JP2007187228A - 遊星差動ネジ型回転−直動変換機構及びアクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】遊星差動ネジ型回転−直動変換機構においてネジ部と共にギヤ部を有するプラネタリシャフトの傾倒を防止する。
【解決手段】プラネタリシャフト18は平歯ギヤ部18aとネジ部18cとの間の大径軸部18bにてリテーナ26により遊星運動可能に軸受されている。したがって差動時においてネジ部18cの傾倒力は大径軸部18bを介すことになるので平歯ギヤ部18aへの影響は少なく、大径軸部18bに対する傾倒力の増幅も抑制されるので、大径軸部18bでの支持によって傾倒抑制が十分可能となる。更に大径軸部18bによる支持は、プラネタリシャフト18の両端ではなく、中央に近い部分でなされていることから、プラネタリシャフト18自身の全長の捩れや曲がりについても生じにくい。このことによってネジ部18cと共に平歯ギヤ部18aを有するプラネタリシャフト18の傾倒が効果的に防止できる。
【選択図】図4

Description

本発明は、サンシャフト、プラネタリシャフト及びナット間でネジ噛合部を形成して回転−直動変換を可能とすると共に、ギヤ部同士を噛み合わせたギヤ噛合部を形成している遊星差動ネジ型回転−直動変換機構、及びこの遊星差動ネジ型回転−直動変換機構を用いたアクチュエータに関する。
各種のアクチュエータに用いられる回転−直動変換機構として、サンシャフト、プラネタリシャフト及びナットを組み合わせた遊星差動ネジ型回転−直動変換機構が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開平10−196757号公報(第3頁、図1)
このような遊星差動ネジ型回転−直動変換機構においては、プラネタリシャフトのネジ部に対して異なる進み角のネジ部を噛み合わせることにより回転−直動変換を行っている。このため特に回転−直動変換において負荷が与えられている状況では、プラネタリシャフトには、進み角の違いによってサンシャフトとナットとの間において周方向に傾倒する力が働く。したがって、ネジ部とギヤ部とを併設する構成とした場合には、この傾倒力によりギヤ部側の噛み合わせ部分に摩耗が生じやすくなり、耐久性が悪化するおそれがある。
特許文献1に示したごとく、プラネタリシャフトの両端にてリテーナにて保持することも考えられる。しかしこのように両端にリテーナを設ける構成を、ネジ部とギヤ部とを併設する構成に適用したとしても、特許文献1の構成に対して、ギヤ部を併設した構成のプラネタリシャフトにすることになるので、プラネタリシャフトの全長が長くなり、リテーナの間隔も大きくなる。したがってギヤ部側のリテーナ部分では、ギヤ部を間にして更に離れた位置に存在するネジ部からの傾倒力が作用することになる。このためテコの原理により比較的大きな傾倒力がリテーナに作用することになり、両端にリテーナが存在しても効果的な傾倒防止とは言えない。
更に、上述のごとくプラネタリシャフトが長くなるので、プラネタリシャフト自身の全長の捩れや曲がりについても抑制が弱くなる。このことによって、両端のリテーナ間の位相のずれが生じて、結果としてプラネタリシャフトの傾倒防止が困難となるおそれがある。
本発明は、遊星差動ネジ型回転−直動変換機構においてネジ部と共にギヤ部を有するプラネタリシャフトの傾倒を防止することを目的とするものである。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の遊星差動ネジ型回転−直動変換機構は、サンシャフト、プラネタリシャフト及びナット間で各々設けられたネジ部同士を噛み合わせることでネジ噛合部を形成して回転−直動変換を可能とすると共に、前記サンシャフト、前記プラネタリシャフト及び前記ナット間で各々設けられたギヤ部同士を噛み合わせたギヤ噛合部を形成している遊星差動ネジ型回転−直動変換機構であって、前記プラネタリシャフトは、前記ネジ部と前記ギヤ部との間にて遊星運動可能に軸受されていることを特徴とする。
このようにプラネタリシャフトは、ネジ部とギヤ部との間にて遊星運動可能に軸受されている。このため軸受されている部分はネジ部に隣接しており、ギヤ部はこの軸受されている部分を介してネジ部とは反対側に存在する。したがってネジ部の傾倒力は軸受されている部分を介すことになるので、ギヤ部への影響が抑制される。
しかもネジ部から軸受されている部分へは短い距離で傾倒力が作用する。このため軸受されている部分に対するテコの原理による傾倒力の増幅も抑制され、軸受されている部分での支持によって、傾倒に対する抑制が十分に作用する。更にネジ部からの傾倒力が軸受されている部分を介してギヤ部に作用したとしても、ネジ部の位置が支点である軸受されている部分から離されていないことから、ギヤ部に対するネジ部の傾倒力の影響も抑制されたものとなる。
そして軸受されている部分による支持がプラネタリシャフトの両端ではなく、より中央に近い部分でなされていることから、プラネタリシャフト自身の全長の捩れや曲がりについても生じにくい。
このことによってネジ部と共にギヤ部を有するプラネタリシャフトの傾倒が効果的に防止できる。
請求項2に記載の遊星差動ネジ型回転−直動変換機構では、請求項1において、前記サンシャフト周りに回転可能に配置されたリテーナにて、前記プラネタリシャフトは、前記ネジ部と前記ギヤ部との間にて遊星運動可能に軸受されていることを特徴とする。
プラネタリシャフトに対する軸受は、上記リテーナにて可能とすることができる。このようなリテーナを用いることにより、上記請求項1にて述べたごとくの作用によりネジ部と共にギヤ部を有するプラネタリシャフトの傾倒が効果的に防止できる。
請求項3に記載の遊星差動ネジ型回転−直動変換機構では、請求項2において、前記リテーナは、外周部分が前記ナットの前記ネジ噛合部用のネジ部と前記ギヤ噛合部用のギヤ部との間の溝に周方向に回転可能に配置されていることを特徴とする。
このようにリテーナが配置されていることにより、リテーナ自身がナット側の溝に支持されて、プラネタリシャフトの傾倒が、より効果的に防止できる。
請求項4に記載の遊星差動ネジ型回転−直動変換機構では、請求項1〜3のいずれかにおいて、前記プラネタリシャフトの軸受されている部分は、前記ネジ部及び前記ギヤ部の径よりも大径に形成されていることを特徴とする。
このようにプラネタリシャフトにおいて軸受されている部分については、この部分以外のネジ部及びギヤ部の径よりも大径に形成することにより、軸受による軸方向の保持力を更に強めることができる。このことにより、より強固にプラネタリシャフトの傾倒を防止でき、プラネタリシャフト自身の全長の捩れや曲がりについても、より生じにくくさせることができる。
請求項5に記載の遊星差動ネジ型回転−直動変換機構では、請求項1〜4のいずれかにおいて、前記プラネタリシャフトは、前記ネジ噛合部用のネジ部の一方に前記ギヤ噛合部用のギヤ部を形成し、他方にギヤとネジとが共に形成されたギヤ−ネジ部を形成し、前記ナットは、前記ネジ噛合部用のネジ部の一方に前記ギヤ噛合部用のギヤ部を形成し、他方に前記プラネタリシャフトのギヤ−ネジ部と噛合するギヤ部を形成し、前記サンシャフトは前記ネジ噛合部用のネジ部の一方に前記ギヤ噛合部用のギヤ部を形成すると共に前記ネジ部は前記プラネタリシャフトのギヤ−ネジ部とも噛み合わされていることを特徴とする。
このようにギヤ部以外にネジ部の他方側に更にギヤ−ネジ部を形成しているプラネタリシャフトにおいても、上記請求項1〜4のいずれかにて述べたごとくの作用によりプラネタリシャフトの傾倒が効果的に防止できる。
請求項6に記載のアクチュエータでは、請求項1〜5のいずれかに記載の遊星差動ネジ型回転−直動変換機構を備え、該遊星差動ネジ型回転−直動変換機構の前記ナットの外周に電動モータ用のロータが取り付けられてステータ内に配置されていることにより電動モータが構成され、該電動モータへの給電制御により前記ナットを回転して前記サンシャフトによる軸方向出力を行うことを特徴とする。
このように上述した遊星差動ネジ型回転−直動変換機構をアクチュエータに組み込むことにより、アクチュエータ内の遊星差動ネジ型回転−直動変換機構においてプラネタリシャフトの傾倒が効果的に防止できるので、サンシャフトによる軸方向出力を高精度に調節することが可能となる。更にギヤ部の噛み合わせ部に摩耗が生じにくくなり、アクチュエータとしての耐久性が向上する。
[実施の形態1]
図1は上述した発明が適用された遊星差動ネジ型回転−直動変換機構2を組み込んだアクチュエータ4の縦断面図である。このアクチュエータ4は内燃機関の吸気バルブのバルブリフト量を調節するものである。内燃機関のシリンダヘッドあるいはカムキャリア(ここではカムキャリア6として説明)にはコントロールシャフト8の軸方向移動により吸気バルブのバルブリフト量を連続的に変更できる可変動弁機構が各気筒毎に設けられている。コントロールシャフト8は、全気筒の可変動弁機構に共通する1本が設けられ、遊星差動ネジ型回転−直動変換機構2に備えられているサンシャフト10の先端に図示するごとく接続具7にて接続されている。したがってアクチュエータ4においてサンシャフト10を軸方向に移動させることにより、コントロールシャフト8を駆動して吸気バルブのバルブリフト量を調節することができ、このバルブリフト量調節により内燃機関の各気筒への吸入空気量を調節して内燃機関出力を制御できる。
アクチュエータ4の外形を構成するケーシング12はカムキャリア6の側面にボルト等により締結されて固定されている。ケーシング12から軸方向に突出するサンシャフト10は、カムキャリア6を貫通して、その先端は上述したごとくコントロールシャフト8の一端に接続されている。
ケーシング12の内部には、ベアリング14を介して遊星差動ネジ型回転−直動変換機構2が取り付けられている。遊星差動ネジ型回転−直動変換機構2は、前記サンシャフト10、外側を形成してベアリング14にて回転可能に支持されている円筒状のナット16、及び前記サンシャフト10と前記ナット16との間に配置されているプラネタリシャフト18を備えている。
サンシャフト10は、平歯ギヤ部10a、ネジ部10b及びストレートスプライン部10cを備えている。更にサンシャフト10の基端側、すなわち平歯ギヤ部10a側の端部にはサンシャフト10の軸方向移動量(ストローク量)を検出するためのコア20が形成されており、コイル22と共に変位センサ24を構成している。
この内で、平歯ギヤ部10aは、ネジ部10b、ストレートスプライン部10c及びコア20が一体に形成されているサンシャフト本体11とは別体に、リング状の外歯車として形成されている。この別体に形成された平歯ギヤ部10aを、サンシャフト本体11に対してコア20側から嵌合して一体化することでサンシャフト10が形成されている。
ネジ部10bは4条からなる右ネジとして形成されている。尚、ネジ部10bに図示されている斜めのハッチングは、ネジの方向(ここでは右ネジ)を模式的に示している。
ナット16は内周面に第1平歯ギヤ部16a、ネジ部16b及び第2平歯ギヤ部16cを備えている。ネジ部16bは円筒状のナット本体17の内周面が加工されることにより5条からなる左ネジとして形成されている。第1平歯ギヤ部16a及び第2平歯ギヤ部16cについてはそれぞれリング状の内歯車として別体に形成され、ネジ部16bの両側にてナット本体17の内周面に配置され、ナット本体17の外周面から貫通させたネジなどで固定されている。
プラネタリシャフト18は、複数本、例えば9本が、ナット16及びサンシャフト10と軸方向を同一にして、ナット16とサンシャフト10との間に等位相間隔に配置されている。1本のプラネタリシャフト18の構成を図2に示す。ここで(A)は正面図、(B)は右側面図、(C)は斜視図である。他のプラネタリシャフト18についても同一の形状である。
各プラネタリシャフト18は、平歯ギヤ部18a、大径軸部18b、ネジ部18c及び平歯ギヤ−ネジ部18dを備えている。大径軸部18bは、軸受の機能を果たしているリテーナ26により滑り軸受として各プラネタリシャフト18が軸受されている部分である。平歯ギヤ部18a、ネジ部18c及び平歯ギヤ−ネジ部18dは同一の外径に形成されているが、大径軸部18bはこれらよりも大径に形成されている。尚、平歯ギヤ−ネジ部18dは、平歯ギヤとネジとの両方が共に形成されている部分であり、平歯ギヤとも噛み合い、ネジとも噛み合うように形成されている。図1にてネジ部18c及び平歯ギヤ−ネジ部18dに図示する斜めのハッチングはネジの方向(ここでは左ネジ)を模式的に示している。
図3にリテーナ26を示す。ここで(A)は正面図、(B)は右側面図、(C)は斜視図である。リテーナ26には中心にサンシャフト10が貫通する中心孔26aが形成され、中心孔26aを中心として等位相間隔で、プラネタリシャフト18の組み込み数に該当する軸受孔26b、ここでは9つの軸受孔26bが形成されている。したがってリテーナ26に対するプラネタリシャフト18の配置状態は、図4の斜視図に示すごとくとなる。この状態では、各プラネタリシャフト18は軸受孔26b内において大径軸部18bにより摺動可能に支持されて回転(自転)可能とされている。
図1に示したごとくプラネタリシャフト18とナット16との噛み合い状態は、プラネタリシャフト18の平歯ギヤ部18aはナット16側の第1平歯ギヤ部16aに、ネジ部18cはネジ部16bに、平歯ギヤ−ネジ部18dは第2平歯ギヤ部16cに噛み合わされている。更にプラネタリシャフト18を図4に示したごとく支持しているリテーナ26は、外周部分が第1平歯ギヤ部16aとネジ部16bとの側面の間にある溝16d内に配置されている。このことでリテーナ26は、サンシャフト10周りに回転可能であるが、常に軸方向がサンシャフト10及びナット16の軸に一致するように、第1平歯ギヤ部16a及びネジ部16bの各側面、更に中心孔26aを貫通しているサンシャフト10の周面により回転時の姿勢が規制されている。
噛み合っているナット16のネジ部16bとプラネタリシャフト18のネジ部18cとは、ピッチ円径の比とネジ条数の比とが同じく「5:1」である。したがってプラネタリシャフト18がナット16の内周面にて転動してもナット16とプラネタリシャフト18との間で軸方向での相対的移動は生じない。
プラネタリシャフト18とサンシャフト10との噛み合い状態は、プラネタリシャフト18の平歯ギヤ部18aはサンシャフト10側の平歯ギヤ部10aに、プラネタリシャフト18のネジ部18cと平歯ギヤ−ネジ部18dとは共にサンシャフト10のネジ部10bに噛み合わされている。尚、サンシャフト10のストレートスプライン部10cはケーシング12の開口部分に形成されているストレートスプライン部12aに噛み合わされている。したがってサンシャフト10はケーシング12に対してストレートスプライン部12aにて摺動することで軸方向移動は可能であるが、軸周りでの回転は規制されている。
ここでプラネタリシャフト18のネジ部18c及び平歯ギヤ−ネジ部18dと、サンシャフト10のネジ部10bとは、ピッチ円径の比とネジ条数の比とが異なる。すなわちピッチ円径の比は「1:3」であるが、プラネタリシャフト18のネジ部18cのネジ条数は1条であり、サンシャフト10のネジ部10bのネジ条数は4条であるので、ネジ条数の比は「1:4」である。このためプラネタリシャフト18が、ナット16の回転により、サンシャフト10の周りで転動すると、軸回転が規制されているサンシャフト10は、ナット16とプラネタリシャフト18とに対して軸方向での相対的移動を生じる。すなわち差動を生じる。
ナット16の外周には電動モータ28のロータ30が取り付けられており、ケーシング12の内部にてロータ30に対向して配置されたステータ32内のコイルに対する通電制御により、ナット16をケーシング12内で回転させることができる。
このように遊星差動ネジ型回転−直動変換機構2が構成されているため、外部の制御回路にてステータ32に対する通電制御を実行してナット16を回転させると、ネジ部16b,18c,10b同士を噛み合わせたネジ噛合部の機能により上述したごとくの差動が生じてサンシャフト10が軸方向に移動する。したがって変位センサ24のコイル22により検出されるサンシャフト10の変位が目標位置(目標ストローク量)を示すようにナット16の回転量を調節することで、可変動弁機構側のコントロールシャフト8の軸方向位置を制御でき、吸気バルブのバルブリフト量を所望の状態に調節できる。このような制御により、サンシャフト10を、図1に示した最大限図示左側に位置させている状態から、図示右側へ最大限移動させた状態を図5に示す。この図1と図5との間でサンシャフト10を連続的に軸方向に移動できる。このことによりサンシャフト10に連動する可変動弁機構側のコントロールシャフト8を軸方向に連続的に移動させて、吸気バルブのバルブリフト量を連続的に調節することができる。
このような遊星差動ネジ型回転−直動変換機構2の組立は次のように行われる。すなわち、まず9本のプラネタリシャフト18を、組み立て作業台上に配置して、各プラネタリシャフト18の大径軸部18bをリテーナ26の軸受孔26bに挿入することで、図4に示した状態とする。
そして平歯ギヤ−ネジ部18d側から9本のプラネタリシャフト18間の中央位置に、平歯ギヤ部10aが取り付けられていないサンシャフト本体11を配置する。この作業は、サンシャフト本体11のネジ部10bを、9本のプラネタリシャフト18の各平歯ギヤ−ネジ部18d及びネジ部18cに噛み合わせて、右ネジ方向に回転させることによりなされる。このことにより、図6の縦断面図に示すごとく、サンシャフト本体11を9本のプラネタリシャフト18に螺合状態で配置する。この状態ではリテーナ26はサンシャフト本体11の外周面に対して摺動状態にて配置されている。
そして図7に示すごとく、円筒状のナット本体17を、9本のプラネタリシャフト18の配列の外周側に、ナット16のネジ部16bを、各プラネタリシャフト18のネジ部18cに螺合するように左方向に回転させることでねじ込んで配置する。この状態ではリテーナ26は、サンシャフト本体11の外周面とナット本体17の内周面との間に挟まれた状態で配置されている。
そして図8に示すごとく、ナット本体17の内周面に対して、ネジ部16bの両側にて第1平歯ギヤ部16aと第2平歯ギヤ部16cとをそれぞれ嵌合し、ナット本体17を貫通するネジや溶接などで固定する。このことにより第1平歯ギヤ部16aの側面とネジ部16bの側面との間に溝16dが形成され、この溝16d内に、プラネタリシャフト18を支持しているリテーナ26が摺動回転可能に配置された状態となる。
以後は、図1,5に示したごとく変位センサ24のコイル22を配置した蓋部34にてナット16の一端を閉じ、ロータ30をナット16の外周に取り付ける。このことで遊星差動ネジ型回転−直動変換機構2が完成する。
この遊星差動ネジ型回転−直動変換機構2を、ベアリング14やオイルシール12bを介して、ステータ32が内周面に取り付けられているケーシング12内に配置することにより、アクチュエータ4が完成する。このアクチュエータ4を図1,5のごとくカムキャリア6に取り付け、サンシャフト10の先端を可変動弁機構側のコントロールシャフト8に接続することで、吸気バルブのリフト量をステータ32のコイルへの通電制御により調節することが可能となる。
以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果が得られる。
(イ).プラネタリシャフト18は、プラネタリシャフト18の平歯ギヤ部18aとネジ部18cとの間の大径軸部18bにて、リテーナ26により遊星運動可能に軸受されている。このように大径軸部18bはネジ部18cに隣接しており、平歯ギヤ部18aは大径軸部18bを介してネジ部18cとは反対側に存在する。したがってネジ部18cの傾倒力は大径軸部18bを介すことになるので、平歯ギヤ部18aへの影響は少ない。しかも、傾倒力が大径軸部18bを介して平歯ギヤ部18aに作用したとしても、ネジ部18cの位置が支点である大径軸部18bから離されていないことから、平歯ギヤ部18aに対する傾倒力の影響も更に抑制されたものとなる。
同様にネジ部18cから大径軸部18bへは短い距離で傾倒力が作用する。このため大径軸部18bに対する、テコの原理による傾倒力の増幅も抑制され、大径軸部18bでの支持によって傾倒に対する抑制が十分可能となる。
そして大径軸部18bによる支持は、プラネタリシャフト18の両端ではなく、中央に近い部分でなされていることから、プラネタリシャフト18自身の全長の捩れや曲がりについても生じにくい。
このことによってネジ部18cと共に平歯ギヤ部18aを有するプラネタリシャフト18の傾倒が効果的に防止できる。
特にナット16側の溝16dにリテーナ26の外周部分が挿入されており、リテーナ26の摺動回転時に、リテーナ26の軸のぶれを効果的に抑制するので、プラネタリシャフト18の傾倒防止効果が高い。更にリテーナ26はサンシャフト10の外周面にも摺動状態にて回転するので、プラネタリシャフト18の傾倒防止効果がより高くなる。
(ロ).大径軸部18bについては、大径軸部18b以外の平歯ギヤ部18a、ネジ部18c及び平歯ギヤ−ネジ部18dの径よりも大径に形成されている。このためリテーナ26による軸受は、プラネタリシャフト18に対する保持力を更に強めることができる。したがって、より強固にプラネタリシャフト18の傾倒を防止でき、プラネタリシャフト18自身の全長の捩れや曲がりについても、より生じにくくさせることができる。
(ハ).(イ)及び(ロ)に述べたごとくの効果を有する遊星差動ネジ型回転−直動変換機構2をアクチュエータ4に組み込むことにより、サンシャフト10による軸方向出力を高精度に調節することが可能となり、可変動弁機構側のコントロールシャフト8による吸気バルブのリフト量を高精度に調節できる。
平歯ギヤ部10a、平歯ギヤ部18a及び第1平歯ギヤ部16aによるギヤ噛合部において摩耗が生じにくくなり、更に平歯ギヤ−ネジ部18dと第2平歯ギヤ部16cとのギヤ噛合部においても摩耗が生じにくくなることから、アクチュエータ4の耐久性が向上する。
[その他の実施の形態]
(a).前記実施の形態では、プラネタリシャフトにおいて軸受されている部分である大径軸部は、他の部分よりも大径に形成されていたが、他の部分と同一の径でも良く、あるいは、他の部分より小さい径でも良く、平歯ギヤ部とネジ部との間で軸受していることによるプラネタリシャフトの傾倒効果が生じる。
(b).前記実施の形態では、平歯ギヤ部をギヤ部としていたが、ハス歯のギヤ部でも良い。
(c).前記実施の形態では、リテーナは、外周部分が、ナット側の第1平歯ギヤ部とネジ部との間にある溝にて、更にサンシャフトの外周面にて、姿勢が保持された状態で回転可能であったが、溝のみで姿勢が保持されても良く、又、サンシャフトの外周面のみで姿勢が保持される構成でも良い。
(d).前記実施の形態では、アクチュエータにて駆動される外部機構としては、内燃機関の吸気バルブのバルブリフト量を連続的に調節できる可変動弁機構であったが、内燃機関の排気バルブのバルブリフト量を連続的に調節できる可変動弁機構でも良い。尚、外部機構としては、可変動弁機構に限らない。
実施の形態1の遊星差動ネジ型回転−直動変換機構を組み込んだアクチュエータの縦断面図。 実施の形態1のプラネタリシャフトの構成説明図。 実施の形態1のリテーナの構成説明図。 実施の形態1のプラネタリシャフトに対するリテーナの軸受状態を示す斜視図。 実施の形態1のアクチュエータの作動状態を示す縦断面図。 実施の形態1の遊星差動ネジ型回転−直動変換機構の組み立て工程説明図。 実施の形態1の遊星差動ネジ型回転−直動変換機構の組み立て工程説明図。 実施の形態1の遊星差動ネジ型回転−直動変換機構の組み立て工程説明図。
符号の説明
2…遊星差動ネジ型回転−直動変換機構、4…アクチュエータ、6…カムキャリア、7…接続具、8…コントロールシャフト、10…サンシャフト、10a…平歯ギヤ部、10b…ネジ部、10c…ストレートスプライン部、11…サンシャフト本体、12…ケーシング、12a…ストレートスプライン部、12b…オイルシール、14…ベアリング、16…ナット、16a…第1平歯ギヤ部、16b…ネジ部、16c…第2平歯ギヤ部、16d…溝、17…ナット本体、18…プラネタリシャフト、18a…平歯ギヤ部、18b…大径軸部、18c…ネジ部、18d…平歯ギヤ−ネジ部、20…コア、22…コイル、24…変位センサ、26…リテーナ、26a…中心孔、26b…軸受孔、28…電動モータ、30…ロータ、32…ステータ、34…蓋部。

Claims (6)

  1. サンシャフト、プラネタリシャフト及びナット間で各々設けられたネジ部同士を噛み合わせることでネジ噛合部を形成して回転−直動変換を可能とすると共に、前記サンシャフト、前記プラネタリシャフト及び前記ナット間で各々設けられたギヤ部同士を噛み合わせたギヤ噛合部を形成している遊星差動ネジ型回転−直動変換機構であって、
    前記プラネタリシャフトは、前記ネジ部と前記ギヤ部との間にて遊星運動可能に軸受されていることを特徴とする遊星差動ネジ型回転−直動変換機構。
  2. 請求項1において、前記サンシャフト周りに回転可能に配置されたリテーナにて、前記プラネタリシャフトは、前記ネジ部と前記ギヤ部との間にて遊星運動可能に軸受されていることを特徴とする遊星差動ネジ型回転−直動変換機構。
  3. 請求項2において、前記リテーナは、外周部分が前記ナットの前記ネジ噛合部用のネジ部と前記ギヤ噛合部用のギヤ部との間の溝に周方向に回転可能に配置されていることを特徴とする遊星差動ネジ型回転−直動変換機構。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、前記プラネタリシャフトの軸受されている部分は、前記ネジ部及び前記ギヤ部の径よりも大径に形成されていることを特徴とする遊星差動ネジ型回転−直動変換機構。
  5. 請求項1〜4のいずれかにおいて、前記プラネタリシャフトは、前記ネジ噛合部用のネジ部の一方に前記ギヤ噛合部用のギヤ部を形成し、他方にギヤとネジとが共に形成されたギヤ−ネジ部を形成し、
    前記ナットは、前記ネジ噛合部用のネジ部の一方に前記ギヤ噛合部用のギヤ部を形成し、他方に前記プラネタリシャフトのギヤ−ネジ部と噛合するギヤ部を形成し、
    前記サンシャフトは前記ネジ噛合部用のネジ部の一方に前記ギヤ噛合部用のギヤ部を形成すると共に前記ネジ部は前記プラネタリシャフトのギヤ−ネジ部とも噛み合わされていることを特徴とする遊星差動ネジ型回転−直動変換機構。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の遊星差動ネジ型回転−直動変換機構を備え、該遊星差動ネジ型回転−直動変換機構の前記ナットの外周に電動モータ用のロータが取り付けられてステータ内に配置されていることにより電動モータが構成され、該電動モータへの給電制御により前記ナットを回転して前記サンシャフトによる軸方向出力を行うことを特徴とするアクチュエータ。
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