(パチンコ機について)
図1に示すように、実施例に係るパチンコ機10は、矩形枠状に形成されて、遊技店の図示しない設置枠台に固定される固定枠としての外枠11を備えている。また、パチンコ機10には、遊技盤40(図3または図5参照)が着脱可能に保持される本体枠としての中枠12が、外枠11の開口前面側に開閉および着脱可能に組み付けられている。更に、パチンコ機10は、遊技盤40の裏側に対して、各種図柄を変動表示可能な図柄表示装置13が着脱し得るよう配設されている(図2または図8参照)。中枠12の前面側には、遊技盤40を透視保護するガラス窓14aを備えた装飾枠としての前枠14が開閉可能に組付けられると共に、前枠14の下方にパチンコ球W(図31参照)を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組付けられる(図1または図3参照)。実施例では、前枠14の下部位置に、パチンコ球Wを貯留する上球受け皿16が一体的に組付けられており、前枠14の開閉に合わせて上球受け皿16も一体的に開閉するよう構成される。なお、図柄表示装置13としては、液晶表示装置やドラム式の表示装置、ベルト式の表示装置等の各種図柄を変動表示可能な従来公知の表示装置を用いることができる。
(中枠について)
図3または図4に示すように、中枠12は、上縁をなす上枠部材17と、下縁をなし、スピーカ33や打球発射装置34、操作ハンドル35等が設置された下枠部材18と、左側縁をなす左枠部材19と、右側縁をなす右枠部材20とから構成されている。中枠12は、上下左右の枠部材17,18,19,20を組付けた際に、全体が外枠11の開口に整合する矩形枠状に形成される。そして、上下左右の枠部材を組付けた際に前後に開口する開口部分が、遊技盤40を設置する遊技盤保持部22として機能する。ここで、中枠12は、外枠11の左上端部および左下端部に設けられた支軸(図示せず)を介して枢支され、左側端部を中心として中枠12を回転させることで、外枠11に対して中枠12を開閉し得るようになっている。
図3または図4に示すように、左枠部材19の開口内側(遊技盤保持部22側)には、上下に離間する位置に、遊技盤40の左側端部を回転および着脱可能に保持する回転保持具23,23が複数設けられている。また、上下の枠部材における右端部(右枠部材20側)には、固定位置および固定解除位置に回転可能な固定具24,24が夫々設けられており、該固定具24,24により遊技盤40の右側上下端部を中枠12に固定し得るようになっている。パチンコ機10では、遊技盤40の左側端部を回転保持具23,23で保持した状態で、遊技盤40の右側端部を押し込んで遊技盤40の左側端部(回転保持具23,23)を中心に回動させて遊技盤40の全体を遊技盤保持部22に臨ませて、固定具24,24を固定位置に回転変位させて遊技盤40の右側上下端部が支持固定される。このように、遊技盤40は、その周縁部の裏面が前記上下および左の各枠部材17,18,19,20に当接支持された状態で、回転保持具23,23および固定具24,24で対応箇所の前面が当接支持されて、前後方向の移動が規制される。そして、この状態の遊技盤40の前面(後述する盤本体42の前面)は、中枠12に組付けられている前枠14のガラス窓14aに対して予め設定された距離だけ離間する位置に臨むよう構成されている。
図2または図4に示すように、前記上枠部材17の裏側には、設置枠台等に設けられた外部球供給設備から供給されるパチンコ球Wを貯留する球タンク25が、上枠部材17の左右幅の略全幅に亘って設けられている。この球タンク25は、遊技盤保持部22に配設された遊技盤40の裏側上部に重なるよう形成されており、遊技盤40の上下寸法を最大限大きくし得るようになっている。また、下枠部材18の裏側には、上下の球受け皿15,16に連通する球供給路および設置枠台に設けた球回収樋に連通する球排出路(何れも図示せず)が夫々形成されたセット部材26が配設されている(図2参照)。なお、球タンク25とセット部材26とは、両部材間に架設された球通路ユニット27を介して連通接続されており、該球通路ユニット27に配設された球払出し装置27aの駆動により球タンク25に供給されたパチンコ球Wを上下の球受け皿15,16へ給出するよう構成されている。
前記セット部材26には、図2に示すように、パチンコ機10の電源制御を行う電源装置28、球通路ユニット27に配設した球払出し装置27aを駆動制御する払出し制御装置29、前記打球発射装置34を駆動制御する発射制御装置30、外部端末に接続されるインターフェース基板31等が配設されている。なお、これらの各装置28,29,30,31は、遊技盤40の裏側に配設される主制御装置32に配線接続され、該主制御装置32からの制御信号に基づいて所定の制御を実行するようになっている(図155参照)。
(遊技盤)
図5〜図12に示すように、前記遊技盤40は、アクリルやポリカーボネート等の透明な合成樹脂製の板材からなる盤本体42と、この盤本体42の後側に設けられる裏ユニット50とから構成される。遊技盤40には、パチンコ球Wが流下可能な遊技領域40aが盤本体42の前面に設けられると共に、遊技釘(釘)43や風車44等の遊技部品が遊技領域40aに設けられている。また、遊技盤40には、裏ユニット50の後側に図柄表示装置13が着脱可能に配設されて(図2または図8参照)、図柄表示装置13において図柄変動ゲームやその他表示演出が行われる表示部13aが前側から視認可能になっている。そして、パチンコ機10では、盤本体42の前面に画成される遊技領域40aに打ち出されて流下するパチンコ球Wの入賞装置への入賞等に合わせてあるいは独立して、遊技盤40の前側に臨む表示部13aで図柄変動ゲームや所定の表示演出が行われるようになっている。
(盤本体)
図1または図13に示すように、盤本体42は、略矩形を基本とした平板状の部材であって、四隅が前述した中枠12への取り付け構造に合わせて切り欠き等されて適宜形状とされている。盤本体42は、左下部から右上部にかけて円弧状に延在する外レール45と、この外レール45の内側に中央下部から左上部にかけて並べて配置された内レール46とが前面に配設されている。なお、打球発射装置34から発射されたパチンコ球Wは、外レール45と内レール46との間を通って遊技領域40aの左上部に打ち出される。また、盤本体42には、外レール45の右上部から内レール46の下部までの間に、右方に凹む湾曲形状の左側縁が延在する第1盤面飾り部材47が前面右側に配設されている。そして、盤本体42の前面には、外レール45、内レール46および第1盤面飾り部材47によって略円形の遊技領域40aが画成されている。更に、盤本体42の前面には、外レール45の左方(遊技領域40aの外側)の上下位置に第2盤面飾り部材48が夫々配設されている。
図5に示すように、前記盤本体42の前面には、遊技領域40aに位置して多数の遊技釘43や風車44等の遊技部品が配設されている。遊技盤40では、打球発射装置34によって遊技領域40aに打ち出されたパチンコ球Wを並んだ遊技釘43で誘導したり、風車44によりパチンコ球Wを振り分けたり等して、遊技領域40aを流下するパチンコ球Wの動きを不規則に変更するようになっている。例えば、遊技盤40には、中央部に配設された後述する表示枠体100の下部左側から中央に位置する始動入賞装置70の始動入賞口70a,70bに向けてパチンコ球Wを誘導する経路を形成するように遊技釘43が並んでいる(図5参照)。
図13に示すように、前記盤本体42には、遊技領域40aに設けられる表示枠体100、各種入賞装置70,74および裏ユニット50に配設される表示器460等に合わせて、前後に貫通形成された貫通口42a,42b,42c,42d,42eが複数開設されている。盤本体42は、遊技領域40aに大きく開設された表示貫通口42aと、この表示貫通口42aの下側に開設され、後述する始動入賞装置70および特別入賞装置74が配設される入賞装置貫通口42bと、この入賞装置貫通口42bの左側に開設され、左側の普通入賞装置400を構成する下部飾り部材(飾り部材)402が配設される下部飾り貫通口42cとを備えている。また、盤本体42は、下部飾り貫通口42cの左上側に開設され、表示器460が臨む表示器貫通口42dと、表示貫通口42aと内レール46との間に位置して遊技領域40aの左側部に開設され、ゲートセンサ799が配設されるゲート貫通口42eとを備えている。なお、実施例では、ゲート貫通口42eが表示貫通口42aに連続して形成されて、両者が繋がっている。
前記表示貫通口42aは、盤本体42の上側に僅かに偏倚して大きく形成されており、盤本体の1/2以上の領域を占めている(図13参照)。また、表示貫通口42aは、図柄表示装置13における表示部13aの前側に形成されており、遊技盤40では、表示部13aにおける表示貫通口42aの内側に重なる領域で少なくとも図柄変動ゲームが行われるようになっている。そして、盤本体42には、表示貫通口42aに嵌め合わせて後述する表示枠体100が配設されている(図5参照)。
前記盤本体42には、表示貫通口42a(表示貫通口42aに嵌め合わせて取り付けた表示枠体100)の下方位置に、遊技領域40aを流下するパチンコ球Wが入賞可能な始動入賞装置70が入賞装置貫通口42bの上部に嵌め合わせて配設されている(図5または図6参照)。また、盤本体42には、始動入賞装置70の下方に、遊技領域40aを流下するパチンコ球Wが入賞可能な特別入賞装置74が入賞装置貫通口42bの下部に嵌め合わせて配設されている。更に、盤本体42には、遊技領域40aの下縁に沿って形成された下部飾り貫通口42cに嵌め合わせて、左側に位置する左側普通入賞装置(普通入賞装置)400の前部を構成する下部飾り部材402が配設されている(図13参照)。更にまた、盤本体42には、ゲート貫通口42eに嵌め合わせて、ゲートセンサ799を備えた球通過ゲート798が配設されている(図5参照)。
(裏ユニット)
図14〜図16に示すように、前記裏ユニット50は、前方に開放する箱状に形成された合成樹脂製の部材であって、開放端を盤本体42の後面に突き合わせて該盤本体42に取り付けられている(図11または図12参照)。裏ユニット50は、遊技盤40の後面を構成する設置板部52と、この設置板部52の周縁から前方へ延出形成された周板部54と、この周板部54の前端から外方に向けて延出形成された縁板部55とを備えている。実施例の裏ユニット50は、設置板部52、周板部54および縁板部55の上下の辺を構成する部分が一体形成される一方、縁板部55の左右の辺を構成する部分が前記一体成形部分と夫々別体に形成されている。裏ユニット50は、周板部54で囲われる前部開口が遊技領域40aにおおよそ合わせて形成されると共に、縁板部55の外周縁が盤本体42の外周縁におおよそ合わせた形状および大きさで形成されている。裏ユニット50は、縁板部55を盤本体42に当接して該盤本体42の後面にネジ止め固定され、設置板部52が盤本体42の後面から離間配置されて、設置板部52と盤本体42との間に装置および部材を配設可能な空間が画成されるようになっている(図77参照)。
前記裏ユニット50には、四角形状の表示開口53が設置板部52の中央位置に位置して前後に貫通形成されている(図9〜図11参照)。裏ユニット50は、遊技盤40を演出または装飾する装置や部材が設置板部52の前側に設置されると共に、図柄表示装置13および中継基板38が設置板部52の後側に設置されるようになっている。実施例の遊技盤40では、裏ユニット50において設置板部52の表示開口53の上側に延在する上辺部52a前面に、第1可動演出装置500が設置され、設置板部52における表示開口53の右側に延在する右辺部52b前面に、第2可動演出装置750が設置されると共に、設置板部52における表示開口53の左側に延在する左辺部52c前面に、第3可動演出装置780が設置されている(図14または図16参照)。また、遊技盤40では、照明装置300が設置板部52における表示開口53の下側に延在する下辺部52d前面に設置されている。
前記遊技盤40では、図柄表示装置13がその表示部13aを表示開口53に臨ませて、裏ユニット50における設置板部52の後側に取り付けられている(図2または図8参照)。実施例の表示開口53は、盤本体42の表示貫通口42aより小さく形成されると共に該表示貫通口42aの後側に重なるように配置されており、遊技盤40では、表示開口53を介して前側に臨む図柄表示装置13の表示部13aが表示貫通口42aの内側に位置するようになっている(図5または図6参照)。
前記裏ユニット50には、設置板部42の後面に図柄表示装置13を着脱可能に保持する表示保持手段56,57,58が設けられている(図8〜図11参照)。表示保持手段は、設置板部52における左辺部52cの後面に門型に突出形成され、表示開口53側に開放する受け口(図12参照)を備える装置保持部56(実施例では上下に離間して2つ)と、設置板部52における右辺部52bに前後に貫通形成された保持開口57(実施例では上下に離間して2つ)と、設置板部52における下辺部52dの後面に表示開口53に沿って延在するよう後方へ延出形成された下受け片58とから構成されている。図柄表示装置13は、左側面に左方へ突出形成された挿入片(実施例では上下に離間して2つ:図示せず)を、装置保持部56,56の対応する受け口に挿入すると共に下面を下受け片58に載置し、右側部に設けられたナイラッチ等の装置固定具59を保持開口57,57で係止することで、裏ユニット50に対して取り付けられる(図8参照)。そして、裏ユニット50の表示開口53は、図柄表示装置13で塞がれるようになっている。
前記裏ユニット50には、図柄表示装置13の取り付け領域の下側に位置して、中継基板38を保持する基板設置部60が後面に設けられている(図8〜図11参照)。実施例では、基板設置部60が左右に離間して3箇所設けられ、裏ユニット50の後面には、3基の中継基板38が左右に並んで設置されている(図11参照)。実施例の基板設置部60は、設置板部52の後面から後方に延出し、対応の中継基板38に合わせて延在するように形成された基板支え片60aと、中継基板38の後面を係止して基板支え片60aとの間で中継基板38を挟む基板押え片60bとから構成されている。基板設置部60は、中継基板38を挟んで一対の基板押え片60bが上下に対向配置され、一方(実施例では上側)の基板押え片60bが他方の基板押え片60bに対して接離する方向に弾性変形可能に構成されている。基板設置部60は、基板支え片60aによって周縁部が支持されて、裏ユニット50の後面から離間して保持するようになっている。また、基板設置部60は、一方の基板押え片60bを撓曲することで、工具を用いることなく中継基板38を指先操作で簡単に挿脱することができる。
前記中継基板38は、裏ユニット50の前側に設けられる可動演出装置500,750,780、発光演出装置200や照明装置300等の演出側電気機器と、裏ユニット50の後側に取り付けられる主制御装置32や統括制御装置37等の制御側電気機器とを電気的に中継するものであって、演出側電気機器に接続する配線や制御側電気機器に接続する配線や他の中継基板38に接続する配線等が繋がれる(図9参照)。また、遊技盤40は、演出側電気機器として、裏ユニット50の前側に位置して盤本体42に設けられる発光演出装置200や枠体照明手段(照明手段)130,131,132,133,134等も備えている(図18参照)。
このように、遊技盤40には、表示部13aを囲んで上側の第1可動演出装置500、左右の第2,第3可動演出装置750,780、下側の照明装置300が設置され、これらの装置によって所要の演出を行い得るように構成される(図5または図6参照)。なお、実施例の遊技盤40では、第1〜第3可動演出装置500,750,780の夫々に設けられた可動体が、図柄表示装置13における該遊技盤40の前側に臨む表示部13aの周縁部にある第1位置(図5参照)と、この第1位置から該表示部13aの中央部側に変位した第2位置(図6参照)との間で動作するようになっている。
(始動入賞装置)
図5に示す如く、始動入賞装置70は、盤本体42の前面に設けられ、遊技領域40aを流下するパチンコ球Wが入賞可能な上下の始動入賞口(入賞口)70a,70bを備えている。始動入賞装置70は、入賞装置貫通口42bの上部を塞いで盤本体42に取り付けられている。パチンコ機10では、始動入賞装置70の始動入賞口70a,70bへ入賞したパチンコ球Wが始動入賞センサ72(図155参照)で検出されることで、図柄表示装置13の表示部13aで図柄変動が開始されると共に、所定数(例えば5個)のパチンコ球Wが賞球として上下の球受け皿15,16に払い出されるようになっている。同時に、パチンコ機10では、後述する表示器460の特別表示部465において図柄変動が開始されるようになっている(図17参照)。なお、下側の始動入賞口70bを挟む左右位置には、相互に近接および離間するよう揺動可能な一対の羽根部材71,71が設けられ(図5参照)、図示しないソレノイド等の駆動手段により羽根部材71,71を揺動することで、下側の始動入賞口70bが開閉される。
(特別入賞装置)
図5または図6に示す如く、特別入賞装置74は、入賞装置貫通口42bの下部に嵌め合わせて盤本体42に取り付けられ、盤本体42の前面に臨ませて前後に開口するように開設された横長の特別入賞口74a(図5参照)を備えている。また、特別入賞装置74は、特別入賞口74aを開閉自在に閉成する開閉扉75を備え、この開閉扉75を図示しないソレノイド等の駆動手段により姿勢変位することで、特別入賞口74aが開閉されるようになっている。特別入賞装置74は、遊技領域40aに臨む特別入賞口74aが開閉扉75で常には閉鎖されており、始動入賞口70a,70bへのパチンコ球Wの入賞を契機とした表示器460の特別表示部465での図柄変動の結果、該特別表示部465に所定の図柄組み合わせで図柄が停止表示されることで所謂「大当り」が発生し、これにより開閉扉75が開放するよう作動制御されて、特別入賞口74aへの入賞により多数の賞球を獲得し得るようになっている。なお、図柄表示装置13では、始動入賞装置70の始動入賞口70a,70bへのパチンコ球Wの入賞を契機とした特別表示部465での図柄変動の開始から、該図柄変動の結果としての当りと外れの確定までの間において、特別表示部465で行われる図柄変動ゲームに係わる図柄変動演出が行われて、遊技者に期待感や優越感等を与え得るよう構成される。
前記盤本体42の前面には、遊技領域40aにおける表示枠体100の左側に位置して、該遊技領域40aを流下するパチンコ球Wが通過可能な球通過ゲート798が配設されている(図5または図6参照)。球通過ゲート798には、パチンコ球Wの通過を検出した際に、後述する表示器460の普通表示部467(図17参照)で表示される普通図柄が変動開始するよう構成され、始動入賞装置70の羽根部材71,71を開放するか否かの抽選を行うよう設定されている。
(普通入賞装置)
図5または図6に示すように、前記盤本体42には、特別入賞口74aを挟む左右両側に普通入賞口406,452が夫々設けられている。遊技盤40は、遊技領域40aから普通入賞口406,452に入賞したパチンコ球Wが盤本体42の後側に案内され、裏ユニット50に設けられた球通路410,414,416を流下するようになっている(図14参照)。そして、パチンコ機10では、球通路410,414,416の下流側に設けられた普通入賞センサ(検出手段)401でパチンコ球Wを検知することで、所定数(例えば10個)の賞球が上下の球受け皿15,16に払い出されるよう構成されている。ここで、遊技盤40は、特別入賞口74aの左側に位置する普通入賞口406に対応する左側普通入賞装置400と、特別入賞口74aの右側に位置する普通入賞口452に対応する右側普通入賞装置450とを備えている。
前記遊技盤40には、遊技領域40aの最下部、すなわち特別入賞装置74の下側には、始動入賞口70a,70b、特別入賞口74aおよび各普通入賞口406,452に入賞することなく流下したパチンコ球Wを機裏側に排出するアウト口41が形成されている(図5または図6参照)。
前記遊技盤40(裏ユニット50)の後面に着脱可能に配設される図柄表示装置13の裏面には、図2に示す如く、該図柄表示装置13の表示を制御する演出表示制御装置36が配設されている。また、図柄表示装置13の後面には、可動演出装置500,750,780を動作または発光制御したり、発光演出装置200、照明装置300、枠体照明手段130,131,132,133,134等の発光機器を発光制御したり、スピーカ33の効果音出力制御等を行う統括制御装置37が、演出表示制御装置36に隣接して配設されている。パチンコ機10では、制御装置(制御側電気機器)同士、または制御装置と可動演出装置500,750,780や発光機器130,131,132,133,134,200,300等の演出側電気機器、図柄表示装置13、スピーカ33、始動入賞センサ72、特別入賞センサ76および普通入賞センサ401等が配線によって直接または中継基板38を介して電気的に接続される(図155参照)。
前記主制御装置32には、始動入賞口70a,70bに入賞したパチンコ球Wを検出した始動入賞センサ72からの検出信号や、特別入賞口74aに入賞したパチンコ球Wを検出した特別入賞センサ76からの検出信号や、普通入賞口406,452に入賞したパチンコ球Wを検出した普通入賞センサ401からの検出信号が入力される(図155参照)。主制御装置32は、制御動作を所定の手順で実行することができる主制御用CPU、主制御用CPUの制御プログラムを格納する主制御用ROMおよび必要なデータの書き込みおよび読み出しができる主制御用RAM等の電子部品(何れも図示せず)を備えている。
前記主制御装置32は、大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数や変動パターン振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を主制御用RAMの設定領域に記憶(設定)することで更新前の値を書き換えており、乱数更新処理(乱数生成処理)を実行するようになっている。例えば、主制御装置32では、始動入賞センサ72から検出信号が入力されると、主制御用CPUが主制御用RAMから大当り判定用乱数を取得し、この大当り判定用乱数と主制御用ROMの大当り判定値とを比較し、大当りとするか否かの大当り抽選(大当り判定)を行う。また主制御装置32では、前記大当り判定の結果が大当りの場合には、大当り演出のみが含まれる変動パターンテーブルから大当り演出を決定する。
これに対して、前記大当り判定の結果がはずれの場合には、はずれ演出のみが含まれる変動パターンテーブルからはずれ演出を決定する。大当り演出およびはずれ演出の決定は、前記大当り判定と同様に、主制御用CPUが主制御用RAMから取得した乱数により行う。なお、変動パターンテーブルから決定される大当り演出およびはずれ演出の変動パターンは、少なくとも図柄変動ゲームの変動時間および演出内容を特定するものである。そして、パチンコ機10では、主制御装置32の抽選結果に応じて出力された統括制御装置37の制御信号に基づいて、演出表示制御装置36が図柄表示装置13に所定の演出表示を行わせると共に、主制御装置32の制御により出力された払出し制御装置29の制御信号に基づいて、球払出し装置27aによって所定数の賞球が払い出される(図155参照)。また、パチンコ機10では、統括制御装置37の制御信号に基づいて、可動演出装置を作動させたり、各種発光装置を発光させたり、スピーカ33から効果音を出力するようになっている。
(表示枠体)
図5または図6に示すように、前記盤本体42には、センター役物とも称される大型の装飾部材である表示枠体100が配設されている。表示枠体100は、内側に窓口100aを画成する額縁形状に形成され、表示貫通口42aに嵌め合わせて盤本体42に取り付けられている。遊技盤40では、表示枠体100の外形と表示貫通口42aとが整合するように形成され、盤本体42に取り付けた表示枠体100により表示貫通口42aの開口縁が縁取られるようになっている(図5参照)。表示枠体100は、正面視で略円環状の外形を基本として、基本部分から右側下部に下方に膨出する部分が形成され、窓口100aの下縁右部が下方に拡張されている(図18参照)。これに対応して、盤本体42には、表示貫通口42aが正面視で略円形状を基本として、該基本部分から下縁右部に下方に広がる切り欠き部分が形成されている(図13参照)。なお、表示枠体100における右側下部の拡張部分を、特に区別する場合は拡張部102という。ここで、実施例の拡張部102は、窓口100aの中央部側から下方に向かうにつれて先細りになるよう形成されている。
前記表示枠体100は、窓口100aが裏ユニット50の表示開口53より大きく形成されると共に、窓口100aの内側に表示開口53が位置するように盤本体42に取り付けられている(図5参照)。すなわち、遊技盤40では、図柄表示装置13における表示開口53を介して前側に臨む表示部13aが窓口100aの内側に位置するようになっている。遊技盤40は、表示部13aを囲う表示枠体100により該表示部13aの周囲を装飾すると共に、表示枠体100によって遊技領域40aと表示部13aとを区画するように構成される。また、実施例では、窓口100aの内側に第1〜第3可動演出装置500,750,780の一部が臨み、当該一部が遊技盤40の前側から視認可能になっている(図7参照)。
図18〜図21に示すように、前記表示枠体100は、盤本体42における表示貫通口42aの開口縁前面に当接する板状の枠体フランジ部分104と、この枠体フランジ部分104より前方に突出する庇部分106と、枠体フランジ部分104より後方へ突出する枠体挿入部分108とを有している。表示枠体100は、表示貫通口42aに枠体挿入部分108を挿入し、盤本体42の前面に突き当てた枠体フランジ部分104を介してネジ止め固定される。ここで、表示枠体100において盤本体42の前面を覆う枠体フランジ部分104は、盤本体42との継ぎ目に傾斜面を設けたり、板厚を薄く設定する等によって盤本体42の前面との間でパチンコ球Wが流通可能に形成され、遊技領域40aの一部を構成している(図5参照)。
前記庇部分106は、枠体フランジ部分104よりパチンコ球Wの直径以上の寸法で突出し(図21または図24参照)、表示枠体100は、庇部分106によって遊技領域40aに打ち出されたパチンコ球Wが窓口100a(表示部13a)を横切って流下するのを規制している。表示枠体100には、庇部分106が表示枠体100の上縁から左右の両側縁にかけての部位と右下部に形成された拡張部102を囲む部位とに設けられている(図24参照)。表示枠体100は、左側縁下部から拡張部102の左側縁上部にかけての下縁に庇部分が設けられておらず、この下縁の前面をなす枠体フランジ部分104が盤本体42の前面と略同一面を構成しており、下縁前側から遊技領域40aから表示枠体100の下縁上側(窓口100aの内側)に設けられるステージ150への流入が許容されるようになっている。枠体挿入部分108は、枠体フランジ部分104より盤本体42の板厚以下の寸法で突出し、表示貫通口42aら盤本体42の後方へ突出しないようになっている。
前記表示枠体100は、外観による装飾だけでなく、拡張部102に設置された発光演出装置200や枠体照明手段130,131,132,133,134等の発光演出のための手段、球通過ゲート798およびステージ150の一部が設けられている(図18参照)。実施例の表示枠体100では、第1枠体照明手段130が下縁左側に設けられ、第2枠体照明手段131が第1枠体照明手段130より中央側に偏倚して下縁左側に設けられ、第3枠体照明手段132が下縁右側における中央側に偏倚して設けられ、第4枠体照明手段133が第3枠体照明手段132より右側に位置して拡張部102を画成する左側縁に設けられている。更に、表示枠体100には、第5枠体照明手段134が右側縁に設けられている。なお、表示枠体100では、第2枠体照明手段131と第3枠体照明手段132とが、下縁に設けられた後述する球案内路170の球出口172を挟んで左右対称の関係で配置されている。更に、表示枠体100には、左側縁に左方(窓口100aと反対側)に延出して球通過ゲート798のゲート設置部800が設けられている(図18参照)。
前記表示枠体100は、閉環形状の枠本体110と、この枠本体110の前側に設けられた複数の枠体飾り部(飾り部)120と、枠本体110の前側に設けられた庇状部122,124,126から基本的に構成され(図22または図23参照)、これらの部品で前述した枠体フランジ部分104、庇部分106および枠体挿入部分108が形成されている。実施例の枠本体110は、合成樹脂製であって、全体が透明になっている。枠本体110は、盤本体42と平行に板面が延在する板状の前壁部111と、この前壁部111の後面から後方へ延出し、表示貫通口42aに合わせて延在するよう形成された外壁部112とを備えている(図23参照)。また、枠本体110は、前壁部111の後面から後方へ延出するよう形成され、外壁部112の内側に該外壁部112と離間して配置された本体内壁部(内壁部)114を備え、外壁部112と本体内壁部114との間に前壁部111が延在するようになっている。枠本体110は、表示貫通口42aに合わせた環状に延在する前壁部111の全周に亘って外壁部112が設けられ(図19参照)、枠体挿入部分108を構成する外壁部112が表示貫通口42aに嵌り込み、表示貫通口42aの内周面に対向するようになっている。なお、枠本体110は、前壁部111における外壁部112から外方に延出する部位が枠体フランジ部分104を構成している。
前記枠本体110には、本体内壁部114が表示枠体100の下縁の中央をあけて下縁左側および拡張部102の左側縁に設けられ(図22または図23参照)、左右に離間する本体内壁部114の間に設けられる後述するステージ150の下段転動部157が、左右の両本体内壁部114,114の間を塞いでいる(図24参照)。すなわち、表示枠体100では、下段転動部157が枠本体110の内壁部を構成し、外壁部112、内壁部114,157および両者の間に延在する前壁部111によって、後側に開放する溝状の配線通路116が該表示枠体100の少なくとも下縁(枠本体110の下縁)に画成されている。以下の説明において、配線通路116を画成する本体内壁部114および下段転動部157を特に区別しない場合は、単に内壁部という。枠本体110には、枠体照明手段130,131,132,133,134の設置部位から表示枠体100の右下部に設けられた拡張部102に設置される発光演出装置200にかけて内壁部114,157が設けられて(図20参照)、この内壁部114,157と外壁部112とによって枠体挿入部分108が構成される。これに対し、表示枠体100は、枠体照明手段130,131,132,133,134が設けられていない該表示枠体100の上縁および左右の側縁上部が、枠体挿入部分108が外壁部112のみで構成されている(図19参照)。
前記枠本体110には、第1〜第4枠体照明手段130,131,132,133を構成する枠体透光部(光透過部)130a,131a,132a,133aが前壁部111に設けられている(図22参照)。実施例の枠本体110では、第1枠体照明手段130に対応する第1枠体透光部130aが下縁左側に設けられ、第2枠体照明手段131に対応する第2枠体透光部131aが第1枠体透光部130aより中央側に偏倚して下縁左側に設けられている。また、枠本体110には、第3枠体照明手段132に対応する第3枠体透光部132aが下縁右側における中央側に偏倚して設けられ、第4枠体照明手段133に対応する第4枠体透光部133aが第3枠体透光部132aより右側に位置して拡張部102を画成する左側縁に設けられている。第1〜第3枠体透光部130a,131a,132aは、表示枠体100の内外に亘って形成され、長手が該表示枠体100の内外方向に延在するようになっている(図18参照)。
前記第1〜第3枠体透光部130a,131a,132aは、外壁部112とこの外壁部112に対向する内壁部114,157との離間幅より長く形成され、外壁部112より外方へ突出すると共に内壁部114,157より窓口100a側へ突出するよう構成される(図22参照)。第4枠体透光部133aは、第1〜第3枠体透光部130a,131a,132aより前方に突出して設けられ、拡張部102を囲う左側縁に沿って延在し、当該拡張部102の左側縁における庇部分106の一部を構成している。枠体透光部130a,131a,132a,133aは、光を透過可能に構成されると共に、光拡散構造を有し、実施例では短手方向に延在する凹凸からなる光拡散構造が後面に設けられている(図26参照)。また、枠本体110には、外壁部112における第1〜第3枠体透光部130a,131a,132aの後側に対応する部位の夫々に、前方に凹むように形成された基板挿入凹部113が設けられている(図23参照)。
ここで、本願において「光を透過可能」とは、光の透過率が極めて高く、その部分を通して向こう側が透けて見える状態である「透明」や、この「透明」と同様に光が透過する性質を有しているが、透過する光が拡散されるため、または透過率が低いために、「透明」と違ってその部分を通して向こう側の形状等を明確に認識できない、または全く認識できない状態、例えば磨りガラスや乳白色プラスティック等の状態を指す。
また、本願で云う光拡散構造とは、例えば光透過性を有する部材の表面に凹凸を形成するような表面加工や、光反射性を有する微粒子を含有する光拡散インクを種々の濃度分布で光透過性を有する部材の表面に印刷または塗布等する加工や、部材を構成する樹脂自体に光反射性を有する微粒子を分散させる例えばラメ加工や、透過する光の屈折率を変える加工等を指し、1つの加工だけであっても、複数の加工を組み合わせてもよい。なお、表面加工の具体例としては、溝加工、ダイヤモンドカット加工、シボ加工、ブラスト加工などが挙げられ、光の屈折率を変える加工としては、部材の表面に該部材と屈折率が異なる微細な凹凸を設けたシートレンズの如きものが挙げられる。
前記枠体飾り部120は、枠体透光部130a,131a,132a,133aを外して枠本体110の前壁部111前面に設けられ、表示枠体100の前面を構成するようになっている(図18参照)。表示枠体100には、第1枠体透光部130aの左側に位置して第1の枠体飾り部120Aが設けられ、第1枠体透光部130aと第2枠体透光部131aとの間に第2の枠体飾り部120Bが設けられ、第2枠体透光部131aと第3枠体透光部132aとの間に第3の枠体飾り部120Cが設けられ、第3枠体透光部132aと第4枠体透光部133aとの間に第4の枠体飾り部120Dが設けられる。第1〜第3の枠体飾り部120A,120B,120Cは、板状の部品であって(図22または図23参照)、前壁部111の前面より当該枠体飾り部120の板厚分だけ突出するよう形成された第1〜第3枠体透光部130a,131a,132aと前面が揃うように構成される(図24参照)。第4の枠体飾り部120Dは、枠本体110の下縁を構成する前壁部111前面を覆う板状部分と、当該板状部分から前方に突出し、第4枠体透光部133aの左縁に沿って延在する凸状部分とを有し、板状部分が第3枠体透光部132aと前面が揃い、凸状部分が第4枠体透光部133aと前面が揃うようになっている。なお、第3の枠体飾り部120Cは、球案内路170の球出口172を塞がないように切り欠かれている。
前記第1〜第3の枠体飾り部120A,120B,120Cおよび第4の枠体飾り部120Dの板状部分は、表示枠体100の内外方向の幅が隣り合う第1〜第3枠体透光部130a,131a,132aに合わせて設定され、外壁部112より外方へ突出すると共に内壁部114,157より窓口100a側へ突出するよう構成される(図24参照)。また、表示枠体100では、第1〜第3の枠体飾り部120A,120B,120C、第4の枠体飾り部120Dの板状部分および第1〜3枠体透光部130a,131a,132aが、盤本体42の前面との間でパチンコ球Wが流通可能に構成されている。そして、表示枠体100では、第1〜第3の枠体飾り部120A,120B,120C、第4の枠体飾り部120Dの板状部分および第1〜3枠体透光部130a,131a,132aによって、枠体フランジ部分104が構成される。また、表示枠体100には、第4枠体透光部133aの右縁(拡張部102側)に沿って第5の枠体飾り部120Eが設けられており(図18参照)、拡張部102の左側縁における庇部分106が、第4の枠体飾り部120Dの凸状部分、第4枠体透光部133aおよび第5の枠体飾り部120Eで構成される。
前記表示枠体100は、第1〜第3枠体透光部130a,131a,132aの夫々が、窓口100aの周回り方向に離して枠本体110に設置された隣り合う枠体飾り部120で挟まれ、枠体飾り部120によって枠体透光部130a,131a,132aが縁取られている(図18または図24参照)。また、第1〜第4の枠体飾り部120は、表面全体が光を反射可能に構成されている。実施例の第1〜第4の枠体飾り部120は、前面だけでなく、後側に位置するステージ150や照明装置300側に臨む後面についても光を反射し得るようになっている。ここで、第1〜第4の枠体飾り部120は、金属メッキによる鏡面加工によって光を反射するように構成され、透明な枠本体110の前面を覆う枠体飾り部120の後面によって、ステージ150の転動面153,154に対して枠体照明手段130,131,132,133の光を反射し得るようになっている。
前記表示枠体100は、第5枠体照明手段134に対応して枠本体110の右側縁に設けられる第1庇状部122と、枠本体110の左側縁に設けられる第2庇状部124と、第1庇状部122の上側および第2庇状部124の上側間に延在する第3庇状部126とを有し、これらの庇状部122,124,126によって枠本体110の左側縁、上縁、右側縁および拡張部102の右側縁に亘る庇部分106および枠体フランジ部分104が構成される(図24参照)。すなわち、第1〜第3庇状部122,124,126は、盤本体42の前面より突出する部分を少なくとも備え、実施例の第1庇状部122は、外方に延出する片部を有し、表示枠体100の枠体フランジ部分104も構成している。実施例の第1〜第3庇状部122,124,126は、光を透過可能な例えば透明であることを基本として、不透明な装飾や模様が施されている。従って、遊技盤40は、表示枠体100の透明な枠本体110および庇状部122,124,126の透明な部分と、透明な盤本体42とを介して、該盤本体42の後側に設置された部材および装置が前側から一部視認可能になっている(図7参照)。
前記第1庇状部122は、透明な部分と光を反射可能な部分とを組み合わせて構成され、第5枠体照明手段134の前側を覆い、第5枠体照明手段134の前側に位置する透明な部分(第5枠体透光部)134aが該第5枠体照明手段134により発光するようになっている(図18または図22参照)。第2庇状部124は、遊技領域40aに開口するワープ通路140の球取込口141が左側面に設けられている(図25参照)。第3庇状部126は、枠本体110の前面に取り付けられる複数の部品と枠本体110の前壁部111前面から突出した部分とを連ねて構成されている。
前記第1〜第4枠体照明手段130,131,132,133は、前壁部111(枠体透光部130a,131a,132a,133a)の後側に設置された枠体照明基板130b,131b,132b,133bと、この枠体照明基板130b,131b,132b,133bの前面に設けられ、枠体透光部130a,131a,132a,133aの後側に配置された照明体としてのLED130c,131c,132c,133cとから基本的に構成される(図22、図23または図26参照)。同様に、第5枠体照明手段134は、第1庇状部122の後側に設置された第5枠体照明基板134bと、この第5枠体照明基板134bの前面に設けられ、第5枠体透光部134aの後側に配置された照明体としてのLED134cとから基本的に構成される。第1〜第3枠体照明手段130,131,132を構成する枠体照明基板130b,131b,132bには、表示枠体100の内外方向外側の縁部に外方に向けて突出する基板凸部135が夫々設けられている(図22参照)。基板凸部135は、表示枠体100における窓口100aの周回り方向の幅が外壁部112の基板挿入凹部113に合わせて設定されると共に、基板挿入凹部113から外方に突出しないように設定される。なお、表示枠体100における窓口100aの周回り方向とは、正面視で閉じた環状に形成された表示枠体100において、窓口100aの外周に沿う方向という。
前記第1〜第3枠体照明手段130,131,132の枠体照明基板130b,131b,132bは、その厚み方向を前後方向に沿わせると共に外壁部112の基板挿入凹部113に基板凸部135を嵌め合わせて、外壁部112と内壁部114,157との間に収容される(図19または図20参照)。また、第1〜第3枠体照明手段130,131,132の枠体照明基板130b,131b,132bは、枠本体110における前壁部111後面から後方に突出する基板取付ボス117の後端に当接すると共に、基板挿入凹部113の底に基板凸部135を当接して、基板取付ボス117に対してネジ止め固定される。すなわち、第1〜第3枠体照明手段130,131,132の枠体照明基板130b,131b,132bは、外壁部112と内壁部114,157との間に挟まれて表示枠体100の内外方向に位置決めされると共に、基板凸部135が基板挿入凹部113に挟まれて表示枠体100の周回り方向に位置決めされる。そして、第1〜第3枠体照明手段130,131,132は、LED130c,131c,132cが対応の枠体透光部130a,130b,130cから離間して支持され(図26参照)、第1〜第3枠体照明基板130b,131b,132bの後面が外壁部112の後端より前側に位置するようになっている。第1〜第3枠体照明手段130,131,132は、第1〜第3枠体照明基板130b,131b,132bの後面にソケット130d,131d,132dが夫々設けられ、このソケット130d,131d,132dに対して中継部としての第1発光基板221に繋がる枠体照明用配線(配線)H1が接続されている(図20参照)。
前記第4枠体照明手段133の第4枠体照明基板133bは、その厚み方向を前後方向に沿わせて、外壁部112と本体内壁部114との間に収容される。第4枠体照明基板133bは、LED133cが第4枠体透光部133aから離間するように固定されると共に、該第4枠体照明基板133bの後面が外壁部112および本体内壁部114の後端より前側に位置するようになっている。第4枠体照明手段133は、第4枠体照明基板133bの後面にソケット133dが設けられ、このソケット133dに第1発光基板221に繋がる枠体照明用配線(配線)H1が接続されている(図20参照)。ここで、第4枠体照明手段133には、拡張部102の左側縁に沿って延在する第4枠体照明基板133bの下部にソケット133dが設けられている。
前記第5枠体照明手段134は、枠本体110における窓口100a側に取り付けられた照明基板ベース134eの前側に設置された第5枠体照明基板134bと、この第5枠体照明基板134bの前側に第1庇状部122の第5枠体透光部134aに対応して設けられた照明体としてのLED134cとから構成される(図22または図23参照)。実施例の第5枠体照明手段134は、枠本体110に設けられた枠体透光部130a,131a,132a,133aを照らす第1〜第4枠体照明手段130,131,132,133より大型であって、第1庇状部122に表示枠体100の内外方向に延在するよう形成された透明部分からなる第5枠体透光部134aや、窓口100aの縁部に位置する透明部分からなる第5枠体透光部134a等が、第5枠体照明基板134bのLED134cによって発光演出される。
前記枠本体110には、前壁部111の後面から後方に突出する一対の飾り取付受部(取付部)118,118が設けられている(図23参照)。一対の飾り取付受部118,118は、第1〜第3枠体透光部130a,131a,132aの夫々に対応して設けられ、該枠体透光部130a,131a,132aを挟んで配置されている。各飾り取付受部118は、枠本体110における前壁部111の外壁部112側に位置して、基板挿入凹部113の周回り方向の開口側縁に対して横外側に配置されている。基板挿入凹部113は、窓口100aの周り方向に隣り合う飾り取付受部118,118で挟まれている。飾り取付受部118は、基板挿入凹部113の底より枠体照明基板130b,131b,132bの板厚以上の寸法で突出するよう形成され、その後端が外壁部112の後端より前側に位置するよう構成されている(図26参照)。また、各飾り取付受部118は、前後に貫通する通孔を備えた筒状に形成されている。
前記表示枠体100は、第1〜第4の枠体飾り部120A,120B,120C,120Dの後面に後方へ突出形成された飾り取付ボス121を飾り取付受部118の通孔に嵌め込み、該通孔を介して枠本体110の後側に臨む飾り取付ボス121に対して飾り取付部材(取付部材)136を取り付ける(図19または図20参照)。これにより、表示枠体100では、飾り取付受部118の通孔より大きい飾り取付部材136によって保持されて、第1〜第4の枠体飾り部120A,120B,120C,120Dが枠本体110に固定される。ここで、飾り取付部材136は、枠体透光部130a,131a,132aを挟んで窓口100aの周回り方向に隣り合う一対の枠体飾り部120A,120B,120C,120Dに渡して、枠本体110の後側から両枠飾り部120A,120B,120C,120Dに対して取り付けられる。従って、飾り取付部材136は、同一の枠体飾り部120だけを保持するのではなく、枠体透光部130a,131a,132aを挟んで隣り合う枠体飾り部120,120の間を枠本体110の後側で繋いでいる。
前記飾り取付部材136は、両端にネジ穴を備えた部材であって、実施例では、棒状部分の両端が膨らんだ鉄アレイのような形状で形成されている(図22または図23参照)。また、飾り取付部材136には、後方へ突出する配線壁片136aが棒状部分の後面に該棒状部分に沿って形成されている(図20参照)。そして、飾り取付部材136は、枠体透光部130a,131a,132aを挟んで配置された一対の飾り取付受部118の一方に臨む枠体飾り部120の飾り取付ボス121に対して、端部の一方をネジ止め固定し、一対の飾り取付受部118の他方に臨む別の枠体飾り部120の飾り取付ボス121に対して、端部の他方をネジ止め固定して取り付けられる。表示枠体100は、枠体透光部130a,131a,132aを挟んで隣り合う2つの枠体飾り部120,120を1つの飾り取付部材136によって枠本体110に対し固定すると共に、隣り合う2つの枠体飾り部120,120を飾り取付部材136によって互いに連結するよう構成される。ここで、飾り取付部材136は、枠体照明基板130b,131b,132bの後側および基板挿入凹部113の後側に位置して枠体透光部130a,131a,132aを横切るように延在し、枠体透光部130a,131a,132aに合わせて切り欠かれた外壁部112を繋ぐようになっている(図26参照)。この際、飾り取付部材136の配線壁片136aが、配線通路116の一部を構成するようになっている。
前記表示枠体100には、枠体照明手段130,131,132,133,134から拡張部102に設置された発光演出装置200に続く配線通路116が枠本体110の後側に設けられている(図20参照)。配線通路116は、表示枠体100における内外方向に並んだ外壁部112と内壁部114,157との間に、後方に開放するように画成されており、表示貫通口42aに内側において盤本体42の板厚分に範囲に収まっている。配線通路116は、第1枠体照明手段130が設置される表示枠体100の下縁左側から下縁右側にかけて設けられると共に、下縁右側から拡張部102の左側縁の下部にかけて設けられている。ここで、第1〜第4枠体照明手段130,131,132,133は、配線通路216に収容されることになり、第1発光基板221から遠い側(以下、上流側という。)に位置する枠体照明手段130,131,132に繋がる枠体照明用配線H1が、外壁部112の後端より前側に位置する枠体照明基板131b,132b,133bの後側を通るようになっている。そして、発光演出装置200には、第1発光基板221が後面に臨んでおり、この発光基板に各枠体照明手段130,131,132,133に繋がる枠体照明用配線H1が拡張部102の左側縁下部に位置する配線通路116の下流端から接続されると共に、この第1発光基板221に制御用電気機器側に繋がる照明用配線(配線)H2が接続されている。
図20に基づいてより具体的に説明すると、最も上流側に位置する第1枠体照明手段130の第1枠体照明基板130bの後面に設けられたソケット130dに接続された枠体照明用配線H1は、表示枠体100の下縁に延在する配線通路116において第2および第3枠体照明手段131,132の枠体照明基板131b,131cの後側を通り、拡張部102の左側縁に延在する配線通路116において第4枠体照明手段133の第4枠体照明基板133bの後側を通って、拡張部102の左側縁に延在する配線通路116の下部から第1発光基板221に接続される。第2枠体照明手段131の第2枠体照明基板131bの後面に設けられたソケット131dに接続された枠体照明用配線H1は、第1枠体照明手段130の枠体照明用配線H1と共に、表示枠体100の下縁に延在する配線通路116において第3枠体照明手段132の第3枠体照明基板132bの後側を通り、拡張部102の左側縁に延在する配線通路116において第4枠体照明手段133の第4枠体照明基板133bの後側を通って、拡張部102の左側縁に延在する配線通路116の下部から第1発光基板221に接続される。第3枠体照明手段132の第3枠体照明基板132bの後面に設けられたソケット132dに接続された枠体照明用配線H1は、第1および第2枠体照明手段130,131の枠体照明用配線H1,H1と共に、表示枠体100の下縁に延在する配線通路116から拡張部102の左側縁に延在する配線通路116において第4枠体照明手段133の第4枠体照明基板133bの後側を通って、拡張部102の左側縁に延在する配線通路116の下部から第1発光基板221に接続される。第4枠体照明手段133の第4枠体照明基板133bの下部後面に設けられたソケット133dに接続された枠体照明用配線H1は、第1〜第3枠体照明手段130,131,132の枠体照明用配線H1,H1,H1と共に、拡張部102の左側縁に延在する配線通路116の下部から第1発光基板221に接続される。
このように、遊技盤40では、表示枠体100に設けられた複数の枠体照明手段130,131,132,133の枠体照明用配線H1が発光演出装置200の第1発光基板221に配線通路116を介してまとめられる。そして、遊技盤40は、第1発光基板221から発光演出装置200用の配線と合わせて照明用配線H2が、設置板部52の右辺部52c下部に開設された右部配線開口83を介して裏ユニット50の後側に引き出されて、中継基板38に接続される。
前記表示枠体100には、枠本体110の後側に第5枠体照明手段134の下側から拡張部102の右側縁上部にかけて別の配線通路119が設けられている(図20参照)。第5枠体照明手段134には、第5枠体照明基板134bの下部後面に照明基板ベース134eから露出するようにソケット134dが設けられ、第5枠体照明基板134bの下側に位置する別の配線通路119に向けて開口するソケット134dに枠体照明用配線H1の一端が接続し、別の配線通路119に収容されて下方に引き回された枠体照明用配線H1の他端が第1発光基板221に接続される。別の配線通路119は、前述した配線通路116と同様に、外壁部112、本体内壁部114、外壁部および本体内壁部114との間に延在する前壁部111とから後側に開放する溝状に形成されている。
前記遊技盤40では、ゲートセンサ799に接続する配線も表示枠体100の後側に画成される配線通路116に配設してもよい。例えば、枠本体110の左側縁中央部設けられたセンサ保持部に保持されたゲートセンサ799の後端に接続するゲート用配線を、第2庇状部124との間でワープ通路140を構成するワープ構成部材144と外壁部112との間に形成された隙間(図20参照)を介して配線通路116に引き回して、照明用配線H2と共に裏ユニット50の後側に引き出すようにすればよい。
前記表示枠体100は、配線通路116に収容した枠体照明用配線H1を押える配線保持手段を有している(図20参照)。ここで、配線保持手段は、表示枠体100の枠本体110に一体形成されたり、枠本体110に取り付けられるステージ150の構成部材や枠体照明基板133bの後側を覆う照明基板カバー137に設けられている。枠本体110には、下縁と拡張部102の左側縁上部との接続部位に位置して、外壁部112の後端から表示枠体100の内外方向内側(窓口100a側)に向けて延出し、配線通路116の後側に延在する外側配線保持片110aが設けられている。そして、配線通路116に収容した枠体照明用配線H1は、外側配線保持片110aによって表示枠体100の下縁から拡張部102の左側縁へ曲がる配線通路116からの抜け出しが防止される。
前記内壁部の一部を構成するステージ150の下段転動部(構成部材)157は、配線通路116の後側に延在するように窓口100a外方へ向けて延出形成された配線係止片(係止片)157bを備えており(図20参照)、この配線係止片157bを介して前壁部111に設けられたステージ取付部(取付部)115(図23参照)に対して取り付けられている。配線係止片157bは、表示枠体100の中央部に位置している球案内路170を挟んで下段転動部157の下面に2つ設けられており、下段転動部157から下方に延出して、配線通路116の後側に延在するよう構成される。ステージ150は、本体内壁部114の後端から窓口100aの内方へ延出するように取り付けられ、表示枠体100の左側縁下部内側に開口するワープ通路140の球放出口142から表示枠体100の中央側に向けての所要領域に亘って下段転動面153の後側に立ち上がる内部障壁(構成部材)164を有している(図25参照)。内部障壁164は、配線通路116の後側から本体内壁部114の後端を越えて立ち上がるように取り付けられ、外壁部112と本体内壁部114との間に延在して配線通路116の後側を塞いでいる(図20参照)。そして、配線通路116に収容した枠体照明用配線H1は、配線係止片157bおよび内部障壁164によって配線通路116からの抜け出しが防止される。
前記照明基板カバー137は、拡張部102の左側縁を構成する外壁部112と本体内壁部114との間を塞ぐように枠本体110に取り付けられている(図20参照)。照明基板カバー137には、鉤状に突出形成されたカバー配線保持片137aが後面に設けられ、カバー配線保持片137aと照明基板カバー137の後面との間に枠体照明用配線H1を挿入して保持するようになっている。このように、配線通路116に収容した枠体照明用配線H1は、カバー配線保持片137aによって配線通路116からの抜け出しが防止される。
前記枠本体110には、別の配線通路119を構成する外壁部112の後端から表示枠体100の内外方向内側(窓口100a側)に向けて延出し、別の配線通路119の後側に延在する外側配線保持片110aと、別の配線通路119を構成する本体内壁部114の後端から表示枠体100の内外方向外側に向けて延出し、別の配線通路119の後側に延在する内側配線保持片110bとが、周回り方向に互い違いに設けられている(図20参照)。そして、別の配線通路119に収容した枠体照明用配線H1は、外側配線保持片110aおよび内側配線保持片110bによって別の配線通路119からの抜け出しが防止される。なお、外壁部112における内側配線保持片110bに対向する部位および本体内壁部114における外側配線保持片110aに対向する部位は切り欠かれており、横側から配線保持片110a,110bの前側へ枠体照明用配線H1を挿脱し易くなっている。
このように、表示枠体100は、外壁部112と内壁部114,157との間に画成された配線通路116,119に、枠本体110に設けられた枠体照明基板130b,131b,132b,133b,134bに接続する枠体照明用配線H1を通すことで、盤本体42の後側に枠体照明用配線H1を配設する必要がない。よって、表示枠体100によれば、表示枠体100の後側に設置される各種機器と干渉させることなく、枠体照明用配線H1を簡単に取り回すことができる。また、配線通路116,119が設けられる表示枠体100の枠体挿入部分108は、盤本体42の表示貫通口42aに収容されて、配線通路116,119自体が盤本体42の後面から突出しないので、表示枠体100の後側のスペースを枠体照明用配線H1との干渉を気にすることなく自由に利用できる。表示枠体100は、枠体照明用配線H1の接続対象である枠体照明基板130b,131b,132b,133b,134bおよび第1発光基板221が何れも枠本体110に設置されているので、配線通路116,119に枠体照明用配線H1を予め収容した状態で盤本体42に対して取り付けることができ、この際に枠体照明用配線H1が取り付けの邪魔にならない。すなわち、枠体照明用配線H1の配設作業の自由度が高く、表示枠体100の盤本体42への取り付け作業性もよい。そして、枠体照明用配線H1は、表示枠体100に設置される発光演出装置200の第1発光基板221を中継して、該第1発光基板221からまとめて裏ユニット50の後側に取り回されるので、盤本体42に取り付けられる表示枠体100と裏ユニット50の後側に設けられる制御側電気機器との間の配線の取り回しが簡略化でき、他の機器と干渉し難くできる。更に、枠体照明用配線H1を配線通路116,119に収容することで、枠体飾り部120や枠体照明基板131b,132b,133b等に隠されて枠体照明用配線H1が遊技盤40の前側から見えず、透明な盤本体42を採用しても、表示枠体100に取り回した枠体照明用配線H1により見栄えの悪化を招かない。
前記配線通路116,119には、配線保持手段110a,110b,137aが設けられ、該配線通路116,119に収容した枠体照明用配線H1の抜け止めが図られている(図20参照)。ここで、配線保持手段は、枠本体110に一体形成するだけでなく、枠本体110に取り付けられるステージの構成部材である下段転動部157に設けられる配線係止片157bやステージ150の構成部材である内部障壁164が用いられているので、枠本体110の形状の複雑化を回避しつつ、配線通路116からの枠体照明用配線H1の抜け止めを適切にできる。しかも、下段転動部157に設けられる配線係止片157bは、下段転動部157を枠本体110へ取り付ける部位として共用されているので、ステージ150および配線保持手段の構成を簡略化できる。
前記表示枠体100は、第1〜第3枠体照明基板130b,131b,132bについて基板凸部135を外壁部112に凹設された基板挿入凹部113に嵌め込むことで、第1〜第3枠体照明基板130b,131b,132bを位置決めできるが、基板挿入凹部113を設けることで外壁部112の欠けた部分には、前壁部111の前側に設けられる枠体飾り部120を固定する飾り取付部材136が延在して当該欠けた部分を塞いでいる(図26参照)。従って、配線通路116を通る枠体照明用配線H1を該配線通路116の全経路に亘って適切に保持し得る。
前記表示枠体100は、枠本体110に対して枠体飾り部120を固定する飾り取付部材136が、隣り合う枠体飾り部120,120に亘って延在するように取り付けられているので、表示枠体100を飾り取付部材136によって補強することができる。すなわち、表示枠体100は、発光演出する枠体透光部130a,131a,132aを前側に露出させる都合上、枠体透光部130a,131a,132aの前側に枠体飾り部120を設けることができず、枠体飾り部120と枠本体110とが重なった部分と比べて枠本体110だけからなる枠体透光部130a,131a,132aに対応する部分の剛性が劣る。しかしながら、表示枠体100には、枠体透光部130a,131a,132aを挟んで隣り合う2つの枠体飾り部120,120の間に架け渡して飾り取付部材136が取り付けられているので、当該飾り取付部材136が枠体透光部130a,131a,132aに対応する部分の剛性を補っている。しかも、枠体飾り部120を保持する飾り取付部材136を表示枠体100の補強として用いているので、部品点数を増やすことなく、構成を簡単にすることができる。
よって、実施例のパチンコ機10のように、遊技盤40において図柄変動ゲームが行われる領域が大きくして、これに伴って表示枠体100の窓口100aをも大きく設定することで該表示枠体100が細くなっても、表示枠体100が変形し難く、運搬時や取り付け時等の取扱い性がよく、また盤本体42に対して適切な姿勢で取り付けることができる。また、表示枠体100を大型の発光演出装置200の設置対象として用いても、発光演出装置200の荷重を適切に支持することができる。更に、表示枠体100は、第1〜第3枠体照明基板130b,131b,132bの基板凸部135を位置決めするために外壁部112に基板挿入凹部113を凹設しても、外壁部112の欠けた部分には、枠体飾り部120を固定する飾り取付部材136が延在しているので、飾り取付部材136により表示枠体100の剛性を担保し得る。
(ステージ)
図31に示すように、前記遊技盤40には、表示枠体100の窓口100aの下部内側に、遊技領域40aから取り込んだパチンコ球Wを左右に転動するように案内するステージ150が設けられている。ステージ150は、表示枠体100に設けられて、該ステージ150の前側領域をなす枠体ステージ部152と、裏ユニット50の下辺部52dに設置された照明装置300に設けられて、該ステージ150の後側領域をなすユニットステージ部(ステージ部)166とから構成される。また、ステージ150は、枠体ステージ部152およびユニットステージ部166の夫々に、パチンコ球Wが転がる転動面153,154,168を備え、枠体ステージ部152の転動面153,154よりユニットステージ部166の転動面168が上側に位置するように構成される。このように、ステージ150には、盤本体42の前面から図柄表示装置13の表示部13aまでの前後を塞いで複数段の転動面153,154,168が設けられている。ここで、ステージ150では、複数段の転動面153,154,168が後側から前側に向かうにつれて下がるように設けられ、遊技領域40aから直接またはワープ通路140から取り込んだパチンコ球Wを表示部13a側から遊技領域40aへ向けて導き、最終的に遊技領域40aに放出し得るようになっている。各転動面153,154,168は、中央部に比べて左右の側縁が高くなるように湾曲形成され、転動面153,154,168に乗ったパチンコ球Wを該転動面153,154,168に付された傾斜によって左右方向または前後方向に案内するよう構成される。
図24に示すように、前記枠体ステージ部152は、表示枠体100の左側縁下部に窓口100a内側に向けて開口するワープ通路140の球放出口142から該表示枠体100の下縁内側に亘って拡張部102の左側縁上部まで延在する下段転動面(第1の転動面)153と、この下段転動面153の後側に該下段転動面153より一段高く形成された中段転動面(第1の転動面)154とを備えている。ここで、ステージ150は、枠体ステージ部152の下段転動面153および中段転動面154によって前側領域が構成され、ユニットステージ部166に設けられる上段転動面(第2の転動面)168によって後側領域が構成されている。
前記下段転動面153および中段転動面154は、表示枠体100の下縁の下側に設けられる始動入賞口70a,70bの上方に対応する部分が左右の側縁より低くなるように凹状に湾曲形成されている(図18参照)。下段転動面153は、始動入賞口70a,70bの上方(実施例では始動入賞口70aの真上)に対応する部分が当該部位の左右に位置する最低位部分より僅かに隆起するように形成されている。枠体ステージ部152は、下段転動面153の後縁に立ち上がる壁部分(内部障壁164および後述する転動部材156の下段転動部157と中段転動部158とを繋ぐ壁部分)が、下段転動面153の前縁と平行するように形成され(図30参照)、下段転動面153における前後の幅がパチンコ球1個ずつの流通を許容し得る寸法に設定されている。枠体ステージ部152は、中段転動面154の後縁に立ち上がる壁部分が、左右の側縁から始動入賞口70a,70bの上方に対応する部分に向かうにつれて前側に膨らむように湾曲するように形成され、中段転動面154の前後幅が、左右の側縁から始動入賞口70a,70bの上方に対応する部分に向かうにつれて狭くなっている(図30参照)。なお、中段転動面154は、始動入賞口70a,70bの上方に対応する部分近傍の前後幅がパチンコ球1個分より小さく設定され、中段転動面154を転動するパチンコ球Wが始動入賞口70a,70bの上方に対応する部分近傍で下段転動面153側に誘導されるようになっている。
前記枠体ステージ部152は、枠本体110の下縁中央部に設けられた転動部材(構成部材)156と、この転動部材156の後縁に取り付けられ、該転動部材156に形成される中段転動面154の一部に対応して該中段転動面154の後縁から上方に立ちがる後部障壁(壁部)160と、転動部材156の右側縁に取り付けられ、下段転動面153および中段転動面154の右側縁から立ち上がる転動障壁162と、枠本体110において左側縁下部から転動部材156の間に延在する本体内壁部114と、この本体内壁部114の後縁に立ち上がる内部障壁164とから基本的に構成される(図24参照)。枠体ステージ部152を構成する前記部材114,156,160,162,164は、光を透過可能(実施例では透明)に構成されており、下段転動面153および中段転動面154は、前後方向に峰が延在する凹凸形状が転動部材156および本体内壁部114の対応部分下面に設けられた光拡散構造になっている。
前記転動部材156は、2段の階段状に形成された部材であって、上面が下段転動面153となる下段転動部157と、上面が中段転動面154となる中段転動部158とを上下に延在する壁部分で繋いで一体形成されている(図22または図23参照)。転動部材156は、枠本体110の下縁左側部に設けられた本体内壁部114と、枠本体110の右下部に設けられた拡張部102の左側縁上部との間を下段転動部157で塞ぐように、該枠本体110に取り付けられる。転動部材156は、下段転動部157が枠本体110の外壁部112から離間して該枠本体110の下縁に設置され、下段転動部157が対向する外壁部112との間に配線通路116を画成する内壁部として機能するようになっている。そして、枠体ステージ部152には、ワープ通路140の球放出口142から転動部材156の間に延在する本体内壁部114の上面と、転動部材156における下段転動部157の上面とによって、表示枠体100の下縁内側に左右方向に延在する下段転動面153が構成される(図30参照)。中段転動面154は、転動部材156の中段転動部158の上面と、本体内壁部114(内壁障壁164)の後側に位置して転動部材156の左側に延在する照明装置300における第2照明機構340の照明周飾部348の上面で構成される(図43参照)。ステージ150は、枠本体110に設けられる枠体飾り部120および枠本体110の枠体透光部130a,131a,132a,133aが、下段転動面153における始動入賞口70a,70bの上方および上方近傍を除いて該下段転動面153の前縁より上方に僅かに延出するよう構成され、下段転動面153における始動入賞口70a,70bの上方および上方近傍以外からパチンコ球Wが遊技領域40aに流下し難くなっている。また、ステージ150は、下段転動面153における始動入賞口70a,70bの上方および上方近傍が、該下段転動面153から遊技領域40aへの放出部となっている。なお、枠体飾り部120および枠体透光部130a,131a,132a,133aの下段転動面153より立ち上がり寸法は、パチンコ球Wの直径より小さく設定される。
前記ユニットステージ部166は、裏ユニット50の下辺部52dに設置される照明装置300における第1照明機構(照明機構)310の上部に設けられ、上面が上段転動面168を構成している(図29または図30参照)。ユニットステージ部166は、光を透過可能(実施例では透明)な板状部材であって、左右の側縁に形成されて、上段転動面168から上方に立ち上がる転動規制部166aを備えている。上段転動面168は、左右の転動規制部166a,166aと、後側に表示開口53を介して臨む図柄表示装置13の表示部13aとによって、左右および後側が囲われている。また、ユニットステージ部166には、中央部の所要範囲に前側に向けて傾く凹みが形成されると共に、中央に第1照明機構310の中央部に位置する照明レンズ部336に対応して球状の膨らみが形成されている(図41または図43参照)。
(球案内路)
前記表示枠体100は、ステージ150の転動面153,154に開口する球入口171から始動入賞口70a,70bの上方に開口する球出口172に亘って連通し、パチンコ球1個ずつの通過を許容する所謂王道ルートと呼ばれる球案内路170を備えている(図24参照)。球入口171は、始動入賞口70a,70bの上方に位置して、中段転動面154から下段転動面153の一部にかけて開口するよう設けられ、パチンコ球Wの1個ずつの通過を許容する寸法(パチンコ球Wが2個並ばない寸法)で転動面153,154に上下に貫通形成されている(図27参照)。実施例の球入口171は、円形に形成され、中段転動面154が球入口171によって左右に分断されている(図30参照)。これに対して、枠体ステージ部152は、下段転動面153の後部の一部だけが球入口171として切り欠かれ、球入口171の前側にパチンコ球Wが転動可能な下段転動面153が残されている。このように、ステージ150には、転動面153,154自体を切り欠いて上下に貫通する球入口171が設けられるが、球入口171が転動面153を完全に分断しないようになっている。
前記球出口172は、表示枠体100の下縁中央部に位置して、該表示枠体100の前面に開口するように設けられている(図18参照)。実施例の球出口172は、円形であって、パチンコ球Wの1個ずつの通過を許容する寸法で前後に貫通形成されている。球出口172は、始動入賞口(入賞口)70a,70bの直上に配置され、ステージ150の転動面153,154から球入口171を介して取り込んだパチンコ球Wが、球出口172から遊技領域40aにおける始動入賞口70a,70bの上側に放出されるようになっている。
前記球案内路170は、球入口171から上下方向に連通する流路を画成する縦案内部173と、この縦案内部173の下流に連なって該縦案内部173と交差する横方向に延在する流路を画成する横案内部174とを備えている(図27または図28参照)。実施例の球案内路170は、球入口171の下方に連なって上下方向に延在する縦案内部173と、この縦案内部173の下流に連なって前後方向に延在して、球出口172に繋がる横案内部174とから画成される側面視略L字状の流路を有している(図27参照)。
前記球案内路170は、転動部材156の中段転動部158から下段転動部157の後部にかけて切り欠いて、中段転動面154から下段転動面153の後部に亘る球入口171の一部を形成すると共に、この転動部材156における中段転動部158の後縁に取り付けられる後部障壁160で該転動面153,154の切り欠き部分を塞いで球入口171の残りの部分を形成している(図27参照)。後部障壁160には、前側に開放した半樋形状の上部縦通路片160aが上下方向に延在するように設けられ、この上部縦通路片160aが、中段転動部158に設けた球入口171をなす切り欠き部分の下側を囲って縦案内部173の後側上部を構成している。転動部材156における下段転動部157の下面には、下方に開放する半樋状の上部横通路片157aが前後方向に延在するように設けられ、この上部横通路片157aが横案内部174の上部を構成すると共に上部横通路片157aの前端が球出口172の上部を画成している。なお、上部横通路片157aは、左右に離間する開放端の後縁が、上部縦通路片160aの左右に離間する開放端の前縁に整合するようになっている。下段転動部157には、上部横通路片157aを左右に挟んで一対の配線係止片157b,157bが、下方へ延出するように形成されている(図20参照)。転動部材156は、配線通路116の後側に延在する配線係止片157bを介してステージ取付部115にネジ止め固定することで、枠本体110に取り付けられる。
前記枠本体110には、前壁部111から後方に突出して、上方に開放する半樋状の下部横通路片138が前後に延在するように設けられている(図27または図28参照)。下部横通路片138は、左右に離間する開放端が上部横通路片157aの左右に離間する開放端に整合して、横案内部174の下部を構成すると共に、該下部横通路片138の前端が球出口172の下部を画成している。また、下部横通路片138は、左右に離間する開放端の後縁を繋ぐ壁部分が上部縦通路片160aの下端に整合し、縦案内部173の下部を構成している。
前記球案内路170は、パチンコ球Wを安定して誘導するための案内構造を有している。縦案内部173には、流路側に臨む開口端がパチンコ球Wの直径より小さい幅で上下方向に延在する案内凹部175が、流路側から外方へ向けて凹ませて設けられている(図27参照)。実施例の案内凹部175は、縦案内部173の後側中央部に対応させて後部障壁160に設けられ、後方へ向けて凹むように形成されている。また、案内凹部175は、後部障壁(壁部)160において球入口171の後側に上方に立ち上がる部位に縦案内部173から連ねて設けられ、上端が下段転動面153および中段転動面154に開設された該球入口171より上方に位置するよう構成される(図18参照)。すなわち、案内凹部175は、下段転動面153より上方に延びて、中段転動面154に形成される球入口171と下段転動面153に形成される球入口171の落差により生じる前方に開放した縦案内部173の露出部分に延在し、中段転動面154より上端が上方に位置するようになっている。
前記縦案内部173には、案内凹部175における開口端の夫々の下流側に連ねて流路側に突出形成された一対の案内縦リブ176,176が、横案内部174で画成される流路に臨む下部に設けられている(図18、図27または図28参照)。実施例では、案内縦リブ176が枠本体110における下部横通路片138の後壁部分前面に設けられており、一対の案内縦リブ176,176が、案内凹部175の左右の開口寸法と同じパチンコ球Wの直径より小さい間隔で左右に並行して離間配置されている。各案内縦リブ176は、上方から下方に向かうにつれて壁面から流路側に突出するように形成され、案内縦リブ176の前面が横案内部で画成される流路側に向けてパチンコ球Wを案内する傾斜面になっている(図27参照)。ここで、各案内縦リブ176の前面は、他方の案内縦リブ176側の側縁から該他方の案内縦リブ176と離れる側縁に向かうにつれて流路側に突出するように傾斜しており(図18参照)、一対の案内縦リブ176,176の間に挟んで案内するパチンコ球Wの球面に該案内縦リブ176,176の前面が沿うようになっている。
前記横案内部174の底面には、一対の案内縦リブ176,176の夫々の下流側に連ねて一対の第1案内横リブ(案内横リブ)177,177が設けられている(図18,図27または図28参照)。実施例では、第1案内横リブ177が枠本体110における下部横通路片138の上面に設けられており、一対の第1案内横リブ177,177が、案内凹部175の左右の開口寸法と同じパチンコ球Wの直径より小さい間隔で左右に並行して離間配置されている。第1案内横リブ177は、前方に向かうにつれて下方傾斜するように形成され、第1案内横リブ177の前面が球出口172に向けてパチンコ球Wを案内する傾斜面になっている(図27参照)。ここで、各第1案内横リブ177の前面は、他方の第1案内横リブ177側の側縁から該他方の第1案内横リブ177と離れる側縁に向かうにつれて流路側に突出するように傾斜しており(図18参照)、一対の第1案内横リブ177,177の間に挟んで案内するパチンコ球Wの球面に該第1案内横リブ177の前面が沿うようになっている。
前記横案内部174には、左右対称な関係で対をなす第2案内横リブ178,178が、第1案内横リブ177と別に設けられている(図18,図27または図28参照)。各第2案内横リブ178は、枠本体110の下部横通路片138の側縁上端に流路側に突出するように形成され、横案内部174の側部中央に位置している。
このように、ステージ150には、表示枠体100の左側部に開口する球取込口141からワープ通路140を介して、または表示枠体100の庇部分106がない下縁を介して、遊技領域40aからパチンコ球Wが導入されるようになっている。ワープ通路140の球放出口142は、ステージ150における下段転動面153に開口するよう構成され(図25参照)、ワープ通路140から流入したパチンコ球Wが主に下段転動面153を左右に転動するようになっている(図24または図31参照)。ステージ150は、後側から前側に向けて下がるように階段状に転動面153,154,168が設けられ、各転動面153,154,168に取り込まれて転動面の傾斜により左右に転動案内されたパチンコ球Wが下段転動面153に向けて流下する。そして、ステージ150は、下段転動面153から遊技領域40aに放出したり、中段転動面154または下段転動面153から球入口171を介して取り込んだパチンコ球Wが球案内路170を通って球出口172から放出される。
前述の如く、パチンコ球Wは、転動面153,154で左右に転動してから球入口171に取り込まれるので、該パチンコ球Wが左右方向のベクトルと有している。しかし、球入口171から落下したパチンコ球Wは、上下に連通する縦案内部173に設けられた上下に延在する溝状の案内凹部175に一部が嵌り込んで、縦案内部173での流下方向と交差する方向(左右方向)の移動が規制されるので、流下方向と交差する方向へぶれずに安定した状態で下方へ誘導される。パチンコ球Wは、縦案内部173と横案内部174との接続部において案内凹部175から一対の案内縦リブ176,176に受け渡され、一対の案内縦リブ176,176に一部が嵌り込んで、縦案内部173での流下方向と交差する方向(左右方向)の移動が規制されつつ、安定した状態で横案内部174へ向けて誘導される。そして、パチンコ球Wは、横案内部174において案内凹部175から一対の第1案内横リブ177,177に受け渡され、一対の案内縦リブ177,177に一部が嵌り込んで、縦案内部173での流下方向と交差する方向(左右方向)の移動が規制されつつ、安定した状態で球出口172へ向けて誘導されて、球出口172から始動入賞口70a,70bの上方に放出される。
前記球案内路170は、球入口171を転動面153,154を上下に貫通して形成する構成であるので、球入口171が大きくなるほど転動面153が狭くなり、球入口171に落ちるパチンコ球Wが多くなって、転動面153で長い間に亘って左右に転動させることができなくなり、転動面153を転がるパチンコ球Wに遊技者の興味を長時間に亘って惹き付けることができない。実施例のステージ150によれば、球入口171の下方に連なって上下に連通する縦案内部173に設けられる案内凹部175が外方(後方)へ凹むように形成されているので、流路側に突出するリブのように縦案内部173にパチンコ球Wの案内構造を設けることによって流路が狭くなることはない。すなわち、縦案内部173の上方に連通する球入口171についても、案内構造として流路に突出するリブを設ける場合と比べて大きくならず、ステージ150の転動面153に球案内路170の球入口171を設けても該転動面153を広く確保し得る。しかも、転動面153を確保するために、転動面153の前後幅を大きくとる必要もなく、ステージ150をコンパクトにできる。
前記案内凹部175は、上端が球入口171より上方に位置するよう構成されているので、球入口171を通過するときから案内凹部175にパチンコ球Wの一部が嵌り込み、パチンコ球Wを安定して流下させることができる。また、縦案内部173には、流路側に突出する一対の案内縦リブ176,176が設けられているが、該案内縦リブ176は、縦案内部173における横案内部174に臨む下部に設けられているので、流路に突出する案内縦リブ176,176によってパチンコ球Wの流下スペースが実質的に狭くならず、球入口171の開口寸法にも影響を与えない。
(発光演出装置について)
次に、発光演出装置200について説明を行う。発光演出装置200は、図5に示すように、表示枠体100の下部右側に設けた拡張部102に設置されて、遊技演出に合わせて発光演出を行うものである。図32,図33に示すように、発光演出装置200は、カバー部材201と、該カバー部材201に光を直接的に照射する第1発光装置202と、カバー部材201に光を間接的に照射する第2発光装置203と、第2発光装置203からの光をカバー部材201に向けて反射させる反射部材(反射部)204と、反射部材204の後側に配設される後保護カバー205とから基本的に構成されている。
(カバー部材について)
前記カバー部材201は、図34,図35に示すように、全体が光透過性を有する合成樹脂で構成されたカバー本体206と、該カバー本体206の下部側に配設されるカバー設置基体207とから構成され、後方に開口する椀状に形成されている。カバー本体206は、表示枠体100の窓口100aを介して前方に臨む球面部分が発光部208を構成し、該発光部208は、第1,第2発光装置202,203からの光により各種態様で発光するようになっている。発光部208の外縁からカバー壁部209が後方へ延出しており、カバー本体206は、後方および下方に開放した略四半球形状をなしている。また、図36に示すように、カバー本体206の後方開口は、半円形状をなしている。カバー本体206の左右の下縁部には、一対のカバー本体ボス受け部206a,206aが形成されている。また、カバー本体206の前面には、発光部208の下方に位置して、装飾部用凹部210が左右方向に延在するよう凹設され、該装飾部用凹部210における左右方向の略中央位置に、前後方向に開放するカバー本体位置決め孔210aが形成されている。
カバー本体206の上部には、後縁部から後方に突出するカバー係止片211が形成されている。また、カバー本体206の後面には、図36に示すように、カバー本体位置決め孔210aを挟むように一対の差込み部212,212が形成されている。図37に示すように、各差込み部212には、後方から前方に向かうにつれて上方へ傾斜した差込み貫通孔212aが貫通形成されている。発光部208およびカバー壁部209には、亀裂状の光通過用穴部213が複数形成されており、カバー本体206の意匠性が高められている。
前記カバー設置基体207は、上方および後方に開放すると共に、前側が前方へ向けて円弧状に膨出するよう形成されており、カバー部材201の下部を構成している。カバー設置基体207には、前記カバー本体ボス受け部206aに対応する複数のカバー設置基体ボス部207aが後方に突出して形成されている。そして、カバー設置基体ボス部207aをカバー本体ボス受け部206aに嵌合させ、該カバー本体ボス受け部206aの通孔を介してネジをカバー設置基体ボス部207aに螺挿することで、カバー設置基体207がカバー本体206にネジ止めされる。図35に示すように、カバー設置基体207には、板状の基板設置板部214,214,214が左右方向に離間して3つ平行に形成されている。各基板設置板部214は、後方から前方に向かうにつれて上方に傾斜する傾斜設置面214aを有している。3つの傾斜設置面214a,214a,214aは、同一面上に形成されて、その傾斜角度は、差込み貫通孔212aと等しく設定されている。また、中央に位置する基板設置板部214の後端部には、後方に突出する設置板部ボス部214bが形成されると共に、該設置板部ボス部214bの下方に設置板部位置決め突起214cが後方に突出して形成されている。
前記カバー設置基体207の前部には、演出用装飾部(装飾部)232が上方に突出するよう形成されている。この演出用装飾部232は、光透過性を有さない装飾部材であって、カバー設置基体207をカバー本体206に取付けた状態で、演出用装飾部232が装飾部用凹部210に嵌合し、発光部208と同一球面を形成するようになっている。なお、演出用装飾部232の後面には、カバー設置基体位置決め突起207bが後方に突出して形成されており、カバー設置基体207をカバー本体206に取付ける際に、カバー設置基体位置決め突起207bがカバー本体位置決め孔210aに嵌入され、カバー設置基体207がカバー本体206に対し位置決めされるよう構成される。
(反射部材について)
図38,図39に示すように、前記反射部材204は、全体にメッキ処理が施されて光を効果的に反射するよう構成されている。反射部材204は、カバー部材201の後方開口を閉塞する略半円形状の反射部本体215と、該反射部本体215の前面から前方へ突出する突出部216とから基本的に構成されている。反射部本体215の前面には、カバー設置基体207のカバー設置基体ボス部207aに対応して、一対の反射部材ボス受け部215a,215aが凹設されている。また、反射部本体215の上部には、カバー本体206のカバー係止片211に対応して、前後方向に開放する反射部材係止孔215bが形成されている。そして、反射部材係止孔215bにカバー係止片211を挿通させると共に、カバー設置基体ボス部207aの後端部を反射部材ボス受け部215aに嵌合させて、該反射部材ボス受け部215aの通孔を介してカバー設置基体ボス部207aにネジを螺挿することで、反射部材204がカバー部材201にネジ止めされる。反射部材204をカバー部材201に取り付けた状態では、カバー係止片211の係止部が反射部材係止孔215bを介して反射部本体215の後方に突出し、反射部材係止孔215bの上縁部に係止するようになっている。
前記反射部本体215の後面には、後方に突出する反射部材位置決め突起215cが複数形成されると共に、後方に開放する反射部材ネジ孔215d,215dが左右に離間して一対形成されている。また、反射部本体215の左右の外縁部から外方に突出するよう演出用取付部217,217が形成されており、各演出用取付部217の前面に演出用ボス受け部217aが凹設されている。更に、反射部材204の外縁部には、左右方向の中央部から左側に偏倚した位置に演出用筒状取付部233が形成され、該演出用筒状取付部233の前面に演出用ボス受け部217aが凹設されている。そして、表示枠体100に設けたボス部の後端部に対応する演出用ボス受け部217aを嵌合させて、該演出用ボス受け部217aの通孔を介して表示枠体100のボス部にネジを螺挿することで、反射部材204(発光演出装置200)が表示枠体100の拡張部102にネジ止めされる。また、右側の演出用取付部217には、後面から後方へ突出する反射部材アース突起217bが形成されており、反射部材204(発光演出装置200)を表示枠体100に取付けた際に、反射部材アース突起217bが裏ユニット50の右内側面に設けられた横飾り接地片78に接触して、表示枠体100および発光演出装置200が該横飾り接地片78を介して接地される。なお、反射部本体215には、前後方向に開放する反射部材位置決め孔215e,215eが左右に離間して一対形成されている。
前記突出部216は、正面視でカバー本体206の後方開口と略整合する半円形状をなしており、反射部材204をカバー部材201に取付けた際に、突出部216がカバー本体206の後方開口に嵌合するようになっている。突出部216の前面には、上下左右に整列する複数の矩形小反射部218で構成された反射面219が形成されている。この反射面219は、左右方向の中央最下部が最も後方に窪んだ球面形状をなしており、第2発光装置203からの光を発光部208へ向けて反射させるよう構成されている。反射面219の外形は、正面視で発光部208と略一致しており、カバー部材201と反射部材204とを組付けた状態で、反射面219が発光部208の後方に位置する(図37参照)。反射面219は、左右方向については、矩形小反射部218が連続的に配列されて滑らかな曲面を形成する一方、上下方向については、矩形小反射部218が段状に配列されて不連続な曲面を形成している。このように、上下方向については、反射面219を不連続な曲面とすることで、反射面219に照射された光を拡散させつつ反射し得るよう構成されている。反射部材204には、反射部本体215および突出部216を前後方向に貫通する光通過孔220が上下左右に並んで複数形成されている。この光通過孔220は、後側(第1発光装置202側)の開口寸法は、前側(発光部208側)より大きく設定されている。また、図40に示すように、上部右側に位置する光通過孔220は、光通過用穴部213の後方に位置し、前方から視認し得るようになっている。
(第1発光装置について)
前記第1発光装置202は、統括制御装置37により発光制御されて、発光部208に光を直接照射するものである。第1発光装置202は、反射部材204の後面に配設される第1発光基板221と、該第1発光基板221の前面に配設された複数の第1発光素子(第1発光体)222とから構成されている。第1発光基板221は、上縁部が円弧状に形成された板部材であって、第1発光基板221の上側半分の領域に、第1発光素子222が配置されている。第1発光基板221における第1発光素子222が配設される領域は、反射部材204の後面に第1発光基板221を取付けた状態で発光部208に対応する部分であって、発光部208の略全体をカバーし得るようになっている。第1発光基板221には、反射部材ネジ孔215dに対応する複数の第1基板通孔221aおよび反射部材位置決め突起215cに対応する第1基板位置決め孔221bが、夫々、前後方向に開放して複数形成されている。また、第1発光基板221の後面には、第1発光基板コネクタ部221cが後方に突出して設けられ、該第1発光基板コネクタ部221cに枠体照明用配線H1または発光用配線H2が接続されている(図37参照)。
前記第1発光基板221の前面に配設される第1発光素子222は、該第1発光基板221に直交する方向へ光を照射するよう構成される。すなわち、各第1発光素子222は、第1発光基板221を反射部材204に取付けた状態で、光を前方に向けて照射するようになっている。また、図37に示すように、各第1発光素子222は、第1発光基板221を反射部材204に取付けた状態で、光通過孔220の後方開口に臨むようになっており、第1発光素子222から照射された光が光通過孔220を通過して発光部208へ照射されるよう構成されている。すなわち、光通過孔220は、各第1発光素子222に対応して反射部材204に形成されており、第1発光素子222の光が光通過孔ssを通過することで指向性が強められ、発光部208に明瞭な光が到達するようになっている。なお、第1発光素子222は、統括制御装置37により一斉に点灯・消滅したり、左右方向または上下方向に順番に点灯・消滅したりして、多様な発光パターンで発光し得るようになっている。
(第2発光装置について)
前記第2発光装置203は、統括制御装置37により第1発光装置202とは独立して発光制御されて、発光部208を間接的に発光させるものである。第2発光装置203は、第2発光基板223と、該第2発光基板223の上面に配設された複数の第2発光素子(第2発光体)224とから構成され、カバー部材201に傾斜した姿勢で配設される。第2発光基板223は、左右方向に幅広な形状とされて、第2発光基板223の左右方向の寸法は、第1発光基板221と略等しく設定されている。また、第2発光基板223における前後方向の寸法(図33のL参照)は、第1発光基板221の上下方向の寸法より小さく設定されている。すなわち、第2発光基板223の面積は、第1発光基板221より小さく、第2発光基板223における第2発光素子224の設置領域は、第1発光基板221における第1発光素子222の設置領域より狭くなっている。
前記第2発光基板223には、前側の縁部から前方へ突出する基板差込み片225,225がカバー本体206の基板差込み部212,212に対応して一対形成されている。第2発光基板223は、基板固定部材226を介してカバー部材201の基板設置板部214に取付けられるようになっている。基板固定部材226は、下部側が鋭角に形成された五角形状の板状片であって、基板固定部材226の前面には、カバー設置基体207の設置板部ボス部214bに対応して固定部材ボス受け部226aが凹設されている。また、固定部材ボス受け部226aの下方には、カバー設置基体207の設置板部位置決め突起214cに対応して、前後方向に開放する固定部材位置決め孔226bが形成されている。更に、基板固定部材226には、上縁部から斜め上前方に延出する基板押圧片227が形成されている。そして、第2発光基板223の下面を3つの基板設置板部214,214の傾斜設置面214a,214a,214aに当接させると共に、基板差込み片225,225を基板差込み部212,212の差込み貫通孔212a,212aに差込んで、第2発光基板223が基板設置板部214に設置される。更に、基板固定部材226の固定部材位置決め孔226bに設置板部位置決め突起214cを嵌入すると共に、設置板部ボス部214bの後端部を固定部材ボス受け部226aに嵌合し、該固定部材ボス受け部226aの通孔を介してネジを設置板部ボス部214bに螺挿することで、基板固定部材226がカバー設置基体207にネジ止めされる。これにより、図37に示すように、中央の基板設置板部214の傾斜設置面214aと基板押圧片227との間で第2発光基板223の後端部側が挟持され、第2発光基板223がカバー部材201に取付けられる。
ここで、第2発光装置203をカバー部材201に設置した状態では、第2発光基板223は、前方から後方にかけて下方傾斜する姿勢となり、第2発光素子224が反射面219を指向するようになっている。また、第2発光基板223は、反射面219の前方斜め下側であって、最下位で並ぶ光通過孔220より下方に位置している。すなわち、第2発光装置203は、第1発光装置202からの光が通過する領域から外れた位置に設けられ、第2発光装置203が第1発光装置202の光と干渉しないようになっている。更に、第2発光基板223は、演出用装飾部232の後方に位置して該演出用装飾部232に前側から覆われている。すなわち、第2発光装置203は、演出用装飾部232により前側から隠されて、透明なカバー部材201を介して第2発光装置203が視認し得ないようになっている。従って、遊技者側から第2発光装置203を見えなくして、遊技の興趣が損なわれるのを防止し得る。
前記第2発光基板223の前面に配設される第2発光素子224は、該第2発光基板223に直交する方向へ光を照射するようになっている。すなわち、各第2発光素子224は、後方斜め上側(発光部208とは異なる方向)へ光を照射して、反射面219に対し斜めから光を照射するようになっている。そして、図37に示すように、第2発光素子224から照射された光は、反射面219で拡散されつつ前方へ反射され、発光部208に到達するようになっている。すなわち、第2発光装置203からの光を反射面219で反射させることで、拡散された淡い光を発光部208の全体に照射させて、発光部208全体を光らせるよう構成されている。
ここで、第2発光基板223を傾斜配置して、第2発光素子224が反射面219に対し斜めから光を照射する構成とすることで、第2発光素子224の設置領域が反射面219の面積より狭いのにも拘らず、第2発光装置203の光が反射面219の略全体に到達することが可能となる。従って、第2発光装置203のサイズを反射面219に較べてコンパクトにすることができ、第2発光装置203の設置自由度が向上し、カバー部材201内の狭いスペースにも第2発光装置203を設置すること可能となる。なお、複数の第2発光素子224は、第1発光素子222と同様に、統括制御装置37により一斉に点灯・消滅したり、左右方向に順番に点灯・消滅したりして、多様な発光パターンで発光し得るよう構成されている。
(後保護カバーについて)
前記後保護カバー205は、反射部材204の後側に配設されて、第1発光装置202を収容保護するものである。後保護カバー205は、後保護カバー本体228と、該後保護カバー本体228の周縁部から前方に延出する後保護カバー壁部229とから前方に開放するよう構成されている。後保護カバー本体228の前面には、反射部材204の反射部材位置決め孔215eに対応する一対の後保護カバー位置決め突起228a,228aが前方に突出して形成されている。また、後保護カバー205には、第1発光基板221の第1基板通孔221aに対応する一対の後保護カバー通孔228b,228bが前後方向に開放して形成されている。そして、第1発光基板221の第1基板位置決め孔221bに反射部材位置決め突起215cを嵌入し、第1発光基板221を反射部本体215の後面に位置決めする。更に、後保護カバー位置決め突起228aを反射部材位置決め孔215eに嵌入し、第1発光装置202を後方から覆うように後保護カバー205をセットする。そして、第1基板通孔221aに整合した後保護カバー通孔228bを介してネジを反射部本体215の反射部材ネジ孔215dに螺挿することで、後保護カバー205が第1発光基板221と共に反射部本体215(反射部材204)の後面にネジ止めされる。このように、反射部材204は、第1発光装置202の設置部材として兼用し得るので、第1発光装置202を設置するための部材が別途必要とならず、部品点数を少なくし得る。
前記後保護カバー本体228には、前後方向に開放するコネクタ用矩形開口230が形成されており、図37に示すように、該コネクタ用矩形開口230に第1発光装置202の第1発光基板コネクタ部221cが臨んでいる。そして、第1発光基板コネクタ部221cに接続された枠体照明用配線H1および発光用配線H2は、コネクタ用矩形開口230を介して後保護カバー本体228の後側に引き出される。また、上部側の後保護カバー壁部229には、前端部から係止片逃げ部231が後方へ凹設されている。この係止片逃げ部231には、反射部材204の反射部材係止孔215bを介して後方に突出するカバー部材201のカバー係止片211が臨むようになっており、該カバー係止片211が後保護カバー壁部229に干渉するのを防止している。
(発光演出装置の発光演出について)
次に、発光演出装置200の発光演出について、以下説明を行う。所定条件が成立すると、統括制御装置37は、第1発光装置202および第2発光装置203に制御信号を送出し、両発光装置202,203を発光させる。先ず始めに、第1,第2発光装置202,203を同時に発光させた場合について説明を行う。第1発光装置202については、第1発光素子222が一斉に点灯し、前方へ光を照射する。すると、第1発光素子222の光は、各第1発光素子222に対応して設けられた光通過孔220を介して反射部材204を通過する。このとき、第1発光素子222の光は、光通過孔220を通過する間に光の指向性が強められる。光通過孔220を通過した第1発光素子222の光は、発光部208に到達し、該発光部208を明瞭に発光させる。すなわち、光通過孔220で指向性が強められた第1発光素子222の光が発光部208に直接照射されるので、発光部208は、はっきりとした輪郭で発光される。
一方、第2発光装置203についは、第2発光素子224が一斉に点灯して、光を斜め後ろ上方へ照射させる。すなわち、第2発光装置203は、図37に示すように、発光部208に直接光を照射するのではなく、反射部材204の反射面219へ向けて光を照射する。反射面219に到達した第2発光装置203の光は、拡散されつつ発光部208へ向けて反射され、発光部208の略全体に亘って光が到達する。すなわち、第2発光装置203の光は、反射面219で反射されて拡散されることで、ぼんやりとした光で発光部208の全体を発光させるようになっている。従って、第2発光装置203による発光部208を全体的に発光させた上で、第1発光装置202による明瞭な光が加わることで、発光部208に光の強弱(コントラスト)を付けることが可能となる。これにより、多様な発光パターンで発光部208を発光させることができ、効果的な発光演出を行うことが可能となる。しかも、第1発光装置202の光は、光通過孔220を通過することで指向性が向上しているので、反射面219で反射された第2発光装置203の光によって発光部208が全体的に発光した状態であっても、第1発光装置202の明瞭な光を遊技者は視認することができる。
ここで、カバー部材201に光通過用穴部213を形成することで、該光通過用穴部213から光が漏れ出すような発光演出をすることができ、演出効果が更に高められる。しかも、光通過用穴部213の後方に位置する光通過孔220から第1発光装置202の強い光が外部に漏れ出すことで、遊技者はインパクトのある発光演出を楽しむことができる。ところで、第1発光装置202および第2発光装置203は、統括制御装置37により、各発光素子を一斉に点灯・消滅させるだけでなく、各種態様で発光し得るようになっている。例えば、第1発光装置202の第1発光素子222を、列毎に順次点灯・消滅させるように発光制御した場合には、第2発光装置203で発光部208を全体的に発光させた上で、第1発光装置202による明瞭な光が発光部208を左右に走るような発光演出をすることが可能となる。また、第2発光装置203の第2発光素子224を、列毎に順次点灯・消滅させた場合には、発光部208全体をフラッシュ状に点滅させることができ、インパクトのある派手な発光演出を行い得る。
(照明装置)
前記遊技盤40には、ステージ150の転動面168およびステージ150の下側に配置された始動入賞口70a,70bおよび特別入賞口74aの周りを発光演出する照明装置300が、裏ユニット50の下辺部52dに設けられている(図7,図14または図16参照)。照明装置300は、ステージ150の転動面168を主に発光演出する第1照明機構310と、始動入賞口70a,70bおよび特別入賞口74aの周りを主に発光演出する第2照明機構340とを備えている。照明装置300は、第1照明機構310の構成部材および第2照明機構340の構成部材が照明ベース部材(設置部)302に設けられ、この照明ベース部材302を共通基盤として裏ユニット50への一体的な着脱時等、単一のユニットとして取り扱い得るようになっている(図41〜図44参照)。
(第1照明機構)
前記第1照明機構310は、上面が上段転動面168となるユニットステージ部166の下側に配置され、上方に向けて光を照射してユニットステージ部166の光透過性を有する領域を介して上段転動面168を発光演出するよう構成されている(図45〜図47参照)。実施例のユニットステージ部166は、全体が透明であるので、第1照明機構310の後述する照明透光部材334の照明レンズ部(発光部)336に対応して、上段転動面168が発光演出される。
前記第1照明機構310は、第1照明基板(照明基板)312の前側を覆い、該第1照明機構310の前面を構成する照明装飾部材(装飾部)316と、照明ベース部材302に設けられ、照明ベース部材302に取り付けられる照明装飾部材316との間に第1照明基板312を収容する照明収容部(収容部)303と、第1照明基板312の上側に設けられ、該第1照明機構310の上面を構成する照明カバー部材322とから外郭が基本的に構成されている(図48または図49参照)。また、第1照明機構310は、照明装飾部材316に設けられた凸状部317の後側を塞ぐ照明仕切部材(仕切部)326と、第1照明基板312と照明カバー部材322との間に設けられた照明区画部材(区画部)330と、この照明区画部材330と照明カバー部材322との間に設けられ、照明カバー部材322に開設された照明開口324を覆う照明透光部材334とを備えている。すなわち、照明カバー部材322およびこの照明カバー部材322の照明開口324を塞ぐ照明透光部材334によって、第1照明機構310の上覆部が構成されている。
前記第1照明基板312は、上面に照明体としてのLED313を複数備えており、下面の左右方向中央部における後方に偏倚した位置に、接続開口を後方に向けたソケット314を備えている(図47〜図48参照)。第1照明基板312は、中央部が凸になるように前方に湾曲した照明装飾部材316の内面に合わせて前縁が湾曲するように形成されると共に、左右の側端部と比べて中側部分の後縁が後方へ突出するように形成されている(図48参照)。また、第1照明基板312には、複数のLED313が前縁に沿って並べて照明装飾部材316の凸状部317に対応して設置されると共に、上方に設置される照明カバー部材322の照明開口324の下方に対応する位置にLED313が設置されている。
前記照明装飾部材316は、牙を模した凸状部317が左右に離間して上部に複数設けられている(図41,図45,図46,図48または図49参照)。実施例の照明装飾部材316では、複数の凸状部317が始動入賞口70a,70bの上方に位置する中央を挟んで左右対称な関係で配置されている。照明装飾部材316は、枠体ステージ部152における後部障壁160の後側に位置し、中段転動面154の後側に立ち上がって該中段転動面154と上段転動面168と間に臨んでいる(図31参照)。すなわち、照明装飾部材316は、透明な後部障壁160を介して本体部分が前側から視認可能で、凸状部317が後部障壁160の上縁から突出し、前側から視認可能になっている。照明装飾部材316は、本体部分が光を透過不能に構成される一方、凸状部317の少なくとも上部が光を透過可能に構成され、凸状部317の下部に対応して第1照明基板312の前縁に配置されたLED313の発光によって、対応の凸状部317が個別に発光される(図47参照)。なお、照明装飾部材316は、本体部分が塗装により光を透過不能に構成してある。
前記照明装飾部材316は、前面をなす板状部分の外周縁から後方に延出する縁壁部318と、第1照明基板312の前側を覆う板状部分に上下に離間して形成された対をなす照明挟持片(挟持片)319,320とを備えている(図47または図49参照)。照明装飾部材316には、上下対をなす照明挟持片319,320の組が左右に離間して複数(実施例では2組)設けられ、実施例では、上下対をなす照明挟持片319,320の組が左右対称な関係で配置されている(図49参照)。上下の照明挟持片319は、第1照明基板312の前側を覆う板状部分の後面から後方に延出するように夫々形成されている。組をなす上下2つの照明挟持片319,320は、左右にずらした位置に配置され、下側の照明挟持片(以下、下側照明挟持片という。)319より上側の照明挟持片(以下、上側照明挟持片という。)320が左右方向中央側に配置されている。下側照明挟持片319の上面と上側照明挟持片320の下面との上下方向の間隔は、第1照明基板312の板厚と同一または僅かに大きく設定されている。
前記下側照明挟持片319は、上下方向に板面が延在するように形成されて、上下方向の幅より突出寸法が小さく設定されて、上下方向に弾性変形し難くなるよう構成されている(図47または図49参照)。これに対して、上側照明挟持片320は、左右方向に板面が延在する薄片状に形成されると共に、左右方向の幅より突出寸法が大きく設定されて、上下方向に弾性変形可能に構成されている。なお、上側照明挟持片320は、下側照明挟持片319より後方に突出している(図47参照)。そして、照明装飾部材316は、上下対をなす照明挟持片319,320で第1照明基板312の前端部を厚み方向に挟んで保持するようになっている。このように、第1照明基板312の前端部は、上下の照明挟持片319,320によって保持されることで、上下に位置規制される。
前記照明装飾部材316は、板状部分の外周縁に後方へ向けて延出する縁壁部318が、左右の側部で下側照明挟持片319の上面と同じ高さで水平に延在するように段状に形成されている(図47または図49参照)。第1照明機構310は、上下の照明挟持片319,320で第1照明基板312の前端部を保持した際に、照明装飾部材316の前記水平部位(以下、照明載置部318aという。)に第1照明基板312の側部が載置されるようになっている(図47参照)。すなわち、実施例では、第1照明基板312が2組の上下の照明挟持片319,320だけでなく、左右の照明載置部318a,318aによっても支持されている。
前記照明仕切部材326は、上下の照明挟持片319,320に挟まれて保持された第1照明基板312より上側の照明装飾部材316の後面形状に対応した形状に形成されている(図49参照)。照明仕切部材326は、凸状部317に合わせて形成された凸部分を凸状部317の外周縁に立設した縁壁部318の内側に嵌め込み、照明装飾部材316の後面との間に隙間をあけて該照明装飾部材316に対してネジ止め固定される。この際、照明仕切部材326は、第1照明基板312の前端部に設けられたLED313を照明装飾部材316との間に挟んでおり、当該LED313が凸状部317と照明仕切部材326との間の隙間に臨んでいる(図47参照)。また、照明仕切部材326は、左右の上側照明挟持片320の夫々に合わせて凹状に形成された挟持片凹部327,327を備えている(図49参照)。そして、照明仕切部材326は、これらの挟持片凹部327,327を上照明挟持片327,327に嵌め合わせて該上側照明挟持片320,320の上面に載置されている。このように、照明仕切部材326は、上側照明挟持片320,320に支持されると共に、上側照明挟持片320と挟持片凹部327の嵌合下に左右の位置決めが図られる。
前記照明仕切部材326は、下端部から下方に延出する照明保持片(保持片)328を備えている(図48または図49参照)。照明仕切部材326には、第1照明基板312において前後幅が狭い左右の側部後縁の夫々に対応配置して、一対の照明保持片328,328が左右の側部に離間して設けられている。照明仕切部材326は、上下の照明挟持片319,320で前端部が保持された第1照明基板312の後端を、照明保持片328,328によって照明装飾部材316の後面との間に保持し、第1照明基板312を前後に位置規制するようになっている。ここで、左右の照明保持片328,328の離間間隔は、左右の側部と比べて後方に延出する第1照明基板312の中側部分の左右幅と同一または僅かに大きく設定されている。すなわち、照明仕切部材326は、左右の照明保持片328,328の間に第1照明基板312の中側部分を挟んで、左右に位置規制するように保持している。
前記照明カバー部材322は、下方に開放した略トレイ形状に形成され、光を透過不能に構成されている(図47〜図49参照)。実施例の照明カバー部材322は、表面全体に導電性を有する金属のメッキ加工が施され、表面が光を反射可能に構成されている。照明カバー部材322には、上下に貫通形成された照明開口324が複数設けられている(図47または図48参照)。照明カバー部材322には、複数の照明開口324が左右に並んで離間配置され、左右方向の中央部に円形の照明開口324が形成され、この照明開口324を挟んで左右対称な関係で三角形(実施例では正三角形)の照明開口324,324が設けられている。三角形の照明開口324,324は、円形の照明開口324を挟む照明カバー部材322の各側部に2つずつ設けられ、中央の照明開口324側に三角形の照明開口324の頂部が位置している。
前記照明透光部材334は、下方に開放する略トレイ形状の照明カバー部材322の内部形状に合わせて外形が形成され、この照明カバー部材322の内側に嵌め合わせて取り付けられる(図47参照)。照明透光部材334は、透明な部材であって、照明カバー部材322の照明開口324に合わせて上面に突出形成された照明レンズ部336を備えている(図48または図49参照)。すなわち、照明透光部材334には、左右に離間して複数の照明レンズ部336が設けられ、照明透光部材334の中央部に位置する照明レンズ部336が、椀を伏せたような球の一部形状に形成され、照明透光部材334の側部に位置する照明レンズ部336が、上面が平坦な三角形状に形成されている。なお、照明レンズ部336は、表面に施された微細なシボ加工からなる光拡散構造を有している。
前記第1照明機構310では、照明レンズ部336の下側に対応して第1照明基板312の上面にLED313が設置されている(図47参照)。すなわち、第1照明基板312には、中央の照明レンズ部336に対応してLED313が少なくとも1つ設置され、側部の照明レンズ部336の夫々に対応してLED313が少なくとも1つ設置されている。ここで、第1照明基板312には、左右の最も外側方に位置する凸状部317を除いて、各凸状部317に対応して1基ずつのLED313が設置され、中央の照明レンズ部336に対応して矩形状に配列した4基のLED313が設置され、側部の照明レンズ部336の夫々に対応して左右方向に並ぶ2基のLED313が設置されている(図48または図49参照)。
前記照明区画部材330は、照明レンズ部336に対応して配置されたLED313の間を区切る隔壁332から構成される枠状の部材である(図48または図49参照)。照明区画部材330は、中央の照明レンズ部336に対応するLED313の周囲を隔壁332で囲うと共に、この中央の照明レンズ部336に隣り合う左右の側部の照明レンズ部336に対応するLED313の周囲を隔壁332で囲うことで、中央のLED313とこの中央のLED313に隣り合う側部のLED313の夫々を区分している。最も外側に位置する側部の照明レンズ部336に対応するLED313は、照明区画部材330の外側に配置され、該照明区画部材330の外郭を構成する隔壁332によって内側に位置する側部の照明レンズ部336に対応するLED313と区分されている。照明区画部材330は、中央の照明レンズ部336に対応するLED313を囲繞する隔壁332が、上下に連通する空間を画成するように形成されている。同様に、照明区画部材330は、中央の照明レンズ部336に隣り合う左右の側部の照明レンズ部336に対応するLED313を囲繞する隔壁332が、上下に連通する空間を画成するように形成されている(図47参照)。なお、照明区画部材330は、隔壁332の下端が第1照明基板312の上面より離して設置される。
前記第1照明機構310は、ユニットステージ部166の下面に下方へ突出形成されたカバー固定ボス(図示せず)を照明カバー部材322および照明透光部材334に上から挿入し、照明カバー部材322および照明透光部材334を挟んで照明透光部材334の下面に臨むカバー固定ボスに対してネジ止め固定することで、ユニットステージ部166、照明カバー部材322および照明透光部材334が互いに組み付けられる。第1照明機構310は、照明区画部材330の上面に載置して照明透光部材334が下方からネジ止め固定されており、隔壁332の外側部の夫々に左右に延出形成された照明取付片333,333を照明仕切部材326の後面に突き合わせて後側からネジ止め固定することで、照明区画部材330が照明仕切部材326に取り付けられる。すなわち、照明区画部材330は、上側に取り付けられたユニットステージ部166、照明カバー部材322および照明透光部材334と共に照明仕切部材326に取り付けることができる。第1照明機構310は、第1照明基板312、照明仕切部材326および照明区画部材330、ユニットステージ部166、照明カバー部材322および照明透光部材334照明装飾部材316に対して直接または間接的に組み付けられ、照明装飾部材316を共通基盤としてユニットとして取り扱い可能に構成されている。
前記照明ベース部材302は、第2照明機構340を構成する部材の取付対象となる設置板状部分302aと、この設置板状部分302aの外周縁から後方へ延出する周壁部分302bと、上部に設けられ、第1照明機構310の第1照明基板312が収容される照明収容部303とを備えている(図48または図49参照)。実施例の照明ベース部材302は、透明な合成樹脂成形品である。照明収容部303は、照明ベース部材302の上側に延在する周壁部分302bの左右方向中側を下方へ凹ませて形成されている(図50,図51または図52参照)。第1照明機構310は、照明装飾部材316を設置板状部分302aの前面に取り付けた際に、該照明収容部303の底をなす周壁部分302bで構成される収容載置部(載置部)303aに第1照明基板312の後部が支持されようになっている(図47参照)。
前記照明収容部303は、左右に対向する該照明収容部303の側面をなす周壁部分302bの後縁間に亘って収容載置部303aの後縁から立ち上がる収容後壁部303bによって、後面が塞がれている(図50または図51参照)。収容後壁部303bは、上端が照明ベース部材302の上面より低く設定され、収容後壁部303bの上側に照明カバー部材322の後部が収まるようになっている(図42または図47参照)。第1照明機構310は、第1照明基板312、照明区画部材330、照明透光部材334および照明カバー部材322が照明収容部303に収容されて、照明カバー部材322の上面が照明ベース部材302の上面と高さが揃うように構成されている(図42参照)。照明区画部材330には、突起331が後面に設けられ、収容後壁部303bに設けられた保持通孔303cに突起331が嵌ることで、照明収容部303に収容した照明区画部材330の後部が収容後壁部303bに支持される(図47または図48参照)。
前記照明収容部303には、収容載置部303aの後部から収容後壁部303bの下部にかけて照明配線通口304が左右方向中央部に貫通形成されている(図50,図51,図52)。照明配線通口304は、裏ユニット50の下辺部52dに図柄表示装置13の取り付け領域と基板設置部60との間に位置して貫通形成された中央配線開口85の前側に重なるようになっている。第1照明機構310は、第1照明基板312のソケット314が照明配線通口304に臨み、照明配線通口304および中央配線開口85を介してソケット314に接続する第1照明用配線H6が裏ユニット50の後側に引き出される(図9参照)。また、第1照明機構310は、照明カバー部材322の後面にステージ用アース線(アース線)E2が接続され、第1照明基板312に影響を与えないように、ステージ150周りに帯電した静電気をステージ用アース線E2を介して除去するようになっている。ステージ用アース線E2は、第1照明用配線H6と共に、照明配線通口304および中央配線開口85を介して裏ユニット50の後側に引き出される(図10参照)。
前記第1照明機構310では、第1照明基板312の前部が照明装飾部材316の上下の照明挟持片319,320で把持されて、後部が照明収容部303の収容載置部303aで支持されることで、第1照明基板312が上下に位置規制される(図47参照)。また、第1照明機構310は、第1照明基板312が照明装飾部材316の後面と照明仕切部材326の照明保持片328との間に挟まれると共に、照明収容部303に収容することで、第1照明基板312が照明装飾部材316の後面と照明収容部303の収容後壁部303bとの間に挟まれて、第1照明基板312が前後に位置規制される。更に、第1照明機構310は、第1照明基板312が左右の照明保持片328,328に挟まれると共に、照明収容部303に収容することで、照明収容部303の左右の側面に挟まれて、第1照明基板312が左右に位置規制される。このように、第1照明機構310では、第1照明基板312がビスやネジ等の締結具を用いることなく、該第1照明機構310を構成する部材で保持されている。
前記第1照明機構310は、ステージ150の上段転動面168を発光演出する第1照明基板312が、該第1照明機構310を構成する他の構成部材を組み付けるだけで、ネジ等の締結具で固定することなく位置決めされる。すなわち、第1照明基板312をネジ止めする手間を省くことができ、第1照明機構310の組み付け作業を簡易にできる。しかも、上段転動面168をなすユニットステージ部166が、第1照明機構310に取り付けられているので、両者の取り扱いが容易になる。
前記遊技盤40では、上段転動面168の下側のスペースを有効利用して第1照明機構310を設置し、この第1照明機構310によって上段転動面168を発光演出している。ここで、第1照明機構310は、上段転動面168に対して第1照明基板312を平行に設置し、第1照明基板312において上段転動面168に臨む上面に設けたLED313から照明レンズ部336を介して上段転動面168に対して直線的に照射された光によって該上段転動面168を照らしている。すなわち、第1照明機構310は、上段転動面168を第1照明基板312のLED313から直接照射された光によって照らすことができるので、例えば上下に延在する照明基板の前面にLEDを設けて、このLEDから前方に照射した光によって上段転動面168を照らす場合と比べて、上段転動面168を効果的に発光演出することができる。ステージ150の転動面153,154,168において手前側と比べて暗くなりがちな後側の領域に位置する上段転動面168を第1照明機構310で直接照らしているので、非常に効果的である。
前記第1照明基板312は、厚み方向を上下に沿わせた姿勢で保持されているので、上下方向に要する配設スペースを最小限に抑えることができ、上段転動面168と第1照明基板312との間に、照明カバー部材322、照明区画部材330および照明透光部材334等の複数の部材を配設することが可能となり(図47参照)、上段転動面168と第1照明基板312との間のスペースを有効利用できる。すなわち、第1照明機構310は、照明区画部材330を設けることで、隣り合う照明レンズ部336に対応するLED313の間を隔壁332で仕切って、ある照明レンズ部336の発光に際してLED313が消灯している隣の照明レンズ部336に光が入射することを防止でき、照明レンズ部336毎に効果的に発光演出することができる。また、光を透過しない照明カバー部材322と光を透過する照明透光部材334との組み合わせによって、第1照明機構310の上面全体ではなく照明レンズ部336だけが発光するので、照明レンズ部336に対応する上段転動面168の部位を強調して発光演出することができる。
前記遊技盤40は、表示枠体100の下縁に下段転動面153の下側に位置して第1〜第3枠体照明手段130,131,132が設けられおり、第1〜第3枠体照明手段130,131,132の枠体照明基板130b,131b,132bのLED130c,131c,132cから前方に照射された光によって下段転動面153が間接的に照らされるようになっている。ここで、枠体照明基板130b,131b,132bの前側に位置する枠体飾り部120は、後面が光を反射するように構成されているので、LED130c,131c,132cから前方に照射された光の一部を下段転動面153に向けて反射して、反射光によって下段転動面153を照らすことができる。上段転動面168を直接照らす第1照明機構310は、裏ユニット50側に設けられるのに対して、下段転動面153を間接的に照らす第1〜第3枠体照明手段130,131,132が表示枠体100(盤本体42側)に設けられている。このように、第1照明機構310と第1〜第3枠体照明手段130,131,132とを、裏ユニット50と表示枠体100とに振り分けて配設しているので、表示枠体100に過大な負荷が加わるのを回避できる。
(第2照明機構)
前記第2照明機構340は、照明ベース部材302の後側に設置され、照明体としてのLED343を前面に複数有する第2照明基板342と、照明ベース部材302の前側を覆う架台部344と、この架台部344の前側に設けられ、照明ベース部材302および架台部344を介して第2照明基板342のLED343により照らされる照明透光部346と、この照明透光部346の周りを飾る照明周飾部(装飾部材)348とを備えている(図50〜図55参照)。第2照明機構340は、照明透光部346および照明周飾部348によって、透明な盤本体42を介して視認可能な前面が構成され、その前面が遊技領域40aにおけるステージ150の下側から始動入賞口70a,70bの左右の領域にかけて臨むようになっている(図7参照)。ここで、第2照明機構340には、照明透光部346が複数設けられ、始動入賞口70a,70bを左右に挟んで一対の照明透光部(特に区別する場合は、特殊照明透光部346Aといい、その他を普通照明透光部346Bという。)が配置されている(図41または図50参照)。なお、第2照明機構340には、中央部に下方に開放する凹形状に形成され、始動入賞装置70において盤本体42の後側に突出する部位が収容される装置収容部340aが設けられている。
前記架台部344は、透明な部材であって、照明ベース部材302における第1照明機構310の照明装飾部材316が取り付く領域を除いた前面形状に合わせて形成されている(図54参照)。架台部344には、特殊照明透光部346Aの後側に対応する部位に光拡散構造が夫々設けられており、実施例の光拡散構造は、凹凸が同心円状に並んだ形状に形成されている(図54参照)。照明透光部346は、光を透過可能であって、第2照明基板342の前面に設けられたLED343の前側を覆うようになっている。特殊照明透光部346Aは、前面が球面形状に形成されており、普通照明透光部346Bと比べて大型に構成されている。照明周飾部348は、光を透過不能であって、第1照明機構310の照明装飾部材316の下側や照明透光部346の周りを縁取るように設けられている。 実施例の照明周飾部348は、メッキからなる鏡面加工がされており、光を反射するよう構成されている。
前記照明装置300では、第2照明機構340の照明透光部346および照明周飾部348によって、架台部344の前面が左側下部領域を除いて覆われている(図41または図50参照)。そして、照明装置300における架台部344の左側下部領域は、後述する通路構成部材420が設置される通路設置部350となる。
(左側普通入賞装置)
図13,図56〜図77に示すように、前記左側普通入賞装置400は、盤本体42に設けられ、遊技領域40aに臨む普通入賞口を有する下部飾り部材(飾り部材)402と、裏ユニット50の前側に設けられ、普通入賞口を介して遊技領域40aから取り込んだパチンコ球Wを案内する球通路410,414,416を有する通路構成部材420と、この球通路410,414,416に設置され、該球通路410,414,416を流下するパチンコ球Wを検知する普通入賞センサ(検出手段)401とから基本的に構成される。
前記下部飾り部材402は、板状の下部飾り本体403と、この下部飾り本体403の後面に下部飾り貫通口42cに合わせて延出形成された飾り嵌合片404と、下部飾り本体403の前面に突出形成され、普通入賞口406を有する普通入賞部405とを備えている(図56または図57参照)。下部飾り部材402は、飾り嵌合片404を下部飾り貫通口42cに嵌め合わせると共に、飾り嵌合片404より外方に延在する下部飾り本体403の外周縁を盤本体42の前面に当接させて、盤本体42に取り付けられる(図5または図13参照)。すなわち、下部飾り部材402は、下部飾り本体403の前面が遊技領域40aの一部を構成している。
前記普通入賞部405は、下部飾り本体403に前後に貫通形成された球通口403aの前側を囲って下部飾り本体403に設けられ、上方に開口する普通入賞口406を画成するバスケット型の球取入部405aと、球通口403aの左右の側部および底部を囲って下部飾り本体403の後面から後方に延出する球案内片405bとを有している(図56または図56参照)。普通入賞部405は、球案内片405bが下部飾り貫通口42cを介して盤本体42の後面より突出するよう構成され、遊技領域40aに開口する普通入賞口406から取り込んだパチンコ球Wが球取入部405aおよび球案内片405bを介して盤本体42の後側に案内されるようになっている。
前記左側普通入賞装置400には、複数の普通入賞口406が階段状となるよう上下および左右に離間して設けられている(図5または図6参照)。なお、実施例の左側普通入賞装置400では、3つの普通入賞部405,405,405が左側方から中央部側に向かうにつれて普通入賞口406,406,406の位置が低くなる関係で階段状に配置されている。
(球通路)
前記球通路410,414,416は、通路構成部材420の内側に画成され、パチンコ球Wを1個ずつ案内し得る大きさに設定されている(図68または図76参照)。左側普通入賞装置400では、1つの普通入賞口406に対応して1つの球通路410,414,416が設けられ、複数の球通路410,414,416が1つに合流するようになっている。すなわち、通路構成部材420には、3箇所の普通入賞口406,406,406に対応して3条の球通路410,414,416が画成され、これらの球通路410,414,416の流下終端がまとめて、1箇所から遊技盤40の外側に放出される。
前記通路構成部材420は、裏ユニット50における設置板部52の下辺部52dに設置された照明装置300の左側下部に設けられた通路設置部350に取り付けられ(図14または図16参照)、下部飾り部材402の後側に設置されている(図76参照)。通路構成部材420は、取付部位となる通路設置部350側に配置される後側通路半体422と、この後側通路半体422の前側に取り付けられ、下部飾り貫通口42cを介して盤本体42の後側に臨む下部飾り部材402の後側に位置する前側通路半体428とから構成されている。通路構成部材420は、後側通路半体422および前側通路半体428の球通路410,414,416を画成する部位が少なくとも光を透過可能に構成されており、実施例では、全体が透明になっている。
前記通路構成部材420には、左側に位置する普通入賞口406に対応する第1球通路410と、中央に位置する普通入賞口406に対応する第2球通路414と、右側に位置する普通入賞口406に対応する第3球通路416とが画成されている(図68参照)。第1球通路410は、上端が左側に位置する普通入賞部405の流出端に繋がり、上下方向に延在する縦通路部411と、この縦通路部411の下流に連通して、左右方向中央部側に向けて延在する横通路部412とを備えている。第2球通路414は、上端が中央に位置する普通入賞部405の流出端に繋がり、上下方向に延在する縦通路部415のみを備えている。第3球通路416は、上端が右側に位置する普通入賞部405の流出端に繋がり、上下方向に延在する縦通路部417と、この縦通路部417の下流に連通して、左右方向左側方に向けて延在する横通路部418とを備えている。
前記通路構成部材420は、複数の球通路410,414,416が合流するように構成されており(図68参照)、該通路構成部材420の下端に設けられた通路放出口421の上流側で球通路が1本にまとめられる。通路構成部材420では、第1球通路410の横通路部412が第2球通路414側へパチンコ球Wを案内するよう延在して、該横通路部412の流下終端が第2球通路414に接続されている。また、通路構成部材420では、第3球通路416の横通路部418が第2球通路414側へパチンコ球Wを案内するよう延在し、該横通路部418の流下終端が第2球通路414に接続されている。このように、通路構成部材420には、第1球通路410および第3球通路416が、互いの横通路部412,418の流下終端を向かい合わせて合流するよう構成されている。実施例の通路構成部材420では、第1球通路410の横通路部412の流下終端が、第3球通路416の横通路部418の流下終端より上方にずらして向かい合うように配置されている。
前記後側通路半体422は、球通路410,414,416の後面を構成する通路後板部423と、この通路後板部423の前面に前方へ突出形成され、球通路410,414,416におけるパチンコ球Wの流通方向に沿う側面を構成する通路横板部424とを備えている(図68〜図71参照)。また、後側通路半体422は、通路後板部423の後面外周縁に沿って後方に突出するように形成された通路支持板部425を備えている(図59,図65または図69参照)。通路構成部材420は、後側通路半体422の通路支持板部425の後端を通路設置部350の前面に当接させて、照明装置300の架台部344に取り付けられ、通路設置部350と通路後板部423との間に後述する通路発光基板444が設置される(図41、図50または図76参照)。そして、後側通路半体422には、通路後板部423および通路横板部424によって第1〜第3球通路410,414,416を形作る前側が開放した溝が形成されている(図68参照)。後側通路半体422は、各球通路410,414,416の上端に対応する部位が、向かい合う通路横板部424の間を繋げて塞いであり、球通路410,414,416の上端に対応する溝の上面から後面にかけて斜めに延在する上部誘導リブ426が設けられている(図62参照)。後側通路半体422には、第1および第3球通路410,416が合流した第2球通路414の下端に対応する部位に、上下に連通する通路放出口421が開設されている(図61または図71参照)。
前記前側通路半体428は、球通路410,414,416の前面を構成する通路前板部429を備え(図72〜図75参照)、後側通路半体422の通路横板部424の前側を通路前板部429で覆って該後側通路半体422に組み付けられる(図60〜図63参照)。また、前側通路半体428は、各普通入賞部405の流出端に対応して、球通路410,414,416の上端に連通する通路流入口430が開設されており、盤本体42の後面から突出する普通入賞部405の球案内片405bの後部が通路流入口430に挿入されている。更に、前側通路半体428は、通路前板部429の上部外周縁に後方に向けて延出形成された通路周板部431を有し、この通路周板部431は、前後方向に溝が延びる凹凸の光拡散構造からなる通路光拡散部(光拡散部)431aを備えている(図60または図74参照)。前側通路半体428は、通路周板部431が後側通路半体422の上部に延在する通路横板部424の外側前部を覆うように、後側通路半体422に取り付けられ、透明な盤本体42を介して視認可能な通路構成部材420の上部を通路周板部431の光拡散部431aで装飾するようになっている(図64参照)。
前記前側通路半体428は、後側通路半体422の通路横板部424の前側に対応して、通路前板部429の後面に後方へ突出形成された通路横リブ432を備え(図73参照)、この通路横リブ432によって通路横板部424の前端と通路前板部429との間を塞いでいる。各通路横リブ432は、パチンコ球Wの流通方向に沿って延在するよう形成されている。
前記前側通路半体428は、各球通路410,414,416に対応する部位に設けられ、パチンコ球Wを該球通路410,414,416に沿って案内する通路案内リブ(案内リブ)433を備えている(図73参照)。通路案内リブ433は、前側通路半体428における通路前板部429の後面に設けられ、該後面から球通路410,414,416側(後方)に突出すると共にパチンコ球Wの流通方向に沿って延在するよう形成されている。各球通路410,414,416には、複数の通路案内リブ433がパチンコ球Wの流通方向と交差する方向に離間するように並べて設けられている(図63参照)。実施例では、球通路410,414,416毎に2つの通路案内リブ433,433が設けられ、これらの通路案内リブ433が球通路410,414,416の流通方向を規定する通路横板部424と平行な関係で形成されている。なお、前側通路半体428では、通路横リブ432および通路案内リブ433の通路前板部429からの突出寸法が同じに設定されている(図63参照)。
前記通路構成部材420は、球通路410,414,416を画成する面(通路後板部423、通路横板部424および通路案内リブ433の前端)より該球通路410,414,416側に突出するように設けられた緩衝リブ434,435,436,437,438を備えている(図68または図73参照)。第2および第3球通路414,416と比べてパチンコ球Wの流通距離が長い第1球通路410には、複数の緩衝リブ434,435,436がパチンコ球Wの流通方向上下に離間して通路構成部材420に設けられている。これに対して、第2球通路414および第3球通路416には、緩衝リブ437,438が1つずつ設けられている。通路構成部材420では、1つの球通路410に複数の緩衝リブ434,435,436が設けられる場合に、複数の緩衝リブ434,435,436がパチンコ球Wの流通方向に互い違いにずらして、互いに対向する面に振り分けて設置されている(図62または図76参照)。
具体的には、第1球通路410に対応して通路構成部材420は、前側通路半体428の後面に該第1球通路410を横切るように設けられて、通路案内リブ433より第1球通路410側に突出する第1緩衝リブ434と(図73参照)、この第1緩衝リブ434を設けた面と対向する後側通路半体422の通路後板部423の前面に第1球通路410を横切るように設けられて、通路後板部423の前面より第1球通路410側に突出する第2緩衝リブ435とが(図68参照)、パチンコ球Wの流通方向にずらして互い違いに配置される(図62または図76参照)。第1緩衝リブ434は、前側通路半体428において第1球通路410の上端に連通する通路流入口430の下方に位置して、該第1球通路410の縦通路部411の中途部位に対応して設けられ、縦通路部411を左右方向に横切っている(図73参照)。第2緩衝リブ435は、後側通路半体422において第1球通路410の縦通路部411の下流端に対応する位置に設けられ、縦通路部411を左右方向に横切っている(図68参照)。このように、第1球通路410では、第2緩衝リブ435が第1緩衝リブ434よりパチンコ球Wの流通方向下流側に配置されている。
前記通路構成部材420には、第1球通路410の横通路部412を画成する壁面からパチンコ球Wの流通方向上流側から下流側に向かうにつれて突出するよう傾斜する流通許容面436aと、突出端から壁面に向けて該流通許容面436aより急な角度で該横通路部412の壁面に対して傾斜する流通規制面436bとを備えた第3緩衝リブ436が設けられている(図67または図73参照)。第3緩衝リブ436は、平面視で三角形状に形成されており、流通規制面436bと横通路部412の壁面とがなす内角が、流通許容面436aと横通路部412の壁面とがなす内角より急になるよう形成されている。ここで、第3緩衝リブ436は、流通許容面436aと横通路部412の壁面とがなす内角が鋭角に設定されるのに対し、流通規制面436bと横通路部412の壁面とがなす内角が直角(実施例)または鈍角に設定されている(図67参照)。
前記第3緩衝リブ436は、第1球通路410の横通路部412における第2緩衝リブ435の下流側に設けられ、第1、第2および第3緩衝リブ434,435,436が、第1球通路410においてパチンコ球Wの流通方向にずらして互い違いの面に配置されている。より具体的には、第3緩衝リブ436は、横通路部412における左右方向中央部の直線的に延在する部位に配置され、横通路部412における縦通路部411の下側に重なる部位や第2球通路416との合流部近傍等の曲がり部分から外して配置される(図73参照)。また、第3緩衝リブ436は、前側通路半体428の後側に設けられて、通路案内リブ433より第1球通路410側に突出するように形成されている(図67参照)。なお、実施例の前側通路半体428では、通路案内リブ433の後端から延長して第3緩衝リブ436が設けられる。
前記第2球通路414に対応して通路構成部材420は、該第2球通路414を横切って第2球通路414側に突出するように後側通路半体422の前側に設けられた第4緩衝リブ437を備えている(図68参照)。第4緩衝リブ437は、第2球通路414から第1球通路410の該第2球通路414への合流部にかけて延在するように設けられ、第2球通路414に流入したパチンコ球Wだけでなく、第1球通路410から第2球通路414に合流するパチンコ球Wも、第4緩衝リブ437を越えて流下するようになっている。より具体的には、第4緩衝リブ437は、第1球通路410の横通路部412の下面を構成する通路横板部424の終端部から第3球通路416の横通路部418の上面を構成する通路横板部424の終端部にかけて延在するよう構成されている。第4緩衝リブ437は、第1球通路410の横通路部412に設けられる第3緩衝リブ436より下流側に設けられ、第1球通路410の前面に設けられる第3緩衝リブ436に対して、第4緩衝リブ437が第2球通路414の後面に設けられている。このように、通路構成部材420では、第1〜第4緩衝リブ434,435,436,437が球通路410,414の前後の面に互い違いに振り分けて配置されている。
前記通路構成部材420には、第3球通路416の横通路部418の壁面からパチンコ球Wの流通方向上流側から下流側に向かうにつれて突出するよう傾斜する流通許容面438aと、突出端から壁面に向けて該流通許容面438aより急な角度で該横通路部418の壁面に対して傾斜する流通規制面438bとを備えた第5緩衝リブ438が設けられている(図68参照)。第5緩衝リブ438は、第1球通路410に設けられた第3緩衝リブ436と第2球通路414を挟んで左右対称な構成であって、平面視で三角形状に形成されており、流通規制面438bと横通路部418の壁面とがなす内角が、流通許容面438aと横通路部418の壁面とがなす内角より急になるよう形成されている(図63参照)。ここで、第5緩衝リブ438は、流通許容面438aと横通路部418の壁面とがなす内角が鋭角に設定されるのに対し、流通規制面438bと横通路部418の壁面とがなす内角が直角(実施例)または鈍角に設定されている。第5緩衝リブ438は、第3球通路416の横通路部418における左右方向中央部の直線的に延在する部位に配置され、横通路部418における縦通路部415の下側に重なる部位や第2球通路414との合流部近傍等の曲がり部分から外して配置される。また、第5緩衝リブ438は、後側通路半体422の前面に設けられている。
前記通路構成部材420は、第1球通路410および第2球通路414における通路流入口430に臨む部位の下側の夫々および通路放出口421の下側(球通路410,414,416の流下終端部)に普通入賞センサ401を挿脱可能に保持するセンサ保持部440が設けられている(図59,図61,図65,図69または図71参照)。センサ保持部440は、後側通路半体422の通路後板部423に、普通入賞センサ401の外形に合わせて開設されたセンサ通口423aと、通路後板部423の後面におけるセンサ通口423aの一側部に後方へ延出形成され、センサ通口423aの後側に突出する普通入賞センサ401の側部を保持するセンサ保持片441と、通路後板部423の後面におけるセンサ通口423aの他側部に後方へ延出形成され、センサ通口423aの後側に突出する普通入賞センサ401の後面を係止する係止爪を有するセンサ係止片442とから構成されている(図71参照)。センサ係止片442は、センサ通口423aを挟んで対向するセンサ保持片441に対して接離する方向へ弾性変形可能に構成され、センサ通口423aに挿入した普通入賞センサ401に対して係止爪を係脱可能になっている。
前記第1および第2球通路410,414に対応して設けられたセンサ保持部440,440は、照明装置300の架台部344および照明ベース部材302に該センサ保持部440,440に対応して前後に貫通形成されたセンサ挿入口352に(図42,図45,図50参照)、該センサ保持部440,440で保持した普通入賞センサ401,401の後部、センサ保持片441およびセンサ係止片442が収容されている(図76参照)。また、裏ユニット50の下辺部52dには、センサ挿入口352に対応してセンサ開口80が開設されている(図8〜図10参照)。なお、第1および第2球通路410,414に対応する普通入賞センサ401用のセンサ開口80,80は、左側の基板設置部60の基板支え片60aの内側に設けられ、該基板設置部60に取り付けられる中継基板38によってセンサ開口80,80が隠されるようになっている。前述の如く中継基板38は、基板設置部60に対して工具を用いることなく簡単に着脱できるので、中継基板38を取り外せば、センサ開口80を介してセンサ保持部440に対して普通入賞センサ401を簡単に着脱することができる。
前記球通路410,414,416の流下終端部に設けられるセンサ保持部440は、裏ユニット50の下部に位置して後側に露出するよう設けられ(図8〜図10参照)、裏ユニット50の後側から該センサ保持部440に対して普通入賞センサ401を挿脱可能に構成される。このように、通常のパチンコ機10の使用状態において、普通入賞センサ401が設置される通路放出口421の下側に位置するセンサ保持部は440、裏ユニット50の後側に露出するように設けられているので、該センサ保持部440に対して普通入賞センサ401を着脱し易く、メンテナンスを行い易い。普通入賞センサ401は、矩形板状の本体部の前部に厚み方向に貫通形成された球通過口を備え、この球通過口を球通路410,414,416に整合させてセンサ保持部440に保持される。そして、普通入賞センサ401は、パチンコ球Wが球通過口を通過することで、パチンコ球Wを検知するようになっている。
左側の普通入賞口406に入賞したパチンコ球Wは、普通入賞部405を介して第1球通路410に案内される。第1球通路410における縦通路部411の上端に前側から流入したパチンコ球Wは、縦通路部411の後面に跳ね返って前方に移動し、該第1球通路410の縦通路部411の前面に設けられた第1緩衝リブ434にぶつかって流下スピードが落ちる。パチンコ球Wは、第1緩衝リブ434にぶつかることで後方に移動するが、第1緩衝リブ434の下流側に位置して第1球通路410の縦通路部411の後面に設けられた第2緩衝リブ435にぶつかって流下スピードが落ちる。また、パチンコ球Wは、第2緩衝リブ435にぶつかることで前方に移動するが、第2緩衝リブ435の下流側に位置して第1球通路410の横通路部412の前面に設けられた第3緩衝リブ436にぶつかって流下スピードが落ちる。ここで、第3緩衝リブ436は、流通方向上流側に臨む流通許容面436aが第1球通路410の横通路部412の上流側から下流側に向かうつれて次第に突出する傾斜面となっているので、パチンコ球Wにぶつかるものの、パチンコ球Wを止めることはない。そして、パチンコ球Wは、第1球通路410から第2球通路414に合流すると、第2球通路414の後面に延在している第4緩衝リブ437にぶつかって流下スピードが落ちる。このように、左側の普通入賞口406に入賞したパチンコ球Wは、該普通入賞口406と普通入賞センサ401との落差が大きいので流下スピードが上がり易いが、第1〜第4緩衝リブ434,435,436, 437によって、 流下スピードが充分落ちた状態で通路放出口421を通って該通路放出口421の下に設置された普通入賞センサ401で検知される。
中央の普通入賞口406に入賞したパチンコ球Wは、普通入賞部405を介して第2球通路414に案内される。第2球通路414に流入したパチンコ球Wは、該第2球通路414の後面に延在している第4緩衝リブ437にぶつかって流下スピードが落とされる。右側の普通入賞口406に入賞したパチンコ球Wは、普通入賞部405を介して第3球通路416に案内される。第3球通路416に流入したパチンコ球Wは、該第3球通路416の後面に延在している第5緩衝リブ438にぶつかって流下スピードが落とされる。ここで、第5緩衝リブ438は、流通方向上流側に臨む流通許容面438aが第3球通路416の横通路部418の上流側から下流側に向かうつれて次第に突出する傾斜面となっているので、パチンコ球Wにぶつかるものの、パチンコ球Wを止めることはない。中央および右側の普通入賞口406,406は、左側の普通入賞口406と比べて下側に設けられ、普通入賞センサ401との落差が小さいので、第4および第5緩衝リブ437,438で充分に流下スピードを落とすことができる。
このように、通路構成部材420には、第1球通路410において第1〜第3緩衝リブ434,435,436が流通方向にずらして互い違いの面に設けられているので、緩衝リブ434,435により該緩衝リブ434,435と反対側に弾かれたパチンコ球Wが、反対側に設けられた下流側の緩衝リブ435,436に当たるから、これらの緩衝リブ434,435,436によってパチンコ球Wの流下スピードを適切に落とすことができる。従って、普通入賞センサ401でのパチンコ球Wの検知不良をより確実に回避できる。特に、普通入賞センサ401として、球通過口に突出するスイッチ片が該球通過口を通過するパチンコ球Wによって往復動することでパチンコ球Wを検知する機械式センサを用いる場合は、パチンコ球Wの流下スピードが速いとチャタリングを起こす可能性がある。実施例では、緩衝リブ434,435,436,437,438によって普通入賞センサ401に到来する前にパチンコ球Wの流下スピードが充分に落ちているので、普通入賞センサ401として機械式センサを用いてもチャタリングを回避して、パチンコ球Wを正確に検知し得る。
前記通路構成部材420では、第1球通路410の横通路部412の流下終端と第3球通路416の横通路部418の流下終端とが、第2球通路414を挟んで向かいあって配置されているので、第1球通路410の横通路部412の流下終端から放出されたパチンコ球Wが、第3球通路416の横通路部418に侵入するおそれがある。同様に、第3球通路416の横通路部418の流下終端から放出されたパチンコ球Wが、第1球通路410の横通路部412に侵入するおそれがある。また、第2球通路414を流下するパチンコ球Wについても先行するパチンコ球Wに弾かれる等によって、合流部から第1球通路410の横通路部412や第3球通路416の横通路部418に侵入するおそれがある。通路構成部材420には、第1球通路410の横通路部412に第3緩衝リブ436が設けられると共に、第3球通路416の横通路部418に第5緩衝リブ438が設けられ、これらの緩衝リブ436,438の流通方向下流側に臨む流通規制面436b,438bが、横通路部412,418の壁面から急な角度で立ち上がっているので、該流通規制面436b,438bによって横通路部412,418でのパチンコ球Wの逆流を阻むことができる。すなわち、第3および第5緩衝リブ436,438によって球通路410,414,416を流下したパチンコ球Wが、合流点で接続する他の球通路410,414,416に侵入することを防止できるので、球通路410,414,416でのパチンコ球Wの流下不良や普通入賞センサ401でのパチンコ球Wの誤検知等を回避できる。
(左側普通入賞装置の発光構造)
次に、左側普通入賞装置400の発光構造について説明する。左側普通入賞装置400は、発光構造として、透明な通路構成部材420の後側と設置板部52との間に設けられ、発光体としてのLED445を該通路構成部材420に画成される球通路410,414,416に対応して前面に実装した通路発光基板(発光基板)444と(図41または図50参照)、盤本体42に開設された下部飾り貫通口42cに嵌め合わせて取り付けられる下部飾り部材402に設けられ、光を透過可能な通路透過部(透過部)407とを備えている(図56または図57参照)。通路透過部407は、通路発光基板444のLED445の前側に対応して下部飾り部材402に設けられる(図76参照)。
前記通路発光基板444は、第1球通路410の縦通路部411における左側の通路横板部424側に偏倚して配置されたLED445と、第1球通路410の縦通路部411における右側の通路横板部424の延長線下側で、第1球通路410の横通路部412における上側の通路横板部424側に偏倚して配置されたLED445とを前面に備えている。また、通路発光基板444は、第2球通路414の縦通路部415における左側の通路横板部424の延長線下側で、第1球通路410の横通路部412における上側の通路横板部424側に偏倚して配置されたLED445と、第2球通路414の縦通路部415における右側の通路横板部424の延長線下側で、第3球通路416の横通路部418における上側の通路横板部424側に偏倚して配置されたLED445とを前面に備えている。下部飾り部材402には、普通入賞部405の下側に4箇所の通路透過部407が設けられている(図41または図50参照)。
前記通路構成部材420は、球通路410,414,416側に突出すると共にパチンコ球Wの流通方向に延在するよう形成された複数の通路案内リブ433,433を備えている(図63または図73参照)。パチンコ球Wを案内する通路案内リブ433,433は、並列に設けられて、LED445の前側に配置されている。これにより、球通路410,414,416においてパチンコ球Wを案内する通路案内リブ433,433による凹凸が光拡散構造として機能するので、LED445から照射した光が拡散されて通路透過部407を全体的に発光させることができる。
このように、左側普通入賞装置400は、球通路410,414,416の後側に配置した通路発光基板444のLED445から光を前方へ照射することで、透明な通路構成部材420を介して下部飾り部材402の通路透過部407が発光される(図76参照)。また、通路発光基板444が通路構成部材420の後側に設置され、該通路発光基板444によって球通路410,414,416が隠されていないので、後ろからLED445で球通路410,414,416を照らすことで、下部飾り部材402の通路透過部407を介してパチンコ球Wが球通路410,414,416を流下する様を判別できるので、普通入賞口406からパチンコ球Wが入賞した後も左側普通入賞装置400に遊技者の注意を惹くことができる。通路構成部材420の前側には、下部飾り部材402が配置されているが、実施例の遊技盤40は透明な盤本体42を採用しているので、遊技者が該遊技盤40の下部領域に配設された通路構成部材420を斜め上側から見ることになり、通路構成部材420を透明な盤本体42を介して通路構成部材420の上側が視認可能になっている。ここで、通路構成部材420は、視認可能な通路構成部材420の外周面上部に光拡散部431aが設けられているので、LED445から照射した光を適当に拡散して好適に発光演出することができる。すなわち、通路構成部材420自体が飾りとして機能すると共に、下部飾り部材402に設けた普通入賞口406の周りを好適に発光演出できる。
(右側普通入賞装置)
特別入賞口74aの右側に位置する普通入賞装置(特に区別する場合は、右側普通入賞装置という。)450は、普通入賞口452が表示枠体100(第4の枠体飾り部120D)と一体的に設けられている(図18または図24参照)。実施例では、バスケット型の普通入賞口452が表示枠体100の第4の枠体飾り部120Dに設けられている(図24参照)。右側普通入賞装置450は、遊技領域40aから普通入賞口452に入賞したパチンコ球Wが表示貫通口42aを介して盤本体42の後側に案内され、裏ユニット50に設けられたセンサ保持部454に保持された普通入賞センサ401によって検知されるようになってる(図8〜図10参照)。右側普通入賞装置450のセンサ保持部454は、裏ユニット50の後側に露出するよう設けられ、裏ユニット50の後側から該センサ保持部454に対して普通入賞センサ401が挿脱可能に構成される。なお、右側普通入賞装置450のセンサ保持部454の構成は、前述した左側普通入賞装置400のセンサ保持部440と同様である。
(表示器)
前記裏ユニット50には、下辺部左前側に設けられた表示器設置部(設置部)448に、パチンコ機10の現在の遊技状態を表示する表示器460が設置されている(図14または図16参照)。遊技盤40は、裏ユニット50を盤本体42に取り付けた際に、表示器460が盤本体42に開設された表示器貫通口(開口部)42dを介して遊技領域40aの左下部に臨むと共に、該表示器460が遊技領域40aの一部をなすように構成されている(図5または図6参照)。表示器貫通口42dは、下部飾り部材402が嵌る下部飾り貫通口42cの左斜め上側に位置して、表示器460の外形に合わせた形状で前後に貫通するように盤本体42に形成されている。そして、遊技盤40では、表示器460が表示器貫通口42dの後側から挿入されて該表示器貫通口42dを塞ぐように表示器設置部448で支持されており、左側普通入賞装置400の普通入賞口406の左斜め上側に配置されている。表示器460は、前面が盤本体42の前面と揃えてまたは前後に僅かにずらして位置(実施例)するように配置され(図147参照)、盤本体42との間でパチンコ球Wをやり取りして前側をパチンコ球Wが流下可能に構成される。なお、表示器460は、盤本体42の前面からずらす場合に、そのずれ量をパチンコ球Wの半径より小さく設定するとよい。また、表示器460は、遊技領域40aを構成する前面が平滑な表示器カバー部(カバー部)462で構成され、前面を構成する表示器カバー部462によって、該表示器カバー部462の後側に配置される後述する表示手段465,466,467,468,469(図17参照)を保護している。
前記盤本体42には、該盤本体42の前面から前側に突出してパチンコ球Wの流下を阻む遊技部品が、表示器貫通口42dの上側に設けられている(図5参照)。実施例の盤本体42では、遊技部品の1つある遊技釘43が、パチンコ球Wが通過不能な間隔で並べて表示器貫通口42dに嵌り込んだ表示器460の上側に庇状に延在するように複数設けられている。すなわち、遊技盤40では、表示器460が遊技領域40aの一部を構成しているが、表示器460の上側に設置された複数の遊技釘43により表示器460の前側にパチンコ球Wが流下し難くなっている。従って、表示器460がパチンコ球Wによって見え難くなることを回避できる。
前記表示器460は、特別表示部465、ラウンド回数表示部466、普通表示部467、特別保留表示部468および普通保留表示部469等の表示手段が、一枚の表示器基板464にまとめて設置されている(図66参照)。これら表示手段465,466,467,468,469は、表示器基板464の後面に設けられたソケット464aに一端が接続された表示器用配線(配線)H8および中継基板38を介して主制御装置32に電気的に接続されている。表示手段465,466,467,468,469は、夫々が少なくとも1個以上の発光体としてのLEDを備えており、主制御装置32による各LEDの点灯制御により所定の状態を表示し得るようになっている。
前記特別表示部465は、始動入賞装置70の始動入賞口70a,70bにパチンコ球Wが入賞することを契機として主制御装置32において実行される特別図柄の抽選結果を、複数の表示パターンにて表示するためのものである。実施例の特別表示部465は、7個のLEDを8の字状に配置したブロック状の7セグメントで構成されている(図17または図66参照)。表示器460は、上側の始動入賞口70aへのパチンコ球Wの入賞を契機として図柄変動を開始すると共に結果を表示する第1特別表示部465と、下側の始動入賞口70bへのパチンコ球Wの入賞を契機として図柄変動を開始すると共に結果を表示する第2特別表示部465とを左右並列に備えている。表示器460では、2つの特別表示部465,465が表示器基板464において左右に並べて配置されている。なお、実施例の表示器460では、第1特別表示部465が右側に配置され、第2特別表示部465が左側に配置されている。各特別表示部465,465は、セグメントに対応したLEDを個別に点灯制御することで、点灯したLEDの組合わせにより複数の表示パターンを発現し得るようになっている。
前記ラウンド回数表示部466は、前述した主制御装置32における特別図柄の抽選結果により特定遊技状態が成立した場合に、成立した該特定遊技状態に対応する上限ラウンド回数を、遊技者に報知するためのものである(図17または図66参照)。実施例のパチンコ機10は、上限ラウンド回数を2回に設定した第1特定遊技状態、上限ラウンド回数を15回に設定した第2特定遊技状態、そして上限ラウンド回数を16回に設定した第3特定遊技状態との、合計3種類の特定遊技状態を発現するように設計されている。従って、ラウンド回数表示部466は、3種類の各特定遊技状態に夫々対応する3個のラウンド回数表示部により構成される。そして、表示器460は、主制御装置32により個別に点灯制御され、主制御装置32における抽選結果として第1特定遊技状態が成立した場合には第1ラウンド回数表示部466のLEDが点灯し、第2特定遊技状態が成立した場合には第2ラウンド回数表示部466のLEDが点灯し、第3特定遊技状態が成立した場合には第3ラウンド回数表示部466のLEDが点灯するよう構成されている。
前記普通表示部467は、球通過ゲート798をパチンコ球Wが通過して、ゲートセンサ799での検知信号が主制御装置32に入力された際に、該主制御装置32において実行される始動入賞装置70の羽根部材71の開閉動作有無の抽選結果を表示するものである。表示器460には、普通表示部467,467が2つ設けられている(図17または図66参照)。表示器460は、第1普通表示部467のLEDおよび第2普通表示部467のLEDが、所要の点滅時間に亘って交互に点滅するよう点灯制御された後、主制御装置32における抽選結果が「開閉動作あり」の場合には、第1普通表示部467のLEDが点灯した状態で停止し、始動入賞装置70に設けた羽根部材71が所定時間および所定回数だけ開放制御される。また、主制御装置32における抽選結果が「開閉動作なし」の場合には、第2普通表示部467のLEDが点灯した状態で停止し、羽根部材71の開放制御は行われない。
前記表示器460は、始動入賞装置70における上側の始動入賞口70aに入賞したパチンコ球(入賞球)Wの保留個数を表示する2つの第1特別保留表示部468,468と、始動入賞装置70における下側の始動入賞口70bに入賞したパチンコ球(入賞球)Wの保留個数を表示する2つの第2特別保留表示部468,468を備えている(図17または図66参照)。各特別保留表示部468は、夫々LEDを有し、LEDが個別に点灯または点滅制御されることで4個の保留個数まで表示可能となっている。また、表示器460は、球通過ゲート798を通過したパチンコ球(通過球)Wの保留個数を表示するための普通保留表示部469,469を2つ備え(図17または図66参照)、夫々の普通保留表示部469,469に対応するLEDが個別に点灯または点滅制御されることで4個の保留個数まで表示可能となっている。
前記特別保留表示部468および普通保留表示部469におけるLEDによる保留個数の表示態様として、実施例では2つの保留表示部468,469のLEDの組み合わせで行っている。すなわち、保留個数の1個の場合は、一方の保留表示部468,469のLEDが点灯、他方の保留表示部468,469のLEDが消灯、保留個数の2個の場合は、一方のLEDが点灯、他方のLEDが点灯、保留個数の3個の場合は、一方のLEDが点滅、他方のLEDが点灯、保留個数の4個の場合は、一方のLEDが点滅、他方のLEDが点滅するように設定されている。
前記特別表示部465には、現在のパチンコ機10の状態を表示するためのLEDからなる状態表示部(図示せず)が設けられ、状態表示部におけるLEDの状態によって、該パチンコ機10が変動時間短縮機能の作動中(時短状態中)であるか否か、または復電時(電源投入時)に確率変動機能の作動中であるか否かを表示するよう構成される。実施例では、第1特別表示部465に第1状態表示LED(図示せず)が設けられ、第2特別表示部465に第2状態表示LED(図示せず)が設けられている。そして、パチンコ機10が変動時間短縮状態となっている場合には、第2状態表示LEDが点灯するよう制御され、復電時に確率変動状態となっている場合には、第1状態表示LEDが点灯するよう制御される。
前記「変動時間短縮機能」とは、特定遊技状態の終了後に、(1)主制御装置32により実行される羽根部材71の開閉動作有無の抽選において「開閉動作あり」の条件が成立する抽選確率の変化、(2)羽根部材71の開閉動作パターンの変化、(3)第1および第2普通表示部467,467のLEDの点滅時間の変化、の何れかまたはこれらを組み合わせて付与する機能である。また、前記「確率変動機能」とは、特定遊技状態が終了した後に、主制御装置32における抽選の確率(特別表示部465における大当りの当選確率)を、低確率(通常状態)から高確率(確率変動状態)に変動させる機能である。
前記表示器460は、前述した表示器基板464と、この表示器基板464の周りを囲み、該表示器460の外周面を構成する表示器外郭部470と、この表示器外郭部470の前後に貫通する開口に嵌め合わせて表示器基板464の前側に設けられた表示器仕切部472と、この表示器仕切部472の前側を覆う表示器カバー部462とを備えている(図66または図67参照)。表示器460は、表示器外郭部470および表示器カバー部462によって外郭が構成されて、表示器外郭部470を表示器設置部448に固定して設置される(図64参照)。表示器460は、表示器設置部448から前方に突出する表示器外郭部470が表示器貫通口42dに対して後側から嵌るようになっている(図147参照)。なお、表示器外郭部470には、透明な盤本体42を介して視認可能な表示器460の周りの領域を装飾する飾り部分も一体形成されている(図14または図16参照)。
前記表示器仕切部472は、表示器基板464の前面に設けられた表示手段465,466,467,468,469の夫々に対応して前後に貫通形成された表示手段開口473を備えている(図66または図67参照)。表示器460は、表示手段465,466,467,468,469を構成するLEDおよび7セグメントの前側に位置する表示手段開口473を介してLEDの点滅および7セグメントの表示が視認可能になっている。また、表示器460は、表示器外郭部470および表示器仕切部472が光を透過不能に構成される。このように、表示器460では、LEDおよび7セグメントが表示器仕切部472の表示手段開口473に個々に収容されることで、表示手段465,466,467,468,469同士の光を明確に区分でき、各表示手段465,466,467,468,469の表示を見易くすることができる。表示器カバー部462は、光を透過可能な透明部材であって、遊技領域40aを構成する前面が平滑に形成されている。なお、表示器460には、表示器仕切部472と表示器カバー部462との間に、透明な表示器補助カバー部474が設置されている。
(表示器設置部)
前記表示器460は、盤本体42ではなく、裏ユニット50側に設けられた表示器設置部448に設けられ、該表示器460の表示器基板464に接続する表示器用配線も含めて盤本体42と独立して取り扱い可能になっている。表示器設置部448は、裏ユニット50の下辺部52d左側に設置板部52の前面より前方に設けられ、盤本体42の後面と平行に延在する面を形成している。実施例では、表示器設置部448が通路構成部材420の前側通路半体428に一体的に形成されている(図58または図72参照)。ここで、前側通路半体428には、後側通路半体422との間で球通路410,414,416を画成する部分の左上側に延出して表示器設置部448が設けられている。表示器設置部448には、表示器基板464の後面に設けられたソケット464aの後側に対応して表示器配線通口448aが開設され、この表示器配線通口448aからソケット464aが後側に突出している(図65参照)。
前記表示器基板464のソケット464aに接続する表示器用配線H8は、裏ユニット50の設置板部52の前側を通り、裏ユニット50の設置板部52の左下角部(表示器基板464のソケット464aの下側)に開設された下部配線開口86を介して裏ユニット50の後側に取り出されて、左側の基板設置部60に取り付けた左側の中継基板38に接続されている。表示器用配線H8は、裏ユニット50の後面における下部配線開口86の上側に一体的に設けられ、左側方に開放する鉤状に形成された配線フック68と、左側の基板設置部60と図柄表示装置13の取り付け領域との間の隙間に位置して裏ユニット50に一体的に設けられ、上方に開放する鉤状に形成された配線フック68とによって、表示器用配線H8が裏ユニット50の後側において保持されている(図9参照)。
前記表示器460は、裏ユニット50に設けた表示器設置部448に配設され、該表示器460の表示器基板464に接続する表示器用配線H8が、裏ユニット50の下部配線開口86を介して裏ユニット50の後側に引き出されている。すなわち、遊技盤40は、盤本体42の後側に裏ユニット50を取り付ける際に、表示器460に接続する表示器用配線H8を裏ユニット50の後側に引き出しておけば、該表示器用配線H8が盤本体42との間で挟み込むのを注意する必要がなく、盤本体42と裏ユニット50との取り付け作業を行い易い。
前記表示器460には、前述したように特別表示部465、ラウンド回数表示部466、普通表示部467、特別保留表示部468および普通保留表示部469等の複数の表示手段が一枚の表示器基板464に纏めて設置され、これら表示手段465,466,467,468,469に接続するソケット464aが1つに纏められている。従って、表示手段465,466,467,468,469に接続する表示器用配線H8を纏めて取り扱うことができ、配線処理を簡略化することができる。しかも、表示器用配線H8は、左側の基板設置部60と図柄表示装置13の取り付け領域との間に配設されるが、配線フック68で保持されているので、裏ユニット50の後側に図柄表示装置13を取り付ける際に、表示器用配線H8が図柄表示装置13との間で挟み込まれるのを防止することができる。
前記表示器460は、表示器貫通口42dを介して盤本体42の前側に臨んでいるので、盤本体42の後側に配設するよりも見易い。また、表示器460は、遊技領域40aの内側に位置しているので、遊技領域40aの外側に設置する場合と比べて、遊技領域40aの内側にある図柄表示装置13の表示部13aや始動入賞口70a,70b等の遊技者が注視する部分から視線の変化を最小限に抑えることができるから、遊技者が首を動かすことなく表示器460を視認できる。従って、表示器460が見易くなり、遊技者がパチンコ機10の状態を的確に把握できる。
(不正防止手段)
前記遊技盤40は、非接触型の不正手段による電磁気または電磁波を検出する不正防止手段としての不正検出センサ(検出センサ)360を備えている(図77または図78参照)。ここで、非接触型の不正手段とは、電気、磁気、電波、赤外線または音波等を発するものであって、制御装置またはセンサ等の遊技状態の変動に関する機器、またはパチンコ球Wや始動入賞装置70の羽根部材71等の動きに直接触れることなく影響を与えるものを指す。例えば、非接触型の不正手段としては、始動入賞口70a,70bの周りでパチンコ球Wを滞留させることで、始動入賞口70a,70bへの入賞確率を不正に向上させる磁石が挙げられる。実施例では、磁石による不正行為を防止するために不正検出センサ360として、磁気センサが遊技盤40に設けられている。
前記遊技盤40には、始動入賞口70a,70bを左右に挟んで一対の不正検出センサ360,260が設けられている(図7参照)。右側の不正検出センサ360は、右側の普通入賞口452の上側に配置され、左側の不正検出センサ360は、左側最下段の普通入賞口406の上側に配置されている。ここで、各不正検出センサ360は、裏ユニット50に設けられた対応のセンサホルダ362に着脱自在に取り付けられ、前側から視認不能になっている。実施例では、センサホルダ362が裏ユニット50の下辺部52dに設置される照明装置300に設けられている。
(不正検出センサ)
前記不正検出センサ360は、長方形棒状の外郭形状に形成されたケーシングと(図54または図55参照)、このケーシングの内部に該ケーシングの長手方向に沿って延在する一対のリード片とからなるリードスイッチであって、対向配置されたリード片の一部が磁気により接離可能に構成されている。不正検出センサ360は、通常状態において離間している強磁性体からなるリード片が、磁石を近づけることで磁気により互いに接触し、これにより回路が閉ざされるようになっている。不正検出センサ360は、長手方向の一端部にソケットが設けられ、このソケットに接続したセンサ用配線によって中央に位置する中継基板38を介して統括制御装置37に電気的に接続されている。なお、不正検出センサ360は、主制御装置32に繋げてもよい。
(センサホルダ)
前記センサホルダ362は、不正検出センサ360を前後方向に長手を延在させた姿勢で保持するように構成され(図77または図78参照)、盤本体42の後面と長手が直交する姿勢となったケーシングの内部でリード片が前後方向に延在している。なお、左右の不正検出センサ360の構成は同一であり、左右のセンサホルダ362の構成は同一であるので、一方のみ以下説明する。センサホルダ362は、照明周飾部348における特殊照明透光部346Aを囲う部位に設けられ、不正検出センサ360の前部を保持する前部ホルダ(保持部)364と(図55参照)、照明ベース部材302に設けられ、該照明ベース部材302および架台部344に貫通形成されたホルダ通口366を介して突出する不正検出センサ360の後部を保持する後部ホルダ(係合片)368(図42,図51または図55参照)とから基本的に構成される。
前記前部ホルダ364は、前方が閉塞して後方に開口する袋孔形状で照明周飾部348に形成され、前側が挿入された不正検出センサ360を前後方向に長手を延在させた姿勢で保持するよう構成される(図77または図78参照)。なお、右側の前部ホルダ364は、照明周飾部348における特殊照明透光部346Aを囲う部位の右下側に設けられ、左側の前部ホルダ364は、照明周飾部348における特殊照明透光部346Aを囲う部位の左下側に設けられる(図14または図16参照)。前部ホルダ364およびホルダ開口366は、不正検出センサ360のケーシングの短手断面と整合するように形成されており、これらの開口が前後の関係で整合している。そして、ホルダ開口366を介して後側から挿入された不正検出センサ360は、前部ホルダ364で前部が保持されて上下左右方向に位置規制される。また、前部ホルダ364は、前端が盤本体42の後面に近接しており、センサホルダ362に保持された不正検出センサ360の前端が盤本体42の後面近傍で保持されている(図77または図78参照)。
前記後部ホルダ368は、照明ベース部材302に貫通形成されたホルダ開口366の下縁に設けられている(図42または図50参照)。後部ホルダ368は、照明ベース部材302の後面から後方へ突出形成され、不正検出センサ360の後端部に引っ掛かる係合爪を後端に備えている。後部ホルダ368は、上下方向に弾性変形可能に構成され、係合爪が不正検出センサ360の後端部に係合することで、不正検出センサ360の後方への移動を規制し、下方(不正検出センサ360から退避する側)へ撓曲することで、不正検出センサ360の挿脱を許容する構成される。
前記裏ユニット50は、設置板部52においてセンサホルダ362,362に対応する部位の夫々に開口するように形成されたアクセス開口(アクセス口)81,81を備えている(図8〜図10参照)。すなわち、裏ユニット50は、前部ホルダ364の後方に開放した開口、後部ホルダ368に重なるようにアクセス開口81が位置し、このアクセス開口81を介して後部ホルダ368の不正検出センサ360との係合解除および前部ホルダ364に対する不正検出センサ360の挿脱が許容される。右側のアクセス開口81は、中央の基板設置部60と右側の基板設置部60との間に設けられ、左側のアクセス開口81は、中央の基板設置部60と左側の基板設置部60との間に設けられている。なお、右側のアクセス開口81は、右側の基板設置部60に取り付けた右側の中継基板38の前側に一部重なるが、左側のアクセス開口81は、左側の基板設置部60に取り付けた左側の中継基板38の前側から外れており、遊技盤40の後方に露出している。
前記センサホルダ362に保持された不正検出センサ360は、後端部がアクセス開口81から裏ユニット50の後方へ突出するよう構成される(図77参照)。不正検出センサ360は、前部ホルダ364(照明ベース部材302のホルダ開口366)から後方に突出する後端部に設けられたソケットにセンサ用配線(図示せず)が接続されており、実施例では、センサ用配線が中央の中継基板38に接続されている。また、後部ホルダ368についても、アクセス開口81から裏ユニット50の後方へ突出するよう構成される。
前記左右の不正検出センサ360,360の検出可能範囲は、何れも始動入賞装置70における上下の始動入賞口70a,70b、特別入賞装置74の特別入賞口74aに及ぶように設定されている。また、右側の不正検出センサ360の検出可能範囲は、右側の普通入賞口452にも及び、左側の不正検出センサ360の検出範囲は、左側に並ぶ3つの普通入賞口406,406,406に及ぶように設定されている。左右の不正検出センサ360,360は、統括制御装置37に電気的に接続され、不正検出センサ360,360が磁気を検出した際には、統括制御装置37の制御下にランプやスピーカ33等を用いた異常報知が行われるよう構成される。
前記表示器460による図柄変動ゲームを開始させる契機となる始動入賞装置70の始動入賞口70a,70bは、不正行為を意図している不正遊技者が磁石を用いた不正行為で狙われ易い部位である。この不正行為としては、前枠14のガラス窓14aに近づけた磁石でパチンコ球Wを吸着して、上側の始動入賞口70aや開放状態となった下側の始動入賞口70bに直にパチンコ球Wを入賞させる行為や、遊技領域40aに植設されている遊技釘43により形成される所定の誘導路に磁石でパチンコ球Wを集めてわざと詰まらせることで、始動入賞口70a,70bへ向けてパチンコ球Wを高確率で流下させるようにする行為等が挙げられる。
前記遊技盤40には、盤本体42の後側における始動入賞口70a,70bの左右両側に不正検出センサ360,360が配設され(図7参照)、しかも不正検出センサ360,360の磁気検出可能範囲が、遊技領域40aにおける上下の始動入賞口70a,70b、特別入賞口74aおよび普通入賞口406,452の近傍においてパチンコ球Wをわざと詰まらせる対象となる領域に及んでいる。従って、上下の始動入賞口70a,70b、特別入賞口74aおよび普通入賞口406,452の近傍の前側に臨むガラス窓14aに磁石が近づけられたときには、該磁石の磁気を不正検出センサ360,360で検出して不正行為が行われていることを発見することができる。そして、不正検出センサ360が磁気を検出した場合は、統括制御装置37の制御下に異常報知が行われ、不正行為を防ぐことができる。このように、パチンコ機10は、始動入賞口70a,70bへのパチンコ球Wの誘導確率を不正に上げるための行為だけではなく、特別入賞口74aにも及ぶように設定されているから、「大当り」の発生時において特別入賞口74aが開放された際に、パチンコ球Wを磁石を用いて不正入賞させる行為および磁石を用いて左右の普通入賞口406,452に直にパチンコ球Wを入賞させることで、賞球を不正に稼ぐ行為等の何れをも検出することができる。すなわち、実施例のパチンコ機10は、上下の始動入賞口70a,70b、特別入賞口74aおよび普通入賞口406,452を直接的に狙う不正行為を検出することができる。
このように、前記遊技盤40は、裏ユニット50の後側からアクセス開口81を介して不正検出センサ360を保持する後部ホルダ368および不正検出センサ360にアクセスすることができるので、裏ユニット50を盤本体42から取り外すことなく、不正検出センサ360を着脱できる。また、センサホルダ362は、不正検出センサ360の後端部がアクセス開口81から後方に突出するように保持しているので、裏ユニット50の後側から不正検出センサ360を着脱し易い。更に、センサホルダ362は、不正検出センサ360の後方への抜け止めを行っている後部ホルダ368がアクセス開口81から後方に突出するように構成されているので、裏ユニット50の後側から後部ホルダ368を操作し易い。従って、不正検出センサ360の取り付けおよび取り外しを行い易く、不正検出センサ360のメンテナンス性に非常に優れている。しかも、センサホルダ362は、不正検出センサ360の後端部に設けられるソケットをアクセス開口81から突出するように保持しているので、ソケットに対してセンサ用配線を接続し易く、またセンサ用配線の取り回しを行い易い。
(第1可動演出装置について)
次に、第1可動演出装置(可動演出装置)500について、以下説明を行う。第1可動演出装置500は、所定条件が成立すると可動演出を行うものであって、左右方向に往復移動する一対の可動体501,501を備えた可動体装置502と、該可動体装置502の前側において上下方向に往復移動する可動部材(支持部材)503および作動体504を備えた可動部材装置505とから基本的に構成されている。そして、図11,図16に示すように、第1可動演出装置500は、裏ユニット50における設置板部52の上辺部52aの前面に配設されて、遊技盤設置部94が設けられる端縁と前記表示開口53の上縁辺との間に位置している。
(可動体装置について)
前記可動体装置502は、第1可動演出装置500において後方側に位置し、裏ユニット50の上辺部52aと盤本体42の後面との間の上部スペース506に設置されるものである(図6参照)。図79,図80に示すように、可動体装置502は、第1用ケース体(ケース体)507と、該第1用ケース体507に配設される一対の可動体501,501と、該可動体501,501を移動させる第1用可動体モータ(モータ,第2の駆動手段)508と、該可動体501から導出する配線501aが中継接続される可動体用中継基板(中継基板)509と、第1用ケース体507の前側に配設されるベース板金(ベース体)510と、該第1用ケース体507を前側から覆う第1用可動体装飾部材730とから基本的に構成される。
(第1用ケース体について)
図81,図82に示すように、前記第1用ケース体507は、左右方向に長い矩形板状に形成され、裏ユニット50における上辺部52aに取付けられるようになっている。第1用ケース体507は、該第1用ケース体507の前側に形成され、可動体501,501を収容する一対の可動体収容部511,511と、該第1用ケース体507の後側に形成され、可動体用中継基板509を収容する基板収容部512とを備えている。
前記一対の可動体収容部511,511は、第1用ケース体507の左右方向の中央部(以下、ケース体中央部という)を挟んで左右に離間して形成されている。各可動体収容部511は、前方に臨む可動体対向面部513と、該可動体対向面部513の縁部から前方に突出する前方壁部514とから前側に開放するよう形成されており、可動体501が可動体対向面部513の前側に左右方向(可動部材503の移動方向に交差する方向)に往復移動自在に取付けられるようになっている。左右の可動体対向面部513,513の間には、基板収容部512の上方に位置して、前方に臨むラック部対向面部515が両可動体対向面部513,513に連設されている。各可動体対向面部513には、前後方向に開放する第1用可動体長溝部(長溝部)516が左右方向(両可動体501,501の離間方向)に延在するよう形成されている。また、可動体対向面部513の後面には、各第1用可動体長溝部516に対応して左右方向に延在する嵌合凹部517,517が凹設されている。各可動体収容部511におけるケース体中央部側の前方壁部514には、左右方向に開放するラック部挿通孔518が形成されている。また、各可動体収容部511における下側の前方壁部514には、上下方向に開放する前方壁部通孔部(通孔部)519が形成されると共に、各可動体収容部511における外側(ケース体中央部から離間する側)の前方壁部514に、前方壁部ボス受け部514aが凹設されている。
前記基板収容部512は、可動体対向面部513より前方に位置して前方に臨む基板対向面部520と、該基板対向面部520の縁部から後方に突出する後方壁部521とから後方に開放するよう形成される。基板対向面部520は、両可動体対向面部513,513の間でラック部対向面部515の下方に矩形状に形成されており、該基板対向面部520の前面は、前方壁部514の前端部と同一面上に位置している。基板対向面部520には、前後方向に開放する基板対向面部ネジ孔520aが形成されると共に、基板対向面部520の後面には、後方に突出する基板対向面部位置決め突起520b,520bが左右に離間して2つ形成されている。また、左右の後方壁部521には、左右方向に開放する後方壁部通孔部(通孔部)522が夫々形成されると共に、上側の後方壁部521には、上下方向に開放する後方壁部挿通孔523が形成されている。更に、下側の後方壁部521には、前後方向に開放する後方壁部ネジ孔521aが下方に突出して形成されると共に、上下方向に開放するケーブル用挿通部524が後方壁部521の後端部に矩形状に凹設されている。下側の後方壁部521には、左右方向に延在する基板位置決めリブ525が基板対向面部520から後方に僅かに離間して上方に突出するよう形成されている。
ここで、実施例の第1用ケース体507は、左右の可動体収容部511,511が第1用ケース体507の前側に設けられる一方、基板収容部512が両可動体収容部511,511の間で第1用ケース体507に後側に形成されている。すなわち、可動体収容部511,511および基板収容部512は、第1用ケース体507に前後に重なることなく形成されているので、該第1用ケース体507の前後寸法をコンパクトにし得る。従って、盤本体42と裏ユニット50の上辺部52aとの狭小な上部スペース506にも可動体装置502を設置することが可能となり、設置自由度を向上し得る。しかも、両可動体収容部511,511の間のスペースを利用して基板収容部512を設けたので、可動体収容部511,511が並ぶ方向に第1用ケース体507が嵩張るのを防止して、第1用ケース体507をコンパクトにし得る。
前記第1用ケース体507は、一対の案内部用対向面部526,526が、基板収容部512を左右から挟むように形成されている。各案内部用対向面部526は、基板対向面部520より後方に位置しており、案内部用対向面部526におけるケース体中央部側の縁部は、後方壁部521の後端部と連結している。また、案内部用対向面部526の下縁部および外側の縁部には、前方へ突出する案内部用壁部527が形成されている。そして、これら案内部用対向面部526、後方壁部521および案内部用壁部527により、前方に開放する第1用可動体案内部(案内部)528が画成されている。
ここで、案内部用対向面部526の上縁部には、案内部用壁部527が形成されておらず、第1用可動体案内部528の内部空間は、前方壁部通孔部519を介して可動体収容部511の内部空間に連通している。案内部用対向面部526の後面には、後方壁部521に近接して後方に開放する案内部ネジ孔526aが形成されると共に、案内部用対向面部526の後面における上部側に、後方に突出する一対の案内部設置用ネジ孔526b,526bが形成されている。そして、第1用ケース体507は、裏ユニット50の上辺部52aに設けた通孔を介して各案内部設置用ネジ孔526b,にネジを螺挿することで、第1用ケース体507(可動体装置502)が上辺部52aにネジ止めされる。
前記第1用ケース体507は、ラック部対向面部515と、該ラック部対向面部515の上下の縁部から前方に突出するラック部用前方壁部534とから構成された前方に開放するラック部収容部529を備え、該ラック部収容部529に後述するラック部530がスライド自在に収容される。ラック部収容部529は、左右方向に延在すると共に、ラック部収容部529の左右に設けた前記ラック部挿通孔518,518を介して左右の可動体収容部511,511の内部空間と連通している。上側のラック部用前方壁部534には、左右方向の中央部に上方へ突出する円弧状壁部531が形成されている。また、上側のラック部用前方壁部534には、前方に突出すると共に弾性変形可能なラック部用フック532,532が、円弧状壁部531を挟んで2つ形成されている。下側のラック部用前方壁部534の上面は、ラック部530が摺動可能なラック部摺動面533を構成している。また、下側のラック部用前方壁部534の左右の端部側には、前方に開放するラック部収容部ネジ孔534a,534aが一対形成されている。
前記第1用ケース体507の左右の端部側には、基板対向面部520と同一面上に形成された側部対向面部535,536が夫々設けられている。左側の側部対向面部535(以下、左側部対向面部535という)の前面には、第1用可動体案内部528に近接して、左側部対向面部ボス受け部535aが凹設されると共に、後方に開放する左側部対向面部ネジ孔535bが開設された左側部対向面部ボス部535cが前方に突出して形成されている。また、左側部対向面部535の後面に、後方へ突出する左側部対向面部位置決め突起535dが複数形成されている。更に、左側部対向面部535の下縁部から左側部後方壁部537が後方に突出して形成され、該左側部後方壁部537の下面に、前後方向に開放する左側部後方壁部ネジ孔537aが形成されている。
右側の側部対向面部536(以下、右側部対向面部536という)の前面には、右側部対向面部ボス受け部536aが凹設されている。また、右側部対向面部536の下縁部から右側部後方壁部538が後方に突出して形成され、該右側部後方壁部538の下面に、前後方向に開放する右側部後方壁部ネジ孔538aが形成されている。なお、右側部対向面部536の上縁部は前方壁部514の前端部と連結しており、該右側部対向面部536の後側に、左右方向に延在する側部配線案内路539が前方壁部514および右側部後方壁部538により画成されている。また、右側の可動体収容部511における下側の前方壁部514には、右側部対向面部536の後面から離間すると共に側部配線案内路539側へ延出する側部配線フック540が形成されている。
(可動体について)
前記可動体501は、図83,図84に示すように、可動体収容部511に移動自在に配設される可動体基体541と、該可動体基体541の前側に配設される可動体意匠部542と、可動体基体541および可動体意匠部542間に配設される可動体発光装置(発光装置)543とから基本的に構成される。
前記可動体基体541は、略矩形状の薄板部材であって、前後方向に開放する可動体基体通孔部541a,541aが対角線状に2つ形成されている。また、可動体基体541の下縁部近傍には、前後方向に開放する可動体基体位置決め孔541b,541bが左右に離間して2つ開設されている。更に、可動体基体541の周縁部には、前方に突出する可動体基体リブ541cが形成されると共に、可動体基体541の後面に、左右方向に延在する基体取付部544が後方に突出して形成されている。この基体取付部544は、左右方向の延在長さが第1用可動体長溝部516より短く設定されると共に、基体取付部544の上下方向の寸法は、第1用可動体長溝部516の上下方向の開口寸法より小さく設定され、可動体基体541を可動体対向面部513に配設した際に、基体取付部544が第1用可動体長溝部516に臨むよう構成される。基体取付部544は、左右の端部に設けられて後方に開放する一対の基体取付部ネジ孔544a,544aと、後方に突出する複数(実施例では4つ)の基体取付部突起544bとを備えている。図84に示すように、基体取付部突起544bは、左右に所定間隔離間すると共に、互いに上下にズレて配置されている。
前記基体取付部544には、該基体取付部544と略同一長さで左右方向に延在する摺動部材545が取付けられる。摺動部材545の上下方向の寸法は、第1用可動体長溝部516の上下方向の開口寸法より大きく設定されると共に、嵌合凹部517の上下方向の開口寸法より小さく設定され、該摺動部材545は、嵌合凹部517に摺動自在に嵌合するよう構成される。また、摺動部材545の前後方向の厚み寸法は、嵌合凹部517における可動体対向面部513の後面からの深さより小さく設定されており、該摺動部材545が嵌合凹部517に嵌合した際に、該摺動部材545の後面が可動体対向面部513の後面から後方に突出しないよう構成されている(図85参照)。すなわち、摺動部材545が嵌合凹部517から後方に突出して第1用ケース体507が前後に嵩張るのを防止して、第1用ケース体507の前後方向の寸法をコンパクトに維持し得る。摺動部材545には、左右の両端部に形成された前後方向に開放する一対の摺動部材通孔545a,545aと、前後方向に開放する複数の摺動部材位置決め孔545bとを備えている。この摺動部材位置決め孔545bは、基体取付部544に上下方向にズレて配列した基体取付部突起544bに対応的に設けられており、摺動部材545を裏表逆にして基体取付部544に取り付け得ないようになっている。
前記摺動部材545は、第1用可動体長溝部516に基体取付部544を前側から臨ませたもとで、各基体取付部突起544bを対応する摺動部材位置決め孔545bに嵌入されるようになっている。そして、摺動部材通孔545aを基体取付部ネジ孔544aに整合させ、該摺動部材通孔545aを介して基体取付部ネジ孔544aにネジを螺挿することで、摺動部材545が嵌合凹部517に嵌合した状態で基体取付部544にネジ止めされる。このとき、第1用可動体長溝部516の上下の縁部が摺動部材545および可動体基体541の後面で挟持され、該可動体基体541(可動体501)が可動体収容部511から脱落不能となる。
各可動体基体541には、内側の側部(すなわち、左側の可動体基体541では右側部、右側の可動体基体541では左側部)からケース体中央部へ向けて延出する可動体連結片546が夫々形成されている。可動体基体541を可動体収容部511に取付けた状態で、可動体連結片546の開放端側は、ラック部挿通孔518を介してラック部収容部529内に延出するようになっている。可動体連結片546の開放端部の前側には、ケース体中央部側へ向けて開放した連結凹部547が凹設されており、該連結凹部547に前方へ突出する連結突部547aが形成されている(図83の拡大図参照)。
前記可動体基体541の前側に配設される可動体発光装置543は、可動体基体541の外郭形状に略一致する形状に形成された可動体発光基板548と、該発光基板548の前面に実装された複数の可動体発光素子549とから構成され、所定のタイミングで可動体発光素子549が点灯することで、可動体意匠部542を発光させるものである。可動体発光基板548は、可動体基体541の可動体基体通孔部541aに対応する隅部に可動体基板凹部548a,548aが形成されると共に、前後方向に開放する可動体基板位置決め孔548b,548bが左右に離間して一対形成されている。また、可動体発光基板548の前面には、内側(左側の可動体発光基板548については右側、右側の可動体発光基板548については左側)に偏倚して可動体発光コネクタ部548cが設けられ、該コネクタ部548cに配線501aが接続されている。
前記可動体意匠部542は、可動体基体541および可動体発光基板548の外郭形状と略一致する形状に形成された意匠面部550と、該意匠面部550の周縁部から後方に突出する意匠部壁部551とから後方に開放する箱状に形成されている。意匠面部550は、光透過性を有すると共に、前面に目玉に模された模様が付されており、左右の可動体501,501が左右方向に移動することで、目玉が動くような演出を行うものである。意匠面部550の後面には、対角線状に並ぶ2つの意匠面部ボス部550a,550aが後方に突設されると共に、意匠面部550の下部側に左右に離間して2つの意匠面部突起550b,550bが後方に突設されている。そして、可動体基板位置決め孔548bに挿通させた意匠面部突起550bを可動体基体位置決め孔541bに嵌入すると共に、各意匠面部ボス部550aを可動体基板凹部548aを介して可動体基体通孔部541aに整合させ、該通孔部541aを介して意匠面部ボス部550aにネジを螺挿することで、意匠面部550が可動体基体541にネジ止めされる。このとき、可動体発光基板548の周縁部は、意匠部壁部551の後端部と可動体基体リブ541cの前端部とにより挟持固定される。
前記可動体意匠部542における内側の意匠部壁部551(すなわち、左側の可動体意匠部542では右側の意匠部壁部551、右側の可動体意匠部542では左側の意匠部壁部551)には、左右方向に開放する意匠部壁部開口551aが形成され、該意匠部壁部開口551aを介して可動体発光装置543の配線501aが引き出されるようになっている。また、意匠部壁部開口551aが形成された意匠部壁部551には、配線係止部551bが形成され、意匠壁壁部開口551aを介して引き出された配線501aが配線係止部551bに係止される。図86に示すように、配線係止部551bに係止された配線501aは、前方壁部通孔部519を介して第1用可動体案内部528に引き出され、更に後方壁部通孔部522を介して基板対向面部520の後側に引き出される。
前記ラック部収容部529には、左右の可動体501,501を連結するラック部530がスライド自在に配設される。ラック部530は、左右方向に延在する矩形状のラック本体552と、上方に突出した歯が左右方向に複数並んで構成されたラック歯部553と、ラック本体552の左右の両側に夫々設けたラック部連結片554,554とを備えている。ラック本体552は、ラック部収容部529におけるラック部摺動面533上に摺動自在に載置される。また、ラック本体552の左側部には、矩形板状のラック部被検知片555が前方へ突出して形成されている。更に、ラック本体552には、上縁部から下方に凹設したギヤ逃げ凹部556が形成されている。各ラック部連結片554は、可動体基体541の連結凹部547に臨み得る形状に形成されており、該連結凹部547に設けた連結突部547aが挿入可能なラック部連結孔554aが前後方向に開放して各ラック部連結片554に形成されている。そして、ラック部連結孔554aに連結突部547aを後方から挿入することで、ラック本体552の左右両側に可動体基体541,541(可動体501,501)が連結される。
前記ラック部収容部529の前方開口は、モータ取付基板557により閉塞されるようになっている。図87,図88に示すように、モータ取付基板557は、前面に第1用可動体モータ508が取付けられる矩形状の薄板部材であって、上側の左右の隅部に前後方向に開放したフック係合孔558,558がラック部用フック532,532に対応して形成されている。また、モータ取付基板557には、下側の左右の隅部に、前後方向に開放するモータ取付基板通孔557a,557aがラック部収容部ネジ孔534a,534aに対応して形成されている。そして、フック係合孔558に対応のラック部用フック532を挿入して係合させ、ラック部収容部ネジ孔534aに整合したモータ取付基板通孔557aを介して該ラック部収容部ネジ孔534aにネジを螺挿することで、モータ取付基板557がラック部収容部529の前方開口を閉塞した状態で第1用ケース体507にネジ止めされる。
前記モータ取付基板557には、前後方向に開放するモータ取付基板ネジ孔557b,557bが2つ形成されると共に、前後方向に開放する円形のモータ取付基板挿通孔557cが形成されている。また、モータ取付基板557の前面における左側には、前方に突出する複数のモータ取付基板リブ557dにより可動体原位置センサ設置部559が画成されている。可動体原位置センサ設置部559には、前方へ突出するセンサ設置用突起559aが複数形成されると共に、前方に開放するセンサ設置用ネジ孔559bが設けられている。更に、モータ取付基板557には、可動体原位置センサ設置部559からモータ取付基板557の左側縁部まで左右方向に延在する被検知片用長溝560(図88参照)が前後方向に開放して形成されると共に、該被検知片用長溝560を前側から覆うように被検知片用保護部561が前方に突出して形成されている。そして、モータ取付基板557を第1用ケース体507に取付けた状態で、ラック部被検知片555が被検知片用長溝560に後側から挿入し、該被検知片用長溝560を介してラック部被検知片555の左右方向へのスライドが許容されるようになっている。
前記第1用可動体モータ508は、統括制御装置37により駆動制御されて、該第1用可動体モータ508の第1用可動体モータ駆動軸508aを正逆回転されるようになっている。第1用可動体モータ508は、外方に突出させた一対の第1用可動体モータ取付片508b,508bを備え、各第1用可動体モータ取付片508bに第1用可動体モータ通孔508cが前後方向に開放して形成されている。そして、第1用可動体モータ駆動軸508aをモータ取付基板通孔557aに前側から挿通させると共に、モータ取付基板ネジ孔557bに第1用可動体モータ通孔508cを整合させ、該第1用可動体モータ通孔508cを介してモータ取付基板ネジ孔557bにネジを螺挿することで、第1用可動体モータ508がモータ取付基板557にネジ止めされる。また、モータ取付基板挿通孔557cを挿通させた第1用可動体モータ駆動軸508aの先端には、第1用可動体駆動ギヤ(駆動ギヤ)562が連結されるようになっている。この第1用可動体駆動ギヤ562は、後方に突出する駆動ギヤ連結用ボス部562aを備えており、第1用可動体駆動ギヤ562の回転中心を通る第1用駆動ギヤ連結孔562bが駆動ギヤ連結用ボス部562aに前後方向に貫通形成されている。そして、第1用可動体駆動ギヤ562は、第1用駆動ギヤ連結孔562bに対し第1用可動体モータ駆動軸508aが前側から挿入されて接続されるようになっている。
前記モータ取付基板557を第1用ケース体507に取付けた状態では、第1用可動体駆動ギヤ562がラック部収容部529における円弧状壁部531の下側に臨み、第1用可動体駆動ギヤ562がラック部530のラック歯部553に対し上側から噛合するよう構成される。そして、第1用可動体モータ508が駆動して、第1用可動体モータ駆動軸508aが一方向(図89では、時計回り方向)に回転すると、第1用可動体駆動ギヤ562が一方向に回転し、該ギヤ562に噛合したラック部530が左方へスライドするよう構成される。これにより、左右の可動体501,501が同期して左方へ移動するよう構成される。また、第1用可動体駆動ギヤ562が第1用可動体モータ駆動軸508aを他方向(図90では、反時計回り方向)に回転させると、第1用可動体駆動ギヤ562が他方向に回転し、ラック部530が右方へスライドするよう構成される。これにより、左右の可動体501,501が同期して右方へ移動するようになっている。
なお、前記駆動ギヤ連結用ボス部562aはギヤ逃げ凹部556に臨むことで、ラック部530のスライド時に駆動ギヤ連結用ボス部562aと干渉しないようになっている。また、第1用可動体モータ508には、斜め下方に突出する第1用可動体モータコネクタ部508dが設けられており、該第1用可動体モータコネクタ部508dに配線508eが接続されている。そして、図86に示すように、第1用可動体モータコネクタ部508dに接続された配線508eは、後方壁部挿通孔523を挿通されて基板対向面部520の後側に引き出されるようになっている。
前記可動体原位置センサ設置部559には、可動体501の原位置を検知する可動体原位置検知装置563が配設される。この可動体原位置検知装置563は、可動体原位置取付基板564と、該可動体原位置取付基板564の後面に設けられた可動体原位置センサ565とから構成される。可動体原位置取付基板564は、前後方向に開放する可動体原位置基板位置決め孔564aがセンサ設置用突起559aに対応して複数形成されると共に、センサ設置用ネジ孔559bに対応する可動体原位置基板通孔564bが前後方向に開放して形成されている。そして、可動体原位置基板位置決め孔564aに対応するセンサ設置用突起559aを嵌入し、センサ設置用ネジ孔559bに整合した可動体原位置基板通孔564bを介して該センサ設置用ネジ孔559bにネジを螺挿することで、可動体原位置取付基板564が可動体原位置センサ設置部559にネジ止めされる。また、可動体原位置取付基板564の前面には、可動体原位置コネクタ部564cが設けられており、該可動体原位置コネクタ部564cに配線564dが接続されている。この可動体原位置コネクタ部564cに接続された配線564dは、図86に示すように、前記後方壁部挿通孔523を挿通されて基板対向面部520の後側に引き出される。
前記可動体原位置センサ565は、上下の中央位置に可動体原位置検知凹部565aが設けられてコ字状に形成され、可動体原位置取付基板564を可動体原位置センサ設置部559に取付けた際に、可動体原位置検知凹部565aが被検知片用長溝560の前側に臨むよう構成される。そして、被検知片用長溝560を介して前方へ突出するラック部被検知片555が、可動体原位置検知凹部565aを通過するよう構成される。可動体原位置センサ565は、ラック部被検知片555が可動体原位置検知凹部565aを通過した際に、可動体501,501の原位置を検知するようになっている。なお、可動体501,501の原位置は、図86に示すように、各可動体501と第1用可動体駆動ギヤ562(ケース体中央部)との距離が等しくなる位置に設定され、可動体501,501の原位置では、左右の目玉が前方を向いた状態となる。
(可動体用中継基板について)
前記可動体用中継基板509は、基板対向面部520に整合する形状に設定されて、該基板対向面部520の後面に当接した状態で配設される。可動体用中継基板509には、上側の左右の隅部に、基板対向面部位置決め突起520bに対応する可動体用基板位置決め孔509a,509aが前後方向に開放して夫々形成されると共に、両可動体用基板位置決め孔509a,509aの間に、基板対向面部ネジ孔520aに対応する可動体用基板通孔509bが前後方向に開放して形成される。そして、可動体用中継基板509の下端部を基板収容部512に設けた基板位置決めリブ525と基板対向面部520の後面との間に臨ませ、各可動体用基板位置決め孔509aに対応の基板対向面部位置決め突起520bを嵌入させる。更に、基板対向面部ネジ孔520aに整合した可動体用基板通孔509bを介して該基板対向面部ネジ孔520aにネジを螺挿することで、可動体用中継基板509が基板対向面部520の後面にネジ止めされる。基板対向面部520に取付けられた可動体用中継基板509は、図85に示すように、基板収容部512内に収容されて、該可動体用中継基板509の後面が後方壁部521の後端部より前方に位置するようになっている。これにより、可動体用中継基板509が邪魔になるのを防止し得ると共に、可動体装置502の前後方向の寸法をコンパクトに維持し得る。
前記可動体用中継基板509の後面には、左右方向に離間して一対の可動体配線用コネクタ部(コネクタ部)509c,509cと、フラットケーブル用コネクタ部509dと、可動体外部接続用コネクタ部509eとが設けられる。図86に示すように、左側の可動体配線用コネクタ部509cには、左側の後方壁部通孔部522を介して基板対向面部520の後側に引き出された左側の可動体501の配線501aが接続されるようになっている。一方、右側の可動体配線用コネクタ部509cには、右側の後方壁部通孔部522を介して基板対向面部520の後側に引き出された右側の可動体501の配線501aが接続されるようになっている。また、フラットケーブル用コネクタ部509dには、図91,図92に示すように、複数の配線が平面状に束ねられたフラットケーブル(配線)566が接続される。フラットケーブル用コネクタ部509dに接続されたフラットケーブル566は、ケーブル用挿通部524を介して第1用ケース体507の下方に引き出されるようになっている。
前記第1用ケース体507の後部には、左右方向の中央下部に配線押さえ部材567が配設されている。配線押さえ部材567は、左右方向に長尺な部材であって、前後方向に開放する押さえ部材通孔567a,567aが左右に離間して一対形成されている。そして、両押さえ部材通孔567a,657aを対応する第1用可動体案内部528の案内部ネジ孔526a,526aに整合させ、該押さえ部材通孔567aを介して案内部ネジ孔526aにネジを螺挿することで、配線押さえ部材567が第1用ケース体507の後側にネジ止めされる。配線押さえ部材567の左右の端部には、案内部用対向面部526の後面から離間して上方に延出する配線押さえ片567b,567bが夫々形成されている。
更に、配線押さえ部材567には、ケーブル用挿通部524の開口部に整合する形状のケーブル押さえ板部567cが前方に突出して形成されている(図79参照)。そして、配線押さえ部材567を第1用ケース体507に取付けた際に、ケーブル押さえ板部567cがケーブル用挿通部524に臨んで、該ケーブル押さえ板部567cの前端部がケーブル用挿通部524の縁部に僅かに離間するようになっている。すなわち、配線押さえ部材567を第1用ケース体507に取付けた際に、ケーブル押さえ板部567cおよびケーブル用挿通部524の縁部でフラットケーブル566を挟持して、図92に示すように、フラットケーブル566を押さえ込むようになっている。図85に示すように、第1用可動体モータ508および可動体原位置検知装置563に接続された配線508e,564dは、左側(図85では、右側)の配線押さえ片567bに係止されて、第1用ケース体507の後面に沿って左側へ引き回される。また、可動体用中継基板509の可動体外部接続用コネクタ部509eに接続された配線509fも、左側の配線押さえ片567bに係止されて、第1用ケース体507の後面に沿って左側に引き回され、裏ユニット50の後側に設けた中継基板38に接続される。
(可動体モータ用中継基板について)
前記左側部対向面部535の後面には、可動体モータ用中継基板568が配設される。可動体モータ用中継基板568は、左側部対向面部535に整合する形状に形成されて、該左側部対向面部535の後面に可動体モータ用中継基板568の前面が当接した状態で取付けられる。可動体モータ用中継基板568には、左側部対向面部位置決め突起535dに対応する可動体モータ用基板位置決め孔568aが前後方向に開放して複数形成されると共に、左側部対向面部ネジ孔535bに対応する可動体モータ用基板通孔568bが前後方向に開放して形成されている。そして、可動体モータ用基板位置決め孔568aに左側部対向面部位置決め突起535dを嵌入し、左側部対向面部ネジ孔535bに整合した可動体モータ用基板通孔568bを介して該左側部対向面部ネジ孔535bにネジを螺挿することで、可動体モータ用中継基板568が左側部対向面部535の後面にネジ止めされる。可動体モータ用中継基板568には、可動体モータ用コネクタ部568cおよび可動体原位置センサ用コネクタ部568dが設けられており、夫々、第1用可動体モータ508の配線508eおよび可動体原位置検知装置563の配線564dが接続されるようになっている(図85参照)。更に、可動体モータ用中継基板568には、可動体モータ外部接続用コネクタ部568eが設けられ、該可動体モータ外部接続用コネクタ部568eに接続した配線568fは、前記可動体外部接続用コネクタ部509eに接続された配線509fと共に、裏ユニット50の中継基板38に接続される。
(ベース板金について)
前記ベース板金510は、導電性を有する金属材料から構成されて、可動体装置502全体の荷重を支持し得るよう構成されている。また、ベース板金510には、後述するように、可動部材装置505の支持ケース部材569,569が取付けられて、該可動部材装置505の荷重も支持するよう構成されている。すなわち、ベース板金510は、第1可動演出装置500の全荷重を支持するものであって、高い剛性および強度を有している。図93,図94に示すように、ベース板金510は、左右方向に長尺に形成され、その左右の長手辺の寸法は、裏ユニット50の表示開口53の上縁辺より長尺であって、設置板部52における上辺部52aの左右方向の寸法より僅かに小さく設定されている。ベース板金510には、左右方向の中央部側を上縁部から矩形状に切り欠いてベース板金矩形凹部570が形成されており、ベース板金510を第1用ケース体507の前側に配設した際に、左右の可動体501,501がベース板金矩形凹部570に臨むよう構成されている。また、ベース板金510には、ベース板金矩形凹部570の外側の両側部にベース板金支持面部740,740が夫々形成されている。図85に示すように、これらベース板金支持面部740,740は、ベース板金510を第1用ケース体507に取付けた状態で、該第1用ケース体507の左右の側部から外側に突出するよう構成される(図85参照)。
前記ベース板金510には、ベース板金矩形凹部570の下方に位置して、前後方向に開放するベース板金通孔510a,510aが左右に離間して一対形成されると共に、該ベース板金510の下縁部にベース板金逃げ部510bが凹設されている。このベース板金逃げ部510bは、ベース板金510を第1用ケース体507に配設した際に、ケーブル用挿通部524の前側に位置するようになっている。左側のベース板金通孔510aは、第1用ケース体507の左側部対向面部ボス受け部535aに対応し、また、右側のベース板金通孔510aは、第1用ケース体507の右側部対向面部ボス受け部536aに対応している。左側のベース板金支持面部740には、左側部対向面部ボス部535cに対応して、前後方向に開放するベース板金嵌合孔510cが形成されている。また、各ベース板金支持面部740には、ベース板金貫通孔510dが前後方向に開放して形成されると共に、該ベース板金貫通孔510dより小径なベース板金位置決め孔510eが前後方向に開放して複数形成されている。更に、各ベース板金支持面部740には、前後方向に開放するベース板金ネジ孔510fが形成されると共に、該ベース板金支持面部740の前面には、第1回動軸(回動軸)571および該第1回動軸571より上方内側に位置する第2回動軸(第2の回動軸)572が夫々前方に突出して設けられている。左側のベース板金支持面部740には、左側縁部に近接して左アース用ネジ孔573が前後方向に開放して形成されている。また、右側のベース板金支持面部740には、上縁部に近接して右アース用ネジ孔574が前後方向に開放して形成されている。
ここで、前記ベース板金510は、可動体装置502を裏ユニット50の上辺部52aに取付けた状態で、左右の長手辺が表示開口53の上縁辺に沿って延在するよう構成される。また、ベース板金510を裏ユニット50の上辺部52aに取付けた状態では、図8に示すように、左側のベース板金支持面部740の後面が左部アース開口87に臨み、左アース用ネジ孔573が左部アース開口87を介して裏ユニット50の後面に露出するようになっている。同じく、ベース板金510は、右側のベース板金支持面部740の後面が右部アース開口88に臨み、右アース用ネジ孔574が右部アース開口88を介して裏ユニット50の後面に露出するよう構成されている。
(第1用可動体装飾部材について)
図95,図96に示すように、前記第1用可動体装飾部材730は、第1用ケース体507の前側に配設されて可動体装置502の意匠面を構成するものであって、第1用可動体装飾部材730の前面には、キャラクターの顔を模した装飾が施されている。第1用可動体装飾部材730には、後面の上部から後方へ突出する上部装飾部材ボス部730a,730aが左右に離間して一対形成されている。左側の上部装飾部材ボス部730aは、第1用ケース体507における左側の前方壁部ボス受け部514aに対応すると共に、右側の上部装飾部材ボス部730aは、同じく第1用ケース体507における右側の前方壁部ボス受け部514aに対応している。また、第1用可動体装飾部材730の後面には、上部装飾部材ボス部730a,730aより下方に位置して、後方へ突出する下部装飾部材ボス部730b,730bが左右に離間して一対形成されている。左側の下部装飾部材ボス部730bは、ベース板金510における左側のベース板金通孔510aおよび左側部対向面部ボス受け部535aに対応すると共に、右側の下部装飾部材ボス部730bは、ベース板金510における右側のベース板金通孔510aおよび右側部対向面部ボス受け部536aに対応している。
そして、各上部装飾部材ボス部730aの後端部を対応の前方壁部ボス受け部514aに嵌合させると共に、左右の下部装飾部材ボス部730b,730bの後端部を、夫々、対応するベース板金通孔510a,510aを挿通させて左側部対向面部ボス受け部535aおよび右側部対向面部ボス受け部536aに嵌合させる。更に、各ボス受け部535a,536aに設けた通孔を介して対応のボス部511a,511bにネジを螺挿することで、第1用可動体装飾部材730が第1用ケース体507にネジ止めされる。このとき、下部装飾部材ボス部730bがベース板金通孔510aを挿通することで、ベース板金510が第1用可動体装飾部材730に対し位置決めされた状態で、第1用ケース体507および第1用可動体装飾部材730の間に挟持される。
前記第1用可動体装飾部材730には、前後方向に開放する可動体用窓部575,575が左右に離間して一対形成され、第1用可動体装飾部材730を第1用ケース体507に配設した状態で、左右の可動体501,501が対応する可動体用窓部575,575に臨むよう構成される(図6参照)。第1用可動体装飾部材730は、左右方向の中央下部に前後方向に開放するケーブル案内路576aを画成する装飾部材案内部576が形成されている。この装飾部材案内部576は、第1用可動体装飾部材730を第1用ケース体507に配設した状態で、ベース板金逃げ部510bに臨み、ケーブル案内路576aの後方開口が第1用ケース体507のケーブル用挿通部524の前方に位置するようになっている。そして、ケーブル用挿通部524を介して第1用ケース体507の下方に引き出されたフラットケーブル566が、ケーブル案内路576aを介して第1用可動体装飾部材730の前側に引き出されるようになっている(図95の2点鎖線参照)。
(可動部材装置について)
次に、可動部材装置505について説明する。前記可動部材装置505は、裏ユニット50の上辺部52aの前面において可動体装置502を前側から覆うように配設される。図97,図98,図99に示すように、可動部材装置505は、上下方向に往復移動可能な可動部材(支持部材)503と、該可動部材503の後側に配設され、該可動部材503と同期して上下方向に往復移動可能な作動体504と、可動部材503および作動体504を相対移動可能に連結するガイド機構577と、可動部材503および作動体504を保持すると共に両部材503,504を移動させる一対の支持駆動機構578,578とから基本的に構成される。
(可動部材について)
前記可動部材503は、図100に示すように、横並びに配列した英文字が前面に付された遊技演出部材であって、左右方向に長尺に構成されている。可動部材503は、裏ユニット50における表示開口53の上縁辺と上側の周板部54との間に位置する第1位置(図5参照)から、図柄表示装置13の表示部13aにおける中央部側の第2位置(図6参照)まで移動可能に構成される。第1位置では、可動部材503が可動体501,501の前側に位置して、該可動体501,501が前方から視認不能となる。一方、第2位置では、可動部材503が可動体501,501の下方に位置して、該可動体501,501を表示枠体100の窓口100aを介して前方から視認可能となる。可動部材503の左右方向の寸法は、裏ユニット50の上辺部52aにおける左右方向の寸法より僅かに短く設定されており、図7に示すように、可動部材503が第1位置にあっては、左右の側部が表示枠体100の窓口100aよりも外側(側方)に突出している。図97,図98に示すように、可動部材503は、後方に開放する箱状に形成された可動部材本体579と、該可動部材本体579の後側に配設されて可動部材503の後面を構成するベース基板580と、可動部材本体579の内部に収容される複数の可動部材発光装置(発光装置)581とから基本的に構成される。
(可動部材本体について)
図101,図102に示すように、前記可動部材本体579は、左右方向(長手方向)に離間する両端部に設けられた2つの重なり部582,582と、左右方向の中央部に設けられて重なり部582,582より前方に突出する露出部583とから構成され、左右両側から中央部にかけて前方へ突出した立体形状をなしている。左右の重なり部582,582は、可動部材503の第1位置において、一部が盤本体42と設置板部52(裏ユニット50)との間に位置しており、図7に示すように、重なり部582,582における盤本体42の後方に位置する部位は、透明な盤本体42および表示枠体100を介して前方から視認し得るよう構成されている。左側の重なり部582(以下、左重なり部582という)は、前方に臨む左前板部584と、該左前板部584の上下および左側の縁部から後方に延出する左重なり壁部585とから後方および右方に開放した箱状に形成され、内部に前板収容部(収容部)586が画成されている。左前板部584は、英文字の輪郭をなすよう形成された2つの前板貫通口587によって大部分が前後方向に開放している。また、左前板部584の後面には、複数の前板ボス部584aおよび前板位置決め突起584bが後方に突出して形成されている。
左前板部584の後面には、各前板貫通口587を開口縁から僅かに離間して囲うように形成された前板リブ588が後方に突出して形成されており、該前板リブ588の内側に光透過性を有する前板装飾部材(装飾部材)589が配設されている。この前板装飾部材589は、前板リブ588の内側形状に略一致する形状を有しており、該前板リブ588に整合した状態で配設される。前板装飾部材589の前面には、所要の装飾が施されており、前板リブ588に設置された状態で、前板装飾部材589の前面が前板貫通口587を介して前方から視認し得るようになっている。
右側の重なり部582(以下、右重なり部582という)は、左重なり部582と基本的に同様な構成であって、前方に臨む右前板部590と、該右前板部590の上下および右側の縁部から後方に延出する右重なり壁部591とから後方および左方に開放した箱状に形成され、右重なり部582の内部に前板収容部586が画成されている。右前板部590は、英文字の輪郭をなすよう形成された1つの前板貫通口587によって大部分が前後方向に開放している。また、右前板部590の後面には、複数の前板ボス部584aおよび前板位置決め突起584bが後方に突出して形成されている。右前板部590の後面には、前板リブ588が後方に突出して形成されており、該前板リブ588の内側に前板装飾部材589が配設される。
前記露出部583は、可動部材503の第1位置および第2位置の何れにおいても、表示枠体100の窓口100aに臨み、該窓口100aを介して前方から視認し得るようになっている。露出部583は、前方に臨む中前板部592と、該中前板部592の周縁部から後方に延出する露出部壁部593とから後方に開放した箱状に形成され、内部に前板収容部586が画成されている。中前板部592は、英文字の輪郭をなすよう形成された複数(実施例では、5つ)の前板貫通口587によって大部分が前後方向に開放している。また、中前板部592の後面には、複数の前板ボス部584aおよび前板位置決め突起584bが後方に突出して形成されると共に、複数の前板基板用ネジ孔592aが後方に開放して形成されている。中前板部592の後面には、左右の前板部584,590と同様に、前板リブ588が各前板貫通口587に対応して形成されており、該前板リブ588の内側に前板装飾部材589が整合した状態で設置される。この前板装飾部材589は、前板リブ588に設置された状態で、前面が前板貫通口587を介して前方から視認し得るようになっている。
図103,図104に示すように、前記可動部材発光装置581は、各前板装飾部材589に対応して配設される発光板594と、該発光板594の後面に配設される可動部材発光基板595と、該可動部材発光基板595の前面に配設された複数の可動部材発光素子(発光体)596とから構成され、可動部材503の内部で光を照射して前板装飾部材589を発光させるものである。前記発光板594は、光拡散構造を有する板状部材であって、後述するように、該発光板594の側端面から入射された可動部材発光素子596の光を拡散することで、発光板594の全体が発光するよう構成されている。
各発光板594は、対応する前板装飾部材589の外形に略合致する形状に形成されている。また、発光板594には、前板ボス部584aに対応する発光板挿通部594aが前後方向に開放して形成されている。更に、各発光板594には、前板位置決め突起584bに対応する発光板位置決め孔594bが前後方向に開放して形成されている。そして、各発光板挿通部594aに対応の前板ボス部584aを挿通すると共に、発光板位置決め孔594bに対応の前板位置決め突起584bを挿通することで、発光板594は、前面を前板装飾部材589の後面に当接させた状態で前板収容部586内に位置決めされる。発光板594を前板収容部586に設置した際に、隣接する発光板594,594同士の間や、各発光板594の下側の側端面と可動部材本体579の各壁部585,591,593との間に、細長の空間(以下、発光体収容空間597という)が画成されるようになっている(図105,図106参照)。
前記可動部材発光基板595は、前記発光板594を後方から覆うように各前板収容部586に配設される。左重なり部582の前板収容部586に配設される可動部材発光基板595(以下、左可動部材発光基板595という場合がある)は、左前板部584と略同一の形状に形成されている。左可動部材発光基板595には、前後方向に開放して前板ボス部584aが挿通可能な複数の可動部材基板挿通部595aと、前後方向に開放して前板位置決め突起584bが挿通可能な可動部材基板位置決め孔595bとが形成されている。そして、各可動部材基板挿通部595aに対応の前板ボス部584aを挿通させると共に、各可動部材基板位置決め孔595bに前板位置決め突起584bを挿通することで、左可動部材発光基板595が左重なり部582の前板収容部586内に位置決めされる。この状態で、左可動部材発光基板595は、前面が2つの前板装飾部材589,589の後面に当接するようになっている。図104に示すように、左可動部材発光基板595には、右側部から右方へ突出する左基板突出部598が形成されており、該左基板突出部598の前面に左基板コネクタ部(コネクタ部)598aが設けられている。
前記右重なり部582の前板収容部586に配設される可動部材発光基板595(以下、右可動部材発光基板595という場合がある)は、左可動部材発光基板595と同様な構成であって、右前板部590と略同一の形状に形成されている。右可動部材発光基板595には、前板ボス部584aに対応する複数の可動部材基板挿通部595aと、前板位置決め突起584bに対応する複数の可動部材基板位置決め孔595bとが形成されている。そして、各可動部材基板挿通部595aに対応の前板ボス部584aを挿通させると共に、各可動部材基板位置決め孔595bに前板位置決め突起584bを挿通することで、右可動部材発光基板595が右重なり部582の前板収容部586内に位置決めされる。右可動部材発光基板595を右重なり部582に設置した状態では、右可動部材発光基板595の前面が前板装飾部材589の後面に当接するようになっている。右可動部材発光基板595には、図104に示すように、左側部から左方へ突出する右基板突出部599が形成されており、該右基板突出部599の前面に右基板コネクタ部(コネクタ部)599aが設けられている。
前記露出部583の前板収容部586には、3つの可動部材発光基板595,595,595(以下、中可動部材発光基板595という場合がある)が配設されるようになっている。各中可動部材発光基板595は、露出部壁部593の内周面形状に略一致する形状に形成されて、3つの中可動部材発光基板595を露出部583の前板収容部586に配設した状態では、中前板部592の後面の略全体が中可動部材発光基板595で埋め尽くされる。各中可動部材発光基板595には、前板ボス部584aに対応する複数の可動部材基板挿通部595aと、前板位置決め突起584bに対応する複数の可動部材基板位置決め孔595bとが形成されている。更に、中可動部材発光基板595には、前板基板用ネジ孔592aに対応する中基板通孔595cが前後方向に開放して形成されている。
そして、各可動部材基板挿通部595aに対応の前板ボス部584aを挿通させると共に、各可動部材基板位置決め孔595bに前板位置決め突起584bを挿通して、中可動部材発光基板595が露出部583の前板収容部586に位置決めされる。更に、前板基板用ネジ孔592aに整合する中基板通孔595cを介して該前板基板用ネジ孔592aにネジを螺挿することで、各中可動部材発光基板595が露出部583にネジ止めされる。各中可動部材発光基板595を露出部583に取付けた状態では、中可動部材発光基板595の前面が前板装飾部材589の後面に当接するようになっている。各中可動部材発光基板595の後面には、複数の中基板コネクタ部(コネクタ部)600が後方へ突出して設けられると共に、中央の中可動部材発光基板595の後面には、中基板ケーブル用コネクタ部(コネクタ部)601が後方へ突出して設けられている。なお、左右の中可動部材発光基板595,595は、夫々、図示しない配線を介して中央の中可動部材発光基板595に電気的に接続されるようになっている。
前記可動部材発光基板595の前面に配設される可動部材発光素子596は、統括制御装置37により発光制御されて、可動部材503の可動演出時に発光するようになっている。各可動部材発光素子596は、可動部材発光基板595の前面から突出して設けられている。また、可動部材発光素子596は、可動部材発光基板595を各前板収容部586に設置した際に、各発光板594の縁部に沿うよう直線的に並んで配置されている。すなわち、可動部材発光基板595を前板収容部に設置した状態では、図105,図106に示すように、各可動部材発光素子596が発光体収容空間597に収容されて、発光板594の側端面に沿って並ぶようになっている。また、各可動部材発光素子596は、発光板594の側端面へ向けて可動部材発光基板595の前面に平行に光を照射するようになっている。このように、実施例では、可動部材発光素子596が発光板594の側端面に光を照射して該発光板594の全体を発光させて前板装飾部材589を光らせる構成としたので、前板装飾部材589を直接する可動部材発光素子596で光らせる構成に較べ、該発光素子596の設置数を少なくでき、コストを低廉にすることが可能となる。
(ベース基板について)
図108,図109に示すように、前記ベース基板580は、左右方向(長手方向)に延在する板状部材であって、左右の側部を構成するベース側部602,602と、両ベース側部602,602の間に設けられ、該ベース側部602,602より前方に突出したベース突出部603と、ベース側部602,602およびベース突出部603とを連結するベース基板連結壁(壁部)604,604とから基本的に構成される。前記ベース側部602およびベース突出部603の外形は、可動部材本体579の各壁部585,591,593の内周面形状と略一致するよう形成されている。
また、各ベース側部602およびベース突出部603の前面には、前板ボス部584aに対応するベース基板ボス受け部580aが複数凹設されると共に、前板位置決め突起584bに対応するベース基板位置決め孔580bが複数形成されている。そして、発光板挿通部594aおよび可動部材基板挿通部595aを介して後方に突出する前板ボス部584aの後端部をベース基板ボス受け部580aに嵌合させると共に、発光板位置決め孔594bおよび可動部材基板位置決め孔595bを介して後方に突出する前板位置決め突起584bをベース基板位置決め孔580bに嵌入することで、ベース基板580が可動部材本体579に対し位置決めされる。更に、ベース基板ボス受け部580aの通孔を介して前板ボス部584aにネジを螺挿することで、ベース基板580が可動部材本体579にネジ止めされる。
前記ベース基板580が可動部材本体579に取付けられた状態では、図99,図110に示すように、左右のベース側部602,602は、対応する重なり部582,582の前板収容部586,586内に嵌合状態で収容される。そして、ベース側部602,602が重なり部582,582の後方開口を閉塞して、ベース側部602,602が該重なり部582,582の後面を構成する。同様に、ベース突出部603は、露出部583の前板収容部586内に嵌合状態で収容され、ベース突出部603が露出部583の後方開口を閉塞して該露出部583の後面を構成するようになっている。また、ベース側部602は、ベース基板580を可動部材本体579に取付けた状態で、前面が可動部材発光基板595の後面に当接するよう構成される。すなわち、重なり部582に配設される可動部材発光基板595は、ベース側部602の前面と各前板部584,590との間で挟持されて、前板収容部586内にネジ止めされることなく保持される。ここで、ベース突出部603の後面は、ベース側部602の後面より前方に位置しており、ベース基板580の後面は、左右方向の中央部側が前方に凹んだ形状となっている。この凹み部分は、可動部材503が第1位置にあって、作動体504を収容する作動体収容凹部(収容凹部)605として機能する(図99参照)。
各ベース側部602の後面には、後方に突出する複数の接続台部用ボス部602aが形成されており、該接続台部用ボス部602aを介して接続台部606がベース側部602の後面に取付けられている。この接続台部606は、後述するアーム部材607と可動部材503とを回動自在に接続するものであって、接続台部基体608と、該接続台部基体608の周縁部および後面から前方に延出する接続台部壁部609とから構成されている。接続台部壁部609には、接続台部用ボス部602aに対応して複数の接続台部用ボス受け部609aが形成されている。そして、各接続台部用ボス部602aを対応の接続台部用ボス受け部609aに嵌合させ、該接続台部用ボス受け部609aの通孔を介して接続台部用ボス部602aにネジを螺挿することで、接続台部606がベース側部602の後面にネジ止めされる。
前記接続台部基体608には、第1ガイド溝(ガイド溝)610と、該第1ガイド溝610より下方に位置する第2ガイド溝(ガイド溝)611とが、夫々、前後方向に開放して形成されている。第1ガイド溝610は、左右方向(可動部材503の延在方向)に直線的に延在しており、第1ガイド溝610の両端部は、中心角が略180°(半円)の円弧形状に形成されている。また、第1ガイド溝610は、図108に示すように、接続台部壁部609によって周囲が囲われており、接続台部基体608の前側に接続台部壁部609で囲われた第1接続部摺動空間612が画成されている。
前記第2ガイド溝611は、可動部材503の中央部側に向かうにつれて下方傾斜するよう延在しており、第2ガイド溝611の外側(可動部材503の中央部から離間した側)の端部は中心角が略180°の円弧形状をなしている。また、第2ガイド溝611の内側(可動部材503の中央部に近接する側)の端部は、中心角が180°より大きな円弧形状をなしており、第2ガイド溝611の内側の端部の上縁部は、上方に僅かに突出している。第2ガイド溝611は、第1ガイド溝610と同様に、周囲が接続台部壁部609により囲われており、接続台部基体608の前側に接続台部壁部609で囲われた第2接続部摺動空間613が画成されている。
前記ベース突出部603は、前記中基板コネクタ部600に対応するベースコネクタ用開口部(コネクタ用開口部)614が前後方向に開放して複数形成される共に、中基板ケーブル用コネクタ部601に対応してケーブルコネクタ用開口部(コネクタ用開口部)615が前後方向に開放して形成されている。そして、図107に示すように、ベース基板580を可動部材本体579に取付けた際に、各中基板コネクタ部600が対応するベースコネクタ用開口部614に臨むと共に、中基板ケーブル用コネクタ部601がケーブルコネクタ用開口部615に臨むよう構成される。ここで、ケーブルコネクタ用開口部615に臨む中基板ケーブル用コネクタ部601には、可動体装置502から導出するフラットケーブル566が接続されるようになっており、中央の中可動部材発光基板595は、該フラットケーブル566を介して可動体用中継基板509に接続されている。すなわち、可動部材装置505の可動部材発光装置581は、フラットケーブル566を介して可動体装置502に中継接続されている。
このように、実施例に係る可動部材503は、ベース側部602の後面(重なり部582の後面)より前方に突出するベース突出部603の後面(露出部583の後面)にベースコネクタ用開口部614やケーブルコネクタ用開口部615を設けることで、中基板コネクタ部600や中基板ケーブル用コネクタ部601がベース側部602の後面より後方に突出し難くなっている。これにより、これらコネクタ部600,601や、フラットケーブル566(配線)が邪魔になるのを防止し、可動部材503の可動演出時に断線等を生じ難くしている。なお、ベース突出部603の後面には、左右両側の下部側にベース配線フック616,616が2つ形成されている。
前記ベース突出部603の後面には、ケーブルコネクタ用開口部615の上側に近接する位置に、取付突部617が後方に突出して設けられている。この取付突部617は、左右方向に延在すると共に、その両端部に押圧部用ネジ孔617a,617aが後方に開放して形成されている。この取付突部617には、フラットケーブル566を挟んだ状態で、後方からケーブル押圧部材618が取付けられる。ケーブル押圧部材618は、左右方向に延在する押圧板部619と、該押圧板部619の両端部に夫々設けられ、前方に突出する突壁部620とから構成されている。押圧板部619の両端部には、押圧部用ネジ孔617aに対応する押圧板部通孔619a,619aが形成され、各押圧部用ネジ孔617aに整合させた押圧板部通孔619aを介してネジを押圧部用ネジ孔617aに螺挿することで、ケーブル押圧部材618が取付突部617にネジ止めされる。
前記ケーブル押圧部材618には、左右の突壁部620の間に上下方向に開放するケーブル挿通空間621が形成され(図109参照)、このケーブル挿通空間621にフラットケーブル566を挿通させるようになっている。ここで、ケーブル押圧部材618を取付突部617に取付けた状態では、押圧板部619の前面と取付突部617の後面とが近接し、ケーブル挿通空間621に挿通されたフラットケーブル566が押圧板部619および取付突部617により所要圧で挟持されるようになっている。これにより、フラットケーブル566がしっかりと押さえられ、可動部材503の移動時にフラットケーブル566が干渉しないようになっている。なお、ベース突出部603の後面には、後述するサブベース基板626を取付けるための複数のサブベース用ボス部603aが後方に突出して形成されている。
前記ベース基板連結壁604には、左右方向(可動部材503の長手方向)に開放する連結壁コネクタ用開口部(第2のコネクタ用開口部)622が夫々形成されている。そして、前記ベース基板580を可動部材本体579に取付けた際に、左側の連結壁コネクタ用開口部622に左基板コネクタ部598aが臨むと共に、右側の連結壁コネクタ用開口部622に右基板コネクタ部599aが臨むようになっている(図107参照)。
図107に示すように、左側の連結壁コネクタ用開口部622に臨む左基板コネクタ部598aに接続された配線598bは、左側(図107では、右側)のベース配線フック616に係止された後、ベース突出部603のベースコネクタ用開口部614に臨む中基板コネクタ部600に接続される。すなわち、左可動部材発光基板595は、中可動部材発光基板595に電気的に接続される。また、右側(図107では、左側)の連結壁コネクタ用開口部622に臨む右基板コネクタ部599aに接続された配線599bは、右側のベース配線フック616に係止された後、ベース突出部603のベースコネクタ用開口部614に臨む中基板コネクタ部600に接続され、右可動部材発光基板595が中可動部材発光基板595に電気的に接続される。このように、実施例では、ベース側部602の後面(重なり部582の後面)およびベース突出部603の後面(露出部583の後面)を連結するベース基板連結壁604に連結壁コネクタ用開口部622を設けたので、左基板コネクタ部598a(右基板コネクタ部599a)や該コネクタ部に接続される配線がベース側部602の後面より後方に突出し難くなる。従って、これらコネクタ部598a,599aや配線598b,599bが邪魔になるのを防止して、断線等が発生するのを抑制することが可能となる。しかも、左基板コネクタ部598a(右基板コネクタ部599a)に接続された配線598b(配線599b)を、邪魔になることなく、ベース突出部603の後面(露出部583の後面)で引き回すことができる。
前記ベース突出部603の後面には、サブベース基板626が配設される。サブベース基板626は、矩形板状のサブベース本体623と、該サブベース本体623の周縁部から前方に突出するサブベース壁部624とから基本的に構成されている。サブベース本体623の各四隅には、ベース突出部603のサブベース用ボス部603aに対応してサブベース本体ボス受け部623aが夫々形成されている。そして、各サブベース本体ボス受け部623aを対応のサブベース用ボス部603aに嵌合させ、該サブベース本体ボス受け部623aの通孔を介してサブベース用ボス部603aにネジを螺挿することで、サブベース基板626がベース突出部603にネジ止めされる。
前記サブベース本体623には、前後方向に開放する矩形状のケーブル用サブベース開口625が形成されており、サブベース基板626をベース突出部603に取付けた状態では、ケーブル押圧部材618およびケーブルコネクタ用開口部615がケーブル用サブベース開口625に臨むようになっている(図107参照)。また、サブベース本体623には、ケーブル用サブベース開口625の上方に、上方から下方にかけて前方へ傾斜するケーブル案内傾斜部627が形成されており、該ケーブル案内傾斜部627の下端縁は、ケーブル用サブベース開口625の上縁に臨んでいる。このケーブル案内傾斜部627は、ケーブル押圧部材618で押圧保持されたフラットケーブル566を上方かつ後方へ案内するものである。このように、フラットケーブル566をケーブル押圧部材618で押さえると共に、ケーブル案内傾斜部627でフラットケーブル566を上方へ案内することで、フラットケーブル566がベース突出部603の後面から後方に突出して邪魔になるのを防止し得る。
前記サブベース基板626の左側部には、ベースコネクタ用開口部614に対応して前後方向に開放するサブベース逃げ部628が凹設されている。図107に示すように、サブベース基板626をベース突出部603に取付けた状態では、サブベース逃げ部628にベースコネクタ用開口部614が臨み、ベースコネクタ用開口部614から後方に突出する中基板コネクタ部600にサブベース基板626が干渉しないよう構成される。左側のサブベース壁部624には、サブベース逃げ部628の上方に位置してサブベース配線フック629が左方に突出して形成されている。
前記サブベース本体623の後面における左右方向の略中央位置には、上下方向に延在すると共に後方に開放するサブベース規制溝(規制溝)630が凹設されており、該サブベース規制溝630に後述する連結ガイド部(ガイド部)631が臨むようになっている。また、サブベース本体623には、サブベース規制溝630の上方に一対のシャフト用位置決め突起623b,623bが後方に突出して形成されると共に、両シャフト用位置決め突起623b,623bの間に一対のシャフト用ネジ孔623c,623cが形成されている。
更に、両シャフト用ネジ孔623c,623cの間に、後方および下方に開放するシャフト保持凹部632が凹設されている。このシャフト保持凹部632には、後方からシャフト押さえ部633が配設される。このシャフト押さえ部633は、左右方向に長い矩形状の板部材であって、サブベース本体623のシャフト用位置決め突起623bに対応する押さえ部位置決め孔633a,633aがシャフト押さえ部633の左右の両端部に前後方向に開放して形成されている。また、シャフト押さえ部633には、サブベース本体623のシャフト用ネジ孔623cに対応する押さえ部通孔633b,633bが前後方向に開放して一対形成されている。そして、押さえ部位置決め孔633aにシャフト用位置決め突起623bを挿通させると共に、シャフト用ネジ孔623cに整合した押さえ部通孔633bを介してネジをシャフト用ネジ孔623cに螺挿することで、シャフト押さえ部633がシャフト保持凹部632を後方から覆った状態でサブベース基板580にネジ止めされる。更に、サブベース本体623には、サブベース規制溝630内の下部において上方に開放するシャフト受け孔部634が形成されている。このシャフト受け孔部634は、シャフト保持凹部632の真下に位置している。
(作動体について)
前記作動体504は、可動部材503の後側に設けられて、該可動部材503に同期的かつ相対的に上下移動可能に構成されている。図111,図112,図127に示すように、作動体504は、左右方向に延在する作動体本体635と、該作動体本体635の後側に配設される作動体発光装置636とから基本的に構成されている。作動体本体635は、左右方向の延在長さが可動部材503より短く設定されており、左右の両端部から中央部へ向かうにつれて緩やかに前方へ突出する形状をなしている。そして、可動部材503が第1位置にある場合において、作動体504は、作動体本体635の突出した部分が作動体収容凹部605に臨むよう構成されている。このように、実施例では、作動体504を作動体収容凹部605に収容する構成としたので、作動体504が可動部材503の後方で嵩張るのを抑制して、可動部材装置505全体の前後方向の厚みをコンパクトにし得る。作動体本体635の下部には、複数の小型作動体飾り部637と、小型作動体飾り部637を挟むように左右に設けた一対の大型作動体飾り部638,638とが下方へ突出して設けられている。なお、小型作動体飾り部637および大型作動体飾り部638は、牙に模した形状をなしている。
前記作動体本体635の上縁部には、左右に離間して一対の作動体接続片部639,639が上方に突出して形成され、各作動体接続片部639に前後方向に開放する第3ガイド溝(ガイド溝)640,640が形成されている。この第3ガイド溝640は、左右方向(一対のアーム部材607,607の離間方向)に直線的に延在すると共に、左右の両端部は中心角が略180°(半円)の円弧形状をなしている。また、左側の作動体接続片部639の右側部には、右方へ突出する作動体配線フック641が形成されている。更に、作動体本体635の上部には、両作動体接続片部639,639の間に位置して、一対のガイド部用ボス部635a,635aが前方に突出して形成されている。作動体本体635の後面には、複数の作動体基板用位置決め突起635bが後方に突出して形成されると共に、後方に開放する作動体基板用ネジ孔635cが形成されている。
前記作動体発光装置636は、大型作動体飾り部638,638に対応する2つの大型用発光装置642,642と、小型作動体飾り部637に対応する1つの小型用発光装置643とから構成されている。大型用発光装置642および小型用発光装置643は、何れも、作動体発光基板644と、該作動体発光基板644の前面に配設された複数の作動体発光素子645とから構成され、該作動体発光素子645が点灯することで、大型作動体飾り部638および小型作動体飾り部637を発光させるものである。各作動体発光基板644には、作動体基板用ネジ孔635cに対応して前後方向に開放する作動体基板通孔644aが形成されると共に、作動体基板用位置決め突起635bに対応して前後方向に開放する作動体基板位置決め孔644bが形成されている。そして、作動体基板位置決め孔644bに作動体基板用位置決め突起635bを嵌入すると共に、作動体基板用ネジ孔635cに整合した作動体基板通孔644aにネジを螺挿することで、作動体発光基板644が作動体本体635にネジ止めされる。各大型用発光装置642の作動体発光基板644には、夫々、作動体発光素子645が上下に離間して2つ配設されている。また、小型用発光装置643の作動体発光基板644には、各小型作動体飾り部637に対して作動体発光素子645が1つずつ配設されている。
各大型用発光装置642の作動体発光基板644には、前面に大型用基板コネクタ部644cが設けられると共に、小型用発光装置643の作動体発光基板644には、後面に2つの小型用基板コネクタ部644dおよび小型用外部コネクタ部644eが設けられている。そして、各大型用基板コネクタ部644cに接続された配線646は、図128に示すように、夫々、小型用基板コネクタ部644dに接続され、大型用発光装置642の作動体発光基板644が小型用発光装置643の作動体発光基板644に電気的に接続される。また、小型用外部コネクタ部644eに接続された配線647は、図99,図110に示すように、作動体配線フック641に係止された後、可動部材503側へ引き出される。そして、サブベース配線フック629に係止されて、サブベース逃げ部628およびベースコネクタ用開口部614を介して後方に臨む中基板コネクタ部600に接続される。すなわち、作動体発光装置636は、可動部材発光装置581に電気的に接続されている。
(ガイド機構について)
前記ガイド機構577は、可動部材503および作動体504を前後の関係で相対移動可能に連結するものであって、可動部材503の後側に設けた連結ガイドシャフト(ガイドシャフト)648と、作動体504の前側に設けた連結ガイド部(ガイド部)631とから構成される。図108,図109に示すように、連結ガイドシャフト648は、金属材料からなる丸棒体であって、サブベース基板626のサブベース規制溝630に上下方向(作動体504の移動方向)に延在するよう配設される。連結ガイドシャフト648の延在長さは、シャフト保持凹部632の上面と前記シャフト受け孔部634の下面との離間距離より僅かに短く設定されている。そして、連結ガイドシャフト648の下端部をシャフト受け孔部634に挿入させると共に、連結ガイドシャフト648の上端部をシャフト保持凹部632に臨ませることで、連結ガイドシャフト648がシャフト受け孔部634およびシャフト保持凹部632間にセットされる。連結ガイドシャフト648がシャフト受け孔部634およびシャフト保持凹部632にセットされた状態で、シャフト押さえ部633をサブベース基板626に取付けることで、連結ガイドシャフト648の上端部がシャフト押さえ部633の前面およびシャフト保持凹部632で挟持されて、該連結ガイドシャフト648がサブベース基板626から脱落不能となる。
前記連結ガイド部631は、図111,図112に示すように、連結ガイドシャフト648にスライド自在に連結されるガイド部本体649と、該ガイド部本体649の後側に設けられ、作動体504に取付けられる嵌合設置部650とから基本的に構成される。嵌合設置部650は、後方に開放する筒状体であって、作動体504のガイド部用ボス部635aに対応する一対のガイドボス受け部650a,650aが嵌合設置部650の内部に形成されている。そして、各ガイドボス受け部650aに対応のガイド部用ボス部635aを嵌合させ、ガイド部用ボス部635aにネジを螺挿することで、連結ガイド部631が作動体本体635(作動体504)にネジ止めされる。
前記ガイド部本体649は、前後方向に離間する一対の本体板部651,651と、両本体板部651,651を連結する左右の本体壁部652,652とから構成され、これら本体板部651および本体壁部652により上下方向(作動体504の移動方向)に貫通形成されて連結ガイドシャフト648が挿通されるガイド挿通孔(挿通孔)653が画成される(図125参照)。すなわち、ガイド挿通孔653に連結ガイドシャフト648を挿通することで、作動体504が可動部材503に対し相対移動可能に連結される。ここで、図125に示すように、左右の本体壁部652,652は、上下方向の中央位置に向かうにつれて互いに近接する「く」の字状に形成されており、ガイド部本体649は、略中央部が細くくびれた断面形状をなしている。これにより、ガイド挿通孔653は、上下方向の略中央に位置する細径部654と、該細径部654に連接された上下の拡開部655とから構成される。
前記細径部654の開口断面は、連結ガイドシャフト648の外径に合わせて設定されている。ここで、連結ガイドシャフト648の外径に合わせて細径部654の開口断面を設定するとは、連結ガイド部631が連結ガイドシャフト648に沿って上下方向にスライドするのを許容すると共に、連結ガイド部631が連結ガイドシャフト648に対し前後および左右方向へ移動するのは殆ど不能とするように、細径部654の開口寸法および開口形状を設定することをいう。一方、拡開部655の開口断面は、細径部654から離間するにつれて左右方向(一対のアーム部材607,607の離間方向)に拡開するよう構成されている。このように、ガイド挿通孔653を細径部654および拡開部655で構成することで、連結ガイド部631が前後および左右方向にブレることなく連結ガイドシャフト648に沿って上下方向にスライドし得ると共に、細径部654を回動中心とした回動が可能となる(図126,図131参照)。
前記ガイド挿通孔653に連結ガイドシャフト648が挿通された状態では、ガイド部本体649がサブベース規制溝630に臨んで、サブベース規制溝630内をスライド移動するよう構成される。ここで、本体板部651の左右方向の幅寸法は、サブベース規制溝630より小さく設定されており、連結ガイド部631が所定の回動角度の範囲内で回動するのは許容される。一方、連結ガイド部631が所定の回動角度まで回動した場合には、図126に示すように、本体板部651がサブベース規制溝630の側壁部に当接して、連結ガイド部631の回動が規制されるようになっている。
(支持駆動機構について)
次に、支持駆動機構578,578について、以下説明する。支持駆動機構578,578は、可動部材503および作動体504を左右から挟むように一対設けられ、可動部材503および作動体504を保持すると共に両部材503,504を上下方向に移動させるものである。なお、両支持駆動機構578,578の構成は、基本的に左右対称であるので、以下の説明では、主として左側の支持駆動機構578について説明し、右側の支持駆動機構578についての詳細な説明は、左側の支持駆動機構578と相違する箇所についてのみ行う。図107,図116に示すように、支持駆動機構578は、支持ケース部材569と、ベース板金510に揺動自在に軸支されると共に、可動部材503および作動体504に回動自在に接続されたアーム部材607と、ベース板金510に姿勢変化可能に軸支されると共に、アーム部材607に回動自在に接続された駆動アーム656と、該駆動アーム656を姿勢変化させる可動部材用モータ(駆動手段,,第1の駆動手段,モータ)657とから基本的に構成される。
(支持ケース部材について)
前記支持ケース部材569は、図129,図130に示すように、後支持ケース体658と、該後支持ケース体658の前側に配設される前支持ケース体659とから構成されている。後支持ケース体658は、ベース板金支持面部740の前面に当接する後設置面部660と、該後設置面部660の縁部から前方に延出する後支持ケース壁部661とから構成され、前方に開放する箱状に形成されている。後設置面部660には、上下の縁部の付近に前後方向に開放する板金用ケース通孔660aが形成されると共に、第1回動軸571および第2回動軸572に夫々対応する第1回動軸用通孔660bおよび第2回動軸用通孔660cが前後方向に開放して形成されている。また、後設置面部660の後面には、後方に突出する板金用ケース位置決め突起660dが複数形成されている。更に、後設置面部660には、後面から後方へ突出して前方に開放する筒状の駆動ギヤ収容部662が形成されている。更にまた、後設置面部660の左側の縁部に近接して、左アース用ネジ孔573に対応する左アース用ケース通孔660eが前後方向に開放して形成されている。なお、図124に示すように、右側の支持駆動機構578については、後設置面部660の左上側の隅部に、右アース用ネジ孔574に対応する右アース用ケース通孔660fが前後方向に開放して形成されている。
そして、第1回動軸571および第2回動軸572を、夫々、第1回動軸用通孔660bおよび第2回動軸用通孔660cに挿通させると共に、板金用ケース位置決め突起660dを対応するベース板金位置決め孔510eに嵌入させ、ベース板金ネジ孔510fに整合した板金用ケース通孔660aを介して該ベース板金ネジ孔510fにネジを螺挿することで、後支持ケース体658(支持ケース部材569)がベース板金支持面部740(ベース板金510)にネジ止めされる。このとき、図85に示すように、駆動ギヤ収容部662がベース板金貫通孔510dを介してベース板金支持面部740の後方に突出するよう構成される。また、左アース用ケース通孔660e(右アース用ケース通孔660f)が、ベース板金510の左アース用ネジ孔573(右アース用ネジ孔574)に整合するよう構成される。
前記後支持ケース体658の下部には、後ケース取付片663が下方に延出するよう形成されており、該後ケース取付片663に前後方向に開放する支持ケース取付用通孔663aが形成されている。この支持ケース取付用通孔663aは、裏ユニット50の左辺部52cに形成されたネジ孔に対応している。また、右側の支持駆動機構578における支持ケース取付用通孔663aについては、裏ユニット50の右辺部52bに形成されたネジ孔に対応している。上側の後支持ケース壁部661には、前端部から上方に延出する後ケース突出壁664が形成されており、該後ケース突出壁664に、前方へ突出すると共に後方に開放した支持ケースボス部664aが形成されている。そして、支持ケース取付用通孔663aおよび支持ケースボス部664aを介して、後支持ケース体658(支持ケース部材569)は、裏ユニット50の設置板部52にネジ止めされる。後支持ケース体658を設置板部52に取付けた状態では、左アース用ケース通孔660eがベース板金510の左アース用ネジ孔573と共に左部アース開口87に整合する。また、右側の支持駆動機構578については、右アース用ケース通孔660fがベース板金510の右アース用ネジ孔574と共に右部アース開口88に整合する。そして、左アース用ネジ孔573に整合した左アース用ケース通孔660fには、左部アース開口87を介して第3アース中継線ER3がアース接続される。同様に、右アース用ネジ孔574に整合した右アース用ケース通孔660fには、右部アース開口88を介して第4アース中継線ER4がアース接続される。
前記後ケース突出壁664および下側の後支持ケース壁部661の内側面には、前方へ開放した後支持ケースネジ孔660gが形成されている。また、後設置面部660の前面下部には、前方に突出する柱状の弾性体係止部665,665が左右方向に僅かに離間して一対形成されている。更に、後設置面部660の左側縁部に近接して、前方に突出するモータ用ケースボス部660h,660hが駆動ギヤ収容部662を挟むように上下に離間して一対形成されると共に、上側のモータ用ケースボス部660hに近接して、原位置センサ用ケース設置部666が形成されている。この原位置センサ用ケース設置部666は、図116,図117に示すように、後設置面部660の前面から突出すると共に互いに離間する一対のセンサ保持片666a,666aで構成され、両センサ保持片666a,666aの間に後述する可動部材用原位置検知装置667が設置されるようになっている。また、後設置面部660の前面には、第2回動軸用通孔660cに近接して、該第2回動軸用通孔660cの中央部(すなわち、第2回動軸572)を中心とした円弧状の規制リブ(ロック手段)668が前方に突出して形成されている。この規制リブ668は、第2回動軸用通孔660cより内側(可動部材503側)かつ下側に位置している。
前記前支持ケース体659は、後支持ケース体658の前側を覆う前ケース装飾板669と、該前ケース装飾板669の外側(可動部材503から遠い側)の縁部から前方へ延出する前支持ケース壁部670とから構成されている。前ケース装飾板669には、後支持ケース体658の後支持ケースネジ孔660gに対応する前支持ケース通孔669aが前後方向に開放して形成されている。そして、各後支持ケースネジ孔660gに整合した前支持ケース通孔669aを介してネジを後支持ケースネジ孔660gに螺挿することで、前支持ケース体659が後支持ケース体658にネジ止めされる。
前記前ケース装飾板669の後面には、第1回動軸571に対応した筒状の第1軸受け669bおよび第2回動軸572に対応した筒状の第2軸受け669cが、夫々、後方に突出して形成されている。前支持ケース体659を後支持ケース体658に取付けた状態で、第1回動軸571の前端部が第1軸受け669bに嵌合すると共に、第2回動軸572の前端部が第2軸受け669cに嵌合して、前支持ケース体659が位置決めされるようになっている。また、前支持ケース壁部670には、原位置センサ保護部671が外側(可動部材503から離間する側)へ突出して形成されており、該原位置センサ保護部671の後部に、後方へ開放するセンサ収容部671aが形成されている。
前記原位置センサ用ケース設置部666には、可動部材503の原位置を検知する可動部材用原位置検知装置667が設置される。この可動部材用原位置検知装置667は、可動部材用原位置基板667aと、該可動部材用原位置基板667aに配設された可動部材用原位置センサ667bとから構成されている。可動部材用原位置基板667aは、矩形板状に形成されており、その後端部を両センサ保持片666a,666aの間に挿入することで、可動部材用原位置基板667aの後側が後支持ケース体658に保持される。また、可動部材用原位置基板667aは、前支持ケース体659を後支持ケース体658に取付けた状態で、前端部がセンサ収容部671a内に収容されて、可動部材用原位置基板667aの前側が保持される。可動部材用原位置センサ667bは、前記可動体原位置センサ565と同様に凹状検知部667cが形成されてコ字状をなしており、可動部材用原位置検知装置667を後支持ケース体658に設置した状態で、凹状検知部667cが第2回動軸用通孔660c側に臨むようになっている。
前記可動部材用モータ657は、統括制御装置37に駆動制御されて、可動部材503および作動体504を作動させるものである。左右の可動部材用モータ657,657は、夫々、独立に制御されるようになっており、両可動部材用モータ657,657は、同期して駆動される場合や、非同期的に駆動される場合がある。なお、可動部材用モータ657,657が非同期的に駆動するとは、夫々の可動部材用モータ657の回転速度を異ならせたり、一方の可動部材用モータ657のみを駆動させたりして、左右のアーム部材607,607をバラバラに揺動させることをいう。また、可動部材用モータ657は、第1用可動体モータ508に対しても独立して駆動されるようになっている。
前記可動部材用モータ657は、モータ用ケースボス部660hに対応する可動部材用モータ取付片657a,657aを一対備え、各可動部材用モータ取付片657aの後面を対応のモータ用ケースボス部660hの前面に当接させたもとで、可動部材用モータ取付片657aに設けた通孔を介してモータ用ケースボス部660hにネジを螺挿することで、可動部材用モータ657が後支持ケース体658にネジ止めされる。図123に示すように、可動部材用モータ657は、後支持ケース体658に取付けた状態で、後面が後設置面部660からモータ用ケースボス部660hの突出高さだけ離間するようになっている。また、可動部材用モータ657の駆動軸には、可動部材用モータ駆動ギヤ(駆動ギヤ)672が接続される。可動部材用モータ657を後支持ケース体658に取付けた状態では、可動部材用モータ駆動ギヤ672が可動部材用モータ657の後面と後設置面部660との間に位置すると共に、可動部材用モータ駆動ギヤ672の後端部側が駆動ギヤ収容部662に臨むようになっている。
(アーム部材について)
次に、アーム部材607について説明をする。左右一対のアーム部材607,607は、可動部材503の左右の側部(第1,第2ガイド溝610,611)および作動体504の左右の側部(第3ガイド溝640)に接続して、両部材503,504を回動自在に支持するすると共に、遊技盤40に対してアーム部材607が揺動することで、可動部材503および作動体504を上下方向に往復移動させるものである。アーム部材607は、一方向(図116では、時計回り方向)に回動することで、可動部材503を第1位置から第2位置に下方へ移動させ、また、他方向(図117では、反時計回り方向)に回動することで、可動部材503を第2位置から第1位置に上方へ移動させるよう構成される。各アーム部材607は、図113に示すように、第1回動軸571に回動自在に軸支された支軸部673と、可動部材503の接続台部606に接続された第1接続部(接続部)674および第2接続部(第2の接続部)675からなる接続手段676と、作動体504の第3ガイド溝640に接続された第3接続部(連結部)677とを備え、前記ベース板金510に支持されている。また、アーム部材607は、支軸部673から第1接続部674に至る主アーム部678と、第1接続部674から第2接続部675に至る補助アーム部679と、第1接続部674から第3接続部677に至る延出アーム部680とを有している。
図113に示すように、前記主アーム部678は、主アーム本体681と、該主アーム本体681の前側に配設される主アームカバー682とから構成される。主アーム本体681は、長尺な主アーム本体板部683と、該主アーム本体板部683の周縁部から前方に延出する主アーム壁部684とから基本的に構成される。主アーム本体681は、前方に開放する主アームネジ孔681aが主アーム本体681の長手方向に離間して一対設けられている。主アーム本体板部683の開放端側の縁部には、主アーム壁部684が設けられておらず、当該部位に延出用開口685が形成されている。また、主アーム本体板部683には、駆動アーム656が連結する回動連結部686が形成されている。この回動連結部686は、主アーム部678において、支軸部673および第1接続部674を結ぶ線分の中点(図114の符号M参照)より第1接続部674側に偏倚した位置に設けられる。回動連結部686は、上側の主アーム壁部684が下方へ円弧状に凹んで形成された連結用凹部(連結溝)687と、該連結用凹部687内に前後方向に設けられる回動連結軸(第1連結軸,連結軸)688とから構成される(右側のアーム部材607を示す図115参照)。主アーム本体板部683には、連結用凹部687内に臨む前面に前方に開放する主アーム後軸凹部689が凹設されており、該主アーム後軸凹部689に回動連結軸688の後端部が挿入されるようになっている。
前記主アーム本体板部683の開放端側(可動部材503から離間する端部側)には、前面から前方に突出して支軸部673が設けられている。この支軸部673は、前後方向に貫通する支軸孔673aが形成された筒状体であって、該支軸孔673aに第1回動軸571が挿通されるようになっている。支軸孔673aの開口寸法は、第1回動軸571の外径より僅かに大きく設定されており、該第1回動軸571が支軸孔673aに嵌挿されることで、第1回動軸571に支軸部673がガタつくことなく軸支される。なお、支軸部673の前端部は、主アーム壁部684より前方に突出するよう形成されている。
前記主アーム本体681には、該主アーム本体681の短手方向に離間する主アーム壁部684を連結する主アーム連結壁690が設けられており、該主アーム連結壁690に主アーム本体681の長手方向に開放する係止孔690aが形成されている。支軸部673には、互いに反対方向へ延出する2つの弾性付勢片691a,691aを備えた付勢部材691が設けられる。一方の弾性付勢片691aは、主アーム連結壁690の係止孔690aに挿通されるようになっている。また、図116に示すように、他方の弾性付勢片691aは、延出用開口685を介して主アーム本体681の外方へ延出し、弾性体係止部665,665の間に係止される。両弾性付勢片691a,691aが係止された状態で、係止孔690aに係止された弾性付勢片691aは、主アーム部678(アーム部材607)を他方向へ揺動させる方向に弾性力を付与するようになっている。すなわち、アーム部材607は、付勢部材691により常に他方向(可動部材503を上方へ移動させる方向)へ回動する方向へ付勢されている。
前記主アームカバー682には、主アームネジ孔681aに対応する一対の主アーム通孔682a,682aが前後方向に開放して形成されている。そして、前記主アームネジ孔681aに整合した主アーム通孔682aを介してネジを主アームネジ孔681aに螺挿することで、主アームカバー682が主アーム本体板部683の前側にネジ止めされる。主アームカバー682の外側(可動部材503から離間する側)の端部には、前後方向に開放する支軸用貫通孔682bが形成されている。そして、主アームカバー682を主アーム本体板部683に取付けた状態で、支軸用貫通孔682bに支軸部673の前端部が臨むようになっている。また、主アームカバー682の後面には、主アーム後軸凹部689に対応して主アーム前軸嵌合孔692が前後方向に開放するよう形成されており、主アームカバー682を主アーム本体板部683に取付けた状態で、回動連結軸688の前端部が主アーム前軸嵌合孔692に嵌合するになっている。なお、主アーム前軸嵌合孔692に嵌合した回動連結軸688の前端部には、抜け止めが施されるようになっている。
前記第1接続部674は、第1ガイド溝610に摺動自在に接続されて、アーム部材607と可動部材503とを連結するものである。第1接続部674は、主アーム部678および延出アーム部680に一体的に形成された接続部本体693と、該接続部本体693の前側に配設される係止盤694とから構成されている。接続部本体693は、主アーム部678および延出アーム部680を連結する円形状の部材であって、接続部本体693の直径は、第1ガイド溝610の延在方向に直交する方向(上下方向)の開口寸法より大きく設定されている。接続部本体693には、その中心部から前方に突出して接続突起695が設けられている。係止盤694は、接続部本体693と略同面積の円盤状部材であって、係止盤694の直径は、第1ガイド溝610の上下方向の開口寸法より大きく設定されている。係止盤694の後面には、後方に突出する係止ボス部696(図118参照)が形成されている。この係止ボス部696は、係止盤694の後面からの突出量が、接続台部606の接続台部基体608の厚みより僅かに大きく設定されている。また、係止ボス部696の外径は、第1ガイド溝610の上下方向の開口寸法より僅かに小さく設定され、第1ガイド溝610を挿通し得るようになっている。更に、係止ボス部696は、第1ガイド溝610の端部の円弧形状に略整合する断面形状とされ、係止ボス部696の側面の略半分が第1ガイド溝610の端部に嵌合し得るよう構成される。
前記係止盤694および係止ボス部696には、両部材の中心部を貫通する接続部用嵌合孔697が前後方向に開放して形成されている。この接続部用嵌合孔697の開口寸法は、接続突起695の外径より僅かに大きく設定されており、該接続部用嵌合孔697に接続突起695が前側から嵌挿されることで、係止盤694が接続部本体693に対し回転自在に取付けられる。すなわち、第1接続部摺動空間612に臨ませた係止盤694の接続部用嵌合孔697に対し、第1ガイド溝610を介して接続突起695を後方から嵌挿させ、該接続部用嵌合孔697を介して係止盤694の前面側に臨んだ接続突起695に対し抜け止めを施すことで、係止盤694が接続部本体693に取付けられる(図119参照)。係止盤694を接続部本体693に取付けた状態では、係止ボス部696の後端部が接続部本体693の前面に当接し、該係止盤694は接続部本体693に対し係止ボス部696の突出分だけ前方に離間する。そして、係止盤694および接続部本体693の間に第1ガイド溝610の縁部が挟まれることで、第1接続部674が第1ガイド溝610に摺動自在に接続される。
ここで、第1接続部674は、可動部材503が第1位置にあっては、図120に示すように、第1ガイド溝610の外側(支軸部673側)の端部(一端部)に当接し、可動部材503が第2位置にあっては、図122に示すように、第1ガイド溝610の内側(作動体504側)の端部(他端部)に当接するよう構成されている。すなわち、第1ガイド溝610は、両端部に第1接続部674に当接することで、可動部材503の移動量を規定している。また、可動部材503が第1位置から第2位置に移動する際には、係止ボス部696が第1ガイド溝610に沿って外側から内側に移動するようになっている(図121参照)。すなわち、第1接続部674は、可動部材503が第1位置から第2位置に移動する際に、第1ガイド溝610を右方(右側の第1接続部674では、左方)に摺動する。一方、可動部材503が第2位置から第1位置に移動する際には、係止ボス部696が第1ガイド溝610に沿って内側から外側に移動するようになっている。すなわち、第1接続部674は、可動部材503が第2位置から第1位置に移動する際に、第1ガイド溝610を左方(右側の第1接続部674では、右方)に摺動する。
前記補助アーム部679は、主アーム部678における第1接続部674に近接する部位から下方に延出するよう形成されており、支軸部673を中心とする円弧状に延在している。補助アーム部679の開放端側の端部には、第2接続部675が設けられている。この第2接続部675は、第2ガイド溝611に摺動自在に接続されて、アーム部材607と回動部材とを連結するものである。すなわち、第2接続部675は、可動部材503に対し第1接続部674より下方(第1接続部674とは異なる箇所)で接続されており、各アーム部材607の第1,第2接続部674,675が可動部材503に2箇所で接続することで、実施例の如く、左右方向に長尺で重量のある可動部材503を安定的に保持している。なお、第2接続部675は、第1接続部674と基本的に同じ構成であるので、各部材に第1接続部674と同じ符号を付して、詳細な説明は省略する。図119に示すように、第2接続部675は、第2ガイド溝611に前方から挿入させた接続突起695を第2接続部摺動空間613に位置する係止盤694の接続部用嵌合孔697に嵌挿させ、該接続部用嵌合孔697を介して係止盤694の前面側に臨んだ接続突起695に対し抜け止めを取付けることで、第2接続部675が第2ガイド溝611に摺動自在に接続される。
ここで、第2接続部675は、可動部材503が第1位置にあっては、図120に示すように、第2ガイド溝611の内側(作動体504側)の端部(一端部)に当接し、可動部材503が第2位置にあっては、図122に示すように、第2ガイド溝611の外側(支軸部673側)の端部(他端部)に当接するよう構成されている。すなわち、第2ガイド溝611は、両端部が第2接続部675に当接することで、第1ガイド溝610と同様に、可動部材503の移動量を規定している。また、可動部材503が第1位置から第2位置に移動する際には、係止ボス部696が第2ガイド溝611に沿って内側から外側に移動するようになっている。すなわち、第2接続部675は、可動部材503が第1位置から第2位置に移動する際に、第2ガイド溝611に沿って斜め左上方(右側の第2接続部675では、斜め右上方)に摺動する。一方、可動部材503が第2位置から第1位置に移動する際には、係止ボス部696が第2ガイド溝611に沿って外側から内側に移動するようになっている。すなわち、第2接続部675は、可動部材503が第2位置から第1位置に移動する際に、第2ガイド溝611を斜め右下方(右側の第2接続部675では、斜め左下方)に摺動する。従って、可動部材503の移動時における第2接続部675の摺動方向は、第1接続部674と左右反対となる。
ここで、前述のように、第2ガイド溝611の内側の端部は、中心角が180°以上の円弧形状をなしており、第2接続部675の係止ボス部696と内側の端部との接触面積は、第2ガイド溝611の外側の端部よりも大きくなる。すなわち、係止ボス部696は、側面の半分以上が第2ガイド溝611の内側の端部に当接して、第2接続部675が第2ガイド溝611の内側の端部に僅かに係合して保持される。但し、第2接続部675と第2ガイド溝611の内側の端部との係合は、第2接続部675と第2ガイド溝611の外側の端部との係合や第1接続部674と第1ガイド溝610の両端部との係合に較べて僅かに強いものであり、可動部材503が第1位置から第2位置に移動する際に障害となるものではない。
前記延出アーム部680は、第1接続部674から作動体504側(支軸部673とは離間する側)へ直線的に延出するよう形成されている。延出アーム部680は、主アーム部678に対し第2接続部675側へ傾斜しており、主アーム部678および延出アーム部680は「く」の字状をなしている。延出アーム部680の開放端部側(アーム部材607における第1接続部674を挟んで支軸部673と反対側)には、第3接続部677が設けられている。この第3接続部677は、第3ガイド溝640に摺動自在に接続されて、アーム部材607と作動体504とを連結するものである。すなわち、作動体504は、第1接続部674および第2接続部675よりも支軸部673から離間した箇所でアーム部材607に接続されている。従って、アーム部材607の揺動時における作動体504の変位量が可動部材503より大きくなり、作動体504は、可動部材503に対して相対的に移動するようになっている。なお、第3接続部677は、第1,第2接続部674,675と基本的に同一の構成なので、各部材に第1接続部674と同じ符号を付して説明は省略する。第3接続部677は、第3ガイド溝640に前側から係止ボス部696を挿通した係止盤694の接続部用嵌合孔697に接続部本体693の接続突起695を嵌入し、該接続部用嵌合孔697の前方開口に臨む接続突起695に抜け止めを施すことで、第3ガイド溝640に接続されるようになっている。そして、アーム部材607が揺動することで、第3接続部677は、第3ガイド溝640の延在方向に沿って左右方向に摺動するよう構成される。
(駆動アームについて)
前記駆動アーム656,656は、支持ケース部材569に姿勢変化可能に配設されると共に、アーム部材607,607を吊り下げ保持し、自ら姿勢変化することでアーム部材607,607を揺動させるものである。各駆動アーム656は、図116に示す如く、可動部材503の第1位置に対応する第1姿勢と、図117に示す如く、可動部材503の第2位置に対応する第2姿勢とに姿勢変化するよう構成されている。すなわち、駆動アーム656は、第1姿勢から第2姿勢に姿勢変化することで、アーム部材607を一方向へ回動させ、第2姿勢から第1姿勢に姿勢変化することで、アーム部材607を他方向へ回動させるようになっている。
前記駆動アーム656は、アーム部材607(主アーム部678)に連結された第1リンク部698と、第1リンク部698に連結されると共に、第2回動軸572に軸支された第2リンク部699とから基本的に構成されている。図113に示すように、第1リンク部698は、所要長さを有する板状体であって、前後方向に開放する第1リンク連結孔698a,698aが長手方向の両端部に形成されている。第1リンク部698は、一方の第1リンク連結孔698aに回動連結軸688を挿通した状態で、主アームカバー682を主アーム本体板部683に取付けることで、主アーム部678(アーム部材607)に回動自在に連結される。また、他方の第1リンク連結孔698aには、リンク部連結軸(第2連結軸)700が挿通されるようになっている。
前記第2リンク部699は、所要長さを有する第2リンク本体701と、可動部材用モータ657の可動部材用モータ駆動ギヤ672に噛合する駆動アーム従動ギヤ(従動ギヤ)702と、該駆動アーム従動ギヤ702に形成された駆動アーム当接部(当接部)703とを備えている。第2リンク本体701には、一端に前後方向に開放する第2リンク連結孔701aが形成され、第1リンク連結孔698aを挿通したリンク部連結軸700を第2リンク連結孔701aに挿通し、リンク部連結軸700に対し抜け止めを施すことで、第2リンク部699が第1リンク部698に後側から回動自在に連結される。第2リンク本体701の他端側には、該第2リンク本体701の前面から突出して回動軸支部704が形成され、該回動軸支部704に前後方向に開放する第2アーム軸支孔704aが形成されている。この第2アーム軸支孔704aの開口寸法は、ベース板金510の第2回動軸572の外径より僅かに大きく設定されており、第2アーム軸支孔704aに第2回動軸572が嵌挿されることで、第2リンク部699が第2回動軸572に回動自在に軸支される。ここで、第2リンク部699が一方向(図116では、時計回り方向)へ回動することで、駆動アーム656が第1姿勢から第2姿勢に姿勢変化し、第2リンク部699が他方向(図117では、反時計回り方向)へ回動することで、駆動アーム656が第2姿勢から第1姿勢に姿勢変化するようになっている。また、第2リンク本体701には、該第2リンク本体701の短手方向に突出する扇状の駆動アーム原位置被検知片701bが形成されている。
前記駆動アーム従動ギヤ702は、回動軸支部704を回転中心とする半円形状のギヤであって、第2リンク本体701に一体的に形成されている。駆動アーム従動ギヤ702の歯部は、円弧部分の周縁部に形成されている。また、駆動アーム従動ギヤ702は、第2リンク本体701の後面から該第2リンク本体701の短手方向へ突出するよう形成されている。そして、駆動アーム従動ギヤ702は、図116に示すように、歯部が規制リブ668と反対側(可動部材用モータ657側)を臨むように支持ケース部材569に設置される。第2リンク部699が第2回動軸572に軸支された状態では、駆動アーム従動ギヤ702の歯部の一部が可動部材用モータ657の後面と後設置面部660との間に臨んで、可動部材用モータ駆動ギヤ672に噛合するようになっている。駆動アーム従動ギヤ702には、歯部の両端部を結ぶ直線状の端縁部から前方へ突出するように駆動アーム当接部703が一体的に形成されている。この駆動アーム当接部703は、回動軸支部704を挟んでリンク部連結軸700側に位置する下限位置当接部703aと、リンク部連結軸700とは反対側に位置する上限位置当接部703bとから構成される。
(駆動アームが第1姿勢にある場合について)
次に、駆動アーム656が第1姿勢にある場合について説明する。図116に示すように、駆動アーム656が第1姿勢では、リンク部連結軸700が回動軸支部704の上方に位置すると共に、該回動軸支部704を挟んで回動連結軸688とは反対側に位置するよう構成されている。すなわち、駆動アーム656が第1姿勢では、リンク部連結軸700が回動軸支部704の左方(右側の駆動アーム656では、右方)に位置すると共に、回動連結軸688が回動軸支部704の右方(右側の駆動アーム656では、左方)に位置している。また、回動連結軸688は、規制リブ668と略同一の高さに位置し、第1リンク部698および第2リンク部699がリンク部連結軸700側で一部重なった状態となる。更に、上限位置当接部703bが規制リブ668の外側(可動部材503から離間する側)の端面に当接し、第2リンク部699の他方向への回動が阻止されるよう構成されている。すなわち、規制リブ668は、駆動アーム656が第1姿勢にあって、上限位置当接部703bに当接することで、アーム部材607が他方向へ回動する方向への駆動アーム656の姿勢変化を阻止している。また、駆動アーム原位置被検知片701bが可動部材用原位置センサ667bの凹状検知部667cに臨み、可動部材用原位置検知装置667が可動部材503の原位置(第1位置)を検知する。
更に、前記駆動アーム656が第1姿勢では、アーム部材607は、主アーム部678が支軸部673から第1接続部674に向かうにつれて上方へ傾斜すると共に、延出アーム部680が略水平な姿勢となっている。この状態では、第1接続部674および第3接続部677が支軸部673より上方に位置すると共に、第2接続部675が支軸部673と略同一高さに位置している。そして、前記駆動アーム656が第1姿勢では、前述のように、第1接続部674が第1ガイド溝610の外側の端部に当接すると共に、第2接続部675が第2ガイド溝611の内側の端部に当接している。すなわち、第1接続部674および第2接続部675が、夫々、対応するガイド溝610,611において左右反対側の端部に当接することで、可動部材503は、上方(第2位置から第1位置へ移動する方向)への移動が規制された状態で第1位置に保持される。更に、駆動アーム656が第1姿勢にあっては、リンク部連結軸700が回動軸支部704より外側に位置するため、アーム部材607を介して第2リンク部699に付与される可動部材503の自重による負荷は、第2リンク部699を他方向へ回動させる方向に付与されるよう構成される。そして、駆動アーム656が第1姿勢では、第2リンク部699の他方向への回動は、規制リブ668によって規制されるため、可動部材503の負荷により第2リンク部699が回動するのは阻止されるようになっている。
(駆動アームが第2姿勢にある場合について)
次に、駆動アーム656が第2姿勢にある場合について説明する。図117に示すように、駆動アーム656が第2姿勢では、リンク部連結軸700が回動軸支部704より内側(作動体504側)に位置するよう構成されている。また、回動連結軸688は、支軸部673と略同一の高さに位置し、第1リンク部698および第2リンク部699は略90°屈曲した状態となる。更に、下限位置当接部703aが規制リブ668の内側(作動体504側)の端面に当接し、第2リンク部699の一方向への回動が阻止されるよう構成されている。すなわち、駆動アーム656が第2姿勢にあっては、規制リブ668は、アーム部材607が一方向へ回動する方向への駆動アーム656の姿勢変化を阻止している。なお、駆動アーム656が第2姿勢では、駆動アーム原位置被検知片701bが可動部材用原位置センサ667bの凹状検知部667cから離脱するようになっている。
また、前記駆動アーム656が第2姿勢にあっては、アーム部材607は、主アーム部678が略水平姿勢になると共に、延出アーム部680が第1接続部674から第3接続部677に向かうにつれて下方傾斜した姿勢となる。この状態では、第1接続部674が支軸部673と略同一高さに位置すると共に、第2接続部675および第3接続部677が支軸部673より下方に位置している。また、駆動アーム656が第2姿勢では、前述のように、第1接続部674が第1ガイド溝610の内側の端部に当接すると共に、第2接続部675が第2ガイド溝611の外側の端部に当接する。すなわち、第1接続部674および第2接続部675が、夫々、対応するガイド溝610,611において左右反対側の端部に当接することで、可動部材503は、下方(第1位置から第2位置へ移動する方向)への移動が規制された状態で第2位置に保持される。更に、駆動アーム656が第2姿勢にあっては、図117に示すように、リンク部連結軸700が回動軸支部704より内側に位置するため、アーム部材607を介して第2リンク部699に付与される可動部材503の自重による負荷は、第2リンク部699を一方向へ回動させる方向に付与されるよう構成される。そして、前述のように、駆動アーム656が第2姿勢では、第2リンク部699の一方向への回動は、規制リブ668によって規制されるため、可動部材503の負荷により第2リンク部699が回動するのは阻止されるよう構成される。
(第1可動演出装置の可動演出について)
次に、第1可動演出装置500の可動演出について、以下説明を行う。第1可動演出装置500では、所定条件が成立すると、可動体501、可動部材503および作動体504の3つの部材による複合的な可動演出が行われるようになっている。
(可動部材装置の可動演出について)
先ず始めに、可動部材装置505の可動演出について説明を行う。なお、可動部材装置505が可動演出を行う前の状態では、駆動アーム656,656が第1姿勢にあって可動部材503が第1位置に位置し、作動体504が可動部材503の後方に重なって作動体収容凹部605に収容されている。
先ず始めに、左右の可動部材用モータ657,657を同期して駆動して、可動部材503および作動体504を上下に平行移動させる場合について説明する。所定条件が成立すると、統括制御装置37が左右の可動部材用モータ657,657に制御信号を送出し、両可動部材用モータ657,657が同期して駆動する。すると、可動部材用モータ駆動ギヤ672が回転して、該可動部材用モータ駆動ギヤ672に噛合した駆動アーム従動ギヤ702が回動される。すると、第2リンク部699が一方向(図124において、左側の第2リンク部699は時計回り方向、右側の第2リンク部699は反時計回り方向)に回動して、駆動アーム656が姿勢変化を開始する。すなわち、駆動アーム656とアーム部材607との連結部である回動連結軸688が下降し、アーム部材607が付勢部材691の弾性力に抗して一方向へ回動する。
すると、図121に示すように、アーム部材607の第1接続部674が第1ガイド溝610を外側の端部から内側の端部へ向けて内側へ水平方向に摺動すると共に、アーム部材607の第2接続部675が、第2ガイド溝611を内側の端部から外側の端部へ向けて斜め上方に摺動する。これにより、可動部材503が水平姿勢のまま下方へ移動する。このように、実施例では、アーム部材607の第1,第2接続部674,675が可動部材503に接続されて、可動部材503は、両アーム部材607に4箇所で支持されている。従って、実施例の如く、長尺で重量のある可動部材503であっても安定的に支持することができ、可動部材503をグラつくことなく確実に移動させることが可能となる。
ここで、実施例では、アーム部材607と駆動アーム656との連結部である回動連結部686は、アーム部材607の支軸部673および第1接続部674を結ぶ線分の中点より第1接続部674側に偏倚している(図114参照)。従って、支軸部673および第1接続部674を結ぶ線分の中点より支軸部673側に回動連結部686を設けた場合に較べ、アーム部材607を揺動させるのに必要な力を小さくし得る。これにより、比較的出力の小さい可動部材用モータ657を用いることができ、製造コストやランニングコストを抑制することが可能となる。なお、駆動アーム656は、第1リンク部698がアーム部材607の連結用凹部687の内部で連結する構成としたので、駆動アーム656をアーム部材607の前面や後面側で連結した場合に較べ、アーム部材607および駆動アーム656をバランスよく連結することができる。従って、駆動アーム656によりアーム部材607を安定的に揺動させることができ、スムーズな可動部材503の移動を実現し得る。
各アーム部材607が一方向へ回動することで、第3接続部677が第3ガイド溝640を水平方向に移動する。更に、作動体504に設けられた連結ガイド部631が連結ガイドシャフト648に沿って下方へスライドすることで、作動体504が水平姿勢のまま下方へ移動する。すなわち、可動部材装置505では、可動部材503と同期して作動体504が下方へ移動するので、両部材によって一体感のある可動演出を行うことができ、遊技の興趣が高められる。
ここで、アーム部材607と作動体504とを接続する第3接続部677は、第1,第2接続部674,675より支軸部673から離間して、アーム部材607の揺動時における第3接続部677の変位量は大きくなっている。従って、作動体504の移動量は、可動部材503よりも大きくなるので、図121に示すように、作動体504は、可動部材503が下方に移動するにつれて、可動部材503の下端部から突出し、作動体504は可動部材503に対し相対的に下方へ移動することとなる。すなわち、作動体504は、可動部材503に隠れた状態から徐々に露出して、遊技者側から視認し得るようなるので、演出効果の高い可動演出を行い得る。しかも、連結ガイド部631が連結ガイドシャフト648に沿って案内されることで、作動体504を確実に移動させることが可能となる。また、連結ガイド部631の細径部654は、連結ガイドシャフト648の外径より僅かに大きな断面形状であるので、作動体504の前後方向および左右方向への移動は規制される。従って、作動体504が前後左右にぶれて、ガタつきながら移動するのを防止して、作動体504を安定的に移動させることが可能となる。なお、作動体504に左右方向に延在する第3ガイド溝640を設け、該第3ガイド溝640を第3接続部677が摺動することで、作動体504の移動を許容しつつ安定的に作動体504を移動させることが可能となる。
ここで、実施例に係る可動部材503は、ベース突出部603の後面にベースコネクタ用開口部614やケーブルコネクタ用開口部615を設け、中基板コネクタ部600や中基板ケーブル用コネクタ部601、更にフラットケーブル566や配線647,599b,598bが邪魔にならないようになっている。従って、作動体504が可動部材503に対し移動する際に、コネクタ部600,601やフラットケーブル566等が作動体504に干渉し難くして、断線や作動体504の移動に支障が生じるのを抑制している。
実施例に係る可動部材503は、図7に示すように、第1位置にあって、左右の重なり部582,582が盤本体42と裏ユニット50の上辺部52aとの間に位置しており、左右方向に長尺な構成となっている。このように長尺な可動部材503が下方へ移動することで、遊技者に迫力のある可動演出を提供することが可能となる。しかも、可動部材503は、表示枠体100の窓口100aを介して前側に臨む露出部583が前方に突出した立体的形状としたので、より迫力ある可動演出を行うことが可能となる。また、可動部材503が下方に移動する際に、左右の重なり部582,582が左側スペース781および右側スペース751を夫々移動する。この場合も、透明な盤本体42を介して左右の重なり部582,582を視認し得るので、遊技者は可動部材503の全体を確認することができ、迫力ある可動演出を楽しむことができる。しかも、表示枠体100を透明に構成したので、左右の重なり部582,582はより視認し易くなる。また、左右の重なり部582,582は、可動部材503が下方に移動するにつれて、徐々に表示枠体100の窓口100aに臨むので、遊技者は、重なり部582,582を含む可動部材503全体を直接視認することができる。
ところで、可動部材503および作動体504の可動演出時に、統括制御装置37は、夫々に設けられた可動部材発光装置581および作動体発光装置636に制御信号を送出して、両発光装置581,636を発光させるようになっている。すなわち、可動部材503については、可動部材発光装置581の可動部材発光素子596が発光して、発光板594の側端面に光を照射する。そして、可動部材発光素子596から照射された光により発光板594全体が明輝して、前板装飾部材589が発光される。これにより、可動部材503の前板貫通口587を介して視認される英文字が発光した状態となって、移動時の可動部材503をより目立たせることが可能となる。同様に、作動体発光装置636の作動体発光素子645が点灯することで、大型作動体飾り部638および小型作動体飾り部637が発光して、下方へ移動する作動体504の演出効果が高められる。
第2リンク部699が更に回動して、駆動アーム656が第2姿勢に姿勢変化すると、統括制御装置37は、左右の可動部材用モータ657,657に対し同時に停止信号を送出し、両可動部材用モータ657,657の駆動を停止させる。すると、各可動部材用モータ駆動ギヤ672の回転が停止され、駆動アーム従動ギヤ702の回動が停止される。これにより、図122に示すように、アーム部材607は、主アーム部678が略水平となった姿勢で回動が停止し、可動部材503を第2位置で停止させる。このとき、各アーム部材607の第1接続部674は、第1ガイド溝610の内側の端部(左側の第1接続部674は第1ガイド溝610の右端部、右側の第1接続部674は第1ガイド溝610の左端部)に当接すると共に、第2接続部675は、第2ガイド溝611の外側の端部(左側の第2接続部675は第2ガイド溝611の左端部、右側の第2接続部675は第2ガイド溝611の右端部)に当接するようになっている。すなわち、第1,第2接続部674,675が、夫々、第1,第2ガイド溝610,611の端部に当接することで、可動部材503を第2位置で確実に停止させることが可能となる。
ここで、実施例では、駆動アーム656が第2姿勢に姿勢変化した際に、駆動アーム従動ギヤ702の下限位置当接部703aが規制リブ668に当接する。従って、駆動モータの姿勢変化が阻止されて、実施例の如く重量のある可動部材503であっても、第2位置で確実に停止させることができる。すなわち、実施例では、第1,第2接続部674,675が第1,第2ガイド溝610,611の端部に当接する構成に加えて、規制リブ668が駆動アーム656の姿勢変化を阻止する構成を採用することで、可動部材503を確実に第2位置に停止させ得るようになっている。しかも、可動部材503の自重による負荷は、アーム部材607を介して第2リンク部699を一方向へ回動させる向きに付与されるが、規制リブ668が下限位置当接部703aに当接することで、可動部材503からの負荷を規制リブ668で支持することができる。従って、可動部材503が第2位置に到来した後も、該可動部材503を第2位置に安定的に保持することができる。更に、規制リブ668は、支軸部673および第1接続部674の間でアーム部材607に接続された駆動アーム656の姿勢変化を阻止する構成であるので、規制リブ668がアーム部材607の回動を直接阻止する構成に較べ、規制リブ668や駆動アーム656に加わる負荷を小さくし得る。従って、規制リブ668や駆動アーム656が損傷等するのを抑制し得ると共に、極めて強固な規制リブ668を設ける必要がないので、製品コストが嵩むのを防止し得る。
実施例では、可動部材用モータ657に直接駆動される第2リンク部699の駆動アーム従動ギヤ702に駆動アーム当接部703を設け、規制リブ668が駆動アーム従動ギヤ702に当接する構成とした。従って、可動部材503が第1位置に到来したにも拘らず可動部材用モータ657が停止しなかったとしても、可動部材用モータ657による負荷を規制リブ668で受けることができる。すなわち、規制リブ668が駆動アーム従動ギヤ702に当接することで、可動部材用モータ657による負荷が第1リンク部698やアーム部材607に伝わることがなく、これらの部材が変形したり破損したりするのを防止し得る。
ここで、可動部材503が第2位置に到来すると、図6に示すように、作動体504は、可動部材503より下方に位置して、可動部材503の下端部から大型作動体飾り部638および小型作動体飾り部637が突出した状態となる。しかも、可動部材503が下方に位置することで、左右の可動体501が表示枠体100を介して前方から視認可能となる。すなわち、可動部材503が第1位置から第2位置に移動することで、可動体501および作動体504が露出する構成となって、遊技者に対し意外性のある遊技演出を行うことができる。
次に、可動部材503が第2位置から第1位置へ移動する場合について説明する。統括制御装置37は、左右の可動部材用モータ657に対し制御信号を送出し、両可動部材用モータ657を反対方向に同期して駆動させる。すると、各駆動アーム従動ギヤ702が回動して、第2リンク部699が他方向(図114において、左側の第2リンク部699は反時計回り方向、右側の第2リンク部699は時計回り方向)へ回動し、駆動アーム656が第2姿勢から第1姿勢へ姿勢変化する。これにより、アーム部材607が他方向へ回動して、可動部材503が平行姿勢のまま上方へ移動する。このとき、第1接続部674は、第1ガイド溝610を内側の端部から外側へ摺動する。一方、第2接続部675は、第2ガイド溝611を外側の端部から内側へ摺動する。このように、可動部材503が上方へ移動する際においても、各アーム部材607が可動部材503を2箇所で支持するので、実施例の如く、可動部材503を安定して移動させることができる。
また、作動体504は、可動部材503に対し相対的に上方へ移動して、徐々に可動部材503の後方に隠れていく。この場合においても、第3接続部677が第3ガイド溝640を摺動すると共に、連結ガイド部631が連結ガイドシャフト648に沿って上方へ案内されることで、作動体504は、前後および左右方向にブレることなく安定して上方へ移動することが可能となる。
そして、駆動アーム656が第1姿勢に復帰すると、駆動アーム従動ギヤ702に設けた駆動アーム原位置被検知片701bが可動部材用原位置センサ667bの凹状検知部667cに臨み、可動部材用原位置検知装置667が可動部材503の原位置を検知する。この検知信号を統括制御装置37が受信すると、該統括制御装置37は、左右の可動部材用モータ657の駆動を同時に停止させる。これにより、アーム部材607は、図120に示すように、主アーム部678が支軸部673から離間するにつれて上方へ傾斜した姿勢で回動が停止し、可動部材503が第1位置に停止する。このとき、各アーム部材607の第1接続部674は、第1ガイド溝610の外側の端部(左側の第1接続部674は第1ガイド溝610の左端部、右側の第1接続部674は第1ガイド溝610の右端部)に当接すると共に、第2接続部675は、第2ガイド溝611の内側の端部(左側の第2接続部675は第2ガイド溝611の右端部、右側の第2接続部675は第2ガイド溝611の左端部)に当接する。
このように、可動部材503が第1位置に到来した場合においても、第1,第2接続部674,675が、夫々、第1,第2ガイド溝610,611の端部に当接し、可動部材503が第1位置に確実に停止される。しかも、第2ガイド溝611の内側の端部は、中心角が180°以上の円弧形状をなしており、係止ボス部696は、側面の半分以上が第2ガイド溝611の内側の端部に当接する。すなわち、係止ボス部696が第2ガイド溝611の内側の端部に嵌合した状態となって、第2接続部675が第2ガイド溝611の内側の端部に僅かな力で係合した状態となる。これにより、第2接続部675が第2ガイド溝611の内側の端部から離間する際の抵抗となり、可動部材503を第1位置に確実に維持することが可能となる。
更に、駆動アーム656が第1姿勢に復帰した際に、規制リブ668が駆動アーム従動ギヤ702の上限位置当接部703bに当接し、第2リンク部699が他方向へ回動するのが阻止される。すなわち、可動部材503が第1位置に到来したときに、規制リブ668が第1姿勢の駆動アーム656に当接して該駆動アーム656の姿勢変化を阻止するので、可動部材503は、第1位置で更に確実に停止される。ここで、第1姿勢の駆動アーム656は、リンク部連結軸700が回動軸支部704を挟んで回動連結軸688の反対側(左側の駆動アーム656については、リンク部連結軸700が回動軸支部704の左方、右側の駆動アーム656については、リンク部連結軸700が回動軸支部704の右方)であって、リンク部連結軸700が回動軸支部704の上方に位置する。従って、可動部材503の自重による負荷は、第2リンク部699を他方向へ回動させる方向に付与される。そして、第1姿勢にある駆動アーム656は、第2リンク部699の他方向への回動は規制リブ668によって阻止されているので、可動部材503が自重により下方へ移動するのは防止される。
次に、左右の可動部材用モータ657を非同期的に駆動させて、作動体504を回動させる場合について説明する。例えば、左右の可動部材用モータ657を非同期的に駆動させて、左右のアーム部材607の回動量を異ならせた場合には、図131に示すように、左右の第3接続部677,677が上下方向にズレて、作動体504は、連結ガイド部631を軸として回動する(図126参照)。すなわち、ガイド挿通孔653を細径部654および拡開部655,655から構成することで、連結ガイド部631が細径部654を中心として連結ガイドシャフト648に対し回動することが可能となる。従って、作動体504を単に平行移動させるだけでなく、回動させると云った動きを加えることができ、斬新な可動演出を行い得る。しかも、細径部654の開口断面は、連結ガイドシャフト648の外形に合わせて設定されているので、連結ガイド部631の前後および左右方向への移動は規制され、安定的に作動体504を回動させることが可能となる。
ここで、図126に示すように、連結ガイド部631は、可動部材503のサブベース規制溝630に臨み、作動体504が所定角度で回動した場合には、連結ガイド部631がサブベース規制溝630の側壁部に当接するようになっている。すなわち、サブベース規制溝630の側壁部が連結ガイド部631に当接することで、作動体504が回動し過ぎるのは防止され、作動体504やアーム部材607に大きな負荷が加わるのを回避し得る。なお、可動部材用モータ657を非同期的に駆動させた場合には、左右の第1,第2接続部674,675も上下にズレるため、可動部材503は、左右の第1,第2接続部674,675の上下の変位量に応じて傾斜するようになっている。
(可動装置の可動演出について)
次に、可動体装置502の可動演出について説明を行う。なお、可動装置の可動演出は、可動部材装置505の可動部材503が第1位置から下方へ移動して、可動体501が表示枠体100を介して前方から視認し得るようになった状態で行われる。また、非演出時では、図86に示すように、両可動体501,501が第1用可動体駆動ギヤ562との離間距離が等しくなるよう位置している。所定条件が成立すると、統括制御装置37が第1用可動体モータ508に制御信号を送出する。すると、第1用可動体モータ508が駆動して、第1用可動体モータ駆動軸508aを所定の回転速度で回転させる。例えば、図89に示すように、第1用可動体駆動ギヤ562が時計回り方向に回転すると、ラック部530がラック部収容部529を左方へスライドする。このとき、ラック本体552の下部がラック摺動面を摺動し、ラック部530がラック部収容部529をスムーズに左方へスライドする。また、第1用可動体駆動ギヤ562の駆動ギヤ連結用ボス部562aは、ラック部530のギヤ逃げ凹部556に臨んでいるので、駆動ギヤ連結用ボス部562aがラック部530に干渉することはない。
ラック部530がスライドすると、可動体原位置検知凹部565aに臨むラック部被検知片555がモータ取付基板557の被検知片用長溝560を左方へスライドし、ラック部被検知片555が可動体原位置検知凹部565aから離脱する。また、ラック部530がスライドすることで、可動体連結片546を介してラック部530に連結する左右の可動体501,501が、同期して左方へ移動を開始する。このように、両可動体501,501が同期して左方へ移動することで、可動体501の意匠面部550に施された目玉の模様が左方へ移動する様子が第1用可動体装飾部材730の可動体用窓部575を介して視認され、遊技者にインパクトのある演出を提供し得る。なお、第1用ケース体507の嵌合凹部517に嵌合した摺動部材545が該嵌合凹部517に沿って左方へ摺動して可動体501を案内するので、可動体501は左方へ安定して移動することが可能となる。
このように、実施例の第1可動演出装置500では、可動部材503および作動体504による可動演出に加え、更に可動体501,501による可動演出がされるので、3種の部材による多彩な可動演出を提供でき高い演出効果を発揮し得る。しかも、可動体501,501は、左右方向へ移動する可動演出を行うのに対し、可動部材503および作動体504は、該可動体501,501の移動方向に直交する上下方向に移動するので、複数の部材により変化のある可動演出を行うことができ、遊技の興趣を高め得る。
ここで、図86,図85に示すように、可動体501内部の可動体発光装置543に接続された配線501aは、第1用ケース体507の前方壁部通孔部519を介して第1用可動体案内部528に引き出され、該第1用可動体案内部528を案内されている。そして、第1用可動体案内部528を案内された配線501aは、後方壁部通孔部522を介して基板対向面部520の後側に引き出され、可動体用中継基板509の対応する可動体配線用コネクタ部509cに接続されている。すなわち、第1用ケース体507の前面に凹設した可動体501案内部を介して可動体501の配線501aを可動体用中継基板509に案内し得るので、可動体501の移動に伴って配線501aが第1用ケース体507から前方へはみ出るのを抑制し得る。従って、可動体501の配線501aが他の部材に引っ掛かり難くして、配線501aが断線するのを抑制し得る。しかも、可動体501の配線501aを、第1用ケース体507における可動体501とは反対側の面に設けた可動体用中継基板509に接続する構成としたので、配線501aが可動体501に干渉し難くなる。更に、第1用可動体モータ508および可動体原位置検知装置563の配線508e,564dは、第1用ケース体507の後方壁部521に設けた後方壁部挿通孔を介して第1用ケース体507の基板対向面部520の後側に引き出される。従って、第1用可動体モータ508や可動体原位置検知装置563の配線508e,564dが、可動体501に干渉するのは防止され、可動体501の移動に不具合が生じたり、配線508e、564dが断線したりするのを抑制し得る。
摺動部材545が嵌合凹部517の左端部に到来すると、統括制御装置37は、第1用可動体モータ508を反転させる。すると、図90に示すように、第1用可動体駆動ギヤ562が反時計回り方向に回転し、ラック部530が右方へスライドして、左右の可動体501,501が右方へ移動し始める。すなわち、左右の可動体501,501が一斉に移動方向を変更することで、2つの可動体501,501に一体感のある動きをさせることができる。しかも、第1用可動体装飾部材730の可動体用窓部575,575を介して左右の目玉が辺りを見回しているかの如き演出をすることができ、迫力ある演出を提供し得る。可動体501が右方へ移動して、ラック部被検知片555が可動体原位置検知凹部565aに到達すると、可動体原位置検知装置563が可動体501の原位置を検知する。この原位置検知信号は、統括制御装置37に送られ、該統括制御装置37は、第1用可動体モータ508に停止信号を送出し、第1用可動体モータ508が駆動停止する。これにより、可動体装置502による可動演出が終了する。なお、統括制御装置37は、最初の原位置検知信号が受けた後も第1用可動体モータ508を停止させることなく、可動体501の移動を継続するようにしてもよい。この場合には、可動体501が左右に複数回往復移動した後に、第1用可動体モータ508が停止されるようになっている。
(第2可動演出装置について)
次に、第2可動演出装置(可動演出装置)750について説明を行う。第2可動演出装置750は、所定条件が成立すると、可動演出および発光演出を行うものであって、図5,図16に示すように、裏ユニット50の右辺部52bと盤本体42の後面との間に画成される右側スペース751に配設される。図132,図133に示すように、第2可動演出装置750は、裏ユニット50の右辺部52b(遊技盤40)に配設される右部設置部材(設置部材)752と、該右部設置部材752に回動自在に配設された右部回動体(発光可動体)753と、該右部回動体753を回動させる右部回動体用モータ(駆動手段)754とから基本的に構成されている。
(右部設置部材について)
前記右部設置部材752は、図134,図135に示すように、裏ユニット50の右辺部52bに取付けられる後側設置ケース体755と、該後側設置ケース体755の前側に配設される前側設置ケース体756とから構成されている。後側設置ケース体755の後面には、後方へ突出する後側設置ケースボス部755aが複数形成され、該右部設置部用ボス受け部755aを介して後側設置ケース体755が裏ユニット50の右辺部52bにネジ止めされる。また、後側設置ケース体755の前面には、後側ケース体ボス受け部755bが複数凹設されている。
前記後側設置ケース体755の後面には、右部回動体用モータ754が設置される右部モータ設置部757が前方に突出して形成されており、該右部モータ設置部757の前面に前後方向に開放する右部駆動軸貫通孔757aが形成されている。更に、右部モータ設置部757の前面には、右部駆動軸貫通孔757aを挟むように一対の右部設置部ネジ孔757b,757bが前後方向に開放して形成されている。また、後側設置ケース体755の後面には、後側設置ケース体配線フック758が複数形成されると共に、後側設置ケース体755の後面下部に、上下方向に開放した下部配線挿通部759が形成されている。後側設置ケース体755には、前後方向に開放した筒状の右部軸受け部760が前後方向に突出して形成されている。右部軸受け部760の前後の開口部には、右部支軸棒761(後述)を受けるための一対の右筒状軸受け体762,762が嵌合される。また、後側設置ケース体755の前面には、右部軸受け部760の右側に位置して回動規制突起763が前方に突出して形成されている。更に、後側設置ケース体755には、前後方向に開放する円弧状案内部(案内部)764が後側設置ケース体755の前面から前方(右部回動体753へ向けて)へ突出して形成されている。この円弧状案内部764は、右部軸受け部760の下部と一部が連なって形成されており、該右部軸受け部760を中心とする円弧状に延在している。
前記前側設置ケース体756は、前面に所要の装飾が施されて右部設置部材752の意匠面を構成している。前側設置ケース体756の後面には、後側設置ケース体ボス受け部755bに対応する前側ケース体ボス部756aが後方に突出して複数形成されている。そして、前側ケース体ボス部756aの後端部を後側ケース体ボス受け部755bに嵌合させて、該後側ケース体ボス受け部755bの通孔を介して前側ケース体ボス部756aにネジを螺挿することで、前側設置ケース体756が後側設置ケース体755の前側にネジ止めされる。前側設置ケース体756には、前後方向に開放する第1前側ケース体開口765および第2前側ケース体開口766が上下の関係で形成されている。そして、前側設置ケース体756を後側設置ケース体755に取付けた状態で、第1前側ケース体開口765を介して円弧状案内部764、右部軸受け部760および回動規制突起763が前方に臨むよう構成されている。また、前側設置ケース体756を後側設置ケース体755に取付けた状態では、図136に示すように、第1前側ケース体開口765を介して円弧状案内部764が前方に突出するようになっている。また、第2前側ケース体開口766には、右部設置部ネジ孔757bおよび右部駆動軸貫通孔757aが臨むようになっている。
前記右部回動体用モータ754は、統括制御装置37により駆動制御されて、その右部駆動軸754aを正逆方向に回転されるようになっている。右部回動体用モータ754には、モータ本体部から外方に突出する一対の右部回動体用モータ取付片754b,754bを備え、各右部回動体用モータ取付片754bに前後方向に開放する右部回動体用モータ通孔754cが形成されている。そして、右部駆動軸754aを右部駆動軸貫通孔757aに後方から挿通させて、右部モータ設置部757に右部回動体用モータ754を設置し、右部回動体用モータ通孔754cを介して右部設置部ネジ孔757bにネジを螺挿することで、右部回動体用モータ754が右部モータ設置部757にネジ止めされる。右部回動体用モータ754が右部モータ設置部757に取付けられた状態では、右部駆動軸754aが第2前側ケース体開口766を介して前方に突出するようになっている。右部回動体用モータ754の右部駆動軸754aには、右部駆動ギヤ(駆動ギヤ)767が接続され、該右部駆動ギヤ767は、第2前側ケース体開口766を介して前側設置ケース体756の前側に臨むようになっている。
(右部回動体について)
図137,図138に示すように、前記右部回動体753は、右部設置部材752に回動自在に配設される右部回動体本体部768と、該右部回動体本体部768の前側に配設される右部飾り体769と、該右部飾り体769に配設される複数の右部発光装置(発光装置)770とから基本的に構成されている。右部回動体本体部768は、前方に開放する右部本体部ボス受け部768aが前面に複数凹設されている。また、右部回動体本体部768の上部側には、前後方向に開放する右部本体部貫通孔768bが形成されると共に、該右部本体部貫通孔768bを挟むように一対の右部本体部ボス部768c,768cが右部回動体本体部768の後面から後方に突出して形成されている。右部回動体本体部768の左側部には、前後方向および左方に開放する右部回動体本体部切り欠き部771が形成されている。右部回動体本体部768の後面には、右部回動体本体部切り欠き部771に連通する右部本体部配線通路772が設けられている。この右部本体部配線通路772は、右部回動体本体部768の左側部を構成する壁部と、該壁部から内側(右側)に離間して設けた通路壁部772aとの間に画成されて、右部回動体本体部768の左側部に沿って上下方向に延在している。また、右部回動体本体部768の後面には、通路壁部772aから右部本体部配線通路772側(左方)へ延出する右部本体部配線フック773が形成されている。
前記右部回動体本体部768の後面には、右部駆動ギヤ767に噛合する右部従動ギヤ(従動ギヤ)774が設けられる。この右部従動ギヤ774は、扇状に形成された右部従動ギヤ本体774aと、該右部従動ギヤ本体774aの円弧状の縁部に形成された歯部とから構成される。右部従動ギヤ本体774aには、右部本体部ボス部768cに対応する一対の右部従動ギヤボス受け部774b,774bが形成されている。そして、各右部従動ギヤボス受け部774bに右部本体部ボス部768cの後端部を嵌合させて、該右部従動ギヤボス受け部774bにネジを螺挿することで、右部従動ギヤ774が右部回動体本体部768の後面にネジ止めされる。
右部従動ギヤ774を右部回動体本体部768に取付けた状態では、図139に示すように、右部従動ギヤ本体774aが右部回動体本体部768の後面から離間し、右部従動ギヤ本体774aと右部回動体本体部768の後面との間に配線用スペース775が画成される。この配線用スペース775は、右部本体部配線通路772の上部と連通している。また、右部従動ギヤ774の前面には、筒状の右部従動ギヤ嵌合突部774cが形成され、該右部従動ギヤ嵌合突部774cおよび右部従動ギヤ774を貫通する右部従動ギヤ軸孔774dが前後方向に開放して形成されている。この右部従動ギヤ嵌合突部774cは、右部従動ギヤ774を右部回動体本体部768に取付けた状態で、右部本体部貫通孔768bに嵌合し、右部従動ギヤ774が位置決めされるようになっている。
前記右部従動ギヤ774には、右部従動ギヤ軸孔774dに近接した位置(支軸側に偏倚した位置)に、前後方向に開放する長孔状の案内通孔部(案内保持部)776が形成されている。この案内通孔部776は、右部従動ギヤ774を右部回動体本体部768に取付けた際に、前方開口が配線用スペース775に連通するようになっている。右部従動ギヤ軸孔774dには、右部回動体753の回動軸をなす右部支軸棒(支軸)761の前端部が嵌入され、右部支軸棒761は、右部従動ギヤ774に後方へ突出した状態で固定される(図133参照)。そして、後側設置ケース体755の右部軸受け部760の前後の開口部に設けた右筒状軸受け体762,762を介して右部軸受け部760に右部支軸棒761を前側から挿通し、該右部支軸棒761の後端部に抜け止めを施すことで、右部回動体本体部768(右部回動体753)が後側設置ケース体755(右部設置部材752)に回動自在に取付けられる。
前記右部回動体本体部768を右部設置部材752に取付けた状態では、図140,図141に示すように、右部従動ギヤ774の歯部が右部駆動ギヤ767に噛合するよう構成される。また、右部回動体本体部768を右部設置部材752に取付けた状態で、回動規制突起763が右部従動ギヤ774の右側に近接して位置するよう構成されている。そして、回動規制突起763が右部従動ギヤ774に当接することで、右部回動体本体部768の回動範囲を規定するようになっている。更に、図142に示すように、右部回動体本体部768を右部設置部材752に取付けた状態では、右部従動ギヤ774の案内通孔部776が、円弧状案内部764に前方に僅かに離間して対向するようになっている。換言すれば、円弧状案内部764は、右部設置部材752から前方へ向けて突出することで、案内通孔部776の後方開口に臨むよう構成されている。
前記右部発光装置770は、右部飾り体769に上下2つ設けられており、統括制御装置37により発光制御されて、右部回動体753の可動演出時に発光するものである。各右部発光装置770は、右部発光基板777と、該右部発光基板777の前面に配設された複数の右部発光素子778とから構成され、右部発光素子778が発光することで、右部飾り体769を照らすようになっている。各右部発光基板777は、前後方向に開放する右部基板位置決め孔777aおよび右部基板通孔777bが形成されている。また、各右部発光基板777の前面には、右部基板連結用コネクタ部777cが前方に突出して設けられ、両右部基板連結用コネクタ部777c,777cに配線777dが接続されて2つの右部発光装置770,770は電気的に接続されている。更に、下側の右部発光装置770の右部発光基板777には、右部回動体本体部768の右部回動体本体部切り欠き部771に対応して、右部外部用コネクタ部779が後方に突出して設けられ、該右部外部用コネクタ部779に配線779aが接続されている。
前記右部飾り体769は、前側に所要の装飾が施された飾り部材であって、右部飾り体769の後面には、右部発光基板777の右部基板通孔777bに対応する右部飾り体ネジ孔769aが後方に開放して形成されている。また、右部飾り体769の後面には、右部発光基板777の右部基板位置決め孔777aに対応する右部飾り体位置決め突起769bが、後方に突出して形成されている。そして、各右部発光基板777の右部基板位置決め孔777aに右部飾り体位置決め突起769bを嵌入すると共に、右部飾り体ネジ孔769aに整合した右部基板通孔777bを介してネジを右部飾り体ネジ孔769aに螺挿することで、右部発光基板777が右部飾り体769の後側にネジ止めされる。更に、右部飾り体769の後面には、右部回動体本体部768の右部本体部ボス受け部768aに対応する右部飾り体ボス部769cが後方に突出して形成されている。そして、右部飾り体ボス部769cの後端部を右部本体部ボス受け部768aに嵌合し、該右部本体部ボス受け部768aの通孔を介してネジを螺挿することで、右部飾り体769が右部回動体本体部768の前側にネジ止めされる。右部飾り体769を右部回動体本体部768に取付けた状態では、図139に示すように、右部外部用コネクタ部779が右部回動体本体部切り欠き部771に臨むようになっている。
図139に示すように、前記右部外部用コネクタ部779に接続された配線779aは、右部回動体本体部切り欠き部771を介して右部回動体本体部768の後面に引き出され、前記右部本体部配線通路772に沿って上方へ案内される。そして、右部本体部配線フック773に配線779aを係止させた後、配線用スペース775を介して右部従動ギヤ774の案内通孔部776に前側から配線を挿通させる。すなわち、案内通孔部776は、右部発光装置770の配線779aが挿通されて該配線779aを保持すると共に、配線779aを後側(設置部材側)へ引き出すようになっている。案内通孔部776を介して右部設置部材752側に引き出された配線779aは、円弧状案内部764に前側から挿通され、後側設置ケース体755(右部設置部材752)の後側(裏側)へ引き出される。そして、後側設置ケース体755の後面に引き出された配線779aは、前記後側設置ケース体配線フック758に係止されて該後側設置ケース体755の後面に沿って下方へ案内され、下部配線挿通部759から右部設置部材752の下方に引き出される。すなわち、右部回動体753に接続された配線779aは、案内通孔部776および円弧状案内部764を介して右部設置部材752の後側へ引き出されるので、右部回動体753および右部設置部材752の間を外部に殆ど露出することなく引き回される(図142参照)。従って、配線779aが他の部材に引っ掛かるのを防止して、配線779aが断線したり、右部回動体753の回動に不具合が生じるのを防止し得る。
ここで、前記右部回動体用モータ754が駆動して、右部駆動ギヤ767が回転すると、右部駆動ギヤ767に噛合する右部従動ギヤ774が回動され、右部回動体本体部768(右部回動体753)が回動するようになっている。そして、右部回動体753は、図5に示すように、右部飾り体769の左側部を上下方向に延在させた右部通常姿勢から、図6に示すように、右部飾り体769の下部側を図柄表示装置13の表示部13aの中央部側に変位させた右部回動姿勢まで回動するようになっている。案内通孔部776は、右部回動体753の回動時に、該案内通孔部776に保持された配線779aと共に円弧状に移動することとなる。ここで、図140に示すように、右部回動体753が右部通常姿勢にあって、案内通孔部776は、右側の縁部が円弧状案内部764の右側の縁部の前方に位置する。また、図141に示すように、右部回動体753が右部回動姿勢にあって、案内通孔部776は、左側の縁部が円弧状案内部764の左側の縁部の前方に位置している。すなわち、円弧状案内部764は、案内通孔部776の移動範囲をカバーするように延在しており、案内通孔部776に保持された配線779aの移動を許容している。従って、案内通孔部776に保持された配線779aは、右部回動体753の回動時に円弧状案内部764に収容された状態で移動し得るようになっている。
(第2可動演出装置の可動演出について)
次に、第2可動演出装置750の可動演出について、以下説明を行う。第2可動演出装置750は、所定条件が成立すると、可動演出および発光演出を行うものである。なお、図5に示すように、第2可動演出装置750の非演出時には、第2可動演出装置750の右部飾り体769は、左側部を上下方向に延在させた右部通常姿勢にある。また、図140に示すように、右部回動体753が右部通常姿勢にあって、右部従動ギヤ774の案内通孔部776は、右側の縁部が円弧状案内部764の右側の縁部の前方に位置している。統括制御装置37が右部回動体用モータ754に制御信号を送出し、右部回動体用モータ754が駆動すると、右部駆動ギヤ767が回転し始める。すると、右部駆動ギヤ767に噛合する右部従動ギヤ774が、図140の反時計回り方向に回動され、右部回動体753が時計回り方向に回動する。また、統括制御装置37は、右部発光装置770に制御信号を送出して、右部発光装置770の右部発光素子778を点灯させ、右部回動体753を発光させる。すなわち、右部回動体753は、発光しつつ回動することで、インパクトのある可動演出を行い得る。
ここで、右部従動ギヤ774の回動と共に、案内通孔部776が円弧状に移動し、該案内通孔部776に挿通保持された右部発光装置770の配線779aが移動する。しかるに、右部設置部材752の円弧状案内部764は、図141に示すように、案内通孔部776の移動範囲に亘って円弧状に延在しているので、案内通孔部776で保持された配線779aは、円弧状案内部764内を負荷なく移動することができる。すなわち、右部回動体753が回動する間、配線779aの移動を許容しつつ円弧状案内部764で配線を保護し得るので、配線779aに負荷を与えることがなく、配線779aが劣化したり断線したりするのを抑制し得る。しかも、円弧状案内部764は、図142に示すように、案内通孔部776に臨むよう前方に突出して設けたので、右部回動体753と右部設置部材752との間の配線779aが外部に露出するのを抑制し得る。従って、右部回動体753と共に移動する配線779aが他の部材に引っ掛かって、断線等するのを好適に防止することが可能となる。
ここで、案内通孔部776は、右部従動ギヤ774における右部支軸部673側に偏倚した位置に設けたので、右部回動体753の回動時における案内通孔部776の移動量を小さくできる。従って、案内通孔部776に保持された配線779aの変位量が小さくなって、右部回動体753の回動時における配線779aへの負荷を少なくし、該配線779aが劣化したり断線したりするのを抑制することができる。また、配線779aの変位量が小さくなるので、円弧状案内部764の延在長さも小さくでき、円弧状案内部764をコンパクトなものとし得る。
右部回動体753が更に回動して、図6に示すように、右部飾り体769の下部側を図柄表示装置13の表示部13aの中央部側に変位させた右部回動姿勢となると、右部従動ギヤ774が回動規制突起763に当接して該右部従動ギヤ774の回動が規制される。また、統括制御装置37は、右部回動体用モータ754の駆動を停止させ、右部回動体753の回動が停止される。ここで、図141に示すように、右部回動体753が右部回動姿勢となったときに、案内通孔部776は、左側の縁部が円弧状案内部764の左側の縁部の前方に位置している。すなわち、円弧状案内部764は、右部回動体753が右部回動姿勢となった場合においても、案内通孔部776の後方に位置するので、配線779aが移動する全範囲に亘って負荷なく配線を保護し得る。
(第3可動演出装置について)
次に、第3可動演出装置780について説明を行う。第3可動演出装置780は、第2可動演出装置750と同様に、所定条件が成立すると、可動演出および発光演出を行うものであって、図6,図16に示すように、裏ユニット50の左辺部52cと盤本体42の後面との間に画成された左側スペース(スペース)781に配設される。図143,図144に示すように、第3可動演出装置780は、左辺部52c(遊技盤40)に配設される左部設置部材(支持基体)782と、該左部設置部材782に回動自在に配設された左部回動体(構成部材)783と、該左部回動体783を回動させる左部回動体用モータ784とから基本的に構成される。
(左部設置部材について)
図145,図146に示すように、前記左部設置部材782は、裏ユニット50の左辺部52cに取付けられる後側取付基体785と、該後側取付基体785の前側に配設される前側取付基体786と、前後方向に開放する左部案内路(案内路)787を画成する左部配線案内部(案内部)788とから構成されている。後側取付基体785は、後面に後方へ突出する後側取付基体ボス部785aが複数形成され、該後側取付基体ボス部785aを介して、後側取付基体785が左辺部52cにネジ止めされる。また、後側取付基体785の前面には、後側取付基体ボス受け部785bが複数凹設されている。
前記後側取付基体785には、左部回動体用モータ784が設置される左部モータ設置部789が前方に突出して形成されており、該左部モータ設置部789の前面に前後方向に開放する左部駆動軸貫通孔789aが形成されている。更に、左部モータ設置部789の前面には、左部駆動軸貫通孔789aを挟むように一対の左部設置部ネジ孔789b,789bが前後方向に開放して形成されている。後側取付基体785には、左下隅部に、前後方向に開放した筒状の左部軸受け部790が前後方向に突出して形成されている。この左部軸受け部790には、後述する左部支軸棒791を受けるための一対の左筒状軸受け体792,792が前後の開口部に嵌合されるようになっている。後側取付基体785には、左側縁部の後面から後方に突出する複数のアース用位置決め突起785cと、後側取付基体785の後面から所定高さまで突出するアース用後方ボス部785dが形成されている。更に、後側取付基体785には、前後方向に開放する一対のアース用通孔785e,785eが上下に離間して形成されている。
前記後側取付基体785には、一対のアース用通孔785e,785eの間に位置して、左部配線案内部788の後側部分を構成する後側案内半体793が後側取付基体785の後面から突出するよう形成されている。後側案内半体793は、前側は後側取付基体785の前面で矩形状に開口すると共に、後側は前後方向および左方が開放したコ字状に形成されており、該後側案内半体793により左部案内路787の後側を構成する後側案内路794が画成されている。また、後側案内半体793の後端部は、後側取付基体785を裏ユニット50の左辺部52cに取付けた状態で、該左辺部52cに開設した前後方向に開放する左辺部位置決め孔(位置決め孔)815に嵌合するようになっている(図8,図11参照)。すなわち、後側案内半体793(左部配線案内部788)は、左辺部位置決め孔815を介して裏ユニット50の後面(左辺部52cの後面)で開放しており、後側案内路794は裏ユニット50の後側に連通している。
前記前側取付基体786は、前面に所要の装飾が施されて左部設置部材782の意匠面を構成している。前側取付基体786の後面には、後側取付基体785の後側取付基体ボス受け部785bに対応する前側取付基体ボス部786aが後方に突出して複数形成されている。そして、前側取付基体ボス部786aの後端部を後側取付基体ボス受け部785bに嵌合させて、該後側取付基体ボス受け部785bの通孔を介して前側取付基体ボス部786aにネジを螺挿することで、前側取付基体786が後側取付基体785の前側にネジ止めされる。前側取付基体786の下部側には、前後方向に開放する左部前側基体開口795が形成されている。前側取付基体786を後側取付基体785に取付けた状態では、後側取付基体785の左部設置部ネジ孔789bおよび左部駆動軸貫通孔789aが左部前側基体開口795に臨むようになっている。また、前側取付基体786には、後方に突出するアース用前方ボス部786b,786bが上下に離間して一対設けられている。各アース用前方ボス部786bは、前側取付基体786および後側取付基体785を取付けた状態で、後側取付基体785の対応するアース用通孔785eに嵌合して後側取付基体785の後面に臨むようになっている。
前記前側取付基体786には、一対のアース用前方ボス部786b,786bの間に位置して、左部配線案内部788の前側を構成する前側案内半体796が前側取付基体786の前面から前方に突出して形成されている。この前側案内半体796は、前後が矩形状に開口する筒状体であって、前側案内半体796の内部に前後方向に延在して左部案内路787の前側を構成する前側案内路797が画成されている。前側取付基体786および後側取付基体785を組付けた状態で、図147に示す如く、前側案内半体796の後端部と後側案内半体793の前端部とが当接して、前側案内半体796の後方開口と後側案内半体793の前方開口とが連通するよう構成される。これにより、左部配線案内部788が形成されて、前後方向に延在する1つの左部案内路787が画成されるようになっている。
ここで、前記左部配線案内部788は、図147に示すように、左部設置部材782を裏ユニット50の左辺部52cに設置した状態で、左側スペース781内を前後方向に延在するようになっている。また、左部配線案内部788は、左部設置部材782を裏ユニット50の左辺部52cに設置した状態で、盤本体42のゲート貫通口(貫通部)42eの後方に位置し、左部配線案内部788の前方開口がゲート貫通口42eの後方開口に臨むよう構成されている。このゲート貫通口42eには、球通過ゲート798のゲートセンサ(球検知手段)799が前側から挿通された状態で配設されている。ここで、球通過ゲート798は、図148,図149に示すように、ゲートセンサ799と、該ゲートセンサ799を保持するゲート設置部800とから構成される。ゲートセンサ799は、直方体状のゲートセンサ本体799aと、該ゲートセンサ本体799aの前側に形成された上下方向に開放するゲート検知部799bとから構成される。また、ゲートセンサ本体799aの後端部には、センサコネクタ部799cが設けられ、該センサコネクタ部799cに配線799dが接続されている。
前記ゲート設置部800は、ゲートセンサ本体799aを保持するゲート本体保持部801と、ゲート検知部799bを収容する検知部保持部802とから構成される。ゲート本体保持部801は、表示枠体100の枠本体110の左側部から遊技領域40a側(左方)へ向けて突出して形成されており、ゲート本体保持部801の前後方向に開放する保持挿通孔801aにゲートセンサ本体799aが挿通されて保持される。ゲート本体保持部801に保持されたゲートセンサ799は、図149に示すように、ゲートセンサ本体799aの後端部が枠本体110より後方に突出した状態となる。また、ゲート本体保持部801には、後方に突出するセンサ係止片801bが形成されており、保持挿通孔801aに挿通されたゲートセンサ本体799aの後端部にセンサ係止片801bが係止して後方への抜け止めが図られている。検知部保持部802は、表示枠体100の第2庇状部124に遊技領域40a側(左方)へ突出するよう設けられている。検知部保持部802は、後方および上下方向に開放した箱状に形成され、検知部保持部802の後方開口を介してゲートセンサ799の前側が挿通されるようになっている。検知部保持部802内にゲートセンサ799が挿通された状態で、ゲート検知部799bが検知部保持部802の上下の開口部の間に臨むよう構成される。検知部保持部802の上下の開口部は、パチンコ球Wの直径より大きく開放しており、遊技領域40aを流下するパチンコ球Wは、上下の開口部およびゲート検知部799bを介して球通過ゲート798を通過し得るようになっている。
ここで、前記表示枠体100を遊技盤40の表示貫通口42aに配設した状態で、枠本体が表示貫通口42aの内周面に沿って延在し、ゲート貫通口42eにゲート本体保持部801が収容されるようになっている。従って、図147に示すように、ゲート設置部800に設置されたゲートセンサ799は、ゲート貫通口42eを前後方向に延在した状態で保持されて、ゲートセンサ本体799aの後端部が盤本体42の後面から突出した状態となる。すなわち、ゲートセンサ本体799aの後端部は、ゲート貫通口42eの後方開口に臨む左部配線案内部788の前側に位置するようになっている。換言すれば、前側案内半体796(左部配線案内部788)の前方突出量は、前側案内半体796の前端部がゲートセンサ799の後端部より後方に僅かに位置するよう設定されている。ゲートセンサ本体799aのセンサコネクタ部799cに接続された配線799dは、左部配線案内部788の左部案内路787(前側案内路797および後側案内路794)を挿通されて後方へ案内されるようになっている。図147に示すように、左部配線案内部788を挿通された配線799dは、左辺部位置決め孔815を介して裏ユニット50の後側へ引き出され、主制御装置32に直接接続される。このように、左部配線案内部788が左辺部位置決め孔815に嵌合して両者が確実に連通することで、ゲートセンサ799の配線799dを裏ユニット50の後側へ的確に送ることができる。
このように、盤本体42および裏ユニット50の間の左側スペース751に延在するよう左部配線案内部788を設けたので、ゲートセンサ799の配線799dを左部配線案内部788で保護した状態で裏ユニット50の後側へ引き出すことができる。従って、遊技盤40や第3可動演出装置780をメンテナンスする際や、第3可動演出装置780を遊技盤40に設置する際に、工具が配線799dに引っ掛かり難くして、作業を効率よく行うことが可能となる。また、作業時に配線799dが断線したり、ゲートセンサ799のセンサコネクタ部799cが破損したりするのを抑制し得る。
また、左部配線案内部788の前端部をゲートセンサ799の後端部より後方に位置させたので、設計誤差や組付け誤差によりゲートセンサ799の後端部と左部配線案内部788との離間距離が想定より小さくなった場合でも、左部配線案内部788がゲートセンサ799に接触し難くして、両部材788,789が破損するのを防止し得る。また、ゲートセンサ799の配線799dを左部配線案内部788に挿通することで、透明な盤本体42を介して配線799dを遊技者側から視認し難くし得る利点もある。前述のように、左部設置部材782を裏ユニット50の左辺部52cに取付ける際には、左部配線案内部788の後端部が左辺部52cの左辺部位置決め孔815に嵌合するようになっている。従って、左部設置部材782が裏ユニット50に位置決めされて、該左部設置部材782を正確に取付けることが可能となる。
前記左部設置部材782(後側取付基体785)の後面には、導電性を有する左部アース金具803が配設されている。この左部アース金具803は、上下方向に延在する薄板状の前側設置板部804と、該前側設置板部804の後方に位置する矩形板状の後側アース片805と、前後方向に延在して前側設置板部804および後側アース片805を連結するアース連結部806とから構成される。前側設置板部804および後側アース片805には、夫々、アース金具位置決め孔803aおよびアース金具通孔803bが前後方向に開放して形成されている。後側アース片805は、左部アース金具803を後側取付基体785に設置した状態で、アース金具通孔803bが後側取付基体785のアース用後方ボス部785dに整合すると共に、後側アース片805の前面がアース用後方ボス部785dの後端部に当接するようになっている。
そして、前側設置板部804については、アース金具位置決め孔803aに後側取付基体785のアース用位置決め突起785cを嵌入し、アース用通孔785eに嵌合した前側取付基体786のアース用前方ボス部786bにアース金具通孔803bを介してネジを螺挿することで、前側設置板部804が左部設置部材782(後側取付基体785)の左側縁部に沿ってネジ止めされる。また、後側アース片805については、アース金具位置決め孔803aに後側取付基体785のアース用位置決め突起785cを嵌入し、アース金具通孔803bを介してアース用後方ボス部785dにネジを螺挿することで、後側アース片805が左部設置部材782にネジ止めされる。ここで、後側アース片805は、後側取付基体785に取付けられた状態で、後側案内半体793の後端部の真下に位置するようになっている。そして、後側アース片805は、図8に示すように、左部設置部材782を裏ユニット50の左辺部52cに取付けた状態で、該左辺部52cの左辺部位置決め孔815に臨んで、裏ユニット50(左辺部52c)の後面に露出するようになっている。
前記左部回動体用モータ784は、統括制御装置37により駆動制御されて、その左部駆動軸784aを正逆方向に回転させるようになっている。左部回動体用モータ784は、モータ本体部から外方に突出する一対の左部回動体用モータ取付片784b,784bを備え、各左部回動体用モータ取付片784bに前後方向に開放する左部回動体用モータ通孔784cが形成されている。そして、左部駆動軸784aを後側取付基体785の左部駆動軸貫通孔789aに後方から挿通させて、左部モータ設置部789に左部回動体用モータ784を設置し、更に、左部回動体用モータ通孔784cを介して各左部設置部ネジ孔789bにネジを螺挿することで、左部回動体用モータ784が左部モータ設置部789にネジ止めされる。左部回動体用モータ784が左部モータ設置部789に取付けられた状態では、左部駆動軸784aが左部前側基体開口795を介して前方に突出するようになっている。左部駆動軸784aには、左部駆動ギヤ807が接続され、該左部駆動ギヤ807は、左部前側基体開口795を介して前側取付基体786の前側に臨むようになっている。
(左部回動体について)
前記左部回動体783は、左部設置部材782に回動自在に配設される左部回動体本体部808と、該左部回動体本体部808の前側に配設される左部飾り体809と、該左部飾り体809に配設される複数の左部発光装置810とから基本的に構成されている。左部回動体本体部808の前面には、左部本体部ボス受け部808aが複数凹設されている。また、左部回動体本体部808の下部側には、一対の左部本体部ボス部808b,808bが左部回動体本体部808の後面から後方に突出して形成されている。左部回動体本体部808の後面には、左部駆動ギヤ807に噛合する左部従動ギヤ811が設けられる。この左部従動ギヤ811は、扇状に形成された左部従動ギヤ本体811aと、該左部従動ギヤ本体811aの円弧状の縁部に形成された歯部とから構成される。左部従動ギヤ本体811aには、左部回動体本体部808の左部本体部ボス部808bに対応する一対の左部従動ギヤボス受け部811b,811bが形成されている。そして、各左部従動ギヤボス受け部811bに左部本体部ボス部808bの後端部を嵌合させて、該左部従動ギヤボス受け部811bにネジを螺挿することで、左部従動ギヤ811が左部回動体本体部808の後面下部にネジ止めされる。
前記左部従動ギヤ811には、前後方向に開放する左部従動ギヤ軸孔811cが形成されている。左部従動ギヤ軸孔811cには、左部回動体783の回動軸をなす左部支軸棒791の前端部が嵌入され、左部支軸棒791が左部従動ギヤ811に後方へ突出した状態で固定されている(図144参照)。そして、左部軸受け部790の前後の開口部に設けた一対の左筒状軸受け体792,792を介して後側取付基体785の左部軸受け部790に左部支軸棒791を前側から挿通し、該左部支軸棒791の後端部に抜け止めを施すことで、左部回動体本体部808(左部回動体783)が後側取付基体785(左部設置部材782)に回動自在に取付けられる。左部回動体本体部808を左部設置部材782に取付けた状態で、左部従動ギヤ811の歯部が左部駆動ギヤ807に噛合するようになっている。左部回動体本体部808には、左側縁部から右方へ凹設した左部回動体逃げ凹部812を備えている。この左部回動体逃げ凹部812は、図150に示すように、左部設置部材782に左部回動体783を配設した状態で、左部配線案内部788が左部回動体逃げ凹部812に臨むよう構成されており、左部配線案内部788が左部回動体783に干渉するのを防止している。
前記左部発光装置810は、左部飾り体809に上下に2つ設けられており、前記統括制御装置37により発光制御され、左部回動体783の可動演出時に発光されるものである。各左部発光装置810は、左部発光基板813と、該左部発光基板813の前面に配設された複数の左部発光素子814とから構成され、左部発光素子814が発光することで、左部飾り体809を照らすようになっている。各左部発光基板813は、前後方向に開放する左部基板位置決め孔813aおよび左部基板通孔813bが形成されている。
左部飾り体809は、前側に所要の装飾が施された飾り部材であって、左部飾り体809の後面には、左部発光基板813の左部基板通孔813bに対応する左部飾り体ネジ孔809aが後方に開放して形成されている。また、左部飾り体809の後面には、左部発光基板813の左部基板位置決め孔813aに対応する左部飾り体位置決め突起809bが、後方に突出して形成されている。そして、各左部発光基板813の左部基板位置決め孔813aに左部飾り体位置決め突起809bを嵌入すると共に、左部飾り体ネジ孔809aに整合した左部基板通孔813bを介してネジを左部飾り体ネジ孔809aに螺挿することで、左部発光基板813が左部飾り体809の後側にネジ止めされる。左部飾り体809の後面には、左部回動体本体部808の左部本体部ボス受け部808aに対応する左部飾り体ボス部809cが後方に突出して形成されている。そして、左部飾り体ボス部809cの後端部を左部本体部ボス受け部808aに嵌合し、該左部本体部ボス受け部808aの通孔を介してネジを螺挿することで、左部飾り体809が左部回動体本体部808の前側にネジ止めされる。
ここで、前記左部回動体用モータ784が駆動して、左部駆動ギヤ807が回転すると、左部駆動ギヤ807に噛合する左部従動ギヤ811が回動され、左部回動体本体部808(左部回動体783)が左部支軸棒791を中心として回動するようになっている。そして、左部回動体783は、図150に示すように、左部飾り体809の右側部を上下方向に延在させた左部通常姿勢から、図6に示すように、左部飾り体809の上部側を図柄表示装置13の表示部13aの中央部側に変位させた左部回動姿勢まで回動するようになっている。図5に示すように、左部通常姿勢では、左部回動体783は、左飾り体の右側部の一部のみが表示枠体100の窓口100aに臨んだ状態となり、大部分が左側スペース781内に収容された状態にある。
(第3可動演出装置の可動演出について)
次に、第3可動演出装置780の可動演出について、説明を行う。第3可動演出装置780は、第2可動演出装置750と同様に、所定条件が成立すると、可動演出および発光演出を行って、遊技の興趣を高めるものである。なお、第3可動演出装置780の非演出時には、第3可動演出装置780の左部飾り体809は、図150に示すように、右側部を上下方向に延在させた左部通常姿勢にある。図5に示すように、左部通常姿勢では、左部回動体783は、殆どが左側スペース781に収容された状態となり、表示枠体100の窓口100aを介して前方に臨む部位は僅かである。また、左部回動体783が左部通常姿勢では、左部配線案内部788が左部回動体逃げ凹部812に臨み、該左部配線案内部788が左部回動体逃げ凹部812に干渉しないようになっている。
統括制御装置37が左部回動体用モータ784に制御信号を送出し、左部回動態様モータが駆動すると、左部駆動ギヤ807が回転し始める。すると、左部駆動ギヤ807に噛合する左部従動ギヤ811が回動し、左部回動体783が左部支軸棒791を中心として、図150の時計回り方向に回動する。また、統括制御装置37は、左部発光装置810に制御信号を送出して左部発光装置810の左部発光素子814を発光させ、左部回動体783を明輝させる。すなわち、左部回動体783は、発光しつつ回動することで、インパクトのある可動演出を行い得る。
ここで、ゲート設置部800に設置されたゲートセンサ799に接続された配線799dは、図147に示すように、左部配線案内部788を挿通されて裏ユニット50の後面に引き出されている。また、左部配線案内部788は、左部設置部材782から前方に突出するよう形成されて、ゲートセンサ799の後端部に臨んでいるので、ゲートセンサ799の配線799dは、左側スペース781内に殆ど露出することなく後方へ引き回されている。従って、ゲートセンサ799の配線799dが回動する左部回動体783に引っ掛かるのを防止して、配線799dが断線したり、左部回動体783の作動に不具合が生じたりするのを防止し得る。
図151に示すように、左部回動体783が更に回動して、左部回動姿勢となると、統括制御装置37は、左部回動体用モータ784の駆動を停止させて、左部回動体783の回動が停止される。すると、図6に示すように、左部回動体783は、左側スペース781に収容された状態から、表示枠体100の窓口100aを介して前方に臨んだ状態となり、遊技者は左部回動体783を直接視認し得るようになる。左部回動体783を左部通常姿勢に復帰させる際には、統括制御装置37は、左部回動体用モータ784を逆方向に駆動させて、左部回動体783を図151の反時計回りに回動させる。そして、左部回動体783が左部通常姿勢に復帰すると、統括制御装置37は、左部回動体用モータ784の駆動を停止させて、左部回動体783の回動を停止させる。ここで、図150に示すように、左部回動体783が左部通常姿勢に復帰する際に、左部配線案内部788が左部回動体逃げ凹部812に臨むので、左部回動体783が左部配線案内部788に干渉することはなく、左部回動体783は、支障なく左部通常姿勢に戻ることが可能となる。
(遊技盤の裏側の配線配設構造)
前記遊技盤40には、第1〜第3可動演出装置500,750,780、発光演出装置200および照明装置300等の演出側電気機器が、裏ユニット50の前側に設置され(図7,図14または図16参照)、中継基板38、主制御装置32および統括制御装置37等の制御側電気機器が、裏ユニット50の後側に設置されている(図2参照)。遊技盤40では、演出側電気機器と制御側電気機器が、裏ユニット50の設置板部52を挟んで前後に振り分けて設置され、設置板部52に貫通形成された配線開口82,83,84,85,86を介して両者を電気的に接続する配線がやり取りされている。すなわち、遊技盤40では、設置板部52の前側で演出側電気機器に接続した配線が配線開口82,83,84,85,86から裏ユニット50の後側に取り出され、裏ユニット50の後面に沿って配設された後に配線が中継基板38に接続されるようになっている。そして、遊技盤40では、中継基板38から各制御機器に別の配線(図示せず)で接続される。ここで、遊技盤40は、同一の経路を引き回される配線がナイロンタイ等の結束具によってまとめられ、裏ユニット50の後面に設けられた配線保持手段によって配線が位置規制されている。
(配線の経路)
前記遊技盤40の後側における配線H2〜H8の配設経路について、図9を参照して説明する。裏ユニット50における設置板部52の上辺部52a前側に設けられる第1可動演出装置500に接続する第1可動用配線(配線)H3は、図柄表示装置13の取り付け領域から外して設置板部52における上辺部52a左側に開設された上部配線開口82から後側に引き出される。第1可動用配線H3は、図柄表示装置13の左側を保持する装置保持部56の左側を通って上方から下方へ配設され、図柄表示装置13の取り付け領域の左下角部外側で内方へ曲げて該取り付け領域の下側と基板設置部60との間を通して、中継基板38に接続される。裏ユニット50における設置板部52の右辺部52b前側に設けられる第2可動演出装置750に接続する第2可動用配線(配線)H4は、設置板部52における右辺部52b下側に下方へ臨ませて開設された右部配線開口83から後側に引き出される。第2可動用配線H4は、図柄表示装置13の取り付け領域の下側と基板設置部60との間を通して、中継基板38に接続される。表示枠体100に設置される発光演出装置200の第1発光基板221に接続する発光用配線H2は、右部配線開口83から後側に引き出され、図柄表示装置13の取り付け領域の下側と基板設置部60との間を通して、中継基板38に接続される。
前記裏ユニット50における設置板部52の左辺部52c前側に設けられる第3可動演出装置750に接続する第3可動用配線(配線)H5は、図柄表示装置13の取り付け領域から外して設置板部52における左辺部52c下側に開設された左部配線開口84から後側に引き出される(図9参照)。第3可動用配線H5は、第1可動用配線H3と共に図柄表示装置13の左側を保持する装置保持部56の左側を通って上方から下方へ配設され、図柄表示装置13の取り付け領域の左下角部外側で内方へ曲げて該取り付け領域の下側と基板設置部60との間を通して、中継基板38に接続される。
前記照明装置300の第1照明機構310に接続する第1照明用配線(配線)H6は、図柄表示装置13の取り付け領域の下側と基板設置部60との間の中央に開設された中央配線開口85から後側に引き出されて、中継基板38に接続される(図9参照)。同様に、照明装置300の第2照明機構340に接続する第2照明用配線(配線)H7は、中央配線開口85から後側に引き出されて中継基板38に接続される。表示器460における表示器基板464に接続する表示器用配線(配線)H8は、図柄表示装置13の取り付け領域から外して設置板部52における下辺部52d左側に開設された下部配線開口86から後側に引き出される。表示器用配線H8は、下部配線開口86から上方へ引き出された後に、図柄表示装置13の取り付け領域の左下角部外側で内方へ曲げて、第1および第3可動用配線H3,H5と共に該取り付け領域の下側と基板設置部60との間を通して、中継基板38に接続される。
(配線保持手段)
前記遊技盤40は、配線保持手段として、裏ユニット50と別体に構成された配線保持具62と、裏ユニット50と一体に構成された配線フック68とを備えている(図9参照)。配線フック68は、裏ユニット50の後面から後方へ突出する片部とこの突出する突片部の先端に遊技盤面に沿って延在する延片部とを少なくとも有する鉤状に形成されている(図11参照)。配線フック68は、開放端から裏ユニット50の後面と延片部との間に配線を挿脱可能で、裏ユニット50の後面と延片部との間で配線を位置規制するよう構成される。裏ユニット50の後面には、図柄表示装置13を支持する装置保持部56の左外側に上下に離間して複数の配線フック68が設けられ、図柄表示装置13の取り付け領域の下側と基板設置部60との間に、左右に離間して複数の配線フック68が設けられている。 なお、裏ユニット50の後面には、下部配線開口86の上側にも配線フック68が設けられている。ここで、遊技盤40では、近傍領域で隣り合う一群の配線フック68の開放端が異なる向きとなるように構成され、例えば左方に開放した開口端を有する配線フック68の下隣に設置される配線フック68は、開口端が右方へ開放している。
(配線保持具)
前記配線保持具62は、裏ユニット50の後側において配線が湾曲する部分に合わせて設置されている(図9参照)。実施例では、図柄表示装置13の取り付け領域の左下角部外側で配線H3,H5が上下方向から左右方向へ曲がる部位に合わせて配線保持具62が設置され、この配線H3,H5の湾曲部分を配線保持具62で保持するようになっている。配線H3,H5の湾曲部分は、曲がり形状が整わなかったり、弛み易かったり等するが、配線保持具62により配線H3,H5が湾曲する部分を保持することで、配線H3,H5が適切な経路で延在するよう案内できる。また、実施例では、遊技盤40を中枠12に取り付ける際に、遊技盤40における中枠12への先入れ側となる左側部に、配線保持具62が設けられて、遊技盤40の中枠12への取り付け時に配線H3,H5の挟み込みを回避している。
図152および図153に示すように、前記配線保持具62は、裏ユニットの後面に固定される配線保持基部(基部)63と、この配線保持基部63に対して係脱可能に構成され、該配線保持基部63に係止して配線保持基部63との間に裏ユニット50の後面に沿って延在するように配線H3,H5を保持可能な配線保持路(保持路)62aを画成する一方、配線保持基部63から係止解除して配線保持路62aを開放する保持路開閉部(開閉部)64とを備えている。裏ユニット50の後面には、配線保持具62の配線保持基部63の外形に合わせて凹設された凹状部分61が、図柄表示装置13の取り付け領域の左下角部外側に設けられ、配線保持基部63が凹状部分61に嵌り込んで位置決めされている。配線保持基部63は、矩形状の板状部分であって、両面テープ、爪嵌合構造、ネジ等の締結具、接着等の手段によって裏ユニット50の後面に固定されている。
前記保持路開閉部64は、配線保持基部63の後面より延出形成されたヒンジ部65を介して配線保持基部63に対して一端がヒンジ接続され、配線保持基部63の後側に離間して配置されている(図153参照)。また、保持路開閉部64には、爪片64aがヒンジ部65側から離れる他端に設けられている。爪片64aは、配線保持基部63側に向けて延出する部位の後端にヒンジ部65側から離れる方向に突出する突部を有する形状に形成されている。配線保持基部63には、ヒンジ部65から離間する位置に後方へ延出形成された引掛片66が設けられている。引掛片66は、後端に設けられて、ヒンジ部65側に延出する爪部66aと、後端に設けられて、ヒンジ部65から離れる側に延出する操作部66bとを備え、ヒンジ部65に対して接離する方向へ弾性変形可能に構成されている。ここで、ヒンジ部65と引掛片66とは、配線保持基部63の長手方向に離間して配置されている。配線保持基部63には、引掛片66のヒンジ側に対向して、後方へ延出形成された押え片67が設けられている。
前記配線保持具62は、保持路開閉部64がヒンジ部65を支点として回動可能に構成され、該保持路開閉部64を配線保持基部63に対して平行にした姿勢で、爪片64aが引掛片66の爪部66aに引っ掛かって係止されて、配線保持基部63と保持路開閉部64との間に上下に連通する配線保持路62aが画成される(図153参照)。また、配線保持具62は、操作片66bを押してヒンジ部65側から離れるように引掛片66を弾性変位することで、引掛片66の爪部66aが爪片64aから外れて、保持路開閉部64のヒンジ部65を支点とする姿勢変位が許容される。配線保持具62は、引掛片66の爪部66aの先端と押え片67との間が保持路開閉部64の爪片64aより小さく設定され、引掛片66の爪部66aで係止された保持路開閉部64の爪片64aを押え片67で押えている。
このように、遊技盤40は、配線保持具62を裏ユニット50と別体に形成したので、形状の自由度が高く、配線保持具62を配線H3,H5を囲う配線保持路62aを開閉することができるような形状に形成することができる。すなわち、配線保持具62は、配線保持基部63に対して保持路開閉部64を開閉することができるので、配線H3,H5を取り付け易く、配線保持路62aに通した配線が抜け出ることを防止できる。従って、裏ユニット50の後面において配線H3,H5を配線保持具62により適切にまとめることができる。また、配線保持具62は、保持路開閉部64がヒンジ部65を支点として開閉し、他端が配線保持基部63の引掛片66に対して係脱する構成とすることで、保持路開閉部64が配線保持基部63から脱落せず、配線保持具62に対する配線H3,H5の挿脱作業を更に行い易くできる。
(遊技盤のアース構造)
前記遊技盤40には、該遊技盤40に溜まる静電気を除去するアース構造を有し、パチンコ機10は、遊技盤40に設けられる表示枠体100やステージ150等の遊技盤構成部材や裏ユニット50に設けられる照明装置300や可動演出装置500,750,780等から中枠12を介して島設備に対して接地されるようになっている(図154参照)。遊技盤40のアース構造は、裏ユニット50の前側に設けられるステージ150、表示枠体100、発光演出装置200、可動演出装置500,750,780および照明装置300等の静電気除去対象に接続するアース線E1,E2,E3と、このアース線E1,E2,E3を受けるアース中継部90,91,803と、アース中継部およびアース線の一部として機能する第1可動演出装置500のベース板金510(ベース体)と、中枠12への静電気の受け渡し口となる遊技盤接地部94とを備えている。アース中継部90,91,803同士の間やアース中継部90,91,803とベース板金510との間は、中継アース線ER1,ER2,ER3で接続されている。
前記表示枠体100に設けられた発光演出装置200には、後方に突出する反射部材アース突起217bを備え(図21参照)、この反射部材アース突起217bが、盤本体42と裏ユニット50とを組み合わせた際に、第2可動演出装置750の前側において裏ユニット50の右内側面に沿って設けられた横飾り部77の下部に設置された横飾り接地片78(図14参照)に当接するようになっている。発光演出装置200は、表示枠体100と導電性を有する部位同士で接するように構成され、反射部材アース突起217bが設けられる部位が金属メッキ加工等によって導電性を有し、表示枠体100および発光演出装置200に滞留した静電気が反射部材アース突起217bを介して横飾り接地片78に逃されるようになっている。ここで、横飾り接地片78は、前後方向に弾性変形可能に構成され、反射部材アース突起217bの前後の位置ずれを許容しつつ弾力的に当接し、盤本体42側との確実な接地が図られている。横飾り部77は、金属メッキ加工等によって導電性を有し、第2可動演出装置750とも電気的に接続されている。横飾り接地片78には、表示枠用アース線(アース線)E1が接続されており、表示枠用アース線E1が右部配線開口83から裏ユニット50の後側に取り出される(図10参照)。そして、表示枠用アース線E1は、右部配線開口83の左側に位置して図柄表示装置13の取り付け領域の下側と基板設置部60との間に設けられた第1アース中継部90に接続されている。なお、第1アース中継部90は、金属の板材である。
前記照明装置300における第1照明機構310の照明カバー部材322には、ステージ用アース線(アース線)E2が接続されている。前述のように、ステージ150の後ろ下側に位置する照明カバー部材322は、ユニットステージ部166に接するように取り付けられており、ステージ150および第1照明機構310に溜まった静電気がステージ用アース線E2を介して逃されるようになっている。ステージ用アース線E2は、照明ベース部材302の照明収容部303の中央に開設された照明配線通口304および中央配線開口85から裏ユニット50の後側に取り出され、該中央配線開口85の右側に位置している第1アース中継部90に接続される(図10参照)。
前記照明装置300は、第2照明機構340における表示器460の後側に位置する照明周飾部348に照明用アース線(アース線)E3が接続され、第2照明機構340の周りに溜まった静電気が照明用アース線E3を介して逃されるようになっている。照明周飾部348は、金属メッキ加工等によって導電性を有している。このように、照明装置300は、表示器460の近傍で静電気を逃すように構成されているので、静電気による表示器460への影響を抑えることができる。照明用アース線E3は、下部配線開口86から裏ユニット50の後側に取り出され、下部配線開口86の下側に設けられた金属製の板材からなる第2アース中継部91に接続されている(図10参照)。また、第1アース中継部90と第2アース中継部91との間は、図柄表示装置13の取り付け領域の下側と基板設置部60との間を通って配設された第1中継アース線(アース線)ER1で接続されている。
前記第3可動演出装置780は、裏ユニット50の後側に臨む金属製の板材からなる左部アース金具803が設けられ、第3可動演出装置780に溜まった静電気が左部アース金具803を介して逃されるようになっている。また、左部アース金具803の後側アース片805は、裏ユニット50に開設された開口を介して裏ユニット50の後側に臨み、該後側アース片805に対して第2アース中継部91に接続する第2中継アース線(アース線)ER2が接続されている(図10参照)。すなわち、左部アース金具803がアース中継部として機能している。第2中継アース線ER2は、図柄表示装置13の取り付け領域の左側を通り、前述した配線保持具62で保持されるようになっている。更に、左部アース金具803の後側アース片805には、第3中継アース線(アース線)ER3が接続され、この第3中継アース線ER3が裏ユニット50の上左側に開設された左部アース開口87を介して後側に臨む第1可動演出装置500のベース板金510に接続されている。
前記ベース板金510は、裏ユニット50の設置板部52における表示開口53の上縁辺に亘って少なくとも延在し、可動部材を動作可能に支持すると共に該可動部材を動作する駆動手段が配設される、剛性および導電性を有する金属製の板状部材である。ベース板金510は、長手辺が表示開口53より長尺に形成され、該長手辺を該表示開口53の縁辺に沿わせて設置板部52の上辺部52aに取り付けられ、該ベース板金510には、第3中継アース線ER3の接続部位だけでなく、別のアース線(後述の第4中継アース線ER4)の接続部位が設けられる(図10参照)。
前記遊技盤接地部94は、裏ユニット50の上端縁右側に設けられ、遊技盤40を中枠12に取り付けた際に、中枠12において裏ユニット50の上端縁右側に対向する部位に設けられた中枠側の接地部に対して当接するようになっている(図10または図11参照)。遊技盤接地部94は、金属製の板状部材であって、裏ユニット50の上面に露出し、裏ユニット50の上面に前後方向に延在するように設けられている。第1可動演出装置500は、遊技盤接地部94が設けられる上端縁と表示開口53の上縁辺との間に位置して設置板部52の前面に設けられており、この第1可動演出装置500のベース板金510を遊技盤構成部材等に繋がるアース線ER3と遊技盤接地部94とを電気的に中継する部材として用いている。ここで、遊技盤接地部94は、ベース板金510の右側上部に接触するように設けられている。
前記遊技盤40には、遊技盤接地部94を設けた上端縁と異なる端縁となる右端縁上部に、中枠12に対して電気的に接続する遊技盤副接地部95が設けられている(図10または図12参照)。裏ユニット50には、ベース板金510の右側上部に設けられた遊技盤接地部94との接続部の後側に右部アース開口88が開設され、この右部アース開口88を介して前記接続部に第4中継アース線ER4が接続されている。第4中継アース線ER4は、遊技盤副接地部95に接続され、ベース板金510が第4中継アース線ER4を介して遊技盤副接地部95に対して電気的に接続されている。遊技盤副接地部95は、前後方向に弾性変形可能に構成された金属製の板状部材であって、遊技盤40を中枠12に取り付けた際に、中枠12の対応する部位に設けられた中枠12側の接地部に弾力的に当接するようになっている。
前記遊技盤40は、裏ユニット50の上辺部52aにおいて表示開口53より長尺である大型の第1可動演出装置500のベース板金510を中継して、該第1可動演出装置500が設けられる裏ユニット50の辺(上辺)と同じ辺(上縁)に設けられた遊技盤接地部94に対し、裏ユニット50の前側に設けられる構成部材に帯電した静電気を除去している。すなわち、裏ユニット50の上辺部52aにおいてアース線を配設する手間を省くことができ、遊技盤40におけるアース線の取り回しの負担を軽減することができる。また、第1可動演出装置500のベース板金510をアースを中継する部材として共用しているので、部品点数を減らすことができる。しかも、第1可動演出装置500は、表示部13aの前側に向けて往復動する可動部材503を備えているが、アース線を第1可動演出装置500に重なる領域に配設する必要がないので、アース線と可動部材503との干渉を考慮する必要もない。また、ベース板金510は、裏ユニット50の上辺部52aの大部分を占める大型の部材であるので、アース線ER3の接続部位や遊技盤接地部94との接続部位の設定の自由度が高く、遊技盤40の構成部材に繋がるアース線ERを接続し易く、アース線ER3の取り回しの負担を更に軽減することができる。更に、遊技盤接地部94とベース板金510とを直接接触しているので、両者の間でアース線を接続する手間を省くことができる。更にまた、ベース板金510に電気的に接続する遊技盤副接地部95によって、遊技盤接地部94と共に中枠12に対して2重に接地するようになっているので、遊技盤40と中枠12との間での接地不良を防止できる。
(変更例)
前述した実施例の構成に限定されず、以下のように変更することも可能である。
(1)実施例では、遊技機としてパチンコ機を例示して説明したが、これに限られるものではなく、アレンジボール機やピンボール機、スロットマシン機等の各種遊技機を採用し得る。
(2)実施例の遊技盤は、盤本体として合成樹脂製の板材を用いたが、木製合板からなる板材であってもよい。
(3)球案内路は、横通路部が前後に延在する構成に限定されず、左右方向に延在する構成であってもよい。
(4)球案内路に設けられる案内凹部は、縦通路部の後面に設ける構成に限定されず、側面または前面であってもよい。
(5)実施例では、球通路を画成する通路構成部材の前後の面に緩衝リブを振り分けて設けたが、対向する面であれば左右の面であっても、上下の面であってもよい。
(6)パチンコ球の通過を検知するセンサとしては、パチンコ球がスイッチに当接することで検知する接触式や、磁気や光等の電磁波を用いた近接式等その他を採用できる。
(7)「光を反射」とする構造としては、メッキ加工、光沢のある塗料の塗布、表面の磨き等の鏡面加工によるものや、金属等の素材そのものの特性によるもの等、光を積極的に反射する構成の何れも採用することができる。
(8)可動演出装置の配置は実施例に限定されるものではなく、第1可動演出装置を表示部の側方や下方に配置しても、第2可動演出装置を表示部の上方や下方に配置してもよい。
(9)可動演出装置の駆動源としては、モータに限定されずソレノイドを用いてもよい。
(10)照明体および発光体としては、LEDに限定されず、ランプや有機EL等、光を照射し得るものであれば採用可能である。また、LEDとしては、単色で発光するものや、多色(フルカラー)で発光し得るものであっても何れであってもよい。
(11)実施例の「同一」、「平行」、「直線」等の用語は、数学的な意味に限定されず、目的を達成できる範囲で多少ずれていてもよい。
(12)実施例では、カバー部材の発光部が前方に臨むように発光演出装置を設置し、第1発光装置が前方へ光を照射する構成としたが、例えば、発光部を斜め前方に臨むように発光演出装置を設置して、第1発光装置が斜めに光を照射するようにしてもよい。
(13)実施例では、第2発光装置を反射部材(反射部)の下方に設置した場合を示したが、第2発光装置の光を反射部へ向けて反射し得るならば、第2発光装置を反射部材の上方や側方に設置してもよい。
(14)実施例では、第1発光装置とは別体の反射部材(反射部)を設けた、第1発光装置の第1発光基板に反射面を形成して、第1発光基板が反射部として機能するようにしてもよい。
(15)実施例では、一対の可動体が同期して左右方向に移動する構成としたが、第1用ケース体の前側に可動体収容部を形成し、後側に可動体中継基板を設ける構成であれば、1つの可動体であったり、3つ以上の可動体であってもよい。また、可動体の移動する方向は、左右方向に限定される訳でなく、上下方向や、斜め方向に移動するようにしてもよい。
(16)実施例では、連結ガイド部を作動体に設け、連結ガイドシャフトを可動部材に設ける構成としたが、連結ガイド部を可動部材に設け、連結ガイドシャフトを作動体に設ける構成であってもよい。
(17)実施例では、支持部材としての可動部材に連結ガイド部を設け、作動体が可動部材に対し相対移動する構成としたが、支持部材としては、必ずしも可動部材に限定される訳でなく、盤本体や裏ユニットに設けた装飾部材等、作動体が相対移動し得るものであれば、各種部材を支持部材として採用し得る。また、サブベース規制溝(規制溝)を可動部材に設けたが、連結ガイド部を支持部材に設けた場合には、規制溝は、作動体に形成される。
(18)実施例では、ガイド挿通孔を1つの細径部と2つの拡開部から構成したが、実施例の構成に限定される訳ではなく、例えば、1つの細径部と1つの拡開部とからガイド挿通孔を構成してもよい。
(19)実施例では、作動体が上下方向に移動する構成としたが、左右方向や前後方向に移動する構成であってもよい。すなわち、連結ガイドシャフトの延在方向は、如何なる方向であってもよい。
(20)実施例では、駆動アームを第1リンク部および第2リンク部で構成したが、駆動アームを単一の部材で構成したり、3つ以上のリンク部で構成してもよい。
(21)実施例では、ロック手段としての規制リブを後支持ケース体に形成したが、前支持ケース体に設けてもよい。また、ロック手段としては、実施例の如く、後支持ケース体に一体的に形成した規制リブに限定されず、独立したロック手段をケース体等に着脱自在に設置する構成であってもよい。また、駆動アームの回動量に合わせてロック手段の設置箇所を適宜変更し得るようにしてもよい。
(22)実施例では、当接部としての駆動アーム当接部を駆動アーム従動ギヤに形成した場合を示したが、第2リンク部の他の部位に当接部を形成したり、第1リンク部に当接部を形成してもよい。すなわち、ロック手段に当接する部位に応じて、駆動アームの適宜箇所に当接部を形成すればよい。
(23)実施例では、可動部材が上下方向に移動する構成としたが、可動部材が左右方向に移動したり、斜め方向に移動するようにしてもよい。例えば、可動部材が左右方向に移動させる場合には、一対のアーム部材は、上下方向に離間して設置される。また、実施例では、接続手段を第1接続部および第2接続部で構成したが、接続手段を第1接続部のみで構成してもよい。
(24)実施例では、可動部材が第1位置において、左右の重なり部が何れも盤本体の後方に重なるよう構成したが、必ずしも、両重なり部が盤本体に重なる必要はなく、一方の重なり部が盤本体の後方に重なる構成であってもよい。
(25)実施例では、右部回動体の右部従動ギヤに案内通孔部を設けたが、必ずしも、案内通孔部を右部従動ギヤに設ける必要はなく、右部回動体の他の部材に案内通孔部を設けてもよい。
(26)実施例では、案内保持部として右部従動ギヤに設けた案内通孔部を採用したが、案内保持部としては、例えば、右部回動体に設けたフック等であってもよい。
(27)実施例では、球検知手段としてのゲートセンサの配線を左部配線案内部で案内する構成としたが、普通入賞装置や始動入賞装置等に設置された球検知手段の配線を案内するようにしてもよい。
(28)実施例では、左部回動体を支持する左部設置部材に左部配線案内部を設けた場合を示したが、案内部を裏ユニットに直接設けたり、他の部材(飾り部材等)に案内部を設けてもよい。
(29)実施例では、配線との干渉を避ける対象である構成部材として、右部回動体を例示したが、構成部材としては、遊技盤を構成する部材であって、盤本体と裏ユニットとの間のスペースに存在して配線と干渉する可能性のある全ての部材が含まれる。