JP2018066807A - 定着装置、及びその定着装置を備える画像形成装置 - Google Patents

定着装置、及びその定着装置を備える画像形成装置 Download PDF

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Tetsuya Yamamoto
哲也 山本
雅俊 伊藤
Masatoshi Ito
雅俊 伊藤
枝里子 小田切
Eriko Odagiri
枝里子 小田切
林崎 実
Minoru Hayashizaki
実 林崎
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Abstract

【課題】導電性を有する回転体に発生した破損の検知に優れる定着装置を提供すること。【解決手段】励磁コイル3に交番電流を流し磁性芯材2に交番磁束を発生させて筒状の回転体1を電磁誘導加熱させる定着装置において、前記励磁コイルの外部で前記回転体の軸方向に沿って前記磁性芯材の周回方向に巻かれた第1の誘導電流検出コイル5A,5B,5C,5Dと、前記磁性芯材の前記回転体の軸方向の中央に対して前記第1の誘導電流検出コイルと対称に前記励磁コイルの外部で前記回転体の軸方向に沿って前記磁性芯材の周回方向に巻かれた第2の誘導電流検出コイル5A´,5B´,5C´,5D´と、を有し、前記交番電流を流したときに前記第1の誘導電流検出コイルと前記第2の誘導電流検出コイルに誘導される誘導電流の電流値の差に基づいて前記回転体の破損状態を判断することを特徴とする。【選択図】図4

Description

本発明は、電子写真複写機、電子写真プリンタなどの画像形成装置に搭載する電磁誘導加熱方式の定着装置、及びその定着装置を備える画像形成装置に関する。
電子写真方式の複写機やプリンタなどの画像形成装置に搭載する定着装置として、加圧ローラと共にニップ部を形成する導電性の筒状のフィルムを直接発熱させる電磁誘導加熱方式の定着装置が知られている。特許文献1にはこのタイプの定着装置が開示されている。未定着のトナー画像を担持する記録材はニップ部で搬送されつつ加熱され、これによってトナー画像は記録材上に定着される。
特許文献1は、発熱層を周回移動方向の全周にわたって設けた筒状のフィルムの内部に励磁コイルを巻き回した磁性コアを設置し、その励磁コイルに交番電流を流し磁性コア内に交番磁束を発生させて発熱層を発熱させる定着装置を開示している。この定着装置は、発熱層の厚みや、発熱層の材質の制約が小さく、発熱層を高効率で発熱させることができるというメリットがある。
特開2014−26267号公報
上記のような電磁誘導加熱方式の定着装置においては、フィルムの周回方向に流れる電流の電流経路を阻害するような破損がフィルムに発生した場合に、その破損を検知することが求められている。
本発明の目的は、導電性を有する筒状の回転体に発生した破損の検知に優れる定着装置、及びその定着装置を備える画像形成装置を提供することにある。
(1)上記の目的を達成するために、本発明に係る定着装置は、
記録材に形成された画像を記録材に定着する定着装置であり、
導電性を有する筒状の回転体と、
前記回転体の内部に設置され前記回転体の軸方向に開磁路を形成する磁性芯材と、
前記回転体の軸方向に沿って前記磁性芯材に巻き回された励磁コイルと、
を有し、前記励磁コイルに交番電流を流し前記磁性芯材に交番磁束を発生させて前記回転体を電磁誘導加熱させる定着装置において、
前記励磁コイルの外部で前記回転体の軸方向に沿って前記磁性芯材の周回方向に巻かれた第1の誘導電流検出コイルと、前記磁性芯材の前記回転体の軸方向の中央に対して前記第1の誘導電流検出コイルと対称に前記励磁コイルの外部で前記回転体の軸方向に沿って前記磁性芯材の周回方向に巻かれた第2の誘導電流検出コイルと、を有し、前記交番電流を流したときに前記第1の誘導電流検出コイルと前記第2の誘導電流検出コイルに誘導される誘導電流の電流値の差に基づいて前記回転体の破損状態を判断することを特徴とする。
(2)また、本発明に係る定着装置は、
記録材に形成された画像を記録材に定着する定着装置であり、
導電性を有する筒状の回転体と、
前記回転体の内部に設置され前記回転体の軸方向に開磁路を形成する磁性芯材と、
前記回転体の軸方向に沿って前記磁性芯材に巻き回された励磁コイルと、
を有し、前記励磁コイルに交番電流を流し前記磁性芯材に交番磁束を発生させて前記回転体を電磁誘導加熱させる定着装置において、
前記励磁コイルの外部で前記回転体の軸方向に沿って前記磁性芯材に巻き回された通電コイルと、前記通電コイルの外部で前記回転体の軸方向に沿って前記磁性芯材の周回方向に巻かれた第1の誘導電流検出コイルと、前記磁性芯材の前記回転体の軸方向の中央に対して前記第1の誘導電流検出コイルと対称に前記通電コイルの外部で前記回転体の軸方向に沿って前記磁性芯材の周回方向に巻かれた第2の誘導電流検出コイルと、を有し、前記交番電流を流していない期間に前記通電コイルに前記交番電流よりは小さい検知用電流を流した際に、前記検知用電流によって前記第1の誘導電流検出コイルと前記第2の誘導電流検出コイルに誘導される誘導電流の電流値の差に基づいて前記回転体の破損状態を判断することを特徴とする。
(3)本発明に係る画像形成装置は、
記録材に画像を形成する画像形成部と、前記記録材に形成された前記画像を前記記録材に定着する定着部と、を有する画像形成装置において、
前記定着部が上記の(1)又は(2)に記載の定着装置であることを特徴とする。
本発明によれば、導電性を有する筒状の回転体に発生した破損の検知に優れる定着装置、及びその定着装置を備える画像形成装置の提供を実現できる。
画像形成装置の概略構成を示す断面図 実施例1に係る定着装置の構成を示す断面図 定着装置を記録材の搬送方向上流側から見たときの図 フィルムの電磁誘導加熱、及び検知コイルを説明するための図 高周波インバータとフィルム破損検知回路部を説明するための図 定着駆動時の検知コイルの電流波形、及び励磁コイルの電流波形を示す図 フィルム破損検知制御を示すフローチャート 実施例2に係る定着装置のフィルムの電磁誘導加熱、及び検知コイルを説明するための図 フィルム破損検知回路部を説明するための図 定着駆動時のI−V変換後の電圧波形、検知コイルの誘導電流波形、及び励磁コイルの電流波形を示す図 実施例3に係る定着装置の通電コイルの巻き方と回路接続を説明するための図 定着駆動時のI−V変換後の電圧波形、検知コイルの誘導電流波形、及び通電コイルの電流波形を示す図 通電コイルへの電流供給期間と励磁コイルへの電流供給期間を説明するための図 フィルム破損検知制御を示すフローチャート
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。本発明の好適な実施形態は、本発明における最良の実施形態の一例ではあるものの、本発明は以下の実施例により限定されるものではなく、本発明の思想の範囲内において他の種々の構成に置き換えることは可能である。
[実施例1]
<画像形成装置100>
図1を参照して、本発明に係る画像形成装置を説明する。図1は電子写真記録技術を用いた画像形成装置(本実施例ではモノクロプリンタ)100の一例の概略構成を示す断面図である。
画像形成装置100において、記録材Pにトナー画像を形成する画像形成部120は、像担持体としての感光ドラム101と、帯電部材102と、レーザスキャナ103と、を有する。更に画像形成部120は、現像器104と、感光ドラム101の外周面(表面)をクリーニングするクリーナ105と、転写部材106と、を有する。以上の画像形成部120の動作は周知であるので詳細な説明は割愛する。
31は画像形成装置100の制御部としてのコントローラであり、ROM32aやRAM32bなどのメモリ、タイマ32c等を具備したCPU(中央演算処理装置)32、及び各種入出力制御回路(不図示)等で構成されている。
装置本体100A内のカセット110に収納された記録材Pはローラ111の回転によって1枚ずつ繰り出されてローラ112に搬送される。そしてその記録材Pはローラ112の回転によって感光ドラム101と転写部材106とで形成された転写部に搬送される。転写部でトナー画像が転写された記録材Pは定着部としての定着装置Aに送られ、トナー画像は定着装置で記録材に加熱定着される。定着装置Aを出た記録材Pはローラ113の回転によってトレイ114に排出される。
<定着装置(定着部)A>
本実施例に示す定着装置Aは電磁誘導加熱方式の装置である。図2は定着装置Aの概略構成を示す断面図である。図3は定着装置Aを記録材Pの搬送方向上流側から見たときの図である。
本実施例に示す定着装置Aは、導電性を有する筒状の回転体としての筒状のフィルム1と、磁性芯材としての磁性コア2と、磁界発生手段としての励磁コイル3と、支持部材としてのガイド6と、を有する。更に定着装置Aは、加圧回転体(ニップ部形成部材)としての加圧ローラ8と、規制部材としてのフランジ12a,12bと、加圧部材としてのステイ19と、を有する。
記録材Pの搬送方向に直交する長手方向において、フィルム1の中空部(内部)には励磁コイル3が巻き回された磁性コア2、ガイド6、及びステイ19が配置されている。ステイ19はガイド6の加圧ローラ8とは反対側の平坦面に設置されている。
加圧ローラ8は、芯金8aと、芯金の外周面上にローラ状に成形被覆させた耐熱性の弾性材層8bと、弾性材層の外周面上に設けられた離型層8cと、を有する。弾性材層8bは、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴム等で耐熱性がよい材質が好ましい。
記録材Pの搬送方向に直交する長手方向において、加圧ローラ8の芯金8aの両端部は定着装置Aのフレーム(不図示)に軸受けを介して回転可能に支持されている。
また、記録材Pの搬送方向に直交する長手方向において、ステイ19の両端部とフレームのバネ受け部材18a,18bとの間にそれぞれ加圧バネ17a,17bを縮設することによってステイをフィルム1の母線方向に直交する垂直方向へ加圧している。ステイ19は、耐熱性樹脂PPS等で構成されたガイド6を加圧バネ17a,17bの加圧力によってガイド6の加圧ローラ8側の平坦面をフィルム1の内周面(内面)に加圧してフィルムの外周面(表面)を加圧ローラ8の外周面(表面)に圧接させる。
これによって加圧ローラ8の弾性材層8bが潰れて弾性変形し、加圧ローラ8表面とフィルム1表面とでニップ部Nが形成される。
加圧ローラ8はモータ(不図示)によって図2に示す矢印方向に回転駆動される。フィルム1は加圧ローラ8の回転に追従して図2に示す矢印方向に回転する。
記録材Pの搬送方向に直交する長手方向において、ガイド6の両端部に外嵌されたフランジ12a,12bは位置規制部材13a,13bによってフレームに支持固定されている。フランジ12a,12bは、フィルム1の回転時にフィルム側の規制面12a1,12b1でフィルムの端面を受けてフィルムの母線方向に沿う寄り移動を規制する。フランジ12a,12bの材質としては、LCP(Liquid Crystal Polymer:液晶ポリマー)樹脂等の耐熱性の良い材料が好ましい。
フィルム1は、直径10〜50mmの基層となる導電性部材でできた発熱層1aと、発熱層の外周面上に設けた弾性層1bと、弾性層の外周面上に設けた離型層1cと、からなる複合構造の可撓性を有する筒形回転体である。発熱層1aとして、膜厚10〜50μmの金属フィルムを用いている。弾性層1bとして、硬度が20度(JIS−A、1kg加重)、厚さ0.3mm〜0.1mmのシリコーンゴムを用いている。離型層1cとして、厚さ50μm〜10μmのフッ素樹脂チューブを用いている。
上記の発熱層1aに対し、交番磁束を作用させ、誘導電流を発生させて発熱層を発熱する。この熱が弾性層1b、離型層1cに伝達されて、フィルム1全体が加熱され、ニップ部Nを通過する記録材Pを加熱して未定着のトナー画像Tを記録材上に定着する。
次に、発熱層1aに対し、交番磁束を作用させ、誘導電流を発生させる原理と構成について詳述する。
図4は磁性コア2と励磁コイル3によるフィルム1の電磁誘導加熱を説明するための図である。
記録材Pの搬送方向に直交する長手方向において、磁性コア2は不図示の固定手段でフィルム1の中空部を貫通して配置され、フィルム1の軸方向に磁極NP,SPを有する直線状の開磁路を形成している。ここで、フィルム1の軸方向とは、記録材Pの搬送方向に直交する長手方向に平行な方向である。
磁性コア2の材質は、ヒステリシス損が小さく比透磁率の高い材料、例えば、焼成フェライト、フェライト樹脂、非晶質合金(アモルファス合金)や、パーマロイ等の高透磁率の酸化物や合金材質で構成される強磁性体が好ましい。本実施例においては、比透磁率1800の焼成フェライトを用いる。磁性コア2の形状は直径5〜30mmの円柱形状をしている。記録材Pの搬送方向に直交する長手方向において、磁性コア2の長さは240mmである。
励磁コイル3は、通常の単一導線をフィルム1の軸方向に沿って磁性コア2に螺旋状に巻き回して形成される。導線を巻き回す際、磁性コア2の開磁路端部において導線の巻間隔が密となり、中央において巻間隔が疎となるように巻かれている。長さ240mmの磁性コア2に対し、励磁コイル3は18回巻きつけてある。励磁コイル3には給電接点部3a,3bを介して高周波インバータ16が接続されている。高周波インバータ16から励磁コイル3に高周波電流(交番電流)が流れることにより、磁性コア2によって形成される磁路に交番磁束を発生させる。
以上のように構成された、電磁誘導加熱方式の定着装置Aの基本的な発熱原理はトランスと同様である。すなわち、励磁コイル3が入力側の1次側コイル(18巻き)に相当し、フィルム1が出力側の2次側コイル(1巻き)に相当する。そして、1次側コイル(励磁コイル3)に21kHz〜50kHz程度の交流電圧を印加すると、1次側コイルに電流が流れる。
これによりフィルム1を貫通する方向に発生した磁束が磁性コア2に流れ、その磁束によって2次側コイル(フィルム1)に誘導起電力が生じ、フィルムの周回方向に沿って電流が流れる。この誘導加熱が行われる系においてフィルム1の抵抗損失により発熱する原理である。
9,10,11は温度検出手段としての温度検出素子である。温度検出素子9,10,11は、記録材Pの搬送方向において、ニップ部Nの上流側にフィルム1内面に接するように配設されている。記録材Pの搬送方向に直交する長手方向において、温度検出素子9は、大サイズ記録材と小サイズ記録材が必ず通過するフィルム1中央部(通過領域)の温度を検出する。温度検出素子10,11では、大サイズ記録材が通過し小サイズ記録材が通過しないフィルム1端部(非通過領域)の昇温具合を検出することができる。
各温度検出素子9,10,11はCPU32内部の定着温度制御部44に接続されている。温度検出素子9によって検出された温度を基にエンジン制御部43はフィルム1に投入すべき電力を算出する。またエンジン制御部43は、周波数制御部45、及び電力制御部46から出力する制御信号を入力し、その制御信号に基づき周波数制御部、及び電力制御部を介して高周波電流駆動制御手段(通電駆動手段)としての高周波インバータ16を駆動する。これによりフィルム1の表面温度が所定の定着温度(目標温度)に維持・調整される。
励磁コイル3の周囲には絶縁を確保するためのコアカバー4が設けられている。そしてそのコアカバー4の周囲にフィルム1の破損状態を検知する為の誘導電流検出コイル(以降、検知コイルと記す)5A,5A´,5B,5B´,5C,5C´,5D,5D´がそれぞれ各1ターン巻きつけられている。
各検知コイル5A,5A´,5B,5B´,5C,5C´,5D,5D´の巻き位置について、図4を参照しながら説明する。
フィルム1の軸方向において、磁性コア2の左側の端部から15mmの位置に第1の誘導電流検出コイルである検知コイル5Aが巻かれている。一方、検知コイル5Aとは磁性コア2の長手中央位置に対して左右対称の位置である、右側の端部から15mmの位置に第2の誘導電流検出コイルである検知コイル5A´が巻かれている。
同様に、検知コイル5Bは検知コイル5Aから30mm距離を空けて磁性コア2の中央側に巻かれており、検知コイル5B´は磁性コア2の長手中央位置に対して検知コイル5Bとは左右対称の位置に巻かれている。検知コイル5C,5C´、及び5D,5D´もそれぞれ隣のコイルとは30mmの間隔をおいて、かつ、磁性コア2の長手中央位置に対して左右対称になる位置に巻かれている。
つまり、励磁コイル3の外部でフィルム1の軸方向に沿って磁性コア2の周回方向に巻かれた検知コイル5A,5B,5C,5Dを有する。更に磁性コア2のフィルム1の軸方向の中央に対して検知コイル5A,5B,5C,5Dと対称に励磁コイル3の外部でフィルム1の軸方向に沿って磁性コアの周回方向に巻かれた検知コイル5A´,5B´,5C´,5D´を有する。
左右対称であるそれぞれのペアの検知コイルの接続状態は同様の為、代表として、検知コイル5Aと検知コイル5A´の接続状態に関して説明する。
検知コイル5A´の一端はグランドに接続されており、もう片方の一端は検知コイル5Aと直列になるように接続されている(以降、この直列に接続されたコイルを検知コイル5A−A´と表記する)。さらに、検知コイル5Aと検知コイル5A´の巻き方向は磁性コア2をフィルム1の軸方向に見て一方が時計回り、他方が反時計回りになるように反対向きに巻かれている。つまり、検知コイル5Aと検知コイル5A´は磁性コア2の軸方向に対して反対方向に巻かれている。検知コイル5Aのもう片方の一端はI−V変換回路47に接続されている。
I−V変換回路47の出力はCPU32のアナログデジタルポートを介して検知結果比較部49に入力される。
図5は本実施例における高周波インバータ16、及び誘導電流検出手段としてのフィルム破損検知回路部150を説明するための回路図である。
高周波インバータ16は励磁コイル3の給電接点部3a,3bに接続されるものである。またフィルム破損検知回路部150は各検知コイル5A−A´、5B−B´、5C−C´、5D−D´を含めた構成である。図5に示すフィルム破損検知回路部150は代表的に検知コイル5A−A´の接続された構成のみを記載している。
商用電源50は、画像形成装置100を接続する商用電源(交流電源)であり、インレット51を介して画像形成装置100に交流電力を供給する。本回路は、商用電源50と直接接続された一次側と、商用電源50と非接触に接続された二次側と、によって構成されている。商用電源50の波形は、横軸を時間t、縦軸を電圧Vとしたとき波形1のような波形である。
商用電源50から入力された電力は、インレット51、ACフィルタ52、スイッチ部材の一例であるトライアック61を介し、整流手段の一例であるダイオードブリッジ81〜84に入力され、全波整流される。整流された電圧は、コンデンサ85に充電される。続いて、FET86,87と電圧共振用コンデンサ88から成る高周波インバータ16に入力され、定着装置Aの等価インダクタンスL及び抵抗Rと、高周波インバータ16に搭載される共振コンデンサ89と、から成る共振回路に電力供給される。
71は画像形成装置100の電源装置(電源部)であり、商用電源50の電力がACフィルタ52を介して入力され、不図示の二次側の負荷に所定の電圧を出力している。
また、CPU32は、高周波インバータ16の動作にも使用され、各入出力ポートを備えており、ROM32aやRAM32bなどのメモリに接続されている。すなわち、画像形成装置100において、本回路の一次側では、高周波インバータ16や二次側に電力を供給するための電源装置71が、商用電源50と接続されて電力供給を受ける構成である。
また、電源装置71の二次側では、感光ドラム101を回転させる不図示のモータやレーザスキャナ103等、画像形成時に動作するモータやユニットが、商用電源50とは非接触に接続されて電力供給を受ける構成である。
本実施例においては、高周波インバータ16にて定着装置Aに電力投入する例について説明しているが、電圧共振回路など共振回路の種類は本実施例に限定されるものではない。
一方、商用電源50の電力は、ACフィルタ52を介してZEROX生成回路75に入力される。ZEROX生成回路75は、商用電源50の電圧が0V近辺のある閾値電圧以下の電圧になっているときにHighレベルかまたはLowレベルの信号を出力し、それ以外の場合にLowレベルかまたはHighレベルの信号を出力する構成となっている。そして、CPU32には、抵抗76を介して商用電源50の電圧の周期とほぼ等しい周期のパルス信号がPA1に入力される。CPU32は、ZEROX信号のHigh→LowまたはLow→Highに変化するエッジを検出し、電力制御回路60のタイミング制御に利用する。
電力制御回路60を説明する。
CPU32により決定されたタイミングで出力ポートPA2がHighレベルとなると、ベース抵抗67を介したトランジスタ65がオンする。トランジスタ65がオンするとフォトトライアックカプラ62がオンする。なお、フォトトライアックカプラ62は、一次と二次間の沿面距離を確保するためのデバイスである。抵抗66はフォトトライアックカプラ62内の発光ダイオードに流れる電流を制限するための抵抗である。
抵抗63,64はトライアック61のためのバイアス抵抗で、フォトトライアックカプラ62がオンすることによりトライアック61がオンする。トライアック61は、一旦オンすると商用電源50の次のZEROXポイントになるまでオン状態を保持する素子であるので、オンタイミングに応じた電力が高周波インバータ16を介して定着装置Aに投入される。
次に、高周波インバータ16について説明する。
CPU32がPA3から所定の周波数のパルス信号をHi−gate駆動回路77に向けて出力すると、Hi−gate駆動回路77は、一次−二次を絶縁した上でスイッチング素子86に向けて、ゲート波形を出力する。スイッチング素子86は、ゲート波形がHighの期間ドレインソース間をONし、Lowの期間OFFする。
同様にして、CPU32がPA4から所定の周波数のパルス信号をLo−gate駆動回路78に向けて出力すると、Lo−gate駆動回路78は、一次−二次を絶縁した上でスイッチング素子87に向けて、ゲート波形を出力する。スイッチング素子87は、ゲート波形がHighの期間ドレインソース間をONし、Lowの期間OFFする。
スイッチング素子86とスイッチング素子87は所定の周波数で交互にON−OFFし、後段の給電接点部3a,3bに方形波を供給することで、定着装置Aの等価インダクタンスLと共振コンデンサ89が共振し、定着装置Aが発熱する。
定着装置Aに配置された温度検出素子9は、一方をグランド、もう一方が固定抵抗73を介して電源電圧Vcc1に接続されており、さらに抵抗74を介してCPU32のアナログ入力ポートAN0に接続されている。温度検出素子9は高温になると抵抗値が低下する特性を持っており、固定抵抗73との分圧電圧から予め設定された温度テーブル(不図示)によって温度に変換することにより、定着装置Aの温度をCPU32は検出する。
続いて、フィルム破損検知回路部150を説明する。
検知コイル5A−A´はオペアンプ90及び抵抗器91,92で形成されるI−V変換回路47に接続される。ここで、検知コイル5A−A´に流れる電流は電圧に変換される。また、ショットキーダイオード93により検知コイル5A−A´に流れる片半波のみが、電圧に変換され、負電位となる半波はクランプされる。
I−V変換回路47の出力はCPU32のアナログデジタル変換ポートAN1に入力される。不図示の検知コイル5B−B´、検知コイル5C−C´、及び検知コイル5D−D´も独立した同様のI−V変換回路47を経由して、CPU32に入力されることとなる。
図6は励磁コイル3に駆動電流(交番電流)を通電中の励磁コイル3に流れる電流波形とその時の検知コイル5A及び検知コイル5A´に流れる誘導電流波形を表したものである。図6(a)はフィルム1に破損がない場合の電流波形を表し、図6(b)は検知コイル5A´の巻き位置近辺でフィルム1に破損が生じている場合の電流波形を表している。
まず図6(a)を説明すると、高周波インバータ16から励磁コイル3に駆動電流I1が流れることにより、検知コイル5Aには誘導電流Iaが発生する。同様に検知コイル5Aと対象位置で反対方向に巻かれた検知コイル5A´には誘導電流Iaと振幅が同じで電流の向きが反転した誘導電流Ia´が発生する。検知コイル5Aと検知コイル5A´は直列に接続されている為、検知コイル5A及び検知コイル5A´に流れる電流はうち消され合成電流はほぼ0となる。
一方、図6(b)はフィルム1上のC部の位置にフィルム1の周回方向に流れる電流の電流経路を阻害するように破損が生じている。この時、検知コイル5A´に発生する誘導電流Ia´は振幅が大きくなる。これはフィルム1の周回方向の抵抗値が実質的に上がった為、磁束により誘導されるフィルム1の周回電流量が減った分、検知コイル5A´側に誘導される電流量の割合が増える為である。結果として、検知コイル5A及び検知コイル5A´に流れる電流は打ち消しあうことはできず、破損量に応じた振幅量を持った電流が流れることとなる。
各検知コイル5B,5C,5Dにおいても、各検知コイル近辺に破損が生じた場合には同様の電流関係になる。検知コイル5A及び検知コイル5A´に流れる電流は電圧に変換され、所定閾値以上であるか否かをCPU32は検出することとなる。
なお、全ての検知コイル5A,5B,5C,5Dを直列に接続した場合にも、それぞれ対象となる検知コイルに誘導される電流が打ち消けしあう為、フィルム1に発生した破損の検知は達成される。しかしながらこの場合には一か所破損した時の検知電圧の変化が相対的に小さくなる為、検知精度が低下することとなる。
図7はCPU32のフィルム破損検知制御を示すフローチャートである。
図7に示すフローチャートを用いて、本実施例におけるフィルム破損検知制御を定着装置Aの駆動シーケンスと共に説明する。このフローチャートに示す制御処理は、予めCPU32に格納されたプログラムに従って実行されるものである。
まず、温度検出素子9の検出結果を基に現在の温度を検出し(S101)、定着温度と現在温度との差分より投入電力を決定する(S102)。投入電力と通電タイミングとの相関テーブルは予めCPU32のメモリ内に格納されており、商用電源50の入力周波数により補正された通電タイミングTonが電力制御回路60をオンするタイミングとして決定する(S103)。
CPU32がZEROX信号を検知すると(S104)、タイマTを0クリアし、タイマのカウントアップを開始する(S105)。タイマTが通電タイミングTon以上経過したタイミング(S106)で電力制御回路60をオンする(S107)と共に、フィルム1の破損検知を開始する(S108)。
フィルム1の破損検知信号はI−V変換回路47を介して得られるアナログ電圧である。CPU32は所定電圧以上を検出した場合にはフィルム1が破損と判断(S115)し、所定電圧未満の場合には正常状態とし次のZEROX信号の入力を待ちながら(S109)、継続的にフィルム1の破損検知信号をモニタする。
一方、S104にてZEROX信号検知後のタイマTを基にCPU32は並行して、次の電力を決定する為の現在温度を検出するタイミングTtemp時間が経過するのを待つ(S110)。Ttemp経過後は前回同様、検知温度情報から次の通電タイミングTonを算出まで行い(S111〜S113)、定着装置Aへの電力投入が継続であれば(S114)、S105に戻る。S114の定着装置Aへの電力投入終了とは、画像形成装置100において、プリント終了した場合か、ジャムやエラー等の緊急停止要因により、定着装置Aへの電力投入が禁止されることである。
S115により、フィルム1が破損と判断したCPU32はその後、定着装置Aへの電力投入を禁止し(S116)、画像形成動作を緊急停止するとともに、操作パネル(不図示)などを介して故障を報知する(S117)。
本実施例ではI−V変換回路47の出力は直接CPU32に入力する構成を説明したが、ピーク電圧をキャプチャする為のピークホールド回路(不図示)を経由してCPU32に入力してもよい。その際、ピークホールド回路のディスチャージ信号を1ms以上の遅い周期のものとすることにより、CPU32が検知する為のサンプリング周期が遅くとも検知可能となる長所がある。
以上説明したように、本実施例の定着装置Aは、磁性コア2の軸方向の中央に対して左右対称に検知コイル5A,5A´,5B,5B´,5C,5C´,5D,5D´を設け、それぞれの検知コイルに誘導された誘導電流Iaと誘導電流Ia´の差分を検出する。これによってフィルム1に発生した破損を確実に検知することが可能となる。
[実施例2]
定着装置Aの他の例を説明する。
本実施例の定着装置Aが実施例1と異なる構成は、左右対称の検知コイルに誘導される誘導電流の左右差を補正する構成を追加した点である。
本実施例の定着装置Aは、実施例1に比べ、フィルム1に発生した破損の検知精度がより向上する構成の装置である。特に検知コイルの巻き位置の左右差の影響度が大きい場合に有効な構成の装置である。
図8は本実施例の定着装置Aのフィルム1の電磁誘導加熱を説明するための図である。
図8に示す磁性コア2に対する励磁コイル3の巻き方、励磁コイル3に接続されている高周波インバータ16、及びCPU32は実施例1で説明した図4と同じであるので詳細な説明は割愛する。なお、図8では温度検知素子10,11の図示を省略している。
以下、本実施例の定着装置Aについて、実施例1と異なる構成のみを説明する。
各検知コイル5A,5A´,5B,5B´,5C,5C´,5D,5D´は、それぞれ、独立のI−V変換回路201,202,203,204,205,206,207,208に接続されている。
後述するようにI−V変換回路201〜208のそれぞれの電流−電圧変換抵抗には可変抵抗となっている部分もある。そのため、励磁コイル3に所定周波数の電流を流した際に対象位置の検知コイル5A,5A´,5B,5B´,5C,5C´,5D,5D´に流れる誘導電流から変換される電圧値が同じになるように可変抵抗により調整される。調整は組み立て段階において、組み立て後のユニット動作確認工程などにおいて、励磁コイル3に通電しながら行われるものである。
図8に示すように、各I−V変換回路201〜208の出力はそれぞれ独立したピークホールド回路211〜218に入力され、これらのピークホールド回路211〜218の出力がCPU32の検知結果比較部49に入力される。
図9は本実施例におけるフィルム破損検知回路部151を説明するための回路図である。
高周波インバータ16は実施例1と同様の構成である。またフィルム破損検知回路部151は各検知コイル5A,5A´,〜,5D,5D´を含めた構成である。図9に示すフィルム破損検知回路部151は代表的に検知コイル5A−A´に接続された構成のみを記載している。
実施例1と異なり、検知コイル5Aと検知コイル5A´は、それぞれ、独立してI−V変換回路201と208に接続されている。
検知コイル5Aに接続された第1の誘導電流検出手段としてのI−V変換回路201は、抵抗器231と、抵抗器233と、オペアンプ232と、を有する。このI−V変換回路201は検知コイル5Aに流れる誘導電流を検出して電圧に変換する。検知コイル5A´に接続された第2の誘導電流検出手段としてのI−V変換回路208は、検出値調整手段としての可変抵抗器236と、抵抗器238と、オペアンプ237と、を有する。このI−V変換回路208は検知コイル5A´に流れる誘導電流を検出して電圧に変換する。
I−V変換回路201の出力電圧はピークホールド回路211に入力され、CPU32のアナログデジタル変換ポートAN2に入力される。I−V変換回路208の出力電圧はピークホールド回路215に入力され、CPU32のアナログデジタル変換ポートAN3に入力される。
ピークホールド回路211は、オペアンプ221で構成されるボルテージフォロアの出力値をダイオード222及びコンデンサ223にて最大値を保持する構成となっている。また、保持電圧は抵抗224を介したFET225にてディスチャージされる。ディスチャージする信号DはCPU32の出力ポートPA5から例えばZEROX信号に同期したタイミングで出力されるものである。
ピークホールド回路215は、オペアンプ226で構成されるボルテージフォロアの出力値をダイオード227及びコンデンサ228にて最大値を保持する構成となっている。また、保持電圧は抵抗229を介したFET230にてディスチャージされる。ディスチャージする信号DはCPU32の出力ポートPA5から例えばZEROX信号に同期したタイミングで出力されるものである。
可変抵抗器236は所定周波数の電流が定着装置Aに投入された際に、I−V変換回路201の出力電圧とI−V変換回路208の出力電圧が同じになるように調整される。よって可変抵抗器236はI−V変換回路201とI−V変換回路208の少なくとも一方に備えられていればよい。
図10を用いて本実施例の調整に関して説明する。
図10(a)はフィルム1に破損がない場合に、励磁コイル3に流れる電流波形と検知コイル5A、及び検知コイル5A´に流れる電流波形とそれらをI−V変換した後の出力電圧波形を示している。
定着装置を組み立てた際に検知コイル5A−A´の巻き位置などに左右差があると、励磁コイル3に駆動電流I1が流れた際、検知コイル5Aには誘導電流Ibが流れ、検知コイル5A´には誘導電流Ib´が流れる。各電流値を同じ抵抗値にてI−V変換した場合の出力電圧波形はそれぞれVbとVb´0の電圧波形となる。ここでIb´を検出する可変抵抗器236を動かすことにより、組み立て工程にてVb´0をVbと同じピーク値になるようにVb´のように調整される。破損に対する判断はこのVbとVb´のピーク値の差の変化により判断される。
図10(b)はフィルム1上のC部の位置にフィルム1を周回方向に流れる電流の電流経路を阻害するように破損が生じた場合の各波形を示している。検知コイル5A´に誘導される誘導電流Ib´は大きくなる。それに伴いこの電流を電圧に変換したVb´のピーク値はVbのピーク値よりも大きくなることとなり、その変化をCPU32が検出することになる。
つまり、I−V変換回路201が検出した誘導電流IbとI−V変換回路208が検出した誘導電流Ib´との差が可変抵抗器236で調整された初期の差と所定値以上異なった場合にフィルム1が破損していると判断する。
フィルム1の破損に対するCPU32のフィルム破損検知制御のフローチャートは実施例1にて説明した図7と同様であるので詳細な説明は割愛する。
以上説明したように、本実施例の定着装置Aは、磁性コア2の軸方向の中央に対して左右対称に設けられた検知コイルに誘導された誘導電流の左右差を初期(組み立て工程時)の電圧値に補正する。これによってフィルム1に破損が発生した場合に、より正確に小さい破損のものまで検知することが可能となる。
[実施例3]
定着装置Aの他の例を説明する。
本実施例では、実施例1の定着装置Aにおいて、駆動周波数を変化させる場合に最適なフィルム1の破損検知方法を説明する。
実施例1の定着装置Aでは、磁性コア2に対して励磁コイル3が開磁路端部において巻間隔が密となり、中央において巻間隔が疎となるように巻かれている。これにより、フィルムの軸方向において磁性コア2のカットオフ周波数が異なることとなり、駆動周波数によって、励磁コイル3への投入電力量が異なる。具体的には大サイズ記録材の場合には高周波駆動、小サイズ記録材の場合には低周波駆動とすることにより、記録材サイズに応じた発熱分布を形成させることが可能となる。
一方、その際、左右対称の検知コイルに誘導される誘導電流の左右差の関係は高周波駆動時と低周波駆動時で異なる場合がある。これはフィルム1の部分抵抗値の左右差や、磁性コア2及び励磁コイル3で形成されるインダクタンス値の左右差に起因するものである。実施例1で説明した左右対称の検知コイルを直列に接続する構成、及び実施例2で説明した検知コイルに誘導された誘導電流の左右差を独立して初期調整した場合においても発生する可能性がある。
本実施例ではその影響度が無視できない場合に有効な構成の定着装置Aを説明する。本実施例に示す定着装置Aは、検知コイルとは異なる検知用電流を流す為の後述する通電コイル301を検知コイルとは別に設け、定着装置Aの駆動を一定期間停止させたタイミングでフィルム1の破損検知を行うものである。
以下、本実施例の定着装置Aについて、実施例1と異なる構成のみを説明する。
図11は本実施例の定着装置Aにおける通電コイル301の巻き方と回路接続を説明するための図である。
通電コイル301は、コアカバー4の外側に磁性コア2の長さに対して数ターン巻かれている。つまり、通電コイル301は励磁コイル3の外部でフィルム1の軸方向に沿って磁性芯材2に数ターン巻き回されている。この通電コイル301は端子301a及び301bを介して検知用通電駆動制御手段(検知用通電駆動手段)としての高周波パルス発生回路302に接続されている。
高周波パルス発生回路302は、CPU32の出力ポートI/O303から出力される周波数100KHzのパルス信号を5V振幅・100KHzの矩形波に変換し、通電コイル301に印加するものである。つまり、通電コイル301には励磁コイル3に流す高周波電流よりは小さい検知用高周波電流(検知用電流)が印加される。なお、周波数及び振幅電圧は一例であり、発熱に影響しない振幅電圧及び周波数であれば、これに限られるものではない。
図示していないが通電コイル301の外部には図8に示す検知コイル5A,5A´,5B,5B´,5C,5C´,5D,5D´が巻かれている。これらの各検知コイルの巻き方、I−V変換回路201〜208、ピークホールド回路211〜218、及びCPU32の接続は図8と同様であるので詳細な説明は割愛する。通電コイル301と検知コイル5A,5A´,5B,5B´,5C,5C´,5D,5D´5はケーブルの被覆などで機能的な絶縁が確保されている。
図12に、通電コイル301の電流波形I3、検知コイル5A,5A´の電流波形Ic,Ic´、及びI−V変換後の電圧波形Vc,Vc´を示している。
実施例2で説明した図10と異なる点は通電コイル301の電流波形I3が正弦波である点である。検知コイル5A,5A´の電流波形Ic,Ic´や、I−V変換後の電圧波形Vc,Vc´のメカニズムは同様である。ここで、電流波形Ic,Ic´が図10に示す電流波形Ib,Ib´に対応している。電圧波形Vc,Vc´が図10に示す電圧波形Vb,Vb´に対応している。
図13を用いて、通電コイル301への電流供給期間と励磁コイル3への電流供給期間の関係を説明する。
図13は商用電源50の1周期を示しており、波形350と波形351が励磁コイル3への通電駆動手段である高周波インバータ16への入力電圧波形を示している。さらに波形352は通電コイル301への検知用通電駆動手段である高周波パルス発生回路302への検知用パルス信号電圧波形である。また、波形353は商用電源50のZEROX信号である。なお、高周波インバータ16への入力電圧は実施例1で説明されているように商用電圧がトライアック61の通電により制御されるものである。
本実施例の特徴として商用周波数半波毎に所定期間の検知期間である期間T1が設けられている点である。ZEROX信号353の立下り、及び立ち上がりエッジから時間Tdet後までの期間励磁コイル3への電流供給は停止し、検知用パルス信号を発生させ通電コイル301に検知用高周波電流を通電する。つまり、期間T1は励磁コイル3に高周波電流を流していない期間である。
本実施例におけるTdetの具体的数値はZEROX周期の10%としており、50Hzの場合には1msとなる。この期間に100KHzの検知用パルス信号は100パルス発生され、その間CPU32は検知コイル5A,5A´に発生する誘導電流のピーク値を比較することとなる。
Tdetの時間経過後、期間T1の検知モードが終了し、定着駆動モードである期間T2となる。励磁コイル3は、波形350にて示すように最大通電時(100%通電)にもTdetのタイミングで通電されることとなる。正弦波である場合、通電タイミングが周期の0%のタイミングで通電した場合と、10%のタイミングで通電した場合には電力として約1%異なることとなる。制御としてはその1%を補正することで大きな影響はないものである。
さらにトライアック61による電力制御は上述したTdet以降の期間の通電タイミングを変化させることにより行われるものであり、一例として50%通電時は波形351に示されるようなものとなる。
図14はCPU32のフィルム破損検知制御を示すフローチャートである。
図14のフローチャートを用いて、本実施例におけるフィルム破損検知制御を定着装置Aの駆動シーケンスと共に説明する。
図7と同じ処理には同一符号を付して再度の説明は割愛する。なお、図14のフローチャートに示す処理は予めCPU32に格納されたプログラムに従って実行されるものである。
S105でタイマTを0クリアし、タイマのカウントアップを開始する。検知用通電コイル301に対して高周波パルスの印加を開始する(S301)。その後、CPU32は検知モードとなり、フィルム1の破損検知入力信号のレベルをモニタする(S108)。モニタした結果、所定電圧値以上であった場合にはフィルム1の破損と判断する(S115)。フィルム破損と判断と判断した場合の処理は図7と同様である。
一方、所定電圧値未満の場合にはS108に戻りフィルム1の破損検知入力信号のレベルのモニタを継続する。所定電圧未満のまま、タイマTが期間Tdet経過した(S302)場合は検知モードが終了し、高周波パルスの印加を停止する(S303)。
その後、タイマTが通電タイミングTon以上経過したタイミング(S106)で電力制御回路60をオンする(S107)。ZEROX信号の入力検知(S109)後、定着装置Aへの電力投入が継続であれば(S114)、S105に戻る。
なお、図14に示すフローチャートで説明した制御はAC商用周波数の半周期内での一定期間(商用電源周期の半波の中の一定期間)Tdetを検知モード期間としているが、商用電源周期の複数周期の中の1全波を検知モード期間としてもよい。
以上説明したように、本実施例の定着装置Aは、定着装置Aを発熱させる為の励磁電流I1とは異なる検知用電流I3を通電コイル301に流し、定着装置の発熱タイミングとは異なるタイミングでフィルム1の破損の検知を行う。これによって定着装置Aを発熱させる為の励磁電流の周波数や電流量が変化したときでも、その影響を受けることなく安定したフィルム1の破損検知を実行することが可能となる。
1 筒状のフィルム、2 励磁コア、3励磁コイル、
5A,5B,5C,5D 第1の誘導電流検知コイル、
5A´,5B´,5C´,5D´ 第2の誘導電流検知コイル、120 画像形成部、
150 フィルム破損検知回路部、
201,202,203,204,205,206,207,208 I−V変換回路、
236 可変抵抗器、301 通電コイル、A 定着装置、T 未定着のトナー画像、
P 記録材

Claims (11)

  1. 記録材に形成された画像を記録材に定着する定着装置であり、
    導電性を有する筒状の回転体と、
    前記回転体の内部に設置され前記回転体の軸方向に開磁路を形成する磁性芯材と、
    前記回転体の軸方向に沿って前記磁性芯材に巻き回された励磁コイルと、
    を有し、前記励磁コイルに交番電流を流し前記磁性芯材に交番磁束を発生させて前記回転体を電磁誘導加熱させる定着装置において、
    前記励磁コイルの外部で前記回転体の軸方向に沿って前記磁性芯材の周回方向に巻かれた第1の誘導電流検出コイルと、前記磁性芯材の前記回転体の軸方向の中央に対して前記第1の誘導電流検出コイルと対称に前記励磁コイルの外部で前記回転体の軸方向に沿って前記磁性芯材の周回方向に巻かれた第2の誘導電流検出コイルと、を有し、前記交番電流を流したときに前記第1の誘導電流検出コイルと前記第2の誘導電流検出コイルに誘導される誘導電流の電流値の差に基づいて前記回転体の破損状態を判断することを特徴とする定着装置。
  2. 前記第1の誘導電流検出コイルと前記第2の誘導電流検出コイルは前記回転体の軸方向に対して互いに反対方向に巻かれて直列に接続されており、直列に接続された前記第1の誘導電流検出コイルと前記第2の誘導電流検出コイルに流れる誘導電流を検出する誘導電流検出手段を有し、前記誘導電流が所定の値を超えた場合に前記回転体が破損していると判断することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記第1の誘導電流検出コイルに流れる誘導電流を検出する第1の誘導電流検出手段と、前記第1の誘導電流検出手段とは独立して前記第2の誘導電流検出コイルに流れる誘導電流を検出する第2の誘導電流検出手段と、を有し、前記第1の誘導電流検出手段と前記第2の誘導電流検出手段の少なくとも一方に検出値調整手段が備えられており、前記第1の誘導電流検出手段が検出した前記誘導電流と前記第2の誘導電流検出手段が検出した前記誘導電流との差が前記検出値調整手段で調整された初期の差と所定値以上異なった場合に前記回転体が破損していると判断することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  4. 前記検出値調整手段とは電流を電圧に変換する為の可変抵抗器であることを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  5. 記録材に形成された画像を記録材に定着する定着装置であり、
    導電性を有する筒状の回転体と、
    前記回転体の内部に設置され前記回転体の軸方向に開磁路を形成する磁性芯材と、
    前記回転体の軸方向に沿って前記磁性芯材に巻き回された励磁コイルと、
    を有し、前記励磁コイルに交番電流を流し前記磁性芯材に交番磁束を発生させて前記回転体を電磁誘導加熱させる定着装置において、
    前記励磁コイルの外部で前記回転体の軸方向に沿って前記磁性芯材に巻き回された通電コイルと、前記通電コイルの外部で前記回転体の軸方向に沿って前記磁性芯材の周回方向に巻かれた第1の誘導電流検出コイルと、前記磁性芯材の前記回転体の軸方向の中央に対して前記第1の誘導電流検出コイルと対称に前記通電コイルの外部で前記回転体の軸方向に沿って前記磁性芯材の周回方向に巻かれた第2の誘導電流検出コイルと、を有し、前記交番電流を流していない期間に前記通電コイルに前記交番電流よりは小さい検知用電流を流した際に、前記検知用電流によって前記第1の誘導電流検出コイルと前記第2の誘導電流検出コイルに誘導される誘導電流の電流値の差に基づいて前記回転体の破損状態を判断することを特徴とする定着装置。
  6. 前記交番電流を流していない期間とは商用電源周期の半波の中の一定期間であることを特徴とする請求項5に記載の定着装置。
  7. 前記交番電流を流していない期間とは商用電源周期の複数周期の中の1全波であることを特徴とする請求項5に記載の定着装置。
  8. 前記第1の誘導電流検出コイルと前記第2の誘導電流検出コイルは前記回転体の軸方向に対して互いに反対方向に巻かれて直列に接続されており、直列に接続された前記第1の誘導電流検出コイルと前記第2の誘導電流検出コイルに流れる誘導電流を検出する誘導電流検出手段を有し、前記誘導電流が所定の値を超えた場合に前記回転体が破損していると判断することを特徴とする請求項5に記載の定着装置。
  9. 前記第1の誘導電流検出コイルに流れる誘導電流を検出する第1の誘導電流検出手段と、前記第1の誘導電流検出コイルとは独立して前記第2の誘導電流検出コイルに流れる誘導電流を検出する第2の誘導電流検出手段と、を有し、前記第1の誘導電流検出手段と前記第2の誘導電流検出手段の少なくとも一方に検出値調整手段が備えられており、前記第1の誘導電流検出手段が検出した前記誘導電流と前記第2の誘導電流検出手段が検出した前記誘導電流との差が前記検出値調整手段で調整された初期の差と所定値以上異なった場合に前記回転体が破損していると判断することを特徴とする請求項5に記載の定着装置。
  10. 前記検出値調整手段とは電流を電圧に変換する為の可変抵抗器であることを特徴とする請求項9に記載の定着装置。
  11. 記録材に画像を形成する画像形成部と、前記記録材に形成された前記画像を前記記録材に定着する定着部と、を備える画像形成装置において、
    前記定着部が請求項1乃至請求項10の何れか一項に記載の定着装置であることを特徴とする画像形成装置。
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