JPH05336597A - 複合圧電体及びその製造方法 - Google Patents

複合圧電体及びその製造方法

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JPH05336597A
JPH05336597A JP13727492A JP13727492A JPH05336597A JP H05336597 A JPH05336597 A JP H05336597A JP 13727492 A JP13727492 A JP 13727492A JP 13727492 A JP13727492 A JP 13727492A JP H05336597 A JPH05336597 A JP H05336597A
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ptfe
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彰則 南
Masaaki Kawabe
雅章 川部
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、圧電性が高く、フレキシブルであ
り、しかも機械的強度及び受波特性に優れた複合圧電体
を提供することを目的とするものである。 【構成】 本発明は、「圧電性セラミックス粉末32と
PTFE31とエラストマー33とからなり分極処理が
施された複合圧電体であって、圧電性セラミックス粉末
32及びPTFE31がシート化されたエラストマー3
3のマトリックス内部に分散しており、かつマトリック
スがフィブリル化されたPTFE31によって補強され
ていることを特徴とする複合圧電体」をその要旨とする
ものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は衝撃センサー、振動セン
サー、感圧センサー、超音波探触子、キーボード、無接
点スイッチなど計測機器分野、医療機器分野、音響機器
分野、情報処理機器分野などに使用できる複合圧電体に
関する。詳細には、圧電性が高く、フレキシブルであ
り、しかも機械的強度及び受波特性に優れた複合圧電体
に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
複合圧電体10としては、図10に示すように、高分子
13と圧電性セラミックス粉末12とを混合しシート状
に成形後、このシート表面に金属を蒸着して電極14を
形成し分極処理を施したものがある。この複合圧電体は
セラミック焼結体よりなる圧電体と比べて成形性が良く
フレキシブルであり、振動を受けた素子が長時間振動し
続ける、所謂リンギング現象が生じにくい。反面、この
複合圧電体にあっては、圧電性セラミックス粉末の充填
率が圧電性セラミックス粉末を保持する材料としてプラ
スチックを用いた場合には50〜60容量%が上限とな
っており、圧電性セラミックス粉末を高分子内部に十分
に充填することができず、圧電性の低いものとなってい
た。又、粉末を保持する材料としてクロロプレンゴムを
用いた場合には70容量%が上限となり、比較的圧電性
の高いものが得られるが、限界付近まで圧電性セラミッ
クス粉末を充填した場合、当該圧電体は脆くなり、フレ
キシブル性も失われていた。
【0003】一方、別の複合圧電体として特開昭61−
295678号公報に記載のものがある。図11に示す
ように、この複合圧電体20はポリテトラフルオロエチ
レン(以下PTFEという)23と圧電性セラミックス
粉末22との混合物に圧延処理を施して前記PTFE2
3をフィブリル化し、更にこれを延伸して多孔質のフィ
ルム組織とし、次いで、このフィルムにシリコーンゴム
21を含浸した後、このフィルム表面に金属を蒸着して
電極24を形成し分極処理を施して得られるものであ
る。
【0004】この複合圧電体にあっては、延伸により多
孔質のフィルムを形成し、このフィルムの孔にシリコー
ンゴムを埋め込むという工程を経て製造されていること
から、圧電性セラミックス粉末間の距離がPTFEと粉
末とを混合した時点での距離よりも広くなっており、結
果として単位容量における圧電性セラミックス粉末の充
填率は低く、その圧電性も低くなっていた。又、延伸に
より形成された多孔質のフィルムの微細な孔に均一にシ
リコーンゴムを埋め込むことは難しく、該圧電体のフィ
ルム内部にはシリコーンゴムの埋め込まれていない孔が
存在し、分極処理の際に絶縁破壊の原因となったり、圧
電性が低くくなる一因となっていた。更に、この複合圧
電体にあってはPTFEと粉末とを含むシートを形成
し、これに延伸処理を施すことにより多孔質のフィルム
を形成し、この後にシリコーンゴムを含浸していること
から、該複合圧電体におけるシリコーンゴム量は少なく
なり、ゴム弾性が小さくなっているため、外力を受けた
場合に圧電体が塑性変形を起こすという欠点があった。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みなされた
ものであり、圧電性が高く、フレキシブルであり、しか
も機械的強度及び受波特性に優れた複合圧電体を提供す
ることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明にあっては、「圧電性セラミッ
クス粉末とPTFEとエラストマーとからなり分極処理
が施された複合圧電体であって、前記圧電性セラミック
ス粉末及びPTFEがシート化されたエラストマーのマ
トリックス内部に分散しており、かつマトリックスがフ
ィブリル化されたPTFEによって補強されていること
を特徴とする複合圧電体」をその要旨とした。
【0007】又、請求項2記載の発明にあっては、「エ
ラストマーとPTFEとの容積比率が99.5:0.5
〜80:20であることを特徴とする複合圧電体」をそ
の要旨とした。
【0008】又、請求項3記載の発明にあっては、「エ
ラストマーの弾性率が1×105〜1×108dyn/c
2であることを特徴とする複合圧電体」をその要旨と
した。
【0009】又、請求項4記載の発明にあっては、「エ
ラストマーとPTFEとの複合圧電体に対する容積比率
の和が、圧電性セラミックス粉末の充填率を100%か
ら引いた値と同一、若しくは近似していることを特徴と
する複合圧電体」をその要旨とした。
【0010】又、請求項5記載の発明にあっては、「圧
電性セラミックス粉末とPTFEとエラストマーとを、
圧電性セラミックス粉末とPTFEとの容積比率が9
9.75:0.25〜80:20であり、PTFEとエ
ラストマーとの容積比率が0.5:99.5〜20:8
0であるように混合し、次いで、この混合物を混練及び
圧延処理することによりシート化し、かつPTFEをフ
ィブリル化し、この後、このシートに分極処理を施すこ
とを特徴とする複合圧電体の製造方法」をその要旨とし
た。
【0011】以下に本発明を更に詳しく説明する。本発
明の複合圧電体において、圧電性セラミックス粉末とし
ては、最初から分極しているセラミックス或いは応力を
加えることにより分極が生じ、その分極の方向が揃って
いるセラミックスが適しており、具体的にはBaTiO
3 系、PbTiO3 系、PZT(PbTiO3 −ZrT
iO3 )系のものが好ましい。
【0012】エラストマーとしては、成形性が良く、上
記圧電性セラミックス粉末及びPTFEを内部に取り込
んで保持することができるものであるならば何でもよい
が、弾性率が1×105〜1×108dyn/cm2のも
のが望ましい。これより弾性率が大きなエラストマーで
は振動の吸収が悪くなって、リンギング現象が起きやす
くなり、これより弾性率の小さなエラストマーでは強度
が不足する。本発明に使用するエラストマーとしては、
例えば、上記弾性率を満たすシリコーンゴムやシリコー
ンゲル(シリコーンゴムの架橋密度を非常に小さくし
て、ゼリー状に固まるように設計したもの)などの素材
が望ましい。
【0013】本発明の複合圧電体30にあっては、図1
及び図2に示すように、上記圧電性セラミックス粉末3
2がPTFE31と共に、シート化されたエラストマー
のマトリックス33内部に均一に分散した状態で保持さ
れており、かつ、このマトリックスがフィブリル化され
たPTFEによって補強された構造となっている。又、
このシート表面にはアルミニウム等の金属が蒸着され電
極34が形成されている。この複合圧電体におけるエラ
ストマーとPTFEとの容積比率としては99.5:
0.5〜80:20の割合とするのが良く、これによ
り、振動の吸収性が良く、リンギング現象を生じ難く、
受波特性に優れ、しかも機械的強度に優れた圧電体とす
ることができる。
【0014】又、本発明の複合圧電体にあっては、エラ
ストマーとPTFEとの圧電体に対する容積比率の和が
圧電性セラミックス粉末の最密充填率を100%から引
いた値と同一、若しくは近似しているのが良い。これは
本発明の複合圧電体が図1及び図2に示すように圧電体
の内部に実質的に空隙を持たないことを示しており、空
隙が存在することによる分極処理時の絶縁破壊の問題や
分極不良の問題がなく、優れた圧電性を期待できるから
である。更にはエラストマー及びフィブリル化されたP
TFEの作用によってその機械的強度並びにフレキシブ
ル性が保たれていることから、圧電性セラミックス粉末
の充填率を最密充填若しくは最密充填に近い充填率で充
填しても、脆くなったりフレキシブル性が喪失したりす
ることがなく、従来の複合圧電体に比べより多くの圧電
性セラミックス粉末を充填することができ、その分圧電
性も向上させることができるようになっている。
【0015】次に、本発明の複合圧電体の製造方法につ
いて説明する。本発明の複合圧電体の製造方法は、圧電
性セラミックス粉末とPTFEとエラストマーとを混合
する工程と、この混合物を混練及び圧延処理してシート
化する工程と、このシートに分極処理を施す工程とを備
えている。
【0016】まず、圧電性セラミックス粉末とPTFE
とエラストマーとを混合する。使用する圧電性セラミッ
クス粉末、PTFE、エラストマーについての説明は上
述したため、ここでの説明は割愛する。これら圧電性セ
ラミックス粉末、PTFE、エラストマーを混合する場
合、圧電性セラミックス粉末とPTFEとの容積比率は
99.75:0.25〜94:6であり、PTFEとエ
ラストマーとの容積比率は0.5:99.5〜20:8
0となるように混合する。圧電性セラミックス粉末及び
PTFEはエラストマーのマトリックス内部に分散し保
持されるものであるが、圧電圧セラミックス粉末に対す
るPTFEの容積比率が上記の範囲より大きい場合、P
TFE量が多くなることから機械的強度は向上する反
面、圧電体内部の圧電性セラミックス粉末量が少なくな
ることから十分な圧電性を得ることができなくなる。一
方、圧電圧セラミックス粉末に対するPTFEの容積比
率が上記の範囲より小さい場合、十分な圧電性を得るこ
とができる反面、PTFE量が少なくなり、フィブリル
化されたPTFEによる十分な補強効果を得ることがで
きなくなり、脆く破損し易くなる。又、PTFEに対す
るエラストマーの容積比率が上記範囲より大きい場合、
PTFE量が少なくなり、フィブリル化されたPTFE
による十分な補強効果を得ることができなくなる。一
方、PTFEに対するエラストマーの容積比率が上記範
囲より小さい場合、エラストマーが少なくなることか
ら、ゴム弾性が失われて塑性変形しやすくなる上に、機
械的特性や受波特性が悪化する。
【0017】次いで、上記容積比率の下で混合された圧
電性セラミックス粉末とPTFEとエラストマーとを混
練及び圧延処理する。上記成分の混練方法及び圧延方法
は特に限定されず、常法に従って行うことができる。上
記成分を混練することにより、圧電性セラミックス粉末
及びPTFEはエラストマー内部に均一に分散し、同時
にエラストマー内部においてPTFEがフィブリル化す
る。次いで、この混練物をカレンダー成型などで圧延す
ることにより、エラストマーがシート化され、このシー
トのマトリックス内部に圧電性セラミックス粉末及びP
TFEが分散した状態に保持されるようになる。又、こ
の圧延処理によりPTFEは更にフィブリル化し、エラ
ストマーよりなるマトリックスの補強が図られるように
なる。
【0018】この後、混合、混練及び圧延処理されて成
るシートに分極処理を施す。分極処理としては、上記シ
ートを電極間に挟み、これに高電圧を加えることにより
シート内部に保持された圧電性セラミックスに分極を生
じさせる。尚、上記の如く、外部電極を用いても良い
が、シート表面に金属を蒸着したり、金属箔をラミネー
トしたりしてシート自体に電極を設けても良い。
【0019】
【実施例】実施例1〜3 チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)65.0容量%、シリ
コーンゴム(弾性率:1.5×107dyn/cm2)3
2.7容量%、PTFE2.3容量%を混合し、60℃
の温度下で混練し、この混練物をカレンダー成型して、
厚さ299μm、密度5.34g/cm3の実質的に空
隙のないシートを得た。なお、このシートにおけるPZ
T:PTFE=96.6:3.4(容量比率)であり、
シリコーンゴム:PTFE=93.4:6.6(容量比
率)であった。このシートを150〜180℃の温度で
5時間乾燥させた後、シート表面にアルミニウムを蒸着
した。次いで、このシートに40℃のシリコーンオイル
中で、各々100KV/cm(実施例1)、134KV
/cm(実施例2)、167KV/cm(実施例3)の
電圧を30分間かけて分極処理を行い複合圧電体を得
た。
【0020】実施例4 シート厚さを1017μmとしたこと以外は、実施例2
と同様にして複合圧電体を得た。
【0021】実施例5 チタン酸鉛(PT)66.0容量%、シリコーンゴム
(弾性率:1.5×10 7dyn/cm2)31.6容量
%、PTFE2.4容量%を混合し、60℃の温度下で
混練し、この混練物をカレンダー成型して、厚さ420
μm、密度5.60g/cm3の実質的に空隙のないシ
ートを得た。なお、このシートにおけるPT:PTFE
=96.5:3.5(容量比率)であり、シリコーンゴ
ム:PTFE=92.9:7.1(容量比率)であっ
た。このシートを150〜180℃の温度で5時間乾燥
させた後、シート表面にアルミニウムを蒸着した。次い
で、このシートに30℃のシリコーンオイル中で、81
KV/cmの電圧を30分間かけて分極処理を行い複合
圧電体を得た。
【0022】実施例6 シートの厚さを1016μmとしたこと以外は、実施例
5と同様にして複合圧電体を得た。
【0023】上記実施例1〜6の複合圧電体について図
3に示す装置により落球試験を行った。この落球試験
は、図3に示すように、テーブル41上に複合圧電体4
2を載置し、圧電体42縁部にオシロスコープ43の端
子を接続する。又、複合圧電体42上には筒状の高さ1
0cm、重さ1.5kgのおもり44を置き、このおも
り44の筒上端より綱球45(11.27g)を落下さ
せる。そして、このときの発生電圧をオシロスコープに
よって読み取るというものである。この試験結果を図4
(実施例1)、図5(実施例2)、図6(実施例3)、
図7(実施例4)、図8(実施例5)、図9(実施例
6)に示す。図4〜9から明らかなように、各実施例の
オシロ波形にはピーク後の残存波が小さく、短時間に消
失している。これは実施例1〜6の複合圧電体が該圧電
体に加えられた落球による振動を素早く収束させる能力
を有していることを示すものであり、実施例1〜6の複
合圧電体がいずれも受波特性に優れたものであることを
示している。
【0024】実施例1〜6の複合圧電体にあっては、受
波特性に優れているだけではなく、フレキシブル性がよ
く、機械的強度に優れ容易に破損しないことも明かとな
った。又、実施例1〜6について静電容量、比誘電率、
落球試験時における発生電圧について得られた測定結果
を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】実施例7〜9 シート中のシリコーンゴムのPTFEの容量%を各々、
33.8容量%と0.2容量%(実施例7)、32.8
容量%と1.2容量%(実施例8)、28容量%と6容
量%(実施例9)としたこと以外は実施例5と同様にし
て複合圧電体を得た。なお、各実施例におけるシリコー
ンゴムとPTFEの容量比率は、99.4:0.6(実
施例7)、96.5:3.5(実施例8)、92.9:
7.1(実施例5)、82.4:17.6(実施例9)
であった。実施例7〜9及び実施例5の複合圧電体のゴ
ムの弾性的な伸びの長さと、圧電体内に発生する空隙を
以下の方法によって調べた。
【0027】(ゴム弾性的な伸びの長さ)引張り試験機
により複合圧電体の伸び−応力曲線をひき、その内の直
線部分をゴム弾性的な伸びと仮定して、直線部分の最大
の伸びの長さを求め、図10に示すようにプロットし
た。図10から明かなように、PTFEの割合が減少す
るに従って複合圧電体がゴム弾性的な挙動をとるように
なることがわかる。
【0028】(圧電体内に発生する空隙)圧電体の重さ
と体積を測定し、次式から圧電体に占める空隙の割合を
求めたところ、実施例7〜9及び実施例5の複合圧電体
の空隙の割合はほぼ0であった。式 空隙の割合(%)
=(1−比重/真比重)×100なお、PTFEの量が
更に増えると、圧電体中に空隙の発生が見られるように
なり、PTFEの量の増加(シリコーンゴム)に伴っ
て、複合圧電体中の空隙の割合も増加する。
【0029】
【発明の効果】上記構成を備えたことにより、請求項1
記載の複合圧電体にあっては、圧電性セラミックス粉末
がPTFEと共にシート化されたエラストマーのマトリ
ックス内部に均一に分散した状態で保持されており、か
つシートがフィブリル化されたPTFEによって補強さ
れた構造となっていることから、圧電性セラミックス粉
末が高充填され圧電性が高い。又、この圧電体にあって
は、エラストマーのマトリックス内部に圧電性セラミッ
クス粉末とPTFEとが分散していることから、フレキ
シブル性に優れ、振動を良く吸収し、受波特性に優れて
いる。更に、この圧電体にあっては、エラストマーのマ
トリックス内部に分散したPTFEがフィブリル化し、
これがエラストマーのマトリックス構造を補強している
ことから、機械的強度が高く容易に破損することがな
く、取り扱い性に優れている。
【0030】請求項2記載の複合圧電体にあっては、エ
ラストマーとPTFEとの容積比率が99.5:0.5
〜80:20の割合となっていることから、振動の吸収
性が良く、リンギング現象を生じ難く、受波特性に優
れ、しかも機械的強度と形態安定性に優れている。
【0031】請求項3記載の複合圧電体にあっては、エ
ラストマーの硬度が1×105〜1×108dyn/cm
2あることから、振動を良く吸収しリンギング現象を生
じ難く、受波特性に優れている。
【0032】請求項4記載の複合圧電体にあっては、エ
ラストマーとPTFEとの複合圧電体に対する容積比率
の和が圧電性セラミックス粉末の最密充填率を100%
から引いた値と同一、若しくは近似していることから、
複合圧電体内部に実質的に空隙がないため、分極処理時
に電圧破壊などが起こる心配がなく、機械的強度並びに
フレキシブル性が保たれていると共に、従来の複合圧電
体に比べより多くの圧電性セラミックス粉末が充填され
ており、優れた圧電性を有している。
【0033】請求項5記載の複合圧電体の製造方法にあ
っては、圧電性セラミックス粉末とPTFEとエラスト
マーとを混合し、この混合物を混練及び圧延処理する方
法を採ったことにより、従来の複合圧電体に比べてエラ
ストマーを多くすることができ、形態安定性に優れフレ
キシブル性がよく、リンギング現象を生じ難く音波の受
波特性に優れた複合圧電体を得ることができる。又、こ
の方法によれば、圧電性セラミックス粉末を高充填する
ことができ、優れた圧電性を有する複合圧電体を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合圧電体の構造を模式的に示した拡
大図である。
【図2】本発明の複合圧電体の構造を示した拡大断面図
である。
【図3】落球試験装置を模式的に示した正面図である。
【図4】実施例1の複合圧電体について落球試験をした
ときの発生電圧のオシロ波形を示したグラフである。
【図5】実施例2の複合圧電体について落球試験をした
ときの発生電圧のオシロ波形を示したグラフである。
【図6】実施例3の複合圧電体について落球試験をした
ときの発生電圧のオシロ波形を示したグラフである。
【図7】実施例4の複合圧電体について落球試験をした
ときの発生電圧のオシロ波形を示したグラフである。
【図8】実施例5の複合圧電体について落球試験をした
ときの発生電圧のオシロ波形を示したグラフである。
【図9】実施例6の複合圧電体について落球試験をした
ときの発生電圧のオシロ波形を示したグラフである。
【図10】本発明の複合圧電体について、PTFEの量
とゴム弾性的なのびとの関係をプロットしたグラフであ
る。
【図11】従来の複合圧電体の構造を示した拡大断面図
である。
【図12】従来の別の複合圧電体の構造を示した拡大断
面図である。
【符号の説明】
31 PTFE 32 圧電性セラミックス粉末 33 エラストマー 34 電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 41/26

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電性セラミックス粉末とポリテトラフ
    ルオロエチレンとエラストマーとからなり分極処理が施
    された複合圧電体であって、前記圧電性セラミックス粉
    末及びポリテトラフルオロエチレンがシート化されたエ
    ラストマーのマトリックス内部に分散しており、かつマ
    トリックスがフィブリル化されたポリテトラフルオロエ
    チレンによって補強されていることを特徴とする複合圧
    電体。
  2. 【請求項2】 前記エラストマーとポリテトラフルオロ
    エチレンとの容積比率が99.5:0.5〜80:20
    であることを特徴とする請求項1記載の複合圧電体。
  3. 【請求項3】 前記エラストマーの弾性率が1×105
    〜1×108dyn/cm2であることを特徴とする請求
    項1又は2記載の複合圧電体。
  4. 【請求項4】 前記エラストマーとポリテトラフルオロ
    エチレンとの複合圧電体に対する容積比率の和が圧電性
    セラミックス粉末の最密充填率を100%から引いた値
    と同一、若しくは近似していることを特徴とする請求項
    1、2又は3記載の複合圧電体。
  5. 【請求項5】 圧電性セラミックス粉末とポリテトラフ
    ルオロエチレンとエラストマーとを、圧電性セラミック
    ス粉末とポリテトラフルオロエチレンとの容積比率が9
    9.75:0.25〜94:6であり、ポリテトラフル
    オロエチレンとエラストマーとの容積比率が0.5:9
    9.5〜20:80であるように混合し、次いで、この
    混合物を混練及び圧延処理することによりシート化し、
    かつポリテトラフルオロエチレンをフィブリル化し、こ
    の後、このシートに分極処理を施すことを特徴とする複
    合圧電体の製造方法。
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Cited By (9)

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