JP2007188990A - 窒化物半導体素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】低コンタクト抵抗の窒化物半導体レーザを提供する。
【解決手段】本発明に係る窒化物半導体レーザが有するコンタクト層の構造を2層構造(p−InGaN第1コンタクト層およびp−GaN第2コンタクト層)とし、p−GaN第2コンタクト層の格子定数をp−InGaN第1コンタクト層の格子定数よりも小さくする。さらに、p−GaN第2コンタクト層の膜厚を臨界膜厚未満とすることで、p−GaN第2コンタクト層には面内引っ張り歪みが発生し、当該面内引っ張り歪みによってp−GaN第2コンタクト層のバンドギャップエネルギーが低減する。従って、p−GaN第2コンタクト層およびp電極によるコンタクト抵抗を低減することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、窒化物半導体レーザなどの窒化物半導体素子に関し、特に、動作電圧を低減する技術に関する。
窒化物半導体は青色または緑色波長帯の光を発光するものとして知られており、例えば、緑色光を生成する発光素子には約3.4eVの広いバンドギャップを有するGaN系半導体物質が使用されている。また、通常、このような窒化物半導体素子のコンタクト層も窒化物半導体で構成されている。
上述したような窒化物半導体素子が、例えば、特許文献1に記載されている。
特願平10−242587
しかしながら、窒化物半導体は広いバンドギャップを有するため、特にp型窒化物半導体層と電極層との低抵抗な接触形成が困難である。そのため、動作電圧が高くなると同時に発熱量が多くなって信頼性が損なわれるという問題があった。
そこで、本発明は上記のような問題を解決するためになされたものであり、コンタクト抵抗を低減することにより、動作電圧を低減して、高い信頼性を有した窒化物半導体素子を提供することを目的とする。
本発明に係る請求項1記載の窒化物半導体素子は、基板と、前記基板上に形成された窒化物半導体層の積層体と、記積層体上に形成された電極とを備え、前記積層体は、第1コンタクト層と、前記第1コンタクト層上に形成された第2コンタクト層とを含み、前記電極は、前記第2コンタクト層上に形成されており、前記第2コンタクト層の格子定数が、前記第1コンタクト層の格子定数より小さい。
本発明に係る請求項3記載の窒化物半導体素子は、基板と、前記基板上に形成された窒化物半導体層の積層体と、前記積層体上に形成された電極とを備え、前記積層体は、第1コンタクト層と、前記第1コンタクト層上に形成された第2コンタクト層とを含み、前記電極は、前記第2コンタクト層上に形成されており、前記第1コンタクト層と前記第2コンタクト層とを貫通する転位が形成されている。
本発明に係る請求項1記載の窒化物半導体素子は、基板と、前記基板上に形成された窒化物半導体層の積層体と、記積層体上に形成された電極とを備え、前記積層体は、第1コンタクト層と、前記第1コンタクト層上に形成された第2コンタクト層とを含み、前記電極は、前記第2コンタクト層上に形成されており、前記第2コンタクト層の格子定数が、前記第1コンタクト層の格子定数より小さいので、例えば、前記第2コンタクト層を臨界膜厚以下とすることで、前記第2コンタクト層は、前記第1コンタクト層との格子不整合により、面内引っ張り歪みが生じて、バンドギャップエネルギーが小さくなり、結果として、コンタクト抵抗が低減し、動作電圧を低減することができる。
本発明に係る請求項3記載の窒化物半導体素子は、基板と、前記基板上に形成された窒化物半導体層の積層体と、前記積層体上に形成された電極とを備え、前記積層体は、第1コンタクト層と、前記第1コンタクト層上に形成された第2コンタクト層とを含み、前記電極は、前記第2コンタクト層上に形成されており、前記第1コンタクト層と前記第2コンタクト層とを貫通する転位が形成されているので、転位による欠陥準位が形成され、前記欠陥準位を介した伝導により動作電圧を低減できる。
(実施の形態1)
本発明に係る実施の形態1の窒化物半導体素子の一例として、窒化物半導体レーザの構成図を図1に示す。本実施の形態1に係る窒化物半導体レーザは、図1(a)に示すように、n−GaN基板1上に、n−GaNバッファ層2、n−AlGaNクラッド層3、InGaNおよびGaNから成る多重量子井戸層4、p−AlGaNクラッド層8、p−InGaN第1コンタクト層9、p−GaN第2コンタクト層10が、上記の順に形成されている。なお、例えば、n−GaNとはn型GaNを、p−GaNとはp型GaNのことであり、以下、同様の表現を使用する。
多重量子井戸層4は、図1(b)に示すように、GaNガイド層5a、InGaN活性層6a、GaNバリア層7、InGaN活性層6b、GaNガイド層5bが、この順で形成されて構成されている。
p−InGaN第1コンタクト層9およびp−GaN第2コンタクト層10は、電流狭窄のために、リッジ形状にエッチングされており、それらの側面およびp−AlGaNクラッド層8の上面を絶縁膜11が覆っている。
さらに、p−GaN第2コンタクト層10上にp電極12が形成され、n−GaN基板1の裏面にn電極13が形成されている。p電極12としては、Pt−Au合金を用いる。あるいは、PtやPd等の仕事関数の大きい単体金属を用いても良い。n電極13としては、Ti/Pt/Au積層金属を用いる。
次に、本実施の形態1に係る窒化物半導体レーザの構成において、コンタクト抵抗(p電極12およびp−GaN第2コンタクト層10からなるコンタクト抵抗)の低抵抗化を実現するために用いた理論を大きく以下の2点に大別して概略説明する。
(a)p−GaN第2コンタクト層10のバンドギャップエネルギーを低減
コンタクト抵抗は界面の障壁高さを低減することで低抵抗化することができる。金属/半導体界面の障壁高さqφBは、
qφB=Eg−q(φm−φs) ・・・(1)
で表される。ここで、Egは半導体(p−GaN第2コンタクト層10)のバンドギャップエネルギー、φm:電極(p電極12)の仕事関数、φsは半導体(p−GaN第2コンタクト層10)の仕事関数である。式(1)より、半導体(p−GaN第2コンタクト層10)のバンドギャップエネルギーを小さくすることで、障壁高さqφBを低減でき、コンタクト抵抗の低抵抗化を実現できる。
ところで、GaNは格子歪みを受けることにより、バンドギャップエネルギーが変化することが報告されている。(Appl.Phys.Lett.68(7)、(1996)p.970)図2に、面内応力(歪み)に伴うc軸の格子定数と、フォトルミネッセンス光のピーク位置との関係を示す。GaNは、面内圧縮歪みを受けるに伴い、バンドギャップエネルギーが大きくなることがわかる。
また、当該文献によると、面内応力とバンドギャップエネルギーの変化分は、
dEg/dσ=27±4(meV/GPa) ・・・(2)
で表される。ここで、σは面内応力であり、
σ={(c−c0)/c0}E/ν ・・・(3)
で表される。cは歪みを受けた格子定数、c0はバルク格子定数、Eはバルク弾性定数(200GPa)、νはポアソン比(0.38)である。
したがって、式(2)より、p−GaN第2コンタクト層10は面内引っ張り歪みをうけることで、バンドギャップエネルギーが小さくなる。p−GaN第2コンタクト層10のバンドギャップエネルギーが小さくなると、式(1)より、p電極12およびp−GaN第2コンタクト層10から成るコンタクト抵抗を低減することができる。なお、p−GaN第2コンタクト層10が面内引っ張り歪みを受ける理由は、後述するように、p−GaN第2コンタクト層10の格子定数が、直下のp−InGaN第1コンタクト層9よりも小さく、p−GaN第2コンタクト層10の膜厚が臨界膜厚以下だからである。
(b)p−GaN第2コンタクト層10に発生した転位による欠陥準位を介した伝導
p−GaN第2コンタクト層10に転位を発生させることで、欠陥準位が形成され、当該欠陥準位を介した伝導により動作電圧を低減できる。ここで、実験により、GaNコンタクト層の転位密度とコンタクト抵抗の関係を図3に示す。転位密度が1×106cm-2の場合のコンタクト抵抗に比べて、1×109cm-2の場合のコンタクト抵抗の方が1桁小さいことが分かる。
これから、一般のGaN基板に存在する1×106cm-2以上、好ましくは1×109cm-2以上であればコンタクト抵抗を低減し、動作電圧を低減する効果があることが分かる。なお、p−GaN第2コンタクト層10に転位が存在する理由は後述する。
本実施の形態1に係る窒化物半導体レーザは、上述した(a)、(b)の両方の効果を得る構成となっている。具体的に、以下に説明する。
p−AlyGa1-yNクラッド層8のAl組成比としてy=0.05を用いる。p−AlyGa1-yNクラッド層8の格子定数は、Vegard則により、a=0.3185nmとなり、直下のGaNガイド層5の格子定数はa=0.3189nmなので、格子不整合は0.12%となり、ほとんど変わらない。そのため、p−AlyGa1-yNクラッド層8には、格子不整合による転位や応力はほとんど発生しない。
p−InxGa1-xN第1コンタクト層9の組成比は、x=0.25、膜厚を100nmとする。この場合、Vegard則により、p−InxGa1-xN第1コンタクト層9の格子定数はa=0.3279であり、直下のp−AlyGa1-yNクラッド層8との格子不整合は2.9%となる。p−InxGa1-xN第1コンタクト層9において、転位が発生する臨界膜厚は約20nm(臨界膜厚に関しては後述する)であるので、p−InxGa1-xN第1コンタクト層9には格子不整合に伴う転位が発生する。当該転位によって、p−InxGa1-xN第1コンタクト層9内の格子歪みが緩和されるため、p−InxGa1-xN第1コンタクト層9の格子定数は変わらず、a=0.3279のままである。また、この場合、p−InxGa1-xN第1コンタクト層9に発生した転位密度はおよそ8×1011cm-2となる。
p−GaN第2コンタクト層10の膜厚は、新たに転位が発生する臨界膜厚約20nm(臨界膜厚に関しては後述する)以下の19nmである。p−GaN第2コンタクト層10の格子定数はa=0.3189nmであり、直下のp−InxGa1-xN第1コンタクト層9との格子不整合は2.9%となる。ここで、p−GaN第2コンタクト層10の膜厚は19nmなので、格子不整合に伴う新たな転位は発生しない。そのため、格子不整合による格子歪みが緩和されず、さらに、p−GaN第2コンタクト層10の格子定数が、直下のp−InxGa1-xN第1コンタクト層9よりも小さいため、p−GaN第2コンタクト層10には面内引っ張り歪みが発生する。
すなわち、p−GaN第2コンタクト層10は面内応力により弾性変形し、a軸の格子定数が直下のp−InxGa1-xN第1コンタクト層9のa軸の格子定数a=0.3279に整合され、それに伴いc軸の格子定数がc=0.5185(バルク格子定数に相当)からc=0.5129nm(歪みを受けた格子定数に相当)に変形する。式(2)および(3)により、p−GaN第2コンタクト層10のバンドギャップエネルギーは約0.15eV小さくなることが分かる。
また、p−InxGa1-xN第1コンタクト層9に発生した転位はそのままp−GaN第2コンタクト層10に貫通するので、p−GaN第2コンタクト層10の転位密度は、p−InxGa1-xN第1コンタクト層9に発生した転位密度と同じ8×1011cm-2となる。なお、このように直下のp−InxGa1-xN第1コンタクト層9での転位が貫通して、p−GaN第2コンタクト層10に導入された転位は、p−GaN第2コンタクト層10での格子歪みを緩和することはない。ここで、導入された転位とは、p−InxGa1-xN第1コンタクト層9およびp−GaN第2コンタクト層10の転位が連続している状態を言う。
以上のように、p−GaN第2コンタクト層10には面内引っ張り歪みが発生するのでバンドギャップエネルギーが小さくなり、コンタクト抵抗を低減する((a)による効果)と共に、p−GaN第2コンタクト層10に導入された転位による欠陥準位を介して、伝導が促されることでコンタクト抵抗が低減し((b)による効果)、これらの相加効果によって動作電圧を大幅に低減することができる。したがって、窒化物半導体レーザの信頼性を向上することができる。
(臨界膜厚)
さて、上述したように、本構成では、(イ)p−InxGa1-xN第1コンタクト層9は、直下のp−AlyGa1-yNクラッド層8との格子不整合により転位が発生すること、(ロ)p−GaN第2コンタクト層10は、直下のp−InxGa1-xN第1コンタクト層9との格子不整合により新たに転位が発生しないことの2点を満たす必要がある。
ここで、GaN上のInxGa1-xNのIn組成比xに対する臨界膜厚は図4の通りに報告されている。(Appl.Phys.Lett.81(7)、(2002)p.1207)すなわち、InxGa1-xNの組成比xと膜厚が図4の実線の上側の範囲であれば、InxGa1-xNに転位が発生し、格子歪みが緩和されて、Vegard則に従う組成比xに応じた格子定数となり、実線の下側の範囲であれば、InxGa1-xNに転位が発生せず、格子歪みが緩和されずに、面内応力が発生する。
さて、AlyGa1-yNクラッド層8のAl組成比はy=0.05と非常に小さいので、AlyGa1-yN上のInxGa1-xNのIn組成比xに対する臨界膜厚は図4と同様であると仮定すると、p−InxGa1-xN第1コンタクト層9の膜厚が、図4の上側の範囲であれば、p−InxGa1-xN第1コンタクト層9に転位が発生して、格子歪みが緩和される。((イ)を満たす)なお、上述した実施例において、x=0.25におけるp−InxGa1-xN第1コンタクト層9の臨界膜厚は約20nmである。
また、In組成比がそれほど大きくない領域を議論しているので、InxGa1-xN上のGaNのIn組成比xに対する臨界膜厚も図4と同様であると仮定すると、p−GaN第2コンタクト層10の膜厚は、図4の下側の範囲であれば、p−GaN第2コンタクト層10に新たな転位が発生せず、格子歪みが緩和されずに面内応力が発生する。((ロ)を満たす)なお、上述した実施例において、x=0.25におけるp−GaN第2コンタクト層10の臨界膜厚は約20nmである。
さらに、通常使用されるコンタクト層の膜厚および制御可能な膜厚を考慮に入れると、p−InxGa1-xN第1コンタクト層9の組成比xはx=0.12、格子定数はa=0.3232nmからx=0.30、格子定数はa=0.3297nmの範囲が好ましい。また、膜厚はx=0.12で100nmを越え、x=0.30で10nmを越えている範囲が好ましい。この場合の転位密度は、x=0.12、格子定数はa=0.3232nmで4×1011cm-2、x=0.30、格子定数はa=0.3297nmで2×1012cm-2となる。
また、p−InxGa1-xN第1コンタクト層9がx=0.12、膜厚が100nmを越えている場合、p−GaN第2コンタクト層10の膜厚は100nm以下、p−InxGa1-xN第1コンタクト層9がx=0.30、膜厚が10nmを越えている場合、p−GaN第2コンタクト層10の膜厚は10nm以下、が好ましい。
この範囲の組み合わせにより、バンドギャップエネルギーを下げることと、転位に伴う欠陥準位を介した伝導の効果から動作電圧が低減し、素子の信頼性が向上できる。
なお、本実施の形態1では、(a)および(b)の両方の効果を得るのに好ましい範囲で実施しているが、例えば、p−GaN第2コンタクト層10の膜厚を臨界膜厚以上としてもよい。この場合、p−GaN第2コンタクト層10に、新たな転位が発生し、格子歪みが緩和されて、面内応力は発生しないが、p−GaN第2コンタクト層10に存在する転位によって、欠陥準位が形成されるため、当該欠陥準位を介した伝導により、コンタクト抵抗を低減することができる((b)のみの効果)。
次に、本実施の形態1に係る窒化物半導体レーザの製造工程を図5に示す。まず、図5(a)(b)に示すように、n−GaN基板1上に、MOCVD法(有機金属気相成長法)により、n−GaNバッファ層2、n−AlGaNクラッド層3、GaNガイド層5a、InGaN活性層6a、GaNバリア層7、InGaN活性層6b、GaNガイド層5b、p−AlGaNクラッド層8、p−InGaN第1コンタクト層9、p−GaN第2コンタクト層10を、上記の順に形成する。なお、GaNガイド層5a、InGaN活性層6a、GaNバリア層7、InGaN活性層6b、GaNガイド層5bから成る層は多重量子井戸4を形成している。また、p−InGaN第1コンタクト層9の組成比、膜厚およびp−GaN第2コンタクト層10の膜厚は、上述した範囲の組み合わせとすることが好ましい。
次に、図5(c)に示すように、通常のフォトリソグラフィーによりp−GaN第2コンタクト層10、p−InGaN第1コンタクト層9およびp−AlGaNクラッド層8の一部をリッジ状にエッチングして、電流狭窄のためのリッジ形状を形成する。
その後、図5(d)に示すように、上層に絶縁膜11を成膜した後、フォトリソグラフィーによりリッジトップの絶縁膜を除去し、p電極12を電子ビーム蒸着法により形成する。p電極12としては、Pt−Au合金を用いる。あるいはPtやPd等の仕事関数の大きい単体金属を用いても良い。最後に、n−GaN基板1の裏面にn電極13を電子ビーム蒸着法により形成する。n電極13としては、Ti/Pt/Au積層金属を用いる。
(実施の形態2)
本実施の形態2に係る窒化物半導体レーザの構成を図6に示す。なお、同一符号は同一または相当部分を指す。すなわち、第1コンタクト層以外は図1と同一構成であり、本実施の形態2に係る窒化物半導体レーザは、第1コンタクト層をp−AlInGaN第1コンタクト層14で構成している。
p−AlInGaN第1コンタクト層14の組成比はAlxInyGa1-(x+y)Nとして、x=0.24、y=0.27、膜厚を100nmとする。この場合、p−AlInGaN第1コンタクト層14の格子定数はa=0.3279nmである。ここで、GaN上のAlxInyGa1-(x+y)Nの組成比x、yに対する臨界膜厚は知られていないが、図4と同じであると仮定する。そして、一般に、臨界膜厚は格子定数に依存するので、同一格子定数ならば同じ臨界膜厚であると考える。よって、この場合のp−AlInGaN第1コンタクト層14の臨界膜厚は約20nmである。
従って、実施の形態1と同様に、直下のp−AlGaNクラッド層8との格子不整合により転位が発生し、格子歪みが緩和されるため、p−AlInGaN第1コンタクト層14の格子定数はa=0.3279nmのまま変わらない。
また、p−AlInGaN第1コンタクト層14の格子定数は、実施の形態1のp−InGaN第1コンタクト層9の格子定数と等しいので、p−AlInGaN第1コンタクト層14に発生した転位密度は実施の形態1と同様に8×1011cm-2となる。
次に、AlxInyGa1-(x+y)N上のGaNの組成比x、yに対する臨界膜厚は図4と同じであると仮定し、同一格子定数ならば同じ臨界膜厚であると考える。よって、p−GaN第2コンタクト層10の臨界膜厚は約20nmであり、p−GaN第2コンタクト層10の膜厚は臨界膜厚以下の19nmであるので、格子不整合に伴う新たな転位は発生しない。さらに、p−GaN第2コンタクト層の格子定数(a=0.3189nm)は、p−AlInGaN第1コンタクト層14の格子定数よりも小さいため、実施の形態1と同様の面内引っ張り歪みが発生する。従って、p−GaN第2コンタクト層10のバンドキャップエネルギーは実施の形態1と同様に約0.15eV小さくなり、コンタクト抵抗を低減できる((a)の効果)。
また、p−AlInGaN第1コンタクト層14で発生した転位はそのままp−GaN第2コンタクト層10に貫通するので、p−GaN第2コンタクト層10の転位密度は、p−AlInGaN第1コンタクト層14に発生した転位密度と同じ8×1011cm-2となる。当該転位による欠陥準位を介して伝導が促されることで、コンタクト抵抗を低減できる((b)の効果)。
さらに、p−AlxInyGa1-(x+y)N第1コンタクト層14の組成比としてx=0.24、y=0.27を用いるので、後述するように、p−AlInGaN第1コンタクト層14のバンドギャップエネルギーをGaNと同じ3.4eVとすることができる。これにより、リッジトップでの光吸収を抑制することができるので、素子の発熱をさらに抑制することができる。
すなわち、本実施の形態2では、実施の形態1と同様に動作電圧を低減できることに加え、さらに素子の発熱を抑えることができるため、窒化物半導体レーザの信頼性をさらに向上することができる。
なお、各層に対する臨界膜厚を図4と同一と仮定しているのは、Al、In、Gaは同族元素であり、各組成比がそれほど大きくない領域を議論しているためである。
さて、本実施の形態2においては、(ハ)p−AlxInyGa1-(x+y)N第1コンタクト層14は、直下のp−AlGaNクラッド層8との格子不整合により転位が発生すること、(ニ)p−GaN第2コンタクト層10は、直下のp−AlxInyGa1-(x+y)N第1コンタクト層14との格子不整合により新たに転位が発生しないこと、(ホ)p−AlxInxGa1-(x+y)N第1コンタクト層14のバンドギャップエネルギーがGaNと同じ3.4eV以上であることの3点を満たす必要がある。
まず、(ホ)について説明する。AlxInyGa1-(x+y)Nの組成比x、yに対するバンドギャップエネルギーは組成比に比例すると仮定すると、格子定数は組成比x、yに比例するので、AlN、GaNおよびInNの格子定数およびバンドギャップは図7に示す通りになる。図7より、AlxInyGa1-(x+y)NのバンドギャップがGaNと同じ3.4eVとなるのは、図7中の両端矢印で示した範囲であり、組成比x、yの関係は0≦x+y≦1、0.53x=0.47yとなる。すなわち、組成比x、yが上式を満たしていれば、光吸収を抑制し、素子の発熱を抑制できる。
続いて、(ハ)および(ニ)は実施の形態1における(イ)および(ロ)とそれぞれ同様である。すなわち、(ハ)はp−AlxInyGa1-(x+y)N第1コンタクト層14の膜厚が臨界膜厚を越えていること、(ニ)はp−GaN第2コンタクト層10の膜厚が臨界膜厚以下、であればよく、さらに、通常使用される膜厚および制御可能な膜厚を考慮に入れると、図4より、p−AlxInyGa1-(x+y)N第1コンタクト層14の組成比x、yおよび膜厚の範囲は、x=0.13、y=0.15、格子定数はa=0.3232nmで膜厚が100nmを越え、x=0.33、y=0.37、格子定数a=0.3297nmで膜厚が10nmを越えている範囲が好ましい。また、p−AlxInyGa1-(x+y)N第1コンタクト層14が、x=0.13、y=0.15、膜厚が100nmを越えている場合、p−GaN第2コンタクト層10の膜厚は100nm以下、p−AlxInyGa1-(x+y)N第1コンタクト層14が、x=0.33、y=0.37、膜厚が10nmを越えている場合、p−GaN第2コンタクト層10の膜厚は10nm以下が好ましい。
すなわち、p−AlxInyGa1-(x+y)N第1コンタクト層14についてまとめると、格子定数がa=0.3232nm〜0.3297nmの範囲で、バンドギャップエネルギーが3.4eV以上であることが好ましい。当該範囲を図7に示すと斜線の領域となる。また、膜厚は、格子定数がa=0.3232nmで100nmを越え、格子定数a=0.3297nmで10nmを越えている範囲が好ましい。
上記範囲の組み合わせにより、バンドギャップエネルギーを下げることと、転位に伴う欠陥準位を介した伝導の効果から動作電圧が低減することに加え、リッジトップの光吸収を抑制でき、素子の信頼性をさらに向上できる。
なお、本実施の形態2の製造方法については、実施の形態1で述べた製造方法のうち、p−InGaN第1コンタクト層9をp−AlInGaN第1コンタクト層14と読み替えて実施される。その場合、p−AlInGaN第1コンタクト層14およびp−GaN第2コンタクト層10は、上述した範囲とすることが好ましい。
実施形態1に係る窒化物半導体レーザの構成を示す図である。 面内歪みに伴うc軸の格子定数とフォトルミネッセンス光のピーク位置の関係を示す図である。 転位密度とコンタクト抵抗の関係を示す図である。 GaN上のIxnGa1-xNの組成比xに対する臨界膜厚を示す図である。 実施の形態1に係る窒化物半導体レーザの製造工程を示す図である。 実施の形態2に係る窒化物半導体レーザの構成を示す図である。 AlxInyGa1-(x+y)Nの組成比x、yに対する格子定数とバンドギャップエネルギーの関係を示す図である。
符号の説明
9 p−InGaN第1コンタクト層、10 p−GaN第2コンタクト層、12 p電極、14 p−AlInGaN第1コンタクト層。

Claims (9)

  1. 基板と、
    前記基板上に形成された窒化物半導体層の積層体と、
    前記積層体上に形成された電極と
    を備え、
    前記積層体は、
    第1コンタクト層と、
    前記第1コンタクト層上に形成された第2コンタクト層と
    を含み、
    前記電極は、前記第2コンタクト層上に形成されており、
    前記第2コンタクト層の格子定数が、前記第1コンタクト層の格子定数より小さい窒化物半導体素子。
  2. 前記第2コンタクト層の膜厚は臨界膜厚以下である請求項1記載の窒化物半導体素子。
  3. 基板と、
    前記基板上に形成された窒化物半導体層の積層体と、
    前記積層体上に形成された電極と
    を備え、
    前記積層体は、
    第1コンタクト層と、
    前記第1コンタクト層上に形成された第2コンタクト層と
    を含み、
    前記電極は、前記第2コンタクト層上に形成されており、
    前記第1コンタクト層と前記第2コンタクト層とを貫通する転位が形成されている窒化物半導体素子。
  4. 前記第2コンタクト層は、転位密度が1×109cm-2以上である請求項3記載の窒化物半導体素子。
  5. 前記第2コンタクト層は、GaNからなる請求項1〜4のいずれかに記載の窒化物半導体素子。
  6. 前記第1コンタクト層は、InGaNからなる請求項1〜5のいずれかに記載の窒化物半導体素子。
  7. 前記第1コンタクト層の格子定数が0.3232nm〜0.3297nmの範囲である請求項6に記載の窒化物半導体素子。
  8. 前記第1コンタクト層は、AlInGaNからなる請求項1〜5のいずれかに記載の窒化物半導体素子。
  9. 前記第1コンタクト層は、バンドギャップエネルギーがGaNのバンドギャップエネルギー(3.4eV)以上で、格子定数が0.3232nm〜0.3297nmの範囲である請求項8記載の窒化物半導体素子。
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