JP2007187496A - 回転センサ付軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造コストを低減することが可能な回転センサ付軸受を提供する。
【解決手段】回転センサ付軸受としての軸受1は、内輪3と、外輪2と、内輪3および外輪2との間に収容される複数の転動体4と、磁気エンコーダ15と、センサ素子9とを備える。内輪3が回転側軌道輪を構成し、外輪2が固定側軌道輪を構成する。磁気エンコーダ15は、内輪3に接続される。センサ素子9は、磁気エンコーダ15と対向するように外輪2に接続される。センサ素子9は磁気エンコーダ15が内輪3の回転に伴って回転することに起因する磁気変化を検出する。磁気エンコーダ15は、芯金14と磁性体13とを含む。芯金14は内輪3に接続される。磁性体13は芯金14に接着剤12を用いて固定される。また、磁性体13は内輪3に沿った環状の外形を有するとともに着磁されている。磁性体13は磁性材料をゴムによって結合したものである。
【選択図】図1
【解決手段】回転センサ付軸受としての軸受1は、内輪3と、外輪2と、内輪3および外輪2との間に収容される複数の転動体4と、磁気エンコーダ15と、センサ素子9とを備える。内輪3が回転側軌道輪を構成し、外輪2が固定側軌道輪を構成する。磁気エンコーダ15は、内輪3に接続される。センサ素子9は、磁気エンコーダ15と対向するように外輪2に接続される。センサ素子9は磁気エンコーダ15が内輪3の回転に伴って回転することに起因する磁気変化を検出する。磁気エンコーダ15は、芯金14と磁性体13とを含む。芯金14は内輪3に接続される。磁性体13は芯金14に接着剤12を用いて固定される。また、磁性体13は内輪3に沿った環状の外形を有するとともに着磁されている。磁性体13は磁性材料をゴムによって結合したものである。
【選択図】図1
Description
この発明は、回転センサ付軸受に関し、より特定的には、製造コストを低減することが可能な回転センサ付軸受に関する。
従来、内輪および外輪のうちのいずれか一方に磁気エンコーダが設置され、他方に当該磁気エンコーダと対向するようにセンサが設置された回転センサ付軸受が知られている(たとえば、特許文献1参照)。当該特許文献1に開示された回転センサ付軸受では、磁気エンコーダにゴムを結合剤として用いた磁性材料を用いている。そして、当該磁性材料は、芯金に加硫接着されている。
特開2002−349556号公報
上述のように、芯金にゴムを結合剤として用いた磁性材料を加硫接着するためには、芯金に磁性材料を接触させた状態で保持するための金型が必要である。そして、磁気エンコーダを設置するための軸受が大きくなると、芯金のサイズも大きくなり、結果的に上記金型や加硫用の設備も大型のものが必要になる。この結果、磁気エンコーダおよび回転センサ付軸受の製造コストが増大することになっていた。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の目的は、製造コストを低減することが可能な回転センサ付軸受を提供することである。
この発明に従った回転センサ付軸受は、内輪と、外輪と、内輪および外輪との間に収容される複数の転動体と、磁気エンコーダと、センサ素子とを備える。内輪または外輪のいずれか一方が回転側軌道輪を構成し、他方が固定側軌道輪を構成する。磁気エンコーダは、回転側軌道輪に接続される。センサ素子は、磁気エンコーダと対向するように固定側軌道輪に接続される。センサ素子は磁気エンコーダが回転側軌道輪の回転に伴って回転することに起因する磁気変化を検出する。磁気エンコーダは、芯金と磁性体とを含む。芯金は回転側軌道輪に接続される。磁性体は芯金に接着剤を用いて固定される。また、磁性体は回転側軌道輪に沿った環状の外形を有するとともに着磁されている。磁性体は磁性材料をゴムによって結合したものである。
このようにすれば、予め磁性体を成形(たとえば加硫成形)しておき、その後接着剤によって芯金に固定することができる。したがって、磁性体を成形すると同時に芯金に固着させるといった工程(たとえば加硫接着工程)を実施する必要が無い。このため、加硫接着工程に必要な、芯金の大きさと対応するような金型を用意する必要が無い。また、磁性体の成形時には、芯金に接着できるように必要な磁性体の長さが確保されれば、たとえば磁性体を屈曲させて成形するなどの手法を採用できる。したがって、芯金のサイズより小さな金型を準備すればよいので、結果的に磁気エンコーダおよび軸受の製造コストを低減できる。
なお、ここでゴムとは天然ゴムや合成ゴムなど、磁性材料を結合することができて弾性を有する樹脂などの高分子化合物であれば任意の材料を意味する。
上記回転センサ付軸受において、磁性体は、芯金に接着剤を用いて固定されたときの磁性体により囲まれる領域の面積より、当該領域の面積が小さくなるように部分的に屈曲した形状となるように金型を用いて加硫成形されたものであることが好ましい。
この場合、芯金に接着するときの形状のままとなるように加硫成形する場合より、準備する金型のサイズを小さくできる。したがって、確実に磁気エンコーダおよび軸受の製造コストを低減できる。
上記回転センサ付軸受では、芯金に固定する前での磁性体の延在方向における内周面の長さは、芯金において磁性体が固定される面である外周面の周方向長さより小さくなっていることが好ましい。この場合、芯金に磁性体を固定したときに、磁性体がある程度伸ばされた状態になる。したがって、磁性体の弾性力によって磁性体を芯金の外周面により確実に固定することができる。
上記回転センサ付軸受では、芯金において磁性体と対向する表面には凹部が形成されていてもよい。当該凹部には接着剤が充填されていてもよい。
この場合、磁性体と芯金との間に位置する凹部を接着剤溜りとすることができるので、当該接着剤を磁性体と芯金との間に確実に配置できる。このため、磁性体を芯金に確実に接着できる。
このように、本発明による回転センサ付軸受では、予め加硫成形した磁性体を後から芯金に接着剤を用いて固定するので、芯金に直接磁性体を加硫接着する場合のように大型の金型を用いることなく製造することができる。したがって、そのような大型の金型を用いる場合より製造コストを低減することができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
図1は、本発明に従った軸受の断面模式図である。図2は、図1に示した軸受の部分平面模式図である。図1および図2を参照して、本発明に従った軸受1を説明する。なお、図1は、図2の線分I−Iにおける断面模式図となっている。
図1および図2を参照して、軸受1は、回転センサ付軸受であって、外輪2と内輪3と外輪2および内輪3の間に配置された複数の転動体4と、内輪3に接続された磁気エンコーダ15と、外輪2に接続されたセンサケース7の内部に収容されているセンサ素子9とを備える。固定側軌道輪としての外輪2の内周面には、球状の転動体4と接触する部分に転動体4の外形に沿った溝が形成されている。転動体4は外輪2の内周側の円周方向に沿って2列に配列されている。回転側軌道輪としての内輪3は、内輪部分3a、3bにより構成されている。内輪3の外周面には、球状の転動体4と接触する部分に転動体4の外形に沿った溝が形成されている。また、図1に示すように、内輪3および外輪2の間には転動体4の位置を固定するために保持器5が配置されている。また、内輪3および外輪2の間においては、転動体4を挟むように軸受シール6が配置されている。
内輪3に接続された磁気エンコーダ15は、内輪3の内周面に接触・固定される挿入部36を含む芯金14と、この芯金14の外周側面上に接着剤12を介して接続された磁性体13を含む。なお、芯金14は、内輪3に沿った円環状の外形を有しており、磁性体13は、芯金14の外周に沿った円環状の外形を有している。磁性体13は、その周方向にN極とS極とが交互に磁化された、いわゆる多極磁化された構成を有している。磁性体13の厚みはたとえば0.5mm以上10mm以下、より好ましくは0.7mm以上3mm以下である。
上述したセンサケース7は、外輪2にセンサケース固定ねじ8によって接続固定されている。具体的には、外輪2の外周部にねじ穴18が形成されている。また、センサケース7にも、センサケース固定ねじ8を挿入するための貫通穴19が形成されている。そして、この貫通穴19をねじ穴18と重なるようにセンサケース7を配置した状態で、センサケース固定ねじ8が貫通穴19を介してねじ穴18に捩じ込まれることにより、センサケース7が外輪2に固定されている。なお、センサケース7は、位置決めピン16によって、磁性体13との間の間隔が適切なセンシングギャップとなるように適宜位置決めされている。このように、センサケース固定ねじ8を用いることで、センサケース7は外輪2に対して着脱可能に固定されている。なお、上述したねじ穴18は軸受1の回転軸(図示せず)とほぼ平行に形成されているが、ねじ穴18を当該回転軸と交差するように(たとえば垂直に交わるように)形成してもよい。
センサケース7の内部には、上述した磁性体13と対向する位置にセンサ素子9が配置されている。このセンサ素子9は、基板10上に搭載されている。この基板10は、センサケース7の内周面にモールド樹脂20によって接続固定されている。なお、センサ素子9としては、内輪3の回転に伴って回転する磁性エンコーダの磁性体による磁気変化を検出できれば、任意のセンサを用いることができる。
このセンサケース7の外周面には、センサ素子9が外部からの磁界の影響を受けて誤動作することを防止するため、磁性材料としての金属板11が配置されている。この金属板11はセンサケース7と予め一体成形されていることが好ましい。また、この金属板11としては、たとえばプレス成形されたSUS430などを用いることができる。また、この金属板11としては、任意の板材をプレス成形後、その表面に磁性材料の層を形成する表面処理を施したものを用いてもよい。また、このような表面処理を用いる場合には、磁性材料ではない材料からなる板材を成形した後、その表面に磁性材料からなる表面層をめっき処理などの表面処理により形成してもよい。
また、上述した基板10は、たとえばフィルム状のフレキシブル基板や、エポキシ樹脂製の基板など、任意の材料から成る基板を用いることができる。また、この基板10上には、センサ素子9からの出力信号を処理する電気回路が実装されている。
また、基板10の電気回路などに電源を供給するとともに、これらの電気回路から出力される信号をセンサケース7の外部に出力するためのケーブル17が、基板10にはんだ付けなどによって接続されている。そして、ケーブル17は、図2に示すようにセンサケース7の内部より外部に導き出されている。ケーブル17の図示しない端部には、たとえばコネクタなどの接続部材が取付けられている。
上記説明と一部重複する部分もあるが、上述した軸受1の特徴的な構成を要約すれば、回転センサ付軸受としての軸受1は、内輪3と、外輪2と、内輪3および外輪2との間に収容される複数の転動体4と、磁気エンコーダ15と、センサ素子9とを備える。内輪3または外輪2のいずれか一方(図1および図2で示した軸受1では内輪3)が回転側軌道輪を構成し、他方が固定側軌道輪を構成する。磁気エンコーダ15は、回転側軌道輪(内輪3)に接続される。センサ素子9は、磁気エンコーダ15と対向するように固定側軌道輪(図1および図2に示した軸受では外輪2)に接続される。センサ素子9は磁気エンコーダ15が内輪3の回転に伴って回転することに起因する磁気変化を検出する。磁気エンコーダ15は、芯金14と磁性体13とを含む。芯金14は回転側軌道輪(内輪3)に接続される。磁性体13は芯金14に接着剤12を用いて固定される。また、磁性体13は回転側軌道輪(内輪3)に沿った環状の外形を有するとともに着磁されている。磁性体13は磁性材料をゴムによって結合したものである。
このようにすれば、図4に示した磁気エンコーダの製造方法において示したように、予め磁性体13を加硫成形しておき、その後接着剤12によって芯金14に固定することができる。したがって、磁性体13を成形すると同時に芯金14に固着させるといった加硫接着工程を実施する必要が無い。このため、加硫接着工程に必要な、芯金14の大きさと対応するような大型の金型を用意する必要が無い。また、磁性体13の成形時には、芯金14に接着できるように必要な磁性体13の長さが確保されれば、図5や図6に示すように磁性体13を屈曲させて成形することができる。したがって、芯金14のサイズより小さな金型21を準備すればよいので、結果的に磁気エンコーダ15および軸受1の製造コストを低減できる。上述した軸受1の構成は、特に磁気エンコーダ15の外径D(図1参照)が500mm以上である場合に、効果的である。
ゴムとしては、特にNBR(ニトリルゴム)、H−NBR(水素添加ニトリルゴム)などの耐熱性ニトリルゴム、ACM(アクリルゴム)、AEM(エチレンアクリルゴム)、およびFKM(フッ素ゴム)などを用いることが好ましい。
ゴムとしては、特にNBR(ニトリルゴム)、H−NBR(水素添加ニトリルゴム)などの耐熱性ニトリルゴム、ACM(アクリルゴム)、AEM(エチレンアクリルゴム)、およびFKM(フッ素ゴム)などを用いることが好ましい。
上記軸受1において、磁性体13は、後で説明する図5および図6に示すように、芯金14に接着剤12を用いて固定されたときの磁性体13により囲まれる領域の面積より、当該領域の面積が小さくなるように部分的に屈曲した形状となるように金型21を用いて加硫成形されたものである。この場合、芯金14に接着するときの形状のままとなるように加硫成形する場合より、準備する金型21のサイズを小さくできる。したがって、確実に磁気エンコーダ15および軸受1の製造コストを低減できる。
また、上記軸受1では、芯金14に固定する前での磁性体13の延在方向における内周面の長さは、芯金14において磁性体13が固定される面である外周面の周方向長さより小さくなっていてもよい。この場合、芯金14に磁性体13を固定したときに、磁性体13がある程度伸ばされた状態になる。したがって、磁性体13の弾性力によって磁性体13を芯金14の外周面により確実に固定することができる。なお、磁性体13の上記内周面の長さは、芯金14の上記外周面の周方向長さの0.5倍以上1.0倍未満であり、より好ましくは、0.7倍以上0.98倍以下、さらに好ましくは0.95倍以下である。
上記回転センサ付軸受において、磁性体13の伸びは、JIS K 6251に準拠した測定方法において測定したときに10%以上300%以下である。また、上記伸びの下限は、より好ましくは20%以上、さらに好ましくは100%以上である。
図1および図2に示した軸受1では、外輪2に対して内輪3が回転すると、その内輪3とともに磁気エンコーダ15が回転する。この磁気エンコーダ15の回転に伴い、磁気エンコーダ15の磁性体13も外輪2に対して相対的に回転する。そして、外輪2に固定されたセンサケース7の内部のセンサ素子9が、当該磁性体13の回転に伴って発生する磁気変化を検出することにより、内輪3の回転を検出する。このようにして、図1および図2に示した軸受1では、内輪3の回転を検出することができる。
次に、図1および図2に示した軸受1の製造方法を図3〜図7を参照して説明する。図3は、図1および図2に示した軸受の製造方法を説明するためのフローチャートである。図4は、図3に示した部品準備工程に含まれる磁気エンコーダの製造方法を説明するためのフローチャートである。図5は、図4に示した磁性体成形工程において用いられる金型を示す平面模式図である。図6は、図4に示した磁性体成形工程において成形された磁性体の形状を説明するための模式図である。図7は、図4に示した仕上げ加工工程を説明するための模式図である。
図3に示すように、図1および図2に示した軸受1の製造工程では、まず部品準備工程(S100)が実施される。この工程(S100)においては、具体的には図1および図2に示した外輪2、内輪3、転動体4、センサケース7、磁気エンコーダ15などを製造する工程が実施される。磁気エンコーダを製造する工程については、図4〜図7を参照して後述する。
次に、図3に示すように、部品準備工程(S100)において準備された部品を組立てることにより、軸受1を完成させる組立工程(S200)が実施される。このようにして、図1および図2に示した軸受1を製造できる。なお、上述した部品準備工程(S100)および組立工程(S200)において、これから説明する磁気エンコーダの製造方法以外の部品の製造方法や軸受の組立方法としては、従来用いられている任意の方法を適用することができる。
次に、図1および図2に示した軸受において用いられる磁気エンコーダの製造方法を図4〜図7を参照しながら説明する。
図4に示すように、磁気エンコーダの製造方法では、まず磁性体成形工程(S110)を実施する。この磁性体成形工程(S110)においては、図5に示すような金型21を用いて、ゴムを結合材として用いた磁性体13を加硫成形する。具体的には、図5に示すように、成形される磁性体13の外形を規定する凹部22が形成された金型21を準備する。そして、この凹部22に磁性体13となるべきゴムと加硫剤と磁性材料との混合体を充填する。そして、この状態で金型21内の混合体を加熱する。この結果、ゴムが加硫されることによりゴムの弾性が増加し、磁性体13が形成される。なお、このとき形成される磁性体13の延長長さは、図1および図2に示した軸受における磁気エンコーダ15の芯金14の外周面の長さとほぼ等しいか又は短くなっている。
なお、磁性材料としては、たとえばフェライト、NdFeB系磁性体、SmFeN系磁性体を用いることができる。また、上記混合体の組成においては、磁性材料の割合を70質量%以上95質量%以下、より好ましくは75質量%以上90質量%以下、とすることができる。
次に、磁性体を芯金に固定する工程(S120)を実施する。具体的には、上述した磁性体成形工程(S110)において加硫成形された磁性体13a(図6参照)を金型21から取外す。金型21から取外された磁性体13aは、図6に示すように金型21に形成された凹部22の形状に沿った形状となっている。このような屈曲した形状となっている磁性体13aを、図6に示すようにほぼ円形に広げた状態の磁性体13となるように変形させる。そして、別途用意した芯金14(図1参照)の外周面に接着剤を塗布し、その接着剤が塗布された外周面上に上述したほぼ円形状に広げた磁性体13を被せる。この結果、接着剤により磁性体13は芯金14の外周面上に接続固定される。
次に、仕上げ加工工程(S130)を実施する。具体的には、図7に示すように、芯金14と、芯金14の外周面において鍔部31に隣接する領域に接着剤12により接続固定された磁性体13とからなる磁気エンコーダ15を、芯出しテーブル25に固定する。なお、磁気エンコーダ15において芯出しテーブル25に固定する部分は、芯金14が露出している部分(内輪3の内周に挿入する挿入部36)である。そして、この芯出しテーブル25を図7の中心軸30を中心に矢印29に示すように回転させる。この状態で、バイト27を矢印28に示す方向に移動して磁性体13表面に接触させる。この結果、バイト27によって磁性体13の表面が部分的に除去される。このようにして、磁気エンコーダ15の外形が仕上がりの寸法となるように仕上げ加工が実施される。つまり、磁性体13の外周表面が仕上げ加工面26となる。
次に、図4に示すように、着磁工程(S140)が実施される。具体的には、上述した仕上げ加工工程(S130)が実施された後に、芯出しテーブル25に磁気エンコーダ15を固定した状態のまま、磁性体13の着磁工程を実施する。この場合、芯出しテーブル25としては着磁装置内に設置された割り出しテーブルを用いることが好ましい。この場合、仕上げ加工と着磁とを連続して実施できるとともに、仕上げ加工の条件と着磁の条件とをほぼ同じにできるので、着磁面(磁性体13の外周表面)の回転振れを極力小さくできる。このため、着磁精度を向上させることができる。
このようにして、磁気エンコーダ15が形成される。なお、図1および図2に示した軸受1においては、磁気エンコーダ15が軸受1の内輪3に接続されていたが、外輪2に磁気エンコーダ15を接続し、内輪3にセンサケース7を接続するような構成としてもよい。
上記説明と一部重複する部分もあるが、上述した磁気エンコーダ15の製造方法の特徴的な構成を要約すれば、図4に示した磁気エンコーダの製造方法は、芯金14の外周に固定される、磁性材料をゴムによって結合した磁性体13を準備する準備工程(磁性体成形工程(S110))と、磁性体13を芯金14に固定する固定工程(磁性体を芯金に固定する工程(S120))とを備える。工程(S110)は、図5および図6に示すように芯金14に固定されたときの磁性体13により囲まれる領域の面積より、当該領域の面積が小さくなるように部分的に屈曲した形状の磁性体13a(図6参照)が得られるように、屈曲した形状の磁性体13aの形状を規定する溝(凹部22)が形成された金型21の凹部22の内部に、磁性体13aとなるべきゴムと磁性材料とを含む原料(ゴムと加硫剤と磁性材料との混合体)を配置して当該原料を加熱することにより磁性体13aを成形する工程を含む。
このようにすれば、従来のように磁性体13を成形すると同時に芯金14に固着させるといった加硫接着工程や、芯金14のサイズに合わせて板状の磁性ゴム材料を打ち抜く工程を実施する必要が無い。このため、加硫接着工程や打ち抜き加工に必要な、芯金の大きさと対応するような金型を用意する必要が無い。また、本発明では、磁性体の成形時には、図5に示したような金型21を用いて磁性体を成形しているので、芯金14のサイズより小さな金型21を準備すればよい。そのため、上述のような大型の金型といった設備を準備しなくても良いので、結果的に磁気エンコーダ15の製造コストを低減できる。
図4に示した磁気エンコーダの製造方法において、工程(S120)では、磁性体13を芯金14に接着剤12を用いて固定している。このようにすれば、接着剤12を用いて磁性体13を芯金14に確実に固定することができる。
図4に示した磁気エンコーダの製造方法は、芯金14に固定された磁性体13の表面(たとえば図7で説明したように磁性体13の外径、あるいは磁性体13が芯金14の内周面に形成されているときには磁性体13の内径)を少なくとも部分的に除去する仕上げ加工工程(S130)をさらに備えている。この場合、芯金14に磁性体13を固定した後で磁性体13に対して仕上げ加工を行なうので、磁気エンコーダ15の寸法精度を向上させることができる。
図4に示した磁気エンコーダの製造方法において、仕上げ加工工程(S130)は、磁性体13が固定された芯金14を固定用架台(芯出しテーブル25)に固定した状態で実施される。また、上記磁気エンコーダの製造方法は、仕上げ加工工程(S130)に続いて、芯出しテーブル25に芯金14が固定された状態で磁性体に着磁する着磁工程(S140)をさらに備えている。この場合、仕上げ加工工程と着磁工程とを、芯金が固定用架台に固定されたままの状態で連続して実施できる。したがって、着磁工程(S140)のため、仕上げ加工工程(S130)において用いた芯出しテーブル25とは別の架台に芯金14を新たに固定する場合より、着磁工程(S140)における磁性体13の着磁面の位置精度を向上させることができる。この結果、着磁精度を向上させることができる。
次に、図1および図2に示した本発明による軸受の変形例を図8を参照して説明する。図8は、本発明に従った軸受の変形例を示す断面模式図である。図8は図1に対応する。
図8に示すように、本発明による軸受1の変形例は、基本的には図1および図2に示した軸受1と同様の構造を備えるが、芯金14の外周面において、磁性体13と対向する表面である外周表面の一部に、磁性体13の内周面に沿った円周上に溝状の凹部35が形成されている。当該凹部35には接着剤12が充填されている。このような凹部35を形成することにより、磁性体13と芯金14との間に位置する凹部35を接着剤溜りとすることができる。したがって、磁性体を芯金に固定する工程(S120)において磁性体13を芯金14の外周面上に配置するときに、接着剤12が磁性体13と芯金14との間から押出されてしまうといった問題の発生を抑制できる。つまり、凹部35を形成することにより、接着剤12の厚みを十分な厚みとすることができる。なお、凹部35は、芯金14の外周表面の全周に形成されていてもよいが、芯金14の外周表面の周方向において部分的に(たとえば芯金14の中心からみて60°毎といったように等間隔で、あるいは異なる間隔で間欠的に)形成されていてもよい。このようにしても、内輪3が回転するときに磁気エンコーダ15が回転し、当該回転によって磁性体13が芯金14の外周から外れる、あるいは芯金14の外周の周方向において位置ずれするといった問題の発生を、図1および図2に示した軸受1の場合と同様に抑制できる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、回転センサ付軸受に適用できるが、とくに外径の大きな回転センサ付軸受に適用することができる。
1 軸受、2 外輪、3 内輪、3a,3b 内輪部分、4 転動体、5 保持器、6 軸受シール、7 センサケース、9 センサ素子、10 基板、11 金属板、12 接着剤、13,13a 磁性体、14 芯金、15 磁気エンコーダ、16 位置決めピン、17 ケーブル、18 ねじ穴、19 貫通穴、20 モールド樹脂、21 金型、22 凹部、25 芯出しテーブル、26 仕上げ加工面、27 バイト、28,29 矢印、30 中心軸、31 鍔部、35 凹部、36 挿入部。
Claims (4)
- 内輪と、
外輪と、
前記内輪および前記外輪との間に収容される複数の転動体とを備え、
前記内輪または前記外輪のいずれか一方が回転側軌道輪を構成し、他方が固定側軌道輪を構成し、さらに、
前記回転側軌道輪に接続された磁気エンコーダと、
前記磁気エンコーダと対向するように前記固定側軌道輪に接続され、前記磁気エンコーダが前記回転側軌道輪の回転に伴って回転することに起因する磁気変化を検出するセンサ素子とを備え、
前記磁気エンコーダは、
前記回転側軌道輪に接続される芯金と、
前記芯金に接着剤を用いて固定され、前記回転側軌道輪に沿った環状の外形を有するとともに着磁された、磁性材料をゴムによって結合した磁性体とを含む、回転センサ付軸受。 - 前記磁性体は、前記芯金に前記接着剤を用いて固定されたときの前記磁性体により囲まれる領域の面積より、前記領域の面積が小さくなるように部分的に屈曲した形状となるように金型を用いて加硫成形されたものである、請求項1に記載の回転センサ付軸受。
- 前記芯金に固定する前での前記磁性体の延在方向における内周面の長さは、前記芯金において前記磁性体が固定される面である外周面の周方向長さより小さくなっている、請求項1または2に記載の回転センサ付軸受。
- 前記芯金において前記磁性体と対向する表面には凹部が形成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転センサ付軸受。
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