JP2007198556A - コンタミレス回転機器における軸封装置 - Google Patents

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Abstract

【目的】厳格なコンタミネーション対策を講じることができ且つ高圧条件下においても良好な軸封機能を発揮しうるコンタミレス回転機器における軸封装置を提供する。
【構成】ハウジング21の軸貫通壁部20に、フッ素樹脂コーティング層2dで被覆した固定面25を設け、金属製シールフランジ3を、その当たり面3eが固定面25に衝合する状態で軸貫通壁部20に取付けることにより、静止密封環4の背面4aと固定面25との間を第一Oリング32を介して二次シールし、回転軸22にフッ素樹脂コーティング層55で被覆したバランス径調整筒54を嵌合固定して、回転密封環6を、当該調整筒54に第二Oリング64を介して嵌合保持させることによって、回転密封環6を第二Oリング64と同一断面径のOリングを介して回転軸22に嵌合保持させた場合に比して、バランス径及びシール面幅を大きく設定するように構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属イオン等によるコンタミネーションを厳格に回避する必要があるコンタミレス回転機器(例えば、半導体、半導体製造用材料(電子材料)又は医薬品等の製造プロセスで使用される攪拌機等)における軸封装置に関するものである。
この種のコンタミレス回転機器にあっては、ハウジング外において回転軸に第二Oリングを介して軸線方向移動可能に保持された回転密封環と、回転密封環とハウジングの軸貫通壁部との間に配して当該軸貫通壁部に固定された静止密封環と、回転密封環とスプリングリテーナとの間に介装されて回転密封環を静止密封環へと押圧附勢するスプリングと、を具備する軸封装置を設けて、両密封環の対向端面たる密封端面においてハウジング内流体をシールするようにすると共に、金属イオン等によるコンタミネーションを防止するために、各密封環を金属イオン等を発生しないセラミックス,カーボン等で構成すると共にハウジングの内面を含むハウジング内流体と接触する部分にフッ素樹脂コーティングを施しておくことが行われている。
而して、このようにハウジングの軸貫通壁部と回転軸との間に配設されるメカニカルシールにあっては、一般に、静止密封環が環状の金属製シールフランジを介して軸貫通壁部に固定されている。すなわち、シールフランジを軸貫通壁部に取り付けると共に、このシールフランジの内周部に、これに突設した環状突起に静止密封環の背面を衝合係止させた状態で、第一Oリングを介して静止密封環を内嵌保持させてある(例えば、特許文献1の図1を参照)。
特開平10−053480公報(図1)
しかし、このような軸封装置にあっては、金属製のシールフランジがハウジング内に露出して、ハウジング内流体と接触するため、金属イオンによる汚染を防止することができず、またハウジング内流体が腐食性流体である場合にはシールフランジが腐食する虞れがあり、厳格なコンタミネーション対策を講じることができない。
ところで、両密封環の対向端面である密封端面の内径は、回転軸の外径より小さくできず、回転軸の外径によって必然的に決定されることになる。また、密封端面の外径は、ハウジング内流体が回転密封環を静止密封環へと押圧する方向に作用するハウジング内流体による背圧の受圧面積との関係から導かれるバランス比等を考慮して決定され、当該受圧面積は回転密封環における第二Oリングとの接触面の径(第二Oリングが接触する回転密封環部分の内径であって、バランス径と称せられる)によって決定される。そして、バランス径は、第二Oリングが回転密封環と回転軸との対向周面間に装填されていることから、回転軸の外径及び第二Oリングの断面径によって必然的に決定されることになる。すなわち、バランス径は回転軸の外径と第二Oリングの断面径との合計値で与えられる。
一方、ハウジング内流体が高圧である場合、安定した軸封機能を発揮させるためには、バランス径を大きくして、両密封端面の相対回転領域における径方向幅(以下「シール面幅」という)を可及的に大きく設計しておく必要があるが、上記した如く、回転密封環の密封端面の外径及びバランス径が第二Oリングの断面径(及び回転軸の外径)によって決定される以上、バランス径及びシール面幅を大きくするためには、第二Oリングとして市販の規格品(JIS規格(JIS B 2401,JIS W 1516,JIS W 1517等)に定められたOリング)を使用することができず、規格品より断面径の大きな特殊Oリングを使用せざるを得ない。
しかし、断面径が必要以上に大きな特殊Oリングは、どうしても不均質なものとなり易く(部分的に粗密を生じ易く)、その結果、回転密封環及び回転軸への圧接力(シール力)が周方向において不均一となって、第二Oリングによる二次シール機能及び回転密封環の軸線方向移動性つまり追従性が低下することになり、良好な軸封機能を発揮し難い。また、このような特殊Oリングは上記したような規格品でなく規格外の特注品であるから、コスト的にも大きな問題がある。
したがって、回転密封環を第二Oリングを介して回転軸に軸線方向移動可能に保持させた軸封装置にあっては、バランス径及び密封端面の外径が第二Oリングの断面径によって制限され、シール面幅を一定以上に大きくすることができず、ハウジング内流体が高圧であるコンタミレス回転機器への適用を困難にしているのが実情である。
本発明は、このような点に鑑みて、金属製シールフランジがハウジング内流体と接触することなく、シールフランジにより静止密封環を軸貫通壁部に固定しておくことができ、厳格なコンタミネーション対策を講じておくことができると共に、ハウジング内流体が高圧である条件下においても良好な軸封機能を発揮しうるコンタミレス回転機器における軸封装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、ハウジングの内面を含むハウジング内流体と接触する部分にフッ素樹脂コーティング層を被覆形成してあるコンタミレス回転機器の軸封装置であって、ハウジング外において回転軸側に軸線方向移動可能に保持された回転密封環と、回転密封環とハウジングとの間に配してハウジング側に固定された静止密封環と、を具備して、両密封環の対向端面たる密封端面の相対回転部分においてハウジング内流体をシールするように構成された軸封装置において、上記の目的を達成すべく、特に、(1)(2)の如く工夫したコンタミレス回転機器における軸封装置を提案するものである。なお、各密封環は、金属イオン等を発生しない金属以外の硬質材(例えば、セラミックス,カーボン等)で構成される。
(1)ハウジングの軸貫通壁部に、ハウジング内面のフッ素樹脂コーティング層に連なるフッ素樹脂コーティング層を被覆形成した環状平面であって回転軸に直交する固定面を設けると共に、固定面の外径側部分に衝合しうる当たり面を形成した環状の金属製シールフランジを静止密封環を内嵌保持させた状態で軸線方向に締め付け自在に取り付けてあり、シールフランジを当たり面が固定面の外径側部分に衝合する状態に軸貫通壁部に締め付けることにより、静止密封環の背面と固定面の内径側部分との間に介在させた第一Oリングが当該両面間を二次シールすべく挟圧された状態で、静止密封環を軸貫通壁部に固定させるように構成しておくこと。
(2) 回転軸に、少なくともハウジング内流体と接触する表面部分を樹脂材で構成したバランス径調整筒を嵌合固定すると共に、回転密封環を、バランス径調整筒に第二Oリングを介して軸線方向移動可能に嵌合保持させることによって、当該回転密封環を当該第二Oリングと同一断面径のOリング(回転軸の外径等を基準として選定される規格品(JIS規格(JIS B 2401,JIS W 1516,JIS W 1517等)で定められる市販のOリング))を介して回転軸に嵌合保持させた場合に比して、バランス径及びシール面幅を大きく設定するように構成しておくこと。
好ましい実施の形態にあって、回転軸には、回転密封環を静止密封環へと押圧附勢するスプリング部材を保持するための金属製のスプリングリテーナが嵌合固定されるが、前記バランス径調整筒はスプリングリテーナの一部として構成しておくことが好ましい。例えば、バランス径調整筒は、スプリングリテーナの内周部に一体形成した内筒部とその表面に形成したフッ素樹脂コーティング層とで構成しておくことができる。また、バランス径調整筒を、スプリングリテーナとは別体に構成しておくこともできる。例えば、スプリングリテーナに金属以外の材料からなる円筒体(例えばPTFE等のフッ素樹脂からなる円筒体)を内嵌固着して、この円筒体の一部又は全部をバランス径調整筒となすのである。回転軸とバランス径調整筒との嵌合部分は第三Oリングで二次シールさせておくが、この第三Oリングは、バランス径調整筒をスプリングリテーナの一部(内筒部)で構成する場合には、スプリングリテーナの内周部に形成したOリング溝に保持させておくことが好ましい。この場合、バランス径調整筒のフッ素樹脂コーティング層は当該Oリング溝の内周面をも被覆するように形成される。また、バランス径調整筒をスプリングリテーナと別体の樹脂製円筒体で構成しておく場合には、当該第三Oリングは、樹脂製円筒体の内周部に形成したOリング溝に保持させておくことが好ましい。
また、静止密封環の背面と固定面の内径側部分との間は、第一Oリングを介して接触するのみで、直接的には接触していないことが好ましく、静止密封環の背面と固定面の内径側部分との間に形成される隙間に作用するハウジング内流体の圧力によって、第一Oリングがシールフランジの内周面に押圧されるように構成されていることが好ましい。また、固定面の回転軸に対する直角度が(50/100)mm以内とされていることが好ましい。特に、両密封環が非接触状態で相対回転する非接触形メカニカルシールである場合には、(10/100)mm以内としておくことが好ましく、(5/100)mm以内としておくことがより好ましい。また、前記軸貫通壁部の内径側部分は、その外径側部分より密封環方向に膨出する環状部に形成されていて、この環状部の表面がフッ素樹脂コーティング層で被覆された固定面に構成されていることが好ましく、シールフランジに前記環状部に係合する環状係合部を形成して、その係合作用によりシールフランジの軸貫通壁部に対する径方向の位置決めが行われるように構成しておくことが好ましい。また、少なくともハウジング内流体に接触する各Oリング(第一〜第三Oリング等)はフッ素系ゴム製のものを使用することが好ましい。
本発明の軸封装置によれば、金属製シールフランジがハウジング内流体と接触することなく、シールフランジにより静止密封環を軸貫通壁部に固定しておくことができ、金属イオン汚染等を生じることなく、高度のコンタミネーション対策を講じておくことができる。しかも、静止密封環の固定を高精度に行うことができ、回転密封環との相対回転部分におけるシール機能を良好に発揮させることができる。さらに、第二Oリングとして断面径の大きなOリングを使用せず、市販の規格品を使用しても、バランス径調整筒の内外径を調整することによって、バランス径及びシール面幅を回転軸径や圧力条件に応じた適正な寸法に自由に設定することができる。したがって、ハウジング内流体が高圧である場合にも、回転軸径に拘わらず、バランス径及びシール面幅を圧力条件に応じた適正な大きさのものとすることができ、安定且つ良好な軸封機能(メカニカルシール機能)を発揮させることができる。
以下、本発明の構成を図1〜図6を参照して具体的に説明する。
図1及び図2は本発明に係る軸封装置1の一例を示したもので、この軸封装置1は、図6に示す如く、半導体製造用材料(電子材料)の製造工程において使用されるコンタミレス回転機器2に装備されている。このコンタミレス回転機器2は、図6に示す如く、フォトレジスタ等の反応容器であり、上部に軸貫通壁部20を形成した容器本体であるハウジング21と、軸貫通壁部20を貫通して上下方向に延びる攪拌軸たる回転軸22と、回転軸22の下端部に設けられた攪拌翼23と、回転軸22を回転させる原動機(モータ等)24とを具備しており、メカニカルシール1は、軸貫通壁部20と回転軸22との間に介装されて、機内領域(ハウジング20内の領域)Hと機外領域(大気領域)Lとの間をシールしている。反応容器2におけるハウジング内流体(フォトレジスト等の反応させるべき流体及びその蒸発成分等であって、ハウジング21内に存在するすべての流体を含む)と接触する金属部分は、フッ素樹脂コーティング層で被覆されている。すなわち、ハウジング21の内面、回転軸22の外周面の一部、攪拌翼23の表面及び軸貫通壁部20の一部(後述する内径側部分20a)は、PFA等のフッ素樹脂コーティング層2a,2b,2c,2dで被覆されている。
軸封装置1は、図1及び図2に示す如く、ハウジング21の軸貫通壁部20に取り付けられたシールフランジ3と、シールフランジ3及びOリング31,32を介して軸貫通壁部20に固定された静止密封環4と、静止密封環4の機外側(上方側)に配して回転軸22に嵌合固定されたスプリングリテーナ5及びバランス径調整筒54と、バランス径調整筒54に第二Oリング64を介して回転軸22に嵌合保持された回転密封環6と、回転密封環6とスプリングリテーナ5との間に介装されたスプリング部材7と、シールフランジ3及び静止密封環4を貫通して両密封環4,6の対向端面たる密封端面40,60間に開口する一連のガス通路8と、機内領域Hの圧力(ハウジング21内の圧力)より高圧のシールガス90をガス通路8から密封端面40,60間に噴出させるガス噴出機構9と、回転密封環6の振動を防止する防振機構10とを具備する静圧形の非接触形メカニカルシールである。
軸貫通壁部20は円環状のフランジ形状をなすもので、その内径側部分20aは、図1〜図3に示す如く、外径側部分20bより密封環方向(上方)に膨出する環状部に形成されている。この環状部20aの表面(上面)は、ハウジング内面のフッ素樹脂コーティング層2aに連なるフッ素樹脂コーティング層2dを被覆形成した環状平面であって回転軸22に直交する固定面25とされている。この固定面25の回転軸22に対する直角度は(10/100)mm以内としておくことが好ましく、(5/100)mm以内としておくことがより好ましい。
シールフランジ3は、図1〜図3に示す如く、内周面3aの上端縁部に環状係止部3bを突設すると共に、外径側部分3cを内径側部分3dより軸線方向に肉厚とした金属製の円環状体に構成されている。内径側部分3dの下端面は、回転軸22に直交する環状平面であって固定面25の外径側部分25aに衝合しうる当たり面3eとされている。外径側部分3cの下端部は、軸貫通壁部20の環状部20aに外嵌状に係合する環状係合部3fとされていて、両部3f,20aの係合作用によりシールフランジ3の軸貫通壁部20に対する径方向の位置決めが行われるように工夫されている。シールフランジ3は、図1〜図3に示す如く、これに挿通させた適当数のボルト30を軸貫通壁部20の外径側部分20bにねじ込むことによって、上記環状部20aに係合部3fを係合させた状態で軸線方向に締め付け自在に軸貫通壁部20に取り付けられている。この軸線方向への締め付けは、シールフランジ3の当たり面3eが固定面の外径側部分25aに衝合することによって完了し、この締め付け完了状態においては、係合部3fは軸貫通壁部20の外径側部分20bに衝合しない。
静止密封環4は金属以外の硬質材(例えば、カーボン又はセラミックス)で構成された円環状体であり、図1及び図2に示す如く、回転軸22に同心状に遊嵌された状態でシールフランジ3に上下一対のOリング31,32を介して内嵌保持されている。静止密封環4の先端面(上端面)は平滑な密封端面40に構成されている。上側のOリング31は、静止密封環4の上端外周部とシールフランジ3の係止部3bとの間に装填されていて、シールフランジ3と静止密封環4との間を二次シールしている。下側のOリングたる第一Oリング32は、静止密封環4の背面4aと固定面25の内径側部分25bとの間に装填されている。第一Oリング32は、図1〜図3に示す如く、静止密封環4の背面4aの外周縁部に形成された凹部4bに係合保持されていて、シールフランジ3を当たり面3eが固定面25の外径側部分25aに衝合する状態に軸貫通壁部20に締め付けることにより、静止密封環4の背面4aと固定面25の内径側部分25bとの間に適正に二次シールすべく状態に挟圧される。この状態においては、静止密封環4の背面4aと固定面25の内径側部分25bとの間は、図1〜図3に示す如く、第一Oリング32を介して接触するのみで、直接的には接触していない。この静止密封環4の背面4aと固定面25の内径側部分25bとの間に形成される隙間にはハウジング内流体の圧力が作用し、この流体圧力の作用により第一Oリング32は拡径変形されて、シールフランジ3の内周面3aへの接触圧が増大される。なお、Oリング31,32は、耐食性,耐熱性に優れたフッ素系ゴム(例えば、パーフロロゴム)で構成されている。また、静止密封環4の内周面の背面側部分は下拡がり円錐状のテーパ面4cに形成されている。
スプリングリテーナ5は、図1及び図2に示す如く、環状壁部50とその内周部から下方に突出する保持筒部51と環状壁部50の外周部から下方に突出する外筒部52と保持筒部51の端面(下端面)の内周部から下方に突出する内筒部53とからなる金属製(例えばSUS304等)の円筒状構造体である。バランス径調整筒54は、スリーブリテーナ5の一部である内筒部53とその表面に被覆形成されたPFA等のフッ素樹脂コーティング層55とからなる。スプリングリテーナ5の内周部にはOリング溝56が形成されていて、このOリング溝56に保持させた第三Oリング57により、回転軸22とバランス径調整筒54との嵌合部分が二次されている。バランス径調整筒54のフッ素樹脂コーティング層55は、内筒部53の全表面に形成されており、更に内筒部53の内周面からOリング溝56の内周面へと延長されている。すなわち、バランス径調整筒54におけるハウジング内流体と接触する表面部分は、一連のフッ素樹脂コーティング層55で被覆されている。スプリングリテーナ5は、回転軸22に嵌合させると共に環状壁部50に螺合させたセットスクリュー58を回転軸22へと締め付けることにより、回転軸22に固定されている。なお、回転軸22のフッ素樹脂コーティング層2bは、ハウジング21外においては第三Oリング57が接触する部分まで延長されている。
回転密封環6は金属以外の硬質材(例えばセラミックス)で構成された円環状体であり、図1及び図2に示す如く、密封端面60を形成した先端部分61とこれより内径を大きくした中間部分62と両部分61,62より内径を大きくした基端部分63とからなる。回転密封環6は、基端部分63をバランス径調整筒54に第二Oリング64を介して嵌合保持させることにより、回転軸22側に二次シール状態で軸線方向移動可能に保持されている。第二Oリング64としては、フッ素系ゴム(例えば、パーフロロゴム)製のものであって、市販の規格品(JIS B 2401,JIS W 1516,JIS W 1517等で定められたOリング)が使用されている。中間部分61の内径はバランス径調整筒54の外径D1より若干大きく設定されていて、第二Oリング64の軸線方向移動は、回転密封環6の中間部分62の環状端面(上端面)で形成されるOリング係止面62aとスプリングリテーナ5の保持筒部51の環状端面(下端面)で形成されるOリング係止面51aとによって、バランス径調整筒54に接触する範囲内に抑制されている。スプリングリテーナ5のOリング係止面51aは軸線に直交しているが、回転密封環6のOリング係止面62aは、内周方向且つ密封端面60に向かう方向(下方向)へと傾斜するテーパ面とされている。回転密封環6の外周部は、スプリングリテーナ5の外筒部52に、一対の第四Oリング68,68を介して、回転密封環6の軸線方向移動を許容する状態で嵌合保持されている。回転密封環6の基端部分63には、金属製(例えば、SUS304)のドライブカラー65が衝合されている。ドライブカラー65は、これに突設したピン65aを基端部分63に形成した凹部に係合させることにより、回転密封環6との相対回転を阻止されている。
スプリング部材7は、図1に示す如く、スプリングリテーナ5と回転密封環6との間に介挿された複数のコイルスプリング(一個のみ図示)で構成されていて、回転密封環6を静止密封環4へと押圧附勢するものであり、密封端面40,60間を閉じる方向に作用する閉力を発生させるものである。スプリング部材7は、基端部をスプリングリテーナ5の環状壁部50に形成した凹部に保持すると共に、先端部をドライブカラー65に当接させることにより、回転密封環6を押圧附勢するものである。また、図2に示す如く、スプリングリテーナ5の環状壁部50に貫通孔50aを形成すると共に、この貫通孔50aに上方から挿通させたドライブピン66をドライブカラー65に螺着することにより、回転密封環6をスプリングリテーナ5に軸線方向移動を許容しつつ相対回転不能に保持させている。
ガス通路8は、図1及び図3に示す如く、シールフランジ3と静止密封環4との嵌合部分に形成された空間であって、Oリング31,32によってシールされた環状の連絡空間81と、シールフランジ3を径方向に貫通して連絡空間81に至るフランジ側通路82と、密封端面40に形成された複数の静圧発生溝83…と、静止密封環4を貫通して連絡空間81から静圧発生溝83…に至る密封環側通路84とからなる。静圧発生溝83…は、図4に示す如く、密封端面40と同心の環状をなして並列する円弧状凹溝であり、また密封環側通路84の下流側端部は分岐されていて、その分岐部分84aが各静圧発生溝83に開口されている。
ガス噴出機構9は、図1に示す如く、機内領域Hの圧力より高圧としたシールガス90をガス通路8から密封端面40,60間に噴出させるものである。機内領域Hの圧力より高圧のシールガス90を、フランジ側通路82、連絡空間81、密封環側通路84を経て静圧発生溝83…に供給させることにより、両密封端面40,60間にこれを非接触状態に保持する静圧を発生させるようになっている。シールガス90としては、ハウジング内流体(シールガスを除く流体)に対して不活性なガスが使用され、この例では窒素ガスを使用している。なお、ガス通路8の適所(密封環側通路84等)には、必要に応じて、オリフィス,毛細管,多孔質部材等の絞り器が設けられ、密封端面40,60間の隙間が自動調整されるように構成される。すなわち、回転機器2の振動等により密封端面40,60間の隙間が大きくなったときは、静圧発生溝83…から密封端面40,60間に流出するシールガス量と絞り器を通って静圧発生溝83…に供給されるシールガス量とが不均衡となり、静圧発生溝83…内の圧力が低下して、開力が閉力より小さくなるため、密封端面40,60間の隙間が小さくなるように変化して、その隙間が適正なものに調整される。逆に、密封端面40,60間の隙間が小さくなったときは、上記したと同様の作用により静圧発生溝83…内の圧力が上昇して、開力が閉力より大きくなり、密封端面40,60間の隙間が大きくなるように変化して、その隙間が適正なものに調整される。
防振機構10は、図3に示す如く、回転密封環6の外周部を囲繞するスプリングリテーナ5の保持部52と、回転密封環6の外周部に形成した一対の環状のOリング溝67,67と、各Oリング溝67に係合保持されて軸線方向に並列する一対の第四Oリング68,68と、回転密封環6とスプリングリテーナ5の保持部52との対向周面間に形成され且つ第四Oリング68,68でシールされた環状空間11と、回転密封環6に形成された複数のシールガス導入路12…とからなる。
各第四Oリング68は、耐食性,耐熱性に優れた非圧縮性弾性材(フッ素ゴム等)で構成されたものであり、Oリング溝67の底面と保持部52の内周面との間に適度に圧縮された状態(回転密封環6の軸線方向移動を妨げない状態)で充填されていて、環状空間11の軸線方向両端部をシールしている。各シールガス導入路12は、図3に示す如く、回転密封環6を貫通しており、一端部が密封端面60に開口すると共に他端部が環状空間11に開口している。各シールガス導入路12の一端開口部は、図5に示す如く、静圧発生溝83に直対向しており、その開口径は静圧発生溝83の溝幅と同一若しくは小さく設定されている。
以上のように構成されたメカニカルシール1によれば、金属イオン発生等のコンタミネーションを生じることなく機内領域Hを良好にシールすることができる。
すなわち、シールガス90をガス通路8から密封端面40,60間に供給させると、密封端面40,60間にこれを開く方向に作用する開力が発生することになる。この開力は、静圧発生溝83…に供給されたシールガス90によって発生する静圧によるものである。したがって、密封端面40,60は、この開力と密封端面40,60間を閉じる方向に作用する閉力(静止密封環4を回転密封環6へと押圧附勢するスプリング部材7によるもの)とがバランスする非接触状態に保持される。そして、シールガス90が機内領域Hの圧力より高圧であることから、機内流体は密封端面40,60間に侵入せず、機内領域Hが完全にシールされることになり、周辺環境を悪化させる虞れはない。
このとき、密封端面40,60を非接触状態に保持しつつ機内領域Hをシールさせることから、密封端面40,60の接触による摩耗粉が機内領域Hに侵入するようなことがなく、コンタミネーションを生じないコンタミレスシール機能が発揮される。また、シールガス90は密封端面40,60間から機内領域Hに漏洩することになるが、シールガス90が機内領域Hに漏洩しても支障のない窒素ガス等であることから、シールガス90の機内領域Hへの漏洩を許容することによる問題も生じない。
また、静止密封環4は金属製のシールフランジ3を介して軸貫通壁部20に固定されているが、シールフランジ3は機内領域Hに露出しておらず、ハウジング内流体と接触しない。したがって、冒頭で述べた如く、ハウジング内流体がシールフランジ3に接触することによって金属イオン汚染が生じることはない。
また、シールフランジ3が、当たり面3eを軸貫通壁部20の固定面25の外径側部分25aに衝合させた状態で、軸貫通壁部20に取り付けられているから、シールフランジ3によるハウジング密封環4の固定精度、つまり密封端面40の回転軸22に対する直角度及び相手密封端面60との平行度を適正に確保することができ、両密封環4,6によるシール機能を良好に発揮させることができる。特に、固定面25の回転軸22に対する直角度を上記した如く(10/100)mm以内(より好ましくは(5/100)mm以内)としておくことによって、当該固定精度の更なる向上を図ることができる。
また、静止密封環4の背面4aとフッ素樹脂コーティング面である固定面25との間に装填されたOリング32は、静止密封環4の背面4aと固定面25との隙間に侵入したハウジング内流体(通常、後述する如くシールガス90である)の圧力によって、シールフランジ3の内周面へも押圧接触されることになる。そして、この押圧接触力は、ハウジング内流体の圧力に比例して増減することになるから、ハウジング内圧力が変動するような条件下においても、Oリング32による二次シール機能が常に適正に発揮されることになり、ハウジング内流体がシールフランジ3に接触して金属イオン汚染を生じるような虞れが確実に回避される。
また、機内領域Hにはその圧力より高圧のシールガス90が漏洩するが、このシールガス90は、静止密封環4の背面4aと固定面25との隙間に侵入して、この隙間にシールガス以外のハウジング内流体の侵入を阻止することになる。したがって、この隙間にシールガス以外のハウジング内流体が滞留し、雑菌が繁殖する等の問題が生じず、より有効なコンタミネーション防止が可能となる。
ところで、静圧形の非接触形メカニカルシールに構成されたメカニカルシール1にあっては、ガス供給路8から密封端面40,60間に供給されるシールガス90が圧縮性のものであることから、密封端面40,60間に至るシールガス流動経路には、いわゆるニューマチックハンマと称せられる自励振動が不可避的に生じる。その結果、シールフランジ3に固定されている静止密封環4については問題を生じないが、回転軸22にOリング64を介して嵌挿保持されているにすぎない回転密封環6については、上記自励振動により、密封端面40,60間の隙間と同程度若しくはそれ以下の微小振幅で振動することになり、振動音を発生することになる。
しかし、かかる振動音は防振機構10によって確実に防止されることになる。すなわち、静圧発生溝83に供給されたシールガス90により密封端面40,60間が適正な非接触状態に保持されると共に、密封端面40,60間に供給されたシールガス90がシールガス導入路12…から環状空間11に導入されて、環状空間11内が密封端面40,60間の圧力と同一に保持される。したがって、各第四Oリング68は、環状空間11内のシールガス90によってOリング溝67の外側の壁面へと押圧されることになり、回転密封環6の軸線方向に圧縮される。その結果、各第四Oリング68が非圧縮性の弾性材で構成されたものであることから、回転密封環6の外周面(Oリング溝67の底面)及びこれに対向するスプリングリテーナ5の保持部52の内周面への各第四Oリング68の圧接力が増大し、回転密封環6はスプリングリテーナ5の保持部52の内周面に第四Oリング68,68を介して強力に固定されることになる。したがって、密封端面40,60間に至るシールガス流動経路においてニューマチックハンマ(自励振動)が発生せず、これによって回転密封環6が振動するようなことがなく、一般に「鳴き」と称せられる振動音が発生することがない。
また、回転密封環6を第二Oリング64を介してバランス径調整筒54に保持させるようにしたから、第二Oリング64として市販の規格品を使用しているにも拘わらず、当該回転密封環6を第二Oリング64と同一断面径のOリング(規格品)を介して回転軸22に保持させた場合に比して、バランス径D2を大きくすることができる。すなわち、バランス径D2つまり第二Oリング64が接触する回転密封環部分(基端部分)63の内径は、バランス径調整筒54の外径D1と第二Oリング64の断面径とによって決定され、バランス径調整筒54の外径D1は任意に設定することが可能である。また、両密封端面40,60の衝合面であるシール面の内径D3は回転軸22の外径に応じて決定され、その外径D4はバランス径D2に応じて決定される。したがって、バラスン径調整筒54の外径D1を適宜に設定しておくことにより、バランス径D2及びシール面の幅(シール面幅)Wを、機内領域Hの圧力(ハウジング内流体の圧力)に応じたものとすることができ、シール面幅Wをハウジング内流体が高圧である場合にも安定且つ良好なシール機能を発揮させるに十分な大きさのものとすることができる。例えば、第二Oリング64として市販の規格品を使用した場合において、シール設計上、回転密封環6を第二Oリング64を介して回転軸22に保持させたときには低圧域(F.V.〜0.2MPaG)で使用できるにすぎないが、回転密封環6を第二Oリング64を介して回転軸22より大径のバランス径調整筒54に保持させたときには1MPaG程度の高圧域での使用をも可能となる。また、高低圧域の何れの圧力条件で使用する場合にも、シール機能上、バランス比が一定範囲となるように設計しておくことが好ましいが、第二Oリング64として市販の規格品を使用した場合において、回転密封環6を第二Oリング64を介して回転軸22より大径のバランス径調整筒54に保持させるようにすると、バランス径調整筒54の外径を適宜に設定しておくことにより、回転密封環6を第二Oリング64を介して回転軸22に保持させるようにした低圧域用メカニカルシールにおけると同等のバランス比を得ることができ、1MPaG程度の高圧域においても当該低圧域用メカニカルシールを低圧域(F.V.〜0.2MPaG)で使用する場合と同等の良好なシール機能を発揮しうるメカニカルシールを提供することができる。
ところで、本発明の軸封装置1は上記した実施の形態に限定されるものでなく、本発明の基本原理を逸脱しない範囲において適宜に変更,改良することができる。
例えば、バランス径調整筒54は、上記した例では、スプリングリテーナ5に一体形成したが、図7及び図8に示す如く、スプリングリテーナ5とは別体の円筒体で構成するようにすることもできる。すなわち、スプリングリテーナ5に一体形成する場合には、スプリングリテーナ5が金属製のものであるから、その一体形成部分(内筒部)53に金属以外の材料をコーティングしておく必要がある(上記した例ではフッ素樹脂コーティング層55を被覆形成)が、スプリングリテーナ5と別体の円筒体54で構成しておく場合には、このようなコーティングは必要とせず、当該円筒体54を金属以外の材料(樹脂材等)で構成しておけばよい。図7及び図8に示す例では、バランス径調整筒54をPTFE等のフッ素樹脂製の円筒体で構成して、これをスプリングリテーナ5の内周部に内嵌させると共に、セットスクリュー58によりスプリングリテーナ5と共に回転軸22に固定させてある。
また、本発明の軸封装置1は、上記した静圧形の非接触形メカニカルシール1に構成する他、両密封環4,6の相対回転摺接作用によりシールを行うドライコンタクト形のメカニカルシールに構成することも可能である。軸封装置1がドライコンタクト形のメカニカルシールである場合、固定面25の回転軸22に対する直角度を非接触形メカニカルシールの場合のように(10/100)mm以内(より好ましくは(5/100)mm以内)としておくことは必要ないが、両密封環4,6が適正に衝合して相対回転摺接するためには当該直角度を(50/100)mm以内としておくことが好ましい。
また、両密封環4,6の表面であってハウジング内流体に接触する部分(機内領域Hに面する部分)には、図9に示す如く、PFA等のフッ素樹脂コーティング層2e,2fを形成しておいてもよい。このようにしておけば、ハウジング内流体との接触による機内領域Hでのパーティクル発生をより確実に防止することができる。また、特に静止密封環4については、シールガス90と接触する部分にもフッ素樹脂コーティングを施して、シールガス90との接触によるパーティクルの発生及びそれが密封端面40,60間からシールガス90に同伴して機内領域Hに侵入する虞れを確実に回避することができる。すなわち、図10に示す如く、連絡空間81に面する静止密封環4の外周面、各静圧発生溝83及び密封環側通路84の内周面に、PFA等のフッ素樹脂コーティング層2g,2h,2iを形成しておく。勿論、必要に応じて、シールフランジ3において、シールガス90と接触する連絡空間81及びフランジ側通路82の内周面にもフッ素樹脂コーティングを施しておいてもよい。なお、密封端面40,60については、フッ素樹脂コーティングを施さない。
本発明に係る軸封装置の一例を示す要部の縦断正面図である。 図1と異なる個所で断面した同要部の縦断側面図である。 図1の要部を拡大して示す詳細図である。 図1のIV−IV線に沿う要部の横断平面図である。 図1のV−V線に沿う要部の横断底面図である。 本発明に係る軸封装置を装備したコンタミレス回転機器の全体を示す概略の縦断正面図である。 本発明に係る軸封装置の変形例を示す図1に相当する要部の縦断側面図である。 図7と異なる個所で断面した同要部の縦断側面図である。 本発明に係る軸封装置の他の変形例を示す図3相当の縦断側面図である。 本発明に係る軸封装置の更に他の変形例を示す図3相当の縦断側面図である。
符号の説明
1 メカニカルシール(非接触形メカニカルシール)
2 コンタミレス回転機器(反応容器)
2a フッ素樹脂コーティング層
2b フッ素樹脂コーティング層
2c フッ素樹脂コーティング層
2d フッ素樹脂コーティング層
2e フッ素樹脂コーティング層
2f フッ素樹脂コーティング層
2g フッ素樹脂コーティング層
2h フッ素樹脂コーティング層
2i フッ素樹脂コーティング層
3 シールフランジ
3a シールフランジの内周面
3b 環状係止部
3c シールフランジの外径側部分
3d シールフランジの内径側部分
3e シールフランジの当たり面
3f 環状係合部
4 静止密封環
4a 静止密封環の背面
4b 静止密封環の背面の外周縁部に形成された凹部
4c テーパ面(静止密封環の内周面の背面側部分)
5 スプリングリテーナ
6 回転密封環
7 スプリング部材
8 ガス通路
9 ガス噴出機構
10 防振機構
11 環状空間
12 シールガス導入路
20a 軸貫通壁部の内径側部分(環状部)
20b 軸貫通壁部の外径側部分
21 ハウジング
22 回転軸(攪拌軸)
23 攪拌翼
24 原動機
25 固定面
25a 固定面の外径側部分
25b 固定面の内径側部分
32 第一Oリング
40 静止密封環の密封端面
50 スプリングリテーナの環状壁部
51 スプリングリテーナの保持筒部
52 スプリングリテーナの外筒部
53 スプリングリテーナの内筒部
54 バランス径調整筒
55 フッ素樹脂コーティング層
57 第三Oリング
58 セットスクリュー
60 回転密封環の密封端面
61 回転密封環の先端部分
62 回転密封環の中間部分
63 回転密封環の基端部分
64 第二Oリング
68 第四Oリング
81 連絡空間
82 フランジ側通路
83 静圧発生溝
84 密封環側通路
90 シールガス
D2 バランス径
H 機内領域(ハウジング内の領域)
L 機外領域(大気領域)
W シール面幅

Claims (13)

  1. ハウジングの内面を含むハウジング内流体と接触する部分にフッ素樹脂コーティング層を被覆形成してあるコンタミレス回転機器の軸封装置であって、ハウジング外において回転軸側に軸線方向移動可能に保持された回転密封環と、回転密封環とハウジングとの間に配してハウジング側に固定された静止密封環と、を具備して、両密封環の対向端面たる密封端面の相対回転部分においてハウジング内流体をシールするように構成された軸封装置において、
    ハウジングの軸貫通壁部に、ハウジング内面のフッ素樹脂コーティング層に連なるフッ素樹脂コーティング層を被覆形成した環状平面であって回転軸に直交する固定面を設けると共に、固定面の外径側部分に衝合しうる当たり面を形成した環状の金属製シールフランジを、静止密封環を内嵌保持させた状態で、軸線方向に締め付け自在に取り付けて、シールフランジを当たり面が固定面の外径側部分に衝合する状態に軸貫通壁部に締め付けることにより、静止密封環の背面と固定面の内径側部分との間に介在させた第一Oリングが当該両面間を二次シールすべく挟圧された状態で、静止密封環を軸貫通壁部に固定させるように構成してあり、
    回転軸に、少なくともハウジング内流体と接触する表面部分を樹脂材で構成したバランス径調整筒を嵌合固定すると共に、回転密封環を、バランス径調整筒に第二Oリングを介して軸線方向移動可能に嵌合保持させることによって、当該回転密封環を当該第二Oリングと同一断面径のOリングを介して回転軸に嵌合保持させた場合に比して、バランス径及びシール面幅を大きく設定するように構成したことを特徴とするコンタミレス回転機器における軸封装置。
  2. 回転軸に、回転密封環を静止密封環へと押圧附勢するスプリング部材を保持するための金属製のスプリングリテーナが嵌合固定されていることを特徴とする、請求項1に記載するコンタミレス回転機器における軸封装置。
  3. バランス径調整筒が、スプリングリテーナの内周部に一体形成された内筒部とその表面に被覆形成されたフッ素樹脂コーティング層とで構成されていることを特徴とする、請求項2に記載するコンタミレス回転機器における軸封装置。
  4. バランス径調整筒が、スプリングリテーナに内嵌固着させた円筒体であって金属以外の材料からなるもので構成されていることを特徴とする、請求項2に記載するコンタミレス回転機器における軸封装置。
  5. 回転軸とバランス径調整筒との嵌合部分を第三Oリングにより二次シールしていることを特徴とする、請求項1〜4の何れかに記載するコンタミレス回転機器における軸封装置。
  6. 回転軸の表面であって少なくともハウジング内流体が接触する部分に、フッ素樹脂コーティング層を被覆形成してあることを特徴とする、請求項1〜5の何れかに記載するコンタミレス回転機器における軸封装置。
  7. 静止密封環の背面と前記固定面の内径側部分との間は、第一Oリングを介して接触するのみで、直接的には接触していないことを特徴とする、請求項1〜6の何れかにに記載するコンタミレス回転機器における軸封装置。
  8. 静止密封環の背面と固定面の内径側部分との間に形成される隙間に作用するハウジング内流体の圧力によって、第一Oリングがシールフランジの内周面に押圧されるように構成されていることを特徴とする、請求項7に記載するコンタミレス回転機器における軸封装置。
  9. 固定面の回転軸に対する直角度が(50/100)mm以内とされていることを特徴とする、請求項1〜8の何れかに記載するコンタミレス回転機器における軸封装置。
  10. 軸貫通壁部の内径側部分は、その外径側部分より密封環方向に膨出する環状部に形成されていて、この環状部の表面がフッ素樹脂コーティング層で被覆された固定面に構成されていることを特徴とする、請求項1〜9の何れかに記載するコンタミレス回転機器における軸封装置。
  11. シールフランジに前記環状部に係合する環状係合部を形成して、その係合作用によりシールフランジの軸貫通壁部に対する径方向の位置決めが行われるように構成したことを特徴する、請求項10に記載するコンタミレス回転機器における軸封装置。
  12. 両密封環の表面であって少なくともハウジング内流体に接触する部分に、フッ素樹脂コーティング層を被覆形成してあることを特徴とする、請求項1〜11の何れかに記載するコンタミレス回転機器における軸封装置。
  13. 少なくともハウジング内流体に接触する各Oリングをフッ素系ゴムで構成してあることを特徴とする、請求項1〜12の何れかに記載するコンタミレス回転機器における軸封装置。
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