JP2007184382A - 整流ダイオード - Google Patents

整流ダイオード Download PDF

Info

Publication number
JP2007184382A
JP2007184382A JP2006000982A JP2006000982A JP2007184382A JP 2007184382 A JP2007184382 A JP 2007184382A JP 2006000982 A JP2006000982 A JP 2006000982A JP 2006000982 A JP2006000982 A JP 2006000982A JP 2007184382 A JP2007184382 A JP 2007184382A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rectifier diode
carrier
conductivity type
polarization
semiconductors
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006000982A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4873448B2 (ja
Inventor
Akira Nakajima
昭 中島
Kazukiro Adachi
和広 安達
Mitsutoshi Shimizu
三聡 清水
Hajime Okumura
元 奥村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority to JP2006000982A priority Critical patent/JP4873448B2/ja
Publication of JP2007184382A publication Critical patent/JP2007184382A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4873448B2 publication Critical patent/JP4873448B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electrodes Of Semiconductors (AREA)

Abstract

【課題】 分極による正及び負の両方の固定電荷を積極的に利用し、それにより形成される分極接合を利用した整流ダイオードを提供すること。
【解決手段】 2種類以上の半導体を、少なくとも2個以上の半導体のヘテロ接合を形成するように3層以上積層した積層構造を有し、上記ヘテロ接合の界面に分極により発生する正及び負の固定電荷により、第一の導電型のキャリア及び第二の導電型のキャリアを同時に発生させるようにした分極接合を有する整流ダイオードにおいて、該積層構造の一方の側端に上記第一の導電型のキャリアに対してショットキー特性を有する第一の電極と、他方の側端に上記第一の導電型のキャリアに対してオーミック特性を有する第二の電極とを備えた整流ダイオードである。
【選択図】 図3

Description

本発明は、整流ダイオードに関し、特に半導体の分極接合を有する整流ダイオードに関するものである。
全エネルギー消費に占める電気エネルギーの比率(電力化率)は年々大きくなっている。現在、日本における電力化率は4割に達しており、今後さらに増加していくと見込まれる。限りある資源を有効に利用するためには、電気エネルギーの変換・制御技術をより高い効率で行う技術の開発が必要である。
この電力の変換・制御を扱う半導体の分野は、パワーエレクトロニクスと呼ばれる。中でも半導体を用いた整流ダイオードは、その中心的な役割を担っている。整流ダイオードの逆方向耐圧、及び順方向のオン抵抗は、変換・制御の効率に大きな影響を与える。そのため、より高い耐圧をもち、かつ、より低いオン抵抗をもつ整流ダイオードが必要とされている。これらの特性を向上させることで、電力の変換・制御における損失を低減することができる。ただし、耐圧とオン抵抗の間には、一般にトレードオフの関係が存在するため、一つの特性を向上させると、他方の特性が劣化してしまう傾向にある。
このトレードオフの関係を打破し、整流ダイオードの特性を向上させる方法として、大きく分けて2種類が考えられる。まず一つ目として、もっとも根本的な解決策は、これまで一般的に用いられてきたSiを、ワイドバンドギャップ半導体に置き換えて整流ダイオードを作る方法である。ワイドバンドギャップ半導体とはバンドギャップエネルギーがSi(1.1eV)に比べて大きな半導体のことであり、現在最も注目されているのは、SiC(〜3.0eV)、III族窒化物半導体(〜6.2eV)及びII−VI族酸化物半導体(〜7.8eV)である。バンドギャップエネルギーが大きいほど絶縁破壊電圧が高くなるため、これらの半導体を用いることで、同じ逆方向耐圧を持ちながら、オン抵抗がSiを使った整流ダイオードに比べ数百分の一に抑えられると予想されている。
もう一つは、MR−JBS (Multi RESURF Junction Barrier Schottky Rectifier)に代表されるように、超接合という新しい技術を用いる方法である。超接合とは、従来のpn接合の改良型であり、半導体中にp型領域とn型領域を作りこみ、この二つの領域の総電荷量をほぼ等しく設計することにより、キャリア補償の効果を発生させ、空乏層内の電界分布を一定に保つ技術である。この超接合を用いると、それまで考えられていたSiの材料限界を超える性能が実現できることが分かっている。
しかし、この超接合の作製には精密な半導体プロセス技術、又は成長技術が必要とされるため、現在のところSiを用いた半導体素子でしか実用化されていない。例えば、MR−JBSでは、一旦エッチングによりn型Si基板に深い溝(トレンチ構造)を形成し、その後、結晶成長によりp型Siでこの溝を埋め込む方法などが取られる。このとき、形成する溝には高いアスペクト比(溝の幅と深さの比)が要求される。また、理想的な超接合を作るためには、正電荷と負電荷のドーピング総量を完全に等しく保つ必要がある。超接合構造は、この関係が崩れると、使用できる素子耐圧が制限されてしまう。しかし、そのようなことは原理的に不可能であり、実用上は、例えば特許文献1に開示されているように、正電荷と負電荷のドーピング総量の誤差を数%以内に抑えて超接合を形成する。
以上、オン抵抗と耐圧のトレードオフを改善するためには、大きく分けてワイドバンドギャップ半導体を用いる方法と、超接合を用いる方法があることを述べた。つまり、この二つの方法を同時に用い、ワイドバンドギャップ半導体において超接合を持った素子を作製することができれば、理想的なパワーエレクトロニクス用の整流ダイオードを実現することができる。しかし、上述のように超接合の作製には高度な精度の半導体プロセス技術及び成長技術を要し、これをSi以外の半導体に適用するのは、従来技術でははなはだ困難であった。
これまでに発明された様々な半導体素子の基本構造は、ドーピングによるp型及びn型の導電性制御及びヘテロ接合によるバンド構造の制御であり、これらを組み合わせることで、それぞれの特徴を持った動作を実現している。もちろん、超接合を有するSi半導体素子もこれらの技術により製作される。
一方で、半導体の分極を用いて、導電型を制御することも可能であることが知られている。分極とは、ヘテロ接合の界面において固定電荷が発生する現象であり、結晶が無歪でも発生する自発分極と、歪により発生するピエゾ分極がある。この固定電荷に引き寄せられ、ヘテロ接合界面の近傍に電子又は正孔が生じる。
ドーピングによって形成されたキャリアに比べ、この分極によるキャリアは、様々な異なった特長を持つ。まず、第一に、半導体中に分布する固定電荷の総量を、制御することが容易であるという特長がある。例えば2種類の半導体のヘテロ接合を考えた場合、そこに発生する固定電荷の総量は、接合する半導体の種類で決定される。つまり、接合の急峻性を変化させたり、界面に別の半導体層を挿入しても、固定電荷の総量には影響を与えない。また、2種類の半導体を交互に積層した場合、大きさが等しく符号が逆の分極電荷が、各へテロ界面に交互に現れる。
第二に、ドーピング技術では不可能な高濃度の固定電荷を空間的に集中させて発生させることができる。例えばIII族窒化物半導体のヘテロ接合では、1013cm−2程度の面密度で分極電荷が得られる。このとき、界面の急峻性を1nmと仮定すると、固定電荷密度は約1020cm−3となり、非常に高密度になる。これによりドーピング技術のみでは困難なキャリアの空間的な分布を実現することができる。
第三に、原理的にキャリアの活性化エネルギーが無視できるという特徴をもつ。ここでいう活性化エネルギーとは、キャリアを発生させるための熱エネルギーのことである。ワイドバンドギャップ半導体では、ドーピングによる導電性の制御において、この活性化エネルギーが室温における熱エネルギーに比べ大きくなってしまう傾向にあり、問題となっている。しかし、分極を用いれば、この問題は生じない。つまりドーピングではp型、n型の制御が困難な半導体においても、導電性を制御できる可能性がある。
第四に、このとき発生するキャリアは、上述のように空間的に集中しており、また、イオン化不純物散乱の影響も低いので、高い移動度を持つことができる。ドーピングによりキャリアを発生させた場合、例えば、バルクGaNの電子移動度は200cm/Vs程度であるが、分極による2次元電子ガスにすることにより1000cm/Vs以上の移動度が容易に得られる。
以上のように、分極により発生するキャリアは、様々な特長を持っている。そのため、ドーピングによるp型又はn型の制御技術及びヘテロ接合によるバンドラインナップの制御に加えて、上述の分極現象を積極的に利用すれば、これまでにない半導体素子を実現できる。
この分極という現象は、多くの半導体で見られる。しかし、上述のような観点に立った半導体素子は、これまであまり注目されてこなかった。その理由の一つとして、GaAsなどの、立方晶系の結晶構造をもつ半導体では、分極が小さいことがある。一方で、近年において高品質な単結晶が得られるようになった六方晶系の結晶構造をもつIII族窒化物半導体は、非常に大きな分極を生じることが知られている。
III族窒化物半導体は、光デバイスとして1990年代から注目され始めたIII−V族化合物半導体である。化学式としてはBAlGaIn1−x−y−zNで表される。III族窒化物半導体を用いた発光デバイスにおいて、この大きな分極は、量子閉じ込めシュクタル効果による発光効率の減少をまねくため、欠点とされてきた。これまでに、分極を積極的に利用した半導体素子として、III族窒化物半導体を用いた高電子移動度トランジスタがある。これは、分極により発生する正の固定電荷を利用したものである。しかし、正及び負の両方の固定電荷を利用し、それにより発生する電子及び正孔を積極的に利用した整流ダイオードは、これまで報告されていない。
特開2001−111041号公報 特開平8−148699号公報 S. Kunoriet al, Proc. ISPSD’02, p.33 (2002)
本発明の解決しようとする課題は、分極による正及び負の両方の固定電荷を積極的に利用し、それにより形成される分極接合を利用した整流ダイオードを提供することである。
本発明は、分極により形成される超接合に利用した整流ダイオードに関するものであり、次のような整流ダイオードを提供することにより課題は解決される。
(1)2種類以上の半導体を、少なくとも2個以上の半導体のヘテロ接合を形成するように3層以上積層した積層構造を有し、上記ヘテロ接合の界面に分極により発生する正及び負の固定電荷により、第一の導電型のキャリア及び第二の導電型のキャリアを同時に発生させるようにした分極接合を有する整流ダイオードにおいて、
該積層構造の一方の側端に上記第一の導電型のキャリアに対してショットキー特性を有する第一の電極と、
他方の側端に上記第一の導電型のキャリアに対してオーミック特性を有する第二の電極とを備えた整流ダイオード。
(2)上記第一の電極は、上記第二の導電型のキャリアに対してオーミック特性を有することを特徴とする整流ダイオード。
(3)2種類以上の半導体を、少なくとも2個以上の半導体のヘテロ接合を形成するように3層以上積層した積層構造を有し、上記ヘテロ接合の界面に分極により発生する正及び負の固定電荷により、第一の導電型のキャリア及び第二の導電型のキャリアを同時に発生させるようにした分極接合を有する整流ダイオードにおいて、
該積層構造の一方の側端に、上記第一の導電型のキャリアに対してショットキー特性を有する第一の電極、及び上記第二の導電型のキャリアに対してオーミック特性を有するとともに第一の電極と電気的に接続された第三の電極と、
他方の側端に上記第一の導電型のキャリアに対してオーミック特性を有する第二の電極とを備えた整流ダイオード。
(4)上記積層構造の他方の側端に隣接する半導体の一部は、高濃度にドープされていることを特徴とする整流ダイオード。
(5)上記2種類以上の半導体は、組成の異なるIII−V族化合物半導体である整流ダイオード。
(6)上記III−V族化合物半導体は、III族窒化物半導体であり、その化学式はBAlGaIn1−x−y−zNで表される整流ダイオード。
(式中x、y及びzは、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z≦1を満足させる数値を持つものとする。)
(7)上記III族窒化物半導体は、c軸方向に積層されていることを特徴とする整流ダイオード。
(8)上記2種類以上の半導体は、組成の異なるII−VI族酸化物半導体である整流ダイオード。
(9)上記2種類以上の半導体は、結晶構造の異なるSiC化合物半導体である整流ダイオード。
(10)上記整流ダイオードは、半導体基板上に集積化されていることを特徴とする整流ダイオード。
本発明によれば逆方向耐圧を犠牲にせずに、分極により発生したキャリアの分だけオン抵抗を低減することができるため、これにより整流ダイオードの逆方向耐圧とオン抵抗のトレードオフを改善することができる。
また分極による正又は負の固定電荷により発生する、少なくとも第一の導電型のキャリア又は第二の導電型のキャリアの高い移動度を用いることにより上記整流ダイオードのオン抵抗がさらに低減され、高周波特性も向上させることができる。
さらに上記(2)〜(3)記載の整流ダイオードでは、上記第二の導電型に対するオーミック電極を形成することにより、過渡応答における空乏層の伸び縮みを改善し、これにより上記整流ダイオードの高周波特性を向上させることができる。
さらに上記(4)記載の整流ダイオードでは、上記第二の電極付近の分極接合にドーピングを行うことにより、コンタクト抵抗を低減することが出来るため、これにより上記整流ダイオードのオン抵抗をさらに向上させることが出来る。
さらに上記(10)記載の整流ダイオードでは、同一基板上に本発明による整流ダイオードを集積化させることで、電子回路の体積を低減することが出来る。
図1は、GaN層1及びAlGa1−yN層2をc軸方向に積層した場合のバンドラインナップの模式図である。このように、AlGa1−yN(000−1)/GaN(0001)及びAlGa1−yN(0001)/GaN(000−1)界面に、正及び負の分極による固定電荷により、電子及び正孔を、それぞれ発生させることができる。このように分極を用いて、電子及び正孔を交互に発生させた半導体のpn接合を、本明細書では「分極接合」と定義する。
分極接合は、次の2つの理由から、理想的な超接合として用いることが出来る。まず、半導体中の分極以外の固定電荷を、分極による固定電荷に対して低く抑えることで、正及び負の固定電荷量を高い精度で等しくすることが可能である。例えば、分極電荷の大きさρ=1×1013cm−2、分極以外の固定電荷量ρback=1×1016cm−3とし、分極接合の各層の厚さを100nmと仮定すると、正及び負の固定電荷の大きさの誤差はわずか2%となる。二つ目として、分極接合を用いることで、n型領域及びp型領域の幅と長さのアスペクト比を非常に大きくすることが可能である。なぜなら、分極接合の形成には、エッチングやイオン注入を用いる必要が無いためである。
本発明を適用していない通常の整流ダイオードと、本発明を適用した分極接合を有する整流ダイオードの特性をデバイスシュミレーションにより比較する。図2は、本発明を適用していない整流ダイオードの概略図である。アノード電極5は電子に対してショットキー特性をもち、カソード電極6は正孔に対してオーミック特性をもつ。これにより整流性が得られる。nGaN層3の固定電荷濃度ρback及び、その長さddriftを変化させてその特性を調べた。
図3は、本発明を適用した整流ダイオードの構造の概略図である。分極接合領域7は、Al組成9%のnAl0.09Ga0.91N層及びnGaN層の積層構造により形成した。各層の厚さは100nmとした。各へテロ界面の分極電荷の大きさρは、理論値より5×1012cm−2とした。アノード電極9は電子に対してショットキー特性をもち、カソード電極10は正孔に対してオーミック特性をもつ。また、カソード電極10付近の分極接合領域にはドナー不純物をドーピングすることにより、分極による負電荷を打ち消したn型化分極接合領域8を形成した。このn型化分極接合領域は、カソード電極におけるコンタクト抵抗を低減するとともに、逆バイアス時におけるパンチスルーを防ぐ役目も担っている。分極接合領域7の分極電荷以外の固定電荷濃度ρback及び、その長さddriftを変化させてその特性の変化を調べた。
図2及び図3の整流ダイオードにおける逆方向耐圧とオン抵抗の関係を調べた。図4は、そのシミュレーション結果である。耐圧は、アバランシェ電流、及びカソード電極におけるトンネル電流の増加により求めた。まず、本発明を適用していない整流ダイオードについてみると、ρbackの大きさにより、実現できる耐圧の限界があることが分かる。この耐圧の限界は、ρbackが小さいほど増加する傾向にある。本発明を適用した整流ダイオードにおいても同様の傾向が見られており、各ρbackにおける耐圧の限界は、本発明を適用していない整流ダイオードと同程度の値が得られている。これは、正及び負の分極電荷がお互いに補償しあい、その結果残ったρbackが耐圧を決定していることを表している。
一方で、オン抵抗については本発明の適用により大きく低減されることが図4よりわかる。つまり、本発明により、耐圧を犠牲にせずに、分極により発生したキャリアの分だけオン抵抗を低減することができ、これによりオン抵抗と耐圧のトレードオフを大きく改善できる。また、本発明の効果は、高耐圧にいくほど向上することが分かる。例えば、10kV以上の高耐圧領域において、本発明を適用することで1/100以下にオン抵抗が改善されることが期待できる。
一般に、超接合の性能は、半導体中の正及び負の固定電荷量の誤差が小さいほど向上する。図3における正及び負の固定電荷の大きさの誤差は、ρback=1×1017、1×1016及び1×1015cm−3において、それぞれ40%、4%及び0.4%である。固定電荷の大きさの誤差が40%と大きい場合でも、本発明の効果は得られる。ただし、上述のようにρbackの大きさにより、耐圧の限界が存在する。また、オン抵抗に関してはρが大きいほど小さくなる傾向にある。そのため、本発明の適用にはρbackが小さいく、かつρが大きいほど望ましい。
次に、整流ダイオードは、高周波で使われる場合がほとんどである。整流ダイオードの高周波特性を向上させるには、空乏層の伸び縮みの応答速度を速くしてやる必要がある。そのためには、空乏層に効率よく電子と正孔を注入する必要がある。よって、図3におけるアノード電極9は、正孔に対してオーミック特性をもつことが望ましい。III族窒化物半導体については、電子に対してはショットキー特性をもち、かつ、正孔に対してオーミック特性をもつ電極として、Ni及びPtなどの金属を用いたものがある。ただし、正孔に対する良好なオーミック特性を保ちつつ、電子に対するショットキー障壁の高さを自由に調整することは、一般に困難である。そのような場合、図5に示すようにアノード電極に2種類の電極を用いても良い。
また、本発明はパワーデバイスの集積回路に用いることが出来る。これまでのSiを用いたパワーデバイスでは、オン抵抗を低減させるために大きな面積を必要とし、集積化が困難であった。一方で、Siをワイドバンドギャップ半導体に置き換えることにより、特性を劣化させずに素子寸法を下げることができる。本発明は、このオン抵抗と逆方向耐圧のトレードオフをさらに改善することができ、かつ、横型素子の作製に適した構造を持っている。そのため、本発明による整流ダイオードは、同一基板上への集積化、及びその他の半導体素子、例えば高電子移動度トランジスタなどとの集積化を行うことが可能である。
なお、本明細書では分極接合の効果について、III族窒化物半導体を例に挙げて説明を行ったが、本発明は、分極の発生する全ての半導体において適用可能である。例えば、ZnOに代表されるII−VI族酸化物半導体のヘテロ接合は、大きな分極による固定電荷が発生するため、本発明を適用することができる。ZnO/ZnMg1−mOなどのヘテロ接合がその一例である。II−VI族酸化物半導体は、非常に大きなバンドギャップをもつ半導体であり、パワーデバイスとして大きな可能性をもつ。
さらに、ポリタイプの異なるSiCのヘテロ接合も、大きな分極を発生することが知られており、本発明を適用することができる。4H−SiC/3C−SiC、及び6H−SiC/3C−SiCなどのヘテロ接合がその一例である。SiCもワイドバンドギャップ半導体であり、また、Siと同じ四族元素からなるため、Siで確立された多くの既存技術を利用できるという利点をもつ。
2種類のIII族窒化物半導体を積層したときのバンドラインナップの模式図 本発明を適用していない整流ダイオードの構造の概略図 本発明を適用した整流ダイオードの構造の概略図 整流ダイオードにおけるオン抵抗と耐圧のシミュレーション結果 アノード電極に2種類の金属を用いた整流ダイオードの概略図
符号の説明
1 i−GaN層
2 i−AlGa1−yN層
3 nGaN層
4 nGaN層
5 アノード電極
6 カソード電極
7 分極接合領域
8 n型化分極接合領域
9 アノード電極
10 カソード電極
11 分極接合領域
12 アノード電極
13 アノード電極12と種類の違う金属を用いたアノード電極
14 カソード電極

Claims (10)

  1. 2種類以上の半導体を、少なくとも2個以上の半導体のヘテロ接合を形成するように3層以上積層した積層構造を有し、上記ヘテロ接合の界面に分極により発生する正及び負の固定電荷により、第一の導電型のキャリア及び第二の導電型のキャリアを同時に発生させるようにした分極接合を有する整流ダイオードにおいて、
    該積層構造の一方の側端に上記第一の導電型のキャリアに対してショットキー特性を有する第一の電極と、
    他方の側端に上記第一の導電型のキャリアに対してオーミック特性を有する第二の電極とを備えた整流ダイオード。
  2. 上記第一の電極は、上記第二の導電型のキャリアに対してオーミック特性を有することを特徴とする請求項1に記載の整流ダイオード。
  3. 2種類以上の半導体を、少なくとも2個以上の半導体のヘテロ接合を形成するように3層以上積層した積層構造を有し、上記ヘテロ接合の界面に分極により発生する正及び負の固定電荷により、第一の導電型のキャリア及び第二の導電型のキャリアを同時に発生させるようにした分極接合を有する整流ダイオードにおいて、
    該積層構造の一方の側端に、上記第一の導電型のキャリアに対してショットキー特性を有する第一の電極、及び上記第二の導電型のキャリアに対してオーミック特性を有するとともに第一の電極と電気的に接続された第三の電極と、
    他方の側端に上記第一の導電型のキャリアに対してオーミック特性を有する第二の電極とを備えた整流ダイオード。
  4. 上記積層構造の他方の側端に隣接する半導体の一部は、高濃度にドープされていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の整流ダイオード。
  5. 上記2種類以上の半導体は、組成の異なるIII−V族化合物半導体である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の整流ダイオード。
  6. 上記III−V族化合物半導体は、III族窒化物半導体であり、その化学式はBAlGaIn1−x−y−zNで表される請求項5に記載の整流ダイオード。
    (式中x、y及びzは、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z≦1を満足させる数値を持つものとする。)
  7. 上記III族窒化物半導体は、c軸方向に積層されていることを特徴とする請求項6に記載の整流ダイオード。
  8. 上記2種類以上の半導体は、組成の異なるII−VI族酸化物半導体である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の整流ダイオード。
  9. 上記2種類以上の半導体は、結晶構造の異なるSiC化合物半導体である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の整流ダイオード。
  10. 上記整流ダイオードは、半導体基板上に集積化されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の整流ダイオード。
JP2006000982A 2006-01-06 2006-01-06 整流ダイオード Active JP4873448B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006000982A JP4873448B2 (ja) 2006-01-06 2006-01-06 整流ダイオード

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006000982A JP4873448B2 (ja) 2006-01-06 2006-01-06 整流ダイオード

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007184382A true JP2007184382A (ja) 2007-07-19
JP4873448B2 JP4873448B2 (ja) 2012-02-08

Family

ID=38340217

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006000982A Active JP4873448B2 (ja) 2006-01-06 2006-01-06 整流ダイオード

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4873448B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009117485A (ja) * 2007-11-02 2009-05-28 Panasonic Corp 窒化物半導体装置
WO2010014064A1 (en) * 2008-07-31 2010-02-04 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Multi-layer reconfigurable switches
JP2012186410A (ja) * 2011-03-08 2012-09-27 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 半導体素子
JP2013197261A (ja) * 2012-03-19 2013-09-30 Toyota Motor Corp 半導体装置
WO2014136250A1 (ja) * 2013-03-08 2014-09-12 株式会社日立製作所 窒化物半導体ダイオード
WO2015056745A1 (ja) * 2013-10-17 2015-04-23 ローム株式会社 窒化物半導体装置およびその製造方法
JP2019067767A (ja) * 2007-09-13 2019-04-25 株式会社半導体エネルギー研究所 発熱機能を有するシート
CN110447108A (zh) * 2017-05-26 2019-11-12 新电元工业株式会社 Mosfet以及电力转换电路
JP7400128B2 (ja) 2020-06-11 2023-12-18 珠海格力▲電▼器股▲分▼有限公司 Mpsダイオードデバイス及びその作製方法

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019067767A (ja) * 2007-09-13 2019-04-25 株式会社半導体エネルギー研究所 発熱機能を有するシート
JP2009117485A (ja) * 2007-11-02 2009-05-28 Panasonic Corp 窒化物半導体装置
WO2010014064A1 (en) * 2008-07-31 2010-02-04 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Multi-layer reconfigurable switches
CN102171829A (zh) * 2008-07-31 2011-08-31 惠普开发有限公司 多层可重新配置的开关
JP2011529636A (ja) * 2008-07-31 2011-12-08 ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. 多層型再構成可能スイッチ
KR101438468B1 (ko) 2008-07-31 2014-09-05 휴렛-팩커드 디벨롭먼트 컴퍼니, 엘.피. 다층의 재구성가능한 스위치
JP2012186410A (ja) * 2011-03-08 2012-09-27 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 半導体素子
CN104205346A (zh) * 2012-03-19 2014-12-10 丰田自动车株式会社 半导体装置
CN104205346B (zh) * 2012-03-19 2017-03-08 丰田自动车株式会社 半导体装置
US9653621B2 (en) 2012-03-19 2017-05-16 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Semiconductor apparatus
DE112013001544B4 (de) * 2012-03-19 2017-09-14 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Halbleitervorrichtung
DE112013001544B8 (de) * 2012-03-19 2018-01-18 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Halbleitervorrichtung
JP2013197261A (ja) * 2012-03-19 2013-09-30 Toyota Motor Corp 半導体装置
WO2014136250A1 (ja) * 2013-03-08 2014-09-12 株式会社日立製作所 窒化物半導体ダイオード
WO2015056745A1 (ja) * 2013-10-17 2015-04-23 ローム株式会社 窒化物半導体装置およびその製造方法
CN110447108A (zh) * 2017-05-26 2019-11-12 新电元工业株式会社 Mosfet以及电力转换电路
JP7400128B2 (ja) 2020-06-11 2023-12-18 珠海格力▲電▼器股▲分▼有限公司 Mpsダイオードデバイス及びその作製方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4873448B2 (ja) 2012-02-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4873448B2 (ja) 整流ダイオード
JP5344445B2 (ja) 半導体素子
US20140110759A1 (en) Semiconductor device
US8390029B2 (en) Semiconductor device for reducing and/or preventing current collapse
US8426895B2 (en) Semiconductor device and manufacturing method of the same
US20100207164A1 (en) Field effect transistor
JP2018011060A (ja) 窒化物半導体構造物
US8772785B2 (en) Semiconductor device, schottky barrier diode, electronic apparatus, and method of producing semiconductor device
KR102011761B1 (ko) 이중 금속의 부분 리세스된 전극을 갖는 GaN계 쇼트키 다이오드
JP6308478B2 (ja) 一部が凹んだアノードを有するGaN系ショットキーダイオード
JP2007201093A (ja) 窒化物半導体装置
JP5997234B2 (ja) 半導体装置、電界効果トランジスタおよび電子装置
WO2013096821A1 (en) Aluminum nitride based semiconductor devices
US10050112B2 (en) Electron gas confinement heterojunction transistor
JP5292895B2 (ja) 窒化物半導体トランジスタ
JP2011082331A (ja) 半導体素子
JPWO2014050250A1 (ja) 半導体積層基板および半導体素子
US8963151B2 (en) Nitride-based heterostructure field effect transistor having high efficiency
JP5721782B2 (ja) 半導体装置
JP6314316B2 (ja) 窒化物半導体デバイス
JP2013232578A (ja) ショットキーバリアダイオード
JP2013030763A (ja) トランジスタ用半導体基板、トランジスタ及びトランジスタ用半導体基板の製造方法
Xing et al. Unique opportunity to harness polarization in GaN to override the conventional power electronics figure-of-merits
US9331169B2 (en) Nitride semiconductor Schottky diode and method for manufacturing same
JP5697046B2 (ja) 高移動度電界効果トランジスタ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080327

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111115

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111116

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141202

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4873448

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141202

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250