十分に確保できるパワーである。
また、ICタグ20には、物体40とセルラーPP21との間に横波フィルタ材24が装着されているため、図4に示すように、段ボール箱40などの物体を伝播してきた超音波信号に含まれる横波を除去して、縦波のみをセルラーPP21にて受信することができる。なお、セルラーPP21側、つまり、横波フィルタ24とは反対側から超音波信号が伝播してきた場合には、空気中を伝播してくるため横波は無い。
このようにしてリーダ装置10から読み取り信号を受信したICタグ20は、ICタグチップ23のメモリ23e内に記憶された固有のIDを、駆動回路23gへ伝達してセルラーPP21を駆動して、返送用の超音波振動(データ信号)を発生させリーダ装置10の圧電センサ12に送信する(図8(b)参照)。これにより、リーダ装置10は、存在するICタグ20を検出することができる。
以上のように、本実施例におけるICタグシステムは、超音波を用いているため、電波吸収体の存在に関わらずあらゆる場面にて利用することができる。つまり、電波に敏感な装置や電子デバイスなどの貨物にも適用でき、さらには、食料品などの商品にもICタグを取り付けて利用することができる。そして、上記のようにいかなる物体にも利用でき、さらには、パラボラを用いて高強度の超音波振動を用いることなく超音波の伝播距離を延ばしているため、ICタグ20が付された物体の一括認識も可能である。例えば、物流業界、流通業界などでICタグ20を貨物に取り付けたり、スーパーマーケットで商品に取り付けて利用することができ、物流貨物の管理やレジでの精算処理の効率の向上を図ることができる。そして、上記のことは、安全性の向上にもつながる。
また、上述した効果を有するICタグシステムを、リーダ装置10に超音波パラボラ11bを設けたり、ICタグ20にセルラーPPを用いる、といった簡易な構成にて実現できるため、システム自体を低コストにて構成することができる。さらには、ICタグ20のさらなる小型化をも図ることができる。また、リーダ装置10での計測箇所に超音波吸収体30を設置することで、超音波信号が外部に漏れることを抑制でき、他の機器や人体、物体などに対する超音波振動による影響を抑制することができる。
本発明のICタグシステムは、積み重ねられた貨物や買い物カゴの商品データ信号を一括認識することが可能となるため、物流業界、流通業界、スーパーマーケットのレジなどで利用することができ、産業上の利用可能性を有する。
ICタグシステムを構成するリーダ装置とICタグとの構成の概略を示すブロック図である。 ICタグシステムを構成するリーダ装置とICタグとの構成の概略を示すブロック図である。 ICタグシステム全体の構成を示す概略図である。 ICタグシステムの利用例を示す図である。 図5(a),(b)は、それぞれICタグの構成を示すブロック図である。 図6(a)は、ICタグに利用されるPVDFの構成を示す図であり、図6(b)は、ICタグに利用されるセルラーPPの構成を示す図である。図6(c)は、各圧電素子の特性を示す図である。 図7(a),(b)は、それぞれ横波フィルタ材を設けたICタグの構成を示す図である。 図8(a)は、リーダ装置から発信される超音波信号の模式図であり、図8(b)は、ICタグから発信される超音波信号の模式図である。
符号の説明
10 リーダ装置
11 超音波送信器
12 圧電センサ
13 制御回路
20 ICタグ
21 多孔性圧電フィルム
22 波形整形回路
23 ICタグチップ
24 横波フィルタ材
30 超音波吸収体
40 物体
11a 圧電振動子
11b 超音波パラボラ

Claims (15)

  1. 超音波発生手段を有する超音波信号発信手段と、超音波検出手段を備える超音波信号受信手段と、超音波信号の送受信を制御する制御手段と、を備え、超音波信号を用いてICタグと所定の情報の送受信を行うリーダ装置であって、
    前記超音波信号発信手段は、前記超音波発生手段にて発生される超音波信号に指向性を付与して発信する指向性付与手段を備えた、
    ことを特徴とするリーダ装置。
  2. 前記指向性付与手段は、前記超音波発生手段の周囲を囲うと共に超音波信号の発信方向に開口する部材である、ことを特徴とする請求項1記載のリーダ装置。
  3. 前記指向性付与手段は、パラボラ形状の部材である、ことを特徴とする請求項2記載のリーダ装置。
  4. 前記超音波信号受信手段を、前記超音波信号の発信方向とは異なる方向に配置した、ことを特徴とする請求項1,2又は3記載のリーダ装置。
  5. 前記超音波信号受信手段を、前記指向性付与手段の開口部分よりも前記超音波信号の発信方向に対して後方側に配置した、ことを特徴とする請求項4記載のリーダ装置。
  6. 前記超音波信号受信手段を、前記指向性付与手段の側方に配置した、ことを特徴とする請求項5記載のリーダ装置。
  7. 前記超音波発生手段は、1W/cm以下の強度で超音波を発生する、ことを特徴とする請求項1,2,3,4,5又は6記載のリーダ装置。
  8. タグ側超音波発生手段を有するタグ側超音波信号発信手段と、タグ側超音波検出手段を備えるタグ側超音波信号受信手段と、超音波信号の送受信を制御するタグ側制御手段と、を備え、超音波信号を用いてリーダ装置から指向性が付与された送信信号を受信してこれに対する返信を行う、ことを特徴とするICタグ。
  9. 請求項1乃至7記載の前記リーダ装置と、超音波信号を用いて所定の情報の送受信を行う、ことを特徴とするICタグ。
  10. 少なくとも前記タグ側超音波検出手段は、圧電振動手段である、ことを特徴とする請求項8又は9記載のICタグ。
  11. 前記タグ側超音波発生手段及び前記タグ側超音波検出手段は、1つの前記圧電振動手段にて構成されている、ことを特徴とする請求項10記載のICタグ。
  12. 前記圧電振動手段は、多孔性圧電フィルムである、ことを特徴とする請求項10又は11記載のICタグ。
  13. ICタグが取り付けられる物体と前記圧電振動手段との間に、横波を除去する横波除去手段を設けた、ことを特徴とする請求項12記載のICタグ。
  14. 請求項1乃至7記載の前記リーダ装置と、請求項8乃至13記載の前記ICタグと、を備えたことを特徴とするICタグシステム。
  15. 前記リーダ装置と対面する箇所に開口部を有しており、前記ICタグが取り付けられた物体の周囲を囲う超音波吸収体を設けた、ことを特徴とする請求項14記載のICタグシステム。

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