JP2007196958A - ボーディングブリッジ - Google Patents

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典明 迫田
Yoshihiro Nakai
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Abstract

【課題】ボーディングブリッジまたは航空機に電力または水等を供給する供給ラインの耐久性の向上を図る。
【解決手段】トンネル部3には、トンネル部3内に給電または給水する供給装置8が取り付けられている。供給装置8は、ケーブルLと、ケーブルLを支持する支持装置11と、第1ガイド部材14および第2ガイド部材15とを備えている。支持装置11は、第1トンネル3aに追従する第1ビーム12と、第2トンネル3bに追従する第2ビーム13とを備えている。第1ガイド部材14の一端部は第1ビーム12の前端部に接続され、第2ガイド部材15の他端部は第2ビーム13の前端部の挿通路22側に接続されている。第1ガイド部材14の他端部および第2ガイド部材15の一端部は、第3トンネル3cに接続されている。第1ガイド部材14および第2ガイド部材15は、それぞれ、一端部と他端部との間に略U字形状の屈曲部分を有す。
【選択図】図1

Description

本発明は、ボーディングブリッジに関し、特に、ターミナルビルからボーディングブリッジまたは航空機に対して電気もしくは水等を供給する供給ラインを備えたボーディングブリッジに関するものである。
従来より、航空機の乗降装置として、ボーディングブリッジがよく用いられている。ボーディングブリッジは、空港のターミナルビルと航空機とを連絡するトンネル状の歩行通路であり、ターミナルビルと航空機との間での乗客の乗り降りを可能にするものである。
一般に、ボーディングブリッジは、ターミナルビルの乗降口に接続された回転自在なロータンダと、ロータンダに固定された伸縮自在なトンネル部と、トンネル部の先端に設けられた回転自在なキャブとを備えている。
ボーディングブリッジは、乗客の歩行通路であるため、内部には、室内灯や空調設備等の電気機器が設けられている。そのため、ボーディングブリッジに対して、ターミナルビル側からケーブルを延ばし、電力を供給する必要がある。また、航空機の停止中、ボーディングブリッジを介して、ターミナルビルから航空機内に電気を供給したり、給水したりすることがある。
しかし、ボーディングブリッジのトンネル部は、複数の筒状体がスライド可能に連結されることによって構成されており、伸縮自在である。電力を供給するためのケーブルや水を供給するためのホース等(以下、これらを総称して供給ラインという)は、トンネル部が最も伸びた状態の際に足りるように配されなければならない。そのため、トンネル部が最も縮んだ状態では、トンネル部に対して供給ラインが余り、供給ラインをトンネル部の中途部分で湾曲させたり、巻き取ったりしなければならない。そこで、従来より、このような供給ラインをボーディングブリッジに配するために、様々な手法が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の図1に開示されたボーディングブリッジでは、トンネル部の側面に、電気や水等の供給ラインが折り畳み自在に配されている。また、同文献の図8に開示されたボーディングブリッジでは、トンネル部の底面に、供給ラインが折り畳み自在に配されている。これらのボーディングブリッジでは、トンネル部の伸縮に応じてそれぞれの供給ラインが折り畳まれたり、展開されたりする。
特開2003−291896号公報
しかしながら、特許文献1の図1または図8に開示されたボーディングブリッジでは、供給ラインの折り畳みに際し、予め屈曲部分が定まっているので、常に同じ部分が屈曲することになる。ところが、屈曲部分には集中的に負担がかかるため、屈曲部分は摩耗し易い。そのため、上記配設手法では、供給ラインの寿命が短くなるという問題が生じるおそれがある。また、上記配設手法では供給ラインの屈曲部分が多くなる。そのため、供給ラインの摩耗を促進し、このことによっても、供給ラインの寿命を短くするおそれがある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ボーディングブリッジまたは航空機に電力または水等を供給する供給ラインの耐久性を向上させることにある。
本発明に係るボーディングブリッジは、ターミナルビルと航空機とをつなぐボーディングブリッジであって、前記ターミナルビル側から前記航空機側に向かって順にスライド自在に連結された第1、第2および第3の筒状体を有し、前記第1、第2または第3の筒状体のスライド移動に伴って伸縮するトンネル部と、前記ターミナルビルから前記トンネル部または前記航空機に所定の供給物を供給する供給装置と、を備え、前記供給装置は、前記ターミナルビルから前記第1および第2の筒状体の外部を通って前記トンネル部の長手方向に延び、前記供給物を導く屈曲または湾曲自在な第1の供給ラインと、一端が前記第1の筒状体と相対移動不能に配置され、他端が前記第3の筒状体に接続され、前記一端から前記他端に至る間に進行方向を折り返す曲がり部を有し、前記第1の供給ラインを支持しつつ前記第3の筒状体に案内する屈曲または湾曲自在な第1のガイド部材と、前記第1のガイド部材を支持する支持部材と、を備え、前記トンネル部の伸縮に伴って、前記第1のガイド部材の曲がり部の位置が変化するものである。
なお、上記供給物には、水等の有体物に限らず、電気等の無体物も含まれる。
上記ボーディングブリッジでは、第1の供給ラインは、屈曲または湾曲自在な第1のガイド部材によって案内される。第1のガイド部材の一端は第1の筒状体に対して相対移動しないが、他端は第3の筒状体に固定されており、第3の筒状体に追従する。そのため、第1のガイド部材は、第3の筒状体の移動に伴い、屈曲または湾曲する部分(以下、単に屈曲部分という)が移動する。その結果、当該第1のガイド部材に案内された第1の供給ラインも、屈曲部分は第3の筒状体の移動に伴って移動する。したがって、上記ボーディングブリッジによれば、従来のボーディングブリッジのように、第1の供給ラインの常に同じ部分が屈曲するということがないため、第1の供給ラインの耐久性の向上を図ることができる。
また、上記ボーディングブリッジでは、第1のガイド部材の中途部に曲がり部を有することで、第1のガイド部材を中途で折り返す構造としている。また、第1のガイド部材は、他端が第3の筒状体に接続されていることより、第3の筒状体の移動に伴って第3の筒状体に引っ張られ、折り返し部分の長さを変化させる。例えば、トンネル部が縮む場合、第3の筒状体がターミナルビル側に向かって動く。これに伴い、第1のガイド部材の他端は、ターミナルビル側に引っ張られ、折り返し部分が長くなる。したがって、上記ボーディングブリッジによれば、トンネル部を縮めた際に、巻き取り手段等を別途設けずに、第1の供給ラインを余らせることなく配設することができる。また、上記ボーディングブリッジによれば、屈曲部分は少なくとも1箇所設ければよく、従来のように多くの箇所に設ける必要はない。そのため、摩耗しやすい屈曲部分の数を最小限に抑え、第1の供給ラインの耐久性の向上を図ることができる。
前記第1のガイド部材は、前記第1の供給ラインを挿通させる略筒形状の複数の連結部材が連結されてなり、前記各連結部材の側面における長手方向の一端側には側方に突出する凸部が設けられ、他端側には孔部が設けられ、前記複数の連結部材は、隣り合う一方の連結部材の凸部が他方の連結部材の孔部に回転自在に係合することによって連結されていることが好ましい。
なお、ここで、「側方」とは、連結部材の長手方向と直交する方向を指し、水平方向に限らず、鉛直方向も含む。
上記ボーディングブリッジの第1のガイド部材は、複数の連結部材によって構成され、隣り合う連結部材は凸部を中心に回転自在に連結されている。このことにより、第1のガイド部材は、あらゆる部分において屈曲可能に構成されることとなる。そのため、上記ボーディングブリッジの第1のガイド部材によれば、フレキシブルに形状を変化させつつ第1の供給ラインを案内することができる。したがって、上記ボーディングブリッジによれば、第1の供給ラインの摩耗を抑止しつつ、第1の供給ラインをフレキシブルに配設することにより、第1の供給ラインの耐久性の向上を図ることができる。
前記支持部材は、一端が前記第1の筒状体の前記ターミナルビル側に固定された第1の支持体と、一端が前記第2の筒状体の前記第1の筒状体側に固定され、他端が前記第3の筒状体にスライド自在に支持された第2の支持体と、を備え、前記第1の支持体の他端部は、前記第2の支持体に対してスライド自在に支持されていることが好ましい。
このことにより、第2の筒状体が第1の筒状体に対してスライド移動するのに伴い、第2の支持体が第1の支持体に対してスライド移動することとなる。つまり、支持部材は、トンネル部と同様に伸縮自在に構成されることとなる。そのため、第1の支持体および第2の支持体に長尺の部材を用いることが可能となる。長尺の第1および第2の支持体を用いることにより、第1のガイド部材をより広範囲にわたって支持することができ、第1のガイド部材の撓みを防止することができる。
また、上記ボーディングブリッジによれば、第1の支持体は、トンネル部の最短時(トンネル部が最も縮んだ状態の時)であっても第2の筒状体が重ならない第1の筒状体の根元側端部(トンネル部の長手方向において、ターミナルビルに近い側の端部)に固定されており、また、第2の支持体は、トンネル部の最短時であっても第3の筒状体が重ならない第2の筒状体の根元側端部に固定されている。そのため、上記ボーディングブリッジの支持部材によれば、簡単な構成により、トンネル部の伸縮動作を阻害することなく、第1のガイド部材を支持することが可能となる。
前記供給装置は、少なくとも一部が前記第3の筒状体から前記第2の筒状体の外部を通って前記第2の筒状体の前記第1の筒状体側に至り、前記供給物を導く屈曲または湾曲自在な第2の供給ラインと、一端が前記第3の筒状体に接続され、他端が前記第2の支持体に固定され、前記一端から前記他端に至る間に進行方向を折り返す曲がり部を有し、前記第2の供給ラインを支持しつつ前記第2の筒状体に案内する屈曲または湾曲自在な第2のガイド部材と、を備え、前記トンネル部の伸縮に伴って、前記第2のガイド部材の曲がり部の位置が変化することが好ましい。
このことにより、第2の筒状体に供給物を供給することが可能となる。また、第2のガイド部材の支持に第2の支持体を利用するため、供給装置の部品点数を減少させて、より簡単な構成とすることができる。したがって、上記ボーディングブリッジによれば、簡単な構成により、トンネル部の伸縮動作を阻害することなく、第1,第2のガイド部材および第1,第2の供給ラインを支持することが可能となる。
前記第2の支持体は、それぞれ前記第2の支持体の一端側から他端側に向かって延びかつ互いに分離された第1および第2の挿通路を備え、前記第1のガイド部材の前記一端は、前記第1の支持体の他端に固定されて前記第1の挿通路を通り、前記第2のガイド部材の前記他端は、前記第2の支持部材の他端かつ前記第2の挿通路側に固定され、前記第1の供給ラインは前記第1の挿通路を通り、前記第2の供給ラインは前記第2の挿通路を通っていることが好ましい。
上記ボーディングブリッジの第2の支持体は、互いに分離された第1の挿通路と第2の挿通路とを備えており、第1の供給ラインは第1の挿通路を、第2の供給ラインは第2の挿通路を通る。そのため、第1の供給ラインと第2の供給ラインとは、第2の支持体内で別々の挿通路を通ることとなり、第1の供給ラインと第2の供給ラインとを互いに絡まらないように配置することができる。したがって、上記ボーディングブリッジによれば、第1,第2の供給ラインの摩耗を防止することができ、第1,第2の供給ラインの耐久性の向上を図ることができる。
前記供給装置は、前記トンネル部の上部に設置されていることが好ましい。
このことにより、本発明に係るボーディングブリッジによれば、供給装置と地上に設置された設備や作業車等とが干渉することがなく、安全性に優れている。また、トンネル部上に作業員が直接上がることにより、昇降装置等を用いることなく、補修や点検等を行うことができる。したがって、補修や点検等を容易に行うことが可能となる。
以上のように、本発明によれば、ボーディングブリッジまたは航空機に電力または水等を供給する供給ラインの耐久性を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1、2に示すように、本実施形態に係るボーディングブリッジ1は、空港のターミナルビルの乗降口(図示せず)に接続されたロータンダ(基部円形室)2と、ロータンダ2に固定されたトンネル部3と、トンネル部3の先端に鉛直軸回りに正逆回転自在に設けられたキャブ(先端円形室)4とを備えている。なお、説明の便宜上、以下、ボーディングブリッジ1の航空機側を前側、ターミナルビル側を後側とし、後側から前側に向かって右側、左側をそれぞれ単に右側、左側と言うこととする。
ロータンダ2は、支柱5によって鉛直軸回りに回転自在に支持されている。トンネル部3は、ターミナルビルと航空機の乗降口とをつなぐ歩行通路を形成する伸縮自在な筒状体であり、筒状体からなる第1トンネル3aと第2トンネル3bと第3トンネル3cとから構成されている。第3トンネル3cは第2トンネル3bに対しスライド自在に組み立てられており、第2トンネル3bは第1トンネル3aに対しスライド自在に組み立てられている。図示は省略するが、トンネル部3の内部には歩行通路が形成されている。また、第1トンネル3a、第2トンネル3b、第3トンネル3cの内部には室内灯9が設けられている。
トンネル部3は、第3トンネル3cが第2トンネル3bに対してスライドし、第2トンネル3bが第1トンネル3aに対してスライドすることにより、伸縮する。また、第2トンネル3bは、第3トンネル3cの移動に伴い、第3トンネル3cの移動速度の半分の速度で第3トンネル3cと同じ方向に移動するように構成されている。
第3トンネル3cには、当該トンネル部3を支持する2本のドライブコラム6が設けられている。ドライブコラム6は、上下方向に伸縮自在な支柱である。ドライブコラム6の内部には、図示しない駆動モータが設置されており、ドライブコラム6は当該駆動モータによって伸縮する。
ドライブコラム6の下端部には、駆動輪7が取り付けられている。駆動輪7は、鉛直軸回りに回転自在に構成されている。この駆動輪7が走行することにより、トンネル部3は伸縮することになる。これにより、ボーディングブリッジ1は、航空機から離れた待機位置と、航空機に接続される装着位置との間を移動することになる。また、ドライブコラム6を伸縮させると、トンネル部3の前端部が上下動する。これにより、キャブ4の高さが調節される。航空機の乗降口に接続される際には、キャブ4は乗降口と同じ高さ位置にまで上昇する。
図1に示すように、トンネル部3の上部には、トンネル部3内、またはトンネル部3を介して航空機内に給電または給水を行う供給装置8が取り付けられている。本実施形態では、供給装置8は、トンネル部3に電気を供給するものである。
供給装置8は、供給ラインとしての給電用のケーブルLと、ケーブルLを支持する支持装置11と、屈曲または湾曲可能な第1ガイド部材14および第2ガイド部材15とを備えている。本実施形態では、ケーブルL、第1ガイド部材14および第2ガイド部材15は、あらゆる部分において屈曲または湾曲可能に構成されている。ただし、ケーブルL、第1ガイド部材14および第2ガイド部材15は、曲がり部の位置が適宜に変更可能であれば、その一部が屈曲および湾曲不能であってもよい。
支持装置11は、第1ビーム12と、第2ビーム13とを備えている。第1ビーム12は断面形状がコの字型であり、ケーブルLを通す挿通路21を形成している。また、第2ビーム13は断面形状がヨの字型であり、上下2段の挿通路22,23を形成している。
第1ビーム12の後端部は、支柱12aによって第1トンネル3aの後端部に固定されている。また、第1ビーム12の少なくとも一部は、第2ビーム13の下段の挿通路23内に挿入されている。一方、第2ビーム13の後端部は、支柱13aによって第2トンネル3bに固定されている。また、第2ビーム13の前端部には、下端部にローラ13cが取り付けられた支柱13bが取り付けられている。支柱13bは、第3トンネル3c上に配されたレール(図示せず)上に摺動可能に載置されている。
このような構成により、第1トンネル3aに固定された第1ビーム12はトンネル部3の伸縮に伴って動くことはないが、第2トンネル3bに固定された第2ビーム13は、第2トンネル3bに追従して前後方向に移動することとなる。これにより、第1ビーム12および第2ビーム13からなる支持装置11は、トンネル部3の伸縮に伴いトンネル部3と同様に伸縮することとなる。
第1ビーム12の前端部には第1ガイド部材14の一端部が接続されている。第2ビーム13の前端部の挿通路22側には、第2ガイド部材15の他端部が接続されている。第1ガイド部材14の他端部と第2ガイド部材15の一端部とは、それぞれ第3トンネル3cに接続されている。また、第1ガイド部材14および第2ガイド部材15はそれぞれ、略U字形状の屈曲部分を有している。
図3は第1ガイド部材14および第2ガイド部材15の一部分を拡大して示した図面である。図3に示すように、第1ガイド部材14および第2ガイド部材15は、複数の連結部材16を連結させてなる。連結部材16は、内部に空洞を有する略筒状の部材からなる。連結部材16の側面における長手方向の一端側には側方に突出する凸部17aが設けられ、他端側には孔部17bが設けられている。一の連結部材16の凸部17aが、隣り合う他の連結部材16の孔部17bに嵌合することにより、一の連結部材16と他の連結部材16とは連結される。また、一の連結部材16の凸部17aは、他の連結部材16の孔部17bに回転自在に支持される。そのため、連結状態において、連結部材16の凸部17aは、回転軸として機能することとなる。なお、凸部17aおよび孔部17bは、連結部材16の側面のうち、互いに対向する2面に設けられていることが好ましい。
図1に示すように、ケーブルLは、ターミナルビルから第1トンネル3aおよび第2トンネル3bの外部を通って第3トンネル3cに配される第1ケーブルL1と、第3トンネル3cから第2トンネル3bの外部を通って第2トンネル3bの後側に配される第2ケーブルL2とからなる。
第1ケーブルL1は、ターミナルビルから第1ビーム12の挿通路21に入り、第2ビーム13の挿通路23内で第1ガイド部材14内に入る。第1ケーブルL1は、第1ガイド部材14内を通過した後、第3トンネル3c内に挿入され、第3トンネル3c内に設けられた分電盤(図示せず)に接続される。第3トンネル3c内の室内灯9は、第3トンネル3c内の分電盤とケーブル等により接続されている。
一方、第2ケーブルL2は、一端が第3トンネル3c内の分電盤に接続されており、第3トンネル3cの後端部において内部から外部へ配される。第2ケーブルL2は、第3トンネル3cの外部で、第2ガイド部材15内に入り、第2ビーム13の挿通路22を通過した後、第2トンネル3b内に挿入され、第2トンネル3b内に設けられた分電盤(図示せず)に接続される。第2トンネル3b内の室内灯9は、第2トンネル3b内の分電盤とケーブル等により接続されている。
なお、図1、2では、第2ケーブルL2について、第3トンネル3cの分電盤から第2ガイド部材15内に至るまでの部分を省略して示す。また、説明の便宜上、ケーブルLを誇張して示す。
なお、第1トンネル3aにも分電盤(図示せず)が設けられている。当該分電盤とターミナルビルとは、ケーブルL0によって電気的に接続されている。ケーブルL0は、ターミナルビルからロータンダ2内を通り、第1トンネル3a内に配設される。また、第1トンネル3a内の室内灯9は、分電盤とケーブル等により接続されている。
以上がボーディングブリッジ1の構成である。次に、ボーディングブリッジ1のトンネル部3および供給装置8の動作について説明する。
上述したように、トンネル部3は、駆動輪7が走行することにより伸縮する。具体的には、駆動輪7の走行により、ドライブコラム6が移動する。これにより、ドライブコラム6が取り付けられた第3トンネル3cが移動する。第2トンネル3bは、第3トンネル3cの移動に伴い、第3トンネル3cの移動速度の半分の速度で第3トンネル3cと同じ方向に移動する。
供給装置8の支持装置11は、トンネル部3の伸縮に伴い伸縮する。具体的には、支持装置11の第2ビーム13が第2トンネル3bに追従する。このとき、第1ビーム12は、第1トンネル3aに後端部を固定されているため動かない。これにより、第2トンネル3bが第1トンネル3aに対して後方にスライドする(トンネル部3が縮む)と、第2ビーム13は後方に移動する。これに伴い、第1ビーム12は第2ビーム13の挿通路23内に収められていくこととなる。なお、このとき、第2トンネル3bは第3トンネル3cの半分の速度で後方に移動し、第2ビーム13のローラ13cは第3トンネル3c上を後方から前方へ転がることとなる。
逆に、第2トンネル3bが第1トンネル3aに対して前方にスライドする(トンネル部3が伸びる)と、第2ビーム13は前方に移動する。これに伴い、第1ビーム12は第2ビーム13の挿通路23内から徐々に排出される。なお、第1ビーム12は、トンネル部3の最長時(トンネル部3が最も長く伸びた状態の時をさす)にも、前端部が挿通路23内に挿入されるように構成されているものとする。また、このとき、第2トンネル3bは第3トンネル3cの半分の速度で前方に移動し、第2ビーム13のローラ13cは第3トンネル3c上を前方から後方へ転がることとなる。
第1ガイド部材14は、第3トンネル3cの移動に伴い、屈曲部分の位置が変化する。以下、具体的に図1および図4を参照しながら第1ガイド部材14の動作について説明する。図4(a)は、図1の場合(トンネル部3が伸びた場合)におけるボーディングブリッジ1の第1ガイド部材14を抽出して示した図である。また、図4(b)は、第3トンネル3cが、図1の状態から距離Dだけ後方に移動した場合におけるボーディングブリッジ1の第1ガイド部材14を抽出して示した図である。
トンネル部3を縮める場合、例えば、第3トンネル3cを、図1の状態から距離Dだけ後方に移動させた場合、第1ガイド部材14の他端部14bは、距離Dだけ後方に移動する。一方、第1ビーム12に固定された第1ガイド部材14の一端部14aは動かない。つまり、第1ガイド部材14は一端部14aが固定されたまま、他端部14bが後方に距離Dだけ引っ張られることとなる。しかし、第1ガイド部材14は伸縮するものではないため、第1ガイド部材14自体の長さは変わらない。そのため、第1ガイド部材14の屈曲中心O(半円の円弧を描く屈曲部分の円の中心)は、後方に、第3トンネル3cの移動距離Dよりも短い距離D/2だけ移動することとなる。これにより、屈曲中心Oは、第3トンネル3cに対し第3トンネルの後端部から前方に向かって移動することとなる。このようにして、第1ガイド部材14は、他端部14bが第3トンネル3cによって引っ張られることにより、全体の長さを変化させるのではなく、屈曲部分の位置を変化させる。なお、トンネル部3を伸ばす場合においては、上記の動作と反対の動作を行うこととなる。
第2ガイド部材15も第1ガイド部材14とほぼ同様にして、第3トンネル3cの移動に伴い、屈曲部分が変化する。以下、具体的に図5を用いて第2ガイド部材15の動作について説明する。図5(a)は、図1の場合におけるボーディングブリッジ1の第2ガイド部材15を抽出して示した図である。また、図5(b)は、第3トンネル3cが、図1の状態から距離Dだけ後方に移動した場合におけるボーディングブリッジ1の第2ガイド部材15を抽出して示した図である。
トンネル部3を縮める場合、例えば、第3トンネル3cを、図1の状態から距離Dだけ後方に移動させた場合、第2トンネル3bは図1の状態から距離D/2だけ後方に移動する。このとき、第2ガイド部材15の一端部15aは距離D/2だけ後方に移動し、他端部15bは距離Dだけ後方に移動する。つまり、第2ガイド部材15は一端部15aおよび他端部15bのそれぞれが、後方に引っ張られることとなる。しかし、第2ガイド部材15は伸縮するものではないため、第2ガイド部材15自体の長さは変わらない。そのため、第2ガイド部材15の屈曲中心O(半円の円弧を描く屈曲部分の円の中心)は、後方に、第3トンネル3cの移動距離Dよりも短い距離3D/4だけ移動することとなる。これにより、屈曲中心Oは、第3トンネル3cに対し第3トンネルの後端部から前方に向かって移動することとなる。このようにして、第2ガイド部材15は、一端部15aが第2トンネル3bに、他端部15bが第3トンネル3cに引っ張られることにより、全体の長さを変化させるのではなく、屈曲部分の位置を変化させる。なお、トンネル部3を伸ばす場合においては、上記の動作と反対の動作を行う。
なお、本実施形態では、第2トンネル3bの移動速度を第3トンネル3cの半分の速度としている。しかし、第2トンネル3bの速度はこれに限られず、例えば、第3トンネル3cの移動速度の半分の速度以上であり、第3トンネル3cの移動速度よりも遅いいかなる速度であってもよい。
以上のように、本実施形態に係るボーディングブリッジ1では、第1ガイド部材14および第2ガイド部材15は、トンネル部3が伸縮すると、全体の長さを変化させるのではなく、屈曲部分の位置を変化させる。そのため、第1ガイド部材14に案内された第1ケーブルL1および第2ガイド部材15に案内された第2ケーブルL2においても、屈曲部分の位置が変化し、従来例のように、常に同じ部分が屈曲するということがない。したがって、本実施形態に係るボーディングブリッジ1によれば、ケーブルLの耐久性の向上を図ることができる。
また、本実施形態に係るボーディングブリッジ1では、第1ガイド部材14および第2ガイド部材15の中途部に略U字形状の屈曲部分を設けることで、第1ガイド部材14および第2ガイド部材15を中途で折り返す構造としている。これにより、トンネル部3を縮めた際に、第1ガイド部材14および第2ガイド部材15の余分部分は第3トンネル3cと共に折り返されていくこととなる。したがって、本実施形態に係るボーディングブリッジ1によれば、トンネル部3を縮めた際に、巻き取り手段等を別途設けずに、ケーブルLを余らせることなく配設することができる。
本実施形態に係るボーディングブリッジ1によれば、ケーブルLを覆う第1ガイド部材14および第2ガイド部材15の屈曲部分は1箇所設ければよく、従来のように多くの箇所に設ける必要はない。そのため、摩耗しやすいケーブルLの屈曲部分を最小限に抑え、ケーブルLの耐久性の向上を図ることができる。
本実施形態の第1ガイド部材14および第2ガイド部材15は、屈曲部分が変更可能に構成されている。そのため、第1ガイド部材14および第2ガイド部材15によれば、フレキシブルに形状を変化させて同じ箇所が屈曲することによる摩耗を防止しつつ、ケーブルLを保護することができる。したがって、本実施形態によれば、ケーブルLの耐久性の向上を図ることができる。特に、本実施形態では、第1ガイド部材14および第2ガイド部材15はあらゆる部分において屈曲または湾曲可能に構成されているので、ケーブルLの耐久性をより一層向上させることができる。
本実施形態に係る支持装置11はトンネル部3の伸縮に伴い伸縮するように構成されている。そのため、支持装置11を構成する支持部材としての第1ビーム12および第2ビーム13に、長尺の部材を用いることが可能となる。長尺の第1ビーム12および第2ビーム13を用いることにより、第1ガイド部材14および第2ガイド部材15をより広範囲にわたり支持することができ、第1ガイド部材14および第2ガイド部材15の撓みを防止することができる。したがって、本実施形態によれば、第1ガイド部材14、第2ガイド部材15およびケーブルLの摩耗を防止することができ、ケーブルLの耐久性の向上を図ることができる。
また、本実施形態に係るボーディングブリッジ1によれば、第1ビーム12は、トンネル部3の最短時(図2に示すトンネル部3が最も縮んだ状態の時)であっても第2トンネル3bが重ならない第1トンネル3aの根元側端部(トンネル部3の長手方向において、ロータンダ2に近い側の端部)に固定されており、また、第2ビーム13は、トンネル部3の最短時(図2参照)であっても第3トンネル3cが重ならない第2トンネル3bの根元側端部に固定されている。したがって、本実施形態に係るボーディングブリッジ1によれば、簡単な構成により、トンネル部3の伸縮動作を阻害することなく、第1ガイド部材14、第2ガイド部材15およびケーブルLを支持することが可能となる。
本実施形態に係るボーディングブリッジ1によれば、ターミナルビルから第3トンネル3cに電気を供給することが可能となり、第3トンネル3cから第2トンネル3bに電気を供給することが可能となる。これにより、トンネル部3内の全域にわたり電気を供給することが可能となる。
また、本実施形態によれば、第1ガイド部材14および第2ガイド部材15の両方を第2ビーム13によって支持することができる。このことにより、部品点数を減少させることができ、供給装置8をより簡単な構成とすることができる。したがって、本実施形態に係るボーディングブリッジ1によれば、簡単な構成により、トンネル部3の伸縮動作を阻害することなく、第1ガイド部材14、第2ガイド部材15およびケーブルLを支持することが可能となる。
本実施形態の第2ビーム13では、断面形状がヨの字型であり、第2ビーム13の一端側から他端側まで至る上下2段の挿通路22,23を形成している。挿通路23においては第1ケーブルL1が支持され、挿通路22においては第2ケーブルL2が支持される。これにより、第1ケーブルL1と第2ケーブルL2とは、別々の挿通路22,23を通るため、絡まることがない。したがって、本実施形態によれば、ケーブルLの摩耗を防止することにより、ケーブルLの耐久性の向上を図ることができる。
なお、本実施形態においては、第2ビーム13は断面形状がヨの字型であり、上下2段の挿通路22,23を形成していたが、第2ビーム13の形状はこれに限られず、例えば、図6(a)に示すように、挿通路22,23を水平方向に配置するものであってもよい。また、図6(b)に示すように、挿通路22,23を覆う筒形状のものであってもよい。さらに、図6(c)に示すように、第2ビーム13は、垂直部材13yと、水平部材13xと、ケーブルL1,L2または第1ガイド部材14の落下を防止する規制部材13sとからなるものであってもよい。上記いずれの形態であっても、第2ビーム13は、上述のような効果を奏することが可能である。
本実施形態に係るボーディングブリッジ1では、供給装置8はトンネル部3の上部に設置されている。そのため、地上に設置された設備や作業車等に干渉することがなく、安全性に優れている。また、ボーディングブリッジ上に作業員が直接上がることにより、昇降装置等を用いることなく、補修や点検等を行うことができる。したがって、本実施形態によれば、補修や点検等を容易に行うことが可能となる。ただし、供給装置8は、トンネル部3の上部に設置されることに限定されない。すなわち、トンネル部3の側部に設置することも可能であり、また、トンネル部3の下部に設置することも可能である。
なお、本実施形態では、第1ガイド部材14および第2ガイド部材15は、それぞれの屈曲部分が側面視(図1または図2参照)において略U字形状となるように折り返されることとしている。しかし、第1ガイド部材14および第2ガイド部材15は、それぞれの屈曲部分が平面視において略U字形状となるように折り返される構造であってもよい。このような構造であっても、供給ラインLの摩耗を防止することができ、耐久性の向上を図ることが可能となる。
また、本実施形態では、第2ケーブルL2は、一端が第3トンネル3c内の分電盤に接続され、第3トンネル3cの後端部において内部から外部へ配されて第2ガイド部材15内に入り、第2ビーム13の挿通路22を通過した後、第2トンネル3b内に挿入されることとしていた。しかし、第2ケーブルL2の配設経路はこれに限られない。例えば、第2ケーブルL2は、第1ケーブルL1と同じように、ターミナルビルから第1ビーム12の挿通路21および第1ガイド部材14内を通過した後、第2ガイド部材15内、第2ビーム13の挿通路22を通して、第2トンネル3b内に挿入してもよい。
さらに、本実施形態では、供給装置8を用いることにより、ボーディングブリッジ1内に給電することとしていた。しかし、例えば第3トンネル内の分電盤と航空機内に設けられた分電盤とをケーブル等により接続し、ボーディングブリッジ1を介して航空機内に給電することとしてもよい。また、ボーディングブリッジ1内と航空機内の両方に給電することとしてもよい。
また、本実施形態では、供給ラインとして給電用のケーブルLを用いて、電気を供給することとしていた。しかし、供給物は無体物である電気に限られず、例えば、有体物である水を供給することとしてもよい。この場合、供給ラインとして給水ホースを用いる。また、温風または冷風、その他、ボーディングブリッジ1内または航空機内で必要となるいかなるものを供給することとしてもよい。
以上説明したように、本発明は、ボーディングブリッジについて有用である。
本実施形態に係るボーディングブリッジの側面図である。 本実施形態に係るボーディングブリッジの側面図である。 ガイド部材の一部分を拡大して示した図面である。 (a)および(b)は、異なる状況におけるボーディングブリッジのガイド部材を抽出して示した図である。 (a)および(b)は、異なる状況におけるボーディングブリッジのガイド部材を抽出して示した図である。 (a),(b)および(c)は、第2ビーム13の変形例を示す断面図である。
符号の説明
1 ボーディングブリッジ
2 ロータンダ
3 トンネル部
3a 第1トンネル(第1の筒状体)
3b 第2トンネル(第2の筒状体)
3c 第3トンネル(第3の筒状体)
4 キャブ
8 供給装置
11 支持装置(支持部材)
12 第1ビーム(第1の支持体)
13 第2ビーム(第2の支持体)
14 第1ガイド部材(第1のガイド部材)
15 第2ガイド部材(第2のガイド部材)
22 挿通路(第2の挿通路)
23 挿通路(第1の挿通路)
L ケーブル(供給ライン)
L1 第1ケーブル(第1の供給ライン)
L2 第2ケーブル(第2の供給ライン)

Claims (6)

  1. ターミナルビルと航空機とをつなぐボーディングブリッジであって、
    前記ターミナルビル側から前記航空機側に向かって順にスライド自在に連結された第1、第2および第3の筒状体を有し、前記第1、第2または第3の筒状体のスライド移動に伴って伸縮するトンネル部と、
    前記ターミナルビルから前記トンネル部または前記航空機に所定の供給物を供給する供給装置と、を備え、
    前記供給装置は、
    前記ターミナルビルから前記第1および第2の筒状体の外部を通って前記トンネル部の長手方向に延び、前記供給物を導く屈曲または湾曲自在な第1の供給ラインと、
    一端が前記第1の筒状体と相対移動不能に配置され、他端が前記第3の筒状体に接続され、前記一端から前記他端に至る間に進行方向を折り返す曲がり部を有し、前記第1の供給ラインを支持しつつ前記第3の筒状体に案内する屈曲または湾曲自在な第1のガイド部材と、
    前記第1のガイド部材を支持する支持部材と、を備え、
    前記トンネル部の伸縮に伴って、前記第1のガイド部材の曲がり部の位置が変化するボーディングブリッジ。
  2. 前記第1のガイド部材は、前記第1の供給ラインを挿通させる略筒形状の複数の連結部材が連結されてなり、
    前記各連結部材の側面における長手方向の一端側には側方に突出する凸部が設けられ、他端側には孔部が設けられ、
    前記複数の連結部材は、隣り合う一方の連結部材の凸部が他方の連結部材の孔部に回転自在に係合することによって連結されている、請求項1に記載のボーディングブリッジ。
  3. 前記支持部材は、
    一端が前記第1の筒状体の前記ターミナルビル側に固定された第1の支持体と、
    一端が前記第2の筒状体の前記第1の筒状体側に固定され、他端が前記第3の筒状体にスライド自在に支持された第2の支持体と、を備え、
    前記第1の支持体の他端部は、前記第2の支持体に対してスライド自在に支持されている、請求項1または2に記載のボーディングブリッジ。
  4. 前記供給装置は、
    少なくとも一部が前記第3の筒状体から前記第2の筒状体の外部を通って前記第2の筒状体の前記第1の筒状体側に至り、前記供給物を導く屈曲または湾曲自在な第2の供給ラインと、
    一端が前記第3の筒状体に接続され、他端が前記第2の支持体に固定され、前記一端から前記他端に至る間に進行方向を折り返す曲がり部を有し、前記第2の供給ラインを支持しつつ前記第2の筒状体に案内する屈曲または湾曲自在な第2のガイド部材と、を備え、
    前記トンネル部の伸縮に伴って、前記第2のガイド部材の曲がり部の位置が変化する、請求項3に記載のボーディングブリッジ。
  5. 前記第2の支持体は、それぞれ前記第2の支持体の一端側から他端側に向かって延びかつ互いに分離された第1および第2の挿通路を備え、
    前記第1のガイド部材の前記一端は、前記第1の支持体の他端に固定されて前記第1の挿通路を通り、
    前記第2のガイド部材の前記他端は、前記第2の支持部材の他端かつ前記第2の挿通路側に固定され、
    前記第1の供給ラインは前記第1の挿通路を通り、前記第2の供給ラインは前記第2の挿通路を通っている、請求項4に記載のボーディングブリッジ。
  6. 前記供給装置は、前記トンネル部の上部に設置されている請求項1〜5のいずれか一つに記載のボーディングブリッジ。
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