JP2007100717A - 回転−直動変換機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】効率に優れた回転−直動変換機構を提供する。
【解決手段】回転−直動変換機構10は、サンシャフト31と、プラネタリシャフト41と、サンギヤ36とを備える。サンシャフト31は、軸201に沿って延び、軸201方向に直線運動する。プラネタリシャフト41は、サンシャフト31に螺合するねじ部33と、平歯ギヤが形成されたギヤ部44pとを有し、サンシャフト31の外周上で自転しながら軸201を中心に公転する。サンギヤ36は、軸201方向にサンシャフト31と並んで設けられ、静止したままギヤ部44pと噛み合う。
【選択図】図3
【解決手段】回転−直動変換機構10は、サンシャフト31と、プラネタリシャフト41と、サンギヤ36とを備える。サンシャフト31は、軸201に沿って延び、軸201方向に直線運動する。プラネタリシャフト41は、サンシャフト31に螺合するねじ部33と、平歯ギヤが形成されたギヤ部44pとを有し、サンシャフト31の外周上で自転しながら軸201を中心に公転する。サンギヤ36は、軸201方向にサンシャフト31と並んで設けられ、静止したままギヤ部44pと噛み合う。
【選択図】図3
Description
この発明は、一般的には、回転運動と直線運動とを相互に変換する回転−直動変換機構に関し、より特定的には、入力された回転運動を直線運動に変換して出力する遊星差動ねじ型の回転−直動変換機構に関する。
従来の回転−直動変換機構に関して、たとえば、特開平10−196757号公報には、効率を向上させるとともに、1回転当たりの直動量を小さくすることを目的とした回転−直動変換機構が開示されている(特許文献1)。特許文献1に開示された回転−直動変換機構は、シャフト、ローラおよびナットを備えるローラねじ機構から構成されている。シャフト、ローラおよびナットには、ねじが形成されている。各ねじの螺合を通じてナットの回転運動がローラおよびシャフトへと順に伝わり、シャフトが直線運動する。ローラおよびナットには、さらに、歯車が設けられている。ローラは、自らに設けられた歯車をナットに設けられた歯車に噛み合わせた状態で、自転しながらシャフトの周りを公転する。
特開平10−196757号公報
上述の特許文献1に開示された回転−直動変換機構では、回転運動を直線運動に変換する際の減速比が、互いに螺合する各ねじの有効ピッチ円直径の比によって決定される。この場合、実際の各ねじの有効ピッチ円直径は、ねじの加工精度や摩耗によりばらつくため、シャフトのリード精度が低下してしまう。このため、ローラに設けられた歯車に噛み合う歯車をシャフトに設け、ローラをシャフトの周りで強制駆動させる構造が考えられる。
しかしながら、歯車をシャフトに設けた場合、シャフトの直線運動に伴って歯車も移動する。このため、シャフトに設けられた歯車とローラに設けられた歯車とが互いに滑りながら回転−直動変換機構が駆動することとなり、回転−直動変換機構の効率が低下するおそれが生じる。
そこでこの発明の目的は、上記の課題を解決することであり、効率に優れた回転−直動変換機構を提供することである。
この発明に従った回転−直動変換機構は、回転運動と直線運動とを相互に変換する回転−直動変換機構である。回転−直動変換機構は、ねじ軸と、遊星ねじローラと、ガイドギヤとを備える。ねじ軸は、軸線に沿って延び、軸線方向に直線運動する。遊星ねじローラは、ねじ軸に螺合するねじ部と、歯車が形成されたギヤ部とを有し、ねじ軸の外周上で自転しながら軸線を中心に公転する。ガイドギヤは、軸線方向にねじ軸と並んで設けられ、静止したままギヤ部と噛み合う。
このように構成された回転−直動変換機構によれば、ガイドギヤが静止したまま遊星ねじローラのギヤ部と噛み合うため、遊星ねじローラがねじ軸の外周上で自転しながら公転する際、ガイドギヤとギヤ部との噛み合い位置で過大な抵抗が生じることを防止できる。これにより、回転−直動変換機構の効率を向上させることができる。
また好ましくは、ガイドギヤは、ねじ軸と分離して設けられている。このように構成された回転−直動変換機構によれば、ガイドギヤがねじ軸の直線運動から切り離されるため、ガイドギヤとギヤ部との間で軸線方向の滑り運動が生じることを防止できる。これにより、ガイドギヤとギヤ部との間の摺動抵抗を減少させ、回転−直動変換機構の効率を向上させることができる。
また、回転−直動変換機構は、ねじ軸とは反対側でねじ部と螺合し、軸線を中心に回転運動するナットと、ステータを有し、ナットに回転運動を入力するモータと、ステータを保持するハウジングとをさらに備える。好ましくは、ガイドギヤは、ハウジングに固定されている。このように構成された回転−直動変換機構によれば、ステータを保持するハウジングを、ガイドギヤを固定する部材として利用することができる。
また、回転−直動変換機構は、ねじ軸とは反対側でねじ部と螺合し、軸線を中心に回転運動するナットと、ナットとともに軸線を中心に回転運動し、ガイドギヤの反対側でギヤ部に噛み合うリングギヤとをさらに備える。このように構成された回転−直動変換機構によれば、ナットの回転運動とねじ軸の直線運動とを相互に変換する際、リングギヤおよびガイドギヤとギヤ部との噛み合いにより、遊星ねじローラを強制駆動させることができる。
また、回転−直動変換機構は、ねじ軸とは反対側でねじ部と螺合し、軸線を中心に回転運動するナットをさらに備える。ガイドギヤは、軸受けを介してナットに支持されている。このように構成された回転−直動変換機構によれば、ガイドギヤとねじ軸とを、同一の軸線上に容易かつ精度良く配置することができる。これにより、回転−直動変換機構の効率や精度の向上を図ることができる。
また好ましくは、ガイドギヤには、ねじ軸を軸線方向に案内する案内部が接続されている。このように構成された回転−直動変換機構によれば、ねじ軸が軸線に対して傾くことを抑制できる。これにより、回転−直動変換機構の効率や精度の向上を図ることができる。
以上説明したように、この発明に従えば、効率に優れた回転−直動変換機構を提供することができる。
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1における回転−直動変換機構が接続されるバルブリフト可変機構を示す正面図である。図2は、図1中のバルブリフト可変機構を部分的に示す斜視図である。図2中では、内部構造が明確に把握できるように一部が破断されて表わされている。
図1は、この発明の実施の形態1における回転−直動変換機構が接続されるバルブリフト可変機構を示す正面図である。図2は、図1中のバルブリフト可変機構を部分的に示す斜視図である。図2中では、内部構造が明確に把握できるように一部が破断されて表わされている。
図1および図2を参照して、バルブリフト可変機構100は、内燃機関のバルブ(本実施の形態では、吸気バルブ)のバルブリフト量を可変とする機構である。内燃機関は、ガソリンエンジンであっても良いし、ディーゼルエンジンであっても良い。内燃機関は車両に搭載される。参照する図には示されていないが、図中の駆動軸20の先端には、駆動軸20を直線運動させるための本実施の形態における回転−直動変換機構が接続されている。
バルブリフト可変機構100は、内燃機関のシリンダヘッド内に設けられている。そのシリンダヘッド内には、カム103が形成されたカムシャフト102、揺動可能に軸支されたロッカアーム106およびロッカアーム106の揺動に応じて開閉駆動される吸気バルブ101が配設されている。バルブリフト可変機構100は、一方向に延びる駆動軸20と、駆動軸20の外周面を覆う支持パイプ108と、支持パイプ108の外周面上で駆動軸20の軸方向に並んで配置された入力アーム104および揺動カム105とを備える。
なお、この内燃機関では、各気筒にそれぞれ一対の吸気バルブ101およびロッカアーム106が設けられており、一対の吸気バルブ101が、1つのカム103によって開閉駆動される。バルブリフト可変機構100には、各気筒に設けられた1つのカム103に対応して、1つの入力アーム104が設けられている。入力アーム104の両側には、各気筒に設けられた一対の吸気バルブ101のそれぞれに対応して、2つの揺動カム105が設けられている。
支持パイプ108は、中空円筒状に形成されており、カムシャフト102に対して平行に配置されている。支持パイプ108は、軸方向へ移動したり、回転したりしないようにシリンダヘッドに固定されている。支持パイプ108の内部には、その軸方向に摺動可能なように駆動軸20が挿入されている。支持パイプ108の外周面上には、駆動軸20の軸芯を中心として揺動可能で、かつ、その軸方向には移動しないように、入力アーム104および2つの揺動カム105が設けられている。
入力アーム104は、支持パイプ108の外周面から離れる方向に突出するアーム部104aと、アーム部104aの先端に回転可能に接続されたローラ部104bとを有する。入力アーム104は、ローラ部104bがカム103に当接可能な位置に配置されるように設けられている。
揺動カム105は、支持パイプ108の外周面から離れる方向に突出する略三角形状のノーズ部105aを有する。ノーズ部105aの一辺(図1中の下方側の辺)には、凹状に湾曲したカム面105bが形成されている。吸気バルブ101には、バルブスプリングが設けられている。その付勢力によって、カム面105bには、ロッカアーム106に回転可能に取り付けられたローラ106aが押し付けられる。
入力アーム104および揺動カム105は、一体となって駆動軸20の軸芯を中心として揺動する。このため、カムシャフト102が回転すると、カム103に当接された入力アーム104が揺動し、この入力アーム104の動きに連動して揺動カム105も揺動する。この揺動カム105の動きが、ロッカアーム106を介して吸気バルブ101に伝わり、これによって吸気バルブ101が開閉駆動される。
バルブリフト可変機構100は、さらに、支持パイプ108の軸芯周りにおいて、入力アーム104と揺動カム105との相対位相差を変更する機構を備えており、この機構によって、吸気バルブ101のバルブリフト量を適宜変更する。つまり、両者の相対位相差を拡大すれば、入力アーム104および揺動カム105の揺動角に対するロッカアーム106の揺動角が拡大され、吸気バルブ101のバルブリフト量が増大される。また、両者の相対位相差を縮小すれば、入力アーム104および揺動カム105の揺動角に対するロッカアーム106の揺動角が縮小され、吸気バルブ101のバルブリフト量が低減される。
次に、上記の相対位相差を変更する機構について、より詳細な説明を行なう。図2に示されるように、入力アーム104および2つの揺動カム105と、支持パイプ108の外周面との間に規定された空間には、支持パイプ108に対して、回転可能で、かつ軸方向に摺動可能に支持されたスライダギア107が収容されている。
スライダギア107には、その軸方向の中央部に位置して、右ねじ螺旋状のヘリカルスプラインが形成されたヘリカルギア107bが設けられている。また、スライダギア107には、ヘリカルギア107bの両側に位置して、ヘリカルギア107bとは逆に左ねじ螺旋状のヘリカルスプラインが形成されたヘリカルギア107cがそれぞれ設けられている。
一方、スライダギア107を収容する空間を規定する入力アーム104および2つの揺動カム105の表面には、ヘリカルギア107bおよび107cに対応したヘリカルスプラインがそれぞれ形成されている。つまり、入力アーム104には、右ねじ螺旋状のヘリカルスプラインが形成されており、そのヘリカルスプラインがヘリカルギア107bに噛み合っている。また、揺動カム105には、左ねじ螺旋状のヘリカルスプラインが形成されており、そのヘリカルスプラインがヘリカルギア107cに噛み合っている。
スライダギア107には、一方のヘリカルギア107cとヘリカルギア107bとの間に位置して、周方向に延びる長穴107aが形成されている。また、支持パイプ108には、長穴107aの一部と重なるように、軸方向に延びる長穴108aが形成されている。支持パイプ108の内部に挿通された駆動軸20には、これら2つの長穴107aおよび108aの重なった部分を通じて突出する係止ピン20aが一体に設けられている。
駆動軸20がその軸方向に移動すると、スライダギア107が係止ピン20aにより押されるため、ヘリカルギア107bおよび107cが同時に駆動軸20の軸方向に移動する。このようなヘリカルギア107bおよび107cの移動に対して、これらにスプライン係合された入力アーム104および揺動カム105は、軸方向に移動しないため、ヘリカルスプラインの噛み合いを通じて駆動軸20の軸芯周りに回動する。このとき、入力アーム104と揺動カム105とでは、形成されたヘリカルスプラインの向きが逆であるため、回動方向が互いに逆方向となる。これにより、入力アーム104と揺動カム105との相対位相差が変化し、既に説明したように吸気バルブ101のバルブリフト量が変更される。
図3は、この発明の実施の形態1における回転−直動変換機構を示す断面図である。図3を参照して、回転−直動変換機構10は、ハウジング81と、外周面31aを有し、軸201上に延びるサンシャフト31と、外周面31a上で軸201と平行に延び、軸201を中心とした周方向に並んで配設された複数のプラネタリシャフト41と、複数のプラネタリシャフト41を取り囲むように設けられ、軸201を中心とした筒形状を有するナット51と、ナット51に対して回転運動を入力するモータ71とを備える。サンシャフト31は、軸201上で駆動軸20と並ぶように配置されており、軸201方向に駆動軸20を押し引きする。
ハウジング81は、本体部81sと、蓋部81cとから構成されている。本体部81sには、図1中のバルブリフト可変機構100が設けられたシリンダヘッドに向かって開口する開口部80mと、軸201方向に沿った開口部80mの反対側で開口する開口部80nとが形成されている。開口部80nを塞ぐように本体部81sに蓋部81cが取り付けられる。ハウジング81により、サンシャフト31、プラネタリシャフト41、ナット51およびモータ71を収容する空間83が形成されている。
サンシャフト31は、空間83から開口部80mを通じてハウジング81の外側に突出するように設けられている。サンシャフト31の一方端31mは、ハウジング81の外側に位置決めされており、サンシャフト31の他方端31nは、空間83に収容されている。一方端31mは、図示しないカップリング機構等により駆動軸20と接続されている。サンシャフト31は、外周面31aにスプラインが形成されたスプライン部32と、外周面31aに雄ねじが形成されたねじ部33とを有する。ねじ部33は、他方端31nに設けられている。
空間83内のスプライン部32を取り囲む位置には、周り止めカラー58が固定されている。周り止めカラー58の内周面58bには、スプラインが形成されている。周り止めカラー58およびスプライン部32に形成されたスプラインが互いに係合することにより、軸201を中心とするサンシャフト31の回転運動が規制されるとともに、軸201方向のサンシャフト31の直線運動が支持されている。
ナット51は、ハウジング81に固定されたベアリング59によって、軸201を中心に回転自在に支持されている。ナット51は、外周面31aと隙間を設けて向い合う内周面51bと、内周面51bの裏側に面する外周面51aとを有する。内周面51bには、ねじ部33に形成された雄ねじとは逆向きの雌ねじが形成されている。なお、ナット51を回転自在に支持するベアリング59は、図中に示すようなアンギュラベアリングであっても良いし、別の態様で設けられたスラストベアリングであっても良い。
ナット51には、雌ねじが形成された内周面51bの両側に位置して、リングギヤ45が固定されている。リングギヤ45の内周面45bには、軸201を中心とした周方向に歯が並ぶ平歯ギヤが形成されている。なお、リングギヤ45を設ける替わりに、ナット51に平歯ギヤを形成しても良い。
モータ71は、ロータ72とステータ73とから構成されている。ナット51の外周面51aには、焼嵌め、圧入または接着剤等の手段を用いて、ロータ72が固定されている。ハウジング81には、コイル75が巻回されたステータ73が同様の手段により固定されている。ステータ73は、軸201を中心とする筒形状を有し、ロータ72の周りを取り囲むように設けられている。ロータ72は、軸201を中心とした周方向に沿って、ステータ73との間に所定の大きさの隙間を設けるように位置決めされている。ロータ72のステータ73に向い合う位置には、軸201を中心として所定の角度ごとに並ぶ永久磁石74が配設されている。
コイル75に通電することにより、ロータ72とステータ73との間に磁界が発生する。これにより、ナット51がロータ72とともに軸201を中心に回転する。
図4は、図3中のIV−IV線上に沿った回転−直動変換機構の断面図である。図3および図4を参照して、軸201方向に沿ったプラネタリシャフト41の両側には、軸201を中心とした筒形状を有するリテーナ48および49がそれぞれ配設されている。プラネタリシャフト41の両端は、リテーナ48および49によって回転自在に支持されている。リテーナ48とリテーナ49とは、軸201を中心とした周方向に所定の間隔ごとに設けられ、プラネタリシャフト41と平行に延びる支柱46によって互いに結合されている。
なお、リテーナ48および49を設けることなく、複数のプラネタリシャフト41がそれぞれ独立して設けられていても良い。
プラネタリシャフト41は、ねじ部43と、ねじ部43の両側にそれぞれ形成されたギヤ部44pおよび44qとを有する。
ねじ部43には、サンシャフト31のねじ部33に形成された雄ねじと、ナット51の内周面51bに形成された雌ねじとに螺合する雄ねじが形成されている。ねじ部43に形成される雄ねじは、ねじ部33に形成された雄ねじとは逆向きであり、内周面51bに形成された雌ねじとは同じ向きである。
サンシャフト31のねじ部33に形成された雄ねじ、プラネタリシャフト41のねじ部43に形成された雄ねじおよびナット51の内周面51bに形成された雌ねじは、いずれも同一のピッチを有する多条ねじである。サンシャフト31の雄ねじ、プラネタリシャフト41の雄ねじおよびナット51の雌ねじのピッチ円直径を、それぞれ、Ds、DpおよびDnとし、各ねじの条数を、それぞれ、Ns、NpおよびNnとする。本実施の形態では、サンシャフト31を軸201方向にストロークさせるため、たとえば、Ns:Np:Nn=(Ds+1):Dp:Dnの関係を満たすように各ねじの条数が決定されている。なお、各ねじのピッチ円直径と条数とは、これ以外の関係も採り得る。
プラネタリシャフト41のギヤ部44qには、リングギヤ45の内周面45bに形成された平歯ギヤと噛み合う平歯ギヤが形成されている。
図5は、図3中のV−V線上に沿った回転−直動変換機構の断面図である。図3および図5を参照して、回転−直動変換機構10は、軸201方向にサンシャフト31と並んで設けられたサンギヤ36をさらに備える。
サンギヤ36は、サンギヤ固定部37を介してハウジング81の蓋部81cに固定されている。サンギヤ36は、サンシャフト31の他方端31nと距離を隔てて対峙するように設けられている。サンギヤ36は、サンシャフト31と分離して設けられている。サンギヤ36は、サンシャフト31、ナット51およびリングギヤ45のいずれからも離間する位置に設けられている。サンギヤ36とリングギヤ45との間にはプラネタリシャフト41が介在する。サンギヤ36は、ナット51の回転運動から切り離されている。サンギヤ36は、サンシャフト31の直線運動から切り離されている。すなわち、サンギヤ36は、回転−直動変換機構10の駆動時に空間83内で静止した状態を維持するように設けられている。サンギヤ36は、回転−直動変換機構10の駆動源としてのモータ71の駆動力が伝達されない部材としてのハウジング81に固定されている。
なお、サンギヤ36は、たとえば、ハウジング81の本体部81sに固定されていても良いし、ハウジング81の外側に配置された部材に固定されていても良い。サンギヤ固定部37は、サンギヤ36と一体に形成されていても良いし、サンギヤ36に組み付けられていても良い。サンギヤ36は、中空形状であっても良い。
サンギヤ36の外周面36aには、軸201を中心とした周方向に歯が並ぶ平歯ギヤが形成されている。プラネタリシャフト41のギヤ部44pには、リングギヤ45の内周面45bに形成された平歯ギヤと、サンギヤ36の外周面36aに形成された平歯ギヤとに噛み合う平歯ギヤが形成されている。サンギヤ36は、軸201を中心に周方向に配設された複数のプラネタリシャフト41の内側からギヤ部44pに噛み合い、リングギヤ45は、その外側からギヤ部44pに噛み合う。なお、サンギヤ36、プラネタリシャフト41のギヤ部44pおよび44qに形成される歯車は、平歯ギヤに限定されない。
以上に説明した回転−直動変換機構10の構造により、ナット51が回転すると、その回転運動は、ナット51およびプラネタリシャフト41に形成されたねじの噛み合いにより、プラネタリシャフト41に伝わる。この際、プラネタリシャフト41のギヤ部44pに形成された平歯ギヤと、リングギヤ45の内周面45bおよびサンギヤ36の外周面36aに形成された平歯ギヤとが噛み合い、プラネタリシャフト41のギヤ部44qに形成された平歯ギヤと、リングギヤ45の内周面45bに形成された平歯ギヤとが噛み合うことによって、プラネタリシャフト41は、強制駆動され、軸201方向に静止したまま、自転しながら軸201を中心に公転する。また同時に、プラネタリシャフト41は、これら平歯ギヤの噛み合いにより、軸201と平行な姿勢に保持される。
プラネタリシャフト41の回転運動は、プラネタリシャフト41およびサンシャフト31に形成されたねじの噛み合いにより、サンシャフト31に伝わる。サンシャフト31は、周り止めカラー58およびスプライン部32に形成されたスプラインの係合によってナット51と供回りすることなく、軸201方向に直線運動する。
この発明の実施の形態1における回転−直動変換機構10は、ねじ軸としてのサンシャフト31と、遊星ねじローラとしてのプラネタリシャフト41と、ガイドギヤとしてのサンギヤ36とを備える。サンシャフト31は、軸線としての軸201に沿って延び、軸201方向に直線運動する。プラネタリシャフト41は、サンシャフト31に螺合するねじ部43と、歯車としての平歯ギヤが形成されたギヤ部44pとを有し、サンシャフト31の外周上で自転しながら軸201を中心に公転する。サンギヤ36は、軸201方向にサンシャフト31と並んで設けられ、静止したままギヤ部44pと噛み合う。
このように構成された、この発明の実施の形態1における回転−直動変換機構10によれば、サンギヤ36は、サンシャフト31から分離して設けられているため、サンシャフト31とともに軸201方向にストロークするということがない。このため、サンギヤ36とサンシャフト31とを一体に設けた場合に生じるサンギヤ36とプラネタリシャフト41のギヤ部44pとの間の滑り運動を、排除することができる。
一般に回転−直動変換機構10の効率ηは、次式により求められる。
η=出力仕事/入力仕事=PL/2Tπ
P:駆動軸20に作用する軸201方向の荷重(N)
L:リード(mm/rev)
T:モータトルク(Nm)
本実施の形態では、サンギヤ36とプラネタリシャフト41のギヤ部44pとの間で生じる抵抗が減少するため、駆動軸20を押し引きするために必要となるモータトルクTを小さく抑えることができる。このため、回転−直動変換機構10の効率ηを向上させることができる。また、モータ71の体格を小さくできるため、車両に対する回転−直動変換機構10の搭載性を向上させることができる。
η=出力仕事/入力仕事=PL/2Tπ
P:駆動軸20に作用する軸201方向の荷重(N)
L:リード(mm/rev)
T:モータトルク(Nm)
本実施の形態では、サンギヤ36とプラネタリシャフト41のギヤ部44pとの間で生じる抵抗が減少するため、駆動軸20を押し引きするために必要となるモータトルクTを小さく抑えることができる。このため、回転−直動変換機構10の効率ηを向上させることができる。また、モータ71の体格を小さくできるため、車両に対する回転−直動変換機構10の搭載性を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、本発明による回転−直動変換機構を内燃機関のバルブリフト可変機構に接続したが、これに限定されず、直線駆動が必要となる各種機構に接続することができる。また本発明を、入力された直線運動を回転運動に変換して出力する回転−直動変換機構に適用することもできる。
(実施の形態2)
図6は、この発明の実施の形態2における回転−直動変換機構を示す断面図である。図中には、サンギヤ36が設けられた位置が拡大して示されている。本実施の形態における回転−直動変換機構は、実施の形態1における回転−直動変換機構10と比較して、基本的には同様の構造を備える。以下、重複する構造については説明を繰り返さない。
図6は、この発明の実施の形態2における回転−直動変換機構を示す断面図である。図中には、サンギヤ36が設けられた位置が拡大して示されている。本実施の形態における回転−直動変換機構は、実施の形態1における回転−直動変換機構10と比較して、基本的には同様の構造を備える。以下、重複する構造については説明を繰り返さない。
図6を参照して、本実施の形態では、サンシャフト31の他方端31nに凹部31yが形成されている。凹部31yには、スラストベアリング91が配置されている。サンギヤ36には、スラストベアリング91に挿入される案内部38が接続されている。案内部38は、他方端31nに向い合うサンギヤ36の端面36dからサンシャフト31に向けて突出するように設けられている。案内部38は、サンギヤ36に一体に設けられていても良いし、サンギヤ36に組み付けられていても良い。
回転−直動変換機構の駆動時、サンシャフト31の他方端31nは、案内部38により、スラストベアリング91を介して軸201方向に案内される。
このように構成された、この発明の実施の形態2における回転−直動変換機構によれば、実施の形態1に記載の効果と同様の効果を得ることができる。加えて本実施の形態では、サンシャフト31が、スプライン部32が設けられた一方端31m側だけでなく、他方端31nにおいても軸201方向の移動が可能なように支持されている。このため、サンシャフト31が、軸201に対して傾きを持った姿勢で直線運動することを防止できる。
(実施の形態3)
図7は、この発明の実施の形態3における回転−直動変換機構を示す断面図である。図中には、サンギヤ36が設けられた位置が拡大して示されている。本実施の形態における回転−直動変換機構は、実施の形態1における回転−直動変換機構10と比較して、基本的には同様の構造を備える。以下、重複する構造については説明を繰り返さない。
図7は、この発明の実施の形態3における回転−直動変換機構を示す断面図である。図中には、サンギヤ36が設けられた位置が拡大して示されている。本実施の形態における回転−直動変換機構は、実施の形態1における回転−直動変換機構10と比較して、基本的には同様の構造を備える。以下、重複する構造については説明を繰り返さない。
図7を参照して、本実施の形態では、サンギヤ36に、図3中のサンギヤ固定部37に替えてサンギヤ支持部96が接続されている。サンギヤ36は、サンギヤ支持部96に設けられたベアリング97を介してナット51に支持されている。ナット51は、軸201方向の両端において、図3中のベアリング59および図7中のベアリング97により回転自在に支持されている。
サンギヤ支持部96には、ハウジング81の蓋部81cから延びるキー98が接続されている。キー98により、サンギヤ36は、回転−直動変換機構の駆動時にナット51と共回りすることなく、静止した状態に保持される。
このように構成された、この発明の実施の形態3における回転−直動変換機構によれば、実施の形態1に記載の効果と同様の効果を得ることができる。加えて本実施の形態では、軸201を中心に回転運動するナット51に対してサンギヤ36が支持されている。このため、サンギヤ36をサンシャフト31が延びる軸201上に容易に配置することができる。
なお、以上に説明した実施の形態1から3の回転−直動変換機構の構造を適宜、組み合わせて別の回転−直動変換機構を構成しても良い。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 回転−直動変換機構、31 サンシャフト、33 ねじ部、44p ギヤ部、36 サンギヤ、38 案内部、41 プラネタリシャフト、45 リングギヤ、51 ナット、71 モータ、73 ステータ、81 ハウジング、97 ベアリング、201 軸。
Claims (6)
- 回転運動と直線運動とを相互に変換する回転−直動変換機構であって、
軸線に沿って延び、前記軸線方向に直線運動するねじ軸と、
前記ねじ軸に螺合するねじ部と、歯車が形成されたギヤ部とを有し、前記ねじ軸の外周上で自転しながら前記軸線を中心に公転する遊星ねじローラと、
前記軸線方向に前記ねじ軸と並んで設けられ、静止したまま前記ギヤ部と噛み合うガイドギヤとを備える、回転−直動変換機構。 - 前記ガイドギヤは、前記ねじ軸と分離して設けられている、請求項1に記載の回転−直動変換機構。
- 前記ねじ軸とは反対側で前記ねじ部と螺合し、前記軸線を中心に回転運動するナットと、
ステータを有し、前記ナットに回転運動を入力するモータと、
前記ステータを保持するハウジングとをさらに備え、
前記ガイドギヤは、前記ハウジングに固定されている、請求項1または2に記載の回転−直動変換機構。 - 前記ねじ軸とは反対側で前記ねじ部と螺合し、前記軸線を中心に回転運動するナットと、
前記ナットとともに前記軸線を中心に回転運動し、前記ガイドギヤの反対側で前記ギヤ部に噛み合うリングギヤとをさらに備える、請求項1から3のいずれか1項に記載の回転−直動変換機構。 - 前記ねじ軸とは反対側で前記ねじ部と螺合し、前記軸線を中心に回転運動するナットをさらに備え、
前記ガイドギヤは、軸受けを介して前記ナットに支持されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の回転−直動変換機構。 - 前記ガイドギヤには、前記ねじ軸を前記軸線方向に案内する案内部が接続されている、請求項1から5のいずれか1項に記載の回転−直動変換機構。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2005
- 2005-09-30 JP JP2005287277A patent/JP2007100717A/ja not_active Withdrawn
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