JP2007198410A - スラスト受け機構およびスラスト受け機構の製造方法 - Google Patents

スラスト受け機構およびスラスト受け機構の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ころの挙動を安定することができるスラスト受け機構を提供する。
【解決手段】スラスト受け機構は、第一のころ14aを転動軸心が互いに平行になるように保持するための複数のポケット21aを有する第一の保持器を備える。ポケット21aの壁面には、第一のころ14aの脱落を防止するころ止め部26a、26bが設けられ、ころ止め部26a、26bは、しごき加工によって形成される。
【選択図】図1

Description

この発明は、スラスト受け機構およびスラスト受け機構に関し、特にスクロール圧縮機等に使用されるスラスト受け機構およびスラスト受け機構の製造方法に関する。
スクロール型圧縮機等に使用され、スラスト荷重を受けるスラスト受け機構は、偏心回転運動によるスラスト荷重を受ける必要があるため、玉軸受が使用されていた。
しかし、玉軸受は点接触で荷重を受ける構造であるため、高荷重を受けるには不向きである。ここで、線接触で荷重を受けるころ軸受によりスラスト荷重を受けるスラスト受け機構が、特開2000−186680号公報(特許文献1)、特開2002−242939号公報(特許文献2)に開示されている。
特許文献1および特許文献2によると、ころ軸受の転動軸心を、互いに垂直な方向に向きを変えて上下に2列に配列し、偏心回転運動によるスラスト荷重を受けることにしている。図16は、この場合のスラスト受け機構の基本構造を示す分解斜視図である。また、図17は、この場合のスラスト受け機構の一部を示す断面図である。図16および図17を参照して、スラスト受け機構101は、2つの軌道輪102a、102bと、軌道輪102a、102bとの間に配置される中間輪103とを含む。軌道輪102aと中間輪103との間には、ころ104aが配置され、図16において縦方向(紙面上下方向)に転動軸心を有するように、保持器105aによって保持されている。また、軌道輪102bと中間輪103との間には、ころ104bが配置され、図16において横方向(紙面左右方向)に転動軸心を有するように、保持器105bによって保持されている。すなわち、ころ104aところ104bとの転動軸心は、互いに垂直な方向に配列されている。このように構成することにより、スラスト受け機構101は、偏心回転運動によるスラスト荷重を受けている。また、このようなスラスト受け機構101は、転動体がころであるため、高荷重を受けることができる。
特開2000−186680号公報(段落番号0019〜0021、図3) 特開2002−242939号公報(段落番号0019〜29、図6等)
特許文献2によると、スラスト受け機構に含まれ、ころを保持する保持器には、2枚の鋼板から構成され、ころによって案内されるころ案内の箱形保持器が適用されている。
図18は、上記したスラスト受け機構に含まれる箱形保持器の要部を示す断面図である。図18を参照して、箱形保持器114は、中間輪112側に配置される上側保持器115aと、軌道輪111側に配置される下側保持器115bとから構成される。上側保持器115aおよび下側保持器115bの端縁部分は、軸方向に互いに対向するように爪状に折り曲げられている。箱形保持器114は、上側保持器115aの爪状部分(図示せず)と、下側保持器115bの爪状部分(図示せず)を係合させ、加締めることにより固定される。
上側保持器115aおよび下側保持器115bには、ころ113の形状に沿う貫通孔116a、116bが設けられており、この貫通孔116a、116bを組み合わせて、ころ113を保持するポケット117を形成している。ここで、貫通孔116a、116bの幅方向の寸法は、ころ113の径方向の寸法よりも小さく構成されている。ポケット117に保持されるころ113と、端部118a、118bとが引っ掛ることにより、ころ113の脱落を防止している。また、端部118a、118bにより幅面119a、119bからのころ113の突出量が調整される。
このような構成の箱形保持器114は、端縁部分を折り曲げた爪状部分を係合させ、加締めることにより固定されているため、上側保持器115aと下側保持器115bの径方向の位置が大きくずれるおそれがある。また、爪状部分のはめ合い部を加締めて2枚の鋼板を固定するが、この加締めによる固定が不十分となるおそれがある。そうすると、箱形保持器114を精度よく形成することができない。
さらに、ポケット117に保持されるころ113の挙動は、ポケット117の寸法精度に依存する。したがって、上記のような構成であると、ポケット117の寸法精度が悪く、また、幅面119a、119bからのころ113の突出量の調整等が困難であるため、ポケット117に保持されるころ113の挙動が安定しない。
ここで、1枚の鋼板から構成される保持器をスラスト受け機構に適用することが考えられる。1枚の鋼板から構成される保持器を適用する場合、ころの脱落を防止するために、ポケット近傍の幅面付近を加締めて、ころ止め部を設ける必要がある。
しかし、加締め工程により形成されたころ止め部においては、ころの脱落は防止できるが、精度よくころ止め部を形成することができない。そうすると、保持器の幅面からのころの突出量を調整することは困難となり、ころの挙動が不安定になるおそれがある。
この発明の目的は、ころの挙動を安定することができるスラスト受け機構を提供することである。
この発明の他の目的は、ころの挙動を安定させた保持器を含むスラスト受け機構の製造方法を提供することである。
この発明に係るスラスト受け機構は、相互間で偏心回転運動を行う第一の部材と第二の部材との間に介在してスラスト荷重を支持する。また、スラスト受け機構は、第一の部材に固定した第一の軌道輪と、第二の部材に固定した第二の軌道輪と、第一の軌道輪と第二の軌道輪との間に配置した中間輪と、第一の軌道輪と中間輪との間に配置した複数の第一のころと、第一のころを転動軸心が互いに平行になるように保持するための複数のポケットを有する第一の保持器と、第二の軌道輪と中間輪との間に配置した複数の第二のころと、第二のころを転動軸心が互いに平行になるように保持するための複数のポケットを有する第二の保持器とを具備し、第一のころの転動軸心と第二のころの転動軸心とが直交し、かつ、第一の部材から第一の軌道輪および第一の保持器を貫通して中間輪まで延在する第一のガイドピン、ならびに、第二の部材から第二の軌道輪および第二の保持器を貫通して中間輪まで延在する第二のガイドピンを具備し、第一のガイドピンが第一のころの転動軸線と直交する方向に、第一の保持器および中間輪の規制範囲内において移動可能で、第二のガイドピンが第二のころの転動軸線と直交する方向に、第二の保持器および中間輪の規制範囲内において移動可能としたことを特徴とする。ここで、ポケットの壁面には、ころの脱落を防止するころ止め部が設けられ、ころ止め部は、しごき加工によって形成される。
ポケットの壁面にしごき加工によってころ止め部を形成することにより、ころの脱落を防止することができるとともに、ころ止め部を精度よく形成することができる。そうすると、保持器の幅面からのころの突出量を容易に制御することができる。したがって、保持器のころに対する位置を安定させることができ、ころの挙動を安定させることができる。
好ましくは、ポケットの壁面の両側に設けられた双方のころ止め部の間の寸法は、ころの径方向の寸法の0.9〜0.99倍である。こうすることにより、ころ止め部を、安定して形成することができる。
より好ましくは、ころは、しごき加工された面によって案内される。しごき加工された面は、平滑な面であり、かつ、寸法精度が良好である。したがって、この面をころ案内面とすることにより、ころの挙動をより安定させることができ、かつ、潤滑油の油膜形成能力も大きく向上することができる。
さらに好ましくは、ポケットは、1つのポケットに対して、2つ以上のころを保持し、ころ止め部は、各ころに対して2つ以上設けられる。このように構成することにより、1つのポケットに対して、2つ以上のころを保持する場合であっても、ころの脱落を防止することができるとともに、容易に、各ころの突出量を制御することができる。
この発明の他の局面においては、スラスト受け機構の製造方法は、相互間で偏心回転運動を行う第一の部材と第二の部材との間に介在してスラスト荷重を支持するスラスト受け機構の製造方法である。また、第一の部材に固定した第一の軌道輪と、第二の部材に固定した第二の軌道輪と、第一の軌道輪と第二の軌道輪との間に配置した中間輪と、第一の軌道輪と中間輪との間に配置した複数の第一のころと、第一のころを転動軸心が互いに平行になるように保持するための複数のポケットを有する第一の保持器と、第二の軌道輪と中間輪との間に配置した複数の第二のころと、第二のころを転動軸心が互いに平行になるように保持するための複数のポケットを有する第二の保持器とを具備し、第一のころの転動軸心と第二のころの転動軸心とが直交し、かつ、第一の部材から第一の軌道輪および第一の保持器を貫通して中間輪まで延在する第一のガイドピン、ならびに、第二の部材から第二の軌道輪および第二の保持器を貫通して中間輪まで延在する第二のガイドピンを具備し、第一のガイドピンが第一のころの転動軸線と直交する方向に、第一の保持器および中間輪の規制範囲内において移動可能で、第二のガイドピンが第二のころの転動軸線と直交する方向に、第二の保持器および中間輪の規制範囲内において移動可能としたことを特徴とするスラスト受け機構の製造方法である。ここで、スラスト受け機構の製造方法は、ポケットの壁面に設けられるころ止め部を、しごき加工によって形成する工程を含む。
このようなスラスト受け機構の製造方法によれば、スラスト受け機構に備えられる保持器に含まれるポケットの壁面に設けられるころ止め部を、精度よく安定して製造することができる。そうすると、保持器の位置をより安定させ、ころの挙動を安定させた保持器を備えるスラスト受け機構を製造することができる。
この発明によれば、ポケットの壁面にしごき加工によってころ止め部を形成することにより、ころの脱落を防止することができるとともに、ころ止め部を精度よく形成することができる。そうすると、保持器の幅面からのころの突出量を容易に制御することができる。したがって、保持器のころに対する位置を安定させることができ、ころの挙動を安定させることができる。
また、スラスト受け機構に備えられる保持器に含まれるポケットの壁面に設けられるころ止め部を、精度よく安定して製造することができる。そうすると、保持器の位置をより安定させ、ころの挙動を安定させた保持器を備えるスラスト受け機構を製造することができる。
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図2は、この発明の一実施形態に係るスラスト受け機構を示す分解斜視図である。
図2を参照して、スラスト受け機構11は、第一の部材であるハウジング20aと、ハウジング20aに対して偏心回転運動を行う第二の部材として回転部材20bとの間に介在して、ハウジング20aと回転部材20bとの間に発生するスラスト荷重を支持する。
スラスト受け機構11は、平板状の環状部材であって片面に軌道面を有し、軌道面と反対側の面がハウジング20aに取り付けられる第一の軌道輪12aと、平板状の環状部材であって片面に軌道面を有し、軌道面と反対側の面が回転部材20bに取り付けられる第二の軌道輪12bと、平板状の環状部材であってその両面に軌道面を有する中間輪13とを備える。第一の軌道輪12aと第二の軌道輪12bとは、軌道面が対向するように配置される。中間輪13は、双方の軌道面が、第一の軌道輪12aの軌道面および第二の軌道輪12bの軌道面と対向するように、第一の軌道輪12aと第二の軌道輪12bとの間に配置される。
スラスト受け機構11は、第一の軌道輪12aと中間輪13との間に配置され、第一の軌道輪12aおよび中間輪13の軌道面と接する複数の第一のころ14aと、第二の軌道輪12bと中間輪13との間に配置され、第二の軌道輪12bおよび中間輪13の軌道面と接する複数の第二のころ14bとを備える。第一のころ14aは、上下方向に配置される第一の軌道輪12aの軌道面および中間輪13の軌道面を転動する。第二のころ14bは、上下方向に配置される第二の軌道輪12bの軌道面および中間輪13の軌道面を転動する。
スラスト受け機構11は、平板状の環状部材であって複数の第一のころ14aを保持する第一の保持器15aと、平板状の環状部材であって複数の第二のころ14bを保持する第二の保持器15bとを備える。複数の第一のころ14aは、その転動軸心が矢印Aの方向に整列して向くように、第一の保持器15aによって互いに平行になるように保持されている。同様に、第二のころ14bは、その転動軸心が矢印Aの方向と直交する矢印Bの方向に整列して向くように、第二の保持器15bによって互いに平行になるように保持されている。第一の保持器15aには、ポケット21aに保持した第一のころ14aの脱落を防止するため、中間輪13側および第一の軌道輪12a側にころ止め部(図示せず)が設けられている。同様に、第二の保持器15bについても、ポケットに保持した第二のころ14bの脱落を防止するため、中間輪13側および第二の軌道輪12b側にころ止め部(図示せず)が設けられている。
第一の軌道輪12aには、180度間隔で相互に対向する位置に一対の丸孔17aが設けられており、中間輪13および第一の保持器15aには、180度間隔で相互に対向し、長手方向が揃うように、一対の長孔18a、19aが設けられている。一対の長孔18a、19aは、半径方向に延びており、第一のころ14aの転動軸線方向(矢印Aの方向)と直交する方向へのそれら自身の移動を許容し、その寸法関係は19a<18aとなっている。
スラスト受け機構11は、ハウジング20aから第一の軌道輪12aおよび第一の保持器15aを貫通して中間輪13まで延在するよう、一対の第一のガイドピン16aを備える。一対の第一のガイドピン16aを、丸孔17a、長孔18a、19aに挿通することにより、各部材の周方向が位置決めされるとともに、第一の軌道輪12aはハウジング20aに固定される。また、中間輪13および第一の保持器15aは、長孔18a、19aの許容範囲内で、第一のころ14aの転動軸線方向と直交する方向、すなわち、矢印Bの方向またはその逆の方向に移動可能である。
同様に、第二の軌道輪12bには、180度間隔で相互に対向する位置に一対の丸孔17bが設けられており、中間輪13および第二の保持器15bには、180度間隔で相互に対向し、長手方向が揃うように、一対の長孔18b、19bが設けられている。なお、中間輪13に設けられた一対の長孔18a、18bは、相互に90度間隔で設けられている。一対の長孔18b、19bは、半径方向に延びており、第二のころ14bの転動軸線方向(矢印Bの方向)と直交する方向へのそれら自身の移動を許容し、その寸法関係は19b<18bとなっている。
スラスト受け機構11は、回転部材20bから第二の軌道輪12bおよび第二の保持器15bを貫通して中間輪13まで延在するよう、一対の第二のガイドピン16bを備える。一対の第二のガイドピン16bを、丸孔17b、長孔18b、19bに挿通することにより、各部材の周方向が位置決めされるとともに、第二の軌道輪12bは回転部材20bに固定され、中間輪13および第二の保持器15bは、長孔18b、19bの許容範囲内で、第二のころ14bの転動軸線方向と直交する方向、すなわち、矢印Aの方向またはその逆の方向に移動可能である。
このような構成により、ハウジング20aが固定された状態で、回転部材20bが偏心回転運動を行っても、第一の保持器15a、第二の保持器15bおよび中間輪13は、矢印A、Bの方向またはその逆の方向への移動が許容され、第一のころ14aおよび第二のころ14bが転動することにより、スラスト受け機構11は、回転部材20bと、ハウジング20aとの間の偏心スラスト荷重を支持することができる。
次に、上記したスラスト受け機構11の構成部材のうち、第一の保持器15aの構成について説明する。図3は、スラスト受け機構11に備えられる第一の保持器15aを軸方向からみた図である。図2および図3を参照して、第一の保持器15aには、第一のころ14aを保持するための複数のポケット21aが設けられている。複数の第一のころ14aは、第一の保持器15aに設けられた各ポケット21aに保持され、上下方向に配置される第一の軌道輪12aの軌道面および中間輪13の軌道面を転動する。ポケット21aの壁面の両側には、第一のころ14aの脱落を防止するため、ころ止め部26a、26bが設けられている。
次に、図3に示す第一の保持器15aの製造方法について説明する。図4は、第一の保持器15aの製造工程の概略を示すフローチャートである。図4を参照して、まず、一枚の鋼板を用意する。これを円板状に切断した後、ころを保持するポケットを形成するように、打ち抜き刃を有するパンチでポケット抜きを行う(図4(A))。図5は、パンチによって打ち抜かれたポケット21aを、軸方向からみた拡大図である。また、図6は、図5における矢印VI―VIで示すポケット21aの断面図である。なお、図5中、点線で示す部分は、後の工程において、しごき加工を行うしごき部24であり、図6中、ポケット21aに保持される第一のころ14aを、一点鎖線で示している。
図5および図6を参照して、ポケット抜きは、保持される第一のころ14aを案内する案内面23およびころ止め部26a、26bを形成するための凹面22を形成し、第一のころ14aの形状に沿うように、鋼板25を打ち抜くことにより行う。
次に、しごき部24のしごき加工を行う(図4(B))。図7は、しごき加工を行ったポケット21aを軸方向からみた拡大図である。また、図1は、図7における矢印I―Iで示すポケット21aの断面図である。なお、図1においても、ポケット21aに保持される第一のころ14aを、一点鎖線で示している。また、雄型しごき冶具29aおよび雌型しごき冶具29bを備えるしごき冶具を二点鎖線で示している。
図1および図7を参照して、しごき加工は、しごき腕30aを有する雄型しごき冶具29aおよびしごき溝30bを有する雌型しごき冶具29bを用いて行う。具体的には、ポケット抜きされた鋼板25を、雌型しごき冶具29b上にセットする。そして、垂直な方向、すなわち、図1における矢印Cの方向に、雄型しごき冶具29aを推し進め、図5におけるしごき部24をしごき加工することにより行う。雄型しごき冶具29aのしごき腕30aと、雌型しごき冶具29bのしごき溝30bとによって、しごき部24はしごかれ、ころ止め部26a、26bおよび平滑なしごき面27が形成される。このようなしごき加工によると、しごき腕30aおよびしごき溝30bが精度よく形成されているため、ころ止め部26a、26bを精度よく形成することができる。
ここで、ポケット21aの両側の壁面に形成されるころ止め部26a、26bの間の寸法Eは、第一のころ14aの径方向の寸法Fに対して、寸歩Eが、寸法Fの0.9倍〜0.99倍とすることが好ましい。ころ止め部26a、26bの間の寸法をこのような範囲に規定することにより、安定してころ止め部26a、26bを形成することができる。
ここで、ころ止め部26a、26bの寸法精度は良好であるため、第一のころ14aをポケット21aに保持した場合に、第一のころ14aが第一の保持器15aの幅面28bから突出する量、ここでは、図1中における寸法Dの量を調整することができる。そうすると、第一のころ14aの突出量が安定することになり、第一の保持器15aは、安定して第一のころ14aに案内されることになる。その結果、第一の保持器15aの挙動が安定する。
その後、ころ止め部26a、26bが設けられた幅面28bの反対の幅面28a側にころ止め部を設けるため、加締め加工またはしごき加工を行う(図4(C))。これは、たとえば、幅面28a側のポケット21a近傍を加締めることにより行う。こうすることにより、幅面28a側への第一のころ14aの脱落を防止することができる。なお、反対側の幅面28aにおいて設けられるころ止め部は、ころの突出量を調整せず、単に、組み立て時におけるころの脱落を防止するために設けられるため、高い寸法精度は要求されず、加締めにより形成することができる。この場合、加締め加工の代わりに、上記と同様に、しごき加工を行ってもよい。
上記の工程を、すべてのポケット21aに対して行い、第一の保持器15aを製造する。なお、第二のころ14bを保持する第二の保持器15bについても、同様に、しごき加工によってころ止め部を設け、製造する。このようにして得られた第一の保持器15a、第二の保持器15bと、第一の軌道輪12a、第二の軌道輪12b、中間輪13、第一のころ14a、第二のころ14bを組み合わせて、スラスト受け機構11が製造される。
なお、上記した第一の保持器15aは、パンチによる打ち抜き面を案内面23としたが、これに限らず、しごき加工によって形成されるしごき面27によって、ころを案内することにしてもよい。
この場合の第一の保持器の製造方法を以下に示す。まず、上記と同様に、ポケット抜きを行う。図8は、パンチによって打ち抜かれたポケット31を、軸方向からみた拡大図である。また、図9は、図8における矢印IX―IXで示すポケット31の断面図である。なお、図8中、点線で示す部分は、後の工程において、しごき加工を行うしごき部33であり、図9中、ポケット31に保持される第一のころ14aを、一点鎖線で示している。
図8および図9を参照して、ポケット抜きは、後の工程で案内面となる凸面32と、壁面34とを形成するように、鋼板35を打ち抜くことにより行う。
次に、しごき部33にしごき加工を施す。しごき加工は、上述と同様の方法である。図10は、しごき加工が施されたポケット31を、軸方向からみた図である。また、図11は、図10における矢印XI―XIで示すポケット31の断面図である。なお、図11においても、ポケット21aに保持される第一のころ14aを、一点鎖線で示している。
図10および図11を参照して、図8におけるしごき部33にしごき加工が施され、平滑なしごき面40およびころ止め部36a、36bが形成される。このしごき加工により形成されたしごき面40において、ころは案内される。上述したパンチによる打ち抜き面は、打ち抜き刃によって打ち抜かれるせん断面および打ち抜き刃によって押し込まれる材料で引きちぎられる破断面により構成される。ここで、打ち抜き面に含まれる破断面は、寸法精度が悪く、平滑な面ではないため、このような面でころを案内すると、ころの挙動が不安定になるおそれがある。これに対し、しごき面40は、寸法精度が良好であるとともに、平滑な面であるため、ころを安定して案内することができる。また、ころの挙動が安定しているため、幅面28a、28b側に形成される潤滑油の油膜形成能力を向上することができる。
その後、ころ止め部36a、36bが設けられた幅面39bと反対側の幅面39a側を加締め、ころ止め部を設ける。図12は、この場合におけるポケット31近傍を示す断面図である。図12を参照して、鋼板35のうち、ころ止め部36a、36bが設けられた幅面39bと反対側の幅面39aのポケット21aの近傍部37を押圧して加締め、幅面39b側にころ止め部38を設ける。このようにして、幅面39a側からのころの脱落を防止することができる。
なお、上記の実施の形態においては、ポケット21a等の壁面の両側に2箇所ずつ、合計4箇所に、ころ止め部26a、26b等を4つ設けることにしたが、これに限らず、ポケット21a等の壁面のいずれかに複数ころ止め部を設けることにしてもよい。
図13は、一方の壁面に2つのころ止め部を設けたポケット41周辺を示す拡大図である。図13を参照して、ポケット41は、ころ止め部42a、42b、42cを有する。ころ止め部42a、42cは、ポケット41の壁面43a側に設けられており、ころ止め部42bは、壁面43aと反対側の壁面43bに設けられている。その転動軸心方向の位置は、ころ止め部42a、42cが、ころの端面側に配置されており、ころ止め部42bは、ころ止め部42aところ止め部42cの間に配置される。このように構成することにより、ポケット41に保持されるころが大きく傾くことはなくなるため、ころの脱落を防止することができる。
なお、上記の実施の形態においては、ポケット21a等に保持されるころは、各ポケット21a等に対し、1つのころであったが、これに限らず、1つのポケット21aに対して、2つ以上のころを保持する場合がある。この場合においても、上記したしごき加工により形成されたころ止め部を有するポケット21a等に保持することにより、1つのポケット21a等に保持された複数のころの挙動を安定させることができる。
図14は、この場合における第一の保持器46を軸方向からみた図である。図14を参照して、第一の保持器46は、複数のポケット47を有し、各ポケット47は、転動軸心が同じになるよう、複列に配置された2つの第一のころ48a、48bを保持する。この場合、ポケット47の壁面の両側に設けられるころ止め部49a、49bは、上記した図7や図10に示す位置に設けられている。すなわち、各第一のころ48a、48bに対して、転動軸心方向に2つずつ設けられている。
このように構成することにより、2つの第一のころ48a、48bを1つのポケット47が保持する場合であっても、第一のころ48a、48bの脱落を防止することができるとともに、ころの挙動を安定することができる。
ここで、しごき加工によるころ止め部26a、26b等は、すべてのポケット21a等に設けてもよいが、たとえば、第一の軌道輪12aに第一の保持器15aを載せた状態において、第一のころ14aの突出量を安定させるためには、最低限4箇所のポケットにしごき加工されたころ止め部を設けることが必要である。したがって、図15に示すように、第一の保持器51の径方向の中心54を通り、第一のころ14aの転動軸心方向に沿う仮想線55aと、中心54を通り、仮想線55aに垂直な方向に沿う仮想線55bとにより第一の保持器51等を仮想的に分割した場合に、第一の保持器15a等の各分割領域に含まれるポケット群52a、52b、52c、52dのうち、各ポケット群52a〜52dから選択された任意のポケット53a、53b、53c、53dを、上記したしごき加工により形成されたころ止め部を有するポケットとしてもよい。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
この発明に係るスラスト受け機構は、ころの挙動を安定させることができるため、スクロール圧縮機等に含まれるスラスト受け機構に、有効に利用される。
また、この発明に係るスラスト受け機構の製造方法は、ころの挙動を安定させた保持器を含むスラスト受け機構を製造することができるため、長寿命等が要求されるスクロール圧縮機等に含まれるスラスト受け機構を製造する際に、有効に利用される。
しごき加工によりころ止め部を形成した鋼板の断面図である。 この発明の一実施形態に係るスラスト受け機構を示す分解斜視図である。 スラスト受け機構に含まれる第一の保持器を、軸方向からみた図である。 第一の保持器を製造する工程の概略を示すフローチャートである。 打ち抜き面をころ案内面とした場合のポケット抜き工程を行った鋼板を軸方向からみた拡大図である。 図5における矢印VI―VIで示す鋼板の断面図である。 しごき部をしごき加工した鋼板を軸方向からみた拡大図である。 しごき面をころ案内面とした場合のポケット抜き工程を行った鋼板を軸方向からみた拡大図である。 図8における矢印IX―IXで示す断面図である。 しごき部をしごき加工した鋼板を軸方向からみた拡大図である。 図10における矢印XI―XIで示す鋼板の断面図である。 加締め加工によりころ止め部を形成した鋼板の断面図である。 一方の壁面にころ止め部を2つ設けたポケットの断面図である。 1つのポケットに2つのころを保持した場合の第一の保持器を軸方向からみた図である。 4つのポケット群のうち、各ポケット群に対し、少なくとも1つのポケットのころ止め部がしごき加工により形成された第一の保持器を軸方向からみた図である。 従来におけるスラスト受け機構を表す分解斜視図である。 従来におけるスラスト受け機構の一部を示す断面図である。 従来におけるスラスト受け機構に備えられる箱形保持器の要部を示す断面図である。
符号の説明
11 スラスト受け機構、12a 第一の軌道輪、12b 第二の軌道輪、13 中間輪、14a,48a,48b 第一のころ、14b 第二のころ、15a,46,51 第一の保持器、15b 第二の保持器、16a 第一のガイドピン、16b 第二のガイドピン、17a,17b 丸孔、18a,18b,19a,19b 長孔、20a ハウジング、20b 回転部材、21a,31,41,47,53a,53b,53c,53d ポケット、22 凹面、23 案内面、24,33 しごき部、25,35 鋼板、26a,26b,36a,36b,38,42a,42b,42c,49a,49b ころ止め部、27,40 しごき面、28a,28b,39a,39b 幅面、29a 雄型しごき冶具、29b 雌型しごき冶具、30a しごき腕、30b しごき溝、34,43a,43b 壁面、32 凸面、37 近傍部、52a,52b,52c,52d ポケット群、54 中心、55a,55b 仮想線。

Claims (5)

  1. 相互間で偏心回転運動を行う第一の部材と第二の部材との間に介在してスラスト荷重を支持するスラスト受け機構であって、第一の部材に固定した第一の軌道輪と、第二の部材に固定した第二の軌道輪と、第一の軌道輪と第二の軌道輪との間に配置した中間輪と、第一の軌道輪と中間輪との間に配置した複数の第一のころと、第一のころを転動軸心が互いに平行になるように保持するための複数のポケットを有する第一の保持器と、第二の軌道輪と中間輪との間に配置した複数の第二のころと、第二のころを転動軸心が互いに平行になるように保持するための複数のポケットを有する第二の保持器とを具備し、第一のころの転動軸心と第二のころの転動軸心とが直交し、かつ、第一の部材から第一の軌道輪および第一の保持器を貫通して中間輪まで延在する第一のガイドピン、ならびに、第二の部材から第二の軌道輪および第二の保持器を貫通して中間輪まで延在する第二のガイドピンを具備し、第一のガイドピンが第一のころの転動軸線と直交する方向に、第一の保持器および中間輪の規制範囲内において移動可能で、第二のガイドピンが第二のころの転動軸線と直交する方向に、第二の保持器および中間輪の規制範囲内において移動可能としたことを特徴とするスラスト受け機構において、
    前記ポケットの壁面には、前記ころの脱落を防止するころ止め部が設けられ、
    前記ころ止め部は、しごき加工によって形成される、スラスト受け機構。
  2. 前記ポケットの壁面の両側に設けられた双方のころ止め部の間の寸法は、
    前記ころの径方向の寸法の0.9〜0.99倍である、請求項1に記載のスラスト受け機構。
  3. 前記ころは、しごき加工された面によって案内される、請求項1または2に記載のスラスト受け機構。
  4. 前記ポケットは、1つのポケットに対して2つ以上のころを保持し、
    前記ころ止め部は、前記各ころに対して2つ以上設けられる、請求項1〜3のいずれかに記載のスラスト受け機構。
  5. 相互間で偏心回転運動を行う第一の部材と第二の部材との間に介在してスラスト荷重を支持するスラスト受け機構の製造方法であって、第一の部材に固定した第一の軌道輪と、第二の部材に固定した第二の軌道輪と、第一の軌道輪と第二の軌道輪との間に配置した中間輪と、第一の軌道輪と中間輪との間に配置した複数の第一のころと、第一のころを転動軸心が互いに平行になるように保持するための複数のポケットを有する第一の保持器と、第二の軌道輪と中間輪との間に配置した複数の第二のころと、第二のころを転動軸心が互いに平行になるように保持するための複数のポケットを有する第二の保持器とを具備し、第一のころの転動軸心と第二のころの転動軸心とが直交し、かつ、第一の部材から第一の軌道輪および第一の保持器を貫通して中間輪まで延在する第一のガイドピン、ならびに、第二の部材から第二の軌道輪および第二の保持器を貫通して中間輪まで延在する第二のガイドピンを具備し、第一のガイドピンが第一のころの転動軸線と直交する方向に、第一の保持器および中間輪の規制範囲内において移動可能で、第二のガイドピンが第二のころの転動軸線と直交する方向に、第二の保持器および中間輪の規制範囲内において移動可能としたことを特徴とするスラスト受け機構の製造方法において、
    ポケットの壁面に設けられるころ止め部を、しごき加工によって形成する工程を含む、スラスト受け機構の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE102021131616A1 (de) 2021-12-01 2023-06-01 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Axiallager

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