JP2007196441A - 成形用金型及び成形方法 - Google Patents

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範子 榮羽
Seiichi Watanabe
清一 渡辺
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Abstract

【課題】第1の金型および第2の金型の寸法公差に影響されることなく、簡単な構成で型閉め時に入れ子の調心を正確に行い、適正なキャビティを形成することができる成形用金型を提供することを課題とする。
【解決手段】少なくとも第1の金型110と第2の金型210との間でキャビティCを形成する成形用金型1であって、型閉め時に、少なくとも前記第1の金型110の外周面と前記第2の金型210の外周面とに跨るように配置された弾性部材からなる位置決め部材160と、前記位置決め部材160を型閉め方向に圧縮する圧縮手段と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、少なくとも第1の金型と第2の金型との間でキャビティを形成し、このキャビティ内で製品を成形するための成形用金型及び成形方法に関する。
デジタルカメラや望遠レンズなどの非常に高い加工精度が要求される光学部品を精度よく製造することができる成形用金型としては、例えば、図9(a)に示すように、第1の金型600と第2の金型700の間にキャビティCを形成し、このキャビティCで製品を射出成形する成形用金型500が知られている(例えば特許文献1参照)。
この第1の金型600は、キャビティ面610aを有する入れ子610と、入れ子610を外側から保持するとともに、凹型テーパ部621を有する本体部材620と、から構成されている。
また、第2の金型700は、キャビティ面710aを有する入れ子710と、入れ子710を外側から保持するとともに、凸型テーパ部721を有する本体部材720と、から構成されている。
この成形用金型500の第1の金型600と第2の金型700との組み合わせ方としては、図9(a)に示すように、凹型テーパ部621と凸型テーパ部721とが先に合わせられることで、第1の金型600と第2の金型700とが組み合わされる場合(以下、「テーパ先当て」と言う場合がある)と、図9(b)に示すように、端面622と端面722とが先に合わせられることで、第1の金型600と第2の金型700とが組み合わされる場合(以下、「端面先当て」と言う場合がある)とがある。
特開2002−225086号公報
しかしながら、図9(a)に示す「テーパ先当て」を用いた成形用金型500の場合には、入れ子610と入れ子710との軸心位置を一致させることができるが、第1の金型600の端面622と第2の金型700の端面722との間に寸法公差による隙間S1が生じる。そのため、キャビティCで製品の射出成形を行なうと、製品の厚みが、隙間S1の間隔分だけ厚くなり、厚み精度が低下してしまう。また、隙間S1の間隔が大きいと、キャビティC内に供給された材料が隙間S1に流出して、バリが生じるという問題がある。
一方、図9(b)に示す成形用金型500では、厚み精度を向上させるとともに、バリを生じさせないが、凹型テーパ部621と凸型テーパ部721との間の寸法公差により、隙間S2が生じる。そのため、型締め時に入れ子610と入れ子710との軸心位置がずれることで適正なキャビティCを形成することが出来ないという問題がある。
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で金型の調心を行ない、適正なキャビティを形成することができる成形用金型及び成形方法を提供することを課題とする。
前記した課題を解決するため、本発明の成形用金型は、少なくとも第1の金型と第2の金型との間でキャビティを形成する成形用金型であって、型閉め時に、少なくとも第1の金型の外周面と第2の金型の外周面とに跨るように配置された弾性部材からなる位置決め部材と、位置決め部材を型閉め方向に圧縮する圧縮手段と、を備えることを特徴とする成形用金型である。
本発明の構成によれば、型閉めにより、少なくとも第1の金型と第2の金型とでキャビティが形成されるとともに、第1の金型と第2の金型の外周面とに跨るように位置決め部材が配置される。そして、圧縮手段によって位置決め部材が圧縮されると、位置決め部材が型閉め方向と直交する方向に膨張するように変形し、第1の金型と第2の金型の外周面に当接することで、第1の金型と第2の金型とが正確に位置決めされる。その結果、第1の金型と第2の金型の間に適正なキャビティが形成される。さらに、本発明の構成によれば、テーパ部を設ける必要がないため、嵌合部の寸法公差による厚み方向の誤差を極力減らすことができるとともに、バリが生じるのを防ぐことができる。
なお、圧縮手段は、型閉め力又は型締め力を利用するものであっても良いし、それ以外の駆動機構を利用しても良い。
また、本発明の成形用金型は、位置決め部材が、第1の金型と第2の金型の外周面の周方向に少なくとも1つ配設された構造とすることもできる。
かかる構成によれば、少なくとも1つの位置決め部材が膨張するように変形して第1の金型と第2の金型の外周面に跨って当接することで、第1の金型と第2の金型とを正確に位置決めすることができる。
また、本発明の成形用金型は、位置決め部材が、第1の金型と第2の金型の外周面の周方向に円環状に配設された構造とすることもできる。
かかる構成によれば、第1の金型と第2の金型の外周面の周方向に円環状の位置決め部材を配置することで、型閉め時に、位置決め部材が膨張するように変形し、第1の金型と第2の金型の外周面の全面で当接する。これにより、第1の金型と第2の金型とが正確に位置決めされる。その結果、第1の金型と第2の金型の間に適正なキャビティが形成される。
また、本発明の成形用金型は、位置決め部材の外周側であって、当該位置決め部材の弾性変形を第1の金型と第2の金型の外周面に向かって集中させるためのバックアップ部材を備えた構造とすることもできる。
かかる構成によれば、圧縮手段によって型閉め方向に圧縮力をかけた際、位置決め部材の変形を第1の金型と第2の金型の外周面にむけてさらに集中させることができる。これにより、位置決め部材の変形する力の大部分を、第1の金型と第2の金型との正確な位置決めに利用することができ、第1の金型と第2の金型の間に適正なキャビティを形成することができる。
さらに、本発明の成形方法は、少なくとも第1の金型と第2の金型とを型閉めしてキャビティを形成するステップと、第1の金型の外周面と第2の金型の外周面とに跨るように弾性部材からなる位置決め部材を配置するスッテプと、位置決め部材を型閉め方向に圧縮することにより、第1の金型の外周面及び第2の金型の外周面に位置決め部材を当接させて第1の金型と第2の金型とを調心するステップと、を含むことを特徴とする成形方法である。
かかる構成によれば、少なくとも第1の金型と第2の金型とを型閉めしてキャビティを形成し、第1の金型と第2の金型の外周面とに跨るように位置決め部材を配置した後、圧縮手段によって位置決め部材を型閉め方向と対向する方向に変形させ、第1の金型と第2の金型の外周面とに跨って当接させる。これにより、簡単なステップで第1の金型と第2の金型との正確な位置決めを行なうことができると共に、第1の金型と第2の金型の間に適正なキャビティを形成することができる。
また、本発明の成形方法は、第1の金型と第2の金型とを調心するステップを行なった後に、第1の金型と第2の金型とを型締めするステップをさらに含むこともできる。
かかる構成によれば、型閉め後に型締めすることで、キャビティの厚み精度をさらに向上させることができる。また、例えば、射出成形の場合には、型締め力によって位置決め部材が第1の金型と第2の金型にいっそう強く当接するため、第1の金型と第2の金型の剛性が高まる。これにより、溶融樹脂の射出に伴う樹脂圧が加わっても、第1の金型と第2の金型は位置決め部材で押さえられているのでずれない。
本発明によれば、弾性部材からなる位置決め部材を用いた簡単な構造で、寸法公差の影響を受けることなく、第1の金型と第2の金型の調心を行える成形用金型及び成形方法を提供することができる。
次に、本発明の成形用金型及びこの成形用金型を用いた成形方法の実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。なお、参照する図面において、図1は、第1実施形態に係る成形用金型の横断面図である。図2は、型閉め前の成形用金型を示した図であり、(a)は図1のA−A断面図、(b)は図2(a)のB−B断面図である。
なお、本実施形態では、本発明の成形用金型をプラスチックレンズ(以下、単に『レンズ』という)の製造に適用した場合について説明する
図1に示すように、成形用金型1は、移動側金型100と固定側金型200と、移動側金型100と固定側金型200との間に形成されたキャビティCと、当該キャビティCの周囲に配置した位置決め部材160と、で構成されている。なお、キャビティCには、溶融樹脂の通り道となるランナーやゲート(図示せず)が連通するようになっており、当該キャビティC内に溶融樹脂を供給することで成形品たるレンズ(図示せず)が製造される。また、移動側金型100は射出成形装置(図示せず)の移動側に、固定側金型200は射出成形装置の固定側に、それぞれ取り付けられている。そして、移動側金型100は、固定側金型200に対して相対的に、型閉め方向Dに移動自在に配置されている。
図1に示すように、移動側金型100は、図示しないレンズの一方のレンズ面形状(成形品の一部)を象ったキャビティ面Caが先端に形成されている入れ子110と、この入れ子110が嵌め入れられる本体部材120と、で主に構成されている。
ここで、本実施形態においては、入れ子110が特許請求の範囲記載の『第1の金型』に相当する。
入れ子110は、本体部材120とは別部品として構成された金属製の部材であり、円柱状に形成された入れ子本体111と、この入れ子本体111の一端側(図1の右側)の中央から延出する柱状部112と、から構成されている。
入れ子本体111は、後記する本体部材120の太穴部122の内径よりも大きい外径となるように形成されており、これにより、入れ子本体111の一端側の面が本体部材120の他端側(図1の左側)の面と当接可能となっている。
柱状部112は、本体部材120と嵌合する部分であり、本実施形態においては、一端側にキャビティ面Caを備える円柱形状の細径部114と、この細径部114の他端側に連続して細径部114の直径よりも大きい直径に形成された円柱形状の太径部115と、から構成されている。
本体部材120は、入れ子110を外側から保持するためのステンレス系鋼材(焼き入れ焼戻し鋼)製の部材であり、その中心に中空部を備える円筒形状を呈している(図1参照)。本体部材120の中空部は、入れ子110の細径部114が嵌め込まれる細穴部121と、入れ子110の太径部115が嵌め込まれる太穴部122と、で構成されている。
細穴部121の内径は、入れ子110の細径部114の外径に対して同程度か若干大きく形成されている。具体的には、細穴部121の内径は、細径部114の外径に対して直径10〜30μm程度(半径5〜15μm程度)大きく形成するのが好ましく、直径10〜20μm程度(半径5〜10μm程度)大きく形成するのがさらに好ましい。また、細穴部121の一端側は本体部材120の一端側に開口しており、当該細穴部121に入れ子110の細径部114を嵌め入れると、細径部114の一端側に形成されたキャビティ面Caが、本体部材120の一端面に露出するようになっている。
太穴部122の内径は、太径部115の外径に対して同程度か若干大きく形成されている。また、太穴部122の他端側は本体部材120の他端側端面に開口しており、入れ子110の柱状部112を挿入可能になっている。また、太穴部122の一端側は、細穴部121の他端側と連通している。
図1に示すように、固定側金型200は、図示しないレンズの一方のレンズ面形状(成形品の一部)を象ったキャビティ面Cbが先端に形成されている入れ子210と、この入れ子210が嵌め入れられる本体部材220と、で主に構成されている。
ここで、移動側金型100と固定側金型200は端面123と端面223の当接面を基準に略左右対称となっており、固定側金型200の入れ子210、入れ子本体211、柱状部212、細径部214、太径部215の各構成要素は、それぞれ移動側金型100の入れ子110、入れ子本体111、柱状部112、細径部114、太径部115の各構成要素に相当する。
ここで、入れ子210が特許請求の範囲記載の『第2の金型』に相当する。
また、それ以外の移動側金型100と同様の構成要素については、同一の符号を付し、その説明は省略する。
なお、本実施形態においては、入れ子110と入れ子210の直径は同一であり、軸心位置が一致すると、入れ子110と入れ子210の外周面が面一となるように構成されている。また、入れ子110,210以外の移動側金型100及び固定側金型200の各部材の寸法も、全て同じである。
図1に示すように、成形用金型1の中央には、円環状凹部170が設けられている。
なお、本実施形態においては、円環状凹部170(より詳しくは170の底面)が特許請求の範囲記載の『圧縮手段』に相当する。
円環状凹部170は、後述する位置決め部材160を収容するための空間であり、本体部材120の一端側に設けられた円環状凹部170aと本体部材220の他端側に設けられた円環状凹部170bとを組み合わせることにより構成されている。
図1に示すように、位置決め部材160は、成形用金型1の中央に配置されており、耐熱性を有する弾性部材から構成されている。
ここで、耐熱性を有する弾性部材としては、耐熱性樹脂と耐熱性ゴムがある。
耐熱性樹脂としては、ポリイミド、エポキシ、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ナイロン等のポリアミド、ポリフェニレンスルフィド(polyphenylene sulfide;PPS)等が好ましい。
また、耐熱性樹脂にグラスファイバー等の添加物を添加することで、耐熱性や機械強度をさらに高めることができる。
耐熱性ゴムとしては、シリコン系ゴムやフッ素系ゴムが好ましい。
なお、耐熱性ゴムを用いる場合には、耐熱性ゴムの硬度が高いほど好ましい。
そして、位置決め部材160は、型閉め時に各細径部114,214に跨って当接することで、入れ子110と入れ子210とを調心し、適正なキャビティCの形成を行なうための部材である。
また、図2(a)及び(b)に示すように、本実施形態における位置決め部材160は略直方体であり、位置決め部材160の型閉め方向Dにおける長さは、円環状凹部170の型閉め方向Dにおける長さよりも長く構成されている。
本実施形態においては、図2(a)に示すように、位置決め部材160は、3つの位置決め部材160a,160b,160c(以下の説明において、位置決め部材160a,160b,160cを特定しない場合は、単に「位置決め部材160」という)から構成されており、各細径部114,214の外周面の周方向に沿って、等間隔で配置される。そして、図2(b)に示すように、位置決め部材160の一端側(図2(b)においては下側)は、円環状凹部170bに当接して設けられている。また、位置決め部材160は、型閉め方向Dにおける長さが円環状凹部170bの長さよりも長く、端面223から突き出ている。また、端面223から突き出した位置決め部材160の長さは、型閉め方向Dにおける円環状凹部170aの長さよりも長い。
ここで、成形用金型1が開いた状態、すなわち、端面123と端面223が当接していない状態においては、位置決め部材160と各細径部114,214との間に隙間が設けられている。
次に、本実施形態に係る成形用金型1の動作を説明しながら、本実施形態にかかる成形方法について、適宜図面を参照しながら説明する。
なお、参照する図面において、図3は、型閉め後の成形用金型を示した図で、(a)は図1のA−A断面に対応する図、(b)は図3(a)のC−C断面図である。図4は、位置決め部材による調心を説明するための平面図であり、(a)は型閉め前の細径部と位置決め部材の状態を示す図、(b)は型閉め後の細径部と位置決め部材状態を示す図である。
図1に示すように、移動側金型100を固定側金型200に向かって(型閉め方向Dに向って)移動させると、入れ子110の先端に形成されているキャビティ面Caが入れ子210の先端に形成されているキャビティ面Cbに近づき、キャビティCが形成される。このとき、移動側金型100の端面123と固定側金型200の端面223は当接するが、キャビティ面Caとキャビティ面Cbは当接せず、僅かに隙間(図示せず)が設けられている。そして、当該隙間が設けられることにより、キャビティCの形成時に、キャビティ面Caとキャビティ面Cbが衝突したり、擦れたりしない。これにより、成形精度を維持することができる。なお、当該隙間の間隔は、溶融樹脂が侵入しない範囲において、溶融樹脂の粘度に応じて適宜変更可能である。
さらに、図1に示すように、移動側金型100を固定側金型200に向かって(型閉め方向Dに向って)移動させると、端面123と端面223とが当接し、本体部材120に設けられた円環状凹部170aと本体部材220に設けられた円環状凹部170bとが組み合わされて円環状凹部170が形成される。当該円環状凹部170には、位置決め部材160が配置されており、円環状凹部170によって位置決め部材160は圧縮変形させられる。そして圧縮変形させられた位置決め部材160は、細径部114と細径部214とに跨って当接し、入れ子110と入れ子210とを調心し、適正なキャビティCを形成する。
より詳細に説明すると、図2(b)に示すように、本実施形態においては、位置決め部材160の一端側(図2(b)の下側)は円環状凹部170bに当接しており、他端側(図2(b)の上側)は端面223から突出している。したがって、移動側金型100を固定側金型200に向かって(型閉め方向Dに向って)移動させていくと、まず、位置決め部材160の他端側が、円環状凹部170aの底面に当接する。移動側金型100をさらに固定側金型200に向かって(型閉め方向Dに向って)移動させると、位置決め部材160には型閉め方向Dから圧縮力が加わっていく。図3(b)に示すように、位置決め部材160は、型閉め方向Dから圧縮力が加わると、型閉め方向Dと直交する方向に膨張するように変形する。そして、位置決め部材160は、各細径部114、214の外周面に跨って当接する。
ここで、位置決め部材160の役割をさらに詳細に説明する。
図4(a)に示すように、各位置決め部材160a,160b,160cに対して、型閉め方向(図4(a)においては、紙面と直交する方向)に圧縮力がかけられると、各位置決め部材160a,160b,160cは圧縮され、各位置決め部材160a,160b,160cに付された型閉め方向D(図1参照)と直交する矢印の示す方向に、膨張するように変形していく。
このとき、位置決め部材160a及び160cは、各細径部114,214に当接しないものの、変形しながら近づいていく。一方、位置決め部材160bは、ずれた細径部114が近くにあるため、変形する過程において、位置決め部材160a及び160cよりも早く細径部114と当接する。
そして、細径部114に当接した位置決め部材160bは、さらに変形の過程で、細径部114を膨張方向である矢印の方向に押していく。押された細径部114は、もう一方の細径部214と中心が重なるように近づいて行き、最終的に、3つの各位置決め部材160a,160b,160cが、各細径部114,214の外周面に跨って当接する。
本実施形態においては、各細径部114,214の外径は同径であるため、各位置決め部材160a,160b,160cが全て各細径部114,214の外周面に跨って当接すると、外周面が面一となる(図4(b)参照)。つまり、各位置決め部材160a,160b,160cの3つ全てが各細径部114,214の外周面に跨って当接すると、入れ子110と入れ子210の軸心位置が一致し、適正なキャビティを形成することができる。
よって、従来のようにテーパ部を設けることなく、比較的簡単な構造で入れ子110と入れ子210の調心を行なうことができる。さらに、横方向の寸法公差の影響を極力押さえることができるとともに、レンズの厚み精度の向上と、バリが生じるのを防ぐことができるので、生産性を向上させることができる。
さらに、図3(a)及び図3(b)に示すように、本実施形態においては、円環状凹部170の内周面がバックアップ部材180の役割を果たしている。
ここで、バックアップ部材180とは、位置決め部材160が型閉め方向Dから圧縮力をかけられ、型閉め方向Dと直交する方向に膨張するように変形する際の反力を受け持つ部材であり、位置決め部材160に型閉め方向Dに圧縮力が加えられた際の変形を、各細径部114,214の外周面に向けて集中させるためのものである。
したがって、位置決め部材160を各細径部114,214の外周面に当接させることで、入れ子110と入れ子210の調心を行うことができる。また、キャビティCに溶融樹脂の射出に伴う樹脂圧が加わっても、位置決め部材160は、各入れ子110,210がずれないように押さえることができる。
なお、バックアップ部材180としては、本実施形態のように、円環状凹部170の内周面であっても良いし、位置決め部材160と円環状凹部170との間に別部材を設けても良い。また、バックアップ部材180としては、位置決め部材160の型閉め方向と直交する方向への変形に伴う反力を受け持つことができれば良く、部材の材質及び形状は適宜変更できる。
次に、型閉めされた状態で、溶融樹脂を形成されたキャビティC内に射出して充填、保圧することでレンズを成形する。このとき、各入れ子110,210は位置決め部材160で押さえられているのでずれない。
レンズの成形後、型閉めを解除し、移動側金型100を固定側金型200から離す。キャビティ面Caはキャビティ面Cbよりも製品と接触している面積が広いため、移動側金型100を離しても、製品は移動側金型100側に残る。そして、移動側金型100側に残ったレンズは図示しないエジェクターにより回収される。
以上、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、レンズを製造するための金型に本発明を適用した例について説明したが、これに限られるものではなく、レンズを保持するための鏡枠などの高精度部品を製造するための金型に適用してもよい。
また、前記実施形態においては、位置決め部材160を各細径部114,214の外周面の周方向に沿って等間隔に3つ設けたが、これに限られるものではなく、少なくとも1つ以上の位置決め部材160が各細径部114,214の外周面に跨って当接することで、適正なキャビティCを形成することもできる。
つまり、入れ子110と入れ子210の調心を行なうには、各細径部114,214の外周面に跨って当接する部材が少なくとも3つ以上あればよく、このうち、1つ以上が弾性部材からなる位置決め部材160であれば、入れ子110と入れ子210の調心を行なうことができる。
ここで、図5は位置決め部材を1つ用いた調心を説明する平面図であって、(a)は型閉め前の状態を示す図、(b)は型閉め後の状態を示す図である。
図5(a)に示すように、型締め前の状態では、細径部114の外周面は、固定壁Wと2箇所で当接しているが、細径部214は固定壁Wと当接していない。また、各細径部114,214は位置決め部材160とも当接していない。
なお、固定壁Wは、細径部114と細径部214に跨って配置されている。
ここで、位置決め部材160に対して、型閉め方向(図5(a)においては、紙面と直交する方向)に圧縮力をかけると、位置決め部材160は圧縮され、位置決め部材160に付した型閉め方向Dと直交する矢印の示す方向に、膨張するように変形していく。
そして、細径部214に当接した位置決め部材160は、変形の過程で、細径部214を膨張方向である矢印の方向に押していき、最終的に、位置決め部材160と固定壁Wとが、各細径部114,214の外周面に跨って3箇所で当接する(図5(b)参照)。
これにより、入れ子110と入れ子210の調心を行なうことができ、適正なキャビティを形成することができる。
なお、固定壁Wの部材としては、固定壁W自体が変形しない部材(例えば、ステンレス系鋼材など)が好ましいが、これに限定されることなく、適宜変更可能である。また、固定壁Wは、細径部114と細径部214に跨って配置されていればよい。例えば、固定壁Wの型閉めの方向の長さを、円環状凹部170bの型閉め方向Dの長さ(図2(b)参照)よりも大きくなるように設定すれば、型閉めしたときに、固定壁Wが細径部114と細径部214に跨って配置される(図3(b)参照)
また、位置決め部材160は、各細径部114,214の外周面を、周方向において一定区間覆うような構造としてもよい。
ここで図6は、位置決め部材160の形状を示した図であり、(a)は位置決め部材が円環状である場合を示した図、(b)は位置決め部材が扇面状である場合を示した図である。
図6(a)に示すように、位置決め部材160が円環状である場合、細径部214の外周面の周方向に円環状の位置決め部材160を配置することで、型閉め時に、位置決め部材160が膨張するように変形し、細径部214の外周面の全面で当接する。これにより、入れ子の軸心位置の調心を容易に行なうことができ、適正なキャビティを形成することができる。
また、図6(b)に示すように、位置決め部材160を扇面状としてもよい。これにより、入れ子の軸心位置の調心を容易に行なうことができ、適正なキャビティを形成することができる。
また、各本体部材120,220に設けられた円環状凹部170a,170bは位置決め部材160が収容されれば形状は特に限定されるものではなく、例えば、図7に示すように、平面視矩形状の凹部であっても良い。この場合、位置決め部材160の両側面も本体部材120,220で覆われるため、位置決め部材160を各細径部114,214に向かってより確実に変形させることができる。
これにより、型締め力によって位置決め部材160が入れ子110と入れ子210にいっそう強く当接するため、入れ子110と入れ子210の剛性が高まる。したがって、キャビティCに溶融樹脂の射出に伴う樹脂圧が加わっても、各入れ子110,210は位置決め部材160で押さえられているのでずれない。
また、キャビティCを形成する金型は2つに限られるものではなく、例えば、図8に示すキャビティCのレンズ部とフランジ部を、別々の金型で形成しても良い。
ここで、図8はキャビティCを4つの金型で形成した第2実施形態を示した図である。
成形用金型1におけるキャビティCは、図示しないレンズのフランジ部のフランジ形状を象ったキャビティ面Ccが先端に形成されている本体部材120と、本体部材220の端面223と、一方のレンズ面形状(成形品の一部)を象ったキャビティ面Caが先端に形成されている入れ子110と、もう一方のレンズ面形状を象ったキャビティ面Cbが先端に形成されている入れ子210と、で構成されている。
なお、第2実施形態においては、本体部材120が、特許請求の範囲記載の『第1の金型』に該当し、本体部材220が、特許請求の範囲記載の『第2金型』に該当する。
ここで、本実施形態においては、本体部材120及び本体部材220の外周面側に圧縮手段190が設けられている。当該圧縮手段190は、圧縮手段190aと圧縮手段190bで構成されており、圧縮手段190aの一端側(図8の右側)には円環状凹部170aが形成され、圧縮手段190bの他端側(図8の左側)には円環状凹部170bが形成されている。
圧縮手段190aは移動側金型100と共に固定側金型200に向かって(型閉め方向Dに向かって)移動し、型閉め時に圧縮手段190bと当接することで、圧縮手段190aに形成されている円環状凹部170aと圧縮手段190bに形成されている円環状凹部170bとが近づき、円環状凹部170が形成される。円環状凹部170には、位置決め部材160が配置され、位置決め部材は、型閉め時に本体部材120と本体部材220とに跨って当接する。
なお、本実施形態においては、圧縮手段190を型閉め時の力を利用して移動させ、位置決め部材160を圧縮させたが、圧縮手段190に別の移動機構を設けてもよい。例えば、圧縮手段190の移動機構として、各種直動シリンダ(エアシリンダ、油圧シリンダ、ソレノイドコイル等)、圧電素子、ばね部材等の各種アクチュエータによって圧縮手段190を移動させ、位置決め部材160を圧縮させる構成としてもよい。また、形状記憶合金の復元力によって圧縮手段190を移動させる構成、エア等の流体の注入による中空部材の膨張力によって、圧縮手段190を移動させる構成など、圧縮手段を移動させる機構は限定されるものではない。
さらに、本実施形態にかかる成形用金型1は、入れ子110と本体部材120及び入れ子210と本体部材220の間に、それぞれボールリテーナを備えている。
ここで、ボールリテーナ130は、入れ子110と本体部材120及び入れ子210と本体部材220との間に介在して、入れ子110及び入れ子210を支持するとともに調心するための部品であり、複数の球状体131と、これらの球状体131を回転自在に支持する円筒状の支持体132とを備えて構成されている。
球状体131は、入れ子110と本体部材120及び入れ子210と本体部材220の隙間に対して、略同一あるいは若干大きな直径に形成されている。具体的には、球状体131は、前記隙間の間隔に対してその直径が1〜6μm程度大きいものを用いるのが好ましく、1〜3μm程度大きいものがより好ましい。このようにすれば、球状体131が弾性的に押し潰された状態で、入れ子110と本体部材120及び入れ子210と本体部材220の隙間に配置されることとなり、球状体131の復元力が予圧として作用することにより、入れ子110及び入れ子210が強固に支持されることとなる。
なお、ボールリテーナ130の構成要素である複数の球状体131を回転自在に指示する円筒状の支持体132は、あってもなくても良い。
本実施形態の効果として、ボールリテーナ130と位置決め部材160を組み合わせて用いることで、入れ子110と入れ子210の軸心の調心精度をより高めることができる。
また、入れ子110と本体部材120の間には、突き出し代が設けられており、ボールリテーナ130を組み合わせて用いることで、成形品たるレンズを取り出しやすくすることができる。
なお、本実施形態においては、キャビティCが4つの金型で形成されている以外において、キャビティCの成形方法は前記実施形態と変わらないため、成形方法の説明は割愛する。
また、位置決め部材160の形状も、略直方体に限られるものではなく、適宜変更可能である。
また、前記実施形態の成形方法においては、各ステップが別々に行なわれる場合を説明したが、これに限られるものではなく、各ステップが同時に行なわれてもよいし、樹脂充填前に全てのステップが完了していれば、順序は適宜変更可能である。
また、前記実施形態の成形方法においては、各入れ子110,210に型締め力をかけない場合について説明したが、これに限られるものではなく、各入れ子110,210に型締め力をかけても良い。かかる場合、各入れ子110,210の型閉めを行なった後に弾性部材160を圧縮し、型閉め方向Dに向かって型締め力をかける。これにより、入れ子110と入れ子210の調心を行ない、適正なキャビティCを形成することができると共に、厚み精度をより高めることができる。なお、型締め力をかける前に、他のステップが完了していれば、順序は適宜変更可能である。
本実施形態にかかる成形用金型の横断面図である。 本実施形態にかかる型閉め前の成形用金型を示した図であり、(a)は図1のA−A断面図、(b)は図2(a)のB−B断面図である。 本実施形態にかかる型閉め後の成形用金型を示した図であり、(a)は図1のA−A断面図、(b)は図3(a)のC−C断面図である。 本実施形態にかかる位置決め部材による調心を説明した平面図であり、(a)は型閉め前の細径部と位置決め部材の関係を示す図、(b)は型閉め後の細径部と位置決め部材の関係を示す図である。 他の実施形態にかかる位置決め部材による調心を説明する平面図であり、(a)は型閉め前の細径部と位置決め部材の関係を示す図、(b)は型閉め後の細径部と位置決め部材の関係を示す図である。 他の実施形態にかかる位置決め部材の形状を示した図であり、(a)は円環状の位置決め部材を示した平面図、(b)は扇面状の位置決め部材を示した平面図である。 他の実施形態にかかる円環状凹部の形状を示すために、本体部材内部構造を示した斜視図である。 第2実施形態にかかる成形用金型の横断面図である。 従来の成形用金型の断面図であり、(a)は金型の組合せ方として「テーパ先当て」を示した断面図、(b)は金型の組合せ方として「端面先当て」を示した断面図である。
符号の説明
1 成形用金型
100 第1の金型
110 入れ子
111 入れ子本体
112 柱状部
114 細径部
115 太径部
120 本体部材
120 本体部材
121 細穴部
122 太穴部
123 端面
160 位置決め部材
170 円環状凹部
170a 円環状凹部
170b 円環状凹部
180 バックアップ部材
190 圧縮手段
200 第2の金型
210 入れ子
211 入れ子本体
212 柱状部
214 細径部
215 太径部
220 本体部材
223 端面
C キャビティ
Ca キャビティ面
Cb キャビティ面
Cc キャビティ面

Claims (6)

  1. 少なくとも第1の金型と第2の金型との間でキャビティを形成する成形用金型であって、
    型閉め時に、少なくとも前記第1の金型の外周面と前記第2の金型の外周面とに跨るように配置された弾性部材からなる位置決め部材と、
    前記位置決め部材を型閉め方向に圧縮する圧縮手段と、
    を備えることを特徴とする成形用金型。
  2. 前記位置決め部材が、前記第1の金型と前記第2の金型の外周面の周方向に少なくとも1つ配設されていることを特徴とする請求項1記載の成形用金型。
  3. 前記位置決め部材が、前記第1の金型と前記第2の金型の外周面の周方向に円環状に配設されていることを特徴とする請求項1記載の成形用金型。
  4. 前記位置決め部材の外周側であって、
    当該位置決め部材の弾性変形を前記第1の金型と前記第2の金型の外周面に向かって集中させるためのバックアップ部材を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の成形用金型。
  5. 少なくとも第1の金型と第2の金型とを型閉めしてキャビティを形成するステップと、
    前記第1の金型の外周面と前記第2の金型の外周面とに跨るように弾性部材からなる位置決め部材を配置するスッテプと、
    前記位置決め部材を型閉め方向に圧縮することにより、前記第1の金型の外周面及び前記第2の金型の外周面に前記位置決め部材を当接させて前記第1の金型と前記第2の金型とを調心するステップと、
    を含むことを特徴とする成形方法。
  6. 前記第1の金型と前記第2の金型とを調心するステップを行なった後に、
    前記第1の金型と前記第2の金型とを型締めするステップを含むことを特徴とする請求項5記載の成形方法。
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