JP2007185707A - 光溶着用光学ユニットおよび光溶着装置 - Google Patents
光溶着用光学ユニットおよび光溶着装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007185707A JP2007185707A JP2006007638A JP2006007638A JP2007185707A JP 2007185707 A JP2007185707 A JP 2007185707A JP 2006007638 A JP2006007638 A JP 2006007638A JP 2006007638 A JP2006007638 A JP 2006007638A JP 2007185707 A JP2007185707 A JP 2007185707A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- optical
- welding
- optical path
- light
- path dividing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Laser Beam Processing (AREA)
Abstract
【課題】複数の光スポットを所望の位置関係に形成でき、光スポットの変位や、各光スポットへの光エネルギの配分の調整が容易である光用着用光学ユニットを実現する。
【解決手段】光源から放射され、光ファイバにより伝搬され、光ファイバの射出端から射出する溶着用光を溶着部に集光させる光学ユニットであって、光ファイバFの射出端FOから射出する光束を集光光束に変換する集光光学系L1、L2と、この集光光学系から射出する集光光束の光路上に配置される1以上の光路分割部材BDと、これら1以上の光路分割部材の、光軸方向への平行変位、光軸の回りの回転変位、光軸に直交する方向への直交変位の、3変位のうちの1以上を行う変位手段200とを有し、1以上の光路分割部材の個々は一体構成で、集光光束の光路を1以上の光路に分割するものである。
【選択図】図1
【解決手段】光源から放射され、光ファイバにより伝搬され、光ファイバの射出端から射出する溶着用光を溶着部に集光させる光学ユニットであって、光ファイバFの射出端FOから射出する光束を集光光束に変換する集光光学系L1、L2と、この集光光学系から射出する集光光束の光路上に配置される1以上の光路分割部材BDと、これら1以上の光路分割部材の、光軸方向への平行変位、光軸の回りの回転変位、光軸に直交する方向への直交変位の、3変位のうちの1以上を行う変位手段200とを有し、1以上の光路分割部材の個々は一体構成で、集光光束の光路を1以上の光路に分割するものである。
【選択図】図1
Description
この発明は、光溶着用光学ユニットおよび光溶着装置に関する。
光エネルギを利用して加工を行う光加工装置は従来から種々のものが知られている。これらのうちで、レーザ光源からの光を光ファイバにより導光し、光ファイバの射出端から射出するレーザ光を、集光光学系と2枚のウェッジプリズムとにより2光路に分割して各々を光スポットとして加工部に集光し、2枚のウェッジプリズムを「あおり機構」により光束光軸に対して傾かせ、この傾きである「あおり角」の調整により「2つの光スポットの間隔」を調整するものが特許文献1に記載されている。
特許文献1記載の光加工装置の場合「あおり機構」が複雑になりやすく、また、同文献の図4に示す実施の形態のように、2枚のウェッジプリズムを集光光学系による集光光束の光路上に配置して「あおり」を行わせると、ウェッジプリズムの「あおり角」によっては収差の影響が大きくなり「きれいな光スポット」を形成することが困難であると考えられる。
この発明は上述したところに鑑み、複数の光スポットを所望の位置関係に形成でき、光スポットの変位や、各光スポットへの光エネルギの配分の調整が容易である光溶着用光学ユニットの実現及びこれを用いた光溶着装置の実現を課題とする。
この発明はまた、光スポットの変位やエネルギ配分に伴う「光スポットの形状の劣化」の少ない光溶着用光学ユニット及びこれを用いた光溶着装置の実現を課題とする。
この発明の光溶着用光学ユニットは「光源から放射され、光ファイバにより伝搬され、上記光ファイバの射出端から射出する溶着用光を溶着部に集光させる光学ユニット」であって、集光光学系と、1以上の光路分割部材と、変位手段とを有する(請求項1)。
「集光光学系」は、光ファイバの射出端から射出する光束を集光光束に変換する光学系であり、1以上のレンズあるいは1以上のミラー、さらには1以上のレンズと1以上のミラーとの組合せにより構成できる。例えば、光ファイバの射出端から射出する発散性の光束を集光光束に変換する「凸レンズ系」として集光光学系を構成することができる。
あるいはまた「光ファイバの射出端からの発散性の光束をコリメートして平行光束とするコリメートレンズと、コリメートされた平行光束を集光光束に変換する集光レンズと」により集光光学系を構成することもできる。集光光学系は、光ファイバからの光束を「良好な光スポット」として集光させるように収差を良好に補正しておく。この目的のために、集光光学系中に非球面を用いることが好ましい。
1以上の「光路分割部材」は集光光学系から射出する集光光束の光路上に配置される。光路分割部材が2以上ある場合には、これら光路分割部材は集光光束の光路上に順次に配置される。
1以上の光路分割部材の個々は一体構成で「集光光束の光路を1以上の光路に分割するもの」である。即ち、個々の光路分割部材は、単独で集光光束の光路上に配置されたとき、集光光束の光路を2以上の光路に分割する。
1以上の光路分割部材の個々は一体構成で「集光光束の光路を1以上の光路に分割するもの」である。即ち、個々の光路分割部材は、単独で集光光束の光路上に配置されたとき、集光光束の光路を2以上の光路に分割する。
光路分割部材の個々が「一体構成」であるとは、光路分割部材が「単体構成」である場合と、光路分割部材が「複数のピースを組合せて接着等の固定手段により一体化」された場合とを含む。
「変位手段」は、1以上の光路分割部材の、光軸方向への平行変位、光軸の回りの回転変位、光軸に直交する方向への直交変位の、3変位のうちの1以上を行う手段である。変位手段としては、公知の各種「移動ステージ」を用いることができる。
個々の光路分割部材は一体構成であるので、光路分割部材が複数のピースを一体化した構成である場合にも、変位手段による上記変位は、光路分割部材を一体として行われる。
請求項1記載の光溶着用光学ユニットにおける1以上の光路分割部材は「光軸(集光光束の光軸光線)に直交する面に対して傾く2つの平面」を片面に有し、他方の面が平面で、2つの平面の稜角(2つの平面の稜に直交する面内において、2つの平面がなす角)が120度〜240度の範囲にある透明体であることができる(請求項2)。この場合、上記2つの平面は「集光光学系からの集光光束の光軸」に対して傾く。従って、上記2つの平面は、光軸に直交する平面に対して±30度の範囲で傾くことになり、「屋根型面」をなす。「透明体」とは、集光光学系からの集光光束を透過させることを意味する。以下においても同様である。
請求項1記載の光溶着用光学ユニットにおける1以上の光路分割部材はまた「光軸に直交する面に対して傾く2つの平面を両面に有し、各面における2つの平面の稜角が120度〜240度の範囲にあり、各面(集光光束の入射側面および射出側面)における稜が互いに平行もしくは直交する透明体である」構成とすることができる(請求項3)。
上記において「2つの平面の稜」とは、2つの平面が交わる部分において、2つの平面に共有される直線である。
請求項2または3記載の光溶着用光学ユニットにおける光路分割部材は「1個」であることができる(請求項4)。この場合、光路分割部材が請求項3記載のもので「各面における稜が互いに直交するもの」である場合は、集光光束の入射側面における稜角をθ11度、射出側面における稜角をθ12度とするとき、これらの稜角:θ11、θ12が条件:
|180−θ11|<|180−θ12|
を満足する」構成であることが好ましい(請求項5)。
|180−θ11|<|180−θ12|
を満足する」構成であることが好ましい(請求項5)。
請求項2または3記載の光溶着用光学ユニットにおける光路分割部材は、これを複数個とし、光軸方向から見るとき「各光路分割部材の稜が互いに平行もしくは等角をなす」構成とすることができる(請求項6)。「各光路分割部材の稜が互いに等角をなす」とは、光軸方向から見た各稜が、互いに等しい角をなして放射状になることを意味する。
請求項6記載の光溶着用光学ユニットにおいて「複数個の光路分割部材の稜が、光軸方向から見て等角をなす」場合には、各稜角を集光光束の入射側から順次θ1、θ2、・・・θn度とするとき、これら稜角:θ1〜θnが条件:
|180−θ1|<|180−θ2|<・・・<|180−θn|
を満足することが好ましい(請求項7)。
|180−θ1|<|180−θ2|<・・・<|180−θn|
を満足することが好ましい(請求項7)。
請求項1記載の光溶着用光学ユニットにおける1以上の光路分割部材はまた「集光光束の光軸光線に対して60度〜120度の範囲の角をもって傾いた3以上の平面」を角錐面として組合せた面を、入射側および/または射出側に有する透明体であることができる(請求項8)。勿論この場合も、光路分割部材は1個であることも複数個であることもでき、光路分割部材が複数個である場合には「集光光束の光路上に順次」配置される。
請求項1記載の光溶着用光学ユニットはまた、1以上の光路分割部材が「頂角が120度〜240度の範囲の円錐面を、入射側および/または射出側に有する透明体」であることができる(請求項9)。この場合、集光光束の光路は「連続無限個」の光路(円錐面の軸に回転対称なリング状の光路)に変換される。この明細書においては「光路分割部材による周光束束の光路の複数分割」にこのような場合をも含める。勿論、この場合も、光路分割部材は1個であることも複数個であることもできる。光路分割部材が複数個である場合には「集光光束の光路上に順次」配置される。
請求項8における角錐面、請求項9における円錐面は凸面として形成されることも凹面として形成されることも可能であるが、これら角錐面、円錐面は光路分割部材の「入射側および/または射出側」に形成されるのであるから、入射側もしくは射出側の何れか、あるいは入射側と射出側の両方に形成することができる。
この発明の光溶着装置は、光エネルギを利用して溶着を行う装置であって、光源と、光ファイバと、光溶着用光学ユニットとを有する(請求項10)。
「光ファイバ」は、光源からの光を導光する。
「光溶着用光学ユニット」は、光ファイバにより伝搬されて光ファイバの射出端から射出する溶着用光を溶着部に集光させる。
「光ファイバ」は、光源からの光を導光する。
「光溶着用光学ユニット」は、光ファイバにより伝搬されて光ファイバの射出端から射出する溶着用光を溶着部に集光させる。
「光源」は、複数の半導体レーザと「これら半導体レーザからのレーザ光束を合成して光ファイバにカップリングさせるビーム合成手段」を有する。ビーム合成手段は、複数のレーザビームを合成できるものであればよく、公知の適宜のものを利用できる。
「光溶着用光学ユニット」は請求項1〜9の任意の1に記載のものが用いられる。
「光溶着用光学ユニット」は請求項1〜9の任意の1に記載のものが用いられる。
複数の半導体レーザからのレーザ光束をビーム合成手段により合成して光ファイバにカップリングすると、光ファイバの射出端から「溶着に適した強い光エネルギを持つレーザ光」を射出させることができ、この強いレーザ光を複数分割して溶着部に集光させることにより、複数の溶着部もしくはリング状の溶着部を同時に溶着させることができる。
以上に説明したように、この発明によれば、複数の溶着部やリング状の溶着部を同時に溶着でき、その際、変位手段により光スポット位置を容易に調整できる。また、光スポット位置の変位の際、光路分割部材における屋根型面・角錐面の平面が光軸に対してなす角や、円錐面の頂角が変化しないので、収差に伴う光スポット形状の劣化が少ない。
図1は、光溶着装置の実施の1形態を説明するための図である。
図中、符号LD1、LD2、・・LDNは複数個(N個)の半導体レーザを示す。これら複数個の半導体レーザLD1〜LDNからのレーザ光は、ビーム合成手段100に入射し、ビーム合成手段100により合成されてカップリング光CPとなって、単一の光ファイバFの入射端FIにカップリングし、光ファイバF内を伝搬して光ファイバFの射出端FOから射出する。
図中、符号LD1、LD2、・・LDNは複数個(N個)の半導体レーザを示す。これら複数個の半導体レーザLD1〜LDNからのレーザ光は、ビーム合成手段100に入射し、ビーム合成手段100により合成されてカップリング光CPとなって、単一の光ファイバFの入射端FIにカップリングし、光ファイバF内を伝搬して光ファイバFの射出端FOから射出する。
複数個の半導体レーザLD1〜LDNとビーム合成手段100とは「光源」を構成する。射出端FOから射出する光は「溶着用光」であって発散光束であり、発散しつつレンズL1に入射し、レンズL1とこれに続くレンズL2を透過すると、レンズL1、L2の作用により集光光束となる。レンズL1、L2は「集光光学系」を構成する。
図において符号AXは「集光光学系の光軸」を示し、ファイバFの射出端FOと集光光学系の位置関係は、射出端FOから射出する発散光束(溶着用光)の「光軸光線」が光軸AXと合致するように設定されている。
集光光学系のレンズL2から射出した集光光束は、集光の途上で光路分割部材BDに入射し、これを透過すると複数の光路に分割され、各光路を通る集光光束は保護ガラスGを透過して溶着面300の溶着部301、302に別個に集光して光スポットを形成する。保護ガラスGは光路分割部材BDを保護するためのものであり省略することもできる。
ファイバFの射出端FOから、分割された集光光束の集光位置まで、レンズL1、L2による集光光学系で「略収差のない共役関係」を形成する。
ファイバFの射出端FOから、分割された集光光束の集光位置まで、レンズL1、L2による集光光学系で「略収差のない共役関係」を形成する。
なお、レンズL1、L2による集光光学系に替えて、前述したように「光ファイバFの射出端FOからの発散性の光束をコリメートして平行光束とするコリメートレンズと、コリメートされた平行光束を集光光束に変換する集光レンズと」により集光光学系を構成することもできる。
「光路分割部材BDを集光光束の光路上に挿入することにより発生する収差」を有効に補正して、上記の「略収差のない共役関係」を実現するため、集光光学系のレンズ面を非球面化するのが好ましい。
図1の実施の形態におけるレンズL1やL2は平凸レンズであるが、これに限らず「両凸の球面または非球面レンズ」としてもよい。レンズL1、L2は「光ファイバFの射出端FOから射出される波長の光(「溶着用光」)を良好に透過させる材料」で構成される。このような材料としては樹脂などでもよいが、「高出力な光」に耐えられるようにガラス材で構成することが好ましい。また「平凸や両凸もしくはメニスカスの球面もしくは非球面レンズ」1枚により集光光学系を構成することもできる。図1における結像系は「拡大倍率」のように描いてあるが、これに限らず、集光光学系の構成に応じて、等倍系とすることも縮小系とすることもできる。
光路分割部材BDは、変位手段200により、光軸AX方向への「平行変位」、光軸AXの回りの「回転変位」、光軸AXに直交する方向への「直交変位」の3変位のうち1以上の変位が可能となっている。変位手段200は「公知の各種ステージ(所定方向への平行変位や回転変位を可能とするステージ)」を用いることができる。
レンズL1、L2による集光光学系と光路分割部材BDと変位手段200とは「光溶着用光学ユニット」を構成する。
即ち、この実施の形態に示された光溶着用光学ユニットは、光源LD1〜LDN、100から放射され、光ファイバFにより伝搬され、光ファイバFの射出端FOから射出する溶着用光を溶着部301、302に集光させる光学ユニットであって、光ファイバFの射出端FOから射出する光束を集光光束に変換する集光光学系L1、L2と、この集光光学系から射出する集光光束の光路上に配置される光路分割部材BDと、光路分割部材BDの、光軸AX方向への平行変位、光軸AXの回りの回転変位、光軸AXに直交する方向への直交変位の、3変位のうちの1以上を行う変位手段200とを有し、光路分割部材BDは一体構成で、集光光束の光路を1以上の光路に分割するものである(請求項1)。
光路分割部材BDは、図1の実施の形態では1個が用いられているが、複数個の光路分割部材を光軸AX方向へ順次に配置してもよい。光路分割部材BDの形態は、以下に種々の例を挙げるが、前述の請求項2〜9に記載の各種の形態が可能である。
即ち、図1に実施の形態を示す光溶着装置は、光源と、光源からの光を導光する光ファイバFと、この光ファイバにより伝搬され、光ファイバの射出端FOから射出する溶着用光を溶着部301、302に集光させる光溶着用光学ユニットとを有し、光源は、複数の半導体レーザLD1〜LDNと、これら半導体レーザからのレーザ光束を合成して光ファイバFにカップリングさせるビーム合成手段100を有し、光溶着用光学ユニットは請求項2等に記載のものである(請求項10)。
説明の具体性のために、図2に示すように「レンズLNを鏡筒400に光溶着する」場合を例にとって説明する。
レンズLNは、図2(a)に示すように、鏡筒400の「受け部」に落とし込まれ、レンズ周辺の平面状部分と鏡筒400の受け部の底面部とが密接して溶着面(図1に符合300で示す面)401となる。
レンズLNは、図2(a)に示すように、鏡筒400の「受け部」に落とし込まれ、レンズ周辺の平面状部分と鏡筒400の受け部の底面部とが密接して溶着面(図1に符合300で示す面)401となる。
図2(b)は、図2(a)の状態をレンズLNの光軸方向から見た状態であり、最内部の「破線の円」はレンズ面LN1の輪郭、その外側の円はレンズ面LN2の輪郭であり、符号401は溶着面である。
図2(b)における符号P1〜P4は「溶着部(溶着スポット)」を示している。即ち、レンズLNは4つの溶着部P1〜P4において鏡筒400に光溶着される。鏡筒400は樹脂製で「レーザ光を吸収しやすい色」例えば黒色に着色されている。
図2(b)における符号P1〜P4は「溶着部(溶着スポット)」を示している。即ち、レンズLNは4つの溶着部P1〜P4において鏡筒400に光溶着される。鏡筒400は樹脂製で「レーザ光を吸収しやすい色」例えば黒色に着色されている。
溶着用光を溶着部に集光すると、集光したレーザ光の光エネルギが鏡筒400の溶着部に吸収され、鏡筒400を局部的に発熱させて溶解させる。このように局部的に溶解した鏡筒400とレンズLNとが溶着する。
仮に、図1の実施の形態において「光路分割部材BDを用いない」とすれば、溶着用光は単一の光スポットとして1つの溶着部に集光して溶着を行う。この場合、4点の溶着部P1〜P4の溶着を行うには、溶着部を順次にP1、P2、P3、P4のように替えて溶着を繰り返せばよいが、溶着部ごとに「溶着用光の集光スポット位置と溶着部との位置関係を調整」する煩わしさがあり、溶着の効率がよくない。
しかるに、光路分割部材BDを用いて、集光光束を複数光路に分割し、各光路の集光光束を複数の光スポットとして溶着面に集光させれば、一度に複数の溶着部で溶着を行うことができ、溶着の効率を向上させることができる。
以下、光路分割部材BDの具体的な例を順次説明する。
図3に示す光路分割部材BD1は「平板状の透明体」であって、一方の側(図の上側)は「互いに傾く平面S1とS2とが稜A1において稜角:θ1をなす」ように形成されている。この光路分割部材BD1を稜A1の方向から見ると、その側面形状は、図1における光路分割部材BDと同じ形状になる。
図3に示す光路分割部材BD1は「平板状の透明体」であって、一方の側(図の上側)は「互いに傾く平面S1とS2とが稜A1において稜角:θ1をなす」ように形成されている。この光路分割部材BD1を稜A1の方向から見ると、その側面形状は、図1における光路分割部材BDと同じ形状になる。
従って、図3の光路分割部材BD1を、図1における光路分割部材BDとして用いると、集光光学系からの集光光束は光路分割部材BD1を透過して2光束に分割され、光軸AXから等距離に位置する2つの溶着部に集光する。従って、例えば、2分割された集光光束を、最初に図2(b)の溶着部P1とP3に集光させてこれら溶着部P1、P3での溶着を行い、その後、変位手段200により光路分割部材BD1を光軸の回りに90度回転させれば、2分割された集光光束は溶着部P2、P4に集光するので、その状態で溶着部P2、P4での溶着を行えば、2回の溶着作業で4箇所の溶着部P1〜P4での溶着を行うことができる。
稜角:θ1が180度よりも大きいかまたは小さいほど、2分割された集光光束のなす角が大きくなり、これらの光束の「光スポットの間隔」を大きくできる。
稜角:θ1は、
120度≦θ1≦240度
の範囲が許容されるが、180度よりも大きいかまたは小さいほど、集光した光スポットに対するコマ収差の影響を考慮すると「180度±30度」くらいの範囲が好ましい。
120度≦θ1≦240度
の範囲が許容されるが、180度よりも大きいかまたは小さいほど、集光した光スポットに対するコマ収差の影響を考慮すると「180度±30度」くらいの範囲が好ましい。
即ち、光路分割部材BD1は、図1の実施の形態における光路分割部材BDとして使用される場合、光軸に直交する面に対して、それぞれが角:{90度―(θ1/2)}傾く2つの平面S1、S2を片面に有し、他方の面(図3で下方の面)が平面で、2つの平面S1、S2の稜角:θ1が120度〜240度の範囲にある透明体である(請求項2)。
図3に示す光路分割部材BD1は「単体構成」であるが、「同一形状の2つの楔状プリズム」を一体化して構成することもできる。この場合の一体化は、接着あるいはオプチカルコンタクト、さらには「周りを固定する」ことなどで行うことができる。図3のように単体構成のものは、金型による成形、研磨あるいは切削による加工により製造でき、光路分割部材としての外形形状は、図3のような四角形でもよいし円形でもよい。
図1の実施の形態における光路分割部材BDとして、図3の光路分割部材BD1を用い、光路分割部材BD1を変位手段200により光軸AX方向への平行変位を行うと、図4(この図では、集光光学系の結像倍率を等倍として示している。)示すように、光路分割部材BD3により2分割された集光光束の集光部301、302の間隔(光スポットの間隔)が、光路分価値部材BD1の「光軸上の位置」により変化する(光路分割部材BD1が集光光学系に近いほど間隔が大きくなる)ので、光路分割部材BD3の光軸上の位置を平行変位により調整することにより、光スポットの間隔、換言すれば「2つの溶着部の間隔」を調整できる。
このように光スポットの間隔を変化させる際、光路分割部材BD1により2分割される光束相互が成す角は、光路分割部材BD1の平行変位に影響されないので、2分割された集光光束の収差が「光路分割部材の平行変位」に伴い変化することがなく、従って、平行変位に拘わらず、溶着面上に集光する光スポットの大きさ・形状に変化がない。
図5に示す光路分割部材BD2は、光軸に直交する面に対して同一角傾く2つの平面を両面に有する透明体である。即ち、片面に形成された平面S11、S12は稜角:θ11をなし、他方の側に形成された平面S13、S14は稜角:θ12をなす。各面における2つの平面の稜角:θ11、θ12は120度〜240度の範囲(好ましくは180度±30度程度の範囲)にあり、各面における稜は互いに平行である(請求項3)。
この光路分割部材BD2を、図1の実施の形態における光路分割部材BDとして用いる場合にも、溶着面に2つの光スポットが形成され、図3の光路分割部材BD1と同様に、一度に2つの溶着部での溶着を行うことができる。また、光路分割部材BD1と同様に、平行変位により光路分割部材BD3の光軸上の位置を調整することにより、光スポットの間隔、即ち2つの溶着部の間隔を調整できる。
このように、光路分割部材BD1、BD2を光軸方向に平行変位させることで、2つの光スポットの集光位置間隔を調整でき、様々なサイズを持つレンズ・鏡筒間の溶着が可能になる。また、図1の実施形態の光路分割部材BDとして、上記光路分割部材BD1あるいはBD2を用い、これら光路分割部材を変位手段200により「光軸AXと光路分割部材の稜と」に直交する方向へ「直交変位」させると、2分割される各光路へ振り分けられる光束の割合を変化させることができるので、2つの光スポットの強度調節を行うことができ、光スポット間の光強度バラツキの補正や調整(各溶着部への溶着エネルギの配分調整)が可能になる。
勿論、上記「平行変位」と「直交変位」とを組合せて行うことにより、様々なサイズのレンズ・鏡筒間の溶着が可能になり、光スポット間の強度バラツキの補正や調整を行うことができる。
図6に示す光路分割部材BD3は、光軸に直交する面に対して同一角傾く2つの平面を両面に有する透明体である。即ち、片面に形成された平面S11、S12は稜角:θ11をなし、他方の側に形成された平面S15、S16は稜角:θ12をなす。各面における2つの平面の稜角:θ11、θ12は120度〜240度の範囲(好ましくは180度±30度程度の範囲)にあり、各面における稜は「互いに直交」する(請求項3)。
光路分割部材BD3を集光光束の光路上に配置すると、集光光束は光路分割部材BD3を透過して4つの集光光束に分離し、溶着面に4つの光スポットとして集光する。従って、この場合には、一度に4つの溶着部での溶着を行うことができる。
この場合、4箇所に集光する光スポットは、両面の稜角:θ11、θ12が等しいと「対角線的に集光する光スポット対」の間隔が同じにならず、各光スポットの位置が「長方形の頂点」となるため、レンズ等の溶着などで「溶着位置を光軸から等距離」にする場合には不便であるが、集光光学系側の稜角:θ11(度)、溶着面側の稜角:θ12(度)が、条件:
|180−θ11|<|180−θ12|
を満足するようにして、これら稜角を調整することにより、光スポットの集光位置を略正方形の頂点にすることができる。
|180−θ11|<|180−θ12|
を満足するようにして、これら稜角を調整することにより、光スポットの集光位置を略正方形の頂点にすることができる。
光路分割部材BD1やBD2、BD3は、1個のみを用いることができることは上の実施の形態から明らかであるが、これらを光軸方向へ「シリアルに順次配置」して用いることもできる。その場合、光軸方向から見て、各光路分割部材の稜が互いに平行もしくは等角をなすようにすることができ(請求項6)、各光路分割部材の稜が互いに平行もしくは等角をなすようにすることにより、光スポットの光量を略均等にできる。
このとき、対角線的に対応する光スポット間の距離を均一にするには、それぞれの稜角を集光光束の入射側から順次θ1、θ2、・・・θn度とするとき、これら稜角:θ1〜θnが条件:
|180−θ1|<|180−θ2|<・・・<|180−θn|
を満足するようにして、各稜角を調整すればよい(請求項7)。
|180−θ1|<|180−θ2|<・・・<|180−θn|
を満足するようにして、各稜角を調整すればよい(請求項7)。
このように、光軸上に順次に2以上の光路分割部材を配置することにより、複数の光スポットを溶着面に集光させることができ、同時に多点の溶着が可能である。また、2以上の光路分割部材のうち少なくとも1つを、光軸方向に移動させることで、光スポットの間隔を変化させることができ、様々なサイズのレンズ・鏡筒間の溶着が可能になる。
また、2以上の光路分割部材のうち少なくとも1つを「光軸方向と稜とに直交する方向へ直交変位」させることで、光スポット間の強度バラツキの補正や強度配分の調整を行うことができる。
図7(a)に示す光路分割部材BD4は、請求項8記載の光溶着用光学ユニットに用いられる光路分割部材の1例である。
光路分割部材BD4は、4つの平面S41、S42、S43、S44を「4角錐面として組合せた面」を片側に有する透明体である。平面S41〜S44は「光軸に対して同一角をもって傾いているが、その傾き角は、光軸光線に対して60度〜120度(好ましくは75度〜105度程度)の範囲である。
光路分割部材BD4は、4つの平面S41、S42、S43、S44を「4角錐面として組合せた面」を片側に有する透明体である。平面S41〜S44は「光軸に対して同一角をもって傾いているが、その傾き角は、光軸光線に対して60度〜120度(好ましくは75度〜105度程度)の範囲である。
このような光路分割部材BD4を、図1の実施の形態における光路分割部材BDとして用いれば、集光光束は光路分割部材BD4を透過して4光路に分割され「光軸から等距離にある4つの光スポット」として集光する。従って、4つの溶着部(例えば、図2の溶着部P1〜P4)における溶着を一度に行うことができる。この場合も、光路分割部材BD4の光軸方向への平行変位により「4つの光スポットの位置関係を相似的に変化させる」ことができ、また、直交変位を行うことにより、光スポット相互への光エネルギ配分を調整でき、光強度の補正を行うこともできる。
角錐面として組合せる平面の数を3として「3角錐状の面を持つ光路分割部材」を用いれば、3つの光スポットを溶着面に集光できる。一般に「n角錐状に平面を組合せた光路分割部材」を用いればn個の光スポットを溶着面に集光でき、一度にn個の溶着部での溶着を行うことができる。光路分割部材の光軸方向への平行変位により、n個の光スポットの位置関係を相似的に変化させることができ、また、直交変位を行うことにより、光スポット相互への光エネルギの分配を調整でき、光強度の補正を行うこともできる。
角錐面は入射側に形成しても良いし射出側に形成しても良く、入射側と射出側に形成しても良い。また、角錐面を持つ光路分割部材を複数個、光軸方向に順次に配置して用いることができる。
以下には、角錐面を持つ光路分割部材の製造方法を「4角錐面をもつもの」の場合を例にとって説明する。
図7(a)に示す光路分割部材BD4は、図7(b)に示す如きウェッジプリズムP1を「組合せのピース」とし、同一形状のピースを4個組合せて構成されている。
図7(a)に示す光路分割部材BD4は、図7(b)に示す如きウェッジプリズムP1を「組合せのピース」とし、同一形状のピースを4個組合せて構成されている。
図9に示す光路分割部材BD5は、図8に示すような「外径が円形状で同一形状」のウェッジプリズムWPを4個用意し、各ウェッジプリズムを「中心軸を通る面」で4等分し、その1つをピースとし、同一形状の4個のピースP41〜P44を、図9の如くに組合せて接合したものである。ウェッジプリズムWPを「外形の円周を見込む角が90度をなすように大きめにカットしたもの」を1ピースとし、同一形状のピースP51〜P54を、光軸方向から見て図10のように組合せて接合して光路分割部材BD6としてもよい。
上に説明した光路分割部材BD5は、4角錐面が凹面として形成されているが、これに限らず、図11(a)に示す光路分割部材BD7のように、4角錐面を凸面として形成してもよい。光路分割部材BD7も、図7(b)に示すウェッジプリズムP1と同様のピースを4個組合せて一体化されている。
光路分割部材BD7を、光用着用光学ユニット中に図11(b)のように配置することで4個の光スポットを溶着面300上に(光軸から等間隔の位置)に形成できる。図1の構成では光スポット位置への光線角度が光軸AXに略平行であるのに対し、図11(b)の構成では光スポット位置への光線角度が「光軸に対して斜め」になるので、溶着部の位置により使い分けることが可能である。
光スポットの集光性を考えると、図11(b)の光学構成では「集光位置でコマ収差が発生しやすい」ので、よりきれいな溶着を行うためには角錐面を凹面として形成されたものを用いるのがよい。あるいは、光路分割部材BD7を用いることにより発生するコマ収差や球面収差を考慮して、レンズL1、L2のレンズ面形状を設計するとか、別途補正部材を配置することにより、良好な光スポットを溶着面に形成することが可能である。
ここで、図1における光路分割部材BDとして、図7に示す光路分割部材BD4を用いる場合の具体的な場合の1例を挙げる。
光源から、波長:405nm帯のレーザ光が、NA:0.22でコア径:φ=200μmの石英系マルチモードの光ファイバFを伝搬して射出端FOから「溶着用光」として射出する場合を想定し、図1のような共役な光学系を組む。
レンズL1、L2として共に、焦点距離:f=35mm、有効径:D=18mmのガラスモールドで成形された非球面レンズを近接対向させる。光ファイバの射出端FOを、レンズL1からその光軸上で35mmの所に位置させれば、溶着用光はレンズL1でコリメートされ、レンズL2の像側焦点位置に集光する。即ち、この場合、レンズL1、L2による集光光学系は「等倍系」であり、射出端FOの位置と溶着面300の位置とは、集光光学系に関して略対称的になる。
光路分割部材BD4を構成する4個のウェッジプリズムとして「ウェッジ角:11.35度のBK7によるウェッジプリズム」を用いる。光路分割部材を保護するための保護ガラスGとしては厚さ:0.5mmのBK7の平行平板ガラスを用いるが、前述の如く、この保護ガラスGを省略することもできる。
このとき、変位手段200により光路分割部材BD4を光軸AX方向に「平行変位」させることにより「光スポットの間隔」を変化させることができるが、レンズL2と光路分割部材BD4の間隔を1mm〜22mmの範囲で変化させることにより、光スポット4箇所の対角線上の間隔を略1.9mm〜6.4mmの範囲で変化させることができ、この範囲での溶着サイズを任意に設定できる。また、前述の如く、光路分割部材BD4を「直交変位」させることにより、光スポットの強度調整を行うことができる。
図7、図9、図10、図11に示した光路分割部材BD4、BD5、BD6、BD7は、4つのガラス材を接着などにより張り合わせて一体化するが、波長が405nm帯で高いパワー密度の光が透過することを考えると、光エネルギによる「接着剤の劣化」を考慮する必要があり「有機由来の接着剤」の使用は控えるとか、光線が通るエリアが接着剤レスとなるように「接合面の端だけを接着」するとか、ガラス接合面をオプチィカルコンタクトで接合するのが良い。あるいは、4つのウェッジプリズムを接合せずに、枠等の固定手段で固定して一体化してもよい。
光線が通るエリアが接着剤レスとなるように「接合面の端だけを接着」する場合には、図7や図10の光路分割部材BD4、BD6の形態であると「光線が通る円形のエリアの外側」に十分な接着領域を取ることができる。また、光路分割部材BD4やBD7の場合は、外枠で肯定する場合に、外枠に十分な強度で固着または接着することが出来る。
光路分割部材BD4〜BD7のような形態のものは、ガラス研磨や、モールドガラス、あるいは波長:405nm帯の光エネルギに耐えられるような樹脂(例えば日本ゼオン株式会社製、ZEONEX−330RやZEONEX−340R)を切削または成形して製造することもできる。このように一体的な光路分割部材では「接合面による光量ロス」がなく効率よく集光光束を分割できる。
図12には、請求項9記載の光溶着用光学ユニットに用いる光路分割部材の基本的な3形態を示す。請求項9記載の光溶着用光学ユニットに用いる光路分割部材は、頂角が120度〜240度(好ましくは180度±30度程度)の範囲の円錐面を、入射側および/または射出側に有するものである。ここに「円錐面の頂角」は、図12(d)に示す断面図に例示するように、円錐面の頂部の角を光路分割部材の内部において計った角:θ3Cを言う。
図12(a)に示す光路分割部材BD8は、平板状の透明体の片面に「凹面」即ち、頂角:θ3C>180度の円錐面CS1を有するものである。(b)に示す光路分割部材BD9は、平板状の透明体の片面に「凸面」、すなわち、頂角:θ3C<180度の円錐面CS2を有するものである。(c)に示す光路分割部材BD10は、平板状の透明体の片面に「凹面」の円錐面CS3、他方の面に「凸面」の円錐面CS4を有するものである。
光路分割部材BD8は、図1における光路分割部材BDとして用いることができる。
光路分割部材BD9は、図11(b)における光路分割部材BD7と同様に用いることができる。光路分割部材BD10は、両面の円錐面CS3、CS4の頂角の大小関係に応じて、図1の光路分割部材BDとして、あるいは図11(b)における光路分割部材BD7と同様に用いることができる。
光路分割部材BD9は、図11(b)における光路分割部材BD7と同様に用いることができる。光路分割部材BD10は、両面の円錐面CS3、CS4の頂角の大小関係に応じて、図1の光路分割部材BDとして、あるいは図11(b)における光路分割部材BD7と同様に用いることができる。
これらの光路分割部材BD8、BD9、BD10を用いると、集光光束は光路分割部材を透過した後「光束断面がリング状の光束」となり、溶着面300に「リング状に集光」する。従って、例えば、図2のレンズLNを鏡筒400に溶着する場合であれば、レンズLNの周辺部を溶着面401においてリング状に鏡筒400と溶着することができる。
なお、光路分割部材BD10の光軸を含む断面形状において「円錐面CS3、CS4の断面が平行になる」ようにすると、光路分割部材を透過した集光光束は光軸AXを軸とする中空円筒状となり、溶着面300に直交するように入射してリング状に集光する。
光路分割部材BD9を用いる場合、発生するコマ収差や球面収差を考慮したレンズ形状にすることや、別途補正部材を配置するのがよい。
光路分割部材BD8〜BD10は単独で用いることもできるし、複数個を光軸方向にシリアルに配置して用いることもできる。
光路分割部材BD9を用いる場合、発生するコマ収差や球面収差を考慮したレンズ形状にすることや、別途補正部材を配置するのがよい。
光路分割部材BD8〜BD10は単独で用いることもできるし、複数個を光軸方向にシリアルに配置して用いることもできる。
具体的な例として、発光波長:405nm帯のLDを複数個用い、これらLDからの光をビーム合成手段により合成して、NA:0.22でコア径:φ=200μmの石英系マルチモードの光ファイバにカップリングさせ、光ファイバの射出端から溶着用光として射出させ、溶着に供する場合を説明する。図1における光路分割部材BDとして、光路分割部材BD8を用いる。
レンズL1、L2は焦点距離:f=35mm、有効径:D=18mmのガラスモールドで成形された非球面レンズをコリメートレンズとして近接対向させ、光路分割部材BD8を図1の光路分割部材BDとして配置する。保護ガラスGは、厚み:0.5mmのBK7による平行平板ガラスであるが省略することもできる。
光路分割部材BD8は、頂角:θ3C=202.70度の凹円錐面を一方の面(溶着面側に向ける)に形成され、光スポットはリング状に形成される。この場合の光路分割部材BD8は波長:405nm帯を良好に透過させる透明体であればよく、凹円錐面を形成しやすい「型による成形が可能なガラスモールドや樹脂(たとえば日本ゼオン株式会社製、ZEONEX−330RやZEONEX−340R)」が適している。
光路分割部材BD8を光軸方向に平行変位させることで、リング状の光スポットの径を変化させることができ、レンズL2と光路分割部材BD8の間隔を0.5mm〜20mmの範囲で変化させることにより、光スポットのリング径を約1.9mm〜6.1mmの範囲で変化させることができ、この範囲で、任意のリングサイズの溶着を実行できる。また「直交変位」を行うことにより、リング状の光スポットのリング上での強度バラツキを調整できる。
ところで、溶着を行う際には「溶着部の観察」が必要である。
これを行うには、図13(a)に示すように、溶着部の様子を、斜めから目視またはカメラCMで観察するようにすればよいが、溶着部の状態によっては「斜めから見ることが困難」である場合も考えられる。
これを行うには、図13(a)に示すように、溶着部の様子を、斜めから目視またはカメラCMで観察するようにすればよいが、溶着部の状態によっては「斜めから見ることが困難」である場合も考えられる。
溶着位置を確認するには「光溶着用光学ユニットの光軸上から観察する」ことが好ましいので、図13(b)や(c)のように、集光光学系をなすレンズL1、L2(共にコリメートレンズとして用いられている)の間に空間を設け、この空間部分に反射部材M01を配置させ、光溶着用光学ユニットに「観察光学系」を組合せるのがよい。このとき、反射部材M01がハーフミラーだと溶着する際にパワーをロスしてしまうので、反射率が数%程度の反射部材や、溶着する波長:405nm付近のみを略透過させるような多層膜を形成した反射部材を用いるか、あるいは溶着の際に「反射部材M01を光路上から退避させる機構」を有するようにするのがよい。
観察光学系にも光路分割部材を用い、各溶着位置での像が分割されて観察像を形成するようにする。図13(b)の例では、溶接部で反射された戻り光は、反射部材M01により反射され、集光レンズLO、光路分割部材BD0、ガラスG0を介して溶着部300の像(観察像)Imを結像する。図13(c)の例では、溶接部で反射された戻り光は、反射部材M01により反射され、集光レンズLOで集光されたのちレンズL1A、L2A、光路分割部材BD0、ガラスG0を介して溶着部300の像(観察像)Imを結像する。
観察像Imの位置に撮像素子を配置し溶着状態を確認出来る。または、観察像Imを、接眼レンズを介して目視で確認するようにしてもよい。
また、図13(b)のように、光路分割部材BDで分割される光路の数だけ円形の絞りを有した視野絞りA01を配置することで観察像Imを鮮明に観察できる。また、図13(c)のように、集光レンズLOで一旦集光させた位置に、観察範囲に応じた大きさを持った視野絞りA02を配置することで、観察する像が重なるのを防ぐことができる。
LD1 半導体レーザ
100 ビーム合成手段
F 光ファイバ
FO 射出端
L1、L2 集光光学系を構成するレンズ
BD 光路分割部材
G 保護ガラス
300 溶着面
301、302 溶着部
100 ビーム合成手段
F 光ファイバ
FO 射出端
L1、L2 集光光学系を構成するレンズ
BD 光路分割部材
G 保護ガラス
300 溶着面
301、302 溶着部
Claims (10)
- 光源から放射され、光ファイバにより伝搬され、上記光ファイバの射出端から射出する溶着用光を溶着部に集光させる光学ユニットであって、
光ファイバの射出端から射出する光束を集光光束に変換する集光光学系と、
この集光光学系から射出する集光光束の光路上に配置される1以上の光路分割部材と、
これら1以上の光路分割部材の、光軸方向への平行変位、光軸の回りの回転変位、光軸に直交する方向への直交変位の、3変位のうちの1以上を行う変位手段とを有し、
上記1以上の光路分割部材の個々は一体構成で、上記集光光束の光路を1以上の光路に分割するものであることを特徴とする光溶着用光学ユニット。 - 請求項1記載の光溶着用光学ユニットにおいて、
1以上の光路分割部材が、光軸に直交する面に対して傾く2つの平面を片面に有し、他方の面が平面で、上記2つの平面の稜角が120度〜240度の範囲にある透明体であることを特徴とする光溶着用光学ユニット。 - 請求項1記載の光溶着用光学ユニットにおいて、
1以上の光路分割部材が、光軸に直交する面に対して傾く2つの平面を両面に有し、各面における2つの平面の稜角が120度〜240度の範囲にあり、各面における稜が互いに平行もしくは直交する透明体であることを特徴とする光溶着用光学ユニット。 - 請求項1または2または3記載の光溶着用光学ユニットにおいて、
光路分割部材が1個であることを特徴とする光溶着用光学ユニット。 - 請求項3記載の光溶着用光学ユニットにおいて、
光路分割部材が1個であり、
この1個の光路分割部材の各面における稜が互いに直交するものであり、集光光束の入射側面における稜角をθ11度、射出側面における稜角をθ12度とするとき、これら稜角:θ11、θ12が条件:
|180−θ11|<|180−θ12|
を満足することを特徴とする光溶着用光学ユニット。 - 請求項2または3記載の光溶着用光学ユニットにおいて、
光路分割部材が複数個で、光軸方向から見るとき、各光路分割部材の稜が互いに平行もしくは等角をなすことを特徴とする光溶着用光学ユニット。 - 請求項6記載の光溶着用光学ユニットにおいて、
複数個の光路分割部材の稜が、光軸方向から見て等角をなし、各稜角を集光光束の入射側から順次θ1、θ2、・・・θn度とするとき、これら稜角:θ1〜θnが条件:
|180−θ1|<|180−θ2|<・・・<|180−θn|
を満足することを特徴とする光溶着用光学ユニット。 - 請求項1記載の光溶着用光学ユニットにおいて、
1以上の光路分割部材が、集光光束の光軸光線に対して60度〜120度の範囲の角をもって傾いた3以上の平面を角錐面として組合せた面を、入射側および/または射出側に有する透明体であることを特徴とする光溶着用光学ユニット。 - 請求項1記載の光溶着用光学ユニットにおいて、
1以上の光路分割部材が、頂角が120度〜240度の範囲の円錐面を、入射側および/または射出側に有する透明体であることを特徴とする光溶着用光学ユニット。 - 光源と、光源からの光を導光する光ファイバと、この光ファイバにより伝搬され、上記光ファイバの射出端から射出する溶着用光を溶着部に集光させる光溶着用光学ユニットとを有し、
光源は、複数の半導体レーザと、これら半導体レーザからのレーザ光束を合成して上記光ファイバにカップリングさせるビーム合成手段を有し、
光溶着用光学ユニットは、請求項1〜9の任意の1に記載のものであることを特徴とする光溶着装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006007638A JP2007185707A (ja) | 2006-01-16 | 2006-01-16 | 光溶着用光学ユニットおよび光溶着装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006007638A JP2007185707A (ja) | 2006-01-16 | 2006-01-16 | 光溶着用光学ユニットおよび光溶着装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007185707A true JP2007185707A (ja) | 2007-07-26 |
Family
ID=38341232
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006007638A Pending JP2007185707A (ja) | 2006-01-16 | 2006-01-16 | 光溶着用光学ユニットおよび光溶着装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007185707A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009186936A (ja) * | 2008-02-08 | 2009-08-20 | Ricoh Opt Ind Co Ltd | 集光光学系および光加工装置 |
JP2017113766A (ja) * | 2015-12-22 | 2017-06-29 | 株式会社豊田中央研究所 | レーザ加工装置、レーザ加工方法、光学系、及び肉盛り加工品 |
WO2017195691A1 (ja) * | 2016-05-13 | 2017-11-16 | 三菱電機株式会社 | 光学レンズおよび光学レンズの製造方法 |
WO2023138959A1 (de) * | 2022-01-18 | 2023-07-27 | Trumpf Laser Gmbh | SCHWEIßOPTIK MIT STRAHLFORMUNGSEINSATZ SOWIE SCHWEIßVORRICHTUNG |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000271775A (ja) * | 1999-03-29 | 2000-10-03 | Sumitomo Heavy Ind Ltd | レーザ出射光学系 |
JP2001121281A (ja) * | 1999-10-22 | 2001-05-08 | Nec Corp | レーザ加工用出射光学部 |
JP2002023100A (ja) * | 2000-07-05 | 2002-01-23 | Toshiba Corp | 分割光学素子、光学系及びレーザ加工装置 |
-
2006
- 2006-01-16 JP JP2006007638A patent/JP2007185707A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000271775A (ja) * | 1999-03-29 | 2000-10-03 | Sumitomo Heavy Ind Ltd | レーザ出射光学系 |
JP2001121281A (ja) * | 1999-10-22 | 2001-05-08 | Nec Corp | レーザ加工用出射光学部 |
JP2002023100A (ja) * | 2000-07-05 | 2002-01-23 | Toshiba Corp | 分割光学素子、光学系及びレーザ加工装置 |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009186936A (ja) * | 2008-02-08 | 2009-08-20 | Ricoh Opt Ind Co Ltd | 集光光学系および光加工装置 |
JP2017113766A (ja) * | 2015-12-22 | 2017-06-29 | 株式会社豊田中央研究所 | レーザ加工装置、レーザ加工方法、光学系、及び肉盛り加工品 |
WO2017110241A1 (ja) * | 2015-12-22 | 2017-06-29 | 株式会社豊田中央研究所 | レーザ加工装置、レーザ加工方法、光学系、及び肉盛り加工品 |
WO2017195691A1 (ja) * | 2016-05-13 | 2017-11-16 | 三菱電機株式会社 | 光学レンズおよび光学レンズの製造方法 |
JPWO2017195691A1 (ja) * | 2016-05-13 | 2018-10-18 | 三菱電機株式会社 | 光学レンズおよび光学レンズの製造方法 |
WO2023138959A1 (de) * | 2022-01-18 | 2023-07-27 | Trumpf Laser Gmbh | SCHWEIßOPTIK MIT STRAHLFORMUNGSEINSATZ SOWIE SCHWEIßVORRICHTUNG |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP7501864B2 (ja) | コリメートを行うカバー要素によって覆われたスキャンミラーを備えた送信器 | |
CN114424108B (zh) | 用于头戴式显示器的紧凑型投影仪 | |
KR101616635B1 (ko) | 레이저 합성 광학 장치 | |
JP4381460B2 (ja) | レーザ光合成装置 | |
JPH0412039B2 (ja) | ||
JP2012195064A5 (ja) | ||
GB2531920A (en) | Optical unit, optical apparatus using the same, light source apparatus, and projection display apparatus | |
US20180045969A1 (en) | Light-emitting device | |
JP5184775B2 (ja) | 光加工装置 | |
US6369925B1 (en) | Beam combiner | |
JP2007185707A (ja) | 光溶着用光学ユニットおよび光溶着装置 | |
EP0978748B1 (en) | Multiple light source unit and optical system using the same | |
US10386031B2 (en) | Light device with movable scanning means and optical fiber | |
JPWO2007119838A1 (ja) | Yagレーザ、ファイバレーザ用レンズおよびレーザ加工装置 | |
WO2018051450A1 (ja) | レーザ装置 | |
KR101758165B1 (ko) | 레이저 다이오드를 포함하는 광출력장치 | |
JP2006093586A (ja) | レーザ装置、レーザ光の合波方法、画像表示装置、結合素子及びその製造方法 | |
US20140369023A1 (en) | Laser-phosphor device with laser array | |
WO2020059664A1 (ja) | 合波光学系 | |
CN213341080U (zh) | 一种半导体激光器 | |
JP3460477B2 (ja) | マルチビーム光学ユニット | |
WO2023062987A1 (ja) | 鏡筒付きレンズおよび光源装置 | |
JP2004191479A (ja) | 光学系 | |
JP5170521B2 (ja) | 光学系のアライメント装置および方法 | |
JP5170525B2 (ja) | 光学系のアライメント装置および方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20081222 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20100720 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110830 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20111227 |