JP2007183580A - ホメオトロピック配向液晶フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

ホメオトロピック配向液晶フィルムおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】均一なホメオトロピック配向と十分な硬化性を有する液晶フィルム、および、重合性液晶組成物の硬化時に不活性雰囲気を形成することなく該液晶フィルムを製造する方法を提供すること。また、上記液晶フィルムを用いた光学補償素子および光学素子、ならびに、該光学補償素子または光学素子を有する液晶表示装置などを提供すること。
【解決手段】本発明のホメオトロピック配向液晶フィルムは、一方の分子末端に極性基(−CN基、−OCF3基)を有し、かつ、他方に重合性基として、オキシラニル基、オキ
セタニル基またはエピスルフィド基を有する重合性液晶化合物を含む重合性液晶組成物を、極性の表面を有する支持基材上に、極性溶媒を含む混合溶媒を用いて塗布し、重合性液晶化合物を重合させることにより得られる。
【選択図】なし

Description

本発明は、ホメオトロピック配向液晶フィルム、その製造方法および該液晶フィルムの用途に関する。
近年、光重合性を有する液晶を用いた偏光板や位相差板等を、光学素子に応用することが提案されている。このような光学素子は、光学異方性を有する重合性液晶を液晶状態で重合させ、液晶の配向が固定化されることによって得られる。重合性液晶は、液晶状態において適切な配向制御を行った後、その配向状態を保持したまま重合させることができる。したがって、液晶骨格の配向ベクトルを、ホモジニアス配向(水平配向)、チルト配向(傾斜配向)、ホメオトロピック配向(垂直配向)またはツイスト配向(ねじれ配向)等の配向状態で固定化することにより、種々の光学異方性を有する重合体を得ることができる。以下、上記の配向状態を示すことを、単に「ホモジニアス配向を有する」、「チルト配向を有する」、「ホメオトロピック配向を有する」または「ツイスト配向を有する」等と記すことがある。
ここで、ホメオトロピック配向を有する重合体は、光軸の方向がnz方向にあり、光軸
方向の屈折率がその直交する方向の屈折率より大きいため、屈折率楕円体では、ポジティブC−プレートに分類される。このポジティブC−プレートは、他の光学機能を有するフィルムと組み合わせることによって、水平配向した液晶モード、いわゆるIPS(In−Plane Switching)モード等の光学補償、たとえば偏光板の視野角特性の改善用に応用できる(例えば、非特許文献1、2および特許文献1参照)。
このようなホメオトロピック配向を形成する方法として、たとえば、長鎖アルキル基を有する界面活性剤、カップリング剤または金属錯体等を、ガラス等の支持基材に塗布する方法や、側鎖型液晶高分子を利用する方法などが提案されている(例えば、非特許文献3および特許文献2〜5参照)。
しかしながら、従来の方法では、ホメオトロピック配向の均一性や安定性が不十分であったり、フィルム作成に至るまでの工程数が増加したり、重合性液晶を塗工する際にハジキやピンホール等の塗工不良が生じたりするなどの課題があった。また、液晶表示素子に用いられるポリイミド系の垂直配向用高分子膜をガラス等の支持基材に塗工し、200℃程度の温度で焼成する(イミド化を進行させる)と、焼成して得られた表面に重合性液晶組成物の塗工ができないといった問題があった。他にも、支持基材として、TAC(トリアセチルセルロース)やノルボルネン系樹脂等の光学用プラスティックフィルムを選択した場合に、前記焼成温度条件では耐熱性の観点から使用できないという問題があった。
本発明者らは、これまでに、アクリレート系重合性液晶化合物と1級アミンを有する有機ケイ素化合物とを含む重合性液晶組成物からなる重合性液晶層を、不活性雰囲気下、紫外線照射により硬化させることで、ホメオトロピック配向を有する重合性液晶フィルムが得られることを見出している(特許文献6参照)。しかしながら、硬化時に不活性雰囲気を形成することが必要であるため、製造プロセスの複雑化やコスト高になるという課題があった。
この課題を解決するために、本発明者らは、重合性エポキシ(環状エーテル)基を有する液晶化合物を含有する重合性液晶組成物を見いだした(特許文献7〜9参照)。しかしながら、同一の重合性基を有する重合性液晶化合物同士では十分な硬化性が得られない場
合や、化合物の構造が特殊で高コストになる場合があった。
M.S.Park et al, IDW '04 FMC8-4 M.Nakata et al, SID '06 P-58 季刊化学総説No.22「液晶の化学」、日本化学会編、p.99〜100(1994) WO05/38517A1パンフレット 特開平10−319408号公報 特開平11−240890号公報 特開2002−365635号公報 特開2003−2927号公報 特開2006−126757号公報 特開2006−23656号公報 特開2006−23657号公報 特願2006−105888号
本発明は上記課題を解決しようとするものであり、均一なホメオトロピック配向を発現し、かつ十分な硬化性を有する液晶フィルム、および重合性液晶組成物の硬化時に不活性雰囲気を形成することなく該液晶フィルムを製造する方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記ホメオトロピック配向を有する液晶フィルムを用いた光学補償素子および光学素子、ならびに、該光学補償素子または光学素子を有する液晶表示装置などを提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討し、以下の構成を有する本発明を完成した。
[1] 下記式(1−1)〜(1−3)で表される重合性液晶化合物の群から選ばれる少なくとも1つの化合物を含有する重合性液晶組成物を、極性の表面を有する支持基材上に塗布して重合することによって得られることを特徴とするホメオトロピック配向液晶フィルム。
Figure 2007183580
式中、R1はメチルまたはエチルであり;Z1は単結合、−COO−、−OCO−、−CH=CH−COO−または−CH2CH2−COO−であり;Z2は−COO−または−O
CO−であり;Yは独立して水素またはフッ素であり;Xは−OCF3または−CNであ
り;wは0、1または2であり;aは1〜10の整数である。
[2] 前記重合性液晶組成物が、前記式(1−1)〜(1−3)で表される重合性液晶化合物の群から選ばれる少なくとも1つの化合物と、下記式(2−1)および(2−2)で表される重合性液晶化合物の群から選ばれる少なくとも1つの化合物とを含有することを特徴とする[1]項に記載の液晶フィルム。
Figure 2007183580
式中、R2は独立してメチルまたはエチルであり;Z3は単結合または−O−であり;Z4〜Z7は独立して−COO−、−OCO−、−CH2CH2COO−、−OCOCH2CH2−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=CH−、−CH2CH2−、−C≡C−、−CH2O−または−OCH2−であり;L1〜L4は独立して水素、フッ素、塩素、メチル、トリフルオロメチルまたはシアノであり;mは0〜10の整数であって、mが0のときZ3
は単結合であり;nは0または1であり;A1は1,4−フェニレン、3−メチル−1,
4−フェニレン、2−トリフルオロメチル−1,4−フェニレン、3−トリフルオロメチル−1,4−フェニレン、2,3−ビス(トリフルオロメチル)−1,4−フェニレン、3,5−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイル、3,5−ジメチルターフェニル−4,4”−ジイル、9−メチルフルオレン−2,7−ジイルまたは9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイルであり;A2は下記式で表される基のいずれか1つである。
Figure 2007183580
[3] 前記式(1−1)〜式(1−3)において、R1がメチルまたはエチルであり
;Z1が単結合、−COO−または−OCO−であり;Z2が−COO−または−OCO−であり;Yが独立して水素またはフッ素であり;Xが−OCF3または−CNであり;w
が0または1であり;aが1〜10の整数であり、
前記式(2−1)〜式(2−2)において、R2が独立してメチルまたはエチルであり
;Z3が単結合または−O−であり;Z4〜Z7が独立して−COO−、−OCO−、−C
2CH2COO−、−OCOCH2CH2−、−CH=CHCOO−または−OCOCH=CH−であり;L1〜L4が独立して水素またはフッ素であり;mは0〜10の整数であって、mが0のときZ3は単結合であり;nが0または1であり;A1が1,4−フェニレン、3−メチル−1,4−フェニレン、2−トリフルオロメチル−1,4−フェニレン、3−トリフルオロメチル−1,4−フェニレン、2,3−ビス(トリフルオロメチル)−1,4−フェニレン、9−メチルフルオレン−2,7−ジイルまたは9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイルであり;A2が下記式で表される基のいずれか1つであることを
特徴とする[2]項に記載の液晶フィルム。
Figure 2007183580
[4] 前記式(1−1)〜式(1−3)において、R1がメチルまたはエチルであり
;Z1が単結合、−COO−または−OCO−であり;Z2が−COO−または−OCO−であり;Yが独立して水素またはフッ素であり;Xが−OCF3または−CNであり;w
が0または1であり;aが1〜10の整数であり、
前記式(2−1)〜式(2−2)において、Z3が単結合または−O−であり;Z4およびZ5が独立して−COO−、−OCO−、−CHCHCOO−、−OCOCH2CH2−、−CH=CHCOO−または−OCOCH=CH−であり;Z6およびZ7が独立し
て−COO−、−OCO−、−CH2CH2COO−または−OCOCH2CH2−であり;L1〜L4が独立して水素またはフッ素であり;mは0〜10の整数であって、mが0のときZ3は単結合であり;nが0または1であり;A1が1,4−フェニレン、3−メチル−1,4−フェニレン、9−メチルフルオレン−2,7−ジイルまたは9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイルであり;A2が9−メチルフルオレン−2,7−ジイルまたは
9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイルであることを特徴とする[2]項に記載の液晶フィルム。
[5] 前記式(1−1)〜式(1−3)において、R1がメチルまたはエチルであり
;Z1が単結合、−COO−または−OCO−であり;Z2が−COO−または−OCO−であり;Yが独立して水素またはフッ素であり;Xが−OCF3または−CNであり;w
が0または1であり;aが1〜10の整数であり、
前記式(2−1)〜式(2−2)において、Z3が単結合または−O−であり;Z4が−COO−であり;Z5が−OCO−であり;Z6が−COO−であり;Z7が−OCO−で
あり;L1〜L4が独立して水素またはフッ素であり;mは0〜10の整数であって、mが0のときZ3は単結合であり;nが0または1であり;A1が1,4−フェニレン、3−メチル−1,4−フェニレン、9−メチルフルオレン−2,7−ジイルまたは9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイルであり;A2が9−メチルフルオレン−2,7−ジイル
または9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイルであり、
式(1−1)〜式(1−3)で表される化合物の割合が、式(1−1)〜式(1−3)で表される化合物と式(2−1)〜式(2−2)で表される化合物との合計量100重量%に対して3〜70重量%であることを特徴とする[2]項に記載の液晶フィルム。
[6] 前記式(1−1)〜式(1−3)において、R1がメチルまたはエチルであり
;Z1が単結合、−COO−または−OCO−であり;Z2が−COO−または−OCO−であり;Yが独立して水素またはフッ素であり;Xが−OCF3または−CNであり;w
が0または1であり;aが1〜10の整数であり、
前記式(2−1)において、mが0〜3の整数であり;nが0であり;Z3が単結合で
あり;Z4が−COO−であり;L1およびL2が水素であり;A1が1,4−フェニレンであり、
前記式(2−2)において、Z3が単結合または−O−であり;Z6が−COO−であり;Z7が−OCO−であり;L1〜L4が独立して水素またはフッ素であり;mは0〜10
の整数であって、mが0のときZ3は単結合であり;nが0または1であり;A2が9−メチルフルオレン−2,7−ジイルであり、
式(1−1)〜式(1−3)で表される化合物の割合が、式(1−1)〜式(1−3)で表される化合物と式(2−1)〜式(2−2)で表される化合物との合計量100重量%に対して5〜50重量%であることを特徴とする[2]項に記載の液晶フィルム。
[7] 前記式(2−2)中のmが4〜8の整数であり、かつ、式(1−1)〜式(1−3)で表される化合物の割合が、式(1−1)〜式(1−3)で表される化合物と式(2−1)〜式(2−2)で表される化合物との合計量100重量%に対して5〜35重量%であることを特徴とする[6]項に記載の液晶フィルム。
[8] 前記極性の表面を有する支持基材が、極性基を有する重合体による被膜処理、コロナ処理およびプラズマ処理のいずれかの方法によって表面処理された支持基材であることを特徴とする[1]〜[7]のいずれか1項に記載の液晶フィルム。
[9] 前記極性の表面を有する支持基材が、極性基を有する重合体による被膜処理、コロナ処理およびプラズマ処理のいずれか2つ以上の方法の組み合わせによって表面処理された支持基材であることを特徴とする[1]〜[7]のいずれか1項に記載の液晶フィルム。
[10] 前記極性基を有する重合体が、分子鎖中にカルボキシル基および/またはアミノ基を有することを特徴とする[8]項または[9]項に記載の液晶フィルム。
[11] 前記極性基を有する重合体がポリイミド系重合体であることを特徴とする[8]項または[9]項に記載の液晶フィルム。
[12] 前記ポリイミド系重合体が、ポリアミック酸、ポリアミック酸アミドおよびポリアミック酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1つの構成成分を含むことを特徴とする[11]項に記載の液晶フィルム。
[13] 前記ポリイミド系重合体がポリアミック酸であることを特徴とする[11]項に記載の液晶フィルム。
[14] 前記極性基を有する重合体が、アミノ基を有する水溶性シルセスキオキサン誘導体であることを特徴とする[8]項または[9]項に記載の液晶フィルム。
[15] 前記アミノ基を有する水溶性シルセスキオキサン誘導体が、アミノ基を含む基と3つの加水分解性基とを有するケイ素化合物の部分加水分解物であることを特徴とする[14]項に記載の液晶フィルム。
[16] 前記アミノ基を有する水溶性シルセスキオキサン誘導体が、アミノ基を有するトリアルコキシシランの部分加水分解物であることを特徴とする[15]項に記載の液晶フィルム。
[17] 前記支持基材がガラス基板であることを特徴とする[1]〜[16]のいずれか1項に記載の液晶フィルム。
[18] 前記支持基材がプラスティック基板であることを特徴とする[1]〜[16]のいずれか1項に記載の液晶フィルム。
[19] 前記プラスティック基板が、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリケトンサルファイド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアリレート、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、セルロース、トリアセチルセルロース、トリアセチルセルロースの部分鹸化物、エポキシ樹脂、フェノール樹脂またはシクロオレフィン系樹脂からなることを特徴とする[18]項に記載の液晶フィルム。
[20] 前記重合性液晶組成物が溶剤を含み、該溶剤が溶剤全重量に対して5重量%以上の極性溶剤を含有することを特徴とする[1]〜[19]のいずれか1項に記載の液晶フィルム。
[21] 前記極性溶剤が、ケトン類、アセテート類、エーテル類、セロソルブ類、エステル類およびアルコール類からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする[20]項に記載の液晶フィルム。
[22] [1]項に記載の重合性液晶組成物を、極性の表面を有する支持基材上に塗布して重合することによりホメオトロピック配向状態を形成することを特徴とするホメオトロピック配向液晶フィルムの製造方法。
[23] 前記極性の表面を有する支持基材が、極性基を有する重合体による被膜処理によって表面処理された支持基材であり、かつ、該被膜が、該重合体からなる塗膜を180℃以下の温度で焼成することにより形成されたものであることを特徴とする[22]項に記載の製造方法。
[24] 前記極性基を有する重合体が、イミド化率45%以下のポリイミド系重合体であることを特徴とする[23]項に記載の製造方法。
[25] 前記極性の表面を有する支持基材が、プラズマ処理を行ったシクロオレフィン系樹脂基材であることを特徴とする[22]項に記載の製造方法。
[26] [1]〜[21]のいずれか1項に記載のホメオトロピック配向液晶フィルムを有することを特徴とする光学補償素子。
[27] [22]〜[25]のいずれか1項に記載の方法により製造されたホメオトロピック配向液晶フィルムを有することを特徴とする光学補償素子。
[28] [1]〜[21]のいずれか1項に記載のホメオトロピック配向液晶フィルムと偏光板とを有することを特徴とする光学素子。
[29] [22]〜[25]のいずれか1項に記載の方法により製造されたホメオトロピック配向液晶フィルムと偏光板とを有することを特徴とする光学素子。
[30] [26]項または[27]項に記載の光学補償素子を液晶セルの内面または外面に有することを特徴とする液晶表示装置。
[31] [28]項または[29]項に記載の光学素子を液晶セルの外面に有することを特徴とする液晶表示装置。
本発明によれば、均一なホメオトロピック配向と良好な硬化性とを有する液晶フィルムを、重合性液晶組成物の硬化時に不活性雰囲気を形成することなく容易に製造することができる。したがって、不活性雰囲気を形成するための設備等が不要になり、製造プロセスを簡素化することができる。
以下、本発明に係るホメオトロピック配向液晶フィルム(以下、単に「液晶フィルム」と称することがある。)、この液晶フィルムの製造方法およびこの液晶フィルムの用途について詳細に説明する。
[用語の説明]
まず、本発明で用いる用語等について説明する。
本明細書では、式(1−1)、(1−2)、(1−3)で表される重合性液晶化合物を、それぞれ「化合物(1−1)」、「化合物(1−2)」、「化合物(1−3)」と称することがあり、さらに、これらの化合物(1−1)〜(1−3)を総称して「化合物(1)」と称することがある。また、他の式で表される化合物についても同様に簡略化および
総称して称することがある。
「チルト角」とは、液晶骨格の配向ベクトルが支持基材平面と成す角度をいう。チルト角が一方の界面から他方の界面にかけて一様にゼロに近く、特に0〜5°である配向状態を「ホモジニアス配向」と称する。ここで、界面は、配向層を備えた支持基材界面または自由界面である。チルト角が一方の界面から他方の界面にかけて5〜85°の範囲で一定の配向状態または0〜90°の範囲で連続的に変化する配向状態を「チルト配向」と称する。チルト角が一方の界面から他方の界面にかけて一様に85〜90°である配向状態を「ホメオトロピック配向」と称する。
「液晶性」の意味は、液晶相を有することだけに限定されない。それ自体は液晶相を有さなくとも、他の液晶化合物と混合したときに、液晶組成物の成分として使用できる特性も、「液晶性」の意味に含まれる。
「任意の」は、位置だけでなく個数についても任意であることを示すが、個数が0である場合を含まない。例えば、アルキルにおいて任意の−CH2−は−O−または−CH=
CH−で置き換えられてもよい、と表現するときには、複数の−CH2−がそれぞれ異な
る基で置き換えられてもよい。具体的には、C49−において任意の−CH2−を−O−
または−CH=CH−で置き換えた基の例として、C37O−、CH3−O−(CH22
−、CH3−O−CH2−O−、H2C=CH−(CH23−、CH3−CH=CH−(CH22−およびCH3−CH=CH−CH2−O−などが挙げられる。なお、本発明においては、化合物の安定性を考慮して、連続する2つの−CH2−が−O−で置き換えられて、
−O−O−になることは好ましくない。
特に断らずにアルキルと記載したときは、直鎖アルキルと分岐アルキルの両方を含むアルキルを意味する。例えば、ブチルは、n−ブチル、2−メチルプロピルおよび1,1−ジメチルエチルのいずれであってもよい。アルケニルと記載したときは、直鎖アルケニルと分岐アルケニルの両方を含むアルケニルを意味する。アルキレンおよびアルケニレンについても同様である。また、シクロアルキルおよびシクロアルケニルには、通常の環状基の他、架橋構造の環状基も包含される。
[ホメオトロピック配向液晶フィルム]
本発明の液晶フィルムは、上記の化合物(1−1)〜化合物(1−3)の群から選ばれる少なくとも1つの化合物を含有する重合性液晶組成物を、極性の表面を有する支持基材上に塗布して重合することにより得られる。
〔重合性液晶組成物〕
本発明で用いる重合性液晶組成物の成分である化合物について説明する。
化合物(1)は液晶骨格を有し、1つの重合性基を有する。この化合物が有する片末端の極性基(−CN基、−OCF3基)は、特に極性の表面を有する支持基材と相互作用す
る傾向があり、ホメオトロピック配向を促進させる。化合物(1−1)は製造が容易で低コストである。化合物(1−2)および化合物(1−3)は良好な液晶性を有する。
硬化速度の観点から、上記の重合性液晶組成物においては、化合物(1)に加えて両末端に重合性基を有する化合物(2)を用いることが好ましい。オキシラニル(エポキシ)基を有する化合物とオキセタニル(オキセタン)基を有する化合物とを組み合わせて用いることも好ましい。化合物(2)は液晶骨格および2つの重合性基を有する。この化合物から得られる重合体は三次元構造になりうるので、1つの重合性基を有する化合物と比較して硬い重合体を与える。化合物(2)は、支持基板、添加物などの条件に依存するが、ホモジニアスに配向しやすい。
本発明で用いる重合性液晶組成物の構成について説明する。この組成物は少なくとも1つの化合物(1)を含有する。この組成物は、複数の化合物(1)および化合物(2)を含有してもよい。重合性液晶組成物における化合物(1)と化合物(2)の混合割合は、これらの合計量を100重量%とするとき、次のとおりである。化合物(1)の割合は、好ましくは3〜70重量%、より好ましくは5〜50重量%、さらに好ましくは5〜35重量%である。化合物(2)の割合は、好ましくは30〜97重量%、より好ましくは50〜95重量%、さらに好ましくは65〜95重量%である。
化合物(1)の含有量が前記範囲内であることにより、均一なホメオトロピック配向液晶フィルムを得ることができる。上記化合物(1−1)〜化合物(1−3)および化合物(2−1)〜化合物(2−2)は、それぞれ1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、硬化速度および機械特性の観点から、次のように組み合わせることが好ましい。
(a)化合物(1−1)と化合物(2−1)
(b)化合物(1−1)と化合物(1−2)と化合物(2−1)
(c)化合物(1−1)と化合物(1−3)と化合物(2−1)
(d)化合物(1−2)と化合物(2−2)
(e)化合物(1−3)と化合物(2−2)
化合物(1)〜化合物(2)は、有機合成化学における公知の手法を適切に組み合わせることによって合成することができる。出発物質に、目的とする末端基、環、結合基などを導入する方法、または目的とする末端基、環、結合基などが導入された化合物を生成する方法は、オーガニック・シンセシーズ(Organic Syntheses, John Wiley & Sons, Inc
)、オーガニック・リアクションズ(Organic Reactions, John Wiley & Sons, Inc)、
コンプリヘンシブ・オーガニック・シンセシス(Comprehensive Organic Synthesis, Pergamon Press)、新実験化学講座(丸善)などに記載されている。詳細には、WO97/
04349号パンフレット、特開2006−117564号公報、特開2006−45195号公報、特表2003−513107号公報、特開2005−320317号公報、特開2006−241116号公報、特開2004−231638号公報、特開2004−182702号公報、特開2005−60373号公報、特開2006−225607号公報、特願2006−149411号等に合成方法が記載されている。
次に成分化合物を例示する。なお、この段落以降において、化学構造式におけるMeはメチルを意味し、Etはエチルを意味する。
Figure 2007183580
式(1−1−A)〜式(1−1−D)において、R1はメチルまたはエチルであり、Y
は水素またはフッ素であり、Xは−CNまたは−OCFである。
Figure 2007183580
式(1−2−A)および式(1−2−B)において、Yは水素またはフッ素であり、aは1〜10の整数である。
Figure 2007183580
式(1−3−A)において、aは1〜10の整数である。
好ましい化合物(2−1)は以下の通りである。
Figure 2007183580
Figure 2007183580
式(2−1−A)〜式(2−1−I)において、Z3は単結合または−O−であり;L2およびL3は独立して水素またはフッ素であり;Q1は水素またはメチルであり;Q2は独
立して水素、メチルまたはトリフルオロメチルであり;mは0〜10の整数であり、mが0のときZ3は単結合である。
Figure 2007183580
Figure 2007183580
Figure 2007183580
式(2−2−A)〜式(2−2−O)において、R2はメチルまたはエチルであり;Z3は単結合または−O−であり;L1〜L4は独立して水素またはフッ素であり;Q1は水素
またはメチルであり;Q2は独立して水素、メチルまたはトリフルオロメチルであり;m
は0〜10の整数であり、mが0のときZ3は単結合である。
化合物(1−1)の好ましい例は次のとおりである。以下の式において、R1はメチル
またはエチルである。
Figure 2007183580
化合物(1−2)および化合物(1−3)の好ましい例は次のとおりである。以下の式において、aは4〜8の整数である。
Figure 2007183580
上記の具体例の中では、化合物(1−1−1)、(1−1−5)、ならびにaが4〜6の整数である化合物(1−2−1)および(1−3−1)が好ましい。
化合物(2−1)および化合物(2−2)の具体例を次に示す。
Figure 2007183580
Figure 2007183580
Figure 2007183580
Figure 2007183580
Figure 2007183580
Figure 2007183580
上記の中では、化合物(2−1−1)、化合物(2−1−3)、化合物(2−1−4)、化合物(2−1−7)、化合物(2−1−8)、化合物(2−1−9)、化合物(2−2−2)、化合物(2−2−4)、化合物(2−2−5)、化合物(2−2−6)、化合物(2−2−8)、化合物(2−2−9)、化合物(2−2−10)、化合物(2−2−11)および化合物(2−2−22)が好ましい。
本発明で用いる重合性液晶組成物は、化合物(1)および(2)以外の重合性液晶化合物をさらに含有してもよい。このような他の重合性液晶化合物としては、ホメオトロピッ
ク配向が得られる構造を有していればよく、たとえば、片末端が非重合性かつ非極性の基である化合物(3)が挙げられる。化合物(3)の添加割合は、化合物(1)と化合物(2)の合計量に対する重量比で0〜0.25であり、好ましくは0〜0.15である。化合物(3)を用いるときの好ましい重量比の下限は0.05である。化合物(3)の好ましい例は、下記の化合物(3−1)および化合物(3−2)である。化合物(3)は、非重合性の極性基を末端に有しない点で、化合物(1)と異なる。
Figure 2007183580
上記式中、Spは炭素数1〜20のアルキレンであり、炭素数が2以上の場合、該アルキレン中の−CH2−は−O−で置き換えられてもよく;Gは単結合、−O−、−COO
−または−OCO−であり;uは0または1であり;W1は、水素、フッ素または炭素数
1〜25のアルキルもしくはアルコキシであり;R2はメチルまたはエチルであり;MG
は下記式(3’)で表されるメソゲン骨格である。
Figure 2007183580
式(3’)中、A3は1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンであり;A4は1,4−フェニレン、1,4−シクロヘキシレンまたはフルオレン−2,7−ジイルであり
;A5は1,4−フェニレンまたは3−フルオロ−1,4−フェニレンであり;Z8は単結合または−COO−であり;Z9は単結合または−OCO−であり;fは0または1である
化合物(3)の具体例を以下に示す。なお、これらの化合物は本発明の効果を妨げない範囲で使用することができる。特表2000−507932号公報、またはWO97/04349号パンフレットに記載のエポキシ基を有する化合物を用いてもよい。
Figure 2007183580
Figure 2007183580
化合物(3)の中では、化合物(3−1−1)、化合物(3−1−4)、化合物(3−2−1)、化合物(3−2−2)、化合物(3−2−3)および化合物(3−2−4)が好ましい。
上記重合性液晶組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、上記重合性液晶化合物(1)〜(3)以外の他の重合性化合物(以下「化合物(4)」ともいう。)を配合してもよい。化合物(4)は液晶性でなくてもよい。化合物(4)の添加割合は、上記重合性液晶化合物(1)〜(3)の構造やそれらの組成比などによって変動するが、化合物(1)と化合物(2)の合計量に対する重量比で0〜0.20であり、好ましくは0〜0.10である。化合物(4)を用いるときの好ましい重量比の下限は0.05である。化合物(4)の添加割合がこの範囲内にあることにより、組成物の液晶性が保たれ、液晶相の相分離が起こり難い。
化合物(4)の例はエポキシ樹脂である。具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリカルボン酸ポリグリシジルエステル、ポリオールポリグリシジルエーテル、脂肪酸系エポキシ樹脂、脂環式系エポキシ樹脂、アミンエポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂、下記に示すビスフェノールフルオレンジクリシジルエーテル(大阪ガスケミカル(株)販売、BPF−G、BPEF−G、BCF−G)などである。
Figure 2007183580
上記重合性液晶組成物に必要に応じて光カチオン重合開始剤を添加し、この組成物を大気中で光照射することにより、重合性化合物を重合させて重合体を得ることができる。なお、光照射時に、液晶相が維持される温度範囲で加熱等を行ってもよい。前記光カチオン重合開始剤としては、たとえば、ジアリールヨードニウム塩(以下「DAS」と略す。)、トリアリールスルホニウム塩(以下「TAS」と略す。)などが挙げられる。光カチオン重合を行う場合、本発明において好ましい重合性基はオキシラニル(エポキシ)、オキセタニル(オキセタン)またはチイラン(エピスルフィド)を有する有機基である。
上記DASとしては、たとえば、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、ジフェニルヨードニウム−p−トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウム−p−トルエンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムジフェニルヨードニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロアセテート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムp−トルエンスルホネートおよびビス(4−ter
t−ブチルフェニル)ヨードニウムジフェニルヨードニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどが挙げられる。
上記DASには、チオキサントン、フェノチアジン、クロロチオキサントン、キサントン、アントラセン、ジフェニルアントラセン、ルブレンなどの光増感剤を添加することで高感度化することもできる。
上記TASとしては、たとえば、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、トリフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフェニルスルホニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホネートおよび4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどが挙げられる。
上記光カチオン重合開始剤の市販品としては、たとえば、UCC製「サイラキュアーUVI−6990」、「サイラキュアーUVI−6974」および「サイラキュアーUVI−6992」、旭電化工業(株)製「アデカオプトマーSP−150、SP−152、SP−170、SP−172」、ローディア(株)製「PHOTOINITIATOR2074」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュアー250」、GEシリコンズ製「UV−9380C」、およびみどり化学(株)製「DTS−102」などが挙げられる。
上記重合性液晶組成物に必要に応じて熱重合開始剤を添加し、この組成物を加熱することにより、重合性液晶化合物を重合させて重合体を得ることができる。前記熱重合開始剤としては、たとえば、ベンジルスルホニウム塩類、ベンジルアンモニウム塩類、ベンジルピリジニウム塩類、ベンジルホスホニウム塩類、ヒドラジニウム塩類、カルボン酸エステル類、スルホン酸エステル類、アミンイミド類、五塩化アンチモン−塩化アセチル錯体、ジアリールヨードニウム塩−ジベンジルオキシ銅、ハロゲン化ホウ素−三級アミン付加物などが挙げられる。
本発明に用いられる重合性液晶組成物は、上記光カチオン重合開始剤または熱重合開始剤と、通常の光ラジカル重合開始剤とを併用してハイブリッド重合させることもできる。前記光ラジカル重合開始剤としては、たとえば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製「ダロキュアー1173」(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン)、「イルガキュアー184」(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)、「イルガキュアー651」(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン)、「イルガキュアー500」、「イルガキュアー2959」、「イルガキュアー907」、「イルガキュアー369」、「イルガキュアー1300」、「イルガキュアー8
19」、「イルガキュアー1700」、「イルガキュアー1800」、「イルガキュアー1850」、「ダロキュアー4265」、「イルガキュアー784」などが挙げられる。
上記以外の他の光ラジカル重合開始剤としては、たとえば、p−メトキシフェニル−2,4−ビス(トリクロロメチル)トリアジン、2−(p−ブトキシスチリル)−5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾール、9−フェニルアクリジン、9,10−ベンズフェナジン、ベンゾフェノン/ミヒラーズケトン混合物、ヘキサアリールビイミダゾール/メルカプトベンズイミダゾール混合物、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2,4−ジエチルキサントン/p−ジメチルアミノ安息香酸メチル混合物およびベンゾフェノン/メチルトリエタノールアミン混合物などが挙げられる。
本発明に用いる重合性液晶組成物は、光による塩基増殖反応を利用して重合させることもできる(K.Arimitsu, M.Miyamoto, K.Ichimura, Angew. Chem. Int. Ed, 2000, 39, 3425)。光重合開始剤の添加量は、重合性液晶化合物の合計量100重量部に対して、0.01〜10重量部、より好ましくは0.01〜5重量部である。
上記重合性液晶組成物には、保存時の重合開始反応を防止するために重合防止剤(重合禁止剤)を添加してもよい。前記重合防止剤としては、公知のものを使用でき、たとえば、2,5−ジ(t−ブチル)ヒドロキシトルエン(BHT)、ハイドロキノン、メチルブルー、ジフェニルピクリン酸ヒドラジド(DPPH)、ベンゾチアジン、4−ニトロソジメチルアニリン(NIDI)、o−ヒドロキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
上記重合性液晶組成物には、保存性を向上させるために、酸素阻害剤(過酸化物分解剤)を添加してもよい。組成物内で発生するラジカルは雰囲気中の酸素と反応しパーオキシラジカルを経由してパーオキサイドを与え、重合性化合物との好ましくない反応が促進される。これを防ぐ目的で酸素阻害剤を添加することが好ましい。酸素阻害剤としては、たとえば、リン酸エステル類などが挙げられる。
本発明の液晶フィルムを製造する際に、上記重合性液晶組成物をそのまま用いてもよいが、これに溶剤を加えて溶液としてから塗布または成形した後に、溶剤を除去して薄膜を製造してもよい。
上記溶剤としては、たとえば、ベンゼン、トルエン、ヘプタン、キシレン、メシチレン、n−ブチルベンゼン、ジエチルベンゼン、テトラリン、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、酢酸エチル、乳酸アルキル(乳酸エチル等)、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、THF、1,4−ジオキサン、ビス(メトキシエチル)エーテル、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、トリフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸エチル、ヘキサフルオロ−2−プロパノール、エタノール、2−プロパノール、t−ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、グリセリン、モノアセチン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、PGMEA、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミドジメチルアセタール、ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、
2種以上を混合して用いてもよい。
上記溶剤は、本発明で用いられる支持基材を侵食しない条件で用いればよい。たとえば、極性溶剤を溶剤全重量(極性溶剤と低極性溶剤の総重量)に対して5重量%以上、好ましくは10〜50重量%、より好ましくは10〜30重量%の範囲で用いることができる。特に、支持基材としてノルボルネン系樹脂を選択した場合は、極性溶剤を溶剤全重量(極性溶剤と低極性溶剤の総重量)に対して30重量%以上、好ましくは40重量%以上、より好ましくは50重量%以上含有することで溶剤による侵食を回避することができる。
好ましい極性溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチルプロピルケトンなどのケトン類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、アセト酢酸メチルなどのアセテート類;エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン、THFなどのエーテル類;エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、PGMEAなどのセロソルブ類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸アルキル(乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸イソプロピル、乳酸−n−プロピル、乳酸ブチル、乳酸エチルヘキシル)、トリフルオロ酢酸エチルなどのエステル類;ヘキサフルオロ−2−プロパノール、エタノール、2−プロパノール、t−ブチルアルコール、ジアセトンアルコールなどのアルコール類;γ−ブチロラクトン、NMPなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
好ましい低極性溶剤としては、たとえば、ベンゼン、トルエン、ヘプタン、キシレン、メシチレン、n−ブチルベンゼン、ジエチルベンゼン、テトラリン、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、ビス(メトキシエチル)エーテル、テトラメチル尿素、トリフルオロ酢酸、グリセリン、モノアセチン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテルなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
上記重合性液晶組成物には、この組成物の塗布を容易にするため、または、液晶相の配向を制御するために、本発明の効果および該組成物の硬化性を損なわない範囲で、界面活性剤を添加してもよい。
上記界面活性剤としては、たとえば、イミダゾリン、4級アンモニウム塩、アルキルアミンオキサイド、ポリアミン誘導体、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物、ポリエチレングリコールおよびそのエステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸アミン類、アルキル置換芳香族スルホン酸塩、アルキルリン酸塩、脂肪族または芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物、ラウリルアミドプロピルベタイン、ラウリルアミノ酢酸ベタイン、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル基と親水性基とを有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基と親油性基とを有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基を有するウレタンなどが挙げられる。
上記界面活性剤の添加量は、界面活性剤の種類、重合性液晶組成物の組成比などにより異なるが、重合性液晶組成物中の重合性液晶化合物100重量部に対して、0.002〜5重量部、好ましくは0.01〜1重量部の範囲である。
〔支持基材〕
上記重合性液晶組成物を塗布する支持基材としては、極性の表面を有する支持基材が用いられる。このような極性の表面を有する支持基材を用いることにより、均一で安定なホメオトロピック配向状態を形成することができる。前記支持基材の材質は、ガラスまたはプラスティック樹脂である。
上記プラスティック樹脂としては、たとえば、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリケトンサルファイド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアリレート、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、セルロース、トリアセチルセルロース(TAC)、トリアセチルセルロースの部分鹸化物、エポキシ樹脂、フェノール樹脂およびシクロオレフィン系樹脂などが挙げられる。
なお、上記シクロオレフィン系樹脂としては、特に限定されないが、例えばノルボルネン系樹脂、ジシクロペンタジエン系樹脂等が挙げられる。なかでも、不飽和結合を有さないか、または、不飽和結合が水素添加されたものが好適に用いられ、例えば、1種または2種以上のノルボルネン系モノマーの開環(共)重合体の水素添加物、1種または2種以上のノルボルネン系モノマーの付加(共)重合体、ノルボルネン系モノマーとオレフィン系モノマー(エチレン、α−オレフィン等)との付加共重合体、ノルボルネン系モノマーとシクロオレフィン系モノマー(シクロペンテン、シクロオクテン、5,6−ジヒドロジシクロペンタジエン等)との付加共重合体、および、これらの変性物等が挙げられる。具体的には、ZEONEX、ZEONOR(日本ゼオン社製)、ARTON(JSR社製)、TOPAS(チコナ社製)、APEL(三井化学社製)、エスシーナ(積水化学工業社製)、OPTOREZ(日立化成社製)などが挙げられる。
上記支持基材としてプラスティックフィルムを用いる場合、一軸延伸フィルムであっても、二軸延伸フィルムであってもよい。また、単層フィルムでも、積層フィルムでもよい。
上記支持基材は、基材表面に極性を付与するために表面処理が施される。このような表面処理としては、極性基を有する重合体による被膜処理、コロナ処理およびプラズマ処理が好ましく、被膜処理、コロナ処理およびプラズマ処理のいずれか1つの方法で行っても、2以上の方法を組み合わせて行ってもよい。なお、プラズマ処理として、特開2002−226616号公報、特開2002−121648号公報などに記載されている方法を用いてもよい。
プラスティックフィルムに、コロナ処理またはプラズマ処理などの表面処理を施した後の基材表面の極性は、水との接触角を測定することで評価でき、均一で安定したホメオトロピック配向を得るための接触角は、80°以下、好ましくは5°〜65°、より好ましくは5°〜50°である。
上記被膜処理に用いられる極性基を有する重合体としては、たとえば、分子鎖中にカルボキシル基および/またはアミノ基を有する重合体が挙げられ、ポリイミド系重合体およびアミノ基を有する水溶性シルセスキオキサン誘導体が好ましい。
<ポリイミド系重合体>
上記ポリイミド系重合体は、ポリイミド系ワニスとして用いることができる。ポリイミ
ド系ワニスとは、ポリアミック酸、ポリアミック酸アミド、ポリアミック酸エステル、可溶性ポリイミド、ポリアミドイミドなどの重合体成分を溶剤に溶解した状態のワニス組成物である。このワニス組成物を支持基材上に塗布した後、溶剤を乾燥して除去することにより重合体被膜が形成される。重合体被膜を構成する重合体成分は、ランダム共重合体、ブロック共重合体などの共重合体であってもよく、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
好ましいポリイミド系重合体は、アミド結合、イミド結合、イミド化反応残基であるカルボキシル基、該カルボキシル基がアミド化された基または該カルボキシル基がエステル化された基を有する重合体である。このような重合体の好ましい例は、ポリアミック酸、ポリアミック酸アミドおよびポリアミック酸エステルである。これらの中では、ポリアミック酸およびポリアミック酸アミドがより好ましく、ポリアミック酸が特に好ましい。
上記ポリアミック酸、ポリアミック酸アミドまたはポリアミック酸エステルを得るために用いられるテトラカルボン酸二無水物およびジアミンは、たとえば、特開2006−23657号公報の234ページ〜243ページに記載の化合物が挙げられる。これらの化合物は1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明で用いられるポリアミック酸、ポリアミック酸アミド、ポリアミック酸エステル、可溶性ポリイミドまたはポリアミドイミドの分子量、ポリイミド系ワニス中の重合体成分の濃度、重合体成分とともに用いられる溶剤、塗布性改善などを目的とした他の溶剤、各種の添加剤、ポリイミド系ワニスの塗布方法は特開2006−23657号公報の243ページ〜244ページに記載の方法に準拠するとよい。
上記ポリイミド系重合体を用いた被膜処理後の基材表面の極性は、イミド化率を測定することで評価できる。ポリイミド系ワニスの脱水・閉環反応(イミド化反応)率は、ホメオトロピック配向性を促進させるために、可能な範囲で低くすることが好ましい。ポリイミド系重合体被膜のイミド化率は、45%以下、好ましくは0〜35%、さらに好ましくは0〜20%である。イミド化率が前記範囲内の場合、理由は明確ではないが、ポリイミド系重合体被膜中のカルボキシル基やアミド結合等の極性基の割合が増加し、非重合性の極性基を有する重合性液晶とポリイミド系重合体被膜との相互作用が強まり、その結果として重合性液晶のホメオトロピック配向が得られやすくなると考えられる。
したがって、ワニス塗布後の乾燥工程は、重合性液晶のホメオトロピック配向性を促進させるため、溶剤の蒸発が可能な範囲内の比較的低温で実施することが好ましい。具体的には、180℃以下、このましくは40℃〜180℃、より好ましくは50℃〜150℃、さらに好ましくは70℃〜120℃で行うことが好ましい。さらに、このイミド化率を低く抑える別の手段として、ポリアミック酸のカルボキシル基の一部をイミド化反応に先立ってエステル化またはアミド化する方法を採用してもよい。上記ポリアミック酸アミドおよびポリアミック酸エステルはこのようにして得られる重合体である。
<アミノ基を有する水溶性シルセスキオキサン誘導体>
上記アミノ基を有する水溶性シルセスキオキサン誘導体は、特開2006−23656号公報の203ページ〜205ページに記載の方法で得ることができる。
支持基材上に、上記アミノ基を有する水溶性シルセスキオキサン誘導体からなる重合体皮膜を形成する際、上記アミノ基を有する水溶性シルセスキオキサン誘導体は、水溶液として用いることが好ましい。このとき、成分濃度は特に限定されないが、0.1〜60重量%が好ましい。シルセスキオキサン誘導体の濃度が60重量%以下であると粘度が良好となり、膜厚調整のためにこの水溶液を水により希釈するときに、水を容易に混合できる
。スピンナ−法や印刷法のときは、膜厚を良好に保つために、通常、40重量%以下とすることが多い。その他の塗布方法、例えばディッピング法やインクジェット法では、さらに低濃度とすることもあり得る。一方、シルセスキオキサン誘導体の濃度が0.1重量%以上であると、良好な膜厚の重合体被膜が得られる傾向にある。したがって、アミノ基を有するシルセスキオキサン誘導体水溶液の成分濃度は、通常のスピンナ−法や印刷法などでは、0.1重量%以上、好ましくは1〜40重量%である。ただし、この水溶液の塗布方法によっては、さらに希薄な濃度で使用してもよい。
上記水溶液において、シルセスキオキサン誘導体成分を溶解することができる溶剤を併用してもよい。このような溶剤は、シルセスキオキサン誘導体成分の製造工程や用途において通常使用されている溶剤から、使用目的に応じて適宜選択できる。この溶剤は、水溶性であることが好ましく、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、非プロトン性極性溶剤などから選択できる。
上記溶剤としては、たとえば、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、酢酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、THF、1,4−ジオキサン、ビス(メトキシエチル)エーテル、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、トリフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸エチル、ヘキサフルオロ−2−プロパノール、t−ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、グリセリン、モノアセチン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、PGMEA、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミドジメチルアセタールおよびジメチルホルムアミドなどが挙げられる。
上記アミノ基を有するシルセスキオキサン誘導体水溶液の塗布方法としては、たとえば、スピンナー法、印刷法、ディッピング法、滴下法、インクジェット法などが採用できる。乾燥工程における加熱の方法としては、たとえば、オーブンまたは赤外炉の中で加熱処理する方法、ホットプレート上で加熱処理する方法などが採用できる。
上記アミノ基を有するシルセスキオキサン誘導体水溶液を塗布した後の乾燥工程は、溶剤の蒸発が可能な範囲内の温度で、かつ、支持基材の耐熱温度以下で実施することが好ましい。特に支持基材がプラスティック基板の場合には、乾燥温度は、使用する支持基材のガラス転移温度以下である80〜150℃、好ましくは90〜120℃である。
上記アミノ基を有する水溶性シルセスキオキサン誘導体を用いた被膜処理後の基材表面の極性は、水の接触角を測定することで評価できる。均一で安定したホメオトロピック配向を得るための接触角は、前述のように、80°以下、好ましくは5°〜65°、より好ましくは5°〜50°である。
<ラビング処理>
上記のようにして、極性を有するように支持基材の表面を処理した後、重合性液晶組成物の塗膜形成に先立って、さらにラビング等による物理的・機械的な表面処理を行ってもよい。ホメオトロピック配向の液晶フィルムを形成する場合、ラビング等の表面処理を行わない場合が多いが、配向欠陥等を防止するためにラビング処理を行ってもよい。ラビング処理には任意の方法が採用できるが、通常はレーヨン、綿、ポリアミドなどの素材からなるラビング布を金属ロールなどに捲き付け、支持基材または重合体被膜に接した状態でロールを回転させながら移動させる方法、ロールを固定したまま支持基材側を移動させる
方法などが採用される。
〔ホメオトロピック配向液晶フィルムの製造方法〕
上記極性の表面を有する支持基材上に、上記重合性液晶組成物を均一に塗布する方法としては、たとえば、スピンコート法、ロールコート法、カテンコート法、フローコート法、プリント法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、メニスカスコート法、ダイコート法などが挙げられる。
重合性液晶組成物の溶液を支持基材上に塗布した場合は、塗布後に溶剤を乾燥除去して、膜厚の均一な重合性液晶組成物の塗膜層を形成させる。溶剤除去の条件は特に限定されず、溶剤がおおむね除去され、塗膜層の流動性がなくなるまで乾燥すればよい。室温での風乾、ホットプレートでの乾燥、乾燥炉での乾燥、温風や熱風の吹き付けなどを利用して溶剤を除去することができる。重合性液晶組成物に用いる化合物の種類と組成比によっては、塗膜を乾燥する過程で、塗膜中の重合性液晶組成物のネマチック配向が完了していることがある。したがって、乾燥工程を経た塗膜は、後述する熱処理工程を経由することなく、重合工程に供することができる。しかしながら、塗膜中の液晶分子の配向をより均一化させるためには、乾燥工程を経た塗膜を熱処理し、その後に光重合処理することが好ましい。
塗膜を熱処理する際の温度および時間、光照射に用いられる光の波長、光源から照射する光の量などは、重合性液晶組成物に用いる化合物の種類と組成比、光重合開始剤の添加の有無やその添加量などによって、好ましい範囲が異なる。したがって、以下に説明する塗膜の熱処理の温度および時間、光照射に用いられる光の波長、および光源から照射する光の量についての条件は、あくまでもおよその範囲を示すものである。
塗膜の熱処理は、重合性液晶組成物の液晶相転移点以上で行われる。熱処理方法の一例として、上記重合性液晶組成物がネマチック液晶相を示す温度まで塗膜を加温して、塗膜中の重合性液晶組成物にネマチック配向を形成させる方法がある。また、重合性液晶組成物がネマチック液晶相を示す温度範囲内で、塗膜の温度を変化させることによってネマチック配向を形成させてもよい。この方法は、上記温度範囲の高温度領域まで塗膜を加温することによって塗膜中にネマチック配向を概ね完成させ、次いで温度を下げることによってさらに秩序だった配向にする方法である。
上記のどちらの熱処理方法を採用する場合でも、好ましい熱処理温度は室温〜120℃、より好ましくは室温〜100℃、さらに好ましくは室温〜70℃である。好ましい熱処理時間は5秒〜2時間、より好ましくは10秒〜40分、さらに好ましくは20秒〜20分である。重合性液晶組成物からなる層の温度を所定の温度まで上昇させるためには、熱処理時間を5秒以上にすることが好ましい。生産性を低下させないためには、熱処理時間を2時間以内にすることが好ましい。
塗膜中に形成された重合性液晶組成物のネマチック配向状態は、光照射により塗膜中の重合性液晶化合物を重合させることによって固定化される。電子線、紫外線、可視光線、赤外線(熱線)などを利用することができる。通常は、紫外線または可視光線を用いればよい。光照射に用いられる光の波長は特に限定されないが、好ましくは150〜500nm、より好ましくは250〜450nm、さらに好ましくは300〜400nmである。
光源としては、たとえば、低圧水銀ランプ(殺菌ランプ、蛍光ケミカルランプ、ブラックライト)、高圧放電ランプ(高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ)、ショートアーク放電ランプ(超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ)などが挙げら
れ、メタルハライドランプ、キセノンランプおよび高圧水銀ランプが好ましい。
光源と重合性液晶組成物の塗膜層との間にフィルターなどを設置して特定の波長領域のみを通すことにより、照射光源の波長領域を選択してもよい。光源から照射する光量は、好ましくは2〜5000mJ/cm2、より好ましくは10〜3000mJ/cm2、さらに好ましくは100〜2000mJ/cm2である。光照射時の温度条件は、上記の熱処
理温度と同様に設定されることが好ましい。
重合性液晶組成物からなる配向層を光や熱などにより重合させた液晶フィルムを、様々な光学素子に用いる場合または液晶表示装置に用いる光学補償素子として適用する場合には、厚み方向におけるチルト角の分布の制御が極めて重要となる。
チルト角を制御する方法の1つは、重合性液晶組成物に用いる液晶性化合物の種類や組成比などを調整する方法である。この重合性液晶組成物に他の成分を添加することによっても、チルト角を制御することができる。液晶フィルムのチルト角は、重合性液晶組成物に加える溶剤の種類や重合性液晶組成物の溶液中の溶質濃度、他の成分の1つとして加える界面活性剤の種類や添加量などによっても制御することができる。支持基材の種類やラビング条件、塗膜の乾燥条件や熱処理条件などによっても、液晶フィルムのチルト角を制御することができる。さらに、配向後の光重合工程での照射雰囲気や照射時の温度なども液晶フィルムのチルト角に影響を与える。すなわち、液晶フィルムの製造プロセスにおけるほとんど全ての条件が多少なりともチルト角に影響を与えると考えてよい。したがって、重合性液晶組成物の最適化とともに、液晶フィルムの製造プロセスの諸条件を適宜選択することにより、任意のチルト角にすることができる。
安定して、均一なホメオトロピック配向を得るためには、重合性液晶組成物中の化合物(1)の含有量は、重合性液晶化合物の合計量を100重量%とした場合、3〜70重量%、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは5〜35重量%である。また、液晶フィルムの耐熱性等の機械的特性を保持するためには、10〜35重量%程度にするとよい。
液晶フィルムの厚さは、目的とする素子に応じたレタデーションや液晶フィルムの複屈折率によって好ましい厚さが異なる。したがって、その範囲を厳密に決定することはできないが、好ましくは0.05〜50μm、より好ましくは0.1〜20μm、さらに好ましくは0.5〜10μmである。
液晶フィルムのヘーズ値は、好ましくは1.5%以下、より好ましくは1.0%以下であり、透過率は、好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上である。透過率については、可視光領域でこれらの条件を満たすことが好ましい。
<用途>
本発明の液晶フィルムは、液晶表示素子(特に、アクティブマトリックス型およびパッシブマトリックス型の液晶表示素子)に適用する光学補償素子として有効である。本発明の液晶フィルムを光学補償膜として使用するのに適している液晶表示素子の型の例は、TN型(ツィステッドネマティック)、STN型(スーパーツィステッドネマティック)、ECB型(電気的に制御された複屈折)、OCB型(光学的に補償された複屈折)、DAP型(整列相の変形効果)、CSH型(カラー スーパーホメオトロピック)、VAN/
VAC型(垂直配向したネマチック/コレステリック)、OMI型(光学モード干渉)、SBE型(超複屈折効果)などである。さらに、ゲスト−ホスト型、IPS型(イン・プレーン・スイッチング)、強誘電性型、反強誘電性型などの表示素子用の位相レターダーとして、この液晶フィルムを使用することもできる。なお、液晶フィルムに求められるチルト角の厚み方向の分布や厚みなどのパラメーターの最適値は、補償すべき液晶表示素子
の種類とその光学パラメーターに強く依存するので、素子の種類によって異なる。
本発明の液晶フィルムは、偏光板などと一体化した光学素子としても使用することができ、この場合は液晶セルの外面に配置される。
[実施例]
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔評価〕
実施例等で行った評価方法を以下に示す。
<ホメオトロピック配向の均一性>
2枚の偏光板をクロスニコルの状態にし、その間に液晶フィルムを入れ、正面から観察した場合に、液晶の配向欠陥由来の光りぬけが目視で確認されないとき(暗視野)を均一配向の状態とした。この状態からフィルムを傾けて斜めから光を入射し、同様にクロスニコルで観察して、光の透過が確認された場合をホメオトロピック配向とした。
<接触角の測定>
接触角計CA−A(協和界面化学株式会社製)を使用し、基材上に滴下した純水の接触角を25℃において測定した。
<イミド化率の測定>
まず、別途280℃で30分間加熱して作製したポリイミド系重合体被膜のFT−IRを測定し、1770cm-1付近のイミド基の吸収スペクトルと、1500cm-1付近のフェニル基の吸収スペクトルとの面積比(Abs1770/Abs1500)の値を求め、この値をイミド化率100%の場合の値とした。次に、評価対象のポリイミド系重合体被膜の面積比(Abs1770/Abs1500)の値を求め、イミド化率100%の場合の値との相対値からイミド化率を求めた。
〔重合性液晶組成物の調製例〕
以下で用いた化合物(1−1−1)は、特開2005−320317号公報に記載の方法に準じて、3−フルオロ−4−トリフルオロメトキシフェノールを、シアノビフェニルを有する原料に置き換えて合成した。化合物(1−1−5)は、特開2005−320317号公報に記載の方法で合成した。化合物(1−2−1)は、特開2006−117564号公報に記載の方法で合成した。化合物(1−3−1)は、特開2006−241116号公報に記載の方法で合成した。化合物(2−1−1)は、Macromolecules 1993,26,1244-1247に記載の方法で合成した。化合物(2−2−22)は、特開2005−60373号公報に記載の方法で合成した。
<調製例1>
下記に示す重合性液晶化合物の混合物に、開始剤(DTS−102:みどり化学(株)製)を、重合性液晶化合物の合計量に対する重量比0.03の割合で添加した。これに、トルエンとシクロヘキサノンの混合溶剤(混合比(重量比):トルエン/シクロヘキサノン=1/1)を加えて25重量%溶液とし、重合性液晶組成物−1を得た。
Figure 2007183580
<調製例2>
下記に示す重合性液晶化合物の混合物を用いたこと以外は、調製例1と同様の方法で重合性液晶組成物−2を調製した。
Figure 2007183580
<調製例3>
下記に示す重合性液晶化合物の混合物を用いたこと以外は、調製例1と同様の方法で重合性液晶組成物−3を調製した。
Figure 2007183580
<調製例4>
下記に示す重合性液晶化合物の混合物を用いたこと以外は、調製例1と同様の方法で重合性液晶組成物−4を調製した。
Figure 2007183580
<調製例5>
下記に示す重合性液晶化合物の混合物を用いたこと以外は、調製例1と同様の方法で重合性液晶組成物−5を調製した。
Figure 2007183580
<調製例6>
下記に示す重合性液晶化合物の混合物を用いたこと以外は、調製例1と同様の方法で重合性液晶組成物−6を調製した。
Figure 2007183580
〔ポリイミド系ワニスの調製例〕
以下において用いた記号の意味は次の通りである。
DDM:4,4’−ジアミノジフェニルメタン
DDEt:4,4’−ジアミノジフェニルエタン
APM−CH:1,1−ビス(4−((4−アミノフェニル)メチル)フェニル)−4−ヘプチルシクロヘキサン
DABD:5−(4−(4−(4−ペンチルシクロヘキシル)シクロヘキシル)フェニル)メチル−1,3―ジアミノベンゼン
CBDA:シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
PMDA:ピロメリット酸二無水物
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
BC:ブチルセロソルブ
なお、ポリイミド系ワニスの分子量の測定にはGPCを用い、ポリスチレンを標準溶液とし、溶出液としてDMFを用いた。
<調製例7>
200mL−4つ口フラスコに、DDM(3.02g;1.52×10-2mol)および脱水NMP(54.0g)を仕込み、乾燥窒素気流下で攪拌して溶解させ、溶液温度を5℃に下げた。これに、CBDA(2.98g;1.52×10-2mol)を加えて30時間反応させた。このとき、反応系の温度は特にコントロールしなかった。最後に、BC
(40.0g)を加えて、重合体成分の濃度が6.0重量%のポリアミック酸ワニスA1を調製した。得られたポリアミック酸の重量平均分子量は50,000であった。なお、重量平均分子量は、島津製作所製GPC測定装置(クロマトパックC−R7A)を用いてカラム温度50℃にて測定した。
なお、上記ワニスの調製は、粘度をチェックしながら増粘反応を進行させた。そして、粘度の増加が少なくなった時点でBCを添加して、増粘反応の進行を止めた。BCを添加後、加熱することによってワニスの粘度を調整し、60mPa・sになったところで加熱操作を停止した。粘度の測定にはE型粘度計を使用し、25℃で測定した。得られたワニスは低温にて保存した。
<調製例8>
ジアミンとしてDDMの代わりにDDEt(1.07g;5.02×10-3mol)およびAPM−CH(2.74g;5.02×10-3mol)を用い、テトラカルボン酸二無水物としてCBDAの代わりにPMDA(2.19g;1.00×10-2mol)を用いたこと以外は、調製例7と同様にしてポリアミック酸ワニスA2を調製した。得られたポリアミック酸の重量平均分子量は60,000であった。
<調製例9>
調製例7で得られたポリアミック酸ワニスA1と、調製例8で得られたポリアミック酸ワニスA2とを、それぞれに含まれる重合体成分の重量比がA1:A2=9:1になるように混合してポリアミック酸ワニスA3を得た。
〔実施例1〕
調製例7で得られたポリアミック酸ワニスA1をスピンコート法によりガラス基板(松波スライドガラス、厚み1.0mm)上に塗布し、80℃で3分間予備焼成した後、110℃で30分間加熱(本焼成)することで重合体被膜を形成した。得られた重合体被膜のイミド化率は5%であった。イミド化率が100%未満であることから、重合体被膜の重合体分子鎖中にカルボキシル基を有することを確認した。
次に、調製例1で得られた重合性液晶組成物−1をスピンコート法により、ラビング等の表面処理を行っていない上記重合体被膜上に塗布し、70℃で3分間加熱することで溶剤を除去した。次いで、大気中、室温下で250Wの超高圧水銀灯を用いて30mW/cm2(365nm)の強度の光を30秒間塗膜に照射して重合性液晶化合物を重合させて
、外観透明な液晶フィルムを得た。
2枚の偏光板をクロスニコル状態にして、得られた液晶フィルムをはさんだところ暗視野であり、該液晶フィルムをフィルム面に対して垂直方向から傾斜させると位相差が確認されたことから、均一なホメオトロピック配向を有する液晶フィルムが得られたことを確認した。
〔実施例2〕
重合性液晶組成物−1の代わりに重合性液晶組成物−2を用いたこと以外は実施例1と同様にして行った。得られた液晶フィルムは外観透明であり、均一なホメオトロピック配向を有することを確認した。
〔実施例3〕
重合性液晶組成物−1の代わりに重合性液晶組成物−3を用いたこと以外は実施例1と同様にして行った。得られた液晶フィルムは外観透明であり、均一なホメオトロピック配向を有することを確認した。
〔実施例4〕
重合性液晶組成物−1の代わりに重合性液晶組成物−4を用いたこと以外は実施例1と同様にして行った。得られた液晶フィルムは外観透明であり、均一なホメオトロピック配向を有することを確認した。
〔実施例5〕
重合性液晶組成物−1の代わりに重合性液晶組成物−5を用いたこと以外は実施例1と同様にして行った。得られた液晶フィルムは外観透明であり、均一なホメオトロピック配向を有することを確認した。
〔実施例6〕
重合性液晶組成物−1の代わりに重合性液晶組成物−6を用いたこと以外は実施例1と同様にして行った。得られた液晶フィルムは外観透明であり、均一なホメオトロピック配向を有することを確認した。
〔実施例7〕
ポリアミック酸ワニスA1の代わりにポリアミック酸ワニスA3を用い、得られた重合体被膜のイミド化率が8%であったこと以外は実施例1と同様にして行った。得られた液晶フィルムは外観透明であり、均一なホメオトロピック配向を有することを確認した。
〔実施例8〕
重合性液晶組成物−1の代わりに重合性液晶組成物−2を用いたこと以外は実施例7と同様にして行った。得られた液晶フィルムは外観透明であり、均一なホメオトロピック配向を有することを確認した。
〔実施例9〕
重合性液晶組成物−1の代わりに重合性液晶組成物−4を用いたこと以外は実施例7と同様にして行った。得られた液晶フィルムは外観透明であり、均一なホメオトロピック配向を有することを確認した。
〔実施例10〕
ポリアミック酸ワニスA1からなる塗膜の本焼成温度を150℃で30分間とし、得られた重合体被膜のイミド化率が15%であったこと以外は実施例1と同様にして行った。得られた液晶フィルムは外観透明であり、均一なホメオトロピック配向を有することを確認した。
〔実施例11〕
重合性液晶組成物−1の代わりに重合性液晶組成物−2を用いたこと以外は実施例10と同様にして行った。得られた液晶フィルムは外観透明であり、均一なホメオトロピック配向を有することを確認した。
〔比較例1〕
重合性液晶組成物−1の代わりに、調製例1において化合物(1−1−5)を用いずに調製した重合性液晶組成物−1’を用いたこと以外は実施例1と同様にして液晶フィルムを作製したところ、液晶は配向せず、フィルムも白濁しており外観に問題があった。
〔比較例2〕
重合性液晶組成物−2の代わりに、調製例2において化合物(1−1−5)を用いずに調製した重合性液晶組成物−2’を用いたこと以外は実施例2と同様にして液晶フィルム
を作製したところ、液晶は配向せず、フィルムも白濁しており外観に問題があった。
〔比較例3〕
重合性液晶組成物−4の代わりに、調製例4において化合物(1−1−1)を用いずに調製した重合性液晶組成物−4’を用いたこと以外は実施例4と同様にして液晶フィルムを作製したところ、液晶は配向せず、フィルムも白濁しており外観に問題があった。
〔比較例4〕
重合性液晶組成物−5の代わりに、調製例5において化合物(1−2−1)を用いずに調製した重合性液晶組成物−5’を用いたこと以外は実施例5と同様にして同様にして液晶フィルムを作製したところ、液晶は配向せず、フィルムも白濁しており外観に問題があった。
〔比較例5〕
重合性液晶組成物−6の代わりに、調製例6において化合物(1−3−1)を用いずに調製した重合性液晶組成物−6’を用いたこと以外は実施例6と同様にして同様にして液晶フィルムを作製したところ、液晶は配向せず、フィルムも白濁しており外観に問題があった。
〔比較例6〕
ポリアミック酸ワニスA1からなる塗膜の本焼成温度を210℃で30分間行い、得られた重合体被膜のイミド化率は75%であったこと以外は実施例1と同様にして行い、液晶フィルムを作製したところ、液晶は配向せず、フィルムも白濁しており外観に問題があった。
〔実施例12〕
支持基材としてケン化処理TACフィルム(合樹産業(株)製、厚み80μm、水との接触角30°)上に、3−アミノプロピルトリエトキシシランの部分加水分解物であるチッソ(株)製「SF330」(50重量%水溶液を25重量%水溶液に希釈して用いた。)を、スピンコートにより塗布した。その後、100℃で3分間乾燥して重合体被膜を形成した。なお、重合体被膜が形成された基材表面の接触角は25°であった。次に、実施例1と同様にして重合性液晶組成物−1の塗工を行った。得られた液晶フィルムは外観透明であり、均一なホメオトロピック配向を有することを確認した。
〔実施例13〕
調製例2で得られた重合性液晶組成物−2を、ワイヤーバーを用いて、プラズマ処理により親水化処理したシクロオレフィン系樹脂(厚み50μm、ZEONORフィルム/ZEONOR1600R、日本ゼオン(株)製、特開2004−4641号公報参照)上に塗布した(ウェット厚み:12μm)。なお、表面の親水化処理(プラズマ処理)は、常圧プラズマ表面処理装置(AP−T02−L)を用いて行った。プラズマ放電条件は、特開2002−226616号公報に準じて設定した。親水化処理の度合いを、シクロオレフィン系樹脂基材上に滴下した純水の接触角(25℃)の測定により評価したところ、処理前が接触角97°、処理後が40°であった。次に、70℃で3分間ホットプレート上で加熱して溶剤を除去し、その後、大気中でUV照射を行って液晶フィルムを得た。得られた液晶フィルムは外観透明であり、均一なホメオトロピック配向を有することを確認した。
〔実施例14〕
調製例2において重合性液晶組成物−2の混合溶剤の混合比(重量比)をトルエン/シクロヘキサノン=2/1に変更して得られた重合性液晶組成物を用いたこと以外は実施例
13と同様にして行った。得られた液晶フィルムは外観透明であり、均一なホメオトロピック配向を有することを確認した。
〔実施例15〕
調製例2において重合性液晶組成物−2の混合溶剤をシクロヘキサノンのみに変更して得られた重合性液晶組成物を用いたこと以外は実施例13と同様にして行った。得られた液晶フィルムは外観透明であり、均一なホメオトロピック配向を有することを確認した。
〔比較例7〕
重合性液晶組成物−2の代わりに、調製例2において化合物(1−1−5)を用いずに調製した重合性液晶組成物−2’を用いたこと以外は実施例13と同様にして液晶フィルムを作製したところ、液晶は配向せず、フィルムも白濁しており外観に問題があった。
〔比較例8〕
調製例2において重合性液晶組成物−2の溶剤をトルエンのみに変更して得られた重合性液晶組成物を用いたこと以外は実施例13と同様にして液晶フィルムを作製したところ、ホメオトロピック配向の液晶フィルムを得ることができた。しかしながら、シクロオレフィン系樹脂基材の変形(カール)が確認され、支持基材が溶剤により侵食されたことが確認された。
上記実施例および比較例の結果から、分子末端に極性基を有する重合性液晶化合物を含む重合性液晶組成物を用い、かつ、溶剤として極性溶剤を含む溶剤を用いることにより、極性を有するように表面処理された支持基材上に、均一なホメオトロピック配向を有する液晶フィルムが得られることが確認された。

Claims (31)

  1. 式(1−1)〜式(1−3)で表される重合性液晶化合物の群から選ばれる少なくとも1つの化合物を含有する重合性液晶組成物を、極性の表面を有する支持基材上に塗布して重合することによって得られることを特徴とするホメオトロピック配向液晶フィルム。
    Figure 2007183580
    [式中、R1はメチルまたはエチルであり;Z1は単結合、−COO−、−OCO−、−CH=CH−COO−または−CH2CH2−COO−であり;Z2は−COO−または−O
    CO−であり;Yは独立して水素またはフッ素であり;Xは−OCF3または−CNであ
    り;wは0、1または2であり;aは1〜10の整数である。]
  2. 前記重合性液晶組成物が、前記式(1−1)〜式(1−3)で表される重合性液晶化合物の群から選ばれる少なくとも1つの化合物と、下記式(2−1)および式(2−2)で表される重合性液晶化合物の群から選ばれる少なくとも1つの化合物とを含有することを特徴とする請求項1に記載の液晶フィルム。
    Figure 2007183580
    [式中、R2は独立してメチルまたはエチルであり;Z3は単結合または−O−であり;Z4〜Z7は独立して−COO−、−OCO−、−CH2CH2COO−、−OCOCH2CH2−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=CH−、−CH2CH2−、−C≡C−、−CH2O−または−OCH2−であり;L1〜L4は独立して水素、フッ素、塩素、メチル、トリフルオロメチルまたはシアノであり;mは0〜10の整数であって、mが0のときZ3
    は単結合であり;nは0または1であり;A1は1,4−フェニレン、3−メチル−1,
    4−フェニレン、2−トリフルオロメチル−1,4−フェニレン、3−トリフルオロメチ
    ル−1,4−フェニレン、2,3−ビス(トリフルオロメチル)−1,4−フェニレン、3,5−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイル、3,5−ジメチルターフェニル−4,4”−ジイル、9−メチルフルオレン−2,7−ジイルまたは9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイルであり;A2は下記式で表される基のいずれか1つである。]
    Figure 2007183580
  3. 前記式(1−1)〜式(1−3)において、R1がメチルまたはエチルであり;Z1が単結合、−COO−または−OCO−であり;Z2が−COO−または−OCO−であり;
    Yが独立して水素またはフッ素であり;Xが−OCF3または−CNであり;wが0また
    は1であり;aが1〜10の整数であり、
    前記式(2−1)〜式(2−2)において、R2が独立してメチルまたはエチルであり
    ;Z3が単結合または−O−であり;Z4〜Z7が独立して−COO−、−OCO−、−C
    2CH2COO−、−OCOCH2CH2−、−CH=CHCOO−または−OCOCH=CH−であり;L1〜L4が独立して水素またはフッ素であり;mは0〜10の整数であって、mが0のときZ3は単結合であり;nが0または1であり;A1が1,4−フェニレン、3−メチル−1,4−フェニレン、2−トリフルオロメチル−1,4−フェニレン、3−トリフルオロメチル−1,4−フェニレン、2,3−ビス(トリフルオロメチル)−1,4−フェニレン、9−メチルフルオレン−2,7−ジイルまたは9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイルであり;A2が下記式で表される基のいずれか1つであることを
    特徴とする請求項2に記載の液晶フィルム。
    Figure 2007183580
  4. 前記式(1−1)〜式(1−3)において、R1がメチルまたはエチルであり;Z1が単結合、−COO−または−OCO−であり;Z2が−COO−または−OCO−であり;
    Yが独立して水素またはフッ素であり;Xが−OCF3または−CNであり;wが0また
    は1であり;aが1〜10の整数であり、
    前記式(2−1)〜式(2−2)において、Z3が単結合または−O−であり;Z4およびZ5が独立して−COO−、−OCO−、−CHCHCOO−、−OCOCH2CH2−、−CH=CHCOO−または−OCOCH=CH−であり;Z6およびZ7が独立し
    て−COO−、−OCO−、−CH2CH2COO−または−OCOCH2CH2−であり;L1〜L4が独立して水素またはフッ素であり;mは0〜10の整数であって、mが0のときZ3は単結合であり;nが0または1であり;A1が1,4−フェニレン、3−メチル−1,4−フェニレン、9−メチルフルオレン−2,7−ジイルまたは9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイルであり;A2が9−メチルフルオレン−2,7−ジイルまたは
    9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイルであることを特徴とする請求項2に記載の液晶フィルム。
  5. 前記式(1−1)〜式(1−3)において、R1がメチルまたはエチルであり;Z1が単結合、−COO−または−OCO−であり;Z2が−COO−または−OCO−であり;
    Yが独立して水素またはフッ素であり;Xが−OCF3または−CNであり;wが0また
    は1であり;aが1〜10の整数であり、
    前記式(2−1)〜式(2−2)において、Z3が単結合または−O−であり;Z4が−COO−であり;Z5が−OCO−であり;Z6が−COO−であり;Z7が−OCO−で
    あり;L1〜L4が独立して水素またはフッ素であり;mは0〜10の整数であって、mが0のときZ3は単結合であり;nが0または1であり;A1が1,4−フェニレン、3−メチル−1,4−フェニレン、9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、または9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイルであり;A2が9−メチルフルオレン−2,7−ジイ
    ルまたは9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイルであり、
    式(1−1)〜式(1−3)で表される化合物の割合が、式(1−1)〜式(1−3)で表される化合物と式(2−1)〜式(2−2)で表される化合物との合計量100重量%に対して3〜70重量%であることを特徴とする請求項2に記載の液晶フィルム。
  6. 前記式(1−1)〜式(1−3)において、R1がメチルまたはエチルであり;Z1が単結合、−COO−または−OCO−であり;Z2が−COO−または−OCO−であり;
    Yが独立して水素またはフッ素であり;Xが−OCF3または−CNであり;wが0また
    は1であり;aが1〜10の整数であり、
    前記式(2−1)において、mが0〜3の整数であり;nが0であり;Z3が単結合で
    あり;Z4が−COO−であり;L1およびL2が水素であり;A1が1,4−フェニレンであり、
    前記式(2−2)において、Z3が単結合または−O−であり;Z6が−COO−であり;Z7が−OCO−であり;L1〜L4が独立して水素またはフッ素であり;mは0〜10
    の整数であって、mが0のときZ3は単結合であり;nが0または1であり;A2が9−メチルフルオレン−2,7−ジイルであり、
    式(1−1)〜式(1−3)で表される化合物の割合が、式(1−1)〜式(1−3)で表される化合物と式(2−1)〜式(2−2)で表される化合物との合計量100重量%に対して5〜50重量%であることを特徴とする請求項2に記載の液晶フィルム。
  7. 前記式(2−2)中のmが4〜8の整数であり、かつ、式(1−1)〜式(1−3)で表される化合物の割合が、式(1−1)〜式(1−3)で表される化合物と式(2−1)〜式(2−2)で表される化合物との合計量100重量%に対して5〜35重量%であることを特徴とする請求項6に記載の液晶フィルム。
  8. 前記極性の表面を有する支持基材が、極性基を有する重合体による被膜処理、コロナ処理およびプラズマ処理のいずれかの方法によって表面処理された支持基材であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の液晶フィルム。
  9. 前記極性の表面を有する支持基材が、極性基を有する重合体による被膜処理、コロナ処理およびプラズマ処理のいずれか2つ以上の方法の組み合わせによって表面処理された支持基材であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の液晶フィルム。
  10. 前記極性基を有する重合体が、分子鎖中にカルボキシル基および/またはアミノ基を有することを特徴とする請求項8または9に記載の液晶フィルム。
  11. 前記極性基を有する重合体がポリイミド系重合体であることを特徴とする請求項8または9に記載の液晶フィルム。
  12. 前記ポリイミド系重合体が、ポリアミック酸、ポリアミック酸アミドおよびポリアミック酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1つの構成成分を含むことを特徴とする請求項11に記載の液晶フィルム。
  13. 前記ポリイミド系重合体がポリアミック酸であることを特徴とする請求項11に記載の液晶フィルム。
  14. 前記極性基を有する重合体が、アミノ基を有する水溶性シルセスキオキサン誘導体であることを特徴とする請求項8または9に記載の液晶フィルム。
  15. 前記アミノ基を有する水溶性シルセスキオキサン誘導体が、アミノ基を含む基と3つの加水分解性基とを有するケイ素化合物の部分加水分解物であることを特徴とする請求項14に記載の液晶フィルム。
  16. 前記アミノ基を有する水溶性シルセスキオキサン誘導体が、アミノ基を有するトリアルコキシシランの部分加水分解物であることを特徴とする請求項15に記載の液晶フィルム。
  17. 前記支持基材がガラス基板であることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の液晶フィルム。
  18. 前記支持基材がプラスティック基板であることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の液晶フィルム。
  19. 前記プラスティック基板が、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリケトンサルファイド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアリレート、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、セルロース、トリアセチルセルロース、トリアセチルセルロースの部分鹸化物、エポキシ樹脂、フェノール樹脂またはシクロオレフィン系樹脂からなることを特徴とする請求項18に記載の液晶フィルム。
  20. 前記重合性液晶組成物が溶剤を含み、該溶剤が溶剤全重量に対して5重量%以上の極性溶剤を含有することを特徴とする請求項1〜19のいずれか1項に記載の液晶フィルム。
  21. 前記極性溶剤が、ケトン類、アセテート類、エーテル類、セロソルブ類、エステル類およびアルコール類からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項20に記載の液晶フィルム。
  22. 請求項1に記載の重合性液晶組成物を、極性の表面を有する支持基材上に塗布して重合することによりホメオトロピック配向状態を形成することを特徴とするホメオトロピック配向液晶フィルムの製造方法。
  23. 前記極性の表面を有する支持基材が、極性基を有する重合体による被膜処理によって表面処理された支持基材であり、かつ、該被膜が、該重合体からなる塗膜を180℃以下の温度で焼成することにより形成されたものであることを特徴とする請求項22に記載の製造方法。
  24. 前記極性基を有する重合体が、イミド化率45%以下のポリイミド系重合体であることを特徴とする請求項23に記載の製造方法。
  25. 前記極性の表面を有する支持基材が、プラズマ処理を行ったシクロオレフィン系樹脂基材であることを特徴とする請求項22に記載の製造方法。
  26. 請求項1〜21のいずれか1項に記載のホメオトロピック配向液晶フィルムを有することを特徴とする光学補償素子。
  27. 請求項22〜25のいずれか1項に記載の方法により製造されたホメオトロピック配向液晶フィルムを有することを特徴とする光学補償素子。
  28. 請求項1〜21のいずれか1項に記載のホメオトロピック配向液晶フィルムと偏光板とを有することを特徴とする光学素子。
  29. 請求項22〜25のいずれか1項に記載の方法により製造されたホメオトロピック配向液晶フィルムと偏光板とを有することを特徴とする光学素子。
  30. 請求項26または27に記載の光学補償素子を液晶セルの内面または外面に有することを特徴とする液晶表示装置。
  31. 請求項28または29に記載の光学素子を液晶セルの外面に有することを特徴とする液
    晶表示装置。
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