JP2007194985A - 音声信号増幅装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エコー付加機能を有し、且つ、エコーによって生じるハウリングの発生を抑え得る音声信号増幅装置において、エコー付加機能の構成が簡単であって、装置の製造及び調整を簡便に行う。
【解決手段】マイクロホン3からの入力音声に係る電気信号の実質的なレベルをレベル検出器10によって検出させ、その検出の値が予め設定した値より大きい場合にはスピーカ17からの音声がマイクロホン3に帰還して増幅されていると見なし、制御手段11が、連続的に同じ音声がマイクロホン3に拾われることを避けるようにミュート手段5で電気信号の流れを遮断して遅延回路7からミキサ手段14への遅延信号の出力を停止させるように制御するように構成した。
【選択図】図1

Description

歌唱者が、記録媒体に基づいたバック演奏或いは電話回線を介しての音声信号に基づいたバック演奏に合わせて歌唱を行い、その歌唱の音声をマイクロホンで拾って電気信号に変換し、その電気信号を増幅してスピーカから拡声の音声で出力を行う、所謂、カラオケ演奏歌唱が知られている。
このカラオケ演奏歌唱において、歌唱者からの歌唱音声等がマイクロホンで拾われ、増幅されてスピーカから出力され。このスピーカから出力された歌唱音声等が、続いて、前述のマイクロホンに拾われて再増幅されて出力されることが繰り返される場合が生じる。 斯かる場合では、歌唱者等にとって望まない音声がより一層増幅されて連続的に出力され、所謂ハウリングが生じることになる。
他方、歌唱者の歌声音声をマイクロホンで拾って単に増幅してスピーカから出力するのではなく、歌唱者が発した元の音声(歌声)に対して同じ音声を時間的に僅かに遅延させたものを加えて加算加工した後に増幅して出力することによって、出力される音声が恰も反響して得られたような音声に加工される、つまり、所謂エコーが掛かった音声の出力というものも広く知られている。
この発明は、入力された音声に時間的に僅かに遅延させた音声を加算加工し、この加算加工によってエコーが掛かった音声信号を増幅して出力する音声信号増幅装置に関する。特に、斯かる構成の音声信号増幅装置において出力される音声にハウリング現象が生じる際に、そのハウリングが生じる状態を停止させるための改良に関する。
上述したように、マイクロホンから入力される歌唱者の音声にエコーが加算されるカラオケ演奏歌唱等において、増幅してスピーカから出力された元の音声が再びマイクロホンで拾われ、更により一層増幅されて出力されることによってハウリングの現象が生じる場合が知られている。
ハウリングは、歌唱者、その場に居合わせた者等にとって不愉快な音声である。これに対して、そのハウリングの現象を停止させる技術として、以下の文献が知られている。
特開2002−215179号公報
特開2002−215179号公報で開示されているエコー信号発生装置(以下、「先行技術発明」と称する)は、マイクアンプ2からの音声に係る電気信号がミキサー6に流れ込む系、及び、マイクアンプ2からリバーブアンプ3及びディレイアンプ4を介しエコー量調節ミキサー5で合流してミキサー6に流れ込む系を備えて構成されている。
先行技術発明は斯かる構成であることにより、ミキサー6以降ではマイクアンプ2からの電気信号に対して時間遅れの信号が追随し、エコーが掛かった音声に係る電気信号が出力端子で得られる構成になっている。
又、先行技術発明は、リバーブアンプ3及びディレイアンプ4の後段にエコー量調節ミキサー5が接続され、そのエコー量調節ミキサー5はエコー量が増大するように調節すると、リバーブエコー信号が一旦上昇した後に下降する特性を有し、ディレイエコー信号は除々に上昇する特性を有するように構成されている。
この構成により、エコー量が少ないときはリバーブエコー信号が中心になり、エコー量が多くなるとディレイエコー信号が中心となるので、使用者の好みに応じたエコー信号の選択が可能であり、更に、エコー量を過剰に設定する必要がないことからハウリングの発生を避け得る構成になっている。
先行技術発明は、特許請求の範囲、発明の詳細な説明及び図面から明らかなように、マイクロフォン1で拾った音声を単に増幅して出力するのではなく、エコーを付加して出力させることを目的として、リバーブアンプ3及びディレイアンプ4を備えた構成になっている。
従って、先行技術発明は、エコーを付加させるための2つの手段を備えており、その分構成が複雑になっている。
そして、先行技術発明は、斯かる2つのエコーの付加手段を備えた構成の下で、発明が解決しようとする課題の記述から明らかに、ハウリングが起こり難くなることを目的としてなされたものである。
先行技術発明は、斯かる目的に対して、上述したように、エコー量調節ミキサー5を機能させることによってハウリングが起こり難いように構成されている。
他方、先行技術発明には、リバーブアンプ3、ディレイアンプ4及びエコー量調節ミキサー5を自動的に制御するための手段は開示されていない。従って、先行技術発明では、エコー量調節ミキサー5を調節設定することによって、リバーブアンプ3とディレイアンプ4の機能が決定されていると受け取れるのが相当と考える。
よって、斯かる構成でハウリングが生じ難くさせるには、少なくともリバーブアンプ3及びディレイアンプ4、又は、エコー量調節ミキサー5のいずれか一方の調節を行う必要があり、その分取り扱いが煩雑になっているという問題が生じる。
他方、エコーを付加する手段としてリバーブアンプ3又はディレイアンプ4のいずれか一方のみを備えた簡便な構成も考えられる。
しかし、斯かる構成ではハウリングのキャンセルに対応できないという問題が生じることになり、先行技術発明の当初の目的に対応できないということになる。
この発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、マイクロホンに入力されて来る音声を電気信号に変換して増幅して再び音声にして出力し、その増幅して出力する音声にエコーを付加させてスピーカから出力させる音声信号増幅装置において、スピーカからの音声をマイクロホンが拾って再び増幅して出力することでハウリングが生じることに対して、その構成が簡単で且つ調整等が不要で取り扱いが簡便であることを目的とする。
この発明の発明者は、エコー付加機能を有する音声信号増幅装置において、スピーカからの音声が反射等によってマイクロホンで拾われて再び増幅して音声として出力され、このことの連続によってハウリングが生じることに対し、スピーカからの音声にエコーを付加している分だけスピーカから同じ音声が出力され、その同じ音声の出力の回数に対応してマイクロホンが同じ音声を拾う可能性が高いことに着目することで、発明を完成するに到った。
つまり、この発明は、スピーカから出力された音声が同一装置のマイクロホンに再び拾われて電気信号に変換され、その電気信号が再び増幅された際に、その増幅されて得られる電気信号にハウリングの成分が含まれているか否かをその電気信号のレベルで検出し、ハウリングの成分が含まれていると判断した場合にはエコーを付加するための電気信号の系をOFFとするように構成した音声信号増幅装置である。
その詳細な構成は、音声を入力して電気信号に変換して出力するマイクロホンと、そのマイクロホンの後段の側に接続されてマイクロホンからの電気信号を入力し、エコーを作るために時間的に遅延させた電気信号を生成して出力する遅延手段と、その遅延手段からの電気信号と前記マイクロホンからの電気信号の加算加工を行うミキサ手段と、前記マイクロホンと前記遅延手段の間又は前記遅延手段と前記ミキサ手段の間に介在され、前記マイクロホンの側から入力されて来る電気信号を遮断するミュート手段と、前記ミキサ手段の後段に接続され、そのミキサ手段からの電気信号を所望のレベルに増幅する増幅手段と、その増幅手段の後段に接続され、その増幅手段からの電気信号を音声に変換して出力するスピーカが備えられ、
加えて、上記マイクロホンの後段に接続され、そのマイクロホンからの電気信号のレベルを検出するレベル検出器と、そのレベル検出器の後段に接続され、そのレベル検出器の検出結果が予め設定した値より大きい場合には、上記ミュート手段に、上記遅延手段から上記ミキサ手段への電気信号の出力を遮断させるように制御を行う制御手段が備えられてなる音声信号増幅装置である。
ここで、マイクロホンが拾う音声に係る電気信号のレベルを検出することとは、元になる音声に係る初期の電気信号とそれに対して遅延させた電気信号をミックスさせて得られる電気信号を音声に変換して出力させた際に、そのエコーの掛かった音声が反射して再びマイクロホンに拾われて増幅されると、その再びマイクロホンに拾われた音声の成分だけマイクロホンで拾われる音声のみに係る電気信号よりも高い電気信号のレベルが得られることになり、このレベルの発振がハウリングの発生の原因となり得るので、ハウリングの発生の原因となり得る電気信号の増幅が行われているか否かを実質的に判定することを意味する。
ミュート手段に電気信号の遮断を行わせるか否かの制御の判別に用いられる予め設定した値とは、マイクロホンが音声を入力して電気信号に変換して出力する際の電気信号に対応するレベルの100〜102%が挙げられる。
ここで、マイクロホンが音声を入力して電気信号に変換して出力する際の電気信号に対応するレベルとは、検出の対象となる電気信号はそのレベルを正確に検出するために増幅して取り扱う場合があり、斯かる場合においてはマイクロホンからの電気信号のレベルに準じていることを意味している。
尚、マイクロホンからの電気信号に対応するレベルの最大値が102%であるとは、経験上、スピーカから帰還されてマイクに拾われて電気信号として出力される場合においても、歌唱者等にとって気にならない程度を示すレベルの範囲を意味する。
又、斯かる構成の音声信号増幅装置は、ハウリング現象を回避するためにミュート手段が遅延手段への電気信号の出力を遮断させた後では、マイクロホンからの電気信号のレベルはハウリング現象の生じることのない元の値に戻るので、ミュート手段に遅延手段への電気信号の出力の遮断を解除させるように制御手段が制御を行う機能を付加した構成が挙げられる。
この発明は、基になる音声にエコー部分を付加するための構成が簡便であって、且つ、エコーによるハウリングが生じる可能性が高い場合にそのハウリングが生じることを回避させることを電気信号のレベルの検出に基づいて自動的に行うように構成したことによって、製造時や使用時等において煩雑な調整を必要としない取り扱いの簡便で、ハウリングの発生を回避し易いエコー付加機能を有する電気信号増幅装置である。
この発明を、図面に示す最良の形態に基づき説明する。しかし、この形態によって、この発明が限定されるものではない。
音声信号増幅装置1は、図面に示すように、演奏信号出力手段2と、マイクロホン3と、増幅手段4と、ミュート手段5と、A/D変換器6と、遅延手段7と、D/A変換器8と、A/D変換器9と、レベル検出器10と、制御手段11と、操作手段12と、表示手段13と、ミキサ手段14と、ミキサ手段15と、増幅手段16及びスピーカ17が備えられている。
演奏信号出力手段2は、所望の記録媒体(図示省略)を再生することによって、歌唱者に対してバック演奏用のアナログの電気信号を出力するものであり、所謂カラオケ演奏と呼ばれている音声を生成する電気信号を出力するものである。
よって、演奏信号出力手段2を出力させると、結果的に、スピーカ17からバック演奏の音声の出力を得ることが可能になる。
尚、記録媒体としては、具体的に、CD、MD、磁気テープ等が挙げられ、それぞれに対応する再生手段によって再生されるものである。
マイクロホン3は、カラオケ歌唱を行う歌唱者の音声が入力されると、その音声を電気信号に変換して出力するものである。
増幅手段4は、通常マイクアンプと呼ばれているものであって、マイクロホン3の後段に接続されてマイクロホン3からの電気信号を所定のレベルに増幅するものである。
ミュート手段5は、 ONの状態つまり機能の状態では、マイクロホン3から出力され増幅手段4を介して入力されて来る電気信号を遮断するものである。他方、ミュート手段5がOFFの状態つまり機能解除の状態では、マイクロホン3から出力され増幅手段4を介して入力されて来る電気信号を通過させるように機能するものである。
A/D変換器6は、ミュート手段5からのアナログの電気信号をディジタルの電気信号に変換して出力するものである。
遅延手段7は、マイクロホン3からの歌唱者の音声に係るディジタルの電気信号を入力すると、エコーを作るために、入力の時刻(初期の時刻)に対して時間的に遅延させた電気信号を出力するものである。
遅延手段7は、具体的には、入力して来る音声に係る初期の時刻の電気信号に対して129ミリ秒〜251ミリ秒の間で遅延させて出力するように構成されている。
尚、この遅延時間は、操作手段12のエコーディレイ機能を操作すると制御手段11が対応して設定する構成になっている。
又、遅延手段7は、入力初期の電気信号に対して複数の遅延信号が出力可能、つまり、一定の間隔(遅延時間)で第1波の遅延の電気信号、第2波の遅延の電気信号、第3波の遅延の電気信号、・・・を出力することが可能な構成になっている。
更に、遅延手段7は、第1波の遅延の電気信号、第2波の遅延の電気信号、第3波の遅延の電気信号、・・・の順に次の電気信号を減衰させて出力することが調節可能な構成になっている。
ここで、遅延手段7から連続的に出力される複数の遅延の電気信号は、次の電気信号において最大で−12dB〜−3dBの範囲で減衰量を可変可能に構成されている。
D/A変換器8は、遅延手段7からのデジタルの遅延された電気信号を入力してアナログの電気信号に変換し、ミキサ手段14に出力するものである。
A/D変換器9は、増幅手段4からアナログの電気信号を入力してデジタルの電気信号に変換し、レベル検出器10に出力するものである。
レベル検出器10は、増幅手段4からの音声に係る電気信号のレベル、つまり、結果的にはマイクロホン3が集音して拾った歌唱者の歌唱の音声に対応したレベルを検出し、ここで得られたレベル(値)を制御手段11に送るものである。
ここで、マイクロホン3の後段に位置する増幅手段4からの音声に係る電気信号は、レベル検出器10にも入力されるが、遅延手段7の側にも入力される。従って、レベル検出器10の入力信号のレベルの検出は、遅延手段7への電気信号のレベルをも検出することになる。
制御手段11は、レベル検出器10の検出の値(レベル)が予め設定した値より大きいと判断すると、ミュート手段5において増幅手段4からA/D変換器6への電気信号の流れを停止するように、ミュート手段5にONとなる制御信号を送るものである。
ここで、予め設定した値について説明する。つまり、マイクロホン3が集音した歌唱者の音声に係る電気信号に変換して出力する際、その電気信号のレベルの値は具体的に3mVに設定されている。尚、この値は、この装置を使用する環境例えばカラオケルームの広さ、カラオケ歌唱を行う者の所望により1〜140mVの範囲で任意に選択可能な構成になっている。
マイクロホン3からの電気信号のレベルが3mVである場合には、増幅手段4で増幅されてミキサ14,ミュート手段5及びA/D変換器9へ出力される電気信号のレベルは、210mVになっている。
ここで、A/D変換器9が入力された電気信号はデジタルの電気信号に変換されてレベル検出器10に送られ、レベル検出器10はそのレベルの値を制御手段11に送ることになるが、制御手段11においての比較判別を正確・厳密に行い得るように3000mVに増幅して制御手段11に送る構成になっている。
つまり、制御手段11でのマイクロホン3からの電気信号のレベルの判別は、実質的なレベルの判別を行っている。
尚、レベル検出器10と制御手段11の間には、斯かる増幅を行うアンプ手段が介在されているが、図面では省略されている。又、斯かる増幅機能を行うアンプ手段は、A/D変換器9の全段に接続される構成であってもよい。
従って、制御手段11は、レベル検出器10の側からの電気信号のレベルを検出する際には、理論的には、前記の3000mVより大きいか否かによってスピーカ17からの音声が再びマイクロホン3によって拾われて結果的に信号のレベルの値を大きくしているか否かを比較判別することになる。
しかし、スピーカ17からの反射の音声をマイクロホン3が拾って再び音声信号で出力することは常にとってよいほど大いに考えられ、問題は、ハウリングが生じることによって歌唱者やその回りの者にとって不愉快に感じる程度以下であればよいということであって、音声信号増幅装置1では経験上許容の範囲の2%だけ大きい値、つまり、3060mVを予め設定した値としている。
但し、この装置を使用する環境等によって、ハウリングの生じる可能性もハウリングが生じた際のその程度も変化し、又、カラオケ歌唱を行う者及びそこに居合わせた者にとってのハウリングへの知覚程度が個別的に大いに異なるから、この余裕を示す2%という値も操作手段12から任意に設定可能な構成になっている。
尚、ここで言うハウリングが生じて不愉快を感じるとは、マイクロホン3、スピーカ17等を含む装置全体の置かれている環境が使用中に変化することによって、つまり、例えば歌唱者が移動することによって、スピーカ17、音声反射物、歌唱者の持っているマイクロホン3の相対的な位置関係が変化することになり、途中からハウリングが生じない状態に変化することに対して余裕を持たせていてもハウリングが強く作用する程度であることを意味する。
他方、ハウリングの発生を極力避けた状態を望む場合には、レベル検出器10の検出結果に対する制御手段11の判別の値をより低くするように設定すればよい。
制御手段11は、操作手段12からの入力内容に基づいて、遅延手段7に、増幅手段4からミキサ手段14に流れる基の電気信号に対してどの程度遅延をさせるか?、一の電気信号に対して複数の遅延信号を生成して出力する場合にいくつの遅延信号を生成させるか?、基の電気信号に対して遅延の電気信号の減衰量はいくらか?、を設定するための制御信号を送る。
更に、制御手段11は、諸機能の現状を表示するように、表示手段13に表示内容のドライブ信号を出力するものである。
表示手段13は、諸機能の現状を表示するものである。
ミキサ手段14は、増幅手段4からの基の電気信号と、D/A変換器8を介しての遅延手段7からの遅延された電気信号を加算加工、所謂ミックスして、基の電気信号に係る音声に対してエコーとなる音声の元になる電気信号を加えるものである。
ミキサ手段15は、ミキサ手段14からのエコー成分が付加された音声に係る電気信号と演奏信号出力手段2からの歌唱のバック演奏に係る電気信号を加算加工し、増幅手段16に送るものである。
増幅手段16は、ミキサ手段15からの遅延を含む音声とバック演奏に係る電気信号を入力して所定のレベルに増幅し、スピーカ17に送るものである。
スピーカ17は、増幅手段16からの電気信号を入力して音声に変換して出力するものである。
音声信号増幅装置1は、上述したように構成されている。以下において、その機能を説明する。
使用者つまりカラオケの歌唱者は、操作手段12から装置全体の主電源をONにする。続いて、所望のエコー状態を得るように、操作手段12から制御手段11を介して遅延手段7に、増幅手段4からの初期の信号に対してどの程度の時間遅延をさせるか、遅延信号の出力の回数を設定するための信号を出力する。
この時、カラオケ歌唱者は、表示手段13からその設定内容を確認することができる。
ここで、カラオケ歌唱者は、マイクロホン3を持ってスタンバイ状態とし、演奏信号出力手段2を操作して所望のバック演奏(カラオケ演奏)を出力させる。
この時、演奏信号出力手段2からのバック演奏に係る電気信号はアナログの信号であって、ミキサ手段15に送られ、更に、増幅手段16で所望の値に増幅されてスピーカ17に送られ、スピーカ17から音声となってバック演奏が出力される。
歌唱者は、演奏信号出力手段2からバック演奏が流れると、スピーカ17からの前記バック演奏に合わせて歌唱(カラオケ歌唱)を始める。
ここで、マイクロホン3は、歌唱者から歌唱音声を拾って電気信号に変換し、増幅手段4に送る。
増幅手段4は、その歌唱に係る電気信号をミキサ手段14、ミュート手段5及びA/D変換器9に送る。
ミキサ手段14は、増幅手段4からの初期の歌唱音声に係るアナログの電気信号を入力する。
他方、ミュート手段5は、増幅手段4からの初期の歌唱音声に係るアナログの電気信号を受けるが、制御手段11はミュート手段5にONの制御信号を送っていないので、そのまま通過されてA/D変換器6に送る。
更に、A/D変換器9は、増幅手段4からの初期の歌唱音声に係るアナログの電気信号を受けると、デジタルの電気信号に変換してレベル検出器10に送る。
ここで、レベル検出器10は、A/D変換器9からの電気信号のレベルを検出し、その検出結果(レベルの値)を制御手段11に送る。
制御手段11は、レベル検出器10からの検出結果が予め設定した値(3060mV)よりも大きいか否かを判別し、その予め設定した値に至っていない場合にはミュート手段5には何の信号も送ることはない。
尚、ここでは装置が作動の初期の状態なので、装置全体が正常に機能していると、ハウリングの原因となるスピーカ17からの音声が出力されることがないので、レベル検出器10の検出値は予め設定した値より大きい場合は生じない。
又、初期の状態のミュート手段5は、遮断機能が解除、つまり、増幅手段4からの電気信号をそのまま通過させてA/D変換器6に送るように機能する。
従って、増幅手段4からミュート手段5に流れた音声に係るアナログの電気信号は、A/D変換器6でデジタルの電気信号に変換され、遅延手段7に送られる。
遅延手段7は、A/D変換器6からのデジタルの電気信号を入力すると、マイクロホン3から出力される初期の信号、つまり、実質的にミキサ手段14が増幅手段4から入力する電気信号に対して、操作手段12によって設定した時間だけ遅延させ且つ設定した回数の遅延信号(デジタル信号)を生成し、D/A変換器8に送る。
D/A変換器8は、遅延手段7からの前記デジタルの遅延信号を入力するとアナログの遅延信号に変換し、ミキサ手段14に送る。
ここで、ミキサ手段14は、マイクロホン3によって拾われて音声から電気信号に変換されていることを共通としていながら、増幅手段4からの初期のアナログの電気信号とD/A変換器8からの遅延されたアナログの電気信号を加算加工(ミックス)して、ミキサ手段15に送る。
ミキサ手段15は、ミキサ手段14からの、歌唱音声に係る加算加工されたアナログの電気信号と演奏信号出力手段2のバック演奏用のアナログの電気信号を加算加工(ミックス)し、増幅手段16に送る。
増幅手段16は、ミキサ手段15からの加算加工されたアナログの電気信号を受け取ると、所定のレベルに増幅し、スピーカ17に送る。
スピーカ17は、増幅手段16からのアナログの電気信号を受け取ると、音声に変換して出力する。
ここで、スピーカ17は、マイクロホン3からのカラオケ歌唱者の歌唱とこの歌唱に対して遅延させてエコーを構成し得る歌唱に係る音声、及び、演奏信号出力手段2からのバック演奏に係る音声を出力している。
このスピーカ17が音声を出力している際に、その音声の一部が部屋の壁や天井等に当たって反射し、その反射による音声がマイクロホン3によって拾われる場合がある。
ここで、マイクロホン3は、反射して入って来た音声(以下、「反射による音声」と称する)を拾うと、カラオケ歌唱に係る音声と共にアナログの電気信号に変換して増幅手段4に送る。
増幅手段4は、反射による音声及びカラオケ歌唱に係る電気信号を所定通りに増幅し、ミュート手段5、A/D変換器9及びミキサ手段14に送る。
A/D変換器9は、反射による音声及びカラオケ歌唱に係るアナログの電気信号をデジタルの電気信号に変換してレベル検出器10に送る。
ここで、レベル検出器10は、反射による音声及びカラオケ歌唱に係るデジタルの電気信号のレベルを検出し、その値を制御手段11に送る。
制御手段11は、レベル検出器10からの反射による音声及びカラオケ歌唱に係るデジタルの電気信号のレベルの値と予め設定している値を比較の判別を行う。
ここで、反射による音声、つまり、スピーカ17から出力され反射されて結果的にマイクロホン3によって拾われる音声が十分に小さい音声である場合には、その反射による音声に係る電気信号のレベルは、マイクロホン3によって一緒に拾われたカラオケ歌唱に係る電気信号のレベルの値に比して十分に低い場合となり、制御手段11はレベル検出器10からのレベルの値は予め設定した値よりも小さいと判別し、ミュート手段5にONを出力させるための制御信号を送ることはない。
従って、ミュート手段5は、増幅手段4からの反射による音声及びカラオケ歌唱に係るアナログの電気信号をA/D変換器6に送り、A/D変換器6はミュート手段5からの前記アナログの電気信号を反射による音声及びカラオケ歌唱に係るデジタルの電気信号に変換して遅延手段7に送る。
ここで、遅延遮断7は、増幅手段4から出力された際の初期の時刻に対して設定された時間分だけ遅延された電気信号を生成し、D/A変換器8に出力する。
D/A変換器8は、遅延手段7からのデジタルの電気信号を受けると、反射による音声及びカラオケ歌唱に係るアナログの電気信号に変換してミキサ手段14に送る。
ミキサ手段14においては、増幅手段4から初期の時刻で出力された反射による音声及びカラオケ歌唱に係るアナログの電気信号を入力すると共に、D/A変換器8からの前記初期の時刻に対して設定した時間だけ遅延された反射による音声及びカラオケ歌唱に係るアナログの電気信号が入力されて、それら二つのアナログの電気信号は加算加工されてミキサ手段15に送られる。
この時、このミキサ手段14の加算加工によって、反射による音声及びカラオケ歌唱に遅延手段7の設定遅延時間だけ遅延している反射による音声及びカラオケ歌唱が加えられた音声を示す電気信号、つまり、初期時刻の反射による音声及びカラオケ歌唱に設定時間だけ遅延してエコー効果を与える音声に係るアナログの電気信号をミキサ手段15に送ることになる。
ミキサ手段15は、ミキサ手段14の斯かるアナログの電気信号を受け取ると共に、演奏信号出力手段2からのバック演奏に係るアナログの電気信号を受け取り、その二つのアナログ信号を加算加工して増幅手段16に送る。
この時、このミキサ手段15の加算加工によって、初期時刻の反射による音声及びカラオケ歌唱に設定した時間だけ遅延してエコー効果を与える音声にバック演奏が付加された音声に係るアナログの電気信号が増幅手段16に送られることになる。
増幅手段16は、ミキサ手段15からの上記音声に係るアナログの電気信号を所定通りに増幅してスピーカ17に送る。
スピーカ17は、増幅手段16からの音声に係る増幅されたアナログの電気信号を音声に変換して出力する。
ここで、歌唱者及びそこに居合わせた者は、スピーカ17からマイクロホン13で拾われた音声、その音声に対して遅延されてエコー部分となっている音声及び演奏信号出力手段2からのバック演奏を聞くことになる。
この時、スピーカ17からは前述した反射による音声及びそれに係るエコー部分の音声も一緒に出力されるが、歌唱者がマイクロホン3に発した音声及び演奏信号出力手段2からのバック演奏の音声に比して無視できるほどに小さいので、気になることはない。
他方、マイクロホン3によって拾われる反射による音声のある一定値以上のレベルである場合には、その反射による音声に係る電気信号のレベルは、マイクロホン3によって一緒に拾われたカラオケ歌唱の音声に係る電気信号のレベルの値に比して意味のあるレベルということになる。
ここで、マイクロホン3は、カラオケ音声及び反射による音声を電気信号に変換して増幅手段4に送る。
増幅手段4は、反射による音声及びカラオケ歌唱の音声に係る電気信号を所定通りに増幅し、ミュート手段5、A/D変換器9及びミキサ手段14に送る。
A/D変換器9は、反射による音声及びカラオケ歌唱の音声に係るアナログの電気信号をデジタルの電気信号に変換してレベル検出器10に送る。
ここで、レベル検出器10は、反射による音声及びカラオケ歌唱の音声に係るデジタルの電気信号のレベルを検出し、その値を制御手段11に送る。
この時、レベル検出器10は、A/D変換器9を介した増幅手段4からの音声に係る電気信号について例えば3080mVという値のレベルを検出し、その値を制御手段11に送る。
制御手段11は、レベル検出器10からの反射による音声及びカラオケ歌唱の音声に係る電気信号の値が3080mVであるレベルと予め設定している値(3060mV)を比較して大小関係の判別を行う。
ここで、レベル検出器10で検出されたレベルの値が予め設定した値よりも大きいと制御手段11が判別し、ミュート手段5にONを出力させるための制御信号を送る。
従って、ミュート手段5は制御手段11からの制御信号に基づいて手段の状態に切り替わり、増幅手段4からの反射による音声及びカラオケ歌唱に係るアナログの電気信号をA/D変換器6に送ることを停止する。
よって、増幅手段4からの反射による音声及びカラオケ歌唱に係るアナログの電気信号がミュート手段5からA/D変換器6に送られないから、A/D変換器6から前記反射による音声及びカラオケ歌唱に係るデジタルの電気信号が遅延手段7に送られることはない。
ここで、遅延回路7は、A/D変換器6からの電気信号の入力がないないので、初期の時刻に対して設定された時間分だけ遅延された電気信号を生成することがなく、D/A変換器8にエコーを構成するための電気信号を出力することがない。
D/A変換器8は、この遅延手段7の斯かる動作に対応して、エコーを構成するためのアナログの電気信号にミキサ手段14に送ることはない。
ミキサ手段14は、増幅手段4から初期の時刻で出力された反射による音声及びカラオケ歌唱に係るアナログの電気信号のみが入力され、そのアナログの電気信号のみをミキサ手段15に送る。
ミキサ手段15は、ミキサ手段14からのアナログの電気信号を受け取ると共に、演奏信号出力手段2からのバック演奏に係るアナログの電気信号を受け取り、その二つのアナログ信号を加算加工して増幅手段16に送る。
この時、このミキサ手段15の加算加工によって、カラオケ歌唱の音声にバック演奏が付加された音声に係るアナログの電気信号が増幅手段16に送られことになる。
増幅手段16は、ミキサ手段15からの上記音声に係るアナログの電気信号を所定通りに増幅してスピーカ17に送る。
スピーカ17は、増幅手段16からの音声に係る増幅されたアナログの電気信号を音声に変換して出力する。
ここで、歌唱者及びそこに居合わせた者は、演奏信号出力手段2からのバック演奏に合わせてカラオケ歌唱者がマイクロホン13に向かって発した音声の拡声された音声をスピーカ17から聞くことになる。
この時、スピーカ17からは前述した反射による音声及びそれに係るエコー部分の音声を出力しないから、ハウリングが生じるということはない。よって、歌唱者及びその場に居合わせた者は、本来であれば生じる可能性の極めて高いハウリングのない状態でカラオケ歌謡を楽しみ続けることが可能になる。
ここで、前述したように、スピーカ17からの音声が反射されることなどによってマイクロホン3に拾われることが考えられる。
しかしながら、この時スピーカ17から出力されている音声はエコー部分を含んでおらず、つまり、スピーカ17は遅延した同じ音声を繰り返して出力することがないから、同じ音声がマイクロホン3に拾われて結果的にハウリングが生じるという可能性は大変に低い状態になっている。
他方、スピーカ17からの音声にエコーが付加されていると、そのエコーの回数分だけ同じ音声が出力され、その同じ音声の出力の回数分だけマイクロホンが同じ音声を拾う可能性が高くなり、結果的に、エコーによって同じ音声が繰り返されて出力される回数に対応してハウリングの生じる虞が多いことになる。
ここで、この装置の使用環境が変化して、マイクロホン3にスピーカ17からの音声が全く入力されない或いは入力されても無視できるレベルの状態に戻ると、その時のマイクロホン3が音声を拾って変換して出力する電気信号のレベルが、結果的に、レベル検出器10で検出され、制御手段11で予め設定した値と比較判別されることになる。
続いて、制御手段11が、その時の電気信号のレベルの値が予め設定した値よりも小さいと判別すると、ミュート手段5に遮断機能を解除するための制御信号(OFF信号)を送る。
ミュート手段5は、制御手段11からのOFF信号を受けて遮断機能を解除し、増幅手段4からのカラオケ歌唱音声に係るアナログの電気信号を通過させて、A/D変換器6に送る。
従って、結果的に、ミキサ手段14には、この時の増幅手段4からの初期の音声に係る電気信号とこの初期の信号に対して設定された時間だけ遅延された音声に係る電気信号が入力されて加算加工が行われ、最終的には、スピーカ17から演奏信号出力手段2に基づくバック演奏に対してエコーの付加されたカラオケ歌唱の音声が出力されることになる。 つまり、カラオケ歌唱の音声にエコーが付加された状態に復帰することになる。
音声信号増幅装置1では、演奏信号出力手段2は記録媒体を再生することによって音声(バック演奏)に係る電気信号を出力する構成であるが、電話回線を介して音声に係る電気信号を供給する構成、いわゆる通信カラオケであってもよい。
音声信号増幅装置1では、歌唱者の歌唱音声を拾って電気信号に変換するマイクロホン3は唯一本のみを有する構成になっているが、二本以上のマイクロホン3を備えた構成でもよい。
ここで、二本以上のマイクロホン3を含んだ構成では、その下段に接続される増幅手段4は唯一つでもよく、マイクロホン3の数に対応させた数の構成であってもよい。
但し、音声信号増幅装置1は、いずれの構成であっても、マイクロホン3からの音声に係る電気信号に対して遅延した電気信号を生成して出力する遅延手段7と、マイクロホン3からの音声に係る信号のレベルを検出し、設定値より大きい場合には遅延手段7の機能を実質的に停止させるための制御手段11及びミューズ手段5が備えられることが必要である。
音声信号増幅手段1では、ミュート手段5は遅延手段7の前段の側に接続されているが、遅延手段7の後段の側に接続された構成であってもよい。
つまり、斯かる構成では、遅延手段7によって遅延の電気信号が生成され出力されることになるが、ミュート手段5が機能するとその遅延の電気信号はミキサ14に送られることが停止され、結果的に、ミキサ14は増幅手段4からの電気信号のみをミキサ15に送ることになる。
よって、斯かる構成においても、スピーカ17からハウリングの原因となる同じ音声の連続的な出力が行われないから、その分、ハウリングの生じる虞が少なくなっている。
この発明の最良の実施の一形態の構成を説明するブロック図である。
符号の説明
1 :音声信号増幅装値
2 :演奏信号出力手段
3 :マイクロホン
4 :増幅手段
5 :ミュート手段
7 :遅延手段
10 :レベル検出器
11 :制御手段
14,15 :ミキサ手段
17 :スピーカ

Claims (3)

  1. 音声を入力して電気信号に変換して出力するマイクロホンと、そのマイクロホンの後段の側に接続されてマイクロホンからの電気信号を入力し、エコーを作るために時間的に遅延させた電気信号を生成して出力する遅延手段と、その遅延手段からの電気信号と前記マイクロホンからの電気信号の加算加工を行うミキサ手段と、前記マイクロホンと前記遅延手段の間又は前記遅延手段と前記ミキサ手段の間に介在され、前記マイクロホンの側から入力されて来る電気信号を遮断するミュート手段と、前記ミキサ手段の後段に接続され、そのミキサ手段からの電気信号を所望のレベルに増幅する増幅手段と、その増幅手段の後段に接続され、その増幅手段からの電気信号を音声に変換して出力するスピーカが備えられ、
    加えて、上記マイクロホンの後段に接続され、そのマイクロホンからの電気信号のレベルを検出するレベル検出器と、そのレベル検出器の後段に接続され、そのレベル検出器の検出結果が予め設定した値より大きい場合には、上記ミュート手段に、上記遅延手段から上記ミキサ手段への電気信号の出力を遮断させるように制御を行う制御手段が備えられてなる音声信号増幅装置。
  2. マイクロホンからの電気信号のレベルをレベル検出器によって検出してその検出結果と比較判別してミュート手段への制御を決める予め設定した値の最大が、スピーカからの帰還の音声を含まない状態において、マイクロホンが音声を入力して電気信号に変換して出力する際の電気信号に対応するレベルの102%である請求項1に記載の音声信号増幅装置。
  3. 制御手段の機能によってミュート手段が遅延手段への電気信号の出力を遮断させた後に、マイクロホンからレベル検出器への電気信号のレベルの検出結果が予め設定したレベルよりも小さくなった場合には、ミュート手段に遅延手段への電気信号の出力の遮断を解除させるように制御手段が制御を行うように構成されてなる請求項1又は請求項2に記載の音声信号増幅装置。
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