JP2007199357A - 電磁誘導加熱方式の定着装置およびそれを備えた画像形成装置 - Google Patents

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友伸 田村
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明洋 林
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優太 橘
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Abstract

【課題】商用電源の電圧が切り替えられた場合であっても、電力−熱変換効率を損なうことなく、また、電磁誘導コイルを作り分けることなく、定着部材を同じレベルで加熱できる定着装置を提供すること。
【解決手段】定着部材1を電磁誘導によって直接又は間接に加熱する電磁誘導コイル3を備える。電磁誘導コイル3をなす部分コイル31,32,33同士を互いに直列または並列に切り替えて接続するための切り替えスイッチ部60を備える。可変される静電容量をもつキャパシタと電磁誘導コイル3とが共振回路をつくる。電源12と電磁誘導コイル3との間に介挿され、制御信号に基づいて電磁誘導コイル3に交番電流を供給するインバータ回路11を備える。共振回路の共振周波数を実質的に維持するように、キャパシタの静電容量を可変して設定する。
【選択図】図3

Description

この発明は電磁誘導加熱方式の定着装置およびそれを備えた画像形成装置に関する。
近年、紙などのシートにトナーを定着させる定着装置としては、ウォームアップ時間の短縮や省エネルギなどの要望から、急速加熱、高効率加熱が可能な電磁誘導加熱方式のものが注目されている。一般的な電磁誘導加熱方式の定着装置は、電磁誘導コイルによって加熱される定着部材(ローラやベルトなど)と別の加圧部材(ローラなど)とを互いに圧接してニップを形成し、そのニップを通してトナーが付着されたシートを搬送することによって、上記トナーをシートに定着させるようになっている。なお、上記定着部材は、電磁誘導コイルによる電磁誘導を直接受けて渦電流によって加熱される場合(これを直接加熱方式と呼ぶ。)と、電磁誘導コイルによる電磁誘導を受けて渦電流によって発熱する別の発熱部材を介して間接的に加熱される場合(これを間接加熱方式と呼ぶ。)とがある。
電磁誘導コイルに対する通電は、上記電磁誘導コイルとキャパシタとで共振回路を構成し、商用電源からインバータ回路を介して上記共振回路へ高周波の交番電流(通常は、上記共振回路の共振周波数近傍の周波数をもつもの)を供給することによって行われている。電磁誘導コイルに流れる電流量によって上記定着部材の発熱量が定まる。
特開平9−80951号公報 特開平9−106207号公報 特開2003−297542号公報
ところで、上記商用電源の電圧(公称値)としては、定着装置やそれを備えた画像形成装置が使用される地域に応じて、100V系と200V系との2種類が用いられる。商用電源の電圧が100V系と200V系との間で切り替えられた場合、従来の電磁誘導加熱方式の定着装置では、上記定着部材の発熱量を目標レベルに維持するために、上記インバータ回路によって上記交番電流の周波数を可変して、上記電磁誘導コイルに対する供給電力を制御している。
しかしながら、電磁誘導加熱方式では、上記電磁誘導コイルに印加される交番電流の周波数が上記共振回路の共振周波数近傍に設定されたときに、電力−熱変換効率が高くなるように設定されている。上記インバータ回路によって単に上記交番電流の周波数を上記商用電源の電圧に応じて切り替えた場合、電力−熱変換効率が損なわれるという問題がある。
また、定着装置の製造段階で、商用電源の電圧系に応じた複数種類の電磁誘導コイルを用意することは、それらの電磁誘導コイルは形状や特性が互いに異なるため、不便である。
そこで、この発明の課題は、商用電源の電圧が切り替えられた場合であっても、電力−熱変換効率を損なうことなく、また、電磁誘導コイルを作り分けることなく、定着部材を同じレベルで加熱できる定着装置を提供することにある。
また、この発明の課題は、そのような定着装置を備えた画像形成装置を提供することにある。
なお、電磁誘導加熱方式の定着装置としては、特許文献1(特開平9−80951号公報)に示されるように、コイルの騒音に対して、コイルを並列接続することで共振周波数を可聴領域からずらすもの、特許文献2(特開平9−106207号公報)や特許文献3(特開2003−297542号公報)に示されるように、複数のコイルを利用して発熱体の熱分布を均一にするものが提案されている。しかしながら、これらの文献に記載の定着装置は、商用電源の電圧系が切り替えられた場合に対応するものではない。
上記課題を解決するため、この発明の定着装置は、
シートを通すニップを形成するように互いに圧接された定着部材および加圧部材と、
複数の部分コイルを含み、上記定着部材を電磁誘導によって直接又は間接に加熱する電磁誘導コイルと、
可変される静電容量をもち、共振回路をつくるように上記電磁誘導コイルに接続されたキャパシタと、
電源と上記電磁誘導コイルとの間に介挿され、制御信号に基づいて上記電磁誘導コイルに交番電流を供給するインバータ回路と
を備え、
上記電磁誘導コイルをなす部分コイル同士を互いに直列または並列に切り替えて接続するための切り替えスイッチ部と、
上記電磁誘導コイルをなす部分コイル同士の接続が切り替えられたときに、上記共振回路の共振周波数を実質的に維持するように、上記キャパシタの静電容量を可変して設定する容量設定部を備えたことを特徴とする。
なお、電磁誘導によって「直接」に加熱するとは、上記定着部材が電磁誘導コイルによる電磁誘導を直接受けて渦電流によって加熱される場合を指す。また、電磁誘導によって「間接」に加熱するとは、電磁誘導コイルによる電磁誘導を受けて渦電流によって発熱する別の発熱部材を介して上記定着部材が間接的に加熱される場合を指す。
この発明の定着装置では、上記部分コイル同士を上記切り替えスイッチ部によって互いに並列に接続することによって、電磁誘導コイル全体としての誘導リアクタンスを小さい値に設定できる。一方、上記部分コイル同士を上記切り替えスイッチ部によって互いに並列に接続することによって、電磁誘導コイル全体としての誘導リアクタンスを大きい値に設定できる。したがって、商用電源の電圧が例えば100V系と200V系との間で切り替えられた場合であっても、商用電源の電圧に応じて上記電磁誘導コイルの誘導リアクタンスを最適な値、つまり、上記交番電流のレベルを略維持できる値に設定できる。また、容量設定部は、上記電磁誘導コイルをなす部分コイル同士の接続が切り替えられたときに、上記共振回路の共振周波数を実質的に維持するように、上記キャパシタの静電容量を可変して設定する。したがって、上記共振回路の共振周波数が維持される。この結果、上記インバータ回路によって上記交番電流のレベルを略同じに維持しながら、上記電磁誘導コイルへ電力を供給できる。したがって、電力−熱変換効率を損なうことなく、定着部材を同じレベルで加熱できる。この結果、安定した定着を行うことができる。
一実施形態の定着装置では、
上記電源の電圧を検出する電圧系検出部を備え、
上記切り替えスイッチ部は、上記電磁誘導コイル全体としての誘導リアクタンスが上記電圧系検出部の検出結果に応じた値になるように、上記電磁誘導コイルをなす部分コイル同士の接続を切り替えるようになっていることを特徴とする。
この一実施形態の定着装置では、商用電源の電圧に応じて、電磁誘導コイル全体としての誘導リアクタンスを自動的に切り替えることができる。したがって、誤接続を防止できる。
一実施形態の定着装置では、上記複数の部分コイルは互いに同じ構成をもつことを特徴とする。
この一実施形態の定着装置では、上記複数の部分コイルは互いに同じ構成をもつので、定着装置の製造段階で、同じ部分コイルを用意すれば足り、商用電源の電圧に応じた複数種類のコイルを用意する必要はない。したがって、定着装置の製造が容易になる。
また、例えば上記部分コイルの数が2個であり、部分コイル同士の相互誘導を無視した場合、1つの部分コイルの誘導リアクタンスをLとしたとき、部分コイル同士が並列接続されたときの電磁誘導コイル全体としての誘導リアクタンスはL/2となり、部分コイル同士が直列接続されたときの電磁誘導コイル全体としての誘導リアクタンスは2Lとなる。つまり、並列接続されたときの誘導リアクタンスに比して、直列接続されたときの誘導リアクタンスが4倍になる。したがって、商用電源の電圧が例えば100V系と200V系との間で切り替えられた場合に、上記インバータ回路によって上記交番電流のレベルを略同じに維持しながら、上記電磁誘導コイルへ電力を供給できる。
一実施形態の定着装置では、
上記定着部材は円筒状ローラまたは無端ベルトの形態を有し、
上記複数の部分コイルは上記定着部材の周方向に沿って並べて配置されていることを特徴とする。
この一実施形態の定着装置では、上記複数の部分コイルは上記定着部材の周方向に沿って並べて配置されているので、上記電磁誘導コイルをなす部分コイル同士の接続が切り替えられたとしても、上記定着部材と加圧部材とが作るニップを通るシートの幅方向に関して、上記定着部材の発熱分布が損なわれることがない。
一実施形態の定着装置は、
上記定着部材の温度を検出する温度検出部と、
上記温度検出部からの検出信号に基づいて、上記定着部材の温度が目標温度になるように、上記インバータ回路に上記制御信号を与える電力制御部と
を備えたことを特徴とする。
この一実施形態の定着装置では、温度検出部が定着部材の温度を検出する。そして、電力制御部が、上記温度検出部からの検出信号に基づいて、上記定着部材の温度が目標温度になるように、制御信号を与えて上記インバータ回路を制御する。これにより、上記定着部材の温度が目標温度になるように、精度良く制御される。
この発明の画像形成装置は、シートにトナーを付着させる画像形成部と、上記発明の定着装置とを備えたことを特徴とする画像形成装置である。
この発明の画像形成装置では、画像形成部がシートにトナーを付着させ、上記発明の定着装置が上記シートに上記トナーを定着させる。既述のように、商用電源の電圧が切り替えられた場合であっても、定着装置が安定して定着を行うことができる。その結果、上記画像形成装置では、画像品質を向上できる。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態の定着装置の機構部分を示している。この定着装置の機構部分は、定着部材としての定着ローラ1と、加圧部材としての加圧ローラ2と、電磁誘導コイル3と、温度検出部としての温度検出センサ4とを備えている。これらの部品1,2,3,4は、この定着装置の本体としての図示しないフレームに位置決めして取り付けられている。
定着ローラ1と加圧ローラ2とは、紙などのシート6を通すニップ5を形成するように、図示しないバネなどの付勢手段によって互いに圧接されている。
上記各部品1,2,3,4が上記フレームに取り付けられた状態で、定着ローラ1は図示しない駆動源(モータなど)によって矢印a方向(図1において反時計回り)に回転され、それに従動して、加圧ローラ2は矢印b方向(図1において時計回り)に回転される。定着動作時には、片面6aにトナー9が付着されたシート6が図1においてニップ5を通して下方から上方へ搬送される。これにより、トナー9がシート6に定着される。
定着ローラ1は、例えば鉄製の芯金上に、厚さ5mmのSi(シリコン)スポンジゴム層と、発熱層としての厚さ50μmのNi(ニッケル)とCr(クロム)からなる合金層と、厚さ1mmのSiゴム層と、厚さ20μmのPFA(テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)からなる表層とを設けて構成されている。また、加圧ローラ2は、鉄製の芯金上に、厚さ5mmのSi発泡ゴム層と、厚さ30μmのPFA表層とを設けて構成されている。
電磁誘導コイル3は、定着ローラ1の外周面に沿って配置され、定着ローラ1が含むNiCr合金層を電磁誘導によって直接加熱するようになっている。電磁誘導コイル3は、層を成すように複数回巻回された導線からなり、その層が図示しないフェライトコアとホルダに支持されている。この例では、電磁誘導コイル3は、概略、上記定着ローラ1の外周面に沿うように湾曲されて配置されている(詳しくは後述する。)。これにより、電磁誘導コイル3が作る磁束は、上記フェライトコアと上記定着ローラ1のNiCr合金層とが作る磁気回路を通るようになっている。
温度検出センサ4は、定着ローラ1の外周面に対向して配置され、公知の赤外線方式で定着ローラ1の表面温度を検出するようになっている。
図2は、図1の機構部分を制御するための本発明の基礎となる制御系のブロック構成を示している。なお、図2では、簡単のため、加圧ローラ2の図示が省略されている(後述する図3、図5でも同様。)。
この図2に示すように、商用電源12と電磁誘導コイル3との間に、インバータ回路11が介挿されている。インバータ回路11は、商用電源12から商用電力供給路13を通して入力される商用電力を高周波の交番電力に変換して、得られた高周波電力を、高周波電力供給路14を通して電磁誘導コイル3へ出力する。これにより、交番電流が電磁誘導コイル3に供給され、電磁誘導コイル3が励磁される。
インバータ回路11は、電磁誘導コイル3と共振回路を作る図示しないキャパシタを含んでいる。その共振回路の共振周波数f(単位;Hz)は、それぞれ電磁誘導コイル3の誘導リアクタンスをL、上記キャパシタの静電容量をCとしたとき、次式(1)で与えられる。
=1/(2π(LC)1/2) …(1)
電力制御部としての定着制御回路21が、温度検出センサ4からの検出信号に基づいて、インバータ回路11に電力指示値を含む制御信号を与える。電力指示値は、インバータ回路11が出力すべき電力値を表す。これにより、定着ローラ1、温度検出センサ4、定着制御回路21、インバータ回路11、定着ローラ1というループが構成され、定着ローラ1の表面温度が目標温度になるようにフィードバック制御が行われる。
定着制御回路21は、インバータ回路11によって電磁誘導コイル3に印加される交番電流の周波数fを上記共振回路の共振周波数f近傍に設定して、電力−熱変換効率が高くなるように制御する。
上述のような定着制御回路21は、例えばCPU(中央演算処理装置)によって構成される。なお、この定着制御回路21は、定着装置のみを制御する回路であっても良いし、上位の全体装置、例えば画像形成装置の全体を制御する回路の一部であっても良い。
上述の定着制御回路21は、具体的には図6のフローに示すように、定着ローラ1の表面温度が目標温度よりも高いか否かを判断して(S1)、定着ローラ1の表面温度が目標温度よりも低い場合(S1でNO)は電力指示値を増加する(S2)。これにより、インバータ回路11から電磁誘導コイル3へ出力される電力値が増加して、定着ローラ1の表面温度が上昇する。一方、定着ローラ1の表面温度が目標温度よりも高い場合(S1でYES)は電力指示値を削減する(S3)。これにより、インバータ回路11から電磁誘導コイル3へ出力される電力値が低下して、定着ローラ1の表面温度が低下する。
なお、目標温度よりも高い側、低い側に、それぞれ異なる温度を表す複数の閾値温度を設定し、それらの閾値温度と目標温度との差に応じて電力指示値の増減量を可変して設定しても良い。例えば、定着ローラ1の表面温度が目標温度よりも低い側で目標温度から遠い閾値を下回っていれば、電力指示値の増加量を大きく設定する。また、定着ローラ1の表面温度が目標温度よりも低い側で目標温度から近い閾値付近にあれば、電力指示値の増加量を小さく設定する。逆に、定着ローラ1の表面温度が目標温度よりも高い側で目標温度から遠い閾値を上回っていれば、電力指示値の削減量を大きく設定する。また、定着ローラ1の表面温度が目標温度よりも高い側で目標温度から近い閾値付近にあれば、電力指示値の削減量を小さく設定する。これにより、定着ローラ1の表面温度を目標温度に速やかに近づけるとともに、定着ローラ1の表面温度が目標温度に近いときは安定した温度制御を行うことができる。
図3は、図1中に示した電磁誘導コイル3の具体的な構成と、この電磁誘導コイル3に交番電流を供給するための一実施形態の制御系のブロック構成を示している。
この電磁誘導コイル3は、電磁誘導コイル3は、互いに同じ構成をもつ3個の部分コイル31,32,33を含んでいる。これらの部分コイルは、第1部分コイル31、第3部分コイル33、第2部分コイル32の順で、定着ローラ1の周方向に沿って並べて配置されている。各部分コイル31,32,33は、それぞれ層(図示せず)を成すように、かつ定着ローラ1の軸方向に沿って長い長円状に複数回巻回された導線からなり、その層が図示しないフェライトコアとホルダ30に支持されている。各部分コイル31,32,33は、定着ローラ1の外周面に対向するとともに、定着ローラ1の外周面に沿って湾曲されている。
なお、各部分コイル31,32,33をなす導線は、実際は、通電効率を高めるために素線(直径0.18mm〜0.20mm程度の銅線であってエナメルで絶縁被覆されたもの)を百数十本程度束ねて形成された直径数mm程度の公知の撚り線である。これにより、高周波インバータ4から駆動周波数10kHz〜100kHz、電力100W〜2000Wの電力を受けることができる。
さて、上記商用電源12の電圧(公称値)としては、定着装置やそれを備えた画像形成装置が使用される地域に応じて、100V系と200V系との2種類が用いられる。電圧をV、電磁誘導コイル3の誘導リアクタンスをL、交番電流の角速度をω(=2πf;fは周波数)とした場合、電磁誘導コイル3に供給される電力Pは、
P=V×V/ωL …(2)
と表される。この式(2)から分かるように、100V系と200V系とで、インバータ回路11による交番電流の周波数fを略同じに維持しながら、電磁誘導コイル3へ同じ電力を供給するためには、100V使用時の誘導リアクタンスに比して、200V使用時の誘導リアクタンスが4倍であることが必要となる。
そこで、図3中の制御系は、図2中に示した構成要素に加えて、切り替えスイッチ部としてのスイッチユニット60を備えている。このスイッチユニット60は、この例では電源12の電圧に応じて手動によって切り替えられて、部分コイル同士を互いに直列または並列に切り替えて接続するようになっている。そして、電磁誘導コイル3は、全体として、2本の配線(これが高周波電力供給路14を構成する。)を介してインバータ回路11に接続される。
例えば図4は、スイッチユニット60に含まれた、第1部分コイル31と第2部分コイル32とを互いに直列又は並列に切り替えて接続する切替回路61の構成を示している。この切替回路61は、互いに連動して切り替えられる2個の1回路2接点スイッチ62,63を有している。各スイッチ62,63において、共通端子Aと一方の接点Bとが導通されているときは、第1部分コイル31と第2部分コイル32とは互いに直列に接続される。各スイッチ62,63において、共通端子Aと他方の接点Cとが導通されているときは、第1部分コイル31と第2部分コイル32とは互いに並列に接続される。
次の表1は、電源12の電圧に応じた部分コイル同士の接続の仕方を示している。具体的には、電源12の電圧が100Vであるときは、第1部分コイル31と第2部分コイル32とを互いに並列に接続し、第3部分コイル33の両端を短絡する。電源12の電圧が120Vであるときは、第1部分コイル31と第2部分コイル32とを互いに並列に接続し、第3部分コイル33の両端を開放する。電源12の電圧が100Vであるときは、第1部分コイル31と第2部分コイル32とを互いに直列に接続し、第3部分コイル33の両端を短絡する。電源12の電圧が220Vであるときは、第1部分コイル31と第2部分コイル32とを互いに直列に接続し、第3部分コイル33の両端を開放する。
Figure 2007199357
部分コイル31,32同士の相互誘導を無視した場合、1つの部分コイルの誘導リアクタンス(自己インダクタンス)をLとしたとき、部分コイル31,32が並列接続されたときの電磁誘導コイル3全体としての誘導リアクタンスはL/2となり、部分コイル31,32が直列接続されたときの電磁誘導コイル3全体としての誘導リアクタンスは2Lとなる。つまり、並列接続されたときの誘導リアクタンスに比して、直列接続されたときの誘導リアクタンスが4倍になる。したがって、式(2)に基づいて、商用電源12の電圧が100V系であるときは、部分コイル31,32を並列接続した状態で用い、商用電源12の電圧が200V系であるときは、部分コイル31,32を直列接続した状態で用いる。
また、スイッチユニット60によって電磁誘導コイル3をなす部分コイル31,32,33同士の接続が切り替えられたときに、この例では定着制御回路21が容量設定部として働いて、上記式(1)に示した共振回路の共振周波数fを実質的に維持するように、インバータ回路11に含まれたキャパシタの静電容量Cを可変して設定する(なお、可変容量キャパシタを連続的に可変しても良いし、複数のキャパシタを段階的に並列に接続しても良い。)。
このようにして、この定着装置では、商用電源12の電圧が例えば100V系と200V系との間で切り替えられた場合に、上記共振回路を構成するL値とC値とを適切に設定することができる。したがって、上記インバータ回路11によって交番電流のレベルを略同じに維持しながら、電磁誘導コイル3へ電力を供給できる。したがって、安定した定着を行うことができる。
なお、表1における第3部分コイル33の両端を短絡または開放することは、この第3部分コイル33を介して、第1部分コイル31と第2部分コイル32との間の相互誘導を修正する要素として働く。この結果、商用電源12の電圧が100Vと120Vとの間、または200Vと230Vとの間で切り替えられたときに、上記インバータ回路11によって交番電流のレベルを略同じに維持できるように、電磁誘導コイル3全体としての誘導リアクタンスを若干修正することができる。
また、部分コイル31,32,33は互いに同じ構成をもつので、定着装置の製造段階で、同じ部分コイルを用意すれば足り、商用電源12の電圧に応じた複数種類のコイルを用意する必要はない。したがって、定着装置の製造が容易になる。
また、部分コイル31,32,33は定着ローラ1の周方向に沿って並べて配置されているので、スイッチユニット60によって部分コイル31,32,33同士の接続が切り替えられたとしても、定着ローラ1の軸方向、つまりニップ5を通るシート6の幅方向(図1の紙面に垂直な方向)に関して、定着ローラ1の発熱分布が損なわれることがない。
図5は、図3中に示した制御系の変形例を示している。この変形例では、商用電源12の電圧を検出する電圧系検出部としての電源電圧検出回路41を備えている。そして、定着制御回路21がこの電源電圧検出回路41の検出結果を表す信号を受けて、この信号に基づいて、電磁誘導コイル3全体としての誘導リアクタンスが電源電圧検出回路41の検出結果(つまり、商用電源12の電圧)に応じた値になるように、切り替えスイッチ部としてのスイッチユニット60Aへ切り替え制御信号を出力する。スイッチユニット60Aは、その切り替え制御信号に応じて、部分コイル31,32,33同士の接続を切り替える。このようにした場合、商用電源12の電圧に応じて、電磁誘導コイル3全体としての誘導リアクタンスを自動的に切り替えることができる。したがって、部分コイル31,32,33同士誤接続を防止できる。
図7は、図5の制御系によるこの定着装置の起動時における制御フローを示している。
この図7の制御フローでは、定着制御回路21は、まず必要な初期設定を行う(S91)。続いて、定着制御回路21は、電源電圧検出回路41からの検出結果を表す信号を受けて、商用電源12の電圧を認識する。そして、定着制御回路21は、電磁誘導コイル3全体としての誘導リアクタンス(L値)が商用電源12の電圧に応じた値になるように、スイッチユニット60Aへ切り替え制御信号を出力してL値を設定する。それとともに、定着制御回路21は、インバータ回路11に制御信号を出力して、上記共振回路の共振周波数fを実質的に維持するように、インバータ回路11に含まれたキャパシタの静電容量(C値)を可変して設定する(S93)。その後、図6に示した温調制御を行う(S94)。
この制御フローは、この定着装置やそれを備えた画像形成装置の通常の起動時だけでなく、保守点検のためのサービスモードが選択された時に実行しても良い。また、電源電圧検出回路41は起動の度に電圧検出をせず、一度検出した電源電圧を所定の記憶部に記憶して、初期設定時に記憶部から読み出すようにしても良い。
なお、以上の例では、電磁誘導コイル3は定着ローラ1の外側に配置されている場合について説明したが、当然ながら、これに限られるものではない。図8に示すように、この発明は、電磁誘導コイル(3Iで表す)を定着ローラ1の内側に配置した場合にも、同様に適用される。
この発明の定着装置は、電子写真プロセスによってシートにトナーを付着させるような画像形成装置の構成要素として好適に用いられる。つまり、画像形成装置が備える画像形成部が電子写真プロセスによってシートにトナーを付着させ、この発明の定着装置がシートにトナーを定着させる。既述のように、商用電源の電圧が切り替えられた場合であっても、定着装置が安定して定着を行うことができる。その結果、上記画像形成装置では、画像品質を向上できる。
この発明の一実施形態の定着装置の機構部分の構成を示す図である。 図1の機構部分を制御するための本発明の基礎となる制御系のブロック構成を示す図である。 図1中に示した電磁誘導コイルの構成と、この電磁誘導コイルに交番電流を供給するための一実施形態の制御系のブロック構成を示す図である。 図3中に示したスイッチユニットの構成を示す図である。 図3中に示した制御系の変形例を示す図である。 定着ローラの表面温度を制御する一般的な制御フローを示す図である。 図5に示した制御系による起動時の制御フローを示す図である。 図1に示した機構部分の変形例を示す図である。
符号の説明
1 定着ローラ
3,3I 電磁誘導コイル
31,32,33 部分コイル
60,60A スイッチユニット

Claims (6)

  1. シートを通すニップを形成するように互いに圧接された定着部材および加圧部材と、
    複数の部分コイルを含み、上記定着部材を電磁誘導によって直接又は間接に加熱する電磁誘導コイルと、
    可変される静電容量をもち、共振回路をつくるように上記電磁誘導コイルに接続されたキャパシタと、
    電源と上記電磁誘導コイルとの間に介挿され、制御信号に基づいて上記電磁誘導コイルに交番電流を供給するインバータ回路と
    を備え、
    上記電磁誘導コイルをなす部分コイル同士を互いに直列または並列に切り替えて接続するための切り替えスイッチ部と、
    上記電磁誘導コイルをなす部分コイル同士の接続が切り替えられたときに、上記共振回路の共振周波数を実質的に維持するように、上記キャパシタの静電容量を可変して設定する容量設定部を備えたことを特徴とする定着装置。
  2. 請求項1に記載の定着装置において、
    上記電源の電圧を検出する電圧系検出部を備え、
    上記切り替えスイッチ部は、上記電磁誘導コイル全体としての誘導リアクタンスが上記電圧系検出部の検出結果に応じた値になるように、上記電磁誘導コイルをなす部分コイル同士の接続を切り替えるようになっていることを特徴とする定着装置。
  3. 請求項1に記載の定着装置において、
    上記複数の部分コイルは互いに同じ構成をもつことを特徴とする定着装置。
  4. 請求項1に記載の定着装置において、
    上記定着部材は円筒状ローラまたは無端ベルトの形態を有し、
    上記複数の部分コイルは上記定着部材の周方向に沿って並べて配置されていることを特徴とする定着装置。
  5. 請求項1に記載の定着装置において、
    上記定着部材の温度を検出する温度検出部と、
    上記温度検出部からの検出信号に基づいて、上記定着部材の温度が目標温度になるように、上記インバータ回路に上記制御信号を与える電力制御部と
    を備えたことを特徴とする定着装置。
  6. シートにトナーを付着させる画像形成部と、
    請求項1に記載の定着装置と
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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