[1.パチンコ機の全体構造]
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について、図面を参照して説明する。まず、図1乃至図7を参照して実施形態に係るパチンコ機の全体について説明する。図1は実施形態に係るパチンコ機の外枠に対して本体枠を開放し、本体枠に対して扉枠を開放した状態を示す斜視図であり、図2はパチンコ機の正面図であり、図3はパチンコ機の側面図であり、図4はパチンコ機の平面図であり、図5はパチンコ機の背面図であり、図6はパチンコ機を構成する外枠、本体枠、遊技盤、扉枠の後方から見た分解斜視図であり、図7はパチンコ機を構成する外枠、本体枠、遊技盤、扉枠の前方から見た分解斜視図である。
図1乃至図7において、本実施形態に係るパチンコ機1は、遊技ホールの島(図示しない)に設置される外枠2と、外枠2に開閉自在に軸支され且つ遊技盤4を装着し得る本体枠3と、本体枠3に開閉自在に軸支され且つ遊技盤4に形成されて球が打ち込まれる遊技領域605を遊技者が視認し得る遊技窓101とその遊技窓101の下方に配置され且つ遊技の結果によって払出される球を貯留する貯留皿としての皿ユニット300とを備えた扉枠5と、を備えて構成されている。
外枠2には、その下方前方に装飾カバー板15を補強するカバー補強金具14が固着されている。また、本体枠3には、上記したように遊技盤4が着脱自在に装着し得る他に、その裏面下部に打球発射装置650と、遊技盤4を除く扉枠5や本体枠3に設けられる電気的部品を制御するための各種の制御基板や電源基板1136等が一纏めに設けられている基板ユニット1100が取付けられ、本体枠3の後面開口580(図6を参照)を覆うカバー体1250が着脱自在に設けられている。更に、扉枠5には、上記した皿ユニット300の他に、遊技窓101を閉塞するようにガラスユニット450と、ハンドル装置400とが設けられている。そして、本実施形態の特徴は、扉枠5に設けられる皿ユニット300が1つであり、しかも、従来は本体枠3に設けられていたハンドル装置400が扉枠5に設けられ、また、扉枠5と本体枠3とが正面から見て略同じ方形の大きさであるため、正面から本体枠3が視認できなくした点である。以下、パチンコ機1を構成する部材について詳細に説明する。
[1−1.外枠]
外枠2について、主として図8乃至図12を参照して説明する。図8は、外枠2の正面斜視図であり、図9は、同外枠2の正面から見た分解斜視図であり、図10は、同外枠2の正面図であり、図11は、同外枠2の背面図であり、図12は、図10のB−B断面図際に、RAMクリアスイッチ624aを操作したりすることができる。そして、この接続操作用開口1255の内側には、立壁1257や当接突起1258が形成されて主制御基板ボックス624との間に隙間が生じないようにされているので、接続操作用開口1255からピアノ線等を挿入して遊技盤4の裏面に対する不正行為を防止することができる。
更に、カバー体1250は、閉じた状態で、その背面側が賞球タンク720の最後端部、及びタンクレール部材740の後端壁と側方から見たときに同一垂直面となっているため、パチンコ機1の背面から見たときに、背面側の上部から下方までに凹凸がなく、きわめてスッキリした形状となっており、パチンコ機1を運搬するときに全体の厚みが均一で把握し易いため、積み込みや重ね合わせ作業が行い易く、また、実際に遊技場の島台に設置する際も、背向列設されるパチンコ機1の背面において、相手方のパチンコ機の背面に突出する配線等を気にすることなく、きわめてスムーズに設置することができる。
[2.遊技盤の詳細構成]
続いて、本実施形態のパチンコ機1における遊技盤4の詳細な構成について、図148乃至図154を参照して説明する。図148は遊技盤の正面図であり、図149は遊技盤を斜め右前から見た斜視図であり、図150は遊技盤を斜め左前から見た斜視図である。図151は遊技盤を斜め後から見た斜視図であり、図152は遊技盤を上下方向の略中央で水平方向に切断した断面図である。更に、図153は遊技盤を構成する主な部材毎に分解して斜め前から見た斜視図であり、図154は遊技盤を構成する主な部材毎に分解して斜め後から見た斜視図である。また、図155は遊技盤における表ユニットを前から見た斜視図であり、図156は遊技盤における表ユニットを後から見た斜視図である。
図示するように、本実施形態のパチンコ機1における遊技盤4は、外レール602及び内レール603を有し、遊技者が操作ハンドル部461を操作することで遊技媒体としての遊技球(単に「球」とも称す)が打ち込まれる遊技領域605の外周を区画形成する枠状の前構成部材601と、前構成部材601の後側で遊技領域605を閉鎖するように配置される透明板状の遊技パネル600と、遊技パネル600の外周を覆うと共に遊技パネル600を前側から着脱可能に保持し、前構成部材601の後側に取付けられる枠状のパネルホルダ630と、遊技領域605の外側でアウト口606よりも右側の前構成部材601下部に配置された機能表示ユニット640と、機能表示ユニット640の前面に貼り付けられる機能表示シール649と、を備えている。
この遊技盤4は、主に遊技パネル600の前面側に配置される表ユニット2000と、遊技パネル600の後面側に配置される裏ユニット3000と、裏ユニット3000の後側に遊技者側から視認可能に取付けられ所定の演出画像を表示可能な液晶表示装置1400と、を更に備えている。
遊技盤4における表ユニット2000は、遊技領域605内の左右方向略中央でアウト口606の上側に配置され遊技パネル600の前面に支持されるアタッカユニット2100と、アタッカユニット2100の左側で遊技領域605の外周に沿って配置され遊技パネル600の前面に支持されるサイド装飾部材2200と、遊技領域605内の上下方向中央からやや上寄り左側に配置され遊技パネル600の前面に支持されるゲート部材2300と、遊技領域605の略中央部分に配置され遊技パネル600に支持される枠状のセンター役物2400と、を備えている。
また、遊技盤4における裏ユニット3000は、パネルホルダ630の後側に取付けられる枠状の裏前ユニット3000aと、裏前ユニット3000aの後側に取付けられる裏後ユニット3000bと、を備えている。この裏後ユニット3000bの後面には、液晶表示装置1400が脱着可能に取付けられるようになっており、裏前ユニット3000a及びセンター役物2400の枠内を通して、表示された演出画像が遊技者側から視認できるようになっている。
本例の遊技盤4における裏ユニット3000は、前後に分割された形態となっており、前側の裏前ユニット3000aと後側の裏後ユニット3000bとに分かれている。この裏ユニット3000における裏前ユニット3000aは、センター役物2400よりも外側で透明な遊技パネル600の後側を装飾する裏前上部装飾部材3020、裏前左部装飾部材3030、及び裏前下部装飾部材3040を主に備えている。また、裏ユニット3000における裏後ユニット3000bは、遊技パネル600の後側で液晶表示装置1400の外周に配置される上部可動装飾体ユニット3200、サイド可動装飾体ユニット3400、及び下部可動装飾体ユニット3600を主に備えている。なお、液晶表示装置1400は、裏後ユニット3000bにおける裏箱621を構成する裏箱本体3100の後側に着脱可能に取付けられている。
更に、遊技盤4における液晶表示装置1400の後側には、詳細は後述するが、周辺制御基板4140及び液晶制御基板4150からなる周辺基板4010を収容した周辺基板ボックス622と、液晶表示装置1400へ電源を供給するインバータ基板1411を収容したインバータ基板ボックス1410とが備えられている。
[2−1.アタッカユニット]
次に、本実施形態のパチンコ機1の遊技盤4における表ユニット2000のアタッカユニット2100について、図157乃至図160を参照して説明する。図157はアタッカユニットを前から見た斜視図であり、図158はアタッカユニットを後から見た斜視図である。また、図159はアタッカユニットを主要な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。更に、図160は、アタッカユニットにおける各開閉駆動機構を示す斜視図である。
本例の表ユニット2000における遊技盤4のアタッカユニット2100は、遊技パネル600における左右方向中央の下部に形成された開口部600eに対して、前側から挿入された上で、遊技パネル600の前面に固定されるものである。このアタッカユニット2100は、遊技領域605内へ打ち込まれた遊技球が受入可能とされた複数の受入口(入賞口)を有しており、具体的には、左右方向の略中央に配置された第一始動口2101と、第一始動口2101の下側に配置された第二始動口2102と、第二始動口2102の下側に配置され第一始動口2101や第二始動口2102よりも左右方向へ大きく延びた区形状の大入賞口2103と、大入賞口2103の左右両側やや上寄りに配置された全部で四つの一般入賞口2104と、を備えている。
このアタッカユニット2100の第一始動口2101は、上側が開放されており遊技球が常時受入(入賞)可能となっている。一方、第一始動口2101の下側に配置された第二始動口2102は、図示するように、第二始動口2102の左右両側に略直立状態で配置された一対の羽根状の可動片2105によって第一始動口2101との間が閉鎖された状態となっており、図示の状態では遊技球が第二始動口2102へ受入不能な状態となっている。この第二始動口2102を閉鎖する一対の可動片2105は、下端側が回動可能に軸支されており、上端側を互いに離反する方向へ回動させることで、第二始動口2102へ遊技球が受入可能な状態となるようになっている。つまり、第二始動口2102は、一対の可動片2105により可変入賞口となっている。
また、アタッカユニット2100の大入賞口2103は、その開口を閉鎖可能な横長矩形状の開閉部材2106によって開閉可能とされている。この開閉部材2106は、下辺が回動可能に軸支されており、略垂直な状態では大入賞口2103を閉鎖して遊技球を受入不能とすることができると共に、上辺が前側へ移動するように回動すると大入賞口2103を開放して遊技球を受入可能とすることができるようになっている。つまり、大入賞口2103は、開閉部材2106により可変入賞口となっている。
本例のアタッカユニット2100を更に詳述すると、図159に示すように、遊技パネル600の前面に取付けられ、左右中央に第一始動口2101及び大入賞口2103を有し、第二始動口2102、及び一般入賞口2104を形成可能な板状の台板2110と、台板2110における第一始動口2101の下側前面に取付けられ一対の可動片2105を回動可能に軸支すると共に第二始動口2102を形成し上側及び後側が開放された中央受部材2111と、台板2110の前面の所定位置に一般入賞口2104を形成するように取付けられ上側及び後側が開放された四つのサイド受部材2112と、台板2110の前面で左右のサイド受部材2112の下側に夫々取付けられる透光性を有した板状の台板レンズ部材2113と、台板レンズ部材2113の後側に配置され前面に所定色で発光可能なLED2114aが実装されたアタッカサイド装飾基板2114と、アタッカサイド装飾基板2114の後側を覆い台板2110の後面に取付けられる基板カバー2115と、台板2110の後側に取付けられ、大入賞口2103を開閉する開閉部材2106を回動可能に軸支すると共に、一対の可動片2105及び開閉部材2106を回動駆動させるアタッカ駆動ユニット2120と、を備えている。
アタッカユニット2100における一対の可動片2105は、図示するように、下端付近で前後方向に貫通した軸孔2105aと、軸孔2105aとは偏芯し後面から後方へ延出した作用棹部2105bと、を備えている。また、開閉部材2106は、左右両端に形成された軸部2106aと、軸部2106aとは偏芯し正面視左端部から左方へ突出した作用棹部2106bと、前面下部の左右両端から前方へ突出し開閉部材2106における開方向の回動位置を規制するストッパ2106cと、を備えている。
アタッカユニット2100の台板2110は、左右方向へ延びた板状に形成されていると共に、表面に金属光沢を有したメッキ層を備えており、表面にレリーフ状の装飾が施されている。この台板2110は、第二始動口2102と対応した位置に前後方向へ貫通する開口2110aを有している。また、台板2110は、第一始動口2101、第二始動口2102、大入賞口2103、及び一般入賞口2104と対応した位置に遊技球を誘導可能な後方へ延出した樋部2110aを備えている。
台板2110の前面に取付けられる中央受部材2110は、前面にレリーフ状の装飾が施されていると共に、透光性の低い部材によって形成されている。この中央受部材2110は、台板2110における開口2110aの左右の幅よりも広い間隔で前板の後面から後方へ延出した一対の軸部2111aを備えており、これら軸部2111aを可動片2105の軸孔2105aに挿入することで可動片2105を回動可能に軸支することができるようになっている。
また、アタッカユニット2100のサイド受部材2112は、前面にレリーフ状の装飾が施されていると共に、透光性の低い部材によって形成されている。更に、アタッカユニット2100の台板レンズ部材2113は、唐草模様状のレリーフが施されていると共に、唐草模様状の部位のみ表面に金属光沢を有したメッキ層が備えられている。なお、図186に示すように、台板レンズ部材2113におけるメッキ層が備えられた部位は、正面視でアタッカサイド装飾基板2114に実装されたLED2114aにかかるように形成されており、LED2114aの一部が遊技者側から臨むようになっている。
このアタッカユニット2100におけるアタッカ駆動ユニット2120は、第二始動口2102を開閉する一対の可動片2105を開閉駆動させるための始動口ソレノイド2121と、始動口ソレノイド2121の駆動を可動片2105へ伝達させる始動口駆動伝達部材2122と、始動口駆動伝達部材2122及び始動口ソレノイド2121を支持し台板2110の後側に取付けられる始動口駆動機構ベース2123と、を備えている。
始動口ソレノイド2121は、通電によって進退可能とされると共に、図示しないコイルバネによって突出方向へ付勢されたプランジャ2121aを有しており、第一始動口2101の下側で第二始動口2102の後方位置に、プランジャ2121aが前方へ向かって突出するように始動口駆動機構ベース2123に支持されている。なお、図示するように、始動口ソレノイド2121のプランジャ2121aの先端は、進退方向に対して直角方向へ延出した円盤状に形成されている。
始動口駆動伝達部材2122は、始動口ソレノイド2121のプランジャ2121aよりも下側の位置で左右方向へ延びた軸周りを回動するように始動口駆動機構ベース2123の前端に左右両端が軸支されている。この始動口駆動伝達部材2122は、左右方向の略中央上側にプランジャ2121aの円盤状の先端が挿入されるプランジャ挿入部2122aと、左右の両端付近に側面視で略C字状に形成され開放側が軸支位置よりも前方に位置した伝達係合部2122bと、を備えている。この始動口駆動伝達部材2122は、略C字状の伝達係合部2122bの内部に、その開放側から可動片2105の作用棹部2105bの後端が挿入されるようになっている。
この伝達係合部2122bは、通常の状態では略C字状の開放側が軸支位置よりも下方へ位置した状態(一対の可動片2105が直立して第二始動口2102が閉状態)となるようになっている。そして、始動口ソレノイド2121へ通電することで、始動口ソレノイド2121のプランジャ2121aが後退すると、開放側が軸支位置よりも上方へ位置した状態となると共に、伝達係合部2122b内に挿入係合された可動片2105の作用棹部2105bも上昇し、一対の可動片2105の上端同士が互いに離反した状態(第二始動口2102が開状態)となるようになっている。
始動口駆動機構ベース2123は、始動口ソレノイド2121を前側から収容支持することができるように箱状に形成されていると共に、前端に始動口駆動伝達部材2122を左右方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支することができるように形成されている。また、始動口駆動機構ベース2123は、上面に第一始動口2101へ受入れられて台板2110の対応する樋部2110bを流通した遊技球を正面視で右方向へ誘導する第一誘導部2123aと、始動口ソレノイド2121を支持する部位よりも下側に形成され第二始動口2102へ受入れられて対応する樋部2110bを流通した遊技球を下方へ遊動する第二誘導部(詳細な図示は省略する)と、を備えている。
また、アタッカ駆動ユニット2120は、大入賞口2103を開閉する開閉部材2106を開閉駆動させるためのアタッカソレノイド2124と、アタッカソレノイド2124の駆動を開閉部材2106へ伝達させるアタッカ駆動伝達部材2125と、アタッカ駆動伝達部材2125及びアタッカソレノイド2124を支持すると共に開閉部材2106を回動可能に軸支し、始動口駆動機構ベース2123の下側で台板2110の後側に取付けられるアタッカ駆動機構ベース2126と、アタッカ駆動機構ベース2126の所定位置に支持され第二始動口2102に受入れられた遊技球を検知する第二始動口センサ2127と、第二始動口センサ2127とは異なる位置に支持され大入賞口2103に受入れられた遊技球を検知するカウントセンサ2128と、アタッカ駆動機構ベース2126の下部に支持され上面に複数のLED2129aが実装された大入賞口装飾基板2129と、アタッカ駆動機構ベース2126の上面に支持され始動口ソレノイド2121、アタッカソレノイド2124、第二始動口センサ2127、及びカウントセンサ2128と主制御基板4100との接続を中継するためのアタッカユニット中継基板2130と、を備えている。
アタッカ駆動ユニット2120におけるアタッカソレノイド2124は、始動口ソレノイド2121と同様に、通電によって進退可能とされると共に、図示しないコイルバネによって突出方向へ付勢されたプランジャ2124aを有している。このアタッカソレノイド2124は、プランジャ2124aが正面視で左方向へ進退するように、アタッカ駆動機構ベース2126に取付けられている。なお、図示するように、アタッカソレノイド2124のプランジャ2124aの先端は、進退方向に対して直角方向へ延出した円盤状に形成されている。
アタッカ駆動伝達部材2125は、詳細な図示は省略するが、アタッカソレノイド2124におけるプランジャ2124aよりも前方且つ上方の位置で前後方向へ延びた軸周りを回動するようにアタッカ駆動機構ベース2126に軸支されている。このアタッカ駆動伝達部材2125は、前後方向へ延びアタッカ駆動機構ベース2126に軸支される軸部2125aと、軸部2125aから直角方向へ扇状(三角形状)に広がる板部2125bと、軸部2125aとは偏芯した位置で板部2125bの後面から後方へ突出しアタッカソレノイド2124のプランジャ2124aにおける円盤状に形成された先端を挟持可能な挟持部2125cと、軸部2125aに対して挟持部2125cよりも大きく偏芯した位置で板部2125bの前面から前方へ突出した二つの係合ピン2125dと、を備えている。
アタッカ駆動伝達部材2125は、図示するように、二つの係合ピン2125dの間に、アタッカ駆動機構ベース2126に軸支された開閉部材2106の作用棹部2106bの先端が挿入されるようになっている。このアタッカ駆動伝達部材2125は、アタッカソレノイド2124のプランジャ2124aがコイルバネの付勢力により突出した通常の状態では、二つの係合ピン2125dが軸部2125aよりも下方に位置し、上側の係合ピン2125dが開閉部材2106における作用棹部2106bと当接して作用棹部2106bが上方へ移動するのを阻止し開閉部材2106が直立した状態(大入賞口2103が閉状態)となるようになっている。一方、アタッカソレノイド2124が通電されてプランジャ2124aが没入(正面視で右方向へ移動)すると、アタッカ駆動伝達部材2125が正面視で反時計周りの方向へ回動し、その回動に伴って二つの係合ピン2125dも上方へ移動するように回動することとなる。この係合ピン2125dが上昇することで、二つの係合ピン2125dの間に挿入された開閉部材2106の作用棹部2106bも上昇することとなり、開閉部材2106の上端が相対的に前方へ移動するように回動し、上端が水平よりも若干上方に位置した状態(大入賞口2103が開状態)となるようになっている。
アタッカ駆動ユニット2120におけるアタッカ駆動機構ベース2126は、上下に二分割された箱状に形成されており、その内部にアタッカソレノイド2124やアタッカ駆動伝達部材2125等を支持することができるようになっている。このアタッカ駆動機構ベース2126は、図示するように、前面に台板2110の大入賞口2103と対応した横長矩形状の開口部2126aを有しており、大入賞口2103へ受入れられた遊技球が開口部2126aを通して内部に進入するようになっている。詳細な図示は省略するが、アタッカ駆動機構ベース2126における開口部2126aの後側底面は、正面視右後部へ向かって低くなるように傾斜しており、その最底部に下方へ貫通する大入賞口通路が形成されており、その大入賞口通路内を流通する遊技球が検知できるようにカウントセンサ2128を支持している。また、アタッカ駆動機構ベース2126は、左右方向の略中央後部に上下方向へ貫通した始動口通路が形成されており、この始動口通路内を流通する遊技球が検知できるように第二始動口センサ2127を支持している。
なお、本例では、基板カバー2115、始動口駆動機構ベース2123、及びアタッカ駆動機構ベース2126が、透明な合成樹脂によって形成されており、大入賞口装飾基板2129のLED2129aからの光によって、アタッカ駆動機構ベース2126内等を発光装飾させることができるようになっている。
本例のアタッカユニット2100は、第一始動口2101及び一般入賞口2104が常時遊技球を受入可能な状態となっている。一方、第二始動口2102では、後述するゲート部材2300において遊技球がゲート2302を通過することで抽選される普通抽選結果に応じて、始動口ソレノイド2121が通電駆動されることで一対の可動片2105が拡開して受入可能となるようになっている。また、大入賞口2103では、第一始動口2101や第二始動口2102へ遊技球が受入れられる(始動入賞する)ことで抽選される特別抽選結果に応じて(特別抽選結果が「大当り」又は「小当り」の時に)、アタッカソレノイド2124が通電駆動されることで開閉部材2106が所定パターンで開閉して受入可能となるようになっている。
また、アタッカユニット2100では、第一始動口2101へ受入れられた遊技球は、後述する、裏ユニット3000における裏前ユニット3000aにおける右球誘導部材3050の右第一球通路3051へ送られるようになっている。また、第二始動口2102へ受入れられた遊技球は、アタッカ駆動機構ベース2126に支持された第二始動口センサ2127により検知された後に下方へ排出されるようになっている。更に、大入賞口へ受入れられた遊技球は、アタッカ駆動機構ベース2126に支持されたカウントセンサ2128により検知された後に下方へ排出されるようになっている。また、一般入賞口2104へ受入れられた遊技球は、後述する、裏ユニット3000における裏前ユニット3000aにおける右球通路部材3050の右第二球通路3052や、左球通路部材3060の左第一球通路3061、左第二球通路3062等へ送られるようになっている。
本実施形態のアタッカユニット2100は、アタッカソレノイド2124を、プランジャ2124aの進退方向が左右方向となるように配置すると共に、アタッカソレノイド2124を可及的に開閉部材2106へ近付けた位置に配置するようにしているので、アタッカユニット2100における前後方向の寸法を、従来品と比較して、5〜30%短くすることができ、アタッカユニット2100の後方空間をより広く確保することができるようになっている。
[2−2.サイド装飾部材]
続いて、本実施形態のパチンコ機1の遊技盤4における表ユニット2000のサイド装飾部材2200について、主に図155及び図156等を参照して説明する。遊技盤4におけるサイド装飾部材2200は、遊技パネル600における左右方向中央から左寄りの下部で、アタッカユニット2100が挿入固定される開口部600eよりも左側に形成された開口部600eに対して、前側から挿入された上で、遊技パネル600の前面に固定されるものであり、遊技領域605の内周に沿うように形成されている。
このサイド装飾部材2200は、遊技パネル600の前面に取付けられ遊技領域605の内周に略沿った円弧状の開口枠2202aを有した本体部材2202と、本体部材2202における開口枠2202a内に挿入される透明板状のサイドレンズ部材2204と、サイドレンズ部材2204の後側に配置され前面に複数のLED2206aが実装された左下円弧装飾基板2206(図186を参照)と、左下円弧装飾基板2206を後側から覆うように本体部材2202の後面に取付けられる基板カバー2208と、を備えている。
このサイド装飾部材2200における本体部材2202は、図示するように、その上端部に、遊技パネル600の前面よりも前方へ膨出し上面が右側へ向かって低くなるように傾斜した棚部2202bを備えており、棚部2202b上に流下してきた遊技球を、遊技領域605における左右方向の中央側へ誘導することができるようになっている。この本体部材2202は、表面に金属光沢を有したメッキ層を備えている。
また、サイド装飾部材2200におけるサイドレンズ部材2204は、唐草模様状のレリーフが施されていると共に、唐草模様状の部位のみ表面に金属光沢を有したメッキ層が備えられており、サイドレンズ部材2204によって円弧状の左下円弧装飾部2205を形成している。なお、詳細な図示は省略するが、サイドレンズ部材2204におけるメッキ層が備えられた部位は、正面視で左下円弧装飾基板2206に実装されたLED2206aにかかるように形成されており、LED2206aの一部が遊技者側から臨むようになっている(図186を参照)。
[2−3.ゲート部材]
次に、本実施形態のパチンコ機1の遊技盤4における表ユニット2000のゲート部材2300について、主に図155及び図156等を参照して説明する。遊技盤4におけるゲート部材2300は、透明な遊技パネル600における左右方向中央よりも左側で上下方向中央からやや上寄りの位置に形成された開口部600eに対して、前側から挿入された上で、遊技パネル600の前面に固定されるものである。このゲート部材2300は、遊技球が一つのみ通過可能な幅のゲート2302を有しており、このゲート2302内に配置されたゲートセンサ2304によりゲート2302を通過した遊技球を検出することができるようになっている。
なお、本例のゲート部材2300は、従来のゲート部材と比較して、前後方向の長さが短く形成されており、遊技パネル600の前面よりも後側の部分が、遊技パネル600の厚さ内に収まるようになっている。
[2−4.センター役物]
続いて、本実施形態のパチンコ機1の遊技盤4における表ユニット2000のセンター役物2400について、主に図161及び図162を参照して説明する。図161は、センター役物の奥板を外した状態で斜め前から見た分解斜視図である。また、図162は、センター役物の奥板を外した状態で斜め後から見た分解斜視図である。本例のセンター役物2400は、透明な遊技パネル600の略中央を貫通するように大きく形成された開口部600eに対して、前側から挿入された上で、遊技パネル600の前面に固定されるものであり、図示するように、遊技領域605の大半を占める大きさで枠状に形成され、正面視右側の外周面は遊技領域605の外周との間で遊技球の外径よりも若干大きい隙間が形成されるように円弧状に形成されていると共に、左側の外周面は遊技領域605の外周との間で所定幅の領域が形成されるように垂下した略直線上に形成されている。
このセンター役物2400は、遊技パネル600の前面と当接する薄板状で枠状に形成されたフランジ部2401と、フランジ部2401から遊技パネル600の開口部600e内へ向って延出する挿入壁部2402と、フランジ部2401から前方へ突出する前壁部2403と、を主に備えている。このセンター役物2400の前壁部2403には、上側の外周面における左右方向の略中央の位置から左側に、左方向へ向うに従って低くなるように傾斜した上棚部2404が形成されており、遊技領域605内の上部へ打ち込まれた遊技球が、上棚部2404へ流下するとセンター役物2400の左側を通って流下するようになっていると共に、上棚部2404よりも右側へ流下(進入)した遊技球はセンター役物2400の右側を通って一気に遊技領域605の下部へ流下するようになっている。つまり、センター役物2400における上棚部2404よりも右側へ遊技球が進入するように遊技球を打ち込むと、遊技球の流下を楽しむ機会が少なくなるようになっているので、遊技球の打込強さを適宜調整させることができ、緊張感を維持させて漫然とした遊技となるのを抑制することができるようになっている。
また、センター役物2400は、前壁部2403の左側の外周面に遊技領域605を流下する遊技球が進入可能とされたワープ入口2405(図150を参照)と、ワープ入口2405に進入した遊技球を枠内へ放出するワープ出口2406と、ワープ出口2406から放出された遊技球を左右方向へ転動させた後にアタッカユニット2100の上側の遊技領域605内へ放出させ挿入壁部2402の下辺上面に形成されたステージ2410と、を主に備えている。このセンター役物2400におけるステージ2410は、ワープ出口2406から放出された遊技球が供給される第一ステージ2411と、第一ステージ2411の前側に配置され第一ステージ2411から遊技球が供給されると共に遊技領域605内へ遊技球を放出可能とされた第二ステージ2412と、を備えている。
これら第一ステージ2411及び第二ステージ2412は、左右方向の略中央が低くなるような湾曲面状に形成されており、ステージ2410の略中央から遊技領域605内へ放出(還流)された遊技球は、高い確率でアタッカユニット2100の第一始動口2101へ受入れられる(入賞する)ようになっている。
また、センター役物2400は、挿入壁部2402の後端に取付けられ、前後方向へ貫通した枠内のほとんどを閉鎖する透明板状の奥板2407を備えている。この奥板2407により、ステージ2410上に供給された遊技球が、ステージ2410の後方へ脱落して不具合が発生するのを防止することができるようになっている。
更に、センター役物2400は、前壁部2403における正面視右側に、遊技領域605の内周に沿って形成された円弧状の右円弧装飾部2420と、右円弧装飾部2420の上端に配置された円形状の右円形装飾部2421と、センター役物2400の所定位置に複数配置された星形装飾部2422と、右円弧装飾部2420の内側に沿って複数列設された点状装飾部2423(図150を参照)と、右円弧装飾部2420の内側(正面視左側)で上下方向の略中央に外形が矩形状の右ロゴ装飾部2424と、左右方向の中央上部に配置され右ロゴ装飾部2424のおよそ半分の大きさの上中ロゴ装飾部2425と、を主に備えている。
この右円弧装飾部2420は、図示するように、円弧状の枠内に唐草模様状の装飾を有しており、枠と唐草模様との間が前後方向へ抜けた状態に形成されている。この右円弧装飾部2420の表面には、金属光沢を有したメッキ層が備えられている。また、右円形装飾部2421は、前方へ膨出し透光性を有した円形の中央部と、中央部の外周から扇状に延び表面に金属光沢を有するメッキ層が形成された外延部とを備えている。更に、星形装飾部2422は、外形が星方の十角形で内形が外形の頂点から中心後方へ向かって多角錐状に形成された小星と、小星とは内形が逆方向(前方)へ突出し小星の約3倍の大星とを有し、大星の前面に五つの小星を周状に配置した形態となっており、表面全体に金属光沢を有したメッキ層が備えられている。
また、点状装飾部2423は、透明な合成樹脂によって前端が半球状に形成されており、遊技者があたかも砲弾状のLEDに見えるように形成されている。また、右ロゴ装飾部2424は、矩形状の枠内に所定のロゴが透光性を有した状態で形成されている。更に、上中ロゴ装飾部2425は、所定の大きさの五芒星における各頂点に小さい五芒星を夫々配置した基台と、基台の前面に配置され外形が略正方形のロゴ枠と、ロゴ枠内に配置される所定形状のロゴ部と、を有しており、基台の五つの小さい星とロゴ部が白色とされていると共に、その他の部位の表面に金属光沢を有したメッキ層が備えられている。
このセンター役物2400は、右円弧装飾部2420の後側に配置され円弧状に複数のLED2430aが実装された右円弧装飾基板2430と、右円形装飾部2421の後側に配置され前面に複数のLED2432aが実装された右円形装飾基板2432と、右ロゴ装飾部2424の後側に配置され前面に複数のLED2434aが実装された右ロゴ装飾基板2434(図186を参照)と、を備えている。なお、図示するように、右円弧装飾基板2430に実装されたLED2430aは、正面視で、右円弧装飾部2420における唐草模様状の部位に一部がかかるように配置されており、LED2430aの一部が遊技者側から臨むようになっている。
本例のセンター役物2400は、右円弧装飾基板2430のLED2430aを適宜色で発光させることで、右円弧装飾部2420を円弧状に発光装飾させることができると同時に、点状装飾部2423を発光装飾させることができるようになっている。また、右円形装飾基板2432のLED2432aを適宜色で発光させることで、右円形装飾部を発光装飾させることができるようになっている。更に、右ロゴ装飾基板2434のLED2434aを適宜色で発光させることで、右ロゴ装飾部2424を発光装飾させることができるようになっている。
このセンター役物2400は、詳細な図示は省略するが、フランジ部2401と前壁部2403の表面に、金属光沢を有したメッキ層が備えられており、右円弧装飾部2420、右円形装飾部2421の外延部、星形装飾部2422、右ロゴ装飾部2424等と共に、金属光沢を有したメッキ層によって光の反射率が高く、全体が煌びやかにキラキラと光るようになっている。特に、星形装飾部2422では、表面(前面)に大小様々な複数の多角錐が形成されており、入射してきた光を宝石の如くキラキラと反射させることができるようになっている。
なお、センター役物2400では、挿入壁部2402がステージ2410を含めて無色透明な合成樹脂によって形成されており、ステージ2410を通して下側後に配置された裏ユニット3000の下部可動装飾体ユニット3600が見えるようになっている。また、センター役物2400の枠内を通して後側に配置された裏ユニット3000の上部可動装飾体ユニット3200の右ロゴ可動装飾体3230及び左ロゴ可動装飾体3235や液晶表示装置1400が遊技者側から良好に見えるようになっている。
[2−5.裏前ユニット]
続いて、本実施形態のパチンコ機1の遊技盤4における裏ユニット3000の裏前ユニット3000aの詳細な構成について、主に図163乃至図166を参照して説明する。図163は裏ユニットにおける裏前ユニットを前から見た斜視図であり、図164は裏前ユニットを後から見た斜視図である。また、図165は、裏前ユニットを主要な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。更に、図166は、裏前ユニットを主要な部材毎に分解して後から見た分解斜視図である。
本例の裏ユニット3000における裏前ユニット3000aは、後述する裏前ユニット3000bにおける裏箱本体3100と共に裏箱621を形成し、裏箱本体3100の前端開口を閉鎖すると共に遊技パネル600を保持するパネルホルダ630の後側に取付けられ外形が矩形状で枠状に形成された裏箱前板3010と、裏箱前板3010の前面上部に取付けられる裏前上部装飾部材3020と、裏箱前板3010の前面左部に取付けられる裏前左部装飾部材3030と、裏箱前板3010の前面下部に取付けられる裏前下部装飾部材3040と、裏前下部装飾部材3040の右側に配置されアタッカユニット2100における第一始動口2101と右側の二つの一般入賞口2104へ受入れられた遊技球を受取って下方へ誘導する右球誘導部材3050と、裏前下部装飾部材3040の左側に配置されアタッカユニット2100における左側の二つの一般入賞口2104へ受入れられた遊技球を受取って下方へ誘導する左球誘導部材3060と、裏箱前板3010の前面右上隅部付近に取付けられセンター役物2400の星形装飾部2422と同じ形態とされた複数の星形装飾部材3070と、を備えている。
裏前ユニット3000aにおける裏箱前板3010は、透明な合成樹脂によって形成されており、図示するように、外形が略矩形状とされると共に所定形状で前後方向へ大きく貫通した開口部3011を有した板枠状の本体壁部3012と、本体壁部3012の外周縁に沿って前方へ短く延出した外壁部3013と、上下方向の中央よりもやや下寄りの位置から上側では開口部3011の内周縁に沿い、中央よりもやや下寄りの位置から上側では本体壁部3012の前面から前方へ短く延出した内壁部3014と、外壁部3012の前端から外方へフランジ状に延出しパネルホルダ630へ取付けるための固定部621aと、を備えている。
この裏箱前板3010の開口部3011は、図示するように、略矩形状の本体壁部3012に対して上側へ偏芯した位置に形成されており、枠状の本体壁部3012の下部前面が上部前面よりも広く形成されている。また、内壁部3014は、左右両辺側が遊技領域605の内周と略沿った円弧状に形成されていると共に、下辺側における左右方向の中央が上側へ膨らんだ円弧状に形成されている。なお、詳細な説明は省略するが、本体壁部3012における外壁部3013と内壁部3014との間のには、裏前上部装飾部材3020、裏前左部装飾部材3030、裏前下部装飾部材3040、右球誘導部材3050、左球誘導部材3060、及び星形装飾部材3070や、裏後ユニット3000bにおける裏箱本体3100等を取付けるための取付ボスや取付孔等が適宜位置に形成されている。
また、裏前ユニット3000aにおける裏前上部装飾部材3020は、上端が遊技領域605の内周と略沿った円弧状で横長に形成され、遊技領域605の左右方向中央と対応する位置に上端の円弧よりも曲率の小さい円弧状の上円弧装飾部3021と、上円弧装飾部3021の左側に配置された上左ロゴ装飾部3022と、上左ロゴ装飾部3022及び上円弧装飾部3021の外周を覆うように複数配置されセンター役物2400における星形装飾部2422と同形態の星形装飾部3023と、上円弧装飾部3021の後側に配置され円弧状に複数のLED3024a(図186を参照)が実装された上円弧装飾基板3024と、上円弧装飾基板3024の下側且つ星形装飾部3023の後側に配置され下面に下方へ向かって光を照射可能な複数のLED3025a(図186を参照)が実装された上部装飾基板3025と、を備えている。
この裏前上部装飾部材3020の上円弧装飾部3021は、表面に金属光沢を有したメッキ層を備えており、円弧状の枠内に唐草模様状の装飾を有し枠と唐草模様との間が前後方向へ抜けた状態に形成されている。上円弧装飾部3021の後側に配置された上円弧装飾基板3024は、各LED3024aが、正面視で上円弧装飾部3021における唐草模様に一部がかかるように配置されており、LED3024aの一部が遊技者側から臨むようになっている。この上円弧装飾基板3024のLED3024aを適宜色で発光させることで、上円弧装飾部3021を発光装飾させることができるようになっている。
また、裏前上部装飾部材3020の上左ロゴ装飾部3022は、所定の大きさの五芒星における各頂点に小さい五芒星を夫々配置した基台と、基台の前面に配置され外形が略正方形のロゴ枠と、ロゴ枠内に配置される所定形状のロゴ部と、を有しており、基台の五つの小さい星とロゴ部が白色とされていると共に、その他の部位の表面に金属光沢を有したメッキ層が備えられている。この上左ロゴ装飾部3022は、センター役物2400における右ロゴ装飾部2424のおよそ半分の大きさとされている。また、裏前上部装飾部材3020は、星形装飾部3023の表面にも金属光沢を有したメッキ層が備えられている。更に、上部装飾基板3025のLED3025aを適宜色で発光させることで、下側に配置される裏後ユニット3000bの上部稼動装飾体ユニット3200、下部可動装飾体ユニット3600等や、センター役物2400におけるステージ2410等を発光装飾させることができるようになっている。
裏前ユニット3000aにおける裏前左部装飾部材3030は、遊技領域605の内周に沿って形成されると共に、正面視で表ユニット2000におけるサイド装飾部材2200の左下円弧装飾部2205と連続するように形成された円弧状の左上円弧装飾部3031と、左上円弧装飾部3031の上端に配置された円形状の左円形装飾部3032と、左上円弧装飾部3031の内側(正面視右側)に配置され外形が矩形状の左ロゴ装飾部3033と、左上円弧装飾部3031の内側と左上円弧装飾部3031の上端付近から裏前上部装飾部材3020の左端へ連続するように複数配置された星形装飾部3034と、左上円弧装飾部3031の後側に配置され前面に複数のLED3035a(図186を参照)が円弧状に実装された左上円弧装飾基板3035と、左円形装飾部3032の後側に配置され前面にLED3036a(図186を参照)が実装された左円形装飾基板3036と、を備えている。
裏前左部装飾部材3030における左上円弧装飾部3031は、表面に金属光沢を有したメッキ層を備えており、円弧状の枠内に唐草模様状の装飾を有し枠と唐草模様との間が前後方向へ抜けた状態に形成されている。左上円弧装飾部3031の後側に配置された左上円弧装飾基板3035は、各LED3035aが、正面視で左上円弧装飾部3031における唐草模様に一部がかかるように配置されており、LED3035aの一部が遊技者側から臨むようになっている。この左上円弧装飾基板3035のLED3035aを適宜色に発光させることで、左上円弧装飾部3021を発光装飾させることができるようになっている。なお、左上円弧装飾部3031は、内側辺(正面視右側辺)が裏箱前板3010の内壁部3014と略接するように、内壁部3014よりも外側(外壁部3013と内壁部3014との間)に位置されている。
裏前左部装飾部材3030の左円形装飾部3032は、前方へ膨出し透光性を有した円形の中央部と、中央部の外周から扇状に延び表面に金属光沢を有するメッキ層が形成された外延部とを備えており、円形の中央部の径が、センター役物2400における右円形装飾部2421よりも小径とされている。この左円形装飾部3032の後側には、左円形装飾基板3036が配置されており、左円形装飾基板3036のLED3036aを適宜色に発光させることで、左円形装飾部3032を発光装飾させることができるようになっている。
また、裏前左部装飾部材3030の左ロゴ装飾部3033は、裏前上部装飾部材3020の上左ロゴ装飾部3022と同様に、所定の大きさの五芒星における各頂点に小さい五芒星を夫々配置した基台と、基台の前面に配置され外形が略正方形のロゴ枠と、ロゴ枠内に配置される所定形状のロゴ部と、を有しており、基台の五つの小さい星とロゴ部が白色とされていると共に、その他の部位の表面に金属光沢を有したメッキ層が備えられている。この左ロゴ装飾部3033は、上左ロゴ装飾部3022と略同じ大きさとされている。
更に、裏前左部装飾部材3030の星形装飾部3034は、センター役物2400の星形装飾部2422と同様に、外形が星方の十角形で内形が外形の頂点から中心後方へ向かって多角錐状に形成された小星と、小星とは内形が逆方向(前方)へ突出し小星の約3倍の大星とを有し、大星の前面に五つの小星を周状に配置した形態となっており、表面全体に金属光沢を有したメッキ層が備えられている。
裏前ユニット3000aにおける裏前下部装飾部材3040は、裏箱前板3010の内壁部3014における下辺に形成された円弧状の部位の下側と略接するように上側へ膨らんだ半円弧状の下円弧装飾部3041と、下円弧装飾部3041の半円弧内を閉鎖する半円板状の下円弧内装飾部3042と、下円弧装飾部3041の後側に配置され前面に複数のLED3043a(図186を参照)が円弧状に実装された下円弧装飾基板3043と、下円弧内装飾部3042の後側に取付けられ所定の磁気を検出可能な磁気検出センサ3044と、を備えている。この裏前下部装飾部材3040は、正面視で、下円弧装飾部3041がアタッカユニット2100の外周を囲うように形成されている(図148等を参照)。
この裏前下部装飾部材3040の下円弧装飾部3041は、表面に金属光沢を有したメッキ層を備えており、円弧状の枠内に唐草模様状の装飾を有し枠と唐草模様との間が前後方向へ抜けた状態に形成されている。下円弧装飾部3040の後側に配置された下円弧装飾基板3043は、各LED3043aが、正面視で下円弧装飾部3041における唐草模様に一部がかかるように配置されており、LED3043aの一部が遊技者側から臨むようになっている。この下円弧装飾基板3043のLED3043aを適宜色で発光させることで、下円弧装飾部3041を発光装飾させることができるようになっている。
裏前下部装飾部材3040の下円弧内装飾部3042は、図示するように、表面に金属光沢を有したメッキ層を備えており、放射状に延びた棒状のレリーフが周方向に列設されている。この下円弧内装飾部3042は、左右方向の中央に所定形状で前後方向に貫通した開口部3042aを有しており、その開口部3042a内にアタッカユニット2100におけるアタッカ駆動ユニット2120の後端が挿入されるようになっている。なお、下円弧内装飾部3042は、放射状に延びたレリーフ部が、他とは異なる色のメッキ層とされている。
裏前ユニット3000aにおける右球誘導部材3050は、アタッカユニット2100における第一始動口2101に受入れられて対応する樋部2110bにより遊技パネル600の後側へ誘導され、始動口駆動機構ベース2123の第一誘導部2123aによって右方向へ誘導された遊技球を受取って下方へ誘導排出する右第一球通路3051と、アタッカユニット2100における正面視右側の二つの一般入賞口2104に受入れられて対応する樋部2110bにより夫々遊技パネル600の後側へ誘導された遊技球を夫々受取って、一箇所から下方へ誘導排出する右第二球通路3052と、を備えている。
この右球誘導部材3050には、右第一球通路3051の上端付近に、第一始動口2101に受入れられた遊技球を検知する第一始動口センサ3080が取付けられるようになっている。また、右球誘導部材3050には、右第二球通路3052の下端付近に、アタッカユニット2100における右側に配置された二つの一般入賞口2104へ受入れられた遊技球を検知する一般入賞口センサ3081が取付けられるようになっている。
裏前ユニット3000aにおける左球誘導部材3060は、アタッカユニット2100における正面視左中央側の一般入賞口2104に受入れられて、対応する樋部2110bにより遊技パネル600の後側へ誘導された遊技球を受取って下方へ誘導排出する左第一球通路3061と、アタッカユニット2100における正面視左外側の一般入賞口2104に受入れられて、対応する樋部2110bにより遊技パネル600の後側へ誘導された遊技球を受取って下方へ誘導排出する左第二球通路3062と、を備えている。
この左球誘導部材3060は、左第一球通路3061と左第二球通路3062の夫々下端付近に、アタッカユニット2100における正面視左側の二つの一般入賞口2104へ受入れられた遊技球を夫々検知する一般入賞口センサ3081が取付けられるようになっている。
また、裏前ユニット3000aにおける星形装飾部材3070は、上述した星形装飾部2422,3023,3034等と同様の構成となっている。
本例の裏前ユニット3000aは、図148等に示すように、裏前上部装飾部材3020、裏前左部装飾部材3030、裏前下部装飾部材3040、及び星形装飾部材3070が、センター役物2100よりも外側に位置するように備えられており、透明な遊技パネル600を通して遊技者側から視認できるようになっている。また、裏前上部装飾部材3020、裏前左部装飾部材3030、裏前下部装飾部材3040、及び星形装飾部材3070は、透明な遊技パネル600の後側に配置されているので、上円弧装飾基板3024、左上円弧装飾基板3035、左円形装飾基板3036、下円弧装飾基板3043等によって夫々を発光装飾させることができると共に、それらからの光が透明な遊技パネル600で反射して前面側へ照射されることで、表面に備えられたメッキ層で更に遊技者側へ反射させることができ、キラキラした発光装飾を行うことができるようになっている。
[2−6.裏後ユニットの全体構成]
続いて、本実施形態のパチンコ機1の遊技盤4における裏ユニット3000の裏後ユニット3000bの全体構成について、主に図167乃至170を参照して説明する。図167は裏ユニットにおける裏後ユニットを斜め前から見た斜視図であり、図168は裏ユニットにおける裏後ユニットを斜め後から見た斜視図である。また、図169は裏後ユニットを主要な部材毎に分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図170は裏後ユニットを主要な部材毎に分解して斜め後から見た分解斜視図である。
本例の裏ユニット3000における裏後ユニット3000bは、裏前ユニット3000aの裏箱前板3010と共に裏箱621を形成し、前側が開放された箱状で後壁621bに前後方向へ貫通した矩形状の開口621cを有した裏箱本体3100と、裏箱本体3100内で開口621cよりも上側に取付けられる上部可動装飾体ユニット3200と、裏箱本体3100内で上部可動装飾体ユニット3200の下側且つ開口621cの左右両側に取付けられるサイド可動装飾体ユニット3400と、裏箱本体3100内で開口621cの下側に取付けられる下部可動装飾体ユニット3600と、裏箱本体3100の後側下部に取付けられ第一ランプ駆動基板3801及び第二ランプ駆動基板3802(図185を参照)を収容したランプ駆動基板ボックス3804と、ランプ駆動基板ボックス3804の左側(背面視では右側)に取付けられアタッカユニット2100のアタッカユニット中継基板2130やゲートセンサ2304、周辺制御基板4140等と主制御基板4100との接続を中継するパネル中継基板3806と、裏箱本体3100における後壁621b後面の左右両辺付近に取付けられた右中継端子板3808及び左中継端子板3810と、を備えている。
裏後ユニット3000bにおける裏箱本体3100は、図示するように、前側が開放された箱状に形成され、後壁621bに前後方向へ貫通した矩形状の開口621cが形成されている。この裏箱本体3100には、後壁621bの後面で開口621cの左側(背面視で右側)に外側へ向かって窪んだ二つの固定溝3102と、開口621cを挟んで反対側に取付けられるロック部材(図示は省略)と、を備えており、固定溝3102内に液晶表示装置1400の左側面から突出した固定片1402を挿入した上で、右側面の固定片1402をロック部材で支持することで、裏箱本体3100の後側に液晶表示装置1400を着脱可能に取付けることができるようになっている。裏箱本体3100の後側に取付けられた液晶表示装置1400は、その表示画面が開口621cを介して前側から臨むようになっている。
また、裏箱本体3100は、後壁621bの後面における開口621cの右側(背面視で左側)に、右中継端子板3808を支持しするための端子板取付台3104を備えている。この端子板取付台3104は、右中継端子板3808を取付ける部位が、正面視で開口621c内に位置した固定位置と、開口621cよりも外側に位置した開放位置との間で回動するようになっている。この端子板取付台3104は、裏箱本体3100に対して液晶表示装置1400を着脱する際に、開放位置へ回動させることで、端子板取付台3104(右中継端子板3808)が邪魔になることなく、液晶表示装置1400を着脱させることができるようになっていると共に、液晶表示装置1400を取付けた後では、端子板取付台3104を固定位置へ回動させて、液晶表示装置1400の背面に位置させることで、後側への突出量を少なくすることができるようになっている。
更に、裏箱本体3100は、後壁621bの前面で開口621cの左右両側及び下側に、所定の装飾が施された板状の背面装飾板3106を備えている。なお、詳細な説明は省略するが、裏箱本体3100には、裏箱前板3010、上部可動装飾体ユニット3200、サイド可動装飾体ユニット3400、下部可動装飾体ユニット3600、ランプ駆動基板ボックス3804、パネル中継基板3806等を取付固定するための取付ボスや取付孔等が適宜位置に形成されている。また、本例では、裏箱本体3100が黒色で不透光性の剛性樹脂によって形成されており、遊技者側から見た時に、上部可動装飾体ユニット3200、サイド可動装飾体ユニット3400、及び下部可動装飾体ユニット3600の後側が暗くなり、実際よりも奥行きがあるように錯覚させることができると共に、発光装飾させた時にコントラストを強くすることができ、より装飾効果の高い発光装飾をさせることができるようになっている。
なお、裏箱本体3100の後側に取付けられるランプ駆動基板ボックス3804は、図185に示すように、二つの第一ランプ駆動基板3801と第二ランプ駆動基板3802とを互いが対向するように保持している。
[2−7.上部可動装飾体ユニット]
次に、裏後ユニット3000bにおける上部可動装飾体ユニット3200について、主に図171乃至178を参照して説明する。図171は裏ユニットにおける裏後ユニットの上部可動装飾体を斜め前から見た斜視図であり、図172は裏ユニットにおける裏後ユニットの上部可動装飾体ユニットを斜め後から見た斜視図である。また、図173は上部可動装飾体ユニットを主要な部材毎に分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図174は上部可動装飾体ユニットを主要な部材毎に分解して斜め後から見た分解斜視図である。更に、図175は上部可動装飾体ユニットのユニットベースとスライダカバーを省略した状態で示す平面図であり、図176は上部可動装飾体ユニットにおける本体ユニットと、星ユニットとの関係を示す正面図であり、図177は上部可動装飾体ユニットにおけるLEDの配置を示す正面図である。また、図178は、上部可動装飾体ユニットの動きを示す説明図である。
本実施形態の裏後ユニット3000bにおける上部可動装飾体ユニット3200は、裏箱本体3100内で開口621cの上側に取付けられ左右方向へ延びた本体ユニット3210と、本体ユニット3210の前面右側に配置され本体ユニット3210によって左右方向へ移動可能とされた右ロゴ可動装飾体3230と、右ロゴ可動装飾体3230と並ぶように本体ユニット3210の前面左側に配置され本体ユニット3210によって左右方向へ移動可能とされた左ロゴ可動装飾体3235と、右ロゴ可動装飾体3230及び左ロゴ可動装飾体3235と本体ユニット3210との間に配置され本体ユニット3210によって昇降可能とされた星ユニット3240と、を備えている。
上部可動装飾体ユニット3200の本体ユニット3210は、左右方向へ延びたユニットベース3211と、ユニットベース3211の後側で左右両端付近に回転軸が上方へ突出するように取付けられた一対のロゴ駆動モータ3212と、ロゴ駆動モータ3212の回転軸に固定されるロゴ駆動ギア3213と、ロゴ駆動ギア3213と噛合し左右方向へ直線状に延びたラックギア3214aを備えユニットベース3211の左右上部で左右方向へスライド可能に支持された一対のスライダ3214と、スライダ3214の上側を覆うようにユニットベース3211の上面に取付けられるスライダカバー3215と、を備えている。
また、本体ユニット3210は、ユニットベース3211の後側で左右方向の中央と左右両端との中間位置に回転軸3216aが前方へ突出するように取付けられた一対の星ユニット昇降駆動モータ3216と、星ユニット昇降駆動モータ3216の回転軸3216aに固定されると共にユニットベース3211の前面に配置され回転軸3216aに対して直角方向へ延びた昇降アーム3217と、昇降アーム3217の先端に前方へ突出するように取付けられた昇降ピン3218と、昇降アーム3217の回転範囲よりも外側でユニットベース3211の前面両端に複数取付けられた星形状の星形装飾部3219と、を備えている。
更に、本体ユニット3210は、ユニットベース3211の上部の所定位置に取付けられスライダ3214のスライド位置を検知する一対のスライド検知センサ3220と、ユニットベース3211の前面に取付けられ昇降アーム3217の回動位置を検知する一対の昇降検知センサ3221と、ユニットベース3211の後側で左右方向の中央部と左右の星ユニット昇降駆動モータ3216との間に夫々取付けられた上部右中継端子板3222、及び上部左中継端子板3223と、を備えている。
本体ユニット3210におけるユニットベース3211は、図示するように、左右方向の中央に上方に延出し前側が開放された縦長箱状の収納部3211aを備えており、この収納部3211a内に後述する星ユニット3240の星回転駆動モータ3242が上下方向へ移動可能に収納されるようになっている。また、ユニットベース3211は、星ユニット昇降駆動モータ3216を支持した付近の前面に前方へ突出した昇降ストッパ3211bを備えており、上昇位置に位置した昇降アーム3217が当接して昇降アーム3217の回動端を規制することができるようになっている。
また、本体ユニット3210におけるスライダ3214は、左右方向へ延びた板状に形成されており、後端辺に沿ってロゴ駆動ギア3213と噛合するラックギア3214aが形成されている。また、スライダ3214には、ユニットベース3211に対して中央寄り側の後端部に検知片3214bを備えており、この検知片3214bがスライド検知センサ3220によって検知されるようになっている。更に、スライダ3214は、ユニットベース3211に対して中央寄りの前端に左右方向へ所定距離離間した状態で前方へ突出する一対の取付ボス3214cを備えており、この取付ボス3214cに右ロゴ可動装飾体及3230び左ロゴ可動装飾体3235が夫々取付けられるようになっている。
更に、本体ユニット3210における昇降アーム3217は、星ユニット昇降駆動モータ3216の回転軸3216aに固定されると共に、回転軸3216aに対して偏芯した位置に昇降ピン3218を支持している。また、昇降アーム3217には、図176に示すように、所定位置にユニットベース3211の前面に取付けられた昇降検知センサ3221によって検知される検知片を有している。この昇降アーム3217は、昇降アーム3217を上昇位置に回動させた時に、検知片がユニットベース3211の昇降ストッパ3211bと当接するようになっている。
また、本体ユニット3210における星形装飾部3219は、裏表ユニット3000aの星形装飾部3034と同様に、外形が星方の十角形で内形が外形の頂点から中心後方へ向かって多角錐状に形成された小星と、小星とは内形が逆方向(前方)へ突出し小星の約3倍の大星とを有し、大星の前面に五つの小星を周状に配置した形態となっており、表面全体に金属光沢を有したメッキ層が備えられている。
上部可動装飾体ユニット3200における右ロゴ可動装飾体3230は、外形が立体的で前面にレリーフ状のロゴ部3231a及び星形状の星部3231bを有し透光性を有し合成樹脂によって形成された本体部3231と、本体部3231の前側に保持されロゴ部3231aや星部3231bが通過可能な開口3232aを有した前面ロゴ枠3232と、本体部3231内に配置され前面に複数のLED3233a(図177を参照)が実装された右ロゴ装飾基板3233と、右ロゴ装飾基板3233の後側を覆い本体部3231の後面に取付けられる基板カバー3234と、を備えている。
この右ロゴ可動装飾体3230における本体部3231は、詳細な図示は省略するが、ロゴ部3231aの前面が滑らかな形状とされているのに対して、ロゴ部3231aの後面が複雑な多面形状とされており、ロゴ部3231aがプリズム状のレンズとなっている。これにより、ロゴ部3231aへ入射した光が、内部で乱屈折すると共に分光され、複雑で綺麗な虹色に見えるようになっている。また、本体部3231の星部3231bは、中心が前方へ突出した角錐状に形成されている。また、本体部3231は、上部後端から斜め上方後側へ板状に延出しする固定部3231cを更に備えており、この固定部3231cがスライダ3214の取付ボス3214cに取付けられるようになっている。
また、右ロゴ可動装飾体3230における前面ロゴ枠3232は、表面に金属光沢を有したメッキ層を備えている。また、前面ロゴ枠3232は、正面視右上隅に、上右ロゴ装飾部3232bを備えている。この上右ロゴ装飾部3232bは、裏前ユニット3000aにおける上左ロゴ装飾部3022や左ロゴ装飾部3033は、と同様に、所定の大きさの五芒星における各頂点に小さい五芒星を夫々配置した基台と、基台の前面に配置され外形が略正方形のロゴ枠と、ロゴ枠内に配置される所定形状のロゴ部と、を有しており、基台の五つの小さい星とロゴ部が白色とされていると共に、その他の部位の表面に金属光沢を有したメッキ層が備えられている。この上右ロゴ装飾部3232bは、上左ロゴ装飾部3022や左ロゴ装飾部3033と略同じ大きさとされている。
本例の右ロゴ可動装飾体3230は、右ロゴ装飾基板3233のLED3233aを適宜色で発光させることで、ロゴ部3231aや星部3231bを発光装飾させることができるようになっている。なお、詳細な図示は省略するが、本体部3231内には、ロゴ部3231aと星部3231bとを仕切る不透光性の仕切壁を備えており、ロゴ部3231aと星部3231bとを別々に発光装飾させることができるようになっている。
上部可動装飾体ユニット3200における左ロゴ可動装飾体3235は、外形が立体的で前面にレリーフ状のロゴ部3236a及び星形状の星部3236bを有し透光性を有し合成樹脂によって形成された本体部3236と、本体部3236の前側に保持されロゴ部3236aや星部3236bが通過可能な開口3237aを有した前面ロゴ枠3237と、本体部3236内に配置され前面に複数のLED3238a(図177を参照)が実装された左ロゴ装飾基板3238と、左ロゴ装飾基板3238の後側を覆い本体部3236の後面に取付けられる基板カバー3239と、を備えている。
この左ロゴ可動装飾体3235における本体部3236は、詳細な図示は省略するが、ロゴ部3236aの前面が滑らかな形状とされているのに対して、ロゴ部3236aの後面が複雑な多面形状とされており、ロゴ部3236aがプリズム状のレンズとなっている。これにより、ロゴ部3236aへ入射した光が、内部で乱屈折すると共に分光され、複雑で綺麗な虹色に見えるようになっている。また、本体部3236の星部3236bは、中心が前方へ突出した角錐状に形成されている。また、本体部3236は、上部後端から斜め上方後側へ板状に延出しする固定部3236cを更に備えており、この固定部3236cがスライダ3214の取付ボス3214cに取付けられるようになっている。更に、また、左ロゴ可動装飾体3235における前面ロゴ枠3237は、表面に金属光沢を有したメッキ層を備えている。
本例の左ロゴ可動装飾体3235は、左ロゴ装飾基板3238のLED3238aを適宜色で発光させることで、ロゴ部3236aや星部3236bを発光装飾させることができるようになっている。なお、詳細な図示は省略するが、本体部3236内には、ロゴ部3236aと星部3236bとを仕切る不透光性の仕切壁を備えており、ロゴ部3236aと星部3236bとを別々に発光装飾させることができるようになっている。
上部可動装飾体ユニット3200における星ユニット3240は、左右方向へ広がった板状の星ユニットベース3241と、星ユニットベース3241の左右方向の中央上部後側に取付けられ前側へ回転軸が延びだした星回転駆動モータ3242と、星回転駆動モータ3242の回転軸に固定された駆動ギア(図示は省略する)と、駆動ギアと噛合し星ユニットベースにおける左右方向略中央に配置された従動ギア(図示は省略する)と、従動ギアの軸心に固定される軸部3245aを有し星ユニットベース3241の前側に配置される所定の大きさの星形回転装飾体3245と、星形回転装飾体3245と略同じ大きさの星部3246a、及び星部3246a内所定位置に配置され前後方向へ貫通した複数の開口部3246bを有し、星形回転装飾体3245と従動ギアとの間に配置されると共に星形回転装飾体3245の軸部3245aを回転可能に軸支し、従動ギア及び駆動ギアの前側を覆う星ベース3246と、星ベース3246における星部3246aと従動ギアとの間に配置され星ベース3246の開口部3246bを通して前側へ臨むように複数のLED3247aが前面に実装された星装飾基板3247(図177を参照)と、を備えている。
また、星ユニット3240は、星ユニットベース3241の前面で星ベース3246の星部3246aよりも左右両外側に夫々二つずつ配置され星形回転装飾体3245よりも小さい星形装飾体3248と、星ユニットベース3241の後側で左右の二つの星形装飾体3248と対応する位置に取付けられ複数のLED3249a(図177を参照)が前面に実装された左右の上部星装飾基板3249と、星ユニットベース3241に取付けられ星形回転装飾体32445と共に回転する従動ギアの回転位置を検知可能な星回転検知センサ3250と、を備えている。
星ユニット3240における星ユニットベース3241は、左右両端上部に本体ユニット3210における昇降ピン3218が挿通可能とされ前後方向へ貫通し左右方向へ延びた一対の長孔3241aを備えている。この星ユニットベース3241における左右の長孔3241a内に本体ユニット3210の左右の昇降ピン3218が挿通されることで、星ユニット3240が本体ユニット3210に支持されるようになっている。なお、本例では、昇降ピン3218には、摺動ブッシュが回動可能に挿入されており、摺動ブッシュを介して昇降ピン3218が長孔3241a内に挿入されていると共に、摺動ブッシュが長孔3241a内を左右方向へ摺動(転動)するようになっている。
また、星ユニットベース3241は、前面の略全体に、本体ユニット3210の星形装飾部3219と同様の星形装飾部3241bを複数備えている。なお、この星ユニットベース3241は、透明な合成樹脂によって形成されており、一部の星形装飾部3241bの前面のみ金属光沢を有したメッキ層が施されており、残りの星形装飾部3241b、長孔3241aが形成された部位や星形装飾体3248が取付けられる位置にはメッキ層が施されておらず透明な状態となっている。
星ユニット3240における星形回転装飾体3245は、外形が五芒星状に形成され中心から後方へ軸部3245aが延出した透明板状の回転星ベース3245bと、回転星ベース3245bの前面を覆うように回転星ベース3245bに取付けられ回転星ベース3245bの外周辺に沿って複数重に枠状に形成されると共に表面に金属光沢を有するメッキ層を備えた回転星枠3245cと、回転星枠3245cと回転星ベース3245bとの間に配置され透光性を有した回転星レンズ3245dと、を備えている。この星形回転装飾体3245は、星装飾基板3247のLED3247aを適宜色で発光させることで、発光装飾することができるようになっている。
また、星ユニット3240における星装飾基板3247は、図177に示すように、五芒星状に形成された外側の各頂点付近に配置されたLED3247aが、星形回転装飾体3245における内側の各頂点よりも外側に配置されており、星形回転装飾体3245が回転すると、それらのLED3247aが遊技者側から臨むようになっている(図178(D)を参照)。これにより、LED3247aを発光させた状態で星形回転装飾体3245を回転すると、一部のLED3247aからの光が星形回転装飾体3245を通さずに直接遊技者側へ照射させることができるので、瞬間的に遊技者側を眩しくさせることで発光装飾のキラキラ感を高めることができるようになっている。
星ユニット3240における星形装飾体3248は、星形回転装飾体3245よりも小さく、星ユニットベース3241の星形装飾部3241bよりも大きく五芒星の枠状に形成され、表面に金属光沢を有すめメッキ層を備えた枠部と、枠部内に配置され透明星形のレンズ部と、を備えている。この星形装飾部3248は、後側に配置された上部星装飾基板3249のLED3249aを適宜色で発光させることにより、発光装飾させることができるようになっている。
本例の上部可動装飾体ユニット3200は、図173や図174等に示すように、星ユニット3240の星回転駆動モータ3242が後方へ突出するように星ユニットベース3241の後側に取付けられており、後方へ突出した星回転駆動モータ3242が、組立てた状態では本体ユニット3210におけるユニットベース3211の収納部3211a内に収納されるようになっている(図171を参照)。
また、上部可動装飾体ユニット3200は、図171や図172等に示すように、組立てた状態では、右ロゴ可動装飾体3230及び左ロゴ可動装飾体3235が星ユニット3240よりも前方へ位置するようになっており、右ロゴ可動装飾体3230及び左ロゴ可動装飾体3235によって星ユニット3240を遊技者側から隠蔽(見難く)することができるようになっている。
続いて、上部可動装飾体ユニット3200の動きについて説明する。本例の裏ユニット3000の裏後ユニット3000bにおける上部可動装飾体ユニット3200は、左右に配置されたロゴ駆動モータ3212を夫々回転させることで、左右のスライダ3214を介して右ロゴ可動装飾体3230及び左ロゴ可動装飾体3235を左右方向へ移動させることができるようになっている。この上部可動装飾体ユニット3200は、図178(A)に示すように、右ロゴ可動装飾体3230と左ロゴ可動装飾体3235とが互いに接近した状態、つまり、左右方向における中央側へ移動させた状態では、右ロゴ可動装飾体3230と左ロゴ可動装飾体3235とによって中央に配置された星形回転装飾体3245が遊技者側から見難くなるようになっている。
また、右ロゴ可動装飾体3230と左ロゴ可動装飾体3235とが互いに接近した状態では、右ロゴ可動装飾体3230と左ロゴ可動装飾体3235とが連続した状態となり、具体的な図示は省略するが、右ロゴ可動装飾体3230と左ロゴ可動装飾体3235とで表された夫々のロゴが一つのロゴとなって遊技者に対してパチンコ機1のコンセプトを認識させ易くすることができるようになっている。
そして、左右のロゴ駆動モータ3212を互いに異なる方向へ回転駆動させることで、右ロゴ可動装飾体3230及び左ロゴ可動装飾体3235が互いに離反する方向(左右方向の外方向)へと移動し、中央に配置された星形回転装飾体3245が遊技者側から視認することができるようになる(図178(B)を参照)。なお、右ロゴ可動装飾体3230及び左ロゴ可動装飾体3235の移動位置は、左右のスライダ3214の検知片3214bをスライド検知センサ3220によって検知することで、右ロゴ可動装飾体3230及び左ロゴ可動装飾体3235の左右位置を特定することができるようになっている。
また、上部可動装飾体ユニット3200は、左右に配置された星ユニット昇降駆動モータ3216を夫々互いに異なる方向へ回転駆動させることで、左右の昇降アーム3217を介して支持された星ユニット3240を昇降させることができるようになっている。具体的には、図176に示すように、星ユニット3240が上昇位置の時では、昇降アーム3217の検知片3217aがユニットベース3211の昇降ストッパ3211bの上面に当接した状態となっていると共に、昇降アーム3217に支持された昇降ピン3218が摺動ブッシュを介して星ユニットベース3241における長孔3241aの外側端部と当接した状態となっている。これにより、昇降ピン3218の下方への移動が規制された状態となり、星ユニット昇降駆動モータ3216の駆動力がなくても星ユニット3240を上昇位置に停止した状態で維持させることができるようになっている。
この状態から、正面視で右側の星ユニット昇降駆動モータ3216を反時計周りの方向へ、左側の星ユニット昇降駆動モータ3216を時計回りの方向へ、夫々同時に同じ速度で回転させると、夫々の星ユニット昇降駆動モータ3216の回転軸3216aに固定された左右の昇降アーム3217が夫々異なる方向へ回動することとなる。左右の星ユニット昇降駆動モータ3216の回転により、左右の昇降アーム3217に支持された昇降ピン3218が、星ユニットベース3241の長孔3241a内を左右方向へ摺動しながら互いに接近する方向へ移動すると共に上昇し、上死点に達した後に下降するような動きをする。この昇降ピン3218の上下方向の動きに伴って、星ユニット3240全体が上下動するようになっている。そして、左右の昇降ピン3218が下死点に到達すると、星ユニット昇降駆動モータ3216の回転駆動が停止して、星ユニット3240が下降位置に位置した状態となる(図178(C)を参照)。
星ユニット3240を下降位置に位置させた状態では、星ユニット3240の略全体が液晶表示装置1400における表示画面の上部前面に位置した状態となり、遊技者から星ユニット3240全体が充分に見えるような状態なるようになっている(図188等を参照)。また、星ユニット3240が下降位置の状態では、図示するように、左右の星形装飾体3248が、右ロゴ可動装飾体3230及び左ロゴ可動装飾体3235の下側に遊技者側へ露出した状態となり、上部星装飾基板3249による発光装飾を充分に遊技者に見せることができるようになっている。
また、星ユニット3240が下降位置の状態では、昇降ピン3218が星ユニット昇降駆動モータ3216の回転軸3216aから垂下した状態となり、回転軸3216aに対して回転モーメントが作用せず、星ユニット昇降駆動モータ3216の駆動力がなくても星ユニット3240を下降位置に維持することができるようになっている。
なお、下降位置の状態から星ユニット3240を上昇させるには、上述とは逆方向へ星ユニット昇降駆動モータ3216を夫々回転駆動させることで上昇させることができ、昇降ピン3218が上死点を越えて若干下降し、昇降アーム3217の検知片3217aが昇降ストッパ3211bの上面に当接するまで回転駆動させることで、上昇位置に干しユニット3240を復帰させることができるようになっている。なお、星ユニット3240の昇降は、昇降アーム3217の検知片3217aを昇降検知センサ3220によって検知することで、昇降地位を特定することができるようになっている。
この上部可動装飾体ユニット3200における星ユニット3240は、星回転駆動モータ3242によって前面の中央に配置された星形回転装飾体3245を回転させることができるようになっている(図178(D)を参照)。星回転駆動モータ3242によって星形回転装飾体3245を、時計回り或いは反時計周りの何れの方向へも回転させることができるようになっている。なお、星ユニット3240は、上昇位置の時でも星形回転装飾体3245を回転させることができ他に、上昇位置で右ロゴ可動装飾体3230及び左ロゴ可動装飾体3235が互いに接近した状態の時でも回転させることができるようになっている。また、星転駆動モータ3242により回転する従動ギアの検知片(図示は省略)を星回転検知センサ3250によって検知することで、星形回転装飾体3245の回転位置を特定することができるようになっている。
このように、本実施形態の上部可動装飾体ユニット3200によると、センター役物2400の枠内で液晶表示装置1400の上側を装飾することができると共に、左右方向へ移動する右ロゴ可動装飾体3230と左ロゴ可動装飾体3235、上下方向へ移動する星ユニット3240、及び回転する星形装飾体3245、の夫々異なる動きと発光装飾(発光演出)によって遊技者を楽しませることができ、遊技に飽き難くして遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
[2−8.サイド可動装飾体ユニット]
次に、裏後ユニット3000bにおけるサイド可動装飾体ユニット3400について、主に図179及び図180を参照して説明する。図179は、サイド可動装飾体ユニットを示す正面図である。また、図180は、サイド可動装飾体ユニットの動きを示す説明図である。本実施形態の裏後ユニット3000bにおけるサイド可動装飾体ユニット3400は、裏箱本体3100内で開口621cの左右上部で上部可動装飾体ユニット3200の下側に取付けられるものであり、左右のサイド可動装飾体ユニット3400が、略対称に形成されている。
このサイド可動装飾体ユニット3400は、図示するように、裏箱本体3100に取付けられるユニットベース3402と、ユニットベース3402の後側上部に回転軸が前方へ延出するように固定されるサイド駆動モータ3404(図169及び図170を参照)と、サイド駆動モータ3404の回転軸に一体回転可能に固定され回転軸に対して直角方向に延びたリンク部材(図示は省略する)と、リンク部材の回動位置を検知しユニットベース3402に取付けられるサイド回動検知センサ3408と、リンク部材の先端に固定され前方へ突出したリンクピン3410と、リンクピン3410が摺動可能に挿入され所定方向へ延びたスリット3412aを有し、ユニットベース3402に対してサイド駆動モータ3404の回転軸とは偏芯した位置で回動可能に軸支される装飾体ベース3412(図170を参照)と、を備えている。
また、サイド可動装飾体ユニット3400は、装飾体ベース3412の前側を覆い、軸支された側とは反対側の先端側付近に配置され前後方向へ貫通した大口3414a、大口3414aの外周に複数配置され大口3414aよりも小径の小口3414b、小口3414bと大口3414aとの間の大きさで軸支された基端側に複数配置された中口3414cを有した装飾体本体3414と、装飾体本体3414の大口3414a、中口3414c、及び小口3414bに後側から挿入されるレンズ部材3416と、レンズ部材3416と装飾体ベース3412との間で大口3414a及び小口3414bと対応した位置に配置され前面に複数のLED3418aが実装されたサイド先端装飾基板3418と、レンズ部材3416と装飾体ベース3412との間で中口3414cと対応した位置に配置され前面に複数のLED3420aが実装されたサイド基端装飾基板3420と、を備えている。
サイド可動装飾体ユニット3400における装飾体本体3414は、図示するように、上下方向へ延びた形態とされ、下端(先端)の矩形状に形成された部位の中央に大口3414aが形成されていると共に、大口3414aの外周四隅に小口3414bが形成されている。また、装飾体本体3414の上端(基端)には、左右に離反して配置された二つの円形部3414dと、円形部3414dの下側に三つ並んだ星部3414eとを備えており、星部3414eと大口3414aとの間に中口3414cが複数配列されている。この装飾体本体3414は、図示するように、大口3414aをスポットライトに見立てた照明スタンドを模した形態とされている。なお、装飾体本体3414は、表面に金属光沢を有したメッキ層が備えられている。
このサイド可動装飾体ユニット3400は、装飾体ベース3412が、ユニットベース3402に対して装飾体本体3414における内側(遊技領域605の中心側)に配置された円形部3414dを中心として回動可能に軸支されており、装飾体ベース3412と共に装飾体本体3414、レンズ部材3416、サイド先端装飾基板3418、及びサイド基端装飾基板3420が回動するようになっている。これら装飾体ベース3412等の回動範囲は、図180に示すように、装飾体本体3414の先端が下端となるように略垂直に垂下した状態から、装飾体本体3414の先端同士が互いに接近する方向(内側の方向)へ向かって約90度の角度範囲の間で回動するようになっている。なお、装飾体本体3414の先端が垂下した状態では、左右のサイド可動装飾体ユニット3400がセンター役物2400や裏前ユニット3000aにおける裏前左部装飾部材3030の後側に位置した退避位置とされており、遊技者側から見難い隠れた位置に位置している(図148等を参照)。
また。サイド可動装飾体ユニット3400は、サイド先端装飾基板3418のLED3418aやサイド基端装飾基板3420のLED3420aを適宜色で発光させることで、レンズ部材3416を通して、装飾体本体3414の大口3414a、中口3414c、小口3414bを発光装飾させることができるようになっている。また、サイド可動装飾ユニット3400の装飾体本体3414が退避位置の時に各LED3418a,3420aを発光させることで、センター役物2400における右側の部位や裏前左部装飾部材3030を後側から発光装飾させることができるようになっている。
[2−9.下部可動装飾体ユニット]
続いて、裏後ユニット3000bにおける下部可動装飾体ユニット3600について、主に図181乃至図184を参照して説明する。図181は、下部可動装飾体ユニットのユニットベースカバーと後昇降ベースを外した状態で示す背面図である。図182は、図181を斜め後から見た斜視図である。また、図183は、下部可動装飾体ユニットの動きを示す説明図である。図184は、下部可動装飾体ユニットにおけるLEDの配置を示す説明図である。
本実施形態の裏後ユニット3000bにおける下部可動装飾体ユニット3600は、裏箱本体3100内で開口621cの左右両外側下部付近に取付けられ後側が開放された箱状で上下方向へ延びたユニットベース3602と、ユニットベース3602の後端開口を閉鎖する板状のユニットベースカバー3604(図170を参照)と、ユニットベースカバー3604の後面下端付近に回転軸が前方へ突出するように取付けられる下部昇降駆動モータ3606と、下部昇降駆動モータ3606の回転軸に固定された駆動ギア(図示は省略)と、駆動ギアと噛合しユニットベース3602に回転可能に軸支された第一伝達ギア3610と、第一伝達ギア3610と噛合しユニットベース3602に回転可能に軸支された第二伝達ギア3612と、第二伝達ギア3612の前側に一体回転可能に固定された第三伝達ギア(図示は省略)と、第三伝達ギアと噛合しユニットベース3602に回転可能に軸支されたピニオンギア3616と、ピニオンギア3616と噛合する上下方向へ延びたラックギア3618aを有した昇降ラック3618と、昇降ラック3618を上下方向へスライド可能に支持しユニットベース3602内に取付けられる円柱状の昇降レール3620と、ユニットベースカバー3604の下端に取付けられ昇降ラック3618の下端に形成された検知片(図示は省略)を検知する下部昇降検知センサ3622と、を備えている。
また、下部可動装飾体ユニット3600は、左右に配置された昇降ラック3618に左右両端が取付けられる透明板状の後昇降ベース3630(図170を参照)と、後昇降ベース3630との間に所定量の隙間を形成するように後昇降ベース3630の前面に取付けられる透明板状の前昇降ベース3632と、前昇降ベース3632の前面で左右方向の中央に取付けられ外形が略円形状で円形及び星形の開口3634aを有した下部中央装飾部材3634と、下部中央装飾部材3634における円形及び星形の開口3634a内に後側から挿入される透明なレンズ部材3636(図169等を参照)と、レンズ部材3636と前昇降ベース3632との間に配置され前面に複数のLED3638aが実装された下部中央装飾基板3638(図184を参照)と、下部中央装飾部材3634の左右両側に配置され翼状に形成された前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642(図169等を参照)と、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642と前昇降ベース3632との間に配置され前面に複数のLED3644a,3646aが実装された前右翼装飾基板3644及び前左翼装飾基板3646(図184を参照)と、を備えている。
更に、下部可動装飾体ユニット3600は、前昇降ベース3632の左右方向中央の前面下部に後方へ向かって回転軸が突出するように取付けられた翼回動駆動モータ3648と、翼回動駆動モータ3648の回転軸に固定され前昇降ベース3632の後側に配置された駆動ギア3650と、駆動ギア3650と噛合し前昇降ベース3632の後側に回転可能に軸支された左従動ギア3652と、左従動ギア3652と噛合すると共に左従動ギア3652の右側(背面視で左側)の位置で前昇降ベース3632に回転可能に軸支され左従動ギア3652と同径の右従動ギア3654と、右従動ギア3654と噛合し前昇降ベース3632に回転可能に軸支された扇状の後右翼駆動ギア3656と、後右翼駆動ギア3656とは前昇降ベース3632における左右方向中央を挟んで反対側に回転可能に軸支され左従動ギア3652と噛合する扇状の後左翼駆動ギア3658と、後右翼駆動ギア3656及び後左翼駆動ギア3658と夫々一体回転し前昇降ベース3632の後側に配置された透明板状の後右翼ベース3660及び後左翼ベース3662と、後右翼ベース3660及び後左翼ベース3662の前側に夫々固定され外形が翼状に形成された透明な後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666(図183(C)等を参照)と、後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666と後右翼ベース3660及び後左翼ベース3662との間に夫々配置され前側へ向けて光を照射可能とされた複数のLED3668a,3670aが実装された透明な後右翼装飾基板3668及び後左翼装飾基板3670と、を備えている。
また、下部可動装飾体ユニット3600は、前昇降ベース3632の後側に取付けられ後右翼駆動ギア3656の検知片3656aを検知する翼回動検知センサ3672と、前昇降ベース3632における下部中央装飾部材3634の下側前面に取付けられ翼回動駆動モータ3648の前側を覆うモータカバー3674(図169を参照)と、を備えている。また、下部可動装飾体ユニット3600は、左右のユニットベース3602よりも下側に夫々配置され裏箱本体3100の内側下部に取付けられる下部中継基板カバー3676と、下部中継端子板カバーの下面に夫々取付けられる下部右下中継端子板3678及び下部左下中継端子板3680と、前昇降ベース3632の後側で中央付近の左右両側に取付けられる下部右上中継端子板3682及び下部左上中継端子板3684と、を備えている。これら中継端子板3678,3680,3682,3684は、下部可動装飾体ユニット3600に備えられた各駆動モータ3606,3648、検知センサ3622,3672、及び装飾基板3638,3644,3646,3668,3670等と、第一ランプ駆動基板3801や第二ランプ駆動基板3802等の周辺制御基板4140との接続を中継するためのものである。
本例の下部可動装飾体ユニット3600は、昇降レール3620によって上下方向へスライド可能とされた昇降ラック3618のラックギア3618aと噛合するピニオンギア3616が、昇降レール3620における上下方向の略中央の位置に軸支されていると共に、ピニオンギア3616を回転駆動させる下部昇降駆動モータ3606が昇降レール3620の下端付近に取付けられており、下部昇降駆動モータ3606の回転駆動が複数の伝達ギア3610,3612等によって上方のピニオンギア3616へ伝達されるようになっている。これにより、下部昇降駆動モータ3606を目立ち難い位置に配置することができると共に、昇降ラック3618を昇降レール3620の略全長に亘って移動させて翼装飾部材3640,3642,3664,3666を可及的に高く上昇させることができるようになっている。
また、下部可動装飾体ユニット3600は、ユニットベースカバー3604によって後端の開口が閉鎖された箱状のユニットベース3602内に、駆動ギア、第一伝達ギア3610、第二伝達ギア3612、第三伝達ギア、ピニオンギア3616、昇降ラック3618、及び昇降レール3620を収容させるようにしているので、これに駆動部品に埃等が付着するのを防止することができ、各駆動部品が良好に可動するようになっている。更に、下部可動装飾体ユニット3600は、前昇降ベース3632の後側に配置支持された駆動ギア3650、左従動ギア3652、右従動ギア3654、後右翼駆動ギア3656、後左翼駆動ギア3658、等の後側を後昇降ベース3630によって覆うようにしているので、これら駆動部品に対しても埃等が付着するのを防止することができ、各駆動部品が良好に可動するようになっている。
下部可動装飾体ユニット3600の前昇降ベース3632は、図169等に示すように、前面に、円形の下部中央装飾部材3634の中央を中心とする放射状に延びた複数の放射線が立体的に形成されており、光線の当り具合によって複数の放射線が浮かび上がるようになっていると共に、前昇降ベース3632の後側に配置されたものを遊技者側から見辛くすることができるようになっている。
また、下部可動装飾体ユニット3600の下部中央装飾部材3634は、図示するように、円形の開口3634aの上側に星形の開口3634aを備えていると共に、星形の開口3634aの左右両側に円弧状の開口3634aを備えている。この下部中央装飾部材3634は、前面にレリーフ状の複数の星形装飾部が備えられていると共に、表面に金属光沢を有したメッキ層が備えられている。この下部中央装飾部3634の開口3634aに後側から嵌合挿入されるレンズ部材3636は、詳細な図示は省略するが、表面が滑らかな曲面とされていると共に、裏面に複数の微細なレンズが形成されており、レンズ部材3636の後側に配置された下部中央装飾基板3638からの光を広く拡散させて、開口3634a全体を均一に発光させることができるようになっていると共に、レンズ部材3636を通して後側が略視認できないようになっている。
更に、下部可動装飾体ユニット3600の前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642は、翼を広げたような形状に形成されていると共に、腕側から翼端へ延びた複数の突条を有している。また、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642は、詳細な図示は省略するが、外周に沿って金属光沢を有したメッキ層が枠状に備えられていると共に、表面に沿って金属光沢を有したメッキ層が細かい唐草模様状に備えられており、透明な前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642を装飾している。この前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642の後側に配置された前右翼装飾基板3644及び前左翼装飾基板3646は、表面が白色とされていると共に、表面に実装された複数のLED3644a,3646aが、図184に示すように、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642に形成された複数の突条に沿うように列設されている。なお、前右翼装飾基板3644及び前左翼装飾基板3646は、不透光性とされており、遊技者側から前右翼装飾基板3644及び前左翼装飾基板3646(前昇降ベース3632における前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642の配置された位置)の後側が見えないようになっている。
また、下部可動装飾体ユニット3600の後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666は、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642と同様に、翼を広げたような形状に形成されていると共に、腕側から翼端へ延びた複数の突条を有している。また、後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666は、詳細な図示は省略するが、外周に沿って金属光沢を有したメッキ層が枠状に備えられていると共に、表面に沿って金属光沢を有したメッキ層が細かい唐草模様状に備えられており、透明な後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666を装飾している。この後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666の後側に配置された後右翼装飾基板3668及び後左翼装飾基板3670は、透明な基板とされており、遊技者側からは殆ど見えないようになっている。また、後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666と後右翼装飾基板3668及び後左翼装飾基板3670とを支持する後右翼ベース3660及び後左翼ベース3662は、透明板状とされており、遊技者側から後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666を通して後側(液晶表示装置1400に表示された演出画像)が視認できるようになっている。
この後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666は、下部中央装飾部材3634の後側に軸支された後右翼駆動ギア3656及び後左翼駆動ギア3658の回転軸回りに夫々回動するようになっており、翼回動駆動モータ3648によって、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642の後側に位置した状態から、自由端側が互いに接近するように上昇回動した状態まで同時に回動するようになっている。
なお、本例の下部可動装飾体ユニット3600は、図148等に示すように、遊技盤4に取付けられた状態では、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642がセンター役物2400の下側で透明な遊技パネル600を通して遊技者側から視認できるようになっており、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642によってセンター役物2400の下側でアタッカユニット2100の左右斜め上側を装飾することができるようになっている。また、下部可動装飾体ユニット3600の左右のユニットベース3602は、遊技者側から見えないようになっている。
次に、下部可動装飾体ユニット3600の動きについて説明する。この下部可動装飾体ユニット3600は、図183(A)に示すように、通常の状態では、左右のユニットベース3602内の昇降レール3620に支持された昇降ベース3630,3632が下降位置に位置している。また、通常の状態では、後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666は、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642の真後ろの隠匿位置に位置しており、遊技者側からは見えないようになっている。更に、下降位置の状態では、下部可動装飾体ユニット3600の前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642は、センター役物2400よりも下側に位置した状態となっている(図148等を参照)。
この下降位置の状態から左右に配置された下部昇降駆動モータ3606を夫々異なる方向へ同時に回転駆動させると、左右のピニオンギア3616が回転し、ピニオンギア3616に噛合したラックギア3618aによって昇降レール3620に案内された昇降ラック3618が上昇することとなり、左右の昇降ラック3618が上昇することで昇降ベース3630,3632も上昇することとなる。
そして、左右の昇降ラック3618が昇降レール3620の上端に到達すると、下部昇降駆動モータ3606が停止し、昇降ベース3630,3632が上昇位置で停止した状態となる(図183(B)を参照)。この上昇位置の状態では、昇降ベース3630,3632の前側に取付けられた下部中央装飾部材3634、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642が、センター役物2400の枠内(液晶表示装置1400の表示画面の前面でステージ2410よりも上側)に位置した状態となり(図191を参照)、遊技者側から明瞭に視認することができる状態となっている。
なお、上昇位置の昇降ベース3630,3632を下降させるには、左右の下部昇降駆動モータ3606を、上昇時とは逆方向へ夫々回転させることで、昇降ベース3630,3632を下降させることができ、昇降ラック3618の検知片が下部昇降検知センサ3622によって検知されるまで下部昇降駆動モータ3606を駆動させて昇降ラック3618を下降させる。そして、下部昇降検知センサ3622によって昇降ラック3618の検知片が検知されると、下部昇降駆動モータ3606の回転駆動を停止させ、昇降ベース3630,3632を下降位置に復帰させることができるようになっている。
一方、後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666は、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642の後側に位置した隠匿位置の状態から、前昇降ベース3632に取付けられた翼回動駆動モータ3648を所定方向へ回転させること、左右方向の中央付近に軸支された後右翼駆動ギア3656及び後左翼駆動ギア3658が同時に異なる方向へ回動すると共に、右翼駆動ギア3656及び後左翼駆動ギア3658に一体回転可能に支持された後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666の自由端側(下部可動装飾体ユニット3600における左右両端側)が上昇且つ接近するように回動することとなる。そして、後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666が約90度回動すると、翼回動駆動モータ3648の回転が停止し、後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666の略全体が、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642の上側に現れた出現位置の状態となる(図183(C)を参照)。
後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666が出現位置の状態では、図192に示すように、液晶表示装置1400の表示画面の大部分が、後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666と前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642によって覆われるようになっおり、下部可動装飾体ユニット3600が遊技者側から目立つような状態となっている。なお、上記の例では、昇降ベース3630,3632が上昇位置の時に、後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666を出現位置に位置させた例を示したが、昇降ベース3630,3632が下降位置の時に、後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666を出現位置に位置させるようにしても良い。
なお、出現位置に位置した後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666を隠匿位置に位置させるには、翼回動駆動モータ3648を、出現時とは逆方向へ回動させることで、後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666の先端同士が互いに離反すると共に下方へ移動する方向へ回動させることができ、右後翼駆動ギア3656の検知片3656aが翼回動検知センサ3672によって検知されるまで翼回動駆動モータ3648を回転駆動させる。そして、翼回動検知センサ3672によって右後翼駆動ギア3656の検知片3656aが検知されて、翼回動駆動モータ3648が停止すると、後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666が隠匿位置に位置した状態となるようになっている。
このように、本実施形態の下部可動装飾体ユニット3600によると、昇降ベース3630,3632が下降位置の時には、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642が、センター役物2400の下側から透明な遊技パネル600を通して視認することができるようになっているので、遊技領域605内を装飾することができると共に、下部中央装飾基板3634、前右翼装飾基板3644及び前左翼装飾基板3646の各LED3644a,3644a,3646を発光させることで、センター役物2400の下側を発光装飾させることができ、これまでのパチンコ機にはない装飾により遊技者を驚かせて楽しませることができ、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、下部可動装飾体ユニット3600によってセンター役物2400の下側を発光装飾させることができるので、遊技領域605内を目立たせることができ、他のパチンコ機に対してより大きく差別化することが可能となり、遊技者の関心を強く引付けることが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、昇降ベース3630,3632を上昇位置へ移動させることで、センター役物2400の下側を装飾していた前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642を、液晶表示装置1400の前面へ出現移動させることができるので、遊技者を驚かせることができ、遊技者の関心を強く引付けることができると共に、遊技領域605内における装飾の変化により、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技者の期待感を高めて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
更に、昇降ベース3630,3632を上昇位置へ移動させた状態で、後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666を出現位置へ回動させることができるようになっているので、四つの翼状の装飾部材3640,3642,3664,3666が出現することで遊技者を大いに驚かせることができ、遊技者の興趣をより高められる効果を期待することができるようになっている。また、四つの翼状の装飾部材3640,3642,3664,3666によって液晶表示装置1400の前面が覆われたような状態となるので、遊技者を楽しませることができるようになっている。更に、後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666を出現位置へ回動させた状態で、下部中央装飾部材3634、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642、後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666、の後側に配置された各装飾基板3638,3644,3646,3668,3670の各LED3638a,3644a,3646a,3668a,3670aを発光させることで、下部可動装飾体ユニット3600の略全体を発光装飾させることができ、めくるめく光により遊技者を幻惑させて楽しませることができると共に、遊技に対する期待感を高めさせることができるようになっている。
[2−10.裏箱後面の各種基板]
次に、裏箱本体3100の後面に取付けられた各種の基板類について、主に図168及び図185を参照して説明する。図185は、裏箱本体を周辺基板ボックスと共に切断して平面断面図である。本実施形態の遊技盤は、裏箱本体3100の後面に、後述する主制御基板4100と接続される複数の基板類が取付けられている。具体的には、裏箱本体3100の後面には、裏箱本体3100における開口621cの下側に横長に取付けられる第一ランプ駆動基板3801と、第一ランプ駆動基板3801の後面を覆い裏箱本体3100に固定される箱状のランプ駆動基板ボックス3804と、ランプ駆動基板ボックス3804内の後壁前面に第一ランプ駆動基板3801と対向するように取付けられる第二ランプ駆動基板3802と、を備えている。
第一ランプ駆動基板3801及び第二ランプ駆動基板3802は、遊技盤4に備えられた、各装飾基板、可動装飾体を可動させる駆動モータや検知センサ等と接続されると共に、液晶表示装置1400の後側に取付けられた周辺制御基板4140と接続されており、主制御基板4100からの制御コマンドに応じた周辺制御基板4140から出力信号に基いて、各装飾基板や駆動モータを駆動させるものである。第一ランプ駆動基板3801及び第二ランプ駆動基板3802は、図示するように、ランプ駆動基板ボックス3804によって互いが対向するように支持されており、裏箱本体3100における後側のスペースを有効に活用することができるようになっている。
また、裏箱本体3100の後側には、ランプ駆動基板ボックス3804の左側(背面視では右側)に取付けられ、第一始動口センサ3080、第二始動口センサ2127、カウントセンサ2128、一般入賞口センサ3081、ゲートセンサ2304、始動口ソレノイド2121、アタッカソレノイド2124、磁気検出センサ3044、及び周辺制御基板4140と、主制御基板4100との接続を中継するパネル中継基板3806を備えている。
更に、裏箱本体3100の後側には、後壁621b後面の左右両辺に取付けられる右中継端子板3808、及び左中継端子板3810と、を備えている。右中継端子板3808及び左中継端子板3810は、アタッカユニット2100、サイド装飾部材2200、裏前ユニット3000b、上部可動装飾体ユニット3200、サイド可動装飾体3400、及び下部可動装飾体3600の各装飾基板2114,2129,2206,2430,2432,2434,3024,3025,3035,3036,3043,3233,3238,3247,3249,3418,3420,3638,3664,3646,3668,3670、駆動モータ3212,3216,3242,3404,3606,3648、及び検知センサ3220,3221,3250,3408,3622,3672、等と、第一ランプ駆動基板3801及び第二ランプ駆動基板3802との接続を中継するものである。
[2−11.遊技盤における発光装飾]
次に、本実施形態の遊技盤4における発光装飾について、主に図186を参照して説明する。図186は、遊技盤における主な装飾基板の位置を示す正面図である。本実施形態の遊技盤4は、上述したように、表ユニット2000及び裏ユニット3000に発光可能な複数の装飾基板を備えており、周辺制御基板4140からの制御信号に基いて、様々な発光装飾(発光演出)を行うことができるようになっている。
本実施形態の遊技盤4は、図186に示すように、サイド装飾部材2200の左下円弧装飾基板2206、センター役物2400の右円弧装飾基板2430、裏前上部装飾部材3020の上円弧装飾基板3024、裏前左部装飾部材3030の左上円弧装飾基板3035が、遊技領域605の内周に沿って配置されており、右円弧装飾基板2430が遊技領域605の右端を、左下円弧装飾基板2206及び左上円弧装飾基板3035が遊技領域605の左端を、更に、上円弧装飾基板3024が遊技領域605の上端を夫々円弧状に発光装飾させることができるようになっている。
また、遊技盤4は、アタッカユニット2100のアタッカサイド装飾基板2114、及び裏前下部装飾部材3040の下円弧装飾基板3043が、遊技領域605における左右方向の中央下端に、アタッカユニット2100の第一始動口2101、第二始動口2102、及び大入賞口2103を囲うように配置されており、アタッカサイド装飾基板2114及び下円弧装飾基板3043が遊技領域605の下端を円弧状に発光装飾させることができるようになっている。これらの装飾基板2114,2206,2430,3025,3035,3043を発光させることで、略円形状の遊技領域605を環状に発光装飾させることができ、遊技者の関心を強く引付けられる発光装飾を行うことができるようになっている。
また、装飾基板2114,2206,2430,3025,3035,3043に実装された各LED2114a,2206a,2430a,3025a,3035a,3043aは、図示するように、前側に配置された不透光性の唐草模様状の装飾部2205,2420,3021,3031,3041に正面視で一部がかかるように配置されており、遊技者に対して強烈な眩しさを与えてしまうのを回避させつつ、点状の発光により遊技者を驚かせて遊技者の関心を強く引付けることができるようになっている。
また、各LED2114a,2206a,2430a,3025a,3035a,3043aの一部が唐草模様状の装飾部2205,2420,3021,3031,3041にかかるようにしているので、遊技者の目の位置が移動すると、LED2114a,2206a,2430a,3025a,3035a,3043aと装飾部2205,2420,3021,3031,3041とのかかり具合が変化し、LED2114a,2206a,2430a,3025a,3035a,3043aからの光が瞬いているように見え、キラキラした感じとなって遊技者を楽しませることができるようになっている。
また、本実施形態の遊技盤4は、図示するように、正面視で液晶表示装置1400の上辺付近の左右両端に、円形状の右円形装飾部2421及び左円形装飾部3032を備えており、これら右円形装飾部2421及び左円形装飾部3032の後側に配置された右円形装飾基板2432及び左円形装飾基板3036の各LED2432a,3036aを発光させることで、右円形装飾部2421及び左円形装飾部3032を夫々独立して発光装飾させることができるようになっている。これら右円形装飾部2421や左円形装飾部3032を発光装飾させることで、遊技盤4全体の発光装飾に対してアクセントを付与することができ、飽き難い発光演出を行うことができるようになっている。また、右円形装飾部2421及び左円形装飾部3032を、上述した円弧状の装飾部2205,2420,3021,3031,3041と共に発光装飾させることで、遊技領域605の内周に沿った発光装飾をより環状に近づけることができるようになっている。
また、本実施形態の遊技盤4は、図示するように、裏ユニット3000における上部可動装飾体ユニット3200の右ロゴ可動装飾体3230及び左ロゴ可動装飾体3235が、液晶表示装置1400の上側でセンター役物2400の枠内を通して遊技者側から視認できる位置に配置されており、右ロゴ可動装飾体3230及び左ロゴ可動装飾体3235の後側に配置された右ロゴ装飾基板3233及び左ロゴ装飾基板3238の各LED3233a,3238aを発光させることで、右ロゴ可動装飾体3230及び左ロゴ可動装飾体3235を発光装飾させることができ、ロゴが明るくなることで、遊技者に対してパチンコ機1のコンセプトを認識させ易くすることができると共に、遊技に対してチャンスが到来したのではないかと思わせることができ、遊技者の期待感を高めて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
更に、本実施形態の遊技盤4は、図示するように、センター役物2400の下側に透明な遊技パネル600を通して下可動装飾体ユニット3600の前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642が視認できるようになっており、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642の後側に配置された前右翼装飾基板3644及び前左翼装飾基板3646により、センター役物2400の下側でアタッカユニット2100の左右斜め上側の領域を発光装飾させることができるようになっている。
また、下可動装飾体ユニット3600は、昇降ベース3630,3632を上昇させることで前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642をセンター役物2400の枠内で液晶表示装置1400の表示画面の前面に位置させることができ、その状態で前右翼装飾基板3644及び前左翼装飾基板3646の各LED3644a,3646aを発光させることで、翼状の装飾部材3640,3642がセンター役物2400内で発光装飾され、遊技者の関心を強く引付けることが可能な発光装飾とすることができるようになっている。
昇降ベース3630,3632を上昇させた状態で、更に、後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666を回動させて前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642の上側に出現させると共に、後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666の後側に配置された後右翼装飾基板3668及び後左翼装飾基板3670の各LED3668a,3670aを発光させることで、センター役物2400の枠内に広がった四つの翼状の装飾部材3640,3642,3664,3666が発光装飾されることとなり、煌びやかに光る翼によって遊技者の関心を非常に強く引付けることができると共に、何か良いことがあるのではと強く期待させることができ、遊技者の興趣を高められる効果を十二分に期待することができるようになっている。
なお、本実施形態の遊技盤4は、裏ユニット3000における裏前ユニット3000aの各装飾部材3020,3030,3040が透明な遊技パネル600の後側に配置されており、各装飾部材3020,3030,3040を発光装飾させる各装飾基板3024,3035,3036,3043を発光させると、その光が遊技パネル600によって各装飾部材3020,3030,3040の表面側へ反射することとなり、各装飾部材3020,3030,3040の表面をキラキラと輝かせることができるようになっている。
また、本実施形態の遊技盤4は、遊技盤4の前面が、扉枠5におけるガラスユニット450の透明なガラス板452によって閉鎖されているので、遊技盤4に備えられた各装飾基板からの光がガラス板452で反射して遊技盤4に備えられた各装飾部材の表面を照らすことができ、各装飾部材の表面をキラキラと輝かせることができるようになっている。
更に、本実施形態の遊技盤4は、上述したように、表面に金属光沢を有するメッキ層を備えた複数の星形装飾部2422,3023,3034,3070,3219,3241bや各種の装飾部を備えており、各装飾基板からの光や、他のパチンコ機からの光、或いは、パチンコ機1を設置した遊技ホール内の照明等の光によって、キラキラと輝くようになっており、煌く遊技盤4により遊技者に対してこれまでのパチンコ機とは一見して異なる印象を与えることができ、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択したくなるようなパチンコ機1とすることができるようになっている。
また、本実施形態のパチンコ機1は、図152に示すように、遊技盤4の前面を閉鎖する扉枠5のガラスユニット450に、遊技窓の内側へ向かって光を照射可能な複数のLED453aを備えており、ガラスユニット450のLED453aからの光が、表ユニット2000や裏ユニット3000における各装飾部材の表面で反射し、遊技領域605内をキラキラと輝かせることができるようになっている。
[2−12.遊技盤における可動装飾]
次に、本実施形態の遊技盤4における可動装飾(可動演出)について、主に図187乃至図192を参照して説明する。図187は遊技盤における上部可動装飾体ユニットの動きを示す正面図であり、図188は図187に続く上部可動装飾体ユニットの動きを示す正面図であり、図189は図188に続く上部可動装飾体ユニットの動きを示す正面図である。また、図190は、遊技盤におけるサイド可動装飾体の動きを示す正面図である。更に、図191は遊技盤における下部可動装飾体の動きを示す正面図であり、図192は図191に続く下部可動装飾体の動きを示す正面図である。本実施形態の遊技盤4は、上述したように、表ユニット2000及び裏ユニット3000に可動可能な複数の可動装飾体を備えており、周辺制御基板4140からの制御信号に基いて、様々な可動装飾(可動演出)を行うことができるようになっている。
本例の遊技盤4は、図186等に示すように、液晶表示装置1400の上側でセンター役物2400の枠内に、右ロゴ可動装飾体3230と左ロゴ可動装飾体3235とが互いに接するように左右方向へ並んだ状態となっている。この状態で、上部可動装飾体ユニット3200における本体ユニット3210のユニットベース3211に支持された左右のロゴ駆動モータ3212を夫々異なる方向へ回転駆動させると、ロゴ駆動モータ3212の回転軸と共にロゴ駆動ギア3213が回転し、ロゴ駆動ギア3213と噛合したラックギア3214aによってスライダ3214が互いに離反する方向へとスライドする。
これにより、左右のスライダ3214に夫々支持された右ロゴ可動装飾体3230と左ロゴ可動装飾体3235が、夫々互いに離反する方向へと移動し、後側に配置された星ユニット3240の星形回転装飾体3245が、図187に示すように、遊技者側から視認可能な状態となる。このように、左右のロゴ可動装飾体3230,3235が互いに離反する方向へ移動することで、液晶表示装置1400の上部に星形回転装飾体3245が出現することで、遊技者に対してチャンスの到来を期待させることができ、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
本例の遊技盤4では、図187に示すように、上部可動装飾体ユニット3200における左右のロゴ可動装飾体3230,3235が互いに離反した方向へ移動して、後側の星ユニット3240における星形回転装飾体3245が出現した状態で、ユニットベース3211に支持された一対の星ユニット昇降駆動モータ3216を夫々異なる方向へ回転駆動させると、星ユニット昇降駆動モータ3216の回転軸3216aに固定された昇降アーム3217が夫々異なる方向(正面視右側の昇降アーム3217が反時計回りの方向、また、左側の昇降アーム3217が時計回りの方向)へ回動するようになっており、昇降アーム3217の自由端に取付けられた昇降ピン3218を介して支持された星ユニット3240が移動(昇降)するようになっている。
昇降アーム3217に取付けられた昇降ピン3218は、初期の状態(上昇位置の状態)では、上死点より若干回り込んだ状態となっており、星ユニット昇降駆動モータ3216の回転駆動により、夫々一旦、上死点まで回動した後に下死点へ向かって星ユニット昇降駆動モータ3216の回転軸を中心とした所定径の円周上を移動するようになっている。従って、一対の昇降アーム3217によって支持された星ユニット3240は、星ユニット昇降駆動モータ3216の回転駆動によって、一旦、わずかに上昇した後に下降するようになっている。そして、昇降アーム3217に取付けられた昇降ピン3218が下死点へ到達すると、星ユニット昇降駆動モータ3216の回転駆動が停止し、星ユニット3240が下降位置に位置した状態となる。
星ユニット3240が下降位置に位置した状態では、図188に示すように、星ユニット3240が液晶表示装置1400の前面上部に位置した状態となり、中央の星形回転装飾体3245の左右に夫々二つずつ配置された星形装飾体3248が、右ロゴ可動装飾体3230及び左ロゴ可動装飾体3235の下側に現れた状態となる。これにより、液晶表示装置1400の上部に星ユニット3240全体が出現することで、遊技領域605内の装飾状態が変化するので、遊技者の関心を引付けることができ、飽き難くすることができるようになっていると共に、遊技者に対してチャンスの到来を予感させることができ、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
この遊技盤4では、図188に示すような、星ユニット3240が下降位置に位置した状態で、星ユニット3240の後側に支持された星回転駆動モータ3242を所定方向へ回転駆動させると、星ユニット3240の前面中央に配置された大型の星形回転装飾体3245が所定方向へ回転するようになっている(図189を参照)。この星形回転装飾体3245の回転により、遊技者の関心を強く引付けることができるので、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせて遊技に対する期待感を高めることができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
また、図189に示すように、星ユニット3240の星形回転装飾体3245を回転させた状態で、星形回転装飾体3245の後側に配置された星装飾基板3247の各LED3247aを発光させること、星形回転装飾体3245を発光装飾させることができるようになっている。また、星形回転装飾体3245が回転することで、各LED3247aからの光を回転星枠3245cによって瞬間的に遮ることができるので、LED3247aからの光を瞬かせることができ、キラキラした発光装飾を行うことができるようになっている。更に、星装飾基板3247における五芒星状の各頂点付近に配置されたLED3247aが、星形回転装飾体3245の回転位置に応じて、星形回転装飾体3245を通さずに直接遊技者側へ光を照射させることがきるようになっているので、瞬間的に遊技者側を眩しくさせることで発光装飾のキラキラ感を高めることができるようになっている。従って、星ユニット3240を発光装飾させることで、遊技者の関心を強く引付けることができ、星形回転装飾体3245の回転と合せて、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
本実施形態の遊技盤4は、上述したように、センター役物2400及び裏前ユニット3000aの後側で液晶表示装置1400の左右両側に夫々サイド可動装飾体ユニット3400を備えており、通常の状態では、装飾体本体3414の自由端側が垂下した状態とされ、図186等に示すように、サイド可動装飾体ユニット3400が遊技者側から見えないようになっている。この状態で、サイド可動装飾体ユニット3400におけるサイド駆動モータ3404を所定方向へ回転駆動させると、スポットライト状に形成された装飾体本体3414が回動し、図190に示すように、大口3414aを有した先端側が、正面視でセンター役物2400の枠内に出現し、遊技者を楽しませることができるようになっている。なお、左右に配置されたサイド可動装飾体ユニット3400の装飾体本体3414は、左右が夫々独立して可動するようになっている。
サイド可動装飾体ユニット3400は、サイド先端装飾基板3418及びサイド基端装飾基板3420の各LED3418a,3420aを発光させることで、装飾体本体3414を発光装飾させることができるようになっている。なお、詳細な図示は省略するが、サイド可動装飾体ユニット3400の装飾体本体3414を液晶表示装置1400の前面へ出現させると共に少なくともサイド先端装飾基板3418のLED3418aを発光させた状態で、液晶表示装置1400の表示画面に、装飾体本体3414の大口3414aからあたかもスポットライトの光が出ているような演出画像を表示させることができるようになっており、サイド可動装飾体ユニット3400の装飾体本体3414の動きと合せて演出画像を楽しませることができるようになっている。
また、本例の遊技盤4は、通常の状態では、図186に示すように、裏ユニット3000における下部可動装飾体ユニット3600の前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642が、センター役物2400の枠内よりも下側の下降位置に位置すると共に、透明な遊技パネル600を通して視認できるようになっており、センター役物2400の下側を装飾する装飾部材となっている。この下部可動装飾体ユニット3600は、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642が下降位置の状態で、左右に配置された下部昇降駆動モータ3606を夫々所定の異なる方向へ回転駆動させると、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642等を支持した後昇降ベース3630及び前昇降ベース3632が上昇するようになっている。
そして、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642等が、センター役物2400の下側から、センター役物2400の枠内で液晶表示装置1400の前面へ上昇出現し、図191に示すように、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642の上端が液晶表示装置1400における上下方向の略中央付近まで上昇すると、一対の下部昇降駆動モータ3606の回転駆動が停止して、後昇降ベース3630及び前昇降ベース3632が上昇位置で停止する。後昇降ベース3630及び前昇降ベース3632が上昇位置の状態では、図191に示すように、下部中央装飾部材3634、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642がセンター役物2400の枠内に位置すると共に、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642の下側から臨んだ前昇降ベース3632の前面もセンター役物2400の枠内に位置した状態となっている。
この前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642がセンター役物2400の枠内に上昇出現することで、遊技領域605内の装飾態様が大きく変化し、遊技者の関心を強く引付けることができるようになっている。また、この状態で下部中央装飾部材3634、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642の後側に配置された下部中央装飾基板3638、前右翼装飾基板3644及び前左翼装飾基板3646の各LED3638a,3644a,3646aを発光させることで、センター役物2400の枠内で左右に大きく広がった翼をキラキラと発光装飾させることができ、遊技者の関心を強く引付けて遊技者の興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
なお、センター役物2400の枠よりも下側の位置で、下部可動装飾体ユニット3600の後側には、背面装飾板3106が配置されており、後昇降ベース3630及び前昇降ベース3632と共に前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642が上昇すると、センター役物2400の下側では、透明な遊技パネル600を通して、表面に所定の装飾を有した背面装飾板3106が遊技者側から見えるようになり、遊技盤4全体の装飾性が低下するのを防止することができるようになっている。
本例の遊技盤4は、後昇降ベース3630及び前昇降ベース3632と共に前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642が上昇位置に位置した状態で、前昇降ベース3632に支持された翼回動駆動モータ3648を回動駆動させると、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642の後側で前昇降ベース3632と後昇降ベース3630との間に配置された一対の後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666が、遊技領域605の中央側を中心として左右の先端側が上昇するように夫々回動し、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642の上側に遊技者側から見えるように後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666が出現する。
そして、後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666の左右の先端が液晶表示装置1400の上端付近まで回動上昇すると、翼回動駆動モータ3648の回転駆動が停止するようになっている。この後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666を前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642の上側に出現させた状態では、図192に示すように、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642と後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666とによって液晶表示装置1400の前面の大部分が覆われた状態となり、四つの翼状の装飾部材が出現することで遊技者を大いに驚かせることができ、遊技者の興趣をより高めることができるようになっている。
また、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642の上側に後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666を出現させた状態で、下部中央装飾部材3634、前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642、後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666、の後側に配置された下部中央装飾基板3638、前右翼装飾基板3644及び前左翼装飾基板3646、後右翼装飾基板3668及び後左翼装飾基板3670の各LED3638a,3644a,3646a,3668a,3670aを発光させることで、センター役物2400の枠内、つまり、液晶表示装置1400の前面をキラキラと眩く発光装飾させることができ、めくるめく光により遊技者を幻惑させて楽しませることができると共に、遊技に対する期待感を高めさせることができるようになっている。
なお、詳細な図示は省略するが、本例の遊技盤4では、上部可動装飾体ユニット3200、サイド可動装飾体ユニット3400、及び下部可動装飾体ユニット3600の各可動装飾体の可動を適宜組合せて可動させることもできるようになっており、より多彩な可動演出を遊技者に見せることで飽き難くすることができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
[3.主基板・周辺基板]
続いて、パチンコ機1の各種制御を行う制御基板について、図193を参照して説明する。図193は主基板及び周辺基板のブロック図である。パチンコ機1の制御構成は、図示するように、主基板4000のグループ及び周辺基板4010のグループから構成されており、これら2つのグループにより各種制御が分担されている。主基板4000のグループは、遊技動作(遊技の進行)を制御する主制御基板4100と、遊技球の払出し等を制御する払出制御基板1186と、を備えて構成されている。また、周辺基板4010のグループは、主制御基板4100からのコマンドに基いて遊技中の各種演出を制御する周辺制御基板4140と、周辺制御基板4140からのコマンドに基いて液晶表示装置1400での演出画像の表示を制御する液晶制御基板4150と、を備えている。
[3−1.主制御基板]
遊技の進行を制御する主制御基板4100は、図193に示すように、マイクロプロセッサとしての主制御MPU4100aと、入出力デバイス(I/Oデバイス)としての主制御I/Oポート4100bと、上述したRAMクリアスイッチ624aと、を備えている。主制御MPU4100aには、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMと、一時的にデータを記憶するRAMと、が内蔵される他に、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
主制御MPU4100aは、第一始動口2101へ受入れられた遊技球を検出する第一始動口センサ3080、第二始動口2102へ受入れられた遊技球を検出する第二始動口センサ2127、及び一部の一般入賞口センサ3081からの検出信号が夫々主制御I/Oポート4100bを介して入力されたり、ゲートセンサ2304、一般入賞口センサ3081、カウントセンサ2128及び裏ユニット3000に取付けられた磁気検出センサ3044からの検出信号が、遊技盤4に取付けられたパネル中継基板3086、主制御I/Oポート4100bを介して入力されたりする。主制御MPU4100aは、これらの検出信号に基いて、主制御I/Oポート4100bそしてパネル中継基板3086を介して始動口ソレノイド2121及びアタッカソレノイド2124への駆動信号を出力したり、主制御I/Oポート4100b、パネル中継基板3086、機能表示基板640aを介して第一特別図柄表示器641、第二特別図柄表示器642、第一特別図柄記憶表示器643、第二特別図柄記憶表示器644、普通図柄表示器645、普通図柄記憶表示器646、遊技状態表示器647、ラウンド表示器648に駆動信号を出力したりする。
また主制御MPU4100aは、遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払出しに関する各種コマンド等を、上述した主ドロワ中継基板1107を介して払出制御基板1186に送信したり、この払出制御基板1186からのパチンコ機1の状態に関する各種コマンド等を、主ドロワ中継基板1107を介して受信したりする。更に主制御MPU4100aは、遊技演出の制御に関する各種コマンド及びパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを、主制御I/Oポート4100bを介して後述する周辺基板4010の周辺制御基板4140に送信したりする(主制御基板4100と周辺制御基板4140との基板間は図示しないハーネスより電気的に接続されている)。なお、主制御MPU4100aは、その詳細な説明は後述するが、払出制御基板1186からパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを受信すると、これらの各種コマンドを整形して周辺制御基板4140に送信する。
主制御基板4100には、その詳細な説明は後述するが、電源基板1136から各種電圧が供給されている。この電源基板1136は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板4100に電力を供給するバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と記載する。)を備えている。このキャパシタにより主制御MPU4100aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報をその内蔵するRAMに記憶することができるようになっている。なお、記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板4100のRAMクリアスイッチ624aが操作されると、内蔵するRAMから消去(クリア)されるようになっている。このRAMクリアスイッチ624aの操作信号(検出信号)は、主ドロワ中継基板1107を介して払出制御基板1186にも出力されるようになっている。
また、主制御基板4100には、停電監視回路が設けられている。この停電監視回路は、電源基板1136から供給される各種電圧の低下を監視しており、それらの電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号を出力するようになっている。この停電予告信号は、主制御I/Oポート4100bを介して主制御MPU4100aに入力される他に図示しないハーネスを介して払出制御基板1186等にも伝達されている。
[3−2.払出制御基板]
遊技球の払出し等を制御する払出制御基板1186は、図193に示すように、払出しに関する各種制御を行う払出制御部4110と、上述した発射モータ695の発射制御を行う発射制御部4120と、上述した、エラーLED表示器4130と、エラー解除スイッチ4131と、球抜きスイッチ4132と、を備えて構成されている。
払出制御基板1186における払出しに関する各種制御を行う払出制御部4110は、図193に示すように、マイクロプロセッサとしての払出制御MPU4110aと、I/Oデバイスとしての払出制御I/Oポート4110bと、払出制御MPU4110aが正常に動作しているか否かを監視する外部ウォッチドックタイマ4110c(以下、「外部WDT4110c」と記載する。)と、上述した払出モータ815に駆動信号を出力する払出モータ駆動回路4110dと、を備えて構成されている。払出制御MPU4110aには、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMと、一時的にデータを記憶するRAMと、が内蔵される他に、不正を防止するため機能等も内蔵されている。
払出制御MPU4110aは、その詳細な説明は後述するが、主制御基板4100からの遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払出しに関する各種コマンドを受信したり、主制御基板4100からのRAMクリアスイッチ624aの操作信号(検出信号)が入力されたりする他に、満タンスイッチ916からの検出信号が入力されたり、球切れスイッチ778、計数スイッチ812及び回転角スイッチ855からの検出信号が賞球ユニット内中継端子板830を介して入力されたりする。
また払出制御MPU4110aは、主制御基板4100からの払出しに関する各種コマンドを受信すると、その受信した払出しに関する各種コマンドに基いて払出モータ駆動回路4110dから払出モータ815に駆動信号を出力したり、球抜きスイッチ4132が操作されると、この操作信号(検出信号)に基いて上述した、賞球タンク720及びタンクレール部材740に貯留された遊技球を排出する(球抜きする)ために払出モータ駆動回路4110dから払出モータ815に駆動信号を出力したり、図示しないCRユニット(球貸し機)からの貸球要求信号がCRユニット端子板1150bを介して入力されると、この貸球要求信号に基いて払出モータ駆動回路4110dから払出モータ815に駆動信号を出力したり、満タンスイッチ916からの検出信号が入力されると、この検出信号に基いて払出モータ駆動回路4110dから払出モータ815への駆動信号を停止して払出モータ815を停止したりする。
更に払出制御MPU4110aは、パチンコ機1の状態をエラーLED表示器4130に表示したり、その状態を示す各種コマンドを主制御基板4100に送信したり、計数スイッチ812からの検出信号が入力されると、この検出信号に基いて、実際に払出した遊技球の球数を外部端子板1150aに出力したりする。この外部端子板1150aは、遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータと電気的に接続されている。このホールコンピュータは、パチンコ機1が払出した遊技球の球数やパチンコ機1の遊技情報等を把握することにより遊技者の遊技を監視している。
一方、払出制御基板1186における発射モータ695の発射制御を行う発射制御部4120は、図193に示すように、各種信号が入力される入力回路4120aと、定時間毎にクロック信号を出力する発信回路4120bと、このクロック信号に基いて発射モータ695の回転速度を決定する基準パルスを出力する発射制御回路4120cと、この発射制御回路4120cからの基準パルスに基いて発射モータ695に駆動信号を出力する発射モータ駆動回路4120dと、を備えて構成されている。発射制御回路4120cは、発信回路4120bからのクロック信号に基いて、1分当たり約99.95個の遊技球が遊技領域605に向けて発射されるよう発射モータ695の回転速度を制御している。つまり、上述した打球槌687の可動を制御している。
なお、上述したハンドル装置460(操作ハンドル部461)には、上述したように、タッチセンサ420、発射停止スイッチ422が内蔵されており、操作ハンドル部461の回動操作部材464に触れるとタッチセンサ420により検出され、単発ボタン421を操作すると発射停止スイッチ422により検出される。これらの検出信号は、その詳細な説明は後述するが、上述したハンドル中継端子板194を介して入力回路4120aに入力されている。また、CRユニットがCRユニット端子板1150bに電気的に接続されると、CR接続信号がCRユニット端子板1150bを介して入力回路4120aに入力される。
この払出制御基板1186には、電源基板1136から各種電圧が主制御基板4100と同様に供給されている。この電源基板1136は、電源遮断時にでも所定時間、払出制御基板1186に電力を供給するキャパシタを備えている。このキャパシタにより払出制御MPU4110aは電源遮断時にでも払出しに関する各種の払出情報をその内蔵するRAMに記憶することができるようになっている。なお、記憶した払出情報は、電源投入時に主制御基板4100のRAMクリアスイッチ624aが操作されると、その内容が内蔵するRAMから消去(クリア)されるようになっている。
[3−3.周辺制御基板]
周辺基板4010における演出制御を行う周辺制御基板4140は、図193に示すように、マイクロプロセッサとしての周辺制御MPU4140aと、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶する周辺制御ROM4140bと、高音質の演奏を行う音源IC4140cと、この音源IC4140cが参照する音楽及び効果音等の音情報が記憶されている音ROM4140dと、を備えて構成されている。
周辺制御MPU4140aは、パラレル入出力ポート、シリアル入出力ポート及びウォッチドックタイマ(WDT)等の各種入出力ポートを内蔵しており、主制御基板4100から各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基いて、扉枠5に備えられた各装飾基板のLEDに点灯信号又は点滅信号を出力する扉枠側点灯点滅コマンドを第一ランプ駆動基板3801及び第二ランプ駆動基板3802を有したランプ駆動基板4160に出力したり、遊技盤4に備えられた各発光装飾基板3606のLEDに点灯信号又は点滅信号を出力する遊技盤側点灯点滅コマンドをランプ駆動基板4160に出力したり、扉枠5に備えられたトップランプ電飾ユニット200の左回転灯モータ245、右回転灯モータ265、及び中央回転灯モータ285に回転駆動信号を出力する扉枠側モータ駆動コマンドをモータ駆動基板3013に出力したり、遊技盤4に備えられたロゴ駆動モータ3212、星ユニット昇降駆動モータ3216、星回転駆動モータ3242、サイド駆動モータ3404、下部昇降駆動モータ3606、翼回動駆動モータ3648に回転駆動信号を出力する遊技盤側モータ駆動コマンドをランプ駆動基板4160に出力したり、音ROM4140dから抽出する音情報を示す制御信号(音コマンド)を音源IC4140cに出力したり、液晶表示装置1400に表示させる画面を示す表示コマンドを液晶制御基板4150に出力したりする。
周辺制御MPU4140aから液晶制御基板4150に出力される表示コマンドはシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレート(単位時間あたりに送信できるデータの大きさ)として19.2キロ(k)ビーピーエス(bits per second、以下、「bps」と記載する)が設定されている。一方、周辺制御MPU4140aからランプ駆動基板4160に出力される、初期データ、扉枠側点灯点滅コマンド、遊技盤側点灯点滅コマンド、扉枠側モータ駆動コマンド、遊技盤側モータ駆動コマンド、表示コマンドと異なる複数のシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレートとして250kbpsが設定されている。
このランプ駆動基板4160は、受信した扉枠側点灯点滅コマンドに基いて点灯信号又は点滅信号を、副ドロワ中継基板1108を介して扉枠5に備えられた各装飾基板126,190,206,224,225,296等のLEDに出力したり、受信した遊技盤側点灯点滅コマンドに基いて点灯信号又は点滅信号を遊技盤4に備えられた各装飾基板2114,2129,2206,2430,2432,2434,3024,3025,3035,3036,3043,3233,3238,3247,3249,3418,3420,3638,3664,3646,3668,3670のLEDや、扉枠5のガラスユニット450におけるガラス装飾基板453のLED453aに出力したりする。また、ランプ駆動基板4160は、受信した扉枠側モータ駆動コマンドに基いて回転駆動信号を、副ドロワ中継基板1108を介して扉枠5に備えられた左回転灯モータ245、右回転灯モータ265、及び中央回転灯モータ285に出力したり、受信した遊技盤側モータ駆動コマンドに基いて回転駆動信号を遊技盤4に備えられたロゴ駆動モータ3212、星ユニット昇降駆動モータ3216、星回転駆動モータ3242、サイド駆動モータ3404、下部昇降駆動モータ3606、翼回動駆動モータ3648に出力したりする。
また、周辺制御MPU4140aは、遊技盤4の上部可動装飾体ユニット3200における右ロゴ可動装飾体3230、左ロゴ可動装飾体3235、星ユニット3240、及び星形回転装飾体3245や、サイド可動装飾体ユニット3400における装飾体本体3414や、下部可動装飾体ユニット3600における昇降ベース3630,3632(前右翼可動装飾部材3640及び前左翼可動装飾部材3644)、後右翼可動装飾部材3664及び後左翼可動装飾部材3666の可動位置を夫々検知する検知センサ3220,3221,3250,3408,3622,3672からの検知信号が、ランプ駆動基板4160を介して夫々入力されており、これらの検知信号に基いて、右ロゴ可動装飾体3230、左ロゴ可動装飾体3235、星ユニット3240、星形回転装飾体3245、サイド可動装飾体ユニット3400の装飾体本体3414、昇降ベース3630,3632、後右翼可動装飾部材3664及び後左翼可動装飾部材3666の原位置を把握している。
また、周辺制御MPU4140aは、扉枠5の回転灯244,264,284の回転位置を夫々検出する左回転位置検出センサ250、右回転位置検出センサ270、中央回転位置検出センサ290からの検出信号が、副ドロワ中継基板108及びモータ駆動基板3013を介して夫々入力されており、これらの検出信号に基いて各回転灯224,264,284の回転位置を把握している。更に周辺制御MPU4140aは、液晶制御基板4150が正常動作している旨を伝える信号(動作信号)が液晶制御基板4150から入力されたり、扉枠5における皿ユニット300に備えられた操作ボタンユニット370のメインボタン371やサブボタン372の操作を検出するメインボタンセンサ376やサブボタンセンサ378からの操作検出信号が、副ドロワ中継基板1108及びランプ駆動基板4160を介して入力されたりする。なお、メインボタン371には、振動体371cが備えられており、この振動体371cに対して副ドロワ中継基板1108及びランプ駆動基板4160を介して周辺制御MPU4140aから駆動信号が送られるようになっている。
音源IC4140cは、周辺制御MPU4140aから出力された音コマンドに基いて音ROM4140dから音情報を抽出し、ランプ駆動基板4160、そして副ドロワ中継基板1108を介して扉枠5のサイドスピーカ121や下部スピーカ391から各種演出に合わせた音楽及び効果音等が流れるよう制御を行う。
なお、周辺制御基板4140は、図示しない、外部ウォッチドックタイマ(外部WDT)も備えており、周辺制御MPU4140aは、その内蔵されたウォッチドックタイマ(内蔵WDT)と外部WDTとを併用して周辺制御MPU4140aのシステムが暴走していないかを診断している。
[3−4.液晶制御基板]
次に、周辺基板4010における液晶表示装置1400の描画制御を行う液晶制御基板4150は、図示するように、マイクロプロセッサとしての液晶制御MPU4150aと、各種処理プログラム、各種コマンド及び各種データを記憶する液晶制御ROM4150bと、上述した液晶表示装置1400を表示制御するVDP(Video Display Processorの略)4150cと、液晶表示装置1400に表示される画面の各種データを記憶するキャラROM4150dと、このキャラROM4150dに記憶されている各種データが転送されてコピーされるキャラRAM4150eと、を備えている。
この液晶制御MPU4150aは、パラレル入出力ポート、シリアル入出力ポート等を内蔵しており、周辺制御基板4140から上述した表示コマンドを受信すると、その詳細な説明は後述するが、受信した表示コマンドに基いてVDP4150cを制御して液晶表示装置1400の描画制御を行う。なお、液晶制御MPU4150aは、正常に動作していると、上述したように、その旨を伝える動作信号を周辺制御基板4140に出力する。
液晶制御ROM4150bは、液晶表示装置1400に描画する画面を生成するための各種プログラムの他に、表示コマンドに対応するスケジュールデータ、表示コマンドに対応する非常駐領域転送スケジュールデータ等を複数記憶している。スケジュールデータは、画面の構成を規定する画面データが時系列に配列されて構成されており、液晶表示装置1400に描画する画面の順序が規定されている。非常駐領域転送スケジュールデータは、キャラROM4150dに記憶されている各種データをキャラRAM4150eの後述する非常駐領域に転送する際に、その順序を規定する非常駐領域転送データが時系列に配列されて構成されている。この非常駐領域転送データは、スケジュールデータの進行に従って液晶表示装置1400に描画される画面データを、前もって、キャラROM4150dからキャラRAM4150eの非常駐領域に各種データを転送する順序が規定されている。
液晶制御MPU4150aは、周辺制御基板4140から表示コマンドを受信すると、この表示コマンドに対応するスケジュールデータを抽出し、この抽出したスケジュールデータの先頭の画面データを液晶制御ROM4150bから抽出してVDP4150cに出力する。そして液晶制御MPU4150aは、先頭の画面データに続く画面データを抽出してVDP4150cに出力する。このように、液晶制御MPU4150aは、スケジュールデータに時系列に配列された画面データを、先頭の画面データから1つずつ、液晶制御ROM4150bから抽出してVDP4150cに出力する。
VDP4150cは、液晶制御MPU4150aから出力された画面データが入力されると、この入力された画面データに基いてキャラRAM4150eから後述するスプライトデータを抽出して液晶表示装置1400に表示する描画データを生成し、この生成した描画データを液晶表示装置1400に出力する。なお、VDP4150cは、ラインバッファ方式が採用されている。この「ラインバッファ方式」とは、液晶表示装置1400の左右方向を描画する1ライン分の描画データをラインバッファに保持し、このラインバッファに保持した1ライン分の描画データを液晶表示装置1400に出力する方式である。
キャラROM4150dは、極めて多くのスプライトデータを記憶しており、その容量が大きくなっている。キャラROM4150dの容量が大きくなると、つまり液晶表示装置1400に描画するスプライトの数が多くなると、キャラROM4150dのアクセス速度が無視できなくなり、液晶表示装置1400に描画する速度に影響することとなる。そこで、本実施形態では、アクセス速度の速いキャラRAM4150eに、キャラROM4150dに記憶されているスプライトデータを転送してコピーし、このキャラRAM4150eからスプライトデータを抽出している。スプライトデータは、スプライトをビットマップ形式に展開する前のデータである基データであり、圧縮された状態でキャラROM4150dに記憶されている。
ここで、「スプライト」とは、液晶表示装置1400にまとまった単位として表示されるイメージである。例えば、液晶表示装置1400に種々の人物を表示させる場合には夫々の人物を描くためのデータを「スプライト」と呼ぶ。これにより、液晶表示装置1400に複数人の人物を表示させる場合には複数のスプライトを用いることとなる。また人物のほかに、背景を構成する家、山、道路等もスプライトであり、背景全体を1つのスプライトとすることもできる。これらのスプライトは、画面に配置される位置やスプライト同士が重なる場合の上下関係(以下、「スプライトの重ね合わせの順序」と記載する。)が設定されて液晶表示装置1400に表示される。
なお、スプライトは縦横夫々64画素の矩形領域を複数張り合わせて構成されている。この矩形領域を描くためのデータを「キャラクタ」と呼ぶ。小さなスプライトの場合には1つのキャラクタを用いて表現することができるし、人物など比較的大きいスプライトの場合には、例えば横2×縦3などで配置した合計6個のキャラクタを用いて表現することができる。背景のように更に大きいスプライトの場合には更に多数のキャラクタを用いて表現することができる。このように、キャラクタの数及び配置は、スプライトごとに任意に指定することができるようになっている。
液晶表示装置1400は、左右方向に800画素、上下方向に600画素(SVGA)を有しており、液晶表示装置1400の左から右に向かって順次、画素に沿った一方向に画素ごとの表示状態を設定する主走査と、その一方向と交差する方向に主走査を繰り返し行う副走査と、によって駆動されるようになっている。液晶表示装置1400は、液晶制御基板4150から出力された1ライン分の描画データが入力されると、液晶ドライブ回路1315bは、この1ライン分の描画データに基いて、主走査として液晶表示装置1400の左から右に向かって順次、1ライン分の画素に夫々出力する。そして1ライン分の出力が完了すると、副走査として直下のラインに移行し、同様に次ライン分の描画データが入力されると、この次ライン分の描画データに基いて、主走査として液晶表示装置1400の左から右に向かって順次、1ライン分の画素に夫々出力する。
また、液晶表示装置1400は、インバータ基板1411によって点灯されるバックライト(冷陰極管)が内蔵されている。
[4.遊技内容]
本実施形態のパチンコ機1における遊技内容について、具体的に説明する。本実施形態のパチンコ機1は、扉枠5の右下に配置された操作ハンドル部461を遊技者が回転操作することで、皿ユニット300の貯留皿311に貯留された遊技球が、透明な遊技パネル600の前面に配置された遊技領域605内の上部へと打ち込まれて、遊技球による遊技が開始されるようになっている。遊技領域605内の上部へ打ち込まれた遊技球は、その打込強さによってセンター役物2400の上側の左側或いは右側の遊技領域605内を流下することとなる。なお、遊技球の打込強さは、操作ハンドル部461の回転量によって調整することができるようになっており、時計回りの方向へ回転させるほど強く打ち込むことができるようになっている。また、遊技領域605内には、適宜位置に所定のゲージ配列で複数の障害釘が遊技パネル600の前面に植設されており、遊技球がその障害釘に当接することで、遊技球の流下速度が抑制されると共に、遊技球に様々な動きが付与されて、その動きを楽しませられるようになっている。
センター役物2400の上部へ打ち込まれた遊技球が、左右方向の略中央から左側を流下してセンター役物2400の上棚部2404へ到達すると、上棚部2404によってセンター役物2400の左側の領域へと誘導される。そして、センター役物2400の左側を流下する遊技球が、センター役物2400の左側に配置されたゲート部材2300のゲート2302に進入通過してゲートセンサ2304により検出されると、その検出信号に基いて主制御基板4100では、普通乱数が発生する。そして、その普通乱数に基いて、機能表示ユニット1400における普通図柄表示器645の普通図柄が変動表示(一つのLEDからなる普通図柄表示器645が、赤色、緑色、橙色に交互に発光)され、所定時間(例えば、2秒〜30秒の間)経過後に抽出されている普通乱数(普通抽選結果)に基いた普通図柄が停止表示(普通図柄表示器645が赤色又は緑色の何れかに発光)される。この普通図柄の変動表示は、普通図柄変動パターン選択手段4204において所定の普通図柄変動パターン選択テーブルから選択された普通図柄変動パターンに基いて行われるようになっている。
詳しくは、抽選された普通乱数が「普通当り」乱数の場合、当りを示唆する普通図柄で停止表示(普通図柄表示器645が緑色に発光)され、抽選された普通乱数が「普通ハズレ」乱数の場合、ハズレを示唆する普通図柄で停止表示(普通図柄表示器645が赤色に発光)されるようになっている。そして、当りを示唆する普通図柄が停止表示されると、第二始動口2102を閉鎖する一対の可動片2105が所定時間(例えば、0.3秒〜3秒の間)拡開して、第二始動口2102へ遊技球が入賞できるようになっている。
なお、普通図柄の変動時間や第二始動口2102における可動片2105の拡開時間については、後述する特別乱数及び図柄乱数(特別抽選結果)に応じて変化させるようにしても良く、例えば、特別乱数及び図柄乱数(特別抽選結果)として、「時短当り(低確率時短当り、高確率時短当り、等を含む)」が抽出された場合に、その変動時間や拡開時間を短い時間に変更するようにしても良い。具体的には、非時短状態(低確率非時短状態)にて普通図柄変動パターンを選択する際に使用する普通図柄変動パターンテーブルと、時短状態(低確率時短状態、高確率時短状態)にて普通図柄変動パターンを選択する際に使用する普通図柄変動パターンテーブルと、を遊技状態に応じて選択し、選択した普通図柄変動パターンテーブルに基づいて普通図柄変動パターンを選択することで容易に変化させることができる。
なお、本例のパチンコ機1では、センター役物2400の上側において、左右方向中央から左側には遊技球が流下可能な領域が備えられているものの、中央から右側は遊技領域605の外周に沿って下方へ延びる円弧状の領域が備えられており、この領域に遊技球が進入するとゲート2302やワープ入口2405へ遊技球が進入する機会を得ることなくセンター役物2400の下側へ送られてしまい、チャンスが少なくなると共に遊技球の動きがあまり楽しめなくなるようになっている。従って、遊技者は、遊技球がセンター役物2400の上側において左右方向中央から左側の領域を流下するように、操作ハンドル部461の回転量を適宜調整して遊技することとなり、闇雲に遊技球を強く打ち込むような遊技操作を抑制して、パチンコ機1本来の操作ハンドル部461の操作による遊技を楽しませて興趣が低下するのを防止することができるようになっている。
ところで、本例では、普通図柄表示器645において普通図柄が変動表示中に、ゲートセンサ2304で遊技球の通過が検出されると、変動中の普通図柄を停止して先に発生・抽出された普通乱数の結果が確定するまでの間、ゲートセンサ2304からの検出信号に基いて抽出された普通乱数(普通図柄変動パターンを含む)を一時的に記憶してその表示を保留するようになっており、その記憶された普通乱数の数(保留数とも言う)を、普通図柄記憶表示器646で表示するようになっている。この普通図柄記憶表示器646は、四つのLEDからなっており、点灯する各LEDの数によって記憶数を示唆するようになっており、本例では、四つまで記憶して表示するようになっている。なお、記憶数が四つを越えた場合は、ゲートセンサ2304の検出信号に基いて抽出された普通乱数が破棄されるようになっている。
また、遊技領域605内へ打ち込まれセンター役物2400の左側を流下した遊技球は、サイド装飾部材2100の棚部2102によってセンター役物2400の下側で遊技領域605の中央側へ寄せられるようになっている。そして、センター役物2400の下方に配置された一般入賞口2104に遊技球が入賞して、一般入賞口センサ3081に検出されると、その検出信号に基いて主制御基板4100では払出制御基板1186に対して所定の払出コマンドを送信し、その払出コマンドに応じて払出制御基板1186が賞球ユニット800の払出モータ815を制御して所定数(例えば、10個)の遊技球が、貯留皿311へ払出されるようになっている。
なお、遊技領域605内へ打ち込まれた遊技球が、一般入賞口2104、第一始動口2101、第二始動口2102、及び大入賞口2103の何れにも入賞しなかった場合、遊技領域605の左右方向中央下端に設けられてアウト口606から、遊技盤4の後側下方へ排出されるようになっている。また、遊技球が、一般入賞口2104、第一始動口2101、第二始動口2102、及び大入賞口2103の何れに入賞しても、入賞した遊技球は、遊技領域605内へ戻されること無く遊技盤4の後側下方へ排出されるようになっている。
一方、センター役物2400の左側を流下する遊技球が、センター役物2400の左側側面に開口するワープ入口2405へ進入すると、センター役物2400のステージ2410における後側の第一ステージ2411へと供給されるようになっている。そして、第一ステージ2411上へ供給された遊技球は、第一ステージ2411上を左右方向へ転動して、前方へと放出されて第二ステージ2412上へと供給される。この第二ステージ2412でも遊技球が左右方向へ転動してアタッカユニット2100の上方の遊技領域605内へ放出される。なお、このステージ2410における第二ステージ2412の中央から遊技領域605内へ遊技球が放出されると、高い確率で第一始動口2101へと受入れられるようになっている。そして、遊技球が第一始動口2101に受入れられて第一始動口センサ3080に検出されると、主制御基板4100等を介して賞球ユニット800から所定数(例えば、3個)の遊技球が、貯留皿311へ払出されるようになっている。
なお、本例のパチンコ機1では、第一始動口2101、第二始動口2102、及び大入賞口2103が、上下方向に並んで配置されているので、ステージ2410から放出される遊技球が、高い確率で第一始動口2101等に受入れられるようになっており、第二始動口2102や大入賞口2103が受入可能な時に、遊技球がステージ2410から放出されると受入れられる可能性が高いので、第一始動口2101だけでなく第二始動口2102や大入賞口2103に対しても、遊技球の受入れに関する期待感を持たせて興趣を高めることができるようになっている。
ところで、遊技球がゲート部材2300のゲート2302を通過してゲートセンサ2304により検出されて普通抽選結果として「普通当り」が抽選されると、上述したように、第二始動口2102を閉鎖する一対の可動片2105が所定時間拡開して入賞可能となり、その入賞可能となった時に、遊技球が第二始動口2102へ受入れられて第二始動口センサ2127に検出されると、主制御基板4100等を介して賞球ユニット800から所定数(例えば、4個)の遊技球が、貯留皿311へ払出されるようになっている。
また、主制御基板4100では、これら第一始動口2101、第二始動口2102に遊技球が入賞して、第一始動口センサ3080、第二始動口センサ2127に検出されると、第一始動口2101では所定の第一特別乱数及び第一図柄乱数の発生・抽出が、第二始動口2102では所定の第二特別乱数及び第二図柄乱数の発生・抽出が夫々行われる。そして、抽出された特別乱数及び図柄乱数に基いて、機能表示ユニット1400の対応する第一特別図柄表示器641や第二特別図柄表示器642に表示された特別図柄の変動表示が開始された後に、抽出された特別乱数及び図柄乱数と対応する特別図柄が特別抽選結果として停止表示されるようになっている。これら第一特別図柄表示器641や第二特別図柄表示器642において、「大当り」を示唆する態様で特別図柄が停止表示されると、アタッカユニット2100の開閉部材2106が、所定のパターンで開閉動作する大当り遊技状態が発生し、その間に大入賞口2103へ遊技球を入賞させることで、より多くの遊技球を獲得できるようになっている。なお、一つの遊技球が大入賞口2103へ入賞すると、賞球ユニット800から所定数(例えば、13個)の遊技球が貯留皿311へ払い出されるようになっている。
なお、これら第一始動口2101、第二始動口2102においても、ゲート2302への遊技球の通過による普通図柄の変動表示と同様に、第一特別図柄表示器641や第二特別図柄表示器642において特別図柄が変動表示中、又は、大当り遊技状態中等の特別図柄を変動表示さることができない時に、始動口2101,2102へ遊技球が入賞して第一始動口センサ3080、第二始動口センサ2127で検出されると、特別図柄の変動表示が可能となるまでの間、第一始動口センサ3080、第二始動口センサ2127からの検出信号に基いて抽出された第一特別乱数及び第一図柄乱数や第二特別乱数及び第二図柄乱数を記憶してその表示を保留するようになっており、その記憶された特別乱数及び図柄乱数の数を、第一特別図柄記憶表示器643や第二特別図柄記憶表示器644において表示するようになっている。
これら第一特別図柄記憶表示器643や第二特別図柄記憶表示器644は、夫々二つのLEDからなっており、消灯・点灯・点滅する各LEDの発光状態の組合せによって記憶数を示唆するようになっており、本例では、夫々四つまで記憶して表示するようになっている。なお、記憶数が四つを越えた場合は、抽出された特別乱数及び図柄乱数が破棄されるようになっている。また、第二特別乱数及び第二図柄乱数が、第一特別乱数及び第一図柄乱数よりも優先して実行(消化)されるようになっている。つまり、第二始動口2102に係る抽選結果の保留が、第一始動口2101に係る抽選結果の保留よりも優先して実行(消化)されるようになっている。
また、主制御基板4100では、第一始動口センサ3080、第二始動口センサ2127の検出に基いて抽出された第一特別乱数や第二特別乱数の特別乱数を予め決められた当り判定テーブルと照合することで、その特別乱数が、「ハズレ」、「小当り」、「大当り」の何れであるかが判別されると共に、第一始動口センサ3080、第二始動口センサ2127の検出に基いて抽出された第一図柄乱数や第二図柄乱数の図柄乱数を、予め決められた図柄判定テーブルと照合することで、「大当り」について、「2R大当り」、「15R大当り」の何れかであるかと、「確変時短無し当り(高確率非時短当り)」「確変当り(高確率時短当り)」、「時短当り(低確率時短当り)」、「非確変非時短当り(低確率非時短当り)」のいずれであるかと、も判別されるようになっている。
そして、第一始動口2101、第二始動口2102への遊技球の始動入賞を契機として抽出(抽選)された第一特別乱数や第二特別乱数が(特別抽選結果が)、「小当り」の場合、主制御基板4100は、アタッカユニット2100の開閉部材2106を、所定短時間(例えば、0.2秒〜0.6秒の間)の間開状態として閉鎖する開閉パターンを複数回(例えば、2回)繰返して、大入賞口2103へ遊技球を入賞することを可能にする小当り遊技状態を発生させるようになっている。
一方、抽出された第一特別乱数や第二特別乱数が、「大当り」の場合、主制御基板4100は、アタッカユニット2100の開閉部材2106を開状態とした後に、所定時間(例えば、約30秒)経過、或いは、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口2103に入賞の何れかの条件が充足すると開閉部材2106を閉状態とする開閉パターン(一回の開閉パターンを1ラウンドと称す)を、所定回数(所定ラウンド数)繰返すようになっており、「2R大当り」であれば2ラウンド、「15R大当り」であれば15ラウンド、夫々繰返して、遊技者に有利な大当り遊技状態を発生させるようになっている。なお、所定ラウンド数の終了後に、「高確率時短当り」については、低確率時に特別乱数と照合させる低確率時当り判定テーブルよりも大当りと判定される確率を向上させた高確率時当り判定テーブルと交換するようになっている。
ところで、本実施形態のパチンコ機1では、第一始動口2101や第二始動口2102への遊技球の始動入賞を契機として抽出された第一特別乱数及び第一図柄乱数や第二特別乱数及び第二図柄乱数に応じて(特別抽選結果に応じて)、機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器641や第二特別図柄表示器642が変動表示される他に、液晶表示装置1400においても、特別乱数及び図柄乱数(特別抽選結果)に応じた演出画像が表示されるようになっている。具体的には、液晶表示装置1400において、複数の異なる図柄からなる一連の装飾図柄列が複数列(例えば、左・中・右の装飾図柄の三列)表示された状態で各装飾図柄列の変動表示が開始され、その後に、順次停止表示され(本例では左装飾図柄→右装飾図柄→中装飾図柄の順に停止表示される)、最終的に全ての装飾図柄列が停止表示されると、停止表示された装飾図柄の組合せによって抽出された特別乱数及び図柄乱数の判定結果が遊技者側に示唆されるようになっている。つまり、第一特別図柄及び第二特別図柄の変動停止時の態様(第一特別図柄の停止図柄及び第二特別図柄の停止図柄)と装飾図柄の停止図柄とは対応し、始動入賞による特別抽選結果に応じて、複数の装飾図柄列が変動表示された後に特別抽選結果を示唆するように停止表示される演出画像が表示されるようになっている。具体的には、第一特別図柄及び第二特別図柄の変動停止時の態様が大当りとなる旨を示す態様である場合には装飾図柄の停止図柄も大当りとなる旨を示す停止図柄(大当り図柄;本例では15R大当りであれば左・中・右の装飾図柄が全て同一の図柄で揃った状態の15R大当り図柄で停止表示し、2R大当りであれば左・中・右の装飾図柄として予め決められた2種類以上の図柄を含む組み合わせの2R大当り図柄で停止表示する)となる。なお、第一及び第二特別図柄表示器641,642の特別図柄よりも、液晶表示装置1400に表示される装飾図柄の方が大きく見易いため、一般的に遊技者は液晶表示装置1400に表示された装飾図柄に注目することとなる。
この複数の装飾図柄列が変動表示する演出画像の一つとして、一つの変動する装飾図柄列(本例では中装飾図柄列)を残して停止表示された装飾図柄(本例では左装飾図柄及び右装飾図柄)の組合せが特定条件(リーチ;左装飾図柄と右装飾図柄とが同一図柄で停止表示したこと)を充足するように表示される「リーチ演出画像」があり、この「リーチ演出画像」が表示される特別抽選結果として、「リーチ当り」、「リーチハズレ」、がある。また、「リーチ演出画像」と繋がるように表示され、リーチ表示後に、変動表示している残りの装飾図柄列を強調して表示する「リーチ発展演出画像」もある。また、液晶表示装置1400には、始動入賞に係る演出表示だけでなく、「大当り」遊技中に表示される「大当り遊技演出画像」も表示可能とされている。
なお、第一特別図柄表示器641や第二特別図柄表示器642での特別図柄の変動表示は、主制御基板4100によって直接制御されるようになっているのに対して(図193を参照)、液晶表示装置1400での装飾図柄の変動表示は、主制御基板4100から周辺制御基板4140へ送信される抽選結果に係るコマンドに基づいて周辺制御基板4140及び液晶制御基板4150によって制御されるようになっている。これにより、特に遊技者が注目する液晶表示装置1400での装飾図柄の変動表示を周辺制御基板4140等で制御するようにしているので、主制御基板4100から送信されてくる抽選結果に係る或る一つのコマンドに対して、複数の装飾図柄の変動パターンを予め用意して液晶表示装置1400における装飾図柄の変動パターンをより多くすることができる。また、「大当り」遊技中等に表示される「大当り遊技演出画像」等も周辺制御基板4140等で制御されるようになっており、様々なパターンの演出画像が予め用意されている。これにより、主制御基板4100における演算処理の負荷を高めることなく表示される演出画像の表示パターンを増やすことができ、遊技者をより楽しませて飽きられ難いパチンコ機1とすることができるようになっている。
また、周辺制御基板4140では、演出画像の制御の他に、抽選結果に係るコマンドに基いて、裏ユニット3000に備えられた可動する各上部可動装飾体ユニット3200の右ロゴ可動装飾体3230、左ロゴ可動装飾体3235、星ユニット3240、星形回転装飾体3245や、サイド可動装飾体ユニット3400の装飾体本体3414や、下部可動装飾体ユニット3600の後昇降ベース3630及び前昇降ベース3632(前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642)、後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666等を適宜作動させると共に、遊技盤4等に備えられた各装飾基板2114,2129,2206,2430,2432,2434,3024,3025,3035,3036,3043,3233,3238,3247,3249,3418,3420,3638,3664,3646,3668,3670に実装されたLEDを適宜発光させるようにしており、可動演出や発光演出によって遊技者を楽しませることができるようになっている。
[5.本実施形態と本発明との関係]
本実施形態におけるガラスユニット450のガラス板452は本発明の窓板に、本実施形態におけるアタッカユニット2100の台板2110、サイド装飾部材2200の本体部材2202、センター役物2400の前壁部2403、裏前ユニット3000bの裏前上部装飾部材3020、裏前左部装飾部材3030、及び裏前下部装飾部材3040は本発明の装飾体に、夫々相当している。また、本実施形態における台板レンズ部材2113、左下円弧装飾部2205、右円弧装飾部2420、上円弧装飾部3021、左上円弧装飾部3031、及び下円弧装飾部3041は、本発明の円弧状装飾部に相当している。更に、本実施形態における星形装飾部2422,3023,3034,3219、星形装飾部材3070、及び星形装飾体3248は、本発明の錐状装飾部に相当している。
また、本実施形態におけるアタッカサイド装飾基板2114、左下円弧装飾基板2206、右円弧装飾基板2430、上円弧装飾基板3024、左上円弧装飾基板3035、及び下円弧装飾基板3043は、本発明の発光手段に相当している。また、本実施形態におけるLED2114a,2206a,2430a,3024a,3035a,3043aは、本発明の発光部に相当している。
[6.本実施形態の特徴的な作用効果]
このように、本実施形態のパチンコ機1によると、アタッカサイド装飾基板2114、左下円弧装飾基板2206、右円弧装飾基板2430、上円弧装飾基板3024、左上円弧装飾基板3035、及び下円弧装飾基板3043に実装されたLED2114a,2206a,2430a,3024a,3035a,3043aを発光させることで、アタッカユニット2100の台板2110、サイド装飾部材2200の本体部材2202、センター役物2400の前壁部2403、裏前ユニット3000bの裏前上部装飾部材3020、裏前左部装飾部材3030、及び裏前下部装飾部材3040等を発光装飾させることができると同時に、LED2114a,2206a,2430a,3024a,3035a,3043aからの点状の光を、台板2110、本体部材2202、前壁部2403、裏前上部装飾部材3020、裏前左部装飾部材3030、及び裏前下部装飾部材3040等の貫通孔を通して直接的に遊技者へ照射させることができると共に、LED2114a,2206a,2430a,3024a,3035a,3043aからの光が透明な遊技パネル600やガラスユニット450のガラス板452で遊技盤4側や裏ユニット3000側へ反射した上で更に金属光沢を有した台板2110、本体部材2202、前壁部2403、裏前上部装飾部材3020、裏前左部装飾部材3030、及び裏前下部装飾部材3040等の表面で反射して間接的にも遊技者側へ照射することができるので、キラキラ感の高い発光装飾が可能な装飾体とすることが可能となり、遊技者の関心を強く引付けることができると共に、多彩な発光演出によって飽き難くすることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、台板2110、本体部材2202、前壁部2403、裏前上部装飾部材3020、裏前左部装飾部材3030、及び裏前下部装飾部材3040等の装飾体における少なくとも表面が、金属光沢を有するようにしており、LED2114a,2206a,2430a,3024a,3035a,3043a等や他の部材(例えば、遊技盤4に備えられた他のLEDや、ガラスユニット450に備えられたLED453a、所定の演出画像を表示可能な液晶表示装置1400、等)からの光、或いはパチンコ機1外からの光(遊技ホール内の照明、他のパチンコ機からの光)が台板2110、本体部材2202、前壁部2403、裏前上部装飾部材3020、裏前左部装飾部材3030、及び裏前下部装飾部材3040等の装飾体の表面で遊技者側へ反射するので、反射した光によって装飾体がキラキラ光っているように見せることができ、これまでのパチンコ機では見たことのない装飾体の輝きにより遊技者の関心を強く引付けることができる。
更に、台板2110、本体部材2202、前壁部2403、裏前上部装飾部材3020、裏前左部装飾部材3030、及び裏前下部装飾部材3040等の装飾体を透明なガラス板452の後側に配置すると共に、装飾体の一部を遊技領域605の後端を区画する透明な遊技パネル600の後側に配置するようにしているので、LED2114a,2206a,2430a,3024a,3035a,3043a等からの光をガラス板452や遊技パネル600で反射させて装飾体の表面を照らすことができ、装飾体の表面を明るくして見易くすることができると同時に、遊技パネル600の前面を流通する遊技球も照らすことができ、遊技球を見易くすることができると共に、LED2114a,2206a,2430a,3024a,3035a,3043a等からの光によって遊技球をキラキラと輝かせることができ、装飾体のキラキラ感と合せてめくるめく光の装飾により遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、LED2114a,2206a,2430a,3024a,3035a,3043a等を、正面視で台板2110、本体部材2202、前壁部2403、裏前上部装飾部材3020、裏前左部装飾部材3030、及び裏前下部装飾部材3040等の装飾体の貫通孔から一部が臨むように配置するようにしており、遊技者側からはLED2114a,2206a,2430a,3024a,3035a,3043aの全体が見えないので、装飾体の見栄えが悪くなるのを抑制することができ、装飾体による装飾効果を充分に発揮させて遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、装飾体の貫通孔からLED2114a,2206a,2430a,3024a,3035a,3043aの一部が遊技者側へ臨むようにしており、LED2114a,2206a,2430a,3024a,3035a,3043a等からの光の一部を装飾体で遮るようにして遊技者側へ照射することとなるので、遊技者の目に入る光量を低減させて眩しく感じられるのを抑制することができると共に、相対的に遊技領域605内が暗く見えるのを低減させて遊技球が見辛くなるのを抑制することができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、アタッカユニット2100の台板2110、サイド装飾部材2200の本体部材2202、センター役物2400の前壁部2403、裏前ユニット3000bの裏前上部装飾部材3020、裏前左部装飾部材3030、及び裏前下部装飾部材3040等の装飾体に、円弧状の台板レンズ部材2113、左下円弧装飾部2205、右円弧装飾部2420、上円弧装飾部3021、左上円弧装飾部3031、及び下円弧装飾部3041等の円弧状装飾部を備えた上で、円弧状装飾部におけるレリーフの隙間に貫通孔を形成し、円弧状装飾部の後側に円弧状にLED2114a,2206a,2430a,3024a,3035a,3043aを配列するようにしているので、所定形状の装飾(装飾体)と無関係に貫通孔を形成するようにした場合と比較して、貫通孔によって装飾体が不自然な形状になるのを防止することができ、充分な装飾効果を発揮することが可能な装飾体とすることができる。
また、金属光沢を有したアタッカユニット2100の台板2110、サイド装飾部材2200の本体部材2202、センター役物2400の前壁部2403、裏前ユニット3000bの裏前上部装飾部材3020、裏前左部装飾部材3030、及び裏前下部装飾部材3040等の装飾体におけるレリーフ状の装飾を唐草模様状に形成しており、蓋然的に、装飾体の表面が滑らかな曲面が連続したような三次元的な形状となるので、LED2114a,2206a,2430a,3024a,3035a,3043a等や発光する他の部材等からの光を様々な方向へ反射させることができ、キラキラ感の高い装飾体を具現化することができると共に、上述した作用効果を確実に奏することができる。
更に、台板2110、本体部材2202、前壁部2403、裏前上部装飾部材3020、裏前左部装飾部材3030、及び裏前下部装飾部材3040等の装飾体に形成された唐草模様状のレリーフの隙間(貫通孔)を通して光を遊技者側へ照射するようにしているので、装飾体の後側に配置されたLED2114a,2206a,2430a,3024a,3035a,3043aが発光している時は唐草模様がシルエット状に見え、発光していない時は唐草模様が金属光沢状に見えるので、LED2114a,2206a,2430a,3024a,3035a,3043aの発光によって装飾体の見え方を変化させることができ、飽き難いパチンコ機1とすることができる。
また、台板2110、本体部材2202、前壁部2403、裏前上部装飾部材3020、裏前左部装飾部材3030、及び裏前下部装飾部材3040等の装飾体における唐草模様状の間(貫通孔)を通して点状に発光するLED2114a,2206a,2430a,3024a,3035a,3043aが遊技者側へ臨むようにしているので、遊技者における目の位置の移動により唐草模様と各LED2114a,2206a,2430a,3024a,3035a,3043aのかかり具合が変化し、遊技者に対してLED2114a,2206a,2430a,3024a,3035a,3043aからの光が瞬いているように見せることができ、キラキラとした発光装飾により遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、前後方向を中心軸とした多角錐状の星形装飾部2422,3023,3034,3219、星形装飾部材3070、及び星形装飾体3248を複数備えるようにしており、LED2114a,2206a,2430a,3024a,3035a,3043a等や発光する他の部材等からの光、透明な遊技パネル600やガラス板452で反射した光等、を星形装飾部2422,3023,3034,3219等によって遊技者側へ反射させることができるので、台板2110、本体部材2202、前壁部2403、裏前上部装飾部材3020、裏前左部装飾部材3030、及び裏前下部装飾部材3040等の装飾体のキラキラ感をより高めることが可能となり、これまでのパチンコ機にない煌びやかな装飾体によって遊技者の関心を強く引付けることができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
[7.制御処理]
次に、主制御基板4100(特に主制御MPU4100a)で実行される制御処理の例について説明する。図194(a)は、当該パチンコ機1に電源が投入されたとき、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aによって行われる制御処理の手順を示すフローチャートである。
同図194(a)に示されるように、この実施の形態にかかる主制御基板4100はまず、RAMクリアスイッチ624aが操作されていることを条件にステップS1の処理として、各種のレジスタやRAMに格納されているデータを初期化する。RAMクリアスイッチ624aはパチンコ機1の背面側に設けられ、本体枠3が開放されなければ操作できないようになっている。また、RAMクリアスイッチ624aは電源投入から所定期間(例えば1秒)が経過する以前の操作に応じてクリア信号を主制御基板4100に出力し、電源投入時に主制御MPU4100aがクリア信号を入力されていると判断した場合に初期化処理(ステップS1)を実行して各種のレジスタや主制御MPU4100aのRAMに格納されているデータを初期化するようになっている
なお、図示していないがこの例では、パチンコ機1への電源を遮断するときには遊技の進行状況を示す情報(例えば各種フラグ等)を主制御MPU4100aのRAMに保存するバックアップ処理を実行する。そしてパチンコ機1への電源を投入したときにRAMクリアスイッチ624aが操作されていなければ、初期化処理(ステップS1)を実行することなくバックアップ処理で主制御MPU4100aのRAMに保存された情報を参照し、該情報に応じた状態に復旧させる復旧処理を実行する。また、パチンコ機1への電源投入時にRAMクリアスイッチ624aを操作した場合には、復旧処理を実行することなく初期化処理を実行してパチンコ機1を初期状態に設定するようになっている。
次いで、ステップS2の処理として、予め定められた数値範囲内で更新される数である乱数の更新を行う。すなわち、この実施の形態にかかる主制御基板4100では、上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理に供される特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)、上記特別図柄の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)についての抽選処理に供される変動乱数、上記特別図柄の変動表示に対応して液晶表示装置1400で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか否かの抽選処理に供されるリーチ乱数(リーチ乱数)、上記特別乱数に基づいて大当りとすると判定された場合に大当りの種類を決定するための抽選処理に供される図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)、上記可動片2105の動作契機となる当りの当落にかかる抽選処理に供される乱数(普通乱数)等々、といった乱数を保持する乱数カウンタを備えている。
なお、本例では第一特別図柄と第二特別図柄とで共通のリーチ乱数を用いるように、すなわち第一始動口2101に始動入賞した場合であっても、第二始動口2102に始動入賞した場合であっても、リーチ乱数を更新する同一のカウンタからリーチ乱数を取得するように構成しているが、リーチ乱数を更新する乱数の範囲が異なるカウンタから取得することによりリーチ演出の実行割合を異ならせるようにしてもよいし、取得したリーチ乱数と比較するリーチ判定値が設定されるリーチ判定テーブルとして第一特別図柄に対応する第一リーチ判定テーブルと、第二特別図柄と対応し、第一リーチ判定テーブルとは異なるリーチ判定値が設定される第二リーチ判定テーブルとを備えることによりリーチ演出の実行割合を異ならせるようにしてもよい。
このステップS2の処理では、これら乱数のうちの当落に関わらない乱数(変動乱数)のみが更新されるかたちで当該乱数カウンタのカウンタ操作が行われることとなる。なお、こうしてステップS1及びS2の処理が行われた後は、上記ステップS2の処理のみが基本的に繰り返し行われる。ただし、この実施の形態では、例えば4ms毎に以下のタイマ割込制御が行われる。
図194(b)は、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aによって定期的に行われるタイマ割込制御についてその処理手順を示すフローチャートである。
同図194(b)に示されるように、この割込制御ではまず、ステップS11の処理として、レジスタの退避処理が行われる。次いで、ステップS12の処理として、上記ゲートセンサ2304、上記第一始動口センサ3080、上記第二始動口センサ2127、上記カウントセンサ2128、一般入賞口センサ3081など、各種のスイッチからの検出信号が入力される。そして次に、ステップS13の処理として、上記乱数を発生させる乱数カウンタの値を更新するための乱数更新処理が行われる。なお、このステップS13の処理では、上述の乱数のうち、上記特別図柄及び上記普通図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(特別乱数、図柄乱数、普通乱数)が更新されるかたちで上記乱数カウンタのカウンタ操作が行われる。
そして、こうして乱数の更新が行われた後、当該主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS14の処理として、上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む特別図柄プロセス処理を実行する。なお、この特別図柄プロセス処理については後述するが、ここでは、基本的に、上記主制御MPU4100aのRAMに格納されている遊技の進行状況を示す特別図柄プロセスフラグ(第一特別図柄プロセスフラグ、第二特別図柄プロセスフラグ)に基づいて該当する処理が選択的に実行されることとなる。
そして次に、同主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS15の処理として、上記可動片2105の動作契機となる当りの当落にかかる抽選処理を含む普通図柄プロセス処理を実行する。なお、この普通図柄プロセス処理でも、基本的に、遊技の進行状況を示す普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選択的に実行されることとなる。また、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、大当り遊技状態の終了後の所定期間内は、上記可動片2105の駆動頻度がより高くなるように当該抽選処理を実行する構成となっている(時短制御)。なお、この実施の形態では、上記普通図柄の変動表示制御に要する時間を上記大当り遊技状態の終了後の所定期間だけ短縮するとともに、上記可動片2105の開放時間を延長することによって、こうした時短制御を実現するようにしている。
また、上記特別図柄プロセス処理(ステップS14)及び普通図柄プロセス処理(ステップS15)が行われると、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、次にステップS16の処理として、同特別図柄プロセス処理にて主制御MPU4100aのRAMの所定の領域に設定されたコマンドを上記周辺基板4010などに送信する処理を行う。次いで、ステップS17の処理として、上記普通図柄プロセス処理にて同じくRAMの所定の領域に設定されたコマンドを例えば上記周辺基板4010などに送信する処理を行う。
また、同主制御基板4100の主制御MPU4100aは、次にステップS18の処理として、例えばホール管理用コンピュータに供給される当り情報(15R大当り、2R大当り)などのデータを出力する情報出力処理を行う。
そして次に、同主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS19の処理として、上記第一始動口センサ3080、上記第二始動口センサ2127、上記カウントセンサ2128、一般入賞口センサ3081などの検出信号がオン状態にあるときは、それら信号に応じた賞球が遊技者に払い出されるよう上記払出制御基板1186に払出制御コマンドを出力する。これにより、上記払出制御基板1186に搭載される払出制御MPU4110aは、払出モータ駆動回路4110dから払出モータ815に駆動信号を出力し、遊技者に賞球を払い出すようになる。
また、同主制御基板4100の主制御MPU4100aは、次にステップS20の処理として、保留数の増減をチェックする記憶処理を実行する。次いで、ステップS21の処理として、パチンコ機1の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する。そしてその後、常時動作するアクチュエータの駆動制御を行うとともに(ステップS22)、上記レジスタの内容を復帰させ(ステップS23)、割込許可状態に設定した時点で(ステップS24)、この制御が終了することとなる。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマによる割込処理によって遊技制御処理を実行することとしたが、当該割込処理では例えば割り込みが発生したことを示すフラグのセットのみを行うようにしてもよい。ただしこの場合、遊技制御処理をメイン処理にて実行することとなる。
図195は、上記特別図柄プロセス処理(ステップS14)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、各種の抽選処理に供される乱数が更新されたとすると(ステップS13)、同図195に示されるように、この主制御基板4100の主制御MPU4100aはまず、上記第一始動口センサ3080による検出信号がオン状態(第一始動口2101への入球あり)にあることを条件に(ステップS31)、第一特別図柄の第一特別乱数を上記乱数カウンタから取得してこれをRAMの第一特別図柄保留記憶領域に格納するなどの第一始動口通過処理を実行する(ステップS32)。また、上記第二始動口センサ2127による検出信号がオン状態(第二始動口2102への入球あり)にあることを条件に(ステップS33)、第二特別図柄の第二特別乱数を上記乱数カウンタから取得してこれをRAMの第二特別図柄保留記憶領域に格納するなどの第二始動口通過処理を実行する(ステップS34)。
次いで、大当り遊技状態に制御している旨を示す大当り実行中フラグがセットされているか否か及び小当り遊技状態に制御している旨を示す小当り実行中フラグがセットされているか否かを判別し(ステップS35)、大当り実行中フラグがセットされていれば、大当り遊技状態の制御及び小当り遊技状態の制御を行う当り制御処理(ステップS39)を実行する。なお、15R高確率時短当り、2R高確率時短当り、及び2R高確率非時短当りに関わる当り制御処理を終了するときには確変フラグをセットし、15R高確率時短当り、15R低確率時短当り、及び2R高確率時短当りに関わる当り制御処理を終了するときには時短フラグをセットし、15R高確率時短当り及び2R高確率時短当りに関わる当り制御処理を終了するときには後述する時短回数カウンタのカウンタ値に「0」をセットし、15R低確率時短当りに関わる当り制御処理を終了するときには時短回数カウンタのカウンタ値に初期値「100」をセットする。これにより、15R高確率時短当り、2R高確率時短当り、及び2R高確率非時短当りに関わる大当り遊技状態の終了後には大当りの当選確率を向上させる制御が実行され、15R高確率時短当り及び2R高確率時短当りに関わる大当り遊技状態の終了後には再び大当りとなるまで時短制御が実行され、15R低確率時短当りに関わる大当り遊技状態の終了後には特別図柄の変動表示を100回実行するまで時短制御が実行されるようになる。
一方、大当り実行中フラグがセットされていなければ、第二特別図柄保留記憶領域に記憶される第二特別乱数の個数を示す第二特別保留数カウンタの値が「0」であることを条件に(ステップS36)、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む第一特別図柄プロセス処理を実行し(ステップS37)、第二特別図柄保留記憶領域に記憶される第二特別乱数の個数を示す第二特別保留数カウンタの値が「0」でないことを条件に(ステップS36)、第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む第二特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS38)。このようにこの例では、第二特別保留数カウンタの値が「0」でないときには第二特別図柄の変動表示を優先的に実行するように構成されている。
図196は、第一始動口通過処理(ステップS32)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS31の処理において、上記第一始動口センサ3080がオン状態にあり、上記第一始動口2101への遊技球の入球があったと判断されたとすると、同図196に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS41の処理として、まず、第一特別図柄の保留数を計数する第一特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御MPU4100aのRAMから取得する。そして、このカウンタ値に基づいて上述の第一特別図柄の保留数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う。
このステップS41の処理において、上記第一保留数がその最大値でないと判断された場合には、上記第一特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS42〜S44の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS42の処理として、上記第一特別保留数カウンタをカウントアップする。またこのとき、第一保留数と第二保留数との合計をカウントする合算特別保留数カウンタをカウントアップする。主制御MPU4100aは、合算特別保留数カウンタのカウンタ値を参照することによって第一保留数及び第二保留数の合計を把握することが可能になる。次いで、ステップS43の処理として、上記第一特別乱数及び第一図柄乱数を上記乱数カウンタから取得する。そして次に、ステップS44の処理として、こうして取得された各乱数を、上記主制御MPU4100aのRAMの記憶領域のうちの上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する第一特別図柄保留記憶領域に格納する。
ただし、上記ステップS41の処理において、上記第一保留数がその最大値であると判断された場合には、上記第一特別図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS42〜ステップS44の処理を実行することなく処理を終了することで、上記第一特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
次いで、主制御MPU4100aは、上記時短制御を実行している旨を示す時短フラグがセットされていなければ(ステップS45)、ステップS43で取得した第一特別乱数に基づいて大当りとなるか否かを判定し、大当りとなる旨の判定がなされた場合には第一図柄乱数に基づいて大当りの種類を判定する一方、大当りとならない場合にはリーチ乱数に基づいてリーチするか否かを判定する演出事前判定処理を実行して(ステップS46)、処理を終了する。一方、時短フラグがセットされていれば、保留数に応じた保留数指定コマンドをセットして処理を終了する(ステップS47)。これにより、第一始動口2101へ遊技球が入賞することにより発生した始動入賞に基づく変動表示を開始する以前に大当りとなるか否か、大当りの種類、及びはずれとなる場合にリーチするか否かを判別可能になる。なお、本例では時短制御を実行していないことを条件に第一特別図柄に関する演出事前判定処理を実行する。
図197は、第二始動口通過処理(ステップS34)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS33の処理において、上記第二始動口センサ2127がオン状態にあり、上記第二始動口2102への遊技球の入球があったと判断されたとすると、同図197に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS51の処理として、まず、上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御MPU4100aのRAMから取得する。そして、このカウンタ値に基づいて上述の第二特別図柄の保留数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う。
このステップS51の処理において、上記第二保留数がその最大値でないと判断された場合には、上記第二特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS52〜S54の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS52の処理として、上記第二特別保留数カウンタをカウントアップするとともに上記合算特別保留数カウンタをカウントアップする。次いで、ステップS53の処理として、上記第二特別乱数、及び第二図柄乱数を上記乱数カウンタから取得する。そして次に、ステップS54の処理として、こうして取得された各乱数を、上記主制御MPU4100aのRAMの記憶領域のうちの上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する第二特別図柄保留記憶領域に格納する。
ただし、上記ステップS51の処理において、上記第二保留数がその最大値であると判断された場合には、上記第二特別図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、上記第二特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすることなく、上記第二保留数がその最大値であると判断した時点で、この処理を終了する。
次いで、主制御MPU4100aは、上記時短制御を実行している旨を示す時短フラグがセットされていれば(ステップS55)、ステップS53で取得した第二特別乱数に基づいて大当りとなるか否かを判定し、大当りとなる旨の判定がなされた場合には第二図柄乱数に基づいて大当りの種類を判定する一方、大当りとならない場合にはリーチ乱数に基づいてリーチするか否かを判定する演出事前判定処理を実行して(ステップS56)、処理を終了する。一方、時短フラグがセットされていなければ、保留数に応じた保留数指定コマンドをセットして処理を終了する(ステップS57)。これにより、第二始動口2102へ遊技球が入賞することにより発生した始動入賞に基づく変動表示を開始する以前に大当りとなるか否か、大当りの種類、及びはずれとなる場合にリーチするか否かを判別可能になる。なお、本例では時短制御を実行していることを条件に第二特別図柄に関する演出事前判定処理を実行する。
図198は、上記演出事前判定処理(ステップS46、S56)についてその手順を示すフローチャートである。なお、第一始動口通過処理のステップS46で実行される演出事前判定処理と第二始動口通過処理のステップS56で実行する演出事前判定処理とは共通のプログラムモジュールであり、判定に用いる乱数が異なるだけであるため、ここでは第一始動口通過処理のステップS46で実行される第一特別図柄に関する演出事前判定処理についてのみ説明する。なお、第一特別乱数に基づいて大当りとするか否かの抽選確率と第二特別乱数に基づいて大当りとするか否かの抽選確率とを異ならせることにより、第一始動口通過処理のステップS46で実行される演出事前判定処理で参照するテーブルと第二始動口通過処理のステップS56で実行される演出事前判定処理で参照するテーブルとを異ならせるようにしてもよい。
上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、演出事前判定処理を開始すると、図199に示す事前判定テーブルと取得した乱数、具体的には第一特別乱数、第一図柄乱数、及びリーチ乱数とを比較することにより大当りとなるか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りとならない場合には液晶表示装置1400で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、を特定する(ステップS61)。なお、図199の事前判定テーブルは各判定値の割合を示している。
また、高確率状態の制御を実行している旨を示す確変フラグがセットされている場合には高確率の大当り判定値と第一特別乱数とを比較することにより大当りとなるか否か判定し、確変フラグがセットされていない場合には低確率の大当り判定値と第一特別乱数とを比較することにより大当りとなるか否かを判定する。この高確率の大当り判定値は、上記当り判定テーブルの高確率時のテーブルに設定されて特別乱数と対比される大当り判定値と同一の乱数値とされ、低確率の大当り判定値は、上記当り判定テーブルの低確率時のテーブルに設定されて特別乱数と対比される大当り判定値と同一の乱数値とされている。そのため、ステップS61で第一特別乱数と高確率時事前判定テーブル又は低確率時事前判定テーブルとを比較することにより、大当りとなるか否かを正確に特定することができる。
なお、本例では事前判定テーブルの大当り判定値と上記当り判定テーブルの大当り判定値と同一の乱数としたがこれに限られるものではない。例えば、事前判定テーブルの大当り判定値として当り判定テーブルの大当り判定値の一部だけを含むものや、当り判定テーブルの大当り判定値の一部又は全部と当り判定テーブルの大当り判定値とは異なる所定数の乱数値とを含むように構成し、演出事前判定処理において大当りとなる可能性の程度を判定するようにしてもよい。
具体的には、大当り判定値及び大当り判定値とは異なるはずれ判定値のうち一部を高確率乱数グループとしてそれぞれ判別可能とするとともに、該高確率乱数グループとして判別可能とされる上記大当り判定値の上記はずれ判定値に対する割合は、上記大当りの当選確率が決定づけられる上記当り判定テーブルの割合よりも高く設定されてなる高確率乱数決定付手段、及び乱数取得手段により取得される乱数のうちの特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)が上記はずれ判定値と上記大当り判定値とのいずれかに分類判別される上記大当り判定についてはこれを未実行の状態に維持したままで、同判定に供される特別乱数が大当り判定値及びはずれ判定値の混在された上記高確率乱数グループに属する値であるか否かを判断することで、保留の状態とされている判定処理毎に大当りの当選に係る期待度(擬似当選確率)についての先行判定を実行可能とする擬似確率先行判定手段、を備え、上記擬似確率先行判定手段により大当りの当選に係る期待度を先行判定するようにしてもよい。
このように大当り判定値及びはずれ判定値が混在された高確率乱数決定付手段を備えるようにしたことで、未だ保留の状態とされている大当り判定の当落結果についての機密情報が漏出され得るリスクを排除した従来の演出構造を維持しつつも、当該高確率乱数決定付手段における大当り判定値及びはずれ判定値の混在率に応じた上記大当りの当落に係る期待度(擬似当選確率)についてはその先行判定が実行可能とされるようになる。例えば、上記大当り判定の実行(判定処理の消化)に先立って、当該大当り判定に供される特別乱数が高確率乱数グループに属する値(特殊当り判定値)である旨の先行判定がなされなかったときは、該先行判定された特殊当り判定値でない乱数値(高確率乱数グループと対の関係となる低確率乱数グループに属する値)に基づく判定処理が消化されるときの大当りの当選に係る期待度(擬似当選確率)は、上記大当りの期待度(当選確率)よりも低いことが確定されることとなる(擬似的に低くされた当選確率)。
このような高確率乱数グループについての先行判定手法によれば、特定の判定処理が保留の状態とされた時点では、その大当り判定を未実行の状態(保留状態)にて維持するにもかかわらず、その期待度(擬似当選確率)についてはこれを先行して、例えば、その保留表示の新規出力時や保留消化に応じたシフト表示時などの予め定められたタイミングにて報知することが可能とされるようになる。
そして、事前判定テーブルと取得した乱数との比較の結果、特定した事前判定情報(大当りとなるか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りとならない場合には液晶表示装置1400で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、及び第一保留数(第一特別保留数カウンタの値))を示す事前判定コマンドをセットする(ステップS62)。これにより、始動入賞が発生した始動口(第一始動口2101と第二始動口2102とのいずれか)、該始動口に対応して記憶される保留数の数、発生した始動入賞に基づく第一特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りとならない場合には液晶表示装置1400で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するかなどの事前判定情報を、当該始動入賞に応じた変動表示を開始する以前に周辺基板4010に搭載される周辺制御MPU4140aが把握できるようになる。
図200は、第一特別図柄プロセス処理(ステップS37)についてその手順を示すフローチャートである。
第一特別図柄プロセス処理において主制御基板4100の主制御MPU4100aは、上述の第一特別図柄プロセスフラグに応じて以下の5つのプロセス処理の1つを選択的に実行することとなる。
1.主制御基板4100の主制御MPU4100aのRAMに格納されている第一特別乱数、第一図柄乱数などを読み出し、読み出した第一特別乱数が所定の大当り判定値と合致するか否か及び小当り判定値と合致するか否かに基づいて上記第一特別図柄の変動表示の結果、大当りとするか否か及び小当りとするか否かの抽選処理(当り判定処理)などが行われる第一特別図柄通常処理(ステップS80)
2.上記第一特別乱数に基づいて大当りとする旨の抽選結果が得られた場合に上記第一図柄乱数に基づいて大当りの種類(15R高確率時短当り、2R高確率時短当り、2R低確率時短当り)及び大当りの種類に応じた第一特別図柄の停止図柄を決定するための処理と、上記第一特別乱数に基づいて大当りとしない旨の抽選結果が得られた場合に上記リーチ乱数が所定のリーチ判定値と合致するか否かに基づいてリーチ演出を実行するか否か及びはずれ時の第一特別図柄の停止図柄を決定するための処理などが行われる第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81)
3.上記変動乱数及び上記リーチ乱数に基づいて上記第一特別図柄表示器641に表示される第一特別図柄の変動態様や、上記液晶表示装置1400で第一特別図柄に対応して実行される装飾図柄の変動態様についての抽選処理などを行い、周辺制御基板4140に装飾図柄の変動態様を示す第一変動パターンコマンドを送信する第一変動パターン設定処理(ステップS82)
4.第一特別図柄表示器641における上記第一特別図柄の変動表示が停止されるまで待機する第一特別図柄変動処理(ステップS83)
5.第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果及び大当りの種類についての決定処理の結果に基づいて決定された第一特別図柄の変動表示停止時の態様が上記第一特別図柄表示器641に表示されるように上記第一特別図柄の変動表示を停止させる第一特別図柄停止処理(ステップS84)
なお、上記第一特別図柄プロセスフラグは、上述のステップS1の処理(図194参照)において、上記第一特別図柄通常処理(ステップS80)を行うべき旨を示すよう操作されている。
図201は、上記第一特別図柄通常処理(ステップS80)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄通常処理を行うべき旨を示しているときは、同図201に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、まず、ステップS101の処理として、上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある第一特別図柄の変動表示制御があるか否かの判断を行う。この結果、保留の状態にある第一特別図柄の変動表示制御があると判断された場合には、次にステップS102の処理として、上記主制御MPU4100aのRAMの第一特別図柄保留記憶領域に格納されている第一特別図柄の表示態様に関わる乱数(例えば、第一特別乱数、リーチ乱数、及び第一図柄乱数、)のうちの最先の記憶領域に格納された乱数を同RAMから読み出す。そして次に、ステップS103及びS104の処理として、上記第一特別保留数カウンタをカウントダウンするとともに、上記主制御MPU4100aのRAMの第一特別図柄保留記憶領域の各記憶領域に格納されている上記第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(第一特別乱数、リーチ乱数、及び第一図柄乱数)を先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作する。
具体的には、第一特別図柄保留記憶領域は1〜4の4つの記憶領域を有し、始動入賞の発生に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に始動入賞が発生するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2〜4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、上記第一特別図柄の変動表示制御の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示制御の保留が解除されるようになる。
そしてその後、ステップS105の処理として、上記読み出された第一特別図柄の第一特別乱数に基づいて上記大当りの当落についての抽選処理である当り判定処理を行う。その後、上記第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグが更新された時点で(ステップS106)、この処理を終了する。
図202は、上記当り判定処理(ステップS105)についてその手順を示すフローチャートである。
上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、現在の遊技状態が高確率状態(高確率時短状態、高確率非時短状態)であれば(ステップS111)、図203(A)に示す高確率時の当り判定テーブルを選択し(ステップS112)、現在の遊技状態が低確率状態であれば(ステップS111)、図203(A)に示す低確率時の当り判定テーブルを選択し(ステップS113)、選択した当り判定テーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一特別乱数とを比較する(ステップS114)。
図203(A)に示す当り判定テーブルは、上記主制御MPU4100aのROMに記憶され、遊技状態が低確率時(通常状態及び低確率時短状態)の場合に使用する低確率時の当り判定テーブルと、遊技状態が高確率時(高確率非時短状態、高確率時短状態)の場合に使用する高確率時の当り判定テーブルと、を備えている。そして、低確率時の当り判定テーブルでは、5種類の特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、7種類の特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)が小当りに当選したことを示す小当り判定値と一致し、1537種類の乱数値が上記はずれであることを示すはずれ判定値と一致するように上記特別乱数がそれぞれ関連付けされている。
また、高確率時の当り判定テーブルでは、低確率時の当り判定テーブルに設定される特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)と同一の特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)を含む50種類の特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)が大当り判定値と一致し、低確率時の当り判定テーブルに設定される特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)と同一の特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)である7種類の特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)が小当り判定値と一致し、1492種類の乱数値がはずれ判定値と一致するように上記特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)がそれぞれ関連付けされている。このように、この実施の形態では、高確率状態(高確率時短状態、高確率非時短状態)では、大当りに当選したことを示す大当り判定値が低確率時(通常状態及び時短状態)の10倍に高められる。一方、小当り判定値は、高確率状態に制御されている場合であっても設定される小当り判定値の個数が変化せず、常に一定の確率で小当り判定を行うようになっている。
上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、選択した当り判定テーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一特別乱数との比較の結果、大当りとすると判定した場合には(ステップS115a)、当該変動が大当りに当選していることを示す大当りフラグをセットして処理を終了し(ステップS115b)、小当りとすると判定した場合には(ステップS116a)、当該変動が小当りに当選していることを示す小当りフラグをセットして処理を終了し(ステップS116b)、はずれとすると判定した場合には、図示しないリーチ判定テーブルとステップS102で読み出したリーチ乱数との比較の結果(ステップS117)、リーチはずれとすると判定した場合には(ステップS118)、当該変動がリーチとなることを示すリーチフラグをセットして処理を終了する(ステップS119)。なお、リーチ判定テーブルでは、上記事前判定テーブルと同様に、9種類のリーチ乱数がリーチすることを示すリーチ判定値と一致し、230種類のリーチ乱数がリーチしないことを示すリーチ判定値と一致するように上記リーチ乱数がそれぞれ関連付けされている。
図204は、上記第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄停止図柄設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図204に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、まず、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様の抽選処理の結果、すなわち上記当り判定処理(ステップS105)の結果を判別する。抽選処理結果の判別は、大当りフラグがセットされているか否か(ステップS121)を判別することにより行う。
主制御MPU4100aは、大当りフラグがセットされていれば、第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一図柄乱数と図203(B)に示す図柄決定テーブルとを比較することにより(ステップS122)、大当りの種類を決定し、該決定した大当りの種類に対応する第一特別図柄の変動制御停止時の態様(第一特別図柄の停止図柄)を決定する(ステップS123)。
図203(B)に示すように、図柄決定テーブルには、判定結果毎(2R高確率非時短当り、2R高確率時短当り、15R低確率時短当り、15R高確率時短当り)に図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)が関連付けされるかたちで記憶されている。本例では、第一図柄乱数と比較される図柄決定テーブルでは、10種類の第一図柄乱数が2R高確率非時短当りと一致し、12種類の第一図柄乱数が2R高確率時短当りと一致し、39種類の第一図柄乱数が15R低確率時短当りと一致し、39種類の第一図柄乱数が15R高確率時短当りと一致するように上記第一図柄乱数が関連付けされている。また、第二図柄乱数と比較される図柄決定テーブルでは、6種類の第二図柄乱数が2R高確率時短当りと一致し、55種類の第二図柄乱数が15R低確率時短当りと一致し、39種類の第二図柄乱数が15R高確率時短当りと一致するように上記第二図柄乱数が関連付けされ、2R高確率非時短当りには第二図柄乱数が関連付けされていない。また、第二特別乱数は一特別乱数に比べて15R大当り(特に15R低確率時短当り)となる割合が高くなるように設定されているとともに、2R大当りとなる割合が低くなるように設定されている。これにより、時短制御を実行している場合に発生しやすい第二始動口2102への始動入賞が生じた場合には、第一始動口2101への始動入賞が生じた場合に比べてより多くの賞球を獲得可能な大当り(この例では15R大当り)が発生するようになっている。そして、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、取得した図柄乱数に対応して関連付けされている判定結果を特定することにより、大当りの種類を決定する。
具体的には、
1.15R大当り遊技状態に制御し、該15R大当り遊技状態の終了後に再び大当りとなるまで前記高確率時短状態に制御する15R高確率時短当り
2.15R大当り遊技状態に制御し、該15R大当り遊技状態の終了後に特別図柄(第一特別図柄及び第二特別図柄)の所定回数(100回)の変動表示が実行されるまで前記低確率時短状態に制御し、その後、低確率非時短状態(通常状態)に制御する15R低確率時短当り
3.2R大当り遊技状態に制御し、該2R大当り遊技状態の終了後に再び大当りとなるまで前記高確率時短状態に制御する2R高確率時短当り
4.2R大当り遊技状態に制御し、該2R大当り遊技状態の終了後に再び大当りとなるまで前記高確率非時短状態に制御する2R高確率非時短当り
の4種類の大当りの中からいずれかの大当りに決定する。
なお、大当り遊技状態の終了後に液晶表示装置1400において、高確率状態である可能性が最も高い又は高確率状態であることを判別可能な演出モード、高確率状態である可能性が高いことを判別可能な演出モード、低確率状態である可能性が高いことを判別可能な演出モード、低確率状態である可能性が最も高い又は低確率状態であることを判別可能な演出モード、などの複数の演出モードのうちいずれかに制御するようにしてもよい。これにより、高確率状態に制御されていない場合であっても高確率状態への期待を抱かせることができ、稼働率の向上を図ることができる。
また、本例では大当り遊技状態終了後の時短状態として上記普通図柄の当選確率、普通図柄の変動表示制御に要する時間、上記可動片2105の開放時間等を同一態様で制御する時短状態に制御するが、大当りの種類に応じて時短状態の制御内容を異ならせるようにしてもよい。例えば、15R高確率時短当り及び2R高確率時短当りとなった場合には大当り遊技状態の終了後に実行される普通図柄の変動時間を0.3秒とする第1時短状態に制御し、15R低確率時短当りとなった場合には大当り遊技状態の終了後に実行される普通図柄の変動時間を第1時短状態よりも長い1秒とする時短状態に制御することで、遊技者にとってより有利な第1時短状態と第1時短状態よりも遊技者に不利な第2時短状態とに制御するようにしてもよい。
また、特別図柄の変動停止時の態様と大当りの種類とは対応している。具体的には、15R高確率時短当りに決定した場合には第一特別図柄の変動停止時の態様として15R高確率時短当り図柄に決定し、15R低確率時短当りに決定した場合には第一特別図柄の変動停止時の態様として15R低確率時短当り図柄に決定し、2R高確率時短当りに決定した場合には第一特別図柄の変動停止時の態様として2R高確率時短当り図柄に決定し、2R高確率非時短当りに決定した場合には第一特別図柄の変動停止時の態様として2R高確率非時短当り図柄に決定する(ステップS123)。
また、主制御MPU4100aは、小当りフラグがセットされていれば(ステップS124)、第一特別図柄の変動停止時の態様として小当り図柄に決定する(ステップS125)。一方、ステップS121で大当りフラグがセットされていなければ、第一特別図柄の変動停止時の態様としてはずれ図柄に決定する(ステップS127)。
そして、こうして停止図柄についての決定処理が行われた後は、ステップS128の処理として、これら抽選結果(大当りの種類、リーチはずれ、はずれのいずれか)が上記周辺基板4010に送信されるよう抽選結果それぞれに応じた判定結果通知コマンドをセットする。そしてその後は、ステップS129の処理として、上記第一変動パターン設定処理(ステップS82)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。周辺制御MPU4140aは、受信した判定結果通知コマンド及び変動パターンコマンド(第一特別図柄の変動パターンを指示する第一変動パターンコマンド、第二特別図柄の変動パターンを指示する第二変動パターンコマンド)に基づいて液晶表示装置1400を表示制御する。
図205は、上記第一変動パターン設定処理(ステップS82)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一変動パターン設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図205に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、大当りフラグ又は小当りフラグがセットされていれば(ステップS141)、複数種類の変動パターンテーブル(2R高確率時短当りの場合に選択されるテーブル、2R高確率非時短の場合に選択されるテーブル、15R高確率時短当りの場合に選択されるテーブル、15R低確率時短当りの場合に選択されるテーブル、小当りの場合に選択されるテーブル)のうち当りの種類(第一特別図柄停止図柄設定処理のステップS123で決定した大当りの種類、又は小当り)に応じたテーブルを選択し(ステップS142)、リーチフラグがセットされていれば(ステップS143)、リーチ時の変動パターンテーブルを選択するともに上記リーチフラグをリセットし(ステップS144)、大当りフラグとリーチフラグとのいずれもセットされていない場合、すなわち通常のはずれ(リーチ演出を実行しないはずれ)となる場合には、はずれ時の変動パターンテーブルを選択する(ステップS145)。
そして、変動乱数を更新する乱数カウンタから変動乱数を取得して、該取得した変動乱数と選択した変動パターンテーブルとを比較することにより実行する変動パターンを決定する(ステップS146)。そして決定した変動パターンに応じた第一特別図柄の変動表示を開始することを周辺基板4010に通知する第一変動パターンコマンドをセットして第一特別図柄表示器641に表示される第一特別図柄の変動表示を開始する(ステップS147)。また、主制御MPU4100aは、変動パターンを決定すると、この決定した変動パターンに対応して設定されている変動時間を変動タイマに設定する(ステップS148)。これにより、こうして決定された変動時間だけ第一特別図柄表示器641及び上記液晶表示装置1400にて演出制御が行われるようになる。
なお、図示しないが変動パターンテーブルは、特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)及び図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)に基づく判定結果に対応して複数種類設けられている。また、各変動パターンテーブルに設定される変動パターンには上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)を示す複数の変動時間情報が上記変動乱数にそれぞれ対応して関連付けされるかたちで記憶されている。しかして、主制御MPU4100aは、特別乱数及び図柄乱数に基づく判定結果に対応する変動パターンテーブルを選択した後、該選択したテーブルと取得した変動乱数とを比較し、該変動乱数に関連付けされている変動時間情報をこのテーブルから取得することで、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンを決定する。これにより、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンについての抽選処理が行われるようになる。なお、上記変動パターンテーブルは、上記主制御MPU4100aのROMに記憶されている。
また、本例では大当り遊技状態の終了後及び小当り遊技状態の終了後に液晶表示装置1400の表示態様(背景色、背景態様、装飾図柄の態様など)が異なる複数種類の演出モードのうちいずれかの演出モードに制御する。演出モードは、遊技状態(高確率時短状態、高確率非時短状態、低確率時短状態、低確率非時短状態(通常状態))及び大当りの種類に応じて複数種類設けられ、遊技状態の変化や大当り遊技状態の終了等に応じて対応する演出モードに制御することにより演出効果を向上させている。具体的には、演出モードとして、15R高確率時短当り終了後の高確率時短状態及び2R高確率時短当り終了後の高確率時短状態に制御している場合に実行され、高確率状態に制御していることを判別可能な高確率確定モード、15R低確率時短当り終了後の低確率時短状態、及び15R高確率時短当り終了後の高確率時短状態に制御している場合に実行され、高確率状態に制御していることを判別困難な未確定時短モード、2R高確率非時短当り終了後の高確率非時短状態、及び小当り遊技状態の終了後に実行され、高確率状態に制御していることを判別困難な未確定非時短モード、及び低確率非時短状態(通常状態)に制御している場合に実行され、低確率状態に制御していることを判別可能な通常モードを有している。周辺制御基板4140の周辺制御ROM4140bには、主制御基板4100から送信されて液晶表示装置1400の表示内容を指示するコマンド(具体的には変動パターンコマンド(第一変動パターンコマンド、第二変動パターンコマンド))に対応して実行する制御プログラムを上記演出モード毎に複数備えている。そして、周辺制御MPU4140aは、主制御基板4100から液晶表示装置1400の表示内容を指示するコマンド(変動パターンコマンド)を受信した場合には現在の演出モードに応じた複数種類の制御プログラムのうち受信したコマンドに応じた制御プログラムに従って液晶表示装置1400を表示制御することで、演出モードに応じた液晶表示装置1400の表示内容を制御している。
なお、この例では特別図柄の変動開始時に上記変動乱数を取得するように構成したが、変動開始以前であれば取得するタイミングは問わない。例えば、始動入賞時に変動乱数を取得するようにしてもよい。また、上記大当り遊技状態の終了後には所定の遊技状態に制御する(例えば15R高確率時短当りであれば大当り遊技状態の終了後に高確率時短状態に制御する)ようになっているが、小当り遊技状態の終了後には以前の遊技状態を継続して実行するようになっている。即ち、小当り遊技状態は単に賞球の機会を与えるだけであり、有利な状態を付与するものではない点で大当り遊技状態と相違する。
また、第一特別図柄の変動表示制御が開始されると、次にステップS149の処理として、時短制御を実行する変動回数がセットされる時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かを判断する。そして、このカウンタ値が「0」でなければ、該時短回数カウンタをカウントダウンした後(ステップS150)、同時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かをさらに判断する(ステップS151)。そしてこの結果、同カウンタ値が「0」であれば、時短制御を終了することを示す時短終了フラグをセットする(ステップS152)。
上記ステップS149の処理にて時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であると判断された場合や、ステップS151の処理にて時短回数カウンタが「0」でないと判断された場合には、その時点で上記ステップS153の処理に移行する。そして、上記第一特別図柄変動処理(ステップS83)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS153)、この処理を終了する。
図206は、上記第一特別図柄変動処理(ステップS83)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄変動処理を行うべき旨を示しているときは、同図206に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、まず、ステップS171の処理として、上記変動パターンについての抽選処理(ステップS82)で決定した変動パターンに応じた変動時間が設定される変動タイマを1減算する。そして、変動時間タイマが0、すなわち、上記抽選された変動時間が経過したと判断されると(ステップS172)、次にステップS173の処理に移行する。すなわち、このステップS173の処理において、上記第一特別図柄停止処理(ステップS84)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
図207は、上記第一特別図柄停止処理(ステップS84)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄停止処理を行うべき旨を示しているときは、同図207に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、まず、ステップS181の処理として、上記第一特別図柄停止図柄設定処理にて決定された停止図柄を上記第一特別図柄表示器641に表示させるための表示制御を行うとともに、上記液晶表示装置1400に第一特別図柄の停止図柄に応じた装飾図柄の表示結果の導出表示を指示する停止表示コマンドを上記周辺基板4010へのコマンドとしてセットする(ステップS182)。
次いで、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、上記時短終了フラグがセットされているときには(ステップS183)、時短終了フラグをリセットするとともに(ステップS184)、時短フラグをリセットする(ステップS185)。これにより時短制御を終了させて低確率非時短状態(通常状態)の制御を開始するようになる。
また、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、上記大当りフラグがセットされているときは(ステップS186)、大当り遊技状態を開始することを示す大当り開始コマンドをセットし(ステップS187)、大当り遊技状態の開始までの待機時間(大当り遊技状態を開始する旨の表示や2R大当りとなったのか小当りとなったのかを判別困難な表示等を行う時間)をインターバルタイマにセットする(ステップS188)。そして、大当り遊技状態の実行中であることを示す大当り実行中フラグをセットし、上記時短フラグがセットされていれば該時短フラグをリセットするとともに上記確変フラグがセットされていれば該確変フラグをリセットし(ステップS189)、第一特別図柄プロセスフラグを初期値である第一特別図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS194)、この処理を終了する。なお、大当り開始コマンドは、周辺基板4010に送信されるコマンドであり、大当りの種類(15R高確率時短当り、15R低確率時短当り、2R高確率時短当り、2R高確率非時短当り)に応じて個々に用意されている。ステップS187では、大当りの種類(15R高確率時短当り、15R低確率時短当り、2R高確率時短当り、2R高確率非時短当り)に応じた大当り開始コマンド(15R高確率時短当り開始コマンド、15R低確率時短当り開始コマンド、2R高確率時短当り開始コマンド、2R高確率非時短当り開始コマンド)をセットする。これにより、大当り開始コマンドによって指示された大当りの種類に応じた大当り遊技状態の演出が液晶表示装置1400、LED及びスピーカ121,391等により実行される。
また、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、上記小当りフラグがセットされているときは(ステップS190)、小当り遊技状態を開始することを示す小当り開始コマンドをセットし(ステップS191)、小当り遊技状態の開始までの待機時間(2R大当りとなったのか小当りとなったのかを判別困難な表示を行う時間)をインターバルタイマにセットする(ステップS192)。そして、小当り遊技状態の実行中であることを示す小当り実行中フラグをセットし(ステップS193)、第一特別図柄プロセスフラグを初期値である第一特別図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS194)、この処理を終了する。
次に、周辺基板4010に搭載される周辺制御MPU4140aによって実行される処理について説明する。図208は、当該パチンコ機1に電源が投入されるとき、上記周辺基板4010に搭載される周辺制御MPU4140aによって行われる制御についてその処理手順を示すフローチャートである。
図208に示すように、パチンコ機1への電力供給が開始されると、周辺制御MPU4140aは、初期設定処理を行う(ステップS501)。この初期設定処理は、周辺基板4010に搭載される周辺制御MPU4140aのRAMをクリアする処理等が行われる。なお、この初期設定処理中では割込禁止となっており、初期設定処理のあと割込許可となる。初期設定処理(ステップS501)が終了すると、16ms経過フラグTがセットされたか否かを監視するループ処理を開始する(ステップS502)。
この実施の形態では、周辺制御MPU4140aは、2ms経過毎に割込を発生させ、2ms定常処理を実行する。2ms定常処理では、16ms経過監視カウンタをカウントアップする(16ms経過監視カウンタを1加算する)処理が実行され、16ms経過監視カウンタの値が8になったとき、すなわち、16ms経過したときに16ms経過フラグTをセットするとともに、16ms経過監視カウンタをリセット(0にする)処理が実行される。このように、16ms経過フラグTは、2ms定常処理にて16ms毎に「1」に設定(セット)され、通常は「0」に設定(リセット)されている。ステップS502で16ms経過フラグがセットされている(16ms経過フラグTが「1」)ときには、16ms経過フラグをリセットした後(ステップS503)、16ms定常処理を行う(ステップS504)。
この16ms定常処理では、主制御基板4100から受信したコマンドにもとづいて液晶表示装置1400、LED453a,2114a,2129a,2206a,2430a,3025a,3035a,3043a、スピーカ121,391等を制御する処理が実行される。16ms定常処理を終了すると、再びステップS502に戻り、16ms経過フラグTがセットされる毎に、つまり16ms毎に上述したステップS503〜ステップS504を繰り返し行う。一方、ステップS502で16ms経過フラグTがセットされていない(16ms経過フラグTが「0」)ときには、16ms経過フラグTがセットされるまでループ処理を行う。
図209は、サブメイン処理にて16ms毎に実行される16ms定常処理の一例を示すフローチャートである。16ms定常処理において、周辺制御MPU4140aは、ステップS601〜ステップS606の処理を実行する。ステップS601のコマンド解析処理では、主制御基板4100から受信したコマンドを解析する。ステップS602の演出制御処理では、主制御基板4100から送信された変動表示の実行を指示するコマンド(第一変動パターンコマンド、第二変動パターンコマンド)を受信したことにもとづいて液晶表示装置1400に関わる制御処理や上記可動装飾体ユニット(上部可動装飾体ユニット3200、サイド可動装飾体ユニット3400、及び下部可動装飾体ユニット3600)を駆動するための制御処理を実行する。
また、ステップS603の音制御処理では、スピーカ121,391に関わる制御処理を実行する。ステップS604のランプ制御処理では、パチンコ機1に設けられたLEDに関わる制御処理を実行する。ステップS605の情報出力処理では、ランプ駆動基板1460(第一ランプ駆動基板3801及び第二ランプ駆動基板3802)にLEDの点灯信号を送信する処理などを実行する。ステップS606の乱数更新処理では、演出制御処理(ステップS602)で各種設定に用いられる乱数を更新する処理を実行する。
なお、16ms定常処理におけるステップS601〜ステップS606の処理は16ms以内に終了する。仮に、16ms定常処理を開始してから当該16ms定常処理の終了までに16ms以上かかったとしても、16ms定常処理を開始してから16ms経過したときに直ぐに16ms定常処理を最初から(ステップS601のコマンド解析処理から)実行しない。すなわち、16ms定常処理の実行中に16ms経過したときには、16ms経過フラグのセットのみを行い、当該16ms定常処理の終了後にステップS502で16ms経過フラグがセットされていると判定されたときに16ms定常処理を開始する。
また、この実施の形態では、16ms定常処理にて乱数更新処理(ステップS606)を実行して各種乱数を更新するように構成しているが、各種乱数を更新する時期(タイミング)はこれに限られるものではない。例えば、サブメイン処理におけるループ処理および16ms定常処理のいずれか一方または両方にて各種乱数を更新するように構成してもよい。
図210は、上記コマンド解析処理(ステップS601)で実行される事前判定コマンド受信処理についてその手順を示すフローチャートである。周辺制御MPU4140aは、コマンド解析処理で上記事前判定コマンドを受信したことに基づいて事前判定コマンド受信処理を実行する。
周辺制御MPU4140aは、事前判定コマンド判定処理を開始すると、受信した事前判定コマンドが第一保留数を示すものであるか否かを判定し(ステップS601a)、第一保留数を示すものであれば、第一保留数を計数する第一保留カウンタを1加算し(ステップS601b)、周辺制御MPU4140aのRAMの記憶領域のうち第一保留カウンタ値に対応する第一保留領域に、受信した事前判定コマンドによって通知された事前判定情報を記憶する(ステップS601c)。この例では第一保留カウンタの最大値は4とされ、第一保留カウンタ値「1」に対応する第一保留領域A〜第一保留カウンタ値「4」に対応する第一保留領域Dの複数の第一保留領域が設けられている。周辺制御MPU4140aは、コマンド解析処理にて第一特別図柄の変動表示を開始する旨を示す第一変動パターンコマンドを受信すると、上記第一保留カウンタを1減算するとともに、第一保留領域A〜第一保留領域Dの記憶内容をシフト(第一保留領域Aの記憶内容を消去して、第一保留領域B,C,Dの記憶内容を第一保留領域A,B,Cにそれぞれ移動する)する。これにより、第一保留領域A〜第一保留領域Dには、保留されている第一特別図柄の変動表示に関わる事前判定情報だけが記憶されるようになる。
また、受信した事前判定コマンドが第二保留数を示すものであれば、第二保留数を計数する第二保留カウンタを1加算し(ステップS601d)、周辺制御MPU4140aのRAMの記憶領域のうち第二保留カウンタ値に対応する第二保留領域に、受信した事前判定コマンドによって通知された事前判定情報を記憶する(ステップS601e)。この例では第二保留カウンタの最大値は4とされ、第二保留カウンタ値「1」に対応する第二保留領域A〜第二保留カウンタ値「4」に対応する第二保留領域Dの複数の第二保留領域が設けられている。周辺制御MPU4140aは、コマンド解析処理にて第二特別図柄の変動表示を開始する旨を示す第二変動パターンコマンドを受信すると、上記第二保留カウンタを1減算するとともに、第二保留領域A〜第二保留領域Dの記憶内容をシフト(第二保留領域Aの記憶内容を消去して、第二保留領域B,C,Dの記憶内容を第二保留領域A,B,Cにそれぞれ移動する)する。これにより、第二保留領域A〜第二保留領域Dには、保留されている第二特別図柄の変動表示に関わる事前判定情報だけが記憶されるようになる。
図211は、演出制御処理(ステップS602)の一例を示すフローチャートである。
演出制御処理において、周辺制御MPU4140aは上記周辺制御基板4140の周辺制御MPU4140aに格納されている遊技の進行状況を示す演出プロセスフラグに応じて、以下の5つのプロセス処理の1つを選択的に実行することとなる。
1.上記コマンド解析処理にて解析された特別図柄の変動パターンを指示するコマンド(第一変動パターンコマンド、第二変動パターンコマンド)に基づいて液晶表示装置1400、LED及びスピーカ121,391等を制御する処理などを行った後、上記演出プロセスフラグを変動演出中処理に応じた値に変更する変動演出開始処理(ステップS711)
2.液晶表示装置1400、LED及びスピーカ121,391等の制御を開始してからの経過時間を計測し、経過時間に応じて液晶表示装置1400、LED及びスピーカ121,391等を制御する処理などが行い、変動パターンに応じた変動時間が経過したことに応じて上記演出プロセスフラグを変動終了処理に応じた値に変更する変動演出中処理(ステップS712)
3.特別図柄の変動表示停止を指示する図柄停止コマンドを受信したことに基づいて所定の表示結果を導出表示するための処理を行い、はずれであれば上記演出プロセスフラグを変動演出開始処理に応じた値に変更し、大当りであれば大当り演出処理に応じた値に変更し、小当りであれば小当り演出処理に応じた値に変更する変動演出終了処理(ステップS713)。
4.大当り遊技状態の開始を指示する大当り開始コマンドを受信したことに基づいて液晶表示装置1400に大当り遊技状態中の表示制御を実行するための処理を行い、大当り遊技状態を終了するときに上記演出プロセスフラグを変動演出開始処理に応じた値に変更する大当り演出処理(ステップS714)
5.小当り遊技状態の開始を指示する小当り開始コマンドを受信したことに基づいて液晶表示装置1400に小当り遊技状態中の表示制御を実行するための処理を行い、小当り遊技状態を終了するときに上記演出プロセスフラグを変動演出開始処理に応じた値に変更する小当り演出処理(ステップS715)
以上の処理によって特別図柄表示器(第一特別図柄表示器641、第二特別図柄表示器642)で実行される特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示に同期して液晶表示装置1400で装飾図柄の変動表示が実行されるようになる。
[8.可動装飾体演出]
次に遊技盤4の後側に配置される複数の装飾体(例えば上部可動装飾体ユニット3200、サイド可動装飾体ユニット3400、及び下部可動装飾体ユニット3600)によって実現される遊技演出について説明する。
上述したように、本例の遊技盤4は透明な遊技パネル600で構成されてその背部を視認可能であり、この透明な遊技パネル600の後側には複数の可動装飾体(本例では上部可動装飾体ユニット3200、サイド可動装飾体ユニット3400、及び下部可動装飾体ユニット3600)が配置し、それぞれの待機位置にてその立体形状により遊技盤4の後側から遊技領域605を立体的に装飾している。
本例のパチンコ機1では、液晶表示装置1400にて実行される演出表示に関連して、通常時には待機位置に保持されて遊技盤4の後側から遊技領域605を装飾する可動装飾体を駆動させることにより遊技者に意外性を与える可動装飾演出を実行している。具体的には、上記リーチ演出画像やリーチ発展演出画像の表示に関連して、又は装飾図柄の変動表示を開始してからいずれかの装飾図柄が停止表示されるまでの期間に表示される予告演出画像の表示に関連して、上部可動装飾体ユニット3200を可動して液晶表示装置1400の前方へ表出させたり(図188及び図189参照)、再度可動装飾体3400を可動して液晶表示装置1400の前方へ表出させたり(図190参照)、下部可動装飾体ユニット3600を可動して液晶表示装置1400の前方へ表出させる(図191及び図192参照)可動装飾演出を実行する。なお、リーチ演出画像やリーチ発展演出画像、予告演出画像は複数種類用意され、これら複数種類のリーチ演出画像やリーチ発展演出画像、予告演出画像を実行する複数種類の変動パターンのうち可動装飾演出を伴う変動パターンに決定されている場合に実行する。
可動装飾体演出では、通常時に遊技パネル600の後側に配置されて遊技盤4の後側から遊技領域605を立体的に装飾する可動装飾体(上部可動装飾体ユニット3200、サイド可動装飾体ユニット3400、及び下部可動装飾体ユニット3600)を可動して液晶表示装置1400の前方に表出させるため、これらがただの飾りに過ぎないと認識していた遊技者に意外性を与えることができ、遊技興趣が向上する。また、通常時に遊技盤4の後側から遊技領域605を立体的に装飾する機能と、可動時に液晶表示装置1400の前方に表出する機能と、の複数の機能を有する可動装飾体(上部可動装飾体ユニット3200、サイド可動装飾体ユニット3400、及び下部可動装飾体ユニット3600)を配置するため、部品点数を低減でき、遊技機の製造コストを低減することができる。即ち、可動時だけでなく、非可動時(通常時と同意)にも装飾機能を有するように可動装飾体や遊技盤4などを構成することにより、機能毎に配置していた装飾体を一つに纏めて配置することができ、部品点数の低減及び遊技機の製造コスト低減を図ることができる。また、機能毎に配置していた装飾体を一つに纏めて配置することにより、可動装飾体を配置しつつも液晶表示装置1400の大型化を実現することができる。
なお、遊技機の一例としてのパチンコ機1では、液晶表示装置1400の下方に種々の入賞装置が設けられ、遊技球を転動させる領域(転動領域と呼ぶ)をある程度確保する必要がある。一方、液晶表示装置1400の上方及び左右側方には入賞装置は配置されていないため、転動領域は液晶表示装置1400の下方に比べて狭くてもよい。そのため、液晶表示装置1400を大型化する場合であっても液晶表示装置1400の下方の転動領域はある程度確保されることになる。本例ではこの液晶表示装置1400の下方に配置している下部可動装飾体ユニット3600を液晶表示装置1400の前方に表出させることにより、液晶表示装置1400の大型化と可動装飾体との共存が図られるのは勿論、可動装飾体としても大型のものを用いることができるようになる。また、上記したように本例では下部可動装飾体ユニット3600として前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642の後側に後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666を配置して下部可動装飾体ユニット3600を上昇させた(図183(A)から図183(B)に上昇した状態)後、後右翼装飾部材3664及び後左翼装飾部材3666を回動させて下部可動装飾体ユニット3600を完全に表出させる(図183(C)の状態)ように構成するため、可動装飾体の大型化をより一層実現できる。即ち、単純に可動装飾体の昇降によって可動装飾体を完全に表出させる可動位置と可動装飾体が待機する待機位置とを切り替えるものでは可動装飾体の待機位置におけるスペースの制約を受け、この待機位置におけるスペースを超える可動装飾体を配置することができないが、本例のように複数の段階を経て可動位置と待機位置とを切り替えるものであれば可動装飾体の待機位置におけるスペースを超える可動装飾体を配置することが可能になるため、可動装飾体の大型化が可能である。
また、本例では可動装飾体を液晶表示装置1400の前方に表出する可動時と遊技盤4の後側に待機する通常時とに変化するものを示したが、通常時の可動装飾体の態様として、遊技盤4の後側で小刻みに可動する機能を有するようにしてもよい。これにより可動装飾体が遊技盤4の後側で可動したときに意外性を与えることができることに加えて、可動装飾体の可動時には単純に遊技盤の後側で小刻みに可動すると思い込ませることができ、可動装飾体を液晶表示装置1400の前方に表出させた場合に驚きを与えることができる。
また、本例では遊技盤4を透明な遊技パネル600で構成することによりその背部を視認可能とし、この遊技パネル600の後側に可動装飾体を配置することにより非可動時(通常時)にも遊技盤4の後側から遊技領域605を装飾するように構成したが、非可動時(通常時)に遊技盤4の後側に配置する可動装飾体を視認可能に配置するものであればこれに限られるものではない。例えば、その一部がくり抜かれる等によりその背部を視認可能に形成される不透明な遊技パネルで遊技盤4を構成し、前記一部に対応する遊技盤4の後側に可動装飾体を配置することにより非可動時(通常時)にも遊技盤4の後側から遊技領域605を装飾するように構成してもよい。
また、本例の可動装飾体それぞれには複数のLEDが設けられ(図177に示す上部可動装飾体ユニット3200に設けられるLED3233a,3238a,3247a,3249a、図179に示すサイド可動装飾体ユニット3400に設けられるLED3418a,3420a、図184に示す下部可動装飾体ユニット3600に設けられるLED3638a,3644a,3646a,3668a,3670a)、可動装飾体の非可動時(通常時)にはそれぞれの待機位置にてこれらLEDを発光制御することにより遊技盤4の後側から遊技領域605を光装飾している(図149及び図186参照)。また、可動装飾演出を実行して可動装飾体を液晶表示装置1400の前方に表出したときには、この可動装飾体に設けられるLEDを発光制御して所定の態様で発光させる。
このように、可動装飾体演出では、通常時に遊技パネル600の後側に配置されて遊技盤4の後側から遊技領域605を光装飾するLED(図177に示す上部可動装飾体ユニット3200に設けられるLED3233a,3238a,3247a,3249a、図179に示すサイド可動装飾体ユニット3400に設けられるLED3418a,3420a、図184に示す下部可動装飾体ユニット3600に設けられるLED3638a,3644a,3646a,3668a,3670a)を液晶表示装置1400の前方に表出させて所定の態様で発光させるため、液晶表示装置1400前方の光量を増大させ、遊技者の注意を引くことができる。また、通常時に遊技盤4の後側から遊技領域605を光装飾する機能と、可動時に液晶表示装置1400の前方に表出して所定の態様で発光する機能と、の複数の機能を有するように複数のLED(図177に示す上部可動装飾体ユニット3200に設けられるLED3233a,3238a,3247a,3249a、図179に示すサイド可動装飾体ユニット3400に設けられるLED3418a,3420a、図184に示す下部可動装飾体ユニット3600に設けられるLED3638a,3644a,3646a,3668a,3670a)を配置するため、LEDの設置数を低減でき、遊技機の製造コストを低減することができる。即ち、可動時だけでなく、非可動時(通常時と同意)にも装飾機能を有するようにLEDを配置したり遊技盤4を構成したりすることにより、機能毎に配置していたLEDを一つに纏めて配置することができ、設置数の低減及び遊技機の製造コスト低減を図ることができる。
なお、本例では遊技盤4を透明な遊技パネル600で構成し、この遊技パネル600の後側に複数のLEDを配置することにより非可動時(通常時)にも遊技パネル600の後側に配置するLEDから照射される光を透過させて遊技機前方から視認可能にして遊技盤4の後側から遊技領域605を光装飾するように構成したが、非可動時(通常時)にも遊技盤4の後側に配置する複数のLEDによって遊技盤4の後側から遊技領域605を光装飾するものであればこれに限られるものではない。例えば、所定数の貫通穴が形成される不透明な遊技パネルで遊技盤4を構成し、その後側に配置するLEDから照射される光を貫通穴から通過させて遊技機前方から視認できるようにすることにより非可動時(通常時)にも遊技盤4の後側から遊技領域605を光装飾するように構成してもよい。
また、下部可動装飾体ユニット3600の左右のユニットベース3602(図167参照)は、図152及び図153から明らかなように、裏前ユニット3000a及びセンター役物2400の背部に重複して配置し、遊技盤4に正対した状態において遊技者側からは見えないようになっている。また、下部可動装飾体ユニット3600の前右翼装飾基板3644及び前左翼装飾基板3646は、不透光性とされており、図183に示すように遊技者側から前右翼装飾基板3644及び前左翼装飾基板3646(前昇降ベース3632における前右翼装飾部材3640及び前左翼装飾部材3642の配置された位置)の後側が見えないようになっている。
また、下部可動装飾体ユニット3600の翼装飾部材3640,3642,3664,3666を昇降するための装置(具体的には、下部昇降駆動モータ3606、第一伝達ギア3610、第二伝達ギア3612、ピニオンギア3616、昇降ラック3618、ユニットベース3602、昇降レール3620、及び下部昇降検知センサ3622からなる装置)を翼装飾部材3640,3642の両側に配置するため、上記第一始動口2101及び第二始動口2102の背部や大入賞口2103の背部にスペースを作りだすことができ、図159に示すように下部可動装飾体ユニット3600と干渉することなく、該スペースに第一始動口2101及び第二始動口2102に入賞した遊技球を排出するための上記始動口通路が形成されるとともに該始動口通路内を流通する遊技球を検出する第二始動口センサ2127を支持するアタッカ駆動機構ベース2126や、第二始動口2102を開閉する一対の可動片2105を開閉駆動させるための始動口ソレノイド2121、始動口ソレノイド2121の駆動を可動片2105へ伝達させる始動口駆動伝達部材2122、始動口駆動伝達部材2122及び始動口ソレノイド2121を支持し台板2110の後側に取付けられる始動口駆動機構ベース2123などを含むアタッカ駆動ユニット2120を配置することができる。
[9.音楽ゲームリーチ演出]
本実施形態では、液晶表示装置1400等を用いたリーチ演出の一環として、楽曲に合わせてメインボタン371を遊技者が操作することにより所定の課題が達成されたときに大当りを導出することが可能な音楽ゲームリーチ演出を実行している。この音楽ゲームリーチ演出について、図212乃至図217を参照して説明する。図212は、液晶表示装置1400を制御する周辺制御基板4140で実行される音楽ゲームリーチ演出制御処理を示すフローチャートである。図213は、音楽ゲームリーチ演出におけるメインボタン371の有効範囲(成功範囲及び失敗範囲)を示すテーブルである。図214は、音楽ゲームリーチ演出におけるマーカー種別の出現順序を示すタイムチャートである。図215は、成功範囲にてメインボタン371が操作された場合の獲得ポイントを決定するために用いる獲得ポイント決定テーブルである。図216及び図217は、音楽ゲームリーチ演出が実行されたときの液晶表示装置1400における具体的な演出画像である。
まず、音楽ゲームリーチ演出とは、音楽と共に液晶表示装置1400の画面上に流れるマーカーに合わせてメインボタン371を遊技者が操作し、メインボタン371をタイミング良く操作したとき、抽選により所定のポイント数を獲得可能とするものであって、音楽が終了するまでに所定の課題(本実施形態では、一定のポイント数を獲得すること)が達成されるか否かの演出である。ただし、抽選結果が大当りである場合には、メインボタン371をタイミング良く操作するという遊技者の努力によって所定の課題が達成され得る一方、抽選結果が外れである場合には、遊技者が努力しても所定の課題が達成されることのないように制御している。なお、本実施形態では、音楽ゲームリーチ演出の終了までに所定の課題を達成することにより、抽選結果が大当りである旨を導出しているが、遊技者への特典として有益な情報を導出するものであればよく、例えば、抽選結果が確変大当りである旨を導出するものであってもよい。
図212に示すように、上記ステップS602の演出制御処理(主にステップS711の変動演出開始処理及びステップS712の演出中処理)で実行される音楽ゲームリーチ演出制御処理では、まず、リーチ演出の一環として音楽ゲームリーチ演出を実行することが決定しているときに音楽ゲームリーチ演出の開始制御を行う。具体的には、主制御基板4100側から変動パターンに関するコマンド信号を受信したとき、変動パターンに設定されたリーチ演出に音楽ゲームリーチ演出が含まれるか否かを判別する(ステップS701)。ステップS701で変動パターンに設定されたリーチ演出に音楽ゲームリーチ演出が含まれると判別した場合には(YES)、音楽ゲームリーチ演出設定処理(ステップS702)を実行し、音楽ゲームリーチ演出が含まれないと判別した場合には(NO)、音楽ゲームリーチ演出の実行中であるか、又は音楽ゲームリーチ演出の実行中ではない場合であって音楽ゲームリーチ演出を新たに開始しないかのいずれかであり、ステップS703に移行する。
なお、ステップS702の音楽ゲームリーチ演出設定処理では、音楽ゲームリーチ演出として使用される楽曲を複数種類の楽曲(本実施形態では、「楽曲A」〜「楽曲D」の4曲)から決定し、この決定した楽曲に設定されたマーカー種別及びメインボタン371の有効範囲(成功範囲及び失敗範囲)に関するデータを、周辺制御ROM4140bから読み出す。このとき、音楽ゲームリーチ演出として使用される楽曲を決定する際には、抽選結果が大当りであるときに大当り期待度の高い楽曲を高い確率で決定し、抽選結果が外れであるときに大当り期待度の低い楽曲を高い確率で決定することにより、各々の楽曲には大当り期待度が設定されており、大当り期待度の高い楽曲が実行されたときには、大当り遊技状態に対する遊技者の期待度が高まるようになっている。また、液晶表示装置1400に表示される装飾図柄の変動表示を開始し、左右装飾図柄をリーチ(同一の図柄)で停止表示した後、ノーマルリーチ演出へと展開する途中のタイミング(音楽ゲームリーチ演出の開始タイミング)で、音楽ゲームリーチ演出を開始するように制御し、音楽と共にメインボタン371の有効範囲に関連付けられたマーカーが液晶表示装置1400の画面上に流れるように表示制御する。
また、上記したメインボタン371の有効範囲(成功範囲及び失敗範囲)とマーカーとの関係について、図214(A)を参照して説明する。まず、液晶表示装置1400の画面上に流れるマーカーには、その役割の違いにより、「ボタン1回」、「ボタン連打」、「ボタンチャンス」、「ボタン最終」の4種類が設定されている。そして、各々の楽曲には、演出時間の経過と共に、液晶表示装置1400の画面上に「ボタン1回」、「ボタン連打」、「ボタンチャンス」、「ボタン最終」専用のマーカーが所定の順序で順次出現するように設定されている(例えば、図214(B)参照)。また、図214(A)に示すように、「ボタン連打」のマーカーを除いては、マーカーの前後の一定期間において「メインボタン371の有効範囲」が設定されており、さらに「メインボタン371の有効範囲」の中でもマーカーに近い範囲を「成功範囲」、マーカーから遠い範囲を「失敗範囲」に区分けしている。ただし、液晶表示装置1400の画面上には、マーカーのみ表示を行い、「メインボタン371の有効範囲」、「成功範囲」、「失敗範囲」については、表示を行わず、遊技者が認識できないようになっている。また、成功範囲にてメインボタン371が操作された場合には、液晶表示装置1400の画面上に獲得ポイントに応じた演出表現が行われ、ポイントが獲得可能となる一方、失敗範囲にてメインボタン371が操作された場合には、液晶表示装置1400の画面上に失敗(タイミング悪)の演出表現が行われ、ポイントを獲得することができない。一方、「ボタン連打」のマーカーの出現期間については、常に「メインボタン371の有効範囲」が設定されており、その有効範囲にてメインボタン371が操作された場合には、各々の操作についてポイントが獲得可能となっている。
また、複数種類の楽曲(本実施形態では、4曲)のうち「楽曲A」に対して設定されたメインボタン371の有効範囲(成功範囲及び失敗範囲)の一例について、図213を参照して説明する。なお、図213には、各々のマーカーに対して、音楽ゲームリーチ演出の開始からの時間値がフレーム数(1F=33ms)で記載されている。図213(A)に示すように、「ボタン1回」のマーカーに対しては、このマーカーが楽曲中に12回出現するよう、メインボタン371の有効範囲がA1〜A12の12種類設定されている。これらのメインボタン371の有効範囲には、A1〜A4,A7〜A10に対して成功範囲が7Fの範囲で、A5,A6,A11,A12に対して成功範囲が5Fの範囲で設定されている。
また、図213(B)に示すように、「ボタン連打」のマーカーに対しては、このマーカーが楽曲中に1回のみ出現するよう、メインボタン371の有効範囲がB1の1種類設定されている。このメインボタン371の有効範囲には、B1に対して144Fの範囲が設定されており、その他のマーカーと比べて有効範囲が格段に長い。このため、メインボタン371の有効範囲では、メインボタン371を遊技者が数十回操作することも可能となり、多量のポイントを獲得することが可能となる期間となっている。
また、図213(C)に示すように、「ボタンチャンス」のマーカーに対しては、このマーカーが楽曲中に2回のみ出現するよう、メインボタン371の有効範囲がC1,C2の2種類設定されている。これらのメインボタン371の有効範囲には、C1,C2に対して成功範囲が7Fの範囲で設定されており、「ボタン1回」のマーカーと成功範囲が略同等である。しかしながら、後述するように、成功範囲にてメインボタン371が操作されたとき、「ボタン1回」のマーカーよりもポイントを獲得する確率が高く、多量のポイントを獲得することが可能となる期間となっている。
また、図213(D)に示すように、「ボタン最終」のマーカーに対しては、このマーカーが楽曲の最後に1回のみ出現するよう、メインボタン371の有効範囲がD1の1種類設定されている。このメインボタン371の有効範囲には、D1に対して成功範囲が7Fの範囲で設定されており、「ボタン1回」や「ボタンチャンス」のマーカーと成功範囲が略同等である。しかしながら、後述するように、成功範囲にてメインボタン371が操作されたとき、「ボタン1回」や「ボタンチャンス」のマーカーよりもポイントを獲得する確率が高く、多量のポイントを獲得することが可能となる期間となっている。
次いで、音楽ゲームリーチ演出制御処理では、音楽ゲームリーチ演出の実行中において、メインボタン371の有効範囲にメインボタン371を遊技者が操作したか否かを判別し、成功範囲にてメインボタン371が操作された場合には、獲得ポイントに応じた演出表現(ポイント獲得ありの場合には成功の演出表現、ポイント獲得なしの場合には失敗と同等の演出表現)と共に、獲得したポイントの表示制御を行う。具体的には、音楽ゲームリーチ演出に設定されたメインボタン371の操作に対する有効範囲であるか否かを判別し(ステップS703)、この有効範囲である場合には(YES)、ボタン検出済フラグがセットされているか否かを判別する(ステップS704)。ステップS704でボタン検出済フラグがセットされていないと判別された場合には(NO)、メインボタン371を遊技者が操作したときに周辺制御基板4140で検出可能なメインボタンセンサ376からの入力信号が検出されたか否かを判別する(ステップS705)。そして、ステップS705でメインボタンセンサ376からの入力信号が検出された場合には(YES)、「ボタン連打」でのメインボタン371の有効範囲を除いてボタン検出済フラグをセットする(ステップS706)。ステップ704でボタン検出済フラグがセットされていると判別された場合(NO)、又は、ステップS705でメインボタンセンサ376からの入力信号が検出されなかった場合には(NO)、ステップS709〜S715の処理を実行することなく、音楽ゲームリーチ演出制御処理を終了する。
なお、ボタン検出済フラグとは、メインボタン371の有効範囲において、既に一回の操作を検出したことを示すフラグである。このため、「ボタン連打」でのメインボタン371の有効範囲を除いては、有効範囲でメインボタン371を一回操作すると、その操作が成功範囲か否かに関わらず、それ以降に操作の検出を受け付けることがない。
一方、ステップS703で音楽ゲームリーチ演出に設定されたメインボタン371の操作に対する有効範囲でない場合にも(NO)、ボタン検出済フラグがセットされているか否かを判別する(ステップS707)。ステップS707でボタン検出済フラグがセットされていると判別された場合には(YES)、このボタン検出済フラグをリセットする(ステップS708)。ステップS707でボタン検出済フラグがセットされていないと判別された場合(NO)、又は、ステップS708でボタン検出済フラグをリセットした後には、音楽ゲームリーチ演出制御処理を終了する。このように、メインボタン371の有効範囲でボタン検出済フラグをセットした後、当該有効範囲が終了したときにボタン検出済フラグをリセットすることにより、次の有効範囲においてボタン検出済フラグをセットすることを可能としている。
また、ステップS708でボタン検出済フラグをセットした後、メインボタンセンサ376から入力信号を検出したタイミングが、メインボタン371の操作に対する有効範囲のうち成功範囲であるか否かを判別する(ステップS709)。ステップS709でメインボタンセンサ376から入力信号を検出したタイミングが成功範囲である場合には(YES)、マーカーの種別、当落、現在のポイントに応じた獲得ポイント決定テーブル(図215参照)を選択する(ステップS710)。そして、その選択した獲得ポイント決定テーブルに設定された判定値と読み出した乱数(獲得ポイント決定乱数)とを比較し、メインボタン371の操作により獲得するポイントを決定する(ステップS711)。
図215に示す獲得ポイント決定テーブルは、上記周辺制御ROM4140bに記憶されており、メインボタン371の有効範囲のうち成功範囲でメインボタン371を遊技者が操作した場合において、マーカーの種別、当落、現在のポイントに応じて獲得ポイントを決定するために用いるテーブルである。各々の獲得ポイント決定テーブルでは、獲得ポイントが+0(獲得なし)、+1、+2、+30のいずれかとなるように判定値が振分られている。具体的には、「ボタン1回」のマーカー出現時に使用する獲得ポイント決定テーブルとして、図215(A)に示すように当落及び現在のポイントに応じたテーブルが設けられ、「ボタン連打」のマーカー出現時に使用する獲得ポイント決定テーブルとして、図215(B)に示すように当落及び現在のポイントに応じたテーブルが設けられ、「ボタンチャンス」のマーカー出現時に使用する獲得ポイント決定テーブルとして、図215(C)に示すように当落及び現在のポイントに応じたテーブルが設けられ、「ボタン最終」のマーカー出現時に使用する獲得ポイント決定テーブルとして、図215(D)に示すように当落及び現在のポイントに応じたテーブルが設けられている。
なお、抽選結果が外れ時の獲得ポイント決定テーブルには、+30の獲得ポイントに対して判定値が振分けられていない。また、抽選結果が外れ時の獲得ポイント決定テーブルには、現在のポイントが28ポイントである場合、+2の獲得ポイントに対して判定値が振分けられておらず、現在のポイントが29ポイントである場合、+1及び+2の獲得ポイントに対して判定値が振分けられていない。このため、抽選結果が外れである場合には、現在のポイントに獲得ポイントが新たに加算されても、課題の達成となる一定のポイント数(本実施形態では、30ポイント)に到達することがなく、例えば「ボタン連打」のマーカー出現時にメインボタン371を遊技者が想定以上に連打したとしても所定の課題が達成されるのを回避することができる。
また、図215(B)に示すように、「ボタン連打」のマーカー出現時の獲得ポイント決定テーブルには、「ボタン1回」のマーカー出現時の獲得ポイント決定テーブルよりも低い獲得ポイント(例えば、+1よりも+0の獲得ポイント)に多くの判定値が振分けられている。しかしながら、「ボタン連打」のマーカー出現時には、その有効範囲にてメインボタン371を数十回操作することも可能となり、「ボタン1回」のマーカーよりも高いポイントを獲得する確率が低くても、課題の達成に近付けることができる。
また、図215(C)に示すように、「ボタンチャンス」のマーカー出現時の獲得ポイント決定テーブルには、「ボタン1回」のマーカー出現時の獲得ポイント決定テーブルよりも高い獲得ポイント(例えば、+1よりも+2の獲得ポイント)に多くの判定値が振分けられている。このため、「ボタンチャンス」のマーカー出現時には、その成功範囲にてメインボタン371が操作されたとき、「ボタン1回」のマーカーよりも高いポイントを獲得する確率が高く、課題の達成に近付けることができる。
また、図215(D)に示すように、「ボタン最終」のマーカー出現時の獲得ポイント決定テーブルには、抽選結果が大当りである場合、「ボタン1回」や「ボタンチャンス」のマーカー出現時の獲得ポイント決定テーブルよりも+30の獲得ポイントに多くの判定値が振分けられている。このため、「ボタン最終」のマーカー出現時には、その成功範囲にてメインボタン371が操作されたとき、抽選結果が大当りであれば、課題の達成となる一定のポイント数(本実施形態では、30ポイント)に到達する確率が高く、楽曲の最後で所定の課題が達成され易くなっている。
また、「ボタン最終」を除いたマーカー出現時の獲得ポイント決定テーブルには、抽選結果が外れである場合、+30の獲得ポイントに対して判定値が振分けられていないことを除いて、抽選結果が大当りである場合と略同等に判定値が振分けられている。このため、抽選結果が外れである場合には、課題の達成となる一定のポイント数(本実施形態では、30ポイント)に到達することはないが、抽選結果が大当りである場合と同じく、「ボタン最終」のマーカーが出現するまでは課題の達成に近づくようになっている。
また、抽選結果が大当り時の獲得ポイント決定テーブルには、現在のポイントが28ポイントである場合、+2の獲得ポイントに対して判定値が振分けられておらず、現在のポイントが29ポイントである場合、+1及び+2の獲得ポイントに対して判定値が振分けられていない。ただし、「ボタン最終」を除いたマーカー出現時の獲得ポイント決定テーブルには、抽選結果が大当りである場合、「ボタン最終」のマーカー出現時の獲得ポイント決定テーブルと比べて、+30の獲得ポイントに対して振分けられる判定値が少ない。このため、抽選結果が大当りである場合には、現在のポイントに獲得ポイントが新たに加算されても、課題の達成となる一定のポイント数(本実施形態では、30ポイント)に到達し難く、楽曲の最後で「ボタン最終」のマーカーが出現するまでは所定の課題が達成され難くなっている。
そして、ステップS711でメインボタン371の操作により獲得ポイントを決定した後、液晶表示装置1400の画面上では、獲得ポイントに応じた演出表現を行うと共に、獲得ポイントを加算した累計のポイントに更新する(ステップS712)。一方、ステップS709でメインボタンセンサ376から入力信号を検出したタイミングが失敗範囲である場合には(NO)、液晶表示装置1400の画面上において、失敗(タイミング悪)の演出表現を行う。本実施形態では、獲得ポイントにより成功及び失敗で表示されるエフェクトが変化するように設定されており、成功(ポイント獲得)の演出表現として+1の獲得ポイントである場合には星のエフェクトが出現し、+2の獲得ポイントである場合にはハートのエフェクト及び「GOOD」の文字が出現し、+30の獲得ポイントである場合にはHKマークのエフェクトが出現する一方、メインボタンセンサ376から入力信号を検出したタイミングが成功範囲でありながらも+0の獲得ポイント(ポイント獲得なし)である場合及び失敗範囲である場合には煙のエフェクトが出現するようになっている。
また、ステップS712で獲得ポイントを加算した累計のポイントに更新した後、その累計のポイントが課題の達成となる一定のポイント数(本実施形態では、30ポイント)に到達したか否かを判別し(ステップS714)、一定のポイント数に到達した場合には(YES)、液晶表示装置1400の画面上にて大当り時の表示を実行する(ステップS715)。本実施形態では、音楽ゲームリーチ演出の終了時において、課題が達成されなかった場合、液晶表示装置1400の画面上にて外れ時の表示を実行する。ただし、抽選結果が大当り時において、メインボタン371の操作がなかった等により課題が達成されなかった場合、液晶表示装置1400の画面上にて外れ時の表示を実行した後、大当り時の表示へと昇格させるようになっている。
また、複数種類の楽曲(本実施形態では、「楽曲A」〜「楽曲D」の4曲)のうち「楽曲A」に対して設定されたマーカー種別の出現順序(メインボタン371の有効範囲については図213参照)について、図214(B)を参照して説明する。図214(B)に示すように、「ボタンチャンス」のマーカーC2が出現するよりも前には、「ボタンチャンス」のマーカーC1を除いて、「ボタン1回」のマーカーA1〜A12が所定の間隔をおいて出現するように設定されている。すなわち、音楽ゲームリーチ演出の前半部では、「ボタン1回」のマーカーが多く出現し、各々の成功範囲にてメインボタン371を操作したとしても、抽選により高いポイントを獲得することが困難となっている。このため、音楽ゲームリーチ演出の前半部では、課題の達成となる一定のポイント数(本実施形態では、30ポイント)に到達する確率が極めて低く、メインボタン371の操作が上手な遊技者であっても、所定の課題が早々に達成されないように設定しており、演出の後半部まで課題の達成(大当りの導出)に対する期待が持続するようになっている。
一方、「ボタンチャンス」のマーカーC2が出現した後には、「ボタン連打」のマーカーB1、「ボタン最終」のマーカーD1が所定の間隔をおいて出現するように設定されている。すなわち、音楽ゲームリーチ演出の後半部では、「ボタン連打」のマーカーB1が出現することによりメインボタン371を遊技者が数十回操作することが可能となり、ポイントを獲得する抽選の機会を増大させている。また、「ボタン最終」のマーカーD1が出現することにより成功範囲にてメインボタン371を操作すると、抽選結果が大当りであれば、抽選により高いポイントを獲得することが可能となっている。このため、音楽ゲームリーチ演出の後半部では、ポイントを獲得することが容易となり、抽選結果が大当りであれば、課題の達成となる一定のポイント数(本実施形態では、30ポイント)に到達する確率が高い。したがって、メインボタン371の操作が下手な遊技者であって、音楽ゲームリーチ演出の前半部でポイントを殆ど獲得できなかったとしても、演出の後半部で挽回して、所定の課題を達成することが可能となるように設定しており、抽選結果が大当りである場合には、メインボタン371を操作するという遊技者の努力に報いて、所定の課題を極力達成させるようになっている。
音楽ゲームリーチ演出の具体的な演出例について、図216及び図217に基づき説明する。図216(A)に示すように、音楽ゲームリーチ演出の開始時には、音楽ゲームリーチ演出として使用される楽曲を4曲の中から決定する演出を行う。このとき、液晶表示装置1400の画面上には、4つの選択曲が右回りで順に表示されており、遊技者にメインボタン371を操作させて曲選択をしたかのような演出を行うが、実際には内部的な抽選により曲選択がなされており、その決定された楽曲が最終的に表示されるようになっている。この演出例では、4曲のうち液晶表示装置1400の左上画面に表示された「楽曲A」を決定した場合を示す。なお、液晶表示装置1400の画面右下には、音楽ゲームリーチ演出の実行中、すなわち大当り時または外れ時の表示を導出するまで、リーチ図柄(この演出例では、「1」のリーチ図柄)が遊技者に判別可能となるように、装飾図柄の変動表示を開始してからリーチ図柄を形成するか否かまでの通常変動時よりも小さく表示している。
次いで、図216(B)に示すように、液晶表示装置1400の画面上には、「楽曲A」の音楽や映像の開始と共に「READY GO」の表示がなされた後、「ボタン1回」専用1401aのマーカーが左側から右側に向かって流れ始める。また、図216(C)に示すように、「ボタン1回」専用のマーカー1401aがマーカー枠1403と一致する前後の一定期間を上記した「メインボタン371の有効範囲」に設定しており、さらに「メインボタン371の有効範囲」の中でもマーカー枠1403との一致から近い範囲を「成功範囲」、マーカー枠1403との一致から遠い範囲を「失敗範囲」に設定している。そして、成功範囲にてメインボタン371を遊技者が操作した場合には、液晶表示装置1400の画面上に獲得ポイントに応じた演出表現が行われ、ポイントが獲得可能となる一方、失敗範囲にてメインボタン371を遊技者が操作した場合には、液晶表示装置1400の画面上に失敗(タイミング悪)の演出表現が行われ、ポイントを獲得することができない。なお、成功及び失敗の演出表現では、獲得ポイントにより表示されるエフェクトが変化するように設定されており、成功(ポイント獲得)の演出表現として+1の獲得ポイントである場合には星のエフェクトが出現し、+2の獲得ポイントである場合にはハートのエフェクト及び「GOOD」の文字が出現し、+30の獲得ポイントである場合にはHKマークのエフェクトが出現する一方、メインボタンセンサ376から入力信号を検出したタイミングが成功範囲でありながらも+0の獲得ポイント(ポイント獲得なし)である場合及び失敗範囲である場合には煙のエフェクトが出現するようになっている。また、ポイントを獲得した際には、液晶表示装置1400の画面上で+30の獲得ポイントまでを表示可能に30分割の目盛りが形成されたメーター1404において、獲得ポイントの加算により更新された累計のポイントを下側から上側に向かって表示するようになっている。
図216(D)には、液晶表示装置1400の画面上に「ボタンチャンス」専用のマーカー1401bが出現した態様を示す。「ボタンチャンス」専用のマーカー1401bは、マーカーの周囲が色付けされており、「ボタン1回」専用のマーカー1401aとは抽選内容等が異なる旨を見た目上で判別できるようになっている。
図217(E)及び(F)には、液晶表示装置1400の画面上に「ボタン連打」専用のマーカー1401cが出現した態様を示す。「ボタン連打」専用のマーカー1401cは、「ボタン1回」専用のマーカー1401aが重なりながら連続的に出現する態様である。また、マーカー枠1403上には、「連打」の文字と共に「ボタン連打」終了までの残り時間が「5」、「4」、「3」、「2」、「1」と時間の経過に伴ってカウントダウンする態様で表示しており、メインボタン371を遊技者が連打するように促している。また、「ボタン連打」のマーカー1401cの出現期間については、常に「メインボタン371の有効範囲」が設定されており、その有効範囲にてメインボタン371が操作された場合には、各々の操作についてポイントが獲得可能となっている。
図217(G)には、液晶表示装置1400の画面上に「ボタン最終」専用のマーカー1401dが出現した態様を示す。「ボタン最終」専用のマーカー1401dは、「ボタン1回」専用のマーカー1401aよりも一回り大きく、マーカー上に「HEY」の文字が付されており、「ボタン1回」や「ボタンチャンス」専用のマーカー1401a,1401bとは抽選内容等が異なる旨を見た目上で判別できるようになっている。
次いで、図217(H)に示すように、累計のポイントが課題の達成となる30ポイントに到達し、メーター1404の目盛りが満タンとなった場合には、液晶表示装置1400の画面上において、大当り時の表示として大当り時の装飾図柄の停止図柄(同一の装飾図柄の組合せ、この演出例では「1」の装飾図柄)を表示する。なお、音楽ゲームリーチ演出の終了までに課題が達成されなかった場合には、液晶表示装置1400の画面上において、外れ時の表示として外れ時の装飾図柄の停止図柄(同一とはならない装飾図柄の組合せ)を表示する。ただし、抽選結果が大当り時において、メインボタン371の操作がなかった等により課題が達成されなかった場合、液晶表示装置1400の画面上にて外れ時の表示を実行した後、大当り時の表示へと昇格させるようになっている。
以上、本実施形態においては、音楽ゲームリーチ演出の後半部に進行するほど、ポイントを獲得する抽選の機会を増大させたり、抽選により高いポイントを獲得させたりすることにより、メインボタン371の操作が下手な遊技者であっても、演出の後半部で挽回して、抽選結果が大当りである場合に所定の課題を達成することが可能となるものについて説明した。しかしながら、図213に示すように、「ボタン連打」を除いたマーカーに対しては、メインボタン371の有効範囲における殆どの成功範囲が7Fの範囲で設定されており、音楽ゲームリーチ演出の前後半で成功範囲に違いが見られない。これに対し、音楽ゲームリーチ演出の後半部に進行するほど、メインボタン371の操作タイミングを甘くする(マーカーに対する成功範囲を長くする)ことにより、ポイントを獲得する抽選の機会を逃させないようにし、メインボタン371の操作が上手な遊技者との技量の差を生じ難くしてもよい。ここでは、音楽ゲームリーチ演出の後半部に進行するほど、マーカーに対する成功範囲が長く設定されたメインボタン371の有効範囲について、図218を参照して説明する。
図218(A)に示すように、「ボタン1回」のマーカーに対しては、このマーカーが楽曲中に12回出現するよう、メインボタン371の有効範囲がA1〜A12の12種類設定されている。これらのメインボタン371の有効範囲には、A1〜A6に対して成功範囲が1〜5Fの範囲で、A7〜A12に対して成功範囲が6〜10Fの範囲で、各々のマーカーが出現する順序で長くなるように設定されている。
また、図218(B)に示すように、「ボタン連打」のマーカーに対しては、このマーカーが楽曲中に1回のみ出現するよう、メインボタン371の有効範囲がB1の1種類設定されている。このメインボタン371の有効範囲には、B1に対して131Fの範囲が設定されており、その他のマーカーと比べて有効範囲が格段に長い。ただし、このメインボタン371の有効範囲については、「成功範囲」と「失敗範囲」とに区分けされていない。
また、図218(C)に示すように、「ボタンチャンス」のマーカーに対しては、このマーカーが楽曲中に2回のみ出現するよう、メインボタン371の有効範囲がC1,C2の2種類設定されている。これらのメインボタン371の有効範囲には、C1,C2に対して各々の成功範囲が6F,11Fの範囲で設定されており、「ボタン1回」のマーカーA1〜A6よりも後に出現するC1、及び「ボタン1回」のマーカーA7〜A12よりも後に出現するC2のほうが、成功範囲が長くなっている。
また、図218(D)に示すように、「ボタン最終」のマーカーに対しては、このマーカーが楽曲の最後に1回のみ出現するよう、メインボタン371の有効範囲がD1の1種類設定されている。このメインボタン371の有効範囲には、D1に対して成功範囲が15Fの範囲で設定されており、「ボタン1回」や「ボタンチャンス」のマーカーよりも成功範囲が長くなっている。
このように、音楽ゲームリーチ演出では、「ボタン1回」のマーカーA1〜A6、「ボタンチャンス」のマーカーC1、「ボタン1回」のマーカーA7〜A12、「ボタンチャンス」のマーカーC2、「ボタン連打」のマーカーB1、「ボタン最終」のマーカーD1の順序で出現するものであり、「ボタンチャンス」のマーカーC1を除いては、この出現順序に従って成功範囲が長くなるように設定されている。すなわち、音楽ゲームリーチ演出の前半部では、マーカーに対する成功範囲が短く、メインボタン371の操作が上手な遊技者であっても、各々の成功範囲にメインボタン371の操作タイミングを合わせることが難しく、抽選によりポイントを獲得することが困難となっている。このため、音楽ゲームリーチ演出の前半部では、課題の達成となる一定のポイント数(本実施形態では、30ポイント)に到達する確率が極めて低く、メインボタン371の操作が上手な遊技者であっても、所定の課題が早々に達成されないように設定しており、演出の後半部まで課題の達成(大当りの導出)に対する期待が持続するようになっている。
一方、音楽ゲームリーチ演出の後半部では、マーカーに対する成功範囲が長く、メインボタン371の操作が下手な遊技者であっても、各々の成功範囲にメインボタン371の操作タイミングを合わせることが簡単となっている。このため、音楽ゲームリーチ演出の後半部では、ポイントを獲得することが容易となり、抽選結果が大当りであれば、課題の達成となる一定のポイント数(本実施形態では、30ポイント)に到達する確率が高い。したがって、メインボタン371の操作が下手な遊技者であって、音楽ゲームリーチ演出の前半部でポイントを殆ど獲得できなかったとしても、演出の後半部で挽回して、所定の課題を達成することが可能となるように設定しており、抽選結果が大当りである場合には、メインボタン371を操作するという遊技者の努力に報いて、所定の課題を極力達成させるようになっている。
なお、音楽ゲームリーチ演出の実行時には、液晶表示装置1400の画面上に「ボタン1回」、「ボタンチャンス」、「ボタン連打」、「ボタン最終」の各々の専用のマーカーが出現するのに加え、マーカーの種別に応じて獲得ポイントを決定しており、見た目上で抽選内容等が異なる旨を判別可能としているが、マーカーに対する成功範囲(メインボタン371の有効範囲)については、表示を行わず、成功範囲の違いを遊技者が認識できないようにしている。このため、音楽ゲームリーチ演出の前半部では、メインボタン371の操作が上手な遊技者であっても、各々の成功範囲にメインボタン371の操作タイミングを合わせることが特に難しくなっている。ただし、マーカーに対する成功範囲に基づいて「ボタン1回」等の専用のマーカーが出現(例えば、成功範囲の長短によってマーカーの色や大きさを変化させる等)するようにし、見た目上で成功範囲の違いを遊技者が認識可能としてもよい。
次に、音楽ゲームリーチ演出の中途において、メインボタン371の操作が上手な遊技者か下手な遊技者かを判断し、下手な遊技者と判断した場合には、上手な遊技者と判断した場合よりもその後の演出の難易度を低くするものについて説明する。このように、遊技者の技量に応じて音楽ゲームリーチ演出の難易度を変更することにより、演出における遊技者の技量の差が生じ難くなり、下手な遊技者であっても、演出の難易度の変更後に挽回して、抽選結果が大当りである場合に所定の課題を達成することが可能となる。ここでは、図213に示す順序で各々のマーカーが出現するように設定された場合の音楽ゲームリーチ演出の中途において、メインボタン371の操作が下手な遊技者と判断した場合に変更されるマーカーの種別について、図219を参照して説明する。
図219に示す実施形態では、音楽ゲームリーチ演出の開始から「ボタン1回」のマーカーA1〜A6が出現し、「ボタンチャンス」のマーカーC1が出現するまでの期間を対象として、その出現した7回のマーカーの成功範囲にてメインボタン371の操作を所定の回数(本実施形態では、4回)以上検出したか否か、すなわち演出の前半部における成功範囲でのメインボタン371の操作の検出度合いを判断する。メインボタン371の操作を所定の回数以上検出しなかった場合には、メインボタン371の操作が下手な遊技者であると判断し、その後に出現予定であった「ボタン1回」のマーカーA7〜A12(図213(A)参照)を、図219(C)に示すように、「ボタンチャンス」のマーカーC2〜C7に変更して出現させる。すなわち、メインボタン371の操作を所定の回数以上検出しなかった場合には、演出制御処理のステップS702で音楽ゲームリーチ演出の開始時に設定されたマーカー種別に関するデータのうち、変更判断後のマーカー種別に関するデータの部分を設定し直す。なお、メインボタン371の有効範囲(成功範囲及び失敗範囲)については、マーカー種別を変更する前後で同じとしている。一方、メインボタン371の操作を所定の回数以上検出した場合には、メインボタン371の操作が上手な遊技者であると判断し、その後に出現予定であった「ボタン1回」のマーカーA7〜A12(図213(A)参照)を変更することなく、そのまま出現させる。
上記した音楽ゲームリーチ演出では、変更判断時にメインボタン371の操作を所定の回数以上検出しなかった場合、「ボタン1回」のマーカーA7〜A12を変更して、「ボタンチャンス」のマーカーC2〜C7が出現するように設定されている。すなわち、マーカー種別の変更判断後には、「ボタンチャンス」のマーカーC2〜C7が出現することにより成功範囲にてメインボタン371を操作すると、その獲得ポイント決定テーブル(図215(C)参照)に基づき、「ボタン1回」のマーカーA7〜A12の出現時よりも抽選により高いポイントを獲得することが可能となっている。このため、マーカー種別を変更すると判断した場合には、変更しないと判断した場合よりも音楽ゲームリーチ演出の難易度が下がり、抽選結果が大当りであれば、課題の達成となる一定のポイント数(本実施形態では、30ポイント)に到達する確率が高い。したがって、メインボタン371の操作が下手な遊技者であって、マーカー種別の変更判断前でポイントを殆ど獲得できなかったとしても、変更判断後で挽回して、所定の課題を達成することが可能となるように設定しており、抽選結果が大当りである場合には、メインボタン371を操作するという遊技者の努力に報いて、所定の課題を極力達成させるようになっている。
なお、図219に示す実施形態では、「ボタンチャンス」のマーカーC1の出現後のタイミングで、成功範囲でのメインボタン371の操作の検出度合いを判断しているが、判断時期については、これに限らず、例えば、音楽ゲームリーチ演出の実行中における複数回のタイミングで判断したり、マーカーが出現するごとに毎回判断したりしてもよい。このとき、成功範囲でのメインボタン371の操作の検出度合いについては、判断するごとに基準を変更(例えば、演出の後半部に進行するほど、メインボタン371の操作を検出すべき設定回数を増加させる等)してもよい。
また、成功範囲でのメインボタン371の操作の検出度合いとして、所定の回数(本実施形態では、4回)以上検出したか否かを判断しているが、メインボタン371の操作が下手な遊技者であるか否かを判断できればよく、例えば、変更判断時までに獲得しているポイントが、所定のポイント数(例えば、課題を達成していない10ポイント)に到達しているか否かを判断基準としてもよい。この場合、メインボタン371の操作が下手な遊技者だけでなく、変更判断時までにメインボタン371を所定の回数以上操作したが、運悪く抽選によりポイントを殆ど獲得できなかった上手な遊技者であっても、変更判断後で挽回して、所定の課題を達成することが可能となっている。
また、図219に示す実施形態では、変更判断時にメインボタン371の操作を所定の回数以上検出しなかった場合、変更判断後のマーカー種別を、変更判断前よりも抽選により高いポイントを獲得することが可能なマーカー種別に変更しているが、遊技者の技量に応じて音楽ゲームリーチ演出の難易度を変更すればよく、例えば、変更判断時にメインボタン371の操作を所定の回数以上検出した場合、変更判断後のマーカー種別を、変更判断前よりも抽選により高いポイントを獲得することが困難なマーカー種別に変更してもよい。この場合にも、音楽ゲームリーチ演出における遊技者の技量の差が生じ難くなり、メインボタン371の操作が下手な遊技者だけが一方的に不利な立場とならないようになる。
また、遊技者の技量に応じて音楽ゲームリーチ演出の難易度を変更する方法としては、マーカー種別の変更だけでなく、例えば、マーカー種別を維持したまま、獲得ポイント決定テーブル(図215参照)に基づく抽選内容(獲得ポイントの決定確率)を変更することが挙げられる。具体的には、変更判断時にメインボタン371の操作を所定の回数以上検出しなかった場合、変更判断前よりも各々のマーカー種別に対してポイントを獲得する確率や、高いポイントを獲得する確率が高くなるように抽選内容を変更すればよい。また、変更判断前に出現予定であったマーカーを、変更判断後に増減させることが挙げられる。具体的には、変更判断時にメインボタン371の操作を所定の回数以上検出しなかった場合、変更判断前に出現予定であったマーカーをそのまま出現させるのに加え、出現予定にはなかったマーカーを新たに出現させることにより、ポイントを獲得する抽選の機会を増大させればよい。また、マーカー種別を維持したまま、各々のマーカーに設定された成功範囲を変更することが挙げられる。具体的には、変更判断時にメインボタン371の操作を所定の回数以上検出しなかった場合、変更判断前よりも各々のマーカーに対する成功範囲を長くすることにより、各々の成功範囲にメインボタン371の操作タイミングを合わせることを簡単とし、抽選によりポイントを獲得することを容易とすればよい。なお、音楽ゲームリーチ演出の難易度を変更する方法は、これらの組合せであってもよい。
上記した場合にも、音楽ゲームリーチ演出の難易度を変更すると判断した場合、抽選結果が大当りであれば、課題の達成となる一定のポイント数(本実施形態では、30ポイント)に到達する確率が高い。したがって、メインボタン371の操作が下手な遊技者であって、音楽ゲームリーチ演出の難易度の変更判断前でポイントを殆ど獲得できなかったとしても、変更判断後で挽回して、所定の課題を達成することが可能となるように設定しており、抽選結果が大当りである場合には、メインボタン371を操作するという遊技者の努力に報いて、所定の課題を極力達成させるようになっている。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機1に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に、適用しても良く、この場合でも、上記と同様の作用効果を奏することができる。