JP2007187227A - 自動変速機の制御装置、制御方法および自動変速装置 - Google Patents

自動変速機の制御装置、制御方法および自動変速装置 Download PDF

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Abstract

【課題】トルク相におけるクラッチ伝達トルクの変動を押さえて、変速性能を向上させることが可能な自動変速機の制御装置,制御方法及び自動変速装置を提供することにある。
【解決手段】変速機制御装置100は、複数のクラッチ3a,3bの内、解放側クラッチに作用する係合力を曲線的に変化させるとともに、締結側クラッチに作用する係合力を曲線的に変化させる。具体的一例としては、目標出力軸トルク設定手段110は、変速動作のトルク相における前記変速機の出力軸に伝達されるトルクの目標値を曲線的に設定する。係合側クラッチトルク演算手段140は、設定した目標出力軸トルクに基づいて、係合側クラッチに作用する係合力を演算する。解放側クラッチトルク演算手段150は、設定した目標出力軸トルクに基づいて、解放側クラッチに作用する係合力を演算する。
【選択図】図3

Description

本発明は、自動変速機の制御装置、制御方法および自動変速装置に係り、特に、複数のクラッチを有し一方のクラッチを締結しつつ、他方のクラッチを解放して変速を実行する、所謂クラッチ・ツウ・クラッチ変速を行う自動変速機の制御装置、制御方法および自動変速装置に関する。
近年、自動車の低燃費と運転性との観点から歯車式変速機を自動化した自動変速機が普及している。このような自動変速機としては、例えば、特開平6−221347号公報に記載のように、エンジンに連結される2つのクラッチと、これらクラッチのクラッチ出力軸と変速機出力軸との間を歯車選択装置の選択操作により選択的に連結する複数の歯車列とを備え、一方のクラッチを係合するとともに他方のクラッチを解放することにより、所望のギア段を形成する形態の所謂ツインクラッチ式の自動変速機が知られている。ツインクラッチ式変速機では、変速動作のトルク相において係合側のクラッチ伝達トルクを増加させ、解放側のクラッチ伝達トルクを減少させることにより、エンジンにて発生したトルクの伝達経路が変速機内部で切り替わり、変速動作が実現するものである。
トルク相におけるクラッチ伝達トルクの制御方法として、例えば、特開2004−251456号公報に記載のように、係合側クラッチの伝達トルクを直線的に増加させ、解放側クラッチの伝達トルクを直線的に減少させて、クラッチ・ツウ・クラッチ変速を実行するものが知られている。
特開平6−221347号公報 特開2004−251456号公報
しかしながら、特開2004−251456号公報に記載のように、直線的にクラッチ伝達トルクを設定するため、トルク相の開始時と終了時において、クラッチ伝達トルクの変化が急激であるため、変速機出力軸トルク波形にオーバーシュートが発生し、変速時のショックが大きくなるという問題があった。
本発明の目的は、トルク相におけるクラッチ伝達トルクの変動を押さえて、変速性能を向上させることが可能な自動変速機の制御装置,制御方法及び自動変速装置を提供することにある。
(1)上記目的を達成するために、本発明は、複数のクラッチに作用する係合力を個々に制御し、一方のクラッチを係合すると同時に他方のクラッチを解放することにより、変速動作を実現する自動変速機の制御装置であって、前記複数のクラッチの内、解放側クラッチに作用する係合力を曲線的に変化させるとともに、締結側クラッチに作用する係合力を曲線的に変化させる制御手段を備えるようにしたものである。
かかる構成により、トルク相におけるクラッチ伝達トルクの変動を押さえて、変速性能を向上させ得るものとなる。
(2)上記(1)において、好ましくは、 前記制御手段は、前記変速動作のトルク相における前記変速機の出力軸に伝達されるトルクの目標値を曲線的に設定した後、このトルク目標値に基づいて、前記解放側クラッチに作用する係合力を求めるようにしたものである。
(3)上記(2)において、好ましくは、前記制御手段は、前記変速動作のトルク相における前記変速機の出力軸に伝達されるトルクの目標値を曲線的に設定する目標出力軸トルク設定手段と、前記設定した目標出力軸トルクに基づいて、前記係合側クラッチに作用する係合力を演算する係合側クラッチトルク演算手段と、前記設定した目標出力軸トルクに基づいて、前記解放側クラッチに作用する係合力を演算する解放側クラッチトルク演算手段とを備えるようにしたものである。
(4)上記(2)において、好ましくは、前記制御手段は、前記変速動作がアップシフトのとき、前記設定した目標出力軸トルクに基づいて、前記係合側クラッチに作用する係合力を演算し、前記演算した係合側クラッチに作用する係合力に基づいて、前記解放側クラッチに作用する係合力を演算するようにしたものである。
(5)上記(2)において、好ましくは、前記制御手段は、前記変速動作がダウンシフトのとき、前記設定した目標出力軸トルクに基づいて、前記解放側クラッチに作用する係合力を演算し、前記決定した解放側クラッチに作用する係合力に基づいて、前記係合側クラッチに作用する係合力を演算するようにしたものである。
(6)また、上記目的を達成するために、本発明は、複数のクラッチに作用する係合力を個々に制御し、一方のクラッチを係合すると同時に他方のクラッチを解放することにより、エンジンの発生トルクの伝達経路を切り替えて変速動作を実現する自動変速機の制御方法であって、前記複数のクラッチの内、解放側クラッチに作用する係合力を曲線的に変化させるとともに、締結側クラッチに作用する係合力を曲線的に変化させるようにしたものである。
かかる構成により、トルク相におけるクラッチ伝達トルクの変動を押さえて、変速性能を向上させ得るものとなる。
(7)さらに、上記目的を達成するために、本発明は、複数のクラッチを有する自動変速機と、前記複数のクラッチに作用する係合力を個々に制御し、一方のクラッチを係合すると同時に他方のクラッチを解放することにより、変速動作を実現する自動変速機の制御装置とを有する自動変速装置であって、前記自動変速機の制御装置は、前記複数のクラッチの内、解放側クラッチに作用する係合力を曲線的に変化させるとともに、締結側クラッチに作用する係合力を曲線的に変化させる制御手段を備えるようにしたものである。
かかる構成により、トルク相におけるクラッチ伝達トルクの変動を押さえて、変速性能を向上させ得るものとなる。
本発明によれば、トルク相におけるクラッチ伝達トルクの変動を押さえて、変速性能を向上させることができる。
以下、図1〜図10を用いて、本発明の第1の実施形態による自動変速機の制御装置の構成及び動作について説明する。
最初に、図1を用いて、本発明の第1の実施形態による自動変速機の制御装置および制御方法について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による自動変速機の制御装置の主要部を示すシステム構成図である。
車両の動力源であるエンジン1の出力は、第1クラッチ3a及び/又は第2クラッチ3bを介して、自動変速機2に伝達される。第1クラッチ3aは、自動変速機2が有する前進6速、後進1速の変速用歯車列のうち、偶数段の歯車列(2速段、4速段、6速)と後進段に連結している。また、第2クラッチ3bは、奇数段(1速段、3速段、5速段)に連結している。エンジン1にて発生した駆動トルクは、第1クラッチ3aまたは第2クラッチ3bを経由して自動変速機2へと入力され、各変速段に対応した所定歯車列および軸を経由して、図示していない駆動輪へと伝達される。自動変速機2の詳細構成については、図2を用いて後述する。
また、電子制御系の構成としては、変速機制御装置100と、エンジン制御装置200を有し、両者は、双方向データ通信により各種のデータが情報交換される構成となっている。
変速機制御系は、アクセル開度センサ101と、クラッチ回転数センサ102と、出力軸回転数センサ(車速センサ)103と、シフト位置センサ(変速段検出手段)104と、ブレーキスイッチ105と、第1クラッチアクチュエータ4aと、第2クラッチアクチュエータ4bと、シフトアクチュエータ5により構成される。アクセル開度センサ101は、運転者のアクセル操作量APSを検出し、その信号を変速機制御装置100に出力する。クラッチ回転数センサ102は、第1クラッチ3aおよび第2クラッチ3bの出力軸、すなわち変速機入力軸の回転速度Ncをそれぞれ検出し、その信号を変速機制御装置100に出力する。出力軸回転数センサ103は、自動変速機2の出力軸における回転速度Noを検出し、その信号を変速機制御装置100に出力する。シフト位置センサ104は、シフトアクチュエータ5の動作により所定変速段を形成しているギア位置PNRDを検出し、その信号を変速機制御装置100に出力する。ブレーキスイッチ105は、運転者のブレーキ操作の有無Brを検出し、その信号を変速機制御装置100に出力する。第1クラッチアクチュエータ4aおよび第2クラッチアクチュエータ4bは、変速機制御装置100からの制御指令に基づいて、第1クラッチ3aおよび第2クラッチ3bに作用する係合力を調整し、エンジン1からの動力の伝達・遮断を行って車両を発進させたり停止させたりする。さらに、走行中に第1クラッチ3aおよび第2クラッチ3bの係合・解放を行うことで、変速機内部のトルク伝達経路が切り替わり、クラッチ・ツウ・クラッチ変速動作を実現する。ここで、クラッチアクチュエータは油圧式、あるいは電気式など構成を限定するものではなく、クラッチに作用する係合力を調整するアクチュエータであればよいものである。
シフトアクチュエータ5は、歯車選択装置であり、変速機制御装置100からの制御指令に基づいて、自動変速機2に搭載されている図示していない1−3速シフトフォーク,5速シフトフォーク,2−4速シフトフォーク,6−R速シフトフォークを選択的に作動させて、変速機入力軸と変速機出力軸とを連結状態とし、所定変速段を形成する。
エンジン制御系は、アクセル開度センサ101と、スロットル開度センサ202と、エンジン回転数センサ203と、空気量センサ204と、電制スロットル6により構成される。アクセル開度センサ101は、運転者のアクセル操作量APSを検出し、その信号をエンジン制御装置200に出力する。スロットル開度センサ202は、電制スロットル6のスロットルバルブの開度θTHを検出し、その信号をエンジン制御装置200に出力する。エンジン回転数センサ203は、エンジン1の回転速度Neを検出し、その信号をエンジン制御装置200に出力する。空気量センサ204は、エンジン1の吸気ポート(図示していない)に流入する空気量Qaを計測し、その信号をエンジン制御装置200に出力する。電制スロットル6は、エンジン制御装置200からの制御指令に基づいて、エンジン吸気系に設けられたスロットルバルブ開度を制御する。なお、変速機制御装置100はエンジン制御装置200に対して要求トルク指令を送信し、エンジン制御装置200では、受信した要求トルク指令に基づいて電制スロットル6を作動させたり、あるいは点火時期を変化させることで、エンジン1の発生トルクを制御することができる。
変速機制御装置100では、クラッチ・ツウ・クラッチ変速動作のトルク相において変速機出力軸に発生させるべく伝達トルクの目標波形を設定する。本実施形態では、このトルク相における目標波形は曲線的に滑らかに設定する。そして、この目標波形に基づいて、エンジン1の発生トルクを係合側クラッチと解放側クラッチとで分担するためのトルク分担比を演算する。そして、駆動軸側(変速制御中は解放側)の変速機入力軸において発生しているトルクを推定し、この推定値と上記演算したトルク分担比に基づいて、それぞれのクラッチの目標トルクを演算する。
このように、変速機制御装置100の主要部を構成することにより、トルク相におけるクラッチ伝達トルクの設定自由度が増大し、変速性能を向上させることが可能となる。
次に、図2を用いて、本実施形態による自動変速機の構成について説明する。
図2は、本発明の第1の実施形態による自動変速機の構成を示すスケルトン図である。
図2は、ツインクラッチ式変速機を示している。エンジン1とクラッチユニット3は直結され、第1クラッチ3aは第1入力軸41aに、第2クラッチ3bは第2入力軸41bに直結されている。第2クラッチ入力軸41bは中空になっており、第1入力軸41aは第2入力軸41bの中空部分を貫通し、回転方向への相対運動が可能な構成となっている。第1入力軸41aには、2速ドライブギア52,4速ドライブギア54,および6速ドライブギア56が固定されており、第1入力軸41aに対しては回転自在となっている。また、第2入力軸41bには、1速ドライブギア51,3速ドライブギア53,5速ドライブギア55,および図示していないR速ドライブギアが固定されており、第1入力軸41aに対しては、回転自在となっている。また、第1クラッチ回転数センサ102aが2速ドライブギア52に、第2クラッチ回転数センサ102bが1速ドライブギア51に取り付けられており、それぞれの軸の回転数を検出する。
また、変速機出力軸42には、1速ドリブンギア61,2速ドリブンギア62,3速ドリブンギア63,4速ドリブンギア64,5速ドリブンギア65,6速ドリブンギア66,および図示していないR速ドリブンギアが回転自在に取り付けられている。そして、1速ドリブンギア61と3速ドリブンギア63との間には、回転同期機構を有した第1噛合いクラッチ70aが設けられている。また、図示していないシフトアクチュエータ5を制御して1−3速シフトフォークを操作し、第1噛合いクラッチ70aを左右方向に移動させることにより、1速ドリブンギア61、あるいは3速ドリブンギア63を変速機出力軸42と連結状態にすることができる。したがって、1速ドライブギア51、または3速ドライブギア53から1速ドリブンギア61または3速ドリブンギア63に伝達された伝達トルクは、第1噛合いクラッチ309を介して変速機出力軸42に伝達される。
同様に、5速ドリブンギア65には、第2噛合いクラッチ70bが設けられている。そして、図示しないシフトアクチュエータ5を制御して5速シフトフォークを操作し、第2噛合いクラッチ70bを左方向に移動させることにより、5速ドリブンギア65を変速機出力軸42と連結状態にすることができる。2速ドリブンギア62と4速ドリブンギア64との間には、第3噛合いクラッチ70cが設けられている。そして、図示しないシフトアクチュエータ5を制御して2−4速シフトフォークを操作し、第3噛合いクラッチ70cを左右方向に移動させることにより、2速ドリブンギア62、あるいは4速ドリブンギア64を変速機出力軸42と連結状態にすることができる。6速ドリブンギア66および図示しないR速ドリブンギアとの間には、第4噛合いクラッチ70dが設けられている。そして、図示しないシフトアクチュエータ5を制御して6−R速シフトフォークを操作し、第4噛合いクラッチ70dを左右方向に移動させることにより、6速ドリブンギア66、あるいはR速ドリブンギアを変速機出力軸42と連結状態にすることができる。出力軸回転数センサ103は1速ドリブンギア61に取り付けられており、変速機出力軸42の回転数を検出する。
変速機制御装置100において変速指令が発生すると、係合側クラッチの軸に連結したギア操作が完了しているか否かを判断する。完了している場合には、図1に示した第1クラッチアクチュエータ4aおよび第2クラッチアクチュエータ4bを動作させて、第1クラッチ3aおよび第2クラッチ3bを係合・解放することでクラッチ・ツウ・クラッチ変速を実行する。
次に、図3〜図8を用いて、本実施形態による自動変速機の制御装置の主要部の構成及び制御内容について説明する。
最初に、図3を用いて、本実施形態による自動変速機の制御装置の主要部の構成について説明する。
図3は、本発明の第1の実施形態による自動変速機の制御装置の主要部の構成を示すブロック図である。
変速機制御装置100は、目標出力軸トルク設定手段110と、入力軸トルク推定手段120と、トルク分担比決定手段130と、係合側クラッチトルク演算手段140と、解放側クラッチトルク演算手段150とで構成される。目標出力軸トルク設定手段110は、アクセル開度センサ101にて検出した信号APSと、変速前後のギア比とを用いて、トルク相における変速機出力軸トルクの目標波形TTOTを曲線的に設定する。目標出力軸トルク設定手段110の詳細制御内容については、図4〜図6を用いて後述する。入力軸トルク推定手段120は、エンジン回転数センサ203にて検出した信号Neと、空気量センサ204にて検出した信号Qaとを用いて、第1クラッチ3aおよび第2クラッチ3bを介して自動変速機2へ伝達される入力トルクSTINを推定する。
トルク分担比演算手段130は、目標出力軸トルク設定手段110において設定した目標出力軸トルクTTOTに基づいて、トルク相における係合側クラッチおよび解放側クラッチとのトルク分担比(係合側:GTCON,開放側:1−GTCON)を演算する。トルク分担比演算手段130の詳細制御内容については、図7及び図8を用いて後述する。係合側クラッチトルク演算手段140は、トルク相において推定入力トルクのうち係合側クラッチが受け持つべき伝達トルクTTCONを演算し、その結果を係合側クラッチアクチュエータ4aに出力する。同様に解放側クラッチトルク演算手段150では、解放側クラッチが受け持つべき伝達トルクTTCOFを演算し、その結果を解放側クラッチアクチュエータ4bに出力する。
このように、変速機制御装置100の主要部を構成することにより、トルク相におけるクラッチ伝達トルクの設定自由度が増大し、変速性能を向上させることが可能となる。
次に、図4〜図6を用いて、本実施形態による自動変速機の制御装置の目標出力軸トルク設定手段110の制御内容について説明する。
図4は、本発明の第1の実施形態による自動変速機の制御装置の目標出力軸トルク設定手段の制御内容を示すフローチャートである。図5及び図6は、本発明の第1の実施形態による自動変速機の制御装置の目標出力軸トルク設定手段が用いるマップの説明図である。
ステップS401において、目標出力軸トルク設定手段110は、各センサにて検出した信号および信号から演算した各種パラメータを読み込む。次に、ステップS402において、エンジン制御ユニット200にて演算したドライバ要求トルクTTINを読み込む。ドライバ要求トルクTTINは、アクセル開度APSおよびエンジン回転数Neとを用いた周知の演算手法により算出される。
次に、ステップS403において、変速前の目標出力軸トルクTTOTPREを算出する。変速前の目標出力軸トルクTTOTPREは、変速前のギア比をGRPREとすると、以下の式(1)により算出される。

TTOTPRE = TTIN × GRPRE [Nm] …(1)

同様に、ステップS404において、変速後の目標出力軸トルクTTOTNXTを算出する。変速後の目標出力軸トルクTTOTNXTは、変速後のギア比をGRNXTとすると、以下の式(2)により算出される。

TTOTNXT = TTIN × GRNXT [Nm] …(2)

次に、ステップS405において、トルク相のクラッチ制御を実行する制御時間の目標値TTMTRQを設定する。具体的には、図5に示すようにアクセル開度APSのデータテーブルによりトルク相目標制御時間が設定されており、またデータテーブルは変速種毎に設定されている。
次に、ステップS406において、設定したトルク相目標制御時間に対する実際の経過時間の割合を示すトルク相経過率RTTRQを算出する。トルク相経過率RTTRQは、トルク相の経過時間をTMRTRQとすると、以下の式(3)により算出される。

RTTRQ = TMRTRQ ÷ TTMTRQ × 100 [%] …(3)

次に、ステップS407において、トルク相における目標出力軸トルクの波形を変化ゲインGTOTRQとして設定する。具体的には、図6に示すようにステップS406において算出されたトルク相経過率RTTRQとステップS402において読み込まれたドライバ要求トルクTTINとのデータマップにより、目標出力軸トルク変化ゲインGTOTRQが設定される。さらに、データマップは変速種毎に設定されている。ここで、トルク相における変速機出力軸トルク波形は、トルク相開始時の値からトルク相終了時の値まで曲線的に変化させると、体感的に良好な変速性能が得られることが実験的に明らかである。よって、目標出力軸トルク変化ゲインGTOTRQは、トルク相経過率RTTRQに対して曲線的に変化するよう設定されている。
次に、ステップS408において、変速前の目標出力軸トルクTTOTPRE、変速後の目標出力軸トルクTTOTNXT、および目標出力軸トルク変化ゲインGTOTRQを用いて、トルク相における目標出力軸トルクTTOTを算出する。トルク相における目標出力軸トルクTTOTは、具体的には、以下の式(4)により算出される。

TTOT =TTOTPRE×(1 −GTOTRQ )+TTOTNXT×GTOTRQ [Nm] …(4)

このように、ステップS401からS408の処理を実行し、目標出力軸トルクTTOTを設定する一連の処理フローが終了する。
次に、図7を用いて、本実施形態による自動変速機の制御装置のトルク分担比演算手段130の制御内容について説明する。
図7は、本発明の第1の実施形態による自動変速機の制御装置のトルク分担比演算手段の制御内容を示すフローチャートである。
最初に、ステップS701において、トルク分担比演算手段130は、各センサにて検出した信号および信号から演算した各種パラメータを読み込む。次に、ステップS702において、目標出力軸トルク設定手段にて設定した目標出力軸トルクTTOTの中の目標出力軸トルク変化ゲインGTOTRQを読み込む。
次に、ステップS703において、変速指令がアップシフトが否かの判断を実行する。YESの場合にはステップS704に進み、NOの場合にはダウンシフトと判断しステップS705に進む。ここで、アップシフトの場合は、係合側クラッチの伝達トルクを増加することにより、解放側クラッチで受け持っていた伝達トルクが減少し、エンジンの発生トルクが移り変わる。つまり、トルク相における変速機出力軸トルクは、係合側クラッチの伝達トルクに依存する。よって、ステップS704では、係合側クラッチのトルク分担比GTCONとして、読み込んだ目標出力軸トルク変化ゲインGTOTRQを代入する。そして、解放側クラッチのトルク分担比GTCOFは、(1−GTCON)により算出される。
一方、ダウンシフトの場合は、解放側クラッチの伝達トルクを減少させることにより、エンジンの発生トルクが係合側クラッチへと移り変わる。つまり、トルク相における変速機出力軸トルクは、解放側クラッチの伝達トルクに依存する。よって、ステップS705では、解放側クラッチのトルク分担比GTCOFとして、(1−GTOTRQ)を代入する。ここで、ダウンシフトではギア比の大小関係から符号が反転するため、(1−GTOTRQ)の演算となっている。そして、係合側クラッチの分担比GTCONは、(1−GTCOF)により算出される。
このように、ステップS701からS705の処理を実行し、トルク分担比を演算する一連の処理フローが終了する。
次に、図8を用いて、本実施形態による自動変速機の制御装置の全体としての制御内容について説明する。
図8は、本発明の第1の実施形態による自動変速機の制御装置の全体としての制御内容を示すフローチャートである。
最初に、ステップS801において、変速機制御装置100は、各センサにて検出した信号および信号から演算した各種パラメータを読み込む。
次に、ステップS802において、入力軸トルク推定手段120は、エンジン回転数NEの単位時間あたりの変化量をエンジン回転数変化DNEとして算出する。ここでは、一例として50ms間の変化量を算出する。50ms前のエンジン回転数をNEz5とすると、エンジン回転数変化DNEは、以下の式(5)により算出される。

DNE = ( NE − NEz5 )÷ 50 [rpm/ms] …(5)

次に、ステップS803において、入力軸トルク推定手段120は、算出したエンジン回転数変化DNEを周知のディジタルフィルタ手法によりフィルタリング処理し、フィルタ後エンジン回転数変化DNEFLとして算出する。
次に、ステップS804において、入力軸トルク推定手段120は、エンジンにて発生しているトルクを推定エンジントルクSTEGとして演算する。推定エンジントルクSTEGを算出する一例としては、エンジン回転数NEおよび空気量Qaとのデータテーブルにより算出することができる。
次に、ステップS805において、入力軸トルク推定手段120は、クラッチを介して自動変速機に入力される入力軸の発生トルクを算出する。上述の推定エンジントルクSTEGは、エンジンの出力軸に発生するトルクであり、クラッチにて受け持つ実際の変速機に入力されるトルクは、エンジン回転数変化による慣性トルクを考慮する必要がある。よって、推定入力トルクSTINは、以下の式(6)により算出する。

STIN = STEG − DNEFL [Nm] …(6)

次に、ステップ806において、係合側クラッチトルク演算手段140は、算出した推定入力トルクSTINと上述の係合側トルク分担比GTCONとを乗じて、トルク相における係合側クラッチにて受け持つべきクラッチ伝達トルクTTCONとする。
同様に、ステップS807において、解放側クラッチトルク演算手段150は、算出した推定入力トルクSTINと上述の解放側トルク分担比GTCOFとを乗じて、トルク相における解放側クラッチにて受け持つべきクラッチ伝達トルクTTCOFとする。
このように、ステップS801からS807の処理を実行し、入力軸トルク推定演算、および係合側と解放側とのクラッチ伝達トルクを演算する一連の処理フローが終了する。
以上述べたように、変速機制御装置100の処理フローを構成することにより、トルク相におけるクラッチ伝達トルクの設定自由度が増大し、変速性能を向上させることが可能となる。
次に、図9を用いて、本実施形態による自動変速機の制御装置によるアップシフト時の制御動作について説明する。
図9は、本発明の第1の実施形態による自動変速機の制御装置によるアップシフト時の制御動作を示すタイムチャートである。
図9において、図9(A)の縦軸は、上述の目標出力軸トルクTTOTを示す。図9(B)の縦軸は、上述のエンジン回転数NE、係合側クラッチ回転数NION、および解放側クラッチ回転数NIOFを示している。また、図9(C)の縦軸は、上述の係合側トルク分担比GTCON、および解放側トルク分担比GTCOFを示す。図9(D)の縦軸は、上述の推定入力トルクSTIN、係合側クラッチ目標トルクTTCON、および解放側クラッチ目標トルクTTCOFを示している。また、各図の横軸は、時間を示している。
時刻t0において、変速指令(アップシフト)が発生すると、係合側クラッチの出力軸に連結した変速ギアが正しく選択されていないため、まずギア締結動作が実行される。
次に、時刻t1において、所望の変速ギアの勘合が検出されると、トルク相のクラッチ制御が開始される。トルク相制御が開始すると、目標出力軸トルク設定手段110は、図9(A)に示すように、目標出力軸トルクTTOTがトルク相終了時まで曲線的に変化するよう設定する。そして、トルク分担比演算130にて設定された目標出力軸トルク波形に基づいて、図9(C)に示すように、係合側クラッチのトルク分担比GTCONが演算され、トルク相の経過にともなって0から1へと増加する。一方、解放側クラッチのトルク分担比GTCOFはGTCONに基づいて演算され、トルク相の経過にともなって1から0へと減少する。そして、入力軸トルク推定手段120にて演算した推定入力トルクSTINにトルク分担ゲインを乗じて、図9(D)に示すように、係合側クラッチ目標トルクTTCON、および解放側クラッチ目標トルクTTCOFが演算される。
次に、時刻t2において、トルク相が終了したことを判断すると、変速制御としてはイナーシャ相の制御に移行する。イナーシャ相では、推定入力トルクSTINとエンジン回転数NEの変化により発生するイナーシャトルクとの総和を締結側クラッチにより伝達する。ここで、イナーシャ相における目標出力軸トルクTTOTは、図9(A)に破線で示すように、イナーシャトルクの増加分を発生させないよう設定している。そこで、トルク相と同様にイナーシャ相の目標制御時間を設定し、この目標制御時間とイナーシャ相前後の回転数差とを用いて回転変化にともなうイナーシャトルクを演算する。そして、このイナーシャトルク分をエンジン制御装置200にトルクダウン要求指令として出力する。エンジン制御装置200では、現在発生しているエンジントルクからイナーシャトルク分を減少させるよう点火時期または燃料噴射量を変更する。ここで、エンジンの発生トルクはトルクダウン要求により一時的に減少するが、推定エンジントルクSTEGはようにエンジン回転数Neと吸入空気量Qaとにより算出されるため、トルクダウン要求の影響を受けることなく算出される。
そして、時刻t3において、図9(B)に示すように、エンジン回転数NEが係合側クラッチ回転数NIONと一致したことを判断して、アップシフト時の一連の変速制御が終了する。
ここで、トルク相における変速性能を改善する場合には、目標出力軸トルク設定手段110にて設定するトルク変化ゲインGTOTRQを変更することで、所望の変速性能を実現させることができる。例えば、図中に実線で示す特性を通常の変速制御とするとき、図9(A),(C),(D)に一点鎖線で示すように、各特性を変えることができる。トルク相における目標出力軸トルクを、図9(A)に一点鎖線で示すように変更することで、図9(C)に一点鎖線で示すように、係合側クラッチのトルク分担比GTCONと、解放側クラッチのトルク分担比GTCOFが変わり、その結果、図9(D)に示すように、係合側クラッチ目標トルクTTCON、および解放側クラッチ目標トルクTTCOFが変更される。結果として、図中に実線で示す場合のトルク相における変速時間がT1なのに対して、図中に一点鎖線で示す場合のトルク相における変速時間はT2となり、トルク相における変速時間T1より短くできる。従って、多少トルク変動が生じても素早い変速動作を希望するスポーティ走行の場合などは、図中に一点鎖線で示す特性とすることができる。
さらに、本実施形態では、トルク相における目標出力軸トルクTTOTを曲線的に滑らかに設定することが可能である。従来の方式は、係合側クラッチの伝達トルクを直線的に増加させ、解放側クラッチの伝達トルクを直線的に減少させて、クラッチ・ツウ・クラッチ変速を実行するものである。この場合、図9(D)のX部(トルク相の始めにクラッチ目標トルクが変化する部分)とY部(トルク相の終わりにクラッチ目標トルクが変化する部分)において、本実施形態のように曲線的に変化させる場合に比べて、クラッチ目標トルクの変化率が大きくなる。クラッチ目標トルクの変化率が大きいというのことは、X部やY部において、トルク変動が大きいことを意味し、結果として、変速時のショックとして、車両の運転者に不快感を与えることになる。それに対して、本実施形態では、トルク相における目標出力軸トルクTTOTを曲線的に滑らかに設定するので、変速時のショックを低減することができ、変速性能を向上できる。
このように、アップシフト時のトルク相における目標出力軸トルクを曲線的に設定し、これに基づいてクラッチ伝達トルクを演算することにより、クラッチ伝達トルクの設定自由度が増大し、変速性能を向上させることが可能となる。
なお、本実施形態では、最初に、目標出力軸トルクを算出し、一方で、係合側クラッチのトルク分担比GTCONと、解放側クラッチのトルク分担比GTCOFを求め、さらに、目標出力軸トルクに、係合側クラッチのトルク分担比GTCON及び解放側クラッチのトルク分担比GTCOFを乗算して、係合側クラッチ目標トルクTTCON、および解放側クラッチ目標トルクTTCOFを求めているが、これに対して、係合側クラッチ目標トルクTTCON、および解放側クラッチ目標トルクTTCOFを直接算出するようにすることもできる。このときも、トルク相における係合側クラッチ目標トルクTTCON、および解放側クラッチ目標トルクTTCOFを曲線的に滑らかに設定する。但し、この方式では、前述の本実施形態による方式に比べてデータ数が増加する問題がある。なぜならば、係合側クラッチ目標トルクTTCON、および解放側クラッチ目標トルクTTCOFのそれぞれについて、何通りかの候補を求め、最適な両者の組合せを選択する必要があるからである。一方、本実施形態では、最初に求めるのは、目標出力軸トルクだけであり、係合側クラッチのトルク分担比GTCONと、解放側クラッチのトルク分担比GTCOFとも、一方を求めれば他方が求まるので、データ数を減少することができる。
次に、図10を用いて、本実施形態による自動変速機の制御装置によるダウンシフト時の制御動作について説明する。
図10は、本発明の第1の実施形態による自動変速機の制御装置によるダウンシフト時の制御動作を示すタイムチャートである。
図10において、図10(A)〜図10(D)の縦軸は、図9と同様である。また、各図の横軸は、時間を示している。
時刻t0において、変速指令(ダウンシフト)が発生すると、イナーシャ相のクラッチ制御が実行される。イナーシャ相では、イナーシャ相の目標制御時間を設定し、この目標制御時間とイナーシャ相前後の回転数差とを用いて、図10(A)に示すように、回転変化にともなうイナーシャトルクを演算する。そして、解放側クラッチ目標トルクTTCONが推定入力トルクSTINをすべて受け持っている状態から、イナーシャトルク分を減少させることにより所望のエンジン回転数上昇を実現する。
次に、時刻t1において、図10(B)に示すように、エンジン回転数NEが係合側クラッチ回転数NIONと一致したことを判断すると、トルク相のクラッチ制御を開始する。トルク相制御が開始すると、目標出力軸トルク設定手段110は、図10(A)に示すように、目標出力軸トルクTTOTがトルク相終了時まで曲線的に変化するよう設定する。そして、トルク分担比演算130にて設定された目標出力軸トルク波形に基づいて、図10(C)に示すように、解放側クラッチのトルク分担比GTCOFが演算され、トルク相の経過にともなって1から0へと減少する。一方、締結側クラッチのトルク分担比GTCONはGTCOFに基づいて演算され、トルク相の経過にともなって0から1へと増加する。そして、入力軸トルク推定手段120にて演算した推定入力トルクSTINにトルク分担ゲインを乗じて、図10(D)に示すように、係合側クラッチ目標トルクTTCON、および解放側クラッチ目標トルクTTCOFが演算される。
次に、時刻t2において、トルク相が終了したことを判断すると、ダウンシフト時の一連の変速制御が終了する。
ここで、トルク相における変速性能を改善する場合には、目標出力軸トルク設定手段110にて設定するトルク変化ゲインGTOTRQを変更することで、所望の変速性能を実現させることができる。
さらに、本実施形態では、トルク相における目標出力軸トルクTTOTを曲線的に滑らかに設定することが可能である。
このように、ダウンシフト時のトルク相における目標出力軸トルクを曲線的に設定し、これに基づいてクラッチ伝達トルクを演算することにより、クラッチ伝達トルクの設定自由度が増大し、変速性能を向上させることが可能となる。
次に、図11を用いて、本発明の第2の実施形態による自動変速機の制御装置の構成及び動作について説明する。
図11は、本発明の第2の実施形態による自動変速機の制御装置の主要部を示すシステム構成図である。
エンジン1にて発生したトルクは、トルクコンバータ82を介して第1クラッチ入力軸81aおよび第2クラッチ入力軸81bに入力される。本実施形態では、第1クラッチ82aが2速用クラッチであり、第2クラッチ82bが3速用クラッチである。第1クラッチ82aの出力側には2速用ギア83が接続されており、第2クラッチ82bの出力側には3速用ギア85が接続されている。そして、これらの変速用ギアが出力ギア84に噛合わされ、この出力ギア84に変速機出力軸86が接続されている。そして、図示しないアクチュエータにより、第1クラッチ82aを係合状態から解放し、第2クラッチ82bを解放状態から係合することによって、変速機内部のトルクの伝達経路が切り替わり、2速から3速への変速動作を実現する。
このようなトルクコンバータ付きの自動変速機においても、変速動作のトルク相における本発明のクラッチ制御を適用することにより、同様の効果を得ることができる。
変速機制御装置100は、図3に示した目標出力軸トルク設定手段110により、トルク相における変速機出力軸86に発生する出力軸トルクの目標値TTOTを曲線的に滑らかに設定する。そして、図3に示した入力軸トルク推定120では、トルクコンバータ80の諸特性を用いて、第1クラッチ入力軸81aおよび第2クラッチ入力軸81bに発生する推定入力トルクSTINを演算する。図3に示したトルク分担比演算手段130は、設定した目標出力軸トルクに基づいて、係合側クラッチおよび解放側クラッチにて受け持つべき伝達トルクを決定するためのトルク分担比GTCONおよびGTCOFを演算する。そして、推定入力トルクSTINとトルク分担ゲインGTCONおよびGTCOFから、係合側クラッチ目標トルクGTCONおよび解放側クラッチ目標トルクGTCOFを演算する。
このように、トルクコンバータ付き自動変速機においても、トルク相におけるクラッチ伝達トルクの設定自由度が増大し、変速性能を向上させることが可能となる。
なお、本発明は、自動変速機の構成をツインクラッチ式変速機に限定するものではなく、複数のクラッチに作用する係合力を個々に制御し、一方のクラッチを係合すると同時に他方のクラッチを解放することにより、変速動作を実現する自動変速機であればよいものである。
本発明の第1の実施形態による自動変速機の制御装置の主要部を示すシステム構成図である。 本発明の第1の実施形態による自動変速機の構成を示すスケルトン図である。 本発明の第1の実施形態による自動変速機の制御装置の主要部の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態による自動変速機の制御装置の目標出力軸トルク設定手段の制御内容を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態による自動変速機の制御装置の目標出力軸トルク設定手段が用いるマップの説明図である。 本発明の第1の実施形態による自動変速機の制御装置の目標出力軸トルク設定手段が用いるマップの説明図である。 本発明の第1の実施形態による自動変速機の制御装置のトルク分担比演算手段の制御内容を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態による自動変速機の制御装置の全体としての制御内容を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態による自動変速機の制御装置によるアップシフト時の制御動作を示すタイムチャートである。 本発明の第1の実施形態による自動変速機の制御装置によるダウンシフト時の制御動作を示すタイムチャートである。 本発明の第2の実施形態による自動変速機の制御装置の主要部を示すシステム構成図である。
符号の説明
1…エンジン
2…自動変速機
3a…第1クラッチ
3b…第2クラッチ
4a…第1クラッチアクチュエータ
4b…第2クラッチアクチュエータ
5…シフトアクチュエータ
6…電制スロットル
100…変速機制御装置
200…エンジン制御装置
110…目標出力軸トルク設定手段
120…入力軸トルク推定手段
130…トルク分担比演算手段
140…係合側クラッチトルク演算手段
150…解放側クラッチトルク演算手段

Claims (7)

  1. 複数のクラッチに作用する係合力を個々に制御し、一方のクラッチを係合すると同時に他方のクラッチを解放することにより、変速動作を実現する自動変速機の制御装置であって、
    前記複数のクラッチの内、解放側クラッチに作用する係合力を曲線的に変化させるとともに、締結側クラッチに作用する係合力を曲線的に変化させる制御手段を備えることを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 請求項1記載の自動変速機の制御装置において、
    前記制御手段は、
    前記変速動作のトルク相における前記変速機の出力軸に伝達されるトルクの目標値を曲線的に設定した後、このトルク目標値に基づいて、前記解放側クラッチに作用する係合力を求めることを特徴とする自動変速機の制御装置。
  3. 請求項2記載の自動変速機の制御装置において、
    前記制御手段は、
    前記変速動作のトルク相における前記変速機の出力軸に伝達されるトルクの目標値を曲線的に設定する目標出力軸トルク設定手段と、
    前記設定した目標出力軸トルクに基づいて、前記係合側クラッチに作用する係合力を演算する係合側クラッチトルク演算手段と、
    前記設定した目標出力軸トルクに基づいて、前記解放側クラッチに作用する係合力を演算する解放側クラッチトルク演算手段とを備えることを特徴とする自動変速機の制御装置。
  4. 請求項2記載の自動変速機の制御装置において、
    前記制御手段は、前記変速動作がアップシフトのとき、
    前記設定した目標出力軸トルクに基づいて、前記係合側クラッチに作用する係合力を演算し、
    前記演算した係合側クラッチに作用する係合力に基づいて、前記解放側クラッチに作用する係合力を演算することを特徴とする自動変速機の制御装置。
  5. 請求項2記載の変速機の制御装置において、
    前記制御手段は、前記変速動作がダウンシフトのとき、
    前記設定した目標出力軸トルクに基づいて、前記解放側クラッチに作用する係合力を演算し、
    前記決定した解放側クラッチに作用する係合力に基づいて、前記係合側クラッチに作用する係合力を演算することを特徴とする変速機の制御装置。
  6. 複数のクラッチに作用する係合力を個々に制御し、一方のクラッチを係合すると同時に他方のクラッチを解放することにより、エンジンの発生トルクの伝達経路を切り替えて変速動作を実現する自動変速機の制御方法であって、
    前記複数のクラッチの内、解放側クラッチに作用する係合力を曲線的に変化させるとともに、締結側クラッチに作用する係合力を曲線的に変化させることを特徴とする自動変速機の制御方法。
  7. 複数のクラッチを有する自動変速機と、
    前記複数のクラッチに作用する係合力を個々に制御し、一方のクラッチを係合すると同時に他方のクラッチを解放することにより、変速動作を実現する自動変速機の制御装置とを有する自動変速装置であって、
    前記自動変速機の制御装置は、前記複数のクラッチの内、解放側クラッチに作用する係合力を曲線的に変化させるとともに、締結側クラッチに作用する係合力を曲線的に変化させる制御手段を備えることを特徴とする自動変速装置。
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