JP2007186362A - 半導体層成長用基板およびそれを用いた半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】転位密度の小さい、良好なGaN系半導体層を形成することができる、半導体層成長用基板と、それを用いた、特性に優れた半導体装置とを提供する。
【解決手段】半導体層成長用基板は、前記半導体層成長用基板を形成するZrB2単結晶の、a軸の格子定数を、0.3169±0.001nmとした。半導体装置は、前記半導体層成長用基板と、前記半導体層成長用基板の主面上にエピタキシャル成長させたGaN系半導体層とを備える。
【選択図】なし
【解決手段】半導体層成長用基板は、前記半導体層成長用基板を形成するZrB2単結晶の、a軸の格子定数を、0.3169±0.001nmとした。半導体装置は、前記半導体層成長用基板と、前記半導体層成長用基板の主面上にエピタキシャル成長させたGaN系半導体層とを備える。
【選択図】なし
Description
本発明は、GaN系半導体層をエピタキシャル成長させるために用いる半導体層成長用基板と、前記半導体層成長用基板を用いてエピタキシャル成長させたGaN系半導体層を備える半導体装置に関するものである。
GaNやAlxGa1-xN(xは0<x≦0.5)等の、GaN系の半導体は、特に、青色ないし紫外域の光を発光する半導体発光ダイオードや半導体レーザ等の、発光素子の形成材料として有用であることから、実用化に向けての研究が広く行われている。しかし、GaN系の半導体は、融点が高いことや、平衡蒸気圧の高い窒素が、加熱時に、組成中から失われやすいことから、引き上げ法等による、バルク単結晶の製造が困難である。
そのため、例えば、サファイアやSiC等からなる半導体層成長用基板を用いて、前記半導体層成長用基板の主面上に、例えば、有機金属化学気相成長法(MOCVD法)等によって、GaN系半導体層をエピタキシャル成長させることが検討されているが、前記従来の半導体層成長用基板は、エピタキシャル成長させるGaN系半導体層との、格子定数の差が大きい(例えば、サファイアとGaNとの格子ミスマッチは13.7%)ため、そのままでは、結晶転位の密度(転位密度)の小さい、良好なGaN系半導体層を形成できないという問題がある。
そこで、前記GaN系半導体層を、半導体層成長用基板の主面上に、低温堆積緩衝層を形成した上にエピタキシャル成長させたり、選択横成長法(ELO:Epitaxial Lateral Overgrowth)や、ファセット制御ELO法(Facet Controlled ELO)等の成長法によってエピタキシャル成長させたりすることが試みられている(例えば、非特許文献1〜3参照)。これらの方法によれば、GaN系半導体層の転位密度を、ある程度は、低減することができる。しかし、GaN系半導体層を含む、発光素子等の半導体装置の製造コストが高くつく上、再現性が十分でない等の問題があり、未だ、実用化に至っていないのが現状である。
そこで、近時、格子定数の差が、従来の半導体層成長用基板に比べて小さい、ZrB2単結晶からなる半導体層成長用基板を用いて、前記半導体層成長用基板の主面上に、GaN系半導体層をエピタキシャル成長させることが検討されている(特許文献1、2参照)。ZrB2単結晶の、GaN系半導体層との格子ミスマッチは0.56%であることから、前記ZrB2単結晶からなる半導体層成長用基板を用いれば、転位密度が著しく小さい、良好なGaN系半導体層を形成できるものと期待されている。
ZrB2単結晶からなる半導体層成長用基板は、例えば、高周波加熱溶融帯法(RF−FZ法)等によって製造することができる。高周波加熱溶融帯法の詳細は、特許文献2、3において説明されているとおりである。
すなわち、RF−FZ法によって、ZrB2単結晶からなる半導体層成長用基板を製造するには、まず、前記ZrB2単結晶のもとになる、1種または2種以上の原料粉末を棒状に成形し、焼結して、原料棒を作製する。次に、前記原料棒の、長さ方向の一端に、結晶成長の起点となる種結晶を接続した状態で、前記原料棒のうち、前記一端側の、長さ方向の一定幅の領域を、高周波誘導加熱によって溶融させて、一定幅の溶融帯を形成する。
すなわち、RF−FZ法によって、ZrB2単結晶からなる半導体層成長用基板を製造するには、まず、前記ZrB2単結晶のもとになる、1種または2種以上の原料粉末を棒状に成形し、焼結して、原料棒を作製する。次に、前記原料棒の、長さ方向の一端に、結晶成長の起点となる種結晶を接続した状態で、前記原料棒のうち、前記一端側の、長さ方向の一定幅の領域を、高周波誘導加熱によって溶融させて、一定幅の溶融帯を形成する。
次に、前記溶融帯を、原料棒の他端側へ向けて、徐々に移動させて行くと、溶融帯が通過した後の領域において、種結晶を起点として、結晶が成長して、棒状のZrB2単結晶が形成される。この後、形成された棒状のZrB2単結晶を、所定の結晶方位に切削すると、ZrB2単結晶からなる半導体層成長用基板が製造される。
「AlGaN系紫外発光素子における転位密度と発光効率」〔天野浩他、日本結晶成長学会誌、第29巻第3号(2002)、第12頁〜第17頁〕 「III族窒化物半導体」(赤崎勇著、培風舘、1999年12月8日、初版発行、第122頁〜第124頁) 「白色LED照明システムの高輝度化・高効率化・長寿命化技術」(三宅秀人著、技術情報協会、2003年3月27日、第1版第1刷発行、第65頁〜第72頁) 特開2002−43223号公報(請求項1、2、段落[0016]〜[0017])
特開2002−348200号公報(請求項1〜4、段落[0009]〜[0010])
特開平10−95699号公報(請求項1、段落[0003]、[0008]〜[0013]、図1)
「AlGaN系紫外発光素子における転位密度と発光効率」〔天野浩他、日本結晶成長学会誌、第29巻第3号(2002)、第12頁〜第17頁〕 「III族窒化物半導体」(赤崎勇著、培風舘、1999年12月8日、初版発行、第122頁〜第124頁) 「白色LED照明システムの高輝度化・高効率化・長寿命化技術」(三宅秀人著、技術情報協会、2003年3月27日、第1版第1刷発行、第65頁〜第72頁)
先に説明したように、GaN系半導体層を含む半導体装置の特性は、前記GaN系半導体層の転位密度に依存していると共に、前記転位密度は、半導体層成長用基板との格子定数の整合性に依存しており、ZrB2単結晶からなる半導体層成長用基板は、GaN系半導体層との格子ミスマッチが小さく、整合性が高いことから、半導体層成長用基板として、最も有望視されている。
ところが、ZrB2単結晶からなる半導体層成長用基板を用いて、実際に、GaN系半導体層をエピタキシャル成長させても、転位密度の小さい、良好なGaN系半導体層を形成できない場合があり、再現性が十分でないという問題がある。
本発明の目的は、転位密度の小さい、良好なGaN系半導体層を形成することができる、半導体層成長用基板と、それを用いた、特性に優れた半導体装置とを提供することにある。
本発明の目的は、転位密度の小さい、良好なGaN系半導体層を形成することができる、半導体層成長用基板と、それを用いた、特性に優れた半導体装置とを提供することにある。
前記目的を達成するため、発明者は、ZrB2単結晶からなる半導体層成長用基板の、GaN系半導体層をエピタキシャル成長させるための主面に、原子ステップ構造を形成することを検討した。
原子ステップ構造とは、ほぼ1原子分の段差構造を、前記主面に、1段ないし複数段、形成した構造であって、例えば、ZrB2単結晶からなる半導体層成長用基板の主面に、前記原子ステップ構造を形成すると、前記主面上に、格子整合性の高いGaN系半導体層を、前記表面の平坦性を保持したまま、二次元成長させることができる。
原子ステップ構造とは、ほぼ1原子分の段差構造を、前記主面に、1段ないし複数段、形成した構造であって、例えば、ZrB2単結晶からなる半導体層成長用基板の主面に、前記原子ステップ構造を形成すると、前記主面上に、格子整合性の高いGaN系半導体層を、前記表面の平坦性を保持したまま、二次元成長させることができる。
そして、二次元成長は、格子間の不連続性を抑制して、エピタキシャル成長層を、欠陥を生じさせることなく成長させるのに適した成長モードであるため、ZrB2単結晶からなる半導体層成長用基板の主面に、前記原子ステップ構造を形成すれば、その上に成長させるGaN系半導体層を、転位密度の小さい、良好なものとすることができるのではないかと考えたのである。
しかし、さらに検討したところ、単に原子ステップ構造を形成しただけでは、依然として、転位密度の小さい、良好なGaN系半導体層を形成できない場合があり、再現性が十分でないという問題が解消されないことが判明した。この原因について、発明者が、さらに検討したところ、半導体層成長用基板を形成するZrB2単結晶の格子定数のばらつきが係わっていることが判明した。
すなわち、GaN系半導体層の転位密度は、前記格子定数の整合性や、原子ステップ構造の有無に大きく依存しているが、半導体層成長用基板を形成するZrB2単結晶の格子定数が、特に、製造工程に依存して大きくばらつくため、格子定数の整合性が低下して、結晶転位の密度の小さい、良好なGaN系半導体層をエピタキシャル成長させることができない場合を生じるのである。また、ZrB2単結晶の格子定数が、製造工程に依存して、大きくばらつくのは、ZrB2の融点が高いため、先に説明した、RF−FZ法等の作製方法によって結晶成長させる際に、加熱が十分でないと結晶の歪みを生じやすいことや、加熱しすぎると、ホウ素が、組成中から失われて、組成が変化しやすいことが原因であると考えられる。
そこで、発明者は、半導体層成長用基板を形成するZrB2単結晶の格子定数が、どの程度の範囲内であれば、前記半導体層成長用基板の、原子ステップ構造を形成した主面上に、転位密度の小さい、良好なGaN系半導体層を形成できるかについて検討した。その結果、前記ZrB2単結晶の、a軸の格子定数が、0.3169±0.001nmであれば、ZrB2単結晶からなる半導体層成長用基板の、原子ステップ構造を形成した主面上に、転位密度の小さい、良好なGaN系半導体層を、再現性良く、形成できることを見出した。
したがって、本発明の半導体層成長用基板は、ZrB2単結晶からなり、主面上に、GaN系半導体層を成長させるための半導体層成長用基板であって、前記ZrB2単結晶の、a軸の格子定数が、0.3169±0.001nmであり、前記主面に、原子ステップ構造が形成されていることを特徴とするものである。
また、本発明の半導体装置は、前記本発明の半導体層成長用基板と、前記半導体層成長用基板の主面上にエピタキシャル成長させたGaN系半導体層とを備えており、前記GaN系半導体層の転位密度を小さくできることから、例えば、発光素子の場合は、高い光電変換効率を有する等、特性に優れたものとなる。
また、本発明の半導体装置は、前記本発明の半導体層成長用基板と、前記半導体層成長用基板の主面上にエピタキシャル成長させたGaN系半導体層とを備えており、前記GaN系半導体層の転位密度を小さくできることから、例えば、発光素子の場合は、高い光電変換効率を有する等、特性に優れたものとなる。
以上のように、本発明によれば、転位密度の小さい、良好なGaN系半導体層を、再現性良く、形成することができる、半導体層成長用基板と、それを用いた、特性に優れた半導体装置とを提供することが可能となる。
本発明の半導体層成長用基板は、ZrB2単結晶からなり、主面上に、GaN系半導体層を成長させるためのものであって、前記ZrB2単結晶の、a軸の格子定数が、0.3169±0.001nmであり、前記主面に、原子ステップ構造が形成されていることを特徴とするものである。
ZrB2単結晶の、a軸の格子定数が前記範囲に限定されるのは、この範囲を外れる場合には、半導体層成長用基板を形成するZrB2単結晶と、前記半導体層成長用基板の主面上に成長させる、GaN系半導体層との、格子定数の整合性が低下するため、原子ステップ構造を形成しても、主面上に、転位密度の小さい、良好なGaN系半導体層を形成できないのに対し、a軸の格子定数を、前記範囲内とした場合には、後述する実施例の結果から明らかなように、原子ステップ構造を形成した主面上に、例えば、転位密度が107/cm2以下といった、転位密度の小さい、良好な特性を有するGaN系半導体層を形成できるためである。
ZrB2単結晶の、a軸の格子定数が前記範囲に限定されるのは、この範囲を外れる場合には、半導体層成長用基板を形成するZrB2単結晶と、前記半導体層成長用基板の主面上に成長させる、GaN系半導体層との、格子定数の整合性が低下するため、原子ステップ構造を形成しても、主面上に、転位密度の小さい、良好なGaN系半導体層を形成できないのに対し、a軸の格子定数を、前記範囲内とした場合には、後述する実施例の結果から明らかなように、原子ステップ構造を形成した主面上に、例えば、転位密度が107/cm2以下といった、転位密度の小さい、良好な特性を有するGaN系半導体層を形成できるためである。
先に説明した非特許文献1には、AlGaN系半導体層の、カソードルミネッセンス(CL)によるダークスポット密度と、発光素子における、有効発光面積との関係について示されており、その中で、前記AlGaN系半導体層は、転位密度が2×107/cm2以下である必要があるとされている。本発明によれば、この要求を十分に満足できるGaN系半導体層を形成することが可能である。
本発明の半導体層成長用基板は、従来同様に、RF−FZ法等によって形成した棒状のZrB2単結晶を、所定の結晶方位に切削した後、その主面に、原子ステップ構造を形成する等して製造することができる。すなわち、RF−FZ法によって、ZrB2単結晶からなる半導体層成長用基板を製造するには、まず、前記ZrB2単結晶のもとになる、1種または2種以上の原料粉末を棒状に成形し、焼結して、原料棒を作製する。次に、前記原料棒の、長さ方向の一端に、結晶成長の起点となる種結晶を接続した状態で、前記原料棒のうち、前記一端側の、長さ方向の一定幅の領域を、高周波誘導加熱によって溶融させて、一定幅の溶融帯を形成する。
次に、前記溶融帯を、原料棒の他端側へ向けて、徐々に移動させて行くと、溶融帯が通過した後の領域において、種結晶を起点として、結晶が成長して、棒状のZrB2単結晶が形成される。この後、形成された棒状のZrB2単結晶を、所定の結晶方位に切削した後、主面を、例えば、平均粒径20〜50μmのSiC研磨材等を用いて粗研磨し、次いで、平均粒径1〜10μmのダイヤモンド研磨材等を用いて仮鏡面研磨する。そして、仕上げに、コロイダルシリカ研磨材を用いて、0.015MPa/cm2以下の研磨圧力で、厚み1μm以上、研磨すると、前記主面に、原子ステップ構造が形成された、半導体層成長用基板が製造される。
コロイダルシリカ研磨材を用いた研磨の研磨圧力が、0.015MPa/cm2以下であるのが好ましいのは、前記範囲を超える場合には、擦過痕が生じて、主面に、原子ステップ構造が形成されないおそれがあるためである。また、厚み1μm以上、研磨するのが好ましいのは、前記厚み未満の研磨では、残留加工歪みのため、主面に、原子ステップ構造が形成されないおそれがあるためである。
前記半導体層成長用基板を形成するZrB2単結晶の、a軸の格子定数を、0.3169±0.001nmに調整するためには、例えば、前記RF−FZ法による、ZrB2単結晶の製造において、原料棒を形成する原料粉末の組成比を調整するか、もしくは、製造した棒状のZrB2単結晶を焼鈍する等して、前記ZrB2単結晶におけるホウ素濃度を65〜68モル%に設定する等の方法が挙げられる。
なお、ZrB2単結晶の、a軸の格子定数は、X線回折装置〔スペクトリス株式会社(Spectris Co., Ltd.) PANalytical事業部製のX'Pert PRO MPD〕を用いて測定した、ブラッグ回折条件を満たす回折角から求めることができる。
前記本発明の半導体層成長用基板によれば、前記半導体層成長用基板を形成するZrB2単結晶の、a軸の格子定数が、0.3169±0.001nmに規定されて、GaN系半導体層との、格子定数の整合性が良好な範囲に維持されていることから、その主面に原子ステップ構造を形成したことと相まって、前記主面上に、例えば、MOCVD法等によって、転位密度の小さい、良好なGaN系半導体層を、再現性良く、形成することができる。
前記本発明の半導体層成長用基板によれば、前記半導体層成長用基板を形成するZrB2単結晶の、a軸の格子定数が、0.3169±0.001nmに規定されて、GaN系半導体層との、格子定数の整合性が良好な範囲に維持されていることから、その主面に原子ステップ構造を形成したことと相まって、前記主面上に、例えば、MOCVD法等によって、転位密度の小さい、良好なGaN系半導体層を、再現性良く、形成することができる。
特に、本発明の半導体層成長用基板は、AlxGa1-xN系半導体層(xは、0<x≦0.5)、中でも、格子定数が0.3189〜0.315nmであるAlxGa1-xN系半導体層との、格子定数の整合性が良好であり、転位密度の小さい、良好なAlxGa1-xN系半導体層を、再現性良く、形成することが可能である。
本発明の半導体装置は、前記本発明の半導体層成長用基板と、前記半導体層成長用基板の主面上にエピタキシャル成長させたGaN系半導体層とを備えることを特徴とするものである。GaN系半導体層は、従来同様に、MOCVD法や、分子ビーム成長法(MBE法)等によって、半導体層成長用基板の、原子ステップ構造が形成された主面上に、エピタキシャル成長させることができる。GaN系半導体層としては、GaNやAlxGa1-xN(xは0<x≦0.5)等の、発光素子等の半導体装置の第1層を形成するGaN系の半導体からなる種々の層が挙げられる。
本発明の半導体装置は、前記本発明の半導体層成長用基板と、前記半導体層成長用基板の主面上にエピタキシャル成長させたGaN系半導体層とを備えることを特徴とするものである。GaN系半導体層は、従来同様に、MOCVD法や、分子ビーム成長法(MBE法)等によって、半導体層成長用基板の、原子ステップ構造が形成された主面上に、エピタキシャル成長させることができる。GaN系半導体層としては、GaNやAlxGa1-xN(xは0<x≦0.5)等の、発光素子等の半導体装置の第1層を形成するGaN系の半導体からなる種々の層が挙げられる。
例えば、本発明の半導体装置としては、ZrB2基板側から順に、
(1) 前記AlxGa1-xN(xは0<x≦0.5)層、
(2) n型不純物をドープしたn型AlxGa1-xN(xは0≦x≦0.5)層、
(3) AlxGayIn1-x-yN(xは0≦x≦0.5、yは0≦y≦1)層とAlmGanIn1-m-nN(mは0≦m≦0.5、nは0≦n≦1)層とを、複数層ずつ、交互に積層した量子井戸層(MQW:Multi Quantum Well)、および
(4) p型不純物をドープしたp型AlxGa1-xN(xは0≦x≦0.5)層
を積層した、多層構造の発光素子等が挙げられる。
(1) 前記AlxGa1-xN(xは0<x≦0.5)層、
(2) n型不純物をドープしたn型AlxGa1-xN(xは0≦x≦0.5)層、
(3) AlxGayIn1-x-yN(xは0≦x≦0.5、yは0≦y≦1)層とAlmGanIn1-m-nN(mは0≦m≦0.5、nは0≦n≦1)層とを、複数層ずつ、交互に積層した量子井戸層(MQW:Multi Quantum Well)、および
(4) p型不純物をドープしたp型AlxGa1-xN(xは0≦x≦0.5)層
を積層した、多層構造の発光素子等が挙げられる。
前記本発明の半導体装置は、本発明の半導体層成長用基板と、前記半導体層成長用基板の主面上にエピタキシャル成長させたGaN系半導体層とを備えており、前記GaN系半導体層の転位密度を小さくできることから、例えば、発光素子の場合は、高い光電変換効率を有する等、特性に優れたものとなる。
(半導体層成長用基板の作製)
平均粒径1μmのZrB2粉末に、ホウ素粉末を添加して、全体のホウ素濃度が、表1に示す値である原料粉末を調製し、この原料粉末を棒状にプレス成形し、焼結して、直径約30mmの原料棒を作製した。次いで、この原料棒を用いて、先に説明した、RF−FZ法によって、直径約1インチの、棒状のZrB2単結晶を形成し、形成したZrB2単結晶を、約2000℃で24時間、焼鈍した後、主面がZrB2単結晶の0001面となるように切削した。次いで、前記主面を、平均粒径35μmのSiC研磨材を用いて粗研磨し、平均粒径3μmのダイヤモンド研磨材を用いて仮鏡面研磨した後、仕上げに、コロイダルシリカ研磨材を用いて、0.015MPa/cm2以下の研磨圧力で、厚み3μm分、研磨することで、前記主面に、原子ステップ構造が形成された、直径1インチ、厚み0.35mmの、ZrB2単結晶からなる半導体層成長用基板を製造した。
平均粒径1μmのZrB2粉末に、ホウ素粉末を添加して、全体のホウ素濃度が、表1に示す値である原料粉末を調製し、この原料粉末を棒状にプレス成形し、焼結して、直径約30mmの原料棒を作製した。次いで、この原料棒を用いて、先に説明した、RF−FZ法によって、直径約1インチの、棒状のZrB2単結晶を形成し、形成したZrB2単結晶を、約2000℃で24時間、焼鈍した後、主面がZrB2単結晶の0001面となるように切削した。次いで、前記主面を、平均粒径35μmのSiC研磨材を用いて粗研磨し、平均粒径3μmのダイヤモンド研磨材を用いて仮鏡面研磨した後、仕上げに、コロイダルシリカ研磨材を用いて、0.015MPa/cm2以下の研磨圧力で、厚み3μm分、研磨することで、前記主面に、原子ステップ構造が形成された、直径1インチ、厚み0.35mmの、ZrB2単結晶からなる半導体層成長用基板を製造した。
製造した半導体層成長用基板を形成するZrB2単結晶の、a軸の格子定数を、先に説明したように、X線回折装置〔スペクトリス株式会社(Spectris Co., Ltd.) PANalytical事業部製のX'Pert PRO MPD〕を用いて測定した、ブラッグ回折条件を満たす回折角から求めた。すなわち、前記X線回折装置を用いて、ZrB2単結晶の、a面の、X線の理論回折角2θ=58.16°の周辺の角度をスキャンさせることで、正確な回折角2θを測定し、測定した回折角を用いて、ブラッグ回折条件式から、ZrB2単結晶の、a軸の格子定数を求めた。
次に、前記半導体層成長用基板の主面上に、MOCVD法によって、厚み約1μmのAlxGa1-xN層(x=0.25)をエピタキシャル成長させた。詳しくは、ZrB2基板を、濃度0.5体積%のフッ酸で約3分間、表面処理した後、MOCVD装置内にセットし、原料ソースであるTMA(トリメチルアルミニウム)とTMG(トリメチルガリウム)の流量比を0.25:0.75に設定して、水素気流中で、基板温度、約1250℃の条件で、前記AlxGa1-xN層をエピタキシャル成長させた。
形成したAlxGa1-xN層の転位密度を、透過型電子顕微鏡を用いて測定した。半導体層成長用基板の主面の、ZrB2単結晶のa軸の格子定数と、前記主面上に形成したAlxGa1-xN層の転位密度との関係を図1に、また、図1の各ポイントの数値と、化学分析法(滴定法)によって求めた、ZrB2単結晶におけるホウ素濃度とを表1に示す。
図1および表1より、半導体層成長用基板を形成するZrB2単結晶の、a軸の格子定数を0.3169±0.001nmとしたとき、前記半導体層成長用基板の主面上に、転位密度が107/cm2以下の、転位密度の小さい、良好な特性を有するAlxGa1-xN層を形成できることが確認された。
比較のため、主面を、コロイダルシリカ研磨材で仕上げる代わりにポリッシュ研磨して、ZrB2単結晶のa軸の格子定数が0.3169nmであるものの、前記主面に、原子ステップ構造を形成していない半導体層成長用基板を作製した。そして、前記実施例と同様にして、主面上に形成したAlxGa1-xN層の転位密度を測定したところ2×109/cm2であって、原子ステップ構造を形成しない場合は、転位密度の小さい、良好な特性を有するAlxGa1-xN層を形成できないことが確認された。
比較のため、主面を、コロイダルシリカ研磨材で仕上げる代わりにポリッシュ研磨して、ZrB2単結晶のa軸の格子定数が0.3169nmであるものの、前記主面に、原子ステップ構造を形成していない半導体層成長用基板を作製した。そして、前記実施例と同様にして、主面上に形成したAlxGa1-xN層の転位密度を測定したところ2×109/cm2であって、原子ステップ構造を形成しない場合は、転位密度の小さい、良好な特性を有するAlxGa1-xN層を形成できないことが確認された。
Claims (4)
- ZrB2単結晶からなり、主面上に、GaN系半導体層を成長させるための半導体層成長用基板であって、前記ZrB2単結晶の、a軸の格子定数が、0.3169±0.001nmであり、前記主面に、原子ステップ構造が形成されていることを特徴とする半導体層成長用基板。
- AlxGa1-xN系半導体層(xは、0<x≦0.5)を成長させるために用いる請求項1記載の半導体層成長用基板。
- 格子定数が0.3189〜0.315nmであるAlxGa1-xN系半導体層を成長させるために用いる請求項2記載の半導体層成長用基板。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の半導体層成長用基板と、前記半導体層成長用基板の主面上に結晶成長させたGaN系半導体層とを備えることを特徴とする半導体装置。
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JP2006003794A JP2007186362A (ja) | 2006-01-11 | 2006-01-11 | 半導体層成長用基板およびそれを用いた半導体装置 |
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