JP2020030382A - 画像加熱装置及びこれを用いた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電磁誘導加熱方式の装置において、円筒状の回転体の破損の有無を簡便に判断できる画像加熱装置及びこれを用いた画像形成装置を提供する。【解決手段】導電層を有する円筒状の回転体と、長手方向に配置された磁性芯材と、磁性芯材の長手方向に沿って磁性芯材に巻かれた励磁コイルと、回転体と共にニップ部を形成する対向体と、ニップ部を加熱するために交流電源に接続され、回転体、磁性芯材および励磁コイルを備え、励磁コイルに高周波電流を流す加熱ユニットと、交流電源の電圧を検知する電圧検知手段と、電圧検知手段の出力と、加熱ユニットの等価インダクタンス値および等価抵抗値とに基づき、加熱ユニットに投入する予定電力を取得する第1の取得手段と、加熱ユニットに供給した電力を取得する第2の取得手段と、第1の取得手段と第2の取得手段の出力を比較する比較手段と、を有する。【選択図】図11
Description
本発明は、例えば電子写真方式を採用した複写機やプリンタ、あるいはファクシミリ等、記録材上に画像形成可能な画像形成装置に用いられる電磁誘導加熱方式の画像加熱装置及びこれを用いた画像形成装置に関する。
プリンタや複写機等の電子写真方式の画像形成装置では、画像データに対応したトナー像を記録紙やOHPシート等の記録材に転写した後、記録材に転写されたトナー像を、画像加熱装置としての定着装置で加熱および加圧して記録材に定着している。様々な方式の定着装置がある中で、電流が流れることによって発熱する抵抗発熱層が、周回移動方向の全周に渡って設けられた発熱定着フィルムを用いる構成が提案されている(特許文献1)。
ここで、抵抗発熱層が周回移動方向の全周に渡って設けられた、円筒状の回転体としての定着フィルム上に、流れる電流の向きと垂直な方向に破損が発生した場合、これを検知して破損端部の温度上昇を回避することが望まれていた。
本発明の目的は、電磁誘導加熱方式の装置において、円筒状の回転体の破損の有無を簡便に判断できる画像加熱装置及びこれを用いた画像形成装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る画像加熱装置は、導電層を有する回転可能な円筒状の回転体と、前記回転体の中空部に挿通され、前記回転体の長手方向に沿って配置された磁性芯材と、前記回転体の中空部に挿通され、前記磁性芯材の長手方向に沿って前記磁性芯材に巻かれた励磁コイルと、前記回転体に対向し、前記回転体と共にトナー画像を担持した記録材を挟持搬送するニップ部を形成する対向体と、前記ニップ部を加熱するために交流電源に接続され、前記回転体、前記磁性芯材および前記励磁コイルを備え、前記励磁コイルに高周波電流を流す加熱ユニットと、前記交流電源の電圧を検知する電圧検知手段と、前記電圧検知手段の出力と、前記加熱ユニットの等価インダクタンス値情報および等価抵抗値情報とに基づき、前記加熱ユニットに投入する予定電力を取得する第1の取得手段と、前記加熱ユニットに供給した電力を取得する第2の取得手段と、前記第1の取得手段と前記第2の取得手段の出力を比較する比較手段と、を有し、前記比較手段の出力に基づき、前記回転体の破損の有無を判断可能としたことを特徴とする。
また、本発明に係る画像形成装置は、記録材にトナー画像を形成する画像形成部と、導電層を有する回転可能な円筒状の回転体と、前記回転体の中空部に挿通され、前記回転体の長手方向に沿って配置された磁性芯材と、前記回転体の中空部に挿通され、前記磁性芯材の長手方向に沿って前記磁性芯材に巻かれた励磁コイルと、前記回転体に対向し、前記回転体と共に前記トナー画像を担持した記録材を挟持搬送するニップ部を形成する対向体と、前記ニップ部を加熱するために交流電源に接続され、前記回転体、前記磁性芯材および前記励磁コイルを備え、前記励磁コイルに高周波電流を流す加熱ユニットと、前記交流電源の電圧を検知する電圧検知手段と、前記電圧検知手段の出力と、前記加熱ユニットの等価インダクタンス値情報および等価抵抗値情報とに基づき、前記加熱ユニットに投入する予定電力を取得する第1の取得手段と、前記加熱ユニットに供給した電力を取得する第2の取得手段と、前記第1の取得手段と前記第2の取得手段の出力を比較する比較手段と、を有し、前記比較手段の出力に基づき、前記回転体の破損の有無を判断可能としたことを特徴とする。
本発明によれば、電磁誘導加熱方式の装置において、円筒状の回転体の破損の有無を簡便に判断できる画像加熱装置及びこれを用いた画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態を図に基づいて説明する。
《第1の実施形態》
(画像形成装置)
図1は、本実施形態に従う画像形成装置100の概略構成図である。本実施形態の画像形成装置100は、電子写真プロセス利用のレーザビームプリンタである。31は画像形成装置の制御部であるコントローラであり、ROM32a、RAM32b、タイマ32c等を具備したCPU(中央演算処理装置)32、及び各種入出力制御回路(不図示)等で構成されている。
(画像形成装置)
図1は、本実施形態に従う画像形成装置100の概略構成図である。本実施形態の画像形成装置100は、電子写真プロセス利用のレーザビームプリンタである。31は画像形成装置の制御部であるコントローラであり、ROM32a、RAM32b、タイマ32c等を具備したCPU(中央演算処理装置)32、及び各種入出力制御回路(不図示)等で構成されている。
図1で、101は像担持体としての回転ドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラム)であり、矢示の時計方向に所定の周速度にて回転駆動される。感光ドラム101は、その回転過程で接触帯電ローラ102により所定の極性・電位に一様に帯電処理される。
103はレーザビームスキャナであり、不図示のイメージスキャナやコンピュータ等の外部機器から入力する画像情報に対応してオン/オフ変調したレーザ光Lを出力する。このレーザ光Lにより感光ドラム101の帯電処理面が露光され、感光ドラム101表面に画像情報に対応した静電潜像が形成される。104は現像装置であり、現像ローラ104aから感光ドラム101の表面に現像剤(トナー)を供給し感光ドラム101の表面の静電潜像をトナー像として現像する。
105は給紙カセットであり、記録材Pが収納させている。107はレジストローラであり、感光ドラム101に形成されたトナー像の先端と記録材Pの所定位置が合うように記録材Pを搬送するものである。給紙スタート信号が入力すると給紙ローラ106が駆動され、給紙カセット105内の記録材Pを一枚ずつ給紙する。給紙された記録材は、レジストローラ107で搬送タイミングを調整された後、感光ドラム101と転写ローラ108とが当接する転写部位108Tに導入される。
画像形成部としての転写部位108Tで記録材Pを挟持搬送する間、転写ローラ8には不図示の電源から転写バイアスが印加される。転写ローラ108に、トナーの帯電極性と逆極性の転写バイアスが印加されることで、感光ドラム101上のトナー像が記録材Pに転写される。その後、トナー像が転写された記録材Pは、感光ドラム101表面から分離され、搬送ガイド109を通って定着ユニットAに導入される。記録材上のトナー像は、定着ユニットAで加熱され記録材Pに定着される。
定着ユニットAを通過した記録材Pは、排紙口111を介して排紙トレイ112上に排出される。一方、記録材Pが分離した後の感光ドラム101の表面は、クリーニング部110でクリーニングされる。
上述したCPU32に関連して、図4には、プリンタ制御を行なう制御部であるCPU32、プリンタコントローラ41、及びホストコンピュータ42の関係を示すブロック図を示している。プリンタコントローラ41は、ホストコンピュータ42との間で通信と画像データの受信、及び受け取った画像データを画像形成装置100が印字可能な情報に展開する。更に、エンジン制御部121との間で信号のやり取り及びシリアル通信を行う。
エンジン制御部121は、プリンタコントローラ41との間で信号のやり取りを行い、さらに、シリアル通信を介して画像形成装置100の各ユニットの制御を行う。また、エンジン制御部121は、図5に示すように、温度取得手段としての温度検出素子9、10、11によって検出された温度を基に定着ユニットAの温度制御を行うと共に、定着ユニットAの異常検出等を行う。温度検出素子9、10、11については、以下の画像加熱装置に関して後に詳述する。
(画像加熱装置)
図2に示すように、画像加熱装置としての定着装置を構成する定着ユニットAは、加熱ユニットA1と加圧部材としての加圧ローラ8を備える電磁誘導加熱方式の定着装置である。そして、加熱ユニットA1は、導電層を有する回転可能な円筒状回転体(以下、回転体)1を構成する定着フィルムと、定着フィルムを発熱させるコイルユニットを備える。このような定着ユニットAにおいて、加熱ユニットA1とこれに対向する対向体としての加圧ローラ8の間には、未定着トナー画像を担持する記録材Pを挟持搬送する定着ニップ部(ニップ部)Nが形成されている。
図2に示すように、画像加熱装置としての定着装置を構成する定着ユニットAは、加熱ユニットA1と加圧部材としての加圧ローラ8を備える電磁誘導加熱方式の定着装置である。そして、加熱ユニットA1は、導電層を有する回転可能な円筒状回転体(以下、回転体)1を構成する定着フィルムと、定着フィルムを発熱させるコイルユニットを備える。このような定着ユニットAにおいて、加熱ユニットA1とこれに対向する対向体としての加圧ローラ8の間には、未定着トナー画像を担持する記録材Pを挟持搬送する定着ニップ部(ニップ部)Nが形成されている。
ここで、定着ユニットAを構成する部材に関し、長手方向とは、記録材の搬送方向および記録材の厚さ方向に直交する方向である。
1)回転体
図2で、回転体1を構成する定着フィルムは、直径10〜50mmが好ましく、長手方向に直交する断面内で、径方向に基層となる発熱層(導電層)1aと、その外面に積層した弾性層1bと、更にその外面に積層した離型層1cを有する。発熱層1aは金属フィルム(本実施形態のフィルムの材質はステンレス)であり、膜厚は10〜50μmが好ましい。弾性層1bはシリコーンゴムで形成されており、硬度20度(JIS−A、1kg加重)程度、厚みは0.1mm〜0.3mmが好ましい。離型層1cは、フッ素樹脂のチューブであり、厚みは10〜50μmが好ましい。
図2で、回転体1を構成する定着フィルムは、直径10〜50mmが好ましく、長手方向に直交する断面内で、径方向に基層となる発熱層(導電層)1aと、その外面に積層した弾性層1bと、更にその外面に積層した離型層1cを有する。発熱層1aは金属フィルム(本実施形態のフィルムの材質はステンレス)であり、膜厚は10〜50μmが好ましい。弾性層1bはシリコーンゴムで形成されており、硬度20度(JIS−A、1kg加重)程度、厚みは0.1mm〜0.3mmが好ましい。離型層1cは、フッ素樹脂のチューブであり、厚みは10〜50μmが好ましい。
発熱層1aには、後述する交番磁束の作用で誘導電流が発生する。この誘導電流で発熱層が発熱し、この熱が弾性層1b及び離型層1cに伝達し、定着フィルム1の周方向全体が加熱される。尚、定着フィルムの温度を検出する温度検出素子9、10、11については後述する。
2)加圧部材および加圧機構
図2で、加圧部材としての加圧ローラ8は、芯金8aと、シリコーンゴム等で形成された弾性層8bと、フッ素樹脂等で形成された離型層8cを有する。芯金8aの長手方向の両端部は、定着ユニットAの不図示の装置シャーシ間に軸受けを介して回転自由に保持されている。
図2で、加圧部材としての加圧ローラ8は、芯金8aと、シリコーンゴム等で形成された弾性層8bと、フッ素樹脂等で形成された離型層8cを有する。芯金8aの長手方向の両端部は、定着ユニットAの不図示の装置シャーシ間に軸受けを介して回転自由に保持されている。
また、図3に示す加圧用ステイ(金属製の補強部材)5の両端部と装置シャーシ側のバネ受け部材18a、18bとの間にそれぞれ加圧バネ(本例では圧縮バネ)17a、17bを設けることで、加圧用ステイ5に押し下げ力を作用させている。
なお、本実施形態の定着ユニットAでは、総圧約100N〜250N(約10kgf〜約25kgf)の押圧力を与えている。これにより、耐熱性樹脂(PPS等)で構成されたフィルムガイド部材6(図2)の下面と、加圧ローラ8とが、定着フィルムを挟んで圧接した状態で定着ニップ部Nを形成している。
加圧ローラ8は、不図示の駆動手段により図2に示す矢印方向に駆動されており、回転体1を構成する定着フィルムは、加圧ローラ8の回転に従動して回転する。図3に示す12a、12bは、定着フィルムの回転に従動して回転するフランジ部材である。フランジ部材12a、12bは、フィルムガイド6の長手方向の端部に回転自在に配置されている。そして、定着フィルムが回転中に長手方向(母線方向)に寄り移動すると、フランジ部材12a、12bに突き当たり、定着フィルムに押されたフランジ部材12a、12bは規制部材13a、13bに突き当たる。
これにより、定着フィルムの寄り移動が規制部材13a、13bによって規制される。フランジ部材12a、12bは、LCP(Liquid Crystal Polymer:液晶ポリマー)等の耐熱性の良い材料で形成されている。
3)誘導電流発生機構
次に、発熱層1aに誘導電流を発生させる機構について詳述する。本実施形態では、励磁コイル(以下、コイル)3により発生する磁束により回転体1の導電層を電磁誘導発熱させる。図4は、加熱ユニットA1に設けたコイルユニットの斜視図である。
次に、発熱層1aに誘導電流を発生させる機構について詳述する。本実施形態では、励磁コイル(以下、コイル)3により発生する磁束により回転体1の導電層を電磁誘導発熱させる。図4は、加熱ユニットA1に設けたコイルユニットの斜視図である。
図4に示すコイルユニットは、回転体1を構成する定着フィルムの内部に螺旋軸が長手方向と略平行である螺旋形状部を有し、前記回転体1の導電層1a(図2)を電磁誘導発熱させるための交番磁界を形成するコイル3を有する。更に、回転体1の中空部に挿通され、かつ螺旋形状部の中に配置され、磁束を誘導するための磁性コア(以下、コア)2を備えている。磁性芯材としてのコア2は、不図示の固定手段で回転体1を構成する定着フィルムの中空部を貫通して配置させてある。図4で、NP及びSPはコア2の磁極を示している。
コア2は、回転体1の外側でループを形成しない形状、即ち有端形状であり、コイル3により発生する磁束は開磁路を形成する。コア2の材質は、ヒステリシス損が小さく比透磁率の高い材料、例えば、焼成フェライト、フェライト樹脂、非晶質合金(アモルファス合金)、パーマロイ等の高透磁率の酸化物、合金等、で構成される強磁性体が好ましい。
本実施形態においては、コア2として比透磁率1800の焼成フェライトを用いている。そして、コア2は円柱形状であり、直径は5〜30mmが好ましい。A4プリンタに搭載する定着装置である場合、コア2の長手方向の長さは240mm程度が好ましい。なお、コイル3を巻いたコア2は、樹脂製のカバー4で覆われている。
コイル3は、単一導線を、回転体1を構成する定着フィルムの中空部において、コア2に螺旋状に巻き回して形成されている。その際、コア2の長手方向の中央部よりも端部において、単一導線の間隔が密になるように巻かれている。長手方向の寸法240mmのコア2に対し、コイル3を18回巻きつけている。その巻間隔は、長手方向の端部において10mm、中央部において20mm、その中間において15mmとなっている。このようにして、コイル3はコア2の軸線Xに交差する方向に巻き回されている。
図4に示す給電接点部3a、3bを介して、高周波コンバータである第一のコンバータ16により、コイル3に高周波電流を流すと、磁束が発生する。本実施形態では、コア2の端部から出る磁束の殆ど(70%以上、好ましくは90%以上、更に好ましくは94%以上)が、回転体1を構成する定着フィルムの発熱層1aよりも外を通ってコア2の他端に戻るように設計されている。このため、定着フィルムの発熱層1aよりも外を通る磁束を打ち消す磁束が発生するように、定着フィルムの発熱層1aには周方向に流れる誘導電流が発生する。
これにより、定着フィルムの発熱層1aの周方向全体が発熱する。このように、定着フィルムの周方向に誘導電流が流れる構成にすると、定着フィルムの周方向全域が発熱するので、定着装置を定着可能な温度までウォームアップする時間を短くできるというメリットがある。また、コア2を有端形状とし、開磁路により、磁束の殆どが発熱層1aの外を通るように構成しているため、コア2をループ形状として閉磁路を形成する構成の装置と比較して、小型化できるというメリットもある。
更に本実施形態では、図4及び図5に示すように、共振回路191(図5)を駆動する高周波コンバータである第一のコンバータ16以外に、第一のコンバータ16に供給する電力を制御するための第二のコンバータ15を設けている。共振回路191は、導電層を有する筒状の回転体1と、回転体1の内部に配置され螺旋軸が回転体の母線方向と略平行であるコイル3と、共振コンデンサ1113を有する。
ここで、図3、図4に示す定着ユニットAの温度検出素子9、10、11は、図4に示すようにニップ部Nよりも定着フィルムの回転方向で上流側に配置され、定着フィルムの表面温度を検出する。また、定着ユニットAの長手方向において、定着フィルムの中央部および両端部の温度を検出(取得)する。これらの温度検出素子9、10、11は、サーミスタ等によって構成される。そして、長手方向における中央部の温度検出素子9の検出温度が定着に適した制御目標温度を維持するように、コイル3への給電が制御される。
また、定着フィルムの長手方向の両端部付近に配設された温度検出素子10、11は、小サイズ記録材Pを連続プリントした時の定着フィルムの非通紙域の昇温具合を検知することができる。尚、温度検出素子10及び11は、加圧ローラ8の長手方向の両端部に配置し、小サイズ記録材Pを連続プリントしたときの加圧ローラの非通紙域の昇温具合を検知してもよい。
図5に示すRsは定着ユニットAの等価抵抗(等価抵抗値情報)、Lsは定着ユニットAの等価インダクタンス(等価インダクタンス値情報)である。本実施形態の共振回路191は、電流共振回路である。また、記録材Pのサイズと回転体1の非通紙部の温度の少なくとも一方に応じて、第一のコンバータ16の駆動周波数を設定する周波数設定部120を設けている。更に、回転体1の通紙部の温度に応じて第二のコンバータ15を制御し、第二のコンバータ15から第一のコンバータ16に供給する電力を制御する電力制御部119を設けている。
詳述すると、周波数設定部120は、小サイズ紙の非通紙部となる領域の回転体1の温度が高くなり過ぎないように温度検出素子10、11の検出温度に応じて第一のコンバータ16の駆動周波数を設定する。電力制御部119は、回転体1の通紙部の温度(温度検出素子9の検出温度)が定着可能温度である制御目標温度を維持するように、第二のコンバータ15の出力電圧を制御する。なお、第一のコンバータ16の駆動周波数は、記録材のサイズ情報に応じて設定してもよい。
次に、図5(a)に示す駆動回路を詳細に説明する。50は、画像形成装置100を接続する商用電源(交流電源)であり、画像形成装置100に交流電力を供給する。商用電源50の波形は、横軸を時間、縦軸を電圧としたとき波形1のような波形である。商用電源50から入力された電力は、ACフィルタ1101を介してダイオードブリッジ1102に入力され、全波整流される。整流された電圧は、コンデンサ1103に充電された後、横軸を時間、縦軸を電圧としたとき、波形2のような電圧波形になる。
71は、直流電圧を生成する電源部であり、不図示の二次側の負荷(モータやCPU等)に所定の電圧を出力している。72は商用電源電圧を検知するための商用電源電圧検知手段、73は定着ユニットAに流れる電流を検知するための定着電流検知手段である。74は、商用電源電圧検知手段72で検知した電圧波形から商用電源の電圧実効値を算出する電圧検知手段としての電圧実効値算出手段であり、算出した商用電源の電圧実効値をエンジン制御部121に伝達している。
また、75は、商用電源電圧検知手段72で検知した電圧波形と定着電流検知手段73で検知した定着ユニットAに流れる電流波形から、定着ユニットAに供給された有効電力を算出する有効電力算出手段である。そして、算出した有効電力値をエンジン制御部121に伝達している。
続いて、第一のコンバータ16について説明する。第一のコンバータ16は、第二のコンバータ15の出力に接続されている。スイッチング素子1108、1109で、第一のコンバータ16のハーフブリッジ回路を構成している。1110は電圧共振コンデンサであり、本実施形態ではスイッチング素子1109のドレイン(D)−ソース(S)間(スイッチング素子がIGBTの場合、コレクタ−エミッタ間)に接続している。1118は、スイッチング素子1108及び1109の駆動回路である。
なお、191は、等価インダクタンスLs、等価抵抗Rs、電流共振コンデンサ1113により構成された直列共振(電流共振)回路である。等価抵抗Rsは、回転体1及びコイル3の抵抗分を、コイル3から見た直列等価抵抗として表現した抵抗である。
図6に、スイッチング素子1108のゲート(G)−ソース(S)間電圧、スイッチング素子1109のゲート(G)−ソース(S)間電圧、スイッチング素子1109のドレイン(D)電圧、コイル3の電流、及びコンデンサ1113の電圧を示す。電流共振回路を用いているので、スイッチング素子1108、1109は、いずれも、期間1+期間2+期間3+期間4においてデューティ比約50%で交互に駆動される。
具体的には、スイッチング素子1108のON期間は期間1であり、(期間1/(期間1+期間2+期間3+期間4))≒50%である。スイッチング素子1109のON期間は期間3であり、(期間3/(期間1+期間2+期間3+期間4))≒50%である。デューティ比50%で駆動する理由は、第一のコンバータ16に入力する電圧の1/2の電圧が電流共振コンデンサ1113にチャージするためである。デューティ比50%で駆動しない場合、電流共振コンデンサ1113に許容できる電圧振幅が低下してしまい、コイル3へ出力できる電力が小さくなってしまう。
また、スイッチング素子1108、1109の両方の導通を避けるため、スイッチング素子1108、1109を同時にターンオフしている期間としてデッドタイムを必ず設けている(図6の期間2及び期間4)。
スイッチング素子1109のドレイン(D)ソース(S)端子間には、電圧共振コンデンサ1110を接続している。スイッチング素子1108がターンオンしてコンデンサ1107から電流が流れると、コンデンサ1110の電圧がコンデンサ1107と略同じとなり、その後、定着ユニットA内のコイル3と、コンデンサ1113に電流が流れ始める(図6の期間1)。コイル3及びコンデンサ1113に流れる電流は、正弦波状になる。コイル3の電流がコンデンサ1113を充電している期間内に、スイッチング素子1109をターンオフする。
コイル3には引き続き電流が流れ続けようとする為、電流は、コンデンサ1113、スイッチング素子1109に備わっている不図示の逆導通ダイオードに流れる(図6の期間2)。
スイッチング素子1109のドレイン(D)電圧は、ソース(S)電圧よりも逆導通ダイオードの順方向電圧だけ低くなる。図6の期間2の中でスイッチング素子1109の逆導通ダイオードが導通している期間に、周波数設定部120はスイッチング素子駆動回路1118を介してスイッチング素子1109をターンオンする。コイル3に流れていた電流は、時間とともに減少していく。コンデンサ1113に蓄えた電圧は最も高電圧となり、この後、逆方向に電流が流れ始める(図6の期間3)。
次に、逆方向に流れている電流が0Aになる前に、スイッチング素子1109をターンオフする。すると、流れていた電流はコンデンサ1110を充電し始め、スイッチング素子1109のドレイン(D)電圧が上昇していく(図6の期間4)。スイッチング素子1109のドレイン(D)電圧がコンデンサ1107の電圧よりも高くなると、スイッチング素子1108に備わっている不図示の逆導通ダイオードに電流が流れ始める。
コンデンサ1110の電圧は、コンデンサ1107の電圧とスイッチング素子1109に備わっている不図示の逆導通ダイオードの順方向電圧の和となる。スイッチング素子1108の逆導通ダイオードに通電している期間に、周波数設定回路120はスイッチング素子駆動回路1118を通じてスイッチング素子1108をターンオンする(図6の期間1)。以降、前述した期間1から期間4のスイッチ制御を繰り返す。
以上のように、電圧共振コンデンサ1110の容量と、ターンオフ時の電流と、デッドタイム時間(期間2及び期間4)を適切に設定することにより、スイッチング素子1108、1109はソフトスイッチ動作となり、高い効率を保つことが可能となっている。
ところで、電流共振回路191のスイッチ周波数(駆動周波数)は、周波数設定部120により制御される。周波数設定部120は、回転体1の記録材Pが通過しない領域(非通紙領域)に設けた温度検出素子10又は11の検出温度により、共振回路191の駆動周波数を制御する。非通紙領域とは、装置で利用可能な最大サイズの記録材は通過するが最大サイズより小さなサイズの記録材は通過しない領域のことである。例えば、温度検出素子10や11の検出温度が所定の上限温度に達すると、共振回路191の駆動周波数を低下させて、回転体の非通紙部の発熱を抑え、非通紙部の温度上昇を制限している。
このようにして、記録材のサイズに合った発熱分布を形成している。図7(a)(b)に駆動周波数をそれぞれ36kHzと50kHzに設定した場合のスイッチング素子1108とスイッチング素子1109のゲート(G)−ソース(S)間電圧波形を示す。いずれの周波数でも、スイッチング素子1108のONデューティ比とスイッチング素子1109のONデューティ比は約50%である。
このように、第一のコンバータ16の駆動周波数を切換えることにより、記録材のサイズに合った発熱分布を形成できる。なお、本実施形態は、温度検出素子10や11の検出温度が上限温度を超えないように駆動周波数を制御しているので、一枚の記録材を定着処理する期間中に駆動周波数は変動することもある。一方、温度検出素子10や11を設けずに、記録材のサイズ情報に応じて共振回路の駆動周波数を設定する場合、記録材サイズ毎に所定の駆動周波数を設定すればよい。
次に、第二のコンバータ15の動作について説明する。第二のコンバータ15は、第一のコンバータ16に供給する電力を制御するために設けられており、記録材サイズに拘らず記録材が通過する回転体1の通紙部の温度(温度検出素子9の検出温度)に応じて第一のコンバータ16に供給する電力を制御する。具体的には、電力制御部119は、温度検出素子9の検出温度に応じて駆動回路1117に信号を送り、スイッチング素子1104のONデューティ比を制御する。これにより、第一のコンバータ16に供給する電力(第二のコンバータ15の出力電圧)が制御される。
第二のコンバータ15は、スイッチング素子1104、ダイオード1105、コイル1106、コンデンサ1107等で構成された、降圧型コンバータである。スイッチング素子1104のゲート(G)−ソース(S)間に電圧が印加され、スイッチング素子1104がターンオンすると、コイル1106に電圧が印加される。コイル1106の両端にはコンデンサ1103とコンデンサ1107の電圧の差分が印加される。コイル1106に流れる電流の傾きはコイル1106のインダクタンスとコイル1106に印加された電圧により決まる。
コイル1106に流れた電流は、コンデンサ1107を充電する。コンデンサ1107の電圧が上昇してくると、スイッチング素子1104をターンオンしてもコイル1106に印加される電圧が小さくなる。このようにコイル1106に印加される電圧によりコイル1106に流れる電流は変化するものの、コンデンサ1107の電圧上昇が遅ければコイル1106に流れる電流はほぼ直線的に上昇していく。この期間が、図8の期間1である。
スイッチング素子1104がターンオフすると、ダイオード1105を通ってコイル1106に電流が継続して流れる状態になる。コイル1106に磁界の形で蓄積された電力により、コンデンサ1107は充電される。コンデンサ1107の容量が充分に大きければ、コイル1106の電流は略線形特性により低下していく。スイッチング素子1104がONする際に、コイル1106に電流が流れている場合には、その電流値がスイッチング素子1104をターンオンした時の初期値となる。以上の様な一連の動作を繰り返して、第二のコンバータ15は動作している。
スイッチング素子1104の駆動方法には、PWM制御が用いられている。回転体1の通紙部の温度を制御目標温度に維持するため、第二のコンバータ15の出力電力を大きくしたいときは、PWMのON時間比率、即ちONデューティ比(図8の期間1/(期間1+期間2))を大きくする。逆に、第二のコンバータ15の出力電力を小さくしたいときは、ONデューティ比を小さくする。
PWM制御では、コイル1106に流れる電流が0になることがない。図8に、PWM制御を行った際のコイル1106の電流と、ダイオード1105のK端子の電圧を示す。このように、スイッチング素子1104は、電流が流れている状態でターンオン、ターンオフ動作を行うハードスイッチ動作となる。なお、図8のコンデンサ1107の電圧が第二のコンバータ15の出力電圧となる。
なお、スイッチング素子1104は、商用交流電源50に絶縁されずに接続されている。本実施形態では、国際規格で絶縁を要求される装置に適用する為、一例として駆動回路1117、1118で絶縁を確保するよう構成している。
以上のように、電力制御部119は、温度検出素子9の検出温度に基づいて、前述したPWM制御のONデューティ比を制御している。制御手法としては、PI制御、またはPID制御などを用いている。そして、温度検出素子9の検出温度が定着可能温度である制御目標温度を維持するように、電力制御部119は駆動回路1117を駆動し、スイッチング素子1104のONデューティ比を制御する。スイッチング素子1104のONデューティ比を変化させるとコンデンサ1107の電圧が変化し、第一のコンバータ16に供給される電力が変化する。
このように、通紙領域の温度(温度検出素子9の検出温度)を制御目標温度に保つため、第一のコンバータ16の駆動周波数を制御するのではなく、第二のコンバータの出力電圧を制御する。
なお、非通紙部の温度に応じて第一のコンバータの駆動周波数を設定する代わりに、記録材Pのサイズに応じて第一のコンバータ16の駆動周波数を設定しても構わない。記録材のサイズと回転体の非通紙部の温度の少なくとも一方に応じて、第一のコンバータ16の駆動周波数を設定すればよい。
また、ダイオードブリッジ1102の入力側にトライアック等のスイッチング素子を配置し、この素子を位相制御や波数制御することによって第一のコンバータ16に入力する電圧の実効値を調整してもよい。また、ダイオードブリッジ1102の出力側にFETやIGBT等のスイッチング素子を配置し、この素子を位相制御や波数制御することによって第一のコンバータ16に入力する電圧の実効値を調整してもよい。
また、第二のコンバータ15を設けずに、PWMコンバータ方式や位相シフトフルブリッジ方式などのように、周波数を固定して、通電するデューティを調整することで投入電力を調整するような構成にしてもよい。すなわち、定着ユニットA(加熱ユニットA1)は、コンバータとして一つのコンバータから成り、周波数を固定して、通電するデューティを調整することで、定着ユニットA(加熱ユニットA1)への予定電力を調整するようにしても良い。
(定着フィルムの破損検知)
続いて、本発明の特徴的な部分である、定着フィルムの破損検知について説明する。図9は、回転体1を構成する定着フィルムの長手方向の破損幅に対する、そのときの定着ユニットAの等価インダクタンスLs、等価抵抗Rsの関係を示す図である。コア2に螺旋状に巻きつけられたコイル3に対して高周波電流を流した際に、定着フィルムに周回電流が流れ、コイル3と定着フィルムが磁気的に結合することで等価インダクタンスLsと等価抵抗Rsが形成される。
続いて、本発明の特徴的な部分である、定着フィルムの破損検知について説明する。図9は、回転体1を構成する定着フィルムの長手方向の破損幅に対する、そのときの定着ユニットAの等価インダクタンスLs、等価抵抗Rsの関係を示す図である。コア2に螺旋状に巻きつけられたコイル3に対して高周波電流を流した際に、定着フィルムに周回電流が流れ、コイル3と定着フィルムが磁気的に結合することで等価インダクタンスLsと等価抵抗Rsが形成される。
図9の横軸は定着フィルムにおける長手方向の破損幅、縦軸は等価インダクタンスLsと等価抵抗Rsである。定着フィルムの破損幅が広くなればなるほど、破損している部分には電流が流れなくなるため、破損している部分でのコイル3と定着フィルムの結合はなくなり、等価インダクタンスLsと等価抵抗Rsは大きくなる。
続いて図10は、定着フィルムの破損幅と、所定デューティで電力投入を行った場合の定着ユニットAへの投入電力との関係を示す図である。この図は、第一のコンバータ16に一定の電圧(投入電力デューティ比100%の場合)を入力した場合を示しており、横軸は定着フィルムにおける長手方向の破損幅、縦軸は定着ユニットAへの投入電力を示している。
定着ユニットAへの投入電力Pは、以下の式1から導くことができる。Vは定着ユニットAへの入力電圧、Rsは定着ユニットAの等価抵抗値、fは第一のコンバータ16の駆動周波数、Lsは定着ユニットAの等価インダクタンス値、Cは共振コンデンサ1113の容量を示している。
図10に示すように、定着フィルムの破損幅が広がれば広がるほど、定着ユニットAへの投入電力は低くなっていく。例えば、定着フィルムの破損がない場合の投入電力が約1280Wであるのに対して、40mm程度定着フィルムに破損があった場合には、投入電力は約1000Wになる。そして、80mm程度定着フィルムに破損があった場合には、投入電力は約560Wになる。これは、図9に示すように定着ユニットAの等価インダクタンスLsと等価抵抗Rsが、定着フィルムの破損により上昇することが原因である。
図11は、本実施形態の定着フィルムの破損検知シーケンスのフローチャートである。先ずS101にて、電圧実効値算出手段において商用電源電圧Vacを算出する。続いて、S102にて、第二のコンバータ15のデューティDを決定する。第一のコンバータ16に入力される電圧は、以下の式2により表すことができる。式2が示すように、第一のコンバータ16に入力される電圧V1は、商用電源電圧Vacと第二のコンバータ15のデューティDによって決まる。このため、第一のコンバータ16に入力される電圧が所定の電圧になるように、第二のコンバータ15のデューティを決めればよい。
次に、S103にて、定着ユニットA(加熱ユニットA1)への投入予定電力(想定電力)Prefをエンジン制御部121内の第1の取得手段121aで取得(算出)する。定着ユニットAに印加される電圧Vは、以下の式3で表すことができる。
ここで、式3と式1から、式4を導出することができ、式4から定着ユニットAへの投入予定電力Prefを算出することができる。Rsは定着ユニットAの等価抵抗値、fは第一のコンバータ16の駆動周波数、Lsは定着ユニットAの等価インダクタンス値、Cは共振コンデンサ1113の容量である。
定着ユニットAの等価抵抗値Rsや定着ユニットAの等価インダクタンス値Lsは、予め用意された値を使用しても良いし、定着ユニット内のメモリ130に記憶(格納)された値を使用しても良い。共振コンデンサ1113の容量に関しても、予め用意された値を使用しても良いし、駆動回路内の不図示のメモリに記憶された値を使用しても良い。
続いて、比較手段としてのエンジン制御部121で、第1の取得手段121aで取得された投入予定電力(想定電力)Prefと比較する。すなわち、定着ユニットA(加熱ユニットA1)に供給した電力を第2の取得手段としての有効電力算出手段75で取得(検出)し、投入予定電力(想定電力)Prefと比較する。
具体的には、S104で4全波通電(図5(b))を開始し、S105でカウンタの初期設定を行い、S106でゼロクロス(ZEROX)の立下りエッジを検出したタイミングで、S107にて有効電力算出手段により1全波分の有効電力をPtとして取得する。S108にてカウンタをインクリメントし、S109にて4全波分の通電が終了したところで、S107にて取得したP0,P1,P2,P3において取得した4全波分の電力検知結果からS110にて4全波の検知電力の平均値Pkを算出する。
次に、S111において、定着ユニットA(加熱ユニットA1)への投入予定電力Prefにばらつきなどの変動要因も加味して所定の定数(本実施形態においては0.8)を掛けた値と検知電力値Pkを比較する。そして、Pkの方が小さい場合には、S112において定着フィルム破損と判断し、S113において定着装置の電力投入を禁止する。そして、最後にS114において、画像形成動作の停止及び故障を報知し、定着フィルム破損検知制御は終了となる。
又、S111、S115において、定着フィルム破損なしと判断された場合も定着フィルム破損検知制御は終了となり、通常の電力制御に移行する。
以上のようなシーケンスにより、定着フィルムに破損が発生した場合に検知することが可能となり、結果的に局所的な温度上昇を回避することが可能となる。
《第2の実施形態》
第1の実施形態では、通電前に定着フィルム破損検知シーケンスを行い、通電前に定着フィルムの破損を検知する例について説明した。本実施形態では、通電中に定着フィルムの破損が発生することを想定し、通電中も常時定着フィルムの破損を検知する例について説明する。以下では、本実施形態について、第1の実施形態と異なる点を主として説明し、共通する構成については、同一符号を付けて説明を省略する。
第1の実施形態では、通電前に定着フィルム破損検知シーケンスを行い、通電前に定着フィルムの破損を検知する例について説明した。本実施形態では、通電中に定着フィルムの破損が発生することを想定し、通電中も常時定着フィルムの破損を検知する例について説明する。以下では、本実施形態について、第1の実施形態と異なる点を主として説明し、共通する構成については、同一符号を付けて説明を省略する。
通電中に定着フィルムの破損が発生することを想定する場合、通電と同時に定着フィルム破損検知をする必要がある。通電中は、サーミスタ9の検知温度と目標温度の差分から第二のコンバータ15のデューティDを決定することで、定着フィルムの温調制御を行う。通電時に常時定着フィルムの破損検知をするためには、常に第二のコンバータ15のデューティから4全波おきに定着ユニットA投入予定電力Prefを算出し、検知電力と比較をする必要がある。
図12は、本実施形態の定着フィルムの通電時における破損検知シーケンスのフローチャートである。S101〜S110までの動きは、第1の実施形態と同様である。S111、S115において定着フィルム破損なしと判断された場合、S201にてサーミスタ9の検知温度と目標温度から、次の4全波における第二のコンバータ15のデューティDを決定する。
決定した第二のコンバータ15のデューティDを用いて、S103にて定着ユニットA投入予定電力Prefを算出する。そして、S111において、定着ユニットA(加熱ユニットA1)への投入予定電力Prefにばらつきなどの変動要因も加味して所定の定数(本実施形態においては0.8)を掛けた値と検知電力値Pkを比較する。そして、S115において定着フィルム破損なしと判断し、S202において通電終了と判断したタイミングで、通電時における定着フィルム破損検知制御は終了となる。
以上のようなシーケンスにより、定着フィルムに破損が発生した場合に常時、検知することが可能となり、結果的に局所的な温度上昇を回避することが可能となる。
以上、本発明によれば、抵抗発熱層が周回移動方向の全周にわたって設けられた定着装置において、定着フィルム破損が発生した場合に高速に応答検知し、破損端部での発熱集中による局所的な温度上昇を防止することができる。具体的には、定着フィルムに所定の電力DUTYで電力投入を行った際の想定電力値と実際の電力検知結果を比較することで、定着フィルムの破損の有無を判断可能である。そして、定着フィルムの破損の有無を検知して、定着装置への電力投入禁止とし、破損端部の温度上昇を回避することができる。
上述した実施形態では、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の範囲内で種々の変形が可能である。上述した実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。
1・・回転体、1a・・発熱層(導電層)、2‥‥磁性コア、3‥‥励磁コイル、8・・加圧ローラ、50・・交流電源、74・・電圧検知手段、75・・第2の取得手段、121・・比較手段、121a・・第1の取得手段、A1・・加熱ユニット
Claims (8)
- 導電層を有する回転可能な円筒状の回転体と、
前記回転体の中空部に挿通され、前記回転体の長手方向に沿って配置された磁性芯材と、
前記回転体の中空部に挿通され、前記磁性芯材の長手方向に沿って前記磁性芯材に巻かれた励磁コイルと、
前記回転体に対向し、前記回転体と共にトナー画像を担持した記録材を挟持搬送するニップ部を形成する対向体と、
前記ニップ部を加熱するために交流電源に接続され、前記回転体、前記磁性芯材および前記励磁コイルを備え、前記励磁コイルに高周波電流を流す加熱ユニットと、
前記交流電源の電圧を検知する電圧検知手段と、
前記電圧検知手段の出力と、前記加熱ユニットの等価インダクタンス値情報および等価抵抗値情報とに基づき、前記加熱ユニットに投入する予定電力を取得する第1の取得手段と、
前記加熱ユニットに供給した電力を取得する第2の取得手段と、
前記第1の取得手段と前記第2の取得手段の出力を比較する比較手段と、
を有し、
前記比較手段の出力に基づき、前記回転体の破損の有無を判断可能としたことを特徴とする画像加熱装置。 - 前記加熱ユニットは、共振回路から成る第一のコンバータと、前記第一のコンバータに入力する電圧を調整する第二のコンバータを有し、
前記第二のコンバータによって前記第一のコンバータに入力する電圧を調整することで、前記加熱ユニットへの予定電力を調整することを特徴とする請求項1に記載の画像加熱装置。 - 前記第二のコンバータの通電するデューティを調整することで、前記第一のコンバータに入力する電圧を調整し、前記加熱ユニットへの予定電力を調整することを特徴とする請求項2に記載の画像加熱装置。
- 前記回転体の温度を取得する温度取得手段を有し、
前記温度取得手段の出力に基づいて前記第二のコンバータのデューティを調整することを特徴とする請求項3に記載の画像加熱装置。 - 前記加熱ユニットは、コンバータとして一つのコンバータから成り、周波数を固定して、通電するデューティを調整することで、前記加熱ユニットへの予定電力を調整することを特徴とする請求項1に記載の画像加熱装置。
- 前記等価インダクタンス値情報および前記等価抵抗値情報は、記憶手段に格納されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像加熱装置。
- 記回転体がフィルムで形成されており、前記対向体は加圧ローラであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像加熱装置。
- 記録材にトナー画像を形成する画像形成部と、
導電層を有する回転可能な円筒状の回転体と、
前記回転体の中空部に挿通され、前記回転体の長手方向に沿って配置された磁性芯材と、
前記回転体の中空部に挿通され、前記磁性芯材の長手方向に沿って前記磁性芯材に巻かれた励磁コイルと、
前記回転体に対向し、前記回転体と共に前記トナー画像を担持した記録材を挟持搬送するニップ部を形成する対向体と、
前記ニップ部を加熱するために交流電源に接続され、前記回転体、前記磁性芯材および前記励磁コイルを備え、前記励磁コイルに高周波電流を流す加熱ユニットと、
前記交流電源の電圧を検知する電圧検知手段と、
前記電圧検知手段の出力と、前記加熱ユニットの等価インダクタンス値情報および等価抵抗値情報とに基づき、前記加熱ユニットに投入する予定電力を取得する第1の取得手段と、
前記加熱ユニットに供給した電力を取得する第2の取得手段と、
前記第1の取得手段と前記第2の取得手段の出力を比較する比較手段と、
を有し、
前記比較手段の出力に基づき、前記回転体の破損の有無を判断可能としたことを特徴とする画像形成装置。
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---|---|---|---|
JP2018157324A JP2020030382A (ja) | 2018-08-24 | 2018-08-24 | 画像加熱装置及びこれを用いた画像形成装置 |
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