JP2012186410A - 半導体素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】寄生抵抗が低減されたダイオード構造が形成できるようにする。
【解決手段】 この半導体素子は、n型とされた窒化物半導体から構成されて主表面がC面方向とされている第1半導体層101と、第1半導体層101とは格子定数が異なる窒化物半導体から構成され、主表面がC面方向とされて第1半導体層101の上に形成された第2半導体層102と、第2半導体層102とは格子定数が異なるn型の窒化物半導体から構成され、主表面がC面方向とされて第2半導体層102の上に形成された第3半導体層103とを少なくとも備える。また、第2半導体層102は、臨界膜厚より薄く形成されている。加えて、第1半導体層と第2半導体層との格子定数の大小関係と、第3半導体層と第2半導体層との格子定数の大小関係とは同じとされている。
【選択図】 図1
【解決手段】 この半導体素子は、n型とされた窒化物半導体から構成されて主表面がC面方向とされている第1半導体層101と、第1半導体層101とは格子定数が異なる窒化物半導体から構成され、主表面がC面方向とされて第1半導体層101の上に形成された第2半導体層102と、第2半導体層102とは格子定数が異なるn型の窒化物半導体から構成され、主表面がC面方向とされて第2半導体層102の上に形成された第3半導体層103とを少なくとも備える。また、第2半導体層102は、臨界膜厚より薄く形成されている。加えて、第1半導体層と第2半導体層との格子定数の大小関係と、第3半導体層と第2半導体層との格子定数の大小関係とは同じとされている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、発光ダイオード、レーザーダイオード、太陽電池などとして用いることができる窒化物半導体を用いた半導体素子に関する。
窒化物半導体におけるダイオード構造の素子は、信号機などに用いられている青色発光ダイオード(LED)、照明やディスプレーのバックライト,あるいは自動車のヘッドランプなどに用いられる高輝度白色LED、更にはブルーレイ(登録商標)ディスク等に用いられる青色レーザーダイオード(LD)などの形で広く実用に供されている。また、医療分野への応用を目指した深紫外LEDの研究開発、および循環型社会実現に欠かせない太陽電池への応用に向けた研究開発も盛んに行われている。
これらのダイオード構造を作製するには、p−n構造もしくはp−i−n構造を取るのが一般的である。窒化物半導体のn型ドーピングには、n型不純物としてSiが用いられることが多い。これは、窒化物半導体にSiをドーピングするのは容易で、高濃度キャリア濃度を比較的簡単に得やすいためである。
一方、p型ドーピングにはp型不純物としてMgが用いられている。これは、非特許文献1に示されているように、窒化物半導体におけるMgのアクセプタ準位が他のアクセプタ不純物に比べて相対的に浅いためである。しかしながら、Mgのアクセプタ準位は、他のIII−V族半導体におけるアクセプタ準位に比べると非常に大きく、このため、窒化物半導体にドーピングされたMgのうち1%程度しか活性なアクセプタとして働いていない。結果的に、典型的には17乗台のキャリア濃度しか得ることができないために低抵抗なpコンタクトを形成できず、大きな寄生抵抗になってしまうという問題があった。
このような大きな寄生抵抗は、高輝度LEDやLDのようなハイパワーデバイスにおいては発光効率の低下の要因になる以外に、発熱による素子特性の劣化という問題になり、パッケージ等の実装においてどのようにスムーズに放熱させるかという問題を発生させる。また、太陽電池のようなエネルギー発生デバイスにおいては、エネルギーの損失という問題になる。
S.Fischer et al. , "On p-type doping in GaN.acceptor binding energies", Applied Physics Letters, vol.67, no.9, pp. 1298-1300, 1995.
J.J.Wierer, Jr. et al., "The impact of piezoelectric polarization and nonradiative recombination on the performance of (0001) face GaN/InGaN photovoltaic devices", Applied Physics Letters, vol. 96, art. no. 051107, 2010.
F. Bernardini et al. , "Spontaneous polarization and piezoelectric constants of III-V nitrides", Physical Review B, vol.56, no.16, pp. R10024-R10027, 1997.
以上に示したように、窒化物半導体でp−nダイオード構造もしくはp−i−nダイオード構造を構成する場合、p型とするためのMgドーピングによる高濃度キャリア濃度実現が難しく、良好なpコンタクトを形成できず、結果としてダイオード構造の寄生抵抗を低減できないという問題があった。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、寄生抵抗が低減されたダイオード構造が形成できるようにすることを目的とする。
本発明に係る半導体素子は、n型とされた窒化物半導体から構成されて主表面がC面方向とされている第1半導体層と、第1半導体層とは格子定数が異なる窒化物半導体から構成され、主表面がC面方向とされて第1半導体層の上に形成された第2半導体層と、第2半導体層とは格子定数が異なるn型の窒化物半導体から構成され、主表面がC面方向とされて第2半導体層の上に形成された第3半導体層とを少なくとも備え、第2半導体層は、臨界膜厚より薄く形成され、第1半導体層と第2半導体層との格子定数の大小関係と、第3半導体層と第2半導体層との格子定数の大小関係とは同じとされている。
上記半導体素子において、第2半導体層および第3半導体層の間に形成されて第3半導体層より低濃度のn型もしくはノンドープとされ、第2半導体層とは格子定数が異なる窒化物半導体から構成された第4半導体層を備え、第4半導体層と第2半導体層との格子定数の大小関係と、第3半導体層と第2半導体層との格子定数の大小関係とは同じとされていればよい。
上記半導体装置において、第2半導体層および第3半導体層の間に形成されて、アンドープの窒化物半導体から構成された第4半導体層と、第4半導体層および第2半導体層の間に形成され、第4半導体層より格子定数が小さいアンドープの窒化物半導体から構成され、主表面がC面方向とされた第5半導体層と、第4半導体層および第3半導体層の間に形成され、第4半導体層より格子定数が小さい窒化物半導体から構成され、主表面がC面方向とされた第6半導体層とを備えるようにしてもよい。
上記半導体素子において、第1半導体層は、GaNから構成され、第2半導体層は、InxAlyGa1-x-yN(0≦x≦1,0≦y≦1,0<x+y≦1)から構成されていればよい。
以上説明したように、本発明によれば、n型とされた窒化物半導体から構成されて主表面がC面方向とされている第1半導体層および第3半導体層で、臨界膜厚以下とした格子定数の異なる第2半導体層を挟むようにしたので、寄生抵抗が低減されたダイオード構造が形成できるようになるという優れた効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
[実施の形態1]
はじめに、本発明の実施の形態1について説明する。図1は、本発明の実施の形態1における半導体素子の構成を示す構成図である。図1では、半導体素子の断面を模式的に示している。
はじめに、本発明の実施の形態1について説明する。図1は、本発明の実施の形態1における半導体素子の構成を示す構成図である。図1では、半導体素子の断面を模式的に示している。
この半導体素子は、n型とされた窒化物半導体から構成されて主表面がC面方向とされている第1半導体層101と、第1半導体層101とは格子定数が異なる窒化物半導体から構成され、主表面がC面方向とされて第1半導体層101の上に形成された第2半導体層102と、第2半導体層102とは格子定数が異なるn型の窒化物半導体から構成され、主表面がC面方向とされて第2半導体層102の上に形成された第3半導体層103とを少なくとも備える。
また、第2半導体層102は、臨界膜厚より薄く形成されている。加えて、第1半導体層と第2半導体層との格子定数の大小関係と、第3半導体層と第2半導体層との格子定数の大小関係とは同じとされている。
例えば、上述した各層は、主表面をC面としたサファイア(コランダム)からなる基板111の上に形成すればよい。ここで、サファイア基板の上にGaNなどの窒化物半導体を有機金属気相成長法(MOCVD)によりエピタキシャル成長させると、通常は、(0001)方向にIII族極性で結晶成長が進行する。以下では、基板111の上に、III族極性で各層を形成し、第2半導体層102に対し、第1半導体層101および第3半導体層103の方が大きな格子定数となっている場合について説明する。また、以下では、第2半導体層102および第3半導体層103の間に形成されて第3半導体層103より低濃度のn型とされ、第1半導体層101と同じ格子定数の窒化物半導体から構成された第4半導体層104を備える場合について説明する。
各層について例示すると、まず、第1半導体層101は、n型の不純物を高濃度(キャリア濃度1×1018cm-3)に添加したGaN(n+−GaN)から構成すればよく、層厚は、1,000nm程度とすればよい。第2半導体層102は、アンドープのAl0.3Ga0.7Nから構成すればよく、層厚は、15nm程度とすればよい。第4半導体層104は、n型の不純物(キャリア濃度1×1017cm-3)を添加したGaN(n−GaN)から構成すればよく、層厚は、200nm程度すればよい。また、第3半導体層103は、n型の不純物を高濃度(キャリア濃度1×1018cm-3)に添加したGaN(n+−GaN)から構成すればよく、層厚は、1,000nm程度とすればよい。ここでは、第1半導体層101と第3半導体層103とは、同じ格子定数の場合を例示している。
上述したように、III族極性で各層を形成した本実施の形態によれば、第1半導体層101の上に第2半導体層102を形成(堆積)すると、第2半導体層102に引っ張り応力が加わり、これによって自発分極効果を強める方向にピエゾ分極効果が現れ、第1半導体層101との界面近傍の第1半導体層101には、2次元電子ガスが発生する。この結果、第2半導体層102の界面付近の伝導電子帯(conduction band:cd)は、フェルミ準位近傍にピニングされる。一方、第2半導体層102の上に第4半導体層104(第3半導体層103)を形成すると、第4半導体層104では、価電子帯(valence band:vb)がフェルミ準位近傍にピニングされる。
これらの作用により、実施の形態1における半導体素子のバンド構造は、図2の(a)に示す状態となり、第1半導体層101と第3半導体層103とに挟まれた領域に、空乏層が形成されて擬似的なダイオードと見なせる構造になる。なお、第4半導体層104を設け、この層の厚さなどを制御することで、得られる擬似的なダイオードの諸特性を様々に変化させることができる。従って、第4半導体層104は、なくてもよい。
図2には、第3半導体層103および第1半導体層101に電極を形成し、これらの層の間に電圧を印加した場合のバンド図の変化も示している。図2の(a)は、電圧を印加していない(無バイアス)状態を示し、図2の(b)は、第3半導体層103の側を+としたバイアスを印加し、図2の(c)は、第3半導体層103の側を−としたバイアスを印加した場合を示している。
図2の(b)に示すように、第3半導体層103に正の電位を与えた場合、第1半導体層101の側から供給される電子は、第2半導体層102の部分に形成される大きなエネルギー障壁によってブロックされ、電流はほとんど流れない。これに対し、図2の(c)に示すように、第3半導体層103の側に負の電位を与えた場合、第3半導体層103の側から供給される電子に対するエネルギー障壁はほとんどなく、電流が流れる。ここで、価電子帯の側では、例えば、正孔が、第1半導体層101の側より第2半導体層102をトンネルして第3半導体層103の側に流れる。
本実施の形態1の半導体素子の電流・電圧特性は、図3に示すように、通常のダイオードで見られるのと同様の整流特性が得られる。本実施の形態1では、電極を形成する第1半導体層101および第3半導体層103は、いずれもn型であることから、高濃度のキャリア濃度を得ることが容易である。従って、低抵抗なコンタクトを形成することができ、寄生抵抗の小さいダイオード素子を作製できる。また、第2半導体層102は、臨界膜厚より薄くしているので、結晶性などの品質の劣化が抑制され、素子の諸特性を劣化させることがない。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2について説明する。図4は、本実施の形態2における半導体素子の構成を示す構成図である。図4では、半導体素子の断面を模式的に示している。
次に、本発明の実施の形態2について説明する。図4は、本実施の形態2における半導体素子の構成を示す構成図である。図4では、半導体素子の断面を模式的に示している。
この半導体素子は、n型とされた窒化物半導体から構成されて主表面がC面方向とされている第1半導体層401と、第1半導体層401とは格子定数が異なる窒化物半導体から構成され、主表面がC面方向とされて第1半導体層401の上に形成された第2半導体層402と、第2半導体層403とは格子定数が異なるn型の窒化物半導体から構成され、主表面がC面方向とされて第2半導体層402の上に形成された第3半導体層403とを少なくとも備える。
また、第2半導体層402は、臨界膜厚より薄く形成されている。加えて、第1半導体層と第2半導体層との格子定数の大小関係と、第3半導体層と第2半導体層との格子定数の大小関係とは同じとされている。
例えば、上述した各層は、主表面をC面としたサファイアからなる基板411の上に形成すればよい。ここで、サファイア基板の上にGaNなどの窒化物半導体を、分子線エピタキシャル成長法(MBE)により、諸条件を調製してエピタキシャル成長させることで、(0001)方向にV族極性で結晶成長させることができる。以下では、基板411の上に、V族極性で各層を形成し、第1半導体層101および第3半導体層103に対し第2半導体層102の方が大きな格子定数となっている場合について説明する。また、以下では、第2半導体層402および第3半導体層403の間に形成されて第3半導体層403より低濃度のn型とされ、第1半導体層401と同じ格子定数の窒化物半導体から構成された第4半導体層404を備える場合について説明する。
各層について例示すると、まず、第1半導体層401は、n型の不純物を高濃度(キャリア濃度1×1018cm-3)に添加したGaN(n+−GaN)から構成すればよく、層厚は、1,000nm程度とすればよい。第2半導体層402は、アンドープのIn0.15Ga0.85Nから構成すればよく、層厚は、15nm程度とすればよい。第4半導体層404は、n型の不純物(キャリア濃度1×1017cm-3)を添加したGaN(n−GaN)から構成すればよく、層厚は、200nm程度すればよい。また、第3半導体層403は、n型の不純物を高濃度(キャリア濃度1×1018cm-3)に添加したGaN(n+−GaN)から構成すればよく、層厚は、1,000nm程度とすればよい。ここでも、第1半導体層401と第3半導体層403とが、同じ格子定数の場合を例示している。
上述したように、V族極性で各層を形成した本実施の形態によれば、第1半導体層401の上に第2半導体層402を形成(堆積)すると、第2半導体層402に圧縮応力が加わり、これによって自発分極効果を強める方向にピエゾ分極効果が現れ、第1半導体層401との界面近傍の第1半導体層401には、2次元電子ガスが発生する。この結果、第2半導体層402の界面付近の伝導電子帯は、フェルミ準位近傍にピニングされる。一方、第2半導体層402の上に第4半導体層404(第3半導体層403)を形成すると、第4半導体層404では、価電子帯がフェルミ準位近傍にピニングされる。
これらの作用により、実施の形態2における半導体素子のバンド構造は、図5の(a)に示す状態となり、第1半導体層401と第3半導体層403とに挟まれた領域に、空乏層が形成されて擬似的なダイオードと見なせる構造になる。なお、第4半導体層404を設け、この層の厚さなどを制御することで、得られる擬似的なダイオードの諸特性を様々に変化させることができる。従って、第4半導体層404は、なくてもよい。
図5には、第3半導体層403および第1半導体層401に電極を形成し、これらの層の間に電圧を印加した場合のバンド図の変化も示している。図5の(a)は、電圧を印加していない(無バイアス)状態を示し、図5の(b)は、第3半導体層403の側を+としたバイアスを印加し、図5の(c)は、第3半導体層403の側を−としたバイアスを印加した場合を示している。
図5の(b)に示すように、第3半導体層403に正の電位を与えた場合、第1半導体層401の側から供給される電子は、第2半導体層402の部分に形成される大きなエネルギー障壁によってブロックされ、電流はほとんど流れない。これに対し、図5の(c)に示すように、第3半導体層403の側に負の電位を与えた場合、第3半導体層403の側から供給される電子に対するエネルギー障壁はほとんどなく、電流が流れる。
本実施の形態2の半導体素子の電流・電圧特性は、図6に示すように、通常のダイオードで見られるのと同様の整流特性が得られる。本実施の形態2では、電極を形成する第1半導体層401および第3半導体層403は、いずれもn型であることから、高濃度のキャリア濃度を得ることが容易である。従って、低抵抗なコンタクトを形成することができ、寄生抵抗の小さいダイオード素子を作製できる。また、第2半導体層402は、臨界膜厚より薄くしているので、結晶性などの品質の劣化が抑制され、素子の諸特性を劣化させることがない。
[実施の形態3]
次に、本発明の実施の形態3について説明する。図7は、本実施の形態3における半導体素子の構成を示す構成図である。図7では、半導体素子の断面を模式的に示している。
次に、本発明の実施の形態3について説明する。図7は、本実施の形態3における半導体素子の構成を示す構成図である。図7では、半導体素子の断面を模式的に示している。
この半導体素子は、n型とされた窒化物半導体から構成されて主表面がC面方向とされている第1半導体層701と、第1半導体層701とは格子定数が異なる窒化物半導体から構成され、主表面がC面方向とされて第1半導体層701の上に形成された第2半導体層702と、第2半導体層702とは格子定数が異なるn型の窒化物半導体から構成され、主表面がC面方向とされて第2半導体層702の上に形成された第3半導体層703とを少なくとも備える。
また、第2半導体層702は、臨界膜厚より薄く形成されている。加えて、第1半導体層701,第2半導体層702,第3半導体層703は、主表面がIII族極性とされ、第2半導体層702は、第1半導体層701および第3半導体層703より小さい格子定数とされている。
例えば、上述した各層は、主表面をC面としたサファイア(コランダム)からなる基板111の上に形成すればよい。実施の形態1で説明したように、サファイア基板の上にGaNなどの窒化物半導体を有機金属気相成長法によりエピタキシャル成長させると、通常は、(0001)方向にIII族極性で結晶成長が進行する。なお、以下では、第2半導体層702および第3半導体層703の間に形成されて第3半導体層703より低濃度のn型とされ、第1半導体層701と同じ格子定数の窒化物半導体から構成された第4半導体層704を備える場合について説明する。これは、実施の形態1と同様であるが、実施の形態3では、後述するように、第4半導体層704におけるn型の不純物濃度をより高濃度としている。
各層について例示すると、まず、第1半導体層701は、n型の不純物を高濃度(キャリア濃度1×1018cm-3)に添加したGaN(n+−GaN)から構成すればよく、層厚は、1,000nm程度とすればよい。第2半導体層702は、アンドープのAl0.3Ga0.7Nから構成すればよく、層厚は、15nm程度とすればよい。第4半導体層704は、n型の不純物(キャリア濃度5×1017cm-3)を添加したGaN(n−GaN)から構成すればよく、層厚は、200nm程度すればよい。また、第3半導体層703は、n型の不純物を高濃度(キャリア濃度1×1018cm-3)に添加したGaN(n+−GaN)から構成すればよく、層厚は、1,000nm程度とすればよい。
上述したように、III族極性で各層を形成した本実施の形態3においても、第1半導体層701の上に第2半導体層702を形成(堆積)すると、第2半導体層702に引っ張り応力が加わり、これによって自発分極効果を強める方向にピエゾ分極効果が現れ、第1半導体層701との界面近傍の第1半導体層701には、2次元電子ガスが発生する。この結果、第2半導体層702の界面付近の伝導電子帯は、フェルミ準位近傍にピニングされる。一方、第2半導体層702の上に第4半導体層704(第3半導体層703)を形成すると、第4半導体層704では、価電子帯がフェルミ準位近傍にピニングされる。
これらの作用により、実施の形態3における半導体素子のバンド構造は、図8の(a)に示す状態となり、第1半導体層701と第3半導体層703とに挟まれた領域に、空乏層が形成されて擬似的なダイオードと見なせる構造になる。なお、第4半導体層704を設け、この層の厚さなどを制御することで、得られる擬似的なダイオードの諸特性を様々に変化させることができる。従って、第4半導体層704は、なくてもよい。
図8には、第3半導体層703および第1半導体層701に電極を形成し、これらの層の間に電圧を印加した場合のバンド図の変化も示している。図8の(a)は、電圧を印加していない(無バイアス)状態を示し、図8の(b)は、第3半導体層703の側を+としたバイアスを印加し、図8の(c)は、第3半導体層703の側を−としたバイアスを印加した場合を示している。また、図8の(d)は、第3半導体層703の側を−としたより大きなバイアスを印加した場合を示している。
図8の(b)に示すように、第3半導体層703に正の電位を与えた場合、第1半導体層701の側から供給される電子は、第2半導体層702の部分に形成される大きなエネルギー障壁によってブロックされ、電流はほとんど流れない。これに対し、図8の(c)に示すように、第3半導体層703の側に負の電位を与えた場合、第3半導体層703の側から供給される電子に対するエネルギー障壁はほとんどなく、電流が流れる。ここで、価電子帯の側では、例えば、正孔が、第1半導体層701の側より第2半導体層702をトンネルして第3半導体層703の側に流れる。
本実施の形態3の半導体素子の電流・電圧特性は、図9に示すように、通常のダイオードで見られるのと同様の整流特性が得られる。本実施の形態3では、電極を形成する第1半導体層701および第3半導体層703は、いずれもn型であることから、高濃度のキャリア濃度を得ることが容易である。従って、低抵抗なコンタクトを形成することができ、寄生抵抗の小さいダイオード素子を作製できる。また、第2半導体層702は、臨界膜厚より薄くしているので、結晶性などの品質の劣化が抑制され、素子の諸特性を劣化させることがない。
加えて、本実施の形態3では、第4半導体層704のキャリア濃度が実施の形態1よりも高いことにより、第4半導体層704に形成される空乏層厚が薄くなる。この素子において、第3半導体層703側の電極に加える正電位を大きくしていくと、電子に対する障壁になっていた第2半導体層702をトンネルして電子が流れるようになる(いわゆるツェナー降伏現象)。本実施の形態3における半導体素子においては、20Vを印加した際にツェナー降伏が起こり、図9のような電流・電圧特性となる。このように、本実施の形態3における半導体素子によれば、ツェナーダイオードが実現できる。
[実施の形態4]
次に、本発明の実施の形態4について説明する。図10は、本実施の形態4における半導体素子の構成を示す構成図である。図10では、半導体素子の断面を模式的に示している。
次に、本発明の実施の形態4について説明する。図10は、本実施の形態4における半導体素子の構成を示す構成図である。図10では、半導体素子の断面を模式的に示している。
この半導体素子は、n型とされた窒化物半導体から構成されて主表面がC面方向とされている第1半導体層1001と、第1半導体層1001とは格子定数が異なる窒化物半導体から構成され、主表面がC面方向とされて第1半導体層1001の上に形成された第2半導体層1002と、第2半導体層1002とは格子定数が異なるn型の窒化物半導体から構成され、主表面がC面方向とされて第2半導体層1002の上に形成された第3半導体層1003とを備える。
また、この半導体素子は、第2半導体層1002および第3半導体層1003の間に形成されて、アンドープの窒化物半導体から構成された第4半導体層1004と、第4半導体層1004および第2半導体層1002の間に形成され、第4半導体層1004より格子定数が小さいアンドープの窒化物半導体から構成され、主表面がC面方向とされた第5半導体層1005と、第4半導体層1004および第3半導体層1003の間に形成され、第4半導体層1004より格子定数が小さい窒化物半導体から構成され、主表面がC面方向とされた第6半導体層1006とを備える。これらの格子定数の関係が満たされていれば、第5半導体層1005および第6半導体層1006は、第4半導体層1004と異なる屈折率を有するものなる。
また、第2半導体層1002は、臨界膜厚より薄く形成されている。また、第1半導体層1001,第2半導体層1002,第3半導体層1003は、主表面がIII族極性とされて第2半導体層1002は第1半導体層1001および第3半導体層103より小さい格子定数とされている。
例えば、上述した各層は、主表面をC面としたサファイア(コランダム)からなる基板1011の上に形成すればよい。実施の形態1で説明したように、サファイア基板の上にGaNなどの窒化物半導体を有機金属気相成長法によりエピタキシャル成長させると、通常は、(0001)方向にIII族極性で結晶成長が進行する。
各層について例示すると、まず、第1半導体層1001は、n型の不純物を高濃度(キャリア濃度1×1018cm-3)に添加したGaN(n+−GaN)から構成すればよく、層厚は、1,000nm程度とすればよい。第2半導体層1002は、アンドープのAl0.3Ga0.7Nから構成すればよく、層厚は、15nm程度とすればよい。第4半導体層1004は、アンドープのGaNから構成すればよく、層厚は、600nm程度とすればよい。第4半導体層1004は、第2半導体層1002より大きな格子定数となる。
また、第5半導体層1005は、アンドープのAl0.05Ga0.95Nから構成すればよく、層厚は、400nm程度すればよい。また、第6半導体層1006は、アンドープのAl0.05Ga0.95Nから構成すればよく、層厚は、400nm程度とすればよい。また、第3半導体層1003は、n型の不純物を高濃度(キャリア濃度1×1018cm-3)に添加したGaN(n+−GaN)から構成すればよく、層厚は、1,000nm程度とすればよい。
上述したように、III族極性で各層を形成した本実施の形態4においても、第1半導体層1001の上に第2半導体層1002を形成(堆積)すると、第2半導体層1002に引っ張り応力が加わり、これによって自発分極効果を強める方向にピエゾ分極効果が現れ、第1半導体層1001との界面近傍の第1半導体層1001には、2次元電子ガスが発生する。この結果、第2半導体層1002の界面付近の伝導電子帯は、フェルミ準位近傍にピニングされる。
一方、第2半導体層1002の上に第5半導体層1005を形成すると、第2半導体層1002より格子定数が大きな第5半導体層1005では、価電子帯がフェルミ準位近傍にピニングされる。更に、第5半導体層1005の上に第4半導体層1004を形成すると、同様の効果により、価電子帯がフェルミ準位方向に引き上げられる。
更に、第4半導体層1004の上に第6半導体層1006を形成すると、第6半導体層1006に引っ張り応力が加わることにより、これらの界面近傍の伝導電子帯がフェルミ準位方向にピニングされる。このような状態としている第6半導体層1006の上にn−GaNの層を形成すると、分極効果からはn−GaNの層の界面近傍に2次元正孔ガスが形成される。しかしながら、本実施の形態では、第6半導体層1006の上に形成する第3半導体層1003は、高濃度にn型不純物を添加しているので、電子によって補償されて界面付近の伝導電子帯がフェルミ準位方向に引きずられることになる。
これらの作用により、実施の形態4における半導体素子のバンド構造は、図11に示す状態となる。図11は、無バイアスの状態を示している。本実施の形態4では、内部電界が存在するのは、ヘテロ界面付近を除けば第2半導体層1002および第4半導体層1004となる。第1半導体層1001と第3半導体層1003との間に電圧を印加した場合には、図12のバンド図に示すように、第4半導体層1004の内部電界のみを変化させることができる。
本実施の形態の半導体素子では、第4半導体層1004をコアとし、第5半導体層1005および第6半導体層1006をクラッドとして光導波路を構成している。第1半導体層1001と第3半導体層1003との間に電圧を印加させることで、コア内部の電界を変化させることができ、これによる光電気効果によって、コア(第4半導体層1004)を導波する光の波長を変調することができる。このように構成した本実施の形態における半導体素子を用いることで、マッハツェンダー型変調器を構成することができる。
[実施の形態5]
次に、本発明の実施の形態5について説明する。図13は、本実施の形態5における半導体素子の構成を示す構成図である。図13では、半導体素子の断面を模式的に示している。
次に、本発明の実施の形態5について説明する。図13は、本実施の形態5における半導体素子の構成を示す構成図である。図13では、半導体素子の断面を模式的に示している。
この半導体素子は、n型とされた窒化物半導体から構成されて主表面がC面方向とされている第1半導体層1301と、第1半導体層1301とは格子定数が異なる窒化物半導体から構成され、主表面がC面方向とされて第1半導体層1301の上に形成された第2半導体層1302と、第2半導体層1302とは格子定数が異なるn型の窒化物半導体から構成され、主表面がC面方向とされて第2半導体層1302の上に形成された第3半導体層1303とを備える。
また、本半導体素子は、第2半導体層1302および第3半導体層1303の間に形成されて第3半導体層1303より低濃度のn型もしくはノンドープとされ、第2半導体層1302とは格子定数が異なる窒化物半導体から構成された光吸収層(第4半導体層)1304を備える。加えて、光吸収層1304と第2半導体層1302との格子定数の大小関係と、第3半導体層1303と第2半導体層1302との格子定数の大小関係とは同じとされている。また、第2半導体層1302と光吸収層1304との間には、バッファ層1305および組成遷移層1306を備えている。
なお、第2半導体層1302は、臨界膜厚より薄く形成されている。また、各半導体層は主表面がIII族極性とされ、第2半導体層1302は第1半導体層1301および第3半導体層1303より小さい格子定数とされている。また、光吸収層1304は、第2半導体層1302より大きな格子定数とされている。
例えば、上述した各層は、主表面をC面としたサファイア(コランダム)からなる基板1311の上に形成すればよい。実施の形態1で説明したように、サファイア基板の上にGaNなどの窒化物半導体を有機金属気相成長法によりエピタキシャル成長させると、通常は、(0001)方向にIII族極性で結晶成長が進行する。
各層について例示すると、まず、第1半導体層1301は、n型の不純物を高濃度(キャリア濃度1×1018cm-3)に添加したGaN(n+−GaN)から構成すればよく、層厚は、1,000nm程度とすればよい。第2半導体層1302は、アンドープのAl0.3Ga0.7Nから構成すればよく、層厚は、15nm程度とすればよい。バッファ層1305は、アンドープのGaNから構成すればよく、層厚は200nm程度とすればよい。組成遷移層1306は、アンドープのInxGa1-xN(x=0〜0.30)から構成し、層厚は100nm程度とすればよい。組成遷移層1306は、バッファ層1305より離れるにしがたいInの組成が増加する。
また、光吸収層1304は、アンドープのIn0.3Ga0.7Nから構成すればよく、層厚は、400nm程度とすればよい。第3半導体層1303は、n型の不純物を高濃度(キャリア濃度1×1018cm-3)に添加したGaN(n+−GaN)から構成すればよく、層厚は、100nm程度とすればよい。
上述したように、III族極性で各層を形成した本実施の形態5においても、第1半導体層1301の上に第2半導体層1302を形成(堆積)すると、第2半導体層1302に引っ張り応力が加わり、これによって自発分極効果を強める方向にピエゾ分極効果が現れ、第1半導体層1301との界面近傍の第1半導体層1301には、2次元電子ガスが発生する。この結果、第2半導体層1302の界面付近の伝導電子帯は、フェルミ準位近傍にピニングされ、バッファ層1305の価電子帯が、フェルミ準位に引き寄せられるバンド構造となる。この結果、図14に示すように、バッファ層1305の上に形成されている光吸収層1304に内部電界が生じ、擬似的にダイオードのようなバンド構造となる。
上述した本実施の形態における半導体素子に太陽光を照射すると、光吸収層1304で光エネルギーを吸収し、電子正孔対が生成する。生成した電子正孔対は、光吸収層1304の内部電界により、電子は第3半導体層1303の方向、正孔は第1半導体層1301方向へと空間分離する。第3半導体層1303の方向に移動した電子は、そのまま第3半導体層1303を介して外部へ取り出される。
一方、正孔は、第2半導体層1302におけるエネルギー障壁にぶつかり、この状態のままでは外部に取り出されない。しかしながら、本実施の形態では、第2半導体層1302が臨界膜厚より薄く形成され、かつ、バッファ層1305と第2半導体層1302との界面に2次元正孔ガス、第2半導体層1302と第1半導体層1301との界面には2次元電子ガスが形成されている。このため、空間分離して到達した正孔は、上述した部分(第2半導体層1302)をトンネルして第1半導体層1301の電子と再結合することで外部へ電力として取り出される。
一般に用いられている太陽電池では、第1半導体層1301および第2半導体層1302を、p−GaNの層に置き換えた構造となるが、この場合、p−GaN層のキャリア濃度の低さに起因して直列抵抗が増大し、取り出せる電力が小さくなるという問題があった。また、上記構造を例えばMOCVD法で作製した場合、p−GaN層中のp型不純物であるMgが水素によって不活性化しており、これを活性化処理(通常は高温での熱処理)することになるが、この活性化処理によって光吸収層にダメージを与えるという問題もあった。
活性化処理によるダメージをできるだけ少なくするには、p−GaN層を表面側に堆積するという手段もある。しかしながら、基板側からn+−GaN層、アンドープInGaN層、p−GaN層と堆積した場合に、InGaNからなる光吸収層に生じる内部電界は、非特許文献2の「Fig.2(a)」にあるように、太陽光を吸収して生成した電子正孔対を空間分離させて電力として取り出す方向とは逆向きの電界となる。このため、太陽電池としては不利になる。
実施の形態5における半導体素子によれば、p型の層を用いていないので、上述したような問題が発生せず、良好な太陽電池特性が得られるようになる。なお、本実施の形態では、バッファ層1305および組成遷移層1306を用いているが、これらはなくてもよい。これらを用いない場合、上述した説明における第2半導体層1302とバッファ層1305との関係の説明において、バッファ層1305を、光吸収層1304に置き換えて考えればよい。
以上に説明したように、本発明では、C面方向に成長した窒化物半導体に内在する分極効果を用い、不純物の導入が容易で低抵抗に形成できるn型層を、p型層を用いた場合と同様にすることにより、ダイオード素子を形成するものである。最も基本的な層構成の一例が実施の形態1の構成である。これをより一般的に説明すると、(1)電極を形成するために低抵抗にした高濃度n型ドーピング層と、(2)この高濃度n型ドーピング層の上に積層すると界面に2次元電子ガスを形成するようなアンドープ層(若干のドーピングがなされていても可)と、(3)アンドープ層の上に積層すると2次元正孔ガスを形成するようなアンドープ層もしくはn型ドーピング層、という積層構造である。
以下、(1)の層をn型GaNとして説明する。GaN上に他のIII−V族窒化物半導体を積層した場合、各々の層の自発分極差と、格子不整合に起因したピエゾ分極に起因してバンドベンディングが生じ、バンドベンディングの度合いが大きい場合には、界面に2次元電子ガスが発生する。非特許文献3によると、代表的なIII-V族窒化物半導体であるGaN、AlN、InNで比較すると、GaNの自発分極が最も小さいため、GaN上にInxAlyGa1-x-yN(0<x≦1,0<y≦1,0<x+y≦1)を堆積した場合の自発分極効果は、必ず2次元電子ガスを発生させる方向に作用する。
一方、ピエゾ分極効果は、堆積させた窒化物半導体の格子定数と堆積した層厚によって効果の度合いが変わる。ピエゾ分極は、応力によって生じるため、窒化物半導体層が臨界膜厚を超えて堆積されると応力が開放されピエゾ分極効果は発生しない。臨界膜厚以下の層厚で堆積させた場合、堆積したInxAlyGa1-x-yNの格子定数がGaNよりも小さい場合には引っ張り応力を受け、ピエゾ分極は自発分極効果を増幅する方向に作用し、2次元電子ガスが発生することになる。
一方、格子定数がGaNよりも大きいInxAlyGa1-x-yNを堆積した場合には、ピエゾ分極は自発分極を打ち消す方向に作用し、格子定数を大きくするにつれて2次元電子ガス濃度が徐々に低下し、あるところで2次元電子ガスが発生しなくなる。更に格子定数が大きくなると逆に界面付近が持ち上がる。ここでは、n-GaN層の上にInxAlyGa1-x-yNを堆積しているので、界面のGaN側に空乏層が形成されることになる。
実施の形態1および実施の形態3のように、電子のみの振る舞いで素子特性が決まる場合や、実施の形態4のように電流が流れないことを前提とした素子では、このような空乏層の形成は特に問題ない。ただし、実施の形態5のように、正孔の振る舞いも素子特性に影響するような場合には、上述した界面には2次元電子ガスが形成されていることが望ましい。
InxAlyGa1-x-yN層の上に別の組成を有するInx'Aly'Ga1-x'-y'N(0≦x’≦1,0≦y’≦1,0≦x’+y’≦1)を堆積した場合の考え方も、上述したGaN上のInxAlyGa1-x-yNと同じであるが、逆向きの作用を用いるのが本発明における要点である。この場合も作用を強めるような組み合わせを取ることで,界面には2次元正孔ガスが発生する。実施の形態1、実施の形態3のように、電子のみの振る舞いで素子特性が決まる場合や、実施の形態4のように電流が流れないことを前提とした素子では、2次元正孔ガスの生成の有無は基本的に問わないが、実施の形態5のように正孔の振る舞いも素子特性に影響するような場合には、この界面には2次元正孔ガスが形成されていることが望ましい。
以上、3層のn+−GaN層−アンドープInxAlyGa1-x-yN−Inx'Aly'Ga1-x'-y'Nの組み合わせで、あたかも高濃度p+−GaN層を形成したかのごとく作用を持たせることが可能となる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。例えば、第1半導体層と第2半導体層との格子定数の大小関係と、第3半導体層と第2半導体層との格子定数の大小関係とは同じとされていればよく、各実施の形態で示した対象関係が入れ替わってもよい。また、実施の形態4を用いて説明した光変調器において、第5半導体層,第4半導体層,および第6半導体層の構造を、多重量子井戸構造としてもよい。
また、例えば、上述では、第1半導体層および第3半導体層をGaNから構成し、これらの間に配置する第2半導体層をAl0.3Ga0.7Nから構成したが、これに限るものではない。例えば、第1半導体層および第3半導体層をAl0.05Ga0.95Nから構成し、これらの間に配置する第2半導体層をAl0.3Ga0.7Nから構成してもよい。また、C面サファイア基板を用いるようにしたが、これに限るものではなく、いかなる基板であっても、窒化物半導体をIII族極性およびV族極性で成長できるものであれば同じ効果が得られる。
101…第1半導体層、102…第2半導体層、103…第3半導体層、104…第4半導体層、111…基板。
Claims (4)
- n型とされた窒化物半導体から構成されて主表面がC面方向とされている第1半導体層と、
前記第1半導体層とは格子定数が異なる窒化物半導体から構成され、主表面がC面方向とされて前記第1半導体層の上に形成された第2半導体層と、
前記第2半導体層とは格子定数が異なるn型の窒化物半導体から構成され、主表面がC面方向とされて前記第2半導体層の上に形成された第3半導体層と
を少なくとも備え、
前記第2半導体層は、臨界膜厚より薄く形成され、
前記第1半導体層と前記第2半導体層との格子定数の大小関係と、前記第3半導体層と前記第2半導体層との格子定数の大小関係とは同じとされている
ことを特徴とする半導体素子。 - 請求項1記載の半導体素子において、
前記第2半導体層および前記第3半導体層の間に形成されて前記第3半導体層より低濃度のn型もしくはノンドープとされ、前記第2半導体層とは格子定数が異なる窒化物半導体から構成された第4半導体層を備え、
前記第4半導体層と前記第2半導体層との格子定数の大小関係と、前記第3半導体層と前記第2半導体層との格子定数の大小関係とは同じとされていることを特徴とする半導体素子。 - 請求項1記載の半導体装置において、
前記第2半導体層および前記第3半導体層の間に形成されて、アンドープの窒化物半導体から構成された第4半導体層と、
前記第4半導体層および前記第2半導体層の間に形成され、前記第4半導体層より格子定数が小さいアンドープの窒化物半導体から構成され、主表面がC面方向とされた第5半導体層と、
前記第4半導体層および前記第3半導体層の間に形成され、前記第4半導体層より格子定数が小さい窒化物半導体から構成され、主表面がC面方向とされた第6半導体層と
を備えることを特徴とする半導体素子。 - 請求項1〜3記載の半導体素子において、
前記第1半導体層は、GaNから構成され、
前記第2半導体層は、InxAlyGa1-x-yN(0≦x≦1,0≦y≦1,0<x+y≦1)から構成されている
ことを特徴とする半導体素子。
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