JP4212383B2 - 定着装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱したローラ対のニップに、未定着トナー画像を担持した用紙を挿入して、未定着トナーを加熱、溶融し、用紙に定着する定着装置に関する。特に、誘電加熱方式により加熱する定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式の画像形成装置においては、ニップを形成するローラ対の少なくとも一方のローラに熱源を内蔵させ、この熱源によって加熱されたローラ対のニップに未定着トナー画像を担持した用紙を挿通することによって用紙にトナーを定着する熱ローラ定着方式が広く用いられている。
【0003】
このような熱ローラ定着方式では、定着ローラに内蔵されたハロゲンランプなどの熱源から、ローラ表面までの熱伝達の効率が低く、熱の損失が大きい。また、ローラ表面まで熱が伝達するのに長い時間が必要である。その結果、加熱効率が悪いために消費電力が多く、ローラ表面が定着可能な温度に達するまでのウォームアップ時間に幾分も要するなどといった問題があった。
【0004】
これを改善するために、励磁コイルと、非磁性金属で構成した定着ローラと、を用いた誘電加熱方式により、未定着トナー画像を溶融、定着させる定着装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−268952号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1記載の定着装置は、定着部材を加熱するものであって、加圧部材を加熱する手段を有しない。その結果、通紙中の用紙に熱が奪われることにより、加圧部材の温度低下が発生する。したがって、加熱効率が悪くなり、消費電力も増大する。さらに、加圧部材の温度変動により、安定した定着性を得ることが困難になる。
【0007】
また一般的には、誘電加熱方式によって加熱する場合、発熱体として磁性金属を使用することが望ましいとされている。しかしながら、 非磁性金属の厚さを薄くすることで、磁性金属よりも高い加熱効率が得られることが知られている。特許文献1記載のような定着装置は、この高い加熱効率が得られる非磁性金属を定着ローラに適用しているものの、本来加熱が非常に困難である非磁性金属の特性を十分に改善して利用しているとは言えない。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、誘電加熱方式により加熱する定着装置において、高い加熱効率が得られる構造を提案し、ウォームアップ時間の短縮及び消費電力の低減が可能な定着装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明は、用紙上の未定着トナーを定着する定着部材と、前記定着部材の下方に配されるとともに前記定着部材に当接して用紙を挿通させるニップを形成する加圧ベルトと、を備えた定着装置において、前記加圧ベルトに磁性金属からなる発熱層を設けるとともに、渦電流負荷が2.4×10 −3 Ω以上であって非磁性金属からなる発熱層を前記定着部材に設け、前記定着部材内の、定着部材と加圧ベルトとが用紙搬送方向に幅をもって当接する箇所の近傍からその当接箇所の近傍に達する手前側位置にかけて、高透磁部材の近傍で該高透磁部材を囲むように励磁コイルを巻き、前記高透磁部材は支持部材に支持されるとともに前記定着部材の長手方向に延設され、前記励磁コイルは前記支持部材に支持されるとともに、内側に前記高透磁部材を備えるように前記定着部材の長手方向に沿う方向に巻かれ、前記励磁コイルは、前記当接箇所の用紙搬送方向の略全幅において、前記定着部材および前記加圧ベルトの両方を同時に加熱するものとした。
【0010】
この構成によれば、励磁コイルによって加圧ベルトを直接加熱するので、通紙中においても加圧ベルトを加熱することができる。その結果、用紙に熱が奪われることによる加圧ベルトの温度低下を低減することが可能となり、高い加熱効率が得られるとともに、消費電力の低減を図ることができる。そして、加圧ベルトの温度変動が少ないので、安定した定着性を得ることが可能である。
【0012】
また、磁束は非磁性金属層を通り抜けるので、その外側に磁性金属層があれば、その磁性金属層も発熱させることが可能である。その結果、一つの励磁コイルで二つの部材を同時に発熱させることができるので、高い加熱効率が得られる。また、定着部材と加圧ベルトを加熱する手段を単一のものにすることができ、部品点数の削減によるコストダウンや構造の簡素化を図ることが可能である。
【0014】
また、励磁コイルから発生する磁束のほとんどが高透磁部材を通過するようになるので、磁界を強めることができるとともに、磁束の通る場所を把握し易くなる。その結果、定着部材及び加圧ベルトにおける発熱箇所をコントロールすることが可能である。また、高透磁部材によってインダクタンスを向上させることができるので、励磁コイルを小型化することができる。
【0015】
ここで、渦電流負荷とは、材料固有の電気抵抗率を、電磁誘導により渦電流が発生する深さで割った値であり、R=ρ/zで表す(式中のRは渦電流負荷、ρは電気抵抗率、zは渦電流が発生する深さを示す)。通常、渦電流が発生する深さzは、磁界浸透深さδと同じであるので、z=δである。しかしながら、使用する金属層の厚さdが、この磁界浸透深さδよりも薄い場合には、z=dとなる。したがって、渦電流負荷RはR=ρ/dとなり、電気抵抗率ρと金属層の厚さdで決定される。また、逆に、渦電流負荷Rが決定されている場合には、この渦電流負荷Rと電気抵抗率ρから金属層の厚さdを導出することが可能である。
【0016】
一般的には、誘電加熱方式によって加熱する場合、発熱体として磁性金属を使用することが望ましいとされているが、この構成によれば、定着部材の表面を磁性金属で構成するよりも高い加熱効率を得ることができる。また、定着部材の表面を構成する非磁性金属がどのような金属であっても、高い加熱効率が得られる。その結果、それらの金属における適切な層の厚さを決定することが可能であり、実際に製作するのが容易である。また、これ以外の数値に基づいて製作されたものより加熱性能が良い。
【0017】
また、前記高透磁部材が、フェライトであることとした。
【0018】
この構成によれば、高透磁部材として広く用いられているフェライトを採用し、簡単な構成で、加熱効率を高めることが可能である。
【0020】
また、前記渦電流負荷が、2.8×10-3Ωから8.0×10-3Ωの範囲であることとした。
【0021】
このように、定着部材の非磁性金属層の渦電流負荷を限定することによって、さらに高い加熱効率が得られる。その結果、さらに加熱性能が高い定着装置を提供することが可能である。
【0022】
また、本発明は、用紙上の未定着トナーを定着する定着部材と、前記定着部材の下方に配されるとともに前記定着部材に当接して用紙を挿通させるニップを形成する加圧ベルトと、を備えた定着装置において、前記加圧ベルトに磁性金属からなる発熱層を設けるとともに、前記定着部材に非磁性金属からなる発熱層を設け、前記定着部材の非磁性金属層が、銅で構成され、この銅の層を7.0μm以下の厚さで設け、前記定着部材内の、定着部材と加圧ベルトとが用紙搬送方向に幅をもって当接する箇所の近傍からその当接箇所の近傍に達する手前側位置にかけて、高透磁部材の近傍で該高透磁部材を囲むように励磁コイルを巻き、前記高透磁部材は支持部材に支持されるとともに前記定着部材の長手方向に延設され、前記励磁コイルは前記支持部材に支持されるとともに、内側に前記高透磁部材を備えるように前記定着部材の長手方向に沿う方向に巻かれ、前記励磁コイルは、前記当接箇所の用紙搬送方向の略全幅において、前記定着部材および前記加圧ベルトの両方を同時に加熱することとした。
【0023】
このように、非磁性金属である銅の層の厚さを定めることによって、より高い加熱効率が得られる。
【0024】
また、前記銅の層の厚さが、2.0μmから6.0μmの範囲であることとした。
【0025】
このように、銅の層の厚さを限定することによって、さらに高い加熱効率が得られる。その結果、さらに加熱性能が高い定着装置を提供することが可能である。
【0026】
また、本発明は、用紙上の未定着トナーを定着する定着部材と、前記定着部材の下方に配されるとともに前記定着部材に当接して用紙を挿通させるニップを形成する加圧ベルトと、を備えた定着装置において、前記加圧ベルトに磁性金属からなる発熱層を設けるとともに、前記定着部材に非磁性金属からなる発熱層を設け、前記定着部材の非磁性金属層が、アルミニウムで構成され、このアルミニウムの層を11.0μm以下の厚さで設け、前記定着部材内の、定着部材と加圧ベルトとが用紙搬送方向に幅をもって当接する箇所の近傍からその当接箇所の近傍に達する手前側位置にかけて、高透磁部材の近傍で該高透磁部材を囲むように励磁コイルを巻き、前記高透磁部材は支持部材に支持されるとともに前記定着部材の長手方向に延設され、前記励磁コイルは前記支持部材に支持されるとともに、内側に前記高透磁部材を備えるように前記定着部材の長手方向に沿う方向に巻かれ、前記励磁コイルは、前記当接箇所の用紙搬送方向の略全幅において、前記定着部材および前記加圧ベルトの両方を同時に加熱することとした。
【0027】
このように、非磁性金属であるアルミニウムの層の厚さを定めることによって、より高い加熱効率が得られる。
【0028】
また、前記アルミニウムの層の厚さが、3.3μmから9.5μmの範囲であることとした。
【0029】
このように、アルミニウムの層の厚さを限定することによって、さらに高い加熱効率が得られる。その結果、さらに加熱性能が高い定着装置を提供することが可能である。
【0030】
また、本発明は、用紙上の未定着トナーを定着する定着部材と、前記定着部材の下方に配されるとともに前記定着部材に当接して用紙を挿通させるニップを形成する加圧ベルトと、を備えた定着装置において、前記加圧ベルトに磁性金属からなる発熱層を設けるとともに、前記定着部材に非磁性金属からなる発熱層を設け、前記定着部材の非磁性金属層が、非磁性ステンレスで構成され、この非磁性ステンレスの層を300μm以下の厚さで設け、前記定着部材内の、定着部材と加圧ベルトとが用紙搬送方向に幅をもって当接する箇所の近傍からその当接箇所の近傍に達する手前側位置にかけて、高透磁部材の近傍で該高透磁部材を囲むように励磁コイルを巻き、前記高透磁部材は支持部材に支持されるとともに前記定着部材の長手方向に延設され、前記励磁コイルは前記支持部材に支持されるとともに、内側に前記高透磁部材を備えるように前記定着部材の長手方向に沿う方向に巻かれ、前記励磁コイルは、前記当接箇所の用紙搬送方向の略全幅において、前記定着部材および前記加圧ベルトの両方を同時に加熱することとした。
【0031】
このように、非磁性金属である非磁性ステンレスの層の厚さを定めることによって、より高い加熱効率が得られる。
【0032】
また、前記非磁性ステンレスの層の厚さが、90μmから257μmの範囲であることとした。
【0033】
このように、非磁性ステンレスの層の厚さを限定することによって、さらに高い加熱効率が得られる。その結果、さらに加熱性能が高い定着装置を提供することが可能である。
【0034】
また、前記加圧ベルトの磁性金属層の渦電流負荷が、3.0×10−4Ωから2.0×10−2Ωの範囲であることとした。
【0035】
このように、加圧ベルトの磁性金属層の渦電流負荷を限定することによって、さらに高い加熱効率が得られる。その結果、さらに加熱性能が高い定着装置を提供することが可能である。
【0036】
また、前記加圧ベルトの磁性金属層が、ニッケルで構成され、このニッケルの層を3.5μmから100μmの範囲の厚さで設けることとした。
【0037】
このように、磁性金属であるニッケルの層の厚さを定めることによって、より高い加熱効率が得られる。さらに、この厚さであれば加圧ベルトの弾性を損ねることがないので、定着性能がより高い定着装置を提供することが可能である。
【0038】
また、前記加圧ベルトの磁性金属層が、鉄で構成され、この鉄の層を5.0μmから100μmの範囲の厚さで設けることとした。
【0039】
このように、磁性金属である鉄の層の厚さを定めることによって、より高い加熱効率が得られる。さらに、この厚さであれば加圧ベルトの弾性を損ねることがないので、定着性能がより高い定着装置を提供することが可能である。
【0040】
また、前記加圧ベルトの磁性金属層の厚みが、磁界浸透深さよりも大きいこととした。
【0041】
加圧ベルトの磁性金属層の厚みが磁界浸透深さよりも小さいと、励磁コイルから発生する磁束が磁性金属層を通過し、さらにその内側に漏洩してしまう。上記の構成によれば、磁束が加圧ベルトを通過することがない。その結果、磁性金属層の内側への磁束の漏洩を防止することが可能である。これにより、加圧ベルトの磁性金属層の内側に他の金属部材が存在する場合、この金属部材を不必要に加熱することがなく、加熱エネルギの浪費を抑制することが可能となる。
【0042】
また、前記ニッケルの層の厚さが、43.7μmから100μmの範囲であることとした。
【0043】
このように、ニッケルの層の厚さを限定することによって、さらに高い加熱効率が得られるとともに、ニッケルの層の内側への磁束の漏洩を防止することが可能である。その結果、加熱エネルギの浪費を抑えた高い加熱効率の定着装置を提供することが可能である。 また、この厚さであれば加圧ベルトの弾性を損ねることもないので、定着性能を高めることも可能である。
【0044】
また、前記鉄の層の厚さが、40.5μmから100μmの範囲であることとした。
【0045】
このように、鉄の層の厚さを限定することによって、さらに高い加熱効率が得られるとともに、鉄の層の内側への磁束の漏洩を防止することが可能である。その結果、加熱エネルギの浪費を抑えた高い加熱効率の定着装置を提供することが可能である。また、この厚さであれば加圧ベルトの弾性を損ねることもないので、定着性能を高めることも可能である。
【0046】
また、前記加圧ベルトの磁性金属層の内側に、断熱層を設けることとした。
【0047】
この構成によれば、加圧ベルトの低熱容量化を図ることができる。その結果、加圧ベルト表面が定着に好適な温度に達するまでの時間を、より短くすることが可能である。また、消費電力の低減を図ることが可能である。
【0050】
また、前記定着部材がローラで構成されることとした。
【0051】
この構成によれば、定着部材及び加圧部材の両方がローラである場合と比較して、加圧部材をベルトで構成していることにより、低熱容量化を図ることができる。また、適切なニップ時間を設定することができる。その結果、定着部材表面が定着可能な温度に達するまでの時間を、より短くすることが可能である。また、安定した定着性を得ることが可能である。
【0052】
また、前記定着部材がベルトで構成されることとした。この構成によれば、定着部材及び加圧部材を、さらに低熱容量化させることができる。その結果、定着部材表面が定着可能な温度に達するまでの時間を、さらに短くすることが可能である。
【0053】
また、前記定着部材はローラで構成されるとともに、前記加圧ベルトは、用紙が進入する側の第1ローラと用紙が排出される側の第2ローラとに懸架され、第1ローラは前記加圧ベルトを介して前記定着部材に当接し、前記加圧ベルトは第1、第2ローラ間で前記定着部材に当接し、第2ローラは前記定着部材から離れていることとした。
【0054】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図に基づき説明する。
【0055】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る定着装置を示す模型的断面図である。図2は、図1に示す定着装置の電磁誘導部を示す概略部分斜視図である。定着装置1には、定着部10と加圧部20が備えられ、定着部10の定着部材である定着ローラ11内には電磁誘導部30が配置されている。また、用紙が進入してくる箇所には、用紙進入ガイド40が設けられている。
【0056】
定着部10は、定着部材である定着ローラ11で構成される。定着ローラ11は直径が40mmで、耐熱樹脂等の芯材12の表面に発熱層である非磁性金属層13が設けられている。非磁性金属層13が、例えばSUS304である場合、その厚さは250μmとする。非磁性金属層13の外側には、厚さ20μmの離型層14を設け、トナーの離型性を高める。離型層14は、PFA(テトラフルオロエチレン−パー−フルオロアルキルビニルエーテル共重合体)等のフッ素系樹脂が用いられ、吹き付けによるコーティングやチューブを被せることによって設けられている。また、弾性層として、シリコンゴム層を離型層14のすぐ内側に設けてもよい。
【0057】
加圧部20は、加圧部材である加圧ベルト21と、主ローラ22と、副ローラ23で構成される。定着ローラ11と当接する加圧ベルト21は、ポリイミドフィルム(図示せず)に、発熱層である磁性金属層24としてニッケルが50μmの厚さのメッキで形成されている。その外側には、弾性層25である厚さ100μmのシリコンゴム層が設けられている。弾性層25の外側には、50μmの厚さのPFAチューブが離型層26として被せられている。この加圧ベルト21に、主ローラ22及び副ローラ23によって所定の張力が与えられ、加圧ベルト21が定着ローラ11と当接することで用紙を挿通させるニップを形成する。
【0058】
ここで、上記定着ローラ11及び加圧部20の構成は、定着ローラ11をベルトに代え、加圧部20をローラのみにするといった構成でも良い。また、両方ともローラ、或いは両方ともベルトであるといった構成でも良い。いずれの場合においても、後述する励磁コイル31を、定着部材内の、定着部材と加圧部材とが当接する箇所の近傍に配置する。定着ローラ11をベルトに代える場合は、ポリイミドフィルムに非磁性金属層をメッキ、或いは圧延処理にて設け、その外側にPFA等のフッ素系樹脂のコーティングを施す。
【0059】
電磁誘電部30は、励磁コイル31、フェライト32、支持部材33で構成される。励磁コイル31は、直径0.1mmのエナメル線300本を寄り合わせたリッツ線が、定着ローラ11の軸線に沿う方向に巻かれたものである。このようにして巻かれた励磁コイル31の内側に、磁界を強めるためのフェライト32が備えられている。支持部材33は、耐熱性樹脂で構成され、フェライト収納部33aと、定着ローラ11の曲率に基づいて形成された湾曲部33bとを備えている。励磁コイル31は、このフェライト収納部33aを囲み、湾曲部33bに沿うように巻かれている。励磁コイル31には、定格電力1500W、周波数20〜50kHzの高周波電源34が接続されている。なお、フェライト32は、高い透磁率を有する部材であれば、フェライト以外の部材で代替することが可能である。
【0060】
この電磁誘電部30は、定着ローラ11と加圧ベルト21が当接する箇所に磁束が通るように、その当接箇所に励磁コイル31を近づけて定着ローラ11内に配置されている。
【0061】
また、定着ローラ11内の、定着ローラ11と加圧ベルト21が当接する箇所の近傍で、定着ローラ11内壁と電磁誘電部30の間にはサーミスタ15が備えられている。このサーミスタ15により加熱部の温度を検知し、高周波電源34の出力を制御して温度制御を行う。
【0062】
なお、これまでに登場した寸法等の数値は、一つの好適例の例示であり、発明の範囲を限定するものではない。
【0063】
図3は、図1に示す定着装置による加熱状態を示す模型的断面図である。定着装置1は、次のように加熱動作を行う。
【0064】
励磁コイル31に高周波電流を流すと磁界が発生する。発生した磁界の磁束Mは、そのほとんどが高透磁部材であるフェライト32を通過するので、磁界を強くすることができる。発生した磁束Mが、定着ローラ11の非磁性金属層13を通り抜ける時に、通過領域A及びBにおいて金属に渦電流が流れ、金属の電気抵抗により発熱する。特に通過領域Aは、磁性金属層24が存在することにより、通過領域Bよりも磁界が集中するので発熱量が大きい。また、この磁束Mは定着ローラ11の非磁性金属層13を通り抜け、加圧ベルト21にまで達するので、同時に、加圧ベルト21の磁性金属層24でも発熱する。
【0065】
このように、定着ローラ11だけでなく加圧ベルト21も直接加熱することができるので、ニップを挿通する用紙の上下から熱の供給が可能で、定着ローラ11の温度を低く設定することが可能である。これにより、余分な熱を供給することがないので、高い加熱効率が得られる。
【0066】
また、通紙中においても加圧ベルト21を加熱することができるので、通紙方向に対して長尺の用紙を通紙した場合でも用紙後端部における温度低下が少なく、安定した定着性が得られる。
【0067】
図4は、定着ローラの非磁性金属層を構成する銅の厚さが発熱量に及ぼす影響を示すグラフである。グラフの横軸は、非磁性金属層13を構成する銅の厚さを示し、縦軸は、磁性金属層24のみを加熱した時を1とした場合の、非磁性金属層13、磁性金属層24、及び双方を総合した発熱量を示す。ここでは磁性金属層24に、SUS430を用いている。図4によると、銅の厚さが7.0μm以下である時に、総発熱量が1.0を超えているのが分かる。また、特に、銅の厚さが2.0μmから6.0μmの範囲で総発熱量がピークに近い値に達しているのが分かる。したがって、磁性金属のみを用いて定着ローラ11及び加圧ベルト21を製作するよりも、非磁性金属と磁性金属とを組み合わせて用いるほうが加熱効率は向上する。銅の厚さをこの範囲に設定することで、加熱効率が10%向上する。
【0068】
図5は、定着ローラの非磁性金属層を構成するSUS304の厚さが発熱量に及ぼす影響を示すグラフである。グラフの構成は、前記図4の銅の場合と同様であり、磁性金属層24も同様にSUS430を用いている。図5によると、SUS304の厚さが300μm以下である時に、総発熱量が1.0を超えているのが分かる。また、特に、SUS304の厚さが90μmから257μmの範囲で総発熱量がピークに近い値に達しているのが分かる。これらの効果についても、前記銅の場合と同様に、磁性金属のみを用いて定着ローラ11及び加圧ベルト21を製作するよりも、加熱効率が10%向上する。このことを考慮に入れ、前記図1に示す定着装置1では、定着ローラ11の非磁性金属層13であるSUS304の厚さを250μmとしている。
【0069】
図6は、非磁性金属層の渦電流負荷と厚さとの関係、及び発熱量への影響を示す表である。表の左側の非磁性金属層条件の欄は、銅及びSUS304の渦電流負荷と層の厚さの関係を示している。表の右側は、磁性金属層のみを加熱した時を1とした場合の、非磁性金属層13、磁性金属層24、及び双方を総合した発熱量を示している。発熱量は、前記図4及び図5のグラフを数値化したものである。総発熱量が1.0以上である高い加熱効率が得られる条件を判断すると、非磁性金属層13の渦電流負荷は、2.4×10-3Ω以上、特に2.8×10-3Ωから8.0×10-3Ωの範囲であることが好ましいことが分かる。したがって、非磁性金属層13の渦電流負荷がこの範囲であれば、前述の銅やSUS304以外の金属でも高い加熱効率が得られることになる。
【0070】
すなわち、非磁性金属としてアルミニウムを用いた場合、アルミニウムの電気抵抗率が2.66×10-8Ω・mであるので、これを上記渦電流負荷の値で割ると、高い加熱効率が得られる層の厚さは、11.0μm以下、特に3.3μmから9.5μmの範囲であることが好ましいことになる。
【0071】
図7は、本発明の第2の実施形態に係る定着装置を示す模型的断面図である。なお、この実施形態の基本的な構成は、前記図1に示す第1の実施形態と同じであるので、第1の実施形態と共通する構成要素には前と同じ符号を付し、説明は省略するものとする。
【0072】
定着装置1には、定着部10と加圧部20が備えられ、定着部10の定着部材である定着ローラ11内には電磁誘導部30が配置されている。また、用紙が進入してくる箇所には、用紙進入ガイド40が設けられている。加圧部20の加圧部材は、加圧ローラ27で構成される。
【0073】
加圧部20は、加圧部材である加圧ローラ27で構成される。加圧ローラ27は直径が40mmで、耐熱樹脂等の芯材28の表面に断熱層29であるシリコンスポンジ層が設けられている。その外側には、発熱層である磁性金属層24としてニッケルが50μmの厚さのメッキで形成されている。ニッケル層の外側には、弾性層25である厚さ100μmのシリコンゴム層が設けられている。そして、その外側には、50μmの厚さのPFAチューブが離型層26として被せられている。この加圧ローラ27が定着ローラ11と当接することで用紙を挿通させるニップを形成する。
【0074】
ここで、前記第1の実施形態と同様に、上記定着部10及び加圧部20の構成は、両方ともローラ、一方がローラで他方がベルト、両方ともベルト、のいずれの構成であっても良い。
【0075】
このように、加圧ローラ27の磁性金属層24の内側に断熱層29を設けることによって、加圧ローラ27の低熱容量化を図ることができる。その結果、加圧ローラ27の表面が定着に好適な温度に達するまでの時間を、より短くすることが可能である。
【0076】
次に、加圧部材の磁性金属層の厚さについて、図8を用いて説明する。図8は、定着部材と加圧部材を構成する金属の厚さと渦電流負荷の関係を示すグラフである。グラフの横軸は金属の厚さを示し、縦軸はその金属の渦電流負荷を示す。金属の種類としては、非磁性金属である銅、アルミニウム、SUS304と、磁性金属である鉄、ニッケルを挙げている。
【0077】
図中、領域Cは、誘電加熱方式によって容易に加熱可能な金属の渦電流負荷の範囲を示している。すなわち、定着部材と加圧部材を構成する金属の渦電流負荷が、3.0×10-4Ωから2.0×10-2Ωの範囲であれば、誘電加熱方式によって容易に加熱可能である。例えば磁性金属であるニッケルの場合、渦電流負荷が2.0×10-2Ω以下、つまり、その厚さが3.5μm以上であると加熱可能である。また、鉄の場合は、その厚さが5.0μm以上であると加熱可能である。
【0078】
しかしながら、加圧部材のニッケルや鉄のような磁性金属層の厚さを必要以上に厚くすると、その剛性により、好適なニップを形成するための弾力が得られない。したがって、加圧部材の磁性金属層は100μm以下とすることが望ましい。これにより、前記第1および第2の実施形態において、加圧部材の磁性金属層であるニッケル層の厚さを50μmとしている。
【0079】
このようにして加圧部材の磁性金属層の厚さを定めることにより、高い加熱効率が得られる。さらに、上記のような厚さであれば加圧部材の弾性を損ねることがないので、定着性能がより高い定着装置を提供することが可能である。
【0080】
なお、非磁性金属である銅、アルミニウム、SUS304の場合は、前記図4〜図6に示すように、渦電流負荷が2.4×10-3Ω以上、特に2.8×10-3Ωから8.0×10-3Ωの範囲であることが好ましいことが分かっている。
【0081】
ここで、加圧部材の磁性金属の磁界浸透深さについて考える。加圧部材の磁性金属層の厚みが磁界浸透深さよりも小さいと、励磁コイルから発生する磁束が磁性金属層を通過し、さらにその内側に漏洩してしまう。これにより、加圧部材の磁性金属層の内側に他の金属部材が存在する場合、この金属部材を不必要に加熱してしまい、加熱エネルギを浪費するという問題が発生する。
【0082】
したがって、加圧部材の磁性金属層の厚みを、磁界浸透深さよりも大きくする必要がある。磁界浸透深さは、δ=503√(ρ/fμ)で表される(式中のδは磁界浸透深さ、ρは電気抵抗率、fは周波数、μは比透磁率を示す)。磁性金属層としてニッケルを用いた場合、周波数fを30kHzとして、ニッケルの電気抵抗率ρが6.80×10-8Ω・m、比透磁率μが300であるので、磁界浸透深さδは43.7μmとなる。鉄を用いた場合も同様に、周波数fを30kHzとして、鉄の電気抵抗率ρが9.71×10-8Ω・m、比透磁率μが500であるので、磁界浸透深さδは40.5μmとなる。
【0083】
これにより、ニッケルは43.7μm以上の厚みが、鉄は40.5μm以上の厚みが必要となるが、前述のように、好適なニップを形成する弾力を得るためには、加圧部材の磁性金属層は100μm以下とすることが望ましい。
【0084】
このようにして、加圧部材の磁性金属層であるニッケルの層の厚さを43.7μmから100μmの範囲に、また鉄の層の厚さを40.5μmから100μmの範囲に限定することによって、さらに高い加熱効率が得られるとともに、磁性金属層の内側への磁束の漏洩を防止することが可能である。その結果、加熱エネルギの浪費を抑えた高い加熱効率の定着装置を提供することが可能である。また、上記のような厚さであれば加圧部材の弾性を損ねることもないので、定着性能を高めることも可能である。
【0085】
上記のように本発明の実施形態を示したが、この他、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【0086】
【発明の効果】
本発明の上記構成によれば、励磁コイルによって加圧ベルトを直接加熱するので、通紙中においても加圧ベルトを加熱することができる。その結果、用紙に熱が奪われることによる加圧ベルトの温度低下を低減することが可能となり、高い加熱効率が得られるとともに、消費電力の低減を図ることができる。そして、加圧ベルトの温度変動が少ないので、安定した定着性を得ることが可能である。
【0087】
そして、磁束は非磁性金属層を通り抜けるので、その外側に磁性金属層があれば、その磁性金属層も発熱させることが可能である。その結果、一つの励磁コイルで二つの部材を同時に発熱させることができるので、高い加熱効率が得られる。また、定着部材と加圧ベルトを加熱する手段を単一のものにすることができ、部品点数の削減によるコストダウンや構造の簡素化を図ることが可能である。
【0088】
また、一般的には、誘電加熱方式によって加熱する場合、発熱体として磁性金属を使用することが望ましいとされているが、定着部材の非磁性金属層の渦電流負荷を2.4×10-3Ω以上、特に2.8×10-3Ωから8.0×10-3Ωの範囲にすることによって、磁性金属を使用するよりも高い加熱効率を得ることができる。また、定着部材の表面を構成する非磁性金属がどのような金属であっても、高い加熱効率が得られる。
【0089】
さらに、加圧ベルトの磁性金属層の厚さを限定することによって、さらに高い加熱効率が得られるとともに、磁性金属層の内側への磁束の漏洩を防止することが可能である。その結果、加熱エネルギの浪費を抑えた高い加熱効率の定着装置を提供することが可能である。また、加圧ベルトの弾性を損ねることもないので、定着性能を高めることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係る定着装置を示す模型的断面図
【図2】 図1に示す定着装置の電磁誘導部を示す概略部分斜視図
【図3】 図1に示す定着装置による加熱状態を示す模型的断面図
【図4】 銅の厚さが発熱量に及ぼす影響を示すグラフ
【図5】 SUS304の厚さが発熱量に及ぼす影響を示すグラフ
【図6】 非磁性金属層の渦電流負荷と厚さとの関係、及び発熱量への影響を示す表
【図7】 本発明の第2の実施形態に係る定着装置を示す模型的断面図
【図8】 金属の厚さと渦電流負荷の関係を示すグラフ
【符号の説明】
1 定着装置
10 定着部
11 定着ローラ
13 非磁性金属層
20 加圧部
21 加圧ベルト
22 主ローラ
24 磁性金属層
27 加圧ローラ
29 断熱層
30 電磁誘導部
31 励磁コイル
32 フェライト

Claims (19)

  1. 用紙上の未定着トナーを定着する定着部材と、前記定着部材の下方に配されるとともに前記定着部材に当接して用紙を挿通させるニップを形成する加圧ベルトと、を備えた定着装置において、
    前記加圧ベルトに磁性金属からなる発熱層を設けるとともに、渦電流負荷が2.4×10 −3 Ω以上であって非磁性金属からなる発熱層を前記定着部材に設け、
    前記定着部材内の、定着部材と加圧ベルトとが用紙搬送方向に幅をもって当接する箇所の近傍からその当接箇所の近傍に達する手前側位置にかけて、高透磁部材の近傍で該高透磁部材を囲むように励磁コイルを巻き、
    前記高透磁部材は支持部材に支持されるとともに前記定着部材の長手方向に延設され、
    前記励磁コイルは前記支持部材に支持されるとともに、内側に前記高透磁部材を備えるように前記定着部材の長手方向に沿う方向に巻かれ、
    前記励磁コイルは、前記当接箇所の用紙搬送方向の略全幅において、前記定着部材および前記加圧ベルトの両方を同時に加熱することを特徴とする定着装置。
  2. 前記高透磁部材が、フェライトであることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記渦電流負荷が、2.8×10−3Ωから8.0×10−3Ωの範囲であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の定着装置。
  4. 用紙上の未定着トナーを定着する定着部材と、前記定着部材の下方に配されるとともに前記定着部材に当接して用紙を挿通させるニップを形成する加圧ベルトと、を備えた定着装置において、
    前記加圧ベルトに磁性金属からなる発熱層を設けるとともに、前記定着部材に非磁性金属からなる発熱層を設け、
    前記定着部材の非磁性金属層が、銅で構成され、この銅の層を7.0μm以下の厚さで設け
    前記定着部材内の、定着部材と加圧ベルトとが用紙搬送方向に幅をもって当接する箇所の近傍からその当接箇所の近傍に達する手前側位置にかけて、高透磁部材の近傍で該高透磁部材を囲むように励磁コイルを巻き、
    前記高透磁部材は支持部材に支持されるとともに前記定着部材の長手方向に延設され、
    前記励磁コイルは前記支持部材に支持されるとともに、内側に前記高透磁部材を備えるように前記定着部材の長手方向に沿う方向に巻かれ、
    前記励磁コイルは、前記当接箇所の用紙搬送方向の略全幅において、前記定着部材および前記加圧ベルトの両方を同時に加熱することを特徴とする定着装置。
  5. 前記銅の層の厚さが、2.0μmから6.0μmの範囲であることを特徴とする請求項に記載の定着装置。
  6. 用紙上の未定着トナーを定着する定着部材と、前記定着部材の下方に配されるとともに前記定着部材に当接して用紙を挿通させるニップを形成する加圧ベルトと、を備えた定着装置において、
    前記加圧ベルトに磁性金属からなる発熱層を設けるとともに、前記定着部材に非磁性金属からなる発熱層を設け、
    前記定着部材の非磁性金属層が、アルミニウムで構成され、このアルミニウムの層を11.0μm以下の厚さで設け
    前記定着部材内の、定着部材と加圧ベルトとが用紙搬送方向に幅をもって当接する箇所の近傍からその当接箇所の近傍に達する手前側位置にかけて、高透磁部材の近傍で該高透磁部材を囲むように励磁コイルを巻き、
    前記高透磁部材は支持部材に支持されるとともに前記定着部材の長手方向に延設され、
    前記励磁コイルは前記支持部材に支持されるとともに、内側に前記高透磁部材を備えるように前記定着部材の長手方向に沿う方向に巻かれ、
    前記励磁コイルは、前記当接箇所の用紙搬送方向の略全幅において、前記定着部材および前記加圧ベルトの両方を同時に加熱することを特徴とする定着装置。
  7. 前記アルミニウムの層の厚さが、3.3μmから9.5μmの範囲であることを特徴とする請求項に記載の定着装置。
  8. 用紙上の未定着トナーを定着する定着部材と、前記定着部材の下方に配されるとともに前記定着部材に当接して用紙を挿通させるニップを形成する加圧ベルトと、を備えた定着装置において、
    前記加圧ベルトに磁性金属からなる発熱層を設けるとともに、前記定着部材に非磁性金属からなる発熱層を設け、
    前記定着部材の非磁性金属層が、非磁性ステンレスで構成され、この非磁性ステンレスの層を300μm以下の厚さで設け
    前記定着部材内の、定着部材と加圧ベルトとが用紙搬送方向に幅をもって当接する箇所の近傍からその当接箇所の近傍に達する手前側位置にかけて、高透磁部材の近傍で該高透磁部材を囲むように励磁コイルを巻き、
    前記高透磁部材は支持部材に支持されるとともに前記定着部材の長手方向に延設され、
    前記励磁コイルは前記支持部材に支持されるとともに、内側に前記高透磁部材を備えるように前記定着部材の長手方向に沿う方向に巻かれ、
    前記励磁コイルは、前記当接箇所の用紙搬送方向の略全幅において、前記定着部材および前記加圧ベルトの両方を同時に加熱することを特徴とする定着装置。
  9. 前記非磁性ステンレスの層の厚さが、90μmから257μmの範囲であることを特徴とする請求項に記載の定着装置。
  10. 前記加圧ベルトの磁性金属層の渦電流負荷が、3.0×10−4Ωから2.0×10−2Ωの範囲であることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれかに記載の定着装置。
  11. 前記加圧ベルトの磁性金属層が、ニッケルで構成され、このニッケルの層を3.5μmから100μmの範囲の厚さで設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれかに記載の定着装置。
  12. 前記加圧ベルトの磁性金属層が、鉄で構成され、この鉄の層を5.0μmから100μmの範囲の厚さで設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれかに記載の定着装置。
  13. 前記加圧ベルトの磁性金属層の厚みが、磁界浸透深さよりも大きいことを特徴とする請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の定着装置。
  14. 前記ニッケルの層の厚さが、43.7μmから100μmの範囲であることを特徴とする請求項11に記載の定着装置。
  15. 前記鉄の層の厚さが、40.5μmから100μmの範囲であることを特徴とする請求項12に記載の定着装置。
  16. 前記加圧ベルトの磁性金属層の内側に、断熱層を設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項15のいずれかに記載の定着装置。
  17. 前記定着部材がローラで構成されることを特徴とする請求項1ないし請求項16のいずれかに記載の定着装置。
  18. 前記定着部材がベルトで構成されることを特徴とする請求項1ないし請求項16のいずれかに記載の定着装置。
  19. 前記定着部材はローラで構成されるとともに、前記加圧ベルトは、用紙が進入する側の第1ローラと、用紙が排出される側の第2ローラとに懸架され、
    第1ローラは前記加圧ベルトを介して前記定着部材に当接し、
    前記加圧ベルトは第1、第2ローラ間で前記定着部材に当接し、
    第2ローラは前記定着部材から離れていることを特徴とする請求項1ないし請求項16のいずれかに記載の定着装置。
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