手段1:「遊技機において、
遊技者の操作によって遊技媒体が打ち込まれる遊技領域を有した遊技盤と、
該遊技盤の前記遊技領域内にかかり、遊技者から視認可能に配置されると共に、所定の演出態様を表示可能な演出表示手段と、
前記遊技盤の前記遊技領域内にかかり、前記演出表示手段の前面側に出没自在に配置される可動体と、
該可動体を、前記遊技盤の面に略沿うような軸線上に片持支持して移動させる駆動ユニットと、
前記可動体の前側に配置され、略長尺状の本体部が略水平な第一配置状態に配置されると前記可動体を遮蔽可能であると共に、前記本体部が略垂直な第二配置状態に配置されると、前記可動体と前記駆動ユニットとの間を遮蔽可能である前側可動体と
を具備する」ことを特徴とする。
ここで、「遊技盤の遊技領域にかかり」とは、正面視において、遊技領域内に投影されることであり、遊技領域内に配置しても良いし、遊技領域の前側に配置しても良い。また、遊技領域内に前後方向に貫通する貫通口が形成されている場合は遊技領域の後側(遊技盤の後側)に配置しても良い。
また、「所定の演出態様」とは、キャラクタ、背景及び図柄等を静止画や動画として、或る動きをさせたり、ストーリー性のある表示をさせたりした表示態様のことである。なお、「キャラクタ」とは、図柄列及び背景以外の画像を意味しており、小説・漫画・映画・演劇などの登場人物、動物、植物、又は小道具類、もしくはこの遊技機のために作成された仮想上の人物、動物、植物、又は小道具類等を挙げられる。また、「図柄」とは、数字や記号、あるいはそれらと絵柄との組合わせ等からなる演出用の図柄である。
さらに、「演出表示手段」とは、キャラクタ、背景、及び図柄等を用いた演出画像を表示可能なものであり、例えば、「液晶ディスプレイ(LCD)」、「CRT」、「有機ELディスプレイ(OELD、またはOLED)」、「無機ELディスプレイ」、「プラズマディスプレイ(PLP)」、「蛍光表示管パネル(VFDP)」、「フィールドエミッションディスプレイ」、「発光ダイオード(LED)」、「白熱ランプ」、等が挙げられる。
また、「出没自在に配置」とは、正面視において、演出表示手段の演出画像を遮蔽せず、遊技者が可動体を演出態様の一部として視認することが困難な状態から、可動体が演出画像の前面側に出没し、演出態様の一部として視認することが可能となる状態を示す。なお、「視認することが困難な状態」としては、例えば遊技盤の後面側に配置されてその存在が遮蔽されたり、第一配置状態の前側可動体の後側に可動体が配置されることで、遊技者から見て視認困難な状態に配置される状態などが挙げられる。また、「視認することが可能となる状態」としては、例えば可動体が演出画像の表示領域内へと移動したり、前側可動体が第二配置状態となることでその後ろ側に遮蔽されていた可動体が露出して遊技者から視認容易な状態へと配置されるなどして、遊技者が可動体を演出態様の一部として認識することが可能となる状態を示す。
また、「可動体」及び「前側可動体」としては、「遊技媒体と接触するように配置され、遊技媒体の動きを変化させることのできる役物可動体」、「遊技媒体とは接触しないように配置され、動きにより演出を行うことのできる装飾可動体」、等が挙げられる。
さらに、「駆動ユニット」としては、可動体を上下方向に移動させることができるものであれば良く、例えば、「上下方向に延びる誘導部材と、誘導部材に誘導案内され可動体を保持する被誘導部材と、被誘導部材を移動させる移動手段とを備えたもの」、が挙げられる。
従って、手段1の構成によれば、演出表示手段の前面側には、駆動ユニットによって移動する可動体が備えられている。また、可動体の前側には、第一配置状態と第二配置状態との間を移行可能な前側可動体が備えられており、当該前側可動体が略水平な第一配置状態において、その後ろ側に可動体が位置されることによって遮蔽することが可能であると共に、略垂直な第二配置状態において、可動体と駆動ユニットとの間を遮蔽可能である。
これにより、略水平な第一配置状態において可動体が遮蔽された状態から、演出表示手段の前面側に突如として可動体が出没するかのような斬新な演出を行うことができる。また、可動体を視認可能に露出させたり、視認困難に遮蔽させたりする演出を切り替えることで、遊技者をどっきりさせ、注目を惹きつける演出が可能となる。具体的には、前側可動体の後側に可動体が遮蔽された状態から、前側可動体が第二配置状態に移行する等して遮蔽状態が解除されることで、可動体が露出した状態へと移行する。これにより、前側可動体の後側から突然可動体が出現したかのような、どっきりさせる演出が可能となる。従って、遊技者の興趣を惹きつけ、飽き難い遊技機を提供できる。
また、前側可動体が第一配置状態に配置され、その後ろに可動体が遮蔽された状態から、前側可動体が第二配置状態に移行し、可動体が上下に移動したような演出を行った場合は、可動体の移動量を大きく見せる効果が期待できる。具体的には、前側可動体が略垂直な第一配置状態から略水平な第二配置状態に移行することにより、その後側に展開される空間が、長広く展開されたように演出される視覚効果が期待できるので、当該後側の空間にて上下方向に移動する可動体の移動量も、それに伴ってあたかも増大したかのような印象を与える効果が期待できる。これにより、可動体の移動量が大きく見える効果が期待できるので、遊技者に可動体の動きに気づかせ、注目を惹き、興趣の低下を防止する効果が期待できる。
さらに、前側可動体によって可動体を遮蔽状態から視認可能状態に、つまり出没自在に演出できることに加え、さらに、当該演出と演出表示手段による演出画像の動きとを関連付けた場合には、より斬新で面白味のある演出を行うことが可能となる。また、可動体が出没自在であることから、可動体を演出表示手段の前面側から没した状態に移行させることも可能であり、演出表示手段による演出画像を見やすく目立たせることができる。これにより、演出画像を見ようとする遊技者の目の疲労を軽減することができ、より長い時間興趣を惹きつけ、夢中にさせることが可能となる。
なお、可動体だけではなく、前側可動体を演出表示手段の前面側に出没自在に取り付け、演出表示手段の上側または下側に没するようにしても良い。これにより、前側可動体に斬新な演出効果を付加し、さらに遊技者の目を惹く効果が期待できる。
ところで、可動体を移動させるためにそれらを支持する方法としては、可動体の中央(例えば、左右方向中央)で支持して移動させたり、可動体の左右両端で支持して移動させたりする方法が考えられる。しかしながら、可動体の中央で支持するようにした場合、可動体を移動されるための駆動ユニットが中央に配置されることとなり、駆動ユニットが見えて煩雑な印象を与えてしまったり、演出表示手段等の設置の邪魔になったりする問題がある。
一方、可動体の両端で支持するようにした場合、一つの可動体に対して駆動ユニットが両側に分散された形態となり駆動ユニットが大型化すると共に、可動体を支持する両側の部分を互いに同期して移動するようにしなければならず複雑な構成となり、遊技機への設置自由度が低下したり、コストが増加したりする問題がある。
これに対し、本手段の構成によると、駆動ユニットに、可動体を片持支持させる構成である。
これにより、両端を支持するようにした場合と比較して、駆動ユニットの構成を簡略化することが可能となり、駆動ユニットが大型化するのを防止することができ、可動体を相対的に大型化することが可能となって、可動体を大型化して遊技者に目立つようにし、演出動作を認識させ易くして、その演出動作を楽しませることができる。
また、可動体を片持支持するようにしているので、例えば、駆動ユニットを遊技盤の端(演出表示手段の左右外側)に配置し、支持シャフトに支持された可動体が遊技盤の略中央(演出表示手段の前面側)で上下方向に移動するようにすることもでき、可動体をより目立つ位置に配置することが可能となり、より演出効果の高められるものとすることができる。
ところで、可動体を片持支持するようにした場合は、駆動ユニットに対して、例えば支持シャフトのようなもので可動体と駆動ユニットとを連結して駆動ユニットの動力を伝達させる必要がある。この時、可動体は遊技者に対して視認可能な位置に配置されているので、そこに連結されている支持シャフト等も露出して遊技者に見えてしまい、見栄えが損なわれ、遊技者の興趣を醒めさせてしまう虞があった。
これに対し、本手段の構成によれば、前側可動体は、略垂直に配置される第二配置状態において、第一駆動ユニットと可動体との間を遮蔽可能である。これにより、可動体と駆動ユニットとの間、つまり連結部が遮蔽され得るので、(上述の例で言えば)支持シャフト等を隠蔽し、見栄えを向上させることができる。
また、適宜の装飾部材を当該連結部の前面側に取り付けて、支持シャフト等を隠蔽する方法も考え得るが、この方法によれば、装飾部材と可動体とが同時に動くので、夫駆動ユニットと可動体との関係(支持シャフト等によって連結されている)が判りやすく、つまり片持ち支持されている構成が判りやすい。これに対し、本手段の構成によれば、可動体とは別の動きをする前側可動体によって当該連結部を遮蔽できるので、駆動ユニットと可動体(との関係を分かり難くすることができる。これにより、どうやって可動体が動かされているのかが分かり難いことから、まるで宙に浮いているかのような意外性のある演出を行えるので、遊技者の注目を惹きつけ、興趣を高めることができる。
また、可動体を所定キャラクタの一部としても良く、これにより、可動体を移動させることで、所定キャラクタを動かすことができ、特に、遊技者が認知しているキャラクタであれば、そのキャラクタが動くことで強く印象付けることができ、遊技者を楽しませて、より興趣を高められるものとすることができる。
手段2:「手段1の構成において、
前記駆動ユニットは、前記演出表示手段の左右何れか一方の外側に配置される」ことを特徴とする。
ところで、可動体を移動させる駆動ユニットの長さは、一般的に、可動体の移動量を大きくするほど長くなる傾向がある。そのため、演出表示手段の上側又は下側に駆動ユニットを配置して、演出表示手段の前面側で可動体が移動するようにした場合、演出表示手段の上側又は下側の設置空間が比較的狭く、短い駆動ユニットしか設置できないので、可動体の移動量が少なくなり、遊技者に印象付けられるような動きをさせるのは困難であった。
これに対し、手段2の構成によれば、駆動ユニットが、演出表示手段の左右何れか一方の外側に配置されている。
これにより、駆動ユニットによって演出表示手段に表示された演出態様が遮られるのを防止することができ、遊技者に演出態様全体を確実に視認させることができると共に、駆動ユニットと演出表示手段とが干渉するのを防止して、それらを備えた興趣の高められる遊技機とすることができる。
また、駆動ユニットを演出表示手段の左右外側に配置しているので、駆動ユニットの長さを、少なくとも演出表示手段の上下方向の長さ分は確保することが可能となり、駆動ユニットを演出表示手段の上側又は下側に配置した場合比較して、より長いものとすることができ、可動体の移動量をより大きくして遊技者に目立つようにし、可動体の演出動作を楽しませて、興趣が低下するのを防止することができる。
手段3:「手段1または手段2の構成において、
前記駆動ユニットは、前記可動体を上下方向に移動させる」ことを特徴とする。
手段3の構成によると、駆動ユニットは、可動体を上下方向に移動させるものとして構成されている。
これにより、可動体を上下方向に移動させるようにしているので、遊技領域を流下する遊技媒体の流れ方向と略同じ上下方向に移動し、遊技媒体と可動体との間での遊技者の目線移動がし易く早期に遊技者が疲労するのを抑制することができ興趣が低下するのを防止することができる。
また、上下に動く可動体の前側に別途の動きをする可動体(前側可動体)を取り付ける構成であるため、各種の可動体によって様々な動きの演出を提供することができ、遊技者の目を楽しませ、興趣の低下を防止することができる。さらに、前側可動体の動きと、その後に配置された可動体の動きとが異なるから、(第一配置状態時以外で)前側可動体の動きによって可動体の演出を遮蔽しにくく、可動体を目立たせることができ、より遊技者の興趣を高める得る効果が期待できる。
手段4:「手段1乃至手段3までの何れか一つの構成において、
前記可動体は、前記遊技者から視認可能に配置される第一可動体と、該第一可動体の下方に配置される第二可動体とを有して構成され、
前記駆動ユニットは、前記第一可動体を移動させる第一駆動ユニットと、前記第二可動体を駆動させる第二駆動ユニットとを有して構成されている」ことを特徴とする。
ここで、「第一可動体」及び「第二可動体」は、「第一可動体及び第二可動体とで、人形や動物形等の所定キャラクタや、建物や乗物等の一部又は全体が立体的に表現されたもの」としても良く、例えば、第一可動体と第二可動体とを、「所定キャラクタの顔における上顎から上側と下顎から下側」、「所定キャラクタの頭と胴体」、「所定キャラクタの胴体と手足」、「ロケットや宇宙として分離・ドッキングするもの」、「複数のエレベータやエスカレータ、或いは、エレベータやエスカレータに乗った人」、「ビルや植物、火山」等のように、上下に移動したり延びたりするものとしても良い。
なお、演出表示手段に対して、第一可動体及び第二可動体が没する位置としては、両可動体が共に上側又は下側に没するようにしても良いし、第一可動体が上側に第二可動体が下側に没するようにしても良い。
ところで、従来の遊技機では、電動チューリップやアタッカ装置等の可変入賞装置を除いては、可動する可動体(特に装飾可動体)が一つしか配置されておらず、その可動体の動きによる演出動作が単調なものとなり易く、遊技者によっては飽きてしまい興趣を低下させてしまう恐れがあった。
手段4の構成によると、第一駆動ユニット及び第二駆動ユニットによって上下方向に移動する第一可動体及び第二可動体を遊技盤の遊技領域にかかるように視認可能に備えたものである。
これにより、第一可動体及び第二可動体を、夫々接近させたり、離反させたり、一方のみを上下動させたり、両方を同一方向に上下動させたりする等の演出が可能となり、二つの可動体が種々の演出動作をするので、遊技機において可動体が目立つものとなり、遊技者をそれらの可動体に注目させることができ、第一可動体及び第二可動体による演出動作を楽しませて、興趣が低下するのを防止することができる。また、第一可動体及び第二可動体の二つの可動体を備えているので、夫々の動きを組み合わせることで演出動作の種類(バリエーション)を増やすことができ、より演出動作を楽しませて飽き難いものとし、演出動作により遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。
手段5:「手段1乃至手段4までの何れか一つの構成において、
前記前側可動体は、前記可動体が片持ち支持されている側の端部側が回動可能に支持されており、該支持された回動軸を中心に回動することによって、前記第一配置状態と前記第二配置状態との間を移行可能である」ものとすることができる。
ところで、従来の遊技機では、可動体の動きが上下方向のみの動きであったり、前後方向に回動する動きのみであったりと、その移動方向が一方向であるので、可動体の動きが単純な動きとなり、その可動体の動きによる演出を見慣れてしまうことで遊技者によっては、可動体の動きに飽きてしまい、遊技に対する興趣を低下させてしまう虞がある。
これに対し、手段5の構成によると、前側可動体は、その端部が回動可能に支持されており、該支持された回転軸を中心に回動することによって、略水平な第一配置状態と略垂直な第二配置状態との間を移行可能である。
これにより、可動体の上下方向の動きとは異なる別途の動き(回動する)を用いて前側可動体を移動させることができるので、遊技領域内における動きのバリエーションを増加させ、より演出効果の高め遊技者の興趣の高められるものとすることができる。
また、略長尺状の本体部を持つ前側可動体のうち、可動体が片持ち支持されている側と同じ端部側を中心に回動させることにより、略垂直な第二配置状態時において、その他端側に向かって延設されている本体部が不可避的に可動体と駆動ユニットとの間を遮蔽する。これにより、ごく自然に可動体と駆動ユニットとの連結部分を遮蔽できるので、よりスムーズ且つ巧みに見栄えを向上させることができる。
また、前側可動体の端部側が回動可能に支持されているから、略中央付近側で支持されている場合等に比べ、前側可動体を回動している回動手段を遊技領域の端部側に配置しやすい。これにより、当該回動手段によって可動体や演出表示手段などを遮蔽し難いので、これらが表現する演出態様を見易くでき、興趣の低下を防止することができる。
手段6:「手段1乃至手段5までの何れか一つの構成において、
前記前側可動体が、少なくとも二つ以上具備されている」ものとすることができる。
手段6の構成によれば、前側可動体が少なくとも二つ以上、つまり複数備えられている。これにより、一つのみ備えられている場合に比べて、より華やかで賑やかな印象を与え得るので、より興趣を惹きつけることのできる遊技機を提供できる。なお、複数の前側可動体は、夫々同じタイミング、同じ動きをするものであっても構わないし、別々の動きをするものであっても構わない。また、互いに連動して動くものであっても良いし、可動体の動きと連動させても良く、様々な演出バリエーションを表現し得るものである。
手段7:「手段6の構成において、
前記前側可動体は、左右略同じ高さに二つ一組で配置されている」ものとすることができる。
ここで、「二つ一組」とは、左右略同じ高さに配置された二つの前側可動体が互いに関連性や一体感を有していることを示し、例えば、二つの前側可動体の大きさが略等しい、二つの前側可動体の形状・模様・色彩が類似している、二つの前側可動体を組み合わせると一つの統一された観念を引き起こす(一つのアルファベットになる、単語や標語を模した形になる、等)、等の構成が例示できる。
従って、手段7の構成によれば、前側可動体は、左右同じ高さに二つ一組で配置されている。換言すれば、一つの前側可動体を二分割して配置する構成であるため、一つの前側可動体の左右方向の長さを、約半分程度に短くできる。これにより、前側可動体一つあたりのサイズを小さくすることができるので、各駆動ユニットが負担する駆動負荷が軽くなり、より速い速度で前側可動体を駆動することが可能となる。従って、前側可動体によりスピーディでダイナミックな演出を行わせることが可能となり、前側可動体の演出動作を楽しませて、興趣が低下するのを防止することができる。
さらに、左右略同じ高さに配置された二つの前側可動体が一組セットで、つまり一体感を連想させる形状や模様に形成されていることにより、略垂直な第二配置状態から略水平状態に移行した際に、一つの統一された観念を引き起こさせる一体的な形状へと合体させる演出が可能となる。例えば、右側に配置された前側可動体と左側に配置された前側可動体とに夫々文字を象った装飾部材を取り付け、第一配置状態に移行して二つの前側可動体が同じ高さに配置されると、二つあわせて一つの連続した意味のある単語となるような演出が可能となる。このように、意外性のある演出を行うことができることにより、遊技者や、その他の見物者などの注意を惹き、集客力の強い面白味のある遊技機が提供できる。
なお、左右同じ高さに配置された二つの前側可動体を回転支持する場所としては、夫々の本体部の端部であっても良いし、中央付近であっても良い。また、本体部の端部に備える場合として、夫々同じ方向の端部側(例えば右端部側等)に備える構成でも良いが、右側の前側可動体(以下、「右前側可動体」と云う)は右端部側に、左側の前側可動体(以下、「左前側可動体」と云う)は左端部側に備える構成を採用すると、第二配置状態において、略垂直方向に配置された右前側可動体と左前側可動体との間に比較的広い空間を形成できる。これにより、前側可動体の後側に配置された装飾体や演出表示手段の演出態様が見易くなるので、これらの演出効果をより高めることができ好適である。
手段8:「手段1乃至手段7までの何れか一つの構成において、
前記遊技盤は、前記遊技領域内で前後方向に貫通する貫通口を更に有し、
該貫通口を通して前記可動体が前記遊技者から視認可能とされていると共に、前記駆動ユニットが前記遊技盤の後面側に取付固定されている」ものとすることができる。
ところで、従来の遊技機では、可動体が、遊技媒体が打ち込まれて流下する遊技領域内(遊技盤の前面側)に配置されており、特に可動体を装飾可動体(遊技媒体とは接触せず、遊技媒体の動きに影響を与えないもの)としたものの場合、遊技媒体と接触しないように配置しなければならない関係から、その大きさや可動範囲が小さく、可動体に演出動作をさせても、その動きが小さく判り辛いものとなり、遊技者によっては、可動体の動きそのものを楽しむことができず、興趣を低下させてしまう問題があった。
また、遊技盤に対して、駆動ユニットを取付固定する部位としては、遊技盤の前面側や後面側等が考えられるが、例えば、駆動ユニットを遊技盤の前面側に取付固定した場合、駆動ユニットを取付固定するための取付スペースを遊技盤の前面側に確保しなければならないが、通常、遊技盤の前面には遊技媒体が打ち込まれて流下する遊技領域が形成されているので、駆動ユニットの取付スペースを確保すると遊技領域が狭くなる問題が発生する。これにより、遊技媒体の流下範囲が狭くなるので、遊技媒体の動きが単調な動きとなり易くなり、遊技者によっては遊技媒体の動きに飽きてしまい興趣を低下させてしまう虞がある。
更に、駆動ユニットは、可動体を移動させるためだけのものであり、遊技者が駆動ユニットを視認することで、煩雑な印象を与えてしまい、遊技に対する興趣を低下させてしまう虞がある。そのため、駆動ユニットを装飾体等で覆うことが考えられるが、この場合、それらを覆う装飾体が必須部材となるので、遊技機全体のデザインに制約がかかることとなり、他の遊技機との差別化が困難となる虞がある。
これに対し、手段8の構成によると、駆動ユニットを遊技盤の後面側に取付固定すると共に、遊技盤に貫通口を設けて、その貫通口を通して可動体が遊技者から視認可能となるようにしたものである。
これにより、可動体が遊技盤の遊技領域が備えられた側(前面側)とは反対側に配置されるので、遊技領域内に可動体を配置した場合と比較して、その大きさや可動範囲の制約が少なくなり、可動体の大きさを可及的に大きなものとしたり、それらの可動範囲を可及的に大きくしたりすることができ、可動体を目立たせて可動体の演出動作を認識し易くし、その演出動作により遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。
また、駆動ユニットを遊技盤の後面側に取付固定するようにしているので、駆動ユニットの取付固定のために遊技領域が狭くなることがなく、充分な遊技領域を確保することができ、遊技媒体の動きが単調な動きとなるのを防止して、興趣が低下するのを抑制ができるものとすることができる。
なお、駆動ユニットは、貫通口にかから無いように遊技盤に取付固定することが望ましく、これにより、遊技者から駆動ユニットを見え難くすることができるので、駆動ユニットが見えることで煩雑な印象を与えるのを防止することができ、興趣が低下するのを抑制することができる。
また、遊技盤に貫通口が設けられているから、その背後に演出表示手段を配置した場合に、演出画像が見えやすいことに加え、演出表示手段を駆動する周辺パーツや配線などを貫通口にかからないように固定することで、見栄えの低下を防止して、興趣が低下するのを抑制することができる。
手段9:「手段1乃至手段8までの何れか一つの構成において、
前記遊技盤の前記貫通口を前記遊技盤の前方から覆うように備えられた枠状の主役物を更に具備し、
該主役物は、前記枠状の内側に備えられた前記前側可動体、及び、所定位置から前記遊技盤上に前記遊技媒体を流下させる流下口が備えられたステージを有し、
前記可動体、及び前記演出表示手段が前記主役物の枠状の内側を通して視認可能とされている」ものとすることができる。
ここで、「ステージ」とは、遊技媒体を転動させることで遊技媒体に所定の演出動作を付与させて、遊技媒体の動きにより遊技者の興趣が高められるようにしたものであれば良く、例えば、「転動面が不動に固定され、供給された遊技媒体を所定方向(左右方向や前後方向)に転動させた上で、所定位置から放出するもの(例えば、固定タイプのステージ)」、「転動面の一部又は全部が可動するように構成され、供給された遊技媒体を所定方向(左右方向や前後方向)に転動させた上で、所定位置から放出するもの(例えば、可動タイプのステージ)」、等が挙げられる。
手段9の構成によると、遊技領域内に、枠状の内側に備えられた前側可動体と、ステージとを有した主役物を配置したものである。これにより、第一可動体、第二可動体、及び前側可動体の演出動作だけでなく、主役物の転動演出面(ステージ)上を転動する遊技媒体の動きによっても、遊技者の興趣を高めることができるので、より興趣の高められるものとすることができる。
また、前側可動体を主役物の枠状の内側に備えていることにより、当該内側で前側可動体を回動させた場合は、主役物の構成部材と前側可動体とが干渉しないためスムーズに回動させることができ、より好適である。
なお、転動演出面を第一可動体や第二可動体としても良く、これにより、二つの転動演出面を夫々大きく移動させたり、複雑な動きをさせたりすることができ、それに伴って、転動演出面上の遊技媒体の動きも複雑な動きをさせることができるので、よりインパクトのある動きとすることが可能となり、転動演出面や遊技媒体に遊技者を注目させて、興趣の高められるものとすることができる。
また、手段7の構成によると、主役物を枠状とし遊技盤の貫通口を前方から覆うように配置すると共に、遊技盤の後方にベースを介して備えられた第一可動体、第二可動体が主役物の枠状の内側を通して視認可能としたものである。これにより、前側に主役物が後側に可動体が配置されることとなり、奥行きのある遊技機とすることができ、他の遊技機との差別化を図ることが可能となり、遊技者に注目させることができるものとすることができる。
手段10:「手段9の構成において、
前記前側可動体の前記本体部は、前記ステージ上に供給された前記遊技媒体に接触しない大きさで形成されている」ものとすることができる。
ところで、前側可動体としては、遊技媒体と接触するように配置され、遊技媒体の動きを変化させることのできる役物可動体や、遊技媒体とは接触しないように配置され、動きにより演出を行うことのできる装飾可動体等が挙げられるが、主役物にステージと前側可動体とが備えられている場合に、役物可動体としての前側可動体を配置すると、ステージ上で充分な転動演出を行う前に前側可動体によって遊技媒体の動きが変化させられ、流下口などより流下する場合が考え得る。これにより、前側可動体による演出は楽しめるものの、ステージ上を転動する遊技媒体の動きが充分に楽しめない虞があった。また、可動体の本体部が接触することにより、遊技媒体が所定の流下口以外の場所から流下する虞もあり、遊技者をがっかりさせ興趣を低下させる虞があった。
これに対し、手段10の構成によると、前側可動体の本体部は、ステージ上に供給された遊技媒体に接触しない大きさで形成されている。つまり、装飾可動体として配置されているため、ステージ上で繰り広げられる遊技媒体の転動演出を妨げる虞がない。これにより、前側可動体による動きの演出に加え、ステージ上を転動する遊技媒体の転動演出も十分に提供することができ、遊技者の目を楽しませることができる。また、遊技媒体の動きを妨げないことから、接触によって遊技媒体を所定の流下口以外の場所へと流下させることで遊技者の興趣を低下させる懸念も払拭される。従って、より面白味の持続する魅力的な遊技機を提供できる。
手段11:「手段1乃至手段10までの何れか一つの構成において、
前記前側装飾体が、発光可能な装飾可動体とされている」ものとすることができる。
手段11の構成によると、前側可動体を発光可能な装飾可動体としたものである。これにより、前側可動体は、第一配置状態と第二配置状態との間を移動するだけでなく、発光することもできるので、発光によって遊技者に前側可動体に気付かせ注目を惹くことが可能となり、前側可動体の動きを楽しませて、興趣が低下するのを防止することができる。
手段12:「手段4乃至手段11までの何れか一つの構成において、
前記第一可動体が所定キャラクタの顔における上顎から上の部位が立体的に造形された外形とされると共に、
前記第二可動体が前記所定キャラクタの顔における下顎の部位が立体的に造形された外形とされている」
ものとすることができる。
ここで、「所定キャラクタ」とは、小説・漫画・映画・演劇などの登場人物、動物、植物、又は道具(乗物を含む)類等を擬人化したもの、若しくは、本遊技機のために作成された仮想上の人物、動物、植物、又は道具(乗物を含む)類等を擬人化したものである。
手段12の構成によると、第一可動体を所定キャラクタの上顎から上の部分とし、第二可動体を所定キャラクタの下顎の部分としたものである。これにより、第一可動体と第二可動体とで所定キャラクタの顔が表現されることとなり、第一駆動ユニット及び第二駆動ユニットによって、第一可動体と第二可動体とを同じ方向に移動させると、所定キャラクタの顔が上下方向に移動することとなり、所定キャラクタの顔を自在に出没させることが可能となり、所定キャラクタの顔が現れることで、遊技者にインパクトを与えることができ、より興趣の高められるものとすることができる。
また、第一駆動ユニット及び第二駆動ユニットによって、第一可動体と第二可動体とを互いに接近させたり離反させたりすることで、所定キャラクタの口が閉じたり開いたりする動作となり、所定キャラクタの口がパクパクする動きにより遊技者を楽しませて、興趣が低下するのを防止することができる。
手段13:「手段12の構成において、
前記第一可動体及び前記第二可動体は、前記第一駆動ユニット及び前記第二駆動ユニットにより互いに接近又は離反する方向に相対移動する」ものとすることができる。
手段13の構成によると、第一駆動ユニット及び第二駆動ユニットによって、第一可動体及び第二可動体を互いに接近又は離反するようしたものである。これにより、所定キャラクタの口が閉じたり開いたりするような動きをさせることができ、その動きにより遊技者を楽しませて興趣が低下するのを防止することができる。
また、第一可動体及び第二可動体を移動させることで、所定キャラクタの口がパクパクする動作をするので、その動作に合わせて、所定の音声や音楽を出力するようにすれば、あたかも、所定キャラクタが話したり歌ったりしているようなインパクトの高い演出をすることができ、遊技者を楽しませて、興趣を高めることができる。
更に、第一可動体及び第二可動体の後方に配置された演出表示手段に、遊技者から見て第一可動体及び第二可動体に挟まれるような図柄等の演出態様を表示させ、第一可動体及び第二可動体の移動に合わせて、表示された図柄等の大きさや形状を変化させるようにしても良い。つまり、第一可動体及び第二可動体によって表現された所定キャラクタの口により、演出表示手段に表示された図柄等が噛まれたり、食べられたりする演出をすることができ、これにより、遊技者を楽しませて、興趣の高められるものとすることができる。
また、前側可動体を略垂直な第二配置状態にすることで、第一可動体と第一駆動ユニットとの間、または(及び)第二可動体と第二駆動ユニットとの間を遮蔽し、連結部を見え難くすると、あたかも所定キャラクタの顔が宙に浮いているかのような斬新な演出を行うことができ、遊技者を楽しませ、興趣を高めることができる。
手段14:「手段4乃至手段13までの何れか一つの構成において、
前記駆動ユニット及び前記第二駆動ユニットは、
上下方向に延在する誘導部材と、
該誘導部材に誘導案内され、前記第一可動体又は前記第二可動体を片持保持する被誘導部材と、
該被誘導部材を前記誘導部材に誘導案内された状態で往復移動させる移動手段と、
該移動手段、及び前記誘導部材を少なくとも支持すると共に、前記遊技盤に取付固定するための取付当接面を上側に備えたベースと
を備えている」ものであることを特徴とする。
ここで、「誘導部材」としては、被誘導部材を所定方向に誘導できるものであれば良く、「断面形状が円形状又は多角形状で所定方向に連続して延びるもの」、「断面形状が円形状又は多角形状で所定方向に不連続で延びるもの(所定の間隔で配置されるもの)」、等が挙げられる。なお、「誘導案内」としては、誘導部材と被誘導部材とが互いに摺動することで案内されるものや、何れかが転動することで案内されるもの等を挙げることができる。なお、「誘導部材」の素材としては、「樹脂」、「金属」、「セラミックス」、「ガラス繊維強化樹脂や炭素繊維強化樹脂などの複合材」、等が挙げられる。
また、「移動手段」としては、「誘導部材の延在方向に離反して配置されたスプロケットを含むプーリと、プーリに巻き掛けられるチェーンを含むベルトとを有し、プーリの回転によりベルトと共に移動させるもの」、「誘導部材の延在方向に延びるネジ部材と、ネジ部材と螺合するナット部材とを有し、ネジ部材とナット部材とを互いに相対回転させることで移動させるもの」、「誘導部材の延在方向に進退するプランジャを有したソレノイド、又はピストンを有したシリンダ装置により移動させるもの」、「誘導部材の延在方向に延びるリニアモータにより移動させるもの」、等が挙げられる。なお、移動手段としてベルトやチェーンを用いたものとした場合、移動速度を速くすることができインパクトの高められるものとすることができる。また、移動手段としてネジ部材等を用いたものとした場合、位置決め精度が高く、繊細な動きをさせることができる。
更に、「ベース」の素材としては、「樹脂」、「金属」、「セラミックス」、「ガラス繊維強化樹脂や炭素繊維強化樹脂などの複合材」、等が挙げられる。なお、ベースに用いる素材の剛性は、第一支持部材及び第二支持部材に用いる素材の剛性に対して、それ以上の剛性を有したものとすることが望ましい。また、素材を金属とした場合では、「所定厚さの板材を用いたもの」、「所定厚さの板材を所定形状に屈曲成形したもの」、「所定の断面形状を有した型材を用いたもの」、等が挙げられる。なお、ベースとして板材(例えば、板金)を屈曲成形したものとした場合、単板のベースと比較して屈曲部により剛性の高いベースとすることができると共に、安価に製造することができる。
ところで、遊技盤に、可動体を移動させるための移動手段や誘導部材等を支持するベースを取付ける場合、一般的には、取付強度を高めるために、ベースの略全長に亘って遊技盤とベースとが当接するようにすると共に、より多くの位置でビスなどを用いてベースを取付けるようにしていた。しかしながら、例えば、遊技盤やベースの寸法公差の違いや加工誤差等により、遊技盤とベースとの面が一致しないことがあり、その状態でベースを遊技盤に取付固定すると、ベース或いは遊技盤が歪んでしまったり、ガタツキが発生して取付け強度が低下したりして不具合が発生する虞がある。
また、ベースにおける取付当接面を配置する位置としては、種々の位置が考えられるが、取付当接面をベースの左右何れか一方の側に配置した場合、遊技盤に取付けられる取付当接面から左右方向に大きく偏芯した位置にベースの重心が配置されることとなり、取付当接面や取付けるためのビス等には、ベースにかかる重量だけでなく重心の偏芯による回転モーメントもかかるので、その力によりビス等が耐えられなくなりベースを固定することができなくなったり、ベース(取付当接面)が変形したりして不具合が発生する問題がある。
更に、取付当接面をベースの下側に配置した場合、例えば、遊技機の移送等により遊技盤の面に対して左右方向の力が作用し、取付当接面の垂直線上からベースの重心が左右の何れかにずれると、ベースにかかる重量によって取付当接面を中心にベースを回転させようとする回転モーメントが作用して、上述と同様にベースを良好に固定することができなくなったり、変形したりして不具合が発生する問題がある。
手段14の構成によると、第一駆動ユニット及び第二駆動ユニットに、上下方向に延在する誘導部材と、誘導部材に誘導案内され第一可動体又は第二可動体を片持保持する被誘導部材と、被誘導部材を移動させる移動手段と、移動手段や被誘導部材等を支持し遊技盤に取付固定するための取付当接面を上側に設けたベースとを備えたものである。
これにより、移動手段や誘導部材等をベースに支持させると共に、ベースに遊技盤に取付固定するための取付当接面を備えて、ベースの全体が遊技盤と当接するのではなく取付当接面のみを当接させて遊技盤に取付固定するようにしているので、ベースが歪んだり、ガタツキが発生したり、取付け強度が低下したりするのを防止して遊技盤にベースをより強固に取付固定することができる。
そして、このベースを介して移動手段や誘導部材等が遊技盤に取付固定されることとなり、それらを強固に固定することができるので、誘導部材によって第一可動体や第二可動体を確実に上下方向に誘導案内させることができ、第一可動体や第二可動体の動きを楽しませて、興趣の高められるものとすることができる。
また、誘導部材がベースを介して遊技盤にしっかり固定されているので、第一可動体や第二可動体を大きくしたり、速い速度で移動させたりしても、ぐらついたり歪んだりするのを防止することができ、第一可動体や第二可動体をよりインパクトの強いものとすることができると共に、第一可動体や第二可動体をより演出効果の高いものとして、より興趣の高められるものとすることができる。
また、ベースの上側に配置された取付当接面で遊技盤に取付固定するようにしている、つまり、ベースの一方の側でのみ取付固定するようにしているので、遊技盤への取付けがベースの一方側(上側)だけで済み、取付けにかかる手間を簡略化することができる。
更に、ベースの取付当接面の位置をベースの上側としているので、譬え、遊技盤の面に対して左右方向の力が作用して取付当接面の垂直線上からベースの重心が左右の何れかにずれても、その重心にかかる回転モーメントが、ベースの重心を取付当接面の垂直線上に戻すように作用し、ベースが元の位置に復帰するので、取付当接面やビス等にベースにかかる重量以外の力が作用するのを抑制することができ、ベースを良好に取付固定することができると共に、ベースが変形して不具合が発生するのを防止することができる。
また、誘導部材や移動手段等を支持したベースを遊技盤にしっかり取付固定することができるので、ベースが揺れたりすることがなく、ベースに隣接して演出表示手段を配置してもベースやベースに支持された部材が、演出表示手段と当接して破損したり、第一可動体や第二可動体が移動できなくなったりする虞がなく、第一可動体や第二可動体を良好に移動させることができると共に、演出表示手段を良好に備えることができる。
更に、ベースの全長に対してその一部である取付当接面のみを遊技盤と当接させて取付固定するようにしているので、遊技盤やベース等の寸法誤差等があっても、その誤差による影響を可及的に少なくすることが可能となり、遊技盤にベースを取付固定してもそれらに歪等の不具合が発生するのを防止することができ、遊技盤にベースを良好に取付けることができる。そのため、第一可動体や第二可動体を誘導案内する誘導部材の長さを長くすることで誘導部材を支持するベースが長くなっても、遊技盤にベースを良好に取付固定することができるので、誘導部材の長さを長くして第一可動体や第二可動体が大きく移動するようにさせることが可能となり、第一可動体や第二可動体の演出動作を認識し易くして、その演出動作により遊技者の興趣が低下するのを防止することのできるものとすることができる。
また、「ベースの取付当接面の上部にビスを挿通する取付孔を穿設」することが望ましく、これにより、取付孔を介してビスによりベースを遊技盤に取付けることができると共に、取付当接面の上部でビスにより取付固定することで、上述と同様の理由により、ビスや取付当接面にかかる回転モーメントを可及的にかかり難くすることができ、ベースを良好に遊技盤に取付固定することができる。なお、取付孔の数、つまり、取付けるためのビスの数は、少ないほど取付けにかかる手間を簡略化することができ、取付孔をベースの重心の垂直線上に近い位置に配置すれば、取付孔の数を可及的に少なく(例えば、一つ又は二つ)することができる。
手段15:「手段14の構成において、
前記移動手段は、
上側に配置される駆動プーリ、及び下側に配置される従動プーリと、
前記駆動プーリ及び前記従動プーリに巻き掛けられると共に、前記被誘導部材が固定される駆動ベルトと、
該駆動ベルトを駆動させるために前記駆動プーリを回転させる回転駆動手段と
を備えている」ものであることを特徴とする。
ここで、「駆動プーリ、従動プーリ、及び駆動ベルト」としては、「駆動ベルトを平ベルトとし、駆動プーリ及び従動プーリを平プーリとしたもの」、「駆動ベルトを歯付きベルトとし、駆動プーリ及び従動プーリを駆動ベルトの歯と係合する歯付きプーリとしたもの」、「駆動ベルトを歯付きベルトとし、駆動プーリを駆動ベルトの歯と係合する歯付きプーリとし、従動プーリを平プーリとしたもの」、等が挙げられる。
また、「回転駆動手段」としては、「電気モータ」、「空圧アクチュエータ」、等が挙げられ、回転駆動手段により直接駆動プーリを回転駆動するようにしても良いし、変速ギヤを介して間接的に駆動プーリを回転駆動するようにしても良い。なお、間接的に駆動プーリを回転駆動させるようにした場合、回転駆動手段の位置と、駆動プーリの位置とを異なる位置にすることができるので、空間的に余裕のある位置に回転駆動手段を配置してそこから間接的に駆動プーリを回転駆動させるようにすることもでき、より配置自由度を高めることができる。
ところで、誘導部材に誘導案内される被誘導部材を移動させる移動手段としては、種々の方法が考えられるが、例えば、所定方向に延在する長尺状のネジ部材と、ネジ部材に螺合するナット部材(可動部材)と、ネジ部材を回転させる回転駆動手段とで構成した場合、ネジ部材を回転させることでナット部材をネジ部材の延在方向に移動させることができる。しかしながら、ネジ部材の回転によりナット部材、つまり、可動体を移動させるようにした場合、ネジ部材の回転速度と比較して可動体の移動速度が遅く、可動体の演出動作が遅いものとなるので、遊技者に強く印象付けることが困難であり、興趣を高められる効果を期待することができなかった。
また、移動手段として、ネジ部材を用いた場合と比較してより速く可動体を移動させることのできるソレノイドやシリンダを用いることも考えられる。しかしながら、ソレノイドやシリンダを用いた場合、ソレノイドやシリンダに収容されたプランジャやピストンロッドを進退させることで可動体を移動させることとなるので、ソレノイドやシリンダを設置するためのスペースを多く必要とし、設置スペースの限られている遊技機では、可動体を移動させたい移動量によっては、ソレノイドやシリンダを設置することが困難となる問題がある。
更に、被誘導部材(第一可動体及び第二可動体)を上下方向に移動させる場合、駆動プーリと従動プーリの配置位置としては、何れか一方を上側に、何れか他方を下側に配置すれば良いはずであるが、従動プーリを上側、駆動プーリを下側に配置した場合では、駆動ベルトに固定された被誘導部材等の重さにより、駆動ベルトが下方、つまり、駆動プーリ側へ引張られることとなり、駆動プーリへの駆動ベルトの巻き掛け力が弱くなり、駆動ベルトと駆動プーリとが滑り易くなって、駆動ベルトを充分に駆動することができなくなったり、駆動ベルトに固定された被誘導部材が降下してしまったりする虞がある。そこで、付勢手段により駆動プーリと従動プーリとを離反させて、駆動プーリにおける駆動ベルトの巻き掛け力を強くして滑り難くすることが考えられるが、この場合、付勢手段の付勢力を強いものとしなければならず、その付勢力に対応させるために、駆動プーリや従動プーリ、駆動ベルト、それらを支持する支持部材の強度を高める必要があり、それらが大型化したり高価なものとなったりする問題が発生する。
手段15の構成によると、移動手段に、誘導部材の延在方向と同じ方向に離反して上側に配置される駆動プーリ及び下側に配置される従動プーリと、被誘導部材と固定され駆動プーリと従動プーリとに巻き掛けられる駆動ベルトと、駆動プーリを回転駆動する回転駆動手段とを備えたものである。
これにより、駆動プーリを回転駆動手段により回転させると駆動ベルトが回転し、駆動ベルトと共に被誘導部材を介して可動体が移動するので、ネジ部材等の移動手段を用いた場合と比較して、第一可動体や第二可動体を保持する被誘導部材の移動速度をより速く移動させることができ、速く移動する第一可動体や第二可動体により遊技者に強く印象付けることができるので、第一可動体や第二可動体に注目させてその演出動作を楽しませることが可能となり、遊技に対する興趣が低下するのを防止することができる。
特に、第一可動体と第二可動体とで所定キャラクタの口が開閉動作をするようにしたものの場合、パクパクする所定キャラクタの口の動きをより速くすることができるので、よりタイトな感じにさせて遊技者の緊張感を高めて、より強く注目させて遊技に釘付けにして楽しませられる効果を期待することが可能となる。
また、駆動ベルトを駆動させることで被誘導部材を介して可動体を移動させるようにしているので、同じ移動量をソレノイドやシリンダを用いて移動させる場合と比較してより小型化することが可能となり、遊技機に設置し易いものとすることができると共に、可動体の移動量をより大きくしても遊技機に設置することができるので、可動体をより大きく移動させることができ、可動体の演出動作を認識し易くして、その演出動作により興趣が低下するのを防止することができる。
更に、被誘導部材を誘導部材により誘導案内するようにしているので、撓み易いベルトを用いて被誘導部材を移動させても、誘導部材により被誘導部材を真直ぐ誘導案内させることができ、移動の際に被誘導部材、つまり、可動体を所望の姿勢で良好に移動させることができる。
また、駆動プーリを上側に、従動プーリを下側に配置しており、これにより、駆動ベルトは、固定された被誘導部材等の重さにより下方、つまり、駆動プーリとは離反する方向に引張られる力が作用するので、その力により駆動プーリへの駆動ベルトの巻き掛け力が強くなり、駆動プーリと駆動ベルトとの摩擦力が大きくなって互いに滑り難くすることができ、駆動プーリにより確実に駆動ベルトを駆動させることができると共に、駆動プーリと駆動ベルトとが滑って被誘導部材が降下するのを防止することができ、被誘導部材を介して可動体に所望の動きをさせることが可能となり、可動体に所定の演出動作をさせて、興趣の高められるものとすることができる。
更に、被誘導部材等の重さにより駆動プーリへの駆動ベルトの巻き掛け力が強くなるので、付勢手段を必要以上に付勢力の強いものとしなくても良いので、駆動プーリや従動プーリ、駆動ベルト、それらを支持する支持部材等の強度を必要以上に高める必要がなく、それらが大型化したり高価なものとなったりするのを抑制することができる。
なお、駆動ベルトに所定の張力(テンション)を作用させるようにすることが望ましく、それにより、駆動プーリへの駆動ベルトの巻き掛け力を良好な状態とすることができ、駆動プーリと駆動ベルトとの間で滑りが発生するのを防止して、駆動ベルトを良好に回転駆動させることができる。なお、駆動ベルトに張力を作用させる方法としては、例えば、「駆動プーリと従動プーリとが相対移動するようにした上で、付勢手段によって何れか一方のプーリを他方のプーリと離反する方向に付勢することで駆動ベルトに張力を作用させるもの」、「駆動プーリと従動プーリとが相対移動するようにした上で、駆動プーリと従動プーリとが離反するようにように相対移動させて、それらプーリに巻き掛けられた駆動ベルトに張力を作用させ、その状態でそれらプーリの位置を固定するもの」、「位置が固定された駆動プーリと従動プーリとに、駆動ベルトを巻き掛けた上で、駆動ベルトの内周側又は外周側から駆動ベルトを所定の付勢力で押圧することで駆動ベルトに張力を作用させるもの」、等が挙げられる。
また、本手段の構成に加えて、従動プーリを下側に付勢する付勢手段や、駆動ベルトや駆動プーリに係合歯や被係合歯を更に備えたものの場合、駆動ベルトには、被誘導部材等からかかる重量に加えて付勢手段の付勢力も作用するので、より下側へ引張られ、駆動プーリへの駆動ベルトの巻き掛け力を更に強くすることができると共に、係合歯と被係合歯の係合力も更に強くすることができ、駆動プーリと駆動ベルトとの滑をより一層防止することができる。
また、遊技盤へ取付固定するためのベースの取付当接面が配置された側と同じ上側に、移動手段の駆動プーリが配置されている。つまり、駆動プーリを回転駆動する回転駆動手段が取付当接面に近いベースの上側で支持されるので、振動や駆動反力の発生源である回転駆動手段に可及的に近い位置で取付当接面を介して遊技盤に取付固定することとなり、回転駆動手段からの振動等がベース全体に伝わるのを防止することができると共に、ベースの振動によりベースに支持された誘導部材等の各部材が振動し、他の部材と当接して破損したり、各部材同士の組付けが緩んだりして被誘導手段を良好に誘導案内させることができなくなるのを防止することができる。
更に、取付当接面に近い位置で回転駆動手段を支持しており、回転駆動手段を駆動させても振動が発生するのを抑制することができるので、ベースを介して遊技盤が振動するのを防止して、回転駆動手段の振動により遊技領域内に打ち込まれた遊技媒体、各種入賞装置、及び遊技媒体の払出装置等に影響が及ぼされるのを防止することができると共に、良好に遊技できるものとすることができる。
手段16:「手段15の構成において、
前記移動手段は、
前記駆動ベルトの内周に形成された複数の係合歯と、
該係合歯と係合し前記駆動プーリの外周に形成された複数の被係合歯と
を更に備えている」ものであることを特徴とする。
手段16によれば、駆動ベルトを係合歯が形成された歯付きのベルトとし、駆動プーリを係合歯と係合する被係合歯が形成された歯付きのプーリとしたものである。これにより、駆動ベルトを駆動プーリに巻き掛けられることで、係合歯と被係合歯とが互いに係合し、駆動ベルトが駆動プーリの外周面上を滑り難くすることができ、駆動プーリから回転駆動を確実に駆動ベルトに伝達させることができる。
また、係合歯と被係合歯との係合により、駆動プーリの回転を確実に駆動ベルトに伝達させるようにしており、駆動プーリの回転速度を速くしても、駆動プーリと駆動ベルトとの間で滑りが発生しないので、より速い速度で駆動ベルトを駆動させることが可能となり、被誘導部材を介して第一可動体や第二可動体をより速い速度で移動させることができ、よりインパクトの強い動きをさせて、興趣の高められるものとすることができる。
手段17:「手段15または手段16の構成において、
前記移動手段は、
前記駆動ベルトが、前記駆動プーリ及び前記従動プーリに巻き掛けられた状態で、該従動プーリを前記駆動プーリと離反する方向へ付勢する付勢手段を更に備えている」ものであることを特徴とする。
ここで、「付勢手段」としては、「コイルバネ」、「板バネ」、「ゴム」、等が挙げられる。なお、付勢手段を配置する位置としては、駆動プーリと従動プーリとの間の位置であっても良いし、従動プーリに対して駆動プーリとは反対側の位置であっても良い。
ところで、従来より、駆動プーリと従動プーリとに巻き掛けられた駆動ベルトが良好に回転駆動するように、駆動ベルトに所定の張力(テンション)をかけるためのテンション機構が備えられている。このテンション機構としては、種々の形態があり、例えば、「駆動プーリと従動プーリとの間の位置で、駆動ベルトを内側又は外側から所定の付勢力で押圧することで駆動ベルトにテンションを付与するもの」を用いた場合、駆動プーリと従動プーリとの間にテンション機構を備えなければならず、そのテンション機構が被誘導部材の移動の邪魔となり移動させることができなくなったり、駆動ベルトの延びる方向に対して略直角方向に付勢力を作用させるための機構が必要となるので、その直角方向の大きさが大きくなり全体的に大型化して設置できなくなったりする問題がある。
手段17の構成によると、従動プーリを駆動プーリと離反する方向に付勢する付勢手段を備えたものである。つまり、駆動ベルトに所定のテンションを付与する付勢手段を備えたものである。これにより、駆動プーリと従動プーリとに巻き掛けられる駆動ベルトの張力を適宜なものとすることができる、駆動ベルトを良好に回転駆動させることができる。
また、テンション機構として、駆動プーリと従動プーリとが互いに離反する方向に付勢するものとしているので、駆動プーリと従動プーリとの間で駆動ベルトの内側又は外側から反対側へ駆動ベルトを付勢するものと比較して、駆動ベルトの延びる方向に対して直角方向の大きさが大きくなるのを抑制することができると共に、駆動プーリと従動プーリとの間の位置にテンション機構を備えないので、被誘導部材の移動の邪魔にならず、被誘導部材を良好に移動させることができる。
なお、付勢手段を配置する位置としては、駆動プーリと従動プーリとの間の位置であっても良いし、従動プーリに対して駆動プーリとは反対側の位置であっても良い。
手段18:「手段17の構成において、
前記移動手段は、
前記従動プーリに対して前記駆動プーリと離反する方向に開放され前記従動プーリの両側から突出する軸部を係止するフック状の係止部、前記誘導部材が挿入嵌合する案内孔を有し、前記誘導部材に誘導案内されると共に前記従動プーリを回転可能に保持する移動体を更に備え、
前記付勢手段は、一端が前記移動体における前記案内孔と前記係止部との間で支持されると共に、他端がベースに支持される」ものであることを特徴とする。
ここで、テンション機構として、「駆動プーリと従動プーリとが互いに離反する方向に相対移動させることで、駆動プーリと従動プーリとに巻き掛けられた駆動ベルトに所定のテンションを付与するもの」を用いた場合、駆動ベルトの延びる方向に対して直角方向の大きさが大きくなるのを抑制することができる。しかしながら、駆動プーリや従動プーリがその配置された方向に対して相対移動できるようになっており、駆動プーリや従動プーリを回転可能に支持する支持部材にそれらを相対移動させて駆動ベルトに張力を作用させるテンション機構の他に、被誘導部材を誘導案内する誘導部材が配置されることとなるので、構成部品が多くなり全体として大型化して相対的に被誘導部材に保持される可動体が小さくなったり、被誘導部材すなわち可動体の移動量が少なくなったりする問題がある。
また、付勢手段により付勢力を作用させる位置としては、種々の位置が考えられ、従来のテンション機構では、駆動プーリと従動プーリの回転中心を通る軸線上に沿って作用するように配置されていた。しかしながら、従動プーリを駆動プーリと従動プーリの回転中心を通る軸線と略平行に配置された誘導部材により誘導案内(スライド)させるようにした上で、駆動プーリと従動プーリの回転中心を通る軸線上に沿って付勢力が作用するようにした場合、その軸線から偏芯した位置で従動プーリが移動体を介して誘導部材により誘導案内されるので、付勢手段の付勢力によって誘導部材に対して移動体が傾くこととなる。一方、誘導部材の軸芯に沿って付勢力が作用するようにした場合、付勢手段の付勢力による駆動ベルトからの反力が誘導部材の軸芯とは偏芯した駆動プーリと従動プーリの回転中心を通る軸線上にかかることとなり、その反力によって誘導部材に対して移動体が傾くこととなる。これらのように、移動体が誘導部材に対して傾くことにより、移動体を良好に誘導案内させることができなくなる虞がある。
手段18の構成によると、駆動プーリと反対側が開放され従動プーリの軸部を係止するフック状の係止部と、誘導部材と挿入嵌合する案内孔とを備え、係止部と案内孔との間に付勢手段の一端が接続される移動体を備え、付勢手段の他端をベースに接続することで移動体を介して駆動ベルトに付勢手段の付勢力を作用させるようにしたものである。
これにより、駆動ベルトにテンションを付与するための移動体を、被誘導部材が誘導案内される誘導部材によって誘導案内するようにしているので、移動体を駆動プーリと従動プーリとが離反する方向に移動させるための機構を別途備える必要がなく、装置全体を簡略化することが可能となって全体的に大型化するのを抑制することができる。つまり、全体的に大型化するのを防止することができるので、相対的に可動体を大型化したり、移動量を大きくしたりすることが可能となり、可動体の演出動作を認識し易くして、その演出動作により興趣が低下するのを防止することができる。
また、移動体における誘導部材に誘導案内される案内部と、従動プーリを保持する係止部との間で付勢手段の付勢力が作用するようにしているので、これにより、移動体にかかる付勢手段の付勢力が誘導部材側と従動プーリ側とに略均等にかかることとなり、移動体が誘導部材に対して傾くのを抑制することができ、誘導部材により移動体を良好に誘導案内させることができる。
また、移動体を誘導手段により良好に誘導案内させることができるので、付勢手段の付勢力により駆動ベルトに所定のテンションを良好に付与することができ、これにより、駆動プーリと従動プーリとに巻き掛けられる駆動ベルトの張力を適宜なものとして、駆動ベルトを良好に回転駆動させることができる。
更に、従動プーリに駆動ベルトを巻き掛けた状態でその軸部を係止部に係止させるだけで、簡単に従動プーリと駆動ベルトとを組立てることができると共に、駆動ベルトに付勢力を作用させることができる。詳述すると、一旦、付勢手段の付勢力に抗して移動体を駆動プーリ側へ移動させ、その状態で駆動ベルトを巻き掛けた従動プーリの軸部を移動体の開放された側から挿入し、移動体に付勢手段の付勢力がかかるようにすることで、移動体が付勢手段により駆動プーリと従動プーリとが離反する方向に付勢され、また、従動プーリは巻き掛けられた駆動ベルトにより駆動プーリと従動プーリとが離反する方向への移動が規制されるので、従動プーリの軸部が移動体の係止部から外れることがなく、良好に従動プーリの軸部を係止することができる。
また、付勢手段の他端を板金からなるベースによって直接支持するようにしているので、付勢手段の付勢力が強くても、確実に支持することができ、付勢手段により駆動ベルトにかかるテンションを良好なものとすることができる。
手段19:「手段14乃至手段18までの何れか一つの構成において、
前記第一駆動ユニット及び前記第二駆動ユニットの少なくとも一方は、
前記第一可動体及び前記第二可動体を前記被誘導部材に回転可能に片持保持される支持シャフトと、
該支持シャフトをその軸芯周りに回動させる回動手段と
を更に備えている」ものであることを特徴とする。
ここで、「回動手段」としては、「モータの回転により回動するもの」、「ソレノイドのプランジャが進退することで回動するもの」、「シリンダのピストンが進退することで回動するもの」、等が挙げられる。なお、モータ、シリンダ及びピストン等の駆動部により直接回動するものとしても良いし、駆動部の駆動が、ギヤ、リンク機構等の伝達手段を介して間接的に回動するものであっても良い。
ところで、従来の遊技機では、可動体の動きが上下方向のみの動きであったり、前後方向に回動する動きのみであったりと、その移動方向が一方向であるので、可動体の動きが単純な動きとなり、その可動体の動きによる演出を見慣れてしまうことで遊技者によっては、可動体の動きに飽きてしまい、遊技に対する興趣を低下させてしまう虞がある。
手段17の構成によると、第一駆動ユニット及び第二駆動ユニットの少なくとも一方に、第一可動体又は第二可動体を片持支持し被誘導部材に回転可能に保持される支持シャフトと、支持シャフトを回動させる回動手段とを備えたものである。
これにより、第一可動体又は第二可動体を支持シャフトの軸芯周りに回動させることができるので、第一可動体又は第二可動体を上下方向だけでなく、支持シャフトの軸芯周りの方向にも動かすことが可能となり、第一可動体又は第二可動体の動きをより複雑な動きとすることができ、より演出効果の高い動きをさせることで興趣の高められるものとすることができる。
また、支持シャフトにより第一可動体や第二可動体を片持支持するようにしているので、例えば、第一駆動ユニットや第二駆動ユニットを遊技盤の端(演出表示手段の左右外側)に配置し、支持シャフトに支持された可動体が遊技盤の略中央(演出表示手段の前面側)で上下方向に移動するようにすることもでき、第一可動体や第二可動体をより目立つ位置に配置することが可能となり、より演出効果の高められるものとすることができる。
なお、第一駆動ユニット及び第二駆動ユニットの何れにも回動手段を備えるようにしても良く、例えば、第一可動体と第二可動体とで所定キャラクタの口を表現したものの場合、支持シャフトが遊技盤に沿って略水平方向に延びているので、支持シャフトの軸芯を所定キャラクタの顎関節の軸芯に見立てて、第一可動体及び第二可動体を夫々支持シャフトの軸芯周りに回動させると、所定キャラクタの口の開閉動作が、よりリアルな動作となって遊技者への訴求力が強くなり、より楽しませられるものとすることができる。
手段20:「手段19の構成において、
前記回動手段は、
前記支持シャフトを介して前記第一可動体又は前記第二可動体が前記被誘導部材に保持される側とは前記誘導部材を挟んで反対側の位置に配置され、所定方向に進退するプランジャを有したソレノイドと、
該ソレノイドにおける前記プランジャの進退による直線運動を回転運動に変換して前記支持シャフトをその軸芯周り回動させるように伝達する伝達手段と
を備えている」ものであることを特徴とする。
ここで、「伝達手段」としては、「基端が支持部材に固定され先端がプランジャに接続されることで、プランジャの直線運動を変換して支持部材を回転運動させるように伝達するもの」、「クランク機構を用いて、プランジャの直線運動を変換して支持部材を回転運動させるように伝達するもの」、等が挙げられる。
ところで、支持シャフトを回動させる駆動源としてモータを用いた場合、被誘導部材に備えられるような小型のモータでは一般的に回転トルクが小さく直接モータの回転軸により可動体と共に支持シャフトを回動させるのは困難であり、複数のギヤを介して回転数を落すことでトルクを高めて支持シャフトを回動させることとなるが、回動する速度が遅くなるので、可動体の動きが遅くなると共に、動きのレスポンスも遅くなり、インパクトがあり興趣の高められる速い動きをさせるのが困難であった。
また、第一可動体や第二可動体を支持シャフトを介して片持支持した場合、被誘導部材には、支持シャフトを介して第一可動体や第二可動体を保持した側に大きく荷重がかかることとなり、被誘導部材に保持された摺動部材と誘導部材との間で偏摩擦により偏摩耗が発生して、誘導部材に誘導案内される被誘導部材が滑らかに誘導されずぎこちない動きとなったり、誘導案内することができなくなったりする虞がある。
手段20の構成によると、回動手段に、進退するプランジャを有したソレノイドとプランジャの進退により支持シャフトを回動伝達させる伝達手段とを備え、その回動手段を、被誘導部材の第一可動体又は第二可動体が保持される側とは誘導部材を挟んで反対側に配置したものである。
これにより、支持シャフトを回動させる回動手段を、被誘導部材の可動体が保持される側とは誘導部材を挟んで反対側に配置しており、被誘導部材は、誘導部材を挟んで一方の側に第一可動体又は第二可動体を保持し、他方の側に回動手段を保持することとなり、誘導部材を挟んで両側に夫々所定の荷重がかかることとなるので、被誘導部材にかかる偏荷重が緩和され、被誘導部材と誘導部材との間で偏摩耗が発生するのを抑制し、偏荷重により誘導部材に誘導案内される被誘導部材が滑らかに誘導されずぎこちない動きとなったり、誘導案内することができなくなったりするのを防止することができる。
また、回動手段を、進退するプランジャを有したソレノイドと、ソレノイドにおけるプランジャの直線運動を回転運動に変換して支持シャフトを軸芯周りに回動させる伝達手段とを備えたものとしており、駆動源としてソレノイドを用いているので、モータを用いた場合と比較して、レスポンスの良い速い動きをさせることが可能となり、第一可動体や第二可動体によりインパクトの強い演出動作をさせることができ、興趣の高められるものとすることができる。
また、ソレノイドのプランジャにより直接可動体を回動させる場合、その回動量を変更するにはソレノイドそのものを変更しなければならず、容易に変更することができないと共に設計自由度の低いものとなる問題がある。しかしながら、本手段では、回動手段により支持シャフトを回動させるようにしているので、回動手段によってプランジャの進退量に対して支持シャフトの回転量を容易に変更することが可能となり、設計自由度を高くすることができ、より興趣の高められる動きを可動体にさせることができる。
ところで、一般的に、進退するプランジャを有したソレノイドでは、バネの弾性力により所定方向にプランジャが付勢されており、ソレノイドに通電することでプランジャがバネの付勢力に打ち勝って、バネによる付勢方向とは反対方向に進退移動するようになっている。そのため、ソレノイドにおけるプランジャの進退方向を上下方向とした場合、プランジャにはバネの付勢力の他に、プランジャにかかる重力も作用することとなるので、バネによる付勢方向によっては、プランジャにかかる付勢力が弱くなったり強くなったりし、例えば、付勢力が弱くなると、ソレノイドが非通電の時に、プランジャが充分に移動せず所定位置に位置しなくなる虞がある。また、付勢力が強くなると、ソレノイドに通電しても充分にプランジャが移動しなかったり、通電力を多く必要としたりする問題がある。そして、これらにより、プランジャの進退が不充分となることで、可動体の動きが不充分となって所望の動きをさせることが困難となり、動きによる演出効果が得られなくなる虞がある。
そこで、回動手段を、「プランジャが略水平方向に進退するように配置されたソレノイドと、基端が支持シャフトに固定され先端が上下方向の何れか一方に延出しプランジャと接続される伝達部材からなる伝達手段とから構成した」ものとしても良く、これにより、プランジャの進退方向を略水平方向としているので、プランジャの進退にかかる重力の影響を可及的に少なくすることができ、プランジャの進退を確実に行わせることで、第一可動体や第二可動体を確実に動かして所望の演出動作をさせることが可能となり、動きによる演出効果を充分に発揮させて、遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。また、伝達手段を、基端が支持シャフトに固定され先端が上下方向の何れかに延出しプランジャと接続される伝達部材としているので、簡単な構成の伝達手段により、プランジャの直線運動を支持シャフトの回転運動に変換させることができ、伝達手段の実現にかかかるコストが増加するのを抑制することができる。なお、伝達部材を延出させる方向は、進退するプランジャの移動が略中間位置にある時に、プランジャに接続された伝達部材が水平方向に対して略直角方向となるように延出させることが望ましい。これにより、プランジャの進退移動量が同じでも、より大きく支持シャフトを回転させることができる。
一方、進退するプランジャを有したソレノイドでは、一般的にその大きさが、プランジャの進退方向の寸法と、プランジャの進退方向に対して直角方向の寸法とでは、プランジャの進退方向の寸法の方が大きい寸法となっている。そのため、プランジャの進退方向を略水平方向となるようにソレノイドを配置すると共に支持シャフトの延出方向を略水平方向とした場合、プランジャの進退方向を支持シャフトと同じ方向とすると、支持シャフトの延出方向が全体的に長くなったり、支持シャフトとソレノイドとの重なりが大きくなったりして、遊技機に備える際に支持シャフトに支持される第一可動体や第二可動体の大きさが相対的に小さくなり、第一可動体や第二可動体が目立ち難くなってインパクトが減少し興趣を高められる効果が期待できなくなる虞がある。また、プランジャの進退方向を支持シャフトの延出方向に対して略直角方向とすると、支持シャフトの軸直角方向の寸法が大きくなり、他の部材と緩衝し易くなる問題がある。
そこで、回動手段を、「プランジャが略上下方向に進退するように配置されたソレノイドと、略水平方向且つ支持シャフトの軸直角方向に所定長さ延び、一端と他端との間でソレノイドのプランジャに接続され、一端がプランジャとの接続部を挟んで支持シャフトとは反対側の位置に回転可能に支持され、他端が支持シャフトを挟んでプランジャとの接続部とは反対側の位置に配置される第一棹部材と、第一棹部材の他端に先端が回転可能に支持されると共に、基端が支持シャフトに一体回転可能に固定され、第一棹部材よりも長さの短い第二棹部材とからなる伝達手段とを備えている」ものとしても良く、これにより、支持シャフトの延出方向の寸法が全体的に長くなったり、支持シャフトとソレノイドとの重なりが大きくなったりして、遊技機に備える際に支持シャフトに支持される第一可動体や第二可動体の大きさが相対的に小さくなり、第一可動体や第二可動体が目立ち難くなるのを防止することが可能となり、第一可動体や第二可動体を可及的に大型化することができ、第一可動体や第二可動体によるインパクトを高めて、興趣を高められる効果を期待することができる。また、支持シャフトの軸直角方向の寸法が大きくなるのを抑制することができるので、他の部材と緩衝し難くすることが可能となり、容易に遊技機に備えることができる。なお、プランジャの進退は、ソレノイドの上部から進退するものであっても良いし、ソレノイドの下部から進退するものであっても良く、適宜選択することができる。また、プランジャの進退量に対して第一棹部材の他端の移動量が大きくなると共に、第二棹部材の長さが第一棹部材の他端からプランジャとの接続部までの長さよりも短い長さとなるので、第二棹部材を介して支持シャフトの軸芯周りの回転をより大きく回転させることができ、第一可動体や第二可動体の動きを大きくすることで、より興趣の高められる動きをさせることができる。更に、第一棹部材の一端と他端との間に、プランジャ及び支持シャフトが配置されるので、第一棹部材の他端と支持シャフトとを結ぶ第二棹部材が第一棹部材の外側に突出することがなく、伝達手段全体を小型化することが可能となり、伝達手段を備え易くすることができる。
なお、第一可動体や第二可動体と支持シャフトの関係としては、「第一可動体や第二可動体が支持シャフトにより偏芯した位置で支持されると共に、第一可動体や第二可動体にかかる重力によって、支持シャフト及び伝達手段を介してソレノイドのプランジャが、ソレノイドへの通電によって移動する方向とは逆方向に付勢される」ものとしても良く、これにより、ソレノイドが非通電の時には、第一可動体や第二可動体にかかる重力によりプランジャが通電により移動する方向とは逆方向に付勢されて、その移動端に自動的に前進又は後退する、つまり、非通電時には自動的にプランジャを復帰させることができる。なお、従来のソレノイドのように復帰させるためのバネ等の弾性部材を備えた場合でも、その弾性力が弱くても充分に復帰させることができるので、弾性力の強い高価な弾性部材を用いる必要がなく、コストが増加するのを抑制することができる。
手段21:「手段14から手段20までの何れか一つの構成において、
前記第一駆動ユニット及び前記第二駆動ユニットは、
前記第一可動体及び前記第二可動体が、上下方向に延びる軸芯周りに回転するのを防止する回転防止手段を更に備えている」ものであることを特徴とする。
ここで、「回転防止手段」としては、「誘導部材の延在方向と略平行に配置されたガイド部材と、ガイド部材にガイドされガイド部材の延出方向とは略直角方向への移動を規制された被ガイド部材とからなるもの」、「第一駆動ユニット及び第二駆動ユニットによって片持支持される第一可動体及び第二可動体の、第一駆動ユニット及び第二駆動ユニットの反対側を支持することで回転するのを防止するもの」が挙げられる。
ところで、従来の遊技機における可動体は、例えば、直線状のラックギヤを有し、そのラックギヤと噛合するピニオンギヤをモータによって回転させることで、可動体がラックギヤの延びる方向に移動するようになっている。そして、このラックギヤはその延びる方向に移動するように、所定の遊びをもって案内されており、可動体が遊びの分だけ振れるようになっている。そのため、可動体の大きさが比較的小さい場合は、可動体が振れてもその揺れが判り辛いが、可動体を大きくすると、全体として可動体の揺れが目立つようになり、意図しない揺れにより可動体の演出動作が損なわれて、所望の演出効果を発揮することができなくなる虞があると共に、案内される基端部での揺れが小さくても、基端部から離れた先端部での揺れは大きくなり、可動体(第一可動体、第二可動体)が演出表示装置や前側可動体等の他の部材と接触して、破損するなどの不具合が発生する虞がある。
そのため、可動体を所定方向に移動するように案内する案内部分の遊びを少なくすることで、基端部での揺れを可及的に小さくして、可動体の先端部での揺れを抑制させるようにすることが考えられる。しかしながら、この場合、案内部分の寸法精度を高める必要があり、案内部分の加工コストが増加し高価なものとなる問題が発生する。
また、可動体を保持する被誘導部材を駆動ベルトに固定して移動させるようにした場合、一般に駆動ベルトは、柔軟性が高く撓み易いので、駆動ベルトに可動体の揺れを抑制させる作用を持たせることは困難であるばかりか、逆に、駆動ベルトは撓み易いので回転駆動させられると振動し易く、駆動ベルトの振動により被誘導部材を介して可動体が揺れる虞がある。
手段21の構成によると、第一駆動ユニット及び第二駆動ユニットに、第一可動体及び第二可動体が上下方向に延びる軸芯周りに回転するのを防止する回転防止手段を備えたものである。
これにより、回転防止手段によって第一可動体や第二可動体が上下方向に延びる軸芯周りに回転するのを防止することができるので、第一可動体や第二可動体を大型化しても、回転防止手段によってその振れが良好に防止されるので、第一可動体や第二可動体が、例えば、演出表示装置や前側可動体などの他の部材と接触するのを防止することができ、接触により可動体や他の部材等が破損したり摩耗したりして不具合が発生するのを防止できる。
また、回転防止手段によって第一可動体や第二可動体が上下方向に延びる軸芯周りに回転するのを防止することができるので、移動手段として、振動の多い駆動ベルトにより第一可動体や第二可動体を移動させても、第一可動体や第二可動体が上下方向の軸芯周りに回転、つまり、軸芯周りに振れるのを良好に防止することが可能となり、意図しない振れを抑制して所望の演出動作を確実に行わせることができ、興趣が低下するのを防止することができると共に、第一可動体や第二可動体をより大きなものとすることが可能となり、第一可動体や第二可動体をより目立たせて、可動体による演出効果をより高めることができる。
また、回転防止手段を備えているので、第一可動体や第二可動体を移動させる第一駆動ユニットや第二駆動ユニットの移動精度を高くしなくても、第一可動体や第二可動体が振れるのを防止することができ、第一駆動ユニットや第二駆動ユニットの加工精度を高くする必要がなく、コストを増加させることなく、第一可動体や第二可動体が振れるのを良好に防止することができる。
手段22:「手段21の構成において、
前記回転防止手段は、
上下方向に延び、前記誘導部材から所定距離離れた位置に略平行に配置されるガイド部材と、
該ガイド部材によってその延出方向とは略直角方向への移動を規制され前記被誘導部材に保持される被ガイド部材と
を有している」ものであることを特徴とする。
ここで、「ガイド部材」としては、「断面形状が円形状又は多角形状で所定方向に連続して延びるもの」、「断面形状が円形状又は多角形状で所定方向に不連続で延びるもの(所定の間隔で配置されるもの)」、等が挙げられる。なお、「ガイド部材」の素材としては、「樹脂」、「金属」、「セラミックス」、「ガラス繊維強化樹脂や炭素繊維強化樹脂などの複合材」、等が挙げられる。一方、「被ガイド部材」としては、「ガイド部材の外面と当接することでガイドされるもの」、「ガイド部材の内面又は凹陥部と当接することでガイドされるもの」、「ガイド部材と嵌合することでガイドされるもの」、等が挙げられる。更に、回転防止手段によっても被誘導部材の重量等を支持できるようなものでも良い。
手段22の構成によると、回転防止手段を、誘導部材と略平行となるように配置されたガイド部材と、ガイド部材の軸直角方向への移動が規制され被誘導部材に保持される被ガイド部材とから構成したものである。
これにより、回転防止手段により被誘導部材が誘導部材の軸芯周りに回転するのを防止することができるので、特に、振動の多い駆動ベルトにより被誘導部材を移動させても、被誘導部材に保持された第一可動体や第二可動体が誘導部材の軸芯周りに回転、つまり、軸芯周りに振れるのを良好に防止することが可能となり、意図しない振れを抑制して所望の演出動作を確実に行わせることができ、興趣が低下するのを防止することができると共に、第一可動体や第二可動体をより大きなものとすることが可能となり、第一可動体や第二可動体をより目立たせて、第一可動体や第二可動体による演出効果をより高めることができる。
また、回転防止手段を備えているので、誘導部材と被誘導部材との間の寸法精度を高くしなくても、被誘導部材が誘導部材の軸芯周りに回転して振れるのを防止することができ、誘導部材や被誘導部材の加工精度を高くする必要がなく、コストを増加させることなく、第一可動体や第二可動体が振れるのを良好に防止することができる。
更に、誘導部材と略平行に所定間隔離れた位置に配置されるガイド部材と、ガイド部材によりガイド部材の軸直角方向への移動が規制され被誘導部材に保持される被ガイド部材とを備えており、ガイド部材は、移動する被誘導部材に対してその位置が固定されるので、被誘導部材にガイド部材を保持させた場合と比較して、ガイド部材が移動するためのスペースが不要となる。これにより、設置スペースを可及的に小さくすることができるので、所望の演出効果が期待できる移動量を有した第一可動体や第二可動体を遊技機へ設置することが可能となり、より遊技者の興趣を高められるものとすることができる。
なお、回転防止手段としてのガイド部材及び被ガイド部材を、ガイド部材を断面が同一形状の長尺部材とし、被ガイド部材をガイド部材を挟むような断面コ字形状の部材としても良く、これにより、ガイド部材及び被ガイド部材が、夫々簡単な構成のものとすることができ、回転防止手段を容易に実現させることができる。また、ガイド部材として、一般的な押出し材や引抜き材等を用いることができ、ガイド部材等にかかるコストを低減させることができる。
また、誘導部材を断面の外形が円形の棒状、つまり、円柱状の棒状部材としても良く、これにより、誘導部材を、一般的な丸棒やパイプ材等の型材とすることで、誘導部材にかかるコストが増加するのを抑制することができると共に、回転防止手段が備えられているので、誘導部材として、被誘導部材が誘導部材の軸芯周りに回転し易い円柱状の棒状部材としても、良好に被誘導部材が回転する(揺れる)のを防止することができる。なお、この誘導部材は、外形が円形であれば良く、中実又は中空の何れの部材であっても良い。
更に、「誘導部材とガイド部材との間で第一可動体や第二可動体が被誘導部材に保持されている」ようにしても良く、これにより、被誘導部材が誘導部材とガイド部材の外側で第一可動体や第二可動体を保持する場合と比較して、誘導部材とガイド部材とが並んだ方向の幅が長くなるのを抑制することが可能となり、全体として小型化することができ、遊技機に備え易くして、より興趣の高められる遊技機とすることができる。また、被誘導部材を誘導部材だけではなくガイド部材によっても誘導案内するものとした場合、誘導部材とガイド部材との間で第一可動体や第二可動体を保持することで、被誘導部材から誘導部材及びガイド部材にかかる荷重を略均等にかかるようにすることができ、被誘導部材やガイド部材にかかる偏荷重が緩和され、被誘導部材と誘導部材やガイド部材との間で偏摩擦による偏摩耗が発生するのを抑制し、偏荷重により被誘導部材つまり第一可動体や第二可動体が滑らかに誘導されずぎこちない動きとなったり、誘導案内することができなくなったりするのを防止することができる。
手段23:「手段14から手段22までの何れか一つの構成において、
前記第一駆動ユニット及び前記第二駆動ユニットは、
前記誘導部材の一端側を支持し、複数の位置決め突起を有した樹脂からなる第一支持部材と、
前記誘導部材の他端側を支持し、複数の位置決め突起を有した樹脂からなる第二支持部材と
を更に備え、
板金からなる前記ベースに、前記第一支持部材及び前記第二支持部材の前記位置決め突起と対応する複数の位置決め孔を有し、該位置決め孔と前記位置決め突起とを互いに嵌合させることで、前記ベースにより前記第一支持部材及び前記第二支持部材が所定位置に位置決め支持される」ものであることを特徴とする。
ところで、第一可動体や第二可動体等の可動体の移動距離を大きくするために、誘導部材の長さを長くすることが考えられる。この誘導部材として、その両端を支持するものとした場合、誘導部材の長さが長くなるほど、誘導部材の両端を支持する支持部材も大きくなる。そして、例えば、誘導部材の両端を支持する支持部材を一体で樹脂成形すると、支持部材が大きくなるほど成形歪みも大きくなり、誘導部材を所望の位置に支持することができなくなり、可動体を良好に誘導案内することができなくなる問題がある。
また、支持部材が大型化すると、支持部材を成形する成形型も大型化し、支持部材の製造にかかるコストが増加する問題がある。
手段23の構成によると、第一駆動ユニット及び第二駆動ユニットにおいて、誘導部材の両端を樹脂からなる第一支持部材及び第二支持部材で支持すると共に、第一支持部材及び第二支持部材に備えられた位置決め突起を、板金からなるベースの対応する位置に備えられた位置決め孔に嵌合させることで、第一支持部材と第二支持部材とを所定位置に位置決め支持するようにしたものである。
これにより、樹脂からなる第一支持部材及び第二支持部材の大きさを可及的に小さくすることができ、樹脂成形による歪を相対的に小さくすることができると共に、加工精度(成形精度)の比較的高い板金からなるベースにより第一支持部材及び第二支持部材を所定位置に位置決め支持しているので、誘導部材を支持する部材を大きくしても誘導部材の支持精度を良好に維持することができる。つまり、誘導部材を大きく(長く)しても誘導部材を所望の位置に支持して、誘導部材により被誘導部材を介して第一可動体や第二可動体を良好に誘導案内させることが可能となるので、第一可動体や第二可動体がより大きく動くようにすることができ、第一可動体や第二可動体の演出動作を認識し易くして、その演出動作により興趣が低下するのを防止することができる。
また、誘導部材の両端を支持し樹脂からなる第一支持部材及び第二支持部材部材を可及的に小さいものとすることができるので、第一支持部材及び第二支持部材部材を成形するための成形型を小型なものとすることができ、製造にかかるコストが増加するのを抑制することができる。
更に、位置決め突起を位置決め孔に嵌合させるだけで、第一支持部材と第二支持部材とを所定距離離れた所定位置に容易に位置決め支持することができ、誘導部材を所望の位置に容易に配置支持することができる。
また、第一支持部材及び第二支持部材によりベースと誘導部材とが互いに略平行となるように配置支持されるので、ベースと誘導部材を剛性の高い素材を用いて形成した場合、それらが互いに組み立てられることで、全体的な強度剛性がさらに高くなり、被誘導部材の移動により振動や反力がかかっても、誘導部材やベースが撓んだり振れたりすることがなく、被誘導部材つまり第一可動体や第二可動体を良好に誘導案内させることができる。そして、第一可動体や第二可動体が良好に誘導案内され、ぶれ難いことにより、前側可動体との干渉も起こりにくく、前側可動体の演出効果を損なわないので、その演出動作により興趣が低下するのを防止することができる。
なお、「樹脂」としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂など適宜なものを用いることができ、例えば、「ポリカーボネイト」、「ポリプロピレン」、「ポリエチレン」、「ポリウレタン」、等が挙げられる。また、射出成形可能なものとすることが望ましい。
また、第一支持部材及び第二支持部材には、夫々位置決め突起を少なくとも二つ備えていることが望ましく、それら位置決め突起は、可及的に離れた位置に配置することが望ましい。これにより、ベースにおける第一支持部材や第二支持部材の夫々の位置決め精度をより高めることが可能となり、而して、誘導部材の支持精度を高めることができる。
手段24:「手段23の構成において、
前記ベースにおける前記取付当接面が、
前記移動手段、及び前記誘導部材を支持する支持面に対して略直角に屈曲形成されている」ものであることを特徴とする。
手段24の構成によると、ベースを、移動手段及び誘導部材を支持する支持面に対して、取付当接面を略直角方向に屈曲形成した板金製としたものである。これにより、移動手段及び誘導部材が、取付当接面に対して略直角方向に支持されるので、取付当接面が固定される遊技盤と、移動手段及び誘導部材とが干渉し難くすることが可能となり、移動手段及び誘導部材を支持しつつ、良好に遊技盤に取付固定することができる。
また、ベースをプレス成形できるようにしているので、切削加工したものと比較して大量で安価に製造することができると共に、移動手段及び誘導部材を支持する支持面と、取付当接面とが略直角になるように屈曲させているので、その屈曲部により平板材と比較して強度剛性の高いものとすることが可能となり、第一可動体や第二可動体の移動によりベースが変形したり、移動手段及び誘導部材がぐらついたりするのを防止することができ第一可動体や第二可動体を確実に誘導案内させることができる。また、第一可動体や第二可動体が良好に誘導案内され、ぐらつきが防止されることにより、前側可動体との干渉も起こりにくく、前側可動体の演出効果を損なわないので、その演出動作により興趣が低下するのを防止することができる。
手段25:「手段23又は手段24の構成において、
前記回転防止手段における前記ガイド部材の一端側及び他端側が、前記第一支持部材及び前記第二支持部材に夫々支持されている」ものであることを特徴とする。
手段25の構成によると、回転防止手段におけるガイド部材の両端を、第一支持部材と第二支持部材とで支持するようにしたものである。これにより、ガイド部材を支持するための支持部材を別途備える必要がなく、ガイド部材を支持するための構成を簡略化することができ、コストが増加するのを抑制することができる。また、誘導部材と同様にガイド部材の支持精度も向上させることができるので、誘導部材の長大化に伴ってガイド部材を長くしても、誘導部材とガイド部材との関係(例えば、平行度)を良好な状態で維持することが可能となり、被誘導部材の振れを良好に防止することができ、第一可動体や第二可動体をより目立つように大型化して第一可動体や第二可動体の演出動作によって興趣を高められるものとすることができる。
なお、ガイド部材をベースや誘導部材と共に、その剛性が高いものを用いた場合、第一支持部材及び第二支持部材を介してベースに支持されるので、ベース、誘導部材及びガイド部材の相乗効果によって全体的な強度剛性を更に高めることが可能となり、誘導部材をより長くしたり、誘導部材に保持される第一可動体や第二可動体を大きくしたりしても誘導部材によって被誘導部材を良好に誘導案内させることができ、第一可動体や第二可動体の移動量や大きさをより大きくして、第一可動体や第二可動体を目立たせてその演出効果をより高めることができる。
手段26:「手段11から手段25までの何れか一つの構成において、
前記第一可動体及び前記第二可動体が、発光可能な装飾可動体とされている」ものであることを特徴とする。
手段26の構成によると、第一可動体と第二可動体とを発光可能な装飾可動体としたものである。これにより、第一可動体と第二可動体は、上下方向に移動するだけでなく、発光することもできるので、発光によって遊技者に第一可動体や第二可動体に気付かせることが可能となり、第一可動体や第二可動体の動きを楽しませて、興趣が低下するのを防止することができる。
手段27:「手段26の構成において、
前記第一可動体は、
前記所定キャラクタの目に相当する部位に、発光する表示態様が変化する発光装飾表示手段を備えている」ものであることを特徴とする。
ここで、「目に相当する部位」とは、「眼球に相当する部位」、「瞳に相当する部位」、「上下の瞼の間に相当する部位」、「眼鏡やゴーグルに相当する部位」、等である。また、「発光装飾表示手段」としては、「発光表示される模様や図柄等が変化するもの」、「発光表示される模様や図柄等の色彩が変化するもの」、等が挙げられる。
手段25の構成によると、第一可動体における所定キャラクタの目に相当する部位に、発光装飾表示手段を備えたものである。これにより、所定キャラクタの目に相当する部位が光ったり、表示態様が変化したりするので、遊技者に強く印象付けることができ、インパクトの高い可動体として、興趣の高められるものとすることができる。
手段28:「手段27の構成において、
前記発光装飾表示手段は、複数種類の色の光を投光可能な発光手段から投光される光の色に対応して、表示態様を様々に異ならせるセグメント型の光学表示装置であって、
前記発光手段から投光される第一色の光のみが透過することで、第一表示態様を呈する第一透過手段と、
前記第一色とは異なる色の第二色の光のみが透過することで、第二表示態様を呈する第二透過手段と
を少なくとも具備する」ものであることを特徴とする。
ここで、「複数種類の色」としては、赤・緑・青の光の三原色のうち何れか(もしくは何れも)であっても良いし、これらのうち何れか(若しくは何れも)を混合させた中間色であっても良い。また、「発光手段」としては、具体的な構成を何ら限定するものではないが、「白熱電灯」、「電球」、「蛍光灯」、「LED」、「ネオン灯」、「水銀灯」、「ナトリュウム灯」、等を例示することができる。さらに、「表示態様」としては、どのような模様・形状・図形であっても良く、文字、絵、数字、キャラクタなどの図柄も含まれる。
また、「セグメント型」とは、所定の形状を点灯・点滅させて表示させる型のディスプレイ方式を示すものであり、複数の点(ドット)をマトリクス状に組み合わせて表示させる「ドットマトリクス型」のディスプレイ方式とは異なるものであることを示す。
さらに、「第一色」と「第二色」とは、互いに異なる色であれば特に限定されるものではなく、光の三原色であっても良いし、中間色であっても構わない。例えば、白・黒・灰色の所謂無彩色であっても良いし、赤・緑・青等の有彩色であっても良い。なお、発光手段、つまり光を使って色を表現するものであるから、全ての中間色は、赤・緑・青の何れか(若しくは何れも)を混色させることで表現され得る。つまり、「第一色」が「第二色」の色の光を全て含む場合もあるし、その逆もまたあり得るが、要するに、「第一色」と「第二色」とが異なる色であれば、どのような相関関係であっても構わない。同様にして、「第一表示態様」と「第二表示態様」とは、互いに異なる表示態様であれば何ら限定されるものではない。例えば、互いに全く異なる形状の模様や図柄を表示するものであっても構わないし、同じ形状の模様を別個の場所に夫々表示するものであっても構わない。
また、「第一透過手段」及び「第二透過手段」としては、所定の光のみを透過する(フィルタリングする)ことができるものであれば何ら限定されるものではないが、例えば、公知のカラーフィルタなどが適用可能である。さらに、「第一透過手段」及び「第二透過手段」の配置方法としては、何ら限定されるものではなく、同一面上に配置されるものであっても良いし、(遊技者から見て)前後方向に配置位置を異ならせるものであっても良い。また、夫々独立して(つまり隣接・重複する部位なく)配置しても良いし、一部または全部を重複させて配置しても良い。要するに、互いに異なる二つの表示態様「第一表示態様」及び「第二表示態様」を表示することができるものであれば、如何なるものであっても良い。但し、同一位置に同一形状の模様形状を、単に「消灯」または「点灯」することによって表示態様を異ならせるのではなく、二種類以上の模様形状を明確に識別できる表示態様であることが好ましい。
従って、手段28の構成によれば、複数種類の色の光を投光可能な発光手段から投光される光の色に対応して、表示態様が様々に変化するセグメント型の光学表示装置が具備されている。これにより、第一可動体をより目立ちやすくして、遊技者に単調な印象を与えず見飽き難くすることができ、遊技者の興趣の低下を防止することができる。
なお、本手段の構成によれば、発光手段の色を変えるだけで表示態様を変化させることができるが、この時、表示態様の背景となる部分を表示態様の色と同色系のものを適用することで、非発光時において、比較的簡易に表示態様の形状を分かり難くすることができる。従って、所望の模様形状を象ったレンズ部材を用いる従来の装飾ランプとは異なり、表示態様の変化に対する予測を困難にすることができ、極めて効果的に単調な印象を払拭することができる。
ところで、発光手段の色の種類を変えるだけで、異なる表示態様を呈することのできる光学表示装置として、例えば有機EL表示装置や無機EL表示装置、プラズマ表示装置、VFDパネル、フィールドエミッションディスプレイ、またはCRT等のドットマトリクス型表示装置が知られている。また、同じくドットマトリクス型ディスプレイとして、発光手段(所謂バックライト)の色は一定とし、カラーフィルタと液晶とを用いて色毎の光の透過率を変化させる液晶表示装置(以下、単に「LCD」と云う)なども知られている。これらの光学表示装置を用いると、発光手段(画素)の色を変えることで、表示態様を異ならせることができるが、これらの装置は比較的多数の電源装置や信号配線を接続する必要があり、装置が大掛かり且つ可動困難なものとなる場合が多かった。このため、第一可動体の可動範囲が狭くなったり、第一可動体が重くなることで動きが遅くなったりして第一可動体を充分に目立たせることができず、遊技者の興趣の低下を防止できない虞があった。
これに対し、本発明では、発光手段の色を異ならせるだけで表示態様を変化させることができるセグメント型の光学表示装置であるため、極めてシンプル且つ小型に構成することが容易である。このため、可動体に良好に取り付けられるから、第一可動体の可動範囲を制限することがなく、且つ素早く可動させることが容易であり、第一可動体をより効果的に目立たせることができ、遊技者の興趣の低下を防止することができる。
なお、本手段の発光装飾表示手段を、第一可動体のみではなく、第二可動体や前側可動体に取り付けても構わないが、所定キャラクタの目に相当する部位である第一可動体のみに取り付けることで、あたかもキャラクタの目の表情がくるくると変わるような面白味のある演出効果を煽り立てることができるので、よりシンプル且つ効果的に遊技者の注目を惹きつけることができ、興趣の低下を防止可能となるため効果的である。
手段29:「手段28の構成において、
前記発光手段から投光される前記第一色の光は、光の三原色のうちの何れか一つのみからなり、
前記発光手段から投光される前記第二色の光は、前記第一色を除く他の光の三原色の何れか一方からなる」ことを特徴とする。
従って、手段29の構成によれば、第一色は、光の三原色、つまり赤・緑・青のうちの何れか一つのみからなる。これにより、第一色に対応して表示される第一表示態様は、前記三原色のうちの何れか一つによる単色表示となるため、表示される内容(模様、図柄等)を直感的に把握しやすく好適である。また、第二色の光が、第一色を除く他の光の三原色の何れか一方からなるものとする。これにより、第一表示態様のみならず、第二色に対応して表示される第二表示態様もまた前記三原色のうちの何れか一つによる単色表示となるため、第二表示態様によって表示される内容(模様、図柄等)を直感的に把握しやすくより好適である。
この点を、より具体的に説明する。例えば、第一表示態様が、青色の光のみを透過する透過部と、緑色の光のみを透過する透過部とから構成される表示態様であった場合を想定する。ここで、発光手段から、青色と緑色とを混合した色の光(所謂「シアン(水)色」)を投光すると、これに対応して、緑色のみ透過する透過部と、青色のみ透過する透過部とが夫々発光して表示される。しかし、このような状態では、提示された情報が緑色の部分なのか、青色の部分なのか、それとも双方を合成した模様から構成される情報なのかを判別する必要が生じ、直感的に、表示態様全体を把握することが難しい場合が考えられる。特に、本発明のように、セグメント型の光学表示装置を遊技機に備えた場合は、動画や多量の文字情報よりも、比較的簡単な数字や図柄など、直感的に把握しやすいシンプルな図柄等を表示させる場合により適している。この実情に鑑み、本手段の構成によれば、第一色に対応して表示される第一表示態様は、光の三原色のうちの何れか一つによる単色表示となるため、表示された情報を一瞬にして把握することが容易となる。また、第二表示態様は、第一色を除く他の光の三原色に対応して発光するため、第一表示態様と第二表示態様とが区別しやすく、従って、遊技者の遊技に対する集中力を削がせることが無く、且つ効果的な表示を行うことが可能となる。
手段30:「手段28または手段29の構成において、
前記光学表示装置は、前記第一透過手段及び前記第二透過手段に対して前記発光手段の配置される側から、該発光手段から投光される光以外の光が前記第一透過手段及び前記第二透過手段に照射されるのを防止する遮光手段
をさらに具備する」ことを特徴とする。
ここで、「遮光手段」としては、光を吸収・反射または当該光学表示装置を見る者(遊技者等)の視角に応じて光路を制限するものであれば良く、例えば、着色された有機系樹脂やTa、Ti、W、Mo、Cr、及びNi等、適宜な金属の酸化膜からなる所謂ブラックマトリクス、マイクロレンズアレイ、または光学ミラー等が挙げられる。また、「遮光手段」を配置する場所としては、「第一透過手段及び第二透過手段の配置される側から、発光手段から投光される光以外の光が第一透過手段及び第二透過手段に照射されるのを防止する」ことができるものであれば良く、例えば、発光手段の後方、発光手段と透過手段(第一透過手段及び第二透過手段)との間、発光手段と透過手段との周囲を囲い込むBOX型、及び発光手段や透過手段が備えられた基板の裏面側に遮光性の膜をコーティングする、等の配置方法が挙げられる。さらに、「発光手段から投光される光以外の光」とは、例えばLCD等の他のディスプレイ装置から照射される光や、遊技機の外から入射した太陽光や照明器具等の光が遊技機内で乱反射したもの、等が挙げられる。
従って、手段30の構成によれば、遮光手段がさらに具備されていることにより、発光手段から投光される光以外の光が、発光手段の配置される側から透過手段(第一透過手段及び第二透過手段等)に照射されるのを防止することができる。例えば、LCD等の他のディスプレイ装置の前面に、本発明の光学表示装置を設置した場合を想定する。この場合、当該他のディスプレイ装置より照射される各種の色の光が、発光手段の配置される側から第一透過手段及び第二透過手段に投光されるため、所望のタイミングや配色で、第一表示態様または第二表示態様などを表示できない虞が生じる。具体的には、第一表示態様のみを表示させたい時に、第二表示態様が重複して表示される場合などが考えられる。
これに対し、本手段の構成によれば、さらに遮光手段が備えられているため、発光手段から投光される光以外の光が透過手段に投光されるのを防止することが可能となる。これにより、各表示態様を、所望のタイミングや配色で制御することが容易となり、より実用的な光学表示装置を具備した遊技機を提供できる。
手段31:「手段28乃至手段30までの何れか一つの構成において、
前記第一透過手段及び前記第二透過手段は、同一面上に形成された一つの光学表示部材として構成され、
前記第一透過手段及び前記第二透過手段が重複して配置された場合は、該重複した重複部は、少なくとも前記第一色及び前記第二色の光を夫々透過可能に構成されている」ことを特徴とする。
ここで、「重複して」とは、第一透過手段(または第二透過手段)が第二透過手段(または第一透過手段)に対して全部重複する場合であっても良いし、一部が互いに重複する場合であっても構わない。また、「少なくとも前記第一色及び前記第二色の光を夫々透過可能に」とは、第一色及び第二色のみを透過するものであっても良いし、これ以外の色をさらに透過するものであっても良い。
また、「同一面上に形成された一つの光学表示部材」を形成する方法としては、例えば、二つの透過手段を貼り合せて形成する、樹脂の射出成形技術の一つである多色成形技術を適用する、カラー印刷技術を適用する、等の方法が挙げられる。
ところで、第一透過手段及び第二透過手段の配置方法としては、別個の面上に形成された二枚の部材(第一透過手段を具備する第一部材及び第二透過手段を具備する第二部材)を重ね合わせて配置する方法が考えられる。しかし、この方法によれば、部材2枚分の厚みが重畳されるため、光学表示装置全体の厚みが増してしまい、実装の自由度が制限されるという問題が発生し得る。また、発光手段から照射される光量が減衰し(つまり透過率が下がり)、比較的暗い表示になりがちであり、この問題を回避するためには、発光手段からの光量を増大させる必要が生じるので、光学表示装置の消費電力が増大したり、寿命が縮まる(使用耐年数が下がる)ため好適ではなかった。
これに対し、手段29の構成によれば、同一面上に、すなわち一枚の部材上に二つの透過手段(第一透過手段及び第二透過手段)を並べて(または一部を重複させて)配置する。これにより、二枚の部材を重ね合わせる場合に比べて光学表示装置全体の厚みを薄くコンパクトにすることができ、実装の自由度が向上するため好適である。また、同一面上に二つの透過手段を形成するから、透過率の減少を低減することができ、鮮明で長寿命な表示を行い得る遊技機を提供することができる。
ところで、第一透過手段は、第一色のみを透過し、第二透過手段は、第二色のみを透過する。この状態において、第一透過手段と第二透過手段とを重複して配置した場合、当該重複部は、第一色及び第二色の双方を透過しない場合が考え得る。何故ならば、発光手段から第一色を投光すると、第二透過手段により第一色がブロックされ、第二色を投光すると、第二色がブロックされるからである。これにより、第一表示態様または第二表示態様の何れか一方(若しくは双方)のうち、重複部の色が欠けて正常に表示されない問題が考え得る。
これに対し、手段31の構成によれば、第一透過手段及び第二透過手段との重複部は、第一色及び第二色の光を夫々透過可能に構成されている。従って、重複部の色が欠けることが無く、夫々の表示態様を所望の色及び形態で表示することが可能となる。これにより、第一表示態様及び第二表示態様が判別しやすいので、遊技者の目を効果的に惹きつけ、興趣の低下を防止できるものとすることができる。
手段32:「手段22から手段31までの何れか一つの構成において、
前記第一駆動ユニットでは、前記ガイド部材が、前記誘導部材の軸芯に対して、前記被誘導部材に片持保持された前記第一可動体の方向とは反対方向の位置に配置され、
前記第二駆動ユニットでは、前記ガイド部材が、前記誘導部材の軸芯に対して、前記被誘導部材に片持保持された前記第二可動体の方向とは略直角方向の位置に配置されている」ものであることを特徴とする。
ところで、被誘導部材に保持された第一可動体や第二可動体の方向に対し、回転防止手段を配置する方向としては、種々の方向が考えられるが、第一可動体や第二可動体と同じ方向に回転防止手段を配置した場合、第一可動体や第二可動体と回転防止手段とがラップする部分ができるため、回転防止手段の分だけ第一可動体や第二可動体が小さくなってしまう問題が発生する。
また、第一可動体に発光装飾表示手段が備えられていると、第一可動体の重量が大きくなり、重量の大きい第一可動体を回動させたり上下動させたりすることで被誘導部材の振動が大きくなったり傾いたりする問題が発生する。
手段32の構成によると、第一駆動ユニットの回転防止手段では、ガイド部材を誘導部材を挟んで第一可動体の反対側、つまり、遊技盤に対して誘導部材とガイド部材とが左右方向に並ぶように配置すると共に、第二駆動ユニットの回転防止手段では、ガイド部材を誘導部材から第一可動体に対して略直角方向の位置、つまり、遊技盤に対して誘導部材とガイド部材とが前後方向に並ぶように配置したものである。
これにより、ガイド部材を、誘導部材の軸芯に対して第一可動体や第二可動体とは反対側に配置するので、ガイド部材、つまり、回転防止手段と第一可動体や第二可動体とが互いにラップ(重複)するのを防止することが可能となり、ラップにより第一可動体や第二可動体が小さくなるのを抑制し第一可動体や第二可動体を可及的に大型化することができるので、移動量の大きい大型の第一可動体や第二可動体とすることができ、第一可動体や第二可動体を目立たせてその演出動作により興趣の高められるものとすることができる。
なお、ガイド部材を誘導部材の軸芯に対して第一可動体や第二可動体とは反対側に配置した場合、誘導部材の軸芯方向から見ると、第一可動体や第二可動体、誘導部材、及び回転防止手段が、略直線状に並ぶこととなるので、誘導部材の軸芯に対して第一可動体や第二可動体とは軸直角方向の突出量を抑制することができる。つまり、遊技盤の面に略沿うように第一可動体や第二可動体及び誘導部材を配置しているので、前後方向の厚みが厚くなるのを抑制することが可能となり、遊技機の厚さ(前後方向の距離)が増加するのを抑制することができ、従来から遊技ホール等で用いられている遊技機を設置する島設備に良好に対応させることができる。また、誘導部材を挟んで第一可動体や第二可動体から遠ざかる方向に回転防止手段が配置されるので、ガイド部材を誘導部材から遠ざけるほど、回転防止機能が高くなると共に、第一可動体や第二可動体と、回転防止手段や回動手段との重量バランスが取り易くなり、より大型の第一可動体や第二可動体に対応させることができる。
また、ガイド部材を誘導部材の軸芯に対して可動部材とは軸直角方向の側に配置した場合、第一可動体や第二可動体と誘導部材とが並ぶ方向の長さが長くなるのを抑制することができるので、相対的に第一可動体や第二可動体の大きさ(長さ)を可及的に大きくすることができ、より大型の第一可動体や第二可動体を実現することでインパクトのあるより興趣の高められるものとすることができる。
また、本手段の構成によれば、第一可動体を移動させる第一駆動ユニットでは回転防止手段のガイド部材を誘導部材を挟んで第一可動体の反対側に配置しており、誘導部材とガイド部材との距離を所定距離離して左右方向の長さを長くすることで回転防止手段による回転防止機能を高めると共に、回動手段と回転防止手段の重量によって第一可動体との重量バランスを良くして、被誘導部材つまり第一可動体を良好に誘導案内させることができる。一方、第二可動体を移動させる第二駆動ユニットでは回転防止手段のガイド部材を誘導部材の前後方向の何れかに配置したものとしているので、左右方向の長さを短くすることができ、左右方向の長さが第一駆動ユニットにおいて長くなった分を第二駆動ユニットで吸収させることができ、第一駆動ユニット及び第二駆動ユニットを含めた全体の左右方向の長さが長くなるのを抑制して、良好な状態で第一可動体及び第二可動体を遊技機に備えさせることができる。
手段33:「手段14から手段32までの何れか一つの構成において、
前記第一駆動ユニット及び前記第二駆動ユニットは、前記誘導部材に摺動案内され前記被誘導部材により所定間隔で保持される二つの摺動部材を更に具備し、
前記誘導部材は、断面外形が円形形状とされていると共に、前記摺動部材が前記誘導部材に挿入嵌合するブッシュ形状とされており、少なくとも前記摺動部材が摺動する部位に、摩擦低減層が形成されている」ものであることを特徴とする。
ここで、「摺動部材」としては、誘導部材の軸直角方向への移動が規制できるものが望ましく、「円形又は多角形のブッシュ形状のもの」、「あり形状のもの」、「T字形状のもの」、等が挙げられ、特に、ブッシュ形状のもとした場合、誘導部材や摺動部材を安価で種類も豊富な型材や規格材とすることができる。
また、「被誘導部材」としては、「摺動部材が互いに接近しないように保持する本体部と、摺動部材が互いに離反しないように固定する固定部材とからなるもの」、「摺動部材が互いに接近及び離反しないように保持すると共に誘導部材の軸直角方向に対し一方向への移動を規制する本体部と、摺動部材が互いに接近及び離反しないように保持すると共に誘導部材の軸直角方向に対し他方向への移動を規制する固定部材とからなるもの」、「上記の本体部及び固定部材を適宜組み合わせたもの」、等が挙げられる。
また、「摩擦低減層」としては、例えば、「表面を磨くことで摩擦を低減可能な鏡面研磨層」、「クロム等の金属メッキ層」、「摩擦を低減可能な樹脂をコーティングした樹脂コーティング層(樹脂としては、エンジニアリングプラッスチックが望ましく、その中でも、フッ素系樹脂であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE,テフロン(登録商標),ターカイト(登録商標),ベアリー(登録商標))が望ましい。)」、等が挙げられる。
また、「断面外形が円形形状」とは、外形が円形であれば良く、中実又は中空の何れの部材であっても良い。また、「ブッシュ形状」とは、誘導部材と嵌合する円形の孔を有した筒形状であれば良く、被誘導部材に保持するための鍔部等を備えているものであっても良い。
ところで、従来の遊技機では、その可動体の大きさが比較的小さいため、遊技機において可動体が目立ち難く、可動体の動きによる演出効果が充分に得られない恐れがある。そこで、可動体を相対的に大型化することで目立つようにして、可動体の動きによる演出効果を高められるようにすることが考えられ、大型化した可動体を被誘導部材に保持させて、被誘導部材を誘導案内する誘導部材の延在方向に移動できるようにすることが考えられる。しかしながら、この場合、可動体の大型化に伴って被誘導部材も大型化することとなり、被誘導部材を誘導部材に摺動案内されるものとすると、その摺動部分の接触面積が大きくなり、摺動抵抗が大きくなって、被誘導部材を良好に誘導案内させることができなくなったり、被誘導部材を移動させるための移動手段に駆動力の大きなものが必要となり全体的に大型化してしまい遊技機に備えられなくなる虞がある。
また、互いに接触して摺動する摺動部に、機械油やグリス等の潤滑剤を塗布することで、摩擦抵抗を低減させることが考えられるが、その場合、例えば、摺動部の摺動により、塗布した潤滑剤が飛散して汚れの原因となったり、付近に電気部品などが配置されている場合、潤滑剤によるショートや漏電等が発生したりする問題が考えられる。
手段33の構成によれば、第一駆動ユニット及び第二駆動ユニットの被誘導部材に、誘導部材に摺動案内される二つの摺動部材を所定間隔で保持させるようにしたものである。また、誘導部材を断面外形が円形の棒状とすると共に、摺動部材を誘導部材と嵌合するブッシュ形状とし、さらに、誘導部材の摺動部材が摺動する部位に摩擦低減層を形成したものである。
これにより、第一可動体や第二可動体を保持する被誘導部材は、二つの摺動部材を介して誘導部材に摺動案内されるので、摺動部分の接触面積を可及的に少なくすることが可能となり、摺動抵抗を低減させることができ、第一可動体や第二可動体と共に被誘導部材を所定方向に良好に誘導案内させることができると共に、可動体を大型化することが可能となり、第一可動体や第二可動体をより目立たせてより演出効果の高いものとすることができ、興趣が低下するのを防止することができる。
また、誘導部材と摺動部材との摺動抵抗を低減させることができるので、摺動部材を介して被誘導部材を良好に誘導案内させることができると共に、摺動部における摩擦が低減されて摩耗し難くすることが可能となり、誘導部材や摺動部材が早期に摩耗して被誘導部材すなわち第一可動体や第二可動体の動作不良を招くのを防止することができる。
さらに、誘導部材を断面外形が円形の棒状とすると共に、摺動部材を誘導部材と嵌合するブッシュ形状としたものである。これにより、誘導部材を、一般的な丸棒やパイプ材等の型材とすると共に、摺動部材を一般的な円筒状のブッシュとすることができ、誘導部材や摺動部材にかかるコストが増加するのを抑制することができると共に、摺動部材を良好に摺動させることができる。
また、第一可動体や第二可動体を大型化しても摺動抵抗が増加するのを抑制することができるので、駆動力の大きい大型の移動手段を用いなくても、第一可動体や第二可動体を保持する被誘導部材を良好に誘導案内させることが可能となり、所望の大きさの第一可動体や第二可動体を遊技機に備えることができ、より興趣の高められるものとすることができる。
更に、摺動抵抗を低減させることができるので、静止状態の被誘導部材を移動させるために必要な駆動力が少なくて済み、容易に被誘導部材を移動開始させることができる。つまり、被誘導部材の移動レスポンスを高くすることができるので、被誘導部材すなわち第一可動体や第二可動体を機敏に移動させることが可能となり、可動体の動きによるインパクトをより高めることができ、興趣が低下するのを抑制することができる。
なお、二つの摺動部材の所定間隔としては、可及的に離れた位置に配置することが望ましい。詳述すると、誘導部材と摺動部材とのクリアランスが同じ場合、二つの摺動部材の距離が小さいほど、被誘導部材のガタツキが大きくなり、被誘導部材の安定性が悪くなる。これに対して、二つの摺動部材の距離が大きいほど、被誘導部材のガタツキは小さくなり、被誘導部材の安定性が相対的に良くなる。従って、二つの摺動部材を可及的に離れた位置に配置することで、誘導部材によって被誘導部材をより安定した状態で誘導案内させることができる。
また、二つの摺動部材を所定間隔で保持しているので、第一可動体や第二可動体を片持支持しても、誘導部材に対して被誘導部材が傾いたり、ガタ付いたりするのを防止して、被誘導部材つまり第一可動体や第二可動体を安定した良好な状態で誘導案内させることができると共に、第一可動体や第二可動体を大型化することが可能となり、第一可動体や第二可動体をより目立たせてより演出効果の高いものとすることができ、興趣が低下するのを防止することができる。
また、誘導部材に摩擦低減層が形成されているので、潤滑剤を用いた場合と比較して、潤滑剤が飛散することが無く、摺動部材の摺動により汚れが発生するのを防止することができると共に、誘導部材の付近に電気部品等を配置することが可能となり、遊技機の設計自由度を高めてより興趣の高められるものとすることができる。
手段34:遊技機において、
「遊技者の操作によって遊技媒体が打ち込まれる遊技領域、及び該遊技領域内で前後方向に貫通する貫通口を有した遊技盤と、
該遊技盤の前記貫通口を前方から覆うように配置され、所定位置から前記遊技盤上に前記遊技媒体を流下させる流下口が備えられたステージを少なくとも有した枠状の主役物と、
該主役物の枠状の内側を通して遊技者から視認可能に前記遊技盤の後方に配置され、外形が所定キャラクタの顔における上顎から上の部位が立体的に造形されると共に、該所定キャラクタの目に相当する部位に発光する表示態様が変化する発光装飾表示手段を備えた第一可動体と、
該第一可動体の下方で前記主役物の枠状の内側を通して遊技者から視認可能に前記遊技盤の後方に配置され、外形が前記所定キャラクタの顔における下顎の部位が立体的に造形されると共に、発光可能な第二可動体と、
前記第一可動体及び前記第二可動体が前面側に出没自在とされると共に、前記主役物の枠状の内側を通して遊技者から視認可能に前記遊技盤の後方に配置され、所定の演出態様を表示可能な演出表示手段と、
該演出表示手段の左右何れか一方の外側で前記遊技盤の後面側に取付固定され、前記第一可動体を片持支持して上下方向に移動させる第一駆動ユニットと、
該第一駆動ユニットとは反対側である前記演出表示手段の左右何れか他方の外側で前記遊技盤の後面側に取付固定され、前記第二可動体を片持支持して上下方向に移動させる第二駆動ユニットと、
前記第一可動体及び前記第二可動体の前側に配置され、略長尺状の本体部が略水平な第一配置状態に配置されると前記第一可動体または前記第二可動体の少なくとも何れか一方を遮蔽可能であると共に、前記本体部が略垂直な第二配置状態に配置されると、前記第一可動体と前記第一駆動ユニットとの間、または前記第二可動体と前記第二駆動ユニットとの間の少なくとも何れか一方を遮蔽可能である前側可動体と
を具備し、
前記第一駆動ユニット及び前記第二駆動ユニットは、
略上下方向に延在し断面外形が円形形状とされ摺動部位に摩擦低減層が形成された誘導部材と、
該誘導部材に挿入嵌合することで摺動案内されるブッシュ形状の二つの摺動部材と、
二つの該摺動部材が挿入嵌合される前記誘導部材の軸直角方向で前記遊技盤の面に略沿うように延び、前記第一可動体又は前記第二可動体を片持支持する支持シャフトと、
該支持シャフトに挿入嵌合され、該支持シャフトを回転可能に支持する二つの支持ブッシュと、
二つの該支持ブッシュ及び二つの前記摺動部材を夫々所定間隔で挟持することで保持する本体部、及び固定部材を備え、二つの前記支持ブッシュを介して前記支持シャフトを回転可能に保持すると共に、二つの前記摺動部材を介して前記誘導部材に誘導案内される被誘導部材と、
該被誘導部材を誘導案内する前記誘導部材の延在方向と同じ上下方向に互いに離反し、上側に配置され外周に複数の被係合歯が形成された駆動プーリ、及び下側に配置される従動プーリと、
前記駆動プーリ及び前記従動プーリに巻き掛けられ、内周に前記駆動プーリの前記被係合歯と係合する複数の係合歯が形成されると共に、前記被誘導部材に固定される駆動ベルトと、
該駆動ベルトを駆動させるために前記駆動プーリを回転させる回転駆動手段と、
該回転駆動手段により回転させられる前記駆動プーリと共に前記駆動ベルトに巻き掛けられる前記従動プーリに対して前記駆動プーリと離反する方向に開放され前記従動プーリの両側から突出する軸部を係止するフック状の係止部、前記誘導部材が挿入嵌合する案内孔を備え、前記誘導部材に誘導案内されると共に前記従動プーリを回転可能に保持する移動体と、
該移動体における前記案内孔と前記係止部との間で一端が支持され、前記駆動プーリと前記従動プーリとが互いに離反する方向へ付勢する付勢手段と、
該付勢手段により前記従動プーリを介して付勢された前記駆動ベルトが駆動されることで移動する前記被誘導部材が、前記誘導部材の軸芯周りに回転するのを防止し、該誘導部材の延在方向と略同じ方向に延び該誘導部材から所定距離離れた位置に配置されるガイド部材、該ガイド部材によってその延出方向とは略直角方向への移動を規制され前記被誘導部材に保持される被ガイド部材を有し、前記第一駆動ユニットでは前記ガイド部材が前記誘導部材の軸芯に対して前記被誘導部材に片持保持された前記第一可動体の方向とは反対方向の位置に配置され、前記第二駆動ユニットでは前記ガイド部材が前記誘導部材の軸芯に対して、前記被誘導部材に片持保持された前記第二可動体の方向とは略直角方向の位置に配置される回転防止手段と、
該回転防止手段により回転が防止される前記被誘導部材に保持された前記支持シャフトを軸芯周りに回動させ、前記可動体が前記被誘導部材に前記支持シャフトを介して保持される側とは前記誘導部材を挟んで反対側の位置に配置され、所定方向に進退するプランジャを有したソレノイド、該ソレノイドにおける前記プランジャの進退による直線運動を回転運動に変換して前記支持シャフトに伝達する伝達手段を備えた回動手段と、
前記誘導部材及び前記回転防止手段における前記ガイド部材の一端側を支持し、複数の位置決め突起を有した樹脂からなる第一支持部材と、
前記誘導部材及び前記回転防止手段における前記ガイド部材の他端側を支持し、複数の位置決め突起を有した樹脂からなる第二支持部材と、
板金からなり、前記第一支持部材及び前記第二支持部材の前記位置決め突起と対応する複数の位置決め孔、該位置決め孔と前記位置決め突起とを互いに嵌合させることで前記第一支持部材及び前記第二支持部材を所定位置に位置決め支持する支持面、該支持面に対して略直角に屈曲形成され上部にビスを挿通可能な取付孔が穿設された取付当接面を上側に備え、前記駆動プーリ、前記回転駆動手段、及び前記誘導部材を少なくとも支持すると共に、前記従動プーリが配置される位置よりも下方向に延出した位置で前記移動体に一端が支持された前記付勢手段の他端を支持し、且つ、前記可動体が前記遊技盤の前記貫通口の一つ且つ前記主役物の枠状の内側を通して視認可能となるように前記遊技盤の後面側に前記取付当接面を介して取付固定されるベースと
を備え、
前記前側可動体は、
発光可能な装飾可動体とされており、前記主役物の枠状の内側に備えられた前記本体部が、左右略同じ高さに二つ一組で形成されると共に、前記ステージ上に供給された前記遊技媒体に接触しない大きさで形成されており、前記第一可動体または前記第二可動体が片持ち支持されている側の端部側が回動可能に支持され、該支持された回動軸を中心に回動することによって、前記第一配置状態と前記第二配置状態との間を移行可能であって、
前記発光装飾表示手段は、
複数種類の色の光を投光可能な発光手段から投光される、光の三原色のうちの何れか一つのみからなる第一色の光だけが透過することで、第一表示態様を呈する第一透過手段と、
該第一透過手段と同一面上の遮光性の部材からなる部材上に配置され、且つ前記第一透過手段に対して一部が重複するように配置され、該重複する重複部は、前記第一色を除く他の光の三原色の何れか一方の色である第二色の光が少なくとも透過し、該重複部以外は該第二色のみが透過することで第二表示態様を呈する第二透過手段と、
前記第一透過手段及び前記第二透過手段に対して前記発光手段の配置される側から、前記発光手段から投光される光以外の色の光が前記第一透過手段及び前記第二透過手段に照射されるのを防止する遮光手段と
を備えている」ものであることを特徴とする。
手段34の構成によると、遊技者の操作によって遊技媒体が打ち込まれる遊技領域、及び遊技領域内で前後方向に貫通する貫通口を有した遊技盤と、遊技盤の前記貫通口を前方から覆うように配置され、所定位置から前記遊技盤上に遊技媒体を流下させる流下口が備えられたステージを少なくとも有した枠状の主役物と、主役物の枠状の内側を通して遊技者から視認可能に遊技盤の後方に配置され、外形が所定キャラクタの顔における上顎から上の部位が立体的に造形されると共に、所定キャラクタの目に相当する部位に発光する表示態様が変化する発光装飾表示手段を備えた第一可動体と、第一可動体の下方で主役物の枠状の内側を通して遊技者から視認可能に遊技盤の後方に配置され、外形が所定キャラクタの顔における下顎の部位が立体的に造形されると共に、発光可能な第二可動体と、第一可動体及び第二可動体が前面側に出没自在とされると共に、主役物の枠状の内側を通して遊技者から視認可能に遊技盤の後方に配置され、所定の演出態様を表示可能な演出表示手段と、演出表示手段の左右何れか一方の外側で遊技盤の後面側に取付固定され、第一可動体を片持支持して上下方向に移動させる第一駆動ユニットと、第一駆動ユニットとは反対側である演出表示手段の左右何れか他方の外側で遊技盤の後面側に取付固定され、第二可動体を片持支持して上下方向に移動させる第二駆動ユニットと、第一可動体及び第二可動体の前側に配置され、略長尺状の本体部が略水平な第一配置状態に配置されると第一可動体または第二可動体の少なくとも何れか一方を遮蔽可能であると共に、本体部が略垂直な第二配置状態に配置されると、第一可動体と第一駆動ユニットとの間、または第二可動体と第二駆動ユニットとの間の少なくとも何れか一方を遮蔽可能である前側可動体とを具備し、第一駆動ユニット及び第二駆動ユニットは、略上下方向に延在し断面外形が円形形状とされ摺動部位に摩擦低減層が形成された誘導部材と、誘導部材に挿入嵌合することで摺動案内されるブッシュ形状の二つの摺動部材と、二つの摺動部材が挿入嵌合される誘導部材の軸直角方向で遊技盤の面に略沿うように延び、第一可動体又は第二可動体を片持支持する支持シャフトと、支持シャフトに挿入嵌合され、支持シャフトを回転可能に支持する二つの支持ブッシュと、二つの支持ブッシュ及び二つの摺動部材を夫々所定間隔で挟持することで保持する本体部、及び固定部材を備え、二つの支持ブッシュを介して支持シャフトを回転可能に保持すると共に、二つの摺動部材を介して誘導部材に誘導案内される被誘導部材と、被誘導部材を誘導案内する誘導部材の延在方向と同じ上下方向に互いに離反し、上側に配置され外周に複数の被係合歯が形成された駆動プーリ、及び下側に配置される従動プーリと、駆動プーリ及び従動プーリに巻き掛けられ、内周に駆動プーリの被係合歯と係合する複数の係合歯が形成されると共に、被誘導部材に固定される駆動ベルトと、駆動ベルトを駆動させるために駆動プーリを回転させる回転駆動手段と、回転駆動手段により回転させられる駆動プーリと共に駆動ベルトに巻き掛けられる従動プーリに対して駆動プーリと離反する方向に開放され従動プーリの両側から突出する軸部を係止するフック状の係止部、誘導部材が挿入嵌合する案内孔を備え、誘導部材に誘導案内されると共に従動プーリを回転可能に保持する移動体と、移動体における案内孔と係止部との間で一端が支持され、駆動プーリと従動プーリとが互いに離反する方向へ付勢する付勢手段と、付勢手段により従動プーリを介して付勢された駆動ベルトが駆動されることで移動する被誘導部材が、誘導部材の軸芯周りに回転するのを防止し、誘導部材の延在方向と略同じ方向に延び誘導部材から所定距離離れた位置に配置されるガイド部材、ガイド部材によってその延出方向とは略直角方向への移動を規制され被誘導部材に保持される被ガイド部材を有し、第一駆動ユニットではガイド部材が誘導部材の軸芯に対して被誘導部材に片持保持された第一可動体の方向とは反対方向の位置に配置され、第二駆動ユニットではガイド部材が誘導部材の軸芯に対して、被誘導部材に片持保持された第二可動体の方向とは略直角方向の位置に配置される回転防止手段と、回転防止手段により回転が防止される被誘導部材に保持された支持シャフトを軸芯周りに回動させ、可動体が被誘導部材に支持シャフトを介して保持される側とは誘導部材を挟んで反対側の位置に配置され、所定方向に進退するプランジャを有したソレノイド、ソレノイドにおけるプランジャの進退による直線運動を回転運動に変換して支持シャフトに伝達する伝達手段を備えた回動手段と、誘導部材及び回転防止手段におけるガイド部材の一端側を支持し、複数の位置決め突起を有した樹脂からなる第一支持部材と、誘導部材及び回転防止手段におけるガイド部材の他端側を支持し、複数の位置決め突起を有した樹脂からなる第二支持部材と、板金からなり、第一支持部材及び第二支持部材の位置決め突起と対応する複数の位置決め孔、位置決め孔と位置決め突起とを互いに嵌合させることで第一支持部材及び第二支持部材を所定位置に位置決め支持する支持面、支持面に対して略直角に屈曲形成され上部にビスを挿通可能な取付孔が穿設された取付当接面を上側に備え、駆動プーリ、回転駆動手段、及び誘導部材を少なくとも支持すると共に、従動プーリが配置される位置よりも下方向に延出した位置で移動体に一端が支持された付勢手段の他端を支持し、且つ、可動体が遊技盤の貫通口の一つ且つ主役物の枠状の内側を通して視認可能となるように遊技盤の後面側に取付当接面を介して取付固定されるベースとを備え、前側可動体は、発光可能な装飾可動体とされており、主役物の枠状の内側に備えられた本体部が、左右略同じ高さに二つ一組で形成されると共に、ステージ上に供給された遊技媒体に接触しない大きさで形成されており、第一可動体または第二可動体が片持ち支持されている側の端部側が回動可能に支持され、支持された回動軸を中心に回動することによって、第一配置状態と第二配置状態との間を移行可能であって、発光装飾表示手段は、複数種類の色の光を投光可能な発光手段から投光される、光の三原色のうちの何れか一つのみからなる第一色の光だけが透過することで、第一表示態様を呈する第一透過手段と、第一透過手段と同一面上の遮光性の部材からなる部材上に配置され、且つ第一透過手段に対して一部が重複するように配置され、重複する重複部は、第一色を除く他の光の三原色の何れか一方の色である第二色の光が少なくとも透過し、重複部以外は第二色のみが透過することで第二表示態様を呈する第二透過手段と、第一透過手段及び第二透過手段に対して発光手段の配置される側から、発光手段から投光される光以外の色の光が第一透過手段及び第二透過手段に照射されるのを防止する遮光手段とを備えているものである。
これにより、第一可動体及び第二可動体の前側に前側可動体が備えられているから、例えば上下に可動する第一可動体及び第二可動体とは違う動きをさせることにより、より可動体に注目させることができ、第一可動体、第二可動体及び前側可動体による演出動作を楽しませて、興趣が低下するのを防止することができる。
また、前側装飾体が略水平な第一配置状態に配置された場合において、その後側に第一可動体または第二可動体の少なくとも何れか一方が配置され、遊技者から視認困難に遮蔽される。これにより、第一可動体(または第二可動体)を視認可能に露出させたり、視認困難に遮蔽させたりする演出を切り替えることが可能となり、遊技者をどっきりさせ、注目を惹きつける演出が可能となる。
また、前側可動体は、略垂直に配置される第二配置状態において、第一駆動ユニットと第一可動体との間、または第二駆動ユニットと第二可動体との間の少なくとも何れか一方を遮蔽可能である。これにより、可動体と駆動ユニットとの間、つまり連結部が遮蔽され得るので、(上述の例で言えば)支持シャフト等を隠蔽し、見栄えを向上させることができる。さらに、第一可動体(または/及び第二可動体)とは別の動きをする前側可動体によって当該連結部を遮蔽できるので、夫々の駆動ユニットと第一可動体(または/及び第二可動体)との関係を分かり難くすることが、どうやって第一可動体(または/及び第二可動体)が動かされているのかが分かり難いことから、まるで宙に浮いているかのような意外性のある演出を行えるので、遊技者の注目を惹きつけ、興趣を高めることができる。
更に、第一可動体や第二可動体の上下方向の動きとは異なる別途の動き(回動する)を用いて前側可動体を可動させることができるので、遊技領域内における動きのバリエーションを増加させ、より演出効果の高め遊技者の興趣の高められるものとすることができる。
また、略長尺状の本体部を持つ前側可動体のうち、第一可動体や第二可動体が片持ち支持されている側と同じ端部側を中心に回動させることにより、略垂直な第二配置状態時において、その他端側に向かって延設されている本体部が不可避的に可動体と駆動ユニットとの間を遮蔽する。これにより、ごく自然に第一可動体や第二可動体と夫々の駆動ユニットとの連結部分を遮蔽できるので、よりスムーズ且つ巧みに見栄えを向上させることができる。
また、前側可動体の端部側が回動可能に支持されているから、略中央付近側で支持されている場合等に比べ、前側可動体を回動している回動手段を遊技領域の端部側に配置しやすい。これにより、当該回動手段によって第一可動体や第二可動体、または演出表示手段などを遮蔽し難いので、これらが表現する演出態様を見易くでき、興趣の低下を防止することができる。
また、左右同じ高さに二つ一組で配置されており、換言すれば、一つの前側可動体を二分割して配置する構成であるため、一つの前側可動体の左右方向の長さを、約半分程度に短くできる。これにより、前側可動体一つあたりのサイズを小さくすることができるので、各駆動ユニットが負担する駆動負荷が軽くなり、より速い速度で前側可動体を駆動することが可能となる。従って、前側可動体によりスピーディでダイナミックな演出を行わせることが可能となり、前側可動体の演出動作を楽しませて、興趣が低下するのを防止することができる。
さらに、左右略同じ高さに配置された二つの前側可動体が一組セットで、つまり一体感を連想させる形状や模様に形成されていることにより、略垂直な第二配置状態から略水平状態に移行した際に、一つの統一された観念を引き起こさせる一体的な形状へと合体させる演出が可能となる。例えば、右側に配置された前側可動体と左側に配置された前側可動体とに夫々文字を象った装飾部材を取り付け、第一配置状態に移行して二つの前側可動体が同じ高さに配置されると、二つあわせて一つの連続した意味のある単語となるような演出が可能となる。このように、意外性のある演出を行うことができることにより、遊技者や、その他の見物者などの注意を惹き、集客力の強い面白味のある遊技機が提供できる。
また、前側可動体を主役物の枠状の内側に備えていることにより、当該内側で前側可動体を回動させた場合は、主役物の構成部材と前側可動体とが干渉しないためスムーズに回動させることができ、より好適である。
更に、前側可動体の本体部は、ステージ上に供給された遊技媒体に接触しない大きさで形成されている。つまり、装飾可動体として配置されているため、ステージ上で繰り広げられる遊技媒体の転動演出を妨げる虞がない。これにより、前側可動体による動きの演出に加え、ステージ上を転動する遊技媒体の転動演出も十分に提供することができ、遊技者の目を楽しませることができる。また、遊技媒体の動きを妨げないことから、接触によって遊技媒体を所定の流下口以外の場所へと流下させることで遊技者の興趣を低下させる懸念も払拭される。従って、より面白味の持続する魅力的な遊技機を提供できる。
また、前側可動体を発光可能な装飾可動体としたことから、前側可動体は、第一配置状態と第二配置状態との間を移動するだけでなく、発光することもできるので、発光によって遊技者に前側可動体に気付かせ注目を惹くことが可能となり、前側可動体の動きを楽しませて、興趣が低下するのを防止することができる。
また、本手段の構成によれば、発光手段、及び、複数の透過手段を具備する比較的シンプルな構成の発光装飾表示手段が第一可動体に具備され、発光手段から投光される光の色を変化させるだけで、様々な表示態様を表示することが可能である。さらに、複数の透過手段(第一透過手段及び第二透過手段等)は、互いに同一面上に重複して配置される場合には、当該重複部を、第一色及び第二色を夫々透過可能に構成されているため、対応する表示態様(第一表示態様及び第二表示態様)を明瞭に表示することが可能となる。
さらに、発光装飾表示手段には遮光手段が具備されていることにより、演出表示装置が他の光学表示装置(LCDやCRT等)であった場合でも、これら他の演出表示装置から照射される光が透過手段に投光されることを防ぐことができ、所望の表示態様を所望の表示タイミングで明瞭に表示することができる。加えて、色の三原色を発光させる発光手段がLEDから構成されていることにより、比較的他の色の波長成分を低減させることが容易で、表示内容を直感的に伝達させやすい光学表示装置とすることができる。これにより、遊技者がストレスを感じ難く、遊技内容に関する興趣や注目度を低減させないばかりか一層向上させることが可能な遊技機を提供することができる。
一方、第一可動体を所定のキャラクタ体にした場合は、遊技内容とキャラクタ体とが関連付けやすく、コミカルで親しみやすい遊技機を提供できる。また、第一透過手段及び第二透過手段が、遮光性の部材を背景とする同一面上に形成されていることにより、これら透過手段の背面にある部材(例えば発光手段等)を見え難くすることができる。
さらに、白色の部材を背景とする場合に比べて、光が透過することによって表示される表示態様、つまり発光によって表示される表示態様を効果的に浮かび上がらせることができ、よりインパクトの強い華やかな光学表示装置を提供することができる。
また、可動体に光学表示装置を備えることにより、表示領域に囚われずに自由度の高い表示を行うことが可能となる。特に、発光装飾表示手段である光学表示装置は、発光手段、複数の透過手段、及び遮光手段から構成される比較的シンプルな構成を呈し、さらに第一透過手段及び第二透過手段が同一面上にコンパクトに形成されている。従って、可動体に好適に配置可能であるため、バラエティに富む演出を提供でき、広い年代層に受け入れられ易い遊技機が提供できる。
また、本手段の構成によれば、所定キャラクタの顔を表現した第一可動体及び第二可動体を、夫々接近させたり、離反させたり、一方のみを上下動させたり、両方を同一方向に上下動させたりすることが可能となる。つまり、所定キャラクタの顔を上下方向に移動させたり、所定キャラクタの顔の口を開閉させたりすることが可能となり、遊技機において可動体が目立つものとなり、遊技者をそれらの可動体に注目させることができ、第一可動体及び第二可動体による演出動作を楽しませて、興趣が低下するのを防止することができる。また、第一可動体及び第二可動体の二つの可動体を備えているので、夫々の動きを組み合わせることで演出動作の種類(バリエーション)を増やすことができ、より演出動作を楽しませて飽き難いものとし、演出動作により遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。
また、第一駆動ユニット及び第二駆動ユニットによって、第一可動体と第二可動体とを互いに接近させたり離反させたりすることで、所定キャラクタの口が閉じたり開いたりする動作となり、所定キャラクタの口がパクパクする動きにより、遊技者に強いインパクトを与えると共に楽しませて、興趣が低下するのを防止することができる。
また、遊技盤の後面側に、貫通口を通して第一可動体や第二可動体が視認可能となるようにベースの取付当接面を取付固定しているので、遊技盤の後面側にベースを取付けても、貫通口を通してベースに支持された誘導部材に誘導案内される可動体を遊技者に視認させることができ、第一可動体や第二可動体の動きを楽しませて興趣が低下するのを抑制することができるものとすることができると共に、上述の可動体を遊技機に備えても、ベースの取付固定のために遊技領域が狭くなることがなく、充分な遊技領域を確保することができ、遊技媒体の動きが単調な動きとなるのを防止して、興趣が低下するのを抑制することのできるものとすることができる。
更に、演出表示手段の前面側で第一可動体や第二可動体が移動するようにしているので、これにより、演出表示手段に表示させる演出態様と可動体とを可及的に近づけることが可能となり、演出態様と第一可動体や第二可動体の演出動作とをより関連付けたものにし易くすることができ、演出態様と第一可動体や第二可動体の演出動作によるコラボレーションによって、これまでにないインパクトの高い演出を提供して、遊技者の興趣を高められるものとすることができる。
また、第一駆動ユニット及び第二駆動ユニットを演出表示手段の左右外側に配置しているので、第一駆動ユニット及び第二駆動ユニットの長さを、少なくとも演出表示手段の上下方向の長さ分は確保することが可能となり、第一駆動ユニット及び第二駆動ユニットを演出表示手段の上側又は下側に配置した場合比較して、より長いものとすることができ、第一可動体及び第二可動体の移動量をより大きくして遊技者に目立つようにし、第一可動体及び第二可動体の演出動作を楽しませて、興趣が低下するのを防止することができる。
また、駆動ベルトにテンションを付与するための移動体を、被誘導部材が誘導案内される誘導部材によって誘導案内するようにしているので、移動体を駆動プーリと従動プーリとが離反する方向に移動させるための機構を別途備える必要がなく、装置全体を簡略化することが可能となって全体的に大型化するのを抑制することができる。つまり、全体的に大型化するのを防止することができるので、相対的に第一可動体や第二可動体を大型化したり、移動量を大きくしたりすることが可能となり、第一可動体や第二可動体の演出動作を認識し易くして、その演出動作により興趣が低下するのを防止することができる。
また、移動体における誘導部材に誘導案内される案内孔と、従動プーリの軸部を係止保持する係止部との間で付勢手段の付勢力が作用するようにしているので、これにより、移動体にかかる付勢手段の付勢力が誘導部材側と従動プーリ側とに略均等にかかることとなり、移動体が誘導部材に対して傾くのを抑制することができ、誘導部材により移動体を良好に誘導案内させることができると共に、付勢手段の付勢力により駆動ベルトに所定のテンションを良好に付与することができ、これにより、駆動プーリと従動プーリとに巻き掛けられる駆動ベルトの張力を適宜なものとして、駆動ベルトを良好に回転駆動させることができる。
更に、駆動プーリと反対側が開放され従動プーリの軸部を係止するフック状の係止部を備えた移動体としているので、これにより、従動プーリに駆動ベルトを巻き掛けた状態でその軸部を係止部に係止させるだけで、簡単に従動プーリと駆動ベルトとを組立てることができると共に、駆動ベルトに付勢力を作用させることができる。
また、ベースの全長に対してその一部である取付当接面のみを遊技盤と当接させて取付固定するようにしているので、遊技盤やベース等の寸法誤差等があっても、その誤差による影響を可及的に少なくすることが可能となり、遊技盤にベースを取付固定してもそれらに歪等の不具合が発生するのを防止することができ、遊技盤にベースを良好に取付けることができる。そのため、第一可動体や第二可動体を誘導案内する誘導部材の長さを長くすることで誘導部材を支持するベースが長くなっても、遊技盤にベースを良好に取付固定することができるので、誘導部材の長さを長くして第一可動体や第二可動体が大きく移動するようにさせることが可能となり、第一可動体や第二可動体の演出動作を認識し易くして、その演出動作により遊技者の興趣が低下するのを防止することのできるものとすることができる。
更に、ベースの上側に配置された取付当接面で遊技盤に取付固定するようにしている、つまり、ベースの一方の側でのみ取付固定するようにしているので、遊技盤への取付けがベースの上側だけで済み、取付けにかかる手間を簡略化することができると共に、例えば、遊技盤の面に対して左右方向の力が作用して取付当接面の垂直線上からベースの重心が左右の何れかにずれても、その重心にかかる回転モーメントが、ベースの重心を取付当接面の垂直線上に戻すように作用し、ベースが元の位置に復帰するので、取付当接面やビス等にベースにかかる重量以外の力が作用するのを抑制することができ、ベースを良好に取付固定することができると共に、ベースが変形して不具合が発生するのを防止することができる。
また、ベースの取付当接面の上部にビスを挿通する取付孔を穿設しており、これにより、ベースの上部のみで取付けているので、ビスの数を可及的に少なくすることができ、取付けにかかる手間を簡略化することができると共に、上述と同様の理由により、ビスや取付当接面にかかる回転モーメントを可及的にかかり難くすることができ、ベースを良好に遊技盤に取付固定することができる。
また、遊技盤へ取付固定するためのベースの取付当接面が配置された側と同じ上側に、移動手段の駆動プーリが配置されている。つまり、駆動プーリを回転駆動する回転駆動手段が取付当接面に近いベースの上側で支持されるので、振動や駆動反力の発生源である回転駆動手段に可及的に近い位置で取付当接面を介して遊技盤に取付固定することとなり、回転駆動手段からの振動等がベース全体に伝わるのを防止することができると共に、ベースの振動によりベースに支持された誘導部材等の各部材が振動し、他の部材と当接して破損したり、各部材同士の組付けが緩んだりして被誘導部材を良好に誘導案内させることができなくなるのを防止することができる。
更に、第一可動体や第二可動体を保持する被誘導部材は、二つの摺動部材を介して誘導部材に摺動案内されるので、摺動部分の接触面積を可及的に少なくすることが可能となり、摺動抵抗を低減させることができ、第一可動体や第二可動体と共に被誘導部材を上下方向に良好に誘導案内させることができると共に、第一可動体や第二可動体を大型化することが可能となり、第一可動体や第二可動体をより目立たせてより演出効果の高いものとすることができ、興趣が低下するのを防止することができる。また、第一可動体や第二可動体を大型化しても摺動抵抗が増加するのを抑制することができるので、駆動力の大きい大型の移動手段を用いなくても、第一可動体や第二可動体を保持する被誘導部材を良好に誘導案内させることが可能となり、所望の大きさの第一可動体や第二可動体を遊技機に備えることができ、より興趣の高められるものとすることができる。
更に、摺動抵抗を低減させることができるので、静止状態の被誘導部材を移動させるために必要な駆動力が少なくて済み、容易に被誘導部材を移動開始させることができる。つまり、被誘導部材の移動レスポンスを高くすることができるので、被誘導部材すなわち第一可動体や第二可動体を機敏に移動させることが可能となり、それらの動きによるインパクトをより高めることができ、興趣が低下するのを抑制することができる。
また、誘導部材の表面に摩擦低減層が形成されており、誘導部材と摺動部材との摺動抵抗を低減させることができるので、摺動部材を介して被誘導部材を良好に誘導案内させることができると共に、摺動部における摩擦が低減されて摩耗し難くすることが可能となり、誘導部材や摺動部材が早期に摩耗して被誘導部材すなわち第一可動体や第二可動体の動作不良を招くのを防止することができる。
更に、二つの支持ブッシュを介して支持シャフトを被誘導部材に回転可能に保持するようにしているので、これにより、支持シャフトを被誘導部材がかかる部分全体で回動可能に保持する場合と比較して、支持シャフトとの接触部分が可及的に少なくなり、支持シャフトにかかる摩擦抵抗を低減させることが可能となり、支持シャフトを良好に回動させることができ、支持シャフトに支持された可動体をスムーズに演出動作させて、興趣の高められるものとすることができる。
また、被誘導部材の本体部と固定部材とで二つの摺動部材、及び二つの支持ブッシュを所定の位置に保持するようにしているので、これにより、二つの摺動部材、及び二つの支持ブッシュを本体部と固定部材とで簡単に保持することができ、容易に組み立てられるものとすることができる。
更に、第一可動体や第二可動体を駆動ベルトの回転駆動により移動させるようにしており、ネジ部材等の移動手段を用いた場合と比較して、第一可動体や第二可動体の移動速度をより速く移動させることができ、速く移動する第一可動体や第二可動体により遊技者に強く印象付けることができるので、第一可動体や第二可動体に注目させてその演出動作を楽しませることが可能となり、遊技に対する興趣が低下するのを防止することができる。また、同じ移動量をソレノイドやシリンダを用いて移動させる場合と比較してより小型化することが可能となり、遊技機に設置し易いものとすることができると共に、第一可動体や第二可動体の移動量をより大きくしても遊技機に設置することができるので、第一可動体や第二可動体をより大きく移動させることができ、第一可動体や第二可動体の演出動作を認識し易くして、その演出動作により興趣が低下するのを防止することができる。
また、被誘導部材を誘導部材により誘導案内するようにしているので、撓み易いベルトを用いて被誘導部材を移動させても、誘導部材により被誘導部材を真直ぐ誘導案内させることができ、移動の際に被誘導部材、つまり、可動体を所望の姿勢で良好に移動させることができる。
更に、駆動ベルトと駆動プーリの係合歯と被係合歯とを互いに係合させることで、駆動ベルトが駆動プーリの外周面上を滑り難くすることができ、駆動プーリから回転駆動を確実に駆動ベルトに伝達させることができると共に、駆動プーリの回転速度を速くしても、駆動プーリと駆動ベルトとの間で滑りが発生しないので、より速い速度で駆動ベルトを駆動させることが可能となり、被誘導部材を介して可動体をより速い速度で移動させることができ、よりインパクトの強い動きを第一可動体や第二可動体にさせて、興趣の高められるものとすることができる。
また、駆動プーリを上側に、従動プーリを下側に配置しているので、駆動ベルトは、固定された被誘導部材等の重さにより下方、つまり、駆動プーリとは離反する方向に引張られる力が作用し、その力により駆動プーリへの駆動ベルトの巻き掛け力が強くなり、駆動プーリと駆動ベルトとの摩擦力が大きくなって互いに滑り難くすることができ、駆動プーリにより確実に駆動ベルトを駆動させることができると共に、駆動プーリと駆動ベルトとが滑って被誘導部材が降下するのを防止することができ、被誘導部材を介して第一可動体や第二可動体に所望の動きをさせることが可能となり、第一可動体や第二可動体に所定の演出動作をさせて、興趣の高められるものとすることができる。
また、従動プーリを駆動プーリと離反する方向に付勢する付勢手段を備えているので、駆動ベルトに所定のテンションを付与することができ、駆動プーリと従動プーリとに巻き掛けられる駆動ベルトの張力を適宜なものとして、駆動ベルトを良好に回転駆動させることができる。
更に、駆動プーリと従動プーリを上下方向に配置し誘導部材が遊技盤の面に略沿うように上下方向に配置されている、つまり、第一可動体や第二可動体を、遊技機における遊技盤の面に直角方向(前後方向)の寸法に対して、相対的に大きい寸法とされている上下方向(遊技盤の面に沿った方向)に移動するようにしているので、第一可動体や第二可動体の移動量を可及的に大きくすることが可能となり、第一可動体や第二可動体の動きをより認識し易いようにして、その演出動作を楽しませて興趣が低下するのを防止することができる。また、第一可動体や第二可動体を上下方向に移動させることができるので、遊技領域を流下する遊技媒体の流れ方向と略同じ上下方向に第一可動体や第二可動体が移動し、遊技媒体と第一可動体や第二可動体との間での遊技者の目線移動がし易く早期に遊技者が疲労するのを抑制することができ興趣が低下するのを防止することができる。
また、板金からなるベースにより樹脂からなる第一支持部材及び第二支持部材部材を支持すると共に、それら第一支持部材及び第二支持部材部材により誘導部材を支持するようにしているので、大型化すると歪みの大きくなる樹脂部材を可及的に小さくすることが可能となり、誘導部材を大きく(長く)しても誘導部材を所望の位置に正確に支持することができ、誘導部材により被誘導部材を介して第一可動体や第二可動体を良好に誘導案内させることが可能となるので、第一可動体や第二可動体がより大きく動くようにすることができ、第一可動体や第二可動体の演出動作を認識し易くして、その演出動作により興趣が低下するのを防止することができる。
また、第一支持部材と第二支持部材とによりベース、誘導部材、及びガイド部材が一体的に組み付けられ、夫々の剛性の相乗効果によって全体的な強度剛性が高められているので、ベースや誘導部材を長くして被誘導部材の移動量を大きくしても、被誘導部材の移動によって発生する反力や振動等によりベースや誘導部材が変形するのを防止して、被誘導部材を介して第一可動体や第二可動体を良好に移動させることができると共に、第一可動体や第二可動体がより大きく動くようにして第一可動体や第二可動体の演出動作を認識し易くし、その演出動作により興趣が低下するのを防止することができる。
また、第一支持部材及び第二支持部材とベースとを組付ける際に、位置決め突起を位置決め孔に嵌合させるだけで、第一支持部材と第二支持部材とを所定距離離れた所定位置に容易に位置決め支持することができ、誘導部材を所望の位置に容易に配置支持することができる。
更に、第一可動体や第二可動体を支持する支持シャフトを回動させる回動手段を備えているので、第一可動体や第二可動体を支持シャフトの軸芯周りに回動させることができ、可動体を誘導部材の延在する上下方向だけでなく、支持シャフトの軸芯周りの方向にも動かすことが可能となり、第一可動体や第二可動体の動きをより複雑な動きとすることができると共に、所定キャラクタの口の開閉動作が、よりリアルな動作となって遊技者への訴求力が強くなり、より演出効果の高い動きをさせることで興趣の高められるものとすることができる。
また、支持シャフトを回動させる回動手段を、被誘導部材の可動体が保持される側とは誘導部材を挟んで反対側に配置したものである。これにより、被誘導部材は、誘導部材を挟んで一方の側に可動体を、他方の側に回動手段を夫々保持することとなり、誘導部材を挟んで両側に夫々所定の荷重がかかることとなるので、被誘導部材にかかる偏荷重が緩和され、被誘導部材と誘導部材との間で偏摩擦や偏摩耗が発生するのを抑制し、偏荷重により誘導部材に誘導案内される被誘導部材が滑らかに誘導されずぎこちない動きとなったり、誘導案内することができなくなったりするのを防止することができる。
また、回動手段の駆動源としてソレノイドを用いているので、モータを用いた場合と比較して、レスポンスの良い速い動きをさせることが可能となり、可動体によりインパクトの強い演出動作をさせることができ、より興趣の高められるものとすることができる。
また、回転防止手段により被誘導部材が誘導部材の軸芯周りに回転するのを防止することができるので、特に、振動の多い駆動ベルトにより被誘導部材を移動させても、被誘導部材に保持された第一可動体や第二可動体が誘導部材の軸芯周りに回転、つまり、軸芯周りに振れるのを良好に防止することが可能となり、意図しない振れを抑制して所望の演出動作を確実に行わせることができ、興趣が低下するのを防止することができると共に、第一可動体や第二可動体をより大きなものとすることが可能となり、第一可動体や第二可動体をより目立たせて、演出効果をより高めることができる。
更に、回転防止手段におけるガイド部材の両端を第一支持部材と第二支持部材とで支持するようにしているので、ガイド部材を支持するための支持部材を別途備える必要がなく、ガイド部材を支持するための構成を簡略化することができ、コストが増加するのを抑制することができる。また、誘導部材と同様にガイド部材の支持精度も向上させることができるので、誘導部材の長大化に伴ってガイド部材を長くしても、誘導部材とガイド部材との関係(例えば、平行度)を良好な状態で維持することが可能となり、被誘導部材の振れを良好に防止することができ、第一可動体や第二可動体をより目立つように大型化して第一可動体や第二可動体の演出動作によって興趣を高められるものとすることができる。
また、第一可動体を移動させる第一駆動ユニットでは回転防止手段のガイド部材を誘導部材を挟んで第一可動体の反対側に配置しており、誘導部材とガイド部材との距離を所定距離離して左右方向の長さを長くすることで回転防止手段による回転防止機能を高めると共に、回動手段と回転防止手段の重量によって第一可動体との重量バランスを良くして、被誘導部材つまり第一可動体を良好に誘導案内させることができる。一方、第二可動体を移動させる第二駆動ユニットでは回転防止手段のガイド部材を誘導部材の前後方向の何れかに配置したものとしているので、左右方向の長さを短くすることができ、左右方向の長さが第一駆動ユニットにおいて長くなった分を第二駆動ユニットで吸収させることができ、第一駆動ユニット及び第二駆動ユニットを含めた全体の左右方向の長さが長くなるのを抑制して、良好な状態で第一可動体及び第二可動体を遊技機に備えさせることができる。
更に、ベースを遊技盤の後面側に取付固定しているので、ベースやベースに支持された第一支持部材、第二支持部材、誘導部材、被誘導部材、及び移動手段等を貫通口にかからないように取付固定することで、それら部材が貫通口を通して遊技者側から見え難くすることができ、それらが見えることで煩雑な印象を与えるのを防止することができ、興趣が低下するのを抑制することができる。
また、転動演出面を有し枠状の主役物を遊技盤の貫通口を前方から覆うように配置すると共に、遊技盤の後方にベースを介して備えられた第一可動体や第二可動体が主役物の枠状の内側を通して視認可能としているので、これにより、上記の可動体の演出動作だけでなく、主役物の転動演出面(ステージ)上を転動する遊技媒体の動きによっても、遊技者の興趣を高めることができると共に、前側に主役物が後側に第一可動体や第二可動体が配置されることとなり、奥行きのある遊技機とすることができ、他の遊技機との差別化を図ることが可能となり、遊技者に注目させて、より興趣の高められるものとすることができる。
更に、移動手段を誘導部材及び被誘導部材と一体に構成したり、或いは、移動手段を回転防止手段と一体に構成したりしても良く、これにより、上記と同様の作用効果を奏することができると共に、移動手段にかかる構成を簡略化することができる。
手段35:手段1から手段34までの何れか一つの遊技機において、
パチンコ機であることを特徴とする。
ここで、パチンコ機とは、遊技者が遊技機に投入する媒体である投入媒体と、遊技者が行う実質的な遊技に用いられる媒体である遊技媒体とを同一のものとした遊技機であり、投入された例えば遊技球等の媒体を用いて遊技が行われるタイプの遊技機の一種である。具体的には、「操作ハンドルの操作に対応して遊技球を発射する発射装置と、多数の障害釘、役物、表示手段等の適宜の機器が組み込まれたり、始動入賞口、大入賞口、通過口、到達口等の遊技球が入球する適宜の入球口が設けられた遊技領域と、発射装置から遊技領域に遊技球を導くレールと、遊技領域に導かれた遊技球の入球口への入球に応じたり、複数の入球口への遊技球の入球態様に応じて、所定数の遊技球を賞球として払い出す払出手段とを具備するもの」である。
なお、パチンコ機としては、種々のタイプのものがあり、一般に「デジパチ機」と称されるものに代表される「入球口への入球状態を検出する入球状態検出手段(遊技状態検出手段として捉えることもできる)と、入球状態検出手段によって入球が検出されると所定の抽選を行う抽選手段と、抽選手段の抽選結果に応じて特別図柄を変動させると共に変動を停止させる特別図柄表示手段とを備えたもの」や「加えて、特別図柄の変動中に、複数の図柄からなる図柄列を変動表示し、図柄列にて図柄を停止表示させたり、キャラクタや種々の物品等の表示物を描写し、表示物を動作させたりする等によって適宜の演出表示を行う演出表示手段を更に具備するもの」、一般に「ハネモノ機」と称されるものに代表される「役物内での遊技球の振分けによって抽選を行う抽選手段を備えたもの」、一般に「アレパチ機」と称されるものに代表される「例えば16個等の所定個数の遊技球により1ゲームが行われ、1ゲームにおける複数の入球口への遊技球の入球態様に応じて所定個数の遊技球の払出しを行うもの」等を例示することができる。
手段35の構成によると、パチンコ機において、上述した手段のいずれかの作用効果を奏することができる。
手段36:手段1から手段34までの何れか一つの遊技機において、
パチスロ機であることを特徴とする。
ここで、パチスロ機とは、投入媒体であるメダルを投入し、メダルの投入後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作によって、夫々複数の図柄が描かれた複数のリールを回転させる等して、各リール等によって構成された図柄列を変動表示させるとともに、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて各図柄列の変動表示を停止させる、といった遊技が遊技者によって行われるものである。換言すれば、停止操作機能付きのスロットマシーンとして捉えることができるものである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動表示を停止させるものであってもよい。そして、各図柄列の変動表示の停止時において、表示された単体の図柄が特定の図柄であったり、各図柄列にて表示された図柄の組合わせが特定の組合せであったりする等、特定の条件を満たす場合に、満たされた条件に応じて所定個数のメダルを払出したり、遊技者が多量のメダルを獲得することができる遊技者に有利な特別有利状態を発生させたりするものである。
手段36の構成によると、パチスロ機において、上述した手段のいずれかの作用効果を奏することができる。
手段37:手段1から手段34までの何れか一つの遊技機において、
パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなることを特徴とする。
ここで、「パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機」とは、複数個(例えば5個)の遊技球を1単位の投入媒体とし、投入媒体を投入した後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に応じて複数の図柄からなる図柄列を変動表示させるとともに、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて図柄列の変動を停止させるものである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動表示を停止させるものであってもよい。そして、各図柄列の変動表示の停止時において、表示された単体の図柄が特定の図柄であったり、各図柄列にて表示された図柄の組合わせが特定の組合せであったりする等、特定の条件を満たす場合に、満たされた条件に応じて所定個数のメダルを払出したり、遊技者が多量のメダルを獲得することができる遊技者に有利な特別有利状態を発生させたりするものである。
手段37の構成によると、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機において、上述した手段のいずれかの作用効果を奏することができる。