JP2007196180A - 内部発熱式の熱交換構造体 - Google Patents

内部発熱式の熱交換構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】 種々の流体を一時的に加熱するのに適する高熱効率でコンパクトな熱交換構造体を提供する。
【解決手段】隔壁によって仕切られた平行に一方向に伸長する多数の縦流路を備えて一体に形成されたハニカム構造と、流体を加熱するための発熱手段とを備えた熱交換構造体であって、前記縦流路の少なくとも一方の端部に流体の流れ方向を反転させる回り込みが設けられ、該回り込み部を介して上流側の縦流路と下流側の縦流路のそれぞれに、縦流路に交差し隔壁を貫いて該縦流路を連結する複数の横断流路が形成され、上流側の複数の横断流路は、熱交換構造体の1つの外壁面に形成された穴に、下流側の複数の下流側の横断流路は、該外壁面とは異なる外壁面に形成された穴に、それぞれ連結された熱交換構造体。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内部発熱を回収する方式の熱交換構造体に関し、より詳しくは、熱交換体の内部で熱を発生させ、その発熱を利用して流体を効率的に一時的に加熱することができる熱交換構造体に関する。
流体を一時的に加熱することは種々の産業分野において様々な要請に応じて行われている。例えば、化学工業分野では、目的とする化学反応に適する温度まで原料を加熱することが、数多くの化学装置において行われている。また、食品工業分野では、殺菌等を目的とした原料又は製品の加熱が、様々な種類の食品に対して行われている。こうした加熱は、高い熱効率の下でコンパクトな装置によって行われることが望ましい。
また、いわゆる悪臭ガス又は揮発性有機溶剤(VOC)は、一般に、燃焼によって無臭の無害ガスに転化させることができるが、この燃焼は、有機物質を低濃度で含む大量の比較的温度の低いガスに対して行う必要がある。
また、自動車エンジン等の内燃機関の排ガスに関し、一般に、ガソリンエンジンの排ガスには、有害物質の一酸化炭素、炭化水素類、及び窒素酸化物が含まれ、ディーゼルエンジンの排ガスには、さらにパティキュレートが含まれる。これらの有害物質は、酸化触媒、三元触媒、選択還元触媒等の触媒作用により浄化され得るが、地球温暖化防止等の観点から、二酸化炭素(CO)の排出量の低減、即ち、燃費の向上もまた要請されている。この燃費が向上されるにつれてエンジン排ガスの温度は必然的に低下するため、かかる触媒作用による浄化は、より低温でも行われることが要請されつつある。
一方、エンジンの空燃比制御や燃料後噴射の技術の向上により、燃費をそれ程低下させることなく、Oの存在下で排ガス中に、例えば数1000ppm程度のCOを含ませることが、可能となっている。
先行技術において、こうした発熱成分を利用して熱交換作用により有利に排ガス浄化を行う装置又はデバイスが提案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。これらの装置では、コンパクトながら高い熱交換性能を発揮する構造として、一体型波形伝熱面を基本とする熱交換構造体が用いられている。この場合、高い熱交換性能を発揮させるためには、処理する流体が通過する波形構造体のすき間間隔を全領域で一定に保つ必要があり、そのため波形伝熱面にさらに細かいピッチの凹凸をつけたり、あるいは流体が通過できる空隙を有する板状の金網などの構造体をスペーサーとしてすき間にはさむ必要がある。波形伝熱面にさらに細かいピッチの凹凸をつけることは技術的にたいへんむずかしく、従って経済的でない。また、スペーサーをすき間にはさむと流通抵抗を増したり、装置としての熱容量が大きくなって、熱交換構造体としての性能を大幅に損ねることになる。
また、ハニカム構造体に熱交換機能を与えて有利に反応を進めることが提案されている(特許文献4)。しかし、この提案で、熱交換されるのは、伝熱面をはさんで互いに独立した2つの流路を流れる流体間であり、1系統の流体を一時的に効率的に加熱させるという目的に使用することはできない。
特開2000−189757号公報 特表2003−524728号公報 WO2004/099577A1 特開平8−283002号公報
本発明が解決しようとする課題は、熱交換構造体のより一層の改良であり、種々の流体を一時的に加熱するのに適する高熱効率でコンパクトな熱交換構造体を提供することである。
本発明は、隔壁によって仕切られた平行に一方向に伸長する多数の縦流路を備えて一体に形成されたハニカム構造と、流体を加熱するための加熱手段とを備えた熱交換構造体であって、
前記縦流路の少なくとも一方の端部に前記流体の流れ方向を反転させる回り込み部が設けられ、
該回り込み部を介して上流側の縦流路と下流側の縦流路のそれぞれに、縦流路に交差し隔壁を貫いて縦流路を連結する複数の横断流路が形成され、
上流側の横断流路は熱交換構造体の1つの外壁面に形成された穴に、下流側の横断流路は該外壁面とは異なる外壁面に形成された穴に、それぞれ連結されており、
前記流体が前記上流側の横断流路、前記上流側の縦流路、前記回り込み部、前記下流側の縦流路及び前記下流側の横断流路を順に流通することにより、該上流側の縦流路を流れる流体と該下流側の縦流路を流れる流体とが向流を形成し、かつ前記発熱手段によって生じた熱が、該下流側の縦流路を流れる流体から該上流側の縦流路を流れる流体に隔壁を介して伝達されることを特徴とする熱交換構造体である。
本発明の熱交換構造体は、ハニカム構造を利用して流体の流路を形成しており、これにより、コンパクトで高耐久性の熱交換機能を有する構造体とすることができる。即ち、ハニカム構造に、発熱手段、回り込み部、複数の横断流路等を適切に設けることにより、流体が構造体の中を流れる際に熱交換が生じる熱交換構造体を構成する。この構造体は、ハニカム構造に基づくため、コンパクトかつ高強度に構成することができ、また、使用実績のある高耐久性の材料からハニカム構造を構成できるため、高耐久性の熱交換構造体とすることができる。
本発明の熱交換構造体においては、発熱手段によって生じた熱が、下流側の縦流路を流れる流体から上流側の縦流路を流れる流体に隔壁を介して伝達される。即ち、発熱手段によって生じた熱が、下流側から上流側に戻され、この伝熱により発熱手段の上流側の温度がさらに高められ、それにより発熱手段の直下の温度がさらに高められる。
このようにして発熱手段によって生じた熱を、上流側の流体に戻すことにより、本発明の熱交換構造体は、いわゆる自己熱交換加熱器として機能することができ、効率的に流体の温度を、流れの中で一時的に著しく高めることができる。例えば、発熱手段により、流体にその20℃の温度上昇に相当する熱量を与え、上記の隔壁を介する熱交換率が80%とすると、流体の最高温度を100℃上昇させることができる。ここで、この熱交換率80%は、本発明のハニカム構造の熱交換構造体においては、十分に達成可能なレベルである。
本発明により、流体を一時的に加熱するのに適する高熱効率でコンパクトな熱交換構造体が提供される。本発明の熱交換構造体は、様々な数多くの用途に適用することができ、具体的な例としては、種々の化学装置に含まれる加熱装置、食品工業分野における殺菌等を目的とした加熱装置、悪臭ガス又は揮発性有機溶剤(VOC)の燃焼浄化装置、自動車エンジン等の内燃機関の排ガス浄化装置等が挙げられる。
本発明の熱交換構造体は、いくつかの態様が実施可能である。
図1、2は、本発明の1つの態様である、ハニカム構造の縦流路方向の一方の端面において全ての縦流路が目封じされて流体の流れが遮断され、他方の端面において流体が回り込み部により流れ方向を反転する構造の熱交換構造体10を模式的に示すものであり、図1は該熱交換構造体10の斜視図であり、図2はその平面図である。
図1、2に示すように、流体は、外壁面に形成された穴11を通って熱交換構造体10に進入し、上流側の横断流路12から上流側の縦流路13を流れる。次いで、流体は、該縦流路13に連結する回り込み部14に到達し、そこで流れの方向を変え、上流側の縦流路13と反対の向きで下流側の縦流路15に進入する。次いで、流体は、下流側の横断流路16に進入し、先の穴11とは対向する反対側の外壁に形成された穴17を通って熱交換構造体10から流出する。
こうした流れの中で、上流側の縦流路を流れる流体と下流側の縦流路を流れる流体は向流を形成し、かつ発熱手段によって昇温された下流側の縦流路の流体から、上流側の縦流路の流体に、熱交換構造体10の隔壁19を介して伝熱が生じる。
この態様において、好ましくは、図1、2に示すように、縦流路端部の目封じされた箇所18の近傍の隔壁を貫いて、上流側の横断流路12と下流側の横断流路16が形成される。これにより、縦流路13、15が全体的に有効な流路として使用され、伝熱が生じる隔壁の面積を最大限にすることができる。
図3、4は、本発明の別の態様である熱交換構造体を示すものであって、図3の斜視図と図4の平面図に模式的に示すように、ハニカム構造の縦流路方向の両端面において全ての縦流路13及び15が開口し、流体が両端面の近傍に設けられた回り込み部14により流れ方向を反転する。即ち、この態様においては、図3、4に示すように、流体は、外壁面に形成された穴11を通って熱交換構造体10に進入し、上流側の横断流路12から、上流側の縦流路13を反対方向の二手に分かれて流れる。次いで、流体は、該縦流路13に連結する2つの回り込み部14に到達し、その回り込み部14で流れの方向を変え、上流側先の縦流路13と反対向きに下流側の縦流路15に進入する。次いで、流体は、下流側の横断流路16に進入して合流し、先の穴11とは対向する反対側の外壁に形成された穴17を通って熱交換構造体10から流出する。
この態様においても、上流側の縦流路を流れる流体と下流側の縦流路を流れる流体は向流を形成し、かつ発熱手段によって昇温された下流側の縦流路の流体から、上流側の縦流路の流体に、熱交換構造体10の隔壁19を介して伝熱が生じる。
この態様において、好ましくは、上流側の横断流路12と下流側の横断流路16が、縦流路13及び15のそれぞれの中央領域の隔壁を貫いて形成される。これにより、先の態様と同様に、縦流路13、15が全体的に有効な流路として使用され、伝熱が生じる隔壁の面積を、各流路について実質的に均等にすることができる。
これらの態様において、上流側の横断流路は、熱交換構造体の1つの外壁面に形成された穴に連結し、該下流側の横断流路は、その1つの外壁面とは異なる外壁面に形成された穴に連結する。好ましくは、反対側の相対する外壁面に、入口の穴と出口の穴が形成される。
即ち、図1ないし4に示すように、上流側の横断流路12と下流側の横断流路16は、それぞれ上流側の縦流路13及び下流側の縦流路15に交差し隔壁11を貫いて縦流路を連結する流路列であって、交互に列をなす縦流路13、15のそれぞれに形成される。そして、上流側の横断流路12は、一方の外壁から1列の上流側の縦流路を他方の外壁の手前まで貫通し、その隣の列の横断流路16は、他方の外壁から1列の下流側の縦流路を一方の外壁の手前まで貫通する。このように横断流路を構成することにより、流体は、熱交換構造体の一方の外壁から他方の反対側の外壁を貫いて形成された流路、すなわち、上流側の横断流路12、上流側の縦流路13、回り込み部14、下流側の縦流路15及び下流側の横断流路16からなる流路を流れることができる。
なお、横断流路の数として、図1、2に示すような1つの縦流路の列の中に1つ設けられた構造のほか、流路全体の圧力損失等を考慮して、図3、4に示すように、1つの縦流路の列の中に2つ又はそれ以上の横断流路を形成することもできる。
このような態様において、上流側の横断流路と下流側の横断流路が形成され、上流の縦流路を流出した流体が回り込み部で隣接の下流の縦流路に流入するようにすれば、その流体の横断流路における流通距離は、上流側と下流側の合計として、実質的に1つの横断流路の距離と等しくなる。即ち、上流側の横断流路からの複数の縦流路に分岐する位置によらず、流体はそのほぼ分岐した位置の下流側の横断流路に戻るため、流体は実質的に一定の距離で横断流路を流れることになり、これにより、縦流路の流れにおける圧力損失に関して、均一性を発現させることができる。
本発明の熱交換構造体においては、縦流路の形状は、ハニカム構造体においてあり得る形状を適用することができ、具体的には、縦流路は、三角形、四角形、六角形、及びこれらの組み合わせから選択された断面形状を有することができる。
好ましい態様として、回り込み部の側壁を、縦流路を超えて伸長する熱交換構造体の外壁が形成する。即ち、熱交換構造体の外壁を延長し、その外壁の端部を封止して縦流路の端部の先に空洞を形成し、その空洞を回り込み部として使用する。これにより、回り込み部がコンパクトに一体になった熱交換構造体を構成することができる。
図5、6は、本発明のまた別の好ましい態様である熱交換構造体を示すものであって、ハニカム構造の縦流路方向の両端面において全ての縦流路が目封じされ、回り込み部が、一方の目封じされた縦流路の端部近傍の隔壁を該横断流路の伸長方向と交差して貫く横断穴20によって形成されている。図5は、かかる態様の横断穴20を備えた熱交換構造体の模式的な斜視図であり、図6はその平面図である。この態様も、縦流路の端部を回り込み部とするため、同様に、回り込み部がコンパクトに一体になった熱交換構造体を構成することができる。
本発明の熱交換構造体においては、縦流路の数やサイズ、隔壁の厚さを特に限定する必要はなく、ハニカム構造体においてあり得る範囲の中で、流体の種類や流量、熱交換構造体のサイズ、必要とされる熱交換率、許容される圧力損失等を考慮して適切に決めることができる。同様に、横断流路の数やサイズも、流体の種類や流量、熱交換構造体のサイズ、必要とされる熱交換率、許容される圧力損失等を考慮して適切に決めることができる。
また、本発明の熱交換構造体においては、隔壁や外壁等の材料を特に限定する必要はなく、ハニカム構造体においてあり得る範囲の中で、暴露される雰囲気や温度、流体の種類等を考慮して適切に決めることができる。一般的な材料としてのコージェライトや炭化ケイ素等のセラミック材料、SUS304やSUS310等の金属材料は、本発明の熱交換構造体においても適切な材料の例である。
本発明の熱交換構造体を上記のセラミック材料から構成する場合、工業的に通常行われているような、セラミック原料粉末、バインダー、分散剤、焼結助剤等を含んで、易成形性で焼成により硬化するセラミック材料配合物を調製し、押出成形等によりハニカム構造を作成した後、焼成して目的とする形状の構造体を製造する方法が好適に採用できる。
こうした方法において、セラミック材料配合物を用いて、ハニカム構造を一体に形成した後、縦流路の隔壁を穿孔して、縦流路を連結する複数の横断流路を設け、次いでセラミック材料配合物を焼成すれば、横断流路を形成するにおいて、損傷の発生や強度低下が抑えられた熱交換構造体を製造することができる。
本発明の熱交換構造体は、流体を加熱するための発熱手段を備える。この発熱手段は、流体をその流れの中で加熱することができる任意のものが選択可能である。
好ましい態様において、この発熱手段は、流体に含まれる発熱成分を化学反応により発熱させる触媒であり、この触媒が、回り込み部の近傍の隔壁に担持される。限定されるものではないが、この発熱成分は、CO、H、又はCH等の炭化水素のような可燃成分と酸素の組み合わせが適切であり、触媒としては、Pt、Pdのような酸化触媒が適切に例示される。この態様においては、例えば、回り込み部の近傍の隔壁に、ウォッシュコートによって活性アルミナのような担体材料をコートし、その担体材料にPt、Pd等を担持することにより発熱手段が構成される。
あるいは、この触媒は、ペレットや網のような通気性材料に、上記のPt、Pdのような酸化触媒を担持し、これを回り込み部の近傍の流路内に充填して配置することもできる。
かかる触媒を用いることにより、例えば、1%程度、あるいはそれ以下の1000ppm程度の可燃成分と数%の酸素からなる発熱成分を含む流体であっても、酸化反応等により、本発明に有効な熱を発生させることができる。
別な好ましい態様において、この発熱手段は、電気ヒーター又は燃焼バーナーである。即ち、一般的な加熱装置である電気ヒーターや燃焼バーナーを本発明における発熱手段として用いることもできる。こうした発熱手段は、好ましくは、回り込み部又はその近傍に配置される。これにより、発熱手段が、熱交換構造体の中の流通経路におけるほぼ中央部分に位置することができ、縦流路を伝熱が生じる流路として最大限に利用することができる。
こうした発熱手段から供給される熱量は、限定されるものではないが、一応の目安として、流体の平均温度を1〜500℃、より好ましくは5〜100℃、さらに好ましくは10〜50℃昇温させる熱量である。この発生した熱量は、下流側の縦流路を流れる流体から上流側の縦流路を流れる流体に隔壁を介して伝達され、この伝熱により発熱手段の上流側の温度がさらに高められ、それにより発熱手段の直下の温度がさらに高められる。
このような熱の循環により、本発明の熱交換構造体は、いわゆる自己熱交換加熱器として機能することができ、効率的に流体の温度を、流れの中で一時的に著しく高めることができる。上述のように、発熱手段により、流体に20℃の温度上昇に相当する熱量を与え、上記の隔壁を介する熱交換率が80%とすると、流体の最高温度を100℃上昇させることができ、熱効率の極めて優れた加熱手段として利用することができる。
本発明の熱交換構造体により加熱される流体は、特に限定された流体である必要はなく、気体又は液体のいずれでもよく、あるいはサスペンジョンやエマルジョンのような二相以上の成分を含む流体であることもでき、即ち、一時的に高温に曝されるべき任意の流動性のある流体であることができる。
本発明の熱交換構造体の構成を例示する斜視図である。 図1の熱交換構造体の平面図である。 本発明の別な態様の熱交換構造体を例示する斜視図である。 図3に示す熱交換構造体の平面図である。 本発明のさらに別な態様の熱交換構造体を例示する斜視図である。 図5に示す熱交換構造体の平面図である。
符号の説明
10 熱交換構造体
11 上流側の外壁面の穴
12 上流側の横断流路
13 上流側の縦流路
14 回り込み部
15 下流側の縦流路
16 下流側の横断流路
17 下流側の外壁面の穴
18 目封じ箇所
19 隔壁
20 横断穴

Claims (14)

  1. 隔壁によって仕切られた平行に一方向に伸長する多数の縦流路を備えて一体に形成されたハニカム構造と、流体を加熱するための加熱手段とを備えた熱交換構造体であって、
    前記縦流路の少なくとも一方の端部に前記流体の流れ方向を反転させる回り込み部が設けられ、
    該回り込み部を介して上流側の縦流路と下流側の縦流路のそれぞれに、縦流路に交差し隔壁を貫いて縦流路を連結する複数の横断流路が形成され、
    上流側の横断流路は熱交換構造体の1つの外壁面に形成された穴に、下流側の横断流路は該外壁面とは異なる外壁面に形成された穴に、それぞれ連結されており、
    前記流体が前記上流側の横断流路、前記上流側の縦流路、前記回り込み部、前記下流側の縦流路及び前記下流側の横断流路を順に流通することにより、該上流側の縦流路を流れる流体と該下流側の縦流路を流れる流体とが向流を形成し、かつ前記発熱手段によって生じた熱が、該下流側の縦流路を流れる流体から該上流側の縦流路を流れる流体に隔壁を介して伝達されることを特徴とする熱交換構造体。
  2. 前記ハニカム構造の縦流路方向の一方の端面において全ての縦流路が目封じされて流体の流れが遮断され、他方の端面において流体が回り込み部により流れ方向を反転する請求項1に記載の熱交換構造体。
  3. 前記上流側の横断流路と下流側の横断流路が、前記目封じされた縦流路の端部近傍の隔壁を貫いて形成された請求項2に記載の熱交換構造体。
  4. 前記ハニカム構造の縦流路方向の両端面において、全ての縦流路が開口し、流体が該両端面の近傍に設けられた回り込み部により流れ方向を反転する請求項1に記載の熱交換構造体。
  5. 前記上流側の横断流路と下流側の横断流路が、前記縦流路の中央領域の隔壁を貫いて形成された請求項4に記載の熱交換構造体。
  6. 前記上流側の横断流路と下流側の横断流路が、前記ハニカム構造を一体に形成した後に前記該隔壁を穿孔して形成されたものである請求項1ないし5のいずれか1項に記載の熱交換構造体。
  7. 前記縦流路が、三角形、四角形、六角形、及びこれらの組み合わせから選択された断面形状を有する請求項1ないし6のいずれか1項に記載の熱交換構造体。
  8. 前記熱交換構造体の外壁が延長され、前記回り込み部が、その外壁端部を封止することにより形成された縦流路の端部の先の空洞からなる請求項1ないし7のいずれか1項に記載の熱交換構造体。
  9. 前記ハニカム構造の縦流路方向の両端面において全ての縦流路が目封じされ、前記回り込み部が、一方の目封じされた縦流路の端部近傍の隔壁を該横断流路の伸長方向と交差して貫く横断穴によって形成されている請求項1ないし7のいずれか1項に記載の熱交換構造体。
  10. 前記発熱手段が、前記流体に含まれる発熱成分を化学反応により発熱させる触媒であり、該触媒が、前記回り込み部の近傍の隔壁に担持された請求項1ないし9のいずれか1項に記載の熱交換構造体。
  11. 前記発熱手段が、前記流体に含まれる発熱成分を化学反応により発熱させる触媒であり、該触媒が、前記回り込み部の近傍の流路内に充填された請求項1ないし9のいずれか1項に記載の熱交換構造体。
  12. 前記発熱手段が、前記回り込み部又はその近傍に配置された電気ヒーターである請求項1ないし9のいずれか1項に記載の熱交換構造体。
  13. 前記発熱手段が、前記回り込み部又はその近傍に配置された燃焼バーナーである請求項1ないし9のいずれか1項に記載の熱交換構造体。
  14. 焼成により硬化するセラミック材料配合物を用いて前記ハニカム構造を一体に形成した後、前記縦流路の隔壁を穿孔して該縦流路を連結する複数の横断流路を設け、次いで該セラミック材料配合物を焼成することを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の熱交換構造体の製造方法。
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